新約 とある魔術の禁書目録(22)リバースレビュー
創約 とある魔術の禁書目録まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(2)レビュー
物語の概要
■ 作品概要
『創約 とある魔術の禁書目録』は、科学と魔術が混在する世界を描く大人気ライトノベルの第3部「創約」シリーズの開幕となる第1巻である。12月24日のクリスマスイヴ、人口の8割が学生という学園都市が舞台となる。平凡な高校生・上条当麻は補習を受けていたが、通信トラブルにより中断し、居候のインデックスや常盤台中学の行事から脱走してきた御坂美琴と共にダーツバーなどで自由なクリスマスを過ごそうとする。 一方、学園都市の新統括理事長となった第一位の超能力者・一方通行は、自らの過去の罪を裁くために自首し、鉄格子の中から学園都市の『暗部』を一掃する「オペレーション・ハンドカフス」を発動する。しかし、その決定に反発し暗部の存続を企む統括理事・根丘則斗は、インターネット経由で魔術を拡散する謎の巨大IT企業「R&Cオカルティクス」の力を借り、一方通行の弱点である打ち止め(ラストオーダー)を誘拐しようと暗躍する。上条たちは襲撃者である舞殿星見や黒幕の根丘に立ち向かい、科学と魔術が交差する新たな戦いが幕を開ける。
■ 主要キャラクター
- 上条当麻:あらゆる異能を打ち消す「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を右手に宿す高校生。クリスマスイヴを美琴たちと満喫しようとするが事件に巻き込まれ、重傷を負いながらも打ち止めや敵である舞殿すらも救うために奮闘する。
- インデックス:一〇万三〇〇一冊以上の魔道書を完全記憶する銀髪の少女。上条や美琴と共にダーツを楽しむが、その魔術の知識で根丘の不可解な術式の正体を見破り、上条をサポートする。
- 御坂美琴:学園都市第三位の超能力者「超電磁砲(レールガン)」。灰色の奉仕活動から逃げ出し、上条たちと行動を共にする中で、襲撃者である舞殿と高層ビルを舞台に激しい戦闘を繰り広げる。
- 一方通行(アクセラレータ):学園都市第一位の超能力者にして新統括理事長。自らの過去の罪を清算するために自首しつつ、その権限を行使して学園都市の「暗部」を一掃する計画を進める。
- 打ち止め(ラストオーダー):『妹達』の司令塔となるクローンの少女。暗部一掃に対する反発から根丘が送り込んだ刺客に狙われ、誘拐されてしまう。
- 舞殿星見(まいどのほしみ):根丘が送り込んだ暗部の始末屋で、サンタ衣装を着た少女。絶大な念動能力を持つが、能力の最適化の代償として箸が使えなくなるなどのコンプレックスを抱えている。
- 根丘則斗(ねおかのりと):学園都市の統括理事の一人で、暗部の存続を望む黒幕。科学サイドの重鎮でありながら、巨大IT企業「R&Cオカルティクス」から得た『魔術』を行使して上条たちを圧倒する。
- アンナ=シュプレンゲル:結末に登場する、古き魔術結社『薔薇』の重鎮にして伝説の魔術師。R&Cオカルティクスを操る張本人であり、上条の前に現れて宣戦布告を行う。
■ 物語の特徴
本作の最大の特徴は、ナンバリングを一新した「創約」編の始まりとして、一方通行が学園都市の統括理事長に就任し、「暗部」の完全一掃という大規模な変革に乗り出す点である。また、敵が科学サイドのトップ層(統括理事)でありながら、謎のインターネット企業「R&Cオカルティクス」を通じて拡散された『魔術』を操るという、科学と魔術の境界が崩れゆく予測不能な脅威が描かれている。上条と美琴たちがダーツバーで過ごす賑やかなクリスマスイヴの日常と、それを理不尽に破壊する容赦ない暗部の襲撃という激しいギャップも魅力的である。終盤には伝説の魔術師アンナ=シュプレンゲルが姿を現し、今後のさらなる壮大な展開を予感させる読者にとって非常に興味深い一冊となっている。
書籍情報
創約 とある魔術の禁書目録(1)
(A Certain Magical Index)
著者:鎌池 和馬 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:株式会社KADOKAWA(電撃文庫)
発売日:2020年2月7日
ISBN:9784049128093
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
新約を超え、新たに時代は創られる! 『創約』編、開幕!!
科学と魔術が混在する世界。
ここは、超能力をカリキュラムとする科学サイド最高峰の学園都市。人口の8割が学生というこの街で、ついに、あらゆる住人がウキウキソワソワする季節がやってきた!
クリスマス・イヴである。
街並みからして楽しげな喧噪を見せる中、平凡な落ちこぼれ少年・上条当麻もこのイベントに乗り遅れまいと! 補習に勤しんでいた……。
デフォルトの不幸体質野郎を尻目に、彼の寮に居候する銀髪シスター・インデックスはいつもと違う心躍る光景に、新たな食いしん坊スキルを発動!? それを必死で止めようとする上条の前には、イヴの空気にやられた御坂美琴まで現れて、『創約』編は賑やかに開幕する!!
感想
新シリーズの始まりとなる本巻は、クリスマスイヴの学園都市を舞台に、これまでの激しい戦いを忘れさせるような賑やかな日常から幕を開ける。
上条当麻、インデックス、御坂美琴がクリスマスらしい時間を過ごそうとする姿は、見ていて微笑ましい。
しかし、その裏側では新統括理事長となった一方通行が、学園都市の暗部を根本から変えるための計画を進めている。
明るい日常と、後戻りのできない改革。
この二つが同時に進行することで、物語に強い緊張感が生まれていた。
特に印象に残ったのは、一方通行が自分の過去から逃げず、自ら罰を受ける道を選んだことである。
権力の頂点に立った人物が、自由を得るのではなく、自分から鉄格子の中へ入る。
その姿はあまりにも不器用で、それでも彼らしいものだった。
クリスマスイヴに始まる賑やかな日常
物語の序盤では、クリスマスイヴで賑わう学園都市が描かれる。
常盤台中学では、御坂美琴たちが野外特別奉仕活動として、深夜の街でゴミ拾いをさせられていた。
誰もが浮かれるクリスマスでありながら、名門校の生徒たちは寒空の下で厳しい学校行事に参加している。
美琴が自由なクリスマスを求めて脱走を計画する気持ちもよく分かる。
食蜂操祈と一時的に協力し、監視する教師たちの目を欺いて逃げ出す展開は、緊迫感がありながらも非常にコミカルだった。
しかも、美琴は食蜂を利用するだけ利用し、最後にはビルの屋上へ置き去りにして一人で逃げてしまう。
普段は犬猿の仲である二人らしいやり取りに、思わず笑ってしまった。
自由を手にした美琴が、クリスマスに何をしたいのか考えた時、自然と上条の姿を思い浮かべる場面も印象的だった。
本人は必死に否定しているが、誰と時間を過ごしたいのかはすでに決まっているように見える。
そんなところへ、薄い布しか身につけていない少女を抱えた上条が走ってくる。
美琴から見れば、クリスマスイヴに想い人が全裸同然の少女を抱えて現れたことになる。
怒りや混乱が爆発するのも無理はない。
新シリーズの冒頭から、いつもの『とある魔術の禁書目録』らしい騒がしさが全開だった。
灰色のクリスマスを過ごす者同士
翌日、上条はインデックスと共にクリスマスを楽しもうとする。
本来なら小萌先生の補習を受ける予定だったが、通信機器のトラブルによって授業が中断される。
さらに小萌先生が自宅におらず、どこへ出かけたのかも分からない。
留年の危機を抱えながら、どうすることもできなくなった上条は、すべてを忘れてクリスマスを楽しむことにする。
一方、美琴も学校の奉仕活動から逃げ出し、教師や生徒たちに追われていた。
そんな二人が出会い、お互いに自由のない灰色のクリスマスを過ごしていたと知る。
ここで上条が美琴の手を握り、世界のすべてを敵に回してでも楽しいクリスマスにしようと宣言する場面が面白かった。
上条に深い恋愛的な意図はないのだろう。
自分と同じように寂しい時間を過ごしている人を見つけ、放っておけなかっただけだと思う。
しかし、美琴からすれば突然手を握られ、クリスマスを一緒に過ごす約束をされたようなものである。
顔を赤くして動揺する姿が可愛らしかった。
上条、インデックス、美琴の三人は、クリスマスらしいことを求めてダーツバーへ向かう。
誰もクリスマスの正しい過ごし方を知らないまま、とりあえず赤い衣装を着て外国風の遊びをする。
その行き当たりばったりな感じが、この三人らしい。
ダーツ勝負の中にある平穏
ダーツバーでは、美琴が上条とインデックスへルールを説明する。
上条はほとんど知識がなく、中心へ投げればよいと思っている。
一方、インデックスは完全記憶能力を使い、美琴の動きを見ただけで投げ方を覚えていく。
魔道書図書館としての能力が、ダーツの上達に使われる展開には笑ってしまった。
三人は、バーストした者が罰ゲームの衣装を着るという独自ルールを作る。
上条はトナカイの着ぐるみを着せられ、美琴は南国風のサンタ衣装を押しつけられる。
さらに更衣室を勘違いしたことで、上条が着替え中の美琴を目撃してしまう。
事件が起こる前の、ただ騒いで遊んでいるだけの時間である。
これまで命懸けの戦いを繰り返してきた彼らが、普通の少年少女としてクリスマスを楽しんでいる。
この平和な日常があったからこそ、その後の襲撃がより恐ろしく感じられた。
日常を守るために戦う物語では、その日常がどれだけ大切なものなのかを先に描く必要がある。
本巻では、ダーツや食事を楽しむ場面が丁寧に描かれているため、失われかける平穏の重さが伝わってきた。
新統括理事長となった一方通行
物語の裏側では、一方通行が新統括理事長として動き始めている。
学園都市第一位の超能力者。
旧来の暗部に深く関わり、多くの命を奪ってきた人物。
その一方通行が、今度は学園都市全体を統括する立場に就いている。
圧倒的な武力と権力を手にしたことで、誰にも止められない存在になったように見える。
しかし彼が選んだ場所は、豪華な執務室ではない。
窓もなく、外の時間すら分からない閉ざされた部屋である。
世界のすべてを手に入れたような立場でありながら、自分から自由を捨てる。
一方通行は、力や権力を手に入れたからといって幸せになれる人物ではないのだと思う。
彼の中には、自分が過去に犯した罪への嫌悪が残り続けている。
統括理事長になったからこそ、その罪をなかったことにはできない。
むしろ、自分に権力があるうちに、過去の自分も含めて学園都市の暗部を裁こうとしている。
その決断が、オペレーション・ハンドカフスだった。
暗部を一掃するオペレーション・ハンドカフス
オペレーション・ハンドカフスは、学園都市に存在する暗部を一掃するための計画である。
これまでの学園都市では、非合法な研究や人体実験、暗殺、証拠隠滅が当たり前のように行われてきた。
多くの子どもたちが、大人の都合によって利用され、傷つけられている。
一方通行自身も、その暗部によって作られた存在の一人である。
彼は、暗部を残したまま表面だけを変えるつもりはない。
自分に従う組織だけを残すのでもない。
例外を作らず、暗部に関わった者を裁こうとしている。
その最初の対象として、一方通行は自分自身を選ぶ。
彼は黄泉川愛穂の前で、自らが一万人以上の「妹達」を殺害したことを告白する。
そして警備員へ自首し、検察へ送るよう命じる。
この場面には強く胸を打たれた。
統括理事長の権限を使えば、過去の事件を隠すこともできる。
自分だけを罪に問わない制度を作ることもできるだろう。
しかし、それでは学園都市は変わらない。
頂点にいる人物だけが特別扱いされれば、暗部にいる者たちも自分たちの罪を隠そうとする。
だから一方通行は、自分が最初に裁かれる必要があると考えた。
口先だけで正義を語るのではなく、自分の人生を差し出して新しいルールを示す。
あまりにも重く、不器用な贖罪だった。
一万一〇〇〇年という刑罰
黄泉川の計算では、一方通行が犯した罪を懲役に換算すれば、一万一〇〇〇年ほどになる。
現実的には、人間が服役できる期間ではない。
一方通行が生涯をかけても償いきれない罪である。
それでも彼は、一人につき一年程度では軽すぎると受け止める。
自分が犯したことの重さを理解しているからこそ、減刑や恩赦を求めようとしない。
特に印象的だったのは、一方通行が自分の処罰を「妹達」を救うためにも利用しようとしていることである。
事件が公になれば、違法に作られたクローンである「妹達」の存在も世界へ知られる。
場合によっては、危険な存在として処分される可能性もある。
しかし一方通行は、彼女たちを永遠に隠し続ける方が危険だと考える。
純粋な被害者である「妹達」が、堂々と日向を歩ける世界を作ろうとしている。
そのために、自分が最大の悪人として世間の注目と批判を引き受ける。
統括理事長であり、学園都市第一位でもある自分の罪を大きく報道させれば、人々の関心は一方通行へ集中する。
その間に「妹達」の存在を社会へ定着させようとしている。
自分の処罰さえ、彼女たちを守るための手段に変える。
一方通行らしい、徹底した自己犠牲だった。
打ち止めが狙われる残酷さ
暗部を一掃されれば、これまで利益を得ていた者たちはすべてを失う。
当然、一方通行の改革に反発する勢力も現れる。
彼らが狙ったのは、一方通行の最大の弱点である打ち止めだった。
一方通行を直接倒すのは難しい。
統括理事長としての決断を撤回させるためには、彼が最も大切にしている少女を人質にすればよい。
その卑劣な発想には強い憤りを覚えた。
打ち止めは、一方通行の過去の罪とは関係がない。
むしろ「妹達」の一人として、大人たちの計画に利用された被害者である。
それにもかかわらず、再び大人たちの利権争いへ巻き込まれてしまう。
暗部の存続を望む者たちは、自分たちが生き残るためなら、何度でも子どもを利用する。
一方通行が暗部を根絶しようとする理由が、この襲撃だけでもよく分かる。
檻から出ない一方通行の覚悟
打ち止めが襲われていると知れば、一方通行は今すぐにでも飛び出したかったはずである。
第一位の力を使えば、敵を力ずくで排除することもできる。
しかし彼は檻から出ない。
自分だけが特別に外へ出れば、暗部を裁く計画に例外が生まれるからである。
「大切な者を守るためなら仕方がない」という例外を一度認めれば、他の者たちも同じ理由を使って罪を逃れようとする。
一方通行は、それを許さない。
どれほど打ち止めが心配でも、自分の決めたルールを破らない。
その代わりに、学園都市そのものを信じる。
警備員や風紀委員、上条や美琴のような人々が、打ち止めを守ってくれると信じて檻に留まる。
これまでの一方通行は、自分の力だけで問題を解決しようとしてきた。
他人を信用せず、自分が最強であれば守れると考えていた。
しかし統括理事長となった彼は、自分の街と、そこに暮らす人々へ未来を託す。
これは彼にとって、敵と戦う以上に難しい選択だったのではないだろうか。
舞殿星見の抱えていた喪失
打ち止めを狙った実行犯の一人が、舞殿星見である。
彼女は念動能力を使い、車両や建物、地面まで自在に動かす。
非常に強力な能力者であり、上条たちを何度も追い詰める。
しかし、彼女も最初から暗部を望んでいたわけではない。
能力を最適化する処置によって、両手の人差し指以外を自由に使うための情報を失っている。
箸の持ち方さえ分からない。
学校では普通の生徒を装っていたが、誰かと一緒に食事をすれば、自分の異常を知られてしまう。
普通の生活へ戻りたい。
友人と食事をしたい。
そのような願いを抱きながら、自分には暗部しか居場所がないと思い込んでいる。
彼女が暗部の存続を望んだ理由も、単なる悪意ではなかった。
暗部が消えれば、自分のような存在は居場所を失う。
表の世界で普通に生きられない者にとって、暗部は苦しくても最後の逃げ場だった。
しかし、その逃げ場を守るために打ち止めを誘拐し、上条や美琴を殺そうとする。
被害者だった彼女が、別の誰かを傷つける加害者へ変わってしまっている。
その悲しさが印象に残った。
上条が舞殿へ語る失ったものとの向き合い方
舞殿と上条の戦いで心に残ったのは、上条が自分の記憶について語る場面である。
上条は、夏以前の十五年間の記憶を失っている。
自分がどのような子どもだったのか。
誰と出会い、どのように過ごしてきたのか。
そのすべてを思い出すことができない。
舞殿が失ったものより、単純な量だけでいえば、上条の喪失の方が大きいかもしれない。
しかし上条は、記憶を失ったことを理由に誰かを傷つけようとはしない。
失ったものに縛られ続けるのではなく、今目の前にいるインデックスや美琴たちとの時間を大切にしている。
彼は舞殿に、何かを奪われたことは、他人から何かを奪ってよい理由にはならないと突きつける。
過去に傷つけられたから。
居場所を奪われたから。
普通の生活ができなくなったから。
その苦しみは本物である。
それでも、無関係な少女を誘拐してよい理由にはならない。
上条は舞殿を否定するだけではなく、彼女を暗部に縛りつける思い込みまで壊そうとする。
血まみれになっても敵を救おうとする上条
上条は、舞殿によって脇腹を刺される。
傷口を縫われた後も安静にせず、打ち止めを助けるために戦場へ戻る。
建物を押し潰され、瓦礫や爆発を受け、全身から血を流しながらも前へ進む。
この泥臭さこそ、上条当麻の魅力だと思う。
彼は最強ではない。
身体能力も、学園都市の能力者と比べれば普通の高校生に近い。
右手の幻想殺しも、直接触れられる異能しか打ち消せない。
それでも、目の前で誰かが苦しんでいれば立ち上がる。
打ち止めを救うだけなら、舞殿を倒して放置してもよい。
しかし上条は、舞殿自身も暗部から助けようとする。
箸が使えなくても。
罪を犯して刑務所へ入ることになっても。
それでも見捨てないと言い切る。
罪をなかったことにはしない。
しかし罪を犯した者の未来まで奪う必要はない。
この考え方は、一方通行が自ら罰を受けながら新しい未来を作ろうとする姿とも重なっていた。
黒幕である根丘則斗
舞殿の背後にいた黒幕は、統括理事の一人である根丘則斗だった。
彼は暗部の利権へ深く関わっており、オペレーション・ハンドカフスが実行されれば大きな損害を受ける。
そのため、一方通行を屈服させる目的で打ち止めを狙っていた。
根丘は、もともと救助活動へ関わっていた人物でもある。
多くの人を救いながら、救助された者たちが周囲から責められ、居場所を失っていく現実を見てきた。
なぜ危険な場所へ行ったのか。
なぜ事件へ巻き込まれたのか。
本人にも責任があるのではないか。
助けられた被害者が、周囲の無責任な言葉によってさらに傷つけられる。
根丘は、そうした人々が誰にも見られず傷を癒やせる場所として、暗部を必要だと考えていた。
彼にとって暗部は、単なる犯罪組織ではない。
表の世界で生きられない者を守る、優しい暗闇だった。
その考えには、理解できる部分もある。
光の当たる場所が、必ずしもすべての人に優しいとは限らない。
正しさを押しつける社会から、逃げられる場所が必要な人もいる。
しかし根丘は、その場所を守るために新しい被害者を生み出した。
打ち止めを誘拐する。
舞殿を道具として使う。
自分の利益を守るために、多くの人を傷つける。
人を救うための暗闇を守ろうとして、自分自身が暗部の怪物へ変わってしまった。
根丘が使う正体不明の力
根丘は、大人でありながら複数の異能を使う。
火、水、風、土。
さらには蝶や光を使った攻撃まで操る。
学園都市の能力開発では、一人の能力者が複数の系統を自由に使うことは基本的にできない。
根丘は自分の力を科学的な理論で説明しようとする。
しかし、インデックスは彼の言葉の中にある金属名や数字から、その正体を見抜く。
根丘が使っていたものは、科学ではなく魔術だった。
科学の街である学園都市の内部へ、魔術が入り込んでいる。
しかも、特別な修行を積んだ魔術師だけが使っているのではない。
インターネットを通じて、魔術の知識が一般人へ広められている。
この展開には強い不気味さを感じた。
これまで魔術は、限られた組織や魔術師たちが秘密裏に扱うものだった。
しかし本巻では、ネット上の占いや悩み相談、個人向けの情報として魔術が拡散されている。
誰でも検索できる。
誰でも試せる。
正しい知識も危険性も知らない人が、簡単に異能へ手を伸ばしてしまう。
科学と魔術の境界が、これまで以上に曖昧になっていた。
R&Cオカルティクスという新たな脅威
魔術をインターネット上へ拡散しているのが、R&Cオカルティクスである。
表向きは、占いや悩み相談などを扱う巨大IT企業のように見える。
しかし実際には、魔女薬や霊装、魔術の使い方まで広く公開している。
本来なら秘匿される魔術を、誰でも利用できる情報へ変えている。
これは非常に危険なことだと思う。
魔術の知識が正確に伝わっているとは限らない。
使用者がどのような代償を払うのかも分からない。
能力者が魔術を使えば、肉体に深刻な反動が起こる可能性もある。
それでも、力を求める人間は情報へ手を伸ばす。
普通の大人が、インターネットを見ただけで異能を使えるようになる。
これまで科学と魔術は、それぞれ別の勢力として対立していた。
しかしR&Cオカルティクスは、その境界を無視して一般社会へ魔術を流し込んでいる。
誰が味方で誰が敵なのか。
どこから事件が起きるのか。
これまで以上に予測できない時代が始まったように感じた。
一方通行が学園都市を信じる瞬間
根丘との戦いを終わらせたのは、一方通行ではない。
上条、美琴、インデックス、御坂妹、黄泉川たちである。
警備員や救急隊員、医師、普通の市民たちも、それぞれ自分にできることを行う。
一人の最強がすべてを解決したのではない。
多くの人が少しずつ役割を果たし、打ち止めと街を守った。
一方通行は、檻の中からその結末を見届ける。
そして、自分が治めようとしている学園都市には信じる価値があると知る。
この場面には心を動かされた。
これまでの学園都市は、子どもを利用する大人や、非道な研究ばかりが目立っていた。
しかし、それだけがこの街のすべてではない。
命を懸けて子どもを守ろうとする教師もいる。
見知らぬ相手のために戦う少年もいる。
危険を承知で救助へ向かう人々もいる。
一方通行は、学園都市を壊すのではなく、信じられる街へ作り変えようとしている。
自分一人の力ではなく、街に暮らす人々の善意を信じる。
新統括理事長としての彼の第一歩が、ここでようやく始まったのだと思う。
扉越しに交わされる打ち止めとの約束
事件が終わった後、打ち止めは一方通行のいる場所を訪れる。
二人は扉越しに言葉を交わす。
一方通行は、自分が選んだ道へ打ち止めまで巻き込もうとはしない。
彼女の人生は彼女自身のものであり、自分に付き合う必要はないと伝える。
しかし打ち止めは、自分の意思で毎日会いに行くと決める。
一方通行がどれほど自分を突き放そうとしても、彼女はそばにいることを選ぶ。
一方通行は、それを強く喜ぶことも、拒絶することもしない。
期待はしないとだけ答える。
その素直になれない返事が、非常に彼らしかった。
一方通行は、自分を白い怪物として扱い続けようとする。
しかし打ち止めにとって、彼はただの怪物ではない。
自分を守り、一緒に暮らしてきた大切な存在である。
一方通行が過去の罪を償うことと、彼が誰かに愛されることは両立してよい。
この関係が、彼の長い贖罪を支えていくのだと思う。
アンナ=シュプレンゲルの正体
根丘との戦いが終わり、物語は一度落ち着いたように見える。
上条は重傷を負いながらも生き残り、インデックスや美琴と共に雪の降る街へ戻る。
閉店したと思っていたラーメン屋の店主とも再会し、来年への小さな希望を感じる。
このまま穏やかなクリスマスで終わるのかと思った。
しかし、前日に出会った裸同然の少女が再び現れる。
彼女はスマートフォンを操作し、R&Cオカルティクスのサイトを更新する。
つまり、世界中へ魔術を広めていた企業の背後にいる存在だった。
さらに彼女は、黒い丸薬を口にする。
すると、幼い少女だった姿が、薔薇の意匠をまとった大人の美女へ変わる。
あまりにも突然の変化に、「幼女ではなかったのか」と思わず突っ込みたくなった。
その正体は、アンナ=シュプレンゲル。
古い魔術結社と深い関わりを持ち、黄金夜明の創設にも影響を与えたとされる伝説的な魔術師である。
オティヌスでさえ警戒するほどの存在が、最初から上条のすぐそばにいた。
クリスマスの騒動を楽しむように眺めながら、R&Cオカルティクスを動かしていた。
その得体の知れなさが恐ろしかった。
記憶のない上条へ近づくアンナ
アンナは上条を、記憶のない自分の敵と呼ぶ。
上条本人には、彼女と戦った記憶などない。
それでもアンナは、上条の行動を観察し、強い興味を抱いている。
最後には上条の首へ腕を回し、黒い丸薬を口移しする。
新シリーズの始まりとは思えないほど、強烈で不穏な終わり方だった。
アンナが何を目的としているのかは、まだ分からない。
上条を殺そうとしているのか。
利用しようとしているのか。
成長を楽しんでいるのか。
あるいは、それらすべてなのかもしれない。
彼女は、これまでの敵とは違う。
巨大な計画を隠して遠くから動かすだけではなく、自分から上条の前へ現れ、近い距離で反応を楽しんでいる。
親しげに見えるからこそ恐ろしい。
敵意をむき出しにする相手よりも、笑顔で近づいてくる相手の方が何を考えているのか分からない。
新シリーズの中心となる脅威として、強烈な印象を残していた。
正しさだけでは救えない人々
本巻を読んで考えさせられたのは、正しい社会を作ることの難しさである。
一方通行は、暗部を一掃しようとする。
罪を犯した者を正しく裁き、被害者が日向を歩ける街を作ろうとしている。
その考えは正しい。
しかし舞殿や根丘のように、暗部にしか居場所を見つけられなかった人間もいる。
暗部をなくせば、彼らの逃げ場まで消えてしまう。
だからといって、暗部を残せば新しい被害者が生まれる。
どちらか一方を選べば、すべてが解決するわけではない。
一方通行も、その難しさを理解している。
だからこそ、自分を裁くだけで終わらせず、新しい学園都市を作ろうとしている。
罪を隠す暗闇ではなく、傷ついた人が責められずに生きられる場所を作る。
根丘が本当に目指すべきだったのも、そのような街だったのだと思う。
悪人を倒せば終わりではない。
人が暗部へ逃げ込まなくても生きられる社会を作らなければ、同じ問題は何度でも繰り返される。
新シリーズの第1巻から、非常に重いテーマが提示されていた。
新しい時代へ進むための一冊
『創約 とある魔術の禁書目録 1』は、賑やかなクリスマスの物語でありながら、学園都市全体が新しい時代へ進む転換点を描いた一冊だった。
上条、インデックス、美琴がダーツを楽しむ日常。
一方通行が自らの罪を告白し、鉄格子の中へ入る決断。
打ち止めを狙う暗部の反撃。
普通の生活を失った舞殿の苦しみ。
人を救うための暗闇に固執し、怪物へ変わった根丘。
そして、世界中へ魔術を拡散するアンナ=シュプレンゲル。
多くの出来事が描かれているが、中心にあるのは「失ったものとどう向き合うのか」という問題だったように感じる。
一方通行は、過去の罪から逃げずに罰を受ける。
上条は、失った記憶に縛られず、今の仲間と生きる。
舞殿は、失った日常を理由に他人を傷つける。
根丘は、救えなかった人々への思いから暗部へ執着する。
同じように喪失を抱えていても、選ぶ道によって未来は大きく変わる。
特に一方通行の決断には、強く胸を打たれた。
彼の罪が消えるわけではない。
許されるかどうかも分からない。
それでも、何もしないまま権力の座に座るのではなく、自分から最初の一歩を踏み出した。
その不器用で苛烈な贖罪を、上条や打ち止めたちが別の場所から支えている。
この関係性が、本巻の大きな魅力だった。
そして最後には、アンナ=シュプレンゲルという予測不能な存在が現れる。
幼い少女から大人の美女へ変わるだけでも驚きなのに、R&Cオカルティクスを通じて世界中へ魔術を広めている。
科学の街へ魔術がどのように浸透していくのか。
一方通行が進める学園都市の改革は成功するのか。
上条とアンナの間には、どのような因縁があるのか。
新シリーズの幕開けにふさわしい驚きと熱さを備えた一冊だった。
次巻で、アンナが上条たちへどのような脅威をもたらすのか、今後の展開がますます楽しみである。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
新約 とある魔術の禁書目録(22)リバースレビュー
創約 とある魔術の禁書目録まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(2)レビュー
考察・解説
常盤台中学の奉仕活動
常盤台中学の野外特別奉仕活動の全貌
『創約 とある魔術の禁書目録 (1)』に登場する、常盤台中学の「野外特別奉仕活動」について、野外特別奉仕活動の概要、過酷な環境と生徒たちの様子、厳重な監視体制、および美琴と食蜂の脱走の各点から解説する。
野外特別奉仕活動の概要
名門である常盤台中学において、12月24日に行われる伝統的な季節行事である。
・歴史と伝統ある同校において、クリスマスとは厳かで静粛かつ清らかな日と定義されており、世間のような浮かれ気分は一切許されていない。
・活動内容は、寒空の下で24時間ひたすら街を練り歩いてゴミ拾いを続けるという、24時間耐久ウォークラリーのような性質を持つ。
・御坂美琴が義務教育の範疇を超えていると評するほど、過酷で灰色の行事となっている。
過酷な環境と生徒たちの様子
物語の舞台となるクリスマスイヴの深夜は、横殴りの雪が降る氷点下の環境であった。
・生徒たちはブレザーの制服の上に分厚いダッフルコートを着て参加するが、下はミニスカートのままであり、美琴は生脚の寒さに強い不満をこぼしている。
・道中では、融雪機能付きの清掃ロボットが見逃した食べかけのパンなどのゴミをトングで拾い集める、極めて過酷な作業が強行される。
厳重な監視体制
年に一度のクリスマスをこのような行事で潰されるため脱走を企てる生徒も存在するが、教師陣はそれを防ぐための厳重な監視網を構築している。
・引率の教師たちは、胸元のネクタイピンに仕込んだ小型カメラレンズやモバイルグラスを併用し、人間の目と機械の目で生徒の死角を徹底的に潰しにかかる。
・空間移動の能力を持つ風紀委員である白井黒子なども同行しているため、並の生徒が逃げ出すことは不可能に近い構造となっている。
美琴と食蜂の脱走
刑務所のような灰色の行事に耐えかねた御坂美琴は、監視網を突破するため、普段は犬猿の仲である第五位の超能力者・食蜂操祈と一時的に共闘する道を選択した。
・機械に強い美琴と精神に強い食蜂が協力し、教師や黒子たちの認識を誤らせる工作を行った。
・二人は過酷な奉仕活動からの脱走を成功させるに至った。
まとめ
常盤台中学の野外特別奉仕活動を巡る一連の全貌は、名門校の厳格な理念に基づく清掃行事の実施から始まり、氷点下の環境で行われる過酷な作業実態、機械と能力者を動員した隙のない監視網、そして第三位と第五位の超能力者による脱走劇に至るまで、その歩みを明瞭に示している。学校側の過剰な拘束や抑圧という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、能力の行使と理不尽への抗いの記録である。行事の開校から、環境の苛烈さ、監視の徹底、協力体制の構築、そして脱走の達成へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
奉仕活動と脱走
御坂美琴の奉仕活動脱走劇の全貌
『創約 とある魔術の禁書目録 (1)』の序盤において描かれた、御坂美琴の「野外特別奉仕活動」からの脱走劇について、常盤台中学の野外特別奉仕活動、白井黒子の妄想と脱走の決意、食蜂操祈との共闘と監視網の突破、および置き去りと自由なクリスマスの各点から解説する。
常盤台中学の野外特別奉仕活動
12月24日のクリスマスイヴ、人口の8割が学生である学園都市が浮き立つ中、名門・常盤台中学の生徒たちは寒空の下で野外特別奉仕活動を行っていた。
・24時間耐久ウォークラリーのようにひたすら街のゴミ拾いをするという、義務教育の範疇を超えた過酷で灰色の行事である。
・年に一度の特別な日を刑務所のような行事で潰されることに不満を抱いていた御坂美琴は、迷子のふりをして監視網から脱走するチャンスをうかがっていた。
白井黒子の妄想と脱走の決意
美琴は当初、ルームメイトの白井黒子との楽しいクリスマスを無下にして自分だけ逃げ出して良いのかと少しの罪悪感を抱いていた。
・隣を歩く黒子が、先生の厳戒態勢による疑似監禁状態を利用して美琴を縛り上げて五感を奪い大人の階段どころか人間を辞めちゃう壁を突き破る、というとんでもない妄想を呟いているのを耳にした。
・その言葉を聞いた美琴は、即座に脱走を決断した。
食蜂操祈との共闘と監視網の突破
常盤台の教師たちは、ネクタイピンのカメラやモバイルグラスを用いて生徒の死角を潰す厳重な監視網を敷いていた。
・美琴は、同じく脱走を企んでいた第五位の超能力者・食蜂操祈と一時的に手を組んだ。
・食蜂は心理掌握を用いて、板チョコの空き箱を本物のリモコンだと誤認させるなどして教師や黒子を混乱させた。
・その隙に美琴は自分たちのGPS発信機を外し、食蜂の腰を抱えて磁力でビルの屋上へと跳躍し、見事に監視網を突破した。
置き去りと自由なクリスマス
ビルの屋上へ逃れた二人であったが、犬猿の仲である二人の協力関係が長く続くはずもなかった。
・美琴は最初から、適当に逃げ切ったら縁を切って一人で逃げる、つもりであった。
・飛べない食蜂を屋上に置き去りにし、自分は磁力でビルからビルへと飛び移って逃走した。
・食蜂の怒りの叫びを背に受けながらも、美琴は圧倒的な解放感を胸に地上へ降り立ち、オトナたちに管理されない自由なクリスマスを満喫し始めることとなった。
まとめ
御坂美琴の奉仕活動脱走劇を巡る一連の全貌は、過酷な名門校の伝統行事の全容から始まり、白井黒子の過激な妄想による脱走の決意、食蜂操祈との共同作戦による精密な監視網の打倒、そして共闘相手の置き去りと完全な自由の獲得に至るまで、その歩みを明瞭に示している。管理された日常や不条理な抑圧という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、機転と超能力の行使による解放の記録である。行事への不満から、決断の瞬間、能力の連携、ライバルの置き去り、そして自由な時間の獲得へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
新統括理事長一方通行
新統括理事長一方通行の動向と真意の全貌
『新約 とある魔術の禁書目録 (22)リバース』終盤から『創約 とある魔術の禁書目録』にかけて描かれる、学園都市の新統括理事長となった一方通行(アクセラレータ)の動向やその真意について、新統括理事長への就任経緯、オペレーション・ハンドカフスと異例の自首、真の目的と妹達への贖罪、ならびにアレイスターとの決別と信じる道の各点から解説する。
新統括理事長への就任経緯
大悪魔コロンゾンとのイギリスを中心とした全面戦争の終盤、学園都市の創設者にして統括理事長であったアレイスター=クロウリーは、一方通行へ学園都市の全権を握るコードリストが入った端末を託した。
・アレイスターが表舞台から姿を消した後、統括理事会の面々が次期理事長の座を巡って暗躍し始めた。
・会議の場へ一方通行が乗り込み、自らが新たな統括理事長であることを宣言して学園都市の頂点に立った。
オペレーション・ハンドカフスと異例の自首
『創約』の第1巻において、新統括理事長となった一方通行は、長年人々を苦しめてきた学園都市の暗部を完全に一掃する計画「オペレーション・ハンドカフス」を発動した。
・暗部を完全に裁くには一切の例外を作らないことが不可欠だと考えた。
・かつて妹達を一万人以上殺害し、自らも暗部に身を置いていた自分自身を最初の裁きの対象とした。
・警備員の黄泉川愛穂の元へみずから自首し、鉄格子の中から学園都市の全権を掌握し街を動かすという前代未聞の統治体制をとった。
・少年法や捜査協力を加味しても、彼には懲役一万一〇〇〇年以上の刑が必要だと試算されている。
真の目的と妹達への贖罪
彼が自ら檻に入った最大の理由は、妹達に安全な人生を与えるためであった。
・事件を洗いざらい話せば、国際条約に違反して作られたクローン人間である妹達の存在が世間に露見し、危険視されて処分される可能性があった。
・第一位の超能力者にして統括理事長という権力の頂点にいる自分がイカれた大量殺人鬼としてマスコミや世間の注目と非難を一身に集めた。
・強烈なサンドバッグになることで妹達に向けられるインパクトを薄れさせようと目論んだ。
・世間の関心が薄れるまでの時間を稼ぎ、彼女たちが自由に日向を歩ける安全な世界を作ることこそが真の狙いであった。
アレイスターとの決別と信じる道
暗部一掃の強行に対し、暗部の存続を望む統括理事・根丘則斗らは猛反発し、一方通行の最大の弱点である打ち止め(ラストオーダー)を誘拐するという凶行に出た。
・圧倒的な力を持つ一方通行が鉄格子を破って助けに行けば事態は一瞬で解決したはずであったが、自らルールを破って例外となってしまえばアレイスター時代と同じ世界に逆戻りしてしまう。
・己の暴力的な衝動を必死に抑え込み、自分が治める学園都市を信じるという苦難の道を選んだ。
・上条当麻や御坂美琴らの奮闘、警備員から一般市民に至るまでの多くの人々の行動によって事態は解決へ導かれ、一方通行は自分の選んだ道と学園都市が信用に値することを確信した。
・押し付けられた白い怪物という名を返上し、本当の最強になるための孤独な戦いを続けていくこととなった。
まとめ
新統括理事長一方通行の動向と真意を巡る一連の全貌は、前理事長からの権限移譲と暗部一掃の決意から始まり、自首による鉄格子からの前代未聞の全権統治、妹達を防盾として守り抜く贖罪の決断、そして自らのルールを死守し街の力を信じる新境地の開拓に至るまで、その歩みを明瞭に示している。暗部の連鎖や過去の罪責という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、法と信頼に基づく統治への転換の記録である。権限の掌握から、自首の断行、社会的犠牲の引受、市民の結束、そして真の強者の確立へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
オペレーション・ハンドカフス
オペレーション・ハンドカフスの全貌
『創約 とある魔術の禁書目録 (1)』において、学園都市の新統括理事長となった一方通行(アクセラレータ)が発動した大規模な計画である「オペレーション・ハンドカフス」について、オペレーション・ハンドカフスの概要、例外なき裁きと第一位の自首、真の目的と妹達への贖罪、および暗部存続派の猛反発と打ち止めの誘拐の各点から解説する。
オペレーション・ハンドカフスの概要
オペレーション・ハンドカフス(手錠)とは、一方通行が新統括理事長に就任して最初に発動した、学園都市の暗部を完全に一掃するための作戦である。
・長年、学園都市の裏側で人々を苦しめ、悲劇を生み出してきた邪悪な研究や裏の組織を根絶やしにすることを目的としていた。
・悪人が笑い善人が泣く時代を終わらせることを目指した大規模な浄化計画であった。
例外なき裁きと第一位の自首
一方通行は、暗部を完全に潰すためには一切の例外を作らないことが不可欠だと考えた。
・かつて軍用クローンである妹達を一万人以上殺害する実験に加担し、その後も暗部に身を置いて銃を振るってきた自分自身を最初の裁きの対象とした。
・警備員である黄泉川愛穂のもとへ自ら出頭し、自身の罪を世間に暴くよう求めた。
・少年法や捜査協力を加味しても懲役一万一〇〇〇年以上の刑が必要だと試算される中、鉄格子の中から学園都市の全権を掌握し街を動かすという前代未聞の統治体制をとった。
真の目的と妹達への贖罪
彼が自ら檻に入った最大の理由は、妹達が自由に日向を歩ける安全な世界を作ることにあった。
・事件の全容が明るみに出れば、国際条約に違反して作られたクローンである彼女たちが危険視され、処分される恐れがあった。
・権力の頂点にいる自分がイカれた大量殺人鬼として世間の非難と注目を一身に集める強烈なサンドバッグとなることを選択した。
・妹達へ向けられる世間の関心を薄れさせようと目論んだ。
暗部存続派の猛反発と打ち止めの誘拐
計画に対し、暗部に居心地の良さを感じている者や、暗部に多くの利権を依存している統括理事の根丘則斗らは猛反発した。
・根丘らは一方通行を屈服させるため、彼の最大の弱点である打ち止め(ラストオーダー)を誘拐するという凶行に出た。
・圧倒的な力を持つ一方通行が鉄格子を破って助けに行けば事態は一瞬で解決したはずであったが、自らルールを破って例外となってしまえば結局は暗部がのさばる世界に逆戻りしてしまうため踏みとどまった。
・己の暴力的な衝動を必死に抑え込み、自分が治める学園都市を信じるという苦難の道を選んだ。
・上条当麻や御坂美琴、黄泉川愛穂らの奮闘によって事態は解決へ導かれ、一方通行は自分の選んだ道と学園都市の自浄作用が信用に値することを確信した。
まとめ
オペレーション・ハンドカフスを巡る一連の全貌は、学園都市の暗部根絶を目指す作戦の発動から始まり、首謀者自らが出頭する例外なき裁きの断行、妹達の身を守るための徹底した贖罪工作、そして暗部存続派の暴挙に対する法の遵守と街の自浄作用への信頼に至るまで、その歩みを明瞭に示している。暗部の歴史や自己の罪責という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、新統括理事長としての冷徹な決断と覚悟の記録である。計画の発動から、自首による収監、世論の誘導、危機への耐え忍び、そして学園都市の変革へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
科学と魔術の交差
科学と魔術の交差と創約における展開の全貌
『とある魔術の禁書目録』シリーズの根幹を成すテーマであり、『創約 とある魔術の禁書目録 (1)』において新たなフェーズへと突入した「科学と魔術の交差」について、超能力と魔術の根本的な違い、R&Cオカルティクスによる境界の崩壊、および科学サイドの重鎮による魔術の行使の各点から解説する。
超能力と魔術の根本的な違い
学園都市が誇る科学技術の結晶である超能力と、世界に隠蔽された魔術は、本来異なる原理と体系に基づいている。
・超能力は量子力学を根幹としており、薬品や電気、暗示などを用いて個人の認識を歪め、自分だけの現実というフィルターを通すことで超常現象を現実世界に引き起こす技術である。
・魔術は元来世間から隠蔽され、限られた者たちによって管理されるべき未知の超常の力である。
・学園都市の能力者が自分とは異なる系統の超常である魔術を行使しようとすると、体内で激しい拒絶反応や暴走といった副作用を引き起こす構造となっている。
R&Cオカルティクスによる境界の崩壊
本来相容れないはずの二つの世界であったが、『創約』においてその境界はインターネットという科学のインフラによって強引に破壊されることとなった。
・謎の巨大IT企業であるR&Cオカルティクスは、相性占いや悩み相談を装いながら、魔女の薬の作り方や3Dプリンターで自作できる霊装の図面データなどをウェブ上で全世界に向けて公開・拡散させた。
・学園都市の中と外の壁が無視され、一般人や副作用のリスクを抱えた能力者が安易に魔術に手を出すという、未曾有のカオスな事態が引き起こされた。
科学サイドの重鎮による魔術の行使
この科学と魔術の交差を象徴する最大の出来事が、学園都市の統括理事である根丘則斗による魔術の行使であった。
・大人の権力者である根丘は、学園都市の超能力に対抗するため、反則技である外の世界の魔術に手を出した。
・真空管のようなガラス容器に入った小さな少女の霊装や音声認識を利用し、自身の使う術式を最小衝突理論という科学的な理屈で偽装していた。
・一人に一つという超能力の絶対ルールを無視して、火、水、風、土など複数の系統の超常現象を自在に操り、上条当麻や御坂美琴を圧倒した。
・その本質は出エジプト記の一節を用いて架空の天使を作り出し、生命の樹の操作に挑むという純然たる魔術であった。
まとめ
科学と魔術の交差と創約における展開を巡る一連の全貌は、超能力と魔術の根本的な原理の対比から始まり、デジタルインフラを通じた魔術拡散による境界の曖昧化、そして統括理事という科学中枢による魔術行使に至るまで、その歩みを明瞭に示している。概念の分断や技術的な排他性という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、二大勢力の融合と混迷の記録である。理論の相違から、ネットによる流出、偽装技術の行使、規則の打倒、および新たな世界の形への変貌へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
アンナ=シュプレンゲル
アンナ=シュプレンゲルの正体と創約における動向の全貌
『とある魔術の禁書目録』シリーズの「新約」終盤から「創約」にかけて最大の脅威として立ち塞がる伝説の魔術師、アンナ=シュプレンゲルについて、正体と歴史的背景、容姿と復活の経緯、特異な価値観と思想、上条当麻への異常な執着、ならびに創約における動向とR&Cオカルティクスの各点から解説する。
正体と歴史的背景
アンナ=シュプレンゲルは、古き魔術結社である薔薇の重鎮であり、世界最大の魔術結社黄金の創設を許可したとされる伝説の女性魔術師である。
・魔術師や魔神とはカテゴリが異なる超人的存在シークレットチーフと自由自在にコンタクトを取れる特別なアクセス権を持った巫女のようなポジションに位置している。
・長らく、ウェストコットが書簡に記しただけの架空の人物やマダム・ホロスの騙りなどとされ、実在が疑われる名前だけの存在とされていたが、歴史の裏で暗躍を続けていた本物であった。
容姿と復活の経緯
本来の姿は、ストロベリーブロンドの長髪をいくつもの平べったいエビフライのようにまとめ、各所に薔薇の意匠をあしらった赤いドレスを着たグラマラスな美女である。
・新約の終盤、イギリスで大悪魔コロンゾンとの決戦が繰り広げられる中、アンナを騙っていた詐欺師マダム・ホロスの頭をエイワスが背後から貫き、奪われていた器を強引に取り戻した。
・肉体が変質して若返り、10歳から12歳程度の幼い少女の姿として完全復活を果たした。
・復活後は、超越存在から恩恵を受ける立場でありながら、実際には聖守護天使エイワスを力で従え、顎で使うほどの絶大な実力を見せつけた。
特異な価値観と思想
世界を支配したり、下々に奇跡や恩恵を配給したりする女王様的な立場にはすでに飽き飽きしていた。
・自分を力でねじ伏せて、口を開けているだけで見た事もない奇跡や配給を与えてくれる真なるご主人様を求めていた。
・上の存在から奇跡を与えられる側になりたいと望む特異な価値観を有している。
・世界の破滅を目論むコロンゾンとは異なり、自分で選んで引きこもるなら牢獄でも快適と考え、破滅よりも世界が継続することを好んでいた。
上条当麻への異常な執着
彼女が興味を抱いていたのは、上条当麻本人ではなく、彼の切断された右腕から分離・独立した謎の力である神浄の討魔の側であった。
・神浄の討魔がサナギの中で何を壊し、何を新たに形作るのかという過程に強い関心を寄せて観察していた。
創約における動向とR&Cオカルティクス
『創約』第1巻において、インターネットを通じて全世界に魔術の知識を拡散させ、科学と魔術の境界を崩壊させた巨大IT企業R&Cオカルティクスの真の運営者であることが判明した。
・クリスマスイヴの夜、上条当麻の前にサンタを思わせる美女の姿で現れて宣戦布告を行った。
・記憶なき自分の敵と呼びながら上条の首へ腕を回し、強毒性の頭脳侵食細菌サンジェルマンの丸薬を口に含んだまま接吻し、その感染を上条の口へと直接送り込む凶行に及んだ。
まとめ
アンナ=シュプレンゲルの正体と創約における動向を巡る一連の全貌は、薔薇の重鎮としての伝説的な出自から始まり、幼い少女としての完全復活、真なるご主人様を求める特異な思想構造、神浄の討魔への関心、そしてR&Cオカルティクスを通じた魔術拡散と上条への致命的な攻撃に至るまで、その歩みを明瞭に示している。支配者の立場や世界の破滅という不条理な檻を打ち破り、自分たちの尊厳と平穏な生の主権を自らの選択と確固たる意志によって完璧に確立するに至る、圧倒的な実力と己の欲望に忠実な行動の記録である。歴史的虚妄の打破から、実体化、思想の展開、世界規模の混乱創出、そして直接的な襲撃へと繋がったプロセスは、どれほど不条理な事態の混迷や過酷な環境の激変によって状況が脅かされようとも、本質を突いた人間の知性と確固たる意志の果断によって打破され、新しい生き方を切り拓く輝かしい未来の道が厳密に証明されている。
新約 とある魔術の禁書目録(22)リバースレビュー
創約 とある魔術の禁書目録まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(2)レビュー
登場キャラクター
学園都市(生徒・住民)
上条当麻
右手に異能を打ち消す「幻想殺し」を宿す高校生である。不幸な体質を持つ。インデックスを自室に居候させている。困っている人を見過ごせない性格だ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
通信トラブルで補習を受けられず、インデックスや御坂美琴と共に第七学区のダーツバーへ向かう。誘拐された打ち止めを救出するため、舞殿星見や根丘則斗と交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
根丘則斗を打ち倒すが、アンナ=シュプレンゲルによって頭脳侵食細菌「サンジェルマン」を感染させられる。
御坂美琴
学園都市第三位の超能力者である。純粋な発電系能力「超電磁砲」を操る。上条当麻に想いを寄せている。負けず嫌いな性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学の生徒。レベル5の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスマスイヴの奉仕活動から食蜂操祈と共闘して脱走する。上条当麻たちとダーツバーで遊んだ後、打ち止めを救うために根丘則斗のVTOL機をハッキングして攻撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
食蜂操祈とは犬猿の仲だが、目的のために一時的な協力関係を結ぶ。
白井黒子
御坂美琴のルームメイトである。美琴を過剰に慕う。美琴との二人きりの時間を過ごす妄想を抱く。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学の生徒。風紀委員(ジャッジメント)。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスマスイヴに美琴と共に野外特別奉仕活動に参加する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
美琴を拘束する妄想をしていたところ、食蜂操祈によって認識を操作される。
食蜂操祈
学園都市第五位の超能力者である。精神系最強の「心理掌握」を操る。美琴とは犬猿の仲に該当する。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学の生徒。レベル5の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
リモコンを使って教師や白井黒子の認識を操作し、美琴の奉仕活動からの脱走を手助けした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
美琴と共闘してビルの屋上へ逃れるが、美琴に置き去りにされる。
青髪ピアス
上条当麻のクラスメイトである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスマスの過ごし方について上条から相談を受ける。温めすぎた道具で両手を負傷しており、役立つ助言を出せなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
物語の進行に直接的な影響は与えていない。
打ち止め(ラストオーダー)
一〇歳前後の容姿を持つクローンの少女である。一方通行に強い信頼を寄せる。一方通行の最大の弱点と見なされている。
・所属組織、地位や役職
『妹達』の司令塔。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部存続派の舞殿星見に誘拐される。上条たちに救出された後、一方通行のいる警備員詰め所へ届けられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
扉越しに一方通行へ、彼の決めた道に自分の意思で付き合うと伝える。
御坂妹
御坂美琴のクローン人間の一人である。常に無表情を保つ。特徴的な口調で話す。
・所属組織、地位や役職
『妹達』(シスターズ)の一員。シリアルナンバー10032号。
・物語内での具体的な行動や成果
清掃ロボットから打ち止めを救出する。根丘則斗の犯罪を示す端末を警備員の詰め所へ届けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
打ち止めを警備員詰め所へ送り届ける役割を果たす。
ラーメン屋の親父
上条当麻が行きつけにしているラーメン屋の店主である。流行に流されず自分のやり方を貫く姿勢を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園都市のラーメン屋の店主。
・物語内での具体的な行動や成果
店舗が閉店したと思われていたが、中古のキッチンカーを購入して年越し前に営業を再開すると上条に語る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼の再出発の姿が、上条に喜びを与える。
学園都市(教職員・警備員)
月詠小萌
上条当麻のクラスの担任教師である。一三五センチの幼児体型を持つ。
・所属組織、地位や役職
学園都市の高校教師。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスマスイヴに旅行先から上条へ遠隔補習を行う。通信トラブルにより補習が中断された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
三日前から外出しており、自宅には不在であった。
黄泉川愛穂
学園都市の治安を守る警備員である。体育教師を兼任する。一方通行を自宅に居候させている。
・所属組織、地位や役職
学園都市の警備員(アンチスキル)チーフクラス。体育教師。
・物語内での具体的な行動や成果
秘匿取調室で一方通行の自首を受け入れる。御坂妹から届けられた証拠を受け取り、事件解決のために緊急出動した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
普段のジャージ姿ではなく、黒のスーツを着用して一方通行と面会する。
学園都市(統括理事会・暗部)
一方通行(アクセラレータ)
学園都市第一位の超能力者である。白い髪と赤い瞳を持つ怪物と呼ばれる。打ち止めと妹達に安全な人生を与えることを望む。
・所属組織、地位や役職
学園都市新統括理事長。第一位の超能力者。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部を一掃する計画「オペレーション・ハンドカフス」を発動する。自らの罪を清算するために自首し、鉄格子の中から学園都市の全権を掌握した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自らルールを破らず、学園都市の仕組みが打ち止めを守ると信じる道を選ぶ。
貝積
学園都市の統括理事の一人である。ブレインとして女子高生を従える。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部一掃に対する介入について、ブレインの女子高生から判断を委ねられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
物語の進行に直接的な影響は与えていない。
親船最中
学園都市の統括理事の一人である。温厚な性格を持つ。裏工作を好まない。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部全体については見て見ぬふりをしてきたと記述される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
物語の進行に直接的な影響は与えていない。
亡本
学園都市の統括理事の一人である。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事。
・物語内での具体的な行動や成果
特筆すべき行動は記録されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黄泉川愛穂の知識の中で名前が挙がる。
潮岸
学園都市の統括理事の一人である。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事。
・物語内での具体的な行動や成果
特筆すべき行動は記録されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黄泉川愛穂の知識の中で名前が挙がる。
薬味
学園都市の統括理事の一人である。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事。
・物語内での具体的な行動や成果
特筆すべき行動は記録されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
黄泉川愛穂の知識の中で名前が挙がる。
アレイスター=クロウリー
旧統括理事長である。学園都市の創設者として知られる。一方通行へ全権を譲り渡した。
・所属組織、地位や役職
元学園都市統括理事長。
・物語内での具体的な行動や成果
特筆すべき行動は記録されていない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼の不在により、一方通行が新たな統括理事長に就任する。
舞殿星見
根丘則斗が送り込んだ暗部の始末屋である。箸が使えないというコンプレックスを抱える。
・所属組織、地位や役職
学園都市の暗部。
・物語内での具体的な行動や成果
サンタ衣装を着て打ち止めを誘拐し、クリスマスイヴの街に損害をもたらす。上条当麻や御坂美琴らと交戦した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
絶大な念動能力を持つ。
根丘則斗
学園都市の統括理事の一人である。暗部の存続を望む。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行の計画に反発し、打ち止めの誘拐を指示する。魔術を利用して上条当麻や御坂美琴を圧倒しようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
最後は上条当麻の拳によって倒される。
女子高生
貝積のブレインを務める少女である。分析能力に優れる。
・所属組織、地位や役職
学園都市統括理事・貝積のブレイン。
・物語内での具体的な行動や成果
暗部一掃に対する介入の利害をまとめ、貝積に最終判断を委ねる。カスタムドーナツの流行から、住民がオカルトを受け入れ始めている異変に気づいた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
物語の裏側で状況の分析を行う。
イギリス清教
インデックス
一〇万三〇〇一冊以上の魔道書を完全記憶する銀髪の少女である。上条当麻の部屋に居候している。食欲が旺盛だ。
・所属組織、地位や役職
イギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会』。魔道書図書館。
・物語内での具体的な行動や成果
上条当麻や御坂美琴と共にダーツバーで遊ぶ。根丘則斗が使用する不可解な術式が魔術であることを見破った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
完全記憶能力を活かし、一度見ただけでダーツの技術を身につけ始める。
魔神
オティヌス
元魔神である。一五センチのサイズになっている。上条当麻の理解者だ。
・所属組織、地位や役職
元魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
アンナ=シュプレンゲルが魔神からも外れた別格の存在であることにいち早く気づく。上条当麻へ彼女から離れるように叫んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
上条当麻の肩に居座り、彼に助言を与える。
魔術結社『薔薇』・R&Cオカルティクス
アンナ=シュプレンゲル
古き魔術結社『薔薇』の重鎮である。黄金の創設を許可した伝説の魔術師とされる。
・所属組織、地位や役職
魔術結社『薔薇』の重鎮。R&Cオカルティクスの真の運営者。
・物語内での具体的な行動や成果
サンタ風の美女の姿で上条当麻の前に現れる。強毒性の頭脳侵食細菌「サンジェルマン」の丸薬を口移しで感染させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
全裸の幼女の姿から、黒い丸薬を使って大人の美女へと姿を変える。
集団
常盤台中学の生徒たち
御坂美琴が通う名門女子中学の生徒たちである。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスマスイヴに寒空の下でゴミ拾いの野外特別奉仕活動を行わされる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
学校の規則に従い行動する。
食蜂派閥の親衛隊
食蜂操祈を慕う高位能力者の集団である。
・所属組織、地位や役職
常盤台中学、食蜂派閥。
・物語内での具体的な行動や成果
脱走した食蜂操祈を捜索するため、慌てた様子で路地に駆け込む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
常盤台最大の規模を誇る派閥に属する。
不良たち
夜の街を徘徊する者たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の不良。
・物語内での具体的な行動や成果
全裸の幼女を抱えた上条当麻を追い回す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
御坂美琴の高圧電流によって倒される。
警備員(アンチスキル)たち
学園都市の治安を維持する教師側の部隊である。
・所属組織、地位や役職
学園都市の警備員。
・物語内での具体的な行動や成果
根丘則斗が陣取る第一五学区の巨大複合ビルを密かに包囲する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一方通行の計画に基づき行動する。
風紀委員(ジャッジメント)たち
学園都市の治安を維持する生徒側の部隊である。
・所属組織、地位や役職
学園都市の風紀委員。
・物語内での具体的な行動や成果
常盤台中学の奉仕活動において、生徒の脱走を防ぐために監視網を敷く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
教師陣と共に厳戒態勢を維持する。
妹達(シスターズ)
御坂美琴の軍用クローン人間たちである。
・所属組織、地位や役職
クローン人間の集団。
・物語内での具体的な行動や成果
一方通行の計画に基づき、芳川桔梗の手配で安全な場所へ移送される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
暗部一掃により、自由に日向を歩ける安全な世界を与えられる見込みとなる。
根丘則斗の子飼い(兵隊)
根丘則斗に従う暗部の戦闘員たちである。
・所属組織、地位や役職
暗部組織。
・物語内での具体的な行動や成果
根丘の指示で打ち止めを狙う。御坂妹によって気絶させられ、証拠として警備員詰め所へ届けられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき影響力は持たない。
救急隊員
学園都市の救急隊に所属する者たちである。
・所属組織、地位や役職
学園都市の救急隊。
・物語内での具体的な行動や成果
警備員や医師、一般市民と共に自分にできることを積み重ね、街を守る一助となる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき影響力は持たない。
新約 とある魔術の禁書目録(22)リバースレビュー
創約 とある魔術の禁書目録まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(2)レビュー
展開まとめ
序章 イヴの最初に交差点で Prepare_for_Xmas_Eve!
常盤台中学の奉仕活動
一二月二四日の深夜、御坂美琴や白井黒子を含む常盤台中学の生徒たちは、雪が降る第七学区で野外特別奉仕活動としてゴミ拾いをさせられていた。自由なクリスマスを望む美琴は、教師たちの監視を破って脱走する機会をうかがっていた。
美琴と食蜂の共闘
美琴は食蜂操祈と密かに協力し、機械による監視を美琴が妨害し、人間の認識を食蜂が操作する計画を進めた。美琴は黒子を置いていくことに迷ったが、黒子が二人きりのクリスマスを利用して美琴を拘束しようと妄想しているのを聞き、即座に脱走を決めた。
監視網からの脱出
食蜂が教師と黒子の認識を操って騒ぎを起こす間に、美琴は二人のGPS発信機を外し、磁力を使って食蜂とともにビルの屋上へ逃れた。しかし美琴は食蜂を屋上に置き去りにし、一人でビルからビルへ飛び移って追跡を振り切った。
自由なクリスマス
街へ降りた美琴は、恋人だけでなく友人同士や家族連れ、一人で過ごす者もいるクリスマスの繁華街を眺めた。最大四八時間の自由を得た美琴は、やりたいことを考えるうちに上条当麻を相手として思い浮かべ、そのことに動揺した。
裸の少女と上条当麻
その直後、美琴は薄い布しか身につけていない少女を抱え、無数の不良に追われる上条を目撃した。上条はコンビニ裏で、少女がATMから情報を盗もうとしていた不良たちを撮影したため追われていた。少女は夏以前の記憶を失っていたが、危機を楽しむような態度を見せていた。
地下鉄への避難
上条は自動運転車やドローンを使う不良たちから逃れるため、少女を抱えて地下鉄駅へ入った。少女を隣駅の警備員のもとへ向かわせ、自分が囮になる計画を説明したが、地上から激しい轟音が響いたため、少女を残して様子を確かめに向かった。
美琴との遭遇
地上では不良たちが倒れ、車両も破壊されており、帯電した空気の中心に美琴が立っていた。美琴は上条に事情を尋ねたが、裸の少女を抱えていた姿を疑い、感情を高ぶらせた。上条は美琴の電撃を右手の幻想殺しで打ち消し、互いに緊張を高めた。
少女の挑発
裸の少女は上条の背後から現れ、美琴を怖い相手として扱い、上条に倒してほしいと甘えるように告げた。さらに上条と秘密の夜歩きをすると口にしたため、美琴の怒りは限界に達し、周囲へ青白い電撃を爆発させた。
行間 一
黒いスーツの黄泉川愛穂
学園都市では、教師による警備員と生徒による風紀委員が治安維持を担っていた。警備員でもある黄泉川愛穂は、普段のジャージではなく黒いスーツを着て、厳重に守られた施設を訪れていた。
襲撃を阻む特殊施設
施設内の通路は複雑に折れ曲がり、段差や電波を乱反射させる障害物が組み込まれていた。それらは戦闘用ドローンの移動を妨げるための設計であり、法令を踏み倒してでも襲撃から守るべき存在が奥にいることを示していた。
統括理事長直属の警備
複合装甲の扉を守る男は、十二人の統括理事ではなく、ただ一人の統括理事長からのみ命令を受けていると明かした。黄泉川は入口で検査を済ませていたにもかかわらず、テラヘルツ波の探知機による再検査を受け、携帯電話も預けさせられた。
二重扉の奥
黄泉川は二重扉を通され、窓のない狭い部屋へ入った。そこには透明なテーブルと二脚の椅子しかなく、白い髪と赤い瞳を持つ人物が、足をテーブルに投げ出して待っていた。
新統括理事長・一方通行
黄泉川は久しぶりに会った相手へ、なぜ自分を呼び出したのかと尋ねた。年齢では黄泉川の方が上であったが、敬意と畏怖を示し、相手を学園都市新統括理事長の一方通行と呼んだ。
第一章 まるで遊園地のような Red_Wear,Big_Bag,and_Flying_Sledge.
遠隔補習の異常終了
一二月二四日、上条当麻は学生寮で月詠小萌の遠隔補習を受けていた。小萌は超能力が認識を歪める自分だけの現実によって生じる仕組みを説明していたが、通信映像が突然乱れ、上条の携帯電話はクラッシュ画面を表示して停止した。再起動には成功したものの小萌とは連絡が取れず、補習が成立したのか分からない状態となった。
小萌の不在
上条はインデックスを連れて小萌の自宅を訪ねた。しかし隣人から、小萌は三日前から出かけており、行き先も分からないと聞かされた。小萌が旅先から遠隔授業をしていたと知った上条は、留年を左右する補習の確認手段を失い、通信障害は自分の責任ではないと開き直ってクリスマスを遊び尽くすことにした。
第七学区のクリスマス
上条とインデックスは、普段との違いを楽しめる第七学区を歩いた。街にはクリスマス商品や流行のカスタムドーナツを扱う店が増えていたが、上条は写真映えを優先して食べ物を粗末にする風潮に反感を抱いた。さらに馴染みの安いラーメン屋がドーナツ店に替わっているのを見つけ、クリスマス商戦への敵意を強めた。
逃亡中の美琴
落ち込んでいた上条に御坂美琴がぶつかり、持っていたドーナツを上着に付着させた。花火まで燃え移って上条が消火していると、美琴は無言で彼の胸に飛び込み、常盤台中学の教師や生徒たちから身を隠した。美琴は厳しい奉仕活動から逃げ出して追われており、上条の上着に包まれたことで捜索隊をやり過ごした。
灰色のクリスマス同盟
上条は、裕福なお嬢様である美琴も自由のない灰色のクリスマスを送っていたと知り、強い仲間意識を抱いた。美琴の手を握り、世界に逆らってでも楽しいクリスマスにすると宣言したため、美琴は顔を赤らめた。インデックスも加わり、美琴は追っ手に紛れるためにもクリスマスらしいことをしたいと希望した。
クリスマスの過ごし方
上条はクリスマスらしい行動が思いつかず、青髪ピアスに相談した。しかし青髪ピアスは温め過ぎた道具で両手を負傷しており、役立つ助言は得られなかった。美琴とインデックスから今後の予定を問われた上条は、赤い帽子を被って海外のパーティゲームをすると決め、三人でダーツバーへ向かった。
ダーツの基本
上条とインデックスはダーツの経験がなく、美琴から三〇一点をゼロに近づけるゼロワンのルールを教わった。美琴は得点の調整やバースト、電子ボードの操作方法を説明し、中心へ正確に投げてみせた。一方、完全記憶能力を持つインデックスは美琴の動作を観察し、短時間で狙った得点へ投げ分ける技術を身につけ始めた。
三人のダーツ勝負
三人は食事や飲み物を利用して互いの集中を乱しながらダーツを楽しんだ。飲み物を追加するにはブルズアイへ当てるという独自ルールを作り、操作ミスや妨害を巡って騒ぎながら勝負を続けた。インデックスが予定を無視して先にメリークリスマスと叫ぶなど、三人は店内の賑わいに溶け込んでいった。
店内の観測者
上条たちは遊びに夢中となり、窓のない薄暗い店内で何者かの視線が自分たちの行動を追っていることに気づかなかった。
行間 二
窓のない統括理事長室
学園都市第一位の超能力者であり、新統括理事長となった一方通行は、外の時間から隔絶された窓のない部屋に身を置いていた。あらゆる権力を手にしながら自ら閉ざされた場所を選んだ現状を皮肉り、力を得るほど自由から遠ざかるのかもしれないと語った。
一方通行の選択
黄泉川愛穂は、一方通行が進めようとしている計画について、他にも方法があったはずだと訴えた。その選択は正しくとも悲劇の発生を前提としており、聞いていて楽しい話ではなかった。しかし一方通行は、黄泉川が反対しながら自分を止められないのは、これが最も正しい選択だと理解しているからだと見抜いた。
野望の始動
一方通行は、大人たちの都合で頭や人生を弄ばれてきた自分が統括理事長の権限を得た以上、今度は自分のために知恵と力を使うと宣言した。準備期間はすでに与えてあり、黄泉川を呼んだのは進捗ではなく、計画開始に必要な最終報告を聞くためであった。
世界を変える引き金
黄泉川は、その決断が学園都市の子供たちだけでなく、世界中の人々の未来まで変えてしまうと警告した。一方通行は、それほど大きな変化でなければ意味がないと断言し、計画の引き金を黄泉川に任せたいと告げた。拒めば別の者に 맡せるだけだと迫り、世界の結末に関わるか否かを選ばせた。
オペレーション・ハンドカフス
黄泉川は一方通行を力ずくで止めても、大きな流れは変えられず、誰も守れないと理解していた。変わってしまったと責める黄泉川に対し、一方通行は自分を変えたのは大人たちだと返した。こうして、新時代を象徴する計画オペレーションネーム・ハンドカフスは、すでに水面下で動き始めていた。
第二章 変わる学園都市、 前夜 the_24th, Showdown.
罰ゲーム付きのダーツ
上条当麻たちは、ゼロを超えてバーストした者が着ぐるみを着る罰ゲームを加えた。上条はトナカイ姿となり、美琴も失敗して南国風のサンタ衣装を着ることになった。更衣室を勘違いした美琴は化粧室で着替えているところを上条に見られ、激しく動揺して彼を殴り倒した。
不審な視線
元の制服に戻った美琴はダーツを続けたが、何者かに観察されている感覚を抱いていた。防犯カメラの映像も加工されていたため、美琴は上条たちを巻き込まないよう一人で相手を確かめることにした。スタッフ用通路から排煙口を通って店外へ回り、追跡者の背後を取ろうとした。
打ち止めとの再会
美琴が戻ると、電子ロックが自分と同じ方法で解除されていた。警戒しながら扉を開けると、上条が床を這い、幼い少女に踏み台として使われていた。その少女は美琴と同じDNAマップを持つ打ち止めであり、美琴の移動経路を追って排煙口から外へ出ようとしていた。
御坂妹の捜索
さらに美琴の背後には御坂妹が現れ、打ち止めを捜していたと報告した。御坂妹は美琴のレーダーを逆位相の電磁波で打ち消し、気づかれずに接近していた。美琴は二人が危険な追跡者ではないと知って安堵し、人目を避けるため事務室から出ようとした。
寸断された事務室
その直後、外からの強烈な攻撃によって事務室と地盤が一緒に切断された。上条と打ち止めのいる側が地下へ沈み、美琴やインデックスたちとは分断された。地下道へ転がり落ちた打ち止めを追い、上条は閉じかける地盤の隙間へ飛び込んだ。
打ち止めとの別行動
地下道で上条は、狙われているのが科学側の打ち止めか、魔術側のインデックスかを考えた。美琴や御坂妹がインデックスを守れると信じ、あえて合流せず、打ち止めと別方向へ移動して襲撃者の狙いを確かめることにした。
地下道の濁流
移動を始めると、敵は地下の配管を破壊して大量の水を流し込んだ。上条は打ち止めを抱えて暗い地下道を走り、濁流に追われながら階段を駆け上がった。最後に足を滑らせながらも打ち止めを地上へ押し上げ、自身も辛うじて脱出した。
敵の監視地点
地上では建物や風力発電設備が損壊していたが、大きな人的被害は見られなかった。上条は、敵が地下では正確な位置を把握できず、大雑把な攻撃をしていたと分析した。風力発電の羽根を鏡として利用すれば遠方から監視できると考え、不動産オフィスビルを敵の潜伏場所と推測した。
サンタ姿の襲撃者
しかし上条は、最初から屋外にいたにもかかわらず無傷だったミニスカート姿のサンタ少女に気づいた。少女は店の宣伝員を装って接近し、細いナイフで上条の脇腹を刺した。敵は遠方から監視していたのではなく、飛行船の画面を鏡として使いながら、上条たちの近くで待ち構えていたのである。
さらわれた打ち止め
上条は打ち止めを逃がそうとしたが、道路が裂けて両者は分断された。持ち上がった地盤によって打ち止めは空中へ連れ去られ、上条も土砂とともに吹き飛ばされた。脇腹にナイフが刺さったまま地面へ落下しかけた上条は、死を覚悟した直後、羽毛のように柔らかな感触に包まれた。
行間 三
打ち止めを狙う反発
窓のない取調室まで低い振動が届き、一方通行はオペレーション・ハンドカフスへの反撃が始まったと察した。学園都市の暗部を一掃すれば、利権や秘密を守ろうとする者たちが、一方通行の弱点である打ち止めを狙うことは想定済みであった。
一方通行の自首
一方通行は黄泉川愛穂に、自分を検察へ送り起訴させるよう命じた。二人がいた場所は統括理事長の施設ではなく、警備員の秘匿取調室であり、一方通行は自ら出頭していた。暗部を例外なく裁くためには、一万人以上の妹達を殺し、その後も暗部で銃を振るった自分が最初に罰を受ける必要があると考えていた。
一万一〇〇〇年の刑
黄泉川は、少年法や捜査協力による減刑を考慮しても、懲役換算で一万一〇〇〇年が必要になると告げた。一方通行は一人の命につき一年程度では少ないと答え、統括理事長である自分こそ、例外を作らず全員の手本にならなければならないと主張した。
妹達を日向へ
黄泉川は、事件が明るみに出れば国際条約に反して作られた妹達が危険視され、処分される可能性を指摘した。一方通行は、存在を隠し続ける不安定な状態こそ安全ではないと否定し、純粋な被害者である妹達が自由に日向を歩ける立場を与えるべきだと語った。
悪者になる覚悟
一方通行は、自分が全ての注目と非難を引き受ける計画を明かした。統括理事長であり第一位でもある自分の罪を大きく報じさせることで、妹達そのものへの関心を薄め、世間が騒ぎに飽きるまで時間を稼ごうとしていた。そのため、恩赦や緊急時の釈放といった例外も設けず、鉄格子の中で罰を受け続けるつもりであった。
新時代の正義
一方通行は、自分が正しく裁かれる姿を示すことで、悪人が笑い善人が泣く時代を終わらせようとしていた。自分だけを特別扱いすれば、秘密や利権を握る者たちが新たな暗部を作るため、旧統括理事長アレイスターとは異なる道を選び、口先だけではない変革を世界へ示そうとしていた。
学園都市への信頼
打ち止めが襲われていると知りながらも、一方通行は救出へ向かわなかった。自ら動けば例外が生まれ、暗部の一掃が失敗すると理解していたためである。暴力で敵を排除したい衝動を抑え、学園都市という仕組みが自分に代わって打ち止めを守ると信じる道を選んだ。
孤独な戦い
一方通行は、自分が治める街を信じられない者に統括理事長を務める資格はないと語った。学園都市には人生を使い切って守る価値があると信じ、打ち止めを案じる苦しみに耐えながら、一人で己の衝動と戦い続けていた。
第三章 黒い陰謀と障壁の消失 Enemy_Use_XXX.
御坂妹の応急処置
御坂妹は落下する上条当麻を受け止めたが、打ち止めの追跡よりも重傷を負った上条の救命を優先した。上条は自分を置いて追うよう迫り、脇腹に刺さったナイフまで自ら引き抜いたため出血を悪化させた。御坂妹は麻酔を使わず傷口を消毒して縫合し、上条だけが戦う必要はなく、この街には他にも誰かを救う者がいると告げた。
舞殿星見と打ち止め
サンタ姿の少女は打ち止めを自動で動く拘束具で縛り、白い袋へ詰めた。舞殿星見と名乗った彼女は依頼主へ成功を報告し、警備員の無人車両や駆動鎧を念動能力で破壊した。暗部の一掃を阻止するために動いており、打ち止めを水路へ流して別働隊に回収させる一方、自身は地上で派手に暴れて捜査を混乱させる計画であった。
美琴と舞殿の交戦
御坂美琴はインデックスを抱えて高層ビルの壁面を移動し、舞殿を追跡した。舞殿の目的が打ち止めの殺害ではなく安全な連れ去りであり、白い袋を途中で手放したことにも気づいた。舞殿は美琴を始末しようと、クレーンや自動車、花火を操って攻撃し、最後には美琴たちが逃げ込んだ高層ビルを圧縮した。
上条当麻の再登場
舞殿がビルを完全に潰そうとした直前、傷だらけの上条が現れた。上条は白い袋が囮であり、打ち止めは清掃ロボットに隠されていると見抜いていた。御坂妹がそのロボットを追跡する間、上条は舞殿を引きつけ、自らの重傷を隠して対峙した。
念動能力の弱点
舞殿は車両や地面、空気まで動かして上条を襲った。上条は、舞殿が生きた人間を直接つかめず、周囲の物体を介して攻撃していると見抜いた。接近すれば能力の遅れを突けると考えて突撃したが、舞殿は左右のビルを基部から動かし、上条を挟み込んだ。
舞殿の喪失
上条を倒したと思った舞殿は、依頼主から攻撃が過剰だったと責められた。彼女は能力を最適化する処置によって、両手の人差し指以外を自在に使うための情報を失い、箸の持ち方さえ分からなくなったと怒りを爆発させた。学校では普通の生徒を装い続けていたが、食事の場で秘密が露見することを恐れ、暗部でしか生きられない状態へ追い込まれていた。
失われた記憶
生存していた上条は舞殿の背後から現れ、彼女の力は誰も救えず、ただ壊すことしかできないと指摘した。舞殿が失った日常を打ち明けると、上条も夏以前の十五年間の記憶を失っていると明かした。それでも上条は、失ったものや原因への憎しみに縛られず、今目の前にある世界を仲間と楽しむ道を選んでいた。
舞殿への問いかけ
舞殿は、自分より多くを失った上条がなぜ立ち続けられるのか理解できなかった。上条は、何かを奪われたことは他者を傷つける理由にはならず、失ったものに縛られたままの自分から変わることはできると告げた。痛みを抱えてなお前へ進む者は他にも大勢おり、自分たちだけが世界を壊してよいわけではないと訴えた。
最後の正面衝突
舞殿は地下鉄の列車まで地上へ引き上げて上条へぶつけたが、攻撃を見切られて失敗した。上条は、舞殿を暗部に縛りつける幻想を壊すと宣言し、舞殿も全力で迎え撃った。爆発や瓦礫を受けて全身から血を流しながらも、上条は打ち止めだけでなく舞殿自身も救うために前進した。
舞殿星見の敗北
上条は、舞殿が箸を使えず罪を償って鉄格子の中へ入ることになっても、決して見捨てないと告げた。そのまま舞殿の懐へ踏み込み、右拳を頬へ叩き込んだ。普通の生活に憧れながら暗部へ沈んでいた舞殿は、悲鳴を上げることなく倒れた。
舞殿星見の拘束
上条当麻は倒れた舞殿星見の手を握らせ、両手の人差し指を使えないようダクトテープで拘束した。美琴、インデックス、御坂妹も合流し、御坂妹が打ち止めを隠した清掃ロボットを確保していた。
舞殿のスマートフォン
美琴と御坂妹は舞殿のスマートフォンを解析し、インデックスが暗証番号を言い当てた。端末には舞殿の学校生活や箸の使い方を調べた記録が残されていたが、暗部の連絡先は外部サーバーに隠されていた。美琴が接続先へ侵入すると、新統括理事長による暗部一掃計画と、それに反発する勢力の情報が判明した。
一方通行の自首
新統括理事長となった一方通行は、自らが関わった妹達の殺害を含む過去の罪を明らかにし、警備員へ自首していた。例外なく暗部を裁く姿勢を示すため、自分自身も鉄格子の中に入りながら統括理事長として街を動かそうとしていた。
黒幕・根丘則斗
暗部の存続を望む者たちは、一方通行を屈服させるために打ち止めを人質として狙っていた。その不満を束ね、資金や武器を供給していた黒幕は、十二人の統括理事の一人である根丘則斗だった。舞殿は根丘が送り出した尖兵に過ぎず、彼を止めない限り襲撃は続くと判明した。
打ち止めの救出
清掃ロボットの内部から、拘束された打ち止めが無事に救出された。上条は根丘が追い詰められ、権力だけでは解決できず直接的な暴力へ踏み込んだ今こそ、決着をつける機会だと判断した。
二つのチーム
根丘を倒す部隊と打ち止めを守る部隊に分かれる案が出され、御坂妹が護衛を引き受けた。上条は打ち止めの避難先として、一方通行が自首している警備員の詰め所を提案した。外へ出ずに学園都市を信じる一方通行へ打ち止めを届ければ、彼の決意を崩さずに最強の防衛力を利用できると考えたのである。
黄泉川愛穂の出動
御坂妹は打ち止めと舞殿、根丘の犯罪を示す端末を警備員の詰め所へ届けた。黄泉川愛穂は、保護を求める者と証拠が揃った以上、警備員からも根丘へ踏み込めると判断した。一方通行の制止を受け流し、事件解決のため緊急出動した。
根丘則斗の城
夕方、上条、美琴、インデックスは第一五学区の巨大複合ビルへ到着した。根丘は最上階に住み、屋上には複数のVTOL機を備えていた。警備員が周囲を密かに包囲する中、美琴たちは屋上を先に押さえる方針を立てた。
最上階の爆発
直後、最上階で大爆発が発生した。上条は、根丘が警備員の突入に合わせて自宅を爆破し、自分を被害者、警備員を加害者に見せかけようとしていると見抜いた。舞殿を口封じする時間を稼ぎ、世論によって捜査を止める狙いもあると考えた。
ドクターヘリの推理
根丘が自作自演の負傷を安全に作るには、清潔な医療設備が必要だった。上条と美琴は、屋上にドクターヘリを待機させ、そこで傷をつけた後に機体を逃がす計画だと推測した。美琴はエレベーターシャフトを磁力で上昇し、上条とインデックスを連れて屋上へ到達した。
根丘則斗との対面
屋上にはドクターヘリがあり、根丘は女医に手首を差し出して負傷の準備を進めていた。美琴はヘリを飛行不能にし、自作自演の証拠を確保した。追い詰められた根丘は、上条たちを殺して子供の死まで警備員へ押しつけると告げた。
正体不明の超常現象
根丘は武器を持たずに爆発を起こし、美琴の超電磁砲のコインを溶かした。さらに火、水、風を次々と生み出し、水蒸気爆発まで引き起こした。上条の右手で打ち消せたため異能ではあったが、大人である根丘が複数系統を使う現象は、学園都市の超能力理論では説明できなかった。
最小衝突理論の偽装
根丘は、自分の力を元素の構成を切り替える最小衝突理論だと説明した。しかしインデックスは、根丘が口にした金属名と経路の数字から、生命の樹のセフィラとチャネルを操作していると見抜いた。根丘が科学理論を装いながら使用していたものの正体は、学園都市では禁忌となる魔術であった。
打ち止めとの約束
戦いの前、打ち止めは自分が傷つけられたことよりも、一方通行を助けてほしいと上条へ頼んでいた。上条は一方通行が選んだ厳しい道を安易に否定せず、その決意を守るために根丘を倒すと約束した。第一位と新統括理事長として一方通行が描いた未来を、上条は自分の意地でつなごうとしていた。
行間 四
統括理事たちの利害
学園都市の十二人の統括理事は、それぞれの領分を持ちながら互いの利権を奪う機会を狙っていた。その競争は新技術の開発を促してきたが、彼らにとっては正義や慈善さえ権力争いに利用する武器でしかなかった。
貝積のブレイン
統括理事・貝積の下で働く女子高生は、根丘則斗を元レスキューの精鋭と分析していた。根丘が救助の現場から政治と暗部へ進み、そこへ執着するようになった経緯は、貝積のコンピュータでも解明できていなかった。
暗部一掃への判断
少女は、一方通行が進める暗部一掃へ介入する場合と静観する場合の利害をまとめ、最終判断を貝積に委ねた。統括理事たちは全員が暗部と無関係ではなかったが、関与の深さによって受ける損害が異なり、根丘は特に多くの利権を暗部へ依存していた。
根丘則斗の外部協力
暗部一掃によって経済基盤を失えば、根丘は他の統括理事から攻撃される立場にあった。内部の勢力だけでは流れを止められないため、根丘は外部組織と手を結び、学園都市への外患誘致に等しい手段へ踏み込んでいた。
カスタムドーナツの流行
少女は、生年月日や血液型からラッキーカラーを決めるカスタムドーナツの異常な流行に注目した。商品自体に陰謀はなかったが、科学を信奉する学園都市の住民がオカルト的なものを受け入れ始めている事実は、人々の心が通常とは異なる方向へ傾いている証拠であった。
魔術の現地調達
人は目に見える形で超常を示されれば、科学では説明できないものにも容易に心を動かされる。少女は、根丘側がその変化を利用し、ネットを通じて魔術を扱う兵隊を学園都市内で調達している可能性に行き着いた。
R&Cオカルティクス
大型コンピュータを操作した少女の画面には、魔術を専門とする巨大IT企業R&Cオカルティクスの名が表示されていた。根丘が利用していた未知の力は、彼一人の技術ではなく、この外部組織から持ち込まれたものであった。
第四章 異世界交流、 その始点 =R&C OCCULTICS Co.Ltd.
R&Cオカルティクスの魔術拡散
本来は秘匿されるべき魔術が、R&Cオカルティクスによって占いや悩み相談を装い、インターネット上へ広く公開されていた。個人情報を集めながら魔女薬や霊装の作り方まで提供したため、学園都市では能力者と魔術の衝突による事故や、力を求める大人たちの暴走が起きようとしていた。
根丘則斗の魔術
根丘則斗は、ネット上へ魔術情報を大量に拡散して追跡を困難にした上で、自らもその力を利用していた。火、水、風、土に加え、即席で作った天使による蝶や光の攻撃まで操り、上条当麻、美琴、インデックスを圧倒した。
オティヌスの助言
根丘の光の攻撃に対し、上条は小さな姿となったオティヌスの助言を受け、幻想殺しで正確に打ち消した。オティヌスは、根丘の術式が既存の魔術を浅く流用したもので、四つの攻撃しか保持できず、新たな力を追加する際には詠唱が必要になると見抜いた。
元レスキューの過去
オティヌスは根丘の銃の構えから、彼が救命銃を扱っていた元レスキュー隊員だと見破った。根丘は炎や薬品、暴走能力者による災害から多くの人を救ってきたが、救助された人々は周囲から自己責任を問われ、追い詰められて姿を消していった。
優しい暗闇
根丘は、誰にも見られず傷を癒やせる逃げ場として暗部が必要だったと語った。本来の暗部は、苦しむ人々を強い光から守る静かな場所であり、その一角を維持するためなら禁忌を犯し、悪鬼となっても構わないと宣言した。
根丘への反論
上条は、暗部を守るために打ち止めや舞殿星見を犠牲にした時点で、根丘自身が悲劇を生み出す側へ転落していると断じた。根丘が目指すべきだったのは暗部への固執ではなく、救われた人々が責められずに生きられる学園都市を作ることだったと訴えた。
拳による決着
追い詰められた根丘は魔術の拳銃を捨て、元レスキューの身体能力で上条へ正面から殴りかかった。上条は力負けしながらも、自分の血を根丘の目へ飛ばして視界を奪い、声で誘導して最後の一撃を右拳で叩き込んだ。根丘が倒れると、上条も力尽きて膝をついた。
学園都市への信頼
一方通行は秘匿取調室から出ることなく、戦いの終結を確かめた。警備員や救急隊員、医師、普通の市民までが自分にできることを積み重ね、街を守った事実から、学園都市には信じる価値があると実感した。
一方通行と打ち止め
扉越しに打ち止めは、一方通行が決めた道へ自分の意思で付き合うと伝えた。一方通行は彼女を縛らず、人生は本人のものだと告げたが、打ち止めは毎日会いに行くと決めた。白い怪物という名を捨てようとする一方通行は、その選択を拒まず、期待はしないとだけ答えた。
行間 X
第一セットは、オペレーション・ハンドカフスの始動から根丘則斗との決着、一方通行と打ち止めの選択までが一区切りとなった形である。
終章 雪と真紅が覆い尽くす White_End. (and_Merry Xmas!!)
事件後の重傷
根丘則斗との戦いは終わったが、上条当麻は舞殿星見に刺された脇腹と、その後の戦闘で負った傷から大量に出血していた。御坂美琴とインデックスは彼を心配し、上条の病院行きは避けられない状態であった。
ラーメン屋の再出発
地上へ戻った上条は、閉店したと思っていた馴染みのラーメン屋の店主を人混みの中で見つけた。店主は中古のキッチンカーを購入し、年越し前には営業を再開すると語った。上条は流行に流されず自分のやり方を貫く店主の姿に喜び、来年を明るい一年にしたいと呟いた。
残されたR&Cオカルティクス
根丘は倒されたものの、彼と結びついていたR&Cオカルティクスは残っていた。魔術の情報はすでにインターネットを通じて世界中へ広まり、科学側と魔術側の隙間から影響を拡大していた。世界中の人間が魔術を使えるようになれば、魔術を使えない能力者が弱い少数派になる可能性もあり、上条は新たな脅威の大きさを感じていた。
雪のクリスマス
雪が降り始め、インデックスはホワイトクリスマスを喜んだ。上条も目の前の危機を退けた今だけは勝利を祝おうとしたが、前日に出会った裸同然の幼い少女が再び現れた。
R&Cオカルティクスの運営者
少女は上条へメリークリスマスと告げ、スマートフォンでR&Cオカルティクスのホームページを更新した。彼女は流行が軌道に乗るまで自ら管理すると語り、その正体が企業の背後にいる存在であることを明かした。
アンナ=シュプレンゲル
オティヌスは、少女が魔神からも外れた別格の存在だと察して上条へ離れるよう叫んだ。少女が黒い丸薬を使うと、薔薇の意匠をまとった大人の美女へ姿を変えた。彼女は古き魔術結社薔薇の重鎮であり、黄金の創設を許可した伝説の魔術師アンナ=シュプレンゲルであった。
記憶なき敵への接吻
アンナは上条の首へ腕を回し、記憶なき自分の敵と呼びながら、戦いぶりを称えた。そして黒い丸薬を口に含んだまま上条へ接吻し、その味を彼の口へ送り込んだ。
新約 とある魔術の禁書目録(22)リバースレビュー
創約 とある魔術の禁書目録まとめ
創約 とある魔術の禁書目録(2)レビュー
同シリーズ
創約 とある魔術の禁書目録















とある魔術の禁書目録


外伝


とある暗部の少女共棲

同著者シリーズ
ヘヴィーオブジェクトシリーズ

その他フィクション

Share this content:

コメント