小説【ダンまち外伝】「ソード・オラトリア 1」感想・ネタバレ

小説【ダンまち外伝】「ソード・オラトリア 1」感想・ネタバレ

物語の概要

ジャンルおよび内容

本作は、地下迷宮(ダンジョン)と冒険者が存在するファンタジー世界を舞台に、既存シリーズ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の外伝として描かれる作品である。主人公級である剣姫が所属する「ロキ・ファミリア」を中心に、迷宮都市オラリオにおける深層探索や危機、出会いと戦いが描かれている。

主要キャラクター

  • アイズ・ヴァレンシュタイン:本作の中心となる剣姫。16歳にして「剣姫」と呼ばれ、その剣技・実力ともに迷宮都市でも屈指である。
  • レフィーヤ・ウィリディス:エルフの魔導士でアイズを尊敬し慕う存在。魔力・スキルともに高く、成長中の冒険者として物語で重要な役割を果たす。
  • ベル・クラネル:本編「ダンまち」の主人公格。外伝ではアイズたちとの関係も描かれ、物語に広がりを与えている。

物語の特徴

本作の魅力は、既存シリーズ世界観を深化させつつ、剣姫アイズを主軸に“迷宮の深層”“神・ファミリアの思惑”“出会いと別れ”を組み合わせたドラマ性の強い展開である。迷宮探索そのものの迫力と、キャラクターの内面の揺れや成長が丁寧に描かれており、単なる外伝作品に止まらず独自の存在感を有している。それゆえ、他の異世界・ダンジョン系作品と差別化されるポイントは、「ファミリア間の駆け引き」「神も絡む派閥戦」「迷宮深層ならではのリスクとスリル」である。

書籍情報

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア 1
(Is It Wrong to Try to Pick Up Girls in a Dungeon? On the Side: Sword Oratoria)
著者:大森藤ノ 氏
イラスト:はいむらきよたか 氏
出版社:SBクリエイティブGA文庫
発売日:2014年1月12日
ISBN:978-4-7973-7553-4

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あらすじ・内容

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』外伝、ここに始動!
これは、もう一つの眷族の物語、
──【剣姫の神聖譚(ソード・オラトリア】──
【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン。
最強と名高い女剣士は今日も仲間達と共に、広大な地下迷宮『ダンジョン』へと繰り出していく。
灰へと朽ちた竜の死骸、忍び寄る異常事態、様々な謎と脅威が襲いかかる深層域50階層で、アイズが風を呼び、迷宮の闇へと一閃を刻む!

──そして訪れる、少年との『出会い』
「あの……大丈夫、ですか?」
迷宮都市オラリオの地で、少女と少年の物語が今、鮮烈に交差する!
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』外伝、ここに始動!

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア

感想

『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の外伝である本作は、本編の裏側で起きていた出来事を、アイズ・ヴァレンシュタインの視点から描いている。本編をより深く楽しむための、まさに補足的な役割を担っていると言えるだろう。

特に印象深かったのは、本編一巻で起きたミノタウロス騒動の詳しい経緯が語られる点だ。浅い階層にミノタウロスが現れた背景には、神々の思惑や駆け引きがあったことを知り、物語の奥行きがぐっと増したように感じられた。また、本編ではなかなか描かれることのない、ダンジョン最前線でのロキ・ファミリアの面々の活躍も、見どころの一つだ。個性豊かな彼らが、鬱憤を晴らすかのようにダンジョンを暴れまわる姿は、読んでいて爽快感があった。

本作を読むことで、アイズというキャラクターへの理解が深まったのも大きな収穫だ。彼女は、最強の剣姫として知られているが、その内面は意外と普通の女の子らしい一面を持っている。英雄に憧れ、ダンジョンに潜ることを日常としている彼女だが、人間関係には少し不器用なところもある。そんな彼女の心の機微が、本作では丁寧に描かれている。特に、何もなければダンジョンに潜るという、ある意味で少し変わった行動原理を持つ彼女が、実はとても可愛らしいと感じられた。

物語の中で、もう一人の主人公とも言えるレフィーヤが、今後本編にどのように絡んでくるのかも気になるところだ。ロキ・ファミリアでの彼女の活動を通して、アイズが本編の各場面で何を思っていたのかが描かれることで、物語に新たな視点が加わることを期待したい。

アイズは、重要なキーパーソンでありながら、天然で不器用なため、何を考えているのか伝わりにくい部分がある。だからこそ、本作のようにサイドストーリーを通して彼女を掘り下げていくことは、非常に意義深いと感じた。本作は、単独で楽しむというよりも、本編をより深く理解し、楽しむための、まさに隠し味のような存在だと言えるだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場キャラクター

アイズ・ヴァレンシュタイン

静かな性格で、規律を重んじるが独断で前に出る面もある。仲間を守る意識が強く、行動で示す者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。第一級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 深層でレフィーヤを救い、フォモールの群れを切り開いた。上層ではミノタウロスを瞬時に解体した。怪物祭では多数の脱走個体を迅速に討伐した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 成長の頭打ちを自覚し、次の階位上昇を目標に定めた。代剣での戦闘を余儀なくされつつも戦線を維持した。

リヴェリア・リヨス・アールヴ

理知的で厳正な統率役である。後衛の軸として戦況を見極め、適切に火力を投じる者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。上級魔導士。幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
 《レア・ラーヴァテイン》で大群を焼却した。野営地防衛では魔導士隊の一斉砲撃を指揮した。帰還後は規律違反の是正を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 安全階層への異常侵入を察知し、今後の脅威を示唆した。

レフィーヤ・ウィリディス

慎重で自責しやすいが、仲間のために踏み出す心を持つ。実戦で覚悟を固めた後衛である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。魔導士。
・物語内での具体的な行動や成果
 《ヒュゼレイド・ファラーリカ》で戦線を立て直した。怪物祭では重傷から起ち上がり、二重発動で《ウィン・フィンブルヴェトル》級の氷嵐を再現した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実戦での大規模魔法運用に成功し、信頼を高めた。

ティオナ・ヒリュテ

明朗で前向きな前衛である。場の空気を和らげつつ、機を見て一気に押す者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。前衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 《ウルガ》で突撃し、誘導と各個撃破を担った。怪物祭では氷結後の同時蹴撃で殲滅に寄与した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 隊の雰囲気を支え、個人としても討伐数で貢献した。

ティオネ・ヒリュテ

冷静な指揮と苛烈な近接を併せ持つ。統制と救援の両立を図る者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。前衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 急襲を排除し、統制を維持した。武器喪失後は素手で魔石を抜き取り、窮地を切り抜けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 無茶を咎められつつも、突破力で評価を得た。

フィン・ディムナ

沈着で現実的な指揮官である。戦術判断と責任分配に長ける者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 前線維持命令の徹底を図り、状況に応じて教育目的の指揮権委譲を行った。新種出現時は退避と合流を決断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 隊の規律を再確認させ、戦後対応を主導した。

ガレス・ランドロック

堅実な前衛である。圧力下でも隊形保持を支える者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。幹部。前衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 逼迫した前衛状況を報告し、面談で課題の共有を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 継続して防壁の役割を担い、安定を与えた。

ベート・ローガ

短気で辛辣な物言いをする。実力主義の姿勢が強い前衛である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。前衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 《エアリエル》の風を脚へ載せ、蹴撃で群れを押し返した。上層での追撃では嗅覚で対象を追跡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 発言が騒動の火種となり、叱責を受けた。

ロキ

奔放だが要所で締める主神である。面子と取引を使い分け、場を動かす者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。主神。
・物語内での具体的な行動や成果
 遠征の出迎えと管理を行い、怪物祭の檻破りで鎮圧協力を即断した。神々の宴では情報収集と牽制を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 事件後に残る一体の出所不明を突き、疑念を深めた。

ベル

白髪と赤い目の少年である。未熟だが、危地で行動する者である。
・所属組織、地位や役職
 不明。店員の少女と行動する場面があった。
・物語内での具体的な行動や成果
 上層で生存し、後に市街で強敵を討ったと目撃された。迷子の少女を保護し、母親へ引き合わせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 市民から称賛を受け、周囲の評価が変化した。

フレイヤ

静かな威圧と美を備える女神である。明言を避けつつも意図を通す者である。
・所属組織、地位や役職
 フレイヤ・ファミリア。主神。
・物語内での具体的な行動や成果
 怪物祭に関与を示し、魅了で警備を無力化したと認めた。喫茶店でロキと応酬した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 十体目の出現について否定し、真相に余白を残した。

ガネーシャ

祝祭運営に関わる神である。大規模な催しの表舞台に立つ者である。
・所属組織、地位や役職
 ガネーシャ・ファミリア。主神。
・物語内での具体的な行動や成果
 怪物祭の開会挨拶を行い、配下が避難誘導と鎮圧を担った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 都市運営の一端を担い、信頼の維持に努めた。

ディオニュソス

思惑を隠す神である。表と裏を使い分ける者である。
・所属組織、地位や役職
 ディオニュソス・ファミリア。主神。
・物語内での具体的な行動や成果
 宴席で近況を濁し、後に眷属を通じて極彩色の魔石を受領した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 事件への関与が示唆され、火種を抱えた。

デメテル

温和な応対で場を観察する女神である。物流と都市生活に関心を向ける者である。
・所属組織、地位や役職
 デメテル・ファミリア。主神。
・物語内での具体的な行動や成果
 宴で作物の行き渡りについて語り、事後の展開を見守った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 他派との緊張を和らげる役を果たした。

アミッド

医療に通じる実務家である。交渉の窓口として現実的に動く者である。
・所属組織、地位や役職
 ディアンケヒト・ファミリア。医療担当。
・物語内での具体的な行動や成果
 泉水の受領と報酬の支払いを行い、追加ドロップの買い取り交渉に応じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 信義を保ちつつ高額取引を成立させた。

ゴブニュ

鍛冶に長けた神である。装備の状態を厳密に見る者である。
・所属組織、地位や役職
 ゴブニュ・ファミリア。主神。鍛冶師。
・物語内での具体的な行動や成果
 アイズの剣の劣化を診断し、修復まで代剣のレイピアを貸与した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 前線の継戦力を装備面から支えた。

ラウル

実直で任務に忠実である。支援業務を粛々とこなす者である。
・所属組織、地位や役職
 ロキ・ファミリア。団員。
・物語内での具体的な行動や成果
 前行部隊に加わり、宴会や外出時には御者として動いた。戦闘では負傷者として名が挙がった場面があった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実務での貢献が多く、縁の下の支えとなった。

展開まとめ

プロローグ 始まりの迷宮譚

フォモールとの激戦
地下深くの荒涼とした空間で、人とモンスターが激突していた。筋骨隆々のドワーフ、弓と魔法を操るエルフや獣人、褐色のアマゾネス姉妹らが前衛・後衛に分かれ、黒き巨躯フォモールの群れを迎え撃っていた。小人族の指揮官の号令により陣形を保つも、圧倒的な数に押され戦線は後退していった。

リヴェリアの詠唱とアイズの救援
後衛の中心では、翡翠の髪を持つエルフ、リヴェリアが詠唱を続けていた。彼女の魔法発動を待つ間、前線は崩壊寸前となり、一人の魔導士レフィーヤが吹き飛ばされた。超大型フォモールの攻撃が迫る中、金髪の女剣士アイズが瞬時に斬り込み、敵を両断してレフィーヤを救出した。アイズはさらに前線を突破し、無数のフォモールを斬り捨てて戦場を切り開いた。

広範囲魔法の発動と戦闘の終結
リヴェリアの詠唱が完成し、アイズが帰還すると同時に魔法《レア・ラーヴァテイン》が発動した。炎柱が地面から噴き上がり、フォモールの大群を一瞬で焼き尽くした。灼熱の余韻の中、冒険者たちは武器を下ろし、緋色の光に照らされて戦いの終結を見届けた。

迷宮と人類の起源
世界には大陸の片隅に巨大な『穴』が存在していた。そこから無尽のモンスターが溢れ、人類は蹂躙されたが、やがて反撃に転じ、モンスターの源たる『地下迷宮』に辿り着いた。迷宮は未知の資源と魔石を秘め、塔と要塞の建設が始まり、冒険者と呼ばれる探索者たちが現れたのである。

神々の降臨と新時代の到来
やがて天界から神々が下界へ降臨し、人類に恩恵を授けた。これにより人々は急速に発展し、地底の迷宮都市オラリオが繁栄した。富と名声、未知への渇望に突き動かされた冒険者と神々が集うこの地で、多くの思惑と物語が交錯する時代――神時代が幕を開けたのである。

一章 ロキ・ファミリア

野営地の情景とアイズの登場
中規模の野営地で器材運搬や設営が進む中、金髪金眼のアイズが天幕用の布を抱えて歩いていた。ヒューマンと亜人が入り交じる活気の中、遠征中の一団の様相が整いつつあったのである。

レフィーヤの謝意とアイズの対応
先の戦闘で救われたレフィーヤが、度重ねて礼と謝罪を述べた。アイズは怪我の有無を確かめ、感情表現の乏しさを自覚しつつも頭を撫でて大丈夫だと伝え、動揺する後輩を落ち着かせたのである。

ティオナの介入とベートとの応酬
ティオナが背後から抱きつき、レフィーヤを茶化したことで場は和んだが、ベートが現れてからかいを嫌悪し、口論へ発展した。ティオネが状況を収め、アイズへ団長の呼び出しを伝えて場を切り替えた。

首脳陣との面談と行動の是正
幕屋ではフィン、リヴェリア、ガレスが待ち受け、アイズに前線維持命令違反の理由を問い質した。アイズは独断突撃で戦線を軽くしようとした意図を抱えつつ謝罪し、フィンは強さゆえに与える影響の大きさを諭した。ガレスとリヴェリアはそれぞれ前衛の逼迫と詠唱遅延に触れ、結果として組織的遵守の重要性を確認したのである。

50階層の景観と安全階層での休息
アイズは幕屋を出て、燐光がまたたくドーム状天井と灰色の樹林が広がるダンジョン50階層を見渡した。ここはモンスターが産まれない安全階層であり、一行は大岩上に拠点を設け、警戒を保ちながらも食事で英気を養った。

遠征目的の再確認と依頼受注
フィンは未到達階層の開拓という遠征目的を再確認しつつ、先立って冒険者依頼をこなす方針を示した。依頼主はディアンケヒト・ファミリアであり、目的は5階層にあるカドモスの泉の泉水採取であった。物資と時間の制約を踏まえ、効率化のため二手に分かれて回収する計画が説明された。

編成と役割配分、出発準備
拠点防衛と精神力回復のためリヴェリアは残留とされ、その代役としてレフィーヤがアイズ隊に組み込まれた。編成は、一班がアイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤ、二班がフィン、ベート、ガレス、ラウルとなった。戦闘嗜好の強い面々に不安の声も上がったが、フィンはティオネに統制を託し、数時間の仮眠を経て各班は依頼達成へ向けて出発したのである。

二章 迷宮混迷

50階層での戦闘と役割の再確認
迷路構造の50階層で、ティオナが《ウルガ》を振るい突撃、アイズが機動と精密斬撃で援護、ティオネが指揮と救援を担い、レフィーヤは後衛から詠唱を準備して進む。奇襲してきた《デフォルミス・スパイダー》はティオネが排除したが、レフィーヤは自責気味。そこでアイズが「危なくなった私達を、次はレフィーヤが助けて」と信頼を言葉にし、隊の役割分担を共有した。

カドモスの泉での異変
目的地のルームは樹木や壁が破壊され、腐食で紫に変色した痕と悪臭が残る。番人たる強竜は灰となり、《カドモスの皮膜》を含むドロップが未回収のまま。アイズ達は皮膜と変色木片、泉水を確保し、異常の報告のため撤収を決める。

新種モンスター出現―腐食と共食い
撤収途上、フィン達二班が得体の知れない巨大芋虫型モンスターに追われて合流。個体は紫黒の腐食液を噴出し、ティオナの《ウルガ》を半身ごと溶解。被弾したラウルは重傷。モンスターはブラックライノスすら溶かして捕食しており、強竜討伐と同一の腐食痕から「冒険者ではない何か」が原因と判明。数も多く、戦闘継続は不利と判断して全員退避に移る。

『怪物の宴』発動、広範囲魔法での突破
袋小路ルームで三方の壁が割れ、《ブラックライノス》が大量発生。フィンは「新種は自分とアイズで引き付け、他は迎撃。レフィーヤは詠唱」と布陣。アイズは《エアリエル》で風を纏い、腐食液を斬風で弾きつつ切り込む。フィンは《デスペレート》(不壊属性)で脚を狙い転倒させ、時間を稼ぐ。詠唱を終えたレフィーヤが《ヒュゼレイド・ファラーリカ》を展開、炎矢の豪雨で新種とライノスを一掃。戦線を立て直す。

さらなる不穏と帰還命令
フィンは「新種が現れた進路は50階層への正規ルート」と指摘。キャンプ側への侵入を警戒し、アイズ達に全速での帰還を命じる。

野営地への急行と壊乱する防衛線
50階層西端の岩壁を跳躍で駆け上がったアイズ達は、野営地が黒煙と炸裂音に包まれているのを目にした。崖に取り付く芋虫型モンスターの群れが腐食液を吐き、リヴェリア率いる防衛隊は盾を溶かされながらも辛うじて持ち堪えていた。弓兵の矢も腐食で折れ落ち、追い詰められた防衛線は崩壊寸前であった。

第一級冒険者達の反撃
危機を前にアイズが単独突入し、風を纏った剣閃で敵を切り裂く。ベート、ティオナ、ティオネ、レフィーヤも続き、隊は一気に反撃へと転じた。フィンは若き隊員達の突撃を制止せず、「この熱は指揮よりも有効」と判断し、自らも剣を取って戦列に加わった。

ティオナとベートの攻勢
ティオナは上方から投下された長槍を両手に取り、挑発で敵を誘い出し腐食液の同士討ちを誘発。槍の一突きで魔石を貫き、灰と化す敵を次々と仕留めた。一方、ベートはアイズの魔法《エアリエル》を受け、風を宿した《フロスヴィルト》を脚に纏う。風脚の蹴撃で敵を粉砕し、腐食液を弾き飛ばす猛撃で群れを押し返した。

ティオネの暴走とフィンの叱責
武器を失ったティオネは激昂し、腐食液を恐れず素手で殴打。腕を溶かしながらも魔石を掴み取り敵を屠った。全身を焼かれながらもなお戦う姿にレフィーヤは慌ててエリクサーを浴びせ、辛うじて命を繋いだ。駆けつけたフィンは彼女へ腰巻きを与え、「無茶をするな」と静かに諭した。

魔導士隊の一斉砲撃
戦場上空ではリヴェリア率いる魔導士達が詠唱を重ね、《ウィン・フィンブルヴェトル》を含む氷炎雷の一斉射撃を展開。退避した前衛を覆うように砲撃が降り注ぎ、腐食する群れを一掃した。リヴェリアは援護を終えたのち、崖上から戦場を俯瞰し、壊滅した敵と残骸を確認する。

勝利の直後に残る違和感
戦闘は終息したが、リヴェリアは静かに眉を寄せた。未知のモンスターが安全階層へ侵入した異常、そして視界の奥に見えた“何か”が、ただの戦後の残像ではないことを直感する。「何だ、あれは……」――その呟きが、新たな脅威の到来を告げていたのである。

爆発の余波と仲間達の動揺
アイズの戦闘区域で突如として巨大な火球が爆ぜ、爆風と熱が野営地を襲った。モンスターの自爆による爆発はドーム状に広がり、【ロキ・ファミリア】の隊列にも衝撃が及んだ。フィンの指示で距離を取っていたものの、灼熱の奔流が肌を焼き、視界を奪った。灰色の森は一面が赤く染まり、炎が樹々を伝って燃え広がっていった。

燃え上がる戦場と沈黙の中の祈り
爆心地からは灼炎が渦を巻き、誰もが息を呑んだ。ティオナは紅蓮の中に消えたアイズの姿を見失い、ただ炎の奥を見つめ続けた。レフィーヤは叫びを飲み込み、ティオネは拳を握りしめ、誰もがその生還を信じようとした。

風が裂く炎と剣姫の姿
やがて、爆炎が内側から押し広げられた。風が流れ込み、炎の壁が左右に割れる。その中心から現れたのは、半壊した防具に身を包み、銀の剣を手にした金髪の少女。風が炎を払い、焦土の上を歩むその姿に、誰もが息を呑んだ。

剣姫の帰還
燃え盛る炎を背にして、アイズ・ヴァレンシュタインが無傷の剣を携え歩み出る。風が彼女の髪を揺らし、焦げた空気を浄化するかのように流れ抜けた。その瞬間、沈黙していた仲間達から歓声が上がる。ティオナは泣き笑いし、レフィーヤは胸に手を当て、ティオネは安堵の息を漏らした。

灰と炎に包まれた戦場に、ひとつの光が戻る。
それは、【剣姫】の名にふさわしい勝利の証であった。

三章 White Rabbit

帰還決定と装備不足
【ロキ・ファミリア】は50階層での戦闘後、物資と装備の損耗を理由に未到達階層への進出を断念し、帰還へ転じたのである。ティオナは不満を示したが、ティオネは武器や道具の摩耗を指摘し、長期戦が不可能である現状を再確認させた。アイズは第一級として冷静に状況を受け止め、隊は17階層の岩窟域を進行していた。

特異な魔石の発見
ティオネは芋虫型モンスターから直に魔石を引き抜き、中心が極彩色で周縁が紫紺という異例の色合いを確認したのである。通常は腐食液で魔石ごと溶解するため回収不能であったが、彼女の強引な手法により唯一の回収に成功した。この発見は先の戦闘に不自然さがあったことを裏付ける示唆となった。

前行部隊の編成と緊張
深層より上がった隊は渋滞と奇襲を避けるため二隊に分割され、リヴェリア指揮の前行部隊にはアイズやティオナら十数名が集結していた。帰路で疲労が濃いサポーターへの配慮をアイズが見せる一方、ベートは実力主義の立場から介入を戒め、内部の緊張がくすぶっていたのである。

ミノタウロス群との遭遇
広いルームでミノタウロスの大群が出現した。中層最強格であったが、第一級を含む戦力差は明白であり、リヴェリアは教育目的でラウルに指揮を委ね、ティオネの申し出によりアイズら上位陣も戦線に参加した。結果として敵は半数が瞬時に討たれ、戦意を喪失した残余が一斉に背走したのである。

集団逃走と大追跡
ミノタウロスは連絡路を辿って上へ上へと逃走し、各階層で散開した。被害拡大を避けるため隊は遮二無二追跡したが、処理のために人員が離脱し、上層へ入る頃には追跡はアイズとベートの二人に絞られた。新米や下級冒険者の領分である上層に強敵がなだれ込む状況は危機的であり、二人は救援と殲滅を並行して進めたのである。

最後の一匹の追尾
ベートは嗅覚で残り香を辿り、アイズを導いた。通路の選択肢が多い迷宮で対象を見失う場面もあったが、最終的に5階層のルームで最後の一匹を視認した。環境は静まり返り、他の冒険者の姿はなく、決着の場が整っていた。

白兎の少年との邂逅
標的の先には白髪紅眼のヒューマンの少年がいた。装備は管理機関の支給品で拙い動きが目立ち、ミノタウロスの餌同然であった。蹄の衝撃で転倒した少年に巨腕が迫る中、アイズは音もなく加速し、背後から音速の連撃でミノタウロスを瞬時に解体したのである。

救出後の動揺と別離
アイズは安否を問い手を差し出したが、少年は茫然自失から一転して羞恥に紅潮し、言葉にならない声を残して全力で逃走した。ベートは笑いを堪え、アイズは年頃の少女らしい面持ちで睨み返した。紆余曲折を経た追跡はここで終息し、【ロキ・ファミリア】の長い遠征は幕を閉じたのである。

迷宮都市オラリオの情景
オラリオは堅牢な市壁と中央の白亜の巨塔バベルを核として発展した都市であり、夕刻には迷宮から帰還する冒険者と酒場の喧噪で満ちていたのである。魔石灯が灯り、神々と多種族が雑踏に交じる光景は、この世界の縮図を成していた。

黄昏の館への帰還
アイズら【ロキ・ファミリア】は遠征から復帰し、本拠「黄昏の館」に到着した。門はフィンの指示で開かれ、疲労を抱えた一団は物資を運び入れた。ロキは女性陣に熱烈に駆け寄り、犠牲者なしの帰還を確認したうえで出迎えを行った。

ロキの出迎えと日常の空気
ロキは親しげで奔放な態度を見せ、団員達は家族的な距離感で応じていた。神威を湛えつつも人間臭い主神への扱いは崇拝一辺倒ではなく、情愛と気安さが同居していたのである。アイズは体調を看破されつつも短く応答し、館内へ進んだ。

浴室での一幕とアイズの内心
入浴の順番が譲られ、アイズ、ティオナ、ティオネ、レフィーヤらは狭い浴室で汗を流した。種族ごとの羞恥や体格差をめぐる軽口が交わされる一方、アイズは上層で救った白髪紅眼の少年の反応を思い返し、己の戦いぶりが恐怖を与えた可能性に小さく沈んだのである。

ロキ私室での【ステイタス】更新
アイズはロキの私室を訪れ、神血を介した【ステイタス】の解錠と更新を受けた。背に浮かぶ神聖文字は経験値の抽出により書き換えられ、羊皮紙に要点が写し取られた。更新作業は多人数を抱える【ファミリア】において神の手作業で運用され、背中の解錠リスクへの注意も再確認された。

成長停滞の自覚と次段階への志向
更新結果は各アビリティの伸長が乏しく、深層での戦果に比して熟練度がほとんど上がっていない現実を示した。評価が高位域に達したことによる成長幅の極端な縮小により、現段階では頭打ちであるとアイズは判断した。ゆえに彼女はLv.上昇という次の階位への移行を志向し、より強くなるという執念を胸奥に固めたのである。

ロキの助言と夜の終わり
ロキは走り続ける者が転ぶ危うさを静かに諭し、休息を促した。アイズは短い言葉を返して部屋を辞し、人気の薄い回廊を抜けて自室へ戻った。月光に銀の剣が冷たく輝く中、アイズは無言で横たわり、次なる高みに向けて思考を沈めつつ眠りへ落ちたのである。

夢の回想と救済の原像
アイズは幼少期の記憶を夢に見ていた。金髪の女性がたどたどしくも慈愛に満ちた朗読を行い、少女は物語の姫が若者に救われ幸福に至る姿に憧憬を抱いたのである。場面は地下迷宮に転じ、怪物に襲われた少女を若い剣士が救う幻像が示され、彼は「お前の英雄にはなれない」と告げつつも、いつか「お前だけの英雄」との邂逅を願った。この救済の原像はアイズの内的志向の核として残存していた。

覚醒と心境の変化
朝、アイズは久方ぶりの夢に懐旧を覚え、前日に救出した白髪紅眼の少年に自らの幼心を重ねた。遠征の疲労と追憶の作用により、前夜とは異なる静かな安堵が生じていたのである。

遠征後処理と都市動線
朝食後、【ロキ・ファミリア】は戦利品換金・武具整備・補充などの後処理に着手した。北西メインストリート(冒険者通り)へ向かい、ギルド本部での魔石換金は首脳陣が担当、他の面々は需要先ごとに分散した。オラリオの放射状八大道と商業生態系の中で、同派閥は畏敬と羨望の視線を受けつつも円滑に動線を確保した。

ディアンケヒトでの依頼完了と高額交渉
アイズらは【ディアンケヒト・ファミリア】にて泉水の納品を完了し、報酬として最高品質の万能薬(エリクサー)を受領した。さらに希少ドロップ「カドモスの皮膜」を持ち込み、ティオネが強硬な価格交渉を展開した結果、当初提示を大きく上回る額での買い取りに至った。アミッドは苦笑しつつも信義を保ち、相互の信頼関係は辛うじて維持されたのである。

市街の推移と分隊行動
正午前には通りの混雑が緩和し、休業中の冒険者が買い回る光景が残った。高額の金貨と万能薬はティオネとレフィーヤが本拠へ搬送し、アイズとティオナは武具整備のため鍛冶派閥へ向かった。

ゴブニュでの整備依頼と代剣の受領
路地奥の【ゴブニュ・ファミリア】を訪れ、アイズは《デスペレート》の劣化を鍛冶神ゴブニュに診断された。腐食液と該当モンスターとの連戦が刃の性能を著しく低下させていたため、完全復帰までの間、長身の業物レイピアを代剣として貸与されることとなった。アイズは礼を述べ、五日後の受け取りを約して工房を後にした。

総括:内なる規範と次行動への接続
救済の夢は「誰かの英雄」という理念を再点火し、現実のオラリオ運用(換金・補充・整備)と接続した。アイズは安堵を得つつも、装備更新と資金確保を完了させ、次の実戦に向けて体制を整えたのである。

酒宴の始まりと都市の夜景
遠征後に盛大な酒宴を開くのは【ロキ・ファミリア】の慣例である。労をねぎらう名目のもと、酒好きの主神ロキが自ら主導して準備し、団員達は日暮れとともに西のメインストリートへ向かった。西地区は労働者とその家族が多く暮らす住宅街であり、仕事帰りの市民と売り子達が賑わう素朴な空気が広がっていた。

酒場『豊穣の女主人』での宴
ロキが贔屓にする酒場『豊穣の女主人』は女性店員が多く、彼女のお気に入りの店であった。酒場は満員で、【ロキ・ファミリア】の席だけが不自然に空いている。店内外の熱気に包まれる中、ロキの音頭で乾杯が行われ、団員達は思い思いに杯を交わした。料理と果実酒が次々と運ばれ、宴は活気に満ちていった。

仲間の談笑とアイズの穏やかな時間
ティオネとフィン、ガレスらの軽妙なやり取りが続き、ティオナとリヴェリアを交えた賑やかなやりとりが展開された。アイズは普段通り穏やかに食を進めていたが、好奇の視線の中で一つだけ真っ直ぐな眼差しを感じ取っていた。誰のものかはわからぬまま、彼女は静かに笑みを浮かべた。

笑いの渦と白兎の記憶
宴が進む中、ベートが遠征帰りに発生したミノタウロスの騒動を話題にした。彼は上層で逃げ惑っていた“駆け出しの冒険者”を嘲笑し、その様を「トマトのように真っ赤な姿」と誇張して語った。アイズの胸中には、昨日救った白髪紅眼の少年――ベルの姿が浮かんだ。彼を思い出した瞬間、心の奥が痛んだ。

侮蔑と沈黙、そして否定
ベートはさらに嘲りを重ね、周囲の団員達も笑声を上げた。アイズの中では静かな怒りと悲しみが交錯した。リヴェリアだけが沈黙を破り、「恥を知れ」とベートを叱責したが、彼は挑発を止めなかった。そしてアイズに対し、「弱者をどう思う」と問い、「雑魚はお前に釣り合わねえ」と言い放った。アイズは冷静に、しかし明確に拒絶した。

少年ベルの出現とアイズの動揺
その瞬間、店の隅で立ち上がる影があった。店員の少女が叫んだ名は「ベル」。嘲笑の対象となったその少年本人が、悔し涙を浮かべて店を飛び出した。アイズは息を呑み、椅子を蹴って立ち上がった。
外へ出て、走り去る店員の少女と少年の背を目にする。しかし、足は動かなかった。
自らの手で救い、そして再び傷付けた白兎。
彼を追うことも、声をかけることもできないまま、アイズはその名を小さく呟いた。

静止する月下の誓い
ベル――アイズに夢を運び、かつての純粋な自分を思い出させた少年。
それでも今の彼女は、もう追うことができなかった。
遥か高みを見据えるその瞳に、弱き者の影を映す余地はなかった。
こうして、アイズ・ヴァレンシュタインの心の奥に、新たな痛みと誓いが刻まれたのである。

四章 冷静と情熱の間

アイズの沈黙とロキ・リヴェリアの会話
朝日が差し込むオラリオの街を背景に、ロキとリヴェリアは中庭で沈んでいるアイズを見守っていた。遠征後も元気のないアイズに、二人は原因を推測する。ロキは酒場での一件を挙げるが、リヴェリアはそれだけではないと考えた。ロキはリヴェリアにアイズの様子を託し、去っていった。

リヴェリアとアイズの対話
リヴェリアは中庭へ降り、アイズに何があったかを尋ねた。アイズは酒場での出来事を語り、ミノタウロスの話をしたことにより、助けた少年を再び傷付けたのではないかと悩んでいた。リヴェリアはそれを理解し、強要せずに考えを促した。アイズは謝りたいという気持ちを吐露し、リヴェリアは必要なら相談に乗ると告げた。

感謝と母のような想い
リヴェリアはアイズの表情にわずかな温もりを見て安心したが、まだ完全には晴れていないと感じた。少女の成長を信じ、彼女を導く役割を他の仲間に任せることを決めた。アイズは小さく感謝を述べ、リヴェリアは穏やかな笑みを返した。

ティオナの行動とアイズ探し
その頃、朝の食堂ではティオナがアイズの元気のなさを案じていた。ベートが原因ではないと考え、レフィーヤとティオネを誘って行動を開始する。ティオナは能天気だが、アイズの笑顔を取り戻したい一心で駆け出した。

ベートとの遭遇と中庭へ
館内を走り回るティオナは廊下でベートと遭遇し、アイズが中庭にいると知らされる。彼女はその言葉に従い、急いで中庭へ向かった。そこには空を見上げるアイズの姿があり、ティオナは明るい声で呼びかけ、彼女の手を取って買い物へ誘ったのである。

四人の外出と北通りの服飾街
ティオナはレフィーヤとティオネと合流し、アイズの手を取って北のメインストリートへ繰り出した。多種族向けの専門店が並ぶ服飾街で、気晴らしの買い物を主導したのはティオナであった。レフィーヤは品揃えを理由に路地裏の店を提案し、四人は常連の店へ向かったのである。

アマゾネス店での騒動とレフィーヤの制止
入店先はアマゾネスの服飾店で、露出の高い戦装束が並ぶ光景はアイズとレフィーヤには目の毒であった。ティオナとティオネは試着を勧めたが、レフィーヤは慎みある装いを主張して強く制止した。彼女はアイズをエルフの店に連れ出すべく外へ導き、ティオナとティオネも後を追った。

試着の末に選ばれた一着
店巡りは続き、最終的にヒューマンの店で白い短衣とミニスカートの組み合わせに落ち着いた。花の刺繍が施された簡素な一着は、金髪と体躯の線の細さに調和し、三人は口々に似合うと称えた。代金はティオナが贈り物として支払い、四人は正午前の陽光の下、賑わう路地を歩いた。

女神の往来と「神の宴」の気配
移動の途中、幼い姿で胸囲の豊かな女神にティオナがぶつかる出来事があった。界隈では他にも女神の往来が目立ち、仕立て直しを急ぐ声が聞こえた。ティオネは近く「神の宴」が催されると推測し、レフィーヤも腕に煌びやかな衣装を抱える神々の姿からその見立てに同意した。

カフェでの逡巡とティオナの一押し
カフェで休息を取りつつ南のメインストリート行きを提案すると、アイズは気遣いへの負い目から謝意と謝罪を口にしかけた。ティオナは額を軽く小突き、謝ってほしくて贈ったわけではないと不満気に伝えた。アイズは力の抜けた微笑を見せ、ティオナは満面の笑みで抱き付き、場は和やかになった。

夕暮れの帰路とロキの外出
西日が街を茜に染める頃、四人は笑みを取り戻したアイズとともに帰路についた。ホーム前には馬車が待ち、夜会巻きで黒のドレスを纏ったロキが乗り込むところであった。ロキは神々の宴へ向かうと述べ、愉快な情報を得たと含みを持たせて出立した。御者台のラウルが項垂れるのを見届け、四人は遠ざかる馬車を見送ったのである。

神の宴の開幕とロキの来訪
迷宮都市が夜に沈む中、【ガネーシャ・ファミリア】本拠の巨象建築で神々の宴が催されていた。ロキはラウルを御者に馬車で到着し、会場の華美さと人だかりを確認して入場した。彼女は道中で軽口を交わしつつ、帰路までの待機をラウルに依頼していた。

会場の熱気と嘲弄への応対
広間ではガネーシャが高らかに挨拶し、豪奢な料理と酒が振る舞われていた。ロキは珍しくドレス姿で注目を集め、一部の神々から容姿を揶揄されるも、表向きは笑みで受け流しつつ内心で報復を誓った。彼女は酒を受け取り、場の空気を測りながら標的の来訪を探った。

ディオニュソスとデメテルとの応酬
ロキはディオニュソス、デメテルと近況を交わし、デメテルの栽培品が都市に行き渡る現況や葡萄酒の出来に話題が及んだ。ディオニュソスは自派の戦績を濁しつつ情報を引き出そうとし、ロキは遠征明けの土産話を求められつつも曖昧に躱した。会話は間近に迫る怪物祭(モンスターフィリア)に及び、ロキは観覧の意向を示し、ディオニュソスは多忙を理由に不参加気味の姿勢を取っていた。

標的の発見と離脱、残る含み
ロキは紅髪と銀髪、そして二つ結いの黒髪という女神たちの一団を視界に捉え、満面の笑みでそちらへ向かった。ディオニュソスは雑踏に消える背中を無言で見送り、デメテルからまた何かが起こるのかと問われると、微笑を崩さずかわした。

アイズの単独行と二十階層の戦闘
一方、アイズは二十階層で『ガン・リベルラ』と『バグベアー』の群れを迅速に制圧した。代用のレイピアは高性能ながら馴染みが薄く、射程や強度の感覚差に使いづらさを覚えていた。彼女は魔石とドロップを淡々と回収し、サポーター不在の不便を実感しながら帰路へ移っていた。

怪物祭の準備とアイズの所感
通路で【ガネーシャ・ファミリア】の実戦的装備をまとった一隊と遭遇し、牽引するカーゴから翌日の怪物祭に向けた捕獲搬送だと察した。アイズは催しの功罪を思案しつつも、都市の緩衝材としての側面を認め、作業の妨げを避けて別動線で上層へ向かったのである。

帰還とリヴェリアの叱責
アイズは夜更けに地上へ戻り、人気を避けて自室へ向かおうとしたが、待ち構えていたリヴェリアに見つかり、遠征明けは休めとたしなめられた。アイズは素直に謝罪し、以後を自重する姿勢を示したのである。

ロキの帰館と翌日の誘い
そこへ三日酔い同然のロキが現れ、『神の宴』での不首尾をにおわせつつも、翌日の怪物祭にアイズを連れ出すと宣言した。リヴェリアは同行を辞退しつつも、アイズにほどほどを念押しした。アイズは配慮を汲み、誘いを受け入れた。

翌朝の予定調整と出発
翌朝、ティオナは同祭への同行を望んだが、先約を知って了承した。ロキはなおも酔いの尾を引きつつ準備を整え、アイズとともに東のメインストリートへ向かった。祭りの人出は多く、円形闘技場へ続く列で街は活況に包まれていた。

喫茶店での邂逅と二柱の応酬
ロキは事前に通じを付けていた喫茶店でフレイヤと面会した。アイズは護衛位置で控え、フレイヤの圧倒的な美貌と神威を間近に感じた。ロキは最近の動向を問い質し、【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の拮抗関係を背景に牽制した。フレイヤは具体を明かさないながらも、脆く未熟だが透徹した色を持つ下界の一人に心を奪われたと語った。

白兎の視線とアイズの胸中
会話の最中、フレイヤの銀瞳が雑踏の一点で止まり、白い兎耳のように揺れる頭髪を捉えた。フレイヤは急用として席を立ち、ロキは訝しんだ。アイズは白髪の人物を追って一瞬意識を奪われ、怪物祭にその者が来ているのかもしれないという期待を自覚したのである。

屋台巡りと気晴らしの効用
店を出た二人は祭りの通りを歩き、ロキはじゃが丸くんをねだっては無理を通し、アイズは渋々ながら応じた。主神のひょうきんな振る舞いと露店の賑わいはアイズの表情を和らげ、気晴らしとして機能した。途中、武器の露店に足を止める場面もあったが、ロキの宥めで歩みを再開し、二人はなおも祭りの雑踏へ溶け込んでいった。

地下で“それ”が目覚める
薄闇と冷気に満ちた檻内で“それ”が覚醒。黒檻の解放と同胞の存在を感知し、闇を蠢いて外へ――多くの生体反応が渦巻く地上、すなわち闘技場方面へ向かう。

ロキとアイズ、開演に遅れて小走り
屋台巡りに夢中になり開演に遅れたロキとアイズは、裏道を駆け抜け闘技場へ急行。途中でアイズは不穏な遠吠えを耳にし、違和感を覚える。

闘技場前の張りつめた空気
現地は騒然。【ガネーシャ・ファミリア】の団員が武装展開し、ギルド職員は奔走。祝祭の熱と裏腹に、周辺一帯へ動揺が広がっていた。

ギルドの説明――檻破りと“抜け殻”
アイズが職員から事情を聴取。怪物祭用に捕獲した一部モンスターが地下檻から脱走し、東部域へ散開。外部犯の関与が濃厚で、見張りの職員や団員の一部は「魂を抜かれたように」放心・再起不能となっているという。

出動決定
要請を受け、ロキは「借しを作る」と応諾。アイズはレイピアを握り、東部域の鎮圧へ即応――“デート”は非常時対応へと切り替わった。

五章 開戦

観客席の違和感
怪物祭のアリーナでは【ガネーシャ・ファミリア】の調教師が次々と調教に成功。ティオナ、レフィーヤ、ティオネは妙技に沸きつつも、目玉級の竜種が早い順番で出てきたことや団員たちの慌ただしさに不穏を察知、様子見に動く。

広場の混乱とロキの判断
闘技場外周はギルドと【ガネーシャ・ファミリア】で避難誘導が進行。ロキは職員から「外部犯の関与で檻破り、脱走モンスターが東部に散開」と聞き、アイズに鎮圧を任せる方針を即決。ティオナたちには「討ち漏らしの掃討」を指示する。

アイズの俯瞰索敵と電撃戦
アイズは闘技場天頂から音と風の揺らぎで位置を割り出し、八体中七体を即時捕捉。〈テンペスト〉で加速し「リル・ラファーガ」の弾丸突撃でトロールを粉砕、屋根伝いに縦横無尽へ移動しながら連続討伐(計四体→さらに撃破を重ねる)。住民に負傷が出ていない不自然さに、ロキは背後の“意図”を疑う。

地鳴り、そして未知の脅威
街全体に微弱な揺れ。ほどなく通りの地面が破砕し、土煙の中から「顔のない蛇」に見える長躯のモンスターが出現。ティオナとティオネが素手で迎撃するも、滑らかな外皮は超硬質で打撃が通らない。

レフィーヤ狙撃、逆襲
レフィーヤは杖なし短文詠唱で狙撃魔法を構築。しかしモンスターは“魔力反応”に即座に反応し、地中から触手を伸ばして腹部を貫通。レフィーヤは吐血して倒れ、モンスターは蕾を開いて本性を露わに――極彩色の花弁と巨大な咢、内部に煌めく魔石を備えた“食人花”。地面一帯から林立する触手がティオナ姉妹の前進を阻み、本体は倒れるレフィーヤへと迫る。

窮地のレフィーヤ
腹部を貫かれ倒れたレフィーヤは、頭上に迫る食人花の影を前に身動きできず、恐怖と無力感に囚われていた。粘液を滴らせる大口が目前に迫り、絶望が彼女を覆う。だがその瞬間、金と銀の閃光が走り、アイズの剣がモンスターの首を断つ。レフィーヤは救われ、地面に倒れ込んだまま息をついた。

新たな脅威とレイピアの破砕
アイズはすぐにティオナ達と合流し、倒れたレフィーヤを確認しようとする。しかし地面が震動し、再び三体の食人花が地中から出現。アイズは迎撃に移るが、激しい連撃の最中、代剣《デスペレート》が破砕。〈エアリエル〉の出力に耐えきれず折れた刃を前に、彼女は苦悩のまま柄のみで応戦する。

魔力反応と集中攻撃
モンスター達はアイズにのみ狙いを定め、ティオナ達の攻撃を無視して襲いかかった。アイズは魔法を解くよう指示されるが、逃げ遅れた獣人の少女を見つけ、救出を優先。自らを囮にして進路を変え、子供を守り抜く。だがその代償として、モンスターの群れに捕まり窮地へ追い込まれる。

立ち上がる決意
一方、重傷のレフィーヤはギルド職員に助けられながらも、仲間を救えない自分を責めていた。アイズが捕らえられる光景を目の当たりにし、覚悟を固める。
「私はレフィーヤ・ウィリディス、ロキ・ファミリアの一員!」
その叫びと共に立ち上がった彼女は、再び戦場へと走り出す。

不屈の詠唱と覚醒の魔法
血に染まる唇を噛み締めながら、レフィーヤは詠唱を開始した。〈エルフ・リング〉を発動し、翡翠色の魔法陣を展開。さらに〈千の妖精〉の名にふさわしく、召喚魔法〈サモン・バースト〉を上乗せして二重発動へと至る。リヴェリアの魔法を再現し、吹雪の極致〈ウィン・フィンブルヴェトル〉を放った。

氷結の咆哮と逆転の一撃
ティオナ、ティオネ、アイズが前線で食い止める間に魔法が完成。三条の氷嵐が奔り、三体の食人花を瞬時に氷結させた。凍り付いた敵にティオナ姉妹が同時蹴撃を放ち、氷像ごと粉砕。戦場は白と蒼の凍土に変わり、勝敗は決した。

勝利と感謝、そして再出発
ロキが現れ、朝に見かけた武器屋の剣を投げ渡す。新たな剣を受け取ったアイズは最後の氷像を斬り裂き、清音と共に粉雪が舞った。ティオナはレフィーヤを抱き締め、アイズも「リヴェリアみたいだった」と称賛。感極まるレフィーヤの頬が紅潮する。
ロキは即座に次の指示を下し、ティオネ達を地下へ、アイズと共に残敵掃討へ向かわせる。
そして遠く、南東の迷宮街――ダイダロス通りの方角から、新たな歓声と不穏な叫喚が響き始めていた。

夕暮れの街と一日の終わり
太陽が市壁の奥に沈み、茜色の光が街を染める中、アイズたちは北のメインストリートを歩いていた。ティオナは「とんだ日になっちゃった」と息をつき、レフィーヤも苦笑を漏らす。事件は【ガネーシャ・ファミリア】とギルドの迅速な対応により収束し、死傷者は出なかった。だが、犯人は捕まらず動機も不明のままであった。

仲間たちの会話と小さな安らぎ
ティオネは「管理責任を問われるでしょうね」と述べ、レフィーヤは「狙いがそこにあったのかもしれません」と推測した。アイズは自分の服が汚れているのに気付き、ティオナに謝罪するが、彼女は笑顔で「今度また買いに行こう」と励ました。夕日の光に照らされた二人の笑顔が重なり、アイズはわずかに心を和らげた。

白髪の少年との再会
アイズの脳裏に、白髪の少年――ベルの姿が浮かぶ。モンスター鎮圧の最中、最後の一匹を倒したのは彼であった。すれ違いのような短い邂逅だったが、少年が強敵を討った事実にアイズは誇らしさを覚えた。市民たちは彼を称え、歓声に包まれていた。その光景を見つめながら、アイズは胸の奥で静かに呟いた。
(もう一度、ちゃんと謝らないと)

ロキの不在と夜の邂逅
帰路の途中、ティオナが「ロキは?」と尋ねると、ティオネは「急用で外出した」と答えた。ロキは夕食を断り、夜の繁華街にある高級酒場でフレイヤと向かい合っていた。杯を傾けながら、ロキは皮肉交じりに切り出す。
「今日のフィリア祭の騒ぎ、仕組んだのは自分やろ?」
フレイヤは瞳を伏せて微笑む。「概ねその通りよ」とあっさり認めた。彼女は“魅了”によって見張りを無力化し、モンスターを逃がしたのだ。だがロキが「十匹目の蛇のような怪物」を指摘すると、フレイヤは首を傾げる。
「私が放ったのは九匹だけよ」

食い違う真相と静かな疑念
二人の間に沈黙が生まれる。フレイヤの瞳は静かに笑い、ロキの眉間には皺が寄った。
「あんな大騒ぎで死人なしなんて芸当、お前以外できへん思たけどなぁ……十匹目は誰の差し金や?」
返答はない。杯を交わす二柱の女神の間に、妙な寒気が流れた。夜空の月が雲間から姿を現し、青白い光が個室を照らす。

廃墟に潜む影
同じ頃、街の裏路地にある古びた廃墟。朽ちた壁の間に、一人の影が月を仰いでいた。そこへ白い肌と尖耳を持つ女性――ディオニュソスの眷属が現れる。
「ディオニュソス様」
呼ばれた男神は振り返り、差し出された物を受け取った。手の中で転がるそれは、中心が極彩色に輝く魔石であった。月光を受けて妖しく光を散らすその魔石を見つめながら、彼は低く呟く。
「……面倒なことになってきたな」

エピローグ 空の下で

蒼穹の下、歩み出す日常
抜けるような蒼穹が広がり、澄み切った空の下でアイズは今日もダンジョンへと向かっていた。街の大通りはいつも通りの喧騒に包まれ、売り子の声、馬車の車輪、石畳を蹴る靴音が響き渡る。活気あふれる人波の中で、アイズは静かに歩みを進めていた。

街の視線と孤独な名声
すれ違う武装冒険者たちの視線が彼女に注がれ、ひそやかな囁きが交わされる。
曰く、最強の女性冒険者。曰く、不死身の剣士。曰く、できないことはない――。
それら過剰な評価は、畏怖と憧憬の入り混じった虚像であった。アイズは頓着せず、ただ前を見つめる。だがそんな中、視界の端に映った光景が彼女の足を止めた。

泣く少女との邂逅
路傍に取り残され、涙をこぼす幼い少女。雑踏の中で誰も声をかけようとしない。アイズは逡巡ののち、彼女の前に膝をつき、「どうしたの?」と静かに声をかけた。
だが少女は堰を切ったように泣き出し、アイズはなだめようとするも上手く言葉が出てこない。人々が行き交う中、ただ困惑したまま立ち尽くす。剣を振るえば誰よりも強いはずの彼女が、小さな涙ひとつに戸惑っていた。

迷子の行方と空白の時間
「少し、待ってて?」
少女を泣き止ませることができず、アイズはいったんその場を離れギルド職員を探した。やがて職員を連れて戻ると、少女の姿は忽然と消えていた。戸惑う職員を残し、アイズは探索を中断して少女を探し始める。
街の広場や商店、路地裏を何度も確かめ、ようやく時計台の針が半周した頃、母親に抱かれて笑う少女を見つけた。

再会と“白い髪のお兄ちゃん”
少女はアイズに気付き、満面の笑みを浮かべて手を振った。「お母さんに見つけてもらったの?」と尋ねるアイズに、少女は首を振って答える。
「白い髪のお兄ちゃんが助けてくれたの!」
その言葉にアイズの瞳が見開かれる。「白い髪に、赤い目をしていた?」
少女は嬉しそうに「うんっ、兎さんみたいだった!」と笑った。
アイズは一瞬だけ息を呑み、やがて静かに呟いた。
「……そっか」

空の下で思うこと
少女と母親を見送りながら、アイズは立ち止まり空を仰ぐ。白い雲がゆるやかに流れ、青空に溶けていく。
自分にはできなかったことを、あの白い髪の少年――ベルがやってのけた。そう思うと、不思議な感情が胸を満たした。心の奥が澄んでいくような感覚に包まれながら、アイズはただその空を見上げ続けた。

人々の流れが彼女を追い越し、足音が遠ざかっていく。
風が頬を撫で、白い雲が青空を渡っていく。

オラリオの空は、今日も変わらず青かった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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