どんなラノベ?
薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー!
え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?
そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。
彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。
そこが笑いどころ。
読んだ本のタイトル
#月が導く異世界道中 13
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ 氏
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1巻から13巻までの流れ
普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。
荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。
上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れる。
荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。
その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。
その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。
上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。
その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。
それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、
巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)
遂に大きなヒューマンのツイーゲの街に着いた一行。
そこで、呪病に苦しむレンブランドの依頼を目にして、彼の妻、娘2人を癒す。
そして、暗躍していたライムを懲らしめて配下に加える。(2巻)
レンブランドの家族を癒した薬の原料アンブロシアを手に入れるため、群生地に行ったらアンブロシアを守護している森鬼が襲って来た。
それらをアッサリと捕獲して、森鬼の村に潜伏していたリッチを秒殺で押さえ込んで、主人公の魔力を蓄積した指輪13個を彼に装備させ、下駄を履かせて3人目の従者にして終わる。
イケメンの 従者、識登場!(3巻)
識と学園都市に行く転移魔法の使用中に突然戦場に拉致られた。
目の前には、大剣を振りかぶってる、王都攻略を目論むヒューマン最強のソフィア。
2人の勇者は連合軍を率いてステラ砦に進攻していたが、魔族の罠にハマってほぼ壊滅。
主人公、勇者達はそれぞれの戦場で何とか生き残る。(4巻)
突然戦争に巻き込まれ負傷してやっとたどり着いたのに、入学試験ではなく、臨時教員の試験だった。
その試験に主人公だけが合格して教職に就く。
週に1枠の授業を設けると、あまりのハイレベルな授業に上昇志向の強い数名しか残らなかった。
授業以外の日は店を開く準備をして、従業員を亜空から呼んで、、
来たのはアクエリアスコンビ。
波乱の予感しかないw(5巻)
突然上位龍が主人公達を尋ねる。
過去の勇者の嫁であり、冒険者ギルドのギルドマスター。
ルト、主人公の境遇をよく理解しておりサポートすると言ってるが、対価が、、
そして、店の名前で異世界人を保護する国。
ローレルに目を付けられる。(6巻)
大繁盛している葛の葉商会が認知され。
目玉商品の安価な薬品の秘密を知りたがる連中があの手この手で主人公に迫って来る。
そして、商人ギルド長からは輸送手段の技術を公表しろと高圧的に迫られ、金銭で解決しようとしたら売り上げの9割を寄越せと凄まれる。
そんな世間の荒波に打ちのめされた主人公は・・・(7巻)
魔族の謀略により都市に魔物が多く発生して大混乱に陥る。
それをある程度放置して、学院長から命令されて渋々と主人公達は鎮圧にかかりアッサリと鎮圧する。(8巻)
通信が回復したら急報で、帝国と王国が魔族軍の襲撃に遭っていると連絡が来た。
勇者の危機なので、また女神からの召喚があり、勇者の助太刀へと王都へ飛ばされる。(9巻)
魔族の策略で混乱したロッツガルドの再建に尽力するクズノハ商会。
目論見通り誰も無視出来ない存在となり、主要国の重鎮達も注目されて利権問題も有耶無耶になる。
コレで落ち着くかなと思ったら、亜空に地球の神達が訪ねて来た。(10巻)
遂に勇者、響と再会しお互いの近況を報告し合う。
帝国の勇者、智樹とも会談するが此方は巴を寄越せと脅迫して来たので、反撃してボコボコにしたので完璧に関係は決裂。
魔族の国へ赴き、首都ではパレード(表紙)の後、魔王との対面は比較的に和やかに終わる。(11巻)
冷遇されてるのに、魔族の中でも女神に縋る奴等が居た。
そんな奴らが暗躍して精霊神殿の精霊を暴走させ、龍を呼ぶアイテムを使って上位龍のルトを召喚する。
それを主人公がプチっと潰す。(12巻)
あらすじ・内容
累計55万部! 薄幸系男子の異世界ファンタジー、待望の第13巻!!魔族領への訪問を終え、久々に学園に顔を出した真を待ち受けていたのは、部屋いっぱいに溜まった大量の書類。不在の間に彼の講義に関する問い合わせが殺到し、学園の事務局はパンク寸前になっていたのだ。真が生徒の増員を告げると、たちまち僅かな受講枠を巡って乱闘寸前の騒ぎに!? 一方、亜空では新たに出来た“海”への移住希望者の選考も始まって……。真の忙しい日々は終わらない。
月が導く異世界道中13
感想
生徒達の進路。
葛の葉商会に入りたがる者。
地元に帰る者。
他国からオファーが来た者。
それぞれの進路があるが皆んな悩んでいる。
そんな中でアベリアは識から改造を受けるなら商会に入れると言う。
巴曰く「入れ込んでる」らしい。
そんな識を苦笑いを交えて嗜める巴だったが、、
生徒達の授業内容のレベルが上がった、、
ハイランドオーク2人が、、
生徒達をボコるw
そんな時にユーノが奥の手を出した!
主人公の黒歴史の象徴、重機を蒸着!
それにキレてユーノを杭打ちする主人公がツボw
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備忘録
プロローグ
クズノハ商会の繁忙と勇者たちの暗闘
商会の人手不足
クズノハ商会ロッツガルド支店では、真が不在の間に人手不足が深刻化していた。責任者の識と密偵任務に就くライムが留守にしているため、森鬼のアクアとエリスが店員として対応していた。客足は多く、接客に追われる二人は疲労困憊だったが、真が設定した販売量制限が唯一の救いとなっていた。この制限により、なんとか閉店まで業務を遂行することができた。
ライムと響の同行
一方、リミア王国ではライムが勇者・音無響と行動を共にしていた。響は仲間である巫女・チヤの修業が終了するとの報を受け、ライムに同行を依頼した。ライムの真の目的は勇者の動向調査であったが、響にはそれを隠して協力を約束した。二人は神殿へ向かいながら、ライムの知識や響のパーティにおける状況について会話を交わした。
神殿内の異変
神殿内で空間の隔離が発生し、響とライムは異常事態に直面した。響は巫女の安全を確保するため即座に行動を開始し、ライムも冷静に状況を分析した。道中、魔物が襲来したが、二人は連携してこれを排除し、チヤのいる祭壇へと急いだ。
巫女の救出
祭壇ではチヤが障壁を張り、三人の魔族から身を守っていた。響はその場に駆けつけ、圧倒的な速度と力で魔族を殲滅した。チヤは無事救出され、二人に感謝を伝えた。ライムはその状況を冷静に見守りながら、巫女の能力「心眼」に興味を示した。
余韻と別れ
事件解決後、ライムは二人に別れを告げ、報告のためその場を去った。響とチヤは控え室へ向かい、巫女の修業が無事終わったことを確認した。ライムはこの一件を通じて勇者たちと親交を深めるきっかけを得たが、それに気付く様子はなかった。
1
亜空に現れた海と竜血樹の謎
朝の異変と陶器の話題
真は奇妙な夢の後遺症に悩みつつも、日課の弓で気を紛らわせた後、従者の巴と識から亜空に起きた変化を知らされた。従者の澪が陶器の窯を訪れている間、陶器が亜空内で急速に普及し、商会の取引にも役立っていることが話題に上がった。特に陶器の価値が高まっているにも関わらず、外部で製法が模倣されていないことを識は不思議に感じていた。
新たに現れた「海」
巴の案内で亜空の変化を確認した真は、白砂の浜辺と果てしない海を目にし驚愕した。海水の塩味から確信を得た真は、これが神・スサノオからの贈り物であることを確認した。看板にはスサノオのメッセージが記されており、真が魔力を高めた結果としてこの「海」が出現したとされていた。
竜血樹の発見
真は海岸近くに点在する奇妙な樹木を発見した。それは「竜血樹」と呼ばれるもので、幹を傷つけると赤い樹液が出る特徴があった。この樹液は薬や固形物として利用される可能性があり、識は調査を申し出た。巴も海の調査を提案し、さらなる住人の選定を通じて専門的な知識を持つ者を迎えることを計画した。
住人選定と新たな課題
巴は既に多くの移住希望者が集まっていることを報告し、真に最終面談の役割を求めた。一方で真は以前面談を行った妖精族「アルエフェメラ」を思い出し、水関連の能力が必要であるとして彼らの調査を指示した。また、識が提案した竜血樹の研究についても進めることとなった。
海を背に次なる行動へ
亜空の新しい地形と住人の可能性を確認した真は、他の案件にも取り組む必要性を感じた。リミア王国訪問や魔族領で弱っている上位竜ルトの見舞いなど、解決すべき課題は山積していた。真は平和な海を眺めつつ、次の行動を考えながらその場を後にした。
2
亜空での衝突と新たな挑戦
アルエレメラとの緊張
真は亜空の訓練場に呼び出され、オークのエマと妖精族アルエレメラの間に緊張が走る場面に遭遇した。アルエレメラは過去に移住を保留された経緯があり、エマへの不満を爆発させていた。彼らの主張は、リズーを退けたことで再び移住の資格を得たというものであったが、その一方でエマは彼らの態度に強い不信感を示していた。
エマの決断と住処の提供
エマは最終的にアルエレメラに亜空内での自由な生活を許可した。ただし、エマや亜空の他の住人は一切関与しないと明言し、問題が起きれば自力で解決するよう求めた。アルエレメラはその条件を受け入れ、新しい住処へと飛び去った。エマはその後、彼らの選択が生態系との衝突を招く可能性に言及し、無秩序な行動がもたらす結果を予測していた。
サリの葛藤とライドウの指示
一方、魔族の少女サリは、亜空における自身の役割について考えを巡らせていた。彼女はライドウの信頼を得るため、そして魔族の未来を守るために動く決意をしていたが、彼の規模感や方針に戸惑いを抱いていた。ライドウはサリにローレライという海に住む種族の移住に関する調査を依頼した。ローレライはかつて魔族だったが、海で進化を遂げた一族である。
新たな住人との調整
ライドウの指示を受けたサリは調査を引き受け、ゴルゴンやオークの補佐を得て翌朝から行動を開始することになった。彼女はこの機会を、ライドウの信頼を深めるチャンスと捉えていたが、同時に彼の思考や亜空の住人たちの行動を慎重に観察する必要性を感じていた。
未知なる挑戦への備え
亜空では新たな住人や種族が次々と加わり、さらなる調整と管理が求められている。ライドウの楽観的な姿勢とは裏腹に、サリはこれから直面する試練に向けて心を引き締め、与えられた役割を全うする決意を固めていた。
紫の雲と亜空の試練
アルエレメラの窮状
識との会話の中で、真はアルエレメラの住処探しが失敗し、狼との遭遇で大打撃を受けたことを知った。アルエレメラはエマに土下座をして再び庇護を求めており、その姿から亜空の厳しい生態系を実感した。エマの的確な予測が現実となり、彼らは亜空の中で完全に立場を失っていた。
紫の雲の謎
紫の雲について、識はその正体が単なる気象現象ではなく、生物の群体である可能性を語った。巴の知識に基づき、それが毒を含む雨をもたらし、甚大な被害を与える危険性があると判明した。この情報に興味を抱いた真は、サンプルを採取して調査を進めることを決意した。
紫の雲との対峙
巴の案内で紫の雲が発生している荒野に赴いた真は、矢で雲の核を狙い撃ち、その拡散を食い止めた。雲が散りゆく様子を見届けながら、真はローレル連邦へのご恩送りとしてこの行動を説明した。ローレルが日本人異世界転移者を受け入れ続けた背景に感謝し、その恩を返す行為として行動したと語った。
新たな種族への準備
紫の雲のサンプルを無事採取した後、真は巴と共にロッツガルドへ向かう準備を整えた。亜空の新たな住人や海に移住する種族の選抜についても計画が進行中であり、真はその管理に追われる日々を過ごしていた。
3
ロッツガルド冒険者ギルドでの一幕
ルトの怪我と執務室の現状
真は、冒険者ギルドの上位竜ギルドマスターであるルトの執務室を訪れた。室内にはベッドが置かれ、ルトが全身包帯とギプスで重傷者のような姿で横たわっていた。原因は全力のブレスを放った後の疲労であったが、ルト自身の見立てで全治一ヵ月とのことだった。自ら診療したというルトの振る舞いは、やや過剰演出とも言えた。
突然の来訪者ザラ代表
真とルトの会話が進む中、室内の応接スペースに商人ギルドの代表ザラがいたことが発覚した。ザラは二人の関係について謎が多いとしながらも、良好な関係を評価した上で退室した。ザラの不意の登場に真は驚きを隠せなかったが、ルトが念話を使えない執務室の設定も一因であると悟った。
ルトへの問い詰めと過去の出来事
ザラの退室後、真はルトに先客がいるのを知らせなかったことを非難した。ルトは、疲労して動けない自分を巴とグロントに襲撃され、暴行を受けたと訴えた。これには真も驚きつつ、ルトの過去の行動が原因であると考えた。ルトはさらに、真が魔族の街で自分のブレスの処理を行い、街を守った事実に興味を示し、詳細を尋ねた。
冒険者リストの受け取り
真はルトに対して、ケリュネオンに送る冒険者の候補リストを要求した。ルトは既にリストを受付に預けてあると答え、真を早く次の予定へ向かわせた。真は受付からリストを受け取り、ザラの店へ向かうためギルドを後にした。
ザラ代表との会話と商談
訪問と歓迎
真は冒険者ギルドを後にして、ザラ代表の店を訪れた。受付や事務のスタッフに案内され、特別にザラの部屋へ通された。かつては驚きの目を向けられたものの、今では慣れた対応を受けていた。
亜人差別の変化と代理の活躍
ザラは最近の外回り事情を見抜き、復興や会議での真の活躍を評価した。特に、識をはじめとする代理人の貢献について触れ、亜人差別が大幅に緩和された現状を語った。この変化は街に良い影響を与えつつも、一部の神殿関係者の不満を示唆した。
真への評価と奮起の勧め
ザラは真の環境や人材、幸運に恵まれた状況を「ホラー」と表現しながらも、その成長を促した。商人としての素質を鍛えるための提案を交えつつ、現状を見据えた指摘を続けた。
復興協力の確認
ザラは真に復興への協力の継続を確認した。真は復興区域の整備や公園の再開発計画について協力を続ける意思を示した。復興ペースを左右するほどのクズノハ商会の影響力について、ザラは改めて感謝の意を表した。
娼館での働き手についての相談
ザラは娼館で働くゴルゴンの女性たちが高評価を受けている現状を報告し、さらなる人員の提供を依頼した。真は村での確認を約束し、働き手を増やす可能性を示した。また、ゴルゴンたちが特別な能力を評価されていることに対し、ザラの対応に感謝の意を抱いた。
海での商談の可能性
ザラは真が海の匂いを纏っていることに気づき、商売の拡大について興味を示した。真は商売に関わる事実を伏せつつ、誠実さを隠すことの必要性を説かれた。
別れと今後の計画
ザラとの会話を終えた真は、ゴルゴンの人員確認とリミアや学園での用事を思案した。復興や講義再開の準備を進めるため、学園への訪問を決めた。見た目に元通りとなった大通りを進みながら、学園での状況を心に思い描いた。
4
学園の訪問と講義再開準備
学園の異様な活気
久しぶりに訪れた学園は活気に満ちていたが、どこか物騒な雰囲気が漂っていた。正門周辺では戦闘らしき音や叫び声が聞こえ、普段とは異なる様子であった。真は、変異体事件の影響で生徒たちのやる気が高まったのではないかと推測しつつ、事務局で講義の手続きを進めるため第一校舎に向かった。
事務局での書類の山
事務局に到着した真は、講義の内容変更を申請しようとしたが、職員たちから大量の書類を手渡された。学園内外から真に関する問い合わせが殺到しているため、隣室には処理待ちの書類が山積みになっているという。さらに、講義の回数減少の申請は「学園の総意」により断られ、臨時講師としての関与を増やしてほしいという要望が寄せられていることが明かされた。
生徒との再会と騒動の背景
真は食堂で生徒たちと再会したが、そこでも彼らがギャラリーに囲まれ、度重なる襲撃を受けている様子を目撃した。ジンたちは講義の枠を巡る生徒間の競争の激化と、復興作業への参加を怠る他生徒への不満を真に訴えた。真は彼らの努力を評価しつつも、復興作業を無理に強制した覚えはないと弁解し、講義再開の予定を伝えた。
講義参加希望者への対応
真は食堂で講義参加を希望する新たな生徒から質問を受け、参加選抜の基準について明確に回答した。選考は成績と適性に基づくものであり、コネや特別扱いは一切行わないことを強調した。真の説明を受け、希望者たちは納得して書類提出の準備を始めた。
控え室と隣室の書類確認
講義の手続きを終えた真は、控え室と隣室にある書類の山を確認した。その量に圧倒されつつも、識と協力して後日整理することを決めた。学園訪問の最後に、初めて訪れた頃と現在の状況の違いを振り返り、改めて自身の役割を実感した真は、次の目的地である亜空へ向かう準備を進めた。
学園での講義と模擬戦
生徒たちへの指導開始
学園の屋外フィールドにて、久々の講義が始まった。講師の真は、模擬戦形式で生徒たちの実力を確認することを計画していた。見学者の多さに驚きつつも、熱心な姿勢を評価し、怪我のリスクについて注意を促した。生徒たちは、模擬戦の相手について興味を示しつつ、真剣な表情で指示を待っていた。
模擬戦の開始と生徒たちの奮闘
模擬戦の相手として登場したのは、亜空から召喚されたハイランドオークのエマとアガレスであった。巨大な体格と圧倒的な力を持つ二人に対し、生徒たちはスタンダードな陣形を取り、次々と攻撃を仕掛けた。特にミスラは壁役としてアガレスの突進を受け止めるなど、成長した実力を示したが、エマの巧妙な幻術と魔術により徐々に追い詰められていった。
予想外の事態とユーノの登場
戦局が膠着する中、ユーノが特異な装甲「ジュウキ」を纏って戦場に現れた。この装甲は真がかつて使用し、忌避していたものであったが、ユーノはその力を活かして突撃を仕掛けた。真はユーノの行動に驚きつつも、彼女の行動に対して強く注意を促し、模擬戦の場を一旦収束させた。
模擬戦の評価と反省
模擬戦後、真は生徒たちの成長と奮闘を高く評価した。同時に、自身の指導において更なる改良の余地を考え、模擬戦中の課題点を識に任せることにした。さらに、「ジュウキ」の流出の可能性を危惧し、その回収を急務とすることを決意した。
リミア王国からの呼び出し
模擬戦終了後、リミア王国からの連絡を受けた真は商会へ戻ることを決断した。模擬戦の余韻と装甲の問題を抱えつつ、今後の課題に向けた準備を進めるべく、学園を後にした。
リミア訪問の決定
訪問日程の調整
リミアからの連絡は訪問日程についてであった。真は早めの訪問を希望していたが、先方の都合で予定は後ろ倒しになった。先輩がリミアを離れた後の訪問になる見込みであったため、澪を留守番に残すことを考えた。海の設置により澪が退屈せずに過ごせる点は救いであった。
今後の国々への対応
リミア訪問後には他国への訪問が一区切りつく予定であった。アイオン王国についてはレンブラント氏が対応しているため問題がなく、ローレル連邦への興味もあった。神殿も女神が静かで平穏であり、目立った問題はなかった。
亜空の海への移住計画
移住候補種族の選定
亜空の海への移住候補種族について、真は識がまとめた資料を確認した。選ばれた種族は試験期間として一定期間サバイバル生活を送り、適応能力を確認することになった。試験官兼アドバイザーには巴が務め、目立った問題がない限り移住を許可する方針であった。
多種多様な海洋種族の特徴
移住候補種族には人魚やローレライ、サハギン、海王などが含まれていた。人魚は陸上生活が難しいが、ローレライは海上生活に慣れており適応が容易であった。サハギンは陸上活動も可能で、特に頭上の皿が印象的であった。これらの種族が港を中心に交流を深め、亜空の海に新しい共同体を築くことが期待された。
移住の基準と展望
移住の条件は、亜空の海への適応と他種族との共存であった。全種族が適応すれば全員移住が可能であり、亜空の広大な海を活かして棲み分けが進められる見込みであった。最終的な面談を経て、各種族が新たな生活を築けるよう取り組む予定であった。
5
ライムの葛藤と回想
森での独白と戸惑い
ライム=ラテは夜の森で一人煙草を嗜みながら、自らの行動を振り返っていた。ローレル連邦で巫女チヤを救出して以来、彼は勇者響のパーティに溶け込み、正式な依頼にまで同行していた。この状況に違和感を抱きつつも、彼は響たちとの居心地の良さを感じていた。
ナバールの記憶と響との共鳴
ライムはかつて響のパーティに属していた剣士ナバールを思い出していた。彼女は復讐に燃える女性だったが、響との関係を通じて変化を遂げたように見えた。ライムは響がナバールを救い、彼女の剣技を受け継いだことに感謝の念を抱いていた。
響への観察と評価
勇者としての響の本質
ライムは、響が民衆の望む「勇者」を演じることで、人々を鼓舞し、支持を集めていることを見抜いていた。その行動には打算があるものの、それは悪意ではなく民衆の利益を考えた上でのものであった。響の計算高さと献身的な振る舞いに、ライムは次第に共感を覚えていた。
巴との葛藤
ライムは自らを支えたクズノハ商会への忠誠心と、響のもとに留まりたい気持ちの間で揺れていた。巴からの連絡を避けていたのも、この葛藤の表れであった。響の自然体な振る舞いが、ライムにさらなる迷いを与えていた。
響との会話と決意
料理を通じた交流
響は食事を持参してライムを訪れた。彼女の手料理に感心しつつも、ライムは響の気遣いに対し苦笑を浮かべていた。二人は和やかな雰囲気で会話を交わし、互いの立場や行動についての理解を深めていった。
紫の雲への対策
翌日の危険な紫の雲への対応について、響はライムに協力を求めた。風を展開しつつ戦う能力を持つ彼女は、自身とウーディで対応するつもりだったが、ライムにも加勢を依頼した。ライムは一度は迷ったものの、最終的にその申し出を受け入れた。
ライムの揺れる心
響への思いと未来の選択
響の冗談交じりの感謝を受けたライムは、その明るい性格に感心しつつも、自らの立場を明確にしようと決意していた。彼は商会への恩義と響への興味の間で揺れながらも、再び自らの生き方を問い直す夜を過ごしていた。
紫の雲と響の挑戦
遠距離攻撃への試行錯誤
勇者響の弱点である射程が露呈した戦いであった。紫の雲への対策として、彼女は剣圧を弾丸のように飛ばす技を試みた。神器の助けを得て放たれたその技は高い攻撃力を誇ったが、雲を完全に破壊するには至らなかった。同行した魔術師ウーディとライムも奮闘したが、彼らの攻撃では状況を打開できなかった。
ライムの決断
状況が打開できず手詰まりとなった中、ライムはクズノハ商会の巴に連絡を取る決断をした。プライドや躊躇を振り切り、彼は荒野由来と思われる紫の雲についての助力を巴に求めた。巴は即座に応じ、ライムにその場を動かず待つよう指示を与えた。
亜空の介入と真の力
翼人たちの登場
巴の指示に従い静観していたライムたちの前に、亜空の住人である白と黒の翼人が現れた。彼らは空高く舞い上がり、雲の上空に到達した。ライムは黒い翼人が情報をリンクする能力を持つと推測し、その相手が真であることを察した。
真による決定的な一撃
真が放った極太の光が紫の雲を貫き、見事に雲を消滅させた。その光は精緻な制御によって響たちに一切の被害を与えなかった。ライムはその圧倒的な力を目の当たりにし、再び真の力に魅了されたことを自覚した。
響の葛藤とライムの選択
響の心情と名声の高まり
紫の雲の消滅により、響の名声はさらに高まった。しかし、ライムが商会への帰還を決意したことで、響は失望を隠せなかった。彼女はライムを引き止めたいという思いを抱きつつも、それを口にすることはなかった。
ライムの帰還への意志
ライムはクズノハ商会に戻る意志を固め、響に別れを告げた。彼は真の力を改めて認識し、その行く末を見届けたいと決意していた。この勝負は、響と真の間接的な対決であり、真が圧倒的な力で勝利した形となった。
6
亜空での移住と学園の成長
移住種族の適応と成果
亜空での移住テストは順調に進んでおり、多くの種族が適応していた。寒冷地や暖流地帯に住み分ける形で、亜空の海に新たな住人が定着しつつあった。リタイヤした種族も少数いたが、クズノハ商会として引き続き関与する意向が示されていた。さらに、種族同士の争いもなく、円滑な移住が進行していた。
学園生徒の成長
巴の報告から、ロッツガルド学園の学生たちが大きく成長していることが明らかになった。特にミスラをはじめとする生徒たちは個々の能力を磨き、学園で最強クラスの実力を身に付けていた。講師としての役割も終えつつあり、彼らを教える側へと導く準備が進められていた。
紫の雲との再戦
雲の再出現と対応
先日消滅させたはずの紫の雲が再び姿を現し、被害を拡大させているとの報告が入った。ライムや響が対応していたが、状況は芳しくなかった。響の遠距離攻撃手段の不足が問題視され、亜空からの情報共有技術を応用した作戦が提案された。
弓術と魔術の融合
真は巴の提案を受け入れ、翼人たちの情報共有能力を活用して作戦を実行した。標的である紫の雲を的確に狙い、魔力を蓄えた琥珀色の矢を放った。その矢は核を射抜くとともに、雲全体を構成する命を連鎖的に滅ぼし、完全な消滅を達成した。
成果と新たな可能性
弓の可能性の再確認
真はこの戦いを通じて、自身の弓術が持つ可能性を再認識した。遠距離の標的を精確に狙撃するだけでなく、複数の目標を同時に撃破する能力が向上した。亜空の住人たちとの協力が、新たな技術の開拓を後押しした形となった。
次なる課題への準備
紫の雲の完全消滅を確認し、真は新たな課題に向けての準備を整えた。響やライムとの協力を通じて、クズノハ商会と亜空の力を最大限に発揮する体制が築かれつつあった。
亜空の森と狼との共存
神聖視する狼たちとの交流
亜空の広大な森は真が開拓を禁じた土地であり、その理由はその地に住む狼たちの存在であった。狼は真にとって神聖な存在であり、危険視して狩ることを避け、共存の道を選んでいた。彼は果物や穀物を供え、狼のボスと対話を行った。ボスは真の意図を理解し、友好の証を受け入れた。
アルエレメラと狼の関係
アルエレメラが狼の縄張りを侵したことに関して謝罪が行われたが、ボスは羽虫を例に挙げ、その行為を些細な問題として許容した。また、アルエレメラが美味であることを認めながらも、真との約束を重視し、食べないことを宣言した。真はこの交流を通じて、共存の形を改めて実感した。
空の支配者ロック鳥との対話
ロック鳥との関係構築
険しい山に住むロック鳥の元を訪れた真は、彼を「王」と呼ばれることに戸惑いながらも、新たな種族アルエレメラについて話を持ちかけた。ロック鳥はアルエレメラを襲わないよう指示することを快諾し、共存の意志を示した。このやり取りにより、亜空での多種族間の平和がさらに進展した。
ローレライと海の種族たち
海辺での町作りと交流
ローレライは港町を建設し始めており、他種族との交流を積極的に進めていた。海王たちも優れた能力を発揮し、海のキー種族としての存在感を高めていた。真はその様子を見守り、亜空における新たな生態系の形成を喜んだ。
学園生徒たちの成長
過酷な講義と新たな力
学園での講義は過酷を極めたが、生徒たちは大きな成長を遂げていた。特にユーノは強力な装備を用いて戦闘能力を向上させており、講義の成果を実感していた。また、復興肉体ボランティアを通じて体力や魔力が向上する可能性が示唆され、生徒たちはさらなる成長の機会に期待を寄せていた。
未来への意欲
生徒たちは講義を終えた後も次の目標に向けて意欲を燃やしており、新たな技術や能力の獲得に挑戦していた。この過程を通じて、学園全体が進化を続けていた。
セイレンと学園祭後の悪評
学園祭とセイレンの変遷
セイレン=ガルメナは、かつてロッツガルド学園の研究員として名を知られていたが、学園祭での変異体事件以降、その名は「愚かな女」として広く知れ渡った。ライドウから告白された唯一の女性でありながら、その機会を逃したことが周囲の嘲笑を招いていた。
ラヴィドールでの後悔
彼女はライドウやクズノハ商会が利用していた酒場ラヴィドールに頻繁に通い詰めていたが、その目的はライドウへの未練ともいえるものだった。告白を断った過去を後悔し、ライドウや彼に付随する名声、力への憧れを募らせていた。彼女は詠唱の専門家として、ライドウが持つ膨大な知識に強い興味を抱いていた。
ライドウの英雄的存在
街の復興とライドウの功績
変異体事件の後、ライドウは商会を通じて街の復興を全面的に支援した。その財力を活かして物資を供給し、住民たちから英雄として崇められた。彼の支援は利益を追求しないものであり、その善性がさらに評価を高めていた。
セイレンとの対照的な運命
ライドウが街の光となるほど、セイレンは自らの選択がもたらした結果に追い詰められていた。学園や街のどこに行っても彼女は侮蔑の目にさらされ、孤立していった。
マスターの視点と希望
セイレンへの同情
ラヴィドールのマスターは、セイレンの境遇に同情しつつも、彼女とライドウが再び交わる可能性は低いと考えていた。しかし、ライドウがセイレンの事情を知れば、彼の性格から何らかの支援をするかもしれないとも思っていた。
ラヴィドールの修復
変異体事件で損壊したラヴィドールを、ライドウが無償で修復した事実は隠されていた。マスターはライドウの人柄とその功績を心から称賛し、彼への信頼をもって街の未来を夢見ていた。
未来への期待
セイレンの行く末と学園都市の復興が重ね合わされ、ラヴィドールの主は、この街がより良い方向へ進むことを信じていた。
7
巴との修練と日本の再現
疲労の心地よさと日本の環境
主人公は草原で全身の疲労感を味わいながら倒れ込んでいた。巴の協力を得て、日本の環境を再現した過酷な修練を行っていたが、彼にとってこの疲労感は心地よいものだった。十時間に及ぶ修練で限界を迎えたが、巴の助力による環境再現が、主人公の弓の練習には欠かせない存在となっていた。
巴の疑問と弓の意義
巴は、修練の目的や目標について主人公に問いかけたが、主人公は具体的な目標はなく、ただひたすら前進するための反復であると答えた。巴にはその姿勢が理解しがたかったが、主人公にとって弓は核となる存在であり、終わりのない追求を続けるものであった。
識との対話とジン達の成長
紅茶の試飲とジン達の資料
夕食後、主人公は識から甘いミルクティーを振る舞われ、ジン達の成長についての資料に目を通していた。識の手による紅茶は非常に甘く、主人公には合わなかったものの、体力回復には一役買っていた。ジン達の能力は予想を大きく上回る成長を遂げており、その報告内容に主人公は驚きを隠せなかった。
ジン達の異能と識の提案
ジン達の能力はそれぞれ特異な成長を見せており、特にミスラの「ダメージディレイ」やジンの空間操作は注目に値した。識は彼らをクズノハ商会に雇用し、成長を観察することを提案したが、主人公はジン達の将来を尊重すべきと考え、慎重な態度を取っていた。
未来への考察
ジン達の雇用への懸念
主人公はジン達の能力に感心しつつも、彼らの就職先としてクズノハ商会が最適かどうか迷っていた。識は研究対象としての興味を隠さず、必要に応じて「対処する」意向を示したが、主人公は彼らの成長を見守ることを重視していた。
試験の終わりと甘さへの苦悩
主人公はジン達の成長や未来の面談について思いを巡らせながら、識の紅茶の甘さに苦悩していた。彼にとって、識の好む味覚とは相容れないものだったが、その中でも彼らとの交流や未来への期待を抱いていた。
ジンの能力と研究者としての素質
重力操作の力場の解析
主人公は、ジンの展開する力場について識から詳しい説明を受けた。ジンの能力は重力操作に近く、物体を軽くしたり重くしたりする場を作り出していた。特に自分を軽くする技術は、範囲を狭めることで実現可能であり、界とは異なる術としての可能性を示していた。
ジンの進路と研究者としての可能性
識はジンを研究者として評価しており、弟子にしたいと考えていた。しかし、ジンの戦士としての現在のイメージからは想像しにくく、主人公も彼の将来について複雑な心境を抱えていた。
他の生徒たちの進路と状況
シフとユーノの商会での可能性
識はシフとユーノを商会の従業員として雇用する可能性を挙げた。二人はレンブラント氏との関わりもあり、商人ギルドの資格を取得すれば商会の支店で役立つと考えられていた。
イズモとダエナの進路
イズモは故郷に戻る意向を持っており、本家と分家の事情に巻き込まれる可能性が示唆された。一方、ダエナは既婚者であり、学園での就職を希望していたが、家庭の事情に配慮する姿勢を見せていた。
ミスラとアベリアの展望
ミスラは両親が神殿への就職を望んでおり、本人もその選択に流される可能性が高かった。識は彼が商会に加わる可能性も示唆したが、神殿との対立のリスクを説明した。アベリアはグリトニア帝国の騎士団にスカウトされており、商会に雇う魅力は乏しいと識は判断していた。
書類選別とリミア行きの準備
生徒候補の選別
識は講義の募集書類を大量に処分し、残った少量の書類を主人公に渡した。徹夜で選別作業を行った識は、残った候補がまともな範囲に収まっていると説明し、リミアでの最終選別を進めるよう促した。
澪と識の挙動
リミアへの同行者を検討する中で、識は澪を推奨した。しかし、識の不自然な態度に主人公は疑念を抱き、識が何かを隠しているのではないかと感じた。識の挙動からは、澪と何らかの計画が進行中であることが暗示されていた。
extraエピソード
ケリュネオンの名産品探し
真の問いかけと未開の地への探索
ケリュネオンの雪原を進むクズノハ商会の一行は、商会代表である真の指示を受け、未知の地域に足を踏み入れていた。目的はケリュネオンの名産品を見つけることである。真は以前、国の宰相エヴァから幼少期の記憶を聞き出し、それを元に探索を開始。見事に幻の山菜「ストーブコーン」と珍獣「マンガールオーク」を発見していた。
ストーブコーン群生地の発見
一行は雪原を進む中、真が残した痕跡や情報を頼りに目的地へ到着した。そこには雪の中にもかかわらず、土が露出し青々としたストーブコーンが群生していた。この植物は特殊な環境条件でのみ育つ幻の山菜であり、冬の寒さにも適応していた。その温かさは周囲の気温をも変えるほどで、ケリュネオンにとって新たな可能性を示す存在であった。
マンガールオークとの出会い
ストーブコーンの群生地には、羊のような毛を纏った豚「マンガールオーク」も集まっていた。この生物は警戒心が強いとされていたが、真の交渉によって一行に従順な態度を見せた。彼らは肉や毛皮としての価値が高く、防寒具や外套としても利用可能な素材を提供する存在であることが判明した。
ケリュネオンへの帰還と特産品の可能性
収穫と帰還の準備
一行はストーブコーンの実を収穫し、マンガールオークを先導しながらケリュネオンへ戻る準備を整えた。特にストーブコーンの辛さや調理の癖に苦労しつつも、その価値の高さを確信していた。一方でマンガールオークの毛の利用可能性に目をつけ、防寒具や防具としての活用を見据えた計画も始まっていた。
エヴァへの報告と商会の存在感
ケリュネオンの街に帰還した一行は、発見した特産品と家畜をエヴァに報告した。この成果はケリュネオンの発展に大きく寄与するものであり、真の卓越した行動力と先見性を改めて証明するものとなった。エヴァは真の行動の意味と影響力を深く理解し、その圧倒的な存在感を認識することとなった。
幻の特産品とその発見
ストーブコーンとマンガールオークの再発見
滅亡前のケリュネオンで「幻の食材」とされたストーブコーンとマンガールオークが、クズノハ商会の代表ライドウによって再発見された。それは単なる発見にとどまらず、家畜化と栽培の具体的な方法がもたらされた。この行為は、希少な高級食材を一般の人々に広める道を示すものであり、国の未来を大きく変える可能性を秘めていた。
ライドウの影響力と特産品への道筋
ライドウが提示した情報には、マンガールオークの飼育法やストーブコーンの栽培条件が詳細に記載されていた。これにより、ケリュネオンが自国の主食と輸出品を安定的に確保できる可能性が見出された。ストーブコーンは冬に収穫可能で保存性が高く、マンガールオークは肉や毛皮が高品質で、多くの活用方法が考えられた。
エヴァの驚きと新たな課題
幻の食材に対する住民の反応
ケリュネオンに帰還したマンガールオークとストーブコーンは、住民たちから大きな注目を集めた。従来は手に入れることすら困難だったこれらが街に運び込まれたことは、住民に驚きと期待をもたらした。マンガールオークはその警戒心の強さから幻の存在とされていたが、今回は一行に従順についてきたことで、その扱いやすさが明確となった。
エヴァの葛藤と未来への決意
エヴァ =アーンスランドは、ライドウが示した特産品の可能性に感銘を受けつつも、それが自らの努力を凌駕する成果であることに複雑な心情を抱いていた。彼女はライドウを「神のような存在」と評し、その影響力を実感しながらも、ケリュネオンの未来のために新たな課題へと挑む決意を固めた。
人材不足と魔族受け入れの可能性
急務となる人材確保
ストーブコーンの栽培とマンガールオークの飼育を進めるため、エヴァは人材不足という現実に直面していた。料理人や農業従事者の確保が急務とされ、冒険者ギルドやクズノハ商会からの協力も検討されたが、即戦力となる人材の割り当てには限界があった。
魔族との共存の是非
エヴァは、魔族が寒冷地での生活に特化した種族であることから、その知識や技術を利用することの有益性を認識していた。一方で、魔族がケリュネオンの危機の元凶であった歴史から、その受け入れには強い抵抗感も抱いていた。彼女は魔族の存在を巡る問題について、依然として自らの答えを見いだせずにいた。
ケリュネオンの未来への歩み
エヴァとルリアの会話を通じ、マンガールオークとストーブコーンがケリュネオンに与える影響が改めて浮き彫りとなった。彼らの発見は国の経済と生活を大きく変革する可能性を秘めており、それに伴う新たな課題も次々と明らかになった。ケリュネオンは、この変化を受け入れながら新たな未来へと歩みを進めていくこととなった。
ケリュネオンの黎明と星湖の出会い
巴の再訪と「星湖」
巴は、かつて「星湖」と呼ばれる湖の畔で遭遇した村に再び足を運んだ。星湖はライドウが作り出した湖であり、巴が張った結界によって外部からの侵入が難しくなっていた。しかし、再訪時には明らかに人の気配が増していた。かつて出会った元兵士が村の住人として定住していることを確認した巴は、彼と再会し、ケリュネオンという新たな国の話を切り出した。
ライドウの名と住民への提案
巴は、自らの主であるライドウが「魔人」として知られる存在であることを住民に伝えた。星湖の湖畔に祈りを捧げる彼らに対し、ライドウが築いたケリュネオンへの移住を提案した。ケリュネオンは厳しい環境ではあるが、主の傍で生きることを望む者には新たな希望となる場所だと語った。元兵士レジンを通じて提案を広め、希望者を少しずつ迎え入れる計画を進めた。
ケリュネオン共和国の礎
特産品の発見と繁栄への道
ストーブコーンとマンガールオークは、ケリュネオンの主食や畜産品としての可能性を秘めていた。ライドウによってその栽培と飼育法が明らかにされ、これらの発見が国の発展の基盤となった。これにより、ケリュネオンは不毛な土地ながらも農業や畜産が盛んとなり、観光や貿易の拠点として成長を遂げた。
アーンスランド姉妹の役割
アーンスランド姉妹、エヴァとルリアは、ケリュネオン共和国の黎明期において重要な役割を果たした。特にエヴァはライドウの知識を活かし、国の発展に尽力した。姉妹の指導の下、ケリュネオンは冒険者ギルドやクズノハ商会の支援を受けつつ、独立性を保ちながら繁栄を築き上げた。
歴史に隠された謎
ケリュネオンの百年の空白
ケリュネオン共和国の黎明期には、意図的に隠されたかのような歴史の空白が存在する。その間に多くの重要な施設や資源が発見されたが、詳細な記録は残されていない。アーンスランド家もその真相を明らかにすることなく、謎多き存在として現在に至っている。
多民族国家としての現在
ケリュネオンは、さまざまな種族が共存する多民族国家として発展した。農業、畜産、商業の全てが調和し、世界の大国の一つとして確固たる地位を築いている。謎多きその歴史を持ちながらも、平和と繁栄を享受する国として存続している。
アニメ
PV
OP
【オープニング主題歌】 syudou「ギャンブル」ED
同シリーズ
小説版 月が導く異世界道中 シリーズ
漫画版 月が導く異世界道中 シリーズ
その他フィクション
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