小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 13巻」リミア編 感想・ネタバレ

小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 13巻」リミア編 感想・ネタバレ

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どんなラノベ?

薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー! 

え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?

そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。

彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。

そこが笑いどころ。

読んだ本のタイトル

#月が導く異世界道中  13
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ  氏

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1巻から13巻までの流れ

普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。

荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。

上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れる。

荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。

その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。

その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。

上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。

その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。

それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、

巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)

遂に大きなヒューマンのツイーゲの街に着いた一行。

そこで、呪病に苦しむレンブランドの依頼を目にして、彼の妻、娘2人を癒す。

そして、暗躍していたライムを懲らしめて配下に加える。(2巻)

レンブランドの家族を癒した薬の原料アンブロシアを手に入れるため、群生地に行ったらアンブロシアを守護している森鬼が襲って来た。

それらをアッサリと捕獲して、森鬼の村に潜伏していたリッチを秒殺で押さえ込んで、主人公の魔力を蓄積した指輪13個を彼に装備させ、下駄を履かせて3人目の従者にして終わる。

イケメンの 従者、識登場!(3巻)

識と学園都市に行く転移魔法の使用中に突然戦場に拉致られた。

目の前には、大剣を振りかぶってる、王都攻略を目論むヒューマン最強のソフィア。

2人の勇者は連合軍を率いてステラ砦に進攻していたが、魔族の罠にハマってほぼ壊滅。

主人公、勇者達はそれぞれの戦場で何とか生き残る。(4巻)

突然戦争に巻き込まれ負傷してやっとたどり着いたのに、入学試験ではなく、臨時教員の試験だった。

その試験に主人公だけが合格して教職に就く。

週に1枠の授業を設けると、あまりのハイレベルな授業に上昇志向の強い数名しか残らなかった。

授業以外の日は店を開く準備をして、従業員を亜空から呼んで、、

来たのはアクエリアスコンビ。

波乱の予感しかないw(5巻)

突然上位龍が主人公達を尋ねる。

過去の勇者の嫁であり、冒険者ギルドのギルドマスター。

ルト、主人公の境遇をよく理解しておりサポートすると言ってるが、対価が、、

そして、店の名前で異世界人を保護する国。

ローレルに目を付けられる。(6巻)

大繁盛している葛の葉商会が認知され。

目玉商品の安価な薬品の秘密を知りたがる連中があの手この手で主人公に迫って来る。

そして、商人ギルド長からは輸送手段の技術を公表しろと高圧的に迫られ、金銭で解決しようとしたら売り上げの9割を寄越せと凄まれる。

そんな世間の荒波に打ちのめされた主人公は・・・(7巻)

魔族の謀略により都市に魔物が多く発生して大混乱に陥る。

それをある程度放置して、学院長から命令されて渋々と主人公達は鎮圧にかかりアッサリと鎮圧する。(8巻)

通信が回復したら急報で、帝国と王国が魔族軍の襲撃に遭っていると連絡が来た。

勇者の危機なので、また女神からの召喚があり、勇者の助太刀へと王都へ飛ばされる。(9巻)

魔族の策略で混乱したロッツガルドの再建に尽力するクズノハ商会。

目論見通り誰も無視出来ない存在となり、主要国の重鎮達も注目されて利権問題も有耶無耶になる。

コレで落ち着くかなと思ったら、亜空に地球の神達が訪ねて来た。(10巻)

遂に勇者、響と再会しお互いの近況を報告し合う。

帝国の勇者、智樹とも会談するが此方は巴を寄越せと脅迫して来たので、反撃してボコボコにしたので完璧に関係は決裂。

魔族の国へ赴き、首都ではパレード(表紙)の後、魔王との対面は比較的に和やかに終わる。(11巻)

冷遇されてるのに、魔族の中でも女神に縋る奴等が居た。

そんな奴らが暗躍して精霊神殿の精霊を暴走させ、龍を呼ぶアイテムを使って上位龍のルトを召喚する。

それを主人公がプチっと潰す。(12巻)

あらすじ・内容

2021年TVアニメ化決定! 

魔族領への訪問を終え、久々に学園に顔を出した真を待ち受けていたのは、部屋いっぱいに溜まった大量の書類。

不在の間に彼の講義に関する問い合わせが殺到し、学園の事務局はパンク寸前になっていたのだ。

真が生徒の増員を告げると、たちまち僅かな受講枠を巡って乱闘寸前の騒ぎに!? 

一方、亜空では新たに出来た“海”への移住希望者の選考も始まって……。真の忙しい日々は終わらない。

(以上、Amazonより引用)

感想

生徒達の進路。

葛の葉商会に入りたがる者。

地元に帰る者。

他国からオファーが来た者。

それぞれの進路があるが皆んな悩んでいる。

そんな中でアベリアは識から改造を受けるなら商会に入れると言う。

巴曰く「入れ込んでる」らしい。

そんな識を苦笑いを交えて嗜める巴だったが、、

生徒達の授業内容のレベルが上がった、、

ハイランドオーク2人が、、

生徒達をボコるw

そんな時にユーノが奥の手を出した!

主人公の黒歴史の象徴、重機を蒸着!

それにキレてユーノを杭打ちする主人公がツボw

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備忘録

1

亜空の海への移住を望むさまざまな種族との最終面談が無事に終わった。面談には深澄真といが参加し、彼の隣にはハイオランドオークのエマがいた。面談にはサハギンや人魚など、多種多様な種族が登場し、彼らの生活様式や移住に対する希望が語られた。特に注目すべきは、海王と呼ばれる種族であり、彼らは海の治安を守る守護者としての役割を果たしてきたが、内乱の危機に直面し、最終的には亜空への移住を決意する。深澄真は、これらの種族の移住を歓迎し、彼らを新たな住人として迎え入れることになる。これらの面談を通じて、亜空では新たな生活を始める種族が増え、人口は二千を超えることになった。

クズノハ商会二階応接室において、識はライドウこと真が講師を務めるロッツガルド学園の学生4人、ジン、アベリア、シフ、ユーノと面談をしていた。彼らは将来クズノハ商会への就職を望んでいた。識は、真がジンのことを肯定的に評価しているが、給料については期待できないと伝えた。一方、シフとユーノに対しては、父親の繋がりやギルド試験への熱意を評価し、働いてもらうことに問題はないと伝える。しかし、アベリアに対しては特筆すべき能力がなく、将来的に他の生徒に追い抜かれる可能性が高いため、クズノハ商会には必要ないと断じた。識はアベリアに対して、真の意見として伝えるが、実際には識自身の判断であった。アベリアは、自分には特別な能力がないことを自覚しており、それでもクズノハ商会で働きたいという強い想いを持っていた。最終的に識は、アベリアを諜報関連の仕事に紹介することを提案し、彼女はこれを受け入れた。識はこの決定に対して内心で葛藤しつつも、アベリアの強い意志を認めた。

真の従者である澪が厨房で料理をしているところへ、同じく真の従者である巴が訪れる。巴は、澪がリミア王国へ一人で行くことについて話し合い、リミアの勇者である音無響のことを懸念している。澪は巴の同行を断り、自分だけでリミアへ行くことを主張する。巴は、澪の計画に譲歩し、ただしライムを一緒に連れて行くことを条件に出す。澪は最終的にこれを受け入れ、巴と識が後ろからこっそりついてくることを禁じる。巴は真がリミアにいる間、亜空との行き来を避けるように澪に頼む。澪は真を取り巻く世界に対して不満を抱きつつ、巴に約束する。このやり取りを真は知らないまま、リミア王国へと向かうことになる。

2

クズノハ商会の代表ライドウがリミア王国を訪れることは、表面上は些細なニュースのように見えるが、実際にはリミア王国内の一部の人々、特にヨシュア王子や勇者響、ホープレイズ家などにとっては重要な意味を持っている。この訪問には、様々な思惑が絡み合っている。ライドウの従者澪は、この訪問に対して独自の想いを抱いている。

リミア訪問の際、クズノハ商会のメンバーはライドウを見送り、亜空との通信や学園の管理など、彼らなりのサポートを約束する。しかし、識と巴の間では、ライドウやクズノハ商会に対する彼ら自身の思いや、ライドウの将来に対する考え方について、深くかつ複雑な対話が交わされる。識は特に、ライドウがヒューマンに対して持つ差別的な態度を解消したいという願いを持っており、巴はライドウの最終的な選択に不安を感じている。

識と巴は、ライドウが亜空と地球の間を自由に行き来できるような方法を探求することで、彼の望みを叶えることを考える。彼らは、クズノハ商会や外部の情報源を駆使して、この難題に挑む決意を新たにする。この間、澪はリミアでの勇者響や巫女への対抗策をどのように考えているのか、具体的な計画は不明だが、彼女なりの策を講じていることが示唆される。

ライム=ラテは、クズノハ商会代表ライドウと共にリミア王国の王都を訪れているが、様々なトラブルに頭を悩ませている。特にホープレイズ領での宿泊時、彼らは冷遇され、暗殺者の襲撃にも遭うなど敵意を隠さない態度に直面していた。ライムは、宿泊地の選定やライドウが過去の事件で今なお恨まれていることについて疑問を感じている。

リミア王都への到着後、巫女チヤへの対策が失敗したことで、さらに緊張が高まる。澪が化粧を施した和装で降り立ち、多くの人の注目を集める中、巫女チヤは彼女を見て悲鳴を上げ、失神してしまう。ライムはこの事態に直面し、今後のリミアでの困難な日々を予感しつつ、頭を抱えている。澪の対策失敗と、その後の事態の展開に焦りを感じている様子が描かれている。

3

リミア王国訪問中のライドウは、王様や貴族との会談により疲労している。グリトニア訪問時は皇帝とは会わなかったため、リミア王との謁見は予想外だった。ホープレイズ領での宿泊は気楽だったが、王都到着後すぐに謁見が始まり、巫女の異常な反応に遭遇する。澪とライムはライドウを支え、王子との会見へ向かう準備をする。澪は巫女の件について何もしていないと主張し、ライドウに心配無用と伝える。ライドウは澪とライムに頼りながら、ヨシュア王子の待つ場所へと向かった。

澪とライムは巫女チヤが異常反応を示した件について話し合う。澪は何もしていないと主張し、自分の正体やライドウに関することがチヤにどう映ったかは響からの情報待ちであることを示唆する。響はライドウとの案内を担当することになり、ライドウの真の性質やチヤが何を見たかについての興味を抱く。澪は響とライドウを二人きりにする計画を進め、ライムに対してそれを監視するならば面白いことをすると警告する。ライムは、王都到着一日目から既に困難な状況に直面している。

4

ライドウはヨシュア王子との面談で、王子が実は女性であることや、ライドウ自身が異世界から来た人間であることを再確認する。王子は、ライドウが自分の秘密を守ってくれたことに信頼を寄せ、今後彼を信じると伝える。また、ライドウがリミア国内で行商をしていたことが話題に上がり、ヨシュア王子はこれを受け入れ、リミア王国内での行商がより容易になるよう協力を約束する。さらに、ライドウがリミア王国の有名な場所であるメイリス湖を訪れる予定であることが明らかになるが、その場所の危険性を理由にヨシュア王子からは慎重な対応が求められる。会話の中で、王子とライドウは互いに理解を深め、ライドウの今後のリミア王国での活動について肯定的な意見が交わされた。

ヨシュア王子はライドウとの初めての本格的な会話を経て、彼の人となりについて新たな認識を得る。ライドウの誠実さや、商売に対する独自の姿勢、そして彼が秘密を守る態度について、王子は彼を「困った人」と感じながらも、その非常識さや予想外の行動に戸惑う。ライドウは王子からの秘密を利用することなく、リミア王国内での小規模な行商について事後承諾を求める程度であり、その姿勢はヨシュアにとって新鮮であった。一方、ライドウは翌日メイリス湖への訪問を計画しており、その許可は勇者響の同行により得られた。ライドウと響の関係や、ライドウの行動がリミアにどのような影響を与えるかについて、ヨシュアは慎重に考察を重ねる。ライドウのリミア訪問は、彼らの間の信頼関係の構築と、王国内での彼の活動が今後どう展開するかに注目が集まる状況である。

5

メイリス湖はリミア王国が管理する特別な場所で、竜との古い契約により守られている。この湖はリミア国内で最も危険な修練の場とされ、立ち入りは比較的自由であるが、魔物との戦いは全て自己責任である。深澄真と音無響はこの湖を訪れ、門番からの説明を受けた後、徒歩で湖を目指す。途中、魔物と遭遇するが、響がこれを退治する。二人は湖への道中で、お互いの戦闘能力や、この世界での生き方について話を交わす。

真は遠距離攻撃のエキスパートとして、響に自分の能力を示し、響はそれに驚く。また、真が人を殺した経験についても話し、その際の心情を語る。響は真がどのようにしてそのような力を得たのか、そしてその力の使い方について興味を持つ。響は真をどう扱うべきか考え、彼の力や危険性を理解しようとする。二人の会話からは、力の意味、個人の価値観、そしてこの世界で生きるための戦略についての見解が浮かび上がる。

彼らがメイリス湖に到着すると、その美しさに見とれるが、響の心は重い思いでいっぱいであった。響は真の行動や言葉から、彼が危険な存在である可能性を感じ取り、どのように対応すべきか悩む。また、ローレルの巫女チヤが真と澪を見てショックを受けた理由についても触れられ、真の内面や彼にまつわる謎に響は更に興味を持つ。

巫女は意識を取り戻していたが、まだ言葉を発することなく、ライドウと澪について考えていた。澪が以前遭遇した巨大な黒い蜘蛛に似ていること、しかし、その目や態度に違いがあることに気付いた。澪は首輪をしており、その鎖はライドウが持っていた。巫女はライドウの心眼で見たイメージが白く、弓を持ち、蜘蛛への鎖を握っていることを確認した。ライドウのイメージの一部にはひび割れがあり、その中から見える目によって死のイメージを感じ取った。巫女はライドウの内に潜む何かに対して恐怖を感じ、彼や澪と再び会う自信がなかった。彼女はクズノハ商会がただの店ではないと感じ、その正体について深い不安を抱えていた。

真と響はメイリス湖を訪れており、湖畔へと向かう。真は特定の能力を使って案内者の場所を探し出し、響はそれに疑問を持ちつつも同行する。真が持っていたのは上位竜リュカの卵であり、それを湖に戻すことが彼の目的だった。卵から孵化したリュカは人間大のサイズで、初めから共通語を話すことができた。リュカは真と響を自分の住む空間へと案内するために、魔物を介して湖の下へと連れて行った。この一連の出来事は、真が何者かについて響に疑問を抱かせるとともに、リュカの存在と彼らの間にある複雑な関係性を示している。

王都ウルの復興状況は良くなく、財や努力を投じても思うように進んでいない。戦時下であり、魔物の脅威もあるため、外壁の修復が最優先されるが、復興速度はロッツガルド学園都市と比較して遅れている。リミア王家はロッツガルドに復興協力を要請し、多くの学生や術師が王都の復興に参加することになった。澪はウルの復興が遅いことに苦言を呈し、より効率的な復興策を提案する。彼女は強力な魔術を使い、瓦礫を一瞬で消し去り、復興時間を短縮する能力を見せつける。ヨシュア王子は澪の力に驚き、彼女の協力を得るために交渉する。澪はヨシュアが一緒にいることを条件に、クズノハ商会として王都の復興を支援することを約束する。

真と響はメイリス湖の中央にある、古代ギリシャを思わせる造りの巨大な神殿に到着する。この神殿はリュカ、水の竜の住まいであるが、現実のメイリス湖とは異なり、凍り付いた湖と極寒の景色を持つ異空間にある。リュカはこの異空間を自らの特性とメイリス湖の力を合わせて生み出したものと説明する。響は水属性の応用で異空間を構成することについて質問し、リュカは可能性があるものの、幻術の使い手によるものが近いと回答する。

リュカから、真への送還を含む協力と、彼の成長を抑えるよう頼まれる響。リュカは真がこの世界にとって未曾有の脅威であり、彼のさらなる成長は避けるべきだと主張する。また、リュカは自身がソフィアに殺されたこと、そして彼女によって力を得た後、ライドウによって敗れた経緯を語る。この話から、リュカは真が非常に強大な存在であることを示唆し、彼を封じるための協力を響に求める。

リュカは自身の体が小さい理由をソフィアに殺されたことによるものと説明し、響に対し、真を送還するための儀式があるが、実現は難しいと告げる。この儀式は千人の人命を要し、真の同意が必要であるため、響はこの解決策に興味を示すが、リュカはそれが現実的ではないと説明する。

結局、響はリュカからの情報を受け、真についての新たな理解を深めることになる。リュカは響に対し、真の危険性を認識しつつも、彼との関係を上手く管理し、可能な限り平和的な方法で彼を封じるよう頼む。響はこの重大な任務について考え、リュカの協力を受け入れることを決意する。

真と響は巨大な竜、リュカに乗って王都に帰還する。王都の民はこの光景に喜びを表し、真はリュカから得た有益な魔術書に興奮していた。一方、響はリュカとの会話で得た情報をもとにリミア王族と緊急会議を開く。会議では、リュカの情報やクズノハ商会の復興支援能力について話し合われたが、響はリュカから聞いた内容を全ては伝えきれなかった。

その後、響はチヤに会い、澪が黒蜘蛛であること、そしてライドウが澪を支配している可能性があることを聞く。チヤはライドウとクズノハ商会に関わるべきではないと主張するが、響はチヤと一緒にクズノハ商会との夕食会に参加することを決める。さらに響は、リュカから得た情報を基に、ライドウとの手合わせをすることを考えている。これにはチヤが強く反対するが、響は自分とライドウ、双方を理解するために必要だと感じている。

響はチヤに支持され、夕食会の後にライドウとの手合わせを行うことを決心する。チヤは怪我をしてもすぐに治すと約束し、響は自分とライドウ、それぞれを深く知る機会としてこの手合わせを望んでいる。

真と響は、城の裏手にある訓練場で手合わせを行った。真剣勝負を望む響と、試したい技術があった真は、手合わせを通じて互いに全力を出すことに同意する。手合わせは、リミア王やヨシュア王子、貴族、そしてクズノハ商会の澪とライムなど少数ながら観客が見守る中で行われた。

戦いは、響が強化された防御フィールドと速度、真が持つ特殊な弓術技能を駆使する形で進行した。響は風を鞘にする技術で攻撃を仕掛け、真はこれまで考えていた新しい弓術の使用方法を試した。真の技術は、響の攻撃を逸らすだけでなく、彼女に矢を命中させることに成功した。

最終的に、響の穿孔攻撃を真が部分的に防ぐことで、お互いに一定のダメージを受ける結果になり、両者は引き分けとする。響は、真の技術に驚きながらも、自分の負けを認め、真は新しい技術が成功したことに満足感を持った。

この手合わせを通じて、真は自分の弓術が一段と進化したことを確認し、響は真の圧倒的な力と、自分の立ち位置を再認識した。そして、リミア王国にとっては、多くの思索と発見があった一日が終わりを告げた。

7

響と澪の二人は、澪の訪問と響の怪我について話し合っていた。響は肩に矢が刺さっただけであり、大したことはないと述べている。澪は、彼女たちが実際に行動を共にし、響が若様の強さを理解したことについて触れる。響は、若様の力を認め、自身が陰で動いていないことを主張する。さらに、澪は響に対して、若様とクズノハ商会について正しく理解しているかを問い詰める。響は、若様が魔人であり、リミアで彼女を助けた白い人物も若様であると結論づける。澪はこれを満足げに受け入れ、響の理解を称賛する。

響は、クズノハ商会の意図について疑問を抱き、若様の戦闘技術の高さから何か目論見があるのではないかと推測する。澪は、若様がこの世界に来てすぐに災害の蜘蛛であった澪と遭遇し、戦ったことを明かす。これにより、真の異常な強さが明らかになる。響は、若様との差が広がり続けていることを認識し、その事実に直面する。

澪に治療された後、主人公は一人で思索に耽っていた。その時、ライムが戻ってきて、主人公は彼に自分を攻撃するよう頼む。主人公は響との親善試合を通じて、自身の防御力を確かめたいと考えていた。ライムは躊躇しながらも、主人公の頼みを受け入れ、全力で攻撃する。しかし、その攻撃は主人公の魔力体によって防がれ、ライムの刀は砕け散ってしまう。ライムはその刀が再生することを語り、主人公は響の攻撃力について考察する。響の特殊な攻撃力の原因を探るため、主人公は澪に斬鉄扇で攻撃してもらう。澪の攻撃も魔力体で防ぐことに成功し、響の攻撃力の高さについての手がかりを得る。澪は響が女神からの加護を受けている可能性を指摘する。そして、澪は主人公に巫女との対話の可能性を伝え、その日の予定を共有する。

8

ヨシュアと響がクズノハ商会の行商許可について話し合っている。ヨシュアは、ライドウからの要請と、彼による救助のお礼として許可する方向であると述べる。響は、この決定に若干の懸念を抱きつつも、基本的には賛同する。ヨシュアは、ライドウに対してもっと報いたいと考えているが、ライドウ自身はそれを必要としていないかもしれないと響は指摘する。ヨシュアと響は、クズノハ商会との良好な関係を維持することの重要性に同意しつつも、ライドウの無欲さや、クズノハ商会がヒューマンだけでなく魔族にも協力する可能性について議論する。響は、ライドウが戦争に興味を持っていないことや、差別意識がなく、困っている者を助ける性質を持っていることを懸念する。

ベルダは、響の護衛として参加していたが、会話には積極的に参加していない。しかし、響がライドウが魔族にも協力する可能性に言及したとき、初めて反応を示す。響は、ライドウの行動が長期的な戦争を引き延ばし、世界を疲弊させる可能性があることを懸念している。

ヨシュアは、響の意見を重視し、クズノハ商会との関係を慎重に扱う必要があることを認識する。しかし、現状ではクズノハ商会と良好に振る舞うしかないと結論づける。ヨシュアと響は、クズノハ商会の来訪がリミア王国にとって脅威であると同時に利益ももたらすと理解している。

後に、ベルダはヨシュアから王位継承の話を持ちかけられる。ヨシュアは、ベルダが響の護衛を続けることは彼女にとって負担になると主張し、ベルダに政治で役立つよう促す。ベルダは響の傍で彼女を支えることを望んでいるが、ヨシュアはベルダが王としてより良い役割を果たせると説得しようとする。このやり取りは、兄弟間の緊張と、ベルダが直面している葛藤を示している。

夜、主人公は部屋でのんびりと過ごしていた時、ライムが刀の手入れをしながら城下の様子や復興の進捗について話してくれる。主人公とライムは、ロッツガルドの迅速な復興と比較して、リミアの復興が遅れていることに触れ、可能な範囲での支援を検討する。しかし、戦争が再び激化することへの懸念も共有する。特に、魔族が冬の間も攻撃を続ける可能性について話し合い、魔王の戦略について推測する。

その後、響が夜遅くに訪れ、主人公に単独で話がしたいと伝える。ライムは部屋を出て、主人公と響が話をするための空間を提供する。この夜の会話は、リミアの現状や魔族との関係、そして戦争の影響など、複雑なテーマに触れる可能性があることを示唆している。

主人公は、リミアでの経験や、森鬼主から行商部隊の許可を得たことなど、ポジティブな展開に感謝している。さらに、リュカから得た元の世界に帰れるかもしれないという情報を、響に伝えることを考えている。夜の会話は、重要な情報の共有や、今後の行動についての決定を含む可能性があり、主人公と響の間の信頼関係や協力の重要性を強調している。

9

先輩と主人公はリミアの現状と、その改善について話し合う。先輩はリミアの人口統計が不明確であることや、税収の不正について言及し、主人公の協力に感謝する。また、先輩はこの世界の改善に向けて努力していることを明かす。主人公は戦争の終結には協力できないと断り、自分の立場を説明する。先輩は主人公の姿勢を理解し、リミアに対する主人公の協力を望むが、戦争への関与については否定的な立場を示す。

先輩は女神の存在について批判的であり、女神がいなくなっても世界に影響がないと考えている。しかし、主人公は女神を引きずり下ろすことによって世界の改善が可能だと主張する。先輩はその方法がもたらす混乱や、女神がいなくなることによる影響を懸念し、そのような行動には反対する。両者は世界の改善に向けた方法論で意見が分かれるが、最終的に先輩は主人公の立場を尊重することにする。

先輩はヒューマンの行動を差別していると指摘し、亜人とヒューマンの平等な扱いを目指すべきだと説く。しかし、主人公はヒューマンの歴史的な行動が亜人への差別を生んでいると反論し、短期間での変化を望む。先輩は時間をかけて社会の基本的な認識を変えていくべきだと考え、主人公はそれに反対する。

両者は亜人とヒューマンの関係改善に向けた方法論で意見が異なり、先輩は女神の存在に対する依存からの脱却と社会の徐々な改善を目指す。一方、主人公は女神の即時の排除と急速な社会の変革を望む。最終的に両者はお互いの立場を尊重するが、根本的な意見の違いは残る。

10

真が去った後、響は一人で様々な想いを巡らせる。彼女は自身の立場や今後の展望について考え、今の状態が非常に困難であると自覚している。魔族にも、帝国にも、真にも負けるわけにはいかないが、真が暴走する可能性については少し希望を見出している。響は世界転移の覚醒者として他者からの想念を力に変える能力を得ており、多くの人々から託された想いを背負って戦っている。彼女は自分が目指すもののために最後まで戦うことを誓っている。

響は真に対して複雑な感情を抱いており、彼が提案した女神なき世界やその他の発言に対する自分の反応を省みる。彼女は真の提案した「避難」という考えに疑問を抱き、真やクズノハ商会の実力を再評価する。響は真の力と彼の行動原理を理解しようと努力し、戦争の継続を望む自分自身の感情と向き合う。

一方、澪は真と響の会話を盗み聞きしており、彼らの決裂を喜んでいる。澪は真の本質と彼の世界における立ち位置を深く理解しており、響と真が相容れないことを早くから予測していた。澪は真が周囲を気にしすぎる傾向について批判的であり、彼のために間接的に動くことを選択する。彼女にとって重要なのは真の幸福であり、それ以外のことは二次的なものとして扱う。

部屋に到着する前に、ローレルの巫女であるチヤという少女に遭遇する。彼女は、クズノハ商会の一行に対して無遠慮に覗こうとしたこと、夕食に同席できなかったことなど、いくつかの非礼について謝罪する。彼女はライムを優しい巨木として、澪を災害の蜘蛛として、そして主人公を白い無貌の人型として見たと述べ、それぞれのビジョンについて語る。特に主人公のビジョンには、小さなヒビがあり、そこからおぞましいものが存在しているように見えたとチヤは言う。チヤは主人公に対して、そのおぞましいものを表に出さないように懇願する。

その後、主人公はチヤとの会話を通じて、彼女が巫女としての責務に真剣に取り組んでいること、また、彼女自身が見たビジョンの意味を完全には理解できていないことを知る。チヤは主人公に、彼が拠り所とする教えや考えについて尋ね、主人公は弓道に対する自分の姿勢を説明する。

ライムとの会話から、主人公はリミア訪問が想像していたよりもしんどかったこと、国や世界全体の未来について考える力が自分にはないことを感じ取る。彼は亜空に戻ったら、巴や識、ケリュネオン、そして魔王ゼフにも話を聞くことを考えている。しかし、その考えはやがて睡魔に打ち勝てずに途切れる。

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月が導く異世界道中 7
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月が導く異世界道中 8
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月が導く異世界道中 8.5
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月が導く異世界道中 9
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月が導く異世界道中 10
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月が導く異世界道中 11
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漫画版 月が導く異世界道中 シリーズ

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月が導く異世界道中 11巻
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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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