小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 22巻 最新刊」感想・ネタバレ

小説【転スラ】「転生したらスライムだった件 22巻 最新刊」感想・ネタバレ

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どんな本?

『転生したらスライムだった件 22』は、伏瀬氏による異世界転生ファンタジー小説シリーズの第22巻。
主人公リムルがスライムに転生し、仲間たちと共に新たな国を築き上げる物語。

物語の概要

フェルドウェイ率いる天使軍は瓦解したものの、竜種の長女ヴェルザードや暴走するミリム、そして最悪の獣「滅界竜」イヴァラージェなど、新たな脅威が世界を危機に陥れている。
リムルの帰還を信じ、テンペストの仲間たちは各地で奮闘する。
そして、ついに最悪の獣が動き出す――。

主要キャラクター

  • リムル・テンペスト:元サラリーマンの三上悟が異世界でスライムに転生した姿。ユニークスキル「大賢者」と「捕食者」を駆使し、仲間と共に魔物の国「テンペスト」を築く。
  • ヴェルザード:竜種の長女であり、氷雪の美女。圧倒的な力で戦場を制圧する。
  • ミリム・ナーヴァ:竜種の一人であり、リムルの友人。暴走状態に陥り、フェルドウェイに操られる。
  • フェルドウェイ:天使軍を率いる存在で、ミリムを操り世界に混乱をもたらす。
  • イヴァラージェ:最悪の獣「滅界竜」と称される存在。世界の危機に直結する脅威である。

物語の特徴

本作は、異世界転生というジャンルの中でも、主人公がスライムという一見弱そうな存在から始まり、仲間との協力や独自のスキルを活用して成り上がっていく点が特徴的である。また、多彩なキャラクターや緻密な世界観、予想を超える展開が読者を魅了している。

出版情報

小説のタイトルは「転生したらスライムだった件」だが、略称として「転スラ」と呼ばれることもある。

読んだ本のタイトル

転生したらスライムだった件22
著者:伏瀬
イラスト:みっつばー

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あらすじ・内容

リムル不在のまま戦局は更に混沌さを増していく!待望の最新刊いよいよ登場!!
フェルドウェイ率いる天使軍はもはや瓦解していた。
だが脅威が去ったわけではない。

目的の読めない竜種の長女ヴェルザード、
暴走するミリムとそれを操るフェルドウェイ。
さらには、最悪の獣〝滅界竜〟イヴァラージェの存在。

その全てが世界の危機に直結していた。

予断を許さない状況の中、
リムル帰還を信じて中各地で奮闘するテンペストの面々と協力者たち。

そしてついに最悪の獣が動き出してしまう――。

大人気転生ファンタジー待望の最新刊!!

転生したらスライムだった件 22

感想

主な出来事は以下の通り。

序章 純粋な悪意
幻獣族の中から知性と協調性を持つ個体が現れ、蟲魔族へと進化した。
その中で最強の〝滅界竜〟イヴァラージェが誕生し、七色の繭から目覚めた彼女は復讐のために世界を滅ぼす決意を固めた。
三体の従僕に名前を与え、彼らもまた進化を遂げる。
軍勢を率いて基軸世界へ侵攻し、ヴェルダナーヴァの気配を感じ取ると憎悪を募らせる。
彼女の目的は、捨てられた過去を取り戻すこと。邪悪なる意志が、世界を混沌へと導こうとしていた。

第一章 悪徳の王
魔物の国ではテスタロッサが動き、各地の異常を調査する。
旧ユーラザニアの氷結はヴェルザードの影響であり、戦場へ赴いた彼女はギィとヴェルザードの戦闘を目撃する。
ヴェルザードの意図を探る中、彼女の行動が単なる敵意ではないと見抜いた。
白き清浄なる世界の権能を発動する寸前でヴェルグリンドが介入し、状況が変化する。
そこにトワイライト・バレンタインが現れ、新たな戦いが幕を開けた。

第二章 絶望の時
神樹防衛戦が勃発し、ミリムの暴走を止めるべくレオン、エルメシア、シルビアが迎え撃つも圧倒される。
クロエが参戦し、未来視を活かしながら応戦するが、戦況は依然として厳しい。
フェルドウェイとザラリオが対峙し、過去の因縁を断つべく激突。
ヴェルドラも加わり、戦局は混迷を極める。
対イヴァラージェ戦のために英雄たちが結集し、天通閣を巡る決戦の準備が進められる。
ついに滅界竜が姿を現し、人類の存亡をかけた戦いが始まる。

第三章 頂上決戦
各戦線で幻獣族との激戦が繰り広げられ、ルミナスとヒナタが迎撃の指揮を執る。
ジャヒルが介入し、ルミナスとの因縁を晴らすために戦闘を仕掛けるが、そこにカガリとティアが共闘して応戦するも苦戦。
絶体絶命と思ったら、ユウキとラプラスが現れ、ジャヒルは討滅される。
一方、ギィとヴェルザードの戦闘は激化し、カレラの神滅弾がヴェルザードの支配を破壊する。
神樹に決定的な攻撃をしたミリムの攻撃を帰還したリムルが吸収し、暴走するミリムを説得。
フェルドウェイとの決戦が始まり、ディアブロが彼を打ち倒すも、フェルドウェイは異界へと逃亡。

終章 邪神覚醒
イヴァラージェが基軸世界に降臨し、英雄たちの抵抗を嘲笑う。
戦場に混乱が広がる中、彼女は戦いをより楽しむために自らの進化を望む。
その願望は従僕たちにも影響を及ぼし、三体の従僕は新たな形へと変貌を遂げる。
そして、邪神としての完全なる覚醒を果たしたイヴァラージェは、人の姿を持つ新たな存在として地上に降り立つ。世界の終焉を告げるかのような嗤いが響き渡った。

総括

ミリムの暴走とリムルの帰還

ミリムが暴走し、圧倒的な戦闘力で戦場を蹂躙する中、ついにリムルが帰還した。この展開は予想の範囲内であったが、その前にユウキとラプラスが復帰するとは思わなかった。
どこかで再登場するとは思っていたが、このタイミングとは予想外であった。
ユウキは脳内にマリアベルを宿した状態で戻り、ラプラスは妻と娘のエルメシア、シルビアと再会した。後で折檻だろうな( ^ω^)・・・
彼らの復帰は戦局に大きな影響を与え、物語に新たな流れをもたらした。

戦線の復帰と各陣営の活躍

ヴェルザードによって氷漬けにされていた者たちも復活し、戦線に復帰した。
この巻では、ディアブロと勇者クロエ、そして彼女の下僕(指揮下に入った)となったヴェルドラが大活躍した。
特にディアブロは、圧倒的な実力でフェルドウェイを圧倒し、戦況を有利に進めた。
一方で、ベニマルやヒナタたちも奮戦していたが、苦戦する場面が多く、実力差を痛感させられる戦いとなった。
ゼギオンの動向にも注目だったが、今回は目覚めることなく終わったのが残念であった。
ギィもまた、ヴェルザードとの因縁に縛られ、決定的な行動を取ることができなかった。

イヴァラージェの進化と終末の兆し

イヴァラージェは戦場を観察し、戦いを楽しんでいたが、やがて自らの進化を決意した。
彼女は戦える姿を求め、邪神としての完全な覚醒へと進んでいく。
この変化により、戦場はさらに混沌を極め、恐るべき脅威が生まれる兆しを見せた。
彼女の従僕たちもまた進化し、戦力としての脅威を増していった。この展開は、次巻への大きな布石となり、物語もいよいよクライマックスへと向かって行く。

この巻では、戦局が大きく動き、主要キャラクターたちの活躍が際立った。リムルの帰還は物語の転換点となり、戦況を覆す要因となったが、イヴァラージェの進化という新たな脅威が生まれたことで、依然として油断できない状況が続いている。
次巻では、ゼギオンの復活やギィの本格的な戦闘参加、そしてリムルとミリムがどのようにイヴァラージェと対峙するのかが注目される。
戦いの結末がどのように描かれるのか、今後の展開に期待が高まるばかりである。

終わるのかな?
あとがきを読むに少し怪しいなw
続いたら嬉しいから大歓迎だけどね。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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前巻 次巻

展開まとめ

序章 純粋な悪意

イヴァラージェの進化と憎悪の目覚め

幻獣族の進化と特異性
幻獣族は千差万別の個体群であり、その多くは協調性を欠き、暴走する存在であった。しかし中には、知性を持ち、仲間と協力することで強大な力を発揮する種も存在した。この進化の過程から派生した蟲魔族もまた、独自の存在として確立していった。そして、新たに進化を遂げた〝滅界竜〟イヴァラージェが登場した。彼女は七色の繭から生まれ変わり、その姿と存在感を劇的に変化させた。

イヴァラージェの感情と目的
イヴァラージェは進化を通じて知性と感情を獲得し、初めての感情として憎悪を抱いた。彼女は過去に自分を捨てた存在への復讐を誓い、全てを取り戻すため、世界を滅ぼす意思を固めた。この目的のため、彼女は創造主ヴェルダナーヴァが作り出した世界を一つずつ破壊しようと決意した。

従僕たちへの命名と進化
イヴァラージェは自身に仕える三つの従僕に名前を与えた。それぞれ虚無を疾走する獣「カケアシ」、次元を飛翔する鳥「ハバタキ」、星間を遊泳する魚「スイーム」と名付けられた。名付けの過程で、彼らはイヴァラージェの悪意を受け継ぎ、さらなる進化を遂げた。従僕たちはそれぞれ異形の姿と凶悪な力を備え、母であるイヴァラージェのために全力を尽くす存在となった。

軍勢の形成と行動の開始
イヴァラージェを中心とした幻獣族の軍勢は、破壊の意志を体現する邪神の軍勢として集結した。彼女は未知の世界への扉である〝天星宮〟を通り抜け、基軸世界への侵攻を開始した。その道を阻む者はおらず、イヴァラージェは自らを捨てた存在への憎悪を胸に抱き、全てを呑み込む決意をさらに強固なものとした。

終末の兆し
基軸世界に到達したイヴァラージェは、ヴェルダナーヴァに関連する気配を発見し、その存在に対する憎悪を強めた。彼女の指揮する邪神の軍勢は、基軸世界を蹂躙し、その破壊と侵食を進めることで、かつての完全な存在へ戻ることを目指していた。

第一章 悪徳の王

迷宮での攻防前の準備と決断

幹部会合後の迅速な行動


魔物の国の幹部会合が終わると同時に、テスタロッサは速やかに行動を開始した。管制室を離れると、イングラシア王国にいるシエンへ「思念伝達」を送り、簡潔に会議内容を伝達した。ヒナタとの相談を指示した後、次にモスへ連絡を試みるが、途中でソーカに出迎えられる。ソーカは各地に部下を派遣済みで、自身も任務に加わる意志を示した。

氷の世界への危機意識

旧ユーラザニアでは、部下トーカの連絡が途絶していた。ヴェルザードが作り上げた氷の世界が原因とされ、テスタロッサはその異常事態を即座に把握した。ソーカの助力を受け入れつつも、彼女の参戦が危険を伴うと判断したテスタロッサは、ソーカの覚悟を確認しつつ、安全な状況作りの重要性を説いた。

ヴェルザードの謎と推察

ヴェルザードの氷雪は、単なる攻撃ではなく防護の意味を持つとテスタロッサは分析した。氷像となった者たちは生命活動を停止させられただけで、復元が可能である可能性を指摘した。また、ヴェルザードがフェルドウェイに完全に支配されていないことを確信し、利害が一致した結果としての行動と推察した。

現地到達と戦況分析

戦場の白き支配


モスの転移魔法を利用し、テスタロッサたちはヴェルザードの氷雪が及ぶ境界に到達した。そこから先は死地であり、特にソーカの安全を考慮する必要があった。テスタロッサは観察を進める中で、ギィとヴェルザードの戦闘の壮絶さを目撃した。彼女は氷雪の防御力とヴェルザードの目的を慎重に推察し、敵対の意思が薄いことを確認した。

白き清浄なる世界の権能

テスタロッサは自身の権能「白き清浄なる世界」の準備を進めていた。この能力は生命を完全に消滅させる危険な力であるが、彼女はその使用を慎重に考慮していた。この権能の発動が状況を打開する可能性を秘めており、彼女は必要な条件を整えつつ行動を続けた。

モスとソーカへの信頼と役割

ソーカの覚悟を認めたテスタロッサは、彼女を目印として戦場に活用する意図を明かした。また、モスにはソーカの安全を守るよう指示した。冷徹な判断の中にも、部下を信頼する姿勢がうかがえた。

戦いの行方を見据えて

テスタロッサの冷静な判断

ギィとヴェルザードの戦闘を観察しながら、テスタロッサは状況の全体像を把握しようと努めた。敵対者の行動や目的を推察しつつ、最善の一手を模索していた。無駄な行動を排し、冷静に戦況を見極める姿勢が貫かれていた。

さらなる白への進化

テスタロッサは「白き清浄なる世界」の権能を解放する準備を進めた。この力は極めて危険であるが、必要があれば用いる覚悟を決めていた。世界を白に染め上げる彼女の行動は、戦場の流れを大きく変える可能性を秘めていた。

テスタロッサの冷静な知略と覚悟は、迷宮での戦いにおいて重要な役割を果たした。

白き清浄なる世界の発動

ヴェルグリンドの登場とテスタロッサの対話


蒼髪の美女ヴェルグリンドがテスタロッサの前に姿を現し、二人は並び立ちながら会話を交わした。ヴェルグリンドはテスタロッサの「白き清浄なる世界」を使う決断を称賛し、その危険性を指摘した。対話の中で、テスタロッサはヴェルザードの行動に疑問を持ち、その目的を明らかにするために行動していると述べた。

モスとソーカの状況

猛吹雪が吹き荒れる中、モスとソーカはテスタロッサの「白き清浄なる世界」の影響下にいた。この環境では視界が奪われ、魔力感知も機能しない。ソーカは自分の無力さを嘆くが、モスは彼女の存在意義を認め、生き残ることが最重要だと説得した。

白き清浄なる世界の危険性

テスタロッサの権能「白き清浄なる世界」は、生命を完全に消滅させる力を持つ危険な能力であった。現在は第一段階の発動状態にあり、攻撃が開始されていないものの、猛り狂う力を抑え続けるのは難しく、状況の不安定さがモスとソーカの不安を煽っていた。

新たな局面の到来

レインとミザリーの到着


ヴェルグリンドの転移門を通じて、レインとミザリーが白い世界に到着した。レインは寒さに不満を漏らしつつ、モスの「結界」を補強するために魔法を構築した。ミザリーもこれを支援し、結果として白い世界の防護結界がさらに強化された。

防護結界の改善と協力

モスは自身の結界をレインに引き継ぎ、その補助をミザリーに依頼した。レインは卓越した魔力操作で結界の主導権を握り、ミザリーはその補助として調整を行った。この結果、ヴェルグリンドが抜けた穴を補い、現地の防御体制が万全となった。

隠された目的の探求

新たな敵の気配


ヴェルグリンドとの会話の中で、テスタロッサはヴェルザードの背後に第三者の存在を確信した。激戦が続く天空を見上げ、テスタロッサはその正体を探る決意を固めた。戦況の行方が、今後の展開に大きく影響を与えることが示唆されていた。

ギィとヴェルザードの空中戦

空中戦の膠着状態


ギィはヴェルザードを相手に、長時間に渡る空中戦を繰り広げていた。互いに本気を出さないまま、少しずつ技の威力を高めながら探り合う神経戦が続いていた。致命傷を狙った攻撃も時折混ざるが、双方の卓越した実力により即座に無効化されていた。

ヴェルザードの無尽蔵の魔力

ヴェルザードは「凍れる世界」を完成させることで、魔力を循環させて消耗を回避していた。この権能により、彼女は実質的に無尽蔵の魔力を持つ状態となっており、ギィは自身の魔力を節約するため、空間に漂う魔素を利用して戦闘を続けていた。

不自然な戦術

ギィはヴェルザードの行動に違和感を抱いていた。彼女は絶対的な強者として小細工を弄する必要のない戦い方をしていたが、今回は戦術を駆使していた。この変化から、ギィはヴェルザードが第三者の意図に影響を受けている可能性を考えた。

新たな局面への突入

テスタロッサの到着と戦況の把握


ギィは、テスタロッサ達がこの地に到着したことを察知し、彼女達の行動目的と現在の世界情勢を把握した。テスタロッサが第三者の存在を確信したことにより、ギィはその相手を彼女に任せる決断を下した。

ギィの指示

ギィは、ダマルガニアでのイヴァラージェ迎撃に向けて、部下達を再配置する指示をテスタロッサに伝えた。有能な部下を最大限に活用し、事態の早期解決を図る構えを見せた。

戦局の安定とギィの満足

魔力の安定化


テスタロッサ、レイン、ミザリーの協力により、この地の魔力が安定した。ギィは彼女達の活躍を評価し、久しぶりに満足感を覚えた。特にテスタロッサの迅速な対応に対して、深い信頼を寄せていた。

ヴェルザードの感情と覚醒

ギィとの戦いと過去の因縁


ヴェルザードは、兄ヴェルダナーヴァに認められたギィに嫉妬し、かつて彼に挑んだ。その戦いでは、圧倒的に有利な条件にあったにもかかわらず引き分けとなり、誇りを傷つけられた。以降、彼女はギィを観察し続け、その成長を見届けることを自らの目的とした。

ギィへの複雑な感情

ヴェルザードはギィとの生活に満足しつつも、彼が自身の心に気付いてくれないことに不満を抱いていた。彼女は、ギィが他の相手、特にルドラと楽しそうに戦う姿に嫉妬し、自らを責めるようになる。そして「力があればギィに認められる」と信じ、その願いが彼女の新たな権能『嫉妬之王』を生み出す契機となった。

フェルドウェイへの協力と真の狙い

フェルドウェイの誘いに応じたヴェルザードは、表向き彼に従う形を取ったが、その目的はギィと本気で戦う機会を得るためであった。フェルドウェイの計画を利用しつつ、自身の望みを叶える準備を進めていた。

トワイライト・バレンタインの登場

協力者の正体


テスタロッサは、ヴェルザードに協力していた存在を見つけ出す。それは「黄昏の王」トワイライト・バレンタインであり、吸血鬼族や人類を創造した存在であった。トワイライトはかつて消滅したとされていたが、復活を果たし、ヴェルザードと共に活動していた。

トワイライトの目的と対峙

トワイライトは、ヴェルザードの願いを叶えるために彼女を支援しつつ、自身の「擬竜体」をテスタロッサで試そうとしていた。テスタロッサは彼の挑発を受け流しつつも、冷静に彼の能力を見極める姿勢を崩さなかった。

テスタロッサの決意

トワイライトとの対決


テスタロッサは、トワイライトを確実に排除するために戦う覚悟を固めた。彼の復活と能力の背景を分析しつつも、その危険性を見抜き、自身の手で完全に葬り去ることを誓った。

次なる戦局の幕開け

ヴェルザードとギィ、テスタロッサとトワイライトの対決が明確となり、戦局は新たな展開へと突入した。それぞれが強大な力を持つ中で、彼らの戦いがどのように進むかが注目される状況となった。

原初とトワイライトの遭遇

レインの反応とモスの困惑


レインはトワイライトの復活を知り、不快感を露わにしつつも軽口を叩いた。ミザリーが窘める中、モスは原初たちの会話に圧倒されつつも、彼らの冗談交じりの提案に恐怖を覚えた。ソーカが意外にも危険な話題を展開し、幹部たちの弱点調査が行われていることを明かしたが、モスはこれに呆れつつも巻き込まれまいと努めた。

テスタロッサへの挑発

レインたちが冗談を交わす中、テスタロッサは冷静にトワイライトを見据えていた。トワイライトは自信満々に挑発を繰り返したが、テスタロッサは嘲笑を浮かべるのみであった。彼女はトワイライトの高慢さを滑稽とし、隙を見せぬ態度で対峙した。

トワイライトの背景と力の正体

研究と復活の経緯


トワイライトは、不死性や権能を究極まで追求し、自らを実験体とした研究を重ねた。その結果、ヴェルザードの協力を得て心核を凍結し、複製した記憶を保持することで不死に近い存在となった。さらに、ヴェルザードの魔素を基に創り上げた擬竜体により、竜種に匹敵する力を手にした。

究極能力『悪徳之王』の獲得

トワイライトは究極能力『貪欲之王』を生贄とし、新たに『悪徳之王』を得た。この権能は創造や研究に特化しているだけでなく、戦闘面でも驚異的な能力を発揮するものであった。これにより、彼はさらに強大な存在へと進化し、不滅の存在となった。

テスタロッサとトワイライトの対峙

擬竜体の脅威


トワイライトは竜気を解放し、テスタロッサを圧倒する姿勢を見せた。擬竜体の存在値はテスタロッサを大きく上回り、彼自身も圧倒的な優位を確信していた。しかし、テスタロッサはその態度を嘲笑し、余裕を崩すことなく迎え撃つ構えであった。

勝利の方程式

テスタロッサは静かにトワイライトの言葉を受け流しつつ、確固たる勝利の方程式を胸に秘めていた。挑発に乗ることなく、彼女の冷徹な計算が次なる展開を予感させた。

テスタロッサとトワイライトの対決

戦闘の開始と持久戦の展開


テスタロッサとトワイライトの戦いは数時間に及んだ。テスタロッサはトワイライトの強力な攻撃をかわしつつ、一貫して冷静に行動していた。一方、トワイライトは自身の攻撃が決定打とならないことに違和感を覚えつつも、優位に立つ状況を楽しんでいた。

トワイライトの慢心とテスタロッサの策略

トワイライトは、テスタロッサが仕掛ける強力な攻撃を防ぐたびに、勝利を確信していた。しかしテスタロッサの攻撃は、単なる挑発に過ぎなかった。彼女は巧妙にトワイライトを罠に誘導し、相手の注意を引きつけることで真の狙いを隠していたのである。

テスタロッサの反撃

究極能力『白き清浄なる世界』の発動


テスタロッサは、自身の究極能力『白き清浄なる世界』を展開。これにより、戦場は完全に彼女の支配下に置かれた。この能力は、ヴェルザードの氷雪と融合する形で発揮され、トワイライトの再生能力をも凌駕する力を秘めていた。

トワイライトの驚愕

トワイライトは、自身の『悪徳之王』による攻撃が通用しないことに動揺を隠せなかった。彼の誇る不死性も、テスタロッサの緻密な計算と戦略の前では無力化されつつあった。最終的に、テスタロッサの狙いがトワイライトを完全に封じるものであったことに気付くも、すでに手遅れであった。

戦いの終結と新たな局面

トワイライトの消滅


テスタロッサは冷徹にトワイライトを追い詰め、最終的にその存在を消し去った。トワイライトは、己の不死性が崩壊するという結末を迎えた。これにより、テスタロッサは完全勝利を収めた。

ギィとヴェルザードの戦いの再開

トワイライトの消滅により一つの戦場は決着したが、ヴェルザードとギィの戦闘は激しさを増していた。周囲の空間を白く染める中、彼らの戦いが新たな展開を迎えようとしていた。

ヴェルザードとギィの対決

戦場の展開とギィの警戒


白と赤の覇気が交差し、氷雪が吹き荒れる中でヴェルザードとギィが激突していた。ギィは戦場の全状況を把握しており、テスタロッサがトワイライトを封じ込めたことで、ヴェルザードとの戦いに集中できるようになった。テスタロッサの操る『虚無』の技量にはギィも驚愕していた。

テスタロッサの退場とギィへの信頼

テスタロッサの撤退

テスタロッサは疲労困憊ながらも『虚無』をヴェルザードに残し、トワイライトの再生を防いだ。ギィに「貸し」として力を託し、地上へ降りていった。ギィはその信頼を受け取り、ヴェルザードとの本格的な戦いに臨む覚悟を決めた。

ヴェルザードの解放と攻勢

ヴェルザードの感情と戦意


ヴェルザードは自身の心核を凍らせ感情を抑えていたが、ギィへの執着がついに理性を超えた。彼女はギィへの純粋な愛憎を叫び、感情を解放すると同時に本気の戦闘を開始した。その結果、彼女の力は暴走し、戦場はさらなる緊張に包まれた。

戦場の混乱とテスタロッサの役割

モスとテスタロッサの行動


地上に戻ったテスタロッサは、戦力を補強するためカレラたちの救助を命じた。モスは彼女の命令に従い、氷雪の中に埋もれた戦士たちを掘り出し始めた。ヴェルザードの戦闘により状況は悪化していたが、テスタロッサは最後まで冷静に戦力を整えるべく動いていた。

戦況の行方

ギィへの期待


テスタロッサはギィに全幅の信頼を寄せ、ヴェルザードの暴走を止める役割を彼に託した。ギィはヴェルザードの猛攻を受け流しつつ、決着をつけるべく戦い続けていた。周囲の者たちは、この激闘の行方を見守るしかなかった。

ギィとヴェルザードの激闘

嫉妬の告白と暴走の加速


ヴェルザードがギィへの感情を爆発させ、世界は彼女の力で白く染められた。その「凍れる世界」は全ての法則を停止させる力を持ち、ギィはその異常な力の中でヴェルザードの本質を理解した。彼女が抱えていたのは深い嫉妬であり、ギィに向けられた想いが暴走の原因であった。

絶対停止の力とギィの観察
ヴェルザードの絶対停止の力は、物質の運動を静止させる強大な権能であったが、ギィはその力を意思の力で撥ね除けた。同時に、彼女の行動がトワイライトによる誘導の可能性を疑い、冷静に観察を続けた。ヴェルザードの純粋な意志とトワイライトの計略が交錯する中で、ギィは戦いに集中する決意を固めた。

ギィの怒りと本気の開放
ヴェルザードの背後に見え隠れするトワイライトへの怒りがギィを突き動かした。ギィは全力を解放し、ヴェルザードに挑む覚悟を決めた。その姿勢は、余力を残すことなく全身全霊で挑むものであり、彼の真の力を引き出す契機となった。

ヴェルザードの切り札とギィへの想い
ヴェルザードはギィを倒すための奥の手『嫉妬之王』を隠し持ちながら、慎重に戦況を進めた。彼女はギィとの戦いを誇りに感じつつ、勝利のための一撃にすべてを賭ける決意をしていた。両者の本気が交わり、戦場はさらに激化していった。

世界の頂点に立つ者同士の対決
ギィとヴェルザード、二人の絶対的な存在が本気を出したことで、戦いは新たな段階に突入した。互いのすべてを賭けた激闘が繰り広げられ、その結末はまだ見えなかった。圧倒的な力と想いが交錯する中、両者の戦いは続いていた。

第二章 絶望の時

神樹防衛戦と迫る脅威

カガリの離脱と復讐の決意


カガリとティアは、ベニマル達を見送った後、ジャヒルを追跡するためその場を去った。カガリは復讐を胸に、エルメシア達と行動を共にするよりも、自分らしい行動を選んだ。エルメシア達もその決意を理解し、黙って見送った。

戦闘後の休息と再編

神樹防衛戦を終えたエルメシア達は疲労困憊の中、休息を取った。兵士達により戦闘糧食が配られ、炊き出しも行われた。エルメシアは敵将ザラリオ達にも食事を振る舞い、戦場に一時の和が訪れた。ザラリオ達は久しぶりの食事に感謝し、受肉したことに改めて喜びを覚えた。

緊急会議と迫る選択

神樹の枝上で開かれた緊急会議では、ミリムの暴走とフェルドウェイの存在が深刻な脅威として議論された。エルメシア達は神樹を守るか、撤退して戦力を集中させるかの二択に迫られたが、最終的に神樹防衛を選択した。エルメシアは天帝としての責務を全うし、民を守る決意を示した。

四名の戦士と防衛計画

ザラリオ、レオン、エルメシア、シルビアの四名がミリムとフェルドウェイに対抗する主力となった。ザラリオはフェルドウェイを相手にし、他の三名はミリムを足止めする役目を負った。神樹の破壊を防ぐための作戦が立てられ、全員が決意を新たにした。

ミリムとの激戦の始まり

ミリムの接近が確認され、四名の戦士はそれぞれの役割を果たすため行動を開始した。レオン、エルメシア、シルビアは連携してミリムを翻弄しようとしたが、その攻撃はほとんど通じず、ミリムの圧倒的な力に直面した。エルメシアのサポートにより何とか連携を維持し、ミリムへの挑発を繰り返した。

希望と絶望の狭間

ミリムがわずかに反応を見せたものの、彼女の反撃による圧倒的な威力により、レオンとシルビアは吹き飛ばされた。エルメシアが辛うじて二人を救ったが、ミリムの圧倒的な力に恐怖が広がった。それでもなお、戦士達は最後の希望をかけて戦いを続ける決意を固めた。

フェルドウェイとの対峙

フェルドウェイの問いとザラリオの憤り


ザラリオは空中でフェルドウェイと対峙していた。フェルドウェイが「何故、私を裏切った?」と問うと、ザラリオは激しく憤った。もとはフェルドウェイがザラリオを支配しようとしたのが原因であり、フェルドウェイの勝手な言い分に怒りを露わにした。「どうして私まで支配した?」と問い返したが、フェルドウェイは「絆を強固にするため」と独自の理屈を語り、ザラリオは相互理解が不可能だと悟った。

フェルドウェイの理想とザラリオの反論


フェルドウェイは「争いこそが進化の果てだ」と語り、世界の崩壊を神が許容していたと主張した。一方、ザラリオは「世界の安寧を望んだのではないか」と反論したが、フェルドウェイは「進化は運命付けられたもので、自由ではない」と返した。フェルドウェイの解釈はザラリオを困惑させたが、彼はヴェルダナーヴァの真意を知る者は誰もいないと考え、冷静に受け止めた。

フェルドウェイの告白とザラリオの苛立ち

フェルドウェイは、自らを「ヴェルダナーヴァの意思を成就する存在」と位置付け、世界の滅亡を成し遂げることが使命だと断言した。その発言にザラリオは正論で反論しようとしたが、フェルドウェイは「神を殺した者達や復活しないヴェルダナーヴァへの怒り」を語った。ザラリオはフェルドウェイの自己中心的な理屈に呆れ、武人としての誇りから怒りを覚えた。

剣を交える決意

ザラリオは「剣を抜け」と宣言し、フェルドウェイの軟弱な考えを正すべく構えた。一方、フェルドウェイも「時間稼ぎの意図は見抜いている」と冷静に応じ、虚空の剣を抜いた。友であったはずの相手に敵意を向けられたザラリオは悲しみを覚えつつも、決意を固め、剣撃を放って戦いの幕を開けた。

勇者クロエの登場とミリムとの戦い

ミリムに追い詰められるエルメシア


対ミリム戦において、レオン、シルビア、エルメシアの三名は速度を活かして時間稼ぎを試みていた。しかし、ミリムの戦闘本能がエルメシアを狙い始めたことで状況は一変した。連携が崩壊し、エルメシアは逃走に専念するしかなかった。さらに、ミリムの反応速度が短時間で向上し、エルメシアの動きは完全に捕捉されてしまった。

リムルへの想いと最期の覚悟

追い詰められる中、エルメシアはリムルとの過去を思い出していた。彼の存在が与える安心感や理想を回想しながら、己の無力さを痛感していた。やがてミリムが目前に迫り、エルメシアは死を覚悟した。その瞬間、小竜ガイアの鳴き声とともに一人の少女が現れた。

クロエの介入

現れたのは、リムルが預かる子供たちの一人である少女クロエであった。クロエはガイアをエルメシアに託し、自らミリムの前に立ちはだかった。黒銀色の髪を靡かせたその姿は、戦闘形態へと変化した〝勇者〟クロエであった。彼女の障壁がミリムの攻撃を受け流し、エルメシアは危機を脱した。

勇者クロエへの称賛

クロエの登場により、エルメシアとシルビアは安堵し、レオンもまた彼女の実力に賛嘆した。レオンはクロエを「完璧美少女」と絶賛し、その美しさまで含めた評価を熱弁した。一方で、勇者マニアのシルビアは「始まりの勇者」ルドラこそが最強だと主張し、母娘の間で勇者論争が繰り広げられた。レオンの独特な理屈が議論を終結させる形となり、エルメシアは微笑みを浮かべてこれを見守っていた。

新たなる戦いの幕開け

クロエの参戦によって戦局は大きく動いた。ミリムとクロエの頂上決戦が始まり、エルメシアたちはその状況を見守ることしかできなかった。クロエの登場により、戦いに希望の光が差し込んだのである。

クロエの覚悟と対ミリム戦

過去に敗れた記憶

クロエは硬い表情でミリムに向き合っていた。過去の時間軸で、最強の〝勇者〟クロノアとしてもミリムに何度も敗北しており、その恐怖と記憶が彼女を緊張させていた。しかし、今のクロエは過去よりも強力な力を手にしており、自らの使命を果たす覚悟を決めていた。

クロノアとの同調と覚醒

クロエは神智核〝クロノア〟と同調し、究極能力『時空之神』に覚醒していた。過去の記憶を持つクロノアがクロエを信じ、役目を終えたことで、クロエは新たな力を手に入れていた。この力により、未来を知ることで最善手を選び続けられる能力を得たのである。

ミリムとの戦い

ミリムの猛攻に対し、クロエはその卓越した技量と『時空之神』を駆使して応戦した。致命傷を受けても過去に戻り、それをなかったことにすることで、常に最適な行動を選び続けた。この能力を活用し、クロエは長期戦を選択してミリムの力を抑え込む作戦を遂行した。

クロエの限界とミリムの圧倒的な力

クロエは冷静に戦い続けたが、ミリムの戦闘センスと圧倒的な力には苦戦を強いられていた。クロエの奥義もミリムには通じず、暴走を止める方法は見つからなかった。これまでの試行錯誤の結果、直接倒すのではなく、力を使わせない戦術が最も効果的だと結論づけた。

ヴェルドラの参戦と指揮下での戦い

極超音速でヴェルドラが飛来し、クロエの指揮下でミリムと対峙することになった。ヴェルドラは理不尽なほど酷使されつつも、クロエの的確な指示に従い、ミリムの強化を抑える役割を担った。クロエは『思念伝達』を用いて連携を取り、力を最大限に発揮し続けた。

ミリムの力の本質と戦術の要

クロエはミリムの究極能力『憤怒之王』の特性を把握していた。この能力は怒りに応じて無限に力を増幅させるものであり、ミリムの強化を防ぐことが戦いの鍵であった。クロエの指示の下、ヴェルドラは力比べを避け、受け流しに徹することでミリムの力の増幅を最小限に抑えた。

希望を繋ぐ戦い

クロエは未来の記憶と『時空之神』を活用し、戦いの中で希望を繋ぎ続けた。ヴェルドラもその役割を受け入れ、チームとしてミリムに立ち向かった。この戦いの行方は、クロエの指揮と仲間たちの連携によって大きく変わろうとしていた。

神樹を巡る攻防とフェルドウェイの策略

フェルドウェイの圧倒的な力


フェルドウェイは本体を持ち出したことで、ザラリオを圧倒する力を持っていた。ザラリオは剣技では優れていたものの、総合力では敵わなかった。フェルドウェイの剣捌きは異常なまでに洗練され、ザラリオはその技量の向上に違和感を覚えていた。

支配された技術とフェルドウェイの優位性

フェルドウェイは究極能力『正義之王』によって支配した者たちの技術や経験を吸収していた。そのため、ザラリオやレオンの剣技を完全に再現し、さらには力で圧倒することで、ザラリオを絶望させようとしていた。フェルドウェイの手法は効率的ではあるが、師弟関係や想いを無視するものであった。

ザラリオの怒りと冷静な分析

ザラリオはフェルドウェイの行いを「武人を愚弄するもの」として怒りを露わにした。自身の努力と誇りを踏みにじられたザラリオは全力で挑んだが、フェルドウェイに余裕で受け流された。それでもザラリオは冷静に状況を分析し、フェルドウェイの行動に隠された意図を探ろうとしていた。

フェルドウェイの真の目的

フェルドウェイの目的は、ヴェルドラの〝竜の因子〟を取り込むことにあった。しかし、ミリムの暴走を制御し続ける必要があり、ヴェルドラに直接手を出す余裕がなかった。そのため、フェルドウェイは時間稼ぎのために余裕を装い、ザラリオたちを絶望させることで戦いを有利に進めようとしていた。

神樹を巡る攻防戦の激化

ミリムの竜星爆炎覇だけが神樹を破壊可能であり、フェルドウェイはその制御を最優先としていた。一方、クロエとヴェルドラがミリムの暴走を止めようと奮闘し、ザラリオとレオンたちはフェルドウェイを排除しようと挑んでいた。戦いは激化し、神樹を巡る攻防戦はますます過酷なものとなっていった。

戦いの行方

フェルドウェイの圧倒的な力と巧妙な策略により、状況は依然として彼に有利であった。しかし、クロエ、ヴェルドラ、ザラリオたちの反撃もまた執拗であり、戦いの行方は依然として予測困難であった。神樹を巡る戦いは、両陣営にとって正念場を迎えていた。

英雄たちの集結と決戦の準備

世界各地から集う英雄たち


旧ユーラザニアや神樹の周辺が戦場となる中、死せる砂漠の辺境に世界各地から英雄たちが集結した。武装国家ドワルゴンのガゼル王率いる天翔騎士団や、新生帝国皇帝近衛騎士団、聖騎士団、巨人勢など、多様な戦力が一堂に会した。その総数は三千名弱に達し、これが対〝滅界竜〟イヴァラージェ同盟の全容となった。

ヨウムの選出と士気の高揚

英雄たちの指揮官として祭り上げられたのは、ファルメナス王となったヨウムであった。彼の気さくな態度と親しみやすさが緊張を和らげ、彼を信頼する者たちが次々に大将役を押し付けていった。ヨウムはその役割を引き受け、仲間たちと共に士気を高める姿勢を示した。

ルミナスの戦略と議論

ルミナス、ヴェルグリンド、ヒナタの三者は綿密な打ち合わせを行い、敵の拠点である〝天通閣〟の攻略について議論を重ねた。出入口が多数ある構造のため、四方に軍を配置し、戦力を分散させる方針が決定された。幻獣族の物量に対抗するため、戦力運用の精密さが求められていた。

首脳陣の集結と決意

首脳陣が集まった円卓会議では、主催者ルミナスを中心に、各国の代表者や強者たちが意見を交わした。ヴェルグリンドが新たな参戦者を紹介し、魔王レオン配下の騎士団や悪魔族の協力が明らかにされた。悪魔族の参戦にも驚きはなく、人類と魔族が手を取り合う異例の事態が進行していた。

新たな懸念と希望の共有

ヴェルグリンドはギィとヴェルザードの戦いに第三者の介入があったことを報告したが、それに対処するためテスタロッサが動いていることが伝えられた。参戦者たちは不安を抱えつつも、目の前の戦いに集中する覚悟を決め、世界の命運を背負う決戦に向けて動き出した。

決戦前夜:英雄たちの準備と布陣

イングラシア王国の動向と戦力不足


ヴェルグリンドはイングラシア王国の戦力派遣が最小限であることを説明した。襲撃の傷跡が癒えぬ中での苦渋の選択であり、期待はできないと断言された。現地に派遣された代表者たちも静かにその判断を受け入れ、議論は次の段階へと進んだ。

ギィとヴェルザードの戦況報告

ヴェルグリンドは、ギィとヴェルザードの戦闘状況を詳細に報告した。第三者の介入があったものの、テスタロッサが対処し、戦況は振り出しに戻っていると説明された。しかし、この戦闘が人類にとって大きな脅威であることは変わらず、背後からヴェルザードに襲われる事態を回避するべきだと警鐘を鳴らした。

滅界竜イヴァラージェ対策の協議

シエンが司会役を務め、滅界竜イヴァラージェに対する戦略立案が始まった。全周を警戒する現状は効率的でないと指摘され、ヴェルグリンドは敵を誘導する戦術の必要性を説いた。聖騎士団のヒナタもこれに同意し、聖浄化結界の運用が提案された。

聖浄化結界の実施計画

聖浄化結界は異界の侵略種族にも効果があると確認されたが、天通閣の構造が結界の成立を妨げる点が問題視された。結界を変則的に運用する方法が議論され、地上と上空にそれぞれ術者を配置し、塔を囲む形で守りを固める方針が決定された。

術者と守護者の選定

結界を維持する八名の術者が選定され、アルノーやニコラウスなどの上級術者が志願した。これに加え、聖騎士団の隊長たちが上空を担当し、地上ではミュウランやメーテルが役割を果たすことが決まった。これに伴い、各地に守護する戦力が配置された。

四方の戦力配置

東部にはヒナタ率いる聖騎士団と新生帝国近衛騎士団が配置され、シエンや黒色軍団が支援に回った。南部ではヨウムとその仲間たち、レオン配下の騎士団がミュウランを守護した。西部には巨人族やシオンが集結し、強大な戦力が展開された。北部では血紅騎士団と吸血鬼族が防衛の主軸となり、アダルマンやガドラが迎撃体制を整えた。

最終準備と悪魔族の参戦

ミソラ率いる悪魔族の上位魔将が六十体参戦し、さらなる戦力強化が実現した。これにより、各拠点の守備が盤石となり、ヴェルグリンドやルミナスが指揮を執り、最終的な布陣が整った。

決戦の幕開け

全軍がそれぞれの配置に従い、迎撃準備を完了した。英雄たちは人類の存亡をかけた戦いに向け、士気を高めつつ、次なる一手を待ち構えていた。


絶望の幕開け:滅界竜イヴァラージェとの遭遇

突如現れた脅威


東の戦場にて、小さな幼子の姿をした滅界竜イヴァラージェが出現した。その声は恐怖そのものであり、戦士たちの戦意を瞬時に奪った。ヒナタは即座に散開と伏せの命令を下したが、光速に迫る破壊光線が放たれ、大半の戦士が犠牲となった。

ヴェルグリンドの奮闘

ヴェルグリンドはマサユキの隣にいた『別身体』を本体に戻し、全力で防護結界を展開した。この行動により致命的な被害は回避されたものの、結界の力をもってしてもイヴァラージェの攻撃を完全に防ぐことはできなかった。余波だけで多くの戦士が命を落とし、戦線は崩壊状態に陥った。

ルミナスの奇跡

ルミナスは神聖魔法「聖域型極大死者蘇生」を発動し、犠牲となった戦士たちを蘇生させた。肉体が完全に消失していた者を除き、全員が復活を遂げたが、復活した戦士たちの多くは恐怖で動けなくなっていた。一方で、ニコラウスは即座に結界を再構築し、戦線の立て直しに貢献した。

戦意喪失からの復活

恐怖に打ちひしがれる戦士たちに対し、ルミナスとヒナタが励ましの言葉を投げかけた。続いてカリギュリオが将兵たちに檄を飛ばし、ヴェルグリンドの犠牲的行動を称賛することで士気を鼓舞した。これに応じ、黒色軍団や帝国将兵たちが再び立ち上がり、戦意を取り戻した。

長い絶望の始まり

復活した戦士たちは、敗北を覚悟しながらも最後まで抗う決意を固めた。イヴァラージェという絶対的存在に対し、僅かな希望を頼りに戦いを再開した。こうして、人類の存亡をかけた長い絶望の戦いが幕を開けたのである。

第三章 頂上決戦

決戦への布石:魔物の国幹部の集結

戦況の報告とベニマルの決意


魔物の国の〝管制室〟に幹部たちが集まり、ベニマルが戦況を報告した。ゼラヌスの撃滅とヴェガの撃退は成功したものの、安堵するには程遠い状況であった。ベニマルは全戦力をダマルガニアに派遣し、自らが指揮を執ると宣言した。幹部たちはその決断に従い、各自の役割を再確認した。

戦力移動の課題とシュナの覚悟

アルビスが兵站を懸念したが、シュナが転送術式を用いることで解決を約束した。術式の負担は大きいと予想されたが、シュナの覚悟を前に誰も異論を唱えなかった。シュナはラミリスに迷宮の防衛を託し、自身は全力で転送任務に集中する意志を示した。

防衛戦力の配置と指示

ベニマルはアピトに迷宮の防衛を命じつつ、ゼギオンが目覚め次第出撃するよう指示した。迷宮の防衛戦力はベレッタやトレイニーに委ねられた。クマラやガビル、ゲルドらには個別の任務が与えられ、それぞれが戦意を高めて応じた。

部隊編成と出撃準備

〝紅炎衆〟はハクロウが指揮を執り、〝狼鬼兵部隊〟はゴブタに任された。ガビルとゲルドは重要な別任務を託され、それを快諾した。最終的に、総勢三百数十名の戦力がベニマルの指揮の下、決戦の地へ向けて出撃することとなった。

未曾有の事態と願い

ゼギオンと連絡役のアピトを残し、幹部全員が前線へ出払うという未曽有の状況が生まれた。迷宮内の防衛戦力が著しく低下したこの事態を、誰もが二度と繰り返さぬよう心に誓いながら、それぞれの役割を果たすため動き出した。

混乱の渦中でのジャヒルの思案と決意

フェルドウェイへの疑念と敵への執念


ジャヒルはフェルドウェイへの信頼を疑いながらも、目下の敵であるベニマルと魔王ルミナスへの憎しみを募らせていた。特にベニマルに対しては、己を手玉に取られた屈辱を忘れられず、決着をつけるべきと考えていた。一方、ルミナスに対しては〝神祖〟を滅ぼした因縁の敵として、深い恨みを抱いていた。

各地の状況と敵勢力の動向

ジャヒルは情報収集を進め、各地の現況を把握した。旧ユーラザニアは氷に閉ざされ、詳細は不明。ルベリオスでは破壊神ダグリュールが敗北し、三星帥の崩壊が明らかとなった。迷宮ではゼラヌスが参戦しているにもかかわらず、進展がないことに違和感を覚えつつも、迷宮の陥落を確信していた。ダマルガニアではミリムの暴走が報告され、混乱が広がっていた。

領土分割とジャヒルの野望

ジャヒルは自身の利益を守るため、基軸世界の分割を計画した。ジュラの大森林を蟲魔族の拠点として封じ込める一方で、西側諸国の富を独占しようと目論んだ。また、ルベリオスの北西部分をダグリュールに譲る代わりに、南西部分を自身の支配地とする腹案を持っていた。こうして世界を分割しつつ、最終的に頂点に立つという野望を抱いていた。

世界各地の激戦とジャヒルの焦燥

各地で激戦が繰り広げられる中、ジャヒルはサリオンでのミリムの暴走やヴェルドラの動向に注目していた。ミリムの暴走はフェルドウェイの計画の一環と捉え、放置しても問題ないと判断した。一方で、ヴェルドラがサリオンに現れたことを知り、迷宮でのゼラヌスとの戦闘を期待していたが、情報が得られず不安を募らせていた。

ルミナスへの執念と行動の決定

最終的にジャヒルは、混乱の中で積年の恨みを晴らすことを優先し、ダマルガニアにいるルミナスを狙うことを決意した。ミリムの暴走を放置しつつ、ダマルガニアでの行動を開始するため、邪悪な笑みを浮かべながら腰を上げたのである。

人類防衛戦線の各方面での激戦

東方面の絶望と希望


東方面軍は、聖浄化結界の維持によって壊滅を免れていたが、戦況は依然として厳しかった。〝滅界竜〟イヴァラージェは戦いを観察しており、動き出す気配はなかったが、その静寂が逆に不安を煽った。ルミナスをはじめとする戦士たちは、リムルへのわずかな希望を心の支えに戦い続けていた。やがてイヴァラージェの動きが一変し、人型の幻獣が次々と現れ、戦況がさらに悪化した。

西方面に現れたカケアシ

西方面では、幻獣カケアシが眷属を率いて現れた。巨大な体躯と高い知能を持つカケアシは、戦士たちを圧倒した。眷属たちは集団戦を得意とし、人類側は数で押される状況に陥った。グレンダやシオンが奮戦しつつも、カケアシの咆哮に伴う毒霧攻撃によって多くの戦士が苦しめられた。しかし、シオンの究極能力による無毒化が状況を一時的に改善し、戦士たちを奮い立たせた。

南方面に現れたスイーム

南方面では、空を泳ぐ幻獣スイームが出現した。ウルティマとヴェイロンが指揮を取り、迅速な判断で戦士たちを後退させたことで初手の被害を抑えた。スイームは超高速で飛翔し、さらに小型の怪異を放出して広範囲に攻撃を仕掛けた。ウルティマの対応によって状況は維持されていたが、次々と現れる異形の幻獣により、戦場は激化の一途を辿った。

北方面での次元を飛翔する鳥ハバタキの脅威

北方面では、黄金の羽を持つハバタキが出現し、圧倒的な戦闘能力で戦士たちを蹂躙した。転移能力を駆使するハバタキに対し、アダルマンやガドラが魔法を駆使して対応し、戦士たちの回復と反撃を試みた。黒色軍団の熟練した戦闘能力と指揮の下、戦線はかろうじて維持されたが、状況は依然として混迷を極めていた。

全戦線での総力戦の始まり

東西南北それぞれの戦場で、人類は幻獣族の猛攻に対して必死に抵抗していた。ルミナスの檄が全戦線に飛び、戦士たちは士気を奮い立たせて戦いを続けた。開戦からわずか数分で各地が総力戦の様相を呈し、人類の未来をかけた戦いが激化の一途を辿った。

天通閣を巡る激闘

ルミナスの采配と戦場の緊張


ルミナスは戦場全域を見渡し、超級覚醒者や実力者たちが人型幻獣との戦闘を繰り広げていた。神聖魔法を駆使して負傷者を支えるも、回復術者の配置が十分ではなく、均衡を保つのが限界であった。そんな中、最大の警戒対象であるイヴァラージェの動きを注視していたが、突如ジャヒル率いる天使軍の残党が襲来した。

ジャヒルの挑発とルミナスの応戦

ジャヒルは高笑いと共に登場し、ルミナスを挑発。ルミナスは冷静に対峙しつつ、戦場の均衡を崩さないようヒナタを制止した。ジャヒルは神祖の血槍を手にし、圧倒的な力でルミナスに迫った。ルミナスは自らの限界を理解しつつ、搦め手での反撃を模索し、ジャヒルの攻撃を受け流しながら持久戦に持ち込んだ。

カガリとティアの共闘提案

戦況が悪化する中、スーツ姿のカガリとティアが登場し、ルミナスに共闘を申し出た。ルミナスはこれを受け入れ、カガリとティアは命を賭してジャヒルに挑む決意を固めた。ジャヒルは二人を攻撃対象と定め、大火球で殲滅を図ったが、カガリとティアは懸命に反撃し、戦況を引き延ばした。

エヴァの献身と新たな展開

ジャヒルに追い詰められたカガリとティアを救ったのは、かつてカガリの従者であったエヴァだった。彼女は全身全霊でジャヒルの攻撃を防ぎ、時間を稼いだが、圧倒的な力差の前に消耗していった。その間もカガリとティアは全力でジャヒルに立ち向かい、戦場にわずかな希望をつなぎ止めていた。

優樹とラプラスの登場

ジャヒルが勝利を確信し、決定的な攻撃を放とうとした瞬間、場違いなほど陽気な声が響いた。現れたのは死んだはずの神楽坂優樹とラプラスであった。二人の登場は戦場の空気を一変させ、ジャヒルを驚愕させると同時に、カガリたちに新たな希望をもたらしたのだった。

次元の狭間での再会

舞衣の覚醒と次元の狭間


古城舞衣は、時空嵐に巻き込まれ意識を失い、次元の狭間で目覚めた。そこは空間も時間も存在しない場所であり、視界には虹色の光が幾何学模様を描いていた。何もできず生命の終わりを悟る中、舞衣は思念で語りかけてくる声に気づいた。

ユウキとラプラスの出現

舞衣が耳にしたのは、かつての恩人・神楽坂ユウキの声であった。最初は幻覚と思い込んでいたが、次第に姿を認識し始め、本物であることを確信した。さらに、ユウキと共にラプラスも存在していた。彼らは次元の狭間に閉じ込められ、帰還の方法を模索していた。

次元の狭間の性質と絶望

ユウキの結界によって舞衣は状況を理解し始めた。周囲には異なる世界を示す虹色の光球が漂っており、それぞれが宇宙そのものを表していた。時間がほとんど流れない場所であることをユウキが説明し、舞衣も帰還に必要な座標やエネルギーが不足していることを実感した。

舞衣の権能と帰還の可能性

舞衣の究極能力『星界之王』は、時空を超える権能であったが、現在の状況では使用が困難であった。ユウキは彼女の能力が進化していることに気づき、権能の本質を解析。望む場所に到達可能であることを推測し、エネルギーの問題を克服する方法を模索し始めた。

マリアの介入と協力

ユウキの脳内に宿敵マリアベルの声が響き、彼女が権能と一体化した存在であることが明らかになった。マリアは演算と制御を担当することで帰還を支援する意志を示し、ユウキは彼女を受け入れる。こうして強欲の王とマリアの協力による帰還計画が始まった。

帰還計画の決断

ユウキは舞衣とラプラスのエネルギーを自身の権能に同調させることで、目標座標への帰還を試みる方針を立てた。綿密な計算と制御が必要な危険な計画であったが、三人と一体化したマリアの力を借りて遂行することを決断した。

帰還への跳躍

ユウキは自信に満ちた笑顔で「三人で力を合わせて帰還しよう」と宣言。ラプラスと舞衣もこれに賛同し、未知の次元の狭間から元の世界を目指して『跳躍飛翔』を開始した。四人の力が一つとなり、運命を変える挑戦が始まったのである。

ユウキとジャヒルの対決

ジャヒルとの再戦の始まり


ジャヒルの前にユウキが立ち塞がった。ラプラスと舞衣はルミナスの回復魔法で完全復活し、戦いに備えていた。ジャヒルはユウキの復活を驚きつつも侮り、エネルギー塊を叩きつけたが、ユウキはそれを軽々と撥ね除けて見せた。ユウキは自身の権能『強欲之王』を駆使し、ジャヒルの純粋な力を吸収することで対抗したのである。

ジャヒルの焦りとユウキの優位

ジャヒルの攻撃手段は次々とユウキに封じられ、純粋な魔力攻撃も『奪命掌』で吸収された。神祖の血槍を頼りにした槍術での攻撃も、ユウキの罠によって失敗し、彼は徐々に追い詰められていった。ユウキはジャヒルの攻撃パターンを見切り、冷静に反撃を続けた。

ユウキ陣営の連携と戦況の変化

ユウキが奪ったエネルギーをラプラスたちに分配したことで、仲間たちも戦闘に万全の態勢を整えた。カガリやティア、エヴァも元気を取り戻し、彼らの信頼はますます厚くなった。ユウキはジャヒルの敗北を確信し、冷静かつ狡猾に追い詰める戦術を展開した。

戦いの決着とジャヒルの滅亡

ユウキは権能を駆使し、ジャヒルを完全に封じ込めた。最終的に権能『死を渇望せよ』を発動し、ジャヒルの魂を滅ぼした。ジャヒルは二度と復活することのない存在となり、その死を目の当たりにしたカガリは涙を流した。

ユウキと仲間たちの別れ

ジャヒルを倒した後、ユウキはルミナスと短く言葉を交わした後、次なる行動のために仲間たちと共に姿を消した。ただし、舞衣はその場に残され、ルミナス陣営に協力することとなった。ユウキは舞衣に別れの言葉を思念で伝え、彼女が独自の道を歩むよう促した。

舞衣の決意と新たな戦いへの参加

舞衣はユウキの期待を感じ取り、迷いを振り切った。滅亡の危機に瀕する世界を救うため、彼女は自らの意思でハバタキ戦に参加する決意を固め、次なる戦いへと挑む準備を整えたのである。

神樹を巡る攻防戦の均衡

神樹を守る戦いは辛うじて均衡を保っていた。ミリムの力を抑えるため、クロエとヴェルドラが神経戦を展開し、即席の連携が機能していた。クロエは未来視で最善策を導き、ミリムのさらなる強化を防ごうとした。一方、ミリムのペットである小竜や周囲の仲間も、ミリムを正気に戻すべく奮闘していた。

フェルドウェイとザラリオの分析

フェルドウェイは冷静を装いつつ、戦況の均衡が続くことに苛立ちを感じていた。彼はクロエの能力を見抜き、彼女が時間を操る存在である可能性に気づく。しかし、フェルドウェイ自身の権能が相手に完全に通じないことにも気づき、ディアブロの不気味な自信に不安を覚えた。

ディアブロの参戦と挑発

ディアブロが登場し、フェルドウェイに戦いを挑む。ディアブロはフェルドウェイの矜持を逆撫でするような言動で彼を挑発し、結果的に両者の戦いが激化した。フェルドウェイは全力で応じるが、ディアブロの高度な戦術に翻弄され続けた。

危険な策とディアブロの覚悟

ディアブロは「虚無崩壊」の力を自身に取り込むという危険な策に出た。彼はこれを利用してフェルドウェイの権能を無力化しつつ、戦闘を有利に進めた。この行動は周囲に危機感を与えたが、ディアブロ自身は平然としており、戦いを楽しんでいた。

周囲の懸念と協力の模索

シルビアやエルメシアを含む仲間たちはディアブロの暴挙を止められない状況に焦燥感を募らせつつも、彼を信じて戦況を見守るしかなかった。ラプラスとエルメシアの父娘関係も一時的に話題となるが、緊迫する戦局の中で本格的な協力体制は築かれなかった。

フェルドウェイの切り札と決意

フェルドウェイは自身の最後の手段として、総力戦を決意する。彼はディアブロを完全に倒すための策を練るが、その一方で、ディアブロの強さに対する恐怖も内心で抱いていた。戦いはさらに激化し、世界の命運が二人の戦いに委ねられる状況となった。

結論としての祈りと希望

周囲の仲間たちはディアブロの勝利を信じつつも、もし世界が滅びるならばリムルに文句を言うという結論に至った。それぞれが自分たちにできることを考え、次の展開を待ち受ける中、戦いは新たな局面へ進んでいった。

ギィとヴェルザードの対決

ヴェルザードとギィが本気を出したことで、戦場の危険度は飛躍的に上昇した。テスタロッサはモスに『防護結界』の安全性を問い詰めたが、モスは内心で不安を抱きながらも全力を尽くして強化するしかなかった。レインも援護を試みたが、その対応はどこかズレており、テスタロッサは呆れる。やがて、戦場に衝撃が走り、ヴェルザードが必殺の一撃を放った。

ヴェルザードの権能と圧倒的な防御力

ヴェルザードは『停止』と『固定』という二つの強力な権能を持ち、さらに兄から授かった『忍耐之王』による絶対防御を誇っていた。これにより、彼女の防御力はほぼ無敵に等しく、通常の攻撃では突破が困難であった。さらに、『嫉妬之王』によって相手の能力を劣化させることも可能であり、攻防ともに圧倒的な力を持っていた。

ギィの剣と優位性の確立

ヴェルザードは最強の攻撃「冷極消失凝収覇」を放ったが、ギィは細身の長剣『世界』を抜き、見事にこれを斬り裂いた。この剣は創世級の武器であり、ギィが最大限に活用できるものであった。さらに、ギィは『傲慢之王』を持ち、ヴェルザードの権能さえも解析していた。ヴェルザードの攻撃を受けながらも、ギィは瞬時に回復し、完全に戦況を掌握した。

フェルドウェイの策略とヴェルザードの支配

ヴェルザードはフェルドウェイによる支配を受けていた。フェルドウェイは彼女の裏切りを想定し、あらかじめ『支配回路』を仕掛けていたのである。その影響でヴェルザードは抵抗できず、トワイライトという存在が彼女の身体を乗っ取ることとなった。トワイライトはヴェルザードの肉体を完全に支配し、ギィに対峙した。

神滅弾による逆転

その瞬間、一発の銃弾が放たれた。それはカレラによる『神滅弾』であり、ヴェルザードの心臓を貫いた。この弾丸はフェルドウェイの仕掛けをも破壊し、トワイライトを完全に消滅させた。結果としてヴェルザードは支配から解放されたが、その影響で暴走状態に陥った。

ギィたちの対応と戦況の混乱

暴走したヴェルザードは凄まじい破壊力を発揮し、戦場はさらに混乱した。ギィはカレラを叱責しつつ、状況を収めるために動く。テスタロッサは『虚無』の力で氷雪を封じ、カレラとレインも戦いに加わった。地上では避難が進められ、歴戦の戦士たちが戦況を見守っていた。

ギィの決断

ギィは状況を冷静に見極めた。ヴェルザードを倒すことは可能であったが、彼女を殺すことは選択肢にない。暴走を止める方法を模索しながら、ギィは仲間たちに指示を出した。かつてない難問に直面しながら、ギィは最後の決断を迫られていた。

フェルドウェイの焦りとディアブロの余裕

フェルドウェイはヴェルザードに仕掛けていた呪令が破壊されたことで動揺していた。一方、ディアブロは満面の笑みを浮かべ、フェルドウェイを追い詰める。「どうかしましたか?」と挑発しながらも、手を緩めることなく攻勢を続けた。フェルドウェイは怒りを露わにし、ミリムの支配を続けるか、それを放棄してディアブロを倒すかの選択を迫られる。最終的に彼は後者を選び、ミリムに神樹破壊の命令を下した。

ユウキの役割とクロエの指示

ユウキはクロエに扱き使われていた。彼の『瞬間移動』の能力はすでに見抜かれており、クロエの指示に従いながらミリムの注意を引く役割を担っていた。ユウキはその戦法の意図を理解していたが、自分がミリムにとって脅威と見なされていないことに複雑な感情を抱いていた。ヴェルドラもまたクロエの指示に従い、ミリムを神樹に近づけさせないために奔走した。

ミリムの必殺技と迫る危機

フェルドウェイの命令を受けたミリムは、神樹を破壊するために究極奥義「竜星爆炎覇」を放つ構えを取った。その規模はかつてのゼラヌス戦を遥かに凌ぎ、青白い星粒子の膜が術者を守るように展開された。ヴェルドラは竜爪滅撃を放ったが、障壁に弾かれた。ユウキとヴェルドラはクロエの元へ瞬間移動し、ミリムの攻撃を阻止しようとしたが、破壊の衝撃はすでに避けられないものとなっていた。

世界の終焉と奇跡の出現

竜星爆炎覇が放たれ、誰もが世界の終焉を覚悟した。その瞬間、空間が揺らぎ、何者かが出現した。輝く月白色の髪が靡き、すべての視線を奪った。時間が凍結したかのような感覚が広がる中、破壊は起こらなかった。神樹は無事であり、世界も滅んでいなかった。ただ、「痛った!? って言うか、マジでめっちゃくちゃ痛いぞ!?」という気の抜けた声が響いたのみであった。

帰還者との再会

消滅したはずの竜星爆炎覇を目の当たりにし、クロエは迷いなくその人物に向かって駆け寄った。「リムルさん!!」――彼女の呼びかけは、最も頼もしい存在に向けられたものであった。

暴走するミリムとリムルの帰還

リムルが戻って来た瞬間、目の前には暴走状態のミリムがいた。それだけならまだしも、竜星爆炎覇が撃たれる直前という最悪のタイミングであった。シエルは「完璧なタイミング」と断言したが、リムルにとっては信じがたい話であった。エネルギーを相殺するのではなく、『虚数空間』に隔離する方法を選んだ結果、ひどい二日酔いのような状態になってしまったのだ。リムルはシエルの強引な理屈に呆れつつも、帰還できたことを受け入れることにした。

クロエとの再会とガイアの影響

クロエはリムルの無事を喜びながら抱き着いてきた。彼女はガイアの手助けをしてここまで来たと言い、ガイア自身は「きゅい、きゅいっ!!」とミリムに呼びかけていた。その影響か、ミリムの支配状態は次第に弱まりつつあった。リムルは無意識のうちにクロエの頭を撫でてしまったが、彼女は「もっと褒めて」と要求した。しかし、シエルが「それはセクハラ」と指摘し、リムルは慌てて手を引いた。

ヴェルドラとの再会とダグリュール戦の勝利

ヴェルドラもリムルの帰還を歓迎し、ダグリュールに勝利したことを誇らしげに語った。リムルは彼の努力を称え、戦いの褒美として魔法武器を用意すると約束した。仮魔体を用いた擬似MMORPGの人気が高まっており、装備のアップグレードは重要だった。戦時中にもかかわらず、リムルとヴェルドラは未来の楽しみを思い描きながら再会を喜び合った。

ユウキの苦情と神智核の問題

ユウキはリムルに「恨みますよ」と訴えた。どうやらリムルのせいで、彼の中にマリアベルの自我が宿ってしまったというのだ。ユウキは『思念伝達』を駆使しながら不満をぶつけたが、リムルは「無理」と即答した。そもそも神智核は希少な権能であり、うまく共存するのが賢明だと指摘した。シエルも「神智核と宿主は分離不可能」と断言し、ユウキは絶望した。

ミリムの暴走解除とフェルドウェイの苛立ち

リムルはミリムに向かって仲間たちの無事を伝え、これ以上暴れる必要はないと説得した。ガイアの呼びかけと合わせ、ミリムの意識は次第に戻りつつあった。決定的だったのは、「カリオンに笑われるぞ」「ギィに馬鹿にされるぞ」という言葉だった。ミリムは動揺し、ついに正気を取り戻した。だが、フェルドウェイはそれを見て激怒し、「何をほのぼのとしている!」と叫んだ。

ディアブロの重傷とリムルの決断

フェルドウェイと戦っていたディアブロは重傷を負い、身体が崩壊し始めていた。リムルは彼の献身を無駄にしないため、自らの細胞を与えることを決意した。ディアブロは感激し、「これは家宝に」と言いかけたが、リムルに命令されて即座に摂取した。その結果、彼の身体は完全に回復し、再び戦闘可能な状態となった。ディアブロは「何者も恐れる必要はない」と自信を取り戻し、再びフェルドウェイと対峙した。

フェルドウェイの敗北と戦闘の終焉

リムルが方針を決めている間に、戦闘はすでに終わりかけていた。ディアブロはフェルドウェイを圧倒し、一方的に追い詰めていたのである。リムルとミリムが戦う準備を整える間もなく、フェルドウェイの敗北は決定的となっていた。

フェルドウェイの焦りとディアブロの復活

フェルドウェイは、リムルの帰還を予想していなかった。無事な姿を目の当たりにし、不吉な予感を抱いたが、ディアブロが邪魔をして何も手を打てなかった。そんな中、リムルがディアブロへと何かを投げ渡した。その正体に危険を感じたフェルドウェイは阻止しようとしたが、『瞬間移動』によって阻まれた。フェルドウェイ自身もこの能力を使えるが、十分な経験がなく、実戦で活かせるほどではなかった。

フェルドウェイは慎重な性格であり、確実な勝利を追求する戦術を徹底していた。しかし、それゆえに応用力に欠け、新しい技の習得が遅れるという欠点もあった。リムルがこのまま成長すれば、手がつけられなくなるという危機感が彼の中で膨らんでいった。そこで、ミリムの支配が解除された隙に、ディアブロを始末し、リムルを排除しようと目論んだ。しかし、その目論見は甘かった。ディアブロはリムルの与えた回復薬によって完全復活し、さらに力を増していたのである。

ディアブロの『虚無』の力とフェルドウェイの誤算

ディアブロは復活すると、フェルドウェイの攻撃を難なく受け止めた。今までの戦い方とは異なり、繊細な技を使うことなく、純粋な力でのぶつかり合いに出たのである。通常、圧倒的な力の差があれば、それは自殺行為であった。しかし、ディアブロには通用しなかった。

その理由は、『虚無』のエネルギーを完全に制御していたからである。『虚無』は世界を滅ぼしかねない力であり、通常の存在では制御することすら困難であった。それにもかかわらず、ディアブロはこれを自らの力とし、自由自在に扱っていた。フェルドウェイは信じがたい思いでその光景を見つめた。彼の計算は、ここで大きく狂っていたのである。

ディアブロの力の源は、リムルから与えられた『万能細胞』にあった。この細胞には『無限再生』の権能があり、『虚無』による崩壊速度を超える回復能力を持っていた。ディアブロはこれを最大限に活用し、肉体の限界を見定めながら、自らの能力をさらに高めていた。これにより、フェルドウェイの戦術は完全に崩壊し、もはや彼の勝利は見えなくなった。

フェルドウェイの焦燥とユウキの介入

フェルドウェイはディアブロの異常な強さを前にしながらも、打開策を探っていた。しかし、ディアブロには消耗がなく、時間が経つほどに不利になるばかりであった。そこで、彼は仲間のヴェガやジャヒルに助けを求めようと考えた。しかし、ユウキが現れ、ジャヒルを既に倒したことを告げた。

ユウキは『瞬間移動』を駆使してフェルドウェイを翻弄し、彼の怒りを煽った。フェルドウェイはユウキを仕留めようとしたが、攻撃はすべて回避された。ユウキは戦うつもりはなく、ただ煽るだけ煽って、その場を去っていった。その姿を見送りながら、フェルドウェイは戦況が最悪の方向へと進んでいることを悟った。

ディアブロの猛攻とフェルドウェイの敗北

ディアブロの猛攻が始まり、フェルドウェイは押され続けた。彼の『虚空』の攻撃がディアブロに命中しても、瞬時に回復される。創世級の威力ですら、もはや通用しなかったのである。周囲で戦況を見守っていたザラリオやレオンも、圧倒的な力の差を目の当たりにし、驚愕していた。

そして、ついに決着の時が訪れた。ディアブロは最後の一撃として『終末世界への鎮魂歌』を放った。その全身全霊を込めた攻撃によって、フェルドウェイは地に倒れ伏し、完全に敗北を喫したのである。

ディアブロの勝利とリムルの驚き

ディアブロはフェルドウェイを打ち倒し、圧倒的な勝利を収めた。リムルはこの結果に驚きながらも、労いの言葉をかけた。フェルドウェイの強さを考えれば、リムル自身も確実に勝てるとは言い切れなかった。それだけに、ディアブロが単独で勝利したことは想定外であった。

しかし、ディアブロの状態は危うかった。肉体的には問題ないように見えたが、精神的な疲労が激しく、立っているのが不思議なほどであった。それでも彼は、リムルの前では気丈に振る舞い、面目を保とうとしていた。

フェルドウェイの再生と逃亡

ディアブロが勝利を確信したその時、塵と化したはずのフェルドウェイが再生を始めた。ディアブロは不快そうに舌打ちし、再び戦う構えを見せたが、リムルがそれを制した。フェルドウェイが呟いている内容に、ただの怨嗟ではない何かを感じ取ったからである。

フェルドウェイは、虚ろな瞳で天を仰ぎ、そのまま『瞬間移動』で姿を消した。リムルは一瞬のためらいが事態を招いたと悟ったが、エルメシアやユウキから責任を追及されることとなった。リムルは動揺しつつも、フェルドウェイが再び現れた際には確実に捕えると誓った。

シエルの分析によれば、フェルドウェイは異界へと逃げた可能性が高く、再びこの世界に現れた際には確実に補足できるとのことであった。リムルはこれを理由に、フェルドウェイ討伐を後回しにする決断を下し、周囲の納得を得た。

戦力の分散と各自の任務

フェルドウェイを取り逃がしたものの、今後の戦いに向けて戦力を適切に配分することが優先された。リムルは旧ユーラザニアへ向かうことになり、ミリムとヴェルドラはダマルガニアでイヴァラージェとの戦いに備えることとなった。クロエは未来視の能力を活かすため、ダマルガニア側へ配置された。

また、レオン、ザラリオ、シルビアもミリムたちに同行し、エルメシアは魔法士団を率いて戦力の調整を行うことになった。そして、その魔法士団を運搬する役目はユウキが担うこととなった。

リムルはユウキに対し、「結果がすべてだ」と釘を刺しつつ、協力を求めた。ユウキも渋々ながら了承し、今後の関係性についても再確認が行われた。リムルはこれまでの因縁を完全に水に流したわけではないが、共闘する以上、一定の信頼を寄せることを決めた。

傀儡国ジスターヴの譲渡とユウキの新たな立場

ユウキたちの立場を考慮し、リムルは傀儡国ジスターヴの統治権を彼らに譲ることを提案した。この地は現在、ミリムの統治下にあったが、新首都から遠く、管理が手間であったため、適任者としてユウキたちに任せるという案は合理的であった。

ミリムもこれに同意し、ユウキたちは新たな拠点を得ることになった。カガリは慎重に受け入れの意思を示し、長老エヴァもまた、この決定を歓迎した。これにより、ユウキたちは戦後の居場所を確保し、リムルに対して一定の恩義を持つこととなった。

リムルはこの決定を機に、ユウキに対し、「協力関係を守ること」「リムルの頼みを最優先すること」を条件として課した。ユウキはこれを了承し、リムルとの関係が新たな形で確立された。

決戦への準備とリムルの覚悟

リムルは最後にカガリから「勝てると確信しているのか」と問われた。それに対し、リムルは「負けた時のことを考える意味はない」と答えた。すでに最悪の事態は目前であり、やるべきことは勝利を掴むために全力を尽くすことだけだった。

ユウキもこの考えに同調し、それぞれの戦場へと向かう準備が整った。そして、ユウキの『瞬間移動』によって、各陣営はそれぞれの目的地へと転移していった。

リムルも旧ユーラザニアへと向かおうとしたが、そこにディアブロが残っていた。彼はリムルの執事として付き従うつもりであり、ボロボロの状態にも関わらず、リムルと共に戦う覚悟を見せていた。リムルは呆れつつも、ディアブロの忠誠心を受け入れ、共に『瞬間移動』で旧ユーラザニアへと向かった。

次なる敵は、〝竜種〟ヴェルザード。リムルはこの戦いが一筋縄ではいかないことを予感しつつ、戦場へと降り立つのだった。

終章 邪神覚醒

イヴァラージェの戦場観察と歓喜

イヴァラージェは基軸世界に降り立ち、多くの者たちに迎えられたことを喜んでいた。挨拶代わりに強力な一撃を放ったが、最も強そうな個体が予想以上にダメージを負ったことに驚いた。弱者を庇うという行為が理解できなかったため、興味を持ち観察を続けた。

戦場では、個々の英雄たちが死力を尽くして戦っていた。イヴァラージェにとって、それは未知の楽しみであった。しかし、物量で押し込めば容易に勝てると察し、戦いを長引かせるために戦力を小出しにすることを選んだ。

戦場の変化と新たな戦力の到来

戦況が膠着する中、ベニマル率いる援軍が到着した。彼らの戦いぶりは芸術のように洗練され、剣技や闘技、魔法が華麗に飛び交った。その結果、今度は邪神軍が押され始める。

この展開にイヴァラージェは歓喜した。戦いがより複雑になり、より興味深いものとなったのだ。戦場の緊張感と英雄たちの奮闘に、彼女は強く心を惹かれた。

イヴァラージェの願望と進化

戦いが佳境に入る頃、イヴァラージェの中に新たな願望が芽生えた。「自分もやってみたい」と。かつて自分を捨てたヴェルダナーヴァがなぜ人の姿を得たのか、その理由を理解したのだ。

そこで彼女は「大人になろう」と決意し、幼子の姿を捨て、戦える形を手に入れることを望んだ。この願望は、彼女の内側で進行していた邪神への進化を促し、最後の工程へと移行させた。そしてその影響は、彼女の三体の従僕にも及ぶ。

邪悪なる変貌と静寂の前触れ

イヴァラージェは従僕たちに問いかけた。「人の姿が欲しい? もっともっと戦いを愉しめるように、新たな力を授けよう」と。これにより、戦場は一瞬の静寂に包まれる。それは、何か恐ろしいことが起こる前兆のようであった。

その直後、基軸世界に邪悪な嗤い声が響き渡る。生まれ変わった〝滅界竜〟イヴァラージェは、初めて自らの足で地上に降り立った。その姿は、まるで——。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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