小説「とんでもスキルで放浪メシ 7巻」 感想・ネタバレ

小説「とんでもスキルで放浪メシ 7巻」 感想・ネタバレ

Table of Contents

どんな本?

高校生の異世界転移に巻き込まれたムコーダは、戦闘面では全くの無能だったので戦争に巻き込まれ無いように別の国へ行く。
その道中に、ムコーダの料理に魅入られた伝説の魔獣フェンリルが仲間に加わり、さらに生まれたばかりのスライムも仲間になる。
その後、中身は中年で見た目は可愛いピクシードラゴンもムコーダの作るご飯に釣られて仲間になってしまう。

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アニメ化

読んだ本のタイトル

#とんでもスキルで放浪メシ 7 赤身肉のステーキ×創造神の裁き
著者:#江口連 氏
イラスト:#雅 氏

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あらすじ・内容

「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。彼は従魔のフェル、スイ、ドラちゃん、そして何故か来ちゃった残念エルフのエルランドと共にエイヴリングのダンジョンを攻略し、さらなるレベルアップを遂げるのだった。
新たに開放されたテナント(酒屋)、ようやく立ったかと思えば幻だった恋愛フラグの苦い思い出、なかなか帰らない残念エルフ……多くのものを得たエイヴリングを発ち、ドランの街へエルランドを送り届けたムコーダ一行。続いて懐かしのカレーリナの街へ赴き、ムコーダはついにマイホームを購入する。そして、さらなる異世界の「夢」を追い求めようとするムコーダだが……!?
一方、これまでムコーダにお菓子や酒、美容品を強請ってきた神様達。そのワガママっぷりに、ついに裁きの時が訪れる!!
「小説家になろう」5億9千万PV超のとんでも異世界冒険譚、おかげ様で第7巻!

「とんでもスキルで異世界放浪メシ 7 赤身肉のステーキ×創造神の裁き」

感想

ドラゴン狂いの残念エルフ。
ドランのギルドマスター、エルランドを彼の管轄してるドランの街の副ギルドマスターのウゴールの元に送り届け。

副ギルドマスターの監視下の下で、レッドドラゴンを解体してもらい。
(監視しなかったら何時迄も鑑賞していて解体が進まないため)

エイヴリングの街のダンジョンで売り切れなかった魔獣の素材を少し売って、商業ギルドも宝石をと言って来たが、、
エイヴリングの方で全て売ってしまったと言うと残念がられる。
そしていつものように一軒家を借りて、、

そして、レッドドラゴンの解体と買い取りの話になりギルドマスターのエルランドの希望はドラゴンの牙。
でも予算が無いので副ギルドマスターのウゴールは却下して別の品物を買取する事にした。
そうされたエルランドは、エイヴリングのダンジョンを踏破した報酬を全てムコーダに渡して、個人としてはレッドドラゴンの牙を買い取ってしまう。
金額が高過ぎるからと押し返すムコーダを無視して、牙に夢中なエルランド、頭を抱えるウゴールとカオスな状況になってしまうが、、

そんな商人的な事をやってる時に従魔の3匹はドランの外側で狩をしまくり、さらにムコーダを引きずってドランのダンジョンを再度一周して多くの魔獣の素材を獲得する。

また在庫が増えた、、

そして、ムコーダは最初に滞在していたカレーリナの街に戻り。

ムコーダはついに異世界で家を買う。

だけど、これ家か?
屋敷?
いや、、、、これは宮殿の間違いじゃないか? 

そして広大な家と庭を管理、警護する奴隷を買うのだが、、

ムコーダの恋愛運の無さが発揮されてるのが切ないw

恥を忍んで奴隷商人に若い娘さんのメイドさんが良いと言ったら、、
最初は奴隷側の希望があるから、冒険者であるムコーダは全ての娘さん達からノーと言われて撃沈。

結果、妻の病気で多額の借金をした庭師の家族と、果樹が不作で借金を作ってしまった家族の計9名。

依頼を失敗した冒険者4名。
虎獣人の姉と双子の兄弟とドワーフ。

母親の病の治療費で借金してしまった巨人族の血が入っている冒険者1名

合計14名を購入。

そんな彼等に家の管理と護衛をさせる。

ムコーダにお供物を集っていた神。
風の女神ニンニル、土の女神キシャール、火の女神アグニ、水の女神ルサールカ、鍛治神フェファイストス、戦神ヴァハグンの6神。

ムコーダに要望を言ってる最中に主神デミウルゴスに見つかってしまった。
その結果、主神から謹慎を言い渡される。
それぞれの好物も禁止されて、、、

そんな神達を横目に主神はムコーダから初めての献上品を貰ったりするのがなかなかにw

その恩恵でムコーダの寿命が1500年ほど延びてしまった。
それを喜ぶ3匹達。

あと、勇者達は3人で冒険者として生活を確立して結婚する予定らしい(神情報)

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場料理

魚介寄せ鍋

・食べた者:フェル、スイ、ドラちゃん、トニ一家、アルバン一家、元冒険者たち
・使用魔物素材:アスピドケロン、タイラントフィッシュ
・出典:ネットスーパーの野菜

ロックバードの鶏塩鍋

・食べた者:フェル、スイ、ドラちゃん、トニ一家、アルバン一家、元冒険者たち
・使用魔物素材:ロックバード
・出典:ネットスーパーの野菜

雑炊(鍋の〆)

・食べた者:元冒険者たち、トニ一家、アルバン一家、子供たち
・使用魔物素材:アスピドケロン、タイラントフィッシュ、ロックバード(鍋残り汁)
・出典:ネットスーパーの卵、米

鶏塩ラーメン(鍋の〆)

・食べた者:ムコーダ、元冒険者たち
・使用魔物素材:ロックバード(鍋残り汁)
・出典:ネットスーパーの中華麺、バター

ソースかつ丼

・食べた者:フェル、スイ、ドラちゃん
・使用魔物素材:ジャイアントターキー(と推定されるが本文に明記なし)
・出典:ネットスーパーのパン粉、油、ソース

から揚げ

・食べた者:フェル、スイ
・使用魔物素材:不明(作り置き)
・出典:ネットスーパーの調味料、揚げ油

ハンバーグ

・食べた者:フェル、スイ
・使用魔物素材:不明(作り置き)
・出典:ネットスーパーの調味料

イチゴショートケーキ

・食べた者:フェル
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーのケーキ(供物ではない)

プリン

・食べた者:ドラちゃん
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーのプリン

ブルーベリータルト、ロールケーキ

・食べた者:スイ
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの菓子

いちごのショートケーキ(供物)

・食べた者:風の女神ニンリル(供物)
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの菓子

チョコレートケーキ(供物)

・食べた者:火の女神アグニ(供物)
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの菓子

フルーツタルト(供物)

・食べた者:地の女神キシャール(供物)
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの菓子

ミルフィーユ(供物)

・食べた者:戦の女神ルサールカ(供物)
・使用魔物素材:なし
・出典:ネットスーパーの菓子

登場キャラクター

ムコーダ(向田 剛志)

異世界に召喚された一般人でありながら、固有スキル「ネットスーパー」と従魔たちの力を駆使して生き抜く料理人である。仲間の食事を用意しつつ、冒険者やギルドとの交渉も担い、資産と人脈を着実に築き上げている。
・所属:冒険者(Sランク)、元は日本の会社員
・本巻では赤竜素材の売却や豪邸購入、奴隷契約などを通じて経済力と影響力を拡大
・創造神デミウルゴスから加護を授かり、寿命が1500年に延長された
・信頼できる人材を求め、トニ一家・アルバン一家を含む奴隷14名を雇用した

食いしん坊トリオ

フェル

風の女神ニンリルから祝福を受けた伝説級の魔獣・フェンリルであり、ムコーダの最初の従魔である。冷静かつ高圧的な態度を取りながらも、食事に対しては妥協を許さず、日々の献立に強い関心を示す。
・所属:ムコーダの従魔
・赤竜やワイバーンを討伐できる戦闘力を持つ
・ムコーダの寿命延長に安堵し、長期的な食の供給を確保できると喜んだ
・旅中は移動手段としても活躍し、ドラン帰還後も高い戦力として機能

スイ

ムコーダの従魔であるスライムで、成長に伴って知能と言語能力を獲得した存在である。無垢で無邪気な性格ながら、戦闘では酸弾による高威力攻撃で大活躍する。
・所属:ムコーダの従魔
・ダンジョンではトロールやミノタウロスを単独で討伐できる戦力を持つ
・「ケーキが食べたい」と要望を出すなど、食への好奇心も旺盛
・エリクサーを生成でき、アイヤの病気を治療するという重要な役割を果たした

ドラちゃん

フェルに次ぐ従魔であり、正式名称は「ピクシードラゴン」である。プライドが高く、特にエルランドからの過剰な関心には不満を示す一方、仲間への忠誠心と責任感は強い。
・所属:ムコーダの従魔
・ダンジョン探索では火魔法を駆使して空中戦を展開し、多数の敵を撃破
・フェルやスイと共に、ムコーダの旅と食事を支える重要な戦力
・赤竜のドラゴンステーキを好み、味の違いに鋭い感覚を見せた

神様

ニンリル

風の女神であり、ムコーダに祝福を授けた神の一柱である。甘味好きで知られ、本巻では謹慎処分中の禁甘味生活に苦しむ姿が描かれた。
・所属:神界(風の女神)
・ムコーダに供物を要求していたが、創造神に叱責され供物を没収された
・謹慎処分中もどら焼きやプリンへの執着を見せ、反省と我慢を繰り返した

キシャール

土の女神であり、美容と健康に強い執着を持つ存在である。ムコーダにスキンケア用品を頻繁にねだり、本巻では謹慎処分により化粧品の残量に悩む様子が描かれた。
・所属:神界(土の女神)
・供物として高級ナイトクリームを要求し、ムコーダに調達を依頼した
・謹慎中はスキンケア用品の在庫を少量ずつ使用し、美肌維持に苦慮していた
・供物を通じてムコーダとの関係を深める一方、創造神からは警告を受けた

アグニ

火の女神であり、ビールをこよなく愛する性格である。現代の冷えたビールを再び飲むためにムコーダへ無茶な注文を繰り返したが、供物は創造神によって没収された。
・所属:神界(火の女神)
・供物として「夢のビール」を望み、ムコーダが準備したが受け取りに失敗
・謹慎処分中はぬるいエールしか飲めず、強い禁断症状に悩まされた
・過去の供物を飲み尽くしたことを後悔しつつ、解禁の日を夢見ていた

ルカ(ルサールカ)

水の女神であり、唯一アイテムボックスに供物を保存していた慎重な神である。他の神々が苦しむ中、余裕を持って甘味を楽しむ姿が描かれていた。
・所属:神界(水の女神)
・ムコーダにハムの詰め合わせを供物として要求した
・バニラアイスやバームクーヘンを密かに消費し、謹慎を乗り切っていた
・ニンリルに見つからないように菓子を食べる要領の良さを発揮した

ヘファイストス

鍛冶神であり、酒と鍛冶に情熱を注ぐ神である。ウイスキーへの執着心が強く、ムコーダには12年ものの高級ウイスキーを注文したが、供物は没収された。
・所属:神界(鍛冶神)
・高級ウイスキーを所望し、没収された後は深い落胆に沈んだ
・酒へのこだわりが強く、甘い酒では満足できず不満を抱いた
・ヴァハグンと共にウイスキー談義を懐かしんだが、再会の時を待つのみであった

ヴァハグン

戦神であり、酒、とくにウイスキーに強いこだわりを持つ存在である。謹慎中はハチミツ酒に不満を募らせながらも、再びヘファイストスと語らう日を夢見ていた。
・所属:神界(戦神)
・供物として高級ウイスキーを望んだが、創造神の登場により没収された
・謹慎中は甘い酒を飲みつつ、不満と渇望を募らせていた
・ムコーダに対する感謝を口にし、酒を通じた交流を重視している

創造神デミウルゴス

神々の頂点に立つ創造神であり、本巻では初めてムコーダの前に顕現した。神々の私的な供物要求を叱責し、彼自身はムコーダに直接加護を授け、信頼を寄せる。
・所属:神界(創造神)
・神々の供物要求を問題視し、ムコーダと直接対話した
・スイのエリクサーを莉緒に届ける段取りを整えるなど現実的な対応を行った
・ムコーダに加護(小)を与え、寿命を1500年に延ばすことで信頼関係を築いた

異世界人

勇者・櫂斗

日本から召喚された高校生であり、マルベール王国にて冒険者として活動している。仲間たちと協力しながら安定した生活を築いている。
・所属:マルベール王国、冒険者(Cランク)
・オーク討伐などの依頼を安定してこなしている
・家事は風呂焚き以外は苦手とし、料理などは他の2人に任せている
・花音・莉緒と共に結婚する予定であり、ムコーダに動揺を与えた

勇者・花音

櫂斗と共に異世界に召喚された女子高生で、仲間内では補佐的な立場を取る。家事全般をサポートしながら戦闘にも参加している。
・所属:マルベール王国、冒険者(Cランク)
・武器を用いて戦闘に参加し、櫂斗と連携を取ってオークを討伐した
・家事では皮むきや洗濯を担当している
・穏やかな性格で、仲間との調和を大切にしている

勇者・莉緒

召喚勇者の一人で、左腕を失いながらも復活を遂げた少女である。魔法の才能に優れ、主に遠距離攻撃で仲間を支える。
・所属:マルベール王国、冒険者(Cランク)
・無詠唱で水魔法を使用し、戦術の要となる
・左腕を奴隷の腕輪により失ったが、スイのエリクサーで治癒された
・料理も得意で、仲間たちに温かい食事を提供している

ドランの人々

エルランド

エルフのギルドマスターであり、魔物素材に強い執着を見せるマニア的な気質を持つ。ドランの冒険者ギルドを取り仕切りながら、ムコーダたちと行動を共にする。
・所属:ドラン冒険者ギルドのギルドマスター
・赤竜素材の解体を徹夜で完了させるなど、専門知識と作業力に優れる
・赤竜の牙と爪を私費で購入し、素材に愛情を注ぐ姿が描かれる
・ムコーダの旅立ちに動揺を示し、ドラン定住を懇願するほどの情熱を見せた

ナディヤ

ドラン冒険者ギルドの受付嬢であり、ムコーダに対して礼儀正しく丁寧な対応を見せる。パウンドケーキの贈り物を受け取り、甘味好きな一面を見せた。
・所属:ドラン冒険者ギルド職員
・ギルド訪問時にムコーダからパウンドケーキを受け取り、好意的に応じた
・他の女性職員たちにも好評を博し、ギルド内での人望がうかがえる

ウゴール

ドラン冒険者ギルドの重鎮であり、厳格かつ情に厚い男である。エルランドの監督役として登場し、ムコーダにも礼節をもって接する。
・所属:ドラン冒険者ギルド幹部
・赤竜素材の査定を主導し、冷静な判断で高額取引を成立させた
・エルランドを一喝する場面が多く、ギルド内での威厳を保っている
・ムコーダからの差し入れや贈り物には素直に感謝を示した

ミハイル

ウゴールの息子であり、礼儀正しく素直な少年である。ムコーダからの贈り物に感謝し、手紙という形で気持ちを伝えた。
・所属:ウゴールの家族
・ムコーダが贈った赤竜の肉とパウンドケーキに感動し、手紙で感謝を伝えた
・妹ミラナと共に、丁寧な手紙と手作りのドライフルーツを贈った
・純朴で心優しい性格が描かれている

ミラナ

ミハイルの妹であり、ウゴールの娘である。兄と同様に素直で礼儀正しく、感謝の気持ちを手紙で伝える姿勢を見せた。
・所属:ウゴールの家族
・兄ミハイルと共に、丁寧な感謝の手紙をムコーダに贈った
・ドライフルーツの用意にも関わり、心のこもった贈り物を届けた
・子供らしい純粋な言動が描かれた

ティルザ

ウゴールの妻であり、家庭を支えるしっかり者の女性である。ムコーダからの贈り物に深く感謝し、礼儀正しい手紙でその想いを伝えた。
・所属:ウゴールの家族
・赤竜の肉とパウンドケーキに対して、丁寧な礼状をムコーダへ送付した
・母親としてミハイルとミラナの教育も行き届いている様子が描かれている
・穏やかで礼儀正しい性格であることが示されている

カレーリナの人々

ランベルト

カレーリナの商人であり、ムコーダと継続的な取引を行っている信頼の厚い人物である。石鹼やシャンプーの供給元としてだけでなく、住居の紹介や人材確保の助言も行った。
・所属:カレーリナ商人ギルド
・石鹼・シャンプーの大量卸売を通じてムコーダと信頼関係を築いた
・ムコーダに14LDKの豪邸を紹介し、購入を後押しした
・奴隷制度についても法的側面を説明し、安全な選定を支援した

ラドスラフ

カレーリナの奴隷商であり、丁寧かつ事務的な対応で奴隷の売買を行う職業人である。ムコーダに対して信頼できる奴隷の選定を行い、契約手続きを円滑に進めた。
・所属:カレーリナ商人ギルド(奴隷商)
・トニ一家・アルバン一家、および元冒険者5名の選定に関与
・奴隷制度の法的構造や守秘義務の契約に精通しており、詳細を説明した
・ムコーダに適切な人材を紹介し、信頼を得た商人である

ネストリ

カレーリナ商人ギルドに所属する不動産担当であり、丁寧な接客と豊富な物件知識を持つ案内役である。白亜の豪邸の購入に関してムコーダをサポートした。
・所属:カレーリナ商人ギルド(不動産部門)
・14LDKの高級物件の案内を担当し、設備や契約内容を明確に説明した
・フェルたちがその場から動かない様子を見て、購入を後押しした
・鍵束や使用上の留意点など、契約後の対応も丁寧に行った

奴隷

トニ

ムコーダが奴隷として契約した一家の父親であり、誠実かつ働き者である。家族の生活を守るために真摯に職務を果たす意志を持っている。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・掃除や庭の手入れなどの作業を担当する
・娘アイヤの病をムコーダによって治療されたことに深く感謝している
・以後、ムコーダに絶対的な忠誠を誓う姿勢を見せた

アイヤ(妻)

肺病を患っていたが、スイのエリクサーで回復した、家族を支える存在である。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・病後も家事や調理補佐に積極的に関わり、誠実な姿勢を見せている
・病気の治癒を通じて、ムコーダに対し深い感謝を抱いている

セリヤ(娘)

素直で元気な少女であり、家族と共に新たな生活を始めることに喜びを感じている。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・食事や掃除、調理補佐に参加し、屋敷生活に順応している
・母アイヤの快復を誰よりも喜び、家族の絆を強く保っている

コスティ(長男)

姉や両親を支えつつ、新しい生活の中で自らの役割を果たそうとしている少年である。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・描写は控えめだが、家族とともに新たな生活に適応している
・屋敷内の雑務や生活への参加が想定される

アルバン

責任感ある父親で、ムコーダの屋敷で働くことを希望して契約を結んだ。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・庭や清掃など多方面で労働に従事し、安定感ある働きぶりを見せる

テレーザ(妻)

穏やかで実直な性格の母親であり、家庭と労働の両方を支えている。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・料理の補佐などでムコーダを助け、信頼を得ている

オリバー(長男)

冷静で大人びた態度を見せる少年である。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・明確な行動描写は少ないが、家族の一員として生活に適応している

エーリック(次男)

明るく好奇心旺盛な性格で、兄や妹たちと共に行動している。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・食事の場面などで他の子どもたちと共に登場

ロッテ(長女)

感受性の高い幼い少女であり、初めての豊かな生活に心から喜びを示している。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約)
・食事やケーキの場面で満面の笑みを見せるなど、物語の和やかな一面を担う

タバサ

虎獣人の女性であり、元Bランク冒険者という高い戦闘能力を持つ。双子の弟と共に屋敷の警護任務に就いており、信頼性と責任感を備えている。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約、警護担当)
・主に屋敷の警備や有事対応を担当する
・高い身体能力と戦闘経験を活かして防衛の要となる
・弟のルーク、アーヴィンとは強い信頼関係で結ばれている

ルークとアーヴィン

タバサの双子の弟たちであり、同じく虎獣人の元冒険者である。姉と共に警護任務に就き、忠誠心と規律を重んじる姿勢を見せている。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約、警護担当)
・警備や巡回を主な任務とし、冷静な判断力を発揮する
・タバサと息を合わせた連携が可能で、実戦でも高い能力を発揮できる
・ムコーダに対しては敬意を持って接している

ペーター

巨人族の血を引く体格の大きな男であり、元Dランク冒険者である。見た目に反して冷静沈着な性格で、任務に忠実な働きを見せる。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約、警護担当)
・体格を活かした威圧力と物理的戦力を担う
・豪快に食べる姿が印象的で、仲間との関係も円滑に築いている
・屋敷の警備という裏方での貢献を着実に果たしている

バルテル

ドワーフ族の男であり、強固な信念を持つ元冒険者である。規律と忠誠を重んじ、警護任務にも全力を尽くしている。
・所属:ムコーダの屋敷(奴隷契約、警護担当)
・頑強な体と忍耐力に優れ、防衛戦では安定した実力を発揮する
・ドワーフらしく勤勉な姿勢を見せ、料理にも敬意を払っている
・鍋の美味しさに感動する描写があり、食に対する正直な反応も見られた

ドワーフ族

ラディム

鍛冶師であり、ドワーフ族としての高い鑑識眼と職人魂を持つ男である。幻の酒店の噂を信じて訪問し、その味に感銘を受けた。
・所属:拠点不明(鍛冶職人)
・弟子のイェルンから送られた手紙と酒によって「幻の酒店」の存在を知った
・日本酒・ウイスキー・ブランデーなどの酒に強い関心を持ち、試飲に臨んだ
・全種類購入を即決するなど、酒に対する情熱を隠さない性格である

イェルン

ラディムの弟子であり、独立後に「幻の酒店」の存在を師匠に伝えた張本人である。高品質な酒を木箱で送付し、その味で師を驚かせた。
・所属:詳細不明(独立した若手鍛冶職人)
・ラディムへの手紙にて酒店の存在と入店規則を伝えた
・送った酒がラディムの心を動かし、実地調査の契機を与えた
・現場には登場していないが、物語の転機をもたらす情報提供者となった

ラドミール

ラディムの親友であり、幻の酒店訪問に同行したドワーフである。冷静で観察力に優れ、試飲の場面でも酒の特徴を的確に評価した。
・所属:拠点不明(ドワーフ族)
・ラディムの誘いを受け、幻の酒店を訪問
・規則を守って行動し、ムコーダからの信頼を得た
・購入上限いっぱいまで酒を買い込むなど、酒への関心が高い人物である

ジェルマン

ラディムとラドミールの友人であり、三人で幻の酒店を訪れたドワーフの一人である。陽気かつ豪快な性格で、酒に対する熱意を強く持っている。
・所属:拠点不明(ドワーフ族)
・入店規則を遵守し、静かに酒を楽しんだ
・試飲では感想を素直に述べ、全種購入を決定するほどの情熱を見せた
・店舗を去る際にも満足げな様子を見せ、ムコーダに好印象を残した

登場国家・都市

カレーリナの街

カレーリナはムコーダたちが最初に長期滞在した都市であり、再訪後は白亜の豪邸を購入する拠点にもなった。商人ギルドや冒険者ギルドが整備されており、経済と冒険者活動の双方が活発に行われている。
・位置:旅の起点であり、ドランから戻るルート上に存在
・特徴:商業が盛んで、ギルド機能や不動産流通も発展。豪邸や奴隷制度も整備
・主な登場人物:ランベルト、ヴィレム、ネストリ、ラドスラフ、アドリアーノ、ニコライ
・備考:豪邸購入および奴隷契約、幻の酒店の拠点など、多くの物語展開の基盤となる都市

ドランの街

ドランは高階層ダンジョンを擁する都市であり、ムコーダたちが探索と素材取引のために滞在している。冒険者ギルドではウゴールやエルランドが管理職に就いており、赤竜の素材取引など大規模な経済活動も行われている。
・位置:エイヴリングのダンジョンから戻る位置にあり、カレーリナとは別方向
・特徴:高難易度ダンジョンとその素材取引が盛ん。冒険者および商人ギルドが機能
・主な登場人物:ウゴール、エルランド、ナディヤ
・備考:赤竜・地竜の解体、従魔の食料確保、素材売却と買取の主要拠点となった

エイヴリングの街(または拠点)

詳細な都市描写は少ないが、ダンジョン探索の出発点として言及される拠点である。フェルたちとともに深層まで潜った場所であり、帰還時にドランへ向かう。
・位置:ドランとダンジョンの間にあると推定される位置
・特徴:フィールド型ダンジョンの入り口として機能する拠点
・主な登場人物:特記なし
・備考:エルランドが戻らずに滞在していたため、物語上はドランへの対比として登場

マルベール王国

召喚勇者たちがレイセヘル王国を脱出した後、冒険者登録と生活の拠点とした国家である。奴隷制度や魔物討伐の依頼制度が整備されている。
・位置:レイセヘル王国と国境を接し、ランペルツ村経由で入国
・特徴:冒険者制度が整っており、勇者たちの定住が可能な程度に治安も安定
・主な登場人物:櫂斗、花音、莉緒
・備考:勇者3人のCランク昇格、オルロヴァ移住、冒険者活動の基盤となる国家

レイセヘル王国

ムコーダが召喚された王国であり、3人の勇者が陰謀を察して脱出した国家でもある。政治的腐敗や陰謀が背景にあるとされ、明確な描写は少ないが悪役的立場で登場する。
・位置:マルベール王国の隣国
・特徴:召喚勇者制度を運用しているが、内部腐敗や暴力的手段が横行
・主な登場人物:召喚勇者(間接的に)
・備考:莉緒の左腕に奴隷の腕輪をつけた国家として批判的に描かれる

オルロヴァの街

マルベール王国にある都市で、勇者3人が定住・活動の拠点としている。魔物討伐依頼を受けて安定した生活を営んでおり、生活インフラも整っている。
・位置:マルベール王国内、ランペルツ村に近接する大都市
・特徴:冒険者ギルド、住宅設備、水魔法による風呂文化などが発達
・主な登場人物:櫂斗、花音、莉緒
・備考:3人の勇者がオークを討伐し、Cランクとして活躍している都市

ランペルツ村

マルベール王国とレイセヘル王国の国境付近に位置する小村であり、勇者3人が冒険者登録を行った場所である。
・位置:国境地帯。マルベール王国内にある
・特徴:冒険者登録が可能な最小単位の拠点。宿とギルドが存在
・主な登場人物:櫂斗、花音、莉緒
・備考:通過点であり、本格的な活動拠点ではない

展開まとめ

第一章  創造神様、そりゃあないよっ

恋の終焉と解体作業への切り替え

ムコーダはフェオドラの素性を知り、恋心が終わったことに落ち込んでいたが、気を取り直してレッドボアの解体作業に取りかかった。ヴァンパイアナイフでの血抜きから始まり、エルランドの指導のもとで腹部を開く技術を習得した。内臓の鑑定も行ったが、「不味い」という結果により食用を断念し、不要な臓器は土魔法で掘った穴に廃棄した。

丁寧な皮剥ぎと解体の習熟

エルランドの指示で頭部を切除し、慎重に皮を剥いだムコーダは、その後さらに2頭目のレッドボアも同様に解体した。作業の中で魔物の肉の鮮度について疑問を持ち、エルランドから「魔物の肉は鮮度が命であり、熟成はしない」との説明を受けた。この情報から、ムコーダは自身の時間停止アイテムボックスの有効性を再認識した。

レッドボアの肉を使ったぼたん鍋の調理

夕食には、自ら解体したレッドボアの肉を使った味噌仕立てのぼたん鍋を用意した。昆布と鰹の出汁に味噌や酒などを加え、薄切り肉と野菜を煮込んだ鍋は、フェルたちに大好評であった。締めにはうどんを投入し、初めての食感を楽しみつつ、全員が満足の夕食を味わった。

大量ドロップ品の売却交渉と巨額取引

翌日、ムコーダとエルランドは冒険者ギルドおよび商人ギルドの代表とともに、ダンジョンのドロップ品の売却交渉を行った。毒針、甲殻、皮革、魔石、宝石、マジックバッグなど大量の素材と貴重品が確認され、総額21,200枚の金貨(白金貨212枚)という巨額の取引が成立した。両ギルドはこの買取に非常に満足し、商談は円満に終わった。

帰還後の食事とピリ辛丼の好評

宿に戻ると、空腹を訴えるフェルたちのために、ムコーダはレッドボアの肉を使ったコチュジャン風味のピリ辛丼を調理した。にんじん・もやし・ニラを炒めて甘辛いタレで仕上げた丼は、辛さを抑えた仕様でスイにも好評であり、フェル・ドラちゃん・エルランドにも何度もおかわりされるほどであった。

報酬の分配とドランへの出発準備

食後、ムコーダは白金貨50枚をエルランドに渡すことで報酬の分配とした。当初は3分の1を渡すつもりであったが、押し問答の末にこの額で落ち着いた。巨額の財産を前に、ムコーダは今後の資金の使い道について思案を始めた。

エルランドの帰還が遅れていることにより、ムコーダはドランへの早期帰還を促し、最終的に翌々日の朝に出発することが決定された。ムコーダはその準備として、旅の途中に食べるための作り置き料理に取りかかることを決意した。

旅支度と料理の仕込み

ムコーダは旅に備えて、コカトリスやレッドボアの肉を使ってから揚げや味噌漬け、餃子、ハンバーグ、魚介のフライ、ホイル焼きなど多種多様な料理を準備した。中でもクリームシチューは懐かしさを誘い、少しだけ元の世界への郷愁を感じさせた。

ギルドへの挨拶とパウンドケーキの贈り物

旅立ちを翌日に控え、エルランドとともに冒険者ギルドを訪れたムコーダは、ナディヤへパウンドケーキを手土産として渡した。ギルドの女性職員たちにも好評で、甘いものの威力を再確認する結果となった。

夕食と風呂、そして恒例の供物儀式

夕食にはとんかつを用いたソースかつ丼を提供し、仲間たちから大絶賛を受けた。食後は風呂でくつろぎ、旅の途中では味わえない贅沢なひとときを過ごした。夜更けには恒例の神々への供物として、ネットスーパーで注文した品々を段ボール祭壇に供えた。

神々への追加注文と無茶な要求

ムコーダは以前の約束により、神々からそれぞれ1品の追加注文を受けた。ニンリルは特大の苺ケーキ、キシャールは高級ナイトクリーム、アグニは「夢のビール」、ルカはハムの詰め合わせ、ヘファイストスとヴァハグンは12年ものの高級ウイスキーを所望した。ムコーダはそれらを快く用意し、供物を供えた。

創造神の登場と神々への叱責

その最中、創造神デミウルゴスが現れ、神々が異世界の物資を私的に欲しがる行為を厳しく咎めた。神々は一斉に沈黙し、供物はすべて没収された。ムコーダは創造神に助け舟を出し、対話が始まった。

創造神との対話と異世界の真実

創造神はムコーダに、かつて召喚された他の勇者たちの行方を語った。3人の高校生勇者はレイセヘル王国の陰謀を察し、逃亡。中でも莉緒という少女は奴隷の腕輪によって左腕を失っていたが、マルベール王国で無事に冒険者として活動していた。ムコーダの願いで、創造神が彼女にスイのエリクサーを届ける手はずが整えられた。

勇者たちの結婚とムコーダの動揺

創造神はさらに、3人の勇者が結婚する予定であることを告げた。ムコーダはその事実に動揺し、自分に恋愛の気配がないことに落胆したが、創造神からは寿命延長の加護(小)を授けられ、1500年もの寿命を得ることになった。

創造神への献上と新たな関係

創造神の希望でムコーダは高級日本酒3種と缶詰のギフトセットを献上した。創造神は満足し、以後も定期的な供物を受け取ることで合意した。また、創造神の加護(小)を授かる代わりに不老長寿となり、神の信頼を得る存在として扱われることになった。

終幕と報われない願い

創造神との通信が終わる間際、ムコーダは恋愛運UPを願ったが聞き入れられず、悲痛な叫びをあげる形で物語は幕を閉じた。神々の謹慎が決定され、しばらくの静けさが訪れる中、ムコーダは変わらぬ日常と旅路を歩む決意を新たにした。

出発の朝と再出発の動機

早朝、ムコーダ一行は朝食を終え、エイヴリングの門前に集合していた。エルランドはダンジョン探索とムコーダとの同行を心から楽しみ、ドランに戻る目的が赤竜の解体であることに期待を寄せていた。ムコーダはその熱量に若干の疲労を感じつつも、再会を喜んでいた。

ステータスの変化と加護の影響

出発前、ムコーダは自身のステータスを確認した。職業には「巻き込まれた異世界人」「冒険者」「料理人」が記され、スキルには火・土魔法、鑑定、ネットスーパー、従魔契約などが並んでいた。特に注目すべきは、創造神デミウルゴスの加護(小)が追加され、【種族】欄に「一応人」と記された点であり、ムコーダはその表現に複雑な心境を抱いていた。また、加護の効果により寿命が1500年ほどに延びていた。

順調な旅程と仲間たちの働き

旅は極めて順調であり、通常よりも遥かに早く進行した。フェルの背に乗ったムコーダと、スイが巨大化して引くカートに乗ったエルランドの移動手段がその効率を支えていた。スイの成長が著しく、移動だけでなく、旅全体を支える重要な戦力として機能していた。

ドラン到着と一行の感慨

日暮れ前にドランの街が視界に入り、エルランドは名残惜しさをにじませながら旅の終わりを実感した。ムコーダは改めて仲間たちの存在の大きさに感謝し、特にスイの貢献度に心から敬意を抱いていた。

旅の記憶と仲間の反応

旅の快適さにエルランドは感動を示し、「こんな旅ならまだまだ続けたい」と語ったが、それに対してドラちゃんは内心で強く反発していた。エルランドが幾度となくドラちゃんに絡んできたことが不興を買っていたためである。ムコーダはそのすれ違いに苦笑しつつも、別れが近いことを伝え、なんとか場を収めた。

ドランの門前での異様な光景

ドランの門前では、スライムに乗ったエルフとフェンリルに乗った男という異様な組み合わせが人々の注目を集めた。門番も驚いた様子を見せたが、ギルドマスターであるエルランドの顔を確認することで、何事もなく通行を許可された。

最後の関門、冒険者ギルドへ

一行は街に入り、そのまま冒険者ギルドへと向かった。ムコーダにとって、この帰還は次なる目的への始まりであり、赤竜の解体、そして新たな日常の一歩として位置づけられていた。

閑話   3人の勇者 ~冒険者としての日常 ~

国境越えと冒険者としての再出発

櫂斗・花音・莉緒の三人は、王都を逃れてマルベール王国に入国し、国境のランペルツ村で冒険者登録を行った。これまでに討伐したオークなどの魔物素材を売却して資金を確保し、数日間の休養をとった後、近隣の大都市オルロヴァに移住した。彼らはこの街で冒険者として活動し、Cランクまで昇格して安定した生活を築いていた。

オーク討伐依頼の選択と高い実力

ある日、三人は冒険者ギルドの依頼掲示板からオーク5体討伐の依頼を選び、南東の森へと向かった。オーク肉はこの世界では人気の食材であり、報酬も見込めた。三人は全員がアイテムボックスを所有していたため、回収面での不安もなかった。

無詠唱魔法と連携攻撃による確実な討伐

森で発見したオークに対して、莉緒は無詠唱でウォーターボールを発動し、呼吸を奪って混乱させた。その隙をついて、櫂斗と花音がそれぞれの武器で心臓を正確に貫いた。この戦法は効率的かつ損傷が少ないため、彼らの定番となっていた。

安定した住居と生活基盤の確立

オルロヴァでは宿代の節約のため一軒家を借り、三人は風呂付きの住居で生活していた。水魔法と火魔法を活用して風呂の運用も行い、日本人としての衛生習慣を維持していた。家賃も手頃で、それぞれに個室がある快適な住環境であった。

さらなる討伐と日常への回帰

この日、彼らは最終的に16体のオークを討伐し、大きな成果を収めた。討伐後、森の安全な場所で遅めの昼食をとることになり、莉緒がアイテムボックスから熱々のシチューを取り出して提供した。

手作りの食事と仲間との和やかな時間

シチューは野菜の甘みとクリーミーな味わいが広がる絶品であり、三人は心からその温かさに癒やされた。料理は主に莉緒が担当しており、花音は皮むきや洗濯などを担当して家事を分担していた。櫂斗は風呂沸かし以外の家事は苦手と公言し、感謝の意を表していた。

家族のような絆と穏やかな日常

困難もある異世界での生活だったが、三人は互いに協力しながら自由な暮らしを築いていた。櫂斗はこの日常に幸せを感じ、花音と莉緒と共に生きる今を守るため、冒険者として今後も努力していくことを決意した。

第二章  ウゴールさんには逆らうな

ドラン帰還とウゴールの怒号

ムコーダとエルランドは冒険者ギルドに帰還したが、エルランドは王都からすぐ戻るという約束を破り、勝手にエイヴリングでダンジョンに潜っていたことで、ウゴールから烈火のごとく叱責を受けた。ギルド全体に怒声が響き渡り、ムコーダたちは早々にその場を離脱した。

商人ギルドでの一軒家契約

ムコーダはフェルたちとともに広い風呂付きの一軒家を借りるため、商人ギルドを訪問した。アドリアーノと不動産部門のニコライの案内で複数の物件を内見した結果、8LDKの元貴族邸宅を選んだ。賃料は1週間で金貨78枚であった。

久々の入浴と団欒の食卓

新居では風呂を利用し、フェルを丁寧に洗い、スイの触手シャワーで仕上げた。入浴後はフルーツ牛乳を振る舞い、魚介のフライとホイル焼き、さらに夕食には餃子づくしの料理を用意した。食後はムコーダが一人で広々とした風呂を満喫し、穏やかな夜を過ごした。

赤竜の解体と査定の開始

翌日、冒険者ギルドに赤竜を持ち込み、倉庫でウゴールとエルランドが迎えた。赤竜の解体には本来3日かかる見込みだったが、ウゴールの一喝によりエルランドは徹夜で作業を完遂した。解体済み素材は肉、血、内臓、牙、骨、皮、魔石などに分けられていた。

高額素材の買取交渉と総額

ウゴールは赤竜の血25本を金貨4,000枚、肝を1つ金貨3,700枚、心臓を金貨4,000枚、肺を金貨3,600枚、目玉を金貨1,700枚、牙1本を金貨3,000枚で買取り、合計で金貨20,000枚(白金貨200枚)を提示した。ムコーダは提示額を了承し、取引は円満に成立した。

エルランドの暴走と私費購入

取引成立後、エルランドはアイテムボックスから自身の白金貨50枚を取り出し、赤竜の牙を譲ってほしいと懇願した。執拗な頼みにムコーダは折れ、牙を売却。さらに、残額で爪も購入された。エルランドは満足げに素材に頬ずりし、周囲からは引いた目で見られた。

素材の回収と帰宅

ムコーダは残りの赤竜素材を受け取り、ギルドを後にした。帰宅すると、フェル・ドラちゃん・スイはすでに昼寝をしていたが、「赤竜の肉」を期待する声とともに目覚めた。ムコーダは休む間もなく、彼らのために肉を用意する羽目となった。

赤竜ステーキの調理と味見

ムコーダはドランの豪邸のキッチンで赤竜の肉をステーキ用に切り分け、塩胡椒のみでシンプルに焼き上げた。ジュウジュウと音を立てる赤竜の肉は香りも芳醇で、見た目以上に柔らかくジューシーであった。味見を重ねるうちに、半分以上を食べ尽くしてしまうほどであり、地竜にも匹敵する味わいに感動したムコーダは、ドラゴン肉の美味しさに改めて驚嘆した。

仲間たちとのステーキ晩餐

フェル、ドラちゃん、スイもそれぞれ赤竜のドラゴンステーキに舌鼓を打った。フェルはシンプルな塩胡椒、ムコーダは玉ねぎ風味のステーキ醤油など、各自好みの味付けで楽しみながら、ステーキを次々と平らげていった。食後は満腹感と共に和やかな時間を過ごし、ドラゴン肉の魅力について語り合った。

創造神の加護の告白と仲間たちの反応

ムコーダは創造神デミウルゴスから加護を授かり、寿命が約1500年に延びたことを仲間たちに報告した。フェルたちは長寿の主と共に美味い飯を食べ続けられることを喜び、ムコーダはその期待の重さに若干の困惑を覚えつつも、運命として受け入れる覚悟を固めた。ただし、肉の調達は各自に任せると宣言した。

翌朝の朝食と狩猟の準備

翌朝、フェルたちは再びドラゴン肉を要求したが、ムコーダは朝食に作り置きの肉そぼろを使ったオムレツドッグを提供し、昼食にドラゴン肉を用意すると約束した。昼食には赤竜のステーキを使用したステーキサンドを調理し、フェル、ドラちゃん、スイは大満足であった。

冒険者ギルドへの訪問と差し入れ

ムコーダはドラゴンステーキサンドを携え、冒険者ギルドへ差し入れに向かった。ウゴールとエルランドに赤竜のステーキサンドを振る舞い、ウゴールにはさらにお土産として赤竜の肉とパウンドケーキを渡した。エルランドはその厚みの違いに不満を漏らしたが、味の感動に涙を流していた。

森での狩猟と解体修行

その後、ムコーダたちは森へ向かい、フェルたちはブルーブル38体、ジャイアントターキー4体を討伐した。ムコーダはロックバードの解体に挑戦し、概ね成功を収めた。帰還後は、ブルーブルとジャイアントターキーの数に驚きつつ、翌日ギルドでまとめて解体を依頼することに決めた。

ダンジョン報酬の売却と素材買取

翌日、ギルドでエイヴリングのダンジョン報酬として、闇玉や毒素材などを買い取ってもらう手続きを行った。麻痺毒は特に需要が高く、買取品にはジャイアントコックローチやビッグブロンズイグアナの素材も含まれていた。

ギルドでの解体依頼と肉の補充

ムコーダは同時に、ワイバーン2体、ワイルドバイソン2体、ゴールデンシープ3体、ブルーブル7体、ジャイアントターキー1体の解体も依頼した。これにより手持ちの肉は大幅に補充され、さまざまな料理の幅が広がることとなった。

再びダンジョンへ

ダンジョンへ行きたいという仲間たちの強い希望により、ムコーダはフィールドダンジョン手前までの探索を了承した。彼らは早速準備を整え、ドランのダンジョンへと再び足を踏み入れることとなった。料理人としての日常と冒険者としての非日常、その両立が再び動き始めた瞬間であった。

第三章  二度目のドランのダンジョン

再訪したダンジョンと22階層からの攻略開始

ムコーダ一行は2回目となるドランのダンジョンに再挑戦した。冒険者の多い15階層までは無視し、実質的な探索は22階層からと決めて、一気にそこまで駆け下りた。フェルやドラちゃんが各階層のボスを一撃で撃破していたため、時間はかからなかった。

スイの戦闘とトロール・ミノタウロスの討伐

22階層ではスイが先陣を切り、トロールやミノタウロスを酸弾で瞬く間に撃破した。スイは正確な狙撃で巨人たちの頭部や胸部を撃ち抜き、圧倒的な火力を見せつけた。討伐後は仲間たちとともにドロップ品を回収し、次の部屋へと進んだ。

ドラちゃんの活躍と順調な階層進行

24階層に到達した頃には、仲間たちのレベルアップもあり、戦力過剰とすら言える状態であった。各自が交代で戦闘に挑み、特にドラちゃんは火魔法を纏って飛び回り、トロールやスプリガンを圧倒的スピードで撃破した。回収にかかる時間の方が戦闘時間よりも長くなるほどであった。

セーフエリアでの休息とロックバード料理

セーフエリアに到達した一行は、夕食の準備に取りかかった。ムコーダはロックバードの肉を使い、マヨネーズとだし醤油で簡単に味付けをしたマヨ醤油焼きを大量に調理した。こってりとした味付けは仲間たちに大好評で、すぐに完食された。

イチゴフェアのケーキと穏やかな団欒

食後、スイの「ケーキが食べたい」という要望を受けて、ムコーダはネットスーパーからイチゴフェアのケーキを購入した。プレミアムショートケーキやプリンショート、イチゴロールケーキなど、各自が好きなケーキを選び、満足げに味わった。ダンジョン内にもかかわらず、平和な時間が流れた。

ムコーダの戦闘とスプリガンの撃破

巨人ゾーン最終25階層では、ムコーダ自身も戦闘に参加した。トロールをミスリルの槍で討伐した後、スプリガンと対峙することとなった。完全防御スキルの援護を受けつつ、渾身のファイヤーボールでスプリガンを火だるまにし、さらに追撃の火球と槍によって辛くも撃破に成功した。

宝箱の罠とマジックバッグの入手

戦闘後、スイとドラちゃんの呼び声で発見された宝箱は、開封時に落とし穴が作動する罠付きのものであった。ムコーダは鑑定により罠を見抜き、慎重に留め金を外して開封した。その中には時間経過なしの【マジックバッグ(大)】が入っており、貴重な戦利品として入手した。

地上への帰還と報酬の約束

仲間たちは探索の継続を望んだが、フィールドダンジョン突入前という約束を理由にムコーダが帰還を宣言した。その代わりとして、夕食に地竜と赤竜のステーキ、不三家のケーキ5個という豪華な報酬が約束され、一行は不満を抑えて地上へと戻った。

ギルドへの肉回収と高額買取金の受領

ムコーダは冒険者ギルドで、前日に依頼していた素材の回収と買取を行った。冷蔵所ではワイバーン、ワイルドバイソン、ゴールデンシープ、ブルーブル、ジャイアントターキーの肉を引き取り、同時にエイヴリングのダンジョンで得た毒袋や素材の買取で合計金貨4,349枚を獲得した。支払いは白金貨と金貨でなされ、ムコーダは満足のいく取引を終えた。

感謝の手紙とドライフルーツの贈り物

帰路の途中、職員からバスケットを手渡された中には、ウゴールの妻ティルザとその子どもたちミハイルとミラナからの感謝の手紙と、手作りのドライフルーツが入っていた。ティルザからは赤竜の肉とパウンドケーキのお礼が丁寧に綴られ、子どもたちからも拙いながら心のこもった手紙が添えられていた。ムコーダはその内容に心を和ませた。

夕食のドラゴンステーキと過剰なケーキ消費

夕食には約束どおり地竜と赤竜のステーキが振る舞われ、仲間たちは満腹になるまで食べ尽くした。さらにデザートとして不三家のケーキを5個ずつ要求され、フェルはショートケーキ、ドラちゃんはプリンショートとプリン、スイは苺系のケーキで構成された豪華な内容であった。ムコーダはその旺盛な食欲に呆れつつも付き合い、鑑定によって各自のステータス上昇も確認した。

神への供物とデミウルゴスとの対話

夜には創造神デミウルゴスへの供物として、日本酒3本と高級缶詰セットを祭壇に供えた。デミウルゴスは喜びを示し、今後も支援を惜しまないと約束した。ムコーダは神の加護に感謝しつつ、心安らかに眠りについた。

ミートパイ作りと旅の作り置き準備

翌日は旅の準備としてから揚げ、ハンバーグ、味噌漬け、豚汁などの作り置きを大量に調理した。余った合挽き肉でミートパイも作り、焼きたてを仲間たちに提供した。さらに、前日に受け取ったドライフルーツを使ってパウンドケーキも焼き、冒険者ギルドへの差し入れとして用意した。

冒険者ギルドへの挨拶と惜別

ムコーダはパウンドケーキとミートパイを持ってギルドを訪れ、エルランドとウゴールにドランを発つ旨を報告した。ウゴールは冷静に応じたが、エルランドは強く動揺し、ドランを拠点にしてほしいと懇願した。しかしムコーダは丁重に断り、再訪を約束しつつも当面の間この街に戻るつもりはなかった。

ドラン出発と次なる目的地カレーリナ

翌早朝、ムコーダ一行はドランを発ち、初めて異世界で滞在した街・カレーリナへと向かった。ワイバーンの革のマントを受け取る予定に加え、ムコーダ自身の考えもあり、次なる旅路への一歩を踏み出したのである。

閑話  謹慎中の神様ズ

創造神の観察と風の女神ニンリルの禁甘味生活

創造神デミウルゴスは異世界の酒とつまみを楽しみながら、謹慎処分中の神々の様子を観察していた。風の女神ニンリルは、異世界の甘味断ちにより精神的に追い詰められていた。特にどら焼きやプリンへの欲求が強く、過去の自分が残さず食べ尽くしたことを悔やみ、誘惑に駆られるも思い直して耐え抜く決意を固めていた。

土の女神キシャールの美容依存と在庫管理

土の女神キシャールは、美容製品が尽きることへの恐怖に苛まれていた。特に高級化粧水とクリームの残量が乏しく、代替品の使用も視野に入れていた。スキンケアによって手に入れた美肌を維持するため、残されたアイテムをどう配分するかに悩みつつも、乗り切る覚悟を新たにしていた。

火の女神アグニの禁ビール地獄と後悔

火の女神アグニは、ビールが飲めないことに対する強い禁断症状を抱えていた。キンキンに冷えたビールの味を思い出しながら、ぬるいエールでは満足できず、毎日のように後悔を口にしていた。かつて献上されたビールをすべて飲み尽くしたことを悔やみつつも、再び飲める日のために耐えるしかなかった。

水の女神ルサールカの計画的保存と余裕

水の女神ルサールカは、他の神々とは異なりアイテムボックスに保存していた菓子類を少しずつ消費し、平穏な日常を過ごしていた。バニラアイスやバームクーヘンを味わいながら、1か月の謹慎生活を余裕で乗り切る算段を立てていた。特にニンリルに知られないよう、秘密裏に菓子を楽しむ姿は計画性と要領の良さを物語っていた。

鍛冶神ヘファイストスのウイスキー断ちと落胆

鍛冶神ヘファイストスは、ウイスキーの味を知ってしまったがゆえに他の酒では満足できず、落胆していた。ハチミツ酒やエールは物足りず、特にデミウルゴスに没収された12年もののウイスキーへの未練が強く残っていた。ヴァハグンとのウイスキー談義を懐かしみつつも、謹慎期間を耐えるしかなかった。

戦神ヴァハグンの酒恋しさと愚痴

戦神ヴァハグンもまたウイスキー中毒のような状態にあり、甘いハチミツ酒を口にしては苛立ちを募らせていた。謹慎処分に対して不満を抱きつつも、創造神の決定には逆らえず、再びヘファイストスと語らう日を夢見ていた。彼もまた、異世界の酒に魅了されてしまった者の一人であった。

創造神の総評と今後への見通し

デミウルゴスは、各神々が異世界の品々に強く依存している現状を確認した。特にムコーダに対して多くの手間をかけさせていたことを省みる必要があるとしつつも、ムコーダが交流を断ち切るような人間ではないと見込み、謹慎明けに再び関係を調整することを決意していた。週一の供物の継続は難しくとも、神々との付き合い自体は続くであろうと考えを巡らせた。

第四章  ムコーダ、家を買う

カレーリナへの再訪と冒険者ギルドへの挨拶

ムコーダたちはカレーリナの街に戻り、冒険者ギルドへ挨拶に向かった。Sランクのギルドカードを提示することで問題なく入城し、受付嬢やギルドマスターのヴィレムに歓迎された。久々の再会に笑いが交わされ、持ち込んだ魔物の買取や解体を依頼することとなった。

魔物の持ち込みとキマイラ買取の決定

ムコーダはワイバーンやゴールデンシープ、ジャイアントホーンボアなどの魔物を持ち込み、さらに過去に買取を断られたキマイラとオルトロス、ディムグレイライノも提示した。ギルドはディムグレイライノと、キマイラかオルトロスのどちらか一方の買取を受け入れるとし、フェルの意向で食用可能なキマイラが選ばれた。

石鹼とシャンプーの再卸相談

ムコーダはランベルト夫妻の店を訪れ、石鹼とシャンプーの品薄状況に対応すべく、再度ベルレアン並みの数量の卸を約束した。在庫補充は明後日の昼前と決まり、今後の継続的な供給体制についても協議された。

家の購入相談と豪邸紹介の申し出

ムコーダはランベルトに、旅の拠点としての「帰る家」が欲しいと相談した。その結果、ランベルトは商人ギルドで売り出し中の高級物件を紹介した。それは14LDKの母屋と3軒の使用人棟を備える元高位貴族の邸宅であり、家具付き・好立地という好条件で、売値は金貨1万2000枚であった。

豪邸の内覧と仲間たちの反応

商人ギルドのネストリの案内で屋敷を見学したムコーダは、白亜の巨大な邸宅と広大な庭、最新式の水洗トイレや広々とした風呂、高級な調度品に圧倒された。フェル、ドラちゃん、スイはすぐに屋敷を気に入り、庭やベッドで自由奔放に楽しみ始めた。

家購入への心の揺れと決意の兆し

ムコーダは従魔たちの反応に苦笑しつつ、屋敷の広さと設備に心惹かれていた。ランベルトとネストリも勧める中、ムコーダの心にはこの街での新たな拠点として、この邸宅を購入する決意が芽生え始めていた。

白亜の豪邸の購入と鍵の受け取り

ムコーダは商人ギルドにて金貨1万2000枚、すなわち白金貨120枚を支払い、正式に白亜の豪邸を購入した。鍵束には門・母屋・使用人棟の鍵が含まれており、ネストリの説明により引き渡しが完了した。ムコーダ自身は、旅の合間に借りる程度の家を望んでいたが、結果として高額な邸宅を手に入れることとなった。

従魔たちの強い希望と購入の決断

豪邸の見学時、フェル・ドラちゃん・スイの3体は家に強い執着を見せ、ムコーダが他の物件も見たいと告げても耳を貸さなかった。ネストリの案内を終えた後も、彼らはその場を動かず、ムコーダ一人が商人ギルドに戻ることとなった。従魔たちの様子からこの家がよほど居心地よいと判断したムコーダは、やむなく購入を決断した。

ランベルトとの別れと帰路

商人ギルドでの手続きを終えたムコーダは、ランベルトと別れ、購入したばかりの白亜の豪邸へと戻っていった。ランベルトは即金での支払いに驚き、Sランク冒険者としてのムコーダの信用を誇りに思っていたが、当の本人は当初購入の意思がなかったことを内心で愚痴っていた。

豪邸の広さと今後への戸惑い

ムコーダは白亜の豪邸の広さに戸惑いを感じていた。居住者は彼とフェル、ドラちゃん、スイの4体のみであり、多くの部屋が使われる見込みもなかった。自身の希望とは異なる結果に落胆しながらも、すでに購入した事実を受け入れ、今後の生活を見据えていた。

第五章  ムコーダ、奴隷を買う

豪邸の維持に対する悩みと人材の必要性

ムコーダは、石鹼やシャンプーの詰め替え作業を行いながら、突発的に購入してしまった豪邸の維持について深刻に悩んでいた。屋敷は広大であり、庭や使用人棟を含めると一人や二人ではとても管理が及ばず、人手の確保が不可避と判断した。また、ネットスーパーのスキルが外部に漏れるリスクを考慮し、口の堅い信頼できる人材を探す必要性も強く意識していた。

ランベルトの提案と奴隷制度の実態

人材の確保についてランベルトに相談したところ、信頼できる働き手を得るには奴隷を買うのが最適だと提案された。ランベルトは、この国の奴隷制度が登録制と契約制を採用しており、主人・奴隷双方にとって法的に保護されたものであると説明した。とくに守秘義務の契約条項は魔力によって厳格に管理され、違反は即座に発覚する仕組みであった。また、奴隷の中でも一家ごとの購入は恩義を感じやすく、結果としてよく働く者が多いことが示された。

ラドスラフ商会での奴隷選定と購入

ランベルトの紹介により訪れた奴隷商ラドスラフのもとで、ムコーダはリアルメイドとして可愛い女性を希望したが、この国には性奴隷の制度が存在せず、その希望は断たれた。結果として、家族ごとの購入を希望する二組の奴隷家族、トニ一家とアルバン一家を選んだ。両家族は事情を抱えながらも真摯に働く意思を持ち、誠意ある姿勢がムコーダの心を動かした。

戦闘要員の選定と警備体制の強化

続けて、屋敷の安全確保のため戦闘能力を有する奴隷の選定に移った。ギャンブルや酒による借金を抱える者が多い中で、ムコーダは信頼できる候補として以下の五名を選出した:元Bランクの虎獣人のタバサとその双子の弟ルーク・アーヴィン、巨人族の血を引く元Dランク冒険者ペーター、そして強固な信念をもつドワーフのバルテルである。いずれも高い戦闘能力と信頼性を兼ね備えていた。

奴隷との契約と屋敷への帰還

計14名の奴隷と契約を結び、契約には守秘義務を厳格に盛り込んだ。ムコーダは彼らに従魔であるフェル、ドラちゃん、スイを紹介し、屋敷に迎え入れた。今後は家事や庭の手入れに加え、石鹼・シャンプーの管理、警備体制の維持といった各種任務を分担し、屋敷管理を万全にする体制が整った。こうして、ムコーダはようやく屋敷運営の一歩を踏み出したのである。

第六章  お仕事説明会

母屋での自己紹介と従魔たちの紹介

ムコーダは新たに迎え入れた14人の奴隷たちを自宅へ案内し、豪邸の広さと豪華さに一同を驚かせた。母屋のリビングに全員を集め、従魔であるフェル、ドラちゃん、スイの紹介を行い、それぞれの特徴と扱いについて説明した。奴隷たちはフェルの発言と姿に驚きを見せつつも、従魔たちの存在を受け入れていった。

仕事の割り振りとネットスーパーの説明

ムコーダはトニ一家とアルバン一家に掃除と庭の手入れ、石鹼やシャンプーの詰め替え作業を依頼した。また、元冒険者の5人には屋敷の警護を任せると伝えた。その後、固有スキル「ネットスーパー」を初めて奴隷たちに公開し、異世界の品を調達できることを説明した。

支給品と生活用品の配布

使用人用の住居に奴隷たちを案内し、家の割り当てを行った。家には風呂があり、風呂利用のための魔石は後日支給することを伝えた。布団、食器、歯ブラシなどの生活必需品を支給し、使い方を教えた。特に歯磨きについては丁寧に指導し、口臭や虫歯予防の重要性を説明した。

アイヤの病気治療と感動の場面

ムコーダはアイヤの肺の病を見抜き、スイ特製のエリクサー(劣化版)を与えて治療した。元冒険者たちはその価値の高さに驚愕しつつも、ムコーダの行動に感謝と敬意を表した。アイヤの完治により、トニ一家は深く感激し、涙ながらに感謝を述べた。

夕食準備と食卓での交流

夕食にはベルレアンで仕入れた魚介類を用いた寄せ鍋とロックバードの鶏塩鍋が用意された。ムコーダはアイヤ、テレーザ、セリヤと共に準備を進め、ネットスーパーで調達した野菜や調理器具を使用して料理を整えた。使用人たちは現代調理器具の使いやすさに感動し、食事の準備にも積極的に参加した。

鍋料理の完成と和やかな雰囲気

鍋料理が完成すると、香りと見た目に皆が歓喜し、和やかな雰囲気の中で食事が始まった。子どもたちの素直な反応や元冒険者たちのやりとりも加わり、新たな共同生活の良き幕開けとなった。ムコーダは今後も当面は食事を提供することを決め、生活が落ち着いた段階で自炊を促す方針を取った。

鍋料理の提供と皆の驚き

ムコーダは夕食として魚介寄せ鍋とロックバードの鶏塩鍋を用意し、まずはフェルたちに提供した。従魔たちは鍋の味に満足し、〆まで楽しんだ。次にダイニングではトニ一家・アルバン一家、元冒険者組に鍋を振る舞い、その香りと味わいに皆が驚愕した。特にロックバードの肉は高級食材であり、元冒険者たちは滅多に口にできない贅沢品として感動を表した。

食卓での団らんと子供たちの笑顔

寄せ鍋にはアスピドケロンやタイラントフィッシュなどの海の魚が使用され、初めて海の魚を食べたトニ一家とアルバン一家は、その味に感激した。ロッテをはじめとする子供たちは満面の笑顔で鍋を頬張り、アイヤとテレーザは子供たちが満腹になる様子に泣き笑いしていた。元冒険者たちは豪快に食べ、鍋が空になると追加分も即座に平らげた。

鍋の〆料理とラーメン文化の導入

食後には鍋のスープを使って雑炊やラーメンの〆を用意し、卵入り雑炊は特に珍味として喜ばれた。ムコーダは鶏塩ラーメンにバターを落として楽しみ、ラーメンをすする文化を皆に教えた。元冒険者たちはすすり方に苦戦しつつも、美味に感動し、食事の締めくくりを堪能した。

食後のケーキと団らんのひととき

満腹となった面々を見届け、フェルとスイにはさらに作り置きのから揚げやハンバーグを提供した。その後、ムコーダはリビングでコーヒーを飲みながら休憩し、従魔たちは絨毯の上でくつろいでいた。スイの要望からケーキタイムとなり、フェルはイチゴショート、ドラちゃんはプリン、スイはブルーベリータルトとロールケーキを選び、皆でデザートを楽しんだ。

デミウルゴスへの供物選びと神への祈り

ムコーダはネットスーパーでデミウルゴスへの供物を選び、今回は日本酒に加えてワインも献上することに決めた。おすすめのドイツ産白ワインとフランス産ワイン、日本酒2種を選び、さらに缶つまとチーズも添えて段ボール祭壇に供えた。供物は神の手によって淡く光りながら消え、デミウルゴスも満足げな様子を見せた。

入浴と就寝、そして日常の再認識

供物を終えたムコーダはスイとドラちゃんとともに広々とした風呂に入り、快適なバスタイムを過ごした。従魔たちは気に入った様子で湯に浮かび、心身を癒した。入浴後はベッドで就寝したが、自然にフェル、ドラちゃん、スイと共に寝る形となり、豪邸であってもこれまでの日常が変わらず続いていたことに安堵を覚えた。

番外編  幻の酒店

弟子から届いた幻の酒店の手紙と酒

鍛冶師ラディムは、独立した弟子イェルンから半年ぶりに手紙と木箱を受け取った。手紙には「幻の酒店」の存在が記されており、そこで販売される酒はこの世のものとは思えぬほど美味とされていた。ラディムは半信半疑ながら木箱の中の酒を口にし、その香りと味わいに驚愕した。生涯で最も美味いと断言できる酒に出会ったことで、幻の酒店の存在を信じるようになった。

規則に則った訪問準備と信頼する友人への伝達

幻の酒店には厳格な入店規則があり、口外禁止や連れて行ける人数の制限、入店時のマナー遵守が求められた。ラディムはこの重大な秘密を伝える相手として、長年の親友であるラドミールとジェルマンを選び、手紙と酒を示して協力を得た。3人は幻の酒店が現れる兆しを待ち続け、ついに商人ギルドの掲示板に合言葉「炙りカルビ」が掲示されたことで訪問の機会を得た。

酒店の開店とルールの整備

一方、酒店の主であるムコーダは、依頼を終えて滞在中の街で空いた時間を使い、趣味として酒店を開くことにした。食べ物系の屋台は従魔たちの食欲により断念したが、ネットスーパーで豊富な酒が入手可能になったことで、酒専門の店を開くことを決めた。騒動や詮索を避けるため、訪問には合言葉と厳格なルールを設けた。

来店するドワーフと酒の試飲

倉庫を店舗として開いたムコーダの元に、ラディムたち3人が訪れた。合言葉を伝えて入店した3人は、店主の指示に従い静かに行動し、並べられた酒に興奮を隠せなかった。ウイスキー、ブランデー、ウォッカなどの試飲が始まり、3人は一口ごとに香りや余韻、味わいの違いを的確に評した。試飲を終えても酔いの兆候すら見せず、ドワーフの酒耐性が浮き彫りになった。

全種購入という熱意とドワーフの情熱

ラディムたちは厳選どころか、全種類の酒を購入枠上限で買い揃えた。それぞれ5本ずつという大量購入に店主も呆れつつも、割れ物対策として麻袋をサービスした。3人は「さすが幻の酒店」と満足げに去り、ムコーダはドワーフの酒に対する執念と情熱に圧倒されつつも、彼らの存在が店の安泰を保証するであろうと確信した。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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