小説「とんでもスキルで異世界放浪メシ 11巻」感想・ネタバレ

小説「とんでもスキルで異世界放浪メシ 11巻」感想・ネタバレ

どんな本?

高校生の異世界転移に巻き込まれたムコーダは、戦闘面では全くの無能だったので戦争に巻き込まれ無いように別の国へ行く。
その道中に、ムコーダの料理に魅入られた伝説の魔獣フェンリルが仲間に加わり、さらに生まれたばかりのスライムも仲間になる。
その後、中身は中年で見た目は可愛いピクシードラゴンもムコーダの作るご飯に釣られて仲間になってしまう。

アニメ化?

読んだ本のタイトル

#とんでもスキルで異世界放浪メシ 11 すき焼き×戦いの摂理
著者:#江口連 氏
イラスト:#雅 氏

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あらすじ・内容

難関ダンジョンはドキドキがいっぱい?

「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。彼はまたもやフェル達に押し切られる形でダンジョンへ行くことに。今回挑むのは、難関と名高いブリクストの街のダンジョン。「とはいえフェル達もいるし大丈夫だろう」なんて思っていたら、直前になって創造神様から「最下層に危険な奴がいる」という不穏な情報がもたらされるのだった。
そんなこんなで突入したダンジョンだけど、そこは難関ダンジョンに挑む冒険者達で大盛況。フェルに乗ってどんどん先へ進むムコーダ達も、道中では他のパーティーと交流を持つことに。気のいい冒険者が多いけれど、誰もが友好的なわけではなくて……!?
そしてダンジョンで戦えばレベルも上がり、ついにムコーダの第三のテナントが解放! そこには「あの女神様」念願の「あのお店」が!!
「小説家になろう」10億PV超のとんでも異世界冒険譚、いい感じの第11巻!

とんでもスキルで異世界放浪メシ 11

前巻からのあらすじ

盗賊王の宝を発見してその中に日本語で書かれている石板を見つけた。

その転移魔法の事が書いてある本もあった。

ただ、それは日本語で書いてある本だった。

どうやらムコーダと同じく召喚されて、無能だから捨てられたといより、捨てられるように仕向けたようだ。

そして捨てられた後は冒険者として活躍。

そんな中で魔族と出会い、魔族が多く住む大陸に行ったらしい。

そんな事を知りながらエルマン王国に行くのだが、そこの街のギルドマスターがムコーダに泣きついて来た。

緊急クエストを受ける。

それとヒルシュフェルトの孤児院の話もある。

感想

いよいよブリクストの難関のダンジョンに突入するムコーダ一行。

ダンジョンの上層では、いままでムコーダはパーティー単独で狩をしていたせいで、1番幼いスイはサーチ&デストロイのクセが付いてしまって。

他の冒険者が戦っているのに横取りするように酸玉を命中させる。

スイからしたら魔獣は悪い奴だから発見次第攻撃するのが当たり前になっており。
ムコーダが他の人達が戦ってる間は邪魔をしたらいけないと言われても理解が出来ない。

それで、セーフティーゾーンでスイに改めてやってはいけないとスイに説明。
他のセーフティーゾーンにたまたま居た冒険者達からも、助かったけど横入りだったと言われて。

スイも他の人から言われてルール違反だと理解して冒険者達に「ごめんなさい」と言ってトラブルは回避出来た。

そして、デミウルゴスの神託で教えてもらった20階層でボーナス的な宝物をゲットして。
次にデミウルゴスに御供えする物を豪華にすると決めるムコーダ。

そして更なる下層へ行くムコーダ達だったが、そこで上位の冒険者達と交流する。

パーティー名”ペンタグラム”は一流とはいえまだ下位のパーティーだったが。

ムコーダ達と友好的で、セーフティーゾーンで料理をしていた時にセーフティーゾーンに雪崩れ込んで休憩していたら、ムコーダの料理の匂いで腹を盛大に鳴らして御相伴に預かる。

ダンジョンの下層で暖かく美味しい料理が食べれたと大満足して。
ダンジョン下層の事をわかる限りムコーダに教えてもくれた。

ただ、ペンタグラムのような友好的なパーティーもいれば、非友好的なパーティーもいた。

最下層記録を更新していたパーティーが猛追して来たムコーダに、戦闘中のドサクサにテイマーのムコーダを狙って弓で狙撃したが、フェルの張った結界に弾かれてしまう。
ムコーダは流れ矢が来た程度にしか思っていなかった。

それでもムコーダを害そうとしたパーティーだったが、フェルとドラちゃんの強烈な攻撃を見て逃げて行ってしまった。

そしてムコーダに抜かれる前に下層に行ったら、、
無理をして全滅してしまう。
それをボス部屋でパーティーの剣を拾って気がつくムコーダは複雑な感情を持て余す。

その後、蚊の魔物が血を求めてムコーダに集まるのだが、ムコーダはネットショップから殺虫剤を購入してスプレーをしまくると蚊の魔物がバタバタと落ちて行く。

さらにアリの魔物を見つけると、燻煙タイプの殺虫剤をアリの巣にセットして女王アリ以外は全滅。
そのおかげでムコーダはレベルアップしてキシャールが希望する化粧品関係に強いドラックストアを拡張する。

そして、広大な森のゾーンの40階層を通って。

地上に出て、全滅した冒険者パーティーの事をギルドに報告して今巻は終わる。

1つのダンジョンで2巻続くか、、
珍しい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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展開まとめ

第一章  ブリクストのダンジョン突入

不安を抱えながらの出発

ムコーダは、創造神デミウルゴスから聞かされた話が頭を離れず、不安を抱えながらブリクストの冒険者ギルドへと向かっていた。隣を歩くフェルや飛行するドラちゃん、フェルの背に乗ったスイはいずれも上機嫌で、ダンジョン踏破に意欲を燃やしていた。ムコーダは最下層まで行く必要性に疑問を抱いたが、フェルは好敵手との戦闘に期待を膨らませ、ドラちゃんも自信満々であった。ムコーダは神の警告を真摯に受け止めていたが、仲間の勢いに押され、せめて中層までにとどめる案は退けられた。

冒険者ギルドでの対応と情報収集

ブリクストの冒険者ギルドは、ダンジョン都市であるドランやエイヴリングの施設よりも大きく、朝から混雑していた。ギルド内に入ったムコーダ一行は注目を集めつつ、空いた窓口に並んだ。待機中、ダンジョンの人気や宝石・貴金属の換金価値について念話で情報交換が行われた。これらの品は冒険者にとって有力な収入源であり、ムコーダが利用するネットスーパーやニンリルの教会への寄付にも貢献するとの話から、フェルとドラちゃんはさらにやる気を強めた。

ギルドマスター・トリスタンとの面会

混雑する中、騒がしく現れたのは太鼓腹の中年男性であり、彼はブリクストの冒険者ギルドのギルドマスター・トリスタンであった。彼はカレーリナからの連絡を受けており、ムコーダ一行を歓迎して二階の執務室へと案内した。トリスタンは商人のように腰が低く、ムコーダがダンジョンへ向かう旨と地図購入の希望を伝えると満面の笑みで応じた。ブリクストの特産である宝石や貴金属は貴族に人気で常に品薄のため、それらの買取には特に力を入れていると語り、過去に入手していた宝石類の売却も可能と示唆された。

転移石とダンジョン突入の準備

トリスタンの案内により、ギルドから徒歩15分の位置にあるダンジョンへ向かう途中、ムコーダはデミウルゴスから言われた「20階層の探索」を仲間に伝えた。その上でトリスタンから聞いた情報や配布された地図をもとに検討した結果、まずは転移石で20階層を探索することに決まった。地図上では22階層までの情報が整備されており、それ以降は不完全であったが、ムコーダは20階に隠し部屋の存在を予想した。

20階層への転移と出発

21階層以降の魔物に興味を示さなかったフェルとドラちゃんは、20階層の探索に焦点を絞ることに同意した。探索後は一度入口に戻り、そこから30階層へ転移する計画が立てられた。ムコーダが所持する多用途の転移石は箱舟の仲間から譲り受けたもので、その利便性が今回の行動を可能にした。到着したダンジョンでは、トリスタンの権限により転移石専用の部屋へ優先案内され、待機なしで内部に入ることができた。部屋には魔法陣と円柱が設けられ、転移石を使って階層を指定する形式であった。トリスタンは笑顔で激励の言葉を残し、ムコーダ一行は20階層への探索に臨むこととなった。

第二章  スイの大活躍?

ダンジョン20階層への転移と探索開始

ムコーダ一行は転移石によりブリクストのダンジョン20階層へ転移した。階層内はエイヴリングに似た構造を持ち、広さは倍以上であった。フェルの提案によりムコーダは彼の背に乗り、スイも頭上に陣取って探索を開始した。敵として出現するガーゴイルは動きが鈍く、物理・魔法耐性が高いが、小さな宝石を落とすことがあるとされていた。戦闘の大半はスイが任され、ムコーダは注意を払いながら進行を見守った。

戦闘中の冒険者との接触とスイの暴走

通路には多くの冒険者が活動しており、ムコーダ一行は彼らと接触しないよう配慮しつつも高速で進行した。しかしスイは悪意ある魔物に反応し、冒険者との戦闘中にガーゴイルへ攻撃を加えてしまった。ムコーダはドロップ品を巡る利害関係やトラブル防止の観点から、スイに介入を控えるよう諭したが、スイはすぐには納得せず、介入を続けてしまった。

冒険者の救助と報酬辞退の決断

進行中、ガーゴイルに挟撃され危機に陥っていた冒険者パーティーを発見したムコーダは、スイに援護を指示し全魔物を撃退させた。救助された冒険者たちは礼を述べ、ドロップ品の譲渡を申し出たが、ムコーダは他の冒険者との接触で横取りと誤解されかねない事例が多発したため、全ドロップ品の放棄を決定した。セーフエリアにいた他の冒険者たちもこの件に安堵し、ムコーダに忠告を与えつつ和解が成立した。

スイへの教育と食事の準備

セーフエリアにて休息を取ったムコーダは、スイに横取り行為の問題を例え話で理解させ、今後の改善を誓わせた。その後、従魔たちに食事を提供する準備を行い、寸胴鍋で作ったボロネーゼをコッペパンに挟んで供した。フェルたちが美味そうに食事する様子に冒険者たちは関心を示し、話題に上った。噂されていたフェンリルやドラゴン、スライムの存在も判明し、場が和やかになった。

残る未探索箇所とボス部屋での対立

探索は順調に進んだが、デミウルゴスの示唆した異変を発見できぬまま終えたため、ムコーダは地図をもとに未探索であるボス部屋への到達を目指した。ボス部屋前には他の冒険者パーティーが待機しており、討伐後の再出現まで約2時間のクールタイムが必要とされていた。この待機時間を巡ってフェルとドラちゃんの間で責任の押し付け合いから口論が発生し、ムコーダは二人に謝罪させるため次回の食事を抜くと宣言し、和解に成功した。

ボス部屋突入の交渉決意

争いを収めたムコーダは、異変の有無を直接確認する必要性と仲間の納得のため、待機中の冒険者たちとの交渉により先行してボス部屋へ入場する策を取ることを決めた。フェルも近距離での確認には賛成し、ドラちゃんも納得を示したことから、ムコーダは一人で交渉に向かうこととなった。

ボス部屋への同伴交渉と即決の快諾

ムコーダは先に並んでいた冒険者パーティーに対して、ボス部屋での戦闘をすべて一行が引き受け、ドロップ品を相手に譲る条件で同行を願い出た。冒険者たちは相談の末、この提案を受け入れた。2時間のクールタイムを経てボス部屋が再度稼働すると、両者は合流し入室した。

スイの圧倒的な戦闘と異変の否定

部屋には30体近いガーゴイルが待ち構えていたが、スイが酸弾を二丁拳銃のように連射して瞬時に殲滅した。冒険者たちはその圧倒的な戦闘力に驚愕し、言葉を失った。フェルは部屋内に異変は無いと断言し、ムコーダたちは冒険者に礼を述べてボス部屋を後にした。

隠された通路の発見と探索

その後の探索中、フェルが気配に違和感を覚えたことで一行は行き止まりの通路に注目した。壁や床を調査するも仕掛けは見当たらず、ドラちゃんの指摘により天井を確認したところ、隠されたスイッチが発見された。作動させると壁が開き、新たな通路が現れた。

巨大ガーゴイルとの遭遇と宝の発見

通路の先にあった広間では、通常の倍の大きさを持つガーゴイル3体が待ち構えていた。スイが酸弾を発射して即座に撃破し、そのドロップ品として大粒のルビー、サファイア、エメラルドを得た。さらに、古びた宝箱の中から金の延べ棒十数本を発見した。

デミウルゴスの啓示と報奨の意義

デミウルゴスは念話を通じて、ここが一回限りのボーナスステージであると明かした。ムコーダはその恩恵に感謝し、次なる供物の準備を誓った。得られた宝石と金は高い換金価値を持ち、一行にとって大きな収穫となった。

次なる階層への準備とスイの決意

探索を終えた一行は、次なる30階層への転移を決定した。そこにはゲイザーという魔物が出現するとされており、フェルとドラちゃんは興味を示さず戦闘をスイに任せた。スイはそれを快諾し、次の戦闘に向けて意気込みを見せた。ムコーダはその姿に苦笑しつつも、準備を整えて次なる階層へと向かうこととなった。

第三章  ペンタグラム

30階層でのゲイザーとの遭遇

ムコーダ一行はダンジョンの20階層から30階層へと転移した。新たな階層でも布陣は従来通りで、薄暗い石壁の通路を進んだ。進行中に巨大な目玉を持つ魔物ゲイザーと遭遇したが、スイの酸弾で即座に撃破された。ゲイザーは状態異常攻撃を行う魔物であったが、ムコーダたちは神の加護により無効化していた。撃破後、緑色のヒスイをドロップしたため、ゲイザーの特徴や戦利品についての確認が行われた。

30階層の探索とボス戦の攻略

ゲイザーとの戦闘を経て、30階層の敵の弱さとドロップ品の興味の薄さから、ムコーダたちは最短ルートでボス部屋を目指すことに決定した。途中のゲイザーも全てスイが撃破し、ドロップ品はドラちゃんが回収した。ボス部屋には他の冒険者はおらず、複数体のゲイザーが待ち構えていたが、スイの酸弾連射によって即座に殲滅された。戦闘後、仲間からの称賛にスイは喜びを露わにし、ムコーダはスイの成長に戸惑いながらもドロップ品を回収した。

31階層の宝石ドロップと冒険者パーティーとの遭遇

次なる階層では、ストーンゴーレムが出現し、フェルによって瞬殺された。ドロップ品としてトパーズが得られ、宝石の価値について話題になった。進行中には他の冒険者パーティーの戦闘現場を目撃し、彼らがゴーレムからのドロップ品に歓喜する様子を見たムコーダは、ギルドマスター・トリスタンの言葉を思い出した。この階層では宝石が確実に得られるため、物理戦闘型の冒険者に好まれる階であると理解した。

31階層のボス戦とスイの斬撃魔法の習得

フェルの指示により、ムコーダ一行はこの階層も最短距離で進み、途中でストーンゴーレムに追われながらも容易にボス部屋へ到達した。スイはフェルの助言で水の斬撃魔法「ウォーターカッター」を用い、複数のゴーレムを次々と切断して撃破した。仲間たちの評価も高く、ムコーダはスイの戦闘力向上に複雑な思いを抱きつつ、宝石を回収した。

32階層でのアイアンゴーレム初登場

32階層では、まずストーンゴーレムをスイが瞬殺し、続いてアイアンゴーレムが出現した。ドラちゃんの擬似ドラゴンブレスによって高温で頭部を溶かされ、アイアンゴーレムも撃破された。ドロップ品として魔石と鈍い銀色の塊があり、鑑定によってそれが魔鉄の素となるアイアンゴーレムの欠片であることが判明した。以降、ストーンゴーレムはスイ、アイアンゴーレムはドラちゃんが担当し、それぞれ次々と撃破を重ねた。

33階層でのスイの拗ねとドラちゃんの活躍

33階層ではアイアンゴーレムが主に出現し、ドラちゃんの擬似ドラゴンブレスが大活躍した。戦闘の出番が減ったスイは一時的に機嫌を損ねたが、ムコーダやフェルの言葉により気持ちは回復した。一行は難なくボス部屋直前まで進んだが、ドラちゃんの空腹によってこの日は探索を打ち切り、セーフエリアでの休息に入った。

セーフエリアでの食事準備と新たな出会い

セーフエリアでは、フェルたちの希望によりムコーダがその場で食事を作ることになった。リクエストを受けてムコーダは食パンピロシキを調理し、その香ばしい匂いに引き寄せられて別の冒険者一行がセーフエリアへと駆け込んできた。彼らはムコーダの非常識なまでの食事準備に驚愕したが、事情を知ると噂に聞いていたSランク冒険者ムコーダであることに納得した。

冒険者たちとの交流と食事の提供

冒険者たちは食事の香りに抗えず、腹の虫が盛大に鳴る事態となった。ムコーダは申し訳なさを感じつつ、冒険者たちにも食パンピロシキを提供することに決めた。従魔たちは食事に満足し、ムコーダはトリオへの給餌と冒険者一行への配慮に追われながら、食事の第二陣の準備に取りかかった。こうして、ダンジョンの深層部でも変わらぬ日常を維持しつつ、ムコーダ一行の探索は続いた。

Aランク冒険者パーティー「ペンタグラム」との出会い

セーフエリアでムコーダの料理を堪能していた五人組の冒険者パーティー「ペンタグラム」は、夫婦であるアレクとファティマ、細身のアクセルと彼に好意を寄せるアデルミラ、ドワーフのサムエルから構成されていた。彼らはこの街を拠点にダンジョン攻略を続け、最近Aランクに昇格したばかりであった。サムエルが所持する魔鉄製のハンマーに触発されたアレクとアクセルは、自らの武器を強化するためにアイアンゴーレムの欠片を求めて32階・33階層への挑戦を決めた。

戦果と困難、そして迷走の経緯

ストーンゴーレムは難なく討伐できたものの、33階層ではアイアンゴーレムが三体から四体同時に出現する事態に直面し、彼らは戦闘を断念して撤退を選んだ。その結果、得られたアイアンゴーレムの欠片はわずかであり、当初の目的は達成できなかった。さらに、アイアンゴーレムとの交戦の影響で元の階段に戻ることができず、すでに二日間この階層を彷徨っていた。

ムコーダの助言とボス部屋の位置の告知

ムコーダの料理によって回復したペンタグラムの面々に対し、彼はこの場所がボス部屋のすぐ近くであることを明かした。その事実に彼らは大きな落胆を示したが、ムコーダは道順の一部を教え、彼らの無事を祈って見送った。

ダンジョンの現状と先行情報の共有

ペンタグラムとの会話から、ダンジョンの現状として、現在34階層以降を探索しているのはムコーダたちを含む二組のみであり、35階層を探索中だった別のパーティーは、オーガによりメンバーの一人が片腕を失い撤退していたという情報が得られた。また、37階層には国屈指の実力を誇るSランク混成パーティーが先行していることも明らかとなった。

34階層での戦闘とオーガの危険性

34階層ではオーガが主な敵であり、ムコーダ一行はフェルの戦闘参加により殲滅戦を展開した。特殊個体を含むオーガも出現したが、スイとドラちゃんが瞬時に討伐し、フェルはオーガキングの登場を待ちわびた。オーガは人間を好む性質があり、ムコーダを狙って接近する個体もいたが、スイの献身により撃退された。ドロップ品には魔石とオーガの皮が含まれていたが、あまり喜ばれるものではなかった。途中の部屋では罠付き宝箱も発見され、ムコーダの鑑定により回避され、中粒の宝石を含む装飾品を得た。

35階層での大量のオーガ出現と連携戦闘

35階層では数多のオーガが出現し、ムコーダ一行は前方をスイとドラちゃん、後方をフェルが担当する形で迎撃にあたった。それぞれが魔法や物理攻撃で大量のオーガを確実に倒し、進行を進めた。オーガキングはなかなか出現せず、進行速度は遅れたものの、敵の殲滅には成功していた。

ボス部屋でのオーガキングとの対峙とムコーダの戦闘

ボス部屋では、オーガキングを中心に多くのオーガが集結していた。フェルはオーガキングとの戦闘を買って出て、雷魔法で一撃のもとに倒した。一方、ムコーダは初のダンジョン戦闘として、フェルたちに強制的に一体のオーガとの戦闘を命じられた。恐怖で腰が引けつつも、スイ特製の槍を用いて命中させ、結果的に自力で討伐に成功した。

戦闘後の評価とムコーダの自覚

フェルはムコーダの戦闘の様子を非効率だと評し、ドラちゃんとスイも彼の戦闘能力には期待していなかったが、支える姿勢を見せた。ムコーダ自身も自分が戦闘には向いていないことを痛感し、従魔たちの存在に支えられながら、今後の探索への不安と向き合っていた。

第四章  実力派冒険者パーティー?

ブラックドッグの猛襲とその撃退

36階層に降り立った一行は、凶悪な魔物ブラックドッグの群れと遭遇した。風魔法で加速し、恐慌状態を引き起こす遠吠えまで持つブラックドッグは、逃走も困難な危険な存在であった。ペンタグラムの警告通り、この階層は戦力と体力の消耗が激しくなる構成となっていた。先行して襲いかかってきた群れをフェルが一掃し、その後もドラとスイが戦闘の主軸を担いながら、ついにボス部屋へと到達した。

スイによるボス戦での活躍

ボス部屋には上位種のブラックドッグが待ち受けていた。状態異常を無効化する神の加護に守られたスイは、恐慌や失明の効果を受けることなく奮闘し、全てのブラックドッグを撃破した。特に上位種との一騎打ちでは、スイの酸弾が直撃して一撃で決着をつけた。その戦果に一行は驚きつつも、ドロップ品が少量の魔石に限られるというペンタグラムの情報の正確さを改めて確認した。

ギガントミノタウロスとの初遭遇と狩猟開始

37階層に進んだ一行は、巨大なギガントミノタウロスと遭遇した。Sランクの強敵であったが、美味な肉が手に入ると知るや否や、フェル・ドラ・スイは戦闘に熱を上げた。三者による集中攻撃により、ギガントミノタウロスは瞬く間に沈み、そのドロップ品である肉塊を獲得した。

実力派冒険者パーティーとの邂逅

探索中、先行していたとされる実力派冒険者パーティーがギガントミノタウロスと戦っている現場に遭遇した。一行は邪魔にならぬよう脇道から通り抜けようとしたが、その際に矢が足元に落ちてくるという一幕があった。事前にフェルが張った結界によって被害は避けられたが、フェルとドラはその一件に何らかの意図を感じていた。

実力派パーティーの不満と陰謀

一行が去った後、実力派パーティーは自分たちの先行が脅かされたことに苛立ちを見せた。特にフェンリルを連れたテイマーであるムコーダへの嫉妬と敵意が露わになり、リーダーが戦闘の最中に「禁じ手」を使うよう指示していたことも明かされた。エルフの矢による攻撃はムコーダに届かなかったが、仲間内での確執が浮き彫りとなった。

肉を求めて続く狩猟とその成果

その後も一行はギガントミノタウロスの狩猟を続けた。肉のドロップ率が低く、皮や魔石のみの回収に落胆する場面もあったが、それでも彼らの狩猟意欲は衰えなかった。フェルたちは「次にいつ手に入るかわからない」として、徹底的な狩猟を続行した。ムコーダは振り落とされそうになりつつも、スイの励ましを受けながら探索を続けた。

次なる戦いへの布石

ギガントミノタウロスの肉の美味しさを堪能した一行は、満足するどころかさらなる狩猟に闘志を燃やした。満足できる量を得るため、次の日も狩猟を続けることが暗黙の了解とされた。その意気込みと対照的に、実力派パーティーの内情は不穏さを増し、今後のダンジョン内での接触が波乱を呼ぶことを予感させていた。

ギガントミノタウロス狩りと圧倒的な力の誇示

フェル、ドラ、スイの無敵トリオは、ギガントミノタウロスを次々と一撃で討伐し、肉を収集する作業を続けていた。そんな中、背後から近づく殺気をフェルたちは察知し、冒険者パーティーが自身を亡き者にしようとしていることを看破した。フェルは直接的な報復ではなく、圧倒的な力で相手の心を折る作戦を選択し、仲間とともにギガントミノタウロスを瞬殺した。その様子を間近で見た冒険者たちは恐怖に駆られ、その場から逃走した。

冒険者パーティーの動揺と撤退の決意

一行の力に圧倒された実力派冒険者パーティーはセーフエリアに逃げ込み、フェンリル、ドラゴン、スライムの実力を思い知った。彼らは自分たちの策略が完全に見抜かれ、あえて無言で実力差を見せつけられたことを理解した。動かずに魔法を放ったフェル、強力な氷魔法を放つドラ、そして予想外に強力なスイに対して恐怖を抱いた彼らは、これ以上関わらないことを決め、この階層を早急に離脱して先を目指す方針へと切り替えた。

ボス部屋への移動と食事準備

ギガントミノタウロスの肉をある程度確保したことで、フェルたちはボス部屋へ向かうことを決定した。移動中もすべての敵を討伐しながら進み、さらに多くの肉塊を入手した。一行がボス部屋に到達すると、扉が開かず、すでに他の冒険者が戦闘中であることを察した。そのため一旦休息を取ることになり、近くのセーフエリアで宿営することとなった。

ギガントミノタウロスのすき焼きとフェルたちの会話

休憩中、ムコーダは夕食としてギガントミノタウロスの肉を使ったすき焼きを調理した。無敵トリオはその香りに魅了され、喜んで食事を楽しんだ。食後、フェルとドラは念話で、扉の魔力構造を見抜いていたにも関わらず、冒険者たちを助けなかったことを語り合った。彼らは、敵意を向けた相手に手を貸す義理はなく、自業自得であるという冷徹な姿勢を取っていた。

ボス部屋での絶望的戦闘

同じ頃、ボス部屋に入った冒険者パーティーは、予想を遥かに超える12匹のギガントミノタウロスに囲まれていた。脱出は不可能であり、生き残るためには戦うしかない状況に追い込まれた。各自が死を覚悟しつつも、生還とダンジョン踏破への執念を胸に戦いを開始した。激しい衝突の末、戦場に残っていたのは4匹のギガントミノタウロスであった。

第五章  肉好きトリオ歓喜

ギガントミノタウロスとの激戦と戦利品

ムコーダ一行はボス部屋に再突入し、12体のギガントミノタウロスとの戦闘に臨んだ。フェル、ドラちゃん、スイはそれぞれ中央・右・左に分かれて敵を瞬時に殲滅し、肉塊3つを含む豊富なドロップ品を入手した。中には先行していた冒険者パーティーの遺品と思しき武器があり、彼らの全滅が判明した。ムコーダはその死に思いを馳せつつも、仲間の存在に励まされ、遺品をギルドへ持ち帰ることに決めた。

次階層での再戦と肉塊の大量収穫

38階層に進むと、再びギガントミノタウロスと遭遇した。通路を埋め尽くすような敵の大群に、肉好きトリオは大喜びで突撃した。多数の敵を次々と倒し、得られた肉塊の数は三桁に達した。これにより、しばらくは食料に困ることはないとムコーダは安堵した。

新たな脅威・巨大蚊の出現と対策

39階層では森のような光景が広がり、ヴァンパイアモスキートと呼ばれる巨大な蚊が現れた。彼らは人間の血を好み、ムコーダに執拗に襲いかかった。結界によって被害は防がれていたが、その数は膨大であり、ムコーダは自ら戦闘に参加することを決意した。ネットスーパーで殺虫剤を購入して噴射したところ、効果はてきめんで大量の蚊を駆除することに成功した。

蚊取り線香の導入による持続的駆除

さらなる対策としてムコーダは蚊取り線香をネットスーパーで購入し、フェルの結界の外周に設置した。匂いに顔をしかめるフェルをよそに、効果は抜群で残っていた蚊も次々と倒れていった。ムコーダはこの安心感の中で、夕飯の支度に取りかかった。

他人丼の調理と食事風景

夕飯には、ギガントミノタウロスの肉を使った他人丼をムコーダが調理した。待ちきれず料理を見守るフェルたちに苦笑しながらも、手際よく具材を仕込み、美味しく仕上げた。他人丼は皆の口に合い、絶賛された。

食べ比べと満足感

さらなるリクエストに応じて、ムコーダはダンジョン牛とダンジョン豚の肉を使った他人丼も提供した。どの肉も美味であり、肉好きトリオは満足気に食事を楽しんだ。結局、どれが一番かという問いには「全部美味い」という答えに落ち着いた。ムコーダは準備の手間を思いつつも、皆の笑顔に安堵した。

蚊取り線香の効果と蟲系対策の準備

フェルたちが食後の飲み物を楽しむなか、蚊取り線香の効果によってヴァンパイアモスキートの姿はほとんど見られなくなっていた。ムコーダはその有効性に着目し、ネットスーパーでハエやムカデ、クモ、ハチに対応した複数の殺虫剤を購入し、アイテムボックスに常備した。森のダンジョン内では蟲系魔物との遭遇が予想されるため、事前の備えとして妥当な対応であった。

ムコーダの急激なレベル上昇

殺虫剤や蚊取り線香を用いた戦闘が経験値として加算され、ムコーダのレベルは前回の78から85へと大幅に上昇していた。フェルがその変化に気づき、ムコーダ自身もステータスを確認して驚愕した。ヴァンパイアモスキートの数の多さと、神から授かった「獲得経験値倍化」スキルがその要因となっていた。

固有スキルの変化と今後への不安

レベル85到達に伴い、ムコーダの固有スキル「ネットスーパー」の表示に「+1」が付与されていた。この変化は以前の経験から特定のイベントの発生を予感させるものであり、ムコーダは地上に戻った際に厄介な展開が待ち受けている可能性を憂慮した。また、ネットスーパー内のテナント機能に関連する問題にも思い至り、不穏な気配を感じていた。

第六章  ちょっぴりブラックなムコーダ


蟲だらけの階層とダンジョンコアの意図

フェルたちは蟲系魔物の多さに違和感を覚えたが、ダンジョンコアの意図によりこの階層が「蟲の森」として構成されているとムコーダは推測した。フェルの説明によれば、ダンジョンは魔素の濃い場所に自然発生し、成長の末にダンジョンコアが生まれることで階層構造や魔物の性質が決まるとのことであった。

スイの活躍と蟲系魔物の討伐

進行中、スイが積極的に蟲系魔物を討伐し、討伐後のドロップ品はドラちゃんが回収した。登場した魔物はジャイアントセンチピード、ポイズンスネイル、ジャイアントスラッグなどであり、ビッグフォレストリーチというヒル型魔物の雨のような襲来は、ムコーダとドラちゃんに強い嫌悪感とトラウマを残した。

フォレストアーミーアントの出現と危険性

森の中で唯一見かけた獣系魔物レッドボアが、フォレストアーミーアントの集団に捕食されていた。これにより、この蟻型魔物が周囲の魔物を駆逐している実態が明らかとなった。フェルとドラちゃんの見解では、フォレストアーミーアントは集団で狩りを行う危険な存在であり、安易に手を出すべきではないとされた。

巣の殲滅作戦と殺虫剤の投入

ムコーダはネットスーパーで購入した燻煙型の殺虫剤を用いて巣の殲滅を試みた。フェルの結界とドラちゃんの風魔法の協力により、煙は効果的に巣の奥深くまで到達し、作戦は順調に進行した。待機中にはケーキを食べて時間を潰し、仲間たちは甘味に満足していた。

巣内への突入と大量のドロップ品

殺虫剤の効果により巣内のフォレストアーミーアントは全滅していた。仲間たちは巣内の各部屋でドロップ品である頑丈な顎を大量に回収した。最後の部屋にはクイーンフォレストアーミーアントが生き残っており、ムコーダがスイ特製のミスリル槍で止めを刺した。

宝箱の発見と希少アイテムの入手

クイーンの死後、その背後から古びた宝箱が現れた。中には「解呪のペンダント」が収められており、あらゆる呪術を一度だけ無効化できる貴重なマジックアイテムであった。ムコーダは神の加護(小)だけでは不安を覚えていたため、このペンダントを自身の装備とすることにした。

森での戦闘と再びの肉料理

巣から脱出した一行は、再び森を進みながらスイの活躍でジャイアントキラーマンティスやヴェノムタランチュラなどの魔物を討伐していった。距離を置いたことで獣系魔物も出現し、肉や皮のドロップ品も手に入った。夕食にはギガントミノタウロスの肉を使い、炭火焼ステーキが振る舞われた。

ステーキに群がる仲間たちと塩の工夫

炭火焼ステーキはフェルたちの期待を集め、焼き上がる前から彼らはよだれを垂らして待ち構えていた。次々と焼かれるステーキには、ニンニク、玉ねぎ、バター風味のステーキ醤油が使われ、彼らの食欲をさらに刺激した。ムコーダは自身の分にわさび塩とレモン塩を用いて食べ比べを楽しみ、その美味しさを堪能した。

塩の味見で再燃する食欲

ムコーダが使っていた塩に興味を示したフェルたちは、再び炭火焼ステーキを求めて群がった。わさび塩とレモン塩の風味が肉と絶妙に合い、食欲を刺激し続けた。最終的には満腹となり、一行は満足感に包まれてその日の夕食を終えた。

第七章  スイ激オコ

森の継続探索とスイの活躍

ムコーダ一行はダンジョン内の広大な森を引き続き探索していた。魔物は引き続きスイが単独で撃破し、フェルやドラちゃんの出番はなかった。AランクやSランクの魔物も出現したが、スイが瞬時に倒していたため進行は順調であった。フェルによると、ようやく森の半分を越えた段階であった。

39階層ボス・4アームズベアーとの戦闘

2日間の移動の末、ムコーダたちは森を抜け、その先でボスである巨大熊型魔物・4アームズベアーと遭遇した。フェル、ドラちゃん、スイが連携して一斉攻撃を行い、瞬時に撃破した。しかしドロップ品に肉が含まれておらず、一行は落胆した。

2体目の4アームズベアーとの再戦と肉の入手

洞窟の入口でムコーダはもう1体の4アームズベアーと遭遇し、恐怖のあまり動けなくなったが、三体の仲間が再び攻撃を加えて撃破した。今回は肉を含むドロップがあり、皆が喜んだ。ムコーダは魔石や爪なども忘れずに回収した。

40階層の新たな森と魔物たち

40階層もまた広大な森であり、魔物は虫から獣へと変化した。出現した魔物はスイが次々と倒していき、一行は危なげなく進んだ。日暮れにより探索を中断し、夕食は熊鍋となった。

熊鍋の調理と評価

ムコーダは旅館で学んだ熊鍋のレシピをもとに、4アームズベアーの肉で鍋を調理した。肉は臭みや硬さもなく美味であり、皆が満足する味に仕上がった。ただし、ミノタウロスの肉の方が美味であるという共通認識も生まれた。

森の突破と金色の鹿・ズラトロクとの遭遇

3日間の探索で40階層の森を突破した一行は、ボスである金色の鹿型魔物・ズラトロクと対峙した。かつてドラちゃんが実を盗んで雷撃を受けた因縁が語られ、ズラトロクが紫の果実を大切にしていることが判明した。

スイの暴走とズラトロク撃破

スイはズラトロクの足元に勝手に移動して果実を求め、激怒したズラトロクに雷撃を浴びせられた。しかし無事だったスイは怒り、酸弾でズラトロクを撃破した。ムコーダはスイを叱りつつも、その強さに驚嘆した。

果実の収穫と転移石の入手

スイが気に入った紫色の果実・ヴィオレットベリーをムコーダたちは大量に収穫した。途中で再出現したズラトロクもフェルが即座に撃破した。ドロップ品としてズラトロクの角や毛皮、転移石2種を入手した。

地上への帰還と再突入の懸念

転移石を用いて地上へと帰還したムコーダたちは、神への供物のためにいったん休息を取ることにした。しかし、次回の転移は40階層からとなり、再び広大な森を突破しなければならない事実にムコーダは絶望した。一方でドラちゃんは戦闘再開を喜んでいた。

第八章  ついにテナント 3が……

冒険者ギルドでの報告と情報提供
ムコーダはダンジョンから戻った後、冒険者ギルドへ報告に向かった。受付に伝言を頼む予定であったが、ギルドマスター・トリスタンに見つかり、そのまま応接室へ案内された。ムコーダは40階層までの到達と転移石の入手について報告し、ギルドの最高記録更新となった。37階層で見かけた冒険者パーティーの遺品についても渡し、その死の事実を伝えた。トリスタンは深く肩を落としたが、遺族への対応と武器の扱いはギルドで引き受けることとなった。

下層階層に関する情報交換
トリスタンは40階層以降の詳細な情報を求め、ムコーダは各階の構造や魔物について語った。37階層ではギガントミノタウロスが登場し、その肉や素材が高価であることが確認された。38階層では同魔物の数が激増し、39階層は蟲の森であり、ボスとして4アームズベアーが登場した。特にその肝は高級精力剤の材料であり、貴族に人気があるとトリスタンは語った。素材の一部は売却予定であるが、まずは整理が必要との旨をムコーダは述べた。40階層ではズラトロクが出現し、金色の角と毛皮は極めて希少であった。ムコーダは2体分を所持しており、トリスタンは驚嘆した。

風呂での団欒とレベル確認
ギルドを後にした一行は屋敷へ戻り、夕食と入浴を済ませた。フェルは風呂を嫌がりつつも、結局は洗われて機嫌を取り戻した。その後、フェルたちは先に就寝し、ムコーダは1人でステータスを確認した。フェルはレベル947でステータスも高水準を保ち、ドラちゃんはレベル202、スイはレベル50に達していた。とくにスイは今回の戦闘で大きくレベルを上げていた。ムコーダ自身も90まで上昇しており、その理由をフォレストアーミーアント殲滅による経験値と推察した。

ネットスーパーの新テナント選択
固有スキル「ネットスーパー」に表示された(+1)を確認すると、新たなテナントとして「ノスバーガー」「クリーニング山田」「マツムラキヨミ」「鮮魚さとう」の選択肢が現れた。女神キシャールの強い圧力を受け、ムコーダはドラッグストア「マツムラキヨミ」を選択した。次のテナント解放はレベル160であると告げられた。

神々への供物準備とリクエストの対応
翌日、ムコーダは神々への供物を準備した。ニンリルには各種どら焼きと限定ケーキ、アグニには多数のビールセット、ルサールカにはバニラ中心の各種アイスとケーキを用意した。ヘファイストスとヴァハグンには各種のウイスキーを提供し、それぞれが満足した様子を見せた。

キシャールとの対面と買い物の開始
最後にキシャールが登場し、ムコーダにドラッグストアの開店を命じた。ムコーダは逆らえず指示に従い、ドラッグストアのメニューを開いた。これから始まる大量の買い物に不安を覚えつつも、従うしかない状況となった。

キシャールの美容製品選び

キシャールは日本の化粧品に強い関心を示し、ムコーダのネットスーパーでさまざまな国産製品の一覧を確認していった。彼女は神力によって異世界から日本のドラッグストアや美容雑誌の情報を得ており、最新の美容液やクリームの効果にも詳しかった。特に美容雑誌で評判の良い製品に注目しており、新製品の美容液とクリームの購入を検討していた。

高級スキンケア製品「ST-Ⅲ」の購入

キシャールはムコーダの思考を読み取り、高価なスキンケア製品「ST-Ⅲ」に気づいた。ムコーダが意図的に見せていなかったその製品について、キシャールは強い興味を示し、化粧水と乳液の両方を購入する決断を下した。合計で金貨4枚近くの高額であったが、雑誌での高評価と自らの期待から予算の大半を費やすことを選んだ。

デミウルゴスへの豪華なお供え

ムコーダは続いてデミウルゴスへのお供えを準備し、日本酒の飲み比べセットや多種の梅酒、ギガントミノタウロスのすき焼きなどを献上した。これらは20階層で得た豊富な戦利品の報告も兼ねた感謝の品であった。デミウルゴスは満足した様子を見せる一方で、キシャールの振る舞いに対しては苦言を呈し、ムコーダに迷惑をかけぬよう釘を刺していた。

ドロップ品の整理とスイの手伝い

ムコーダはダンジョン探索で得た大量のドロップ品を整理する作業に取りかかった。スイは手伝いを申し出たが、数を数えることができないため、麻袋に詰める役割を担当した。途中からフェルとドラちゃんも参加し、宝石類や魔石、素材など膨大な量のアイテムを分類していった。整理後は種類と個数を把握した一覧が完成した。

ヴィオレットベリー尽くしの夕食準備

ドロップ品の整理を終えたムコーダは、ヴィオレットベリーを使った夕食の準備に取りかかった。メイン料理はギガントミノタウロス、ロックバード、レッドボアの3種肉にヴィオレットベリーソースを掛けた豪華な一皿であった。デザートにはヨーグルトゼリーヴィオレットベリーソース掛けを用意し、魔道冷蔵庫で冷やして完成させた。

食事の反応と満腹の一夜

ムコーダが作った料理は大好評であり、フェル、ドラちゃん、スイは3皿すべてを平らげた後、さらなるおかわりを求めた。ヴィオレットベリーソースは肉の種類を問わず絶妙にマッチし、特にレッドボアとの相性が高く評価された。デザートのゼリーも好評で、スイは特に気に入りおかわりを希望したが、用意がなかったため次回の約束となった。満腹の一行は満足しきって夜を迎えた。

第九章  贅沢な悩み

ドロップ品の買取とギルドマスターの歓喜

ムコーダはブリクストの冒険者ギルドを訪れ、ダンジョンで得た宝石類や魔石、毛皮などのドロップ品をギルドマスター・トリスタンに提示した。トリスタンは興奮しながらも迅速に選別を行い、特に宝石類は全品買い取りの対象となった。ドランやエイヴリングのダンジョンからの宝石や、盗賊王の宝の一部も買い取られたが、ズラトロクの毛皮など高額すぎる品は予算の都合で断念された。ムコーダが提示した品はどれも高品質で、トリスタンは満面の笑みで対応していた。

買取代金の支払いと驚愕の金額

翌日、ムコーダは再びギルドを訪れ、査定を終えた買取代金を受け取った。その額は白金貨400枚、換算して金貨4万枚に相当した。トリスタンは詳細な内訳を説明したが、ムコーダは金額の大きさに衝撃を受けていた。資金の出所を問うと、既に外部から引き合いが来ており、すぐに完売する見込みであると説明された。トリスタンは資金に問題はないと断言し、今後の買取にも意欲を示していた。

フェルたちとの再会と夕食の準備

ギルドから帰宅したムコーダをフェル、ドラちゃん、スイが出迎え、すぐに夕食を求められた。ギガントミノタウロスの肉が人気であり、ムコーダはそれを使用したホイル蒸し料理を調理した。きのこや野菜を添えたヘルシーな蒸し料理は好評で、特にすだちをかけた風味が皆に好まれた。食後にはデザートを楽しみながら、所持金の使い道についての相談が行われた。

莫大な資産の使い道と寄付の方針

ドロップ品の買取で急増した資産に対し、ムコーダは使い道に悩んでいた。フェルたちは金銭には無関心で、美味い食事があれば十分としたため、以前と同様に孤児院や教会への寄付を続ける方針が決定された。寄付先の選定には現地での視察も含め、信頼できる場所に限定することとされた。

再びダンジョンへの挑戦

しばらく地上で休息を取りつつ準備を整えた後、ムコーダたちは再びブリクストのダンジョン攻略へと向かった。トリスタンの期待を背に受けつつ、一行は最下層を目指してダンジョンに足を踏み入れた。

番外編  女神様の女子会

缶チューハイを求める女神たち

ムコーダは、就寝前にネットスーパーで調味料の補充をしていたところ、突如として女神たちから呼び出しを受けた。ニンリル、キシャール、アグニ、ルサールカの四柱は、異世界の文化である女子会を開催したいという理由で、ムコーダが以前晩酌に使用した缶チューハイを提供してほしいと求めた。最初は渋るムコーダであったが、女神たちの強い要望に根負けし、自身のストックと新たに購入した甘口系の缶チューハイを供えとして差し出した。

神界での女子会の始まり

神界のアグニの宮では、女神たちによる女子会が始まっていた。アグニは缶チューハイの飲みやすさを絶賛し、3本目を開けながら盛り上がっていた。他の女神たちも缶チューハイを楽しみ、それぞれの好みに合った味を堪能していた。キシャールは美容に関する意識を語り、ルサールカは酒が苦手ながらも甘さに惹かれて飲んでいた。会話は次第に神界の従者たちの恋愛事情へと及び、創造神の従者と他の従者の関係性が話題となった。

飲み過ぎた女神たちの顛末

女子会の終盤、ルサールカとニンリルはそれぞれ1~2本の缶チューハイで眠ってしまい、アグニは飲み過ぎて泥酔し、酔いが回ってそのまま気絶するように寝てしまった。最後まで意識を保っていたキシャールは、皆が寝静まった様子を確認し、女子会の楽しさを振り返りながら自身の宮へと戻っていった。こうして、女神たちによる初の女子会は幕を閉じた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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