どんな本?
元々は小説の投稿サイトArcadiaで読んでいた小説だった。
大賞を取れたと書かれた後に消されて、書籍化されたら買おうと思い出版されたのが10年前。
もう10年経つんだ、、
その後、コミック化され遂にアニメ化された。
この作品への感情移入感はハンパない。
3巻まで紙の本、Kindle、BOOK⭐︎WALKERでそれぞれ買って保存してる。
それ以降は電子書籍のみのだがKindle、BOOK⭐︎WALKERで購入している。
もちろん、外伝の方も買っている。
読んだ本のタイトル
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2
(Is It Wrong to Try to Pick Up Girls in a Dungeon?)
著者:大森藤ノ 氏
イラスト:ヤスダスズヒト 氏
出版社:SBクリエイティブ(GA文庫)
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あらすじ・内容
「初めまして、白髪のお兄さん」
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 2
ベルに声をかけてきたのは、
自ら《サポーター》を名乗る少女・リリだった。
半ば強引にペアを組むことになった少女を不審に思いながらも、
順調にダンジョンを攻略していく二人。束の間の仲間。
一方で、リリが所属する【ソーマ・ファミリア】には
悪い噂が絶えない。その先には、
人の心までも奪うとされる《神酒》の存在が──?
「神様、僕は……」
「大丈夫、ベル君の異性を見る目は確かなのさ。
神のように、きっとね」
これは、少年が歩み、女神が記す、
── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──
前巻からのあらすじ
田舎から出てきたベルくんは色々なファミリアに入団希望をするが全て門前払い。
それに絶望的になっていたベルくんをへファイストスから追い出されて、子を探していたヘスティアが拾って契約。
その後、へファイストスから支援を受けて居住する場所を確保して2人だけのファミリアを築く。
そして、ベルくんは念願の冒険者になるのだが、、
単独で戦い方も知らない少年がすぐに馴染める訳がなく、しかも冒頭では下層から逃げて来たミノタウロスに襲われてしまう始末。
そこで、剣姫アイズと出逢い一目惚れ。
そんな彼女への憧れがレアスキル「憧憬一途」が発現してベルくんの能力が飛躍的に伸びる。
英雄を目指す少年の物語が始まる。
感想
この時期のリリって病んでるな・・
しかも下手な宗教信者二世の悲哀もリリから感じてしまう。
上納する金のために冒険者を騙して金を稼ぐ。
でも彼女の稼ぎを搾取しようとする連中もいる。
彼女を守る場所が彼女を搾取する場所だったのが何よりも彼女の不幸。
そんなリリが、ソロでダンジョンに潜るベルくんを次のターゲットにして接近したリリは、部分的な変装をして犬獣人の娘としてベルくんを荷物持ちのサポートした。
それを受けたベルくんは、戦闘に集中出来たおかげで今までの2倍以上の稼ぎを叩き出す。
あまりの相性の良さに大喜びするベルくんは、リリが色々とチョロまかしをしているのに気が付けないw
あまりのチョロさにベルくんのヘスティアナイフを盗み売り払おうとしたら、、
ベルくん専用武器なので、ベルくんの手から離れた瞬間にナマクラになって、鑑定に出しても価値はほとんどない。
ベルくんが使用しているシーンを知ってるリリからしたら、あまりにも価値が低すぎる。
それに愕然としているリリに、ベルくんのナイフを見知っていた豊穣の女主人の店員で、元冒険者のリューがリリを問い詰めようしたが、リリは部分的な変装をして難を逃れるが。
全てを見通している、女神の化身のシルはリリに警告して一度は赦された。
そんな事があったのに、、
人を疑う事を知らないベルくんは、リリを正式に自分のパーティーに入れようとヘスティアに相談する。
だが、リリの所属しているソーマファミリアには悪い噂ばかり。
それを怪しく思ったギルド受付のエイナが色々と探るっているとロキファミリアの王族のエルフ、リヴェリアと再会。
彼女の伝でロキからソーマファミリアの話を聞く。
ソーマファミリアは、主神ソーマご作る酒を飲みたいがために色々な事を犠牲にしながら稼ぎを出した者に優先的にソーマの酒を与える。
そのせいで、ファミリアの中の関係はギスギスしており。
弱い立場だったリリは搾取されまくっていた。
それでも何とか生きて来たリリだったが、、
今回は以前、罠に嵌めた冒険者と、ソーマファミリアの冒険者達が結託してリリを罠に嵌める。
ベルくんから再度ナイフを奪って逃げ出したリリの逃走経路を予想して罠を張り。
彼女を拘束して暴行。
そして、リリの財産の隠し場所を吐かせ。
最後は逃亡するための囮の餌にして魔獣の群れの中にリリを投げ込んで、リリは絶対絶命と思ったら。。
罠に嵌められたベルくんが助けに来て一件落着。
そのベルくんを助けてくれたのが、憧れのアイズだとは知らずに、、
それをお願いしたのがギルドの受付嬢のエイナとは知らず。
何とも優しいのか、残酷なのかわからない社会だな、、、
最後までお読み頂きありがとうございます。
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展開まとめ
プロローグ「弱者の嘲笑」
サポーターという役割
ダンジョン探索におけるサポーターは非戦闘員であり、魔石やドロップアイテムを回収して地上へ運ぶ役目を担っていた。前線で戦う冒険者の負担を減らすため、後方支援のすべてを引き受ける存在であり、実態は荷物持ちとして扱われていた。
冒険者からの罵声と蔑視
迷宮内では、重い荷を背負ってわずかに遅れただけで罵声が浴びせられていた。燐光に満ちた通路に響く声は、サポーターを能無しと断じ、ただの荷物持ちとして侮辱するものであった。こうした言葉は日常的であり、冒険者はサポーターを顧みることはなかった。
力関係が生む残酷さ
上位に立つ冒険者の傲慢な態度は、時に暴力へと変わっていた。下に置かれた者の痛みなど意に介されず、専門職であるサポーターは嘲弄の対象とされていた。彼らは弱者に対して容赦なく、金も尊厳も希望も奪われる立場にあった。
綺麗事と現実の乖離
世間では、サポーターがいるからこそ冒険者は真価を発揮できる、縁の下の力持ちであると語られていた。それらの言葉には一理あったが、現場でそれを理解し、敬意を払う冒険者はほとんど存在しなかった。侮蔑を向けない者がいるのかという疑問だけが残っていた。
使い捨ての存在としての認識
冒険者は、いざという時にはサポーターを囮にすればよいと公然と口にしていた。その姿を見て、もはや見限ることに迷いはなかった。冒険者という存在の本質が、そこで露わになっていた。
一章「デートのちサポーター」
七階層での戦闘と成長の実感
ベル・クラネルは七階層の迷宮で、硬殻と高い攻撃力を持つキラーアントと対峙していた。新米殺しと呼ばれる危険なモンスターであったが、ベルはヘスティアから授かった《神様のナイフ》を用い、常道を外れた一撃で首ごと斬り落とし、単独で討伐に成功した。武器の切れ味と手応えに強い感動を覚え、神から託された力に応えるため、さらに強くなる決意を固めて探索を続けた。
ギルドでの叱責と能力への疑念
探索後、ベルはギルドで担当アドバイザーのエイナに七階層到達を報告したが、無謀な行動として激しく叱責された。半月ほどの新米が下層に進む危険性を説かれ、命を案じての厳しい指導を受ける。ベルは成長を主張し、アビリティがEまで上昇したと告げたが、その異常な速度にエイナは強い疑念を抱いた。
ステイタス確認と常識外れの数値
エイナは確認のため、秘密厳守を誓ってベルの【ステイタス】を直接見ることを求めた。表示された能力値は、敏捷や力がEやDに達しており、七階層でも通用する水準であった。常識を覆す成長にエイナは衝撃を受け、スキルの存在まで疑うが、魔法やスキル欄は解読できず、詳細は不明のまま終わった。
新たな懸念と装備の問題
能力を認めたエイナは、ベルの七階層進出を完全には否定できなくなった一方、防具の貧弱さに新たな不安を覚えた。そこで翌日、一緒に防具を買いに行く提案をする。ベルは戸惑いながらも了承し、待ち合わせに向かう。
防具購入という名の二人の外出
翌日、広場で待ち合わせたベルは、私服姿のエイナに動揺し、内心でデートのようだと意識して落ち着かなくなっていた。エイナは軽い冗談とからかいで場を和ませ、二人は賑やかなやり取りを交わしながら街へ向かう。防具購入という目的の裏で、ベルは彼女との距離の近さに翻弄され続けていた。
街歩きとバベル行きの告知
ベル・クラネルはエイナと連れ立ち、快晴の大通りを南下して歩いていた。人通りの多い商店街でエイナは声を掛けられつつも軽く受け流し、ベルは行き先を尋ねた。エイナは目的地がダンジョン、正確にはその上に建つ摩天楼バベルであると明かし、ベルを驚かせた。
バベルの役割と鍛冶の知識
エイナはバベルが冒険者向け公共施設であることに加え、商業者へテナントを貸し出していることを説明した。出店の中心にはヘファイストス・ファミリアがあり、ベルはその名に強く動揺した。歩きながらエイナは発展アビリティの概念を教え、鍛冶師には鍛冶の発展アビリティが重要で、属性付与や魔剣のような特殊武器が生まれる仕組みも語った。さらに神秘による賢者の石の逸話を挟み、ベルは神々の苛烈さに戦慄した。
昇降器と圧倒的な価格、そして神との遭遇
バベルに入った二人は魔石製の昇降設備で上階へ向かい、四階以降のフロアがヘファイストス・ファミリアのテナントで占められている事実を知った。陳列品の桁外れの値札にベルは眩暈を覚え、自身が授かった短刀の価値に思いを巡らせた。そこで店員として働くヘスティアと遭遇し、ベルは神がアルバイトをしている現実に取り乱し、止めようとするが、ヘスティアは仕事へ逃げ去った。エイナは困った笑みを浮かべ、二人は本来の目的地である八階へ移動した。
手の届く商品と鍛冶師の仕組み
八階では冒険者の密度が増し、ベルは場違いを感じたが、エイナは必ずしも高額品だけではないと示した。店内には比較的安価な槍が並び、ヘファイストス・ファミリアは未熟な鍛冶師にも作品を作らせ、評価の場として店頭に並べる方針だと説明した。冒険者と鍛冶師の駆け出し同士が早い段階で繋がりを作れる構造であり、それが双方の成長と利益に繋がるのだとエイナは語った。
防具選びとヴェルフ・クロッゾの名
ベルは鎧店で防具を探し、片隅のボックスに積まれた安価な品に目を留めた。欠けなどの理由で評価が低い品が混ざる中、鉄色のライトアーマーに強く惹かれ、制作者名ヴェルフ・クロッゾを見つけて記憶に刻んだ。値段は九九〇〇ヴァリスで所持金のほとんどを失うが、ベルはそれを選び、購入した。
エイナの贈り物と生存への願い
会計後、エイナは緑玉石色のプロテクターをベルに手渡し、プレゼントだと告げた。ベルは遠慮し情けなさを口にするが、エイナは冒険者がいつ死ぬかわからず、戻らなかった者を多く見てきたと語り、ベルにはいなくならないでほしいと率直に伝えた。さらに、ベルが以前に大好きだと言ったことを持ち出し、照れ合いながらもベルは受け取り、礼を述べた。ベルの胸の中で、その防具は温もりを帯びたものとして感じられていた。
夕暮れの路地裏と追跡
買い物を終えたベルは、茜色の空の下、エイナを送り届けて帰路についた。胸の中ではエイナへの動揺を必死に誤魔化しつつ、裏路地で近づく二人分の足音に気づく。曲がり角から転がり込むように飛び出してきたのは、パルゥムの幼い少女だった。直後、少女を追ってきた冒険者風の男が現れ、乱暴な罵声と殺気で追い詰める。ベルは事情も分からぬまま少女を庇い、男の剣と対峙する羽目になった。
リューの介入と“伴侶”宣言
男が斬りかかろうとした瞬間、豊饒の女主人の店員リューが割って入り、ベルを「同僚の伴侶となる方」と言い放って牽制した。淡々とした声と圧倒的な威圧感、そして見えない速さで小太刀を装備する所作により、男は戦意を喪失して逃走する。ベルは礼を述べるが、騒動の中心だったパルゥムの少女は混乱の隙に姿を消しており、ベルは引っ掛かりを残したままリューと別れた。
新装備での出発
ベルは新調した鉄色のライトアーマーと、左腕の緑玉色プロテクターを装着し、装備の変化に小さく満足する。ヘスティアは相変わらず疲労で寝落ちしており、ベルは苦笑しつつ教会を出発した。晴れた空の下、中央広場からバベルへ向かい、いつものように気持ちを切り替えようとする。
“リリ”の売り込み
バベル前の雑踏で「白い髪のお兄さん」と呼び止められ、ベルが足元を見ると、昨日の路地裏の少女に似た小柄なパルゥムが巨大なバックパックを背負って立っていた。少女は「サポーター」として雇ってほしいと、妙に要領よく、しかも露骨に「貧乏なサポーターが売り込みに来た」と言い切る。ベルは戸惑いながらもサポーターは欲しいと答え、少女は喜んで名乗る。名はリリルカ・アーデ。だがその瞳は、ベルの腰のナイフへ不自然なほど強く吸い寄せられていた。
二章「サポーターの事情」
リリルカとの出会いと契約交渉
ベルはバベル二階の簡易食堂で、サポーターを名乗る少女リリルカ・アーデと出会った。彼女は無所属ではなくソーマ・ファミリアに属しており、以前のパーティから契約を解消され、新たな冒険者を探していた。ベルは事情を聞きつつも警戒を崩さず、彼女が別のファミリアに属している理由や立場について確認した。
獣人であることの告白
ベルは過去に出会った少女との類似を疑い、リリルカにフードを外すよう求めた。その結果、彼女が犬人の獣人であることが明らかになり、誤解は解けた。ベルは自らの軽率な行動を恥じて謝罪し、リリルカの境遇に同情を抱いた末、試しとして一日だけサポーターを依頼することを決めた。
ダンジョン探索と役割分担
二人はダンジョン七階層まで進み、ベルは単独で次々とモンスターを討伐した。リリルカは後方で死骸の整理や魔石回収を担当し、戦闘を円滑に支えた。彼女の手際は熟練しており、ベルはその働きに感心した。
サポーターの立場と覚悟
探索中、リリルカはサポーターが冒険者より下位の存在として扱われる現実を語り、敬称や態度を守る必要性を説明した。ベルは戸惑いながらも彼女の事情を理解し、呼び方や立場を受け入れた。
信頼の芽生えと帰還
毒を持つモンスターの影響を考慮し、リリルカは安全な帰還ルートを提案した。彼女は報酬も辞退し、ベルの信頼を得ることを優先した。こうして探索を終えた二人の間には、次につながる信頼関係が芽生え始めていた。
エイナへの相談とソーマ・ファミリアの概要
ベルはリリルカを雇うことの是非を判断できず、ギルド本部の面談用ボックスでエイナに相談した。エイナはソーマ・ファミリアが探索系を主軸にしつつ酒の販売も行う派閥であり、構成員数が多く中堅の実力を持つ集団だと説明した。一方で神ソーマは催しにも出ず交友も薄く、良い噂も悪い噂も立ちにくい特異な存在だとも語った。
ソーマ・ファミリアの不穏な空気と雇用への助言
エイナは主観として、ソーマ・ファミリアの冒険者たちが仲間内でも争うような必死さを帯び、雰囲気が普通と違うと述べた。それでも派閥間の揉め事は起きにくいと見て、ベルが他の構成員を刺激しないよう注意すればサポーター雇用は可能だと背中を押した。さらに無所属サポーターはほぼ残っておらず、ソロのベルにはサポーターやパーティが必要だとも伝え、最終的な決断と責任はベル自身にあると釘を刺した。
サポーターの立場の現実
ベルはサポーターが疎まれるのかを問い、エイナは専門サポーターの身分が低く見られがちな事情を説明した。サポーターは本来、力の弱い者や落ちぶれた冒険者が担うことが多く、蔑視の対象になりやすい現実があった。ベルはその話から、リリルカの自己卑下や孤立の背景を連想し、やりきれなさを募らせた。
《神様のナイフ》紛失の発覚
面談を終えて立ち去ろうとしたベルは、エイナにナイフはどうしたのかと問われ、腰の鞘だけが残り《神様のナイフ》が消えていることに気付いた。ベルは血の気を失い、落としたのだと取り乱した。
裏路地の鑑定と黒い短刀への違和感
その後、裏路地を進んだ小柄な者が、抜き身のナイフをノームの店主に鑑定へ持ち込んだ。店主はそれを切れも力もない死んだ刀身のガラクタと断じ、三〇ヴァリスで引き取ると言った。持ち主は反発して店を飛び出し、化物の殻を切り裂いたはずの業物が、光沢を失い腐ったように黒いことに違和感を覚えた。刻印を示すため鞘が必要だと考え、危険を冒してでも再接触する方針へ思考をまとめた。
リューの追及と強制停止
別の裏道では、シルとリューが買い物袋を抱えて歩いていたところ、袖にナイフを隠したパルゥムがすれ違った。リューはナイフを見せるよう命じ、神聖文字が刻まれた武器の持ち主は一人しか知らないと断じた。パルゥムは自分の物だと突っぱねて逃走を図ったが、林檎をぶつけられてナイフを落とし、続けて脇腹へ蹴りを受けて吹き飛ばされた。
猫の群れとリリの「襲撃」
ベルが《ヘスティア・ナイフ》を探してメインストリートを逆走中、裏路地から異常な打撃音が響き、直後に大量の猫が悲鳴を上げて飛び出した。混乱の中、裏道から転がり出てきたのはリリであり、ベルは慌てて介抱した。リリは「野良犬に襲われた」と取り繕うが、明らかに大ダメージである。
リューの追跡と誤認逮捕未遂
路地から現れたリューは、ベルの黒いナイフを探していた流れでリリを疑い、フードを剥いで犬人であることを確認すると即座に謝罪した。追っていたのは“男性のパルゥム”であり、リリは別人だと判明する。シルも合流し、林檎を投擲して止めたのは自分たちだと匂わせつつ、食べ物を武器にするなとリューを叱った。
《ヘスティア・ナイフ》帰還と「豊饒の女主人」への拒絶
ベルが探していた黒いナイフはリューの手元にあり、ベルは感極まって大騒ぎで礼を述べた。ベルが「落とした」と言ってナイフに誓うと、ガラクタ同然だった黒刃は紫紺の光を帯び、《ヘスティア・ナイフ》へ戻る。リューは拾得者が男性パルゥムだったと説明し、路地で見ていた記憶が役立ったとする。別れ際、シルはリリに耳打ちし、リリは露骨に怯えた。ベルが二人の正体を「酒場『豊饒の女主人』の店員」と言うと、リリは青ざめて「絶対に連れて行くな」と懇願した。
サポーター契約と7階層の荒稼ぎ
翌朝、ベルはリリを期限なしのパーティ契約でサポーターとして雇い、1階層からダンジョンへ入った。ベルは《ヘスティア・ナイフ》を今度はプロテクター内へ収納し、落下を防いだ。リリは「運搬補助のスキルがある」と言い、足手まといにならないと主張するが、魔法は未発現だと明かす。ベルは迂闊にステイタスへ踏み込もうとしてマナー違反を指摘され、反省した。
リリの含みとソーマの影
契約金・前払いを拒むリリは、「その方がベルにも都合がいい」と一瞬だけ淀んだ目で言い、すぐ普段の笑顔に戻した。ベルは意味を掴めず、しかし“自分も他の冒険者と同じだ”と突きつけられたように感じる。同時刻、ギルド換金所ではソーマ・ファミリアの冒険者が連日「もっと金を寄こせ」と難癖をつけ、職員が辟易していた。エイナも、自分の助言が早計だったかと頭痛を覚える。
二六〇〇〇ヴァリスの勝利と分配のズレ
リリが荷物を担ったことでベルは換金往復のロスを消し、7階層で長時間狩り続けた結果、換金は二六〇〇〇ヴァリスに達した。二人はバベルの簡易食堂で狂喜し、ベルは勢いでリリへ一三〇〇〇ヴァリスを渡し、さらに酒場へ誘う。リリは「独り占めしようと思わないのか」と信じがたいという顔で問うが、ベルは当然のように共同の成果だと言い切り、これからもよろしくと手を差し出した。リリは「変なの」と呟きつつ手を重ね、ベルはその小声を聞き逃した。
ベルのステイタス開示(現時点)
ベル・クラネルはレベル1で、スキル《リアリス・フレーゼ(憧憬一途)》を有し、装備として《兎铠 Mk-II》と《グリーン・サポーター》を持つ。《グリーン・サポーター》は軽量プロテクターで短刀類を格納でき、《ヘスティア・ナイフ》の落下防止にも使える状態となった。
間章「嗚呼、女神さま」
夕暮れの目撃と誤爆失恋
ヘスティアは【ヘファイストス・ファミリア】バベル支店の激務を終え、疲労困憊で西のメインストリートを帰宅中であった。雑踏の中でベルの後ろ姿を見つけ、癒やしを求めて駆け寄ろうとした瞬間、ベルの隣に小柄な少女が現れた。少女はベルの差し出した手を握り、ベルはその相手に穏やかに微笑んでいた。少女がサポーターだと理解する前にヘスティアは完全に心を折り、背を向けて逃げ去った。
ミアハ酒場での大号泣と地獄の告白
ヘスティアは場末の酒場にミアハを引きずり込み、「ベルが浮気をした」と泣きながら訴えた。ミアハはベルがそんなことをするとは思えないと冷静に返し、そもそも恋人でもないのに浮気を語るのはおかしいと正論を添えるが、酔ったヘスティアの耳には半分も入らない。ヘスティアは「ベルはボクのもの」と言って自分で否定し、さらに号泣しながら「同じベッドで寝たい」「胸に顔を押し付けたい」など愛情というより欲望の実況中継を披露した。ミアハは内心ドン引きしつつ会計を済ませ、ヘスティアを乳母車のように手押し車に乗せて連れ帰った。惚れ薬要求は当然のように黙殺された。
二日酔いの朝とベルの看病
翌朝、ヘスティアは強烈な宿酔で動けず、ベルが水やすりおろし林檎で看病していた。ミアハはベルに「少し疲れているようだ、構ってやってくれ」と意味深な言葉を残して去っており、ヘスティアは昨夜の記憶が抜け落ちていることに戦慄する。ベルはダンジョンを休み、雇ったサポーターにも連絡していると告げた。ヘスティアは看護を口実にベルへ寄りかかり、胸に頭を沈めて離れない攻防を始める。
焼き餅とベルの“恩返し”提案
昼下がり、ヘスティアはベルがサポーターと食事に行った話を聞いてまた焼き餅を焼き、皮肉を混ぜてそっぽを向いた。するとベルは意を決して「二人で少し贅沢な夕食に行かないか」と誘い、探索で稼いだ金で恩返しがしたいと語った。ヘスティアはそれを“デートの誘い”として脳内で爆発させ、体調が一瞬で治ったと言い張って即決した。ただし自分が酒臭いことに気づき、集合場所と時間だけ宣言して飛び出した。
神聖浴場という男の妄想の具現化
ヘスティアはギルド管理の女神専用大浴場「神聖浴場」に初めて入る。料金がかかるため避けていたが、デート前に酒臭さを落とすためへそくりで利用した。そこでデメテルに見つかり、男と夕食の約束があると漏らした結果、周囲の女神たちが一斉に色めき立つ。ヘスティアは天界の“三大処女神”の一角として扱われ、難攻不落の城を落とした男の正体を吐けと取り囲まれた。
ベルの素性公開と最後の一撃
追及に耐えかねたヘスティアは、相手は自分の【ファミリア】のヒューマンだと明かし、惚れた理由は「人となり」だと答えた。出る間際、最後の質問として「どこが好きか」と問われると、ヘスティアは振り返って微笑み、「全部」と言い切った。
アモールの広場での待ち合わせ
ベルは夕刻のアモールの広場で、女神像の前に立ち、周囲の恋人たちに気圧されながらヘスティアを待っていた。現れたヘスティアは、髪を下ろし服装も整えた普段とは異なる姿であり、ベルはその変化に言葉を失った。拙いながらも必死に褒めるベルの反応に、ヘスティアは内心で大きく満足し、二人は完全にデートの空気に包まれた。
女神たちの乱入とベル争奪戦
手を取り合おうとした瞬間、広場に多数の女神たちが押し寄せ、ベルは一方的に囲まれ抱きしめられた。デメテルをはじめとする女神の好奇心は容赦なく、ベルは呼吸もままならない状態に追い込まれた。ヘスティアは嫉妬と焦燥で限界に達し、ベルを蹴って正気に戻させたうえで強引に連れ出し、広場から逃走した。
鐘楼への逃避と失われたデート
追っ手を振り切った二人は、西のメインストリート外れにある廃れた鐘楼へ身を隠した。夜も更け、予定していた食事も叶わなかったことにヘスティアは落胆し、今日のデートが台無しになったと嘆いた。
夜景とベルの約束
そのときベルは鐘楼から見える迷宮都市の夜景を指し示した。無数の魔石灯に照らされ、白亜の塔が闇に浮かぶ光景に、ヘスティアは息を呑んだ。ベルは今日が無駄ではなかったと語り、いつかまた二人で食事をし、この景色を見に来ようと約束した。より多く稼げるよう努力すると真っ直ぐに告げるベルの言葉は、慰めではなく本心であった。
静かな余韻
屈託なく笑うベルの姿に、ヘスティアは自分が彼に惹かれた理由を再確認した。二人は並んで夜景を眺め、互いの距離を静かに縮めながら、その時間を大切に味わった。サポーターの話題を持ち出す気にもなれず、ヘスティアは少年の温もりを感じつつ、揺れる髪飾りの小さな音とともに、この夜の余韻に身を委ねた。
三章「魔法は膝枕を喚ぶ魔法」
深層での剣姫と撤収判断
深層二十七階層において、アイズ・ヴァレンシュタインはスパルトイの群れを一瞬で殲滅した。圧倒的な実力を前に、【ロキ・ファミリア】の探索は遊びに等しいものとなり、フィンは撤収を提案した。仲間たちが帰還準備を進める中、アイズは単独での残留を願い出た。
残留の決断と信頼
アイズの申し出は仲間の反対を招いたが、リヴェリアは彼女の意思を尊重し、自ら同行することを選んだ。最終的にフィンは条件付きで許可を出し、パーティは分断された。そこには長年培われた信頼関係が静かに表れていた。
迷宮の孤王の出現
二人が残ったルームで、ダンジョンそのものが震動を始め、巨大な骸骨の魔物が出現した。それは一定周期でのみ現れる特別個体「迷宮の孤王」、名をウダイオスと呼ばれる存在であった。階層主に匹敵する強敵を前に、アイズはリヴェリアに手出し無用を告げ、単身で立ち向かう覚悟を示した。
剣姫の覚醒
ウダイオスと対峙したアイズは、恐れを見せることなく戦闘に入った。その戦いの結末は語られぬまま、後日、アイズがレベル六へ到達したという噂が迷宮都市オラリオ全体に広まることになる。
地上での小さな違和感
一方その頃、ベル・クラネルはリリルカ・アーデとともに上層を探索していた。階段で一瞬の揺れを感じたものの、異変は続かず、二人は気のせいとして探索を終えた。サポーターを得たことで狩りの効率は飛躍的に向上し、ベルは冒険者として安定した日々を送り始めていた。
夜のオラリオとバベルの由来
探索後、深夜のオラリオを歩きながら、ベルは白亜の巨塔バベルを見上げ、その高さの理由をリリに尋ねた。リリは、上層階が神々の居住区であること、そして塔がダンジョンの蓋として機能し、神々の降臨と再建の歴史を経て現在の姿になったことを語った。
天界と死後の話
話題は天界へ移り、リリは神々が下界の死後を管理する立場にあること、裁量次第で魂の行方が決まるという理不尽な側面を説明した。ベルは死への恐怖を覚える一方で、神々の気まぐれさに苦笑した。
リリの過去と沈黙
会話の中で、リリはかつて死を望んだことがあると打ち明けた。今は過去の話だと笑って取り繕うものの、その言葉はベルの胸に重く残った。ベルは何も言えず、ただ彼女の背を追うことしかできなかった。
小さな背中を追って
リリは明るく振る舞い、用事があると言って先に歩き出した。不釣り合いなほど大きな荷を背負うその背中を見つめながら、ベルは言葉にできない感情を抱え、必死にその後を追いかけた。
フレイヤの執着と判断
フレイヤはバベル最上階からベルを見下ろし、彼が強くなったことを感じ取っていた。魂の本質と色を見抜く瞳を持つ彼女には、ベルの魂が「透明な色」として映り、その未知性が執着を強める要因となっていた。フレイヤは即座に取り込むのではなく、成長の過程を観察して楽しむ方針を選ぶ。
魔力不足への介入
フレイヤはベルの魔力がまだ伸びていないと見当をつけ、介入を決意した。本棚から分厚い白い本を取り出したが、配下のオッタルに届けさせる案は、ベルを怯えさせると考えて撤回した。自分が西の大通り近くの店へ本を置き、自然にベルの手へ渡る状況を作ることにした。
酒場の朝とシルの動揺
酒場「豊饒の女主人」では、シルがくしゃみをしたことで同僚に注目され、ベルが前夜に弁当箱を返しに来なかった件をからかわれていた。リューはベルが無事であるとシルを安心させようとし、店内は同僚たちの悪ふざけも重なって騒がしい空気に包まれていた。
席に置かれた無題の白い本
ベルが初来店時に座った特等席の上に、見覚えのない一冊の白い本が置かれているのが見つかった。表紙には題名がなく、幾何学模様だけが刻まれていた。忘れ物か不審物かで議論になる中、ミアが現れ、本を見た途端に強い不快感を示した。
ミアの指示
ミアは本を「目につく場所に置いておけ」と指示し、持ち主が気付いて取りに来るだろうと述べた。詳細は語られないまま店員たちは準備に戻り、本は店内に残された。
奇襲と危機
ベルは七階層でキラーアントと交戦中、死角から現れたニードルラビットの奇襲を受ける。膝当てで致命傷は免れたものの体勢を崩し、続けて二体のキラーアントに襲われ、組み敷かれれば死に直結する状況に追い込まれた。
リリの救援
絶体絶命の瞬間、リリが魔剣による炎でキラーアントを撃退する。ベルは立て直し、連続して敵を討ち取り、最後のニードルラビットも仕留めて危機を脱した。
慢心への反省
戦闘後、ベルは油断と慢心を強く反省し、ダンジョンでは一瞬の判断ミスが命取りになることを痛感する。リリは厳しくも的確に指摘し、ベルも同じ過ちを繰り返さないと誓った。
魔剣の存在
リリが魔剣を使ったことが明らかになり、彼女は渋々その存在を認める。普段は切り札として温存しているが、ベルのためなら惜しまないと語る。
休息と会話
二人は安全な場所で休息と食事を取り、穏やかな時間を過ごす。ベルはリリが昨夜ファミリアに戻った理由を尋ね、ソーマ・ファミリアの集会と金銭ノルマの存在を知る。
ソーマ・ファミリアの実情
リリは、ファミリアが酒の製造を目的としており、市場に出回る酒は本来の製造過程で漏れた失敗作に過ぎないと語る。主神ソーマは酒造以外に関心を示さず、構成員はその資金調達のために働かされている状況が示唆される。
拭えない違和感
ベルはリリの境遇とファミリアの歪さに強い違和感を抱くが、踏み込むことはできない。会話は途切れ、再びモンスターが現れ戦闘に戻る中、二人の間にある溝がまだ埋まっていないことをベルは実感する。
停滞と自己嫌悪
ベルはリリと最後に潜ってから二日が経ち、彼女が用事で同行できないと告げたことを思い出していた。ベル自身も気力が湧かず、ダンジョンへ行かないまま時間を過ごし、アイズのことを思うほど焦燥だけが募った。
弁当バスケットの返却
家で放置していたバスケットに気付き、ベルは慌てて「豊饒の女主人」へ向かう。シルに数日返し忘れたことを深く謝り、シルは叱責ではなく「これからの行動で誠意を示せ」と穏やかに受け止めた。シルは音沙汰がなく心配していたことや、店でからかわれたことも打ち明ける。
白い本との再会
ベルは店内に置かれた真っ白な分厚い本に気付き、シルから「客の忘れ物なので気付かれやすい場所に置いている」と説明を受ける。ベルは気力が抜けた状態をシルに話し、誰かに聞いてほしい気持ちを自覚する。
シルの助言
シルは無気力の対処として読書を勧め、ベルも英雄譚を読んだ時の高揚を思い出して乗り気になる。さらにシルは、忘れ物の白い本を「役に立つことが載っているかもしれない」と貸し出し、後で返せば問題ないと背中を押した。
白い本の正体と導入
ベルはホームで白い本を開き、ふざけた題名の章に戸惑いながらも読み進める。内容は魔法の体系を解説する書物らしく、先天系と後天系の区分、後天系が「神の恩恵」や経験に依存することなどが記されていたが、本文には数式のような不明な記号が混じり始める。
本による“問いかけ”
読み進めるうち、文章の中に絵が現れ、ベル自身の顔や仮面のような描写が現実感を伴って迫る。ページをめくるたびに本はベルへ直接問いを投げかけ、「魔法とは何か」「自分は魔法に何を求めるのか」を答えさせる流れへ変質していった。
ベルの渇望の言語化
ベルは魔法を「力」と捉え、弱い自分を打ち破り道を切り開く英雄の武器だと定める。魔法の象徴として炎を思い描き、不滅で温かく、激しく燃える炎になりたいと願う。さらに、より強く速くなってアイズのもとへ辿り着き、隣に並ぶことを望み、叶うなら英雄になりたいという長年の憧れを露わにする。
神様の帰宅と目覚め
ベルは暗闇の意識から神様の声で目を覚まし、テーブルに突っ伏して寝ていたことを指摘される。シルから借りた白い本は開いたままで、ベルは読書中の記憶が白昼夢のように曖昧で混乱する。神様は茶化しつつ夕食を提案し、二人で並んで支度する時間を喜ぶ。
ステイタス更新と神様の不機嫌
食後、シャワーを済ませ、神様はベルのステイタス更新を行う。神様は熟練度の伸びが相変わらず好調だと告げる一方で、苛立ちを隠さず、針をわざと痛く刺してベルが抗議する一幕も起きる。基本アビリティがSに近づくと伸びが落ちるはずなのに、ベルは破格の速度で伸び続けていると説明される。
魔法の発現とファイアボルト
神様が突然「魔法が発現した」と告げ、ベルは驚愕する。勢いで起き上がった拍子に神様をベッドから落としてしまい土下座で謝罪するが、ステイタスには《魔法》【ファイアボルト】が追加されていた。速攻魔法とだけ記され、詠唱文が存在しないことに神様は疑問を抱く。
詠唱なしの危険性と試射の提案
神様は魔法は本来詠唱が必要で、通常はステイタスに詠唱文が表示されると説明する。しかし【ファイアボルト】にはそれがなく、「詠唱不要の可能性」が高いと推測する。トリガーが不明なため、魔法名を口にしただけで発動する危険もあるとして、ホーム内での発声を厳禁にする。検証は翌日ダンジョンで行うよう提案され、二人は就寝する流れになる。
ベルの抜け駆け
ベルは興奮で眠れず、神様の寝息を確認して装備を持ち出し、夜のオラリオへ出る。バベルからダンジョンへ潜り、1階層でゴブリンを標的に右腕を突き出し、魔法名を叫ぶ。
初撃の成功と暴走
緋色の稲妻状の炎がゴブリンを貫き、爆光とともに焼き倒す。ベルは魔法が自分の手から出た事実に打ち震え、確かな前進を実感する。発動は一瞬、速度は速く、火力も大きいと感じ、昂揚のまま乱射を始める。見つけたモンスターを片端から即見即爆で吹き飛ばし、夢中で階層を進めていく。
マインドダウン
気付けば5階層まで到達しており、戻ろうとした瞬間に強烈な酩酊感に襲われる。足元も定まらず、ベルはその場で意識を失う。魔法が精神力を削る代償を持つことを、身をもって踏み抜いた形となる。
深層帰りの二人とベルの発見
75階層から帰還途中のアイズとリヴェリアが5階層で倒れているベルを見つける。リヴェリアは外傷や毒の兆候がないことから、無茶な魔法使用による精神疲弊と即断する。アイズは白髪の少年がミノタウロスの件で話に聞いたベルだと気付き、当時の件を引きずっている自分の気持ちを口にする。
アイズの“償い”とリヴェリアの助言
アイズはベルに償いをしたいと言い、リヴェリアは言い方を咎めつつも、助けるのは礼儀だと認める。リヴェリアはアイズに「少年に言うべき言葉」を簡潔に伝え、自分は席を外して二人きりでけじめをつけろと促す。モンスターの脅威は、アイズが守護者である以上問題にならないと判断して去る。
膝枕の目覚め
ベルは温かな気配と髪を撫でる優しい指先の感触の中で目覚める。無意識に母を呼びかけるが、返ってきたのは「君のお母さんじゃない」という透き通った声だった。視界が定まると、そこにいたのはアイズであり、ベルは膝枕をされていたと理解する。周囲にはアイズが斬り捨てたモンスターの死体が散らばっている。
再会の硬直と逃走
ベルはアイズを幻覚だと疑うが否定され、互いに見つめ合う沈黙が続く。ベルの顔は急速に赤くなり、動揺が限界に達したところで勢いよく立ち上がり、全力で逃げ出す。背後からアイズが「何で、いつも逃げちゃうの?」と呟き、その声は寂しさを帯びていた。
四章「神酒」
骨董品店の取引と忠告
ノームの万屋で、男のパルゥムがアミュレットを換金する。店主は対毒効果つきと鑑定して値を付けるが、最近「手癖の悪いパルゥム(女・複数犯)が冒険者から金品を掠め取る」という噂が流れているため、遠回しに「危ない連中と関わるな」と忠告する。パルゥムは「騙される方が悪い」と冷笑し、冒険者側の盗難や恫喝も同類だと皮肉って取引を終える。
ベルの帰還と羞恥地獄
ベルはホームのソファーで頭を抱え、アイズの膝枕から逃走した現実を思い出して悶絶する。神様は呑気にからかい、ベルは赤面しつつも朝食を取るが、今日はアイズのことを忘れたいと自分に言い聞かせる。神様は暇があるから昨夜の分厚い本を見せろと求める。
魔導書発覚と“食べた”絶望
神様が本を確認し、それがグリモア(魔導書)だと断定する。魔法を強制発現させる希少な著述書で、作れるのは「魔道」「神秘」といった発展アビリティを極めた上位者だけだと説明され、価値は一級装備級かそれ以上と見積もられる。しかも“一度読めば効能が消える使い捨て”であり、ベルは「超高額の奇跡をネコババして使い切った」事実に石化する。神様は即座に「偶然持ち主に会って読む前に返したことにしろ」と口裏合わせを提案し、ベルはその黒さに突っ込む。
ベルの自首と豊饒の女主人の価値観
ベルは誤魔化しを拒否し、シルに事情を話すため酒場「豊饒の女主人」へ駆け込む。クロエに案内され、シルに必死で説明するが、シルはなぜか他人事のように受け止める。騒ぎを聞きつけたミアが現れ、魔導書だと確認したうえで「置きっぱなしにした持ち主が悪い」「この世界じゃそういうもの」と一喝し、ベルにグズグズするなと叩き込む。ベルは納得し切れないまま引き下がり、シルからいつものバスケットを受け取って店を出る。
ミアハ・ファミリアでの買い物と“ちょろい”宣告
ベルはホームに戻ってからダンジョンへ向かう準備をし、回復薬が切れていることを思い出してミアハ・ファミリアの店へ寄る。店番は唯一の構成員ナァーザで、ミアハは不在だという。ナァーザはベルに高価なハイ・ポーションを勧めつつ、最近来ないことやミアハの空腹を盾に罪悪感を煽る。ベルが昨夜の気絶(魔法乱用)を話すと、ナァーザは精神疲弊(マインドダウン)だと断じ、精神力回復ポーションを提示する。値引きと言いつつ8700ヴァリス、さらに回復薬2本込みで9000ヴァリスの抱き合わせを仕掛け、ベルは“備え”を優先して購入する。ナァーザは平然と「愛してる」と言い、ベルは赤面して退散するが、去り際に「ちょろいな、ベル」と聞こえる。
中央広場のリリとソーマ・ファミリアの影
ベルは中央広場でリリの姿を探すが見当たらず、木陰で男たちに囲まれ口論しているリリを目撃する。相手がソーマ・ファミリアの構成員ではないかと察し、ベルは割って入ろうとする。
路地裏の男の再登場と卑劣な提案
しかしベルは背後から肩を掴まれ、以前路地裏で遭遇した黒髪ヒューマン冒険者に絡まれる。男はリリを“例のパルゥムのチビ”と同一視し、ベルが雇っているのかと詰問する。ベルが「リリはパルゥムではない」と訂正しても、男は「せいぜい騙されてろ」と嘲笑し、本題として「リリをはめる」協力を要求する。ベルに“いつも通り一緒に潜って孤立させろ、後は俺がやる”と持ちかけ、サポーターを能無し扱いして「搾って捨てろ」と吐き捨てる。
ベルの拒絶とリリの沈黙
ベルは怒りで沸点を超え、提案を断固拒否する。男は舌打ちして去り、ベルは険しい表情のまま背中を見送る。直後、背後にリリが現れ、会話を聞いていたことが判明する。ベルはごまかして「いちゃもんを付けられた」と言い、リリが囲まれていた件を確認する。リリは無事だと示しつつ、追及を拒むように冗談めかして話を切り、ベルに「今日は活躍を期待する」と言ってバベルへ歩き出す。ベルはそれ以上踏み込めず、リリの表情を想像しながら黙って後を追う。胸中に「もう潮時か」という言葉が落ちる。
定時退社エイナ、そして不審な行動開始
ギルド窓口のエイナは珍しく定時ぴったりで仕事を切り上げる。同僚に「男でもできたのか」と茶化されつつ、エイナは住まいと逆方向へ向かう。目的はここ数日気にしていた【ソーマ・ファミリア】の内情調査であり、ベルが厄介事に巻き込まれないかという不安が動機である。公式資料や人づてでは「金への異常な執着」程度しか掴めず、自分の足で探る決意を固める。
酒場回避と“理想の相手”がベルに寄る事故
情報収集の定番として酒場が頭に浮かぶが、エイナはエルフ混血ゆえに男たちが群がる“鬼門”だと理解しており、入店を避ける。歩きながら、言い寄ってくるのが精悍で強引な冒険者ばかりで気後れすること、むしろ頼りなくて世話を焼きたくなる相手が好みだと自己分析する。そこで「ベル君みたいな男がいい」と結論づけ、即座に自分で自分へツッコミを入れて赤面し、一人で変なテンションになる。
道具屋『リーテイル』で“ソーマ”の酒を発見
エイナはアイテムショップ『リーテイル』に入り、【ソーマ・ファミリア】の酒を探す。酒棚で白紙同然のラベルに「ソーマ」と書かれた透明な酒瓶を見つけるが、値札は6万ヴァリス。額を棚にぶつけるレベルで高額で、一般人が気軽に買える嗜好品ではないと愕然とする。需要は高いらしく在庫は残り1本だが、エイナは手持ちも生活費も厳しく、調査は行き詰まる。
リヴェリア登場で空気が王族になる
背後から声をかけられ、エイナが振り返ると、そこにいたのはリヴェリア・リヨス・アールヴ。翡翠色の長髪と澄んだ緑玉石の瞳を持つハイエルフの王族であり、エイナは反射で最敬礼レベルに畏まる。リヴェリアは「堅苦しい扱いはうんざりだ」と告げ、過度な敬語をやめろと釘を刺す。エイナはたじたじになりながらも従い、久々の再会を噛みしめる。
酒の評判と、リヴェリアの“心当たり”
リヴェリアは探索で道具を切らしたため補充に来たと言い、問題の酒については「自分のファミリアでも愛好者が多い」と認める。ただし依存症や常軌を逸した症状は見ていないと断言し、エイナの質問意図を鋭く見抜く気配を見せる。エイナは「友人に勧められたが、ソーマ・ファミリアと聞いて偏見がある」と誤魔化しつつ探りを入れる。リヴェリアは「団員の言動が薄ら寒いとは聞く」と同意しつつ、自分の知識は多くないと言う。
それでもリヴェリアは最後に決定打を出す。
【ソーマ・ファミリア】の事情に精通している人物に心当たりがあるため、エイナに「付いてくるか。私達のファミリアのホームに」と誘う。
ロキ・ファミリアの本拠地への訪問
エイナはリヴェリアに導かれ、都市オラリオ最北端に位置する【ロキ・ファミリア】のホームを訪れた。狭い敷地に無理やり築かれたかのような長大な館は、複数の高塔が重なり合い、夕闇に染まる姿は炎から削り出されたような威圧感を放っていた。ギルド職員である自分が部外者として招かれることにエイナは不安を覚えるが、リヴェリアは信頼を示し、疑う相手なら最初から誘わないと断じた。
応接間とアイズ・ヴァレンシュタインとの対面
館の応接間は高級感を備えつつも団欒を思わせる空間であり、エイナは【ロキ・ファミリア】内部の雰囲気を直感する。そこでエイナはアイズ・ヴァレンシュタインと対面する。防具を外したアイズは華奢で、温室育ちの令嬢のような印象を与える一方、内には凛とした気配を宿していた。ベルが想いを寄せる冒険者その人であり、エイナは場にベルがいないにもかかわらず、奇妙な居心地の悪さを覚える。アイズはどこか沈んだ様子を見せており、その理由が「気になっていた相手に逃げられた」ためであることをリヴェリアは軽く明かした。
ソーマの酒とロキの召喚
リヴェリアは持参した酒「ソーマ」を開け、その香りが応接間に広がる。甘く澄んだ香りに引き寄せられるように、主神ロキが姿を現した。ロキはこの酒を溺愛しており、場は一気に騒がしくなる。エイナは、酒を供物としてロキから【ソーマ・ファミリア】の内情を聞き出すという意図を察する。
ロキによるソーマ・ファミリアの実情
ロキは、神ソーマは野心や陰謀を持つ存在ではなく、酒造という趣味にしか興味のない神であると語る。ソーマが作り出した「神酒」は人の心を強く惹きつける完成度を持ち、それを報酬として団員を競争に駆り立てていた。金銭への異常な執着は神酒を得るための手段であり、信仰の対象も神ソーマではなく酒そのものへとすり替わっていると説明される。
神酒が生む歪んだ競争と警告
神酒は一時的に強い陶酔を与えるが、恒常的な依存や禁断症状を残すものではない。しかし【ソーマ・ファミリア】では飲酒間隔が短く、抜け出せない競争構造が生まれていた。力のない者は脱落し、狡猾な者は他者を蹴落とす行動に出る危険があるとロキは例え話を交えて警告する。エイナはベルの身を案じつつも、現時点では致命的な危険は低いと理解する。
アイズのステイタス更新とLv.6昇格
話が一段落した後、ロキは沈んだままのアイズを連れ、ステイタス更新を行うために席を立つ。軽口を叩きながらアイズを促したロキは、その直後、応接間の外から歓喜の叫びを上げる。アイズ・ヴァレンシュタインはこの更新によってレベル6へと昇格していた。応接間に残されたエイナとリヴェリアはその事実を知り、驚きとともに、迷宮都市におけるアイズの存在が新たな段階へ進んだことを実感する。
五章「リセット」
疑念の芽と「リセット」
ベルは夜明け前からバベルの門へ向かい、昨日の「リリを陥れる」という脅しが頭から離れず、リリに安否確認を繰り返していた。結果としてリリの表情を暗くし、自分が不安を伝染させていることにも気付いていた。昨夜、教会の隠し部屋へ帰還した後、ベルはヘスティアにリリの件を打ち明け、危険がないと判断できるまで匿えないか相談しようとしていたが、ヘスティアは「そのサポーターは信用に足るのか」と逆に問いただした。ナイフ紛失の件、孤立した身の上、付け狙う冒険者の存在など、ベルが語った材料をヘスティアは厳しく組み替え、「彼女は後ろめたい何かを隠しているのでは」と核心を突く。ベルは反論できず、リリへの信頼と拭えない違和感の間で思考が止まったまま朝を迎える。
10階層への前進とリリの事情
集合場所で合流したリリは普段通りに振る舞い、ベルはひとまず襲撃が地上で起きないことに安堵する。冒険者が地上で事件を起こせばギルドの制裁で活動不能になり得るため、狙うなら言い逃れが効くダンジョン内だとベルは考え、警戒を強める。そこでリリは突然「10階層まで行かないか」と提案し、ベルのステイタスが既に到達可能圏だと見抜いていたことを示す。ベルは大型級が出現する10階層を避けていたが、リリは慢心の失敗を経験した今のベルに驕りはないとし、さらに取得した魔法【ファイアボルト】の強力さを根拠に押し切る。決定打として、リリは近々大金が必要だが事情は言えないと告げ、ベルは彼女の事情に踏み込めないまま「行こう」と覚悟を固める。
武器の更新と「神様のナイフ」の扱い
出発前、リリは大型級に備えて《バゼラード》を準備していたと明かし、射程の短い現装備では不利だと諭す。ベルは恩返しとして受け取り、プロテクターの格納機能で《バゼラード》を収納できることもリリの助言で思い出す。しかしその瞬間、ベルは《神様のナイフ》の置き場に迷い、昨夜のヘスティアの問いが頭を刺す。ベルは一瞬目を閉じた後、《神様のナイフ》をレッグホルスターへしまい込み、リリはそれを黙って見つめてうつむく。疑念を抱えつつも、ベルは「行こう」と声を掛け、リリは小さく笑って頷いた。
エイナの危惧とアイズへの依頼
同時刻、エイナは査察官としてバベル内のテナント検査に向かう途上、アイズと遭遇する。アイズは道具を買い、そのままダンジョンへ潜るつもりで、覇気のない様子が残っていた。エイナはベルがミノタウロス事件でアイズに救われ感謝していることを伝えようとするが、ベルの名を聞いたアイズは沈痛そうに反応する。そこへエイナは【ソーマ・ファミリア】の団員らしき一団を目撃し、読唇で「手筈」「リリ(リリルカ)」に関わる内容を拾ってしまう。ベルが厄介事に巻き込まれていると確信したエイナは、無礼を承知でアイズに「ベルを助けてほしい」と頭を下げる。アイズは事情を理解して頷き、「まだちゃんと謝っていないから」と言って協力を約束し、エイナの「ベルは感謝していた」という言葉に小さく微笑んだ。
10階層の霧と「迷宮の武器庫」
ベルとリリは8〜9階層を数日で抜け、10階層へ到達する。10階層は白い靄が立ちこめ視界を妨げ、枯木が点々と立つ草原状の広間が広がっていた。枯木はモンスターが引き抜いて棍棒に変える「迷宮の武器庫(ランドフォーム)」であり、破壊しても修復される厄介な地形効果である。ベルは事前に壊すべきか迷うが、リリは「暇はない」と告げ、霧の向こうから大型級のオークが迫ってくる。
初の大型級オーク戦と通用の実感
ベルは体格差から防御不能だと悟り、回避と下半身狙いで崩す方針を選ぶ。オークが枯木を引き抜き棍棒化したことで状況は悪化するが、ベルは振り下ろしの軌道を見切って回避し、横腹を斬り裂き、さらに右脚を切断して転倒させる。背に駆け上がって後頭部を貫き一体目を討伐すると、二体目が現れる。ベルは【ファイアボルト】を連射して撃破するが、魔石ごと焼き飛ばし、威力不足と代償を同時に理解する。それでも剣と戦術と魔法が大型級に通用した手応えが、ベルの内側に熱を灯す。
霧の空白と裏切りの確定
達成感のまま振り返ったベルの視界に、リリの姿はなかった。ベルは焦って捜索し、木の根元にモンスター誘引用の加工肉が散乱しているのを発見する。直後、複数の足音が迫り、オークの群れが現れる。逃げるべきか、リリを探すべきかでベルの判断は裂かれ、そこへ矢が飛来してレッグホルスターの留め具を破壊する。嚢が弾け飛び、混戦の中でベルはオークの隙間越しにリリを目撃する。リリは落ちた嚢から《神様のナイフ》を取り出して懐へ収め、ベルに向かって「もうここまで」「人を疑うことを覚えた方がいい」と告げる。さらに「折を見て逃げて」と助言し、背負った重い荷とともに霧の奥へ去り、「もう会うことはない」と別れを告げた。ベルは叫びながらもオークの襲撃に晒され、状況は最悪の形で「リセット」されていった。
リリの正体と嘘の中身
リリは「金に困ったサポーター」ではなく、冒険者から装備や金品を抜く盗人である。ベルが持つヘファイストス・ファミリア製ナイフも狙いの一つで、近付いた理由は最初から搾取目的だった。さらにリリは獣人の特徴(耳・尻尾)を隠し、変身魔法【シンダー・エラ】で“路地裏で会ったパルゥムの少女”の姿を装っていた。
盗みが癖になった理由
リリは【ソーマ・ファミリア】の子として生まれ、幼少から金を稼がされ、孤立し、神酒の魔力にも巻き込まれた。サポーターとして雇われても冤罪を着せられて搾取され、命も軽く扱われ、ようやく一般人として逃げてもファミリアの連中に居場所を壊される。結果として「冒険者は全員同じ、先に裏切るのが正しい」と歪んだ結論に固着し、復讐として盗みを重ねてきた。
今回の逃走とリリの弱さ
ベルに疑いが出始めたため、リリは潮時と判断してダンジョンから離脱する。地図暗記で逃走経路を確保し、7階層まで順調に上がる。途中ゴブリンを小型ボウガンで無力化し、戦闘は「自衛だけ」「コスパ重視」という生存戦略を徹底する。
待ち伏せと“いつもの地獄”の更新
7階層のルームで、かつての雇い主ゲドに待ち伏せされ、殴打と蹴りで制圧される。装備も奪われ、身ぐるみを剥がされかける。そこへ【ソーマ・ファミリア】の冒険者カヌゥが現れ、ゲドと利害一致していたことが判明する。
キラーアントの時限爆弾と裏切りの完成
カヌゥ達は瀕死のキラーアント(フェロモンで仲間を呼ぶ)を複数投げ込み、蟻の大群を呼び寄せる“虫爆弾”でゲドを脅し、奪った品を全部置いて逃げさせる。ゲドは通路に逃げた直後、悲鳴と争音だけを残して消える。カヌゥはリリを「仲間だから助けた」と嘯きつつ、目的は金と神酒であり、リリに東区画のノーム金庫の鍵(宝石保管)を吐き出させる。
囮宣告とリリの心の折れ方
包囲が迫る中、カヌゥはリリを囮として投げ捨て、仲間は通路から撤退する。リリは「やはり冒険者は信用できない」と笑い、同時に自分の行いの報いとして受け入れようとする。だが本音は違う。
利用ではなく必要とされたかった、誰かと一緒に居たかった、寂しかった。変身魔法は「リリではない誰かになりたい」願望の具現でもあった。死の直前、「やっと一緒に居てくれる誰かを見つけられそうだったのに」と後悔が滲む。
救援の到来
キラーアントが爪を振り上げ、終わりが来る瞬間、緋色の炎がルームを貫く。叫びと共に放たれたのは「ファイアボルト」。リリの意識が追いつかないまま、状況が反転するところで場面が切れる。
ヘスティアとエイナの結論
エイナは「リリ(ソーマ・ファミリア絡み)は危険、ベルは距離を置くべき」と言う。だがヘスティアは最初から「無駄」と断言する。理由はシンプルで、ベルは理屈ではなく“痛みの記憶”で動くからである。
ベルはリリの「寂しさ」を見抜き、かつて孤独だった自分を重ね、「間違っていてもいい、もし間違っていなかったら助けたい」と決めていた。ヘスティアはそれを理解していて、「頑固で理屈じゃ動かない」と言い切る。ついでにヘスティアの軽口として「ベルは異性を見る目が確か」も挟まる(神の言い分としてはだいぶ雑だが、ここはギャグ兼伏線だ)。
救出戦の決定打
前の場面の「爆炎」はベルの【ファイアボルト】。
キラーアントの大群が密集して動けない状況を逆手に取り、爆炎で“群れごと”削る。ベルはリリを見つけて抱き起こし、ポーションで回復させ、彼女から《ヘスティア・ナイフ》を受け取る。
その後ベルは“理屈じゃ勝てない数”を、**マジックポーション(精神力回復)**で魔法連射可能にして覆す。
火炎の速射で数を減らし、二刀(《ヘスティア・ナイフ》+短刀)で近接処理。結果、ルームのキラーアント三十規模を殲滅する。リリから見ると、速くて強くて怖じけない“別次元のベル”が確立する場面だ。
リリの自爆告白(そして感情が暴走)
助けられたリリは感情が決壊し、ベルを揺さぶるように問い詰める。
「盗人だ」「金をちょろまかした」「分け前も誤魔化した」「買い物もぼったくった」など、具体的に罪状を全部吐く。ここ、リリが“罰”を求めてるのがミソで、拒絶されることで自分の世界観(誰も信用できない)を守ろうとしてる。
ベルの最初の回答が最悪で最高
ベルが咄嗟に「女の子だから?」と言ってしまい、リリがブチ切れる。
この怒りは筋が通ってないようで通っていて、要は「私は“誰でもいい枠”じゃない」って叫びになっている。本人はうまく言えないけど、心がそう言ってる。
核心:ベルの言葉がリリの欲しかったもの
ベルは言い直す。
「リリだから助けたかった」「リリだからいなくなってほしくなかった」「理由なんて見つけられない」
これでリリは完全に崩れる。必要とされたかった、受け入れてほしかった、嫌いな自分(リリ)を肯定してほしかった。その一点に刺さって号泣し、謝罪し、ベルに抱きつく。
二日後の“関係のリセット”
ダンジョン内の極限の和解だけで終わらせず、地上でやり直しの儀式をもう一回やる。
リリがバベルの門で待っていて、ベルが昔の出会いをなぞるように声をかける。
「サポーターさん、冒険者を探していませんか?」
エピローグ「舞台裏」
舞台裏の状況
アイズは10階層の霧の中に一人で残され、周囲には斬り裂いたモンスターの骸が転がっていた。直前まで霧の奥に白髪の少年ベルの姿が見えていたが、包囲が緩んだ瞬間に強行突破し、何かに突き動かされるように走り去ってしまった。エイナの依頼で情報を集めて追い付いたのに、またすれ違ったことにアイズは小さく落胆した。
アイズが感じ取ったベルの焦燥
霧越しで判然としない中でも、ベルの動きには焦りが滲んでいたとアイズは捉えた。アイズがモンスターの流れを断ち切ったことでベルは自由になり、そのまま「駆け付けるべき何か」へ全力疾走していったと推測する。アイズは自分が彼の力になれたかもしれない、と漠然と思う一方、依頼の都合もあり「追うべきか」を迷う。
落とし物の発見
思考を巡らせる最中、霧の奥で光るものがあり、アイズが拾うと緑玉石色のプロテクターであった。リヴェリアやエイナの瞳を思わせる色合いで、激戦の痕があるように傷だらけであった。アイズは「なぜここに?」と首を傾げつつ、心当たりに辿り着き「もしかして」と呟く。
最後の一文が示す“舞台裏”の本題
直後に「100階層に迷い込んだ白兎」がぴょんと草原を跳ねていく描写が入る。これは、アイズの背後に“白兎=ベル”がいる構図であり、ベルが向かった先(リリ救出)と、アイズが拾ったプロテクターの持ち主(エイナ)が、舞台裏で一本につながる予感を置いて締めている。
ダンまち シリーズ一覧
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか




















ダンジジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア











アストレア・レコード




ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オラリオ・ストーリーズ



その他フィクション

アニメ
PV
OP
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