物語の概要
本作は異世界転生ファンタジー×シリアスコメディ漫画である。中二病的設定を極めたい少年シド・カゲノーが、異世界で「影の実力者」を自称し、ノリで結成した少女たち=七陰と共に“正義の味方ごっこ”を展開する。彼の冗談混じりの虚構はやがて真実となるかもしれず、読者を勘違い系コメディと冒険の狭間へ誘う物語である。
主要キャラクター
- シド・カゲノー:主人公。現実では中二病を拗らせたゲーマー。異世界では“陰の実力者”を自称し、意図せず少女たちを従える。
- 七陰:シドがノリで結成した少女たち集団。彼女らは真面目にシドの正義に奉じて活動し、物語の中心メンバーとなる。
物語の特徴
本作の魅力は、「自称“陰の実力者”設定」の中二病センスと、それに真面目に付き合う七陰とのギャップにある。ノリで始まった行動が思わぬ方向へ進む展開、勘違いと真実が入り混じる構成、そして“設定遊び”のような軽快さと世界観構築の巧みさが特徴である。シドの妄想設定が現実化していく様は他作品と一線を画し、笑いと意外性を提供する。
書籍情報
陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン~七陰列伝~(1)
漫画 kanco 氏
原作 逢沢 大介 氏
原作 マスターオブガーデン製作委員会 氏
出版社:KADOKAWA
発売日:2024年11月25日
ISBN:978‑4041155776
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あらすじ・内容
七陰の伝説はここから始まった!? 話題の勘違いシリアスコメディ開幕!!
異世界で「陰の実力者」設定を楽しんでいた少年シド・カゲノーは、ノリで配下にした少女たち=七陰とノリで(彼女たちは大真面目で)正義のミカタをしちゃったりして。
そんな七陰(&主人公)最強×圧倒的中二病×勘違いシリアスコメディ開幕!?
感想
『陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン~七陰列伝~ 』は、原作一巻の序盤のアルファとシドの出会いから物語が始まる。
シャドウガーデンがまだ黎明期で、組織を拡張していく様子が描かれているのが興味深い。
シャドウがガンマやデルタに剣術を教えようとするも、その指導に苦戦する場面は、彼の万能ではない一面を垣間見れて面白い。
また、イプシロンのスライムスーツ度がまだ低い状態であることも、初期ならではの描写だと言えるだろう。
特に印象的だったのは、ダークエルフのような外見を持つラムダがシャドウガーデンに加入する場面だ。
元軍人という経歴を持ち、新兵の訓練を担当することになる彼女の真面目さが、アルファと並んでシャドウガーデンの基盤を支えていく。
しかし、他のメンバーが彼女たちの真面目さを良い意味で引っ掻き回す展開は、本作ならではのユーモアに溢れていて、読んでいて思わず笑みがこぼれてしまう。
この作品は、ゲーム版を原作とした漫画化作品とのことだ。
もう一つの原作を漫画化した作品との絵柄の違いは、個人的には許容範囲内だと感じた。
本作は七陰がメインで描かれており、シャドウ(ㇱド)の出番が少なめ。
しかし、シャドウに助けられた七人が組織を設立するまでの物語は、シャドウガーデンの未だ拠点も無い頃を描いているという点で、非常に新鮮で面白い。
ゲーム関係には疎いため、今後どのような独自のストーリーが展開されるのか、続きが楽しみである。
シャドウガーデンの初期メンバーたちの個性や関係性が丁寧に描かれており、彼女たちがどのようにしてシャドウの理想を実現していくのか、今後の展開に期待したい。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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展開まとめ
呪われし肉塊の解放
腐敗した肉塊のような存在に魔力が流れ込み、変化が生じた。制服姿の少年はその様子を観察し、正体が金髪エルフであると判明する。彼は呪いを解除し、エルフを元の姿に戻した。
語られた真実と黒幕の影
エルフは自分の身体が元に戻ったことに驚く中、少年は過去の出来事として、魔人ディアボロスが英雄たちに死の間際に呪いをかけ、その呪いが子孫たちを「悪魔憑き」として変貌させたことを語る。病とされていたものは、本来「英雄の血の証」であると明かした。
シャドウガーデンの始動
少年は「陰に潜み、陰を狩る者――シャドウ」と名乗り、少女に共に戦う覚悟を問う。彼女は自分を救った存在に忠誠を誓い、「アルファ」と名付けられる。彼は組織名を「シャドウガーデン」と明かし、仲間を募る意志を見せた。
三年後の暗躍と襲撃
三年後、廃村にてフード姿の集団が痕跡調査を行っていたが、突如として攻撃を受ける。村は炎に包まれ、シャドウガーデンの奇襲が始まった。
七陰の力と連携
第一席アルファを皮切りに、デルタ、イータ、ゼータ、ガンマ、ベータ、イプシロンが次々と登場。獣人の膂力、スライムの応用、舞踊による魔法、音と反応の利用など、各自の能力で敵を圧倒していった。
敵の崩壊と尋問
敵の一部は恐怖に打ち震え、「一方的すぎる」と動揺。アルファは「殲滅する」と断言しつつも、ディアボロス教団の所在を探るために一部を生かす方針を取る。教団の名に敵は動揺し、背後関係を明かすこととなる。
七陰の宣言
ディアボロス教団との本格的な戦いに備え、シャドウの意志を継ぐ者たちとして、七陰の少女たちは自らを「シャドウガーデン」と名乗り、「陰に潜み、陰を狩る者」としての使命を掲げて物語は幕を閉じた。
episode.2
シャドウとの別れ
シャドウと呼ばれる少年のもとを離れることを、複数の少女たちが宣言した。彼女たちはシャドウの元から独立し、自らの任務へ向かう覚悟を示した。その中の一人が別れの言葉を述べ、彼女たちは新たな行動を開始した。
七陰の行動開始
シャドウガーデン設立から三年が経過し、彼女たち「七陰」は、ディアボロス教団との本格的な対決に備えるため、別行動を開始した。各自の力を高め、陰での戦いに備える方針を固めた。
再集結と作戦会議
時を経て七陰が再集結し、シャドウガーデンとしての次なる方針を話し合う会議が行われた。メンバーの一人ベータは、全員が揃っていることを報告し、会議が始まった。
各メンバーの役割分担
第一席のアルファが会議を主導し、各メンバーに役割が割り振られた。第二席ベータは情報の分析と記録、第三席ガンマは組織全体の運営と資金調達、第四席デルタは直接戦闘、第五席イプシロンは救助活動の実動、そして第六席ゼータはディアボロス教団の調査と呪いの研究を担当することとなった。第七席イータは会議中に眠気を催していたが、研究に関与する任務を割り当てられた。
七陰の本格的始動
それぞれが任務を理解し、行動方針が定められたことで、七陰の本格的な活動が始動した。彼女たちはシャドウの意志を継ぎ、シャドウガーデンの力を陰で高め、世界の裏で繰り広げられる戦いへと踏み出した。
イプシロンへの任務と説得
アルファはイプシロンに裏方の任務を割り当てた。イプシロンは不満を表明したが、細やかな気配りとセンスが求められる仕事であり、自分にしか果たせない役割であると説得される。アルファの信頼の言葉に、イプシロンはその任務を引き受けた。
新拠点探索とゼータへの任務拡張
アルファはゼータに対し、ディアボロス教団に関する情報探索を継続しつつ、ガーデンの新たな拠点候補の調査も依頼した。ゼータはやや困惑しながらも任務を受け入れ、他のメンバーもその必要性に同意した。
廃村の限界と拠点拡張の急務
会議では、現拠点の廃村では限界があることが議論された。今後の規模拡大と秘匿性の両立のためにも、快適で新しい拠点の確保が急務とされ、拠点選定が喫緊の課題であるとされた。
イータ・ゼータの任務と再確認
ゼータはやむなく任務を了承し、イータにも引き続き研究開発の任務が与えられた。イータは眠気に耐えつつ任務を聞き、ベータは新拠点建設時にも関わってもらうつもりであると補足した。
アルファからの提案:剣の標準化
アルファは会議の最後に提案として、シャドウが教えてくれた剣術をガーデンの象徴とし、成員全員が共通の剣を携えることを提案した。この提案には、教団との戦闘における効果と、組織の象徴性を高める意図が含まれていた。
剣の採用理由と意義
剣の使用を巡り、デルタらは疑問を呈したが、シャドウが剣を通じて彼女たちに戦いを教えたことが背景にあるとアルファは説明した。そのため剣は、シャドウガーデンそのものを象徴する武器であると位置付けられた。
統一武装の利点と納得
アルファはさらに、武器を剣に統一することで個人の特定を防げる利点を述べ、象徴性の維持にもなると主張した。ベータらはその意図を理解し、シャドウの深い考えに感動を示した。
柔軟な運用と努力義務としての提案
デルタは剣を好まない旨を明かしたが、アルファは剣の使用が義務ではなく努力義務であり、状況によって柔軟に対応可能であると補足した。これにより、全員が最終的に提案を受け入れる姿勢を見せた。
七陰の出動と任務報告
七陰は新たな任務に向けて行動を開始した。ベータはアルファに対し、他メンバーの活動状況を報告した。ゼータは新拠点の探索と諜報活動、イータは研究、ガンマは商会の休業調整、デルタは暇を持て余していた。
デルタの適性と判断
デルタに別任務を与えるべきとの意見もあったが、アルファはシャドウの方針を尊重し、彼女の本能と適性を活かす判断をした。無理な矯正より、個性を伸ばすことが大切と語られた。
イプシロンの帰還と新情報
イプシロンが報告任務から戻り、ゼータが調査していた地下施設がディアボロス教団のアジトであることを確定させた。さらに、そこには悪魔憑きが運び込まれた形跡も確認された。
緊急出動の決定
報告を受けたアルファは緊急対応を決断し、デルタを招集するようベータに命じた。デルタはすぐに戦闘態勢に入り、敵施設に突入。待ち受けていた教団構成員を即座に斬り伏せた。
教団との戦闘開始
デルタは「狩りの時間」と宣言し、七陰によるディアボロス教団アジトへの急襲が開始された。アルファ、ベータらも彼女に続いて現地に到着し、戦闘に参加する構えを見せた。
episode.3
教団施設の調査と評価
シャドウガーデンのメンバーたちは、急襲した教団施設を調査し、この拠点が教団にとってさほど重要でないことを見抜いた。警備が常に一人交代制であったことや、施設の存在が隠されていた点からも、ここは隠蔽された中間的な拠点と見られた。
教団の性質と悪魔憑きの存在
アルファは、この世界におけるディアボロス教団の在り方について分析し、悪魔憑きの運搬が現在も続いている状況を踏まえ、今後は陽動などの行動も視野に入れるべきと判断した。
救出作戦の必要性と困難
デルタは正面突破による速攻を主張するが、以前の戦闘で悪魔憑きを暴走させた事例が思い起こされる。現在のシャドウガーデンには暴走を抑える手段がないため、今回の作戦では慎重な救出行動が求められることが確認された。
作戦の分担と開始
作戦は陽動班と救出班に分かれ、デルタとベータが陽動を、アルファとイプシロンが悪魔憑きの救出を担当することとなった。アルファの号令により、「シャドウガーデン、作戦開始!」の掛け声とともに行動が開始された。
潜入と連携攻撃
デルタたちが敵を引きつける中、アルファとイプシロンは敵拠点に潜入。待ち伏せしていた見張りをイプシロンが華麗な攻撃で一蹴し、囚われていた少女の救出に向かった。
地下施設での囚人発見
敵の増援がないことを確認しつつ、目的の囚人のもとへ到着。少女は意識がある唯一の生存者であり、急ぎ救出を決定する。
イプシロンへの任命
アルファは、囚われた少女の呪いの解除をイプシロンに任せる。これまで「悪魔憑き」の解除はシャドウやアルファの役目だったが、イプシロンの魔力制御能力の高さが認められた。
イプシロンの自信と決意
アルファの言葉に背中を押されたイプシロンは、自身の魔力制御能力に自信を深め、導くようにして呪いの解除に臨む決意を固めた。
解呪の儀式と成功
魔力の流れを整えるようにして、旋律を奏でるような動作で呪いの核に干渉する。イプシロンの導きにより、少女は無事呪いから解放され、元の姿に戻った。
呪いの正体と少女の覚醒
目覚めた少女は、自分が「悪魔憑き」になっていたことを理解。だがその状態から解放されたことを信じられずに戸惑う。
呪いの起源と英雄の血脈
アルファは、古の魔人ディアボロスが英雄たちにかけた呪いであると説明。その呪いが発現したのは、少女が英雄の血を引いている証でもあった。
少女の過去と希望
自分はすべてを失った存在だと語る少女に対し、アルファは「やり直すことができる」と説く。少女は戸惑いながらもその言葉に可能性を見出す。
教団の陰謀の告白
アルファは、ディアボロス教団が歴史を歪め、悪魔憑きを実験材料として利用してきた真実を明かす。少女はその実態に驚愕し、教団の暗躍に疑念を深めた。
選択肢の提示
アルファは囚われていた少女に対し、2つの道を提示した。ひとつは救われた命を抱えて静かに暮らすこと、もうひとつはシャドウガーデンの一員として世界の闇と戦うことだった。
共通の過去と覚悟
少女が「何者なのか」と問う前に、アルファたちは自身もかつてすべてを失った存在であること、そしてシャドウに救われた過去を語った。少女はその覚悟に共感を覚えた様子を見せる。
仲間としての決意
少女は「ならば消えるはずだった命」として、シャドウに尽くす決意を表明する。アルファは彼女に「ようこそシャドウガーデンへ」と歓迎の言葉をかけた。
新たな名の授与と注意喚起
少女は「ラムダ」という名を与えられる。周囲への警戒を怠らず、カゲノー家と関係していることが悟られないよう注意を促された。
組織の拡張と構成員の再訓練
アルファはシャドウガーデンの拡張状況を報告。構成員が増えるにつれ、新たな拠点を探しつつ、剣の再訓練を全員に課していることを語った。
各自の戦闘スタイルの確立
アルファは、七陰それぞれが自らの特性を活かした戦い方を確立したと説明。ただし、デルタとガンマの剣技習得には難があったことを振り返る場面も描かれた。
今後の展望と決意
シャドウ(シド)は、再び剣を教える必要性を検討しつつも、自らの旅がまだ始まったばかりであると語る。そして、「陰の大地にて起つべき」と自らの使命を誓った。
日常への帰還とシャドウとしての意識
最後に、アルファが退出し、シャドウは自分の母親に叱られることを想定して立ち去りの時を悟る。彼は「象徴としての剣」としての新拠点構想に想いを馳せつつ、アルファの本気ぶりに苦笑を漏らした。
episode.4
古都アレクサンドリアの伝説
遥か昔、都の繁栄と引き換えに「何か」との契約が交わされ、栄華の果てに都は滅び、古都アレクサンドリアとして語られるようになった。
訓練中のシャドウガーデン
ラムダは訓練中の構成員に休憩を指示し、水分補給の大切さを説いた。メンバーが増えたことにより、今後の指導にはさらなる労力が必要であると認識した。
新たな拠点の候補地
ゼータが新たな拠点の候補として古都アレクサンドリアの名を挙げた。それは「深淵の森」の奥地に存在すると言い伝えられている幻の都市であった。
アレクサンドリアの正体
ベータは「アレクサンドリア」は古代の伝説に語られる都であり、深淵の森の先に存在するとされるが、実在は未確認であると説明した。深淵の森自体も侵入すれば生還不可能と恐れられていた。
拠点としての価値
ゼータは、仮に都が存在しなくとも、その森の中は誰にも邪魔されない場所として、拠点として最適であると主張した。会議は雑談混じりになりつつも進行し、アルファは一人で思案を深めた。
シャドウの言葉の回想
アルファは、かつてシャドウが語った「我々の起つべき陰の大地がある」という言葉を思い出し、それが古都アレクサンドリアを示していたのではないかと確信した。
調査の決定
古都アレクサンドリアの実在を確かめるため、深淵の森への調査が決定された。デルタはすでにその場所を知っており、「ピクニック」と勘違いした様子ではしゃいでいた。
日常との交差
デルタの発言は以前、シャドウの前でも「ピクニックに行く」と述べていたことが明らかになり、日常の何気ない行動が今回の方針と重なる形となった。
接近の危険性と距離感の調整
ガーデンの活動が本格化する中で、シャドウとの距離が近すぎることで正体が露見する危険があると懸念され、拠点を人里離れた地へ移す方針が語られた。
新たな拠点への移動計画
アルファは、ディアボロス教団に気づかれぬよう、ガーデンの新たな拠点を「深淵の森の奥」へ移す計画を明言した。物語は次なる行動へと進み始めた。
深淵の森と伝承の真偽
シャドウは「僕をのけ者にするわけか」と自嘲気味に呟きつつも、深淵の森の伝承に興味を持った。森には「霧の竜」と呼ばれる超常の存在が語られており、その真偽を探る動きが始まった。構成員たちは慎重ながらも調査に乗り出すことを決定した。
ピクニック感覚での出発と戦闘開始
女子会のような雰囲気で進む調査隊は、深淵の森へと入った。そこに現れた魔獣に対し、眼鏡をかけた構成員が弓で迅速に討伐し、他のメンバーたちも安堵した。だが、想定より敵が弱く、森の危険性と伝承に疑念を抱き始める。
有毒な霧と異常の兆候
デルタたちは、深淵の森に蔓延する霧が自然のものではなく、モンスターすら適応できていない異質な存在であることを見抜いた。構成員たちはその霧を避けて行動しており、生息する魔物も進化が進んでいないことから、霧の発生が最近のものであると推察された。
霧の正体と「霧の竜」への接続
構成員たちはこの霧が何者かによって意図的に生み出された可能性を指摘し、その特異な存在が「霧の竜」と伝承されてきたのではないかと推論した。ただしデルタは伝承の信憑性には懐疑的であった。
七陰の警戒とラムダの警備姿勢
アルファはピクニック気分から脱し、七陰全員が霧の脅威を認識し警戒にあたるよう促した。実際に現地に立ち入ると、霧が確かに異質なものであると改めて確認された。ゼータの事前調査と、ラムダの堅実な訓練と備えが組織の行動に生かされていた。
イプシロンの評価と剣技の再訓練
アルファはラムダに対し、七陰それぞれの剣技の出来を尋ねた。ラムダはイプシロンの魔力制御に偏った剣技が独特であり、再訓練の必要性を指摘。デルタとガンマについても、力任せやフォームの単調さが課題であると評価された。
シャドウの方針とラムダの覚悟
元々はシャドウが七陰全員に剣技を指導していたが、現在は各自の個性を伸ばす方針へと変わっていた。それでも、シャドウの剣技を継承することは七陰にとって絶対条件であり、ラムダはそのために自らの手を汚す覚悟を持って動いていた。
異変の気配
会話の中でイプシロンが何かしらの「違和感」を感じ取る。森の奥地で未知の存在の気配が漂い始め、緊張が高まりつつあった。
霧の龍との遭遇
シャドウガーデンの一行は、探索中に空間の歪みや強力な魔力の妨害を感知し、異常事態に直面した。デルタが強者の気配を感じて突進するが、アルファは冷静に状況を分析し、敵の力を警戒した。ベータとゼータも合流し、行動を共にする。
敵の正体は「霧の龍」であり、その姿は伝説に語られるほど巨大かつ強大であった。突如出現した龍を前に、隊員たちは一様に驚愕し、戦慄する。
その様子を陰から観察していたシャドウ(シド)は、状況を面白がりながら展開の行方を見守っていた。彼にとって、これは想定通りの「面白い展開」であった。
episode.5
蘇った霧の龍とその衝撃
七陰たちの前に、伝説の存在「霧の龍」が突如現れた。これまで伝説上の存在とされていたその姿に、彼女たちは驚愕し、龍の出現に現実感を持てずにいた。一方、霧の龍は状況を面白がり、観察している様子を見せた。
霧の龍の記憶と自認
霧の龍は、自身がかつて「霧の龍」と呼ばれていた存在であり、過去に存在していたことを語った。その姿を知る者が今もいることに興味を抱き、彼女たちの問いかけに反応を示した。
古都アレクサンドリアと龍の関係
霧の龍はかつて「古都アレクサンドリア」の守護者であり、王との盟約を交わしたことがあったと明かした。かつて繁栄を誇った都市が、時の流れと共に霧の中へと消えたことに触れ、歴史の陰で忘れられていった存在であると語った。
真実への好奇心と問いかけ
ベータは、古都や霧の龍にまつわる真実を強く知りたいと申し出た。霧の龍はそれを「面白い」と捉え、語ることを了承した。彼女たちの知的好奇心が、伝承の深層に迫る鍵となっていた。
伝承と現実の境界
霧の龍は、アレクサンドリアの繁栄の裏で交わされた盟約が破られたことに触れた。「夜にして滅ぼされた」という伝説もあるが、それは真実の一端に過ぎないとも述べた。真相は語られずに伏せられたままであることを示唆した。
忘却された契約と時間の経過
霧の龍は、アレクサンドリアの王との盟約がいつしか忘れられ、人々の記憶から消えていったことを語った。時間の流れは、生命の繁栄と衰退の一部であり、自らの存在さえも歴史の彼方に埋もれていたとした。
龍と都市の没落
霧の龍は、都市の繁栄がやがて「腐敗」へと変化したことを明かした。ベータはその視点を理解し、都市が滅亡したと確認する。霧の龍は、偉大さの裏には高い精神性が伴うべきであると述べた。
精神性の重視と失望
霧の龍は、アレクサンドリアの王や民に対し、精神性を伴った力を求めていたが、時の流れと共に民が堕落していったことに失望した様子を見せた。龍にとっては、精神の力が最も重要な資質であり、それが失われたことが問題であった。
精神の発現と戦いの予感
霧の龍は、古都アレクサンドリアが滅んだ理由を「強者を求めぬ堕落」と断じた。精神性を示す者こそが高みへ至ると語り、デルタにはその感覚がわかるはずと述べた。デルタは、強者との戦いに胸を躍らせ、戦いに前向きな姿勢を見せた。
龍の離脱と仲間たちの覚悟
霧の龍はその場から飛び去った。少女たちは、会話の中でも霧の龍が警戒や敵意を見せていなかったことに気づき、アルファは霧の毒を避けつつ戦う方針を示した。ベータの提案により「全員で倒す」決意が固まり、真剣勝負に臨む姿勢を共有した。
霧の龍の襲撃と戦闘開始
霧の龍は突如攻撃を仕掛け、「好奇心はエルフと獣人を殺す」と言い放つ。ゼータは即座に迎撃しようとし、ベータや仲間たちも反応して応戦を開始した。だが、霧の龍の動きは素早く、仲間たちは押され気味であった。
無謀な攻撃と制止
ゼータが正面から突撃するが、ベータに止められる。ベータは、龍も生き物である以上倒せるはずだと反論するが、他の仲間からは「弱点を調べたのか」と問い詰められる。ベータは情報不足を認めつつも、戦う意思を曲げなかった。
龍の強靭さと少女たちの危機
霧の龍は、ドラゴンという種族が通常の攻撃で命を落とさない存在であると語る。その存在自体が反則であることを、仲間の一人が怒りと共に叫ぶ。霧の龍の攻撃が少女たちに迫る中、イプシロンが吹き飛ばされるがギリギリ避けていた。
苦戦と攻撃の無効化
七陰たちは霧の龍に連携して挑むが、その圧倒的な力と速さの前に攻撃はほとんど通用せず、ベータも苦戦を強いられた。霧の龍はその様子をあざ笑い、知恵がある者ほど絶望も早いと述べた。
決死の一撃と手応え
ガンマは冷静に狙いを定め、霧の龍の背後から深く突き刺す攻撃を成功させた。仲間たちはその攻撃が通じたことに驚きつつも希望を見出し、戦況が一時的に傾く。
龍の評価と再認識
霧の龍はガンマの行動を称賛しつつ、なおも圧倒的な力で反撃する。七陰たちはその強さをあらためて実感し、アルファも満身創痍になりながらも立ち上がろうとする。
シャドウの登場と決意
戦況が膠着する中、シャドウがついに姿を現す。彼は「陰に潜み陰を狩る者」として自己紹介し、霧の龍にも聞こえるように名乗りを上げた。霧の龍はその名に驚きの反応を見せた。
終幕の宣言
シャドウは永きにわたる霧の龍の生への倦みを見抜き、その存在に終止符を打つ者として、自身の剣で断罪する意志を示した。アルファはその姿を目にして、驚きと共に「シャドウ」と名を呼ぶ。
同シリーズ
陰の実力者になりたくて! シリーズ
漫画版












小説版






その他フィクション

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