どんな本?
高校生の異世界転移に巻き込まれたムコーダは、戦闘面では全くの無能だったので戦争に巻き込まれ無いように別の国へ行く。
その道中に、ムコーダの料理に魅入られた伝説の魔獣フェンリルが仲間に加わり、さらに生まれたばかりのスライムも仲間になる。
その後、中身は中年で見た目は可愛いピクシードラゴンもムコーダの作るご飯に釣られて仲間になってしまう。
アニメ化?
読んだ本のタイトル
#とんでもスキルで異世界放浪メシ 8 石窯焼きピザ×生命の神薬
著者:#江口連 氏
イラスト:#雅 氏
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あらすじ・内容
おうちにいても大忙し!?
「とんでもスキルで異世界放浪メシ 8 石窯焼きピザ×生命の神薬」
「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。
彼は従魔のフェル、スイ、ドラちゃんと共に、久しぶりにカレーリナの街を訪れる。
そしてフェル達とのダンジョン攻略や狩りのおかげで貯まりに貯まっていたお金を使って、お城みたいな大豪邸を購入するのだった。
家の管理のための奴隷達も購入したし、しばらくは夢のマイホームでのんびりできるぞ……と思いきや!
伯爵様の後ろ盾を得るために用意した“ある薬”がとんでもない効果を発揮しちゃったり、奴隷達のために石窯や畑を作ったり、ギルドから急な依頼が舞い込んだりと、ムコーダは相も変わらず大忙し。
その上、ワガママ放題の罰で創造神様から謹慎処分を言い渡されていた神様達がもうすぐ自由になるらしく、また騒がしくなること間違いなしで……!?
「小説家になろう」6億8千万PV超のとんでも異世界冒険譚、気付いてみれば第8巻!
前巻からのあらすじ
ドラゴン狂いのエルフなギルドマスターを彼の管轄してる街ドランに送り届け、レッドドラゴンを解体してもらい。
ついでにドランのダンジョンを一周。
そして、かつて滞在していたカレーリナの街に戻り、ムコーダはついに家を買う。
いや、家か?宮殿の間違いじゃないか?
そして奴隷を買うが、ムコーダの恋愛運の無さが発揮されてるのが切ないw
結果、病気で多額の借金をした家族と不作で借金を作ってしまった2家族9名。
依頼を失敗した冒険者4名
母親の病の治療費で借金してしまった冒険者1名
合計14名を購入。
そんな彼等に家の管理と警備をさせる。
感想
カレーリナの街で宮殿かと思ってしまうほどの豪邸を購入。
管理維持と警備のために借金奴隷を14人購入。
彼等の生活必需品を購入して、トニー、アルバン一家の男性陣は広大な庭を手入れして。
女性陣が屋敷の管理を任せる。
屋敷の警備は5人の元冒険者達がする。
そして、ギルドマスターに家を購入してカレーリナをホームタウンにすると報告する。
さらに、ムコーダに目を付けて嫌がらせをしそうな商会と、その背後にいる貴族の件を報告する。
それを聞いたギルドマスターは、領主のラングリッジ伯爵をムコーダに紹介すると言う。
それで、ラングリッジ伯爵への手土産は何が良いかと聞いたら、、
ギルドマスターと同じ悩みを持っていると言う。
ムコーダか何気なくネットスーパーで買った育毛剤。
それを瓶に移し替えて、スイ特製のエリクサーを何気なく一滴垂らしたら、、
神薬毛髪パワーが爆誕。
髪が後退して白髪になっていたギルドマスターの髪が、、
後退した箇所から髪が生えて来た。
さらに髪の色も若い頃の髪の色になり、、
それを見たギルド職員達は戸惑う。
それにすら気がつないほどギルドマスターは有頂天。
そして友人であるラングリッジ伯爵と面談をする事になる。
その数日後にムコーダの家に伯爵が訪問。
その時に、フェル達が寝転がっているのを家宰が文句を言うが、、
フェルが凄むと家宰は気絶。
神獣であるフェルには人の権力は効かないと判る。
コレでムコーダに無理難題も言えなくなる。
それでも、伯爵には育毛剤が献上されて彼の紹介でしか育毛剤を購入出来なくされる。
商品の窓口は皮用品を取り扱い、最近は石鹸やトリートメントを扱っているランベルト商会と決める。
それはムコーダ自身の安全のためでもあるので、ムコーダは全く不服は無いのだが、、
育毛剤を使っての外交は、ごく一部が寂しい紳士には凄まじい鬼札になる。
それを同じ悩みを持っていた貴族達に、自身を広告塔にして外交力を拡大して行くラングリッジ伯爵。
コレにてムコーダを面白く思わない貴族や商会は手を出せなくなるが。
ムコーダの屋敷を襲おうとしていた連中は全ての上役まで全て捕えられてしまう。
コレも戒めとなってムコーダの安全が完全になる。
そんな中、屋敷に住む多くの同居人達も馴染んで来たが、馴染みすぎて元冒険者の双子がフェルの怒りを買い。
少し忘れた頃に、オークの大量発生の緊急クエストでフェルが請けたのに双子が突撃させられ。
大苦戦を強いられ、何故がムコーダも巻き込まれて3人でオーク150匹を討伐する。
それから双子はフェルの食事には手を出さなくなるのだが、、
ただ単に巻き込まれたムコーダは憮然とするw
それ以外では、屋敷の女性陣がパンを作りたいと言ったので石窯を造り。
ついでにピザを焼いたら大成功。
新鮮な野菜が無いと聞いたら畑を作り、ネットスーパーで購入したメロン、スイカの種を使って液肥を撒いたら、、
濃度を間違えて凄まじいスピードで育ってしまい数日でメロン、スイカが収穫されてしまう。
そんな事をカレーリナの街でやっていたらフェル達がダンジョンに行きたいと言い出して、肉ダンジョンと呼ばれる。
ローセンダールのダンジョンへと向かう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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展開まとめ
第一章 仕事の前に
奴隷たちとの朝食と目玉焼きの提供
ムコーダは新たに雇用した14人の奴隷たちに、目覚まし時計を支給して朝8時に母屋に集合させた。朝食には、コンソメスープ、目玉焼き、トースト、オレンジジュース、ヨーグルトを用意し、彼らと共にダイニングで食事を取った。玉子や胡椒といった贅沢品に奴隷たちは感嘆し、特に目玉焼きにソースをかける新しい味は子どもたちに大好評であった。元冒険者たちは追加の食パンやハムも平らげ、満腹となった。
生活必需品の買い出しと靴の新調
朝食後、ムコーダは従魔たちを伴って14人を連れ、市場へ出発した。まずは靴を求めてランベルトの店を訪れ、子ども用から大人用までレッドボアの革靴を購入した。元冒険者には鉄板入りのブーツを用意し、計14足の靴を金貨26枚で揃えた。ランベルトはその後、石鹸やシャンプーの取り扱いに関しても協力を約束し、非常時には奴隷たちの保護も申し出た。
衣服の購入と服飾店での応対
次に訪れたのは、マルタン服飾店であった。女性陣には黒いロングドレスと白エプロンのメイド服を1人3着ずつ、子どものロッテにも希望により同じメイド服を用意した。男性陣にはオリーブ色のオーバーオールを3着ずつ、元冒険者にはスティールスパイダーの糸を織り込んだ厚手のズボンを3本ずつ、通気性に優れ防刃性も高いとされる特注品を購入した。下着類は各自で選ばせ、総額は金貨77枚となった。
市場での食材購入とマジックバッグの活用
衣類と靴を整えた後、生活自立を視野に入れて野菜の買い出しを行った。キャベツ、人参、玉葱、じゃがいもなどの日持ちする野菜を中心に仕入れ、マジックバッグに一時保管した。料理担当は主婦経験豊富なアイヤとテレーザが担当することとなり、彼女たちの意見を取り入れて適切な食材を選定した。
自炊開始に向けた準備と昼食の購入
翌日からの自炊と業務開始を前提に、食材と装備の準備は整った。市場の帰りには、レッドボアの串焼きを屋台で大量に購入し、昼食として皆に振る舞った。こうしてムコーダは、屋敷運営に必要な生活基盤を順調に整え、奴隷たちとの共同生活の体制を確立していった。
園芸用品の準備と買い出しの依頼
ムコーダは昼食後、庭の手入れに必要な園芸道具の準備を思い出し、ネットスーパーで刈込バサミやスコップなどを購入した。芝刈り用の大鎌や脚立は取り扱いがなかったため、奴隷のトニに地元の店での購入を依頼し、護衛としてルークとアーヴィンを同行させた。
調理器具の追加支給と魔石の補充
大人数分の調理に対応するため、テレーザの提案を受けて大鍋や大型フライパンをネットスーパーで購入し、料理担当のアイヤとテレーザに支給した。さらに、使用人用の風呂に設置されていた魔道コンロに必要な極小の魔石を手配すべく、ムコーダは冒険者ギルドへと赴いた。
ギルドマスターへの報告と貴族との接触の準備
ギルドマスターに屋敷購入と奴隷の雇用について報告したムコーダは、スタース商会という評判の悪い商会からの干渉を懸念し、奴隷たちの緊急避難先としてギルドの協力を要請した。ギルドマスターは協力を快諾し、後ろ盾としてラングリッジ伯爵との繋ぎを提案した。
ラングリッジ伯爵への贈り物と育毛剤の話題
伯爵への贈り物を検討する中で、ギルドマスターの悩みから「育毛」の話題が持ち上がり、ムコーダはネットスーパーで適切な育毛剤を調達することを約束した。合わせて、水と火の極小魔石を3個ずつ購入し、冒険者ギルドを後にした。
風呂の魔石設置と洗面用品の支給
帰宅後、ムコーダは使用人用の風呂のタンクに魔石をセットし、正常に湯が出ることを確認した。また、石鹸やシャンプーの使い方を説明し、石鹸トレイや湯おけ、ボディタオルを各人に支給した。これにより奴隷たちは快適な入浴環境を得た。
夕食とフェルの怒り騒動
夕食にはオークの生姜焼き丼やチンジャオロース丼を提供し、奴隷たちに喜ばれた。しかし、アホの双子がフェルのステーキ丼を無断で食べたことで騒動が起き、フェルの怒りを買った。ムコーダはドラゴン肉で新たなステーキ丼を作ると約束して場を収めた。
翌日の業務開始と役割分担
翌朝、支給された服と靴を着用した奴隷たちは見違える姿となって集合した。ムコーダは庭の手入れをトニ、掃除をアイヤとテレーザに任せ、詰め替え作業や警備体制についても指示を出した。警備はタバサを中心にローテーションで実施し、報酬や休暇についても制度を設けた。
掃除道具の支給と生活環境の整備
掃除用に雑巾、バケツ、箒、粘着クリーナー、洗剤などをネットスーパーで購入し支給した。ロッテは粘着テープのコロコロに夢中となり、各家にも同じ道具が支給された。屋敷が清潔に保たれることで、住人全員の生活環境は着実に整えられていった。
冒険者ギルドへの再訪
各人の業務開始を確認したムコーダは、再びフェルたちを伴って冒険者ギルドへ向かった。こうして屋敷生活の体制は確立され、次なる行動への準備が進められたのである。
第二章 神薬 毛髪パワー
冒険者ギルドでの再訪と育毛剤の提供
ムコーダは、育毛に悩むギルドマスターのために育毛剤を持参し冒険者ギルドを訪れた。選んだのは発毛促進と脱毛抑制を謳う製品で、シャンプーと併用することで効果が高まるとされた。さらに、即効性を求めたムコーダは、スイ特製のエリクサーを1滴加えてみた。その結果、育毛剤は「神薬 毛髪パワー」へと変化し、鑑定でも効果抜群の薬と判定された。
神薬の使用方法とギルドマスターの実践
ギルドマスターはその夜から神薬を使用し始めた。シャンプーで頭皮を洗浄し、少量ずつ神薬を揉み込むように使用したところ、翌朝には薄くなっていた生え際に茶色の新しい毛が生え始めたという。以降、朝晩の使用を継続し、3日後には髪はフサフサとなり、かつての髪色である茶色に戻っていた。白髪部分も切り揃え、見た目は20歳以上若返ったと本人が語った。
販売の可能性と商人たちの反応
ギルドマスターの激変に気づいた商人たちは騒ぎ出し、どこで手に入れたのか詮索が始まった。ムコーダは販売を考えていなかったが、ギルドマスターからの強い要望もあり、販売する際にはランベルト商会を通じることを検討した。ギルドマスター自身も追加購入を希望しており、その効果に深く満足していた。
肉の引取と報酬の受領
神薬を渡した後、ムコーダは冒険者ギルドの倉庫で肉の引取を行い、ワイバーンやキマイラを含む大量の魔物の肉を受け取った。また、素材の売却代金として金貨7685枚相当を受け取った。高額の理由は希少な魔物の素材が含まれていたためであり、キマイラの内臓や毒袋も含まれていた。
奴隷たちとの平穏な日常と働きぶり
その後の数日、ムコーダは屋敷で作り置き料理を準備しつつ、奴隷たちの働きぶりを見守って過ごした。全員が熱心に任務をこなしており、特に最年少のロッテは「毎日おいしいご飯が食べられるから頑張る」と語っていた。調理担当のアイヤとテレーザは、提供された調味料を活用してバリエーション豊かな料理を作っていた。
フェルたちとの狩猟と再会のBBQ
ムコーダはフェルたちの狩りに同行し、街近くの森で待機することになった。その間にBBQの準備を進め、偶然出会った旧知の冒険者パーティ「フェニックス」と合流した。彼らの依頼帰りに再会を祝して、ロックバードの肉と野菜でバーベキューを振る舞うことを決めた。
驚愕のドラゴン登場と一同の反応
バーベキュー開始直前、フェルと共に帰還したのはドラゴンとスライムであった。フェニックスの面々はドラゴンの登場に動揺し、スープの器を落とす者まで現れた。これにより、ムコーダの従魔がさらに強化されていることが明らかとなり、彼の冒険者としての規格外さが改めて浮き彫りとなった。
ドラちゃんの紹介とフェニックスの驚き
ムコーダは、BBQの準備を終えたところでフェルと共に帰還したドラちゃんとスイをフェニックスの面々に紹介した。ドラちゃんは成体のピクシードラゴンであり、見た目に反して非常に強力な存在であった。ドラちゃんの登場にフェニックスの冒険者たちは驚愕し、その強さを疑問視する者もいたが、戦果を見せれば理解されるとのムコーダの考えに従い、従魔たちが持ち帰った獲物を披露することになった。
魔物の戦果とドラちゃんの実力証明
最初に披露されたのは、スイが撃退したブラッディホーンブル20頭であった。その肉の美味しさからスイが進んで討伐したこともあり、その数と迫力にフェニックスの面々は圧倒された。続いて登場したのは、Sランク魔物・ギガントミミックカメレオンであり、これはドラちゃんが返り討ちにして仕留めたものであった。この一体でドラちゃんの実力は疑う余地のないものとされ、周囲を唖然とさせた。
ガルーダの登場と従魔たちの規格外の実力
さらに披露されたのは、全長5メートルを超える漆黒の飛行魔物ガルーダであった。これはフェルが討伐したもので、Sランクに位置づけられ、滅多に見られない希少な魔物であった。フェニックスの面々はその存在だけで衝撃を受け、さらにそれを簡単に狩ってきた従魔たちに驚きを隠せなかった。
バーベキューの開始と食事の歓談
従魔たちの狩猟成果を確認した後、ムコーダはBBQを開始した。香ばしく焼き上げた肉に自家製ソースをかけて提供すると、フェニックスの冒険者たちはその味に舌鼓を打ち、大満足の表情を浮かべた。ロックバードの肉を使った贅沢な料理にもかかわらず、ムコーダの仲間たちにとっては日常的な食材であり、遠慮する必要はないと促されたことで、彼らは思い切り食事を楽しんだ。
食後の移動とスイの巨大化
食事を終えた一行は、街へ戻るための手段を検討し、スイの巨大化によって移動手段を確保した。フェニックスの面々はスライムが人を乗せられるほど巨大化する様子に驚きながらも、スイの柔らかく快適な乗り心地に満足し、はしゃぎながら移動した。ムコーダはフェルに乗り、全員が街に帰還した。
門限直前の帰還と従魔への憧れ
一行は門限直前に街へ滑り込み、フェニックスの面々はムコーダの従魔たちの強さに改めて感心した。テイマーという職業への憧れを口にする者もいたが、フェルたちは念話で「強き従魔は安易には従わない」「美味い飯が用意できなければ論外」と切り捨てた。これにより、従魔の獲得がいかに難しいかを暗示する形となった。
別れと帰宅、食材の鑑定忘れ
街の門でフェニックスの面々と別れたムコーダは、フェルたちと共に屋敷へと帰還した。その際、ギガントミミックカメレオンやガルーダの肉が食用可能かを鑑定するのを忘れていたことに気づき、少し思案する様子を見せた。こうして従魔たちとの信頼関係と規格外の強さが改めて印象付けられた一日が終わった。
第三章 石窯を作りました
テレーザの希望と石窯作りの試行錯誤
テレーザの要望を受け、ムコーダは使用人用の家のそばに石窯を作ることを決めた。パン焼きに使うためであり、テレーザは実家でもパンを焼いていたという。ムコーダは土魔法を用いて作成を試みるが、特に上部のドーム構造が難航し、何度も作っては壊す作業を繰り返した。
スイの協力による完成
試行錯誤の末、ムコーダはスライムのスイに協力を依頼した。スイは土台の内部に入り、内部を滑らかに整えるとともに、外側も均整の取れたドーム形状に仕上げた。その完成度は高く、ムコーダはスイの万能さに感心し、石窯はようやく完成を迎えた。
テレーザの感動とパン作りの準備
完成した石窯を見たテレーザは、予想以上の出来栄えに感動した。すぐにパンを焼くことはできなかったが、パンの素である酵母をドライフルーツから作る方法を説明し、数日中に焼くことを約束した。ムコーダは、パン作りへの期待を膨らませつつ、石窯を夕食に活用することを決めた。
冷凍生地を用いたピザの準備
ムコーダは冷凍ピザ生地を使い、三種のピザを作る計画を立てた。マルゲリータ、照り焼きチキン、シーフードの三種である。材料にはコカトリスの照り焼きや海産物などを用い、ネットスーパーでチーズやトマト缶などを調達し、トマトソースも自作した。具材の仕込みとピザピールの作成も完了させ、準備万端となった。
夕食の開始とピザの提供
石窯が温まり、男性使用人や警備班、子どもたちも集まる中で、ムコーダはマルゲリータ、シーフード、照り焼きチキンの順にピザを焼き始めた。焼き上がったピザは香り高く、参加者たちはその美味しさに舌鼓を打ち、次々とおかわりが要求された。
各自のアレンジと賑わい
参加者たちはそれぞれ好みのピザを自作し始め、大人たちはマルゲリータ、子どもたちは照り焼きチキンが人気を博した。タバサやバルテルはシーフード、アホの双子はハーフ&ハーフを創作し、周囲を感心させた。スイに作ってもらったピザピールも活躍し、調理は円滑に進行した。
ムコーダの満足と今後の展望
ムコーダ自身はマルゲリータを選び、その焼きたての美味しさに改めて感動した。全体を見渡し、全員が楽しげにピザを頬張る光景に満足感を得た彼は、次回は生地から手作りすることや、アイヤやテレーザにレシピを教える構想を抱いた。石窯の活用と料理の幅の広がりに期待を膨らませながら、ムコーダは石窯を作って良かったと改めて実感した。
風呂上がりのひとときと神への供物準備
ムコーダはドラちゃんとスイと共にゆずの香りの入浴剤を使った風呂で疲れを癒した。毎日風呂に入れることを喜びつつ、寝る前の恒例行事である神への供物を準備することにした。今回選んだのは、日本酒飲み比べセットとプレミアムな缶つまセットであり、デミウルゴス神を楽しませるための特別な献上品であった。
日本酒の選定と国産ラム酒との出会い
リカーショップの特集で日本酒セットを選びつつ、偶然目に入ったのは国産ラム酒であった。鹿児島や沖縄など南の地域で造られており、無添加・無着色のラム酒が国際的な評価を得ていることを知ったムコーダは、今回のお供えにこのラム酒も追加した。デミウルゴス神もその選択に満足し、再会予定の神々への接触について助言を残して去っていった。
静かな日常と来訪者の予兆
その後の数日間、ムコーダは特に予定もなく自宅でのんびりと過ごしていた。ギルドマスターがラングリッジ伯爵に会いに行っていたため、その結果待ちも兼ねて自宅にとどまっていた。フェルは早くダンジョンに行きたがっていたが、ムコーダはその願望を受け流していた。
ギルドマスターの来訪と会談
ある日、ロッテの案内でギルドマスターが屋敷を訪れた。応接間で紅茶を共にしながら、ギルドマスターはムコーダの屋敷の豪華さや、奴隷として雇用している元冒険者タバサの実力に驚きを示した。ムコーダは屋敷の警備について、フェルの存在も含めて対策を講じていると説明した。
育毛剤の効果と伯爵の興味
ギルドマスターは、伯爵に育毛剤とシャンプーの効果を見せた際の様子を語った。フサフサになった姿に驚愕した伯爵は、すぐに同じものを欲しがり、詳細な質問を浴びせてきたという。ギルドマスター自身は育毛剤の使用間隔を調整しており、髪の状態を良好に保っていた。
伯爵の来訪決定と今後の準備
育毛剤の効果に魅了された伯爵は、冒険者ギルドの視察という名目でこの街を訪れることを決定した。訪問は二日後とされ、ギルドマスターはムコーダに早朝ギルドへ来るよう依頼した。ムコーダは伯爵への贈り物の準備を急ぐ必要があると認識し、翌日の段取りを検討し始めた。こうして、思いがけない来訪に向けた準備が静かに始まったのである。
閑話 3人の勇者 ~私たち結婚します ~
家を離れる決意と旅の始まり
櫂斗、花音、莉緒の三人は、三か月近く共に暮らした家を後にすることとなり、感慨にふけっていた。この家でようやく落ち着いた生活を得たものの、王都での結婚式のために旅立つ決意を固めた。互いに手を取り合い、幸せそうに笑顔を見せながら、新たな一歩を踏み出した。
恋愛関係の経緯と異世界の常識
三人が恋愛関係に至るまでには、同居生活の中で自然と惹かれ合っていく過程があった。櫂斗は花音と莉緒の両方を同時に愛するようになったが、当初はその感情に戸惑い、自らの誠実さと世間の常識の板挟みに苦悩した。しかし、花音と莉緒が先に答えを出し、「どちらかを選ばなくてもいい」と提案したことで、櫂斗は三人の関係を受け入れることができた。
一夫多妻制の現実と三人の選択
この異世界では一夫多妻が制度として認められており、貴族などは複数の妻を持つことも珍しくなかった。花音と莉緒はそれを調べた上で、自ら納得して櫂斗と三人での関係を築くことを選んだ。櫂斗も二人の気持ちに応え、正式に交際を開始するに至った。
婚約と結婚への準備
櫂斗は冒険者として貯めた資金を使って、それぞれの誕生石をあしらった婚約指輪を花音と莉緒に贈った。花音にはエメラルド、莉緒にはルビーの指輪を選び、プロポーズは二人から快く受け入れられた。この世界では戸籍制度は存在せず、教会で司祭の前で誓いを立てることが結婚の成立を意味した。
結婚式の場所と女神の教会の選定
当初は地元の教会での結婚を考えていたが、花音と莉緒は王都にある「土の女神」の教会での式を望んだ。この教会は豊穣と夫婦円満の象徴として信仰され、結婚式場として最も人気があるとされていた。二人は王都の教会に強い憧れを抱いており、その願いを受けた櫂斗は王都での結婚式を決意した。
新たな生活への期待
三人は互いの気持ちを確かめ合いながら、未来に向けての新たな生活を楽しみに王都への旅へと向かった。これから始まる正式な結婚生活、そして新天地での暮らしに胸を膨らませつつ、彼らは固い絆を胸に歩み始めた。
第四章 貴族怖い、貴族怖いよ
視察名目の伯爵到着と冒険者ギルドの対応
ラングリッジ伯爵の来訪に備え、ムコーダは朝から冒険者ギルドに詰めていた。伯爵の視察は公式行事とされ、ギルドマスターの指示により職員や冒険者たちは通常通りに振る舞うよう命じられた。到着した伯爵は威厳のある人物で、容貌も整っていたが、頭髪の薄さが目立ち、周囲に微妙な印象を与えた。
従魔フェルの威圧と従者の混乱
伯爵との面会に同席したムコーダと従魔たちは、ギルドマスターの部屋で対面した。しかし、フェルたちは伯爵に対しても無関心を貫き、寝転がったままであった。その姿勢に伯爵の従者が抗議するが、フェルは逆に威圧し、従者を気絶させるほどの威風を放った。この一件により、伯爵とギルドマスターはフェルの圧倒的な力と気位の高さを痛感した。
ムコーダへの信任と滞在の承認
ムコーダは伯爵に対し、フェルたちの行動について丁寧に謝罪しつつ、自身が責任を持って制御する旨を伝えた。伯爵はこれを受け入れ、ムコーダたちの国内での自由な滞在を認めたうえ、拠点が自領となることに政治的な利を見出し、積極的に協力する姿勢を示した。
贈り物の進呈と神薬の献上
ムコーダは伯爵への贈答品として、ダンジョン産の宝箱に石鹸やシャンプーなどを詰めて献上した。特に目玉として用意されたのは、育毛効果のある「神薬 毛髪パワー」であり、伯爵はその効果を確信して深く感激した。ギルドマスターの変化を目の当たりにしていたこともあり、伯爵は神薬の使用に強い期待を寄せた。
政敵排除への言及と王宮との連携
会談の終盤、伯爵はムコーダがスタース商会およびクルベツ男爵から嫌がらせを受けている件について言及した。そして、それらの勢力を王宮と連携して排除する方針を口にし、国家レベルでの強硬措置をほのめかした。ギルドマスターもこの発言に同意し、男爵家の取り潰しと商会の関係者を犯罪奴隷として鉱山送りにする可能性が示唆された。
拠点確保とムコーダへの期待
別れ際、伯爵は公衆の面前でムコーダへの厚遇を強調し、領主としての庇護を明言した。これにより、周囲はムコーダと伯爵の親密な関係を印象づけられた。ムコーダはこの展開に困惑しつつも、安心してこの地を拠点とできることに安堵した。しかし、これにより自宅に留まる理由もなくなり、従魔たちの要望するダンジョン探索の可能性が現実味を帯びることとなった。
従魔たちの反応とムコーダの心情
ギルドマスターとの会話を終えたムコーダは、従魔たちがギルドマスターの部屋で昼寝をしているのを見て苦笑した。フェルたちの圧倒的な存在感と行動の自由さに改めて呆れつつも、その頼もしさを再認識し、今後の展開に向けて気を引き締めた。
ダンジョン拒否とパンの贈り物
ムコーダはダンジョン探索を避け、のんびりとした生活を好んでいた。しかしフェルと従魔たちはダンジョンへ行きたがり、食後すぐに騒ぎ出した。そんな中、アイヤ、テレーザ、セリヤ、ロッテが掃除と共に自家製パンを持参して訪れた。彼女たちの焼いたパンは、天然酵母とドライイーストを用いた二種類であり、ムコーダはそれを味わいながらピクニックを思いついた。
草原でのサンドイッチ作りと従魔たちの狩り
ムコーダは草原でピクニックを兼ねた調理を始め、フェルとドラちゃんは狩りへ、スイは草原で遊びに向かった。ムコーダは贅沢な食材を用いて、ドラゴンステーキサンドとオークジェネラルのゆで豚サンドを作った。ドラゴンの肉には黒胡椒とローストガーリックのステーキソースを使用し、ゆで豚には粒マスタードベースの特製ソースを添えた。
少年冒険者との遭遇と誤解の解消
草原でスイと遊んでいたムコーダの元に、初級冒険者の少年三人組が現れた。スイがスライムであるにもかかわらず高い能力を見せたことにより、彼らは従魔と知らずにスイを獲物と勘違いして追いかけていた。ムコーダがフェルやドラちゃん、スイが自らの従魔であることを明かすと、少年たちは彼の正体がSランク冒険者であることに気づき、謝罪した。
狩りの成果と少年たちの憧れ
フェルたちの狩りの成果として、コカトリスやジャイアントディアー、ブラックサーペントが持ち帰られた。これを見た少年たちは高ランク冒険者への憧れを強め、ブラックサーペントに触れることで夢を膨らませた。ムコーダはそんな少年たちにゆで豚サンドを振る舞い、激励した。
食事と昼寝、そして慌ただしい帰宅
ピクニック気分で美味い食事を満喫した一行は、ビールや陽気な空気に包まれてそのまま草原で眠ってしまった。目覚めたときには夕暮れが迫り、街の門が閉まる危機に気づいたムコーダは、慌てて従魔たちを起こし、街へと急いで帰還した。フェルの疾走により、ギリギリで門限に間に合い、野宿の危機を回避した。
第五章 フェルさんのブートキャンプ 特別編 ~食い物の恨みは海より深い ~
毛髪薬の販売提案と信頼の商人選定
ムコーダは、伯爵に献上した【神薬 毛髪パワー】の件を相談するため、信頼する商人ランベルトを訪ねた。伯爵との面会と育毛剤の効果について説明し、試用品としてシャンプーと育毛剤を預けた。ランベルトは自らではなく従業員に試させるとし、その効果を見て判断する意向を示した。
急な呼び出しと新たな注文の兆候
数日後、ムコーダは狩りの準備中にランベルト商会からの急な呼び出しを受けた。仲間たちの不満を宥めつつ、急ぎ商会を訪れた。そこでランベルトから、ラングリッジ伯爵が道中立ち寄ったベルトーネ子爵に育毛剤を紹介した結果、子爵も強い関心を示したという報告を受けた。
高額な販売価格と販売方針の確認
伯爵は50本の確保を指示し、販売は自らの紹介による限定方式を希望していた。ランベルトも効果を確認し、1瓶金貨50枚での販売が妥当であると判断した。ムコーダはその価格に驚きつつも、伯爵の紹介による販売方式を了承した。卸値は金貨33枚と決定し、ランベルト側が多くの利益を得る形となった。
感謝の証としての贈答と装備の受領
これまでの感謝として、ムコーダはエイヴリングダンジョンで得たレッドサーペントの皮をランベルトに贈呈した。ランベルトは感激し、涙ながらにその価値を称賛した。あわせて、注文していたワイバーンのマント、鞘付きベルト、靴の一式も完成しており、ムコーダはその場で受け取った。特にマントは保温性や防水性に優れており、実用性の高さに満足した。
冒険者ギルドからの新たな依頼と従魔の反応
その足で冒険者ギルドを訪れると、ギルドマスターからオークの集落殲滅の依頼を受けた。従魔たちは最初は乗り気でなかったが、フェルが突如として依頼を受けると申し出たことで、話は進展した。ムコーダは不審を抱きつつも依頼を受諾した。
双子獣人の同行と出発の準備
翌朝、フェルの指示でルークとアーヴィンの双子獣人を連れて行くことになり、ムコーダは彼らを迎えに行った。姉のタバサも了承し、双子も戦闘の機会を喜んで同行を希望した。街を出発する一行は、東の森にあるオークの集落へと向かった。
フェルの意図と不安な予感
ムコーダは、フェルの真意が不明であることに不安を覚えながらも、依頼を遂行する決意を固めた。経験豊富なバルテルもただならぬ予感を抱いており、ムコーダは今回の任務が単なるオーク退治ではない可能性を意識せざるを得なかった。
スイと双子の移動、目的地への到着
ムコーダ一行は、東の森にあるオークの集落を目指して出発した。双子の獣人、ルークとアーヴィンはスイに乗せられ、ムコーダ自身はフェルの背に乗って移動した。到着後、一行はオーク集落の周辺を偵察し、フェルはオークキングの不在と、オークの数がおよそ150体であることを確認した。
フェルの命令と双子への強制任務
偵察の後、フェルは突如としてルークとアーヴィンに対し、集落の殲滅を命じた。双子は困惑し拒否したが、フェルは自らの魔法で致命傷を避ける結界を施していることを告げ、命令に従わなければ自らが噛み殺すと脅した。圧力に屈した双子はしぶしぶ命令を受け入れ、オーク集落へと突撃した。
双子の奮戦とフェルの“罰”の理由
双子は健闘したが、数の暴力に押されて苦戦を強いられた。ムコーダはフェルに加勢を求めたが、フェルはこれは“罰”であると主張した。理由は以前、双子がフェルのステーキ丼を勝手に食べたことに対する報復であり、フェルにとって食物への冒涜は「万死に値する行為」とされていた。
ムコーダの参戦と戦況の打破
双子が満身創痍となる中、ムコーダも戦闘に加わり、ミスリルの槍やストーンバレットを用いてオークたちを撃退した。最終的にムコーダと双子の奮戦により、オークジェネラルを含む全ての敵を殲滅した。戦闘が終わった頃には、双子は倒れ込み、ムコーダも疲弊していた。
オークの回収とスイによる血塗れ処理
回収作業はフェル・スイ・ドラちゃんに任され、ムコーダは双子にスイ特製の上級ポーションを与えて回復を促した。オークの死体はジェネラル4体、リーダー12体、通常オーク136体と膨大であり、ムコーダたちの戦闘努力が窺えた。一方、フェルは「肉が台無しだ」と文句を漏らした。
帰還前の整備と帰路
ムコーダたちは返り血で全身血塗れとなっていたため、スイの分裂体により洗浄を行った。替えの衣服を持たない双子にはムコーダの服も合わず、スイの能力に頼るほかなかった。整ったところで、ムコーダはフェルに、双子はスイに乗って街へと戻った。双子は帰路の間、一言も発することなく、極度の疲労が窺えた。
冒険者ギルドへの報告と今後の方針
街に戻ったムコーダは、双子を自宅へと送り届けた後、冒険者ギルドへと向かった。フェルたちの狩りについては、日を改めて行うこととし、今回の“罰”による掃討劇は終結した。教訓として、「フェルの食べ物を奪うべからず」という厳然たる戒律が改めて刻まれる結果となった。
ギルド報告と帰宅後の夕食
ムコーダは冒険者ギルドでオーク集落掃討の任務を報告し、ギルド倉庫にてオークの素材を買い取ってもらった。ジェネラルとリーダーの肉を除き、他はすべて売却され、ギルドマスターも大量のオーク肉に満足した様子であった。帰宅後、従魔たちと共に空腹を抱えていたムコーダは、作り置きの焼き鳥丼を夕食として振る舞った。フェルには意趣返しとしてキャベツを多めに盛りつけ、野菜不足へのささやかな対抗措置を取った。
神々の懇願と謹慎明けの混乱
食後、ムコーダの頭に突如として神々の声が響き、甘味や化粧品、酒類を懇願する嘆願の嵐が発生した。ニンリルやキシャール、アグニ、ルカ、ヘファイストス、ヴァハグンといった加護を授ける神々がそれぞれ己の欲望を訴え、以前の謹慎による苦悩を打ち明けた。彼らはデミウルゴスから強く叱責され、ムコーダに過度な要求をしないよう釘を刺されていた。
供物再開の合意と新たなルール設定
ムコーダは神々の必死の謝罪と懇願に対し、節度を守るなら供物の再開を認めると告げた。神々は週一から月一への変更を快諾し、供物の上限は金貨4枚分と定められた。また、希望の品は大筋を変えず、ニンリルは甘味(特にどら焼き)、キシャールは美容品一式、アグニはビール、ルカはケーキとアイス、ヘファイストスとヴァハグンはウイスキーと、それぞれの趣向に従った内容であった。
特別措置と神々の感謝
すぐに用意できない事情から、翌日の夜に供物を渡すことで一同は納得したものの、神々はやや落胆の様子を見せた。これを見たムコーダは、以前デミウルゴスに没収された特別ボーナス分の品を提供することに決めた。段ボールに供えられた供物を前に、神々は大いに感激し、深い感謝と忠誠を口にした。
ステータスの確認と新たなテナントへの期待
その後、ムコーダは就寝前に自身のステータスを確認し、レベルが77に上昇していることに気づいた。経験値倍化スキルと戦闘成果が影響し、レベル80で開放される三つ目の《テナント》に近づいていた。次に得られるテナントへの期待を胸に抱きつつ、彼は深い眠りに就いた。
第六章 ムコーダ、畑を作る
朝の過ごし方と神々への供物選定
ムコーダは休日を自宅で過ごすことにし、朝食後にコーヒーを淹れながら神々への供物を選んだ。ニンリルにはどら焼きを100個、チーズケーキ各種、ギフト用菓子などを購入した。キシャールには高級化粧品や入浴剤、ルカにはアイスケーキとチーズケーキ類、アグニには多種多様なビールを選んだ。さらに、ヘファイストスとヴァハグンにはランキング上位のウイスキーを、デミウルゴスには日本酒3本セットとプレミアム缶詰を用意した。
詰め替え作業と女性陣の働きぶり
ネットスーパーで購入した日用品の詰め替え作業は、テレーザ、アイヤ、セリヤが協力して行った。特にセリヤは細やかな作業に向いており、スイ特製エリクサーの詰め替えも正確にこなした。詰め替えに使用したスポイトはネットスーパーで手に入れたものであった。作業後、彼女たちは買い物のために街へ出かけた。
日常の買い物とマジックバッグの話題
女性陣は野菜が不足しているため市場へ向かった。ムコーダはマジックバッグを使えばよいと提案したが、貴重品ゆえに街中で使用すれば盗賊に狙われる可能性があるとのことだった。彼女たちは日持ちのしない野菜を3日に一度買い足していた。元農家のテレーザによれば、市場の野菜は鮮度や価格に難があるとのことであった。
畑作りの開始と使用人たちの協力
ムコーダは広大な敷地を活用し、使用人宅の横に畑を作ることを決意した。耕作は土魔法を駆使して行い、その後はアルバンらが鍬を使って畝を整えた。畑は家庭菜園規模で、フェルたちの遊び場は避けられた。アルバンたちは農作業に慣れており、手際よく畝作りを完了させた。
異世界の果物を用いたおやつと種まきの発想
休憩中、ムコーダはネットスーパーでメロンとスイカを購入し、皆にふるまった。果物の甘さにロッテは歓喜し、アルバンも驚いていた。双子の警備隊員は、戦闘を思い出すオークの肉を避けていたため、感極まって涙を流した。ムコーダはこの果物の種を活用し、畑に蒔くことを思いついた。
野菜の種の購入と植え付け
ムコーダはネットスーパーでレタス、キュウリ、トマト、ナス、トウモロコシ、カボチャの種を購入した。アルバンらにパッケージを見せると、トマトとレタス以外は見慣れぬ品種であった。温暖な気候を活かし、苗を経ずに種を直接蒔いた。さらに液体肥料も使用し、丁寧に水やりを行った。
収穫への期待と仲間たちの反応
メロンの甘さに感動したロッテは、再びの収穫に期待を膨らませた。ムコーダは異世界の作物が育つことを願い、仲間たちも興味津々で作業に取り組んだ。異世界の種が無事育てば、食卓に新たな楽しみが加わると確信した。
入浴と神々への供物
ムコーダはスイとドラちゃんとともに入浴し、カモミールの入浴剤で疲れを癒していた。風呂から上がると、スイを抱えて寝室へ向かうドラちゃんを見送り、自身はリビングで神々へ供物を届ける準備を行った。ニンリル、キシャール、アグニ、ルカ、ヘファイストス、ヴァハグンの神々は、それぞれの嗜好に応じた供物に歓喜し、供物を受け取った感謝の意を表した。
翌朝の畑の異常
翌朝、ムコーダはアルバンに呼ばれて畑へ向かった。前日撒いた種が異常な速度で発芽し成長しており、蕾まで付いていた。原因を探ると、ムコーダが液体肥料の希釈倍率を誤り、通常の10倍の濃度で散布していたことが判明した。この肥料が異常成長の要因と推測され、急遽、畑の作物に対する対応が必要となった。
受粉作業とロッテの協力
ムコーダは育てている作物がウリ科であることを踏まえ、カボチャを基準に人工授粉の方法を確認した。花が咲けば速やかに授粉する必要があると判断し、アルバンや男性陣に受粉方法を教え、間引きの指示も出した。ロッテも畑仕事を希望し、加わることになった。ムコーダは作業分担を明確にし、女性陣は母屋へ戻し、警備組は巡回へ、畑組は作業を継続させた。
フェルとの会話と狩りの催促
フェルに畑の異常を報告するも、フェルは植物への関心が薄く、あまり驚かなかった。狩りに出かける話が先延ばしにされそうになると、フェルは強引に出発を促し、ドラとスイを呼んで出発の準備を整えさせた。
ランベルトへの納品と髪の神薬の効果
ムコーダはシャンプーと【神薬 毛髪パワー】の納品のため、ランベルトの店を訪れた。伯爵への献上用を含む200本を納品し、ランベルトは王都へ持ち込んで販売する準備を進めていた。価格は1本金貨50枚と高額であったが、効果の高さから十分な需要が見込まれた。ギルドマスターが最初の試験使用者であることを伝え、特例として販売を許可した。伯爵への負担を減らす意味で金貨75枚分を余分に支払われ、ムコーダはこれをありがたく受け取った。
王都への護衛の辞退と次の目的地へ
ランベルトから護衛依頼を受けるも、ムコーダは王都の面倒を避けるために丁重に断った。その後、狩りに急ぐフェルに促され、次の目的地である冒険者ギルドへと向かった。
ギルドでの報告と迅速な対応
ムコーダ一行が冒険者ギルドに入ると、狩りに急いでいるフェルたちの意向を受けたギルドマスターが即座に対応し、倉庫へと案内した。そこでは解体作業を終えたヨハンが待ち構えており、オークジェネラルとオークリーダーの肉を用意していた。今回の討伐で得たオークは136体であり、金貨299枚と銀貨2枚、上位種の睾丸による追加報酬もあり、最終的な買取金額は金貨322枚と銀貨2枚となった。さらに討伐報酬として金貨200枚も支払われた。
希少魔物の持ち込みと買取の難航
ヨハンから「珍しいもの」の有無を問われたムコーダは、ギガントミミックカメレオンとガルーダを提示した。ギルドマスターとヨハンはその希少性に驚愕したが、現時点ではギルド規模や資金繰りの面から即時買取は不可能と判断された。ギガントミミックカメレオンの素材は高価ではあるが、前回のキマイラ買取で資金が不足していた。ガルーダについても、買取が可能なのは王都かダンジョン都市に限られるとされた。
毛髪神薬に関する説明とギルドマスターの意気込み
ムコーダはギルドマスターに、毛髪神薬「神薬 毛髪パワー」がランベルト商会で販売されることを報告し、彼だけは伯爵の紹介なしで購入可能と伝えた。価格は金貨50枚と高額であったが、効果を考慮すれば妥当であると納得された。ギルドマスターは購入資金のために、休みの日には冒険者として再び狩りに出ることを決意し、自身が元Aランクであることを明かした。
出発と従魔たちの催促
ギルドでの手続きを終えたムコーダが外に出ると、フェルとドラちゃんが狩りの出発が遅れたことに不満を漏らした。スイは既に鞄の中で眠っており、ムコーダは謝罪しつつ、狩りの時間はまだ十分にあるとして出発を急いだ。フェルに背を預け、ムコーダは次なる目的地へ向けて進み出した。
第七章 とれたて野菜で B B Q
キマイラ肉の発見と調理
ムコーダはフェルに促され、キマイラの肉を調理する決心を固めた。当初はその凶悪な見た目に尻込みしていたが、鑑定の結果、極上の赤身肉であることが判明していた。まずは塩胡椒で焼いて味見を行い、牛肉に近い深い旨味を感じたことで、食材としての価値を確信した。
ステーキとカツの試作
ムコーダは肉の旨味を活かすため、シンプルな塩胡椒によるステーキと、牛カツ風に仕上げたキマイラカツの二品を試作した。衣やソースの材料はネットスーパーから調達し、仕上がった料理はいずれも従魔たちから高評価を受けた。特にキマイラカツはサクサクの衣と赤身のジューシーさが絶妙にマッチし、絶品とされた。
保存用料理の大量生産
ムコーダは旅の備えとして、キマイラ肉を用いたステーキ、カツ、唐揚げなどを大量に調理し、アイテムボックスに保存した。キマイラ肉の特性を活かすため、下味や揚げ方にも工夫を凝らし、味と保存性の両立を図った。
食後の供物と神々の反応
食後、ムコーダは神々への供物をネットスーパーで用意し、それぞれの嗜好に合わせたスイーツや酒を捧げた。神々は満足し、ムコーダに対しさらなる加護や情報提供の姿勢を見せた。供物の献上は今後も定例の儀式として続けられる見通しであった。
BBQの準備とジャークチキンの仕込み
ムコーダは仲間たちと共にBBQの準備に取り掛かった。野菜の下ごしらえをアイヤ、テレーザ、セリヤに任せ、自らはカボチャの切り分けを担当した。その後、ブルーブルやオークの肉を用意しつつ、ロックバードの肉を使ったジャークチキンの仕込みに取りかかった。ネットスーパーで必要な食材と調味料を調達し、肉にフォークで穴を開けてからレモン汁やシーズニングに漬け込み、味を馴染ませた。
炭火焼きの開始と食事の配膳
ムコーダはタレを回し、焼けた肉や焼き野菜を皆に配った。フェル、ドラちゃん、スイには特に好評で、炭火で焼いた肉の美味しさに満足していた。トニやアルバンたちは家族で肉を楽しみ、警備隊の者たちは無言で食べ進めていたが、一部は感動のあまり涙を流していた。野菜もドレッシング付きで提供され、ゴマドレッシングは特に人気を集めた。
焼きナスとトウモロコシの提供
焼き上がったナスは氷水で冷やされて皮が剥かれ、かつお節とめんつゆをかけて提供された。この焼きナスは一部の大人たちに好評で、特にトニやアルバンには好んで食べられた。また、トウモロコシの蒸し焼きも甘味が強く、子どもたちに大人気となった。
酒宴の開始と盛り上がり
ムコーダはBBQに合わせて酒を用意し、ネットスーパーで缶ビールとジュースを購入した。ドワーフのバルテルは特に喜び、冷えたビールを次々と飲み干した。警備隊を含む大人たちは「無礼講」として盛り上がり、乾杯の声が響いた。
ジャークチキンの焼き上げと絶賛
ムコーダは味が馴染んだジャークチキンを炭火で焼き始めた。香ばしいスパイスの香りに皆が注目し、焼き上がった肉は皿に盛られて仲間たちに配られた。フェルたちからも高評価を得て、バルテルはビールとの相性を絶賛した。缶ビールの追加供給により宴はさらに盛り上がり、ムコーダも仲間と共に二本目のビールを楽しんだ。
楽しいBBQの締めくくり
ジャークチキンの山が次々と配られ、仲間たちは肉とビールを手に歓声を上げて盛り上がった。ムコーダはその光景を楽しみながら、BBQはやはり大勢で行うのが一番だと実感した。
第八章 肉ダンジョンに行こう
ダンジョン行きの決定と選定理由
ムコーダは、仲間たちに押し切られる形でダンジョン行きを決断させられた。当初フェルは難関とされるブリクストのダンジョンを希望していたが、ムコーダは肉が豊富に手に入るという理由で、ローセンダールの「肉ダンジョン」を提案した。肉好きの仲間たちの支持を得て、行き先は肉ダンジョンに決定された。
留守中の家の管理体制整備
旅立ちを前に、ムコーダは家で働くトニ一家とアルバン一家に対して、不在中の生活支援を準備した。三ヶ月分の食料と日用品を支給し、報酬も前払いで渡した。加えて、トニの息子コスティには在庫管理の任務を与え、筆記用具を提供した。
識字教育の開始と講師の選定
子どもたちの反応を見たムコーダは、教育の機会を設けることを決意した。タバサに講師役を依頼し、読み書きと算術の授業が始められることとなった。学びたいという声は大人たちにも広がり、ペーターやルーク、アーヴィン、トニ夫妻、アルバン夫妻も参加を希望した。バルテルも報酬として日本製ウイスキーを提示され、助手として加わることになった。
警備体制と冒険準備
ムコーダは、警備不在時の安全確保のために、警報装置付きの魔道具を金貨850枚で設置した。ランベルト商会との連携については、ランベルトの不在中に妻マリーへ連絡し、商品の卸管理をコスティに任せる体制を構築した。ギルドマスターにもダンジョン行きを報告し、三ヶ月以内に戻る旨を伝えた。
食料と物資の支給
家族への支援として、多種の肉を中心に、パン・卵・牛乳・小麦粉・野菜なども十分に準備された。食費として金も渡され、飢えのない生活が保証された。また、筆記用具も全員に支給され、学習環境の整備も行われた。
神への供物と出発準備完了
デミウルゴス神には、日本酒の飲み比べセットとブランデー、プレミアム缶詰を供物として献上し、旅の加護を祈願した。そして準備を終えたムコーダ一行は、仲間たちに見送られながらローセンダールの街、すなわち肉ダンジョンへと出発した。
番外編 温泉に行こう!
自宅の風呂と温泉の話題
ムコーダはドラちゃんとスイとともに自宅の風呂でまったりと過ごしていた。入浴剤で温泉気分を味わうなか、本物の温泉に入りたいという願望を口にしたことで、過去に温泉の存在を聞いたことがあるというドラちゃんの話題となった。記憶が曖昧だったため、ムコーダはフェルに尋ねることを提案した。
フェルの記憶と温泉の場所の特定
風呂上がりにフェルへ温泉の情報を尋ねたところ、彼は山の麓に温泉があることを思い出した。西の山はガイスラー帝国で、独裁軍事国家であることから却下された。一方、東の山の麓はレオンハルト王国またはエルマン王国の近くに位置し、どちらも安定した国であったため目的地に決定された。
温泉への道中と到着
フェルの背に乗って6日かけて東の山の麓に到着した一行は、ついに白煙を上げる天然温泉を発見した。湯は透明で澄んでおり、自然にできた窪地に溜まっていた。スイとドラちゃんは温泉にすぐさま飛び込み、ムコーダもそれに続いた。湯温はちょうどよく、非常に気持ちの良い湯であった。
ザヴァディルの湯の効能
ムコーダは温泉を鑑定し、その泉質が【魔力水素温泉】であることを知った。効能には疲労回復や筋肉痛、皮膚病、胃腸炎、さらには魔力回復(微)が含まれていた。ドラちゃんとスイはこの温泉に満足し、フェルにも勧めたが、フェルは湯に入るより寝る方が回復するとして拒否した。
湯上がりのひとときとBBQの準備
入浴後、フルーツ牛乳とビールで一息ついた一行は、ムコーダが用意した特製BBQコンロで昼食の準備を開始した。使用された肉はオーク、コカトリス、ブラッディホーンブルであり、それぞれ特製ダレに漬け込まれていた。炭火で焼いた香ばしい肉は、フェル・ドラちゃん・スイの食いしん坊トリオに大好評であった。
食事の歓喜と満腹のひととき
三種の肉が次々と焼き上げられ、皿に盛られていくたびに三人は夢中で頬張った。ムコーダもビールの誘惑に勝てず、ノンアルコールビールで代替した。大量に用意された肉はすべて平らげられ、BBQは大成功に終わった。
海への移動と天候の悪化
温泉に2泊した後、一行はフェルの希望で海へと向かった。しかし、到着した海は荒天で近づける状態ではなかった。フェルは不満を漏らしたが、ムコーダたちは次の機会にしようと説得し、再訪を約束した。
締めくくり
温泉と食事を満喫したムコーダたちは、大満足の旅を終えた。フェルもまた、温泉やBBQをそれなりに楽しんだ様子であり、次回の海の幸に期待を膨らませていた。再びこの地を訪れることを誓いながら、彼らは旅を締めくくった。
同シリーズ
とんでもスキルで異世界放浪メシシリーズ















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