望まぬ不死の冒険者4巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者6巻
どんな本?
『望まぬ不死の冒険者』は、丘野優 氏による日本のライトノベル作品。
小説家になろうにて2016年9月22日より連載されており、オーバーラップノベルスより刊行されている。
イラストはじゃいあん 氏が担当。
物語は、銅級冒険者のレント・ファイナが水月の迷宮で龍に食われて不死の魔物として蘇るところから始まる。
レントは魔物を食らうことで進化していき、骨人から屍食鬼、下級吸血鬼となる。
レントは自分の境遇に苦しみながらも、冒険者としての夢を捨てずに、魔物と人間の狭間で生きることを決意する。
しかし、レントの存在は世界の秩序を揺るがす危険なものとして、様々な勢力の注目を集めてしままう。
この作品は、コミカライズやテレビアニメ化もされており、人気の高いファンタジー作品。
コミカライズは中曽根ハイジが作画を担当し、コミックガルドにて連載中。
テレビアニメは2024年1月より放送予定。
読んだ本のタイトル
#望まぬ不死の冒険者5巻
著者:#丘野優 氏
イラスト:#じゃいあん 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
不死者、冒険者組合長(ギルドマスター)と交渉す。
望まぬ不死の冒険者 5
吸血鬼狩り(ヴァンパイア・ハンター)ニヴ・マリスの聖炎を浴びたにもかかわらず、吸血鬼ではないと判断された『不死者』であり冒険者のレント。
レントの持つ『聖気』に原因があると睨んだロレーヌの提案で、聖気を得た祠のある故郷ハトハラーの村へ向かうことを決める。
数週間マルトを離れることになるため、弟子のアリゼの武具や杖を制作するレントとロレーヌ。
そしてレントは、ニヴのような人物とのトラブルを避けるべく、名前の二重登録にお墨付きをもらうため、冒険者組合長(ギルドマスター)ウルフ・ヘルマンへ交渉を持ちかける。
しかし、数多の荒くれ者を束ねるウルフは一筋縄ではいかないくせ者で……!?
「初めまして、銅級冒険者レント・ヴィヴィエ」
強大な魔物と戦い、多くの謎を暴き、そして強くなる。
死してもなお遙かなる神銀(ミスリル)級を目指す、不死者レントの『冒険』、第5弾――!
感想
この物語は、主人公レントが自分の聖気(神聖な力)の源を探求する旅について描かれている。
主人公は、自分の故郷であるハトハラー村を訪れることを考え、その過程で友人や弟子との関わりや、冒険者としての自分の役割について悩む。
物語のはじめに、レントは聖気の源を探るためハトハラー村への訪問を検討し、友人ロレーヌの提案に同意。
しかし、レントは村人が必要な情報を持っているか疑問視するが、ロレーヌは村の古老が何かを知っているかもしれないと助言する。
ロレーヌは、レントに故郷への訪問を勧め、レントは冒険者としての任務を一時中断することに懸念を示すが、結局同意する。
さらに、ラウラから人物がレントにラトゥール家の図書室で聖気に関する資料を提供され、これがレントの探求に役立つ。
レントはラトゥール家の図書室で様々な資料を読み、聖気の源を探求する。
ラトゥール家は影響力のある家族で、彼らの図書室には貴重な書籍が多数保管されていた。
一方で、レントは本を集めることに金銭的な制限を感じていた。
また、本好きであるロレーヌを図書室に招待したいと、ラウラに相談して快諾を得る。
さらに、レントとロレーヌは孤児院を訪れ、アリゼという二人の弟子が子供たちに童話を読む様子を観察し。
レントとアリゼは鍛冶屋を訪れ、彼らは武具を選び、ロレーヌは魔術を使ってダガーを片手剣に変えれることを示す。
この後、アリゼはダガーを選び、片手剣の技術も習得する道を選ぶ。
その後、レントはロレーヌの指導でアリゼと共に魔術触媒である短杖ワンドを作成。
レントは魔力を注ぐ経験があるものの、アリゼは初心者であり、ロレーヌの助言により技術を習得。
彼らはそれぞれの短杖ワンドを完成させるが、レントのものは特殊な特性を持っていることが示唆される。
また、彼らはロレーヌの所有する空き地で杖を使った魔術のテストを行い短杖ワンド作りは終わる。
レントは冒険者組合長ギルドマスター、ウルフ・ヘルマンと会話し、自分が不死者アンデッド、すなわち吸血鬼ヴァンパイアになった経緯を説明します。
ウルフはレントの状況を理解し、彼らは秘密保持の魔術契約を結び。
レントは冒険者組合ギルドの職員となる。
その後に、レントは友人シェイラと夕食を共にし、冒険者組合ギルドでの出来事を報告し。
シェイラは冒険者組合ギルド職員であり、レントは彼女との会話から今後の職員としての義務や規則について学ぶ。
レントはリナという若い新人冒険者と再会し、彼女の兄に彼女の無事を伝えることを申し出て兄にリナの現状を伝える。
その後、レントはロレーヌと共にハトハラー村への旅に出発する。
彼らは途中で腐肉歩きゾンビと遭遇し、ロレーヌは魔術でこれを倒し。
また、彼らはエルフの冒険者ヒルデと出会い、聖気について学ぶ。
物語は、レントとロレーヌがハトハラー村に向かう途中で様々な人物と出会い、冒険を続ける様子を描いている。
レントは自分の過去と現在の状況に対処し、ロレーヌと共に新たな知識と経験を積み重ねていく。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
望まぬ不死の冒険者4巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者6巻
考察・解説
冒険者組合との交渉
冒険者組合との交渉における正体発覚の危機と二重登録の公認解決策
吸血鬼狩りの金級冒険者ニヴ・マリスに目をつけられたレントは、自身の新たな身分である「レント・ヴィヴィエ」に冒険者組合からの公的なお墨付きを得るため、マルトの冒険者組合長ウルフ・ヘルマンに直談判を持ちかけた。交渉の背景、ウルフとの対話、そして二重登録の鮮やかな解決策について解説する。
交渉の背景とウルフの看破
ニヴの登場により正体が露見するリスクを感じたレントは、二重登録の問題を解決すべく、受付のシェイラを介して冒険者組合長ウルフとの面会を取り付けた。元凄腕の冒険者であるウルフは、レントの試験での完璧な立ち回りや名前、住まいなどから、すでに「レント・ヴィヴィエ」の正体が「レント・ファイナ」であることを見抜いていた。
共通の夢と魔術契約
ウルフは二重登録の違反を責めるのではなく、なぜレントがそのような偽装をしたのか、その理由を純粋に知りたがった。警戒するレントに対し、ウルフは自身もかつて周囲に笑われながらも本気で「神銀級冒険者」を目指していた過去を打ち明け、同じ夢を追うレントに強い共感と期待を寄せていたことを語った。この言葉に心を打たれたレントはウルフを信用することを決め、秘密を守るための魔術契約を交わした上で、龍に喰われて魔物になったという経緯を打ち明けた。
脅迫材料の譲渡と信頼関係
実はレントは、この交渉を有利に進めるため、眷属の小鼠エーデルや情報屋を駆使して冒険者組合の不正や裏情報をまとめた資料を準備していた。しかし、ウルフの誠実な態度を見たレントは、あんたとは脅し合いの関係じゃないものが築けそうだと思ったと告げ、その資料を脅迫材料として使うことなくそのままウルフに差し出した。ウルフはレントのこの狡猾でありながらも真っ直ぐな姿勢を高く評価し、資料を組合の運営に有効活用するとして受け取った。
職員向け内規を利用した解決策
ウルフは二重登録の解決策として、長年使われていなかった「冒険者組合職員のための内規」を利用することを提案した。これは、組合職員が冒険者の中に紛れて情報収集を行うための制度であり、これを利用すれば冒険者組合公認で二重登録が可能になるというものであった。
この取り決めにより、レントが提示された具体的な条件やメリットは以下の通りである。
- 名簿上の冒険者組合職員という扱いになり、基本的にはこれまで通り冒険者として自由に活動や昇級ができること
- 組合施設の割引などの特典を受けられること
- その代わり、緊急時や必要な時だけ組合の仕事に協力すること
まとめ
ウルフとの交渉の結果、レントは非常に有利な条件で合意に至ることができた。この交渉により、レントは正体を隠したまま安全にマルトでの冒険者生活を続けられる強固な基盤を手に入れたのである。
アリゼの武具製作
アリゼの武具製作における装備調達と短杖の製作プロセス
レントの初めての弟子となった孤児院の少女アリゼが、冒険者および魔術師としての修行を始めるにあたり、彼女専用の初期装備を揃えた。提供された資料に基づき、武具製作の背景や鍛冶屋でのオーダー、そして魔術触媒である短杖の自作過程と試射の成果について解説する。
製作の背景と素材の調達
冒険者としての修行には武具が不可欠であるが、孤児であるアリゼには購入資金がなかった。レントも金欠気味であったため、節約と「弟子の初めての武具は師匠が素材を集めて贈る」という古い慣習に従い、自ら《新月の迷宮》へ潜って素材を調達した。彼が持ち帰った「魔鉄鉱石」からロレーヌが精錬したインゴットや、「灌木霊(シュラブスエント)」の木材、魔物から得た「魔石」が、アリゼの武具の材料となる。
鍛冶屋での武器選びとオーダー
レントとロレーヌはアリゼを連れて、馴染みの鍛冶屋《三叉の話》を訪れた。店主のクロープがいくつか基本的な武器を提示し、アリゼの体格に合わない両手剣などは除外された。最終的にアリゼは持ちやすい「ダガー」と冒険者の基本である「片手剣」の間で悩むこととなる。
ここでロレーヌが、魔術によってダガーの刃を片手剣ほどの長さに伸ばし、丸太を両断して見せた。これを見たアリゼはダガーを選ぶ決意を固めるが、レントは「ダガーの刀身を伸ばす魔術を身につけるまでは本物の片手剣で技術を学ぶ必要がある」と考えた。変な癖がつかないよう標準的な魔鉄を用いて、ダガーと片手剣の両方の製作をクロープに依頼した。なお、防具については身軽に動ける革鎧やローブが良いというクロープの助言で、後日別の店で選ぶこととなった。
短杖の自作と錬金術の基礎
魔術師としての修行に用いる魔術媒体(短杖)は、ロレーヌの指導のもと、レントとアリゼが自分自身の手で製作することとなった。製作の工程とそれぞれの結果は以下の通りである。
- 素材の選択:アリゼは「シラカバの木材と鉱山ゴブリンの青い魔石」、レントは自分用として「エボニーの木材と地亜竜の赤い魔石」を選択した
- 魔法陣の描画と吸収:特殊なインクを使って銅板に魔法陣を描いた。魔力操作に長けたレントは簡単にこなしたが、アリゼは力みすぎてインクを噴き出させてしまう場面もあった。しかし一時間ほどの練習で習得し、魔石に魔法陣を吸収させた。レントの魔石には緑と黄色のまだら模様の魔法陣が浮かび上がり、ロレーヌはこれをレントの特殊な性質や加護による魔力の偏りが原因だと推測した
- 成形と線の作成:魔力を使って木材の不要な部分を剥がし、杖の形に成形した。次に、杖の内部にある乱れた魔力の通り道(線)を束ねてまっすぐに整える作業を行った。アリゼは苦労しながらもやり遂げ、レントは完璧に仕上げてロレーヌを驚かせた
- 結合:最後に、魔石と杖の双方に魔力を注ぎ、雷のような光を出しながら結合させた。アリゼは無事に杖を完成させ、レントは結合時に魔力操作だけで「龍が魔石をくわえる精巧な彫刻」を杖頭に作り上げ、その異常な器用さで再びロレーヌを驚嘆させた
完成した短杖の試射
家の中での試射は危険だと判断したロレーヌは、郊外にある自分の所有地へ二人を連れ出した。
アリゼが完成した杖を使って初歩魔術の《点火》を唱えると、杖の増幅効果と彼女自身の膨大な魔力が相まって、松明ほどの大きな火炎が噴き出し、彼女自身も驚愕した。続いてレントが試射した《点火》はさらに巨大な火炎となり、彼が火属性に異常なほど強く偏っている可能性が示唆された。
この試射を通じて、ロレーヌは「杖は魔力を増幅し安定させるが、頼りすぎると杖なしで魔術を使えなくなる」というデメリットもアリゼに教え、魔術師としての心構えを説いた。
まとめ
アリゼの初期装備の調達と短杖の製作は、周囲の支えと本人の努力によって無事に完了した。
今回の製作と試射における重要なポイントは以下の通りである。
- 師匠であるレントが自ら素材を調達し、アリゼの技術向上を見据えた最適な武器をオーダーしたこと
- 錬金術の手順を踏み、アリゼとレントがそれぞれ固有の特性を反映した専用の短杖を完成させたこと
- 試射を通じて二人の高い魔術適性が確認されるとともに、魔術触媒への依存に対する注意喚起がなされたこと
これらの装備と経験は、アリゼが冒険者および魔術師としての道を本格的に歩み始めるための確かな基盤となった。
聖気の制御訓練
聖気の制御訓練における隠蔽技術の習得と聖術の基礎
主人公レントが旅の道中で出会ったエルフの金級冒険者であり聖術師でもあるアルヒルディス(ヒルデ)から、聖気の隠蔽方法や聖術の基礎を一晩かけて教わった。訓練の背景、取引の内容、一晩の訓練による成果、そして今後の指針について解説する。
訓練の背景とヒルデの指摘
レントとロレーヌはハトハラー村へ向かう旅の途中、野営地を襲撃してきた《腐肉歩き(ゾンビ)》の群れをロレーヌの魔術で焼き尽くした。その後、ロレーヌが集めた灰と魔石に満ちていた邪気や瘴気を、レントが聖気を用いて浄化する。
そこへ偶然現れたヒルデは、灰が綺麗に浄化されていることと、そこから聖気を発する草が生えていることに驚愕した。彼女は聖気使用後に残る「聖気の残滓」を視認できる高い技術を持っており、レントが聖気使いであることを即座に見抜いた。
聖気隠しの必要性と取引
ヒルデは、聖気使いは布教に大きな力を発揮するため、どの宗教団体も手に入れたがっており、中には強硬な手段に出る者もいると忠告した。そのため、聖気の隠し方くらいは知っておいた方が良いと助言し、レントの聖気によって生えた珍しい草を譲ることを条件に、自身が聖気隠しと基礎を教えると申し出た。
一晩の訓練と習得
訓練は夜番の間の限られた時間で行われた。ヒルデは一晩あれば余裕であると豪語し、レントも最初は詐欺師の口上のようで胡散臭いと感じていたが、指導を受けることを決意した。
夜明け頃には、ヒルデがそれだけ隠せていれば自身でも気づけず、通常の聖気使いたちにはまず気づくのは不可能と評価するレベルの聖気隠しを身につけることに成功した。
しかし、この隠蔽状態を常に維持するのは非常に難しく、継続的な研鑽の必要性が説かれた。具体的な訓練方針と見通しは以下の通りである。
- 慣れればさほど大きな負担にはならないため、習得するまでは修行として継続すること
- 早ければ一週間もすれば息をするように無意識で維持できるようになること
まとめ
訓練の最後にヒルデが手本として聖気を放出すると、その量はレントの何十、何百倍にも及び、レントは彼女が本物の凄腕であることを思い知らされた。
今回の訓練と今後の指針における重要なポイントは以下の通りである。
- 危険な宗教団体から身を隠すための実用的な聖気隠しの技術を一晩で身につけたこと
- ヒルデが聖術の本の内容に太鼓判を押し、今回つかんだ感覚をもとに研鑽を積む方針が定まったこと
- 王都の冒険者組合の登録番号と連絡先を譲り受け、将来的な協力体制の足がかりを得たこと
ヒルデは自身の連絡先を渡し、分からないことがあれば訪ねてくるよう言い残して清々しく去っていった。この出会いと訓練は、レントが正体を隠しつつ聖気の技術を高めていくための重要な契機となった。
魔法の袋の購入
魔法の袋の購入における背景と高性能な投資の成果
魔法の袋の購入は、タラスク討伐と吸血鬼狩りニヴ・マリスとの対峙を経て、莫大な資金を手にした主人公レントが、冒険者としてさらなる飛躍を遂げるための重要な投資となる。これまでの事情、購入資金の獲得、ステノ商会からの特別な提案、そしてレントの決断について解説する。
魔法の袋の重要性とこれまでの事情
魔法の袋は、内部空間が拡張されており、見た目以上の荷物を収納できるため、素材を多く持ち帰る必要がある冒険者にとって極めて重要な道具である。レントが元々愛用していた魔法の袋は、生前に5年かけて資金を貯めて購入したものであったが、豚鬼数体がギリギリ入る程度の容量しか存在しなかった。
そのため《タラスクの沼》の攻略にあたっては、巨大なタラスクと遭遇する可能性を見越し、事前に金貨を支払って冒険者組合から大容量の魔法の袋をレンタルしていた。
購入資金の獲得と希少性
大容量の魔法の袋は非常に希少で、製法が秘匿されているため流通量が少なく、オークションに出れば際限なく値段が吊り上がるような代物である。
しかしレントは、ニヴ・マリスから吸血鬼の疑いをかけられ《聖炎》を浴びせられたことへの謝罪と慰謝料、およびタラスク素材の売却代金として、白金貨20枚(金貨2000枚相当)という莫大な資金を手に入れた。レントが魔法の袋を欲しがっていることを知ったニヴは伝手で探すことを申し出るが、ステノ商会の会頭シャール・ステノも自ら探すと名乗り出た。レントは、ニヴとこれ以上深く関わることを避けるため、シャールに手配を任せることにした。
シャール・ステノからの破格の提案
後日、ステノ商会から魔法の袋が手に入ったと連絡を受け、レントは商会を訪れた。シャールが用意したのは、本来金貨2000枚から2500枚相当の価値がある非常に高性能な魔法の袋であった。
しかしシャールは、これを「金貨1800枚(白金貨18枚)」という大幅な値引き価格で売ると提案した。その理由として、シャールはニヴの件でレントを危険な目に遭わせたことへの負い目と、レントがいずれ神銀級(ミスリル)冒険者になるという夢を信じ、将来有望な彼への投資であることを明かした。
迷宮産出品の機能と購入の決断
用意された魔法の袋には、迷宮産出品特有の優れた機能やレントにとっての利点が存在していた。その詳細と決断の理由は以下の通りである。
- 持ち主が念じることで、見た目を革袋や背嚢、箱などに自由に変えられる特殊な機能が備わっていること
- これだけの大容量があれば、今後タラスクや豚鬼を大量に狩っても余さず持ち帰ることが可能になること
- 支払った額以上に稼ぐことができるようになり、神銀級冒険者を目指すための価値ある正しい投資となること
その性能の高さと利便性を目の当たりにしたレントは、物欲を抑えきれず、提示された白金貨18枚を支払い購入を決意した。
まとめ
一度に大金を失うことにはなったが、レントは提示された条件を受け入れ、高性能な魔法の袋を手に入れた。この購入は、これまでの積年の課題を解決するだけでなく、今後の効率的な素材回収と莫大な利益を生み出すための、極めて有意義な資産運用となったのである。
故郷ハトハラーへの旅
故郷ハトハラーへの旅における目的と道中の成果
主人公レントが自身の持つ「聖気」のルーツを探るため、そしてマルトに滞在している吸血鬼狩りのニヴ・マリスから一時的に距離を置くために、学者ロレーヌと共に故郷の村へと向かった。旅の目的、出発前の準備、道中の出来事、そして村への到着について解説する。
旅の目的とレント・ファイナとしての帰郷
吸血鬼狩りであるニヴの《聖炎》を浴びたにもかかわらず吸血鬼と判定されなかったのは、レントが持つ「聖気」が関係しているとロレーヌは推測した。レントの現在の状態を深く理解するため、彼女は聖気を得るきっかけとなった古い祠がある故郷・ハトハラー村へ調査に行くことを提案する。
また、ニヴがマルトに滞在している間は、ほとぼりが冷めるまで街を離れて距離をとったほうが安全だという判断もあった。村の古老から祠についての詳しい話を聞くためには、祠を修理した本人である必要があるため、偽名ではなく本来の「レント・ファイナ」の身分として帰郷することを決意した。
出発前の準備とラトゥール家の支援
ハトハラー村までは往復で二週間ほどかかる遠方である。レントは長旅に備え、事前に以下のような準備や手続きを完了させた。
- 弟子であるアリゼの武具や魔術用の短杖の制作を済ませたこと
- 冒険者組合長のウルフ・ヘルマンと交渉し、二重登録に関する問題を解決したこと
- ラトゥール家の当主ラウラを訪ねて《竜血花》の定期採取依頼の一時中断を申し出、快諾を得たこと
さらにラウラからは、聖気の修業方法や神霊に関する貴重な資料の貸与という支援も受けた。
大亀の馬車と道中の出来事
マルトからは、足は遅いものの険しい山道に強く、魔物から身を守る丈夫な甲羅を持つ「大亀」が引く馬車に乗って出発した。
野宿の夜には、四十年前に滅びたトラカ村の元住人である魔物《腐肉歩き(ゾンビ)》の群れに襲撃されたが、ロレーヌの魔術で一掃し、レントが聖気でその灰を浄化して退けた。その直後、トラカ村の復興依頼で不死者討伐をしていた金級冒険者のエルフ、アルヒルディス(ヒルデ)と遭遇する。彼女に聖気使いであることを見抜かれたレントは、浄化跡に生えた聖気を帯びた草を譲る代わりに、彼女から一晩で「聖気隠し」の基礎を教わった。
また、道中の宿場町では「大冬蛙の卵の煮込み料理(ソレスト)」や「殺人蟷螂の子供の揚げ物(ゲッタンバ)」といった強烈な見た目の名物珍味を堪能する一幕もあった。
ハトハラー村への到着
馬車はさらに深い山と森を進み、ついに故郷ハトハラー村に到着した。村は、薬師の老婆が作った強力な魔物避けの薬液が染み込んだ木の柵に囲まれており、小規模な山村でありながら自前で防備を固めていた。
久しく顔を見せていなかったレントの帰郷に、村を挙げての歓迎の宴が催された。そしてレントは、自身のルーツである幼馴染との交流や、神銀級冒険者を目指す契機となった事件についてロレーヌに語り出すこととなる。
まとめ
故郷ハトハラーへの旅路と到着時における主な要点は以下の通りである。
- 自身の聖気の謎を解き明かすため、本来の身分であるレント・ファイナとして帰郷したこと
- 出発前に周囲の環境を整え、ラウラから貴重な資料を借り受けるなど万全の準備を行ったこと
- 道中で金級冒険者ヒルデと出会い、今後の隠密行動に不可欠な聖気隠しの技術を習得したこと
- 無事に故郷へ到着し、歓迎を受ける中で自身の過去や神銀級を目指した原点を振り返る契機を得たこと
今回の旅は、単なる移動にとどまらず、新たな技術の獲得や自身の過去と向き合うための重要な一歩となった。
ラトゥール家の支援
ラトゥール家の支援における依頼の中断と秘匿資料の獲得
主人公レントが自身のルーツと聖気の謎を解き明かすために故郷ハトハラー村へ旅立つにあたり、マルトの有力者であるラトゥール家の当主ラウラ・ラトゥールから寛大な配慮と貴重な知識の提供を受けた。依頼の中断への快諾、聖気に関する秘匿資料の貸与、そしてロレーヌへの特別な配慮について解説する。
竜血花定期採取依頼の快諾と中断
レントは、自身が持つ「聖気」の加護を与えてくれた神霊の正体を調べるため、故郷であるハトハラー村へ二週間ほどの旅に出ることを決意した。そのため、ラトゥール家から指名依頼として受けていた《竜血花》の定期採取を一時中断してもらえないかとラウラに相談した。
ラウラはこの申し出を快諾し、レントが不在の間は再び執事のイザークが採取を代行すること、そしてレントがマルトに戻り次第依頼を再開して構わないことを約束した。
聖気に関する秘匿資料の貸与
レントの旅の目的が聖気の源である神霊について調べるためだと知ったラウラは、神霊を知ることで聖気の能力の幅が広がることもあると助言し、ラトゥール家が所蔵する資料の貸与を申し出た。
聖気の運用方法に関する技術や歴史は、通常各宗教団体によって厳重に秘匿されているが、イザークが集めてきた資料は以下のように分類される極めて貴重なものであった。
- 聖気の運用:聖術や聖気術、聖剣術などの概要が説明されている書物
- 神霊についての資料:神霊が成立するまでの歴史的背景などが記載された書物
- ハトハラー周辺の民話:レントの故郷周辺に伝わる民話を集めた稀少な絵本や書物
異端審問にかけられかねないほどの秘匿知識が含まれるこれらの資料は、聖気について素人同然だったレントにとって非常に有益な支援となった。
ロレーヌの図書室への招待
ラトゥール家の図書室は、壁から天井まで本棚が続き、市場では見かけないような貴重な本がジャンルを問わず膨大に収められていた。その圧倒的な蔵書量を見たレントが、友人に無類の本好きがいるから連れてきたかったと学者であるロレーヌのことをこぼすと、ラウラは好きな時に来て、好きな時に帰っていただいて構わないと、ロレーヌを図書室に招くことを快諾した。
ラウラ自身も雑談がてらお茶を飲む友達が欲しかったと語っており、この寛大な申し出を聞いたロレーヌは、レントの靴を舐めたっていいと真顔で言うほど歓喜することとなった。
まとめ
ラトゥール家からのこれらの支援は、単なる依頼主と冒険者という関係を超えた強い信頼と厚遇を示すものであった。
今回の支援における主な要点は以下の通りである。
- 旅の間における定期依頼の一時中断と代行者を立てる配慮がなされたこと
- 各宗教団体で秘匿されている、聖気や神霊に関する貴重な文献が貸与されたこと
- レントの知人である学者ロレーヌに対し、膨大な蔵書を誇る図書室への立ち入りが許可されたこと
この強力な後ろ盾と貴重な知識を得たことで、レントは自身のルーツを探るハトハラー村への旅へと、不安なく出発することができたのである。
蔵書の調査
ラトゥール家での蔵書調査における秘匿資料の選別と図書室への招待
レントが自身の持つ聖気のルーツを探るため、故郷のハトハラー村へ向かう前にラウラ・ラトゥールの図書室を訪れた。図書室の圧倒的な規模、執事イザークが集めた資料の内容、そして学者ロレーヌへの特別な招待について解説する。
圧倒的な規模の図書室
ラトゥール家の図書室は、一個人が所有しているとは思えないほどの膨大な本が収められていた。広い空間の壁から高い天井まで本棚が延々と続いており、ジャンルを問わず収集された貴重な蔵書の数々は、ラトゥール家の底知れぬ財力を改めてレントに実感させた。
イザークによる資料の選別
レントとラウラが待つ中、執事のイザークが広大な書架の間を行き来して梯子を上り下りし、レントの役に立ちそうな本を探し出した。イザークが机の上に積み上げた資料は、大きく以下の3種類に分類されていた。
- 聖気の運用:聖術、聖気術、聖剣術などと呼ばれる技術の概要が説明されている書物
- 神霊についての資料:神霊が成立するまでの歴史的な記載なども含まれており、読み解くのに知識と時間が必要な書物
- ハトハラー村周辺の民話:レントの目的地周辺の民話を集めた絵本や書物
ロレーヌへの招待と歓喜
集められた貴重な本の山を見て、レントが、こんなに本があったらあいつは心底喜ぶだろうなとこぼすと、ラウラはロレーヌを図書室へ招くことを快諾した。ラウラは最近この部屋をあまり使っておらず、誰かに使ってもらったほうが本も喜ぶと考え、さらに雑談がてらお茶を飲む友達が欲しかったため、好きな時に来て、好きな時に帰っていただいて構わないと寛大な申し出を行った。
後日、レントから図書室の規模や貴重な蔵書のこと、そしてラウラからの招待の話を聞いたロレーヌは血相を変えて驚き、今ならお前の靴を舐めたっていいぞと真顔で言うほど歓喜した。
まとめ
ラトゥール家の図書室での調査と、そこで得られた成果の要点は以下の通りである。
- 個人の所有を遥かに超える規模の図書室から、レントの目的に応じた貴重な資料が選別されたこと
- 聖気の運用、神霊の歴史、ハトハラー村の民話という多角的な情報源を確保できたこと
- ロレーヌへの図書室の利用許可が下り、彼女が格別の喜びを示したこと
これらの貴重な蔵書と寛大な配慮は、レントの調査を大きく前進させるだけでなく、ラトゥール家との信頼関係をさらに深める重要な契機となった。
望まぬ不死の冒険者4巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者6巻
登場キャラクター
主人公とその関係者
レント・ヴィヴィエ
冒険者組合に所属する銅級冒険者である。神銀級冒険者を目指している。不死者であり、吸血鬼のような体質を持つ。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・銅級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
アリゼの武器と短杖の作成を手伝った。ステノ商会で大容量の魔法の袋を購入している。冒険者組合長であるウルフに自身の秘密を明かした。ロレーヌと共に故郷のハトハラー村へ向けて出発した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ウルフの提案を受け、二重登録を解決するために名簿上の冒険者組合職員となった。
ロレーヌ・ヴィヴィエ
レントの友人であり、同居している。アリゼの師匠を引き受けている。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・銀級冒険者。学者。魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
アリゼに短杖作りの指導を行った。レントに同行してハトハラー村への旅に出ている。野宿の夜に現れた腐肉歩きを魔術で焼き尽くした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ラウラからラトゥール家の図書室へ招待された。
アリゼ
マルト第二孤児院で暮らす少女である。レントとロレーヌを師匠としている。
・所属組織、地位や役職
マルト第二孤児院・孤児。レントとロレーヌの弟子。
・物語内での具体的な行動や成果
孤児院の子供たちに物語を読み聞かせた。鍛冶屋で自身の武器をダガーと片手剣に決めている。ロレーヌの指導で短杖を作成し、生活魔術を成功させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
非常に多い魔力量を持っている。
エーデル
レントの眷属である漆黒の小鼠である。
・所属組織、地位や役職
レントの眷属。
・物語内での具体的な行動や成果
イドレスの居場所を探り当て、レントを案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
マルトの小鼠の半分近くを支配下に置き、情報収集網を構築している。
ラトゥール家
ラウラ・ラトゥール
都市マルトの運営に関わる名家の当主である。膨大な蔵書を持つ図書室を所有している。
・所属組織、地位や役職
ラトゥール家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
レントの友人であるロレーヌを図書室に招き入れた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
イザーク
ラトゥール家に仕える執事である。
・所属組織、地位や役職
ラトゥール家・執事。
・物語内での具体的な行動や成果
図書室でレントのために聖気や神霊に関する資料を選別した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
冒険者組合
ウルフ・ヘルマン
マルト冒険者組合の冒険者組合長である。過去に神銀級冒険者を目指していた。
・所属組織、地位や役職
マルト冒険者組合・冒険者組合長。元冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
レント・ヴィヴィエの正体がレント・ファイナであることを見抜いていた。レントから不死者となった事情を聞き出した。二重登録を解決するため、彼に冒険者組合職員となる抜け道を提案している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
冒険者を引退した直後に、総冒険者組合長の引き留めで現在の役職に就いた。
シェイラ・イバルス
冒険者組合の受付職員である。レントと親しい関係にある。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・職員。
・物語内での具体的な行動や成果
レントを冒険者組合長の執務室へ案内した。自身の血をレントの夕食に提供している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ステノ商会
シャール・ステノ
ステノ商会の会頭である。一代で商会を大きくした苦労人である。
・所属組織、地位や役職
ステノ商会・会頭。
・物語内での具体的な行動や成果
見た目を変更できる大容量の魔法の袋をレントに提示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レントへの投資として、金貨二千枚以上の価値がある魔法の袋を金貨千八百枚に値引きして売却した。
鍛冶屋《三叉の銛》
クロープ
鍛冶屋の店主である。レントとは長年の付き合いがある。
・所属組織、地位や役職
鍛冶屋《三叉の銛》・店主。
・物語内での具体的な行動や成果
アリゼの武器選びに助言を与えた。レントの仮面を引っ張ったが外せなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レントの聖気によって芽生えた木を育てている。
ルカ
鍛冶屋の店番をしている女性である。クロープの妻である。
・所属組織、地位や役職
鍛冶屋《三叉の銛》・店番。
・物語内での具体的な行動や成果
顔を出したレントを見て驚き、奥にいるクロープを呼びに行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
リナとその関係者
リナ・ルパージュ
レントの知人である駆け出しの冒険者である。実家は貴族である。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・冒険者。ローグ家・元令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
露店でレントと再会した。新しい仲間とパーティを組んだことを報告している。兄であるイドレスへの伝言をレントに依頼した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
元の名前はリナ・ローグである。
ライズ・ダナー
剣士の冒険者である。無鉄砲な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・冒険者。剣士。
・物語内での具体的な行動や成果
リナやローラとパーティを組んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
かつてレントの銅級昇格試験に同行していた。
ローラ・サティ
治癒術が使える魔術師の冒険者である。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・冒険者。魔術師。
・物語内での具体的な行動や成果
リナやライズとパーティを組んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
かつてレントの銅級昇格試験に同行していた。
イドレス・ローグ
リナの歳の離れた兄である。王都に所属する騎士である。
・所属組織、地位や役職
ローグ家・長男。騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
マルトの街で妹を探して歩き回っていた。レントからリナの新しい名前と伝言を受け取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
ハトハラー村
薬師の婆さん
ハトハラー村の薬師である。変わった人物である。
・所属組織、地位や役職
ハトハラー村・薬師。
・物語内での具体的な行動や成果
過去にレントへ毒や幻覚に関する知識を教えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
村の柵に強力な魔物避けの薬液を染み込ませている。
狩人のおっさんたち
ハトハラー村の狩人たちである。
・所属組織、地位や役職
ハトハラー村・狩人。
・物語内での具体的な行動や成果
村に現れる魔物を退治している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
馬車の同乗者たち
馬車の御者
大亀の馬車を操る老人である。
・所属組織、地位や役職
馬車の御者。
・物語内での具体的な行動や成果
ハトハラー方面へ向かう馬車を出発させた。野宿の際、ロレーヌに夕飯作りを依頼している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
中年男
馬車の乗客である。娘とともに実家の村へ向かっている。
・所属組織、地位や役職
馬車の乗客。
・物語内での具体的な行動や成果
途中の村で馬車を降りる際、夜の魔物討伐の礼としてレントたちに報酬を渡そうとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
若い女性
馬車の乗客である。中年男の娘である。
・所属組織、地位や役職
馬車の乗客。
・物語内での具体的な行動や成果
途中の村で馬車を降りる際、レントたちに感謝の言葉を述べた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆事項は記載されていない。
老人夫婦
馬車の乗客である。独自の信仰を持っている。
・所属組織、地位や役職
馬車の乗客。
・物語内での具体的な行動や成果
食事の前に独自の祈りを捧げていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
街道から外れた村へ向かうため、レントとロレーヌに背負われて目的地へ送られた。
魔物
腐肉歩きたち
四十年ほど前に滅びたトラカ村の元住人たちである。不死者の魔物である。
・所属組織、地位や役職
魔物。
・物語内での具体的な行動や成果
野宿の夜に現れ、レントたちを囲んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロレーヌの火炎竜巻によって焼き尽くされた。
腐肉兵士
トラカ村で狩人をしていた者が魔物化した存在である。
・所属組織、地位や役職
魔物。
・物語内での具体的な行動や成果
本文内に直接的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アルヒルディスによって討伐されたことが言及されている。
その他
リリアン
マルト第二孤児院の院長である。
・所属組織、地位や役職
マルト第二孤児院・院長。
・物語内での具体的な行動や成果
本文内に直接的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アリゼが鍛冶屋へ向かう前に確認を取る相手として名前が挙がっている。
ニヴ・マリス
吸血鬼狩りの冒険者である。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
本文内に直接的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レントを吸血鬼ではないと判定したことが言及されている。
ミュリアス・ライザ
ロベリア教の聖女である。
・所属組織、地位や役職
ロベリア教・聖女。
・物語内での具体的な行動や成果
本文内に直接的な行動の記載はない。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過去にレントへ聖気の祝福を施したことが語られている。
アルヒルディス
金級冒険者のエルフである。十歳前後の少女の姿をしているが、長い年月を生きている。
・所属組織、地位や役職
冒険者組合・金級冒険者。聖術師。
・物語内での具体的な行動や成果
トラカ村の不死者討伐依頼の帰りにレントたちと遭遇した。レントが聖気使いであることを見抜き、聖気の隠し方と聖術の基礎を一晩で指導している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
浄化された灰から生えた聖気を帯びた草を受け取った。
望まぬ不死の冒険者4巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者6巻
展開まとめ
第一章 旅立ちに向けて
ラトゥール家の蔵書とアリゼの武具
ラトゥール家の図書室
レントはラトゥール家の図書室に入り、その膨大な蔵書に圧倒された。ラウラは長い年月をかけて集めたものだと語り、イザークは聖気に関する資料を探した。レントは本の多さに感心しつつ、ラウラがタラスク素材の売却まで知っていることから、ラトゥール家の情報収集力に改めて驚いた。
聖気と神霊の資料
イザークは、聖気の運用、神霊に関する資料、ハトハラー周辺の民話を集めた書物を用意した。聖術や聖剣術の概要、神霊の歴史的背景、故郷周辺の民話は、レントの聖気の源を探る手がかりになりそうだった。レントは自分だけで読み解くのは難しいと考え、ロレーヌに協力してもらうつもりでいた。
ロレーヌへの招待
レントがロレーヌの名を出すと、ラウラは彼女も図書室に招いてよいと申し出た。ラウラは本を使ってくれる相手がいる方がよく、自分も茶を飲む友人が欲しいと語った。レントは、ロレーヌが図書室に籠もり続けるかもしれないと心配しながらも、ラウラの招待を伝えることにした。
ラトゥール家への警戒
レントは帰宅後、ロレーヌと孤児院へ向かう道中で、ラウラの図書室への招待を伝えた。ロレーヌは喜びつつも、ラトゥール家について調べても参事会の古い議事録程度しか情報が出てこないことを話した。二人は、ラトゥール家が親切であることは認めながらも、簡単に安心できる相手ではないと考えた。
壊れたノッカー
孤児院に着いたレントとロレーヌは、どちらが扉を叩くか譲り合った末、ロレーヌがノッカーを叩いた。するとノッカーが外れ、二人は慌てた。しかし出てきた少女は、ノッカーはもともと壊れていて、接着剤で何度も直していたものだと説明した。ロレーヌは、早く言ってほしかったと肩を落とした。
西に向かう旅人
孤児院の礼拝堂では、アリゼが子供たちに《西に向かう旅人》を読み聞かせていた。ロレーヌの記憶では旅人は賢者に会うために西へ向かい、レントの故郷では目的を探すために旅立つ話だった。アリゼの語る旅人は料理人であり、新しい食材とレシピを求めて西へ向かっていた。
料理人の旅
アリゼの物語では、料理人は赤い眼の怪物に最も大事なものを求められ、包丁を差し出して道を通された。荒野では白い服の女に引き止められたが、多くの人を笑顔にする料理を求めて進む意志を示した。料理を振る舞った男は女から加護と少女の同行者を得て、やがて西に辿り着き、料理の国を作って幸せに暮らした。
異なる結末
アリゼの物語は、料理の王様となった旅人が幸せに暮らして終わった。だがレントの記憶では、その後に国は他国の嫉妬を買って戦乱に巻き込まれ、旅人は絶望して姿を消し、国も滅びていた。レントは自分の故郷で聞いた結末が両親の創作だったのかと疑問に思ったが、深くは語らなかった。
講義の休み
レントとロレーヌは、しばらくマルトを離れるため、アリゼに講義を二週間ほど休むと伝えた。アリゼは二人が長くいなくなるのではないかと不安がったが、ロレーヌは基本を教えるまでは街にいると説明した。アリゼは安心し、二人がいなくなったら冒険者になれる気がしないと語った。
アリゼの予定
レントはアリゼのために武具を作る素材を採ってきたため、鍛冶屋で採寸したいと伝えた。さらに、魔術触媒として短杖も作る予定だった。アリゼはリリアンに確認したうえで、今日これから行けると答え、三人はクロープの鍛冶屋《三叉の銛》へ向かった。
クロープとの再会
鍛冶屋では、ルカがレントの顔を見て驚き、クロープを呼びに行った。レントは以前より顔を出せる状態になっており、ロレーヌはそれでよいのかと確認した。クロープも顔を見せていることを気にしたが、レントは仮面を自在に動かして全顔を覆えることを見せた。
外れない仮面
クロープはレントの仮面に興味を持ち、外そうとしたが全く外れなかった。レントは露店で買った仮面が装着後に外れなくなったこと、聖気の浄化でも外れなかったことを説明した。クロープは呪いの品かもしれないと考え、ロレーヌも調査は進んでいないと話したため、クロープも調べてみることにした。
アリゼの挨拶
アリゼは強面のクロープに一度隠れたが、ロレーヌに促されて前に出た。彼女はマルト第二孤児院の子供で、レントとロレーヌの弟子だと挨拶した。クロープは、怖がらずに挨拶できたアリゼを気に入り、彼女の武具を作るため鍛冶場へ案内した。
竜の魔力に染まった魔鉄
レントは鍛冶場で、普通の魔鉄と、大地竜の魔力で変質した黄みがかった魔鉄を取り出した。クロープはそれが非常に珍しい素材だと見抜き、オークションならインゴット一つで白金貨ほどになると語った。ただし、真価を引き出すには白金級以上の魔物の魔石、聖樹の葉、吸血鬼の血など希少素材が必要だった。
聖気を帯びた木
レントは以前、聖気を込めた剣で木人形を斬った際に芽生えた木が、聖樹の代用にならないかと考えた。クロープは、それは僅かに聖気を放つものの、本物の聖樹とは比較にならないと説明した。ロレーヌもその木に興味を持ち、クロープは育てていた鉢植えの一部を彼女に譲ることになった。
アリゼの武器選び
クロープはアリゼにいくつかの武器を試させた。ロレーヌは、アリゼが魔術師としても戦うなら、遠距離武器より近接用を選ぶ方がよいと助言した。重い両手剣などは除かれ、最終的にアリゼはダガーと片手剣の間で悩んだ。
魔術で伸びる刃
アリゼはダガーの持ちやすさを好みつつ、冒険者としては片手剣の方が使いやすいのではないかと迷っていた。そこでロレーヌは、魔術でダガーの刃を片手剣ほどの長さに伸ばして丸太を切って見せた。アリゼはその可能性を見て、ダガーを選ぶ決意を固めた。
ダガーと片手剣
レントは、ダガーを選ぶならダガーと片手剣の両方を学ぶ必要があると伝えた。アリゼは努力すると答え、レントとロレーヌは彼女を一人前の冒険者、魔術師、学者に育てると約束した。レントは、訓練用も兼ねて普通の魔鉄でダガーと片手剣の両方を作るようクロープに頼んだ。
特殊な剣の試作
竜の魔力に染まった魔鉄について、レントは自分の聖気から生まれた木を使って剣を試作できないかとクロープに頼んだ。吸血鬼の血は何とか用意できると考え、魔石はタラスクのものを候補にした。クロープは最高の素材ではないとしつつも、試作なら可能だと判断し、残りの特殊な魔鉄は将来のために取っておくことにした。
第二章 触媒工作
短杖作りと魔法の袋
アリゼの武具方針
アリゼの武器は、片手剣とダガーを作ることに決まった。実際に使い始めるのはレントたちがハトハラー村から戻った後になり、それまではレントかロレーヌの使い古しで訓練することになった。防具はクロープの助言により、身軽に動ける革鎧やローブを別の店で選ぶ方針となった。
短杖作りの講義
レント、ロレーヌ、アリゼはロレーヌの家に戻り、魔術触媒である短杖作りを始めた。ロレーヌは魔法陣を銅板に描き、魔石に取り込ませ、灌木霊の木材を魔力で成形して杖にする手順を実演した。アリゼは不思議で美しい作業に圧倒され、自分にできるか不安を抱いたが、ロレーヌは初歩の技術であり練習すればできると励ました。
魔法陣と魔石
アリゼはシラカバの灌木霊の木材と鉱山ゴブリンの青い魔石を選び、レントはエボニーの木材と地亜竜の魔石を選んだ。筆へ魔力を込める作業では、レントは長年の魔力操作の経験で難なく成功したが、アリゼは力みすぎてインクを噴き出させてしまった。それでも彼女は練習を重ね、魔法陣を魔石に取り込ませるところまで成功した。
緑と黄色の魔法陣
レントの魔石には、通常とは違う緑と黄色のまだら模様の魔法陣が浮かんだ。ロレーヌは、魔力の偏りや神霊の加護によって魔法陣に特殊な性質が表れることがあると説明した。レントは自分の異質さを改めて感じて落ち込みかけたが、アリゼがその魔石を綺麗だと言ったため、少し救われた気持ちになった。
木材の成形
杖の柄を作る作業では、魔力で灌木霊の木材を剥がし、形を整える必要があった。レントは細かな作業を難なくこなし、練習のつもりでロレーヌとアリゼを模した木人形まで作った。ロレーヌはそれを没収し、真面目に課題へ戻るよう促したが、レントの器用さには呆れながらも感心していた。
魔力の通り道
ロレーヌは、杖の中に魔力の通り道を整える必要があると説明した。レントとアリゼは、杖の内部にある乱れた魔力の流れを束ね、まっすぐに整えていった。アリゼは面倒な作業に苦戦したが、ロレーヌに励まされてやり遂げた。レントは細部まで丁寧に整え、ロレーヌから気持ち悪いほど得意だと評された。
完成した短杖
最後に、二人は魔石と杖を結合した。アリゼの杖は無事に完成し、彼女は自分の杖を嬉しそうに見つめた。レントは杖頭に、かつて自分を喰った龍を模した細かな装飾を施し、魔石を龍の口に咥えさせた。ロレーヌは、初めての作業でそこまで作れるレントの器用さを改めて認めた。
杖の試用
三人は街の郊外にあるロレーヌの土地へ移動し、完成した杖を試した。アリゼが《点火》を使うと、以前より大きな炎が生まれ、彼女は驚いた。ロレーヌは、杖が魔力を安定させ増幅したため、アリゼの多い魔力が効率よく魔術に反映されたのだと説明した。
杖への依存
ロレーヌは、杖は便利だが頼りすぎると杖なしで魔力を制御できなくなると警告した。帝国では魔道具や魔導兵器の研究が盛んなため、杖を使う魔術師が主流になり、杖なしの魔術師は少数派になっていると語った。アリゼは杖の利点と危険を学んだ。
レントの火属性
レントが杖で《点火》を使うと、想定を超える火炎が噴き出した。ロレーヌとアリゼは大きく距離を取っていたため無事だったが、ロレーヌは《点火》にしては異常に大きいと考えた。続けてレントが《水》を使うと、こちらは常識外れではなかったため、ロレーヌはレントが火属性に強く偏っている可能性を見た。
ステノ商会からの連絡
その日、ステノ商会から魔法の袋が手に入ったという連絡が届いた。レントは急いでステノ商会へ向かい、応接室で初めてチョコレートを味わった。甘さとほろ苦さ、口の中で溶ける食感に感動し、シャールが来るまで夢中で食べていた。
変形する魔法の袋
シャールは、レントが求めていた大容量の魔法の袋を用意していた。ただしそれは希望より高性能な品で、金貨二千枚以上の価値があるものだった。シャールは先日の件への負い目と、レントへの投資を理由に、金貨千八百枚で売ると申し出た。その袋は見た目を革袋や背嚢、箱に変えられる迷宮産の品であり、レントは白金貨十八枚を支払って購入した。
冒険者組合への決意
ステノ商会を出たレントは、魔法の袋の購入が無駄遣いではなく、今後の稼ぎにもつながる必要な投資だと考えた。その後、旅立つ前に解決しておきたい問題として、レント・ファイナとレント・ヴィヴィエという二つの身分について冒険者組合で交渉することを決意した。レントは危険な賭けだと理解しながらも、冒険者組合の清廉ではない性質を踏まえ、何とかなると考えて組合へ向かった。
第三章 存在と身分
冒険者組合長との取引とリナの再会
冒険者組合長への面会
レントは冒険者組合を訪れ、シェイラに冒険者組合長との面会を頼んだ。シェイラは目的を察して心配したが、レントは二重登録について相談するつもりでいた。案内された部屋で、レントは元冒険者である冒険者組合長ウルフ・ヘルマンと対面した。
見抜かれていた正体
ウルフは、レント・ヴィヴィエをレント・ファイナだとすでに見抜いていた。銅級昇格試験での慎重で完璧な動き、名前、戦い方、住まいなどから同一人物だと判断していたのである。ウルフは二重登録を責めるつもりはなく、理由を知りたいのだと告げた。
神銀級を目指した男
ウルフは、かつて自分も神銀級冒険者を本気で目指していたと明かした。怪我で冒険者を引退したものの、夢を追ったことは後悔していなかった。レントは同じ夢を持つ者としてウルフを信じる気になり、魔術契約を交わしたうえで事情を話すことにした。
不死者の告白
レントは自分の腕を短剣で切り、傷が自然に塞がる様子を見せた。そのうえで、自分は不死者になり、現在の体は人間ではなく吸血鬼のようなものだと告げた。ウルフは衝撃を受けながらも、まずはなぜそうなったのかを尋ねた。
龍に喰われたレント
レントは《水月の迷宮》で探索中、想像もできない存在である《龍》に遭遇し、喰われたのだと説明した。ウルフは信じがたい話だとしつつも、レントが嘘をつく理由はないと受け止めた。レントは幻覚ではなかったと断言し、故郷で薬師から毒や幻覚への対処を学ばされた経験も話した。
骨人からの存在進化
レントは《龍》に喰われた後、気づくと骨人になっていたと語った。骨人でありながら記憶と自我を保っていたため、通常の魔物とは違っていた。彼は存在進化によって屍食鬼となり、さらに人に近い姿へ進めるのではないかと考え、現在の姿に至ったのだと説明した。
吸血鬼ではない判定
ウルフは、レントが吸血鬼なら血の確保や新人冒険者失踪事件との関係が問題になると疑ったが、すぐにレントの性格から否定した。レントはロレーヌから少量の血をもらっており、必要量も一日数滴ほどだと話した。さらにニヴ・マリスの《聖炎》によって吸血鬼ではないと判定されたことも伝え、ウルフはレントの正体がますます分からなくなった。
マルトを離れる理由
レントは、《水月の迷宮》の《龍》、マルトの吸血鬼疑惑、ニヴ・マリスという危険が重なっている状況を説明した。ウルフはレントの運の悪さに呆れたが、今のマルトを離れる判断には一定の理解を示した。レントは故郷のハトハラー村へ向かう予定だと伝えた。
脅しに使わなかった資料
レントは、冒険者組合の不正や二重登録、表に出せない依頼などをまとめた資料をウルフに渡した。本来は交渉材料にするつもりだったが、信頼関係が築けそうだと判断したため、脅しには使わなかったのである。ウルフはその資料に自分の知らない情報もあると見て、有効活用するつもりで受け取った。
冒険者組合職員という抜け道
ウルフは、二重登録を解決する方法として、冒険者組合職員向けの内規を使う案を出した。それは職員が冒険者として活動しながら情報収集するための制度であり、公認の二重登録が可能になるものだった。レントは名簿上の職員となり、普段は冒険者として活動しつつ、必要なときだけ協力する形で合意した。
外れない仮面
ウルフは、レントの仮面がなぜ外れないのかを確かめようと引っ張ったが、仮面はまったく外れなかった。レントは露店で買った仮面が呪いの品のように外れなくなったと説明した。ウルフは、本来なら呪いの品は街に入る時点で弾かれるはずだとして、調べてみることにした。
シェイラへの共有
レントは冒険者組合を出る前、シェイラを夕食に誘った。ウルフに事情を話したことや、自分が冒険者組合職員になることを共有しておくためだった。シェイラは事情を察し、仕事後にロレーヌの家へ来ることを了承した。
血入りの夕食
ロレーヌの家では、ロレーヌとシェイラが料理を用意していた。レントの料理には二人の血が入っており、いつもより味に深みがあった。シェイラはロレーヌ一人に血の提供を任せるのは負担が大きいと考え、自分の血も試してもらったのだと説明した。
二重登録の落としどころ
レントは、ウルフとの話し合いの内容をロレーヌとシェイラに説明した。シェイラは、職員向けの二重登録制度は存在するものの、マルトでは長く使われていない制度だと話した。ロレーヌは、ウルフが以前からレントを冒険者組合に入れる方法を考えていたのだろうと推測した。
結婚案の余波
レントは、二重登録の解決案としてウルフが冗談でロレーヌとの結婚を持ち出したことを話した。ロレーヌはワインを噴き出し、その言葉に動揺した。レントが自室に戻った後、ロレーヌは一人で結婚という言葉を反芻し、むず痒い想像に沈んだ。
旅支度の買い物
翌日、レントとロレーヌはハトハラー村への旅に必要な品を買いに市場へ出た。保存食や砥石、着替え、回復水薬、素材を入れる容器などを集めた。レントは役に立たなそうな怪しい魔道具に興味を示し、ロレーヌは怪しげな魔物料理の本を購入していた。
露店でのリナ
レントは露店で謎の魔道具を見ている最中、偶然リナと再会した。仮面の形が変わっていたためリナはすぐには気づかなかったが、レントが以前の骸骨仮面に戻すと、彼だと分かった。リナはレントを心配していたと話し、彼が無事に冒険者として活動していることに安心した。
リナの新しい仲間
リナは、レントに教わったことを実践したおかげで冒険者としてうまくいき始め、同年代のライズとローラという二人とパーティを組んだと語った。レントはその二人が自分と銅級昇格試験を受けた相手だと気づいた。リナは、二人から聞いていた親切なレント・ヴィヴィエが目の前のレントだったことに驚いた。
兄イドレスの捜索
レントは、以前イドレス・ローグという騎士がリナを探していたことを伝えた。リナはそれが兄であると認め、両親ではなく兄なら無理に連れ戻すためではないかもしれないと考えた。レントは、リナの希望する面会日時を兄へ伝える役を引き受けた。
イドレスへの伝言
レントはエーデルの情報網を使い、イドレスを見つけて声をかけた。リナがリナ・ルパージュと名乗っているため見つからなかったのだと説明し、彼女が面会を望んでいる日時を伝えた。イドレスは一度王都に戻る必要があるため、別の日程をレントに託し、レントは冒険者組合経由でリナへ伝えることにした。
第四章 旅路
ハトハラー村への旅路
早朝の出発
レントとロレーヌは、ラウラへの《竜血花》の納品やリナへの伝言を済ませ、ハトハラー村へ向かうため早朝にロレーヌの家を出た。レントは忘れ物があるかもしれないと気にしつつも、帰ってから考えればよいと割り切った。二人は都市マルトの馬車停留所へ向かった。
大亀の馬車
レントたちは、ハトハラー方面へ向かう大亀が引く馬車に乗ることになった。大亀は馬より遅いが丈夫で、整備の悪い山道に適していた。ロレーヌが運賃をまとめて払い、二人は他の乗客が集まるのを待った。
山道への出発
馬車にはレントとロレーヌのほか、若い娘と中年男、老人夫婦が乗った。大亀は街を出るまでは鈍かったが、走り出すと意外に速く進んだ。レントは道中の魔物や盗賊に備え、必要なら自分たちが戦うことになると考えていた。
最初の野宿
一日目の夜、馬車は宿場町に届かず野宿することになった。ロレーヌは乗客たちから少額を集め、レントと共に煮込みを作った。ロレーヌは魔術で火とかまどを用意し、レントは魔法の袋から食材や道具を取り出して調理を手伝った。煮込みは乗客たちに好評だった。
腐肉歩きの襲来
夜番の最中、レントとロレーヌは森から近づく気配に気づいた。それは、ぼろぼろの服と農具を持つ腐肉歩きの群れだった。ロレーヌは臭気や欠片が馬車側に流れないよう風を操りながら近づき、《小火竜巻》で腐肉歩きたちをまとめて焼き尽くした。
灰の浄化
ロレーヌは腐肉歩きの灰と魔石を集め、邪気や瘴気が残っているためレントに浄化を頼んだ。レントが聖気を注ぐと、灰と魔石は清められ、灰の中から小さな双葉が生えた。ロレーヌはその様子を見て、レントを出張肥料とからかった。
死霊術の研究
ロレーヌは浄化された腐肉歩きの魔石を死霊術の研究に使うつもりだと話した。レントが理由を尋ねると、ロレーヌは不死者への理解に役立つかもしれないからだと答えた。レントは自分のために禁術の研究まで考えるロレーヌに礼を述べた。
金級冒険者アルヒルディス
腐肉歩きの気配が消えた後、森から子供のような姿のエルフが現れた。彼女はアルヒルディスと名乗り、金級冒険者証を示した。ロレーヌとレントは警戒したが、彼女がトラカ村の復興依頼で不死者を討伐していたことを知り、敵ではないと判断した。
聖気を見抜くヒルデ
アルヒルディスはヒルデと呼んでほしいと言い、腐肉歩きの灰が聖気で完全に浄化されていることを見抜いた。さらに、レントに聖気の残滓があると指摘し、彼が聖気使いだと見破った。レントは隠し通せないと判断し、自分が浄化したことを認めた。
聖気隠しの取引
ヒルデは、聖気使いは宗教団体に勧誘されやすいため、聖気の隠し方を覚えた方がよいと助言した。彼女は、浄化で生えた聖気を帯びた草をもらう代わりに、聖術の基礎と聖気隠しを教えると申し出た。レントはその条件を受け入れ、一晩かけて聖気の扱いを学んだ。
夜明けの別れ
夜明け頃、レントは聖気を隠す技術を一応身につけた。ヒルデは、ラウラから借りた聖術の本は正しい内容だと確認し、分からないことがあれば王都で尋ねるよう連絡先を渡した。彼女はロレーヌにもよろしく伝えるよう言い、聖気を帯びた草を持って去っていった。
宿場町の珍味
二日目は問題なく宿場町に着き、レントとロレーヌは名物料理を食べることになった。大冬蛙の卵の煮込みであるソレストと、殺人蟷螂の子供の揚げ物であるゲッタンバが出された。レントは見た目に怯みながらも食べ、味は良いことを改めて認めた。ロレーヌは本で知っていたため、むしろ楽しんで食べていた。
乗客との別れ
途中の村で若い娘と中年男、さらに老夫婦も馬車を降りた。中年男は食事や夜の魔物への対処に礼を言って報酬を渡そうとしたが、ロレーヌは護衛依頼ではないとして受け取らなかった。代わりに、マルトで再会したとき何か奢ってくれればよいと告げた。
山奥の道
馬車はさらに山と森ばかりの道へ進んだ。道はかろうじて馬車が通れる程度で、ロレーヌは田舎という言葉では足りないほどだと感じた。レントは、かつて金に余裕がなく、時間も取れなかったため、故郷へあまり帰れなかったことを語った。
ハトハラー村の景色
半日ほど進むと、道が開け、ハトハラー村が見えてきた。村は木の柵に囲まれていたが、その柵には薬師の婆さんが作った魔物避けの薬液が染み込ませてあった。ロレーヌは、小規模な山村で自前の防備を整えていることに興味を持った。レントも、改めて考えると薬師や狩人たちの能力が普通ではないかもしれないと感じた。
望まぬ不死の冒険者4巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者6巻
同シリーズ
望まぬ不死の冒険者
小説版














その他フィクション

Share this content:


コメント