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フィクション(Novel)望まぬ不死の冒険者読書感想

小説「望まぬ不死の冒険者 13巻」感想・ネタバレ

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望まぬ不死の冒険者13の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

望まぬ不死の冒険者12巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者14巻

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どんな本?

望まぬ不死の冒険者』は、丘野優 氏による日本のライトノベル作品。
小説家になろうにて2016年9月22日より連載されており、オーバーラップノベルスより刊行されている。
イラストはじゃいあん 氏が担当。
物語は、銅級冒険者のレント・ファイナが水月の迷宮で龍に食われて不死の魔物として蘇るところから始まる。
レントは魔物を食らうことで進化していき、骨人から屍食鬼、下級吸血鬼となる。
レントは自分の境遇に苦しみながらも、冒険者としての夢を捨てずに、魔物と人間の狭間で生きることを決意する。
しかし、レントの存在は世界の秩序を揺るがす危険なものとして、様々な勢力の注目を集めてしままう。
この作品は、コミカライズやテレビアニメ化もされており、人気の高いファンタジー作品。
コミカライズ中曽根ハイジが作画を担当し、コミックガルドにて連載中。
テレビアニメは2024年1月より放送予定。

読んだ本のタイトル

望まぬ不死の冒険者  13巻
著者:丘野優 氏
イラスト:じゃいあん  氏

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あらすじ・内容

骨人(スケルトン)に占拠された村を救うため、新たな剣で討伐を続ける不死者・レント。
村の安全を確保したものの、骨人の発生原因を探るべく、森の中へ立ち入ることに。
自然洞窟を発見し奥へ進んでいくレントだったが、魔術師や兵士を模した骨人だけでなく、不自然なほどに強い骨騎士(スケルトン・ナイト)と会敵し――!?
討伐を終えて帰ろうとした矢先、レントはその場所で小さな杯を手に入れる。
マルトに帰還すると、クロープから呼び出しを受け《三叉の銛》に向かうレント。
そこでクロープから、鉱山都市ウェルフィアで開催される鍛冶大会に出場するため、銀級昇格試験で赴く際に同行して欲しいとの依頼を受ける。その目的は、同時期に鍛冶を始めた人物との因縁に決着をつけるためで――。
強大な魔物と戦い、多くの謎を解き、そして強くなる。死してもなお遙かなる神銀級を目指す、不死者レントの『冒険』、第13弾――!

望まぬ不死の冒険者 13
望まぬ不死の冒険者特設サイト

感想

辺境の村に発生したスケルトン騒動。

村を占拠したスケルトンを討伐したレント。
その報告を聞いた村人達が戻って来た。

レントは村人用に魔法袋の中に入っていた物をバザールに出して協力。
その中で、先ほど倒したスケルトンの持っていた槍を村の狩人のリブルが見ると、彼の父親の槍だと判明した。

3年前にゴブリンの巣を襲撃したら反撃され。
撤退するときに、父親が殿となりゴブリンの追撃を止めたらしい。
後に通りがかった冒険者がゴブリンの巣を駆除して解決したが、遺品などは回収してくれなかったらしい。

その残った槍が、村を襲って来たスケルトンが持っていた。
どうやらスケルトンは、元ゴブリンの巣穴から来たかと予想したレントとリブルは、村の防備をある程度修繕した後。

発生源と思われる狩人リブルの父が亡くなった洞窟へ向かう。

そして洞窟に入ったらスケルトンが発生しており、中には魔導師型のスケルトンも発生していた。それらを討伐して魔力の溜まりの箇所を確認したら騎士型のスケルトン、骨騎士が発生。

それをレントは討伐して発生源を探したら、盃が見つかった。
それを回収してマルトへと戻り。
ギルドに村にいた5体のスケルトンを討伐。
さらに村の近くで発生したスケルトンを討伐したと報告。

そうして、緊急の依頼が終わったと思ったら。
鍛治師のクロープから指名依頼が来たと聞く。

そして、クロープの所に行くと、クロープから鉱山都市ウェルフィアへ共に行って欲しいと言われる。

ちょうどその近辺で銀級の昇格試験があるのでレントは快諾。
その後、ロネーヌの家へ帰り。
彼女に骨騎士が発生した近くにあった盃を渡してみたら。
この盃の中でスライムが他のスライムを倒したら、通常の3番の存在力を吸収する事がわかった。
さらに調査をしようと、スライムをテイムしようと考えたのだが、、
レントのテイムは眷属になってしまうので再現性が難しい。
それならロネーヌがスライムをテイムすればとなるのだが、、
テイムを教えてくれる人の心当たりは、ハトハーラーに住むレントの義父インゴが従魔師なので教わりに行くとロネーヌが言い出して。
転移魔術陣を使用して”善王フェルトの地下都市”から黒王虎に乗って、ハトハーラーへと向かう。
そして、義父にテイムを教わっていると黒王虎は存在進化させた物だと教えてもらい。
ロネーヌが連れて来たスライムはこのままだと早死にすると教えられる。

さらに、レントは銀級試験の対策にカピタンに教えを乞うつもりだったのだが、、

カピタンが不在で、彼を追いかけてアリアナ自由海洋国へ向かうのだが、、
そこでも騒動に巻き込まれる。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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望まぬ不死の冒険者12巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者14巻

考察・解説

クラスク村の復興

『望まぬ不死の冒険者』第13巻において、骨人(スケルトン)に占拠された村をレントが解放し、村人たちが帰還して生活を立て直していくクラスク村の復興エピソードは、単なる魔物討伐にとどまらず、物資の供給や発生源の完全浄化、さらには将来的な経済基盤の確立にいたるまで、多角的な支援によって集落の再生を確実なものとする重要な局面である。

避難先からの若い男女の初期帰還とレントによる柵の修復支援、骨人の性質ゆえに軽微であった被害状況と魔法の袋を活用した即席商店による物資提供、洞窟の骨騎士討伐と聖水散布による邪気集約点の根本的浄化、そして帰還を祝う宴の開催と希少植物ルテット草の発見に伴う財政的潤いの見通しにいたる全容は以下の通りである。

避難先から帰還した人口の四分の一にあたる若手20人の寝場所確保と壊された柵の修復

レントが村の骨人を一掃した翌日、村長のジリスと青年リブルは避難先から働き手となる若い男女約20人を連れて村に戻ってきた。

・これは本来の人口の四分の一程度であり、子供や老人は安全のためまだ避難先に残っていたが、村人たちの村への愛着は強く、徐々に帰還する予定であった。

・レントも自ら復興を手伝い、壊された柵の修復や家屋の瓦礫の整理などを行う。

・戻ってきた村人たちがその日のうちに屋根のある寝場所を確保できるようにした。

田畑への被害が少なかった骨人の習性と魔法の袋から生活雑貨を適正価格で供給した即席商店

村を占拠していた魔物が骨人であったことは、村にとって不幸中の幸いであった。

・もしゴブリンや狼系の魔物、あるいはスライムであれば、田畑や家屋が完全に破壊されていた可能性が高いが、骨人の性質上、それらの被害は比較的少なく済んだ。

・それでも陶器などの食器類は壊されていたため、レントは自身の魔法の袋から大量の食器や雑貨、食料を広場に並べる。

・即席のレント商店を開いて村人たちに適正価格で提供し、生活の再建を支援した。

洞窟奥に潜伏する骨小魔術師および骨騎士の討伐と聖水散布による邪気発生源の完全浄化

村の修復と並行して、レントは再び骨人が発生して村が占拠される危険をなくすため、発生源の特定と排除に動いた。

・リブルの案内で森の奥にある自然洞窟に向かい、奥に潜んでいた骨小魔術師や強力な骨騎士などの魔物を討伐する。

・その上で、骨人を生み出していた邪気の集約点に聖水を撒いて完全に浄化した。

・これにより、村が再び骨人の脅威に晒される不安は払拭される。

明日への見通しを祝う狩人料理の宴会と希少植物ルテット草栽培管理法の伝授による経済的潤い

根本的な安全が確保された夜、村長ジリスの提案で村にいる全員を集めた宴会が開かれた。

・復興はまだ始まったばかりであったが、村が完全に自分たちの手に戻り、明日からの生活の見通しが立ったことを祝うための大切な区切りであり、美味しい狩人料理が振る舞われた。

・さらにレントは、村の近くに機械の動力機構に使われる高価な希少植物「ルテット草」の群生地があることを発見していた。

・彼はその価値と栽培管理の方法を村人たちに伝えている。

・定期的に訪れる行商人を通じてマルトへ流通させれば、クラスク村は今後経済的にも大きく潤うことが期待されている。

まとめ

クラスク村の復興エピソードは、レントが単なる武力による魔物排除の枠を超え、住民の生活基盤の再建から集落の永続的な安全確保にまで深く関与した、包括的な救済の記録である。避難民の住環境を速やかに整え、自身の蓄えから物資を補給して即座に日常を取り戻させたプロセスは、彼の深い人間性と準備の良さを示している。森の洞窟の骨騎士を破砕して邪気の源流を聖水で断ち切り、さらに発見したルテット草の栽培法を伝授してマルトとの交易による未来の財政的潤いを約束した顛末は、レントの施策が一過性の救援にとどまらず、住人自らの手で未来を切り拓くための絶対的な財産をもたらしたことを厳密に証明している。

骨騎士との戦闘

『望まぬ不死の冒険者』第13巻において、クラスク村を占拠していた骨人の発生源である洞窟の最奥部で、レントが上位の魔物である骨騎士(スケルトン・ナイト)と繰り広げた激戦のエピソードは、高い学習能力と強固な防備を誇る強敵に対し、知略と複合技術を駆使して勝利を収める重要な局面である。

邪気の集約点から出現した骨騎士の強固な防御と学習能力、踏み込みの瞬間に足元の土を沈み込ませた局所的落とし穴による体勢崩し、魔気融合術の爆発力を利用した盾の吹き飛ばしと急所魔石への直撃、そして持ち帰った魔石の鑑定により判明した銀級下位相当の実力とレントの自信回復にいたる全容は以下の通りである。

邪気集約点からの強い魔力を帯びた鎧盾装備個体の出現と先制を容易に弾く高い学習能力

レントが洞窟の最奥部で発生源の邪気を散らしようとした瞬間、邪気の集約点から強い魔力とともに、鎧と盾、剣を装備した骨騎士が姿を現した。

・レントは発生直後の隙を突いて先制攻撃を仕掛けるが、骨騎士は盾で容易にそれを弾き返す。

・骨騎士には人のような思考や感情はないが、戦闘の中で相手の動きを記憶し対応する高い学習能力を備えていた。

・攻守のバランスに優れた手強い相手としてレントの前に立ちはだかる。

同じ攻撃の反復による行動誘導と強く踏み込んだ瞬間の魔力足元土壌沈み込み落とし穴

レントは、骨騎士の学習能力を逆手に取り、あえて同じような攻撃を仕掛けることで相手の行動を誘導した。

・骨騎士が反撃のために強く地面を踏み込んで距離を詰めようとした瞬間、レントは魔力を込めた剣で足元の土を沈み込ませ、局所的な落とし穴を作り出す。

・これに足を取られた骨騎士は、体勢を立て直そうと一瞬の隙を晒すこととなった。

魔気融合術の爆発に伴う盾および腕の吹き飛ばしと鎧の隙間から突いた急所魔石の完全粉砕

体勢の崩れを見逃さず、レントは自らの足元にも魔力で足場を作って急接近した。

・骨騎士は盾で防ごうとするが、足場が崩れ盾をしっかり握れていない状態であった。

・レントは剣に魔力と気を注ぎ込んだ「魔気融合術」を行使して盾を横薙ぎにし、爆発を起こして盾を腕ごと吹き飛ばす。

・防御を失った骨騎士の懐にさらに踏み込み、鎧の隙間から見えた急所の魔石に向かって一直線に剣を突き入れた。

・剣先が魔石に触れた瞬間に鎧の内部で爆発が起こり、骨騎士の骨と頭部を完全に粉砕して討伐に成功する。

標準サイズを凌駕する巨大魔石の回収とシェイラの鑑定による銀級下位実力個体の証明

戦闘後、レントはこの骨騎士の技量を予想以上に高く感じており、自らの修行不足を痛感して目前に迫る銀級昇格試験に不安を抱いた。

・しかし、マルトに帰還後、冒険者組合のシェイラに持ち帰った魔石を見せたところ、標準的な骨騎士のものよりも大きいことが判明する。

・少なくとも銀級下位程度の実力を持つ個体であった可能性が高いことが証明され、レントは少し自信を取り戻すこととなった。

まとめ

骨騎士との戦闘エピソードは、レントが新調した装備と自身の戦術的知略を噛み合わせ、単独で上位のアンデッドを撃破した重要な実力検証の記録である。敵の学習能力を逆手に取って落とし穴へと誘い込み、強固な防備を魔気融合術の爆発によって腕ごと破砕したプロセスは、レントの戦闘精度の高さを示している。自身の技量に一時的な不安を抱きながらも、回収した巨大な魔石の鑑定によって銀級下位相当の難敵を打倒していた事実がマルトで裏付けられた顛末は、レントが着実に銀級冒険者に匹敵する領域へ到達しており、近き将来の昇格試験を突破するための絶対的な実力をその身に宿していることを厳密に証明している。

鍛冶大会の護衛

『望まぬ不死の冒険者』第13巻において、マルトの鍛冶屋「三叉の銛」の店主クロープが、自身の過去に決着をつけるため、レントに依頼した護衛任務のエピソードは、職人としての挫折と向き合う旅路を支え、同時にレント自身の目的を果たすための重要な局面である。

銀級昇格試験の会場となる鉱山都市ウェルフィアへの行程が合致した指名護衛依頼の受注、かつて修行時代に親友ハザラが鍛冶歴10年未満で魔剣を鍛造した圧倒的才能の差への敗北と逃亡の過去、そして引退を控えた親方バルゼルスターロからの最後の手紙を契機とした鍛冶大会への出場決意にいたる全容は以下の通りである。

銀級昇格試験の受験地であるウェルフィアへの日程重複とクロープからの指名依頼受注

クラスク村の依頼を終えてマルトに戻ったレントは、冒険者組合を通してクロープからの指名依頼を受けた。

・店を訪れたレントに対し、クロープは鉱山都市ウェルフィアで開催される鍛冶大会に出場することになったため、そこまでの護衛をしてほしいと頼む。

・レントもまた銀級昇格試験を受けるためにウェルフィアへ向かう予定であったため、日程の都合が非常に良かった。

・互いの目的地が一致したことから、レントは護衛を引き受けることとなる。

ライバルハザラが初出場で魔剣を作り上げたことによる準優勝の挫折と自暴自棄の逃亡過去

普段は鍛冶大会などに興味を示さないクロープが出場を決めた背景には、彼の過去が深く関わっていた。

・クロープは若い頃、ウェルフィアの工房で鍛冶の修行をしており、そこには同じ時期に入ったライバルであり親友のハザラ・フェーブロがいた。

・二人は切磋琢磨して腕を上げていたが、ある日、親方から「鍛冶大会に出場し、勝った方にいずれ工房を任せる」と告げられる。

・クロープは当時の技術の全てを注ぎ込んだ剣で挑んだが、ハザラは鍛冶歴10年に満たないにもかかわらず魔剣を作り上げて優勝した。

・準優勝に終わったクロープは、ハザラとの圧倒的な才能の差に打ちのめされて自暴自棄になり、ウェルフィアから逃げ出して流れの鍛冶師になってしまったという辛い過去があった。

親方バルゼルスターロからの引退前手紙の受領とハザラへの工房継承を見極める大会出場決意

そんなクロープの元に、かつての親方バルゼルスターロから一通の手紙が届いた。

・手紙には、親方が引退を控えており、最後にもう一度クロープが鍛冶をする姿を見たいという願いが書かれていた。

・さらに、現在副工房長となっているハザラに工房を譲るための最終的な見極めも兼ねており、二人で過去の心残りを洗い流してほしいと綴られていた。

・この親方からの手紙を過去に決着をつけろという心遣いと受け取ったクロープは、逃げ出した過去と向き合うためにウェルフィアの鍛冶大会に出場する決意を固め、レントを護衛として雇うこととなった。

まとめ

鍛冶大会の護衛エピソードは、レントにとって宿願である銀級昇格試験の受験と、信頼する職人クロープの過去のトラウマを克服する旅路が重なり合った、人生の大きな転換点を示す展開である。親友の天才的な魔剣鍛造の前に挫折し、ウェルフィアから逃亡したクロープの苦悩を描きつつ、親方の温かい手紙を契機として再び立ち上がるプロセスは、職人としての誇りと覚悟を示している。クロープの大会への再挑戦とレントの昇格試験という二つの重大な目的を携え、防衛体制を整えて鉱山都市へと向かう顛末は、この護衛任務が単なる移動の付き添いにとどまらず、両者がそれぞれの限界を打破し、次なるステージへ進むための絶対的な試練の始まりであることを厳密に証明している。

従魔師の修行

『望まぬ不死の冒険者』第13巻における「従魔師の修行」は、レントとロレーヌが魔物を意のままに操る技術を求めて、レントの義父であるインゴからその特殊な技法を学ぼうとするエピソードであり、複雑な使役実験の継続と世界の理に基づく魔物運用の基礎を確立するための重要な局面である。

魔物の複雑な指示遂行に不可欠な専門技術の必要性と飛竜リンドブルムを使役するインゴの元への帰郷、存在進化を阻害しない魔力操作による器の保護というハトハラー血筋の秘術伝授、そしてカピタンによる剣術の鍛え直しや銀級昇格試験を優先したレントの修行見送りとロレーヌとの役割分担にいたる全容は以下の通りである。

杯の実験によるスライム成長とさらに複雑な指示を遂行させるための専門従魔技術の必要性

ロレーヌは、魔物の成長を促す杯の実験において、杯の中で戦わせたスライムを卵大まで成長させることに成功した。

・しかし、成長したスライムに杯を把持させたまま戦わせるなど、さらに複雑な指示を聞かせるためには、魔物を従える専門的な技術が必要だと判断する。

・二人は、通常では使役できないとされる強力な飛竜リンドブルムを従えているレントの義父・インゴに教えを乞うため、転移魔法陣を使って故郷ハトハラーへと向かった。

一般的な従魔師が破壊してしまう器の保護と存在進化を可能にするハトハラー伝来の複雑な魔力操作

インゴはロレーヌの頼みをあっさりと承諾し、自身の従魔技術の秘密を明かした。

・一般的な従魔師が魔物を従えると、その魔物は存在進化をしなくなると言われている。

・インゴによれば、それは魔物の成長の土台となる器と呼ばれる部分を壊してしまうためであった。

・しかし、インゴが受け継いできたハトハラーの血筋に伝わる技法は、極めて複雑な魔力操作によってこの器を壊さずに魔物と絆を結ぶことができる。

・だからこそ、インゴは小型の飛竜をリンドブルムにまで存在進化させながら使役できた。

卓越した魔力操作によるロレーヌへの即時伝授と銀級昇格試験に向けたレントの技術習得保留

この技法の習得には本来、年単位の修行が必要であるが、卓越した魔術師であり魔力操作に長けているロレーヌであれば、基本を学べばすぐに実践に移せるとインゴは判断した。

・一方でレントも魔力操作は器用なため習得は可能であったが、彼は目前に迫る銀級昇格試験に向けて、カピタンから剣術や気の扱いを、ガルブから薬師の知識を鍛え直してもらう目的で帰郷していた。

・限られた時間の中で新しい技術に手を出して共倒れになることを避けるため、レントは今回、従魔師の修行を優先せず見送る決断を下す。

・代わりにロレーヌがしっかりと従魔師の基礎を身につけ、いずれ時間があるときに彼女からレントへと教えることになり、二人は役割を分担してそれぞれの修行に臨むこととなった。

まとめ

従魔師の修行エピソードは、レントたちが魔物の能力を極限まで引き出すための「器」の概念を掌握し、来たるべき実験や戦闘に向けて技術的基盤を分担して獲得した重要な記録である。一般的な使役の限界を突破して存在進化を可能にするハトハラーの血筋の秘術をロレーヌが速やかに継承したプロセスは、彼女の魔法体系への深い理解力を示している。銀級昇格試験に向けた剣術や気の鍛え直しを優先して新しい技術への投資を一時的に保留したレントの冷静な決断と役割分担の顛末は、一行が目先の関心にとらわれず、効率的な能力向上と確実な成果を追求する強固な戦略性を備えていることを厳密に証明している。

海の国の冒険

『望まぬ不死の冒険者』第13巻において、レントがカピタンを探して港湾都市ルカリスを訪れ、そこで新たな出会いとトラブルを経験するエピソードは、修行の場を南方へと移し、新たな協力者や独自の呪具を確保しながら次なる迷宮攻略への足がかりを築く重要な局面である。

師であるカピタンとの合流および海霊草採取を目的としたルカリス近郊への転移、多様な人種と獣人が行き交う大都市の景観および海底迷宮の存在把握、路地裏で仕掛けられた銅級冒険者三人組の襲撃と黒豹人ディエゴによる加勢、凄腕鑑定士ディエゴからの水中呼吸用ガラス管呪具の購入、そして襲撃者たちを罰せず採取任務の手伝いとして雇い入れた再起の機会付与にいたる全容は以下の通りである。

善王フェルトの地下都市魔法陣によるルカリス近郊への転移と海霊草採取に伴うカピタン合流の目的

レントは銀級昇格試験に向けた修行のため故郷ハトハラーへ帰郷したが、師の一人であるカピタンは薬師ガルブの頼みで海霊草を探しに南方のアリアナ自由海洋国へ向かっていた。

・レントはカピタンに合流して剣術と気の修行をつけてもらいつつ、海霊草の採取を手伝うことを決意する。

・善王フェルトの地下都市にある転移魔法陣と黒王虎の力を借りる。

・港湾都市ルカリス近郊の洞窟へと一気に転移した。

多様な人種と獣人が行き交う貿易都市ルカリスの色彩豊かな景観と海底に潜む海神の娘達の迷宮

ルカリスは貿易で栄える大都市であり、ヤーラン王国やマルトとは比較にならないほど多様な人種が行き交っていた。

・特に獣人が多く暮らしており、街の建物も色彩豊かで、冒険者組合も大きく洗練された芸術的な装飾が施されていた。

・レントは冒険者組合の職員から、カピタンが海霊草を採るために海底に存在する海神の娘達の迷宮へ向かっているという情報を得る。

・船の都合で夕方まで戻らない状況を把握した。

金貨支払いに目をつけた銅級冒険者三人組の路地裏襲撃と黒豹人ディエゴの背後からの加勢

街を散策し、露店で気前よく金貨を払っていたレントは、金に困ってやけを起こした三人の銅級冒険者(ニーズ、ガヘッド、ルカス)に目をつけられ、路地裏で襲撃を受ける。

・しかし実力差は歴然であり、レントは先頭のニーズを一撃で気絶させた。

・残る二人は、不穏な気配を察してレントの様子を窺っていた黒豹人の獣人、ディエゴ・マルガによって背後から気絶させられる。

・これにより、騒動はあっけなく鎮圧された。

マルガの呪物屋への搬送と凄腕鑑定士から購入した水中呼吸用ガラス管呪具の効果

レントはディエゴの提案で、気絶した三人組を彼の営むマルガの呪物屋に運んだ。

・ディエゴは鑑定神の神殿で修行した凄腕の鑑定士であった。

・海底にある海神の娘達の迷宮に彼らを連れて潜る予定のレントは、水中で呼吸ができるようになる細長いガラス管の呪具を購入する。

・この呪具は代わりに陸上で使うと息ができなくなる特性を持っていた。

・さらにレントは、迷宮で呪物が出たらディエゴの店に持ち込んで鑑定してもらうという取引を結んだ。

官憲への引き渡し拒否と特製薬湯による介抱を契機とした海霊草採取手伝いへの雇用

レントは自分を襲ったニーズたちを官憲に突き出すことはしなかった。

・目を覚ましたニーズに特製の薬湯を飲ませて痛みを和らげる。

・レントは彼らを罰する代わりに、自分が受ける海霊草の採取を手伝わせることで、真っ当な金の稼ぎ方を教え直そうと試みた。

・ニーズもまた、自分たちを殺さずに介抱してくれたレントとディエゴに巡り合わせを感じる。

・この出会いが彼らにとっての新たな始まりとなった。

まとめ

海の国の冒険エピソードは、レントが南方の貿易都市ルカリスを舞台に、持ち前の圧倒的な実力と寛大な人間性によって新たな人脈と装備を確立した重要な記録である。路地裏での襲撃をディエゴとの連携で速やかに鎮圧し、彼の呪物屋で海底迷宮攻略に不可欠な水中呼吸用の呪具を確保したプロセスは、レントの優れた状況適応力を示している。自身を襲った銅級冒険者たちを処罰せず、海霊草の採取任務に組み込むことで生活再建の道を示した顛末は、レントの施策が一過性の戦闘勝利にとどまらず、現地のはぐれ冒険者たちに救済の手を差し伸べ、カピタンとの合流や海底迷宮の探索に向けた強固な陣営を構築するための絶対的な契機となったことを厳密に証明している。

望まぬ不死の冒険者12巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者14巻

登場キャラクター

主人公とその関係者

レント・ファイナ

不死者の冒険者である。銀級昇格試験を控えている。

・所属組織、地位や役職
 冒険者組合・銅級冒険者。不死者。

・物語内での具体的な行動や成果
 クラスク村で骨人や骨騎士を討伐し、村を解放した。その後、ハトハラー村へ帰郷し、さらにアリアナ自由海洋国へ向かってニーズたちを撃退している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 銀級昇格試験の資格を得ている。クラスク村周辺の洞窟で魔物の成長を促す杯を拾った。

ロレーヌ・ヴィヴィエ

レントの同居人であり、学者かつ魔術師である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者組合・銀級冒険者。学者。錬金術師。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントが持ち帰った杯を使い、スライムの魔力吸収効率を高める実験を行った。その後、ハトハラー村でインゴから従魔師の技術を学んでいる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実験のためにマルト郊外の地下室で転移魔法陣を設置した。魔力操作に優れている。

クラスク村

リブル

クラスク村の青年であり、村で一番の狩人である。

・所属組織、地位や役職
 クラスク村・住人。狩人。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントを村周辺の洞窟へ案内した。戦闘ではレントの指示に従って後方で待機している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 三年前のゴブリン襲撃で亡くなった父の形見の槍をレントから受け取った。

ジリス

クラスク村の村長である。

・所属組織、地位や役職
 クラスク村・村長。

・物語内での具体的な行動や成果
 避難先から若い村人たちを連れて村へ戻ってきた。レントが骨人を討伐した後、村人全員を集めて宴会を開いている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

村人たち

クラスク村の住人たちである。

・所属組織、地位や役職
 クラスク村・住人。

・物語内での具体的な行動や成果
 避難先から戻り、壊れた柵や家屋の修復を行った。レントが広場に広げた食器や雑貨を見て回っている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 骨人の被害が比較的少なかったため、徐々に村へ帰還する予定となっている。

とある城(吸血鬼)

アーク

漆黒の玉座に座る白髪の少年である。魔王たちを負け犬と呼んでいる。

・所属組織、地位や役職
 吸血鬼の王。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヤーラン王国へ勝手に入ったタヴァスを処罰しようとした。ヤンシュフの嘆願を受けてタヴァスを許し、ウェルフィアでの任務を与えている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 血武器を作れる鍛冶師が減っていることを問題視している。

タヴァス

アークの配下であり、ヤンシュフの《子》にあたる吸血鬼である。

・所属組織、地位や役職
 吸血鬼。アークの配下。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヤーラン王国へ勝手に入ったことをアークに咎められた。許しを得た後、ウェルフィアの鍛冶大会で有望な鍛冶師を引き込む任務を受けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アークによって首を飛ばされたが、ヤンシュフの介入で消滅を免れた。

ヤンシュフ・ファハラ

タヴァスの《親》であり、アークの《子》にあたる吸血鬼である。

・所属組織、地位や役職
 吸血鬼。アークの配下。

・物語内での具体的な行動や成果
 アークの攻撃を《盾》で防ぎ、タヴァスの罰を軽減するよう嘆願した。アークに対して自らの命を捧げる意志を示している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

マルトの住人・冒険者組合

シェイラ

マルトの冒険者組合の受付職員である。レントの事情をある程度把握している。

・所属組織、地位や役職
 マルト冒険者組合・職員。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントからクラスク村の依頼完了報告を受けた。ルテット草や骨騎士の情報を聞き、調査団を組む必要性を考えている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 クロープからの伝言を預かり、レントに伝えた。

鍛冶屋《三叉の銛》

クロープ

マルトで鍛冶屋を営む男である。ルカの夫である。

・所属組織、地位や役職
 鍛冶屋《三叉の銛》・店主。鍛冶師。

・物語内での具体的な行動や成果
 かつての親方からの手紙を受け取り、ウェルフィアの鍛冶大会への出場を決めた。レントにウェルフィアまでの護衛を依頼している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去にウェルフィアの工房で修行していたが、ライバルのハザラに敗れて町を出た経験を持つ。

ルカ

クロープの妻であり、鍛冶屋を手伝っている。

・所属組織、地位や役職
 鍛冶屋《三叉の銛》・店員。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントが店を訪れた際にお茶を出して奥へ通した。クロープの深刻な話の邪魔にならないよう席を外している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 裕福な商家の娘であり、療養所で幼い頃のクロープと出会っていたが、本人はそのことを覚えていない。

ハトハラー村

ジルダ・ファイナ

インゴの妻であり、レントの義母である。

・所属組織、地位や役職
 ハトハラー村・住人。

・物語内での具体的な行動や成果
 帰郷したレントとロレーヌを歓迎した。ロレーヌとの間に何かあると勘違いし、気を使って家を空けている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

インゴ・ファイナ

ハトハラーの村長であり、レントの義父である。

・所属組織、地位や役職
 ハトハラー村・村長。従魔師。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロレーヌが持ち込んだスライムを見て、促成栽培されたものだと見抜いた。ロレーヌに従魔師の基礎を教えることを引き受けている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔物の《器》を壊さずに従魔とする特殊な技術を持っている。杯が《迷宮》に似た機能を持つ可能性を指摘した。

ガルブ

ハトハラーの薬師であり、凄腕の魔術師である。

・所属組織、地位や役職
 ハトハラー村・薬師。魔術師。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントに薬師としての知識を教え直すことを約束した。カピタンに海霊草の採取を頼み、アリアナ自由海洋国へ向かわせている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レントの魔力量が増えたため、基本的な魔法薬の作り方も教えられると提案した。

アリアナ自由海洋国・港湾都市ルカリス

門番の兵士

ルカリスの正門を警備する兵士である。

・所属組織、地位や役職
 ルカリス・門番。兵士。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントの骸骨仮面を外そうと引っ張ったが、外れないことを確認した。レントの入国を許可し、マルガの呪物屋を紹介している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

山羊人の男性

ルカリスの路上で露店を出している獣人である。

・所属組織、地位や役職
 露店商。獣人(山羊人)。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントに高山で採れる珍しい薬草を売った。値切られずに金貨三枚を受け取り、レントに質の良い宿を紹介している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去に帝国に住んでいたが、獣人に暮らしやすいルカリスへ移住した。

若い女性職員

ルカリスの冒険者組合の受付である。

・所属組織、地位や役職
 ルカリス冒険者組合・職員。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントからカピタンへの伝言を頼まれた。カピタンが《海神の娘達の迷宮》へ向かっており、夕方まで戻らないと伝えている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

ニーズ

ルカリスの銅級冒険者である。ガヘッドとルカスの仲間である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者組合・銅級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 路地裏でレントを襲撃したが、一撃で気絶させられた。目を覚ました後、レントから薬湯をもらい、稼ぎ方を教わることになった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

ディエゴ・マルガ

ルカリスで雑貨屋を営む黒豹人の獣人である。

・所属組織、地位や役職
 マルガの呪物屋・店主。鑑定士。冒険者。獣人(黒豹人)。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントを襲ったニーズの仲間を背後から気絶させた。気絶した三人を自宅へ運び、レントに水中で呼吸できる呪具を売っている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 鑑定神の神殿で修行したが、呪物を多く鑑定したため破門された。

ルカス

ニーズの仲間の冒険者である。チビで小太りな体型をしている。

・所属組織、地位や役職
 冒険者組合・冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 露店で薬草を買うレントを見つけ、ニーズに報告した。ニーズが倒された後、レントに向かおうとしたがディエゴに気絶させられている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

ガヘッド

ニーズの仲間の冒険者である。細長い体型をしている。

・所属組織、地位や役職
 冒険者組合・冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントを追うニーズを止めようとしたが、結局一緒についていった。ルカスと共にディエゴに背後から気絶させられた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は記載されていない。

魔物・その他

二つの影

クラスク村の洞窟の奥に現れた正体不明の者たちである。

・所属組織、地位や役職
 何者かの配下。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントが邪気を払った後の洞窟に現れ、計画が失敗したことを嘆いた。次の目的であるウェルフィアへ向かう相談をしている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 片方は行商人のふりをして村人に接していた。

骨人

クラスク村周辺に出現した魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(スケルトン)。

・物語内での具体的な行動や成果
 洞窟の入口付近でレントと遭遇し、首を刎ねられて倒された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 邪気の集約点から発生していた。

骨兵士

洞窟内で骨小魔術師を守っていた魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(スケルトン・ソルジャー)。

・物語内での具体的な行動や成果
 レントが投げた短剣を弾き落とした。腹部から背骨を砕かれ、上半身だけになっても剣を振るい続けたが、最後は頭部を砕かれて討伐された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 生前の武器である剣を使用していた。

骨小魔術師

粗末なローブを被り、杖を持つ魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(レッサースケルトン・ウィザード)。

・物語内での具体的な行動や成果
 洞窟内でレントに火弾や岩弾を放った。頭部をたたき割られ、杖を持つ手を踏み潰されて行動不能になった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 短い思念による詠唱で魔術を放つことができる。

骨騎士

洞窟の最奥部で邪気から発生した魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(スケルトン・ナイト)。

・物語内での具体的な行動や成果
 盾でレントの攻撃を防ぎ、学習能力を見せた。落とし穴に足を取られた隙を突かれ、魔石を内部から爆発させられて敗北している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 銀級下位程度の高い実力を持っていた可能性がある。

エーデル

レントの眷属である小鼠である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(プチ・スリ)。レントの眷属。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロレーヌの指示に従い、子分たちを率いて下水道からスライムを捕獲してきた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 食料や魔道具と引き換えにロレーヌの実験を手伝っている。

小鼠たち

エーデルの子分である魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(プチ・スリ)。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロレーヌが作った専用の容器を背負い、スライムを実験室へ運んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔力を抑えて行動することができる。

スライム

マルトの下水道から捕獲された小型の魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 杯の中で同族と戦わされ、勝った個体が敗者の魔力を吸収した。何度も戦闘を繰り返した結果、卵大の大きさにまで成長している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔力的偏りが少ない普通の個体であった。

黒王虎

《善王フェルトの地下都市》に生息する巨大な虎の魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物(シヤホール・メレフナメル)。

・物語内での具体的な行動や成果
 転移魔法陣でやってきたレントに頭をすりつけて懐いた。レントとロレーヌを背に乗せ、地下都市の中を目的の魔法陣まで運んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハトハラーの一族の血に親愛を感じるよう古い時代の人間から調教されている。

望まぬ不死の冒険者12巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者14巻

展開まとめ

第一章 奇妙な魔物と拾い物 

クラスク村の復興と洞窟の邪気

戻り始めた村人たち

レントが骨人たちを倒した翌日、リブルと村長ジリスは避難先へ知らせに行き、若い村人たちを連れて戻ってきた。子供や老人はまだ避難先に残っていたが、村を復興しながら徐々に戻る予定だった。レントも柵の修理や壊れた家屋の整理を手伝い、当面の寝場所を確保しようとしていた。

骨人だけだった幸運

クラスク村の田畑や家屋の被害は比較的少なかった。レントは、襲ったのが骨人だったためであり、狼系の魔物やゴブリン、スライムであれば田畑や家屋まで壊滅していた可能性が高いと説明した。リブルは被害が軽かったことを幸運と受け止めた。

村を守る準備

レントは、まだ骨人の発生源が残っている可能性があるため、村の防護を固める必要があると考えた。魔法の袋から食器や雑貨、食料などを広場に並べ、村人たちに必要なものを選ばせた。村人たちは、骨人に壊された食器類を中心に見て回り、リブルは冒険者の魔法の袋の容量に驚いた。

父の槍

リブルは、骨兵士が持っていた槍を見て、それが亡き父のものだと気づいた。彼の父は三年前、村の周囲に現れたゴブリン退治で殿を務め、他の村人を逃がして命を落としていた。レントは、その父が亡くなった場所が骨人発生の起点になっている可能性を考えた。

形見と新しい弓

レントは、父の形見である槍を金を取らずにリブルへ渡した。さらに弓持ちの骨兵士が持っていた弓も、戦力強化のため安く譲った。リブルは恐縮しながらも、翌日の洞窟調査で互いに命を預けるためだというレントの説明を受け入れた。

森の奥の洞窟

翌朝、レントとリブルは骨人の発生源を探すため、リブルの父が亡くなった場所へ向かった。リブルは狩人として森の歩き方に優れており、鹿や猪にも気づかれずに進んだ。やがて二人は、かつてゴブリンの巣だったと思われる暗い洞窟にたどり着いた。

洞窟の骨人

レントは灯火の魔道具を使い、リブルを伴って洞窟へ入った。中では通常の骨人が現れ、レントは素早く首を刎ねて魔石を抜き取った。リブルはその手際に感心したが、レントは銀級を目指すならこの程度で満足してはいけないと自戒していた。

骨小魔術師

奥へ進むと、火弾や岩弾を放つ骨小魔術師が現れた。レントは魔力を込めた剣で魔術を消し、短剣を投げて注意を引いた。前衛の骨兵士に守られながら魔術を使う相手に対し、レントは岩弾を避けて一気に接近し、骨小魔術師の頭部と体を砕いて戦闘能力を奪った。

骨兵士との接近戦

骨小魔術師を守っていた骨兵士は、仲間が無力化されると前へ出てきた。レントは頭部を狙うと見せかけて腹部を突き、横薙ぎにして背骨ごと砕いた。上半身だけになっても攻撃を続ける骨兵士に、レントは自分も一歩違えば同じ存在になっていたかもしれないと感じながら、頭蓋を砕いて魔石を抜き取った。

邪気の最奥部

洞窟の最奥には、骨人を生み出す邪気が漂っていた。レントはここが発生源で間違いないと判断し、邪気を散らそうとした。しかしその直前、強い魔力が集まり、地面から鎧と盾を持つ骨騎士が現れた。

骨騎士との戦い

レントは発生直後の隙を狙って斬りかかったが、骨騎士は盾で受け止めた。そこでレントは魔力で地面を沈ませて骨騎士の足を取らせ、踏み込みの瞬間を崩した。さらに魔気融合術を使い、盾を腕ごと吹き飛ばして懐に入り、鎧の隙間から魔石を突いて内部で爆発させた。

聖水による浄化

骨騎士を倒しても洞窟内には邪気が残っていたため、レントは聖水を使って集約点を祓った。聖水を撒くと空気の嫌な感じが消えていき、リブルにも洞窟の空気が明るくなったように感じられた。レントは、今後も年に一度ほど冒険者に聖水を撒いてもらうとよいと助言した。

洞窟の杯

浄化後、リブルが足を引っかけた場所を掘ると、小さな杯が出てきた。レントは、骨騎士の素となった者の持ち物かもしれないと考え、マルトで鑑定するために持ち帰ることにした。二人は村へ安心を伝えるため、洞窟を後にした。

二つの影

レントたちが去った後、洞窟の最奥に二つの影が現れた。彼らは、クラスク村で行っていた企みがレントによって潰されたことを悔やんでいた。骨騎士まで進化させたことや杯を失ったことを惜しみつつも、ここは予備にすぎず、次はウェルフィアで研究を進めるつもりでその場を去った。

閑話 とある城にて 

アークの命令とクラスク村の宴

漆黒の玉座

漆黒の玉座に座る白髪の少年アークは、王都でレントを襲った男タヴァスに問いかけた。タヴァスは《親》であるヤンシュフから、ヤーラン王国へ勝手に踏み込むなと教えられていたにもかかわらず、それを破っていた。アークは穏やかに話しながらもタヴァスの首を飛ばし、指示に従わなかった罰を与えようとした。

タヴァスの弁明

タヴァスは、近年勢力を増す魔王たちに対抗するため、他勢力の手が薄いヤーランで何かできることを探そうとしたのだと弁明した。アークは魔王たちを負け犬と呼び、タヴァスが一応は自分たちのために動いたことだけは認めた。だが罰は消えず、死刑から城の門番として首だけで飾られる処分へ下げられた。

ヤンシュフの嘆願

アークがタヴァスの体を消そうとした瞬間、ヤンシュフが現れて強固な《盾》で防いだ。ヤンシュフは自分の監督不行き届きだとして、タヴァスの罰の再考を求めた。アークは、代わりに死ぬかと問うたが、ヤンシュフは血の一滴まで捧げると抵抗せず答えたため、アークはその忠実さをタヴァスに示した。

ウェルフィアの任務

アークはヤンシュフに免じてタヴァスを許し、代わりにヤーランでの任務を与えた。鉱山都市ウェルフィアでは銀級昇格試験と鍛冶大会が行われる予定であり、アークは血武器を作れる鍛冶師が減っていることを問題視していた。タヴァスは鍛冶大会で有望な鍛冶師を見つけ、こちら側へ引き込む任務を命じられた。

村に戻った安心

レントとリブルはクラスク村に戻り、骨人がもう出現しないように発生源を祓ったことを村人たちに伝えた。村長はその夜に宴会を開くと決め、村人たちは復興途中ながらも準備を始めた。レントは、これは村が取り戻されたことを確かめるための区切りなのだと理解し、宴に加わった。

狩人料理の宴

宴では、復興途中の村とは思えないほど美味しい料理が並んだ。リブルは、僻地で暮らす村だから不便には慣れており、料理は狩人料理だが素材が良いのだと説明した。レントは備蓄を心配したが、リブルは村が戻った記念の日だからよいのだと語り、改めてレントに感謝した。

銀級昇格試験への備え

リブルは、レントが翌日にマルトへ帰る予定だと知って寂しがった。レントは銀級昇格試験を受ける予定があり、今回の骨騎士戦で基礎の見直しが必要だと痛感したため、早く戻って準備したいと話した。新しい剣の使いどころや消耗、身につけた力の扱い方を試験までに整理する必要があった。

再会の約束

リブルは、クラスク村の復興を頑張ると告げ、レントの銀級昇格試験を応援した。レントも、銀級になれたらまた村を訪ねるから、その時は何かごちそうしてほしいと返した。リブルはそれを受け入れ、クラスク村での依頼は終わった。

第二章 報告と鍛冶師の依頼 

クラスク村の報告とクロープの過去

冒険者組合への報告

レントはマルトへ戻り、シェイラにクラスク村の依頼完了を報告した。依頼は骨人五体ほどの討伐だったが、実際には村周辺で骨人が発生しており、レントは発生源を見つけて聖水で浄化していた。村が被害を受けていたため追加報酬は断ったが、食事や宿泊、珍しい植物を受け取っていた。

ルテット草の群生地

レントが受け取った植物は、機械の動力機構に使われる希少なルテット草だった。クラスク村には群生地があり、レントは村人に価値と管理方法を伝えていた。シェイラはその情報を重く受け止め、行商人の記録や骨人の発生源とあわせて調査団を組む必要を考えた。

大きな骨騎士の魔石

レントは、洞窟で骨騎士が現れたことも報告した。シェイラは驚いたが、レントが持ち帰った魔石を見ると、標準より大きい可能性があると判断した。レントは骨騎士が想像以上に強かったため銀級試験への不安を抱いていたが、少なくとも低位の骨騎士ではなかったと分かり、少し自信を取り戻した。

クロープからの伝言

報告を終えたレントは冒険者組合を出ようとしたが、シェイラからクロープの伝言を受け取った。クロープは冒険者組合を通した依頼として、レントに顔を出してほしいと伝えていた。レントは、普段なら直接依頼するクロープが組合を通したことに違和感を覚えつつ、後で訪ねることにした。

ロレーヌへの土産

レントはロレーヌの家に戻り、クラスク村近くの洞窟で拾った杯を土産として渡した。ロレーヌは粗末な杯に見えるそれを調べ、呪物ではなさそうだが魔力を通す魔道具らしいと見た。レントは高値で売れる可能性も考えていたが、ロレーヌにとっては調べがいのある品となった。

鍛冶屋の不調

レントは鍛冶屋《三叉の銛》を訪ね、クロープと会った。クロープは打ち終えた剣を見せたが、それは彼の普段の腕からすれば出来の悪い数打ちだった。鍛冶に雑念が入って集中できていないと語り、レントを奥へ通して依頼の話を始めた。

ウェルフィアへの護衛依頼

クロープは鉱山都市ウェルフィアへ行くため、レントに護衛を頼みたいと話した。ウェルフィアでは鍛冶大会が開かれ、クロープはそれに出場しなければならなくなっていた。レントが銀級昇格試験を受けに行く予定と重なるため、日程が合えば依頼を受けられる話だった。

ウェルフィアを出た理由

クロープは、若い頃にウェルフィアの工房で鍛冶を学んでいたと明かした。最初は食い扶持を稼ぐために始めた仕事だったが、鍛冶は次第に楽しくなり、彼はのめり込んでいった。しかし、同じ工房にいた親友でありライバルのハザラ・フェーブロとの出来事が、彼をウェルフィアから逃げ出させた。

ハザラとの敗北

クロープとハザラは、親方から鍛冶大会への出場を命じられた。勝った方には将来工房を任せるという話で、二人は大会に向けて別々に鍛錬した。結果、ハザラは魔剣を作って優勝し、クロープは準優勝に終わった。クロープは悔しさよりも、自分はハザラに及ばないと悟り、鍛冶に身が入らなくなった。

流れの鍛冶師

クロープはウェルフィアを出た後、しばらく鍛冶から離れ、さまざまな仕事を転々とした。しかし鍛冶への思いは消えず、やがて町々の鍛冶屋で炉を借り、鍋や包丁を直しながら流れの鍛冶師として生きた。どこかに居着くことはできず、旅だけが傷を忘れさせていた。

ルカとの再会

クロープがマルトに落ち着いたのは、妻ルカの存在が大きかった。ルカとは幼い頃、療養所にいたクロープが避暑に来ていた彼女と出会っていたが、ルカはそのことを覚えていなかった。その後、流れの鍛冶師時代に再会し、ルカに押し切られる形で結婚した。クロープは所帯を持つため、ウェルフィアから遠く、武器の需要がある辺境都市マルトに店を構えた。

親方からの手紙

クロープが鍛冶大会に出る理由は、かつての親方バルゼルスターロから届いた手紙だった。親方は引退を前に、クロープが鍛冶をする姿をもう一度見たいと願い、同時にハザラへ工房長を譲る最後の見極めとして大会への参加を求めていた。クロープはそれを、過去に決着をつけるための心遣いだと受け止め、ウェルフィアへ向かう決意を固めた。

第三章 杯と従魔師 

杯の実験とハトハラーへの帰郷

クロープの過去と杯の解析

レントはクロープの話を聞いて依頼を受け、ロレーヌの家へ戻った。夕食の席でその事情を話すと、ロレーヌはマルトにはクロープや自分のような変わり者を引き寄せる奇妙さがあると受け止めた。ロレーヌは洞窟で拾った杯について、魔物を倒した時に生じる淀んだ魔力を集める作用があると説明した。

魔物の成長を促す杯

ロレーヌは、杯が魔物の力の吸収効率を高め、《存在進化》を促す可能性があると見ていた。翌日、エーデルと小鼠たちは下水道から小型のスライムを捕獲し、実験室へ運んだ。ロレーヌはスライム同士を杯の中で戦わせ、勝ったスライムに通常より高い効率で魔力が流れ込むかを調べることにした。

スライム闘技

レントとロレーヌは杯の中で争う小型スライムを観察しながら、どちらが勝つか賭けて応援した。赤みがかったスライムが青みがかったスライムを取り込み、その後、杯が淀んだ魔力を勝者の核へ集めた。計測の結果、杯は魔物が魔物を倒した際の魔力吸収効率をおよそ三倍に高めるものだと分かった。

従魔師への相談

実験でスライムは卵ほどの大きさまで成長したが、杯の中で戦わせる方法には限界が来た。ロレーヌは、魔物に杯を持たせて戦わせるには従魔師の技術が必要だと判断した。レントとロレーヌは、ハトハラーのインゴに従魔師の技術を教わるため、転移魔法陣を使うことにした。

マルト郊外の転移魔法陣

レントとロレーヌは、マルト郊外にあるロレーヌの実験用の地下室に、青い石の魔道具で転移魔法陣を設置した。街中では誤作動や魔物の出現時の被害が大きすぎるため、郊外の隔離された場所を選んだのである。魔法陣は完成し、二人は《善王フェルトの地下都市》へ移動した。

黒王虎の背

地下都市では、ハトハラーの血に懐く黒王虎が現れた。レントとロレーヌは豚鬼の肉を与えた後、その背に乗ってハトハラーへつながる転移魔法陣の場所へ向かった。黒王虎は地下都市の強力な魔物たちを寄せつけない存在であり、二人はその力を改めて実感した。

ハトハラーへの帰郷

レントとロレーヌはハトハラーに到着し、実家で義母ジルダと再会した。ジルダは、前回レントが慌ただしく去ったことを心配していたが、再訪を喜んだ。レントは銀級昇格試験を受けることになったため、ガルブとカピタンに鍛え直してもらうつもりだと伝えた。

インゴへの頼み

レントとロレーヌはインゴにも再会し、ロレーヌは従魔師の技術を教えてほしいと頼んだ。インゴはロレーヌが持ってきた成長したスライムを見て、それが自然な成長ではなく促成されたものだと見抜いた。さらに、一般的な従魔師が魔物の《存在進化》を止めてしまうのは、魔物の成長の土台である《器》を壊すためだと説明した。

存在進化を壊さない従魔

インゴは、自分の従魔の方法は魔物の《器》を壊さず、存在進化を妨げないものだと語った。そのため、かつて小型の飛竜と絆を結び、育ててリンドブルムに至らせることができた。ロレーヌはその技術を教わることを認められ、インゴは魔力操作に長けた彼女なら基本を学べば実践に移れるだろうと判断した。

杯と迷宮の類似

ロレーヌが杯の効果を説明すると、インゴはその働きが《迷宮》に似ていると指摘した。迷宮では魔物が存在進化しやすく、杯もまた魔物の成長を促していた。ロレーヌは、杯が超小型の迷宮のような機能を持つ魔道具かもしれないと考え、今後の研究の視点を得た。

ガルブへの修行依頼

ロレーヌがインゴから従魔師の基礎を学ぶ一方で、レントはガルブを訪ねた。レントは銀級昇格試験に向けて、薬師としての知識や薬草採取を学び直したいと頼んだ。ガルブは、試験に役立つ範囲で復習させると答え、今のレントの魔力量なら基本的な魔法薬も教えられると提案した。

海へ向かったカピタン

レントは気の修行のためカピタンを探していたが、彼はガルブに頼まれて海霊草を探しに海へ向かっていた。海霊草は、帝国にいるガルブの友人が患った魔錆病に効く薬の材料だった。ガルブは、レントがカピタンのもとへ行って海霊草探しを手伝えば、修行にもなると勧めた。

アリアナ自由海洋国

カピタンがいる場所は、転移魔法陣で行ける南方のアリアナ自由海洋国だとインゴは見ていた。そこは商人の力が強く、人の出入りや物の持ち込みが緩い国だった。インゴとロレーヌは、レントが揉め事を起こさないよう注意しつつ、転移魔法陣で逃げる手段もあるから気をつけて行けばよいと送り出すつもりでいた。

第四章 海の国へ 

ルカリス到着と海神の娘達の迷宮

アリアナへの転移

レントはカピタンを追うため、砦の転移魔法陣から《善王フェルトの地下都市》へ向かった。《アカシアの地図》でアリアナ自由海洋国の港湾都市ルカリスへ通じる魔法陣を見つけ、黒王虎に目的地まで運んでもらった。初めて使う転移先に不安を覚えつつも、レントは無事にルカリス近郊の洞窟へ出た。

港湾都市ルカリス

洞窟から出たレントは森を抜け、ルカリスの城壁へ向かった。街道には獣人を含む多様な人々が行き交っており、マルトやヤーラン王都とは異なる国際的な雰囲気があった。門では骸骨仮面を外すよう求められたが、呪いで外れないと説明し、兵士に実際に引っ張らせて納得させた。

山羊人の露店

ルカリスに入ったレントは、宿を探しながら露店を見て回った。山羊人の露店商が並べていた高山の薬草に目を留め、珍しい薬草をまとめて買い取った。レントが正当な値で支払ったことで露店商は驚き、獣人が足元を見られやすい現実や、ルカリスはそれでも暮らしやすい街であることを語った。

冒険者組合の伝言

宿を確保したレントは、カピタンに伝言を残すためルカリスの冒険者組合へ向かった。組合はマルトよりも大きく洗練されており、受付の仕切りも整っていた。職員はカピタンを知っており、彼が塩漬け依頼を片付ける腕利きとして重宝されていると話した。

海神の娘達の迷宮

カピタンは《海神の娘達の迷宮》へ行っていた。その迷宮はルカリス沖の海底に入口があり、船は朝と夕方にしか出ないため、戻るのは夕方過ぎになるとのことだった。レントは、海霊草がその迷宮で採れることを確認し、カピタンへの伝言と宿の所在を受付に託した。

路地裏の追跡者

冒険者組合を出たレントは、薬草や保存食などを買い回った後、背後からの視線に気づいた。彼はわざと細い路地へ入り、追跡者たちを誘い出した。現れた三人の冒険者は、レントが山羊人に金貨三枚を払ったのを見て金を奪おうとしていた。

三人の冒険者

三人の冒険者は武器を抜いて襲いかかったが、レントは先頭の男ニーズを一撃で吹き飛ばした。残る二人は怯えながらも仲間を助けようと向かってきたが、背後から現れた獣人の男に気絶させられた。レントは、彼らが悪人ではあるが叩き直す余地があると見て、官憲に突き出さず、金の稼ぎ方を教えることにした。

ディエゴ・マルガ

レントを助けた獣人の男は、ディエゴ・マルガと名乗った。彼は三人を自宅へ運ばせ、レントを招き入れた。ディエゴの家は魔道具の灯りが整った頑丈な建物で、彼は父ラウルの跡を継ぎ、道楽に近い形で雑貨屋を営んでいた。

マルガの呪物屋

ディエゴの店は周囲からマルガの呪物屋と呼ばれていた。彼は鑑定神の神殿で修行した鑑定士だったが、呪物の鑑定を多く扱ったため神殿を半ば破門されていた。ディエゴは呪物であっても物に罪はないと考え、ルカリスで雑貨屋を続けていた。

水中で息をする呪具

レントが《海神の娘達の迷宮》に潜るつもりだと話すと、ディエゴは水中で息ができる呪具を見せた。それは小さなガラス管で、水中では呼吸を可能にするが、陸上で使うと逆に息ができなくなるものだった。レントは気絶中の三人も連れて行くつもりだったため、四本を金貨二十枚で買い取った。

呪物の取引

ディエゴは値引きの代わりに、《海神の娘達の迷宮》で呪物を見つけたら自分の店へ持ってきてほしいと頼んだ。迷宮では呪物がよく出るらしく、ディエゴは必要なら相応の対価を払い、鑑定も無料で行うと提案した。レントは自分に損はないと判断し、その頼みを引き受けた。

閑話 冒険者ニーズ

ニーズの失敗とレントとの出会い

落ちぶれた銅級冒険者

ニーズは銅級になってから実力が伸びず、年下の冒険者に追い抜かれるうちにやる気を失っていた。日銭を稼ぐだけの依頼をこなす日々で、冒険者組合の受付からも冷たい目を向けられていると感じていた。それでもガヘッドとルカスという同じ境遇の仲間だけは、ニーズにとって真の同僚と呼べる存在だった。

金貨三枚の仮面男

ルカスは、山羊人の露店で見慣れない草に金貨三枚を払った変わった男を見たと話した。その男は黒いローブと仮面をつけており、後に冒険者組合に現れた。ニーズは同じ銅級でありながら金を持ち、受付にも好意的に扱われる男に苛立ち、金を奪おうと考えた。

引き返せない追跡

ニーズは仮面の男を追い、ガヘッドとルカスも彼を止めるためについてきた。歩くうちにニーズの頭は冷え、やめようとしたが、仮面の男に先に気づかれて声をかけられたことで引っ込みがつかなくなった。ニーズは金を要求し、苛立ちに任せて自分から斬りかかった。

届かない剣

ニーズは二人を逃がす余地を残すため、自分が先に仮面の男へ向かった。しかし男は一瞬で距離を詰め、ニーズはその力の差を悟った。剣が届くはずもない相手だと本能的に理解し、最後にガヘッドとルカスだけでも逃げてほしいと思いながら意識を失った。

目覚めた部屋

ニーズが目を覚ますと、目の前には骸骨仮面のレントと黒豹人のディエゴ・マルガがいた。ニーズは死んだと思っていたため驚いたが、レントは彼を殺しておらず、薬湯を差し出した。ニーズは抵抗できないと悟ってそれを飲み、痛みが引いていくのを感じた。

巡り合わせの始まり

ニーズは、レントに官憲へ突き出されるか、奴隷にされるか、殺されるかもしれないと考えていた。しかしレントは薬湯を飲ませ、ディエゴもその場にいた。ニーズはこの出会いを、後にレントの旦那とディエゴの兄貴との巡り合わせの始まりとして受け止めることになった。

望まぬ不死の冒険者12巻
望まぬ不死の冒険者まとめ
望まぬ不死の冒険者14巻

同シリーズ

望まぬ不死の冒険者

小説版

望まぬ不死の冒険者 1巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者 1巻
望まぬ不死の冒険者 2巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者 2巻
望まぬ不死の冒険者 3の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者 3
望まぬ不死の冒険者  4の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  4
望まぬ不死の冒険者  5の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  5
望まぬ不死の冒険者  6の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  6
望まぬ不死の冒険者  7の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  7
望まぬ不死の冒険者  8の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  8
望まぬ不死の冒険者  9の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  9
望まぬ不死の冒険者  10の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  10
望まぬ不死の冒険者  11の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  11
望まぬ不死の冒険者  12の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  12
望まぬ不死の冒険者13の表紙画像(レビュー記事導入用)
望まぬ不死の冒険者  13
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望まぬ不死の冒険者  14

その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

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