どんな本?
作家の名前で予備知識無しで買った記憶がある。
「小説家になろう」で「進化の実」を知ったのは作者さんは高校生だったからな・・
文章の書き方が凄く面白くて進化の実を読んでいたが、このタイトルは知らなかった。
進化の実がアニメ化して、、、
そしてこの「#いせれべ」がアニメ化するらしい、、
進化の実と比べると期待出来そう。
モフモフなナイトとアカツキ、ウサギさんが出て来るまで楽しみに待とう。
PVにはしっかり出ている。
ウサギ師匠!!!声が渋い!
動くナイトがカワイイ!!!
アカツキもキュート!
読んだ本のタイトル
著者:#美紅 氏
イラスト:#桑島黎音 氏
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あらすじ・内容
“鬼神”へと変貌を遂げた少年――次は救国無双の英雄となる。
世界の守護者『聖』の弟子ながら、世界人類を破滅へと導く『邪』の力をも手に入れた天上優夜。荒ぶる力をコントロールすべく鍛錬に励む優夜の毎日は、チート級にキリキリ舞い!
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する6 ~レベルアップは人生を変えた~
現実世界では、王星学園の夏休みが到来! 良き仲間たちと一緒に、優夜も海で夏を大満喫♪ もちろん、水着美少女も大集合! 灼熱のビーチはチートボーイの独壇場と化す……!
片や異世界では、無双の剣姫『剣聖』との試合が仕組まれていて……!? 最強同士の死闘が最高潮に達した、その時――。
「キミたち、強いねぇ♪ でも、今からみーんな殺すからね!」
暴虐の使徒“死神”襲来! 世界の命運は優夜に託された!!
前巻からのあらすじ
弓聖の弟子で邪に騙されて邪を受け入れてしまったユティだったが、ウサギ師匠と優夜のお陰で邪から解放されだが、、
住むところが無い。
それならとウサギ師匠の命令で優夜の家に住み込む事になる。
そこに佳織が来てユティと出会い。
ユティを大星学園中等部に入学させる。
そして異世界の王都では創世の竜が永い眠りから覚めたと噂が流れ、その確認に優夜が赴くのだが。
途中でカレーを食べていたら竜の方が寄って来て。
あまりにも大きいから小さくなる薬を飲ませてカレーを食べたら。。
優夜にテイムされてしまった。
そのまま国王にテイムしたと報告。
オーマと名付けて地球の家で共に住むようになるが、彼女は姿が姿なので地球側には出れないのでずっと寝ていたりする。
彼女の中に居る邪が力を取り戻して暴れユティから出て来た。
ユティは幸せになったせいで邪にはとっては居心地の悪い環境になってしまった。
そして新たな宿主を探しに行くと言ったら優夜が俺に入れと邪を挑発。
そして邪は優夜に入ったら、、
優夜の中に邪が全く無かった。
それで大人しくなった邪だったが、会話ができるので何だかんだと優夜と仲良くなっていく。
そして異世界で修行していたら物凄い破砕音が聞こえて来て現場に行ったら、、
邪に適応した拳聖がウサギ師匠を相手に暴れており。
ウサギ師匠を助けようとしだが拳聖の力は絶大な力をだった。
目の前でウサギ師匠を嬲る拳聖に怒りを覚えた優夜の中で邪の気が暴れ出し。
優夜の中にいた邪が力に誘導して拳聖を圧倒して拳聖は逃亡するが、オーマが止めを刺して(喰って)終わる。
感想
聖最強と言われているが、気が付いたら友人皆んなが結婚しており。
独身は己のみ。。
婚期を逃して焦っている剣聖が登場。
そんな彼女の事情が紹介された後に。
オーマをテイムしたと話題の優夜との御前試合が開始されるが、試合中に邪の1人クアロが槍と鎌の堕聖と共に攻めて来た。
ウサギ師匠と剣聖、優夜とで迎撃するのだが、、
邪の方が有利に物事が進んでいく。
邪に対して決定力が無い優夜だったが、、
現代で優夜が亡くなった祖父の物置を整理していた時に出て来た天錫杖で邪のクアロを攻撃したらメチャクチャ効いて。
終いには消滅させてしまう。
目立ってしまった優夜は邪から不確定要素として認識される。
さらにクアロを倒した優夜は剣聖イリスの弟子にされてしまう。
そして、現代ではテスト期間終わりに佳織が夏休みに別荘に誘って来て海にも行く事になる。
そして寂れた海の家に行ったら沢田先生の実家だったらしく、先生が店番をしていた。
味は良いのに客が来ない、、
そんな実家の店の売り上げ貢献のために美形揃いの優夜達をバイトのウェイトレスにしたら店は大繁盛してしまう。
お約束のナンパ目的の連中も現れて、優夜に暴力を振るおうとしたら呆気なくあしらわれて、沢田先生の父親(凶悪顔)が出て来て凄んだら退散させる。
そして、肝試しをしようと神社に行ったら。
神楽坂舞と出会い。
神楽坂は氷室に取り憑いてる邪獣を顕現させるが、邪獣の吠え声で普通の人達は呆気なく気絶して神楽坂は辛うじて気絶を免れるも、優夜はピンピンしており。
神楽坂曰く、優夜にも邪獣と同じ物を感じると言う。
そして襲って来た邪獣を討伐して一息ついたら。
優夜の中に居る邪も祓うと神楽坂が言い出し。
中に居る邪のクロが優夜の中でなんとかしろと優夜に懇願。
そしたら佳織が意識を戻して有耶無耶になるのだが、、
その神楽坂が邪のクアロの襲撃で国王が邪の力を目の当たりにして、異世界の勇者、聖者召喚を決断して召喚されてしまう。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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キャラクター紹介
天上優夜
地球と異世界を行き来する少年である。強大な身体能力と魔力を持つが、性格は温厚で仲間思いである。自己評価が低く、周囲からの評価に戸惑うことが多い。極限の戦闘において力を発揮する「邪」の力を内面に宿している。
・所属組織、地位や役職
王星学園の生徒。「蹴聖」ウサギの弟子。
・物語内での具体的な行動や成果
友人たちと海へ赴き、海の家の経営に協力した。肝試しで遭遇した「邪獣」を退けている。レガル国の建国祭では「剣聖」イリスと御前試合を行った。闘技場を襲撃した堕聖ロヌスや「邪」のクアロを打ち倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦闘中に相手の技を吸収する「邪洞眼」を開眼した。クアロ撃破後、イリスからも弟子として認められた。
ウサギ師匠
「蹴聖」の称号を持つウサギの獣人である。優夜の師匠として厳格に指導を行う。戦闘においては他の追随を許さない実力を誇示する。
・所属組織、地位や役職
「蹴聖」。天上優夜の師匠。
・物語内での具体的な行動や成果
「拳聖」との戦いで負った傷から回復した。優夜をレガル国へ連れ出し、剣聖との御前試合を強制する。闘技場襲撃時は堕聖ジンと交戦し、これを圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
優夜の規格外な成長を確認し、さらなる修行の強化を決定した。
クロ
優夜の体内に潜む「邪」の意思である。皮肉屋であるが、自身の生存のために優夜へ助言を与える。
・所属組織、地位や役職
天上優夜の体内に宿る「邪」の力。
・物語内での具体的な行動や成果
邪獣の正体を優夜へ伝えた。ロヌスとの戦闘中、相手の動きを観察するよう優夜に指示を出す。邪洞眼の覚醒を解説した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
優夜の怒りと声の存在を引き金として発生した存在であると判明した。
イリス・ノウブレード
「剣聖」の称号を持つ女性剣士である。自身より強い男性を結婚相手に求めている。高すぎる条件ゆえに婚期を逃しつつある。
・所属組織、地位や役職
レガル国に身を置く「剣聖」。ノウブレード公爵家の出身。
・物語内での具体的な行動や成果
オールズの森で魔物を討伐して回った。御前試合で優夜と打ち合い、圧倒的な剣技を見せつける。「邪」の襲撃時はクアロと交戦するが、劣勢に追い込まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
優夜に命を救われ、彼を自身の弟子にすると宣言した。
オルギス
レガル国の国王である。未知の脅威から自国を守るため、禁忌の手段を用いる覚悟を持つ。
・所属組織、地位や役職
レガル国の国王。
・物語内での具体的な行動や成果
城の地下で異世界からの召喚実験を推し進めた。オーマの威圧を受け、伝説の竜の力を痛感する。闘技場襲撃の最中、勇者召喚の実行を決断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
召喚魔法を成功させ、神楽坂舞を異世界から呼び寄せた。
ライラ
レガル国の第一王女である。歴代最高の魔力量を誇る。国を救うためなら自己犠牲も厭わない責任感を持つ。
・所属組織、地位や役職
レガル国の第一王女。
・物語内での具体的な行動や成果
闘技大会の観戦中、優夜に魔法の解説を行って接近を図った。地下の召喚の間で自らの魔力を魔法陣へ注ぎ込んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔力枯渇の寸前まで追い込まれるが、召喚儀式を成功に導いた。
神楽坂舞
地球の古い神社に現れた巫女である。強力な浄化の力を持つ。毅然とした態度で怪異に立ち向かう。
・所属組織、地位や役職
神社の巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
雪音の影に潜んでいた邪獣を札で祓い、消滅させた。優夜の内に邪悪な気配を感じ、彼を祓おうと試みる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
オルギスとライラが実行した魔法陣によって、レガル国へ召喚された。
少年の「邪」 / クアロ
「死神」を名乗る少年の姿をした「邪」である。他者の悲鳴や破壊を好む残虐な性格を持つ。堕聖を見下し、奴隷として扱う。
・所属組織、地位や役職
「邪」の一員。「死神」。
・物語内での具体的な行動や成果
オールズの森で魔物を虐殺した。レガル国の建国祭を襲撃し、無差別に観客を襲わせる。イリスやウサギを黒い霧で圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
優夜が用いた天錫杖によって力を打ち祓われ、消滅した。
青年の「邪」
青年の姿をした「邪」である。冷静に状況を分析し、人類抹殺の計画を主導する。
・所属組織、地位や役職
「邪」の一員。
・物語内での具体的な行動や成果
クアロへレガル国滅亡の指示を与えた。クアロの死を察知し、その力を統合する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
優夜という異分子の存在を認識し、新たな標的として定めた。
ロヌス
「槍聖」から「堕聖」へと身をやつした男である。弱肉強食を信奉し、力を求めて「邪」に降った。
・所属組織、地位や役職
「堕聖」。元「槍聖」。
・物語内での具体的な行動や成果
闘技場を襲撃し、優夜と交戦した。槍の奥義を次々と繰り出して優夜を追い詰める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
極限状態に陥った優夜に技を模倣され、打ち負かされた。
ジン
「鎌聖」から「堕聖」へと堕ちた忍者風の男である。二本の草刈り鎌を武器として扱う。
・所属組織、地位や役職
「堕聖」。元「鎌聖」。
・物語内での具体的な行動や成果
闘技場襲撃の際、ウサギ師匠に奇襲を仕掛けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ウサギ師匠の三神歩法の前に為す術なく敗北し、意識を失った。
佳織
王星学園の女子生徒である。優夜に対して好意を抱いている。極度に運動が苦手という特徴を持つ。
・所属組織、地位や役職
地球の王星学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
優夜たちを自家の別荘へ招待した。ビーチバレーでは予測不能なサーブを放ち、周囲を混乱させる。海の家で売り子として働いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
楓
王星学園の女子生徒である。明るい性格で、目立つ容姿を持つ。オカルトや怖い話に極度の恐怖を示す。
・所属組織、地位や役職
地球の王星学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
定期テスト終了を大声で喜んだ。肝試しに強制参加させられ、優夜にしがみついて怯え続ける。海の家で売り子を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
凜
王星学園の女子生徒である。冷静なツッコミ役として立ち回る。テスト問題の予測に長けている。
・所属組織、地位や役職
地球の王星学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
テスト問題の予測を的中させた。楓を理詰めで説得し、肝試しに参加させている。優夜の言葉に対し、珍しく赤面する様子を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
雪音
王星学園の女子生徒である。オカルト研究部に所属している。マイペースで未知のものにロマンを感じる性格である。
・所属組織、地位や役職
地球の王星学園の生徒。オカルト研究部員。
・物語内での具体的な行動や成果
部室で悪魔召喚の儀式を行った。神社での肝試しを企画し、一行を案内する。自身の影に邪獣を憑依させていたが、本人は無自覚であった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
亮
王星学園の男子生徒である。運動神経が良く、友好的な性格をしている。
・所属組織、地位や役職
地球の王星学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
優夜たちと共に佳織の別荘へ同行した。海の家で売り子を務め、女性客の集客に貢献する。佳織たちに絡む男たちの間に割って入った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
慎吾
王星学園の男子生徒である。真面目な性格で、テスト前は大量の宿題に追われていた。
・所属組織、地位や役職
地球の王星学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
佳織の別荘での旅行に参加した。ビーチバレーでは審判を担当している。海の家で売り子を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
沢田先生
優夜たちのクラスの担任教師である。夏休み中は実家の手伝いをしている。
・所属組織、地位や役職
王星学園の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
客入りの少ない実家の海の家を立て直すため、優夜たちを売り子として雇い入れるアイデアを思いついた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
銀二
沢田先生の父親である。厳つい外見をしているが、料理の腕前に優れる。
・所属組織、地位や役職
海の家の店主。
・物語内での具体的な行動や成果
優夜たちに焼きそばをご馳走した。佳織たちに絡む男たちを親父の迫力で追い払う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
優夜たちの協力により、店で過去最高の売上を記録した。
レクシア
アルセリア王国の王女である。公の場でも優夜を婚約者であると公言して憚らない。行動力があり、感情表現が豊かである。
・所属組織、地位や役職
アルセリア王国の王女。
・物語内での具体的な行動や成果
優夜をレガル国へ案内した。オルギス王やライラに対し、優夜の妻であると主張して牽制を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
ルナ
レクシアの護衛を務める少女である。元は闇ギルドの暗殺者であった。冷静に状況を見極める目を持つ。
・所属組織、地位や役職
アルセリア王国の護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
レクシアと共に優夜をレガル国へ案内した。闘技場襲撃時にはレクシアの護衛に専念する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
ユティ
「弓聖」の弟子であった少女である。無表情で淡々と言葉を発する。実力は極めて高い。
・所属組織、地位や役職
優夜の用心棒。元「弓聖」の弟子。
・物語内での具体的な行動や成果
闇ギルドとの決別をオーウェンに宣言した。闘技場襲撃時には弓を用いて邪獣を次々と殲滅し、観客の救助に貢献している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
闇ギルドから完全に離脱したことを明言した。
オーマ
創世竜あるいはエンシェント・ドラゴンと呼ばれる伝説の竜である。人語を解し、尊大な態度を崩さない。人間の争いには無関心である。
・所属組織、地位や役職
天上優夜の家族。伝説の竜。
・物語内での具体的な行動や成果
オルギス王との面会時に強い威圧を放ち、周囲を平伏させた。闘技場襲撃時は一切の助力を拒否し、傍観を貫く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦後、上空から向けられた物見の魔法の存在を察知した。
ナイト
優夜に従う子狼の魔物である。高い戦闘力と知性を持つ。優夜の意思を汲み取って行動する。
・所属組織、地位や役職
天上優夜の家族。
・物語内での具体的な行動や成果
闘技場襲撃時に邪獣を討伐し、観客の安全確保に努めた。優夜へ視線を送り、前線を任せるよう意思表示を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
アカツキ
優夜に従う豚の魔物である。強力な回復・支援能力である「聖域」のスキルを持つ。
・所属組織、地位や役職
天上優夜の家族。
・物語内での具体的な行動や成果
ウサギ師匠の傷の回復に貢献した。闘技場襲撃時には負傷した観客の治療にあたる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
オーウェン
アルセリア王国の騎士である。生真面目で責任感が強い。
・所属組織、地位や役職
アルセリア王国の騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
レクシアの護衛として優夜の自宅を訪れた。道中でウサギ師匠の過酷な特訓に付き合わされ、消耗しきった姿を見せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
ロイル
レガル国の宰相である。国王の側近として国政を支えている。
・所属組織、地位や役職
レガル国の宰相。
・物語内での具体的な行動や成果
優夜との面会に同席した。闘技場襲撃時には国王に代わって兵の指揮を任される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
展開まとめ
プロローグ
邪たちの密談とレガル国滅亡の命
【世界の廃棄場】で、少年の姿をした「邪」は聖をどう殺すか思案し、残酷な妄想に胸を躍らせていた。そこへ青年の「邪」が現れ、最初の仕事としてレガル国を滅ぼせと命じた。レガル国には剣聖がおり、建国記念祭で多くの人間が集まると聞いた少年の「邪」は、それを自分に相応しい舞台だと理解し、襲撃を祭りに合わせるよう指示されると喜んで引き受けた。青年の「邪」は、誰が剣聖や人類を滅ぼしても構わないと語り、役割分担を明確にした。
堕聖の召喚と圧倒的実力差
少年の「邪」は堕聖を借りたいと申し出た。青年の「邪」が指を鳴らすと、元は聖であった槍聖と鎌聖が現れ、邪に従う存在として跪いた。二人は少年と青年から放たれる力に震え、実力差を思い知らされた。少年の「邪」は彼らを伴い、レガル国へ向かう準備を進めた。
邪獣の出現と残酷な力の誇示
その場に邪の成りそこないである邪獣が出現し、少年の「邪」に襲い掛かった。しかし少年は無造作にそれを吹き飛ばし、圧倒的な差を見せつけた。青年の「邪」は邪獣を搾りかすの結晶だと説明し、調教すれば戦力になると語った。堕聖たちは、邪が大量の邪獣を保持している事実に戦慄した。
やがて少年の「邪」は堕聖を従え、その場を去った。青年の「邪」も立ち去り、瀕死の邪獣だけが残された。すると突如、邪獣の下に魔法陣が展開され、光に絡め取られた邪獣は姿を消した。
レガル国地下での召喚実験の進行
「邪」が動き始めた頃、レガル国の城の地下では、魔術師たちが巨大な魔法陣を囲み、秘密裏に実験を進めていた。そこへ国王オルギスと、第一王女ライラが訪れ、魔術師は実験が順調だと報告した。オルギスは賢者の研究資料の一部を入手し、その応用として異世界から勇者や聖女を召喚する魔法陣を再現したと確認していた。
賢者文献と禁忌の魔法に頼る決断
オルギスは、賢者が異世界の存在を認識して移動魔法を生み出した伝承を基に、この召喚術が成立したと理解していた。賢者の文献はかつて争奪戦を招き、条約で探索が禁じられた経緯があり、賢者の魔法の発動自体も世界で禁じられていた。それでもレガル国は未知の技術に頼らざるを得ないほど追い込まれており、オルギスは「邪」に滅ぼされる前に禁忌を犯してでも実行するしかないと決断していた。
聖の消失と「邪」への危機感
オルギスは剣聖から「邪」の復活と、各地で「聖」が姿を消している話を聞いており、その意味を測りかねて顔をしかめていた。剣聖は多くの「聖」が「邪」に降った事実を知りながらも、それをオルギスに伝えてはいなかった。オルギスは、もはやこの世界に「邪」に対抗できる力が残っていない可能性を感じ、召喚に踏み切る理由を強めていた。
ライラへの重責と拉致の自覚
オルギスは、召喚は他世界の人間を呼び寄せる拉致同然の行為であり、世界中の非難を受けるとライラに告げた。勇者を召喚できれば国を挙げてもてなすつもりであり、場合によってはライラ自身も捧げねばならないと示した。ライラはその残酷さと重要性を理解し、失敗すれば人類に未来がなく、成功すれば他世界の人間に戦わせることになると受け止めたうえで、覚悟を示した。さらにライラは歴代最高の魔力量を持ち、この賢者の魔法を発動できる唯一の存在として計画の要となっていた。
創世竜の噂とユウヤへの関心
オルギスはアルセリア王国との会合を思い出し、創世竜を従えた人間がいるという話をライラに語った。名はユウヤで、レクシア王女の婚約者だとされるが、確証は薄く、護衛の少女の反応からも婚約の真偽が怪しいと述べた。ライラは賢者の物語では伝説の竜は賢者に討たれたはずだとして創世竜の可能性を否定し、地響きと咆哮は尋常ではないものの、伝説ではなくエンシェント・ドラゴンだと考えた。オルギスは、その男が強者であれば「邪」との戦いでも期待できるとし、建国祭で剣聖とユウヤが御前試合を行うため、そこで見極める方針を示した。
王星学園での放課後とオカルト研究部への誘い
場面は地球の王星学園へ移り、授業を終えた楓は勉強をやり切ったと満足し、凜はテスト前の勉強を促して楓をからかった。そこへ雪音が帰宅するところを見つけた二人は、雪音が最近オカルト研究部に入部したと知って驚いた。雪音は現実ではあり得ない現象を調べるのが面白いと説明し、部員が少なく廃部になりそうなので見学に来てほしいと頼んだ。さらに雪音は、ちょうど面白い文献が手に入ったとして、凜と楓を見学へ誘った。
オカルト研究部への強制見学と部室の異様さ
凜は楓が怖がっていると見抜き、テスト前は自分が楓の勉強に付き合うのだから今度は楓が付き合えと押し切り、雪音の案内でオカルト研究部の部室へ向かった。空き教室の部室には藁人形や虫の標本、禍々しい液体の入った鍋があり、机上には多言語の本が乱雑に積まれていた。凜は思ったよりちゃんとしていると感心したが、楓は恐怖で震え続けた。
悪魔召喚の実験と失敗宣言
雪音は古本屋で見つけた悪魔召喚の本を取り出し、材料も用意したとして、床に大きな紙を敷いて赤いマジックで魔法陣を描いた。血液ではなくマジックを使う点に凜は軽口を叩き、雪音はコンプライアンス的によろしくないと返した。雪音は呪文を読み上げたが何も起きず、召喚できるわけないと淡々と結論づけ、未知だからロマンがあるとして実験を切り上げた。
魔法陣の発光と強力悪魔召喚の発覚
三人が部活を終えて遊びに行く流れになった直後、楓が異変に気づき、魔法陣が妖しく光り始めた。凜が何が起きているのか問うと、雪音は本が本物だったと驚きつつも、どんな悪魔が出るかは分からないが本の中で一番強力な悪魔が召喚できる魔法陣を描いたと告げた。光は教室を埋め尽くすほど強まり、凜は緊張感のなさを雪音に叱った。
召喚の空振りと不穏な影の残留
光が収まると魔法陣には何もおらず、雪音は失敗だったとして触れて確認し、残念だと受け止めた。三人は片づけて退室し、凜は貴重な体験だったとして楓に謝り、奢るから許してほしいと持ちかけた。雪音は微かな違和感を覚えたが、異変はないと流し、誰も気づかないまま雪音の影に赤い瞳が浮かび上がっていた。
第一章 『剣聖』
オールズの森での魔物殲滅と剣聖の力量
レガル国近くの【オールズの森】は資源に富む一方で危険地帯として知られていたが、冒険者の出入りで魔物が間引かれ、周辺の街は一定の安全を保っていた。その森で、桃色の髪とピンクの瞳を持つ軽装の女性が、十数頭の【ブラック・タイガー】に囲まれて佇んでいた。魔物は異様な警戒を見せつつ襲いかかったが、澄んだ金属音の直後に次々と首と胴が断たれ、群れは光の粒子となってドロップアイテムだけを残した。女性は剣を鞘に収め、これでは修行にならないとこぼした。
剣聖イリス・ノウブレードの婚期の悩み
その女性は、レガル国に身を置く『剣聖』イリス・ノウブレードであった。最強と名高い彼女は、同級生が結婚していく中で自分だけが独身であることに悩み、剣の修行も捨てられない現状に行き詰まっていた。
女学校入学と剣への執着の継続
イリスは幼い頃から剣に魅入られ、騎士を志していたが、公爵家ノウブレード家の父はそれを許さず、女学校へ強制的に入学させた。本人は反発したものの、家の権力と周囲の説得で受け入れざるを得なかった。両親は淑女教育と縁談を狙ったが、イリスは恋より剣に関心があり、淑女としての振る舞いも身につかず、婚約や見合いは成立しなかった。
アルテミア女学院での成長と師との出会い
入学先の「アルテミア女学院」は超名門で、学園長は貴族でありながら元S級冒険者の伝説の魔女であったため、自衛手段を学ぶ授業が存在した。イリスは自主修行も重ね、授業以上の実力を得て教師すら圧倒するに至った。その力量に興味を持った学園長の紹介で、先代「剣聖」と出会い、弟子となってさらに剣へ没頭していった。
友人関係の形成と父の諦め
女学院でイリスは友人に恵まれ、女生徒は護身をイリスから学び、イリスは淑女の振る舞いを友人たちから学んだ。卒業時には先代を超えて『剣聖』を継いでおり、父は権力や戦力で引き留められなくなったため、他家へ嫁がせることも干渉することも諦めた。イリスは望んだ自由を得たが、卒業後に友人たちが次々と結婚し、自分だけが独身になったことで結婚を意識し始めた。
高すぎた条件と恋愛経験の欠如
イリスは恋愛経験がなく、結婚どころか男性と付き合ったこともなかった。十代の頃は声をかけられていたが、相手に自分より強いこと、経済的余裕、容姿端麗といった条件を課し、満たさない男を返り討ちにしてきた結果、声をかけられなくなっていた。それでもイリスは、自分より強い相手だけは譲れないと考え続けていた。
奇襲魔物の排除と残念な理想の固定
落ち込んで無防備になったイリスの背後へ、A級の【アサシン・スネーク】が気配を断って忍び寄り奇襲を狙ったが、澄んだ金属音とともに首と胴が断たれて倒れた。イリスは金持ちや格好良さは贅沢ではないとして言い訳しつつ、ただ自分より強い人を求めるだけだと主張した。圧倒的な強さを持つ一方で、助けてくれる王子のような妄想を捨てられないまま、婚期という強敵に悪戦苦闘していた。
拳聖襲撃後の回復と修行の再開
「拳聖」の襲撃後、ウサギ師匠はアカツキの【聖域】スキルの助けもあり傷を癒していたが、体力回復のため優夜との修行は休んで休養していた。優夜は修行を止めず、ユティやナイトに手伝ってもらいながら自分なりの鍛錬を続けていた。オーマは実力差で相手にならず、面倒がって助けないため、優夜は助言だけでも欲しいと思いつつ強要はしないと割り切っていた。やがて落ち着いた日々の中で、ウサギ師匠が久しぶりに優夜のもとを訪れた。
星からの供給と聖の仕組みの説明
ユティは「聖」は星からの供給があるため心配無用だと述べ、優夜はその言葉から未知の能力の存在を察した。ウサギ師匠は「聖」は星から選ばれて称号を与えられ、後継者を育てて称号を継がせる義務があると説明した。弟子がいない「拳聖」が空白になった場合は、星が改めて選出して称号を与えるはずだが、時期は不明だと語った。さらに「聖」は星から特別な恩恵を受け、体力の回復が早いなどの支援があるため、ウサギ師匠の体力も戻っているとされた。
称号の剥奪不能と自浄作用の暴走
優夜は「拳聖」やユティのように「邪」の力が混じる存在は星にとって不味いのではないかと問い、ウサギ師匠は危険だと認めた。優夜が称号を剥奪できるのか尋ねると、星は与えることはできても奪うことはできず、「聖」は星の自浄作用のようなものであり、「拳聖」のような例はその暴走で制御できないと説明された。
邪との戦い時のみのステータス解放と拳聖戦の不利
優夜は「邪」と戦う際に「聖」のステータスが倍になる仕組みを確認し、ウサギ師匠は拳聖戦では解放されず半減のままだったと明かした。ウサギ師匠は「聖」がステータスを解放できるのは本物の「邪」と戦うときだけで、同じ「聖」や「邪」の力の一部を得ただけの存在では解放されないと説明した。優夜はこの制限があるからこそ、暴走した「聖」が現れた場合に手が付けられなくなる事態を避けられると理解し、拳聖が優位だった要因もそこにあったと受け止めた。
優夜の邪の力の“完全化”とクロの覚醒
ウサギ師匠は、拳聖襲撃時に優夜が本物の「邪」の力を手に入れたと断じた。ユティはそれは自分由来の一部だとして否定したが、ウサギ師匠は優夜から漂う力が濃密で、全身が「邪」の力で満ちていたと述べ、ユティの時の混じり方とは質が違うと語った。優夜が困惑する中、体内の「邪」の声が目を覚まし、拳聖戦の経緯を説明した。声は、優夜の心が白すぎて乗っ取れなかったが、ウサギ師匠がやられる姿を見た怒りがどす黒く膨れ、復讐心すら超える感情が「邪」の力を生み出してしまったと述べた。普通は怒りだけで「邪」は生まれず、そこには声の存在が引き金として作用し、さらに優夜に「邪」への適性があったため適合できたとされた。
討伐対象化の危機と対話の方針
ウサギ師匠は事態を厄介だと評し、優夜はどうすべきか尋ねた。ウサギ師匠は、その力を使いこなす以外に選択肢はなく、できなければ「聖」の討伐対象になると告げた。今後の修行は「邪」の力を制御するためのものになり、内側の「邪」と対話していくことが重要だが、優夜はすでに会話できているためそこは問題ないと判断された。
呼び名の決定と邪の力の解放訓練開始
優夜は対話のため呼び名が必要だとして名付けを提案し、「クロ」という名前を付けた。ユティとウサギ師匠は安直だと驚いたが、当の「邪」は分かりやすいとして受け入れ、仰々しい名前よりマシだと述べた。ユティは別の名を提案し、ウサギ師匠も別案を出したが、クロは気に入らず、結果として「クロ」で落ち着いた。ウサギ師匠は早速修行として「邪」の力を解放しろと命じ、ユティは危険性を警告したが、ウサギ師匠は普段から慣らすべきだと押し切った。クロも、以前より多少使えるはずで、今は負の感情が不足しているため暴走しないと補足し、優夜は本格的に「邪」の力を使いこなす訓練を始めた。
第二章 皆と海へ
定期テスト最終日の解放感と教室の騒ぎ
優夜はウサギ師匠を説得して勉強に本腰を入れ、満足できるまでテスト対策をして定期テスト最終日を迎えていた。最後のテスト終了直後、楓が大声で「終わった」と叫んで伸びをし、男子の視線が集まる事態となった。凜が楓の「胸」を指摘すると楓は赤面して慌てて伸びをやめ、男子は露骨に落胆し、凜に一喝されて一斉に姿勢を正した。
テスト結果の手応えと雪音の疲労
楓は凜に勉強を見てもらい、凜が予測した問題が多く出たと喜んだ。優夜も勉強の成果を実感し、レベルアップの影響で記憶や理解が以前より良くなった感覚を抱いていた。亮や慎吾も合流し、それぞれテストの出来を話し合う中、雪音は疲れたとぼやき、出来は芳しくない様子を匂わせた。
夏休み目前と部活・宿題の現実
テストが終わり夏休みが近いことに話が及ぶと、楓は皆で遊ぼうと提案し、夏祭りの話も出た。だが慎吾と凜が夏休みの宿題が大量にあると告げると、楓と雪音は愕然とし、楽しいだけの休みではない現実を突きつけられた。
佳織の別荘招待と海行き決定
そこへ佳織が教室に現れ、優夜と皆に「別荘」への招待を申し出た。別荘の近くには海もあり、皆で行こうという提案に楓は大喜びし、凜も前向きに受け止めた。佳織は、皆が自分を誘って遊んでくれたことが嬉しかったため、今度は自分が招待したいのだと説明し、亮と慎吾も含めて全員が招かれることになった。
夏休み突入と別荘到着の驚き
日程を合わせて夏休みに入り、優夜たちは佳織の別荘に到着した。別荘は人気の別荘地に建つ自然の中のログコテージで、設備も整い、近くにコンビニやスーパーまである好立地だった。さらに歩いてすぐ海水浴場があり、楓は眺めに目を輝かせた。佳織が部屋へ案内し、男子部屋は三人でも余裕の広さで、優夜は女の子たちと同じ屋根の下で過ごす状況に改めて落ち着かない気持ちを覚えた。
宿題を終えた上での海支度とユティ・オーマの不参加
楓たちは早く海へ行こうと元気に呼びかけ、皆はこの日のために宿題を早めに終わらせていた。楓と雪音は特に宿題で追い込まれていたが、何とか片付けてここに来られた状況だった。女子が着替えに戻ると、佳織は優夜にユティやオーマの不参加について確認した。優夜は、ユティは人の多い場所が苦手で遠慮したが、学校生活自体は友達もできて楽しんでおり安心だと説明した。オーマも同様の理由で遠慮し、優夜は途中で魔法で帰って食事の世話をする必要があることも明かした。佳織は転移魔法の便利さに苦笑し、優夜も人目に注意しつつ水着に着替えて亮たちとビーチへ向かった。
定期テスト最終日の解放と楓の赤面
優夜はウサギ師匠を説得して勉強に本腰を入れ、定期テスト最終日を迎えた。最後の試験が終わると楓が大声で喜び、勢いよく伸びをしたため、優夜は視線が胸に向きそうになるのを必死に逸らした。一方で男子生徒たちは楓を露骨に凝視しており、凜が近づいて「サービスが良すぎる」と指摘し、楓の状況を一言「胸」と言い当てた。
楓は自分の状態に気づいて赤面し、慌てて伸びをやめる。男子の落胆が漏れる中、凜が「全部聞こえてる」と青筋を立てて釘を刺し、男子生徒は一斉に姿勢を正した。
テストの手応えと凜の予測力
楓は優夜にテストの出来を尋ね、優夜は勉強した成果が反映できた感触を語った。楓は凜に勉強を見てもらい、凜が予測した問題が多く出たと喜ぶ。凜は「先生の特徴をつかめば誰でも予測できる」とさらりと言うが、優夜も楓も簡単ではないと感じた。
優夜自身は、レベルアップの影響で物覚えが良くなり、勉強内容が一瞬で頭に流れ込むような感覚を覚えていた。以前は予習復習しても身にならなかったことを思い出し、成長を実感する。
友人たちの合流と雪音の不調
亮と慎吾が集まり、互いの出来を話す流れになる。楓は渋い顔で「大丈夫だと思いたい」と弱気になり、凜が自分が面倒を見たのだから情けないことを言うなと突っ込む。
その最中、隣席の雪音がぼんやりしていることに気づき、優夜が声をかけると雪音は「疲れた」と答える。出来を問われると「人生、楽しいことだけ考えたい」と返し、手応えが良くないことが示される。
部活の話題と夏休み目前の実感
生徒が帰宅や部活へ散っていく中、亮が楓の部活を確認し、楓は部活は明日からだと答える。雪音も同様に明日からで、所属は「オカルト研究部」だと明かす。意外な部名に優夜は驚くが、楓と凜は既知で反応が薄い。雪音は今日は実験用の本を持ってきていないと言い、楓はなぜか引きつった顔で「気を付けてね」と声をかけた。
テストが終わったことで夏休みが近いと盛り上がり、楓は夏祭りもあるから皆で遊ぼうと提案する。だが凜が「夏休みは遊ぶだけじゃない」と返し、慎吾と凜が宿題が大量にあると追撃したため、楓と雪音は愕然とする。
佳織の登場と別荘招待
燃え尽きたように真っ白になる二人のところへ教室の扉が開き、佳織が優夜を訪ねてやって来た。佳織はテスト終了と夏休みを機に、皆を自宅の別荘へ招待したいと申し出る。別荘の近くには海もあるという話に、楓は「海だ」と大喜びし、皆も驚きつつ前向きになる。
佳織は、皆がこれまで自分を誘って遊んでくれたことが嬉しかったため、今度は自分が招待したいのだと説明する。亮が男子の自分たちも良いのかと気にすると、佳織は以前一緒に遊んだことを挙げて亮と慎吾も招く。佳織は日程が決まったら改めて伝えると言い、教室を後にした。
宿題を終わらせた上で夏休み突入、別荘到着
全員の都合が合う日を決めて夏休みに入り、優夜たちは佳織の別荘へ向かった。到着した別荘は自然の中の大きなログコテージで、設備も整い、近くにコンビニやスーパーもある好立地だった。歩いてすぐ海水浴場があり、楓は眺めに興奮し、雪音も景色を評価する。佳織が荷物を持って部屋へ案内し、寝室は男女別で、男子部屋は三人で余裕の広さだった。
優夜は女の子たちと同じ屋根の下で泊まる状況に、改めて落ち着かない気持ちを抱く。荷物を置くと楓たちが男子部屋に来て海へ行こうと急かし、皆はこの日のために宿題を早めに終わらせていたことが語られる。特に楓と雪音は宿題で死にかけていたが、何とか片付けてここへ来た。
ユティとオーマの不参加、転移魔法の事情
女子が着替えに戻った後、佳織が優夜にユティとオーマの参加可否を確認する。優夜はユティは人混みが苦手で遠慮したが、学校では友達ができて楽しく過ごしているため問題ないと答える。オーマも同様に遠慮し、優夜は途中で魔法で戻ってオーマやナイトたちの食事を用意する必要があることを説明する。佳織は転移魔法の便利さに感心しつつ苦笑し、優夜も人目に注意しながら水着に着替え、亮たちとビーチへ向かった。
混雑するビーチと場所取りの役割分担
優夜、亮、慎吾は先にビーチへ到着し、パラソルなどを持って空き場所を探した。海水浴日和で人が多く、亮が人混みから離れた少し遠い空きスペースを見つける。亮と慎吾が設営を担当し、優夜はその場で楓たちを待って合流を誘導する役を任された。
新しい水着への不安と視線の集中
優夜は遊び用の水着を新調しており、自分の格好が変ではないか気にしていた。周囲の女性たちが優夜を見て騒ぎ、以前雑誌に載っていた人物だと気づいて声をかけ、写真撮影を求める。優夜は戸惑いながらも一緒に写真を撮られ、嵐のように去っていく彼女たちを呆然と見送った。
佳織の水着姿と優夜の動揺
佳織が優夜のもとへ来て、水着が変ではないかと控えめに尋ねる。佳織は白い可愛らしい水着にパーカーを羽織っており、優夜は緊張しつつも似合っていると強く肯定する。優夜は、海に来た以上みんなが水着になる現実をこの段で意識し、急に動揺が増す。
楓・凜・雪音の合流と視線の置き場問題
佳織に続いて楓、凜、雪音が到着する。楓はフリル付き水着+ホットパンツ、凜は黒のスポーティー水着、雪音はサロペット型水着で浮き輪持参だった。優夜は全員が似合っていると感じつつ、目のやり場に困り固まる。周囲の男性陣も彼女たちに見惚れ、優夜は状況の非現実感に遠い目になる。
楓が感想を求め、優夜は「似合ってる」と上ずりながら返す。雪音も自分はどうかと追撃し、優夜が対応に迷うと、雪音は楓の胸を見て「やっぱり胸か」と結論づけ、優夜を冤罪扱いして不満げになる。佳織が頬を膨らませていたことに、優夜は気づけていない。
凜のからかいと優夜の直球評価
凜が肘で小突き、優夜が水着姿に緊張しているのかとからかう。凜は優夜が慣れていそうと言うが、優夜は慣れていないと認める。凜が「楓はスタイルが良い、佳織は綺麗、雪音は可愛い」とまとめたため、優夜は反射的に凜も綺麗だと口にする。凜は珍しく赤面して視線を逸らし、気まずそうに距離を取る。場の空気が戻り、優夜は亮たちが場所取りをしていることを伝えて合流へ向かう。
海遊びとビーチバレーのチーム分け
合流後、準備運動をして海へ入る。亮は運動神経を発揮して遠泳し、慎吾は浅瀬で優夜や佳織たちとビーチボールで遊ぶ。楓の提案でビーチバレーをすることになり、慎吾が審判を担当する。三チームに分かれ、優夜&佳織、亮&雪音、凜&楓の組み合わせとなる。
佳織の運動苦手が再確認される試合展開
優夜は球技大会の記憶から、佳織にスポーツをさせると危険だと分かっていたが、試合は開始直前だった。佳織のサーブは予測不能で、優夜が避けるほどの勢いのボールが飛び、凜は佳織が運動苦手だと見抜いて狙う戦術を宣言する。凜のサーブに対応した佳織の返球は海方向へ飛び、落とせないと判断した優夜は無我夢中で海面を走って追いつき、ボールを返す。
凜と楓は「海面を走っていた」と驚愕するが、優夜自身も驚く。ウサギ師匠との修行で脚力が異常になっていたことが示される。一方、優夜が海側へ出た隙に佳織が狙われ、点を失う。砂に足を取られて戻りにくい感覚を、優夜は修行の延長として捉えてしまう。結局、佳織を集中攻撃された優夜チームは敗北する。
続く亮チーム戦でも敗れ、最終優勝は凜&楓チームとなる。佳織は謝り、凜は冗談めかして「疫病神」とからかい、佳織は泣きそうに反論する。優夜は励まし方が分からず慌てるが、佳織の球が「殺すような勢い」で飛ぶほど球速と不規則性が高い点は、逆に武器になり得ると内心で評価する。
昼食休憩と沢田先生との遭遇
遊び続けたため昼食休憩を決め、人が少ない近くの海の家へ向かう。すると担任の沢田先生が店員のように働いており、黒いビキニにエプロン姿だったため、優夜たちは目のやり場に困りつつ仰天する。副業ではないのかと疑問が出るが、沢田先生はここが実家で、夏季休暇中は手伝いに駆り出されるだけで金も出ないと説明する。
そこへ厳つい男性が現れ、沢田先生を「理恵」と呼んで叱る。彼は父の銀二であり、驚く優夜たちに対して、銀二は状況を理解すると一転してにこやかに接し、昼飯をご馳走すると申し出る。座敷に通された後、銀二が大盛り焼きそばを出し、優夜たちは味の良さに驚き、夢中で食べる。
客が少ない理由と“いいアイデア”の兆し
楓が「こんなに美味しいのに客が少ないのはなぜか」と漏らし、凜が注意するが、銀二は事実だと苦笑する。理由はビーチ端の立地で人通りが少ないこと、さらに他店の方が品揃えが良いことだった。メニューが少ない現状も示され、残念がる声が出る中、沢田先生が何かを思いついた様子で立ち上がり、「いいアイデア」を宣言するところで場面が切れる。
沢田先生の“集客アイデア”と臨時店員化
沢田先生の思いつきで、優夜たちは銀二の海の家で期間限定の売り子として働くことになった。学校でも目立つ美男美女が揃っている点を“呼び込みの武器”にし、給料も出すと提示される。銀二自身も客入りの少なさを悩んでいたため、焼きそばをご馳走になった恩もあり、優夜たちは協力を引き受けた。
売り子効果で客が急増し、店が満席に
呼び込みを始めると、佳織・楓・凜・雪音を目当てに男性客が増え、亮と慎吾の存在で女性客も呼び込めた。口コミも回り、ついには店が埋まるほどの盛況となる。注文に混じって握手や写真など“変な注文”も頻繁に来るが、全体としては好意的な反応が多く、特に焼きそばの味が高評価だった。
優夜の超人的な片付けと、買い出し同行
客が増えたことで食器の片付けが追いつかず、優夜は両手両腕にお盆を載せ、さらに頭上にも食器を積むという常識外の運搬で回転率を上げる。そこへ沢田先生が食材切れを告げ、力仕事要員として優夜を買い出しに連れ出す。熊を投げ飛ばしたという校外学習の噂を交えつつ、優夜の怪力が改めて前提として扱われる。
優夜不在中に発生したナンパ騒動
優夜が買い出し中、日に焼けた男性客数人が佳織の腕を掴み、しつこく絡む。楓が止め、亮も割って入るが、筋肉質で威圧的な男が立ち塞がり、亮を突き飛ばして場が悪化する。人数・体格差で分が悪く、店全体の雰囲気が荒れ始める。
状況未把握の優夜が“仕事”を理由に割り込む
買い出しから戻った優夜は、両手に袋を抱えたまま状況を完全には理解せず、佳織と楓に「人手が足りないので手伝ってもらう」と言って連れ戻そうとする。男が優夜の腕を掴んで止めるが、優夜はびくともしない。佳織と楓はそのまま銀二の元へ逃れ、優夜はひとまず二人の安全を確保した形になる。
暴力を“被害最小”で無力化する優夜
男たちは優夜を取り囲み、殴りかかってくる。優夜は殴られることよりも、客や店の備品が壊れたり、周囲が危険に巻き込まれることを恐れていた。買い物袋を持ったままだと動けないと判断し、袋を空中に放り投げた上で、拳や蹴りを受け止めながら男たちの身体を直立姿勢へ“矯正”してその場に留める。男たちは何が起きたか分からないまま硬直し、優夜は周囲と相手側に怪我がないことを確認して制止を求める。
銀二の“親父の迫力”で完全決着
騒ぎに気づいた銀二が厨房から出てきて、怒りを滲ませて男たちを睨む。銀二の凄まじい迫力に、さっきまで強気だった男たちは一斉に萎縮し、土下座同然に謝って店から逃げ出す。周囲は唖然とするが、優夜は銀二に礼を述べ、佳織・楓・凜・雪音も無事を示す。亮は「優夜がいたから助かった」と認める。
“映画みたい”な喝采と、過去最高売上
沢田先生は、優夜の身体能力が学校でも突出しており体育教師たちが驚いていたと補足し、銀二も改めて優夜の鍛え上げられた体に驚く。客たちは「映画のワンシーン」「漫画でしか見ない動き」と拍手し、優夜は称賛に戸惑う。銀二は場を締めて客に食事を続けるよう促し、結果として優夜たちの売り子効果と銀二の料理の評判が噛み合い、店は過去最高の売上を叩き出す。
第三章 謎の巫女
海遊びの再開と、目立つことで増える声かけ
銀二の海の家での騒動と臨時店員を終えた一行は、再び海で遊びを満喫した。亮や慎吾が女性に声をかけられ、優夜も海の家で目立った影響からか、周囲に声をかけられる場面が増えた。ただし、佳織たちを守る意識から常に集団行動を徹底し、同種のトラブルは起きなかった。
コテージ帰還と、優夜の“こっそり帰宅”
夕食後の休憩中、優夜は人目につかない場所へ移動して転移し、自宅でナイトたちの食事を用意してからコテージへ戻った。オーマは一日中寝ており、留守番組も大きな問題なく過ごしていた。
雪音の肝試し提案と、楓の致命的な苦手意識
雪音が本を持ち出し、肝試しを提案する。凜と楓は雪音がオカルト研究部であることを知っており、楓は即座に拒否して取り乱した。雪音は部活だからではなく、事前に周辺を調べて“肝試しにちょうどよい場所”を見つけたと説明し、古い神社があると明かす。
参加者の賛同と、楓の孤立
亮・佳織・慎吾・優夜はいずれも興味を示し、楓は反対派の仲間を得られず絶望する。凜は「神社は神様のいる場所だから安全」と楓を説得しつつ、楓だけコテージに残して“ひとり”にする選択肢を突きつける。結果、楓は恐怖より孤独を避けるため、肝試しに参加することになる。
神社へ向かう道中の楓のパニックと、優夜の距離感
神社に近づくほど楓の恐怖は増し、優夜の腕にしがみついて離れなくなる。優夜は当初こそ緊張するが、楓の震えや必死さを見て心配が勝つ。佳織はその様子を無言で見つめ、優夜が気づくと慌てて取り繕うが、優夜は楓の対応に意識を戻し、佳織の小さな呟きは拾えない。凜は優夜に「罪な男」と意味深に告げる。
森の奥の神社と、“怖さ”より“神秘”の空気
雪音が目的地に到着を告げ、月明かりに照らされた森の神社が姿を現す。空気は恐怖というより神秘的で、一同は見惚れる。楓も一時的に恐怖を忘れ、雪音は「肝試しには向いてなかった」と冷静に評価する。
謎の巫女の出現と、雪音への異常反応
社の方から巫女装束の少女が現れ、「妖しい気配がする」と告げる。楓は肝試しの勢いで「お化け」と絶叫し、巫女は即座に否定して怒る。雪音が肝試し目的だと正直に言うと、巫女は雪音に鋭い視線を向け、突然距離を取り「とんでもないモノに憑かれている」と断じ、今すぐ祓うと宣言する。
札の投擲で露わになる“影の異形”
巫女が札を取り出して唱え、雪音の影へ投げつけると、影がうねり黒い靄が浮かび上がる。地球で想定していなかった異形の出現に、優夜と佳織も強く動揺し、楓たちは青ざめて震える。雪音自身も状況を理解しておらず、「ビックリした」とだけ反応する。
巫女の想定外と、邪獣の変貌
巫女は異形を前に「悪霊でも妖怪でもない」「こんな邪悪な存在は見たことがない」と青ざめる。黒い霧は筋肉質で二足歩行、爪と牙を持ち、闇そのもののような黒い肉体へと変貌する。咆哮の瞬間、佳織たちは膝から崩れ落ち、優夜は抱き起こそうとするが威嚇で近づけない。
優夜だけが平気で、クロが正体を告げる
巫女は、皆が倒れる中で優夜が無事であることに驚き、さらに優夜の内側にも“邪悪な気配”があると指摘する。優夜には異変がなく、状況を掴めない。そこへ優夜の内にいたクロが出てきて、この怪物が【邪】になり損ねた存在――【邪獣】だと明言し、放置すればこの世界にとって危険だと警告する。巫女は、優夜が“誰かと話している”ことにも気づき、困惑する。
邪獣の襲撃と、優夜の反射的迎撃
邪獣が痺れを切らして優夜へ突進する。巫女は守ろうとして札を出そうとするが、体が言うことを聞かず札を落とす。優夜は回避先に楓たちがいるため避けきれず、ウサギ師匠との修行で染みついた反撃動作で半身で躱し、側頭部へ蹴りを叩き込む。邪獣は木に叩きつけられてもなお立ち上がろうとし、強靭さを見せる。
巫女の浄化で邪獣が消滅
追撃しようとした瞬間、巫女が前に出て札を放ち、「消えなさい」と命じる。札が邪獣に触れると邪獣は苦しみ、剥がそうとしても剥がせず、煙となって消滅する。優夜は札と巫女の正体に疑問を抱くが、まず佳織たちの状態確認を優先し、全員が眠っているだけだと分かって安堵する。
巫女の追及と、優夜の窮地
気怠げな巫女が優夜を睨み、「なぜあなただけ無事だったのか」「さっきの化け物を圧倒した力は何なのか」と説明を要求する。優夜はどう答えるべきか分からず、言葉に窮するところで場面が締まる。
第四章 蠢く悪意
神社での保護と、巫女の尋問
眠ったままの佳織たちは神社の社で休ませてもらい、優夜は全員を運んで寝かせた。直後、巫女は優夜に「さっきのは何だったのか」と詰問し、優夜の関与を疑う。優夜自身も邪獣の正体は理解しているが、なぜ地球に現れたかは分からず、異世界への扉経由も考えたものの、賢者の家の結界やナイトたちの反応を踏まえると可能性は薄いと判断する。
祓いの提案と、クロの危機
巫女は優夜の中にも邪獣と同質の邪悪な気配があるとして「祓う」と宣言する。優夜の内にいるクロが「消滅させられる」と焦り、優夜も祓いを受けるわけにいかないと困る。
“服を脱げ”騒動と、佳織の誤解未遂
巫女は聖なる気を取り込むため肌の露出が必要だとして、優夜に服を脱ぐよう強要し、強硬に脱がせようとする。優夜は力で抵抗すると怪我や服の破損につながるため身動きが取れない。そこへ目覚めた佳織が現場を目撃し、ジト目で状況を問い詰める。優夜と巫女は慌てて誤解を解き、佳織は納得するが、今度は自分たちがどこにいるのか混乱する。
記憶の欠落と、事態の収束判断
楓や凜たちも目を覚まし、全員無事が確認される一方、誰も邪獣や戦闘の記憶を持っていないことが判明する。巫女は「覚えていないなら、わざわざ教える必要はない」とし、後遺症の可能性は気にしつつも、自分にも異変がないため当面は様子見と判断する。優夜は【鑑別】で状態を確認し、異常がないことを裏付ける。
謝罪、名乗り、そして予告めいた別れ
優夜は神社で休ませてもらった礼と謝罪を述べ、巫女は注意を促す。去り際、巫女は優夜の名前を尋ね、優夜は「天上優夜」と名乗る。巫女は自らを「神楽坂舞」と明かし、「またどこかで会いそう」と言い残して立ち去る。
海旅行の締めと、次の約束
一行はコテージへ戻って就寝し、翌日無事に帰宅する。海の思い出を振り返りつつ、亮は沢田先生の実家手伝いを驚きとして挙げ、雪音は沢田先生の体型を評して凜が制止する。楓の提案もあり、次は夏祭りで遊ぶ約束を固めて解散する。
帰宅の安堵と、残る疑問
優夜が帰宅するとナイト、オーマらが迎える。友人と遊び、帰宅後に誰かがいる生活への実感を噛みしめながら食事を用意する一方、優夜は邪獣の存在と「世界を越える」異常性に疑問を抱き続ける。オーマに尋ねようとするが、空腹を優先され、結局聞けないまま機会を逃す。
倉庫整理と、祖父の異質さ
佳織の別荘から帰った翌日、優夜は夏休みの時間を使い、祖父の倉庫を整理しようとする。オーマやユティも興味を示して同行するが、オーマは倉庫に「複数種の力が渦巻く」と断じ、宿る力が自分の知る体系ではないこと、祖父の正体が掴めないことに困惑する。優夜も恐ろしくなりつつ整理を開始するが、オーマは途中で飽きて退場し、ユティも弓の修行へ戻る。
鑑別不能の品々と、天錫杖の発見
優夜は【鑑別】を使いながら整理するが、名前すら判別できない品が混じっている。台座に浮かぶ立方体の石のような物体など、原理も素材も不明で、倉庫の異常さが際立つ。そんな中、僧侶が持つような錫杖を発見し、【鑑別】で「【天錫杖】」と判明するものの、効果は「祓う」の一語のみで詳細不明となる。優夜は神楽坂舞が邪獣を祓った札を連想し、性質の近さを疑う。
異世界側の来訪と、消耗しきった一行
ナイトが吠え、優夜も大勢の気配を察知する。気配は異世界の家の側からであり、優夜は天錫杖をいったんアイテムボックスへ収納して庭へ向かう。そこにはオーウェン、レクシア、ルナ、兵士たちが到着していた。兵士たちは満身創痍で、オーウェンとルナも息が上がっているが、怪我人はいない。
ユティの紹介と、闇ギルドからの離脱宣言
レクシアはユティを見て警戒し、優夜は闇ギルド襲撃や「弓聖」の弟子である件を説明する。ユティは「もう闇ギルドと関係ない」と明言し、師匠を殺した連中への復讐心はあるが、無関係な人間にぶつけないと決めたと語る。闇ギルドとも連絡を取っておらず、立場は「用心棒」程度だったと曖昧に答えるが、オーウェンは上層部と繋がる実力者だった可能性を重く見る。ユティ級の戦力がいないなら闇ギルド放逐の現実味が増すとして、王都で報告すべきだと判断する。
“あの方”の正体と、護衛の真相
優夜は危険な【大魔境】をどう越えたのか疑問を呈するが、ウサギ師匠が「俺が守ってやった」と名乗り出る。兵士たちの消耗は、道中でウサギ師匠の訓練を受けさせられたためで、ゴブリン・エリートとの一対一など過酷な内容だったことが示される。優夜は師匠の強引さを実感しつつ、状況整理に追われる。
建国祭の誘いと、御前試合の“約束”
本題は、友好国レガル国の建国百周年「建国祭」への招待だった。レクシアは「一緒にお祭りに行きましょう」と先走るが、ルナが補足し、祭りに合わせて御前試合が行われると説明する。さらに、レガル国側が優夜に興味を持ち、御前試合への出場を“約束”してしまったことが明かされる。優夜は自分の意思が無視された形に驚愕する。
剣聖の存在と、師匠の介入
レクシアが「国王が、優夜は剣聖より弱いと言った」ことをきっかけに、話が転がったと白状する。これにウサギ師匠が「剣聖」に反応し、レガル国に剣聖がいるかを確認する。優夜は勝てる見込みの薄さを内心で理解するが、師匠は「参加しろ、拒否権はない」と師匠命令で押し切る。
修行の目的と、邪から逃げられない現実
ウサギ師匠は、剣聖がいるなら自分にも都合が良いとして「邪」の件の相談を示唆し、同時に優夜の修行として剣の鍛錬が必要だと説く。優夜の戦闘は徒手空拳だけでなく【全剣】や【絶槍】など武器運用が主であり、剣の修行は避けられないという論理である。さらに師匠は「邪は優夜を逃さない」と断言し、巻き込んだ責任として生存率を上げるため鍛えるのが自分の使命だと語る。優夜は拳聖戦で動けなかった後悔と、地球側の仲間に危険を及ぼす恐れを思い出し、邪の力に頼らず生き残るためにも強くなる決意を固める。
受諾と、一週間の地獄予告
優夜は時間があることを理由に出場を受け入れるが、レクシアの期待ほどの実力はないと釘を刺す。するとウサギ師匠は「今から特訓」と宣言し、建国祭まで一週間しかないことを確認して「短いが今よりマシにしてやる、覚悟しろ」と告げる。優夜は、この一週間に待つ地獄の特訓を予感して震える。
優夜不在の裏側で進む別戦線
優夜が「剣聖」との御前試合に向け、ウサギ師匠の特訓を受けている同時期、レガル国の【オールズの森】では、少年の「邪」と二人の「堕聖」が行動していた。舞台は、建国祭へ向かう流れとは別角度から、より直接的な暴力の意図が滲む場であった。
少年の「邪」の嗜虐と、森に積み上がる死
少年の「邪」は「剣聖」を破壊し悲鳴を聞くことを楽しみにしており、レガル国を攻撃できない鬱憤を、周囲の魔物への虐殺で晴らしていた。相手はA級やS級とされる強力な魔物であるが、少年の「邪」にとっては等しく弱者であり、黒い霧を無数の刃へ変えて貫通・切断し、命を刈り取る。殺害後も死体を弄ぶように切り刻み、結果として屍の山と血臭が森に充満する状況となった。
堕聖の進言と、圧倒的格差の可視化
槍の「堕聖」は、剣聖が森の魔物を間引いているという情報を報告し、派手に動けば察知される恐れがあるため自重を促そうとする。だが、その途中で少年の「邪」が放つ殺気により、槍の「堕聖」は言葉も動きも封じられる。鎌の「堕聖」も同様に硬直し、両者は、自分たちが二人がかりでも少年の「邪」に傷一つ与えられないと確信する。
支配の宣告と、見せしめの破壊
少年の「邪」は、堕聖たちを「駒」「奴隷」と断じ、主人に意見すること自体が不快だと嘲る。苛立ちのまま腕を振るうと、漆黒の波動が放たれ、【オールズの森】の一部が消し飛び巨大なクレーターが生まれる。格差は言葉ではなく、地形改変級の破壊で示された。
“最高の場面”へ向けた自制と、建国祭への収束
しかし直後、少年の「邪」は雰囲気を変え、ここで剣聖に見つかって戦うのは「面白くない」として自重を約束する。最高に楽しい場面で最高の悲鳴を聞くために、建国祭までの間は大人しくするという選択である。こうして、優夜の修行、剣聖の動き、そして「邪」の嗜虐が、建国祭へ向けてレガル国に収束しつつある状況が形作られた。
第五章 御前試合
建国祭で賑わうレガル国へ到着
一週間後、優夜は再び迎えに来たレクシアたちと【大魔境】の入口で合流し、建国百周年の祝祭に沸くレガル国へ向かった。道中は野営や村を経由しながらの移動となり、優夜にとっては新鮮な体験であった。転移魔法で帰還することも可能であったが、露見の危険を避けるため、あえて皆と同じ行程を選んでいた。
レガル国の街は活気に満ち、特に魔法の研究が盛んな国柄を反映し、魔法を日常的に活用する光景が目立った。火球を操る大道芸や、風の膜で荷物を浮かせる商人など、魔法が生活基盤に組み込まれている様子が顕著であった。
祭りの最中の騒動と、王女と騎士の競合
王女として正式な装いのレクシアは目立ちながらも騒がれることなく街を歩く。優夜の師であるウサギはすでに剣聖に会いに行ったと聞かされる。
その最中、レクシアは優夜の腕を抱き、祭りを共に回ろうと誘う。さらにルナも反対側の腕を取り、優夜は両腕を女性に抱えられる形となる。レクシアは結婚を申し込んだ相手であり、ルナはかつて口づけを交わした相手でもあるため、優夜は動揺する。オーマはその様子を眺め、優夜の最大の敵は「邪」ではなく女かもしれないと評する。
剣聖イリスの独白
一方、レガル国の貴賓室では「剣聖」イリスが御前試合に向け休養を取っていた。婚約者条件として自分より強い男を求めてきた彼女は、御前試合でそれに出会える可能性を一瞬期待するが、過去の経験からすぐに諦観する。
そこへ現れたのは「蹴聖」ウサギであった。久々の再会を交わし、情報交換が始まる。
拳聖の堕落と、聖たちの崩壊
ウサギは「拳聖」が「邪」に堕ちた事実を告げる。さらに拳聖は他の「聖」を狩り始めたという。イリスは、連絡が途絶えた聖たちの状況と符合することを悟る。
加えて、「弓聖」が人間に殺された事実も明かされる。それは「邪」に扇動された人間によるものであった。守護対象に裏切られるという皮肉な結末に、イリスは衝撃を受ける。
最近「邪獣」が増加していることからも、「邪」が本格的に動き出していると両者は認識する。生存する聖の数は不明であり、堕ちた者や討たれた者もいると推測される。
御前試合の対戦相手
会話の中で、ウサギはイリスの御前試合の相手を知っている素振りを見せる。相手は自分ではないが、「とびっきりの異才」であり、自身の弟子だと告げる。
弟子を取らなさそうだったウサギの発言にイリスは驚くが、ウサギはその弟子を高く評価し、油断すれば足元をすくわれると忠告する。イリスはそれを受け、御前試合への興味を強める。
こうして、優夜の到着、祭りの高揚、剣聖と蹴聖の情報交換、そして迫る御前試合が、静かに一つの舞台へと収束していくのであった。
国王との謁見と、闘技場の控室へ
レクシアとルナに連れ回されて街を堪能した優夜たちは、御前試合の会場である闘技場へ到着した。御前試合の前に闘技大会が行われるため観戦する流れとなるが、優夜は闘技大会終了後すぐに出番が控えているため、正面入口ではなく裏口から入場する。係員はレクシアの姿を見て、陛下が待つ部屋へ案内した。
優夜は正装でないことや同行者(ユティ、ナイト、アカツキ、オーマ)の扱いを不安視するが、レクシアは強引に押し切り、ルナも「巻き込まれた側なのだから問題ない」と諭す。ユティは「怒られたら帰ればいい」と即断し、優夜は別方向の不安を増やす。
オルギス王・ロイル宰相・ライラとの対面
入室すると、中年の男性が二人と、同年代ほどのドレス姿の女性が一人待っていた。護衛の兵は外で待機し、部屋にはレクシア、ルナ、優夜一行のみが入る。優夜だけが過剰に緊張する中、レクシアと国王らしき人物は友好的に会話を交わすが、その空気には威圧感も滲む。
視線を送っていたドレスの女性に優夜が問いかけると、彼女は慌てて取り繕う。ほどなく国王が優夜に関心を向け、レクシアは優夜を「婚約者」と言い切って紹介し、優夜は動揺する。ルナはレクシアを窘めるが、レクシアは「言ったもん勝ち」と開き直る。
優夜は「ユウヤ・テンジョウ」と名乗り、ユティも名を告げ、ナイト、アカツキ、オーマを家族として紹介する。ナイトは礼節を保つ一方、アカツキは気安く反応し、オーマは寝そべったまま不機嫌そうにする。
「エンシェント・ドラゴン」発言で、創世竜の威圧が炸裂
国王側の人物が「人語を話す竜」「【エンシェント・ドラゴン】を手懐けた」という噂に触れると、オーマが激昂し、凄まじい威圧を放つ。圧だけで部屋のガラスが割れ、壁にひびが入るほどで、オルギスらは顔面蒼白となり膝をつく。
優夜は慌てて制止し、「【エンシェント・ドラゴン】が何か分からない」と告げると、オーマは信じ難いと怒鳴る。威圧が収まった後、優夜は彼らに肩を貸して座らせ、自分が止められなかったことを謝罪する。オーマは不満を残しつつも、寝そべったまま「すまなかった」と短く詫びる。
オルギス側は、創世竜の噂が真実であると確信し、さらに「エンシェント・ドラゴン」が雑魚扱いされる事実に震える。続いてライラが「伝説の竜は賢者に討たれたはず」と口にし、慌てて宰相らが制止する。
オーマは「討伐ではなく、若気の至りで暴れていたところを殴られて止められただけ」と説明し、それが討伐譚として伝承になったのだと明かす。オルギスは豪快に笑い、昔話の賢者の異常さを語るが、オーマは途中で優夜に視線を向け、含みのある反応を見せる。
正式な自己紹介と、オーマ不協力の宣言
咳払いののち、国王は自己紹介を行う。レガル国王オルギス、宰相ロイル、そして娘ライラである。優夜は上品な礼に対し素の会釈をしてしまい、自身の不作法を痛感する。
オルギスは優夜を「傑物」と評し、伝説の竜を従える存在として期待を寄せる。さらに「これなら『邪』が攻めてきても安心」と踏み込むが、優夜は「オーマは『邪』との戦闘に協力しない」と率直に述べ、場が凍る。
オーマは「人間風情が図々しい」「我には【聖】も【邪】も興味がない。勝手に貴様らで対処しろ」と言い切る。オルギスは心底落胆して腰を下ろし、優夜はそれが人間側の都合であり、強制できない現実だと受け止めるのであった。
「邪」が攻めてくるという現実
オルギスたちの落胆が続く中、レクシアが「邪が攻めてくるとはどういうことか」と問い詰める。オルギスは、レクシアたちが事情を知らないことに気づき、「剣聖」から聞いている自分たちは把握していたが、彼女たちには共有されていなかったと語る。
伝承としての「聖」と「邪」――人間の負の側面が形を得た「邪」と、それから人類を守護する「聖」の戦い――は、おとぎ話ではなく実在の脅威であり、近年「邪」が再び活発化して人類へ攻撃を仕掛けようとしている、というのが「剣聖」からの報告であった。
ユティが肯定し、オーマも「臭いがきつかった」と補足したことで、レクシアたちは受け入れざるを得なくなる。
ユティの正体と、優夜の肩書が追い打ちをかける
オルギスがユティの断言に根拠を求めると、ユティは「『弓聖』の弟子だから知っている」と言い切る。さらに優夜まで「自分も『蹴聖』の弟子だ」と続け、オルギス、ロイル、ライラは大きく動揺する。
レクシアだけはなぜか誇らしげに胸を張り、優夜を持ち上げる。優夜が突っ込むと、レクシアは「妻だから」と言い張り、婚約者扱いからさらに勝手に昇格させて優夜を混乱させる。
この時点でオルギスは「それほどの人物なら『剣聖』に負けないというのも頷ける」と評価する一方、「剣聖も化け物」と釘を刺す。優夜は、ウサギ師匠の強さと「邪」の力の危険性、そして襲撃以来眠りがちになったクロを思い出して警戒を強める。
特等席での観戦と、三者の牽制
オルギスは「今日は建国祭なので、難しい話は忘れて楽しもう」と切り替え、闘技大会をこの部屋(闘技場全体を見下ろせる特等席)で観戦することを提案し、レクシアも了承する。
席に着く流れで、レクシアが優夜の隣を確保するが、反対側にはレガル王女ライラが座りたいと申し出る。レクシアは明らかに不機嫌になるが、優夜は深追いしない。ところがライラは笑顔で優夜の手に自分の手を重ね、呼び方も「ライラ」と呼ぶよう求める。
レクシアは「婚約者だ」と抗議するが、ライラは「優夜本人はそう言っていない」と切り返し、レクシアは「私の中では本当」と言い張る形になる。ライラは、魔法大国レガルの王族として闘技大会で使われる魔法を誰より詳しく解説できる、と実利で優夜を引き込む。優夜は魔法知識に疎い自覚があり、解説を受け入れることで、レクシアは黙らざるを得なくなる。
「剣聖」の待機と、開幕演説の魔道具
優夜が「剣聖はどこにいるのか」と確認すると、オルギスは「御前試合まで貴賓室で待機している。開始前に係が呼ぶので従ってほしい」と説明する。
やがてオルギスが観客の前に立ち、マイクのような魔道具で闘技場全体に声を響かせて開幕演説を行う。優夜は魔道具の仕組みに意識を奪われ、演説内容を聞き逃す。
闘技大会:戦士と魔術師、そして決勝へ
初戦は屈強な剣士とローブ姿の魔術師の対戦となる。剣士が大剣で突撃し、魔術師は距離を取りながら詠唱して炎球を放つ。ライラはそれが火属性魔法「ファイアー・ボール」であり、通常より短い詠唱で撃てている点が腕前の証だと解説する。
優夜は、詠唱や属性の縛りが当たり前の世界の魔法に新鮮さを覚える一方、賢者の理論(詠唱不要・属性不問・イメージ重視)との違いから、賢者の異質さも再確認する。試合は最終的に剣士が魔術師を追い詰めて勝利する。
以後、勝ち残り同士の試合となるにつれてレベルが上がり、決勝は剣士同士の激しい剣戦となっていく。優夜は、闘技場という限定条件でも他者の対人戦を観察できること自体が貴重な学びだと受け止める。
闘技大会の初戦と、優夜の観察
闘技場では屈強な戦士と、ローブ姿の魔術師が対峙した。戦士は大剣で突撃し、魔術師は距離を保って詠唱し、炎球を放つ。ライラは火属性魔法【ファイアー・ボール】であり、通常より詠唱を短縮できる腕前だと解説する。
優夜は、詠唱や属性の縛りが一般的な魔法体系であることを改めて理解し、賢者の理論(詠唱不要・属性不問・イメージ重視)がこの世界では異質であると再確認する。試合は戦士が魔術師を押し切って勝利した。以後、勝ち残り同士の試合でレベルが上がり、決勝は剣士同士の激戦となった。
「見える」感覚の発現と、呼び出し
優夜は試合の動きを自分のものにしようと集中するうち、これまで不可能だったはずの「強者の動きの吸収」が、なぜか今は完璧にできる感覚に至る。未知の感覚に戸惑う間に闘技大会は決着し、係員が「剣聖の対戦相手」を呼びに来る。
優夜が放心していたためユティが覗き込み、「あの時の弊害か恩恵か」と示唆するが、時間がなく深掘りできない。レクシア、ルナ、ナイト、アカツキが応援し、オーマは冷笑めいた言葉を投げる。優夜は皆に無様を見せないと決め、係員に従う。
控室でのウサギ師匠と、情報交換の代償
控室にはウサギ師匠がいた。優夜が「剣聖のところに行ったのでは」と問うと、ウサギは情報交換に加え「優夜のすごさを語ってきた」と明かし、剣聖が本気で来る状況を作ったと告げる。優夜は絶望するが、ウサギは「本気でなければ修行にならない」「負ければ師匠の質が問われる」と圧をかける。
さらに、ウサギは案内なしで「勝手に入った」と言い放ち、優夜を呆れさせる。優夜は「拳聖撃退後、目が良くなり動きが見え、吸収できそうだ」と相談し、ウサギは怪訝に沈思する。そこへ係員が再来し、優夜は入場口へ向かう。
装備換装と、闘技場の圧力
優夜は【血戦鬼シリーズ】に着替えて準備を整えるが、初対面のため兜は外す。オルギスの説明が終わり入場すると、観客の歓声に気圧されかける。観客席にいた時と違い、当事者として立つと規模と熱量が直撃し、優夜は腹に力を入れて踏みとどまる。
剣聖イリスの登場と、第一印象の崩壊
反対側の入り口から、上品な所作の女性が目を閉じたまま静かに入場する。腰の剣と圧倒的な気配により、その人物が「剣聖」だと理解させられる。優夜が確認すると、彼女は「剣聖イリス」と名乗り、優夜の顔を見て驚き固まる。
イリスは突然しゃがみ込み、「胸の高まり」「恋心」と口走るが、すぐに取り繕い「自分より強い男にしか興味がない」と言い張る。さらに優夜の年齢を聞き、約10歳差に一人で動揺して勝手に理屈付けする。優夜は意味不明さと寒気に戸惑う。
開戦:居合の一撃と、絶望的な速度差
イリスの視線が鋭さに変わり、優夜も全力で挑むと宣言する。優夜は【全剣】を構え、開始合図と同時に踏み込み斬りかかる。しかし攻撃は届く前に弾かれ、澄んだ金属音が響く。
優夜は、イリスの腕が一瞬ぶれたことから「一瞬で剣を振った」可能性に気づく。イリスは「よく見えた」と評価するが、剣は鞘に収まったままであり、常識外の速度と精度であることが示される。優夜は冷や汗が止まらず、どう対処すべきか思考が追いつかない。
優夜の心理:焦りの臨界を越えた冷静
イリスは「今ので終わりではないだろう」と挑発する。優夜は、今の一撃が素の全力だった事実と、それを容易に防がれた現実に直面し、差の大きさに苦笑する。イリスは「焦っていない」と怪訝がるが、優夜は「焦りすぎて逆に冷静になった」と返す。
イリスが降参を提案しても、優夜は退かない。通用しないのは承知の上で、やれるだけやると腹を括る段階に入った。
多武装による飽和攻撃の開始
優夜は【全剣】を収納し、【絶槍】を取り出して本気で投擲するが、イリスは澄んだ金属音とともに容易く弾く。直後、優夜は新たに【無弓】を手にしており、見えない矢を大量に放つ。イリスは一瞬把握できないが、感覚で察知し、目で追えない速度の剣捌きで全弾を弾き落とす。イリスは「見えない矢」という異質さに驚くが、優夜は攻撃の手を止めず、攻撃させる暇を与えない方針で畳みかける。
絶槍の再射出と、初めて生じた隙
矢の弾幕が途切れない中、手元へ戻った【絶槍】を、ウサギ師匠直伝の蹴りで再度射出する。弾幕に割り込む強烈な槍にイリスは目を丸くし、初めて「剣でまともに受ける」対応を見せる。威力が増した【絶槍】は簡単に弾けず、イリスは押し込まれながらも弾き返すが、その瞬間の隙が生まれる。優夜はその隙を狙っていた。
世界打ちと魔装、そして“受け流し”の壁
優夜は大槌【世界打ち】を投入し、確実性を上げるため初めて【魔装】を展開する。青白い光が迸り、優夜は正真正銘の全力に到達する。しかしイリスは衝突直前、剣で動きを誘導して衝撃を受け流し、【世界打ち】は空を薙ぐ。受け流しはイリスにも負担が大きく、追撃の余裕がないほど手が震え、痺れの兆候が見える。
優夜は「初見だからこそ隙を突けたが、次は通らない」と悟り、手札の限界を意識する。イリスは「予想外すぎた」と優夜の正体を問い、次は自分が攻めると宣言する。
イリスの猛攻と、視認不能でも反応する身体
イリスの初撃を【全剣】で受けると、強烈な衝撃で優夜の腕は痺れる。イリスは受け流す暇を与えず怒濤の剣戟を繰り出す。優夜は【魔装】の強化でギリギリ防ぐが、攻撃速度は徐々に上がり、ついに動体視力でも追えなくなる。
それでも優夜の身体は反応し、防ぎ続ける。本人すら理由が分からず、体が「この次元の戦闘経験がある」かのような感覚に困惑する。イリスも「動きについてきていないのに反応している」矛盾に驚き、距離を取って分析に入る。
一刀閃の重撃と、優夜の“再現”反撃
イリスは踏み込みだけで地面をひび割れさせ闘技場を揺らし、威力重視の【一刀閃】を放つ。優夜はまともに受ければ終わると判断し、受け流しが必須だと理解する。しかし技術がないはずなのに、剣を受けた瞬間、体を回転させて衝撃を受け流しつつ接近する。
イリスは即座に剣を引き戻して防御し、優夜を押し飛ばす。それでもイリスは「弟子ではなく聖クラス以上」と評し、優夜は自分でも驚くほど綺麗に「イリスの受け流し動作を再現し、反撃に転じた」ことを自覚する。だが攻撃は通らず、優夜は勝ち筋に「邪の力」以外が見えない状況に追い込まれる。
クロの覚醒と、邪の影の再浮上
窮地で、眠っていたクロが目を覚まし、優夜が剣聖と戦っている理由を問う。優夜は成り行きとだけ説明するが、クロは「お前、どんどん本物の邪っぽい」と言い、さらに「拳聖を倒した時のお前は邪そのものだった」と断じる。優夜は当時を覚えていない。クロは「正気ではなく邪化していた」と言い、邪の力を使わなければ負ける可能性を示唆する。
イリスは優夜が誰と話しているのか訝しむが、詮索を切り上げ、「手札も尽きた」として終わらせに来る。気迫は増し、何らかの方法で強化した気配がある。クロは状況を面白がり、優夜は「死にたくない」と焦る。
天聖斬の宣告と、黒い襲撃の介入
イリスは「正真正銘、本気の一撃」で仕留めると宣言し、【天聖斬】で一瞬移動同然の踏み込みを見せ、剣を振り下ろそうとする。だが【魔装】で強化された優夜の目が、イリス背後から迫る“黒いナニカ”を捉える。クロも察知し回避を叫ぶ。
イリスは認識していない。優夜は回避不能級の状況で、イリスの腕を引いて抱き寄せ、そのまま一緒に倒れ込む。直後、二人がいた地点を黒いナニカが貫き、危機は回避される。突然の場外攻撃に観客がざわつく。
襲撃者の正体:邪と二人の堕聖
上空から「避けられちゃったか」「今ので死んだら面白くない」という軽薄で残酷な声が響く。イリスはその姿を見て目を見開き、反応として“死神”の名を口にする。優夜も見上げると、そこには一人の少年と、長槍を背負った半裸の男性、草刈り鎌を二本差した忍者風の男が悠然と佇んでいた。少年が「邪」、残り二人が「堕聖」である状況が明確になる。
第六章 襲撃
堕聖の宣言と“死神”の正体
イリスは上空の二人を「槍聖」「鎌聖」と呼ぶが、当人たちは称号を捨てたと否定し、自らを「堕聖」と名乗った。さらに少年は「邪」に降ったことで新たな力を得た存在だと嘲笑し、蹂躙の開始を宣言する。漆黒の靄が噴出し、破壊音とともに大量の「邪獣」が闘技場へ雪崩れ込み、観客を無差別に襲い始める。少年は「邪」の一人、“死神”クアロと名乗り、惨劇を愉悦として眺めた。
戦場の分断と優夜への死刑宣告
イリスはクアロへ神速の斬撃を放つが、黒い闇に阻まれる。優夜が救助に動こうとすると、堕聖の二人が立ち塞がり「ここで死んでもらう」と断言する。イリスは助けに入ろうとするが、クアロが前に出て選択肢を与えず足止めし、イリスとクアロの戦闘が始まる。優夜は「拳聖級を二人同時に相手にする」可能性を悟り、邪の力を使えば勝てても自分が邪に堕ちる危険を恐れる。
援軍の到着と避難の担保
矢が邪獣を貫き、ユティが殲滅に加わる。ナイトが邪獣を倒し、アカツキが負傷者を癒すことで、観客救助の流れが生まれる。堕聖側は子狼と豚の異常性に驚く。ナイトは一瞬優夜へ視線を寄越し、こちらは任せろという意思表示をする。優夜は頷き、前線に集中できる状況が整う。
ウサギ師匠の介入と標的の割り振り
ウサギ師匠が優夜の横に現れ、堕聖の正体を名指しする。「槍聖」ロヌス、「鎌聖」ジンであると断じ、彼らを「邪の奴隷」と嘲る。ロヌスは弱者淘汰の理屈で堕落を正当化し、邪に降って得た力で聖すら上回ったと豪語する。ウサギ師匠はナイトやユティらに状況を説明済みで、王側も対策中、護衛役はルナとユティで足りると判断し、優夜に「目の前の連中を倒すことだけに集中しろ」と命じる。
ロヌス戦開始:旋風穿の“受け流し”
優夜は【魔装】を再展開し、【絶槍】でロヌスと打ち合う。ロヌスは【旋風穿】を放ち、槍の周囲に旋風を巻き起こして地面を削りながら突進させる。優夜はイリス戦で掴んだ要領を応用し、槍だけでなく穂先にまとわりつく旋風まで綺麗に受け流す。ロヌスは「風すら受け流した」事実に驚き、怒濤の突きを連打するが、優夜は一つ一つ丁寧に捌く。
並行戦闘:ジンの邪化とウサギ師匠の対応
ロヌスが「聖でもない人間がなぜ技についてこれる」と憤ると、ウサギ師匠が「俺の弟子だ」と割り込む。ロヌスが動揺する隙を突き、ジンがウサギ師匠へ襲撃する。ジンは黒い靄を溢れさせ、草刈り鎌の強烈な一振りを放つが、ウサギ師匠は冷静に見極め、峰へ蹴りを叩き込み軌道を逸らす。ジンは二本目で追撃するが、ウサギ師匠は反動を利用して離脱する。優夜が視線を向けた瞬間、ウサギ師匠は「見てる暇があれば倒せ」と叱責し、優夜を戦闘へ戻す。
堕聖ロヌスの邪化と優夜の決意
ロヌスは優夜が槍主体で戦うことを侮辱と受け取り激昂し、「格の違いを見せる」と宣言して自らも黒い霧を溢れさせ、威圧を増幅する。クロは邪の力使用を促すが、優夜は「本物の邪が残っている以上、邪の力に頼る聖程度は邪に頼らず倒さねば先へ進めない」と拒む。クロはその覚悟を笑い、傍観を決める。
衝撃波による矢の無力化と、昇竜穿の急襲
優夜は距離を取り【無弓】で遠距離射撃に切り替えるが、ロヌスが気迫を放つと衝撃波が広がり、矢は全て弾かれる。直後ロヌスは瞬間移動級の速度で接近し、腹を抉るように槍を突き出す。【昇竜穿】が発動し、穂先から竜の幻影のようなものが顕れ、腹を食い破ろうとする。優夜は避けられず、【無弓】から【全剣】へ持ち替え、真っ向から叩き切る勢いで受け止めるが、凄まじい衝撃が全身を貫き押し負けを察する。
賢者の魔力回路の“熱”と水魔法の反撃
その極限の最中、優夜は体の内側が熱くなる感覚を掴む。それは賢者から引き継いだ魔力回路が存在を示すような熱であった。優夜は槍を受け止めながら魔法発動へ切り替え、魔法を使えるようになって最初に発動した【ウォーターボール】をロヌスへ放つ決断に至る。
反撃の蹴りと、ロヌスの万槍穿
優夜は【ウォーターボール】でロヌスの攻撃を止め、間合いを詰めて全力の蹴りを腹へ叩き込む。ロヌスは防げず大きく崩れ、滞空するほどの衝撃を受けた。だが空中で無理やり体勢を整え、優夜の追撃より先に【万槍穿】を放ち、怒濤の連続突きで押し潰しにかかる。優夜は防ぎきれないと絶望する。
“よく視ろ”の助言と極限集中
クロは「ここで死なれたらつまらない」と笑い、槍の軌道とロヌスの動き“全部”をよく視ろと促す。優夜は言葉通りに視線を固定すると、周囲の音と景色が遮断され、必要のない情報が消え、目の前の出来事だけが恐ろしく遅く視える状態へ入る。闘技大会を見ていた時に近いが、質が段違いの集中であった。
槍聖術の模倣:万槍穿の打ち抜き合い
極限集中のまま、優夜の身体は自然に動き、ロヌスと同じ【万槍穿】を放つ。優夜の【万槍穿】は、ロヌスの突きを一つ一つ的確に打ち抜き、相殺していく。ロヌスは「槍聖術が真似されるはずがない」と叫び、現実を否定しながら次の技へ移る。
星杭の陥没と、神穿ちの激突
ロヌスは【星杭】を振り下ろし、槍を地面へ突き立てて闘技場を揺らし、地面を陥没させる。優夜は横へ転がって回避し、冷静に【絶槍】で攻め立てる。追い詰められたロヌスは、巨大な竜巻級の旋風と超速度を併せ持つ【神穿ち】を放つ。優夜も同じ【神穿ち】で迎撃するが、優夜の一撃は荒々しい風を巻き起こさず、風や空間の変化すら“認識できない”速度と精度で刺突が通る。衝突の瞬間、ロヌスの槍は砕け散り、ロヌスは気絶して倒れる。
勝利の実感と、邪洞眼の正体
呆然とする優夜に、クロは「お前が倒した」と断言する。邪の暴走ではなく、【拳聖】戦で体が覚えた“邪の感覚”を、優夜が切っ掛けを掴んで引き出した結果だと説明する。邪の力は「すべてを呑み込む力」であり、有形無形を問わず技術や動きすら吸収する。優夜は無意識に暴走を抑える程度の制御を続けた結果、その一部を限定的に使えるようになり、それが“目”に現れているという。クロはその名を【邪洞眼】と告げ、今の優夜は動きや技を吸収できる状態だと断じる。
ウサギ師匠の決着:三神歩法
視線を戦場に戻すと、ウサギ師匠とジンの勝負も決しつつある。ジンは「邪の力を得た我らが敗れるはずがない」と叫び、草刈り鎌をクロスさせた斬撃を放つ。ウサギ師匠は【三神歩法】を発動し、掻き消えたように見える高速移動で接近する。
一歩目で超前傾の突進を行い、二歩目で前傾の勢いを利用した最小円の宙返りから、ジンの頭上へ踵落としを落として意識を奪う。三歩目は不要だと鼻で笑い、完勝する。
次の標的は“邪”クアロ
ウサギ師匠は優夜に「次は『邪』だ」と告げる。上空ではクアロが黒い霧を噴出し、それを無数の鋭利な刃に変えてイリスへ降らせていた。イリスは剣で必死に捌くが捌き切れず、明らかに劣勢である。ウサギ師匠はクアロへ突撃し、優夜も【無弓】で大量の矢を放って援護するが、クアロは「届かない」と嘲笑し、攻撃を無効化する。
遠距離攻撃の無効化と、クアロの“欠片”指摘
優夜の矢は、到達前にクアロの黒い霧で完全に阻まれる。クアロは優夜に「僕らの欠片が入っている」と言い、誰かが力を渡したなら事情を知っているはずだ、と不審を示す。優夜は答えず攻撃を継続するが、結果は変わらない。
ウサギ師匠の肉迫と、黒霧の“刃”
隙を突いてウサギ師匠がクアロへ肉迫し、空間が唸るほどの蹴りを放つ。だが「届くわけない」と嘲笑され、蹴りは黒い霧で受け止められる。周囲の黒い靄が刃へ変化してウサギ師匠を貫き、腹を裂かれる。ウサギ師匠は「近づくな」と警告し、近接は“邪の力の餌食”になると断じ、優夜には遠距離攻撃で隙を作る役を命じる。
押される二人と、クアロの決定打準備
遠距離攻撃はすべて防がれ、ウサギ師匠とイリスも被弾が増えて劣勢になる。クアロは退屈そうに「終わりにしよう」と宣言し、頭上に黒い靄を集めて巨大な黒球を形成する。クロは「あれが発動すれば街が消し飛ぶ」と評し、優夜の矢・槍投擲も悉く無効化される。
聖剣結界と聖なる蹴り・光線での迎撃
黒球が放たれると、イリスは剣を掲げて地面に突き立て、地面から光る剣群を発現させて迎撃する【聖剣結界】を展開する。ウサギ師匠も脚から同質の光を発し“聖なるキック”で追撃し、さらに耳を輝かせて“聖なるイヤースラム”の閃光を放つ。二人の“聖”の光が黒球を相殺し、消し飛ばすことに成功する。
疲労困憊と、二発目の絶望
ただし二人は一撃で疲労困憊となり、動けない。クアロは「もう一回いってみよう」と笑い、再び黒球を形成し始める。優夜は救援に駆け出すが、黒い靄が進路を塞ぎ、やむなく【全剣】で突っ込む。だが黒霧自体が傷つかず、逆に優夜へ襲いかかり、同時に疲弊した二人へも容赦なく向かうため、状況は崩壊寸前となる。
“聖”でなければ倒せないという壁と、突破口の条件
クロは「邪そのものを倒せるのは星に認められた【聖】だけ」とし、優夜単独ではクアロ本体を倒せないと告げる。代案として「【聖】の力が宿った武器」を挙げ、以前“札”が邪を祓った事例(神楽坂が使った札)を引き合いに出す。優夜はそれを手掛かりに、アイテムボックスから状況打破になり得る“似た効果の武器”を必死に捜索する。
発見と、次の局面の開始
クアロが「もう完成しちゃうよ」と煽る中、優夜はついに目的のアイテムを見つけ、「これだ」と叫ぶ。疲労したイリスもその声に反応し、優夜の行動が次の逆転手へ繋がる直前で場面が切れる。
天錫杖の発見と、“祓う”の実証
優夜が取り出したのは【天錫杖】である。黒い靄を殴ると、クアロの防壁だった黒霧が一瞬で霧散し、効果が「祓う」一点であることが証明される。優夜は自分を囲む靄だけでなく、ウサギ師匠とイリスを襲う黒霧も同様に打ち祓い、二人を戦線に戻す。
イリスの動揺と、ウサギ師匠の評価
イリスは返事もできないほど呆け、守られる経験が初めてだったと狼狽する。背後でウサギ師匠は、弟子の規格外ぶりをイリスに突き付ける形で状況を整理し、優夜は会話に構わずクアロへ意識を集中する。
“邪”の力の再解放と、クアロの困惑
クロが力を貸すと宣言し、優夜の体から黒い靄が溢れる。イリスは“邪の力”に即座に反応するが、ウサギ師匠は「正気で制御下」と断言し、元は「弓聖の弟子」に宿っていた欠片を優夜が引き受けた経緯を示唆する。クアロは「欠片のはずなのに、同質の力だ」と混乱し、優夜の正体を問い詰めるが、優夜は答えない。
役割分担の成立と、優夜の強襲
クアロは邪獣を召喚して優夜を潰しにかかるが、背後のイリスが邪獣を斬り落として援護を宣言する。優夜はクロから「長くは保たない」と釘を刺されつつも、邪の力+【魔装】を重ねて一歩踏み込み、瞬間的な加速でクアロへ肉薄する。天錫杖で脳天を叩き、さらに頭上の黒球を天錫杖で貫いてひび割れさせ、光と共に破裂させる。
クアロの逆上と、天錫杖による“祓い”の決定打
正体を問われ「知らない」と返した優夜に、クアロは激怒し、黒い靄を刃へ変えて殺到させる。優夜は天錫杖で打ち払いながら接近し、クアロが放った黒い閃光に対して、ウサギ師匠の歩法とロヌスの【神穿ち】の要領を重ね、天錫杖で【神穿ち】を放つ。錫杖頭が閃光を切り裂いてクアロを貫き、クアロの体と手から煙が上がり始める。掴んでも煙が出続け、抵抗不能のまま消滅が進む。
敗北宣言と、残された不穏な言葉
クアロは抵抗をやめ、呆気ない幕引きだと自嘲しつつ「僕たちは君のことを知った」と告げる。さらにウサギ師匠たちへ「僕らは、一つだ」と意味深に言い残し、「精々足掻いてね」と嘲笑して、体は完全に煙となって霧散する。
世界の廃棄場での統合
【世界の廃棄場】にて、青年の「邪」はクアロの死を受け、静かに呟いた。自らの手を見つめ、力の変化を確かめると、こういう形で統合されるのかと理解を示す。傍らの神経質そうな男の「邪」が今後を問うと、青年はクアロの死は残念だが収穫もあったと答える。それは単なる強化ではなく、「異分子」を見つけたことだと告げる。その瞳には、クアロを倒した優夜の姿がはっきりと映っていた。
邪獣の殲滅と戦場の終息
一方、優夜がクアロを倒した頃、召喚された「邪獣」はレガル国兵やナイトたちの手でほぼ殲滅されていた。ルナは死体を前に「邪」の眷属かと呟く。地球での戦いでは神楽坂の札により浄化され消滅したが、今回は死体が残っている。レクシアは護衛を誇らしげに称え、ルナは優夜が一国の危機を救ったと評する。
優夜の戦いが与えた衝撃
「剣聖」イリスと対等に戦う優夜の姿は、レガル国民や王オルギスに強い衝撃を与えていた。そこへ「邪」が襲来し会場は騒然となったが、事態は想像以上に早く収束する。ユティとナイトがほぼすべての邪獣を倒し、アカツキも負傷者を癒すなど活躍したためである。
オーマの傍観
戦いの最中も眠っていたオーマは、起きていたと明かしつつ、人間の事情には興味がなく手は貸さないと断言する。伝説の竜であるオーマの圧倒的な力を知るルナは、それ以上踏み込めなかった。
王族の不在と上空の視線
戦後、ルナはレガル国王族の姿が見えないことに気づく。闘技場外で指示を出しているのだろうと推測する中、オーマは上空を見上げ、「物見の魔法」が使われていると察知する。我には通じないが、優夜の存在がとうとう知られたと愉快そうに告げ、再び眠りにつく。
エピローグ
勇者召喚の決断
クアロ襲来の最中、オルギスは兵をロイルに任せ、ライラと共に城地下の召喚魔法陣へ向かった。「剣聖」イリスでさえ圧倒される現実を目の当たりにし、このままでは国が滅びると確信する。たとえ今回を凌いでも「邪」が尽きた保証はない。ゆえに異世界から勇者、あるいは聖女を招く決断を下した。
魔力の枯渇と召喚の成功
召喚の間では魔法使いたちが準備を整えていた。ライラが魔法陣に触れ魔力を注ぐと、当初は順調だったが、やがて魔法陣は逆に魔力を吸い上げ始める。凄まじい吸収に顔色を失い、倒れかける寸前で吸収は止まった。光が弾け、現れたのは巫女装束の少女――神楽坂舞であった。召喚は成功したのである。
戦後の尋問と感謝
一方、クアロ撃破後、優夜は「邪」の力を発動した経緯をイリスに問われる。ウサギ師匠の証言により事実と認められるが、非常識な経緯に呆れられる。とはいえ国を救った功績は事実であり、イリスは照れながらも感謝を口にした。
迫る脅威と修行強化
ウサギ師匠は「邪」の脅威と未知の謎を指摘し、修行の強度を上げると宣言する。優夜はのんびりを望みつつも状況を受け入れざるを得なかった。別れを惜しむイリスは、突如として優夜を弟子にすると宣言し、ウサギ師匠もそれを認める。こうして更なる特訓が決定する。
城から放たれた魔力
その矢先、イリスとウサギ師匠は城から放たれた強大な魔力を感知する。厳しい表情を浮かべる二人とは対照的に、優夜はそれが自らに関わる出来事だとはまだ気づいていなかった。
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する
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