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フィクション(Novel)異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する読書感想

小説【いせれべ】異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する11感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

いせれべ 10巻レビュー
いせれべ 全巻まとめ
いせれべ 12巻レビュー

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どんな本?

作家の名前で予備知識無しで買った記憶がある。

「小説家になろう」で「進化の実」を知ったのは作者さんは高校生だったからな・・
文章の書き方が凄く面白くて進化の実を読んでいたが、このタイトルは知らなかった。

この作品の作者さん、美紅さん。
私の印象ではストライクゾーンでは勝負しないタイプだと思ってる。

でもネタのキレは良いので食い付いてしまうw

そう感じている進化の実がアニメ化して、、、

そしてこの「#いせれべ」がアニメ化している。

進化の実の作画と比べると期待出来そう。
というより段違いじゃないか?

モフモフなナイトとアカツキ、ウサギさんが出て来るまで楽しみに待とう。
PVにはしっかり出ている。

シエルまでは行かないかな、、

KADOKAWAanime より共有
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ウサギ師匠!!!声が渋い!

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動くナイトがカワイイ!!

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アカツキもキュート!

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読んだ本のタイ

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する11 ~レベルアップは人生を変えた~
著者:美紅 氏
イラスト:桑島黎音  氏

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あらすじ・内容

過去世界をも無双した少年――次は『神々の戦争』を蹂躙する。

邪教団の謀略によって過去世界へと飛ばされ、そこで伝説の《賢者》と邂逅した天上優夜。別れ際、優夜が彼と交わした約束は……《賢者》の代わりに『神々の戦争』に参戦すること!?
現実世界では、王星学園の学園祭シーズンが到来! クラスメイトたちとの学園祭準備が多忙を極める中、優夜の身を狙うライバル校・日帝学園が、とある勝負を持ち掛けてきて……?
そして、異世界の仲間たちとともに、神々の住まう【天界】へと降り立った優夜。襲い来る“虚神”を討伐するべく、優夜たちは新能力【神威】を習得する試練に臨むことになり――。
その刻……優夜に隠されていた〔本当の力〕が解放される!!

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する11 ~レベルアップは人生を変えた~

感想

学園祭

王星学園では学園祭が開催される。

呼ばれる芸能人は、美羽と同じ事務所に所属している歌森奏。

あまり乗り気では無かったが、社長が勧誘に夢中になっている生徒(優夜)が居ると聞いて興味を持つ。

そんな注目されてる優夜を王星学園から引き抜こうとする学園が現れた。

日帝学園。

王星学園はどんな階級の生徒を受け入れるが、日帝学園はセレブ階級しか受け入れない学園だったが、、

最近は王星学園の方が上だと言われていた。

それを甘んじて受け入れる気のない日帝学園は、、

最近、王星学園の評判を上げているキーマンの優夜を引き抜いて日帝学園の躍進の機会にしようと動く。

結果、、

優夜を拉致して勧誘するが優夜は拒絶。

それならと、野球、サッカー等で勝負をして負けたら日帝学園に入れと勝負を仕掛けるが、、

優夜は全てを圧勝する。

それならと勉学と行きそうになった時に、佳織が現れて学園祭での動員数での勝負となってしまった。

優夜は王星学園が良いと言っているのに、、

それで、日帝学園は財力を駆使してCMをテレビで流してしまう。

それに比べて、王星学園は佳織が勝手に約束した事なので学園では特別な事はしなかった。

前評判では日帝学園が有利。

そんな学園祭当日では、優夜のクラスは執事&メイド喫茶をする事になる。

優夜の作った料理を振る舞い、美形の多いクラスメイトが執事、メイドのコスプレで接客する。

たまに優夜も出て接客をするのだが、、

その時にインフルエンサーの動画配信者を接客して客が殺到。

さらに個人有志でバンドを組んで優夜がボーカルをする事になる。

デビルベアーで獲得したドロップアイテム”炎のギター”を奏ながら、ヘル・フロッグのレアドロップアイテム”地獄のマイク”で強制的にボイストレーニングを行う事になってしまった優夜。

そんな訓練をした優夜が歌を披露したら、、

観客を魅了してしまう。

この後に出番を控えていたサプライズで招待された歌森奏が優夜の歌声に惹かれて出て来てしまう。

そしてコラボして会場は大盛り上がり、学園祭勝負は王星学園が勝利。

優夜の引き抜き問題も解決する。

虚神との戦い

賢者の変わりに観測者(神)と虚神との闘いに参戦する事になった優夜。

天界に招待される予定になっていたが、そこに剣聖イリス、蹴聖ウサギ師匠、魔聖オーディスも参戦すると言って来た。

そして迎えに来たラナエルに天界に送ってもらい上位存在”観測者”に虚神との戦闘の説明をされるのだが、、

そのうちの1柱のグェンが下位世界の弱い奴なぞ戦力にならないと言って来て。

それに同調する多くの観測者達。

それなら戦力を比べてみようとなり、聖3人vsグェンが模擬戦をする事となった。

結果は聖3人の惨敗。

こんななら優夜も怪しいとなり、グェンは優夜を推薦した賢者ゼノヴィスは下位世界で偉ぶってる勘違い野郎だと言う。

それを聞いた優夜が、、

賢者は凄いから訂正してくれと言うが、グェンは実力を示せと言う。

それならと優夜はグェンと模擬戦をするそれで木刀で「無為の一撃」を入れるとグェンは苦戦。

遂には負けを認める。

その後は、グェンが優夜達を認めて彼等の面倒を見るようになる。

負けてしまった聖の3人は神威と呼ばれる観測者の力を受け入れる試練を受ける。

ついでに優夜とナイト達も、、

すると優夜は昔の姿に戻り、彼の前に現在の姿の優夜が現れた。

本来の試練は自身と同等の力を持った者が現れたのに、優夜は圧倒的に不利な状態になってしまった。

完全に絶望的な状況になったが優夜の奥底から妖力が溢れ出て来て試練の優夜との戦闘で”無為の一撃”を入れて試練に打ち勝つ。

そうして神威を手に入れた優夜達だったが、、

突然、虚神が大侵攻して来た。

そして、賢者さんのロボを召喚して”無為の一撃”を入れて虚神を討伐。

賢者さんと優夜の関係という伏線を回収したからか、、

あれだけ引っ張っていた虚神の問題はアッサリと解決してしまう。

あ、、呆気ない。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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いせれべ 10巻レビュー
いせれべ 全巻まとめ
いせれべ 12巻レビュー

展開まとめ

プロローグ

芸能プロダクションでの依頼と優夜への関心

スタープロダクションの一室にて、人気アーティストである歌森奏は、王星学園の学園祭でライブを行う依頼を受けていた。学園祭の規模が大きいことや、事務所社長が強く関与していることから、奏はその背景に疑問を抱いた。やがて社長の狙いが、学園に通う一般人の天上優夜であると知らされ、彼の写真を目にした奏は、その圧倒的なオーラに驚愕した。美羽と並んでも見劣りしない存在でありながら無名であることに強い興味を抱き、依頼を受けることを決めた。

その後、美羽と再会した奏は、優夜について尋ねた。美羽は彼との関係を思い出して動揺しながらも、優夜が良い人物であると答えた。その反応から、奏はさらに興味を深め、直接会うことを楽しみにするようになった。

神山美麗による優夜確保計画

一方、日帝学園へ向かう神山美麗は、執事の白井から優夜の行動記録を受け取り、その生活が規則的であることを確認した。彼の能力が体育祭で大きな注目を集めたことを踏まえ、美麗は優夜を自校に引き入れるため、帰宅途中を狙って拉致し転入させる計画を立てた。そのために神山グループの特殊部隊を投入する決断を下し、優夜を確実に手に入れる意志を固めていた。

上位次元の戦いと仲間たちの決意

優夜が過去世界から呼び出された「邪」を討ち終えた後、ラナエルが現れ、元の時代へ戻したことを報告した。そこへイリスやウサギ師匠、オーディスらが駆けつけ、強大な「邪」の気配を察知して優夜の安否を確認した。ラナエルは、観測者と虚神の戦いが上位次元で続いており、その戦力として優夜を招く必要があると説明した。

この話を受け、イリスやユティ、オーマらは優夜に同行する意志を示した。上位次元での戦いの敗北が世界の危機に直結することから、彼らは「聖」として協力を決意した。一方で神楽坂は自らの力不足を理由に同行を辞退し、残された世界で邪獣の対処に尽力することを選んだ。ラナエルは全員の同行可否を観測者に確認するため、一度上位世界へ戻ることとなった。

その後、イリスたちは来る戦いに備えて修行を開始し、優夜は神楽坂を送るためレガル国へ向かうこととなった。

レクシアの行動と新たな動き

同時期、アルセリア王国ではレクシアが優夜に会えないことを嘆いていた。王女としての責務に縛られる中、ルミナス皇国のオーレリア学園への進学が控えていたが、優夜と離れることに強い不満を抱いていた。

やがてレクシアは発想を転換し、地球の学園へ留学して優夜と同じ学校に通う案を思いついた。他世界の知識を得ることが国益に繋がるという理屈を立て、国王を説得する決意を固める。こうしてレクシアもまた、優夜の知らぬところで新たな行動を開始した。

第一章 学園祭準備

学園祭の時期とクラスの予算確定

優夜はラナエルと別れた後、神楽坂をレガル国や地球へ送り届けながら平穏な日々を過ごしていた。その一方で、虚神との戦いに備えてナイトたちと異世界での修行も続けていた。そうした日常の中でホームルームが始まり、沢田先生から次の行事が学園祭であると告げられた。体育祭までの行事で獲得したポイントが学園祭の予算に反映される仕組みの中、優夜たちのクラスには十分な予算が確保されており、クラス全体が大いに沸き立っていた。

出し物候補の整理と王星学園の規模の大きさ

学級委員の影野統が中心となって出し物の案を募ると、優夜はメルルに学園祭の説明をしながら話し合いに加わった。その中で、王星学園では予算次第で校庭に小屋を建てたり、豪華な舞台装置を整えたりできるほど学園祭の規模が大きいことが明らかになった。前の学校では学園祭にまともに参加できなかった優夜にとって、今回初めて本格的に関われる学園祭は特別な意味を持つものとなっていた。

舞台案と晶の私欲

候補が整理された結果、喫茶店、お化け屋敷、舞台の三つが残った。最初に舞台案を提案した晶は、体育館という大きな施設と潤沢な予算を活かせば目立つ催しにできると説明した。しかし本音としては、自分が舞台で貴公子役を演じたいという願望が中心にあり、そのことを口にした途端、周囲から冷静に切り上げられてしまった。

雪音のお化け屋敷案と本物志向の危うさ

続いて雪音は、お化け屋敷なら専用の小屋を建てて一から本格的に作れると説明した。さらにオカルト研究部としての知識を活かし、心霊スポットのいわくつきの品や呪われたアイテムを持ち込む構想まで語ったため、楓は恐怖で真っ青になり、優夜やメルルも本物の幽霊を連想して青ざめた。影野は安全面を考慮し、実際には衣装や演出で驚かせる程度に留めるべきだと判断したが、雪音はそれでは物足りない様子を見せていた。

楓の喫茶店案と優夜の料理への期待

最後に楓は、普通の喫茶店ではなく執事とメイドの衣装をそろえた喫茶店を提案した。皆で同じ衣装を着て思い出を作りたいという発想に加え、校外学習で味わった優夜の料理がとても美味しかったため、それを他の生徒にも食べてもらいたいという考えがあった。凜や晶、亮たちも優夜の料理を高く評価しており、優夜は予想外の形で料理役として期待を集めた。最終的な多数決の結果、クラスの出し物は執事&メイド喫茶に決定した。

亮の提案による有志バンド結成

学園祭の出し物が決まった後、昼休みに亮が優夜と慎吾へ有志でバンドを組まないかと提案した。王星学園ではクラス単位だけでなく、生徒同士のグループや部活動単位でも出し物ができ、慎吾のゲーム部も本や自作ゲームを販売していることが語られた。亮自身も楽器経験はなかったが、こういう機会だからこそ挑戦してみるのが大事だと考えていた。優夜と慎吾もその言葉に背中を押され、失敗を恐れつつもやってみたいという気持ちを抱き、三人でバンドを組むことを決めた。

音楽経験の乏しさと優夜の不安

バンド参加を決めた優夜は、体が鈍らないよう大魔境を探索しながら、楽器も歌も未経験に近い自分に務まるのかを不安に思っていた。どんな曲を演奏するかも決まっておらず、自分が音痴かどうかすら分からない状態だったため、やるからにはしっかり練習しなければならないと気を引き締めていた。

油断によるデビルベアーとの遭遇

そんな中、優夜は歌のことを考えながら熊の歌を口ずさんでいたが、その最中に本物のデビルベアーと遭遇した。完全に考え事に没頭していたため接近に気づかず、ナイトに吠えられてようやく危機を認識した。優夜はすぐに全剣を構え、賢者の教えを思い出しながら冷静に一刀両断して撃破したが、自分が強くなったと油断していたことを痛感し、気の緩みを深く反省した。

炎のギターの存在と再びの警戒

デビルベアー撃破後、優夜は以前同じ魔物から炎のギターを入手していたことを思い出し、学園祭で使える可能性を考えた。異世界のアイテムであるため地球の機材と接続できるかは不明だったが、これまでのドロップ品の性質を考えれば不可能ではないとも感じていた。優夜は頬を叩いて気を引き締め直し、ナイトの警戒心を見習いながら探索を続けることにした。

新たな魔物ヘル・フロッグとの遭遇

その後、優夜はこれまで大魔境で感じたことのない気配を察知し、ナイトと同化しながら慎重に近づいた。そこで見つけたのは、軽自動車ほどの大きさを持つ青緑色の巨大なカエル、ヘル・フロッグであった。鑑別の結果、高い能力値を持つ未知の魔物であることが分かり、優夜はアヴィスの攻撃による大魔境の変化が影響している可能性を考えた。

ヘル・フロッグの特殊能力と圧倒的な捕食

ヘル・フロッグは、襲いかかるゴブリン・エリートの群れを相手に戦っていた。混乱を引き起こす声と、魅了するような美しい声を同時に発し、相手の戦意と判断力を奪っていた。さらに、その特殊能力で無防備になったゴブリンたちを長い舌で一瞬にして絡め取り、次々と飲み込んでいった。優夜はその能力の厄介さと戦闘力の高さに驚愕しつつも、食後で動きが鈍っている今なら倒せると判断した。

絶槍による討伐と新たなドロップ品

優夜はナイトと連携し、自身が絶槍を投擲して仕留め、万一の際はナイトが追撃する算段を整えた。そして放った槍はヘル・フロッグの胴体を正確に貫き、そのまま討伐に成功した。回収したドロップ品には、防具素材となる地獄蛙の皮や地獄蛙の舌、Sランクの魔石に加え、地獄のマイクという異質なレアアイテムが含まれていた。

地獄のマイクによる強制レッスン

地獄のマイクは、理想の歌声に導く代わりに地獄のような過程を課すという説明が付いていた。優夜が試しに手にすると、マイクから音声が流れ、音階に合わせて発声するレッスンが突然始まった。音程を外した瞬間、全身に電撃が走り、さらに中断しようとしても許されず、手からも離れなかった。心配したナイトや様子を見に来たオーマの前で、優夜は歌うたびに電撃を浴び続けることになり、強制的な特訓に巻き込まれていった。

執事役への強制参加

学園祭が近づくにつれて、授業の多くは準備に充てられるようになり、優夜たちのクラスでも執事&メイド喫茶の準備が本格化していた。料理のメニューだけでなく衣装も必要となり、潤沢な予算によって本格的な執事服とメイド服が用意されることになった。優夜は料理担当の裏方に回るつもりでいたが、楓と凜に呼ばれて衣装のサイズを測られることになり、クラス全員から執事役を期待されていると知らされた。料理も執事も両方担当することになった優夜は戸惑いながらも、その役割を受け入れた。

執事服の試着と影野の存在感

準備が進み、ついに執事服とメイド服が届くと、フロア担当の男子たちは更衣室で試着を行った。亮と晶も執事服に袖を通し、それぞれに高揚していたが、その中でも特に目を引いたのは影野だった。整えられた髪と眼鏡、落ち着いた雰囲気が執事服と非常によく合っており、優夜たちはその完成度の高さに驚かされた。影野自身は少し照れながらも、自分にもようやく活躍できる場が来たのかもしれないと漏らしていた。

料理試作の成功と喫茶店の本格化

衣装の確認を終えた後、優夜たちは料理の試作に移った。今回の喫茶店では、パンケーキやショートケーキなどのデザートだけでなく、オムライスやサンドイッチといった軽食も提供することになっていた。調理室を借りることができたため、本格的な調理が可能となっており、優夜が作った試食はクラスメイトたちから非常に高く評価された。オムライスの完成度や全体の味の良さに皆が驚き、アフタヌーンティーやドリンク類まで含めて、出し物の域を超えた本格的な喫茶店へと仕上がっていった。

女子更衣室での衣装合わせ騒動

一方その頃、女子たちもメイド服の試着を行っていた。衣装の質の高さに感心しながら、男子たちの執事姿の話題で盛り上がる中、楓はメイド服の胸元が少しきついことに気づいた。凜が確認すると、楓の体つきがさらに成長していることが判明し、その場は一気に騒がしくなった。そこへ佳織がやって来て、メイド服姿の女子たちを見て驚くとともに、自身や雪音と比べて楓の抜群の体型に複雑な反応を見せた。こうして女子たちは賑やかな空気のまま衣装合わせを終えた。

異世界で進む聖たちの修行方針の転換

優夜が学園祭の準備を進めている頃、異世界ではウサギ、イリス、オーディスの三人が虚神との戦いに備えて修行を続けていた。互いに戦い合う中で、ウサギは今までの修行だけでは足りないと考えるようになっていた。優夜がすでに強大な邪を倒していることを踏まえれば、自分たちも完成体の邪と渡り合える実力を身につけなければならないと判断したのである。そこでウサギは、それぞれが極めてきた技術を教え合い、他者の強みを吸収する修行へと方針を変えることを提案した。三人は時間がないことを理解し、その新たな修行法に踏み出していった。

バンド練習の進展と優夜の成長

その後、優夜は学園祭に向けたバンド練習も重ねていた。演奏曲は初心者でも扱いやすい三曲に絞られ、優夜は異世界で手に入れた炎のギターを地球のアンプに繋いで使用できることが分かったため、ギターを担当することになった。亮はベース、慎吾はキーボード、そして不足していたドラムには晶が加わった。全員初心者ではあったが、晶の上達は早く、全体として演奏は次第に形になっていった。

さらに、優夜はボーカルも任されることになっていた。歌の経験はほとんどなかったが、ヘル・フロッグから得た地獄のマイクで過酷なレッスンを積み重ねたことで、少なくとも音程は取れるようになっていた。自信はなかったものの、皆の足を引っ張らないよう全力を尽くす決意を固めていた。

美羽との遭遇と学園祭への示唆

練習を終えて亮と慎吾と帰宅していた優夜は、途中で偶然美羽と遭遇した。亮と慎吾は人気モデル本人を前にしてひどく緊張していたが、優夜はこれまでの交流があったため、事情を説明することができた。背負っていたギターに気づいた美羽に、優夜は学園祭でバンドを組み、しかも自分がボーカルも務めることを話した。すると美羽は、奏も優夜の学校でライブをする予定であることを思い出し、何か考え込む様子を見せた後、準備を頑張ってほしいと告げて去っていった。三人はその強い存在感に圧倒されながらも、改めて学園祭当日への期待を高めた。

黒服集団による優夜の拉致

しかしその直後、優夜たちの前に黒塗りの車が次々と現れ、多数の黒服の男たちが降り立った。彼らは優夜の名を確認すると、無線でターゲット確認を報告し、そのまま優夜を拘束して車へ押し込んだ。優夜は抵抗する間もなく連れ去られ、亮と慎吾は突然の出来事に呆然とした。二人が警察や学校に連絡しようと混乱しているところへ、佳織が現れ、事態はさらに緊迫したものとなった。

天界での協議と仲間たちの招集決定

一方、別の上位次元にある天界へ戻ったラナエルは、観測者たちに優夜だけでなくイリスたちも戦力として加えたいと報告していた。しかし観測者たちの多くは下位世界の者たちに否定的であり、追加の招集にも反発を示していた。そんな中、一人の観測者が議論を静め、ラナエルにイリスたちの実力を問いただした。ラナエルは、神威を用いない戦いであれば使徒たちより強いと正直に答えた。その報告を受けた観測者は、実際に会って見極めるべきだと判断し、優夜だけでなくイリスたちも天界へ連れてくるよう命じた。こうして、上位次元での戦いに向けて、優夜の仲間たちも呼ばれることが正式に決定した。

第二章 日帝学園

神山美麗による転入勧誘

突然黒服たちに攫われた優夜は、車内でようやく異常事態を理解し、脱出を考えた。しかしそこで声をかけてきたのは、日帝学園の生徒会長を名乗る神山美麗であった。神山は、王星学園と日帝学園がライバル関係にあり、優夜の存在が王星学園の優位をさらに強めたと説明したうえで、日帝学園へ転入しないかと単刀直入に勧誘した。優夜は評価自体には驚きつつも、佳織に導かれて入った王星学園での生活を大切に思っていたため、転校の意思はないと明確に断った。

日帝学園の圧倒的な環境

神山は優夜が即答で承諾しないことを見越しており、そのまま日帝学園へ案内した。到着した日帝学園は、王星学園を超える規模と豪華さを誇っていた。巨大な門と広大な敷地、テーマパークのような駐車場、花壇や噴水に加え、馬や馬車で移動する生徒たち、執事やメイドを従えて優雅に過ごす生徒たちの姿まであった。神山は、敷地があまりに広いため馬や馬車が支給されていると説明した。優夜はその徹底した豪奢さに圧倒されたが、それでも王星学園を離れたいとは思わなかった。

転校拒否と神山の対抗心

すべての施設を見終えた後、生徒会室で神山は改めて転入を勧めた。転校費用も学費も寮費も学園側が負担すると条件まで提示したが、優夜の意思は変わらなかった。すると神山は、王星学園をそこまで高く評価するなら、自校の生徒たちよりも優れているはずだと話をすり替え、優夜に勝負を持ちかけた。王星学園の環境が本当に優れているなら、その環境で育った優夜は日帝学園の生徒にも勝てるはずだという理屈で、放課後の運動部との対決を強引に進めていった。

野球部との対決と規格外の一打

最初に連れて行かれたのは野球部であった。勝負は、三球のうち一球でもヒットを打てれば優夜の勝利という内容だった。優夜は帰りたいと訴えたものの受け入れられず、バッターボックスに立たされた。だが投げられた球を見た瞬間、これまでの戦いの経験によって回転や軌道を見切り、完璧なタイミングでバットを振り抜いた。その結果、打球は空の彼方に消えるほどの勢いで飛んでいき、野球部を沈黙させた。

サッカー部との対決と経験の応用

続いて神山は優夜をサッカー場へ連れていき、今度はPK対決を行わせた。優夜は攻撃でも守備でも、相手の視線や体の動きから狙いを読み取り、さらに弱点看破の力も使って苦手なポイントを突いた。蹴ったボールは相手キーパーの予測を外れて理想的な軌道を描き、守る側に回れば相手のシュートコースを正確に読み切って防いだ。こうして優夜はサッカー部にも完勝し、その後も神山に引き回されながら様々な運動部と勝負した末、すべてに勝利した。

佳織の到着と勉学勝負への移行

運動部との勝負が終わると、神山は今度は学生の本分である勉学で勝負すべきだと主張し始めた。優夜は、身体能力と違って学力勝負ではどうにもならないと動揺したが、その場に佳織が現れた。佳織は王星学園の生徒会役員であり学園長の娘として、亮たちからの連絡を受けて優夜を迎えに来たのだった。優夜本人も王星学園に残りたいと明言し、佳織はその意思を確認したうえで、優夜を引き取ると毅然と告げた。

学園祭対決の成立

だが神山はなおも諦めず、王星学園は優夜の才能を十分に活かしきれていないのではないかと主張した。そして近々行われる学園祭の日程が両校で同じであることを利用し、来場者数で優劣を決める学園祭対決を提案した。もし王星学園が勝てば優夜への勧誘は諦めるが、日帝学園が勝てば優夜を引き渡すという一方的な条件であった。優夜は驚いたが、佳織はその勝負を受け入れた。こうして、優夜を巡る争いは学園祭対決という形で決着をつけることになった。

帰路で明かされた佳織の本音

帰り道、佳織の車で送ってもらうことになった優夜は、なぜあの勝負を受けたのかを尋ねた。佳織は、神山の言葉にも一理あると感じていたことを明かした。優夜は自分で思っている以上にすごい存在であり、その才能を王星学園で十分に活かしきれていないのではないかと不安に思っていたのである。しかし優夜は、自分は皆が思うような大層な人間ではなく、佳織に誘われて入った王星学園で皆と楽しく過ごせていることこそが何より大切なのだと率直に伝えた。その言葉に佳織は救われ、改めて優夜を王星学園に迎えたことを喜んだ。二人は互いに感謝を伝え合いながら、勝負の結果よりも、皆と楽しく学園祭を過ごしたいという思いを共有した。

第三章 学園祭

レクシアの異世界留学願望

地球で優夜たちが学園祭準備を進めていた頃、レクシアは父である国王アーノルドに対し、自分とルナを優夜の暮らす世界へ行かせてほしいと強引に願い出ていた。突然の申し出にアーノルドは困惑したが、ルナが事情を補足し、レクシアが王女として通う予定のオーレリア学園ではなく、より有意義な留学先を望んでいると説明した。さらにレクシアは、優夜が異世界の人間であり、その世界とこちらを自由に行き来できること、自身とルナもすでに一度その異世界へ行ったことがあると明かし、アーノルドを驚愕させた。

異世界の価値と国王の判断

レクシアは、優夜の世界には魔法も魔物も存在せず、それでも独自の技術で生活が成り立っていることを説明し、その知識を持ち帰れば国にとって大きな利益になると訴えた。アーノルドも、異世界の技術や情報には大きな価値があると理解し始めた。一方で、レクシアは異世界の菓子であるクレープへの強い執着や、優夜に会いたいという私情も隠さなかった。最終的にアーノルドは、まず優夜本人に確認し、安全が確かめられれば留学を許可すると決めた。許可を得たレクシアはすぐにでも優夜を呼びに行こうとしたが、危険を考えるアーノルドと押し問答になり、その様子をルナが呆れて見守ることになった。

日帝学園の宣伝攻勢と学園祭対決の拡大

一方地球では、神山が学園祭対決に勝つため、日帝学園の学園祭を大々的に宣伝していた。テレビCMまで使った広告展開により、日帝学園の学園祭は世間で大きな話題となり、同日に行われる王星学園との対決も噂として広まっていった。一般人だけでなく、ワイドショーや人気動画配信者までもがこの対決を取り上げ始め、学園祭そのものが異例のイベントとして注目されるようになった。王星学園でライブを行う予定の奏もその噂を知り、事態の大きさに驚きつつも、変わらず本番に向けて準備を続けていた。

学園祭当日の開幕と喫茶店の始動

数日後、優夜は地獄のマイクを使ったボーカル練習を積み重ねたうえで、ついに学園祭当日を迎えた。日帝学園の宣伝の影響もあって、王星学園にも非常に多くの来場者が押し寄せ、テレビ局や配信者まで姿を見せていた。開店準備を終えた優夜が外の様子に圧倒されていると、メイド服姿の楓が声をかけてきた。優夜は初めて女子たちのメイド服姿を目にし、その似合いぶりに思わず見惚れた。楓も優夜の執事服姿を褒め、優夜が後で亮たちとステージに立つことを聞いて、見に行くと約束した。そこへ沢田先生が現れ、売上が来年の予算や自分のボーナスにも関わると軽口を叩きつつ激励し、影野の掛け声のもとで学園祭が正式に始まった。

神山の視察と優夜のクラスの繁盛

学園祭開始後しばらくして、神山は王星学園の様子を直接確かめるため佳織の案内で視察に訪れた。大きな宣伝をしていなかったにもかかわらず、王星学園にも多くの人が集まっていることに神山は驚いた。中でも特に長い列ができていたのが優夜のクラスの執事&メイド喫茶であった。中では楓、凜、雪音、亮、慎吾たちがそれぞれの個性を活かして接客し、多くの客を引きつけていた。そして何より目を奪ったのは、執事姿の優夜であった。優夜は完璧な所作で接客をこなし、その一挙手一投足だけで豪華な設備にも匹敵する魅力を生み出していた。神山は、予算では圧倒しているはずの日帝学園に対し、優夜一人がそれに迫る価値を見せていることに衝撃を受けた。

配信による来場者急増

そんな中、学園祭対決を話題にしていた人気動画配信者が、優夜のクラスを生配信で訪れた。最初に出迎えた楓の可愛らしさや、店内のメイドと執事たちの高い完成度に配信は大いに盛り上がった。さらに優夜がふわとろオムライスを運んでくると、視聴者はその容姿と所作に驚き、コメント欄はさらに加熱した。配信者がメイド喫茶の定番としてオムライスへの絵描きを求めると、優夜は初めてながらケチャップでナイトを模した可愛らしい犬の絵を描き、そのギャップでも視聴者を沸かせた。加えて料理の味も高く評価され、配信者が店をしっかり宣伝したことで、優夜のクラスの客足はさらに倍増した。その影響で日帝学園から王星学園へ人が流れ始め、来場者数で有利だったはずの神山は慌てて自校へ戻ることになった。

佳織との会話と学園祭への実感

シフトを終えた優夜は、更衣室へ向かう途中で佳織と出会った。佳織に学園祭を楽しめているかと問われた優夜は、心から楽しいと答えた。前の学校ではまともに参加すらできなかった学園祭を、今はクラスの皆と協力して本番まで迎えられていることが、優夜にとって何より嬉しかったのである。佳織もその言葉に喜び、神山が先ほどまで来ており、優夜のクラスの盛り上がりを見て慌てて帰っていったことを伝えた。さらに佳織は、執事姿の優夜が格好よかったと率直に告げ、優夜を照れさせた。

美羽の来訪と応援

その直後、帽子とサングラスで変装した人物が近づいてきた。優夜が声で気づいて尋ねると、その正体は美羽であった。美羽は、優夜が学園祭でバンドを組むと聞いてぜひ見に来たいと思い、さらに学園祭自体も話題になっていたため早めに訪れていたのだった。佳織もその来訪に驚きつつ歓迎し、美羽は学園祭の盛況ぶりを褒めたうえで、優夜の執事姿もよく似合っていると伝えた。優夜はそれを嬉しく受け止めつつも、ステージの時間が迫っていたため、応援を受けて慌てて更衣室へ向かった。

バンド本番と優夜の手応え

ステージ裏で準備を進める中、優夜と慎吾は本番への緊張を隠せなかったが、亮は楽しもうと励まし、晶はいつも通り自信満々に構えていた。やがて緞帳が上がり、優夜は炎のギターをかき鳴らしてライブを開始した。晶のドラム、亮のベース、慎吾のキーボードも加わり、演奏が始まると観客はすぐに歓声を上げた。体育館の外からも次々と人が集まり、優夜の歌声やバンドの演奏は高く評価された。優夜はこれまで炎のギターの練習だけでなく、地獄のマイクによる厳しい特訓も重ねてきた。その成果によって、緊張しながらも次第に楽しんで歌えるようになり、佳織や美羽の姿を客席に見つけて安心しながら二曲を成功させた。

奏の乱入と共演

最後の曲に入ろうとした瞬間、会場がざわめき始めた。優夜が隣を見ると、そこにはアコースティックギターを抱えた見知らぬ女性が立っていた。その女性こそ、今回の学園祭に招かれていた人気アーティストの歌森奏であった。亮たちがすぐにその正体に気づいて叫ぶ中、優夜も最後に演奏する予定だった曲の原曲歌手が奏であることを思い出した。奏は、自分の曲ならちょうどいいと笑い、そのまま一緒に演奏しようと提案した。驚きながらも優夜たちはその流れに応じ、奏とともに最後の曲を演奏することになった。

共演の成功と最高の締めくくり

奏の歌唱力と演奏力はさすがに本物であり、優夜はその実力に圧倒されながらも、自分なりに精一杯歌い切った。観客は演奏後しばし静まり返ったのち、盛大な歓声と拍手を送った。奏は乱入を謝りつつも、優夜たちの演奏が素敵だったから思わず出てきてしまったのだと語った。そして、優夜が本当にすごいと感じたこと、美羽と同じ事務所に所属していること、社長からも話を聞いていたことを明かしたうえで、また機会があれば一緒に演奏しようと笑顔で告げた。優夜たちはその言葉に感激し、握手を交わした後は、今度は観客として奏の本格的なステージを楽しむことになった。

第四章 天界

ラナエルの迎えと優夜の変化

学園祭から数日後、優夜はラナエルがいつ迎えに来てもいいように、異世界でナイトたちと修行を続けていた。すると、優夜は無意識のうちに近づいてくるイリスたちの気配を察知した。ユティに驚かれた優夜は、自分でもなぜ分かったのか戸惑ったが、オーマはそれをスキルに頼らずとも気配を読める境地に達した証だと説明した。優夜は、自分が知らぬ間に新たな領域へ踏み込んでいたことを実感するのだった。

天界への招待

そこへイリス、ウサギ師匠、オーディスが現れ、さらに上空からラナエルも到着した。ラナエルは、優夜たちを上の次元の世界である天界へ迎える許可が下りたことを伝えた。移動方法を問われたラナエルが指を鳴らすと、優夜たちは一瞬で異なる空間へ移されていた。そこは雲の上のような不思議な場所で、夜明けのような薄暗さと星の瞬きに満ちた幻想的な空間であった。オーディスは魔力の流れを感じ取れず驚いたが、ラナエルはそれが観測者の神威による移動だと説明した。

観測者との邂逅

やがて優夜たちの前に、トーガをまとった神々しい男女が現れた。その中心にいた女性が、自らを観測者の一人デアと名乗り、優夜たちを天界へ歓迎した。彼女たちはラナエルを使徒として従える存在であり、その気配は優夜たちにとって明らかに常識を超えたものだった。こうして優夜たちは、ついに観測者たちと直接対面することとなった。

虚神の脅威と世界の存亡

デアの案内で別の場所へ移動した優夜たちは、大きな円卓の席につき、観測者と虚神の戦況について説明を受けた。使徒たちは虚神の尖兵と戦い続けているが、敵の数があまりに多く徐々に押されており、肝心の虚神本体は観測者たちですら継続的に観測することができない存在だと明かされた。しかし尖兵が存在する以上、その元となる虚神本体も確実に存在しているという。さらに、もし観測者側が敗北すれば、天界だけでなく優夜たちの暮らす世界も無に帰すと告げられ、戦いが単なる別世界の問題ではなく、すべての世界に関わる危機であることが示された。

観測者との対立

その説明を受けて優夜たちは協力の意思を示したが、観測者の一人グェンが強く反発した。グェンは下位世界の者たちなど戦力にならないと露骨に見下し、イリスたちも激しく反発した。場は険悪な空気に包まれたが、デアは互いの力を知るためにも実力を確かめる必要があると判断し、グェンと優夜たちの手合わせを認めた。優夜は争いを避けたかったが、もはや流れを止められず、観測者との力比べが始まることになった。

グェンと聖たちの戦い

闘技場のような場に移動すると、グェンは最初からイリス、ウサギ師匠、オーディスの三人同時を相手にすると宣言した。その言葉に三人は怒りを露わにし、まずは連携攻撃を仕掛けた。ウサギ師匠の三神歩法による急接近、イリスの天聖斬、オーディスの滅魔が完璧なタイミングで襲いかかったが、グェンはそれらを軽々と回避した。それでも三人は冷静であり、ここで終わりではないと示した。

修行の成果と圧倒的な力の差

続いてイリスは魔装のような強化魔法を発動し、ウサギ師匠も同様に身体能力を強化した。さらに三人は互いの技を取り入れており、ウサギ師匠は剣士のような斬撃を放ち、オーディスは聖の力を込めた新たな魔法を放ち、イリスはウサギ師匠譲りの高速踏み込みを見せた。修行の成果を結集した総攻撃によって一瞬は勝機が見えたが、グェンはそのすべてを上回る実力を見せた。イリスの拳を片手で止めて投げ飛ばし、そのままオーディスまで巻き込み、さらに背後に回ってウサギ師匠を一撃で膝から崩れ落ちさせた。たった数瞬で三人を戦闘不能に追い込み、実力差を見せつけたのである。

賢者への侮辱と優夜の怒り

圧倒的な勝利を収めたグェンは、これで下位世界の者たちが役立たないことは明らかだと語り、さらに賢者までも臆病者であり卑怯者だと侮辱した。その言葉を聞いた瞬間、優夜は黙っていられず、一歩前へ出て訂正を求めた。ゼノヴィスは普通に生きることすら叶わぬほど強大な力を抱えながら、誰にも知られぬところで人類と世界のために戦い続けた存在であり、その生き方を卑怯や臆病と断じることだけは許せなかったのである。グェンが実力で認めさせてみろと告げると、優夜はその挑発を受け入れた。

木剣での対決開始

優夜はイリスたちをアカツキの聖域に任せ、グェンの前に立った。そしてアイテムボックスから取り出したのは、ゼノヴィスとの修行で使っていた何の変哲もない木剣だった。その姿を見たグェンは意図を問いただしたが、優夜は答えず、魔装、聖王威、聖邪開闢と可能な限りの身体強化を重ねて木剣を正眼に構えた。そして一気に踏み込み、ただ無心に木剣を振るった。

神威を斬る木剣

グェンは腕に神威をまとわせて木剣を受け止めようとしたが、デアが制止の声を上げるより早く、優夜の木剣は神威そのものを斬り裂き、そのまま腕にまで届いた。グェンは慌てて神威で距離を取ったが、優夜はその動揺を見逃さなかった。距離を取られた瞬間、優夜の脳裏にはゼノヴィスの言葉が浮かんだ。距離は斬れる。その理不尽な教えを思い出した優夜は、無造作に木剣を振るい、巨大な斬撃を放ったのである。

極限の集中と逆転

グェンは神威による斬撃や瞬間移動で応戦したが、優夜はそれらすべてを斬り飛ばしながら追い詰めていった。虚竜と戦った時と同じように、視界から色が消え、音が遠ざかる極限集中の状態へ入り、優夜はグェンだけに意識を絞った。神威による移動先さえ無意識に感じ取り、的確に剣を重ねていった末、ついにグェンの喉元へ木剣を突き付けた。そこで優夜は、これこそがグェンが侮辱した賢者の力であると静かに告げた。グェンは悔しさをにじませながらも敗北を認めた。

戦力としての承認

勝負が決した後、デアは優夜の実力を称賛し、観測者たちも優夜を戦力として認めた。さらに、イリスたちも未熟ではあるが見どころがあり、鍛えれば尖兵と戦える程度にはなれると評価された。こうして、優夜だけでなくイリスたちも含めて仲間として受け入れられることになった。

神威習得の条件

しかしデアは、現状のままでは虚神と戦うには力不足であると続けた。特に虚神に傷をつけるには、観測者だけが扱う虹色のオーラ、すなわち神威が絶対に必要だと説明した。神威は攻撃、防御、移動に使える万能の力であり、これを用いた攻撃でなければ虚神には通じないのだという。だがその力は本来観測者にしか扱えず、普通の修行では下位世界の者が習得できるものではなかった。優夜たちがその獲得方法を尋ねると、デアは平然と、人間を辞めてもらう必要があると告げたのだった。

レクシアたちの留学計画始動

優夜たちが天界で力試しをしていた頃、アルジェーナでは、国王アーノルドから許可を得たレクシアたちが、優夜の世界への留学計画を進めようとしていた。意気揚々と城内を歩くレクシアは、オーウェンを見つけるや否や、大魔境へ向かうよう命じた。あまりに突然の命令にオーウェンは困惑したが、レクシアは善は急げとばかりに準備を急がせ、ルナの呆れ混じりのため息を背に、大魔境へ向かう流れを強引に作っていった。

観測者の街の質素さと神威の万能性

一方、天界では、デアの人間を辞めるという発言の後、優夜たちは観測者たちの拠点へ案内された。本来なら神威で一瞬に移動できる距離であったが、優夜たちが天界を見て回れるようにと、あえて徒歩で移動することになった。観測者たちの街は、かまくらのような小さな白い家が点々と並ぶだけの、極めて簡素な景観だった。神々しい観測者たちに似つかわしい壮麗な都市を想像していた優夜たちは、その質素さに驚いた。

その疑問に対し、案内役のグェンは、観測者には欲しいものを自ら生み出せる神威があるため、物を蓄える必要がないのだと説明した。優夜が試しにテレビを挙げると、グェンは神威を使って目の前に巨大な薄型テレビを生み出してみせた。さらに観測者は、世界そのものや人間の祖先を生み出した存在であり、食欲や睡眠欲、繁殖欲といった基本的欲求も持たないと明かされた。その存在はまさに神そのものであり、オーディスは、自分たちが勝てるはずのない相手であったことを改めて実感した。

優夜の強さの理由と賢者の存在

そんな中、イリスたちは改めて、優夜がいつの間にグェンに勝てるほど強くなったのかを問いただした。ユティも、邪教団の襲撃で過去世界へ飛ばされて戻ってきてから、優夜が異常なほど強くなっていたと指摘した。そこで優夜は、過去世界で賢者ゼノヴィスと出会い、創世竜や虚竜との戦いを通して修行を受けた経緯を、これまで伏せていた部分も含めて説明した。

その内容はあまりにも常識外れであり、イリスたちだけでなく、観測者であるグェンまでもが大きな衝撃を受けた。優夜は、自分がグェンや虚竜に勝てたのはすべてゼノヴィスのおかげだと断言し、ゼノヴィスという存在は考えるだけ無駄だと思えるほど規格外だったと語った。グェンは、そんな存在がなおさら自分たちに力を貸すべきではないかと漏らしたが、優夜はそれでも自分たちができる限り頑張ると応じた。グェンは、他の者たちはともかく優夜の力を借りられるだけでも大きいと認め、それにイリスが反発するなど、相変わらず刺々しいやり取りも続いた。

人間を辞める意味と神威の限界

続いてオーディスは、デアが口にした人間を辞めるという言葉の真意を尋ねた。神威を得ることが、そのまま観測者のような存在になることなのかを確かめたかったのである。グェンはこれを否定し、たとえ試練を越えて神威を得たとしても、優夜たちはあくまで下位世界の存在であり、観測者のように何でも生み出す万能の力までは手に入らないと説明した。ただし、それでも虚神に傷をつけられるだけの神威を扱えるようにはなるという。優夜は、自分がすでに超越種という謎の種族になっていることを思い出しつつも、今回の修行でさらに本格的に人間を辞めることになるのかと複雑な思いを抱いた。

天界の家と法則の違い

やがて一行は、自分たちに与えられた白い家へと案内された。見た目は他の家々と同じく小さく簡素だったが、中に入ると広大な空間が広がっており、人数分の部屋まで用意されていた。優夜が鑑別を使って調べようとしても何も表示されず、グェンは、この世界では優夜たちの世界の法則がそのまま通用すると思うなと釘を刺した。ただし、自分自身に刻まれた法則に由来する力、たとえば聖邪開闢や魔装のような能力は使えると説明した。

さらにグェンは、明日、優夜たちに人間を辞めるための試練を受けてもらうと告げたうえで、天界ではどれだけ過ごしても老化せず、肉体への負荷も元の世界とは異なるため、現在の状態のまま成長し続けられると説明した。もし無事に虚神との戦いに勝てば、元の世界では天界へ来た時点へ戻してやるとも約束したため、優夜は虚神に勝っても地球に戻った時に長い年月が経っているのではないかという不安を解消した。

休息と風呂の提案

グェンが事務的に去った後、優夜たちは家の中で休息を取ることにした。空腹も感じず、睡眠が本当に必要なのか疑問に思う者もいたが、オーマは、寝たければ眠れるし、明日に備えて今は余計なことを考えず休むべきだと告げた。ナイトたちがその怠惰さに呆れつつも、優夜もその意見に同意した。

するとユティが、休息のために優夜の持つ風呂を使わせてほしいと提案した。イリスもそれに乗り気になり、結局、皆で寝る前に風呂へ入る流れとなった。こうして、戦いの緊張感に満ちていた天界での時間の中に、束の間の穏やかな時間が生まれた。

女湯での対話とユティの変化

まず女湯では、ユティとイリスが一緒に湯に浸かっていた。優夜の家で暮らすようになって以来、ユティは風呂を好むようになっており、天界でも落ち着いた様子を見せていた。そんなユティに対し、イリスは、ここに弓聖もいればもっとよかったのだろうと呟き、自分たちがユティの師匠が苦しんでいた時に何もできなかったことを謝ろうとした。

しかしユティはそれを制し、何を言っても師匠は戻らず、自分が世界を滅ぼそうとした過去も消えないと冷静に告げた。そのうえで、以前は師匠を見捨てた世界に復讐しようとしていたが、そんな自分を優夜が受け止めてくれたことで、この世界には憎むべき者たちだけではないと知ったと語った。師匠を裏切った者たちは今も許せないが、それでも前を向いているユティを見て、イリスは優しく微笑んだ。最後には互いの背中を流し合いながら、二人は親睦を深めていった。

男湯の気まずさと小さな親睦

その後に入浴した優夜たちの男湯では、打って変わって何とも言えない沈黙が流れていた。ウサギ師匠もオーディスも湯舟に浸かったまま黙り込んでおり、優夜はその空気に耐えきれず、二人の背中を流そうかと申し出た。ウサギ師匠は気を遣わなくていいと返したが、オーディスはそれを受け入れ、優夜もナイトたちを洗うついでに手伝うことになった。ぎこちなさは残りつつも、こうして少しずつ男同士の間にも親睦が生まれていった。風呂から上がった後、優夜たちはそれぞれ部屋を選び、翌日の試練に備えて体を休めるのだった。

第五章 己との戦い

試練の世界への突入

翌日、家の前まで迎えに来たグェンは、優夜たちが揃うとすぐに指を鳴らし、一行を試練の世界へ移動させた。そこは宇宙の中心に放り出されたかのような空間でありながら、神威に似た虹色のオーラがオーロラのように漂う、幻想的な場所であった。グェンは、この世界で試練を乗り越えることで神威を手にできると説明した。ただし一度試練を始めれば、成功するまで決して戻れず、この世界では老化も空腹も眠気も起こらないため、永遠に囚われ続けることになると告げた。それでも優夜たちは全員試練を受ける決意を固め、ナイトたちも参加の意思を示した。一方でオーマだけは必要ないとして参加を拒み、その場に残ることを選んだ。やがて巨大な黒い渦が現れ、優夜たちはその中へ吸い込まれていった。

弱い自分と強い自分の対峙

渦に飲み込まれた優夜が目を覚ますと、そこは空も地面もない真っ黒な空間であった。そして自分の姿は、血戦鬼の鎧をまとう現在のものではなく、王星学園へ編入する前の学校制服を着た、レベルアップ前の弱々しい体へ戻っていた。困惑する優夜の前に現れたのは、逆に血戦鬼の鎧をまとい、レベルアップ後の力を備えたもう一人の優夜であった。相手は、自分こそが本当のお前だと嘲笑しながら、試練の内容は自分を倒すことだと告げた。そして説明が終わると同時に絶槍で優夜の腹を貫き、一方的な蹂躙を始めた。

賢者の力に依存していた自分への断罪

この試練の空間では死ぬことができず、どれほど傷ついても即座に回復してしまうため、優夜は延々と痛みを味わい続けることになった。相手は、全剣や無弓、無限の籠手、世界打ちといったゼノヴィスの遺産を使って優夜を徹底的に甚振ったうえで、お前の力はすべて賢者からの貰い物に過ぎず、元の優夜には何一つ力などないと断じた。アイテムボックスすら発現しない状況の中、優夜は反論できなかった。異世界で生き延びられたことも、現実世界で虐げられなくなったことも、すべてゼノヴィスの遺産があったからだという事実を、優夜自身も否定できなかったからである。

大切なものを守りたいという執着

優夜が何も言い返せずにいると、相手はさらに、自分が本当の天上優夜となって現実世界へ出ていけば、世界を救うことも支配することもできると語り始めた。そして、優夜の代わりに自分が世界に出た後、お前の大切なものをぐちゃぐちゃにしてやると宣言した。ナイトたち家族も、学校の仲間たちも皆殺しにすると無邪気に笑うその言葉に、優夜は初めて強く反発した。自分がどうなろうと構わないが、大切な存在だけは守りたいという思いだけは譲れなかったのである。しかし無力な優夜は、もがいても何もできず、ただ相手に踏みつけられるしかなかった。

紫のオーラの覚醒

ついに相手は全剣を振り下ろし、優夜を完全に消し去ろうとした。その刃が首元に触れようとした瞬間、全剣は見えない何かに弾かれた。驚く相手を前に、優夜は自分の体から濃い紫色の禍々しいオーラが立ち上っていることに気づいた。それは魔力でも聖や邪の力でもなく、神威とも異なる未知の力であった。このオーラに包まれたことで、優夜の体は異様なほど軽くなっていた。相手は、何もかも賢者からの貰い物であるはずの優夜が、生まれつきのような力を持っていたことに動揺した。優夜自身も正体は分からなかったが、その力の使い方だけは自然に理解でき、無意識のうちに紫のオーラで剣を形作っていた。

不可能を斬る一撃

相手はなおも、神威を含むあらゆる力で強化された自分に優夜が勝てるはずがないと嘲笑い、絶槍を投げつけ、続けて全剣で斬りかかってきた。だが紫の力が両眼に宿った優夜には、その攻撃がゆっくりと見えた。優夜は絶槍の衝撃を流し、さらに迫る全剣に対し、脳裏に浮かんだゼノヴィスの教えを掴んだ。不可能なんて斬ればいい。その言葉に縋り、優夜は無為の一撃の極限集中へ入り、紫の剣で全剣そのものを斬り裂いた。そこで優夜は、身体能力やスキルは貰い物であっても、過去世界でゼノヴィスと共に木剣を振り続けた時間と技術だけは、自分自身のものだと悟った。その技術をもって、優夜は流れるように相手を脳天から一刀両断し、ついに試練を突破した。

グェンから見た異常な試練

一方その頃、外側から試練の様子を観測していたグェンは、優夜の試練が他の者たちとは明らかに異なっていることに気づいていた。他の者たちが自分と同じ強さの相手と戦っている中、優夜だけは極端に弱い本来の姿へ落とされ、逆に相手はグェンすら倒した後の優夜そのものになっていたのである。到底突破不能に思われたその試練の中で、優夜の魂から突如として謎の紫の力が噴き出した。それはグェンに強烈な嫌悪感を抱かせる、理解不能な力であったが、その力によって優夜は遥かに格上の自分を打ち破った。グェンは、下位世界の存在でありながらこれほど頼もしい者はいないと認識し、試練を終えた優夜たちの下へ向かった。

試練の終了と記憶の消失

意識を取り戻した優夜が目を開けると、そこは試練に入る前の場所であった。イリスが駆け寄って無事を確認し、ウサギ師匠は優夜が最後に戻ってきたと伝えた。最初に試練を突破していたのはアカツキであり、その後にイリス、ウサギ師匠、オーディス、ユティ、ナイトたちが続き、最後が優夜だったのである。しかし優夜は、自分が確かに試練を受けたはずなのに、その内容を思い出せないことに気づいた。イリスやユティたちも同様であり、全員が試練の中身を忘れていた。

魂の覚醒と虚神の襲来

そこへ現れたグェンは、試練の内容を覚えていないのは当然だと説明した。神威を得るには人間の枠を外れねばならず、そのためには魂の覚醒が必要だからである。しかしその説明の途中、グェンは突然ただならぬ様子を見せ、声を荒らげた。優夜たちが異変を訝しむ中、グェンはついに、奴がやって来たと告げる。そしてその正体が虚神であると明かされたことで、優夜たちは試練を終えた直後、そのまま虚神との実戦へ移ることになるのだった。

第六章虚神

虚神襲来後の壊滅した拠点

グェンが虚神の侵攻を察知すると、優夜たちはすぐに観測者たちの街へと戻された。しかし、そこはすでに壊滅状態に陥っていた。優夜たちが呆然とする中、ラナエルが不気味な化物と激しく交戦しており、優夜たちに気づくと相手を蹴り飛ばして合流した。その化物は、六本の鎌のような手足と、タコのような胴体に無数の瞳を備えた異形であり、グェンはそれを虚神の尖兵である虚兵だと説明した。

虚神本体との遭遇

ラナエルの報告によって、他の虚兵は使徒たちが、そして虚神本体はデアたち観測者が相手をしていることが明らかになった。そこへ遠方から凄まじい爆発音が響き、衝撃波が優夜たちを揺らしたため、グェンはただちに一行を虚神の戦場へと移動させた。そこで優夜たちが目にしたのは、観測者や使徒たちが次々に消滅していく地獄のような光景だった。戦場の中心には、顔もなく半透明の巨体を持つ虚神がそびえ立ち、その進行した場所すべてを虚無へと変えていた。優夜は、その存在が他の世界へ現れれば、簡単に世界そのものが滅ぶと悟った。

虚神の圧倒的な力

虚神に対してはデアたちが神威を放ちながら応戦していたが、虚神は顔のないまま咆哮し、そのたびに凄まじい衝撃波を放っていた。イリス、ウサギ師匠、オーディスは、手に入れたばかりの神威を込めてそれぞれ技を繰り出し、衝撃波を相殺しようとしたものの、完全には押し返せなかった。それでも三人の技によって衝撃波は弱まり、優夜たちは何とか踏みとどまることができた。だが、あまりにも巨大な虚神を前に、どうやって倒せばよいのか誰にも見当がつかなかった。

オーマによる虚神の弱点発見

そこへ巨大化したオーマが現れ、神威を織り交ぜた強烈なブレスを放って虚兵をまとめて吹き飛ばした。しかし虚神本体には目立った損傷を与えられなかった。そんな中、デアは虚神の正体すら詳しく分かっておらず、ただ神威だけが有効だと語った。だがオーマは、虚神の胸部に巨大な力の塊があり、それが心臓部にあたるのだろうと見抜いた。オーマによれば、そこを攻撃すれば倒せる可能性があるという。ただし虚神はオーマを強く警戒し始めており、自ら囮となることで優夜たちに突破口を作ろうとした。

賢者の遺産である白銀の巨兵

観測者たちは虚兵への対処はできても、虚神の巨体に対抗できるだけの攻撃手段を持っていなかった。神威で自身を巨大化させても、それに合わせて虚神もさらに巨大化してしまうため、決定打にはならなかった。そこで優夜は、宇宙戦争で使用した賢者の遺産を思い出し、腕輪へ呼びかけた。すると白銀の巨大な騎士が起動し、優夜はその内部の操縦空間へと移動した。賢者の遺産であるこの巨兵は、神威による巨大化とは異なるため、虚神に対抗できる唯一の手段となった。優夜は全剣を出現させ、自ら虚神を斬ると宣言し、他の者たちには虚兵への対応を任せた。

イリスたちの新たな力

優夜が虚神へ向かう間、イリスたちもまた試練を経て得た新たな神威を戦場で解放した。イリスは聖の力と神威を螺旋状に重ねた神聖斬を放ち、虚兵の集団を味方を巻き込まずに殲滅しつつ、虚神本体にも衝撃を与えた。続いてウサギ師匠は、神威による瞬間移動と聖の力を組み合わせた神脚と神閃脚で虚兵を薙ぎ払いながら虚神へ肉薄し、直接攻撃を叩き込んだ。オーディスもまた、圧縮した魔力に聖と神威を加えた一撃を放ち、虚兵の密集地帯を大爆発で吹き飛ばした。三人はそれぞれ新たな技を身につけており、以前とは比べものにならぬ戦力となっていた。

ユティと聖獣たちの連携

さらにユティは、シエルの青い炎に神威を混ぜ込み、ナイトたちを強化した。アカツキは巨大化してオーマに匹敵する大きさとなり、直接戦う代わりに聖域で周囲を癒し、使徒たちに聖の力を与え続けた。ナイトは神威による瞬間移動を駆使し、牙と爪で虚兵を次々と切り裂いていった。そこへ群がる虚兵を、ユティは神威で強化した無数の矢で正確に射抜き、優夜の進路を阻む敵を一掃した。こうして仲間たちは、それぞれの役割を果たしながら優夜が虚神へ到達するための道を切り開いていった。

優夜の渾身の一撃

虚兵の妨害が消えた一瞬を突き、優夜は神威を発動して虚神の近くまで一気に移動した。すると虚神は標的をオーマから優夜へと切り替え、体から半透明の衝撃波を噴き出して迎え撃った。優夜はその一撃を受け止めるのではなく、魔装、聖王威、聖邪開闢、そして神威まで含めた今の自分が使えるすべての力を白銀の巨兵に重ねた。そして、斬れないものなどないと心の中で確信しながら、全身全霊の一閃を放った。

虚神の消滅と勝利

その瞬間、虚神の体に一本の線が走った。やがてその線を境に虚神の半身がずれ落ち、砂のように崩れながら消滅していった。残されたもう半身も同じく大気に溶けるように消え去り、それと同時に戦場に残っていた虚兵たちもすべて消滅した。こうして、虚神との戦いは優夜たちの勝利で幕を閉じた。

エピローグ

虚神討伐後の歓喜と天界の傷跡

虚神が消滅すると同時に、白銀の巨兵も活動限界を迎えて召喚が解除された。そして優夜たちの勝利が確定すると、天界全体に歓声が広がった。その後、虚神が完全に消滅したことが確認され、観測者たちの街でも改めて勝利が喜ばれた。しかし、虚神が通過した跡は漆黒の虚無となって残り、神威でも元に戻せないことが明らかになったため、天界に完全な平和が訪れたとは言えなかった。それでも虚神を倒したことで、優夜たちが天界で果たすべき役目はひとまず終わったのだった。

観測者たちからの感謝と虚神再来の可能性

戦いの後、デアは他の観測者たちと共に優夜たちの前に現れ、この世界の代表として感謝を伝えた。優夜は、自分たちも力になれてよかったと応じた。そこで優夜が虚神はもう復活しないのかと尋ねると、デアはそれを断言できないと答えた。虚神はすべてを虚無に帰す存在であり、消えたように見えてもどこか別の世界に流れ着いている可能性があるという。ただし、復活の可能性は高くないだろうとも補足し、そのうえで優夜たちに一つの提案を持ちかけた。

観測者への勧誘と優夜たちの拒絶

デアが示した提案とは、優夜たちに観測者にならないかというものであった。観測者になれば、下位世界にある多くの欲から解放され、寿命の概念さえ失い、永遠の命を得ることができるという。それはかつてゼノヴィスにも向けられた神への誘いと同質のものだった。だが優夜は代表して、その申し出を断った。永遠の命に魅力がないわけではないが、自分たちはただ普通に生きていければそれでよく、大切な人たちと限られた時間を過ごすことこそが価値なのだと語った。イリスたちもまた、食欲や睡眠欲のような欲求があるからこそ生は面白く、今の生活が好きだからこのままでいたいと続いた。デアはその決意を残念そうに受け入れ、下位世界の方がこの世界より素晴らしいのかもしれないと漏らした。

別れの挨拶と元の世界への帰還

優夜たちの意思を確認したデアは、元の世界へ送り届けると告げた。そこへラナエルが慌てて駆け寄り、最初は思いもよらぬ縁だったが、力を貸してくれたことに改めて礼を述べた。優夜もまた、ラナエルに感謝を伝え、今度は自分たちの世界にも遊びに来てほしいと返した。最後の挨拶を交わした直後、デアが指を鳴らし、優夜たちの視界は切り替わった。こうして一行は、賢者の庭へと戻ってきた。

帰還直後の異変と新たな依頼

元の場所へ戻ってきたことを確認した優夜たちは、ようやく本当に帰還できたことを実感した。ウサギ師匠とオーディスは神威の実験も兼ねてすぐに立ち去ったが、その直後、オーマが大魔境で人間たちが魔物の群れと争っていると告げた。しかも襲われているのは優夜の知り合いの女たちだという。優夜が慌てて現場へ向かうと、そこにはレクシア、ルナ、オーウェンを含むアルセリア王国の兵士たちが、ゴブリン・エリートの群れに襲われていた。優夜は全剣で即座にゴブリンたちを倒し、皆を救った。そして何故ここにいるのかと問う優夜に対し、レクシアは目を輝かせながら、自分とルナを優夜の世界の学園に通わせてほしいと唐突に頼み込んだ。虚神との戦いを終えたばかりの優夜は、そのあまりに突然な願いに言葉を失うのだった。

冥界に流れ着いた虚神の魂

一方その頃、冥界では優夜に討たれた虚神の魂が流れ着いていた。冥界は本来、世界ごとに分かれ、互いに交わることのない境界によって秩序が保たれていた。だが虚神の魂はその周囲のあらゆるものを消滅させ、冥界の亡者たちを活性化させたうえで、ついには冥界同士を隔てる境界線まで破壊してしまった。その異変を前に、襤褸切れのようなローブをまとった一人の老人が現れた。老人は、死んでもなお安らぎを得られぬ虚神に嘆息しながらも、また彼に会えることを楽しみにしていると呟き、不気味に笑うのだった。

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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 6の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 7の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 7の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 8の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 8の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 9の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 9の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 10の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 10の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 11の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 11の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する12の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 12の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 13の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 13の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 14の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 14の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 15の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 15の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 16の表紙画像(レビュー記事導入用)
異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 16の表紙。
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 17の表紙画像(レビュー記事導入用)
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 18の表紙画像(レビュー記事導入用)
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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 20の表紙。
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e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 小説【いせれべ】異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する16感想・ネタバレ
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