フィクション(Novel)異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する読書感想

【いせれべ】異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する12感想・ネタバレ

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いせれべ 11巻レビュー
いせれべ 全巻まとめ
いせれべ 13巻レビュー

物語の概要

■ 作品概要

本作は、異世界と現実世界を自由に行き来できる扉を手に入れた少年が、両方の世界で圧倒的な能力を発揮する無双ファンタジーシリーズの第12巻である。 物語は、神々の世界【天界】での戦いを終えた主人公・天上優夜が、新たな舞台【冥界】の危機に立ち向かう姿を描く。天界で滅ぼした「虚神」の魂が冥界に混沌をもたらし、現世の未来さえも脅かす事態へと発展する。同時に、異世界からやってきた第一王女レクシアたちが現実世界の学園へ留学するという、賑やかな日常パートも並行して展開される。二つの世界が交錯し、優夜の出生に隠された「本当の力」が明かされる重要な局面を迎える。

■ 主要キャラクター

  • 天上 優夜(てんじょう ゆうや): 本作の主人公。かつてはいじめられっ子だったが、異世界でのレベルアップを経て超人的な身体能力と魔力を手に入れた。天界での修行により「神威」を習得したが、今巻では自分自身に宿る先天的な力の目覚めに直面する。
  • レクシア・フォン・アルセリア: アルセリア王国の第一王女。自由奔放な性格で優夜に好意を寄せている。異世界の政治的なしがらみから逃れるため、また優夜を追う形で、現実世界の王星学園への留学を決行する。
  • ルナ: かつてレクシアを狙った暗殺者であり、現在は彼女の護衛官兼友人。レクシアと共に地球へ留学し、慣れない現代文化に戸惑いつつも学園生活を送る。
  • ユティ: 「邪」の力を宿していた少女。優夜に救われて以来、彼を慕っている。今巻ではレクシアたちと共に学園に通うことになり、優夜を取り巻く日常がさらに騒がしくなる。

■ 物語の特徴

本作の最大の特徴は、異世界の冒険と現実世界での生活が相互に影響し合う「ハイブリッドな無双感」にある。第12巻では、これまで描かれてきた「後天的な成長(レベルアップ)」とは別に、優夜の血筋に眠る「先天的な秘密」に焦点が当てられる点が大きな見どころである。 また、異世界の住人たちが現代日本に適応しようとするコメディタッチの学園生活と、死者の世界である冥界でのシリアスな神級バトルとの激しいギャップも魅力の一つである。物語のスケールが天界から冥界へと広がり、世界の理(ことわり)に深く踏み込む展開が読者の興味を惹きつける。

書籍情報

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 12 ~レベルアップは人生を変えた~
著者美紅 氏
イラスト桑島黎音 氏
レーベルファンタジア文庫
出版社KADOKAWA
発売日:2022年12月20日
ISBN:9784040745770

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あらすじ・内容

神々の戦場で一騎当千した少年――次は……死の世界【冥界】の覇者となる。
神々の世界【天界】でも己の強さを証明した天上優夜 。超常の力【神威】を習得した優夜だったが――その裏で、生まれながらに優夜に宿されていた〔本当の力〕が目を醒ましていた!
そうとは知らない優夜のもとに、異世界からやってきたのは……アルセリア王国の第一王女・レクシアたち。王星学園への留学が決定した彼女たちと、アクセル全開の学園生活が開幕!?
その頃――【天界】で優夜が滅した“虚神”の魂が、死後の世界【冥界】を混沌に陥れていた。現世の未来をも揺るがす最悪の事態を解決すべく、優夜は【冥界】へと降り立つが……。
新たな出会いと別れを越えて――優夜の秘密が明かされる!!

異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する12 ~レベルアップは人生を変えた~

感想

本作の第12巻は、学園生活を彩るアイドル活動と、死後の世界である「冥界」をめぐる戦いが交錯する、非常に中身の濃い一冊であった。日常の賑やかさとシリアスな戦いの対比が、物語の奥行きをさらに広げていると感じる。

賑やかな日常とスクールアイドルの結成

現実世界では、王星学園の広報のためにスクールアイドルを結成するという突飛な計画が動き出す。美羽が所属する芸能事務所の全面協力を取り付けるなど、生徒会長の喜多楽総が相変わらずの暴走ぶりを見せていて面白い。その計画の責任者に任命されてしまった優夜だったが、メンバーとして選ばれたレクシア、ルナ、ユティ、メルル、そして楓の5人が、それぞれの個性を放ちながら練習に励む姿はとても微笑ましかった。早くもステージが決まってしまうほどのスピード感には驚かされたが、彼女たちのキラキラした活躍が今から楽しみでならない。

現実世界に迫る脅威と「神威」の限界

一方、異世界で優夜が倒した「虚神」の魂が、死後の世界である冥界に異変をもたらす。冥界と現世の境界が消滅したことで、本来は現世に現れるはずのない「妖魔」が姿を見せ始めたのだ。オカルト好きの同級生である雪音に連れられて怪奇現象を調査しに向かった優夜は、そこで未知の化物と遭遇する。衝撃的だったのは、これまであらゆる局面で無敵だった「神威」すらも妖魔には通用しなかった点だ。絶対的な力だと思っていたものが弾かれ、そこから物語がどう転がるのか楽しみにしていた。

隠されたルーツと「妖力」の覚醒

追い詰められた優夜の中から、突如として別の力が溢れ出したシーンが、今巻における最大の盛り上がりであった。それは、優夜の体に元から備わっていた「妖力」の発現である。自らの先祖であり、平安最強の妖術師を名乗る天上空夜が現れたことで、優夜がかつて運動をしても痩せられなかった理由や、周囲から疎まれていた原因がすべて妖力によるものだったと判明する。自分の過去の苦しみに意味があったことを知る場面は、優夜にとって大きな救いになったに違いない。
ある意味呪いじゃ・・・

冥界での再会と救済の旅

物語の後半では、優夜が一人で冥界へと降り立ち、そこで信じられない再会を果たす。人生を変えてくれた賢者ゼノヴィスやユティの師匠であるアーチェル、そして何よりも二度と会えないと思っていた祖父・夜之助との抱擁シーンには、胸が熱くなった。ただ敵を倒すだけでなく、悪意の結晶である「冥子」の優しさを汲み取り、救う道を選ぼうとする優夜の強さは、まさに彼らしい誠実さの表れである。

妖力という新たな力を手に入れ、アイドルグループの責任者としても忙しくなる優夜の行く末が、これからも非常に気になるところだ。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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いせれべ 11巻レビュー
いせれべ 全巻まとめ
いせれべ 13巻レビュー

登場キャラクター

天上家

天上優夜

主人公。王星学園の生徒であり、周囲から厚い信頼を寄せられている。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。スクールアイドル計画の責任者。

・物語内での具体的な行動や成果
 現世で妖魔と遭遇し、紫色の妖力を発現させて撃破する。冥界へ赴き、ゼノヴィスや空夜から修行を受けた。冥子の妖力を全て吸収し、彼女を呪縛から救出する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつては膨大な妖力が原因で迫害されていたが、現在は妖術を操る力を得ている。冥子を配下にした。

天上空夜

平安時代最強の妖術師。優夜の先祖であり、彼に妖術を指南する。

・所属組織、地位や役職
 天上家の先祖。

・物語内での具体的な行動や成果
 絵巻物に封じられていた思念体が、優夜の妖力に反応して現世に出現する。現世では優夜に妖力の扱いを教え、冥界にいる本体も優夜の修行に協力した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 現世の思念体と冥界の本体で記憶を共有している。妖術の知識を優夜に継承する役割を持つ。

天上夜之助

優夜の祖父。優夜の良き理解者である。

・所属組織、地位や役職
 天上家の先代。

・物語内での具体的な行動や成果
 冥界で優夜と再会し、彼を優しく励ます。冥子を一方的に悪と決めつけず、救済の可能性を探るように優夜やゼノヴィスを説得した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜の人格形成に大きな影響を与えており、ゼノヴィスとも対等に意見を交わす。

オーマ

優夜の家にいる竜。優夜の家族として暮らしている。

・所属組織、地位や役職
 天上家・優夜の家族。

・物語内での具体的な行動や成果
 現世に出現した未知の化物の気配を察知できず、最初は優夜の話を疑う。優夜が冥界へ向かう際は、家の留守番を引き受けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 妖力という死の気配が濃い力に対して興味と警戒を示す。

ナイト

優夜の家族の犬。優夜と共に行動する。

・所属組織、地位や役職
 天上家・優夜の家族。

・物語内での具体的な行動や成果
 優夜の家に現れた空夜を不思議そうに見つめる。優夜が冥界に向かう際は留守番を任された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 妖力を身につけたいと望むが、適性がないため不可能だと知る。

アカツキ

優夜の家族の豚。優夜の家で暮らしている。

・所属組織、地位や役職
 天上家・優夜の家族。

・物語内での具体的な行動や成果
 空夜の登場に対して不思議そうに首を捻る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

シエル

優夜の家族の鳥。優夜の家で暮らしている。

・所属組織、地位や役職
 天上家・優夜の家族。

・物語内での具体的な行動や成果
 空夜の登場に対して不思議そうに首を捻る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

クロ

優夜の体内に潜む「邪」の力。優夜に助言を与える存在である。

・所属組織、地位や役職
 優夜の体内に宿る存在。

・物語内での具体的な行動や成果
 路地裏の爪痕や悪寒が邪獣によるものではないと優夜に伝えた。空夜に自分の存在を見抜かれて驚愕する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アルセリア王国・異世界関係者

レクシア・フォン・アルセリア

アルセリア王国の王女。優夜の婚約者を自称し、好奇心旺盛である。

・所属組織、地位や役職
 アルセリア王国・王女。王星学園・中等部の留学生。スクールアイドル。

・物語内での具体的な行動や成果
 地球の技術を学ぶため、優夜の通う王星学園に留学する。学園ではスクールアイドルへの参加を決めた。地球のスマートフォンなどの技術に強い関心を寄せる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜の家にホームステイし、地球の文化を自国に持ち帰ろうと画策する。

ルナ

レクシアの護衛。暗殺者出身であり、冷静な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 アルセリア王国・王女の護衛。王星学園・高等部の留学生。スクールアイドル。

・物語内での具体的な行動や成果
 レクシアと共に王星学園に留学し、優夜と同じクラスになる。路地裏で化物と交戦し、得意の糸を使って攻撃した。スクールアイドルへの参加を決意する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜の家にホームステイしている事実をクラスで明かし、誤解を招く。

ユティ

弓聖アーチェル・アローの弟子。優夜の家に住み、感情表現が乏しい。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・中等部の生徒。スクールアイドル。

・物語内での具体的な行動や成果
 路地裏での戦闘において、化物に予知が通じないことに戸惑いながらも矢を放つ。神社の池では絶技「彗星」を用いて硬貨を小島に命中させた。スクールアイドルへの参加を決める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーノルド

アルセリア王国の国王。レクシアの父親であり、娘を溺愛している。

・所属組織、地位や役職
 アルセリア王国・国王。

・物語内での具体的な行動や成果
 地球が未知の領域であることに価値を見出し、レクシアの王星学園への留学を許可する。優夜に娘を守るよう約束させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 娘の身を案じつつも、優夜への信頼から特例を認める。

オーウェン

騎士。アーノルドの側近である。

・所属組織、地位や役職
 アルセリア王国・騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 アーノルドがレクシアを甘やかしていることに小言を言う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

イリス

剣聖。優夜に好意を寄せている。

・所属組織、地位や役職
 剣聖。

・物語内での具体的な行動や成果
 レクシアたちが優夜の学園に留学することに驚き、自身も同行したがる。年齢の都合と任務のため、渋々同行を諦めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

アーチェル・アロー

弓聖。ユティの師匠であり、穏やかな性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 弓聖。ユティの師匠。

・物語内での具体的な行動や成果
 冥界で優夜と対面し、彼にユティの生い立ちを語る。冥子の暴走時には霊力による弓技「流星群」で怪物を殲滅した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 すでに故人であり、冥界で霊力を行使する。

ゼノヴィス

賢者。優夜の人生を変えた人物である。

・所属組織、地位や役職
 賢者。優夜の師匠。

・物語内での具体的な行動や成果
 冥界で優夜と再会し、彼に武器や魔法の扱いを教える。夜之助の言葉に感化され、冥子を封印するのではなく救済する道に協力した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死して魂だけになったことで、優夜との記憶を取り戻している。

王星学園

宝城佳織

王星学園の生徒であり、優夜に協力的な姿勢を見せる。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。生徒会役員。理事長の娘。

・物語内での具体的な行動や成果
 レクシアとルナの転入手続きや日用品の準備を手配する。神社の願掛けでは小銭を後ろに飛ばして失敗した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜から強く頼りにされている。

宝城司

王星学園の理事長。佳織の父親である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・理事長。

・物語内での具体的な行動や成果
 佳織からの手続きを受け、レクシアたちの留学を正式に認める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 直接の登場はないが、優夜の活躍により仕事が順調であると語られる。

喜多楽総

王星学園の生徒会長。突飛な発想と行動力で周囲を振り回す。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・生徒会長。

・物語内での具体的な行動や成果
 学園の宣伝力を高めるためにスクールアイドル計画を立ち上げる。優夜を計画の責任者に指名し、スタープロダクションへ協力を取り付けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去の行事で暴走しすぎたため、教師陣から警戒されている。

犬養遊

生徒会役員。喜多楽の提案に乗りやすい。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・生徒会役員。

・物語内での具体的な行動や成果
 喜多楽のプロモーション計画に真っ先に賛成する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 元気があるが、少しおっちょこちょいであると評価されている。

猫田夢

生徒会役員。喜多楽の言動に冷ややかな態度をとる。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・生徒会役員。

・物語内での具体的な行動や成果
 喜多楽のスクールアイドル計画に対し、実現が難しいと反発する。強引に計画を進める喜多楽に振り回された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

柳先生

王星学園の教員。おっとりとした口調である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・中等部の教員。ユティとレクシアの担任。

・物語内での具体的な行動や成果
 中等部のクラスで留学生であるレクシアを紹介する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

沢田先生

王星学園の教員。生徒たちを気遣う一面を持つ。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の教員。優夜とルナの担任。

・物語内での具体的な行動や成果
 クラスにルナを紹介する。学園周辺での不審な出来事について生徒たちに注意を促した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 喜多楽の暴走に呆れつつも、優夜の評価の高さを認めている。

大木先生

王星学園の体育教師。現実的な判断を下す。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・体育教師。

・物語内での具体的な行動や成果
 喜多楽のスクールアイドル計画を無謀だと一蹴し、協力を断る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

晴奈

王星学園の生徒。ユティの友人である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・中等部の生徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 新しい留学生の到着を楽しみにし、ユティに話しかける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

メルル

エイメル星人。論理的な思考を好む。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。スクールアイドル。

・物語内での具体的な行動や成果
 化物の出現時にデバイスで認識阻害の電波を発信し、一般生徒を眠らせる。スクールアイドルに立候補した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王星学園の生徒。優夜の友人である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 雪音の怪奇現象調査に同行し、巨大な爪痕に驚く。神社で引いたおみくじの内容が的確すぎて動揺した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

慎吾

王星学園の生徒。優夜の友人である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 怪奇現象調査に同行する。優夜やルナにスクールアイドルの概念を熱心に説明した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王星学園の生徒。優夜の友人であり、怖がりな性格である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。スクールアイドル。

・物語内での具体的な行動や成果
 怪奇現象調査に同行し、早々に帰りたがる。神社の「縁の大木」の空洞に胸がつかえて通り抜けに失敗した。スクールアイドルに立候補する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜とルナの関係を疑う。

雪音

王星学園の生徒。オカルトや怪奇現象に興味を持つ。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 街で起きている怪奇現象の調査を優夜たちに提案する。化物の目撃記憶を保持したまま、写真を撮りたかったと漏らした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

王星学園の生徒。優夜の友人である。

・所属組織、地位や役職
 王星学園・高等部の生徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 怪奇現象調査に同行する。優夜のルナに関する言い訳に呆れたようにツッコミを入れた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

日帝学園

神山美麗

日帝学園の生徒会長。学園の改革を目指している。

・所属組織、地位や役職
 日帝学園・生徒会長。

・物語内での具体的な行動や成果
 学園祭での敗北を機に、才能のある庶民を積極的に受け入れるよう学園の方針を変える指示を出す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 凝り固まった階級意識を取り払おうとしている。

スタープロダクション

社長

芸能事務所の社長。利益とリスクを冷静に天秤にかける。

・所属組織、地位や役職
 スタープロダクション・社長。

・物語内での具体的な行動や成果
 喜多楽からスクールアイドル計画への協力を打診され、優夜が関わることを知って全面協力を決断する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜の芸能界入りを諦めておらず、この計画をその足がかりになると見込んでいる。

黒沢

芸能事務所の社員。社長を補佐する。

・所属組織、地位や役職
 スタープロダクション・社員。

・物語内での具体的な行動や成果
 喜多楽の無謀な提案に慎重な姿勢を見せ、優夜がアイドル活動をすることに疑問を呈した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

歌森奏

人気アーティスト。学園祭で王星学園と縁を持つ。

・所属組織、地位や役職
 スタープロダクション・所属アーティスト。

・物語内での具体的な行動や成果
 喜多楽がスクールアイドルの楽曲提供を依頼しようと目論んでいる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本編での直接の登場はない。

神社

神楽坂舞

神社の巫女であり、レガル国の聖女である。

・所属組織、地位や役職
 神社の巫女。聖女。

・物語内での具体的な行動や成果
 優夜たちに不思議なお札を用いてお祓いを行う。優夜たちを恋愛みくじや池の願掛け、縁の大木へ案内した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

冥界

霊冥

冥界を統べる王。閻魔のような装束を纏う小さな少女である。

・所属組織、地位や役職
 冥界・王。

・物語内での具体的な行動や成果
 消滅した牢獄や境界線を妖力で修復する。虚神の魂による被害を食い止めるため、優夜を冥界に呼び出し協力を求めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 冥子の真実を明かし、彼女を救いたいという本音を吐露する。

一角

霊冥の配下。青色の肌を持つ理知的な鬼である。

・所属組織、地位や役職
 冥界・霊冥の使者。

・物語内での具体的な行動や成果
 異変の原因が虚神の魂であることを調査して報告する。優夜の家に現れ、暴走した他の鬼を制止して優夜を冥界へ案内した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 霊冥の右腕的存在である。

二角

霊冥の配下。赤色の肌を持つ筋骨隆々の鬼である。

・所属組織、地位や役職
 冥界・霊冥の配下。

・物語内での具体的な行動や成果
 妖魔の脱走と境界の消失を霊冥に急報する。冥子の暴走時には優夜たちの案内役を務め、冥子を封印するべきだと主張した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

冥子

大罪人たちの悪意の結晶から生まれた存在。純粋で優しい心を持つ。

・所属組織、地位や役職
 冥界で生まれた存在。後に優夜の従者。

・物語内での具体的な行動や成果
 自らの力で周囲を傷つけることを恐れ、霊冥に封印を願い出ていた。優夜に妖力を吸収されて呪縛から解放される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 優夜に魂の繋がりを持たれ、メイドの姿で彼に仕えるようになる。

鬼たち

霊冥に仕える存在。元は別の存在だが、長年冥界で暮らして鬼になった。

・所属組織、地位や役職
 冥界・霊冥の配下。

・物語内での具体的な行動や成果
 現世との境界線の監視を行う。優夜の家を訪れた際、霊冥を呼び捨てにされたと勘違いして優夜に襲いかかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 妖力を抑えず解放しながら戦う。

妖魔たち

冥界の下層に閉じ込められていた魂の変質した姿。死の穢れを撒き散らす。

・所属組織、地位や役職
 冥界・囚人。

・物語内での具体的な行動や成果
 牢獄の封印が解かれた隙に脱走し、現世に逃げ出す。路地裏で優夜たちに襲いかかるが、妖力に目覚めた優夜に撃破された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 物理攻撃や神威が全く通じず、干渉するには妖力や霊力が必要である。

小鬼

優夜の修行のために空夜が生み出した存在。ゴブリンに似た姿をしている。

・所属組織、地位や役職
 空夜の妖力による生成物。

・物語内での具体的な行動や成果
 優夜の妖力操作の特訓相手として複数体で襲いかかる。優夜の全剣に貫かれ、塵となって消滅した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

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いせれべ 全巻まとめ
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展開まとめ

プロローグ

冥界の構造と霊冥の退屈

冥界は死後の魂が振り分けられる多層構造の世界であり、上層には善行を重ねた者の魂が安らかに眠り、下層には悪行を重ねた者や妖魔が閉じ込められる地底の牢獄が存在していた。冥界そのものや牢獄のすべてには妖力と霊力が宿され、実体を持たない魂や妖魔を縛り、傷つける仕組みになっていた。その冥界を統べる王である霊冥は、豪奢な館の広間で、現世の平和と技術発達によって死者の流入が減り、仕事も少なくなった現状をつまらなく感じていた。

妖魔脱走と境界消失の発覚

霊冥が眠ろうとした矢先、配下の鬼である二角が慌てて駆け込み、冥界の妖魔たちが牢獄から脱走していると報告した。霊冥は自らの妖力で築いた牢獄から妖魔が逃げることなどあり得ないと驚き、冥子の封印が解けた可能性まで疑った。しかし二角は封印に異常はないと続け、さらに冥界と現世の境界線までもが消えてしまったと告げた。これにより、脱走した妖魔が現世へ逃げ出せる危険と、逆に現世の者が冥界へ迷い込む危険が同時に発生したため、霊冥は事態を重大な緊急事態として受け止めた。

霊冥による牢獄強化と妖魔再封印

霊冥は直ちに二角へ命じて、鬼たちに境界線の監視をさせ、自身は牢獄の強化と妖魔の再封印に取りかかった。霊冥が妖力と霊力を冥界全域へ巡らせると、逃亡寸前だった妖魔たちの牢獄は再び強固に補強され、脱出が不可能となった。さらに霊冥は足元から無数の紫色の巨大な手を生み出し、それらに逃げ回る妖魔を捕らえさせて、次々に牢獄へ封じ直した。こうして冥界内部の被害拡大はひとまず食い止められたが、現世との境界の異常という根本問題は残されたままであった。

鬼たちへの指示と事件原因の追及

妖魔の再封印を終えた霊冥は、二角に鬼たちを広間へ集めさせ、一角には騒動の原因調査を命じた。集まった鬼たちに対し、霊冥は冥界と現世の境界が消え、何体かの妖魔が現世へ逃げたこと、境界の修復を進めているもののすぐには完了しないことを説明し、今まで以上の見回りと警戒を命じた。その後、一角は今回の異変の原因が冥界に流れ着いた一つの魂にあったと報告し、霊冥の予想を覆した。

虚神の魂がもたらした異変

一角の説明によれば、その魂は天界に出現する災害である虚神のものであった。虚神は触れたものすべてを消滅させる存在であり、対抗には神威が必要とされるが、その性質は魂となっても失われなかった。つまり虚神の魂に触れたものも消滅してしまうため、今回その魂が現世と冥界の境界に触れたことで、境界そのものが消失したのであった。幸い虚神の魂は冥界に辿り着いた時点で衰弱しており、すでに自然消滅したことも判明したため、これ以上の被害拡大は避けられる見通しとなった。霊冥は安堵しつつも、あまりに迷惑な存在に頭を抱えるほかなかった。

レクシアの留学希望と大魔境での遭遇

場面は変わり、虚神との戦いを終えて元の世界へ戻った優夜たちは、オーマの知らせで大魔境へ向かい、魔物に襲われていたレクシアとルナを助け出した。救出後、二人が大魔境を訪れた理由を問うと、レクシアは自分とルナを優夜の世界の学園へ通わせてほしいと頼み込んだ。王族には一定の年齢でルミナス皇国のオーレリア学園へ入学する慣習があり、外交や人脈形成のために通うことが定められていたが、レクシアはそうした政治的事情に縛られる学園生活をつまらないと感じ、優夜の世界で多くを学びたいと考えていた。ルナもまた、護衛として同行すれば煩わしい貴族社会の交流に巻き込まれることになるため、それを避けたい思いから留学に前向きであった。

イリスの困惑と王都行きの決定

その話を聞いたイリスは、二人が優夜の世話になる前提で話を進めていることに強く戸惑った。だがレクシアはすでに父である国王に話を通しており、地球が安全な世界であると確認できれば留学先を変更してもよいという許可を得ていることを明かした。そのため、二人が頼れる相手は優夜しかいないという結論に至っていた。こうして優夜はレクシアに半ば押し切られる形で、地球の安全性を国王へ説明するため王城へ向かうことになった。イリスは本音では自分も同行したがっていたが、剣聖としての任務があるため断念し、名残惜しそうに別れた。

アーノルドとの謁見と留学許可

王都の王城に到着した優夜たちは、すぐに国王アーノルドと謁見した。アーノルドはレクシアの行動力に呆れつつも、オーレリア学園で築ける人脈は結局その時々の国際関係に左右され、敵対国同士では真の交流が難しいと語った。その一方で、優夜の住む世界は異世界側にとって未知であり、大きな価値があると判断していた。ただし父親としては娘を送り出す不安も強く、優夜に地球が安全な世界かどうかを問い質した。優夜は絶対の安全はないと前置きしつつ、日本は治安が良く魔物も存在しないため非常に安全であると説明し、万が一の時は必ず自分が守ると約束した。その言葉を受けてアーノルドは留学を正式に認め、レクシアは喜びを爆発させた。一方でアーノルドは、優夜が近くにいることに安心しつつも、娘に手を出すことは許さないと強く念押しした。

王星学園生徒会の新たな騒動

一方、地球の王星学園では生徒会室で新たな企画について話し合いが行われていた。生徒会長の喜多楽総は、日帝学園のような大規模なプロモーションを自校でも行うべきだと突然言い出し、犬養遊は即座に賛同したが、猫田夢はいつもの思いつきだと呆れていた。喜多楽は過去にも突飛な案を連発しており、体育祭や学園祭でも生徒会を振り回してきたが、結果だけは成功させてきたため教師陣も強くは止めきれずにいた。具体案を問われた喜多楽は何も決めていないとあっさり認めたうえで、考えた末にスクールアイドル企画を提案した。

スクールアイドル案への反発と模索

喜多楽は、実際にスクールアイドルを抱える学園は少ないため、自校に魅力的なスクールアイドルがいれば学園の認知度をさらに高められると考えていた。犬養は感心して賛成したが、猫田は教師陣の許可が下りるはずがないと反発し、佳織も理事長の娘としてやり過ぎではないかと慎重な姿勢を示した。さらに猫田は、候補者選び、担当者の確保、教師陣の説得のどれもが難題であり、生徒会自身が担うことも無理だと現実的な問題を突きつけた。喜多楽はその指摘を受けてなお、何とか企画を進める方法を考え始め、生徒会はまた新たな騒動へ巻き込まれていくことになった。

第一章異世界交流

佳織への相談と留学準備の依頼

レクシアの王星学園への留学が決まったものの、優夜一人では対応しきれないと考えたため、優夜は放課後に佳織のもとを訪れた。そこで、レクシアたちが地球に留学したいと望んでおり、しかも国王の許可まで下りていること、自分の家で面倒を見ることが条件になっていることを打ち明けた。佳織は驚きつつも、すでに決まった話である以上反対はできないと受け止め、学校の件を尋ねた。

王星学園への編入決定

優夜は、レクシアたちを王星学園へ留学させられないかと佳織に相談した。自分と同じ学校であれば守れるうえ、王星学園なら多様な経験を通じて地球の文化を学ぶのにも適していると考えていたからである。無茶な願いであると優夜は自覚していたが、佳織はあっさりと引き受け、転入手続きを進めると答えた。さらに、優夜の頼みであることや、優夜が学園で活躍しているおかげで理事長である父の仕事も順調だと語り、日用品や制服の準備についても協力を申し出た。

地球到着と佳織との再会

その後、優夜の家の扉を通って、レクシアとルナは無事に地球へやって来た。久々の再会を喜ぶ中で、レクシアは佳織に対し、これからはライバルとして容赦しないと宣言し、佳織も負けないと応じた。優夜には二人の会話の真意はよく分からなかったが、険悪というよりは互いを意識し合う空気が漂っていた。一方でルナは、レクシアの理由の一つに優夜への思いがあることを認めつつも、異世界で学んだことを自国の発展に活かしたいという目的もあると補足した。

買い物と服選びの騒動

佳織が事前に用意できるものを整えていたため、一行はサイズの確認が必要な衣服を買いに出かけた。レクシアとルナは次々に服を試着し、そのたびに優夜へ感想を求めたため、優夜は戸惑いながらも応じることになった。二人の美貌もあって周囲の視線は強く、芸能人のようだと見惚れる者もいれば、優夜に嫉妬する者もいて、優夜は落ち着かないまま買い物を続けた。こうして、優夜は服の感想を言うだけでなく、周囲への警戒にも神経を使うことになった。

制服試着と軽妙なやり取り

買い物の最後には、佳織が用意していた王星学園の制服を試着することになった。レクシアは制服を可愛いと喜び、ルナも異世界の学園では平民と貴族で制服が異なることを語り、地球の学校との違いが明らかになった。そんな中、レクシアは制服姿を見せて優夜に似合うかと尋ね、さらに可愛いかと迫ったため、優夜は困惑しながらも可愛いと答えた。するとレクシアは結婚するしかないと喜び、ルナはそれをからかうように否定したため、場は賑やかなやり取りに包まれた。こうして留学準備は無事に整えられた。

言語理解の習得とクラス分け

数日後、佳織が司に話を通してくれたことで、レクシアとルナの留学は正式に決まった。その後はユティの時と同じように、佳織の指導によって二人も言語理解のスキルを身につけ、文字の読み書きの問題も解消された。話す言葉については異世界への扉の効果によって最初から問題がなかったため、準備は順調に進んだ。そして留学初日を迎えると、年齢の都合からレクシアは中等部でユティと同じクラスに、ルナは優夜と同い年であるため高等部で優夜と同じクラスに入ることが決まった。レクシアは同じクラスになれなかったことを悔しがったが、優夜を先輩と呼べると前向きに受け止め直した。

レクシアの転入と婚約者発言

中等部では、柳先生がホームルームの前に留学生を紹介すると告げ、生徒たちの期待を集めていた。ユティはすでに事情を知っていたが、他の生徒たちは新しい留学生に興味津々であった。そこへ教室に入ってきたレクシアは、金髪と碧眼の美しさで一瞬にしてクラスを圧倒し、優雅に自己紹介した。そして、自分は高等部にいる優夜の婚約者であるとさらりと付け加えたため、クラス全体が凍りついた後、中等部校舎に響くほどの大騒ぎとなった。

高等部でのルナの転入

一方、高等部では沢田先生が優夜のクラスに新しい留学生が来ることを告げ、しかもメルルも知っている相手だと説明した。そこへ入ってきたルナは、銀髪と凛とした佇まいによって教室全体を静まり返らせた。沢田先生はルナを紹介し、その席をメルルの隣に決めた。事情を知る優夜はともかく、メルルはルナの登場に驚いていた。ルナは優夜とメルルに小声でこれからよろしくと声をかけ、優夜はこれから先の騒がしさを予感しながら苦笑するしかなかった。

クラスメイトの関心と優夜との関係の露呈

ホームルームが終わると、ルナにはすぐに多くの生徒が押し寄せ、出身や彼氏の有無、部活など次々に質問を浴びせた。暗殺者として生きてきたルナにとって、同年代の高校生たちから向けられる無邪気な好奇心は予想外であり、戸惑いを隠せなかった。そんな様子を見た亮たちは、このクラスには目立つ人物がよく集まると語り、優夜自身も昔と違ってそうした騒がしさを楽しめるようになっていた。しかし、追い詰められたルナが優夜に助けを求めたことで、二人が知り合いであることがクラス全体に知られてしまった。

誤解の拡大と賑やかな新生活の始まり

さらにルナは、自分が優夜の家で世話になっていることや、優夜と深い関係だと口にしたため、クラス中に大きな誤解が広がった。異世界の事情を話せない優夜は説明に苦しみつつも、ホームステイのようなものだと必死に言葉を尽くし、何とか誤解を解こうとした。最終的には大半の生徒が納得したものの、楓など一部には疑いが残った。優夜はぐったりと疲れ切ったが、ルナは優夜があまりに必死に否定したことに少し不満を見せつつも、ここでは優夜が先輩だから色々教えてほしいと頼んだ。こうしてルナを留学生として迎えたことで、優夜たちのクラスはさらに賑やかなものとなっていった。

学園周辺の怪奇現象の共有

授業後のホームルームで、沢田先生は学園近くで不審な出来事が相次いでいるため注意するよう生徒たちに告げた。雪音の説明によれば、街中では建物が傷つけられたり、そこにあった物だけが消えたりする事件が起きており、監視カメラが設置されていた場所でさえ犯人の姿は映っていなかった。優夜は初めてその話を聞いて驚き、証拠の残らない異常な事件に戸惑った。メルルは非科学的な存在を否定しようとしたものの、過去に奇妙な現象を体験していたため、完全には割り切れない様子であった。

雪音の提案と調査メンバーの拡大

雪音はその怪奇現象を調べようと考えており、優夜に加えてメルルやルナにも同行を提案した。ルナは自分まで誘われた理由を疑問に思ったが、雪音は優夜と同じ家に住んでいる以上一緒に行動した方が都合がよく、さらに街の案内も兼ねられると説明した。ルナは納得し、レクシアも連れて行きたいと申し出た。こうして雪音が他の面々にも声をかけた結果、楓、凜、亮、慎吾、さらに佳織まで加わることになり、大人数での調査となった。

放課後の集合と交流の広がり

放課後に集合すると、ルナが呼んでいたレクシアとユティも合流し、その場はさらに賑やかになった。亮たちはレクシアが纏う王族らしい気品に圧倒され、ただ立っているだけで放たれる雰囲気に驚いていた。楓は、レクシアまで優夜の家に住んでいることを改めて意識して複雑そうな表情を浮かべ、凜にからかわれてさらに動揺した。佳織もまた、レクシアとルナの行動力に考え込む様子を見せたが、話題を変え、皆で出かけること自体を楽しもうとしていた。一方で、誘われていた晶は用事があって参加できず、毎日忙しそうにしていることが改めて語られた。

怪奇現象の現場へ向かう道中

雪音は、まず学園のすぐ近くで怪奇現象が起きた場所へ向かうと決め、一行を案内した。優夜は道中で、今回の件に邪獣が関わっているのではないかと不安を覚え、体内のクロに問いかけた。クロは普通に生活していれば邪獣が現れることはまずないが、過去に実際に出現した以上、再び現れてもおかしくはないと答えたため、優夜の警戒は強まった。その一方で、レクシアは中等部になったことで優夜を先輩と呼び始め、それを面白がっていた。ユティやメルルも地球の学校文化に興味を示し、先輩後輩の関係について学ぼうとしていたため、道中は警戒の中にも賑やかさがあった。

路地裏で見つかった巨大な爪痕

一行が辿り着いたのは、人通りの少ない汚れた路地裏であった。周囲にはゴミが散乱し、レクシアは顔をしかめたが、裏の世界を知るルナはさほど気にしていなかった。奥へ進んだ雪音が立ち止まった先には、壁一面に巨大な爪痕が刻まれていた。慎吾や亮は熊の仕業かと口にしたが、痕跡は人の身長を大きく超えるほど巨大であり、普通の動物によるものとは考えにくかった。メルルが痕を調べた結果、それは地球上の既知の生物のどの爪とも一致しないことが判明した。さらにユティとクロも、そこに邪の残滓は感じられず、邪獣の仕業ではないと断定したため、優夜たちは未知の別種の存在を疑うことになった。

撤退の判断と突如生じた悪寒

それ以上その場にいても新たな手掛かりは得られないと判断され、楓の強い希望もあって、一行は路地裏から引き上げることになった。帰り際には、せっかく大人数で集まったのだからどこかへ遊びに行こうという話も出て、場の空気は少し和らいだ。だがその矢先、優夜たちは一斉に凄まじい悪寒に襲われた。雪音は冗談めかして当たりを引いたと言ったが、皆は得体の知れない気配に警戒を強め、ルナもレクシアを庇いながら武器の糸を準備した。クロはこの気配が邪獣や邪のものではないと断言し、メルルの機器にも周囲の生命反応は映らなかったため、その場の緊張はさらに高まった。

未知の化物の出現と優夜の迎撃

次の瞬間、優夜たちの目の前に見たこともない化物が突如として現れた。その化物は小柄な子どものような体格をしていながら、頭は禿げ上がり、全身は赤黒い皮膚で覆われ、異様に長く鋭い爪を引きずっていた。誰もが絶句する中、化物は即座に優夜へ襲いかかり、優夜は咄嗟に鞄を盾にしてその爪を受け止めた。鞄は貫かれたものの、その隙に優夜は化物へ肉薄し、強烈な蹴りを叩き込んで仲間たちに逃げるよう叫んだ。しかし、渾身の蹴りを受けたにもかかわらず、化物はまったくダメージを負っていなかった。

メルルの処置と戦闘態勢への移行

逃走も難しい状況の中、メルルは迅速にデバイスを操作し、楓たち戦えない者たちを一時的に眠らせたうえで、周囲に認識阻害の電波を発信した。これにより、路地裏で本格的な戦闘を行っても外部に知られにくい状況が整えられた。優夜は佳織とレクシアに眠っている皆の保護を任せ、ユティ、ルナ、メルルとともに化物へ立ち向かった。優夜は鑑別スキルで正体を探ろうとしたが、その力は弾かれ、化物の素性を見抜くことすらできなかった。

一切通じない攻撃と化物の異常性

ユティは予知を用いて先読みしようとしたが、それすら通じず、通常の矢による攻撃へ切り替えた。しかし、その矢は化物の巨大な爪に防がれ、傷一つ与えられなかった。続いてルナは強力な糸技で化物の胴体を狙ったが、攻撃は体を貫くことなく霧散した。メルルも単分子ナイフで爪を削ろうとしたが、爪には傷すら入らず、逆に弾き返されて吹き飛ばされた。優夜も魔装と全剣を用いて接近し、さらに聖邪開闢や神威まで発動させたが、どの攻撃も化物には通じなかった。化物は存在しているのに存在していないかのような異常な性質を持ち、優夜たちは完全に防戦一方へ追い込まれた。

紫の力の発現と化物の消滅

追い詰められたその時、優夜の体の奥底が突然熱を帯び、全身から紫色の不思議なオーラが溢れ出した。その力は全剣へと纏わりつき、傍で見ていたルナたちに強い恐怖を抱かせた。さらに、それまで猛威を振るっていた化物までもが、その紫の力に怯えるように後ずさりした。優夜はこの変化に戸惑いながらも、この力なら通じると直感し、逃げようとした化物へ突撃して全剣を振り下ろした。すると、それまで何の手応えもなかった化物は初めて確かに斬られ、その場で灰のように崩れ去って消滅した。戦いが終わると、優夜の体を覆っていた紫のオーラもまた、何事もなかったかのように消えていった。

戦後処理と公園での誤魔化し

戦闘後、駆け寄ってきた佳織とレクシアから楓たちの無事を知らされ、優夜は安堵した。しかし、路地裏は戦いの余波でひどく損壊していたため、優夜は思いつきで神威を使い、壁や地面を一瞬で元通りに修復した。レクシアや佳織はその新たな力に驚いたが、優夜自身もその万能性には改めて驚いていた。その後、一行は再び化物が現れる危険を避けて路地裏を離れ、近くの公園で眠っている皆が目覚めるのを待った。目を覚ました楓たちは化物の記憶を持っており慌てたが、優夜たちは化物は自然に消えたと説明し、自分たちが倒したことは伏せた。雪音は残念そうに写真を撮りたかったと漏らし、皆を呆れさせたが、さすがにその後遊びに行く空気ではなくなり、一行はそのまま解散することになった。

帰宅後の報告とオーマの不信

帰宅した優夜は、今日起きた出来事をオーマたちに報告した。だがオーマは、邪獣でもない未知の化物が街中に現れたという話を胡散臭げに受け止め、自分がまったくその気配を察知できなかったことから、優夜たちの気のせいではないかと疑った。優夜とレクシアたちは実際に戦ったと訴えたが、オーマはなおも信じ切れない様子であった。邪獣の出現すら感知できるオーマが気づけなかったことは、今回の存在がそれほど異質であることを示していた。

巻物への導きと謎の人物の出現

どう証明すればよいかと考えていたその時、あの紫のオーラが再び優夜の体から突如として溢れ出した。オーマもその力を知らず驚く中、紫のオーラは何かに引かれるように一定の方向へ流れ始めた。優夜はその導きに従い、異世界への扉が置かれている物置部屋へ向かった。そこには祖父が集めた不思議な品々が並んでおり、その中の古びた巻物に紫のオーラが強く反応していた。優夜が巻物に手を伸ばした瞬間、紫のオーラと巻物が共鳴し、物置部屋にいきなり一人の男性が出現したことで、新たな異変の幕が上がった。

第二章 ご先祖様と縁結び

巻物から現れたご先祖様

物置部屋で巻物に触れた直後、優夜たちの前に平安貴族のような格好をした謎の男性が現れた。その男性は足がなく半ば透けており、どう見ても幽霊のような姿をしていたため、優夜は思わずお化けだと叫んでしまった。男性自身も一瞬は周囲のお化けを探したものの、自分のことだと指摘されてようやく気づいた。オーマたちも、その存在には気配がまったく感じられないことから困惑し、レクシアたちも驚きながらその異様な姿を見つめていた。

天上空夜との名乗りと血縁の判明

男性は自分がお化けではなく、死んではいるが妖魔の類いとは違うのだと主張したうえで、自らを平安時代最強の妖術師、天上空夜と名乗った。そして優夜に向かって子孫だと告げたため、優夜は天上という苗字に反応し、自分のご先祖様であることを知って大きく動揺した。こうして突然現れた幽霊のような男性が、優夜の遠い祖先であることが明らかになった。

現代の菓子を喜ぶ空夜と家族事情の看破

空夜を落ち着かせるため、優夜はリビングへ案内し、そこで菓子を出した。すると空夜は現代の甘い菓子を大層気に入り、夢中になって食べ始めた。そんな中、空夜は優夜以外の子孫がいない理由を尋ね、優夜が答えに詰まると、妖術によって人の心を見透かす力を使い、優夜の家庭事情を即座に見抜いた。そして、同じ血を分けた子を平等に愛せなかった家族の在り方を嘆き、優夜が抱えてきた孤独や苦しみまで言い当てた。

妖術師としての力と失われた知識

空夜は、自分が本当に妖術師であり、人の心を読む程度は容易いことだと語った。だが優夜は、妖術師という存在を最初は半信半疑で見ていたため、その能力を目の当たりにしてようやく信じることになった。空夜は、こうした技術が後世に伝わっていないことを嘆きつつも、それほど平和な時代になったとも受け止めていた。一方で、優夜の家系にはもはや妖術の知識が失われていることも明らかとなった。

空夜の体質と優夜の過去の肥満の理由

空夜は、自分の太った体には意味があると説明した。彼は昔から妖術を使うための妖力が非常に豊富で、その膨大な妖力が肉体を膨張させる形で蓄えられていたため、痩せたくても痩せられなかったのである。その話を聞いた優夜は、自分も異世界で変化する以前は、どれだけ運動や食事制限をしても痩せられなかったことを思い出した。すると空夜は、優夜もまた自分と同じ体質を受け継いでいたのだと見抜き、だからこそ優夜は常人離れした妖力を持っていたのだと説明した。

妖力が生んだいじめと苦しみの真相

さらに空夜は、優夜が過去に周囲から臭いと疎まれ、いじめられていた理由についても明かした。妖力とは妖の力であり、人間が本能的に畏れ忌避するものであるため、幼い頃の優夜から溢れ出ていた膨大な妖力は、周囲の人間には体臭のような不快感として認識されていたのである。優夜がいくら清潔にしても、運動や食事制限をしても何も変わらなかったのは、その原因が肉体ではなく妖力にあったからだった。優夜は、自分が長年苦しめられてきた理由が、突然受け継いでしまった体質にあったことを知って深く衝撃を受けた。

空夜の謝罪と優夜の受容

空夜は、自分の体質のせいで子孫が苦しむことになるとは思ってもおらず、本当に申し訳ないと優夜に謝罪した。そのうえで、せめてもの償いとして、自分の技術と知識をすべて優夜に教えると申し出た。優夜は、自分の過去の苦しみの理由が分かったことで気持ちの整理がつき、いまは大切な家族や仲間に囲まれて楽しく生きていると答えた。レクシア、ルナ、ユティ、メルル、オーマたちもそれぞれの言葉で優夜を大切な存在だと認め、優夜は改めて今の居場所の温かさを実感した。

空夜が語る異世界と地球の妖怪の歴史

空夜は、ナイトたちの気配から彼らが異世界由来の存在であることも見抜いていた。そして、昔の地球には竜をはじめとする妖怪が数多く存在しており、自分はそうした妖怪を退治してきたのだと語った。地球に竜がいたという話に優夜たちは驚いたが、空夜にとってはそれが当然の過去だった。さらに空夜は、妖怪退治の功績が後世では別の人物の手柄として伝わっていても構わず、危険な存在のことを人々が知らないままで済むことこそ平和の証なのだと語った。優夜は、その考え方に触れ、この人物が自分のご先祖様であることを誇らしく感じた。

紫の力の正体と妖力の覚醒

優夜は、自分の体から立ち上った紫色の力に導かれて巻物へ辿り着いたこと、さらに路地裏で化物と戦った際にも同じ力が発現したことを空夜に話した。すると空夜は、その紫の力こそが妖力そのものであると即答した。妖力の知識が失われていたため優夜には分からなかったが、もともとその力は優夜の中に存在していたのである。そして、その力が突然使えるようになった原因として、空夜は路地裏で遭遇した化物の存在に強い関心を示した。

化物の正体と巻物の封印の意味

優夜が遭遇した化物の外見を聞いた空夜は、それが妖魔であると断定した。妖怪が魔物のような存在であるのに対し、妖魔は死んだ生物の魂が変質した存在であり、本来は冥界の下層で厳しく管理されるべきものであった。そのため、現世に妖魔が現れた際に後世の妖術師が対処できるよう、空夜は生前、自らの思念を巻物に封じていたのである。つまり、優夜が妖力を宿した状態で巻物に触れ、なおかつ現世に妖魔が出現していたことが、空夜の封印が解かれる条件になっていたのだった。

妖魔への対処と優夜の修行開始

オーマは、妖魔が現れたなら力で消し飛ばせばよいと考えたが、空夜は妖魔がすでに死んでいる存在である以上、ただ破壊するだけでは対処できないと説明した。妖魔に干渉するには、優夜の身に宿る妖力や、別種の力である霊力が必要なのである。そして空夜は、優夜の妖力は突発的に解放されたにすぎず、まだ思い通りには操れないと見抜いたうえで、自分が付いているから安心しろと宣言した。こうして優夜は、空夜から妖力と妖術について学び、妖術師として育てられていくことになった。

冥界で発覚した境界崩壊の拡大

冥界では、封印から逃れた妖魔たちへの対処を終えた霊冥が一息つこうとしていたが、一角からさらに深刻な報告を受けた。虚神の魂はすでに消滅していたものの、その魂が冥界へ至るまでに通過したことで、現世と冥界の境界だけでなく、さまざまな並行世界との境界や時間軸の境界までもが消滅してしまっていたのである。霊冥は、このままでは複数の世界同士が衝突し、融合すら起こり得る事態だと知って愕然とした。

別世界からの被害と冥子の封印消失

一角はさらに、今回の原因となった魂そのものが元々別世界に属する存在であり、その魂が世界の境界を破壊しながら霊冥の冥界へ流れ着いたのだと説明した。つまり霊冥の冥界は、自らの世界の問題ではなく、別世界から飛んできた災厄の流れ弾を受けた被害者だったのである。加えて、一角は冥子の封印までもが消えてしまったと報告した。再封印は不可能ではないが時間がかかるうえ、現世との境界修復も同時進行で進めねばならず、霊冥はもはや手の付けようのない状況に涙目になった。

協力者として優夜に目を付ける冥界

絶望する霊冥に対し、一角は外部の協力者を呼ぶことを提案した。霊冥は当初、天界の観測者たちを思い浮かべたが、虚神によって消滅した境界に神威がどこまで通用するか分からず、しかも天界は遠すぎて時間的猶予もないと判断した。だが一角は、協力を求める相手は観測者ではなく、人間であり、しかも別世界の冥界へ虚神の魂を送り込んだ張本人が神威を使える存在だと明かした。その人物は霊冥の冥界と対になる世界、地球の出身であり、世界を超える不思議な扉を持ち、さらに妖力まで扱えるという。霊冥は驚きつつも、その人物なら境界修復や冥子の再封印に役立つ可能性があると判断し、鬼たちに対して、その人間を今すぐ連れてくるよう命じた。また一角には、今回の発端となった別世界の冥界へ連絡を取り、協力を取り付けるよう勅命を下した。こうして、優夜の知らぬところで新たな騒動が進み始めた。

優夜のお祓い提案

翌日、空夜と妖術の修行を始めることが決まった優夜は、放課後になると前日に妖魔と遭遇した面々へ声をかけた。皆があの化物との遭遇を忘れられずにいることを確認したうえで、優夜は一度お祓いに行った方がよいのではないかと提案した。雪音は興味を示し、楓は呪われたのではないかと怯えたが、優夜がこの提案をしたのは、前夜に空夜から妖魔の残滓を祓ってもらえと強く念押しされていたからであった。

空夜が語った妖魔の残滓の危険性

空夜は、妖魔とはすでに死んだ存在であり、その存在そのものが現世に生きる者にとって穢れ、すなわち毒のようなものだと説明していた。優夜は妖力を持っているため妖魔の残滓に耐えられる可能性があるが、他の者たちは妖力を持たないため、妖魔の近くにいただけでも悪影響を受ける恐れがあるというのである。空夜自身は死者であるため祓うことができず、代わりに現世で穢れを祓える力を持つ者のいる場所を見つけ出し、そこへ行くよう優夜へ指示していた。優夜はその忠告に従い、皆を誘ってお祓いへ向かうことを決めたのであった。

神楽坂の神社へ向かう決定

優夜は、お祓いをしてもらう場所として、夏休みに肝試しで訪れた神楽坂舞の神社を挙げた。楓たちはあの時のことを思い出して驚いたが、神社である以上お祓いには適しているという話になった。レクシアは舞のことを知っている様子を見せたが、ルナが慌てて口を塞ぎ、異世界から来たことを知られないように話を打ち切った。こうして一同は予定を合わせ、次の休日に改めて神楽坂の神社へ向かうことになった。

喜多楽のスクールアイドル計画再始動

その頃、王星学園では生徒会長の喜多楽がスクールアイドル計画を進めるべく、大木へ直談判していた。喜多楽は、この学園をさらに盛り上げたいと熱弁し、学園祭対決に勝てたのは優夜という注目株がいたからであり、今後も学園の魅力を外へ発信し続ける仕組みが必要だと語った。また、自分が卒業すれば高等部を今のように盛り上げられなくなるため、その前に新たな目玉を残したいとも考えていた。だが大木は、これまで散々振り回されてきた経験から計画を認めず、他の教師たちも賛成しないだろうと突っぱねた。

優夜を計画の中心に据える決定

断られた喜多楽は、それでも計画を諦めず、自分ではなく教師たちからも評判のよい人物を表に立てる必要があると考え直した。犬養や猫田、宝城ら生徒会メンバーを思い浮かべた末、最終的にこれまで数々の学校行事を盛り上げてきた優夜こそ適任だと結論づけた。優夜なら教師たちからの印象も良く、アイドル候補となる女子生徒たちを集めることも順調に進むと見込んだのである。こうして優夜は、またしても知らぬ間に大きな企画へ巻き込まれることが決定した。

神社での再会とお祓いの開始

休日、一同は神楽坂の神社を訪れ、境内を掃除していた舞と再会した。昼間の神社は夏休みの夜とはまるで雰囲気が異なり、静かで神聖な空気に満ちていたため、亮たちも興味深く辺りを見回していた。レクシアたちはその清浄な気配を教会に似ていると感じ、ルナも神の実在を思わせる空気だと評した。舞はレクシアとルナの留学にも驚きつつ、さらに妖魔まで現れたことに呆れながらも、お祓い自体は引き受けてくれた。

神楽坂舞による浄化

舞は一同を社殿へ案内し、そこへ座らせた。そして目を瞑るよう指示したあと、例のお札を用いてお祓いを始めた。優夜にはその様子を直接見ることはできなかったが、舞の方から聖なるものともまた異なる神聖な気配が広がり、それが体の奥底へと浸透していくのを感じた。その気配は、体内に溜まった悪いものを浄化していくような心地よさを伴っていた。やがて舞が終わりを告げると、レクシアやルナも体の内側から癒やされたような感覚を覚えており、舞はこれで大丈夫だろうと告げた。

縁結び神社の正体

お祓いを終えた後、凜たちはこの神社が何で有名なのかを舞に尋ねた。すると舞は、この神社は縁結び神社であり、就職や友人関係なども含めた縁を結ぶが、特に分かりやすいのは恋愛に関する御利益だと説明した。その話を聞いた途端、レクシアたちの目の色が変わり、恋愛おみくじや恋愛運上昇の場所があると知ると、一気にやる気を見せた。こうして一行は、お祓いだけでなく神社の縁結びに関する名物も見て回ることになった。

恋愛みくじの奇妙な結果

最初に案内されたのは恋愛みくじであった。亮や慎吾は、自分たちに妙に当てはまる具体的な内容を引き当てて驚かされた。優夜もみくじを引いたが、そこに書かれていた運勢は吉凶ではなく「?」という記号であり、その下には、複雑に絡まりすぎた縁の先が見えないが、上手くやればそのすべてと結ばれる可能性があるので頑張れという、みくじとは思えない語りかけるような文が記されていた。舞もそんな結果を見たことがないようで呆れていた。一方、凜やユティ、雪音もそれぞれ思うところのある内容を受け取り、特にレクシア、佳織、ルナ、メルルたちが引いたみくじには全員同じく「頑張ってください」という一文だけが書かれていた。再度引き直しても結果は変わらず、彼女たちは内容が分からないことに困惑しつつも、悪いことが書かれていなかったことには安心していた。

池の願掛けで続く失敗

次に案内されたのは、池の中央の小島に小銭を投げ入れることで恋愛成就の御利益が得られる願掛けの場所であった。レクシアは簡単そうだと意気込み、ルナから小銭を受け取って投げたが、小島には届かず池に落ちてしまった。続くルナは鋭く投げて小島を狙ったものの、横切った野良猫に小銭をはたき落とされて失敗した。二人は互いの失敗を嘲笑って言い争いになったが、舞にたしなめられて落ち着きを取り戻した。

佳織たちの苦戦とユティの成功

続いて挑戦した佳織は、なぜか小銭を前ではなく後ろへ飛ばしてしまい、見守っていた優夜たちを危険な目に遭わせた。何度挑戦しても結果は変わらず、佳織は自分の運動能力の低さに深く落ち込んだ。楓とメルルも失敗し、メルルに至っては計算し尽くした投擲を試みたにもかかわらず、突然吹いた強風に小銭を逸らされた。一連の流れを見ていたユティは、何か妙な力が小銭を妨害しているように思えると口にし、自分の技術が通用するか試したいと言って挑戦した。そして弓聖の弟子としての技を使い、突風や小枝すら貫いて、小銭を小島へ突き刺すことに成功した。亮たちはその神業に興奮したが、レクシアたちは自分たちの失敗を思い出し、この世の終わりのように絶望していた。優夜にすごいと言ってもらえたユティは、少し照れた様子を見せた。

縁の大木での最後の願掛け

最後に舞が案内したのは、神社の中に立つ「縁の大木」であった。その大木には人一人が通れそうな空洞があり、そこを八の字を描くように潜り抜けられれば、想い人と結ばれる御利益があるとされていた。これは身体能力や運よりも単純な動作で済むため、皆にも可能だと思われた。実際、真っ先に挑戦したレクシアは無事成功し、続くルナや佳織たちも次々に潜り抜けることができた。

楓の失敗と女子たちの複雑な反応

一同がこのまま全員成功で終わるかと思われたが、楓だけは胸が穴につかえて通り抜けられなかった。男子陣は気まずさを覚えたが、女子たちはなぜか楓を見て絶望した。自分たちは成功したはずなのに、楓にだけ別の意味で負けたような気分になってしまったのである。楓は願掛けに失敗したうえに皆から責められ、理不尽さに悲鳴を上げていた。こうしてさまざまなハプニングは起こったものの、一同は無事にお祓いを済ませることができたのであった。

第三章 スクールアイドル計画

妖力修行の進展

神楽坂舞のもとでお祓いを受けた後、優夜は空夜から妖力の修行を受けていた。修行の目的は、自分の意思で妖力を自由に放出できるようになることと、体内で妖力を自在に動かせるようになることであった。そのため優夜は座禅を組み、自身の内側に意識を向けながら妖力と向き合っていた。空夜は、焦れば妖力が暴発するため、ゆっくり続けることが大切だと教えたが、優夜は短期間のうちに妖力の放出や体内操作をかなり自然に行えるようになっていた。

妖力と妖術の性質の説明

修行の中で優夜は、妖力や妖術で実際に何ができるのかを空夜に尋ねた。空夜は、妖術は異世界の魔法に近く、妖力を消費してさまざまな事象を引き起こす技術だと説明した。ただし、魔法と違って妖力は死の穢れが力となったものであるため、妖術はより攻撃的で殺傷能力が高く、たとえば妖術で生み出した炎は通常の手段では消えず、妖力のこもった力でしか打ち消せないという特徴があった。さらに、体内で妖力を操作できるようになれば、常時肉体を強化することも可能であり、筋肉に頼らずとも圧倒的な力を発揮できると教えられた。

優夜が妖力を扱いやすい理由

優夜は、自分が妖力をすぐ扱えるようになった理由も気にしていた。空夜は、妖力は元々ずっと優夜の中にあり続けた力であり、これまでその存在を認識できず、使う必要がなかっただけだと説明した。ひとたびその存在を認識してしまえば、息をするのと同じように自然に扱えるようになるのだという。実際、優夜は妖力を体外へ放出したり、武器に纏わせて攻撃に利用したりすることもある程度できるようになっており、妖魔への対処も可能な状態になりつつあった。

妖魔への備えと穏やかな日常

優夜は妖魔が現世に出現した理由や、その背後にある事情を気にしていたが、空夜は今の優夜が一人でそれを解決する必要はないと諭した。冥界がこの状況を放置するとは考えにくく、今の優夜は身近な人間を守れるよう備えることだけを考えればよいというのが空夜の見立てであった。こうして優夜は、妖魔への不安を抱えつつも、空夜との修行によって妖力の扱いを学びながら、比較的平穏な日々を送っていた。

喜多楽総の突然の来訪

そんな日常の中、ある日授業を終えて帰ろうとした優夜の教室に、勢いよく扉を開けて一人の男子生徒が現れた。その男子生徒は自信に満ちた華やかな雰囲気を纏い、優夜の名を呼んで一直線に近づいてきた。沢田先生はその姿を見て疲れた様子を浮かべており、彼のことを喜多楽と呼んでいた。やがてその男子生徒は、自分が王星学園の生徒会長・喜多楽総であると名乗り、優夜に会いに来たのだと明かした。優夜は、これまで生徒会役員たちは見たことがあっても生徒会長だけは見たことがなかったため、意外な人物の登場に大いに驚いた。

生徒会長の素性と暴走ぶり

喜多楽は、自分がこれまで色々とやらかしすぎたせいで教師陣に目を付けられ、人前に立つ機会を減らされていたと豪快に笑って語った。沢田先生も、彼が手掛けてきた学校行事はどれも成功している一方で、周囲にかかる労力を考慮しないため、教師たちから警戒されていると苦言を呈した。喜多楽はそれでも普通の生徒会長になるつもりはなく、自分らしく動くことを当然のように考えていた。その破天荒さに優夜は圧倒されつつも、ただならぬ人物だと実感した。

スクールアイドル計画への勧誘

喜多楽が優夜のもとを訪れた理由は、優夜に王星学園のスクールアイドルたちを育ててほしいと頼むためであった。優夜は突然の話にまったく状況が理解できず、何もかも聞き返すことになった。そこへルナがスクールアイドルとは何かを尋ね、慎吾が熱意たっぷりにその概念を説明したことで、優夜とルナはようやくスクールアイドルの輪郭を掴んだ。喜多楽は、日帝学園との学園祭対決で宣伝力の差を痛感したことから、王星学園にも新しい風を起こすための企画としてスクールアイドル計画を考えたのだと説明した。

優夜が責任者に選ばれた理由

さらに喜多楽は、その計画の担当者に優夜を選んだ理由を率直に明かした。それは、優夜が教師たちから非常に高く評価されており、自分のように暴走して警戒されることがないからであった。沢田先生も、球技大会、体育祭、学園祭のすべてで活躍し、なおかつ周囲に無理を強いない優夜は教師たちからの印象が良いと認めた。喜多楽は、その信頼を利用して教師陣の視線を和らげるためにも、優夜を責任者に据えたいと考えていたのである。優夜はその率直すぎる説明に驚きつつも、まだ具体的に何をするのかも分からず、不安を覚えていた。

レクシアたちの登場と生徒会長の着眼

優夜が返答に迷っていたその時、帰りの待ち合わせに来ていたレクシアとユティが高等部の教室へ迎えに現れた。最近は妖魔の件もあり、安全のために優夜たちは一緒に帰宅するようにしていたのである。すると喜多楽は、レクシアの姿を見るや否や目を輝かせ、彼女にスクールアイドルとしての才能があると確信し、その場で勧誘を始めた。突然のことにレクシアは戸惑ったが、話を聞くうちに面白そうだと感じ、さらに優夜が面倒を見てくれるのなら参加したいと考えるようになった。

レクシアの駆け引きと優夜の了承

優夜は、自分はまだ手伝うと決めたわけではないと否定しようとしたが、レクシアは悲しげな表情を浮かべ、この世界でいろいろな経験をしたかったが、優夜に迷惑をかけるなら我慢すると口にした。その姿に優夜は耐えきれず、結局手伝うと口にしてしまった。レクシアはすぐに嬉しそうな笑顔を見せ、優夜は少し釈然としない思いを抱えながらも、彼女の留学生活を充実させるためには自分が頑張るしかないと腹をくくった。

ルナとユティの参加決定

レクシアはさらにルナにも参加を促した。喜多楽もまた、ルナにもレクシアに劣らぬオーラがあると見抜き、その場で採用を決めようとした。ルナは当初、自分はやるとは言っていないと拒否しようとしたが、レクシアが自分だけ優夜につきっきりで面倒を見てもらうことになると言い出したため、それに反応して参加を決意した。また、レクシアはユティにも声をかけ、ユティはアイドルになることで優夜に面倒を見てもらえると聞くと、それを理由に参加を了承した。こうして、レクシア、ルナ、ユティの三人がまず参加者として決まった。

楓とメルルの立候補

喜多楽は、その勢いのまま教室全体へ向かって追加参加者を募った。クラスメイトたちは興味を持ちながらも、突然の話であり、しかもレクシアたちと並ぶことに気後れして、なかなか手を挙げられずにいた。そんな中、楓が少し恥ずかしそうにしながら立候補し、それに続く形でメルルも、これもよい経験になるだろうとして参加を申し出た。結果として、レクシア、ルナ、ユティ、楓、メルルの五人が、王星学園のスクールアイドルとして活動することが決定した。

計画の始動と周囲の反応

ここまで話が一気に進んだことに対し、沢田先生は、喜多楽の思いつきが相変わらず驚くほど順調に実現していくことに呆れていた。生徒会役員の女子も、毎回その暴走に巻き込まれる立場として疲れた様子を見せていたが、止めようとしても止まらないのが喜多楽であることを皆理解していた。佳織は優夜に申し訳なさそうにしつつも、自分は大変さ以上に楽しさを感じていると本音を漏らした。優夜もまた、自分に務まるのか不安ではあったが、佳織の励ましを受けて少し勇気づけられた。

喜多楽の構想拡大と優夜の困惑

参加者が揃うと、喜多楽はさっそく計画の具体化に思考を巡らせ始めた。彼は、せっかく集まった魅力的な人材を活かすため、楽曲や衣装など他の要素にも力を入れる必要があると考え、学園祭で縁ができた人気アーティストの歌森奏に楽曲提供を頼む案まで口にした。そして詳しい話はまたそのうちにすると言い残すと、そのまま嵐のように教室を去っていった。初めて会った生徒会長は、優夜にとってただただ圧倒的な存在であり、気づけば自分がスクールアイドル計画の責任者にされていたという事実だけが、重く残ることになった。

第四章 冥界

妖力を纏った攻撃訓練

優夜は空夜の指導のもと、妖力を扱う訓練を続けていた。今回は、空夜が妖力で作り出した「小鬼」を相手に、妖力を纏わせた絶槍で攻撃する実戦形式の修行が行われた。優夜が小鬼の胴体を貫くと、それは塵のように消え、空夜は対象物への妖力付与が十分にできているとして、ひとまずの目標を達成したと認めた。

妖力の性質と血筋の由来

訓練後、優夜は妖力が後天的に身につくものなのかを空夜に尋ねた。空夜は、妖力は本来生者が避けるべき死の穢れに近い力であり、それを蓄えられる体質がなければ後から身につけるのは難しいと説明した。そのうえで、天上家に妖力が流れている理由は、はるか昔の先祖に妖魔がいたからだと明かした。かつて現世と冥界の境界が今より緩かった時代には、妖魔が現世を跋扈しており、人間と妖魔の間に子が生まれることもあったため、その血が天上家に受け継がれたのだという。

妖力を増やす方法とその危険性

さらに空夜は、優夜の妖力を引き上げる方法についても語った。他者の妖力を無理やり取り込むことで増やすことも可能だが、それは死の穢れを一身に受けるのと同じであり、悪意に染まった妖魔の力を引き受ければ悪影響が出る危険が高いと警告した。そのため、最も安全で確実な方法は、自分の体内に蓄えられた妖力を使い切り、回復のたびに少しずつ貯蔵量を増やしていくことだと教えた。優夜は急激な力の増大が危険であることを自覚していたため、その地道な方法を受け入れていた。

レクシアたちの外出と穏やかな日常

修行の最中、空夜からレクシアたちが買い物に出かけていると聞いた優夜は、彼女たちが地球の生活に馴染み始めていることに安堵していた。文化の違いに戸惑いながらも、レクシアたちはこの世界を楽しみ、ユティも友だちを作るなど、それぞれが地球での日常を築きつつあった。優夜は、彼女たちが無事に適応していることを嬉しく思いながら、夕食の準備をしようとした。

鬼たちの襲来と突然の戦闘

その時、優夜は初めて妖魔と遭遇した時以上に濃密な死の気配を感じ取った。目の前には黒い渦が現れ、そこからブラッディ・オーガに似た、だが理性を宿した複数の鬼たちが現れた。鬼たちは優夜の名を知っており、霊冥様が呼んでいるからついて来いと命じた。しかし優夜が霊冥という名を聞き返したことで、鬼たちはそれを不敬と受け取り、教育が必要だと判断していきなり襲いかかってきた。

妖力を用いた応戦

黄色い鬼の攻撃をかわした優夜は、魔装と聖邪開闢を発動しながら応戦した。最初は通常の攻撃が通じなかったが、すぐに相手が妖魔と同種の存在であり、妖力が必要だと悟った。そこで全身に妖力を行き渡らせて蹴りを放つと、鬼はまともに防御していなかったため、優夜の一撃を受けて苦しんだ。他の鬼たちは激昂し、さらに死の気配を放ちながら優夜に襲いかかったため、優夜は厳しい戦いに巻き込まれていった。

一角の登場と誤解の収束

鬼の攻撃を避けきれない状況になったその瞬間、青い肌の鬼が現れ、優夜に向けられた拳を静かに受け止めた。それが一角であり、彼は他の鬼たちとは比べ物にならないほど理性的で、静かだが極めて濃密な妖力を纏っていた。空夜もまた戦いを察知して現れ、家が壊れないよう妖力で守っていたことを明かした。一角は、優夜への説明が行き届いていなかったことを認め、粗相をしたと謝罪したうえで、自分は霊冥の使者であり、優夜を霊冥のもとへ連れて行くために来たのだと説明した。

冥界への招待と同行できない者たち

一角は、優夜が呼ばれている理由は霊冥本人から直接話してもらいたいと述べ、冥界まで来てほしいと頼んだ。優夜は、生きたまま死者の国へ招かれることに不安を覚えたが、一角は優夜が妖力を宿しているうえ、霊冥からの正式な招待であるため問題はないと説明した。ただし、招待されているのは優夜一人だけであり、ナイトたちや他の仲間は同行できないと告げた。冥界は死の穢れに満ちた場所であり、そこに滞在するには妖力が必要だからである。

空夜の本体と優夜の決断

優夜は空夜も一緒に行けないのかと尋ねたが、空夜は自分が絵巻に残された思念体にすぎず、本体はすでに冥界に存在しているため同行はできないと答えた。ただし、記憶のやり取りはできているため、冥界にいる本体も優夜のことを知っており、力になってくれるはずだと伝えた。一角と空夜の二人から頭を下げられ、冥界で大変なことが起きているのだと知った優夜は、自分に何ができるか分からないまま、それでも協力することを決意した。

冥界へ向かう優夜

一角が黒い渦を再び開くと、優夜はナイトたちやオーマ、空夜に見送られながら、その中へ足を踏み入れた。ナイトたちは留守を任せろと言わんばかりに応じ、オーマもそっけない態度ながら家のことを気にかけると告げた。こうして優夜は、仲間たちを地球に残し、一人で冥界へ向かうことになった。

一方で進むスクールアイドル計画

その頃、王星学園では喜多楽がスクールアイドル計画を本格的に動かし始めていた。参加者と優夜を確保した彼は、次に重要なのはステージ作りだと考えたが、自分にはその分野の知識がないことも自覚していた。そこで、これまで学校行事で縁のあったスタープロダクションへ協力を依頼することを決めた。猫田はその行動力に呆れつつも、喜多楽はすでに連絡先まで押さえており、すぐに事務所と接触することに成功した。

芸能事務所への交渉と優夜の価値

スタープロダクションを訪れた喜多楽は、社長に対してスクールアイドル計画への協力を求めた。社長は企画自体には面白さを感じつつも、前例がなく利益も不透明であるため簡単には動けないと慎重な態度を取った。すると喜多楽は、この企画の要は天上優夜だと断言した。優夜自身がアイドルになるわけではないが、責任者として表舞台に立てば必ず注目を集めるうえ、将来的にはスクールアイドルとして活動させることも視野に入れていると語った。芸能界入りを断った優夜も、期間限定のスクールアイドルなら心理的なハードルが低く、そこから芸能界に興味を持つ可能性もあると説明されたことで、社長はその発想に驚きつつも魅力を感じ、最終的に事務所の全面協力を決めた。

冥界の光景と霊冥の館

一方、黒い渦を抜けた優夜は、全身に纏わりつく死の気配とともに冥界へ到着した。そこは全体的に薄暗く、妖力が大気そのものに満ちており、どこからともなく妖魔たちの唸り声が響く重苦しい世界であった。そのような地底世界のような光景の中で、ひときわ不釣り合いなほど豪華な館がそびえていた。一角に導かれてその館へ入った優夜は、大広間へと連れて行かれた。

霊冥との対面

広間で一角が霊冥に優夜を連れてきたと告げると、静かだが威厳に満ちた声が響き、優夜は自然と跪きたくなるような圧力を感じた。しかし、その声の主を見て優夜は驚愕した。そこにいたのは、閻魔のような装束をまとった小さな少女であり、彼女こそが冥界を統べる霊冥であった。霊冥は、見た目に驚きつつも自分を侮らない優夜の態度を気に入り、すぐに本題へ移った。

虚神の魂が引き起こした災厄

霊冥は、冥界と現世の境界が消えたことで妖魔たちが現世へ逃げ出したこと、その原因が優夜が倒した虚神の魂にあることを説明した。虚神は触れたものすべてを消滅させる性質を持ち、その魂もまた同じ力を保っていたため、この冥界へ流れ着くまでの間に数々の境界を消し去ってしまったのだという。その結果、冥界と現世の境界だけでなく、妖魔を閉じ込めていた封印すら消え、妖魔の脱走を許す事態になっていた。

冥子という存在の正体

さらに霊冥は、優夜に力を借りたい理由は、冥子という存在の封印であると告げた。冥子は、この冥界に封じられた妖魔たちの悪意が長い年月をかけて凝縮し、結晶化して生まれた存在であった。優夜は異世界の邪を思い浮かべたが、霊冥はそれとは比べ物にならないと断言した。邪が世界の負の感情から生まれた存在であるのに対し、冥子は冥界最下層に幽閉された究極の大罪人たちの悪意そのものから生まれたため、質も量も桁違いなのだという。優夜は、その説明を聞いて冥子の危険性に言葉を失った。

修行のために集められた師匠たち

今の優夜では冥子を封印することは不可能であり、妖力を使った封印術もまだ身についていないと霊冥は判断していた。そこで霊冥は、封印そのものは優夜に行わせるが、そこへ至るための支援として、この冥界で修行をさせるつもりだと告げた。そのための師匠として呼ばれていたのが、襤褸をまといながらも気品を漂わせる老人、穏やかな気配を持つ女性、そして地球で別れたはずの空夜であった。

ゼノヴィスとの再会

その中でも、老人の姿を見た優夜は、なぜか初対面とは思えない感覚を覚えていた。すると老人は、今の年齢の姿で会うのは初めてだと苦笑しながら、自らをゼノヴィスと名乗った。優夜の人生を大きく変えた賢者その人が、老いた姿で目の前に現れたのである。面影を確かに感じ取った優夜は、その事実に耐えきれず、思わず絶叫したのだった。

第五章 冥子

冥界での師匠たちとの顔合わせ

ゼノヴィスとの再会に衝撃を受けていた優夜だったが、冥界で自分を鍛える師匠は彼だけではなかった。もう一人の女性は、自らを弓聖アーチェル・アローと名乗り、ユティの師匠であることを明かした。優夜はここで初めて、ユティの師匠とも対面することになった。霊冥の説明によれば、アーチェルとゼノヴィスは冥子から溢れ出る邪悪な存在の相手を担当し、冥子そのものと向き合う優夜を支える役目を担っていた。

冥子封印に向けた修行方針

霊冥は、冥子の力は冥界の大罪人たちの悪意の結晶であり、その悪意が溢れれば周囲に邪悪な存在を次々と生み出すと説明した。ゼノヴィスは死後に得た霊力で露払いを担当し、優夜には冥子と対峙できるよう、武器や魔法の扱いを教えることになった。一方で妖力と封印術については空夜が教えることになり、優夜は冥子を相手取るために、さらに妖力の扱いを高め、封印術を習得する必要があると告げられた。

ゼノヴィスが優夜を覚えていた理由

優夜は、かつて魂の契約によってゼノヴィスとの記憶を失ったはずなのに、なぜ再会できたのかを疑問に思った。するとゼノヴィスは、自分がすでに死んで魂だけの存在になったことで、肉体に縛られていた記憶が解放され、優夜のことも思い出せたのだと説明した。優夜は、失われたはずの縁が死後に再び繋がっていたことを知ることになった。

祖父との再会

その後、霊冥は最後にもう一人、優夜に会わせたい者がいると言って一人の人物を広間へ呼び入れた。そこに現れたのは、優夜の祖父・夜之助であった。優夜はその姿と声を見た瞬間に感情を抑えきれなくなり、涙を流しながら祖父に駆け寄って抱きついた。夜之助は優しく優夜を抱き留め、立派になったと穏やかに声をかけた。優夜にとって、二度と会えないと思っていた祖父との再会は、何よりも大きな救いであった。

冥界での長期修行

こうして優夜は、冥界で本格的な修行を始めることになった。冥界は天界と同じく現世の時間の流れから隔絶されており、その間は歳も取らないため、優夜は地球での生活を気にせず長期間修行に打ち込めた。空夜が妖力で生み出した複数の小鬼を相手に、優夜は全剣へ妖力を纏わせて戦い、複数相手でも妖力操作を乱さず戦えるよう鍛えられていった。ゼノヴィスは武器の扱いを、空夜は封印術を中心に教え、優夜は冥子封印のために必要な力を少しずつ身につけていった。

アーチェルが語るユティとの過去

修行の合間、アーチェルはユティとの出会いについて優夜に語った。ユティは赤ん坊の頃、村の近くの森に捨てられており、見回り中のアーチェルが偶然保護したのだという。ユティは生まれつき俗世離れした雰囲気と高い洞察力を持っていたため、村人たちから不気味がられていたうえ、アーチェル自身も弓聖としてその力を恐れられ、村の中で孤立していた。だからこそアーチェルにとってユティは初めてできた家族であり、過保護になるほど大切な存在だった。アーチェルは、今は優夜のおかげでユティが前を向いていることを喜び、これからも彼女を頼むと優夜に託した。

冥子の暴走の兆し

その直後、優夜たちの前に強烈な悪寒が走った。現れたのは、漆黒の闇をまとい、狼男のような姿をした怪物であった。その怪物は凄まじい速度で優夜の死角から襲いかかったが、ゼノヴィスが即座に霊力の剣を生み出して斬り捨てた。そこへ赤鬼の二角が駆け込んできて、冥子の力が暴走し始めたと報告した。先ほどの怪物こそが、冥子の妖力から生み出された存在であり、冥子の暴走が始まった証であった。

冥子のもとへ向かう決意

冥界と現世の境界が崩れている今、この怪物たちが冥界に溢れれば、やがて現世へ雪崩れ込む危険があった。優夜たちは急ぎ冥子のもとへ向かうことを決めた。封印術を身につけたかを問われた優夜は不安を抱えつつも、自分がやるしかないと覚悟を固めた。その時、今まで黙っていた夜之助が、本当に冥子を封印していいのかと問いを発した。

夜之助の疑問と冥子擁護

夜之助は、冥子が本当に悪いことをしたのかと問いかけた。冥子の力が暴走し、怪物を生み出しているのは事実だが、それが冥子自身の意思によるものではないのなら、一方的に悪と決めつけて封印するのはおかしいと主張した。さらに、封印が解けてからもしばらく冥子が動き出さなかったことから、冥子自身が必死に暴走を抑えていた可能性を示した。二角は危険性を理由に封印以外の選択肢を否定したが、夜之助は、失敗するかもしれなくても救う道を探るべきだと譲らなかった。

ゼノヴィスの考えの変化

ゼノヴィスは当初、現世への被害を防ぐためにも封印が必要だと考えていた。だが夜之助は、無駄に終わるかもしれなくても足掻くことこそ人間らしさだと告げた。その言葉は、人間として死ぬことを望んだゼノヴィスの心に深く刺さった。ゼノヴィスは自分がいつの間にか、その人間らしさを忘れていたことに気づき、笑いながら夜之助の考えを受け入れた。こうしてゼノヴィスも、冥子をただ封印するのではなく、救い出す道を探る側へ立つことを決めた。

霊冥が語る冥子の真実

議論が平行線を辿る中、霊冥が姿を現し、ついに冥子の真実を語った。冥子は大罪人たちの悪意から生まれた存在ではあるが、冥子自身には何の罪もなく、むしろ驚くほど純粋で優しい存在だった。彼女は、自分の身に宿る力が世界を傷つけてしまうことを理解しており、そのため自ら霊冥に封印を願い出て、何万年もの間ずっと封印され続けてきたのだった。霊冥自身も、本当は冥子を救いたいと願っていたが、冥界と現世の危機を前に、封印以外の方法を諦めかけていたのだった。

救済を目指して冥子のもとへ

霊冥が自ら冥子を救いたいと口にしたことで、優夜の決意は完全に固まった。夜之助は、困っている者がいるなら助けるべきだと優夜に語りかけ、優夜も最後まで足掻くと誓った。こうして優夜たちは、封印ではなく救済の可能性を求めて、冥子のもとへ向かうことになった。

地球でのレクシアたちの時間

その頃地球では、レクシア、ルナ、ユティの三人が買い物をしながら街を見て回っていた。レクシアは、魔力も魔物も存在しない地球で、人々の生活を支える機械文明に強い関心を抱いていた。特にスマホの存在に注目し、遠く離れた相手と簡単に連絡を取れるその仕組みを、自国アルセリア王国にも持ち帰れないかと真剣に考えていた。最初は優夜と同じ学園に通うための口実にすぎなかった地球留学であったが、レクシアは知らぬ間に、国民の暮らしを良くしたいという王族としての視点でこの世界を見始めていた。

冥子との対面と戦場の中心

一方冥界では、二角に案内された優夜たちが冥子のいる場所へ辿り着くと、そこは怪物で溢れかえる戦場となっていた。その中心には、暗黒の妖力を暴風のように撒き散らしながら苦しむ一人の女性がいた。それが冥子であり、彼女が叫ぶたびに冥界に亀裂が入り、新たな怪物が次々と生み出されていた。ゼノヴィス、アーチェル、空夜の三人はためらいなく怪物の群れへ踏み込み、それぞれ圧倒的な力で怪物たちを一掃していった。

暴食の掃除機による妖力吸引

怪物たちを三人に任せた優夜は、冥子のもとへ突き進んだ。そこで優夜が取り出したのは、かつてドラゴニア星人のビーム砲を吸い込んだ暴食の掃除機であった。この掃除機には、使用者がゴミだと思ったものを吸い込む能力があり、優夜はこれで冥子の溢れる妖力を吸い取ろうと考えたのである。掃除機は見事に冥子の妖力を吸い込み始め、苦しんでいた冥子も一瞬希望を見せた。だが冥子自身は、自分さえいなければ誰も傷つかずに済むのだから封印してほしいと涙ながらに訴え、自分の存在そのものに絶望していた。

優夜の説得と冥子の揺らぎ

優夜は、そんな冥子に対し、自分も昔は周囲から疎まれ、自分の存在が悪いのではないかと苦しんだことを重ねた。そして、霊冥が冥子の自由を願っていることを伝え、何と言われても自分たちは諦めないと叫んだ。冥子は、自分も自由になってよいのかと戸惑いながら問い返し、優夜は当然だと答えた。優夜は掃除機を操作しながら怪物を斬り伏せ続け、冥子の妖力を吸い取りきれるかに見えた。

掃除機の限界と最後の賭け

しかしその時、冥子の妖力がまるで意思を持つかのように噴き出し、掃除機の吸引速度を上回る勢いで溢れ出した。ついには暴食の掃除機がオーバーヒートを起こして停止し、冥子の妖力は今までで最大の勢いで優夜たちに襲いかかった。妖力の濁流はさらに大量の怪物を生み出し、もはや封印以外に道はないかと思われた。だがその瞬間、優夜は空夜から教えられていたもう一つの方法を思い出した。それは極めて危険な方法であったが、優夜は最後の可能性に懸け、自ら冥子の妖力をすべて受け入れる決意をした。

冥子の妖力を引き受ける優夜

優夜は襲い来る冥子の妖力に逆らうことをやめ、両手を広げてその濁流を受け入れた。ゼノヴィスたちは必死に止めようとし、空夜もその危険性を知って叫んだが、優夜は構わず冥子の妖力を体内へ取り込み始めた。すると、全身を内側から食い破られるような想像を絶する苦痛とともに、冥界の大罪人たちの悪意が精神を侵食してきた。それでも優夜は、今まで一人で耐え続けてきた冥子に比べればこの程度で諦めるわけにはいかないと、自らを奮い立たせた。意地と根性だけで、優夜はひたすら冥子の妖力を吸収し続けた。

冥子の妖力の停止と優夜の意識喪失

やがて、長い苦痛の果てに冥子から溢れ出していた妖力の波はついに止まった。冥子自身も、自分の妖力が本当に止まったことを信じられない様子で呆然としていた。優夜は何とか成功したことに安堵したが、その瞬間に張り詰めていた意識の糸が切れ、その場で視界を失った。倒れゆく優夜を誰かが抱き留め、その耳には、無茶をしたがよくやったという声が届いたのだった。

エピローグ

冥界の復旧と残された問題

冥子を解放してから数日が経ち、冥界では彼女から溢れ出た妖力によって荒れ果てた各所の修繕作業が進められていた。その一方で、優夜たちが冥子と向き合っている間に、霊冥は現世との境界線を再び復活させることに成功していたため、これ以上新たに妖魔が現世へ流れ込むことはなくなった。ただし、すでに現世へ逃げ出してしまった妖魔については、冥界の者たちが直接赴いて対処することはできず、現世にいる優夜のような妖力を持つ者が探し出して倒すしかないと説明された。また、霊冥が修復できたのはあくまで自分が管理する冥界と現世との境界だけであり、虚神の魂によって壊された他の世界間の境界については依然として不明なままであった。

冥子の解放と主従関係の成立

優夜自身にも大きな変化が起きていた。その一つが、冥子が優夜の配下のような立場になったことである。優夜が冥子の妖力をすべて吸収した結果、二人の間に魂の繋がりが生じ、異世界で言うテイムに近い状態になっていた。優夜はすぐに冥子を解放しようとしたが、そうすると吸収した妖力が再び冥子へ戻る可能性があるため、その考えを改めた。冥子自身は、優夜を主人と呼び、従者として仕えることを当然のように受け入れていた。

冥子のメイド姿と偏った知識

冥子はそのうえ、なぜかメイド服を着て優夜に尽くそうとしていた。優夜がその理由を尋ねると、冥子は従者とはこういう格好をするものだと認識していたと答えた。その知識は、自分を形作った大罪人たちの魂に由来するものであり、冥界に生きる自分には冥土のメイドがふさわしいと真面目に考えていた。優夜はその認識に強く異議を唱えきれず、やんわりと止めようとしたものの、冥子は従者として仕える姿勢を崩さなかった。最終的に優夜は、自由になった冥子が好きなように振る舞えるなら、それでよいと受け止めることにした。

優夜の妖力の変質と制御

もう一つの変化は、優夜自身の妖力であった。空夜によれば、もともと異世界でレベルアップする前の優夜ですら世界最高峰の妖力保有者だったが、レベルアップに伴う肉体の変化によって、より妖力の貯蔵庫として優れた存在へと変質していたという。そのため、本来なら危険極まりない冥子の妖力を全て受け止めることができたのであった。さらに、冥子の妖力は大罪人たちの悪意から生まれた負の力であるにもかかわらず、優夜は元々邪という似た性質の力を身に宿し、それを制御してきた経験があったため、比較的容易に冥子の力も制御できるようになっていた。

冥界の面々との別れ

心身の回復を終え、冥界でやるべきことを果たした優夜は、帰還の時を迎えた。一角が来た時と同じ黒い渦を開き、それを通れば地球の家へ戻れることになっていた。見送りにはゼノヴィス、アーチェル、空夜、そして霊冥までもが立ち会っていた。ゼノヴィスは二度目の共闘を楽しかったと語り、アーチェルはユティをこれからも頼むと優しく告げた。空夜は、まだまだ妖術について教えきれていないため、地球に残した思念体の自分から引き続き学ぶよう優夜に伝えた。

霊冥と冥子の新たな関係

霊冥は優夜に対し、本当に救われたと感謝を述べた。冥子を再び孤独にさせるところだったと語る霊冥に対し、優夜の後ろに控えていた冥子は静かに笑みを返し、二人の間には以前とは違う穏やかな関係が生まれていた。冥界を統べる主としての立場から封印を選ばざるを得なかった霊冥にとって、冥子が自由の身となったことは何よりも大きな意味を持っていた。

祖父との別れ

最後に優夜は祖父・夜之助と向き合った。夜之助は、短い間でも再び一緒に過ごせたことが嬉しかったと語り、優夜が真っすぐに育ってくれただけで十分だと優しく告げた。優夜はまだ未熟だと感じながらも、これからも頑張ると約束した。夜之助は、大丈夫だ、焦らず自分のペースで進めばよいと、生前と変わらぬ穏やかな言葉で優夜を励ました。優夜はその言葉を胸に刻み、皆に別れを告げて黒い渦を潜り、元の家へ帰っていった。

虚神の魂が残した世界規模の影響

しかし、冥界に平穏が戻ったとはいえ、問題が完全に解決したわけではなかった。虚神の魂は、優夜たちの現世と冥界の境界だけでなく、さまざまな世界同士の境界までも消滅させていた。霊冥は一つの冥界の主にすぎず、時間軸や並行世界そのものを管理しているわけではないため、それらの境界の崩壊までは修復できなかった。そのため、優夜たちの知らぬところで、新たな脅威が着実に近づきつつあった。そしてその脅威は、あの世界を乗っ取らなければならないと呟きながら、優夜たちの未来へ影を落とし始めていた。

学園で進むスクールアイドル計画

一方その頃、王星学園では喜多楽がスクールアイドル計画をさらに推し進めていた。彼は生徒会役員を前に、ステージが決まったと嬉々として宣言した。メンバーを決めたばかりで、衣装も曲も何も整っていない段階であるにもかかわらず、喜多楽はステージ本番を見据えて話を進めていた。猫田は、歌も踊りも準備が必要なのに、あまりにも早すぎると悲鳴を上げたが、喜多楽はそれまでに何とかすればよいとどこまでも楽観的であった。こうして王星学園でも、優夜にさらなる大仕事が降りかかるのは時間の問題となっていった。

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異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する 一覧

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e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 小説【いせれべ】異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する16感想・ネタバレ
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