「俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 2巻」ネタバレ

「俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 2巻」ネタバレ

どんな本?

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ は、鍋敷 氏が小説家になろうで連載しているライトノベルです。
アース・スターノベルから単行本が発売されており、現在第7巻まで出ている。
また、KRSG氏がコミカライズを担当しており、コミック アース・スターで連載中。

この物語は、才能なしの少年と呼ばれて職業養成所を去った男・ノールが、ひたすら防御技【パリイ】の修行に明け暮れた結果、世界最強クラスの力を手にしているのに、一切気がつかないまま強敵を打ち倒していく英雄ファンタジー。

ノールは、魔物に襲われた王女を助けたことから、王国の危機に巻き込まれていく。

しかし、彼は自分の能力に全く自覚がなく、常に謙虚で真面目に振る舞う。
そのギャップが面白く、読者の共感を呼んでいるらしい。

この作品は、TVアニメ化も決定している。

読んだ本のタイトル

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 2
著者:鍋敷 氏
イラスト:カワグチ  氏

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あらすじ・内容

クレイス王国を征服するため、魔導皇国の皇帝は恐るべき攻撃を仕掛けてきた。
厄災の魔竜に蹂躙され、王国は命運は風前の灯火となる。
しかし、王女・リーン、【神盾】イネス、そして無自覚最強のノールが立ちはだかる。
魔導皇国の圧倒的な攻撃力を前に、彼らは窮地に陥った王国を救うことができるのか!?
大人気シリーズ第2巻はいきなりクライマックス!!

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 2巻
【公式】アース・スター エンターテイメント

前巻からのあらすじ

落ちこぼれだと思っていた少年は15年間。
唯一使える剣技【パリイ】を使えるように山に引き籠って修行していて再度王都に行ったら。

迷宮の中層で暴れているミノタウロスの攻撃を全て単独でパリイしてスキを見付けて斬り捨てる。

ゴブリンの最上種エンペラーゴブリンと遭遇してしまい、後ろに姫を護りながら全ての攻撃をパリイして、さらに素手で額にあるエンペラーゴブリンの魔石を除去して討伐。

さらにさらに、瘴気を吐く竜の毒霧を受けながら、昔食べた致死性の毒を食べており毒が無効化されており。
そしてドラゴンの物理攻撃を全て単独でパリイして討伐。

その後に襲って来た最強の冒険者の攻撃を全てパリイして撃退。

感想

王都に侵攻して来た皇国軍。

その先駆けとして巨大なドラゴンが攻めて来た。

かなり凶暴なドラゴンだったのだが、数多の都市を吹っ飛ばしたドラゴンブレスをノールは天に向けてパリイ。
ブレスは遥か天空に消えて行く。

尻尾での薙ぎ払いもパリイ。
そのせいでドラゴンはバランスを崩して転倒。

脚で踏み潰そうとしたらパリイ。
またバランスを崩して転倒。

そこまでされたドラゴンは、相手が全く殺気を出しておらずドラゴンの全力の攻撃をいなしてされたせいで恐怖を覚え。
ノールに服従のポーズをして忠誠を誓う。

その後、巣に帰れと言われて帰ろうとしたら。
皇国軍の開発した高威力の魔法を撃たれてドラゴンは重症を負ってしまう。

そして王都に攻め寄せて来た皇国軍本隊に対して全ての兵士の武器をパリイ。

そしたら多くの兵士が負傷してしまい皇国軍は瓦解。

それを目の当たりにした皇帝は兵を置いて逃亡。

それを重傷を負ったドラゴンを治療して。
背に乗せてもらい、逃げた皇帝を追撃して皇国の首都を陥落させてしまう。

しかも、兵士を見捨て帰ってきた皇帝を殺そうとしていた重鎮たちから皇帝を背にパリイして重鎮を落ち着かせて和平交渉。

こうして皇国との戦争は終戦となり平和が戻って来た。

帰国したノールは戦争で破壊された家屋の再建のため土建屋の親方の下に向かう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

31

王子レインは、王都で突如現れた多数の魔物に対処するため、不眠不休で活動していた。王国の兵士と冒険者傭兵団が魔物の討伐に当たり、市民は安全な西端エリアへ避難していた。全ての場所を探索しても何も見つからず、王子は空も確認したが異常は見つからなかった。しかし、彼は遥か上空に異変を感じ、そこに存在していたのは「厄災の魔竜」と称される古竜だった。この竜の覚醒は王都の滅亡を意味し、王子はその絶望的な現実に直面していた。王都を捨て、市民を全員避難させることを決断し、その指示を下した。王都の命運は尽き、王子は最後の力を振り絞り、生き延びるための準備を進めていた。

32

馬車に乗った魔族の少年ロロとノール先生は、急いで王都に向かっていた。しかし、王都に近づくと煙と焼けた匂いが迎え、王都全体が戦火に包まれているような光景が広がっていた。その中で、ノール先生は空に何か異常を感じ、その後皆がその存在を確認した。それは巨大な竜であり、【厄災の魔竜】と酷似していた。この竜の出現は王都の壊滅を意味しており、ノール先生はこの危機に直面していた。先生は王都に残る市民を救うために戦うことを決意し、ノール先生を送り届けるために、高位の攻撃魔法【風爆破】を使う覚悟を固めた。全力で魔法を放った結果、ノール先生は巨大なエネルギーによって王都へと飛ばされた。

33

王は王城の尖塔から炎に包まれる王都を見下ろしていた。突然、巨大な黒い竜が現れ、その姿を目撃する。この竜は魔導皇国の皇帝デリダス三世が要求していた『迷宮資源』の獲得を目的としており、これが拒否された結果、王都に侵攻してきたのだ。王は過去の交渉で皇帝との決裂を経験し、今回の侵攻を受けて自身の誤算を認める。

隣国に比べて資源が乏しいクレイス王国は、『還らずの迷宮』から得られる遺物を主要な財源としていた。皇帝の無理な要求は国を破綻させるもので、王はこれを拒絶していた。皇帝は他国を侵略する意図で迷宮の資源を欲しており、そのために王都を攻めている。

この危機的な状況の中で王は、自身が政治に不向きであることを自認しながらも、最後に王としての責任を全うしようと決意する。【厄災の魔竜】が王都を襲い、王はその巨大な力に立ち向かう覚悟を決める。戦いの準備として、王は愛用の長剣を捨て、特殊な魔剣に全魔力を注ぎ込む。

しかし、王が最後の攻撃を仕掛ける瞬間、別の人物が竜に飛び込むのを目撃する。この人物は王都を救うため、竜に直接攻撃を加える。その結果、竜は倒れ、王都は大きな被害を受けるが、王自身は王としての役割を果たすことに成功する。

34

竜は空から落ちている理由がわからず、困惑していた。自慢の「光」を放とうとしていたが、なぜかそれが空に向かっており、自分は落下している状態だった。地面に衝突しても、竜は自分がなぜ落ちたのか、その原因を理解できずにいた。ふと、小さな存在が手に持つ黒い針のようなものを見つけ、それが自分を弾き飛ばした原因だと悟る。竜は怒りを覚え、自分の強大な力で反撃しようとしたが、全ての攻撃が小さな存在によって無効化されてしまった。

この小さな存在は竜の攻撃を一切受けず、竜は自分が完全に抗うことができないことに気付く。この事態に竜は自分が「敵」とみなしていた存在に対して、自らが敗北を認めざるを得ない状況に追い込まれた。竜は結局、自分が敗者であり、服従すべき立場であることを受け入れる。敗者の姿勢をとり、小さな存在に対して頸を差し出し、動かなくなった。これが竜にとって初めての服従の瞬間であった。

35

王都では【厄災の魔竜】とノールが壮絶な戦いを繰り広げていた。魔竜の動き一つで地震が発生し、建造物が次々と破壊され、周囲の地形が変わるほどの大規模な戦闘が行われていた。リンネブルグはイネスとともに、その混乱の中を馬に乗って駆け抜けていた。突如、3体の『ゴブリンエンペラー』が現れ、彼らに襲われるが、イネスの『光の盾』で防がれた。リンネブルグとイネスは協力してゴブリンエンペラーたちを一体ずつ倒していく。魔族の少年ロロの力でゴブリンエンペラーの動きを止め、リンネブルグが氷で固定し、イネスがその頭部を斬り落とした。

この間にも、ノールと魔竜の戦いは続いていたが、突然の静寂が訪れ、竜の姿が見えなくなった。リンネブルグはノールが何とか勝利したと信じつつも、彼が無傷であるはずがないと感じていた。彼らは急いで戦いの場所へと向かい、そこでの状況を確認しようとした。

36

彼はリーンの魔法の衝撃で飛ばされた後、一瞬意識を失いつつも、落下していることを意識し、地面を蹴り落下を回避した。その後、王都の城壁にぶつかりそうになるが、必死のジャンプで乗り越え、竜の頭に遭遇した。彼は黒い剣を振り、竜の鱗に当たり衝撃を吸収し、地面に着地した。しかし、竜と対面し、巨大な爪が振り下ろされる状況に追い込まれた。彼は爪を受け流し、竜との戦いを続けたが、恐怖感はほとんどなく、むしろ竜の動きが遅く感じられた。彼は黒い剣で竜の攻撃を弾き、攻撃を避けながら竜と対峙した。竜は彼に向けて攻撃をやめ、親しげな態度を見せ始めたため、彼は竜を殺すことを躊躇した。その後、ロロが現れ、竜が彼の命令に従うことを確認し、竜を元の住処に帰すように頼んだ。竜は飛び立ち、大きな危機が去ったと感じたが、突然の赤紫色の閃光によって竜が空中で焼かれて地面に落下した。

37

皇帝は王都を見下ろし、計画が思い通りに進んでいることに高揚していた。計画では、魔物を王都内に解き放ち、同時に【厄災の魔竜】をけしかけて王国を壊滅させることになっていた。しかし、【厄災の魔竜】は意識を取り戻し、予定された壊滅を達成することなく飛び去ったが、皇帝はそれを気に留めていなかった。その後、皇国軍が魔竜を討ち取り、王国を支配する計画を進行中である。

皇帝は新型決戦兵器『光の槍』を使用して魔竜を倒し、ミスラ教国から提供された魔石『悪魔の心臓』により性能を向上させていた。クレイス王国の首都は戦力としては微々たるもので、皇国軍は圧倒的な戦力で攻撃を行っていた。

この攻撃は、クレイス王国を完全に支配下に置き、『還らずの迷宮』を含む重要資源を確保するためのものである。皇帝はクレイス王国の壊滅を望んでおり、そのためには町が更地になることが望ましいと考えていた。しかし、皇帝は『還らずの迷宮』から得られた『黒い剣』の損失を惜しんでいる。この剣はどんな物質にも傷をつけない特性を持ち、その技術が解明されれば、無敵の軍隊を作ることが可能であると信じていた。

戦場での展開は皇帝の期待通りに進んでおり、皇帝は自らの計画が成功することに興奮していた。彼はこの勝利を世界に示し、自らの国の力を誇示することを狙っている。

38

突如襲ってきた赤い光を弾いた後、主人公は周囲を注意深く観察した。遠方には東の平地を埋め尽くす大軍が見え、その兵士たちは暗い紫色の鎧と長大な銀の剣、赤く光る盾で武装し、整然と隊列を組みながら接近してきた。リーンによると、これは魔導皇国の軍勢で、その数は数千を超える可能性があるとのことだ。町は魔物の出現により無人状態となり、市民は安全な場所へ避難していた。

状況の深刻さを理解したリーンは、イネスに撤退を提案し、一行は逃げる決断を下した。しかし、逃走途中で上空から無数の魔法の光の弾が降り注ぎ、イネスの『光の盾』がそれらを防いだが、彼らの逃げ道は塞がれてしまう。逃げ場がないと判断した主人公は、黒い剣で敵の魔法を弾きながら、敵の隊列に突入し、時間を稼ぐと決心する。この剣は異様に重いが、主人公はその重さに徐々に慣れ、魔法の弾も容易に弾くことができるようになる。

最終的に、主人公は自身の能力を信じて、敵の攻撃を弾き続けることでリーンたちの逃走を支援することを決意する。彼はその場で敵の武器を弾き続け、ただひたすらに時間稼ぎを行うことに専念した。

空に現れた銀色の波は、皇国の兵士たちにとって理解不能な現象であった。一騎当千の力を持つとされる『魔装剣』が突如消え、空中で回転しながら兵士たちに襲いかかった。兵士たちは『魔装盾』でこれを防ぎ、一時的に安堵するが、次に『盾』までもが消失する。兵士たちは自分たちが与えられた無敵の防御力が空中に舞う様子を目撃し、混乱と恐怖に陥った。

さらに、兵士たちの武器が次々と消え、混乱が極まる中、最終的には皇国の誇る決戦兵器『光の槍』と絶対防衛魔導具『英雄の盾』までもが空から落下し、壊れて無用の長物となった。これにより、兵士たちは全ての戦意を失い、王都征服を目指していた軍は士気を完全に喪失した。誰もがその場で戦闘を放棄し、無敵の軍隊は、死者を出すことなく事実上の壊滅状態に陥った。

39

皇帝は前方から押し寄せる銀色の波を不可解に思いながら眺めていた。その波は、見覚えのある『魔装剣』の形をしていた。しかし、それが宙を舞う理由は考えられなかった。突然、皇帝は背後に誰かが立っていることに気がついたが、振り向くとそこには黒い何かを持った男がおり、目が合った瞬間、男は消え失せた。直後、周囲には無数の銀色の剣が降り注ぎ、兵たちは防ぎ切れず、『魔装盾』も見当たらなかった。状況に混乱する中、再び背後に男が現れ、皇帝はその男を確認したが、再び男は消えた。

空からは黒い筒状のものが落ちてきて、皇帝の目の前に突き刺さった。それは『光の槍』に似ており、他にも同じような筒が周囲に突き刺さっていた。さらに周囲には歪んだ十字架状の『英雄の盾』が無残に散らばっており、全てを弾く筈のそれが壊されていた。この一連の異常事態に皇帝は混乱し、何が起こったのか理解に苦しんだ。再び現れた男は何もせず、皇帝を見つめて消えた。その瞬間、皇帝は男が『黒い剣』を持っており、これが超級遺物であることを理解した。皇帝はこの戦場から逃走することを決意し、全速力でその場を去った。

40

物語の主人公は敵の軍勢に一人で立ち向かい、途中で金ピカの鎧を着た老人が乗る馬に遭遇する。老人は主人公を怯えた様子で見つめ、主人公に警戒心を抱いているが、戦いの中で主人公は老人を無視して周囲の兵士たちから武器を弾き続ける。主人公は兵士たちの間を走り回り、剣や盾を弾きながら時々息を整えるために一時停止する。

ある時、主人公は老人と再度目が合い、老人が地面にへたり込んでいるのを見て、彼の安否が心配になる。しかし、武器を持つ兵士が現れるたびに、主人公は再び戦いに戻らなければならない。疲労と空腹で限界に達した主人公は、力尽きてしまう。

その瞬間、空から光り輝く矢の雨が降り注ぎ、敵兵を無力化する。その後、主人公の旧知の仲間たちが登場し、敵を圧倒する。彼らは戦いを終わらせ、残りの敵兵を石の監獄に収監する。最終的に、王国の兵たちが場を完全に支配し、すべての敵兵が降伏する。

この物語は、一人の勇敢な主人公が無数の敵と戦い、最後には友人たちと共に勝利を収める展開を描いている。

41

ノールが疲労困憊で倒れかけた時、リーン、イネス、ロロが駆けつけて回復魔法を使い、彼の体力をかなり回復させた。戦闘が一段落し、兵士たちは石の監獄で収監された皇国の兵士たちの処理に忙殺されていた。魔術師の教官と剣士の教官は情報を交換し、敵指揮官から有益な情報を得て、すべての兵がここにいることを確認した。しかし、金色の鎧を着た皇帝が逃亡したことが判明し、彼を追い詰めるチャンスを逃すまいと話し合っていた。

ノールは金色の鎧を着た老人として記憶しており、彼が皇帝であることに気が付いた。教官たちは皇帝が国境を越えてしまえば追うことができなくなると懸念していたが、ノールは空を飛ぶ方法があるかもしれないと提案した。それはロロが魔族の子であることに関連している可能性が示唆された。この提案により、教官たちは新たな作戦を練ることになった。

【剣士】の教官と別れた後、黒焦げになった巨大な竜が倒れている場所へ向かった。竜は生命力が強く、まだ生きていたため、【魔術師】の教官と【僧侶】の教官が急いで治療を始めた。竜の鱗や爪は驚くほどの速さで再生し、治療後は竜に生気が戻っていった。【僧侶】の教官はかつての知り合いであるノールを認識し、彼の変化を喜んだ。二人の教官はノールの提案で竜の治療を助け、竜の暴れる可能性について話し合った。最終的に、ロロという少年の力を信じて、竜を制御することに成功した。教官たちは竜の背中に乗り、新たな冒険へと出発した。

巨大な竜が飛び去った後、【剣聖】シグと【盾聖】ダンダルグと呼ばれる二人は、岩の壁の陰から顔を出し、竜の影を見つめながら静かに立っていた。シグはノールに声をかけなかったことについて、ダンダルグと少し話したが、ノールが無事であることを知るだけで満足していた。二人はその場でノールが繰り広げた戦いの痕跡を眺め、彼の成長と力に驚いていた。戦いを通じて、彼らも自己の未熟さを痛感し、これからは更に鍛錬を積む決意を固めた。最終的に、シグは剣の道に終わりはないと語り、ダンダルグもその情熱を理解していた。二人は空の向こうへと飛び去る竜をじっと見送り、その場に立ち尽くした。

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私たちは皇帝を追い、魔竜の背中に乗り、すぐに国境を越えた。この間、【隠蔽強化】の魔導具による【隠聖】カルー先生の【隠蔽】が施され、誰にも気づかれずに進むことができた。しかし、皇帝の姿は見つからず、彼が既に皇都に到着している可能性が高まっていた。魔導皇国の領土内を進んでいる私たちは、長い橋を渡り、更に厳しい要塞のある領域に差しかかっていた。ここから先は、逃げ込まれると捕らえることが困難になるため、追うか引き返すかの判断が必要だった。

カルー先生は引き返すことを提案し、ノール先生に意見を求めたが、彼は反応しなかった。その時、リンネブルグが金色の鎧を纏った馬が速く移動しているのを【遠視】で確認し、それが皇帝だと特定した。これが私たちの追撃の最後のチャンスであり、皇帝が軍備を強化し次の報復に出るのを防ぐため、追撃を決定した。

【神盾】イネスが行動を起こし、要塞群を殲滅する能力を発揮。彼女の強大な力により、魔導兵器が破壊され、私たちは敵の防衛網を突破し続けた。この凄まじい力により、帰り道も確保された。ノール先生は全ての展開を静観していたが、その深い思慮と計画が感じられた。

最終的に、レイン王子は私たち全員の覚悟を確かめ、皇帝を追い皇都まで行く決断を下した。私たちは最強の仲間たちに囲まれ、何の不安もなく任務に臨む覚悟を固めた。

43

魔導皇国の首都ネールは、大陸経済の中心であり、政治的にも重要な巨大都市である。この都市は頑強な魔鉄製の城壁に囲まれており、入口には高度な魔導技術で作られた黒鉄の大門が設置されている。ある日、黄金の鎧を纏った老人がその門を通り、皇都の中心にある高い建物へと急いだ。

皇帝として知られるこの老人は、隣国クレイス王国への侵攻を指揮していたが、自らが戦場から逃れて帰還していた。彼は自分の兵が役立たずだったことに怒り、失敗した臣下たちを責めた。怒り心頭の皇帝は、帝国が持つ究極の兵器「神の雷」を使って、敵と見なされる厄災の魔竜を滅ぼすことを決定する。

皇帝は魔導炉心と呼ばれる魔力供給源に大量の魔力を集中させ、「神の雷」を発射した。しかし、その雷は皇都自体に大きな被害をもたらす可能性があると忠告されていたにもかかわらず、皇帝はその警告を無視し、命令を強行した。発射された光は意図しない方向へ逸れ、皇都の重要施設に向かって落ちていき、皇帝はその事態に絶望した。

この行動は皇帝自身の怒りと焦りから出たもので、彼の命令が結果的に自身の都を破壊することに繋がる皮肉な結末を迎えた。

44

ある男が竜の背に乗り、空を飛んでいたが、高所恐怖症のために非常な恐怖を感じていた。竜が急降下を始めたことで恐怖は頂点に達し、気を失ってしまう。目を覚ますと、非常に強烈な光が目の前にあり、それが危険であると直感する。男は剣でその光を空に押し上げ、竜への直撃を回避する。

地上に落下しなかったものの、建物に突っ込んだ男は広い部屋にたどり着く。そこで、金色の鎧を身につけた老人が暗紫色の鎧を着た兵士に囲まれ、何か危機的な状況にあることがわかる。男は直感で老人が危険にさらされていることを察し、兵士の攻撃から老人を守る行動に出る。しかし、兵士たちは男がなぜ老人を守るのか理解できず、戦闘が続く。

そこに僧侶の教官や盗賊の教官が現れ、事態の収束を図る。彼らの介入により、男は状況から解放され、リーンに連れられて治療を受けることになる。男がその場を後にするとき、すでに兵士たちは彼らの話を聞く用意ができていたため、彼らに任せることが最善とされる。

レイン王子は十機衆と対峙し、静かに彼らに話しかけた。十機衆は、戦闘の意志がなく、完全な降伏を申し出ることを表明し、王子に対し謝罪の意を示す。彼らは自分たちの首を差し出す覚悟を示したが、王子はそれを拒否し、彼らから男を生きたまま引き渡してもらうことを望む。王子はその男とじっくり話をすることを望み、その後で正式な和解の交渉に臨む意向を示した。その場にいた全員が王子の提案に異議を唱えなかった。

45

リーンから治療を受けていた間、高い建物の上から皇国の都を眺めていた。周辺はひどく破壊されており、あちこちで黒煙が上がっていた。この光景は自分が弾き返した強力な魔力光によるものだと教えられ、彼はそのことを後悔した。リーンは、破壊されたのは主に人がいない魔導研究施設や魔力炉だったため、人的被害は少なかったと説明した。

リーンの兄と教官たちが現れ、皇帝との話し合いが順調に進み、彼が提案を全て受け入れたことを伝えた。話し合いにより、皇帝は退位し、後継者として皇帝の孫が選ばれた。その後見人として十機衆が選ばれた。

彼は建物を破壊したことや都市を荒らしたことを謝罪したが、十機衆の一人は彼に謝罪し、誤解を解いて和解した。その後、全員が竜の背中に乗り、皇都を後にした。彼はまだ高所恐怖症を感じつつも、帰りの飛行をロロに低めにしてもらうよう頼んだ。

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帰り路を経て、彼らは暗くなる前に王都に戻った。リーンの父が出迎え、戦争の終結を伝えた。彼の貢献を称え、リーンの父は彼に褒賞を申し出たが、彼は何も必要ないと断った。そこで彼は、ロロが普通の生活を送るための支援をリーンの父に依頼した。リーンの父はこの提案を受け入れ、ロロに国民としての権利と保護を提供することに同意した。彼はリーンの父からの追加の申し出を断り、彼自身に何かを与えるよりも他の必要な人々に資源を使うことを勧めた。最終的に、彼はリーンと別れを告げ、別の場所へと急いで向かった。

ある冒険者が半壊した冒険者ギルドを訪れたことが描かれている。冒険者は旅から急ぎ帰国し、ギルドの担当者と再会し、現状について話し合った。その後、疲労を感じながらも、瓦礫の撤去と新しい家の建設のために次の作業地へと向かう。冒険者は一日中身体を酷使し、多くの危険に直面しながらも、多くの人々の助けを借りて無事に日を終えた。その過程で、冒険者は自らの役割について深く考え、大きな疲労と飢餓を感じながらも、必要とされる仕事に取り組んだ。その中で、持っている「黒い剣」が役立つと確信し、仕事を続ける決意を固めた。

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クレイス王国と魔導皇国との協議の結果、魔導皇国の皇帝は退位することになり、同国は賠償金と魔導具製造の秘匿技術を提供することが決定した。さらに、捕虜となった兵士を王都復興の労働に供し、皇国が復興経費を負担することも決まった。後継の皇帝の体制が整った後に退位が公表される予定であり、皇国は内部的に粛清と権力移譲の準備を進めている。また、王国側はこの過渡期を支援するため、特定の兵団を配置している。

王は、魔族の少年ロロの保護と市民権の付与を希望する救国の英雄、ノールの要望に応えようとしている。魔族は伝統的に敵視され、討伐対象とされてきたが、ノールはこの少年に普通の生活を提供することを望んでいる。この要望は、魔族としての彼の保護と認識の改善を求めるものであり、王はこの困難な要求にどう対応するかを考慮中である。この決断が王国にとっては大きな挑戦となりうるが、王はノールの強さと純粋な意志を評価し、彼の願いに応えようとしている。

48

少年ロロは、夢の中で非現実的な出来事を体験していると感じていた。彼は幻想の中で魔竜と対話し、英雄的な戦闘を経験し、皇帝を倒したと考えていた。しかし、彼が美しい女性イネスと共に生活を始めると、夢か現実かの区別がつかなくなる。特に、彼が美味しい食べ物を食べ、今まで味わったことのない喜びを感じた時、自分の感覚が現実であることを認識する。イネスの優しさと信頼を受け、自身が誰かに必要とされる存在であること、そして自分自身の役割を見出すことにより、ロロは新たな自己認識と目的を見つける。彼は自分が生きていること、そして誰かに必要とされていることを深く感謝していた。

才能無しの少年(別視点の過去編)

突然、王都の訓練所に現れた少年が、剣聖シグに訓練を願い出た。シグは、ギルドから許可を受けたことを確認し、少年を受け入れたが、子供には厳しい訓練であると警告した。少年は訓練を始めても、厳しい条件にも関わらず、音をあげずに続けた。十日が経過し、シグは少年の真摯な姿勢に興味を持ち始めた。

少年は肉体的にも精神的にも限界を超える訓練を続けたが、スキルを獲得することはなかった。しかし、シグは少年が特殊な能力を持っていることに気づき、彼の才能に期待を寄せた。シグ自身の【千剣】の技を少年に披露したところ、少年はその技の詳細を完璧に把握していた。

しかし、どんなに訓練を続けても、少年は剣士として必要なスキルを身につけることができなかった。シグは少年に剣士としての道を断念し、他の道を探すことを勧めた。シグはこの決断に苦悩しながらも、少年の将来を考え、剣士の訓練所からの退所を命じた。

少年が訓練所に現れた際、ダンダルグは驚いた。少年は剣士の訓練所を追い出されたとのことだった。ダンダルグは彼が戦士の訓練に耐えられるか疑問に思ったが、ギルド職員が認めたため、訓練に参加させた。意外にも少年は過酷な訓練に耐え、大人も逃げ出すような訓練をこなした。彼の精神の強さにダンダルグは感動した。しかし、どんなに努力しても少年は特別なスキルを身につけることができなかった。訓練期間が終わると、ダンダルグは少年に戦士兵団に参加することを提案できたが、彼が無茶をして命を落とすことを恐れ、少年を追い出した。ダンダルグは少年に他の道があることを信じていた。

ミアンヌが【狩人】の訓練所を任されていた時、訓練を受けたいと訪ねてきた少年を見て、面倒だと感じた。ミアンヌは訓練の一環として少年に小石を投げさせ、的を狙わせた。少年が成功すると思わずに、二度目の投げを要求したが、少年は再び的を的中させた。ミアンヌは嫌々ながら少年に訓練を受けさせることを承諾したが、弓の使用を制限し続けた。少年は弓を使わずに石だけで訓練を続け、驚異的な技術を発揮し続けた。一方で、少年はミアンヌの指示をあまり聞かず、弓を使うと必ず破壊してしまったため、弓を与えることは躊躇された。

ミアンヌは少年が【狩人】として適切ではないと判断し、訓練所から追い出そうとしたが、少年は訓練所に居座り続けた。最終的に、ミアンヌは少年に弓ではなく石投げのスキルを磨くよう勧め、訓練所から追い出した。少年の強さは認められたが、その特異な才能は伝統的な【狩人】のスキルとは合わなかったためである。

カルーは昼休憩中に、泥まみれの少年が【盗賊】の訓練を受けるために現れたことに対応した。少年は身体能力には長けているが、【盗賊】として必要な鍵開けや罠解除のスキルは一切身につかず、逆に罠を全て作動させる異常な能力を持っていた。この特異な才能にも関わらず、少年は何周しても【盗賊】職に必要な基本スキルを獲得できなかった。罠を前にしては必ず作動させ、それを力ずくで無効化していた。

訓練期間の終了時、カルーは少年が冒険者として活動するには不向きであると判断し、他の職業を探すよう助言した。しかし、カルーは少年の執念深さや異常な気配消去能力を高く評価し、彼が冒険者としての道を諦めるとすれば、自分の王都諜報部での活躍を期待していた。そして、少年を訓練所から追い出した後、少年が自分の姿を追いかける様子を見て、その可能性を確信した。

オーケンは訓練所の門で魔術師の訓練を懇願する少年を見て、興味を持った。少年は魔法の才能が全くなく、魔力が固まって動かせない状態だった。オーケンは少年に魔術の基本もできないことを伝えたが、少年は訓練所を去ることを拒否した。そのため、オーケンは少年に「魔力共振部屋」での瞑想をさせた。これは極めて困難な訓練で、多くの者が途中で断念するが、少年は部屋から出てこなかった。

三ヶ月後、少年は自分が身につけた技能をオーケンに見せたかった。それは【プチファイア】という基本的な技能であったが、驚くべきことに少年は「二重詠唱」を可能にしていた。これは魔術師にとって高度な技術で、オーケン自身も長年の修練を要したものである。しかし、この少年はわずか三ヶ月でこれを身に付けたのだ。オーケンは少年の才能に感嘆しつつも、彼の魔力の質が低いために大成は難しいと悟った。

結局、少年は訓練所を去り、自らの道を探すことになった。オーケンは少年が自分の力で何とかするだろうと考え、少年の将来を悲観的には見ていなかったが、少年の才能が活かされないことを惜しんでいた。

セインが僧侶の訓練所で訓練官を務めているとき、全てを諦めた表情の少年が訓練を受けたいと訪ねてきた。少年には「祝福」の儀式が行われておらず、僧侶に必要な「聖霊」の祝福も受けていなかったため、セインは少年を受け入れることができないと説明した。しかし、少年は訓練を受けるまで教会の門前から動かないと言い、その意志を貫いた。結果的に、セインは少年を訓練所に受け入れ、少年は無理と思われる訓練を継続した。その結果、奇跡的に最下級の「ローヒール」という僧侶のスキルを身につけた。

この少年の行動は、彼が自らの力で奇跡を行使するという前例のない事態をもたらした。セインは少年の持つ非凡な能力を認め、彼を孤児院に招くことを考えたが、少年はすでに教会を去っていた。この出来事は、王都全体で話題となり、「六聖」全員で少年を育てることが決定されたが、少年は見つからなかった。この一連の出来事は、セインにとって深い印象を残し、彼らが再会するまでには長い年月が必要とされた。

同シリーズ

俺は全てを【パリイ】する

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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