小説「俺は全てを【パリイ】する 6巻」感想・ネタバレ

小説「俺は全てを【パリイ】する 6巻」感想・ネタバレ

どんな本?

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ は、鍋敷 氏が小説家になろうで連載しているライトノベルです。
アース・スターノベルから単行が発売されており、現在第7巻まで出ている。
また、KRSG氏がコミカライズを担当しており、コミック アース・スターで連載中。

この物語は、才能なしの少年と呼ばれて職業養成所を去った男・ノールが、ひたすら防御技【パリイ】の修行に明け暮れた結果、世界最強クラスの力を手にしているのに、一切気がつかないまま強敵を打ち倒していく英雄ファンタジー。

ノールは、魔物に襲われた王女を助けたことから、王国の危機に巻き込まれていく。

しかし、彼は自分の能力に全く自覚がなく、常に謙虚で真面目に振る舞う。
そのギャップが面白く、読者の共感を呼んでいるらしい。

この作品は、TVアニメ化も決定している。

読んだ本のタイトル

俺は全てを【パリイ】する ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~ 6巻
著者:鍋敷 氏
イラスト:カワグチ  氏

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あらすじ・内容

「私と一緒にサレンツァに向かっていただけないでしょうか?」
リーンの誘いを受け、砂漠の旅路に出たノール。

一行には『狩人兵団』副団長【雷迅】のシレーヌが加わった。
しかし砂漠地帯に入ってすぐに謎の盗賊団の襲撃が!
彼らの目的は、いったい…!?

新章「商業自治区編」、突入!

俺は全てを【パリイ】する 6 ~逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい~

感想

『俺は全てを【パリイ】する 』の舞台は、魔法と剣のファンタジー世界。
主人公のノールは、冒険者である。
物語は、ミスラ教の教主アスティラが信徒たちに姿を現し、過去の誤りを認め新たな協力を呼びかけるシーンから始まる。教主の率直な告白と提案に、信徒たちは動揺しながらも新たな道を歩むことを決意する。

物語の中で、ノールは新型水路の竣工式や様々な訓練、そして大衆浴場での交流を経て、多くの友人や仲間との絆を深めていく。特に、巨大なエビ、神獣との戦いは、ノールと彼の仲間たちにとって大きな試練となる。この神獣はかつて地域を荒らし、多くの苦しみをもたらした存在であり、ノールたちはこれを倒すことで地域の平和をもたらそうとする。

そして帰国したノール達に、次なる相当が勃発する。
次なる舞台は砂漠の国、サレンツァ。
商売が盛んな国らしいが、それが行きすぎておかしくなっており。
サレンツァにたどり着く前に、盗賊に襲われるが捕まえると幼い子供ばかり。
彼等から話を聞くと、彼等は虐げられてる住民で、水がほぼなく、土が悪く畑も出来ない状況。
そんな彼等のためにノールは、懐にある全財産を彼等に渡すが、あまりの金額に彼等が辞退。

それならとノールは労働力として、色々と奔走する。

結末では、ノールと仲間たちが襲って来た神獣を料理する「神獣鍋」を作り、村全体でその肉を共有することで、苦難を乗り越えた絆を確認し合う。
この行為は、ただの戦い以上の意味を持ち、共に生きることの大切さを村人たちに教える。

物語全体を通じて、ノールはただ強いだけでなく、周囲と協力し、ともに成長することの重要性を学んでいく。また、彼の冒険は読者に多くの楽しみを提供しながら、友情や協力の価値を再認識させる。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

107  神託の玉

大陸各所にある『ミスラ教』の教会で、紫色の玉から現れた幻影により、教主アスティラが信徒たちに初めて姿を現した。この出来事に、多くの信徒が感動し、興奮した。教主は美しく、その姿に多くの信徒が驚き、感激した。教主アスティラは、『嘆きの迷宮』から魔物が現れた事件について語り、実際は解決していなかったことを明かし、過去の教えが誤りであったことを謝罪した。さらに、教主は『魔族』の少年ロロが教徒を助けたことを紹介し、彼との協力を呼びかけた。教主は信徒たちにこれまでの教えを見直し、新たな道を歩むことを提案した。教主の率直な告白により、信徒たちは動揺しながらも、教主に引き続き従うことを決意した。

演説が終わったアスティラは、息子ティレンスとともに演説の振り返りを行った。アスティラは演説中の自分の態度や発言に不安を感じつつも、ティレンスからは演説が成功だったとの肯定的な評価を受け、安堵した。二人はその後、『神託の玉』という魔導具を提供した魔導具の専門家オーケンと会話を交わした。オーケンは、アスティラの演説を全教会支部に伝えるための重要な役割を果たしたことを認められ、ティレンスから感謝された。また、アスティラは、魔導具の発明者としてオーケンを再評価する場面もあった。

その後、アスティラとティレンスはクレイス王国の王と交流を持ち、お互いに協力し合う意向を示した。アスティラはクレイス王国の王と友好的な関係を築くことを望み、将来的にはより深い関係を構築することを期待していた。この会話の中で、アスティラは王から感謝の言葉を受け取り、クレイス王国の人々との良好な関係を強調した。

108  竣工式

記念すべき日である今日、王都を巡る『新型水路』の竣工式が行われた。半年前に魔導皇国の侵攻を受けた王都の復興の一環として建設されたこの水路は、建物の瓦礫撤去から始まり、地ならしや掘削工事が進められた。作業員であるノールは、ほとんどの工程に関わり、特に『黒い剣』を使って石材を加工し、水路の部品を大量に生産することで工期の短縮に大きく貢献した。また、石の部品を壊しながらも石材加工の技術を習得し、次第に職人たちから認められるようになった。しかし、ノールは石材加工ギルドの誘いは断り、自身の技を磨き続けることを選んだ。今回の竣工式では、自分が加工した石材が大量に使用されており、その事実がノールにとって大きな誇りとなっている。

109  入浴券

訓練場に到着したノールは、常連の練習相手である槍の男ギルバートと合流した。ギルバートはノールが槍の受け手として適していると考えており、ノール自身も彼との訓練を有意義に感じていた。その日の訓練では、ギルバートの槍技「竜滅極閃衝」に対抗し、ノールは「黒い剣」を用いて攻撃を巧みに受け流した。槍と剣の間には激しい火花が飛び散り、訓練の強度は徐々に増していった。しかし、激しい攻防の中でギルバートの槍に大きな亀裂が入り、その日の訓練は終了となった。ギルバートは特別な槍を持っており、傷が自然に修復されるが、大きなダメージには時間がかかるため、次回の訓練を待つことになった。ノールはギルバートに大衆浴場の入浴券を礼として渡し、彼が去った後、独自の訓練を続けた。

110  大衆浴場

ノールが新規オープンの大規模浴場の入り口で再会したのは、以前工事現場で一緒に働いた同僚だった。彼は自称「大衆浴場マスター」として知られ、ノールに多くの珍しい浴場を紹介していた。彼が「禁浴」をしていた理由は、以前「ヒドラ湯」での失態から自ら罰を与えていたためであった。しかし、新規浴場の開業を機に「禁浴」を解禁し、ノールと一緒に入浴することを提案した。この男は王都の浴場文化に精通しており、新しい浴場の特徴である「湧水の円筒」についても説明した。それはクレイス王国の生活を支える重要な水源であり、通常は非公開の施設に保管されているが、この浴場では直接見ることができた。しかし、男は浴場に入る前に衛兵に臭いが原因で止められてしまい、ノールは一人で浴場を楽しむこととなった。浴場は豊富な設備が整っており、様々な珍しい浴槽を体験できる場所だった。ノールは新しい浴場の魅力を実感し、また訪れることを決めた。

111  サレンツァからの使者

隣国ミスラから帰国した王が執務室に入ると、王子レインが報告を始めた。王子はミスラの新教皇が見事な演説を行ったことを伝え、それが王の不在中に起こった出来事の一部であるとした。王子はさらに、サレンツァからの使者に関する気になる動きを報告し、王はその詳細を求めた。サレンツァからの書簡には友好的な言葉が含まれていたが、王と王子はその真意を測りかねていた。

また、王子は「黒い剣」を使って王都の下水清掃や掘削工事に活用していた男、ノールについても言及した。これには王は大いに笑い、ノールが剣を有効に使っていることを喜んだ。王はノールへの感謝として何か報酬を考えようとしたが、ノールが既にかなりの報酬を得ていることを知り、どのように感謝を示すか悩んだ。

最終的に王はサレンツァからの書簡についてはさらに検討を重ねることを決め、その他の事柄についても適切に対応する方針を示した。王の軽妙な対応が、政治的な状況を乗り越える彼の方法として描かれている。

112  王都六兵団の副団長たち

【六聖】の会議が開かれる中で、若い副団長たちが集まり、王との会議の代理として相互の報告会議を行っていた。副団長たちはその重要な役割について話し合い、互いの業務報告を準備していた。その中で、『剣士兵団』のギルバートは自身の怪我を癒やすために、マリーベールに治療を依頼しており、その間に会議が始まろうとしていた。

会議の進行はイネスが担当し、不在のメンバーについては工房に戻ったという情報が共有された。また、会議中には『隠密兵団』の副団長レイが見えない存在感で話題になり、彼女の存在が忘れられていたことに対する謝罪が交わされた。

最終的に、ギルバートが会議資料を忘れたことが発覚するが、イネスが全ての資料を持っていたため、会議は何とか進行することができた。この騒がしい会議室の中で、副団長たちは各自の業務報告を進めていった。

113  司書メリジェーヌ

メリジェーヌは魔導具研究所の工房で一人、悲嘆に暮れていた。ミスラ教国からの大量の『神託の玉』の注文を受け、不可能に近いスケジュールでの生産を強いられていた。一度は三百個の生産を果たしたが、その後さらに五百個の追加注文があり、絶望感が募る中、給料の大幅な増額が提示されたため、やむなく受注することにした。

上司オーケンからの圧倒的な要求に対して、メリジェーヌは技術的な限界と心身の疲労を感じつつも、提供される莫大な予算と報酬により何とか仕事をこなす。しかし、その中で感じる違和感と、彼女自身が副団長としての立場に疑問を持ちつつも、周囲との協力と自己の技術によって次々と課題を乗り越えていく。

この過程で、彼女は自らの専門外である重圧の中、魔導具研究所において、技術者としてだけでなく、人としても成長していく。彼女の日々は困難に満ちつつも、その努力が王国の科学技術に寄与していることを実感するものとなっていた。

114  ロロと魔竜

ミスラから帰国後、ロロはミアンヌの夫ライアスのレストランで働くことになった。当初は街中での反応に悩むロロだが、ライアスの勧めでレストランの仕事に没頭し始める。そこで料理の基本を学び、次第に料理に興味を持ち始める。ライアスはロロの料理能力を評価し、彼に料理の技術を教える。

やがてロロは料理に自信を持ち始め、ライアスや来店する知人に料理を振る舞うようになる。料理を通じて、ロロは自分が作ったもので他人に喜んでもらえることに喜びを感じるようになる。

ある日、ロロはライアスから魔竜ララに餌をやる任務を任され、彼女の食事の好みを探るために食材を用意する。初めは通常の肉類を提供していたが、店の余剰食材を与えたところ、ララはその味を気に入り、それからはそれを好むようになる。

ロロはレストランでの日々とララへの餌やりを続ける中で、彼の料理人としての才能が周囲に認められるようになる。ライアスの指導のもと、ロロは次第に自分の料理技術を磨いていく。

115  王都の市場

王都の復興工事が終わり、日常的に行っていた仕事がほとんどなくなった主人公は、仕事が減少したことに伴い、手持ち無沙汰になる。建築ギルドの職人たちは休暇を取り、冒険者ギルドからの依頼も減少していたため、主人公は余暇を持て余していた。そこで、興味を持った市場へと足を運ぶことにする。

市場では様々な商品が販売されており、普段見ることのない珍しい品々に目を向けるが、何を買って良いか分からない状況に陥る。特に専門的な商品が多く、知識のない主人公には扱いが難しい。そんな中、農業用品店の店番から声をかけられる。最初は邪陭がられるが、農業の経験を持つ主人公に興味を持つようになり、商談が始まる。

店番は主人公に「呪叫草モドキ」という根のような食用作物を紹介する。この作物は見た目は奇妙だが、煮たり焼いたりすると甘くなるという。主人公はこの新しい食材に興味を持ち、いくつか購入する。また、これを機に再び農業を始めるかもしれないと考え、今後もこの店を利用する可能性を示唆する。

この日の経験から、主人公は市場の魅力と商売に興味を持つようになる。さらに、サレンツァという商業国に興味を持ち、将来的に訪れてみたいと考える。市場での経験が、主人公の日常に新たな動きをもたらすことになった。

116  旅の軍資金

冒険者ギルドのギルドマスターに預けていた金を全額引き出すために訪れた主人公は、ギルドマスターに案内されて、冒険者ギルドの奥深くにある部屋に入る。この部屋で、主人公はギルドマスターから自分が稼いだ金を受け取る。主人公が持っていた革袋には相当な金額が入っており、その重みで木製のテーブルが軋むほどだった。ギルドマスターは主人公に対して金の重要性を説き、金額の大きさについて何度も念を押す。主人公はこれからリーンと共にサレンツァに行く予定であり、ギルドマスターはその旅のために金を全額用意しているが、使い道については主人公が自由に決めることを認めている。最終的に、ギルドマスターは主人公に重たい金の詰まった革袋を渡し、旅の安全を祈る。

117  忘却の迷宮

クレイス王国の王と王子は、王女リンネブルグがサレンツァに行くことを検討していた。王女リンネブルグは王位継承の試練として、サレンツァにある「忘却の迷宮」での探索を望んでおり、この迷宮には未知の魔導人形の技術が眠っているとされる。王女と共にサレンツァに渡ることを希望している魔族の少年ロロも、サレンツァからの情報提供の申し出が関係していると考えられる。王と王子はこの計画について深く思案し、王女が提案したサレンツァへの行き方が、二国間の関係や王女自身の安全にとって最適であるかを検討した。最終的に、クレイス王国の王族としての冒険者精神を尊重し、王女リンネブルグのサレンツァへの旅を支持する方向で意見がまとまった。

118  サレンツァへ

冒険者ギルドを出た主人公は待ち合わせ場所に到着し、サレンツァ出身の少年ロロと再会した。ロロは知人に会う可能性があるため、サレンツァ行きを希望していた。待ち合わせ場所には他にも人々がいたが、彼らの多くは見送りのために来ていたことが判明する。ただ一人、獣の耳を持つ少女シレーヌが一緒に旅をすることになる。シレーヌは礼儀正しく、しっかりした印象を与える。

その後、リーンとイネスも到着し、リーンはシレーヌに丁寧に挨拶を交わしたが、シレーヌは礼儀を重んじた態度を崩さなかった。一行は砂漠仕様の馬車に乗り込み、砂漠の国への旅に出発した。馬車の座席は広く、五人が快適に座ることができた。主人公は以前買ったお土産が不評だったため、今回は慎重に選び、異国で面白いものを見つけたらたくさん購入することを考えている。

119  砂漠の旅路   1

クレイス王国と商業自治区サレンツァの間にある「砂守の砦」を通過し、サレンツァへ入国した一行は、高い壁が砂漠の砂を遮っている様子に驚いた。サレンツァへの入国時、リーンが提示した書類で兵士たちは一行を通過させた。この壁の周辺は非常に暑く、鎧を着用していないことが合理的であった。途中、特別製の馬車で砂漠を横断していた一行は、砂漠特有の強烈な日差しを防ぐために設計された馬車に感謝した。

旅の途中、白い布を巻いた数十人の盗賊が一行を襲撃したが、シレーヌの巧みな弓の扱いで迎撃された。盗賊たちは実は獣耳を持つ子供たちであり、リーンは迅速に彼らを無力化した。盗賊たちが動けなくなると、イネスが獣耳の少年少女たちを懲らしめ、リーンは彼らを聖銀製の鋼糸で縛り上げた。獣耳の少年少女たちは、縛り上げられて動けなくなり、一行は砂漠での予期せぬ遭遇を乗り越えた。

120  砂漠の旅路   2

獣耳の少年少女たちが縛られている中、リーンにナイフを向けたリーダー格の少年が威勢のいいことを言っていたが、その周りの子供たちは力なくすすり泣いていた。彼らは皆痩せており、十歳前後の様子であった。リーンが近づくと、彼らは怯えたように身を引いたが、リーンは彼らを傷つける意思はないと伝えた。その後、彼らの会話から近くに彼らが住む村があることが明らかになり、リーンはその位置を特定した。

リーンとイネスは、砂の上にいる子供たちを怖がらせながらも、彼らが犯した罪の重さを説明した。サレンツァの法律では彼らの行為は死刑に値するものであるが、リーンは彼らにもう盗賊行為をしないよう警告し、約束させた。その後、ロロが彼らの村の状況を説明し、彼らが病気の家族を助けるために強盗を働いたことが判明した。

一行は、子供たちを放置するわけにはいかないと考え、彼らを村に連れて行くことに決めた。子供たちは馬車の屋根に乗せられ、リーンは冷却用の氷を用いて彼らを冷やしながら村に向かった。彼らの村に向かう途中、子供たちは罪の重さを理解し、二度と犯罪を犯さないことを約束した。

121  獣人の集落   1

獣耳の少年少女たちの村に到着した一行は、すんなりと村に入ることができた。村の状態は廃墟のようであり、病気で弱った村人が少なくなかった。リーンが村人に事情を説明すると、白い毛の獣耳を持つ老人が現れ、子供たちの行為について謝罪し、彼らの命乞いをした。リーンは子供たちが十分な罰を受けたと判断し、彼らの行動を不問にすると伝えた。老人はリーンとの会話で子供たちが金を必要としていることを明かしたが、その理由は彼らの家族が病気であり、治療のための金が必要だった。リーンが村の病人を診ると、村人たちの病気は毒によるものであることを特定し、簡単な治療で回復させることができた。その後、村はリーンの助けに感謝し、彼女が持参した食料で村人を助けた。

122  獣人の集落   2

白い毛の老人は村の広場で旅人たちが料理を作る様子を見ながら、彼らを神話の英雄に例え、村に起こった奇跡に感謝していた。村は以前と比べて活気に満ち、病から回復した人々が外からの来客を喜んでいた。これまで食べ物に恵まれず、病気が蔓延していた村は、旅人たちの治療と料理で明るさを取り戻していた。村の人々は旅人たちに深く感謝し、未来に希望を抱いていた。老人は旅人から預かった革袋について話し合い、中には思いがけない大金貨が含まれていることに驚き、その使用について議論していた。村は以前に比べて格段に生き生きとしており、旅人たちの行為によって新たな始まりを迎えていた。

123  砂漠の宴   1  大きな鍋

ロロとその仲間たちは、村の人々のために栄養のある料理を提供する計画を実行中である。彼らは大量の食材を使用して、馬車に積んでいた大鍋で料理を始めた。当初の計画ではクレイス王国から持ち込んだ鍋では不十分で、村の大鍋を借りて使うことになった。彼らが料理に使う食材は馬車に積み込まれていたもので、驚くほど多量だった。村の人々全員に十分な食事を提供するためには、かなりの作業が必要だったが、リーンとロロたちはこの作業を優先している。

午後の事件に関与しなかった幼い子供たちもいて、彼らは痩せ細っていたが、家族の病気が治ったことを知り、家族と一緒に謝りに来た。これにより、彼らが経験した困難や、その後の改善の必要性が浮かび上がる。ロロたちは、大勢の村人を前に料理を完成させ、村の人々はそれを楽しみにしている。村の広場では、穏やかで心温まる夕食の時間が提供され、村人たちは明るく和やかな時間を過ごしている。

124  砂漠の宴   2  宴のあと

旅行者たちは村の集会場である大きな建物に宿泊した。村の中央に位置するこの建物は、普段は集会場として利用されているが、彼らの訪問のために掃除され、利用された。村には適切な水源がなく、貴重な水は普段高価であり、普段は濁った水しか手に入らない。そこで、リーンは馬車の設備を使用して魔法で水を温め、彼らが風呂の代わりに体を清潔にする手助けをした。この豊かな水の使い方に村の人々は驚いた。

その夜、彼らは疲れもあり、すぐに眠りについた。宿泊した建物には中央に暖炉があり、砂漠の冷え込む夜を快適に過ごすための設備が整っていた。この宿泊施設は特別な配慮を感じさせ、村の人々が尽力してもてなしていたことがうかがえる。

その場の雰囲気や地域の状況から、彼らはリーンの技術や馬車の設備に大いに驚いた。一方で、この地域の生活の厳しさや異常なほど水が貴重であることに彼らも新たな認識を得た。彼らが見た異国の風景と習慣の違いには目を見張るものがあり、改めてその地域の常識が異なることを実感した。

125  砂漠の畑   1

砂漠の夜は予想以上に冷え込み、寒さの厳しさに驚かされた。宿の大きな暖炉の重要性が改めて理解された。話し合いの後、明け方近くにようやく睡眠についたが、間もなく目を覚ましてしまい、他の者たちが起きるのを暖炉で待った。その際、警戒していたシレーヌが周囲に人の気配を感じ取り、慌てた様子で周囲が人で囲まれていることを知らせた。窓から確認すると、村の人々が集まっており、見送りのために来ていたことが分かった。

村の老人も謝罪し、見送りの意図を説明した。この状況を受けて、主人公たちは老人と昨日話し合った案件について更に詳しく話し合うことにした。主人公は、村に留まり、砂漠に適した作物を試験的に栽培する計画を提案し、村の人々と協力して実施することを申し出た。老人は水源と土壌の問題を指摘したが、主人公は解決策を提示し、試みる価値があると確信していた。

計画の一環として、主人公はイネスに王都へ戻り、必要な物資を調達するよう依頼した。イネスは馬車で迅速に王都へと向かった。その間、主人公は村の若者カイルとともに水源探しや畑作りの準備を進めることになった。

126  砂漠の畑   2

ロロとシレーヌはリーンから別の仕事を頼まれて村に残され、主人公とリーン、カイルはかつて豊かな森があったとされる場所を訪れたが、そこは荒地でしかなかった。地面を調べると、毒が含まれていることが判明したが、地下には一定量の水が存在していることが分かった。リーンはスキルを用いて水の存在を確認し、地下の水が農業用水として利用可能かもしれないと示唆した。

その後、主人公は『黒い剣』を使って穴を掘り始め、掘り進めるうちに硬い半透明の灰色の岩に当たった。これが、かつて森を支配していたとされる「神獣」の殻ではないかという仮説が浮上する。突然の地震のような揺れが起き、主人公は空中に吹き飛ばされた。地上からは、巨大な灰色の殻を持つエビのような生物が現れるのが目撃された。

127  神獣イ・ゴル

唐突に巨大な影が砂から現れ、主人公は言葉を失った。それはかつて『神獣イ・ゴル』と呼ばれ、大地の養分と水を吸い尽くし、毒を撒き散らす災害生物『巨神殻類』であった。これが地域の病と貧困の原因であると確信している。地の底から姿を現した『巨神殻類』はその巨大さだけで大きな地震を引き起こし、辺りは揺れに揺れた。その存在は古代の文献に記された討伐不能とされた個体であり、その時代と伝承が一致していることから、その可能性が高いと考えられる。

主人公たちは避難を考えたが、逃げ場が見当たらず、どこへ行けば良いのかわからなかった。イネスがいれば討伐も可能だったかもしれないが、彼女は既に王都へと向かっており、加勢は望めない。『巨神殻類』は硬い外殻を持ち、通常の武器では弾かれてしまうため、真正面から戦う選択肢もない。しかし、逃げ場もないため、どうすればよいか絶望に近い戸惑いを覚えていた。その中でノール先生が空中に飛ばされたが無事で、『巨神殻類』の目を狙うことができれば勝機があるかもしれないと考えていた。突然の地震が起き、巨体が消えると、その影が空高く跳ねているのが見えた。

128  俺は岩エビをパリイする

主人公は巨大な生き物に対してスキル【投石】を使用し、全力で『黒い剣』を投げつけたが、生き物の硬い表皮にはほとんど効果がなく、わずかにその巨体を空に押し上げただけだった。観察の結果、主人公はこの生き物がかつて川で見た『岩エビ』に似ていると感じ、親近感を覚える。幼少期には『岩エビ』を捕まえて食べた経験があり、その美味しさをよく覚えているため、巨大な生き物を見ても食材としての価値を感じていた。

攻撃を続ける中で、生き物の殻が硬いことを再確認し、その外殻がプリプリの身を守るためのものだと理解する。主人公は生き物を空中に跳ね上げることで無防備にし、何度も『黒い剣』を投げつけて外殻を剥がしていく。その過程で、生き物が受けたダメージは少ないものの、少しずつ外殻を剥がし、最終的には生き物を無力化させることに成功する。

食材としての価値を見出した主人公は、生き物の命が無駄にならないようにと、その巨大な身を有効利用する決意を固める。この一連の行動は、主人公の野生の食べ物に対する知識と直感に基づいており、彼の生活と深く結びついている。

129  王都の仕入れ

イネスは単身でクレイス王国から王都に戻り、三つの目的を果たすために動いていた。最初の目的は、リンネブルグ王女から託された覚書にある品を王立魔導具研究所から受け取ること、次に『湧水の円筒』のサレンツァへの持ち出し可否を確認し、必要ならリンネブルグ王女のもとへ輸送すること、最後に、とある男から託された金を使って、依頼されたものを購入することである。

王都の市場で作物の種子を専門に扱う店を探し、店番の青年と対話を行った。イネスは、荒地でも育つ作物の種子を見繕ってもらいたいと依頼し、具体的な要件について説明を求められるが、国の機密に関わるため、詳細を話すことはできなかった。それにもかかわらず、店番の青年は協力を申し出、イネスが預かってきた大金を使って、必要な種子を購入することになった。

イネスは大金を扱う青年の対応に驚きながらも、彼に見積もりと納品の作業を任せることにした。また、イネスは自分が使っている通話魔導具を通じて、同僚メリジェーヌから連絡を受け、別の問題に対応するため王城へ向かうことにした。青年はイネスから受けた指示に基づき、栽培計画書を作成するためにさらなる検討時間を求めた。

130  湧水の円筒

レイン王子は、サレンツァに渡ったリンネブルグ王女から『神託の玉』を通じて連絡を受けた際、サレンツァがクレイス王国の重要遺物『湧水の円筒』を要求していると知り、心配した。この円筒は「還らずの迷宮」から発掘された重要な遺物であり、クレイス王国の国家運営に不可欠な存在である。百年以上前に発掘され、農地への大規模な利用が始まって以来、クレイス王国の農業計画における重要な水源とされている。王子は、『湧水の円筒』が過去にも他国に供与されたが、その利用が国の意図と異なる形で行われ、問題が発生した歴史を懸念している。

サレンツァの状況は過去にも困難を抱えており、クレイス王国が供与した『湧水の円筒』が適切に利用されなかったため、王子と現王はこの新たな要求に対し不安を抱いている。現王は、この状況を「あの男への謝礼」として扱っており、もしサレンツァが不適切に行動した場合、それは彼らの問題として切り離して考える意向を示している。

王子はこの対応に疑問を感じつつも、『湧水の円筒』の供与がサレンツァ内でどのような結果を招くかを懸念している。歴史上の経験から、サレンツァが遺物を利用して不当な利益を追求し、国際的な問題を引き起こす可能性があることを理解している。しかし、現王はそれを見越した上で、必要に応じて対策を考えることにしている。

131  神獣鍋

登場人物は「神獣」と称される巨大な岩エビを料理する計画を進めていた。彼は料理人ロロと協力して、神獣の使える部分のみを斬り分け、残りは肥料にすることに決定した。イネスの到着を待ち、彼女の「光の剣」で硬い殻を斬り刻む計画も立てられた。彼らは神獣の新鮮な肉を大鍋で調理し、村全体で共有することにした。この料理は村中の人々に大変好評で、大鍋の料理は夜まで続いたという。

翌日、イネスは早くも帰還し、持ち帰った種とともに神獣鍋を食べた。イネスはこの行動で疲れた馬を元気づけ、村人たちにも喜ばれた。この経験から彼らは神獣鍋を存分に楽しむことができた。そして、イネスが持ち帰った種で、新たな農作業の準備が整い、彼らは次のステップに進む準備ができたのである。

【最高の環境と最高の素材】

メリジェーヌはオーケンから渡された古ぼけた透明な箱を調べていた。この箱は数百年前のもので、非常に希少なサンプルが含まれている。リンネブルグ王女から、超特大の「巨神殻類」の討伐に成功した報告を受けたことから、彼女はこのサンプルを使って様々な実験を行うことになった。王からは、この殻を武具に使う提案がされたが、それは命令ではなく提案であった。メリジェーヌはこの提案を考慮に入れつつ、実験を進めることにした。彼女はまた、助手のロロを非常に頼りにしており、彼がいないことを感じている。そして、この研究所での生活に非常に満足しているが、忙しさに圧倒されつつある。

若かりし王の冒険譚

片目の傷がある少年がクレイス王国の第一王子であり、冒険者であることを名乗り、剣の達人である剣士シグに挑戦した。王子は初戦で敗れるが、その後も粘り強く挑戦を続け、数ヶ月後にはシグを打ち負かすことに成功した。二人はその後、仲間を集めるために様々な人物を勧誘し、強力なチームを形成して「還らずの迷宮」に挑んだ。冒険の中で、彼らは重要な遺物である「黒い剣」を見つけ、それを手に入れることに成功する。その遺物は後に王子が王位を継承した際にも重要な役割を果たした。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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