小説「凶乱令嬢ニア・リストン 1 」感想・ネタバレ

小説「凶乱令嬢ニア・リストン 1 」感想・ネタバレ

どんな本?

凶乱令嬢ニア・リストン」は、南野海風 氏の著作で小説家になろうで2019年5月から書かれいる。
主人公は、かつて神殺しをも成し遂げた大英雄で、死の間際に自分を殺せるほど強い相手と出会うことを夢見ていた。
しかし、彼女が転生したのは、病弱な貴族令嬢、ニア・リストンだった。

彼女は、第二の人生でも強者を求めて楽しく戦いに身を投じて行く。
彼女は「血雨を歩く者《レッドレイン》」、「白き癒し手」、「騎士殺し」、「自殺願望者」など、様々な異名で呼ばれたが、最も有名なのは「狂乱令嬢」の名だった。

この物語は、彼女の華麗なる戦いの記録と、望まないまでも拒む理由もなく歩を進めた偶像の軌跡を描いている。
また、この作品は2022年9月にHJ文庫から出版されている。

読んだ本のタイトル

凶乱令嬢ニア・リストン1 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録
著者:南野海風 氏
イラスト:磁石  氏

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あらすじ・内容

病弱美少女に転生した英雄、最強令嬢となって無双する!! 武を極めたバーサーカー令嬢の最強転生ファンタジー!

「どうせなら、戦って死にたかった」 かつて神殺しをも成し遂げた大英雄がいた。強すぎた彼女は死の間際、自分を殺せるほど強い相手と出会うことを夢に見る―― その結果、待ち受けていたのは病弱な貴族令嬢への転生で!? 未来の世界で美しくも弱すぎる令嬢ニア・リストンとなった彼女は、第二の人生でも強者を求めて楽しく戦いに身を投じていく! 「――アッハハ! ほらほら! 早く構えないと蹂躙するわよ!」 天使のような凶乱令嬢が繰り広げる最強無双譚、ここに開幕!!

凶乱令嬢ニア・リストン 1

感想

かつての英雄の魂が、ある夜、病弱な令嬢ニア・リストンの身体に宿ったことから物語は始まる。

英雄の魂を持つニアは、自身の新たな身体が病に侵されていることを知り、気を使って病魔を退治し、健康を取り戻す。

復活したニアは、外見は幼い女の子だが、心は戦いを愛する英雄のままで、強敵との戦いを渇望。
その一方で、両親が手掛ける魔法映像の番組に出演し、人気を博すようになる。

このニアの物語は、彼女が病を克服し、魔法映像への出演を経て、王都で演劇の役者として舞台に立つまで。

劇団氷結薔薇での公演中、シャロ・ホワイトとの関係が深まり、ニアはさらに多くの人々との絆を育んでいく。

しかし、シャロが裏社会の目に留まり、シャロはチンピラに絡まれるトラブルに巻き込まれるが、ニアの圧倒的な力でそれを粉砕し、さらにその場に呼ばれた助っ人までも返り討ちにし。

その1人と繋がりを持ち、後々に彼もニアの身内になって行く。

物語はニアが魔法映像の撮影や劇の公演、さらには裏社会の人物との対決を経て成長していく様子を描く。

英雄の魂を持つニアは、どんな相手でも躊躇なく立ち向かい、その強さと勇気で多くの人々を魅了していく。
公演が成功し、王都での冒険が終わった後、ニアはリストン家に帰還し、家族や友人たちと再会を果たす。

エピローグでは、ニアが6歳になり、アルトワール学院の寮に入る準備をする様子が描かれる。

これまでの経験を通じて得た知識と力を胸に、ニアは新たな生活への一歩を踏み出す。

彼女の物語はまだ始まったばかりであり、これからも様々な冒険と戦いが待っていることを予感させる結末となる。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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同シリーズ

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ

歴史に名を残す英雄たち、魔王殺しの聖騎士アルフィン・アルフォンや武神リュト・ビリアンなどが存在している。

善悪に関わらず、世に革命を起こした者たちは誰かの英雄である。
この時代における最も新しい英雄は、「凶乱令嬢」の異名を持つニア・リストンである。

素手で魔獣を屠り、傷ついた者を癒やし、堅牢な鎧を紙屑のように扱う彼女の物語が、歴史書の一ページに記されることとなる。ニアの物語は、とある夜から始まった。

第一章

深い眠りの底から意識が浮かび上がってくる感覚を覚える。
幾年月も感じなかった空気、光、香りが、強い刺激となって意識を呼び覚ます。ある願いを思い出す。

戦いの中で死にたかったという願いだ。
しかし、その願いは叶わず、今は別の身体で再び目覚めることになった。

突然の咳き込みとともに、痛みを感じる。
この身体は病に侵されており、長くは生きられない。

フードをかぶった男が現れ、この身体は貴人の娘のもので、自分が金のために反魂の術を使って魂を入れ替えたと告げる。
男は、金を受け取り島を離れるまで一日だけ何もせずに生きてほしいと頼む。

部屋を出て行く男に対し、自分が再び死を迎えることになることを受け入れ、それでも病に負ける気はないと決意する。

この身体の名はニアといい、両親が非常に愛情深いことがわかる。
自分はこの身体を乗っ取った形となり、ニアとして生きることになる。

病を治すために、「氣」を巡らせ、この身体を回復させることを決心する。

自分自身の過去や「氣」とは何かなど、多くのことを忘れているが、それは今は重要ではない。

ニアとしての責任と義務を果たし、この身体に宿った二度目の生を最大限に生きようとする。

ニアの記憶がなく、自分自身のこともよくわからないが、それは今は問題ではない。
病に打ち勝ち、ニアとして新たな人生を歩み始める決意を新たにする。

第二章

窓の外が明るくなる朝、若い女性が部屋に入ってきた。その様子から彼女が侍女であることがわかる。

彼女は動きが鋭く、身のこなしに隙がない。食事の時間がやってきて、消化に良い食事が提供される。

食欲はないものの、生命力の源である食事を摂ることの重要性を感じている。

徐々に食事量が増え、身体は少しずつ回復しつつある。

朝食後、ニア(主人公)は車椅子に乗せられ、リノキス(侍女)に押されながら部屋を出る。

そこで父親と母親を見送り、ニアとしての役割を果たそうとする。

リノキスは夜の付き添いを終え、これからはニアが一人で過ごす時間が増える。

ニアは、病気の回復のために自身で「氣」を巡らせる練習を始める。

身体はまだ弱っており、立っていることすら困難だが、病に打ち勝とうとする意志は強い。

彼女は自分の身体を徐々に鍛え直し、以前のように活動できるよう努力を続ける。

第三章

ニアは病気からの回復に努めており、病状は順調に改善している。

三週間が経過し、リノキスはニアを外へ連れ出そうと提案するが、ニアは座禅を組んで病魔との闘いに集中したいと考えている。

しかし、リノキスの説得により、日光浴の重要性を認識し、外出を承諾する。

リノキスは外出に向けて服装や靴を選び、ニアは服装選びに興味を示さない。

結局、白いワンピースと赤いリボン、赤い靴を選び、髪は灰色であることが病気の影響であることが示唆される。ニアは自己紹介を考えながら、自分の趣味や夢について冗談めかして語る。

リノキスはニアの提案に苦笑し、具体的な反応は示さない。

この物語では、ニアが病気と闘いながら少しずつ普通の生活に戻ろうとする様子が描かれている。

外出を前にしての服装選びや、自己紹介の考案など、ニアの回復への道のりと心境の変化が垣間見える。

ニアはリノキスに支えられて庭へ出て、久しぶりに外の空気と日光を浴びる。

庭は非常に広く、第四階級の貴人であるリストン家の財力と地位の高さを示している。

ニアはリノキスから、この国の階級制度や自分の家がどれほどの権力を持っているかについて学ぶ。

また、ニアには兄がおり、名前はニールで、夏休みを利用して帰省することを知らされる。

ニールが飛行船で帰宅し、久しぶりにニアと再会する。ニールはニアの体調の改善に驚き、兄妹は後ほどゆっくり話すことになる。

リノキスはニアに、ニールの専属侍女リネットと自分がアルトワール学院の同級生であったことを教える。

ニアはリネットの動きに注目し、自分の強さを再認識するが、現時点ではリネットとリノキスを含む人々との力の差を感じている。

ニアの兄、ニールがリストン家に帰ってきてから五日が経過し、兄妹の関係は良好である。

ニールはニアの退屈しのぎに学院の話などをしてくれるが、ニアの体調はまだ完全には回復しておらず、食卓には同席できない。

ニアはまだ消化に良い食事を摂りつつ体力回復に努めている。

ニールはニアに魔法映像(マジックビジョン)を見せてくれるが、リノキスや両親からは強いシーンなどの刺激が強い映像の視聴が制限されている。

ニアは一部の映像に興味を示すが、多くは視聴禁止とされている。

観られる映像は美しい風景やリストン領遊歩譚などに限られており、映像文化へのアクセスは限定的である。

ニアは魔法映像を通じて外の世界を知る機会を得るが、観ることが許可された番組は少なく、生活に大きな変化はない。

それでも、ニアは魔法映像を有益な情報源として価値を見いだしている。

外界に対する知識が乏しいニアにとって魔法映像は貴重な情報源であり、それを提供してくれた兄ニールへの感謝の気持ちを持っている。

兄は剣術の稽古に励んでおり、専属の侍女リネットに指導を受けているが、まだ実力が及ばず苦戦している。

そこでニアは兄に剣の使い方についてアドバイスをしようと決め、稽古を見学している中でアドバイスの機会を見つける。

しかし、自身の体力や筋力の不足を痛感し、アドバイスを行うことに苦労する。

ニアは木剣を使って剣の使い方を実演しようとするが、その行動によって体力を消耗し、リノキスに支えられてしまう。

にもかかわらず、ニアは剣は力任せに振るうものではなく、刃で斬るものであると説明し、武器の構造や扱い方についての知識を兄に伝える。

また、自身の体力のなさに苦しんでいるが、その状況を「氣」の訓練の時間と前向きに捉え、ニアが入る前の苦労に思いを馳せる。

第四章

アルトワール学院の冬期休暇を控え、ニアは自分の病を克服したと自覚している。

リノキスから家族の食卓に戻る提案を受け、ニアはそれに同意し、病床を引き払うことを決意する。

生活は大きく変わり、魔法映像を通じて世界を知る日々を送っている。

特に「リストン領遊歩譚」を楽しんでいるが、その内容が酒やチーズに偏っていることに文句を言いつつも興味を持っている。

ある夜、両親がニアの部屋を訪れ、彼女の病が治ったことを受け、魔法映像に出演し生存報告をすることを提案する。

この魔法映像は、リストン領内で制作されており、両親はその放送会社の経営者である。

両親はニアの治療法を公に求めた以上、その結果も公表する義務があると考えていた。

ニアはこの提案に同意し、病を克服し、生きることを自らの口から語ることに決める。

これは、ニアとしての義務であり、彼女がリストン家に生きる意味でもある。

ニアはリノキスに要求される通り、彼女が構える木の棒を木剣で一振りで斬る技を見せる日常を送っている。

散歩の最中にもこの技を披露し、リノキスからその技をどこで学んだのか尋ねられるが、ニアは「女の秘密」として明かさない。

アルトワール学院が冬期休暇に入り、兄ニールが帰宅すると、家族全員が揃って魔法映像の撮影が行われることになる。

撮影はリストン家の主立ったメンバーが参加し、魔法映像の案内人であるベンデリオも現れる。

ニアは病からの回復を視聴者に報告し、その髪の色は病との戦いの証としてこのままで良いと主張する。

撮影は順調に進み、ニアは「ニア・リストンの職業訪問」という番組で刀剣復元師を訪れる役割を任される。

これは魔法映像を広めるための広告塔としての仕事であり、ニアの新たな役割となる。

ニアの病からの回復とその結果が公表されることで、魔法映像の可能性と利益を多くの起業家や貴人たちが認識し、魔法映像の文化が爆発的に広がることになる。

オルニット・リストンが真摯に娘ニアの病との闘いを語る魔法映像を見たシルヴァー家では、家族それぞれが異なる反応を示す。

末娘レリアレッドはニアの映像に特に関心を持ち、「退屈」と評しながらも魔晶板を見入っている。

家族はそれぞれの思いを抱えつつ、ニアの映像に対してコメントする。

ヴィクソンは冒険家になりたいという夢を持っていたが、魔法映像によって冒険家の姿を見ることで、その夢が再び燃え上がる。

魔法映像に対する関心が高まる中、末娘はニア・リストンのように魔法映像に出演したいと強く願うようになる。

この願望は、ニアと同い年である末娘の対抗意識や嫉妬、そして自信から生まれたものであった。

ヴィクソンは末娘がニアに劣っているとは思わず、この瞬間が後に「赤き偶像」と呼ばれるレリアレッド・シルヴァーの誕生へと繋がる重要な時だったと考えられる。

第五章

ニア・リストンが病を克服し、日常生活に戻りつつある中、彼女と兄ニールは、魔法映像への再出演を両親と話し合う。

ニールは、魔法映像の普及のためにニアが適任であると指摘し、ニアも両親の望むなら協力すると表明する。

このやり取りから、リストン家が魔法映像業界に莫大な投資をしていること、そしてその投資が家の財政に大きな影響を及ぼしていることが明らかになる。

ニールは、魔法映像を通じてニアが助かった事実を利用して、魔法映像の普及と利益の増大を目指すべきだと提案する。

ニアは、両親の意向を尊重し、リストン家のために魔法映像に再出演することを決意する。

また、兄が身を切って家を守るという発言に対し、ニアは自分が冒険家となって金を稼ぐことを提案するが、ニールはそれを拒否し、兄として妹を守る決意を新たにする。

ベンデリオが再びリストン家を訪れ、ニア・リストンの魔法映像再出演についての打ち合わせを行った。

彼は様々な企画案を持参し、ニアに選んでもらうが、ニアはすべての企画に挑戦することを決める。

その結果、「ニア・リストンの職業訪問」という番組が企画され、ニアが様々な職業を体験しながら紹介する内容になった。

ベンデリオはニアの魅力は落ち着いた雰囲気と冷静さであり、無理にキャラクターを作る必要はないとアドバイスする。

ニアは自然体で番組に臨むことを決め、リストン家の名を汚さないよう最善を尽くすことを約束する。

第六章

ニア・リストンは、「ニア・リストンの職業訪問」という番組の一環で、刀剣復元師の職場を訪れ、撮影を行った。

これはニアにとって五度目の撮影であり、既に料理作りや農作業など、様々な職業体験を経験している。

今回の訪問では、職人たちが行う刀剣や鎧、工芸品の修復作業について学び、実際に金属の鞘の修復作業に挑戦した。

ニアはこの経験を通じて、職人の技術や努力を理解し、自分も少し楽しんだようである。
また、撮影中に起こる予期せぬ出来事にも慣れ、自然体で対応する姿が見られた。

ニア・リストンは「ニア・リストンの職業訪問」という魔法映像の番組で様々な職業を体験し、その様子を撮影している。

この日は刀剣復元師の職場を訪れ、実際に修復作業を行い、最後には試し斬りの撮影も行われた。

ニアは特に武器に関する知識や興味を示し、実際にロングソードを使用して試し斬りをする場面もあった。

撮影が順調に進んだ後、ニアは自身の役割について両親からの評価を受け、さらに新たな依頼があることを知らされる。

それは、民間からの依頼で劇の役者をするというものだった。

ニア・リストンの人気と魔法映像の普及が進む中、リストン家の財政も改善の兆しを見せている。

ニア・リストンは「ニア・リストンの職業訪問」の撮影に引き続き、劇団氷結薔薇から役者の仕事を依頼され、そのための台本を受け取る。

劇団は王都でも知名度が高く、設立者のユリアン座長とその双子の妹が中心となって活動している。ニアは観られる番組に制限がある中、この劇の役に挑戦することになる。

依頼された役は複雑な人間関係を描いたドラマで、ニアはその中で「捨てられる子供」を演じる。

兄のニールが帰省した際には、ニアの日常や剣術の練習、そして劇の準備について交流がある。

また、ニアは王都に滞在しながら劇の出演と同時に「ニア・リストンの職業訪問」の王都での撮影も予定しており、その多忙な日々が描かれている。

ニアは役者としての仕事だけでなく、自分の剣術の訓練や兄との関係、さらには王都での新たな撮影にも取り組んでいく。

ニア・リストンとその専属侍女リノキスは、兄ニールと共に王都アルトワールへの飛行船での旅を終え、王都に到着する。

アルトワール学院の生徒及び関係者用の発着場で飛行船を降りた後、兄ニールは寮の門限のために急いで学院へ戻ることになる。

旅行中の多少の遅れが積もり、兄は門限ギリギリの時間に王都に到着してしまう。

王都に残るニアとリノキスは、兄が去った後、自分たちの行動を開始する。

第七章

ニア・リストンは専属侍女のリノキスと共に王都アルトワールに到着する。

兄ニールはアルトワール学院の門限に間に合うように先に去り、ニアはリノキスとレストラン「黒百合の香り」で第三階級貴人ヘレナ・ライム夫人と会う。

この会合は、劇団氷結薔薇の座長ユリアン・ロードハートによる舞台への参加依頼に関連していた。

ヘレナ・ライム夫人はユリアンの叔母であり、ユリアンはライム家と親戚関係にあることが明らかにされる。

ニアは舞台に立つ際は「リストン家の娘ではなく、ただの役者ニア」として扱われることを望み、ユリアンもこれに同意する。

この会合には、ユリアンの双子の妹である劇団の看板女優も参加することになり、彼女の登場で会合はさらに進行する。

ニア・リストンは王都アルトワールに到着し、劇団氷結薔薇の座長ユリアン・ロードハート、その双子の妹で看板女優のルシーダ・ロードハート、及び第三階級貴人ヘレナ・ライム夫人と会合を持つ。

ルシーダがニアを劇に誘った理由は、主演予定の新人女優シャロ・ホワイトの相手役として、ニアの度胸と人気を利用したいという目的があった。

シャロは非常にやる気があり、彼女の強い気持ちをバランス良く支えられる相手としてニアが選ばれる。

ニアはこの提案に賛同し、役者としての仕事を全力で遂行する意向を示す。

彼女は王都でのこの仕事を自身の人気と知名度をさらに高める絶好の機会と捉えている。

翌日、稽古場ではニアが新人として迎えられ、シャロ・ホワイトとの関わりも深まる。

ニアは彼女の役目を真摯に受け止め、シャロとの共演に前向きに取り組む。

ニア・リストンが劇団氷結薔薇に参加して二週間が経過し、「恋した女」の公演まで一週間となった。

稽古は本格化し、シャロ・ホワイトとの関係も改善された。

ニアは「ニア・リストンの職業訪問」の撮影のため稽古を早めに切り上げ、撮影現場へ向かう。その途中、リノキスからシャロがチンピラに絡まれているとの情報を得る。

ニアはリノキスに衛兵を呼ぶよう指示するが、自身もシャロの元へ向かうことを決意する。

到着すると、シャロはチンピラに囲まれており、ニアは自分が巻き込まれたとして正当防衛を主張しながら、チンピラの一人を反撃し、残りの相手にも立ち向かう覚悟を決める。

ニアはこの状況を自身の身体能力を試す良い機会と捉え、楽しむ様子を見せる。

ニアが劇団氷結薔薇の稽古に参加し始めてから二週間が過ぎ、「恋した女」の本番まで一週間となる。

シャロは気負いが落ち着き、彼女を絡ませたチンピラとのトラブルを解決したニアは、撮影のためレストラン「黒百合の香り」へ向かう。

撮影現場ではベンデリオが、シャロを特別ゲストとして「ニア・リストンの職業訪問」に加える提案をする。シャロは参加を承諾し、撮影は無事に終了する。

公演本番までの日々は稽古に明け暮れ、シャロはニアのホテルに泊まり込むようになる。

ユリアン座長から公演チケットを受け取り、公演成功の期待が高まる中、ニアはシャロに迷惑をかけないよう注意を受ける。

公演初日はすべてのチケットが売れ、大きな期待を背負って本番がスタートする。

シルヴァー家では朝食時に魔法映像を視聴しており、この日も劇団氷結薔薇の「恋した女」の告知が映し出されていた。

緊張している無名の主演女優と落ち着いた態度のニア・リストンの対比が描かれ、領主ヴィクソン・シルヴァーはニアの落ち着きに思いを馳せる。

シルヴァー家の長女はニアの服装を批評し、次女はニアのファンであるが、その振る舞いは不審なものだった。

末娘レリアレッドはニアをライバル視しているが、舞台を観に行くことは拒否する。

一方、アルトワール王国第三王女ヒルデトーラは、ニア・リストンの活動に興味を持ち、彼女の成長を待ち望んでいる。

また、アルトワール王都の東側にある裏社会では、ニア・リストンの拉致を計画する動きがあった。

この計画は、裏社会の一角であるネヒルガによって進められており、彼は部下のアンゼルに悪ガキたちの掃除とニア・リストンへの攻撃を命じる。

アンゼルはニアの誘拐には抵抗を示すが、彼女を攻撃することには同意する。

こうして、シルヴァー家の朝食の光景とアルトワール王国の裏社会の暗躍が並行して描かれ、ニア・リストンを巡る異なる思惑が交錯する様子が示された。

第八章

舞台「恋した女」は、未亡人ナターシャを中心にした物語であり、劇団氷結薔薇によって9回の公演が行われた。

衣装や小道具の破損、舞台装置のミスなどのトラブルはあったものの、魔法映像による宣伝効果やニア・リストンの人気も手伝って、成功を収めることができた。

特に、大人向けの演目にも関わらず、多くの子供たちが観客として訪れたことが意外だった。

公演後、ニアは家族と祖父との再会を果たし、成功を祝う。

一方、シャロはニアとの別れを惜しみつつ、役者としての生き方を語る。ニアはシャロの提案により、一緒に「約束の場所」に行くことを承諾するが、彼女を現場からは遠ざけることにする。

翌日、劇団の座長ユリアンとルシーダから公演の成功を祝われ、ニアは彼らへの感謝と再会を願う。

その夜、ニアは以前にトラブルになった人物たちとの決着をつけに行く準備をする。

ニア・リストンは、祖父との王都観光を前にリノキスと一時的に別行動をとることになった。彼女には急ぎの用事があったからだ。

それは、ある約束を確認するためのもので、彼女はリノキスの監視をかいくぐり、街の裏社会に関わる人物たちを探し出すためにホテルを抜け出した。

その過程で、ジグザグドッグという不良グループの情報を手に入れ、彼らの溜まり場へと向かうことに成功する。

一方、その日は祖父との王都観光が予定されており、ニアはその計画に沿って行動した。

王都観光では、アルトワール王国の第三王女ヒルデトーラからの挨拶の依頼があったことを祖父から聞かされるが、ニアにとってはそれが重要なことではなかった。

観光を楽しんだ後、彼女は再び夜の街へと抜け出し、ジグザグドッグの溜まり場へと向かった。

シャロも彼女と行動を共にすることになるが、ニアはシャロを安全な場所に留めておき、自らは酒場へと進んだ。

ニアはその過程で、いくつかの小競り合いに巻き込まれるが、彼女の実力にかなう者はおらず、瞬時に制圧していく。

最終的に彼女たちはジグザグドッグが集まる酒場へとたどり着き、ニアはシャロに自身が待つ場所を指示してから、一人で酒場へと向かった。

酒場内では、スーツを着た男と倒れている三人の男がおり、ニアはその状況に疑問を持つ。

男はジグザグドッグの上役であり、自分たちの下っ端がニアにやられるのを受け入れ、彼らを追放する。

しかし、彼はニアとの間で一対一の対決を望み、自身も強さを見せつけようとするが、ニアには全く歯が立たない。

ニアはスーツの男の攻撃を軽く受け流し、自分が強すぎるために彼が弱く見えるだけかもしれないと考える。

男が全力を尽くしてもニアにダメージを与えられず、自身の弱さを疑問に思う。

ニアは男に対して、自分が強いことが原因であり、彼が弱いわけではないと語り、彼に稽古をつけることを提案する。

ニアはこの戦いを楽しんでおり、がっかりしているが、男との戦いで少しは満足しようと考えている。

男との戦いの中で、ニアは男に容赦なく攻撃を加えるも、意識的に力加減し、男の心が折れるまで攻撃を続ける。その結果、男は諦め、ニアは勝者となる。

ニアは男に対して、自分が王都に戻ってきた際には再び会うことを約束し、彼に準備を整えるように言い残す。

その後、男が使用していた「契約武装」について尋ね、簡単な説明を聞く。

ニアが酒場を出ると、外では30人以上の武装したチンピラが集まっている様子を目撃する。

彼らは明らかに酒場への殴り込みを意図しており、ニアにも敵意を向ける。

しかし、ニアはこれを楽しみに感じ、笑いながら彼らに挑む構えを見せる。
ニアは自らの力を遺憾なく発揮し、集まったチンピラたちに対して圧倒的な力で立ち向かう。

この出来事を屋上から観察していたシャロ・ホワイトとニアの専属侍女、リノキスは、ニアの行動について話し合う。

リノキスは、ニアが非常に強いため、このような状況でも彼女を止める理由がないことをシャロに語る。

シャロはニアの力の大きさに驚くが、同時に彼女が危険を楽しんでいる様子にも畏怖を感じる。

リノキスはニアの行動をただ見守ることに決め、二人はその場を去ることにする。

ネヒルガは、アルトワール王都の東側倉庫街に潜む小悪党である。

彼は、機会があれば大きな儲けに踏み込む性格で、自らを慎重に動く小悪党と認識していた。

ニア・リストンという第四階級貴人の娘を誘拐し、リストン家から慰謝料を得ようという計画を立てていた。

この計画の一環として、彼は部下のアンゼルに幼いギャングたちを潰すよう命じていた。

しかし、計画はニアによって狂わされる。

ネヒルガが現場に到着した時、彼とその部下たちは、アンゼルを含む多数のギャングたちがニアによって倒された光景に直面する。

彼らはニアを捕まえようとするが、彼女は容易に部下たちを倒し、ネヒルガ自身も恐怖に震える。

ニアはネヒルガに、この夜の出来事を秘密にするよう警告する。

その夜から、王都から悪党たちが消え、彼らは「夜と子供と白髪が怖い」と言い残し、姿を消す。
数年後、東側倉庫街の金色の男が田舎で平和に生活しているという噂が流れるが、それもすぐに消え去った。

エピローグ

ニア・リストンは、劇団氷結薔薇の公演「恋した女」が無事終わり、王都のホテルからリストン家へと帰還した。

公演終了の安堵と共に、前夜の戦闘で鬱憤を晴らしたことによる心の晴れやかさを感じている。

ニアは、戦いの中で多くの敵を相手にしたが、その全てが小粒であり、もっと手応えのある相手を求めている。

リノキスからの稽古の申し出を受け、ニアは彼女を自らの弟子として受け入れることにする。

ニアがリノキスの弟子となってから、忙しい日々が続く。

魔法映像の撮影や劇の稽古、さらには王都でのパーティ出席など多岐にわたる活動をこなす。この間に、新たな魔法映像のチャンネルが開局し、ニアはその記念の撮影に参加する。

気が付けば春が訪れ、ニアは6歳になり、アルトワール学院の寮に入ることになる。
これまでの活動と稽古を通じて、ニアの日々は充実しており、新たな生活への一歩を踏み出す準備が整っている。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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