小説「俺は星間国家の悪徳領主!11 」感想・ネタバレ

小説「俺は星間国家の悪徳領主!11 」感想・ネタバレ

10巻 最新刊までのあらすじ(ネタバレ含む) 12巻

物語の概要

本作は異世界転生×SFファンタジー要素を含むライトノベルである。前世で裏切られ続けた主人公リアム・セラ・バンフィールドは、異世界で「悪徳領主」を目指し転生した。
だが、悪役として振る舞おうとしても、結果として領民に愛され、名君と崇められる“勘違い経営譚”である。
第11巻では、親友クルトと皇女セシリアの結婚式を狙った皇太子クレオの陰謀によって、クルトらが帝国軍に囚われる事件へと発展する。リアムは修理中のアヴィドで限られた戦力での救出ミッションに赴くこととなる。

主要キャラクター

  • リアム・セラ・バンフィールド:前世の絶望を経て悪徳領主を志す転生者。最弱の領地を効率的に立て直すも、結果的に人望を集める不思議な領。
  • クルト:リアムの親友でエクスナー家の一員。第11巻では皇女セシリアとの結婚式がターゲットとなり、クルト自ら戦況を打開せんと奮起する。
  • セシリア皇女:クルトと婚姻予定の皇族。クレオの陰謀によって囚われる事態に追い込まれる。
  • 皇太子クレオ:リアムを忌み嫌う帝国皇太子。クルトとセシリアの結婚式を潰すべく陰謀を巡らせる。

物語の特徴

本シリーズの醍醐味は、「悪徳領主」を目指しながら結果的に名君となってしまうギャップの面白さにある。
特に第11巻では、皇太子の策略により親友を救うためにリアムが限られた戦力で立ち向かう緊張感ある展開が描かれる。
また、魔法やロボット(機動騎士)、剣術、一閃流といったSF要素が織り込まれた世界観も魅力的である。
勘違いと奇跡の連続が、予想外の爽快感をもたらす点で本作は他作品と一線を画す。

書籍情報

俺は星間国家の悪徳領主!11
著者:三嶋与夢 氏
イラスト: 高峰ナダレ 氏

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あらすじ・内容

乙女の想いが、奇跡を起こす!

善良さ故に奪われ続けた前世の反省から「悪徳領主」を目指すリアム。そんなリアムを妬み袂を分かった皇太子クレオは、彼の親友クルトと皇女セシリアの結婚式を狙い策謀を巡らせる。帝国軍に星ごと占拠され、囚われるクルト達エクスナー家の面々。しかしクルトの愛機ヴァナディースが無人のまま脱出していて――。
「僕が……私がみんなを助けるんだ!」
一方、親友の危機を知ったリアムは急ぎ救援に向かおうとするが、修理中のアヴィドをはじめ限られた戦力で臨まねばならず……!?
悪徳領主が目標なのに奇跡を起こしてしまう勘違い領地経営譚、第11幕!!

俺は星間国家の悪徳領主!11

感想

完全書き下ろしということもあり、今巻もまた、わくわくしながらページをめくった。
皇太子クレオの陰謀によって、リアムの親友であるクルトのエクスナー家が帝国軍に囚われてしまうという、緊迫した状況から物語は始まる。

リアムは、寄せ集めの少数部隊で、通常では考えられないような無茶な突撃を敢行する。
この状況下で、アヴィドの破損とアップデート問題、クルトのもう一つの人格、リーリエの問題など、これまで積み重ねられてきた課題が噴出する展開は、手に汗握るものだった。
特に、アヴィドがこれ以上のアップデートが不可能になるという事態は、リアムにとって大きな痛手となるだろう。
長年連れ添った相棒とも言える存在だからこそ、その喪失感は計り知れないと思っていたら。
あぁ、、合体?いやこれは喰ったのか?
マシーンハートのなせる業なのか?

クルトのもう一つの人格、リーリエの問題は、解決したとは言い難いかもしれない。
むしろ、悪化している可能性すらある。
しかし、それもまた、この作品の魅力なのだと思う。完璧な解決ではなく、新たな火種を残すことで、今後の展開への期待感を高めてくれる。

リアムは「悪徳領主」を目指しているはずなのに、結局は人助けをしてしまう。そのギャップが、この作品の面白さの根源だ。
今回も、親友のために危険を顧みず、無茶な作戦を実行してしまうあたり、やはり彼は根っからの善人なのだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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10巻 最新刊までのあらすじ(ネタバレ含む) 12巻

展開まとめ

プロローグ

皇帝との面会と相談の目的

アルグランド帝国の皇太子クレオ・ノーア・アルバレイトは、極秘の私室にて父である皇帝バグラーダに面会し、姉セシリアの婚姻について助言を求めた。セシリアは同母の姉であり、かつてクレオが親交を深めていたバンフィールド公爵リアムによって、成り上がり貴族であるエクスナー男爵家に嫁ぐ話が進んでいた。しかし現在、クレオとリアムの関係は破綻しており、婚約を破談にしたいという思惑があった。クレオは既に宰相に相談したが受け入れられず、皇帝に直談判するに至った。

バグラーダの助言と悪意の示唆

バグラーダは個人の感情よりも帝国としての信頼を重視する宰相の立場を理解しつつ、クレオに対して悪意を持って行動するよう促した。正式な理由なく婚約を破棄すれば宮廷貴族の反発を招くため、結婚後に不適切な事実を見つけて破談にするように助言した。セシリアの結婚式を逆手にとって、帝国内におけるリアムの評判を貶める策を授けた。

監獄にいる協力者との接触

数週間後、クレオは護衛を従えて貴族専用の監獄を訪れ、リアムに恨みを持つ囚人ビリー・セラ・シネスと接触した。ビリーは監獄内でも特別待遇を受けており、部下を動かせる影響力を保持していた。クレオはリアムと敵対するための協力を申し出て、ビリーもこれを受諾した。

剣士「剣鬼」との出会い

ビリーは更なる戦力として、「剣鬼」と呼ばれる騎士囚人の存在を提案し、クレオとともに採掘惑星の監獄を訪れた。剣鬼は騎士道を捨て剣の道に生きる殺し合い専門の剣士で、リアムに一度敗れて逃走した過去を持ち、また剣神安士への強い対抗心を抱いていた。かつては安士と同じ道場に属していたが、後に彼の台頭によって精神的に追い詰められていた。

剣鬼の執念と参加の動機

ビリーは、剣神安士との再戦機会を与えると説き、剣鬼の闘志を刺激した。剣鬼は安士とその弟子リアムへの敗北を納得できず、復讐を果たすために再び戦場に立つ決意を示した。このようにして、クレオはリアムを貶めるための新たな戦力を獲得したのである。

第一話 悪徳領主のお仕事?

辺境惑星での戦闘と海賊討伐

リアム・セラ・バンフィールドは、帝国より辺境に位置する恒星系を購入し、その開発に従事していた。しかし、現地では宇宙海賊や傭兵団が多数はびこっており、戦闘が避けられない状況にあった。リアムは超弩級戦艦アルゴスの艦橋にて戦況を眺め、戦場の空気に飽きつつも、自らの二つ名が忘れられていることに苛立ち、愛機アヴィドでの出撃を決意した。

アヴィドによる圧倒的戦力の発揮

リアムの搭乗する機動騎士アヴィドは、かつての戦いで損傷を受けたが修復され、再び戦場に復帰した。敵の海賊騎士たちが一斉に襲い掛かる中、リアムは圧倒的な操縦技術と一閃流の奥義をもって次々に敵を殲滅し、周囲の敵艦・機動騎士をまとめて破壊した。一方で、一閃の使用によりアヴィドが内部から破損するという問題も再発し、リアムはその代償に再び愛機を失うこととなった。

技術者ニアスとの再会とアヴィドの限界

アヴィドの再改修のため、リアムは第七兵器工場から技術少佐ニアス・カーリンを辺境へと呼び寄せた。ニアスは長旅と高額な交通費に不満を漏らしつつも、アヴィドの現状を分析した結果、これ以上の強化改修は技術的に不可能であると断言した。原因の一つとして、リアム自身の操縦技術が極限に達し、無意識下でも機体を操作してしまうほどの技能に成長したことが挙げられた。

操縦者の成長による機体の崩壊

リアムの一閃が、アヴィドの構造限界を超えるものであったことが明らかとなり、機体自体が操縦者に追従できずに自己崩壊を引き起こしたとされた。また、マシンハートの過剰な反応も一因と推測されたが、技術的な解決策は現時点では存在せず、一閃の使用を封じるほかないと結論づけられた。

恒星系開発と人手不足の現状

リアムは恒星系の開発に際して自ら指揮を執っており、有能な家臣たちを酷使しつつも人手不足に悩まされていた。ニアスに対してアヴィドと自身の輸送を依頼されたが、艦隊の余力が無いため不可能と回答し、ニアスは現地に三ヶ月間滞在することを余儀なくされた。

強化断念と悪徳領主としての姿勢

最終的に、アヴィドの強化改修案は頓挫し、リアムは技術的限界と操縦者としての成長という皮肉な事実を受け入れるほかなかった。新たな戦力強化の道を模索しつつ、彼は再び恒星系開発と領地拡大の任務に身を投じることとなった。

第二話 アンダーグラウンドの悪魔

首都星の地下都市とクルトの訪問

アルグランド帝国の首都星は外郭に覆われた多層構造の惑星であり、地上は高層建築に覆われ、地下には犯罪者や下層民が築いた都市が広がっていた。この首都星を訪れたクルト・セラ・エクスナーは、皇女セシリアとの挙式を控え、必要な手続きを行うとともに、旧友への招待状を手渡すため地下街を訪問した。

地下の女王・エイラとの再会

地下治安部門に所属するエイラ・セラ・ベルマンは、クルトの旧友であり、かつてレーゼル子爵家で共に修行を積んだ仲間であった。現在は地下街を取り締まる部署で部長を務め、部下たちから恐れられていた。クルトの登場により、普段は見せない笑顔を浮かべたことで、周囲に動揺を引き起こす一幕もあった。

ジェミナイの密輸と性転換薬への疑念

喫茶店で再会を祝う二人のもとへ、部下が違法薬物ジェミナイの密輸報告を持ち込む。ジェミナイは性転換薬の原材料でもあり、エイラはクルトが反応したことから、彼が過去に性転換に未練を残しているのではと察知した。エイラは地下街から性転換薬を撲滅すべく配属を希望した過去を持ち、今ではアンダーグラウンドの女王と恐れられている存在である。

妄想と現実の狭間で揺れる執念

エイラはリアムとクルトの仲を深く信奉しており、二人を題材とした創作活動を行うほどの熱量を持っていた。クルトの性転換をきっかけに本格的に動き出し、地下街の浄化に貢献する一方、自身の妄想と現実の隔たりに苦しんでいた。クルトとリアムの結婚を祝福しながらも、内心では取り残されたような感覚を拭えずにいた。

暗躍する皇太子とエイラの諜報活動

クルトと別れた後、エイラは情報屋から皇太子クレオの動きについて報告を受ける。皇太子が再び裏で暗躍している可能性があり、エイラは詳細な情報収集を依頼した。表向きは地下街の管理者でありながら、裏ではリアムを守るために情報網を活用し、警戒を強める姿勢を見せた。最後に、彼女はウォーレスを通じてリアムに注意を促す決意を固めた。

第三話 お義兄さん

クレオによる表面的な歓待とクルトへの勧誘

クルトは宮殿で儀礼を済ませた後、皇太子クレオの主催する祝賀パーティーに参加した。そこにはクレオの新たな派閥に加わった貴族たちが集い、祝意を示しながらもクルトを派閥に引き込もうと働きかけた。クルトは丁重に断り、バンフィールド家への恩と友情を理由に立場を保ったが、その対応にクレオは内心で不満を募らせていた。

リシテアとの再会とクレオの変化

パーティーにはリシテア皇女も参加しており、クルトと久しぶりの再会を果たした。彼女はクレオの護衛を担っていたが、最近は任を解かれており、貴族たちの中で居心地の悪さを感じていた。クルトはクレオが信頼する身内すら側に置かなくなっていることに疑問を抱いた。

クレオの本音と暗躍する策謀

クレオはパーティー終了後、剣鬼およびビリーとともに休憩室で会談を行い、クルトへの失望と排除の意志を表明した。ビリーはクルトを潰す計画の実行に移る旨を確認し、剣鬼もクルトに興味を持たなかったことから承諾した。クレオは姉セシリアの婚姻相手が成り上がりの出自であることに強い嫌悪を抱いており、個人の実力とは無関係に排除を望んでいた。

リアムの不在を狙うクレオの攻勢準備

ビリーは、リアムが現在辺境での領地開発に注力しており、本星を離れている隙を突く好機であると説明した。リアムの信頼厚い家臣クラウスは本星に残り、鮮血鬼チェンシーなどの有力騎士を従えていたが、移動は困難と判断された。また、リアムの愛機アヴィドが破損し、技術者を招集していることも不安材料として伝えられた。

剣鬼の執着とビリーの情報網

剣鬼はリアムの敗北情報に強く反応したが、戦闘による破損ではなくリアム自身の技量が原因である可能性も示唆された。情報の正確性に関しては、ビリーが独自の情報網を駆使して得たものであると説明された。クレオはこの状況を絶好の機会と捉え、リアムの戦力を削る作戦を開始するよう命じた。

クルトの帰還と家族の出迎え

一方、クルトは帝国首都星からエクスナー家本星へ帰還し、セシリアとリリーに出迎えられた。二人は水色の衣装で統一し、和やかな雰囲気でクルトを迎えた。クルトは領地内の状況を確認し、特に問題がないことに安堵した。

第六兵器工場からの訪問者と新装備の提供

宇宙港には第六兵器工場の営業担当メイスンが現れ、挙式参列のため訪れたと同時に、新装備を搭載した機動騎士ヴァナディースの換装を提案した。クルトはその場の勢いに押され、換装を受け入れることになった。メイスンの狙いは、クルトの活躍による製品の宣伝と実戦データの獲得であった。

疑念と穏やかな帰還

メイスンとの会話中、リアムの話を引き合いに出したクルトは、セシリアからの質問に慌てて誤魔化す場面もあった。だが、セシリアは笑顔を取り戻し、義両親が待つ地上へ向かうよう促した。こうして、クルトは一時的な平穏の中へ戻るのだった。

第四話 エクスナー男爵家

朝の団欒と訪問者の報告

首都星から戻ったクルトは家族と朝食をとり、穏やかなひとときを過ごしていた。エクスナー男爵はセシリアに対して気を遣い、皇女を迎えるにふさわしい体制を整える意志を語った。クルトも妹シエルの帰還を話題にし、和やかな空気に包まれる。しかし、そこへ騎士が慌ただしく駆け込み、皇太子名義で派遣された祝賀艦隊が三万隻規模で到着し、戦闘態勢を維持していると報告された。

剣鬼たちの襲撃とエクスナー男爵の奮闘

宇宙港に到着したクルトとエクスナー男爵が目にしたのは、すでに惨殺された味方たちの姿だった。侵入していたのは剣鬼とその部隊で、異様な風貌と高い戦闘能力を示していた。エクスナー男爵は剣鬼に立ち向かい、クルトに脱出を命じた。クルトは騎士たちの包囲を突破し、愛機ヴァナディースが停められている艦グルヴェイグを目指して走り去った。

格納庫での対峙と投降の決断

格納庫では第六兵器工場の技術者メイスンたちがヴァナディースの新装備を準備していた。クルトは緊急脱出のためワープ装置付きバニーホッパーを使用しようとするが、そこへビリー率いる武装兵が侵入。第六兵器工場の名を無視し、クルトを拘束しようとした。クルトは仲間を守るため自ら降伏し、ヴァナディースから降りることを選んだ。

無人ヴァナディースの離脱と謎の操縦者

拘束されたクルトの眼前で、無人のはずのヴァナディースが突如起動し、格納庫を突破して宇宙へ飛び出す。ビリーは艦隊に撃破を指示したが、ヴァナディースはワープ装置を起動し、敵機の攻撃を掻い潜りながら脱出に成功した。その機体を操るのは女性で、クリスタルに宿る未知の力によって、ワープジャンプを強行した。

救難信号とシエルの反応

バンフィールド家の御用商人ヘンフリー商会の船団が航行中、半壊したヴァナディースからの救難信号を受信した。搭乗者は女性で、生体反応がないにも関わらず交信が成立していた。エクスナー家の危機と兄クルトの名が報告されると、妹のシエルは混乱と動揺の中で錯乱しかける。挙式を目前にした実家が制圧され、兄の乗る機体に謎の女性がいるという不可解な状況に、精神的限界を迎えて叫び声を上げてしまった。周囲は慌ててシエルを医務室へ運ぶこととなった。

第五話 悪党の流儀

制圧後の尋問とビリーの陰謀

クルトらを拘束し、屋敷を掌握したビリーは、使用人全員に暇を出して自分の部下だけを残し、エクスナー家に対する処遇を進めていた。剣鬼が控える中、クルトは動きを封じられ、ビリーから「悪質な貴族」として罪をでっち上げられそうになる。ビリーはエクスナー家を皇太子の誘いを断ったことで粛清対象とし、加えて禁制品栽培の濡れ衣を着せて貴族位を剥奪、処刑までも視野に入れていた。

リアムの名誉を貶める目的

この行動の狙いは単にエクスナー家の制圧だけでなく、彼らがリアムを裏切る形に仕立てあげることでバンフィールド家の威信を傷つけることにあった。かつてリアムと深い関係を築いてきた忠臣的存在のエクスナー家が離反したように見せることで、リアムの人望に打撃を与えることをビリーは狙っていた。

セシリアの抵抗と兄妹の対立

一方、監視下にあるセシリアは首都星と通信を繋ぎ、クレオに制圧の理由を問うた。クレオは「姉を思っての行動」と語りつつも、クルトが嫁ぐには不釣り合いだという理屈を繰り返し、セシリアを失望させる。リシテアもクレオを止められず、セシリアは兄の変わりように涙を流す。

派遣軍による領地制圧と住民弾圧

地上では帝国軍の派遣軍がエクスナー家の領地を支配下に置き、住民に圧政を強いていた。大佐の命令で軍は地上部隊と機動騎士を展開し、住民に対して威圧的な態度を取った。さらに、基地建設のため街の建物を爆破し始め、住民の動揺を誘った。解雇された元エクスナー家の兵士や騎士たちは建物内から状況を見つめ、怒りを抑えつつも情報収集に努めることを決意した。

リアムの領地運営と報告会

辺境にいるリアムは開発中の領地で部下たちから報告を受けていた。ティアは順調な開発を誇り、マリーは遅れを報告したがリアムは支援を約束する。クラウスは軍学校・騎士学校の成果を挙げ、部下の育成への注力を示し、リアムから厚い信頼を得た。

エクスナー家の制圧を知るリアム

報告後、リアムはクナイからエクスナー家制圧の急報を受ける。事情を確認するため、執事ブライアンに通信を繋ぎ、今回の行動が皇太子派による策略であると聞かされる。目的はリアムの評判失墜であり、派閥間の権力闘争の一環であると推測された。

リアムの決意と出兵命令

ブライアンは実利の少なさから救出を再考すべきと進言するが、リアムはそれを一蹴する。かつて他人の顔色を窺って生きてきた過去への後悔から、自身の信念に従う生き方を選んだリアムは「悪徳領主仲間は見捨てない」と宣言し、出兵を決断する。

作戦変更と出陣準備

天城は結婚間もないロゼッタとの離別を皮肉交じりに指摘するが、リアムは彼女にも謝意を述べたうえで戦力を集め、迅速にエクスナー家へ向かうよう指示する。リアムはクレオの企みを粉砕し、何事もなかったかのように結婚式に出席する意志を固めた。

第六話 バンフィールド家の絆

帝国軍の支配と住民の反発

エクスナー家の領地に駐留した帝国軍の中には、セシリアに興味を示す者もいたが、クレオからの命令により慎重に距離を取っていた。住民たちは、新たに派遣された代官のビリーに不満を抱く。ビリーは反抗の気配を察知して見せしめに処刑を実行し、領民を力で黙らせようとした。しかし、地元住民出身の元兵士たちは憤りを隠せず、現体制に対し密かに反発の意志を募らせていた。

セシリアの葛藤と囚われたクルト

セシリアは囚われの身となったクルトを案じつつ、無力感に苛まれていた。一方、クルトは依然として捕らえられていたが、敵の狙いと自分たちの状況を冷静に分析していた。ビリーが狙っているのはリアムの評判を貶め、皇太子派の勢力拡大を図るためであり、クルトとエクスナー家はそのための道具として使われていた。

天使のような少女の登場と混乱

その夜、エクスナー家の屋敷の通信室に突如現れたのは、白いワンピースに身を包んだ少女だった。彼女は兵士たちに対して穏やかな笑顔を浮かべ、まるで「天使」のような無害な存在に見えたが、その正体はヴァナディースを操縦していた謎の女性だった。少女は一瞬で周囲の兵士たちを戦闘不能にし、あっという間に屋敷を制圧した。

ビリーと剣鬼への急襲

少女はビリーと剣鬼が滞在する部屋にも姿を現し、不意を突いて剣鬼を吹き飛ばす。その技量は明らかに常軌を逸しており、剣鬼すらも一撃で動けなくされた。ビリーは少女の強さに恐れを抱き、逃走を図るが拘束される。屋敷内の支配権を完全に奪還した少女は、静かにクルトたちのもとへ向かう。

囚人たちの解放と感謝の言葉

少女は捕らえられていたクルト、エクスナー男爵夫妻のもとに現れ、あっさりと拘束を解除した。自分の行動の動機や正体を明かさぬまま、淡々と人助けを行う様子に、クルトたちは困惑しながらも感謝の意を述べた。彼女はそれに「はい」とだけ答え、静かにその場を去っていく。

ヴァナディースの回収と再出撃

少女はヴァナディースの元に戻ると機体に搭乗し、屋敷を後にして再び宇宙へと飛び立った。ビリーと剣鬼は倒れたまま放置され、混乱する帝国軍は何が起きたのか把握できずにいた。天から舞い降り、嵐のようにすべてをひっくり返した少女の存在は、エクスナー家とその領民にとって、まさに「地獄に舞い降りた天使」であった。

第七話 お姉様と呼んで

バンフィールド家の出撃とシエルの焦り

ヘンフリー商会に保護されているシエルは、トーマスからバンフィールド家がエクスナー家救援のために出撃するという報せを受けた。リアムに対して個人的な好感はないものの、家としての信頼は厚く、救援が事実と知って歓喜する。しかし、派遣艦隊は五千隻規模と推測され、敵の戦力を考えると劣勢は明白であった。

ヴァナディースを巡る姉妹の争い

破損したヴァナディースはヘンフリー商会に保管されており、修理中のコックピット内ではシエルとデータ存在のリーリエが出撃を巡って言い争っていた。シエルはリーリエを“存在しない者”として出撃を認めず、リーリエは逆にシエルに搭乗を迫る。議論はエスカレートし、リーリエが「リアムが好き」「女の子のままでいい」と衝撃的な発言を連発。シエルは兄・クルトのイメージが壊されることに我慢できず、ついに出撃をかけあうことを了承した。

リアムとアヴィドの出撃準備

一方、リアムは自身の愛機アヴィドの応急修理を命じていた。手足と盾を失った状態で満足な性能を出せないと技術者ニアスは反発するが、リアムは「五割の性能でも他の機動騎士より上」として出撃を決断する。アヴィドを信頼し、今回の戦いが“最後になるかもしれない”という思いも込めていた。

第六兵器工場の参戦とヴァナディースの改装

リアムの母艦シュバルツフォーゲルが到着し、同時に第六兵器工場の支援申し出もあった。本来安全圏にいるはずの彼らが挙式参列中に巻き込まれた形となり、支援に乗り出すのは利害一致の結果であった。ヴァナディースはこの工場によって整備され、外装はまるで“白いドレス”のような姿に改装された。

ドレス仕様ヴァナディースと戦いの決意

改装されたヴァナディースには大型ライフル、大型シールド、推進力強化ブースターに加え、単騎での短距離跳躍を可能にする“未完成のワープ機構”が搭載されていた。実戦使用は未検証だが、防御性能と継戦能力は大幅に向上していた。内心でクルトの想いをなぞるリーリエは、その姿を“意味深”に受け取りながらも冷静に装備を分析し、みんなを救うために戦う決意を固めた。

第八話 教出作戦

セシリアの抵抗と密かな情報伝達

エクスナー家の別邸に軟禁されているセシリアは、女性騎士たちの目を欺き、地面に記録媒体を落とすことで密かに情報を外部に託した。女性騎士たちは皇太子クレオの怒りを恐れ、セシリアの自由に口出しできず、彼女の芝居に翻弄された。庭の草陰から誰かが記録媒体を回収したことをセシリアは確認し、安堵の表情を浮かべた。

リアムとアデルバートの対話と信頼の差異

合流地点に到着したリアムは、予定通りに集まっていた部隊に満足しつつも、自身が発案者である作戦に遅れて合流する形となり、微妙な気分に陥る。部下アデルバートは自己肯定の強い性格で、筆頭騎士クラウスの座を狙っていた。リアムは彼の有能さを認めながらも、その厚顔さと未熟さに苦笑し、彼が今回の作戦で結果を出せなければ即座に降格すると通告した。

シエルの参戦とリアムの葛藤

ヘンフリー商会からの補給物資の中にヴァナディースが含まれていることが判明し、さらに搭乗者がシエル・セラ・エクスナーであることにリアムは驚愕する。シエルは兄クルトを救うため、戦場に赴く覚悟を決めており、リアムの制止にも強い意志を見せた。リアムは渋々ながら彼女の参戦を認めるが、その本心には心配と苛立ちが入り混じっていた。

将兵への演説と出撃命令

シュバルツフォーゲルのブリッジから、リアムは参加将兵に向けて演説を行う。名目上は友好国エクスナー家の救出だが、実際は「友人クルトのため」の私情を交えた出撃であることを正直に明かした。その率直な言葉に将兵たちは感動し、士気が高まる。エセルは感涙し、アデルバートも演説に感銘を受けたが、リアムは冷静にそれを受け流しつつ、アデルバートにブリッジの指揮を任せて通信室へ向かった。

エイラからの情報と陰謀の実態

通信室でリアムは旧友エイラと会話を交わす。エイラは、皇太子クレオの狙いがリアムの評判を落とすための陰謀であり、エクスナー家はその巻き添えであると明かす。違法植物栽培の冤罪をでっち上げ、セシリア皇女を離縁させた後に処刑と取り潰しまで目論んでいるという。リアムはその稚拙な策略に呆れる一方で、権力により「真実」がねじ曲げられる現実に怒りを覚えた。

宮廷内の不満とエイラの提案

エイラはクレオの行動が宮廷内でも不評であることを語り、裏工作によってリアムを援護する提案を持ちかけた。リアムはその申し出を即座に了承し、報酬を支払う意志を示すが、エイラは無償での協力を選ぶ。そして、エクスナー家に派遣された艦隊が実戦経験に乏しいという情報も伝えられ、リアムにとっては作戦遂行の追い風となった。

友情と信頼、そして決意

通信を終えたリアムは、友人たちとの縁に思いを馳せながら、改めて作戦の意義と責任を噛み締める。エクスナー家を救い、クレオの野望を打ち砕くため、リアムは己の立場と信念を賭けた戦いへと挑む覚悟を固めていた。

第九話 速攻戦術

突入開始と作戦の前提

バンフィールド家の艦隊は、エクスナー家の恒星系にある長距離ワープゲートから無事出現した。リアムは敵がワープゲート付近で待ち伏せしていないことに安堵しつつ、エクスナー家制圧を大義名分に開かれる予定の敵陣営の結婚式を侮蔑する。アデルバートの指揮のもと、セシリア皇女およびエクスナー家の救出を目指す速攻作戦が開始され、艦隊は短距離ワープに入った。

迎撃部隊の驚きと油断

防衛にあたる帝国艦隊は、実戦経験に乏しく、バンフィールド家の突如の出現に動揺する。艦隊司令官は冷静さを保ち、包囲戦術で敵の突入を阻止しようと指示を出すが、バンフィールド家の艦隊は予想外にも正面からの突撃を敢行。戦術の常識を無視した行動に司令官は混乱しつつも応戦を命じ、両軍の艦隊戦が始まった。

突撃戦術の優位と艦隊の突破

リアムの座乗するシュバルツフォーゲルでは、突撃戦術により敵艦が次々と撃破される様子に満足げな声が漏れる。主力となったのはイェーガーという名の独立艦隊で、その働きぶりにリアムも自信を深める。一方でエセルとアデルバートの微妙なやり取りも見られたが、戦況は順調であり、リアムは次の作戦段階に向けて準備を進めるよう指示を出した。

地上側の対応と動揺

地上では、ビリーがリアムの艦隊侵攻の報に驚きつつも冷静に食事を続けていた。剣鬼はリアムの再来に対する恐怖と期待で情緒不安定になり、落ち着きを欠いた行動をとる。ビリーは五千隻の艦隊では地上到達は難しいと判断していたが、剣鬼はバンフィールド家のこれまでの実績から不安を募らせていた。

民衆の蜂起とビリーの命令

その最中、エクスナー家解放を叫ぶ民衆が一斉に蜂起。これを元家臣たちの策動と見抜いたビリーは、代官として兵士たちに武装して鎮圧するよう命じ、見せしめに処刑も容認する冷徹な判断を下した。剣鬼はビリーの油断を咎めるが、ビリーは違法植物栽培に夢中であったとあっけらかんと語る。

違法ビジネスと不確かな未来

違法植物を栽培し裏社会に返り咲く計画を持つビリーだったが、今回のバンフィールド家の急襲により計画の行方は不透明となった。騒動の拡大とリアムの行動により、今後の展開に不安が広がる中、ビリーは静かに事態の推移を見守るのだった。

第十話 猟犬たち

解雇された者たちの蜂起

エクスナー家の旧臣や使用人たちは廃墟に集まり、外で抗議を行う領民たちの声を聞いていた。代官軍とバンフィールド家の戦闘状況を傍受し、味方が劣勢にも関わらず奮戦していることに安堵していた。通信手段の不足に悔しさを感じながらも、彼らは接触の可能性に希望をかけて行動を開始する。リリーもまた武器を手に加わる意思を示し、機動騎士を投入してくる代官軍に対抗するため、エクスナー家側も秘匿していた機体の出撃を決断する。

旗艦攻略をめぐる焦燥

戦場ではアデルバートの指揮の下、敵旗艦の撃破が困難となりつつあり、地上制圧用の機動騎士部隊の投入を命じた。地上への支障を懸念する部下の声を無視し、敵中枢の制圧を優先する判断を下すが、リアムはそれに異を唱え、別案として妹弟子の凛鳳と風華を出撃させる。二人は高性能カスタム機テウメッサに搭乗し、敵中枢に単独突入を開始する。

妹弟子たちの戦闘と挑発

戦闘中も軽口を交わす凛鳳と風華は、敵の通信を傍受しながら、敵機中隊を翻弄して撃破を続けた。互いに挑発しながらも確実に突破を進め、ついには敵旗艦に到達。風華が防御網に切れ目を作り、凛鳳が内部突入して破壊活動を展開。最終的に旗艦を内部から崩壊させ、敵司令官は脱出に失敗した。この戦果により敵艦隊に動揺が走った。

アデルバートの葛藤と決断

旗艦撃破を目にしながらも、リアムからはクラウスに及ばないと明言されたアデルバートは苦悩する。しかし悔しさを押し殺し、指揮権をアリスン・ベイカー大佐に委譲し、自らは降下作戦の準備に集中する。リアムとの軽妙なやりとりの中で、自分の立ち位置を受け入れつつも奮起を誓い、全軍に向けて地上降下の開始を宣言した。

第十一話 地上戦

ビリーと剣鬼の出撃準備

エクスナー家の屋敷で戦況を監視していたビリーは、帝国軍の劣勢を認識し、剣鬼に出撃を命じた。剣鬼は恐怖を押し殺しつつも、自らの剣の道を貫くため出撃を決意した。帝国軍は精鋭とされた部隊を送り出していたが、旗艦の撃破や司令官の行方不明など、バンフィールド家の猛攻により混乱していた。

ゾーヘイ中隊の苦戦とシエルの登場

帝国軍が投入した次世代機ゾーヘイ中隊は、旧式のモーヘイブに苦戦していた。外見は粗末な作業機であるモーヘイブだが、熟練者が搭乗しており、予想外の戦力を発揮していた。戦況が悪化する中、幼年学校を出たばかりのシエル・セラ・エクスナーが登場し、戦場に介入した。彼女の機動騎士は圧倒的な性能を持ち、敵機を撃破して味方の士気を回復させた。

リリーからの情報とシエルの葛藤

シエルは、クルトとセシリアが引き取った養子リリーから敵の情報を受け取り、バンフィールド家への共有を決定した。実家の状況に戸惑いを感じながらも、任務を優先しようとする姿勢を示した。リリーはクローン体でありながら無茶をしていたことに対し、リーリエは複雑な感情を抱いた。

ヴィヴィアン隊による防衛設備制圧

親衛隊長ヴィヴィアン率いるヴァローナ部隊は、大気圏突入直後にエクスナー家の防衛設備制圧に着手した。攪乱幕の使用やミサイル迎撃により被害を抑え、ゾーヘイ部隊との交戦で優位に立った。ヴィヴィアンは普段の姿からは想像できない戦闘力を発揮し、部下たちの苦言にも耐えつつ任務を遂行した。

特務陸戦隊の降下と制圧作戦

バンフィールド家の特務陸戦隊がエクスナー家の屋敷を目指して降下し、高速移動で敵陣に突入した。建物を利用した戦術やスナイパーによる精密射撃により敵を無力化し、捕虜の装備から情報を抽出した。捕虜の扱いを巡る軽口が交わされながらも、作戦は着実に進行していた。

グラーフ・ネヴァンの戦艦撃破

ロイヤルガードのエセルが搭乗する試作機グラーフ・ネヴァンは、単機で敵戦艦に接近し、高出力のレーザーブレードによって撃破した。その後も次々に敵機を撃墜し、仲間のロイヤルガード機と連携して空中戦を制した。エセルはバンフィールド家の番犬としての誇りを持ち、苛烈な戦いを楽しんでいた。

地上指令拠点の制圧とクナイの潜入工作

帝国軍が設営した簡易拠点では、各所からの増援要請が絶えなかった。指令官の大佐は本隊からの支援を得られず、混乱の最中にあった。そこへクナイ率いる仮面の女性たちが潜入し、ガスを用いて司令室の制圧に成功した。大佐を直接始末したクナイは、敵の指揮系統を断絶させ、次なる任務へと移行した。基地は直後に爆発し、完全に破壊された。

第十二話 リペア

戦況への焦燥と出撃命令

戦況の好転にもかかわらず、アデルバートは作戦の進行に遅れを感じていた。特にセシリア皇女の脱出を警戒しており、リアムの出撃を巡って判断を求められる。アデルバートは主君を前線に出すことに抵抗するが、リアムは命令として出撃を決定。目的地は敵の戦力が最も集中するエクスナー家の屋敷に定められた。

アヴィドの再起動と仲間たちの支援

格納庫では、修復されたアヴィドが出撃準備を整えていた。大破した各部を代替パーツで修理しており、性能は著しく低下していた。それでもリアムは最後になるかもしれないアヴィドでの出撃を選ぶ。妹弟子の楽鳳と風華は機体を失っていたが、生身で地上部隊を支援することを申し出た。

アヴィドの奮戦と機動騎士戦

アヴィドは戦場に射出され、敵の機動騎士部隊と交戦を開始した。性能低下の中でも太刀とビームキャノンを駆使し、次々とゾーヘイを撃破する。左腕に負荷が集中し、内部損傷の警告が出るが、リアムは丁寧な操縦で破損を避けながら戦い続けた。その戦い方はまさに剣術であり、ゾーヘイとの性能差を顕著に見せつけた。

空中戦と地上支援の連携

戦況が空中戦へと移行すると、アヴィドはビームキャノンの出力を調整して敵機を正確に撃墜。地上では特務陸戦隊が地形を活かした罠で援護し、さらにロイヤルガードのエセルが加勢して空中戦の主導権を握った。リアムは太刀を用いた機体回転による攻撃で敵機を一掃していくが、右脚に損傷が発生し限界が近づいていた。

戦果とアデルバートの驚愕

シュバルツフォーゲルから戦場を見守るアデルバートは、アヴィドの圧倒的な戦果に震撼していた。修理不完全な状態でも地上の機動騎士の大半を撃破し、戦況を大きく傾けたリアムとアヴィドの実力に圧倒される。自身の価値観にも変化が訪れ、かつて格下と見ていたクラウスに対して敬意を抱くようになっていた。

セシリア救出の失敗とヴァナディースの決意

特務陸戦隊はエクスナー家の屋敷に突入し、男爵一家の確保に成功するが、セシリア皇女はすでに別邸から連れ去られていた。爆破トラップも仕掛けられており、周到な逃走であったことが判明する。リーリエは残された情報から脱出経路を特定し、自らセシリア救出に向かう決意を固める。

シェルとの別れとリーリエの出発

リーリエはヴァナディースを一人で操縦して出撃するため、シェルを降ろそうとする。シェルは抵抗するが、最終的にリーリエに「お姉様」と呼びかけ、感謝と敬意を伝える。リーリエは涙を流しながら操縦席に戻り、セシリア救出のために単独で出撃する。地上に降りたシェルは空に祈りを捧げ、姉の無事を願った。

第十三話 真実と現実

セシリアの拉致とビリーの思惑

地上を移動する浮遊装甲車の中で、代官ビリーはセシリアを拘束しつつ首都星への逃走を試みていた。戦局の敗北を受けての計画的撤退であり、セシリアを利用して皇太子クレオに都合の良い「英雄譚」を構築しようとしていた。クレオが姉さえも利用する冷酷な人物であることを示唆され、セシリアは深い絶望に陥った。

ヴァナディースによる救出阻止と剣鬼の登場

ビリー一行の進路を塞いだのは、女性型機動騎士ヴァナディースであった。操縦していたリーリエはセシリアの救出を要求するが、上空から突如として鎧武者型の機動騎士「胴丸」が襲来した。搭乗者は剣鬼であり、リーリエは激戦を強いられた。初見で斬撃を回避し、両腕を奪う実力を見せつけた剣鬼に対し、リーリエは怒りと悔しさを抱くが圧倒されていく。

リーリエの決意とガルシア隊の蹂躙

両腕を失ったヴァナディースの前に、剣鬼の部下である機動騎士部隊ガルシアが到着する。量産機とはいえ性能は高く、リーリエは数の暴力によって追い詰められた。剥がされていく装甲、壊されていくバインダー。ヴァナディースはまるで陵辱されるかのように痛めつけられ、リーリエはなおも時間を稼ごうと抵抗し続けた。

リアムの到着と形勢の逆転

ヴァナディースが押さえ込まれ、コックピットにまで手が迫ったその瞬間、リアムの乗るアヴィドが到着した。高出力のビームキャノンによってガルシア機の一体を瞬時に蒸発させ、ヴァナディースを守るように登場したリアムは、改めて自らがバンフィールド家公爵であることを名乗り、これより自分が相手をすると宣言した。リーリエはその声に胸を震わせ、彼の登場に救われた思いを抱いた。

本邸制圧後の混乱とクルトの願い

同時刻、リアムはエクスナー家の本邸で特務陸戦隊と暗部の対立を仲裁し、クルトと再会していた。クルトはセシリア捜索への参加を願い出るも、リアムはそれを制止した。そこへシェルが現れ、「もう一人のお兄様」の救出を訴える。クルトが目の前にいる状況でのこの発言に、リアムは動揺を隠せず、彼女の真意に困惑するのだった。

第十四話 アヴィドとヴァナディース

ヴァナディースの損傷とツインパイロットシステムの発覚

シェルの依頼で追跡した結果、セシリア皇女を護送する一団と接触し、ヴァナディースの残骸を発見した。ヴァナディースはもともとシェルが購入し、クルトに譲った機動騎士であり、破壊されたことで怒りを露わにした。現地でメイスンから事情を聞き、ヴァナディースに搭載された新システムが、パイロットの思考を補助するツインパイロットシステムであることが判明した。このシステムにより、無人でも高度な戦闘を可能にしていた。

リアムの出撃と剣鬼との対決の布石

リアムはアヴィドを操縦して敵機と交戦し、旧知のエクスナー家の救出と共に第六工場の関係者も救出した。戦場では単独で突入するリアムに、ビリーとセシリアの会話が交錯し、剣鬼が再戦の機会を得たことに期待をかけていた。剣鬼は過去の敗北から一閃への恐怖を抱きつつも、ビリーの策略により、一閃を使用されないと信じて自信を取り戻した。

アヴィドの損傷と剣鬼の優勢

戦闘ではアヴィドが右腕と右脚に損傷を負い、剣鬼はその弱点を見抜いて優位に立った。アヴィドが攻撃を耐えながらも防戦一方となる中、剣鬼は仲間に逃亡を禁じ、徹底抗戦を命じた。剣鬼はリアムとアヴィドの戦闘データを観察し、その構造的欠陥と応急修理の痕跡から、今こそが勝機であると判断した。

アヴィドとリーリエの再起動

ヴァナディースのコックピット内で、システムに組み込まれたリーリエが、リアムを助けたいと願うも無力であった。そのとき謎の犬の姿が現れ、リーリエの存在に干渉する。アヴィドはこの感情と繋がることで、片脚のままヴァナディースへ接近し、大剣と共に融合を図った。

アヴィドの再覚醒と反撃の始まり

アヴィドは白く染まり、失われた手足と共に大盾を復元し、礼装のような姿へと変貌した。リアムはその姿に違和感を覚えつつも、アヴィドと共に再び戦う決意を固めた。アヴィドは狙撃兵を無力化し、圧倒的なパワーで剣鬼の胴丸と互角以上の戦闘を展開した。大盾の力で機動性も向上し、操縦支援を受けながら剣鬼を追い詰めていった。

決着と勝利の確信

リアムは一閃を使用せず、あくまでアヴィドとの連携と技術で勝利する道を選んだ。最終的に斬撃の応酬の末、敵機を両断し撃破したが、パイロットの生存と逃亡を察知した。敵艦が離脱を開始する中、アヴィドとリーリエの声がリアムを導き、再び跳躍に向けて動き出した。アヴィドはリアムと共に戦い続ける意志を示し、新たな進化を遂げたのである。

第十五話 因縁は受け継がれて

剣鬼の逃走と執念

剣鬼はコックピットから脱出し、破れた足袋で素足のまま戦場を疾走していた。敗北を受け入れられず、アヴィドの変化による異常を理由に勝敗を否定し、自らの敗北を無効と強弁していた。彼は身を隠しつつ生き延びることを最優先に考え、瓦礫の中で兵士の服と身分証を奪って逃亡を図った。

凜鳳との遭遇と圧倒的な敗北

剣鬼は戦場で感じた異様な気配に導かれ、同じ剣士の気を持つ凜鳳と出会う。凜鳳は剣鬼に対して興味を示しつつも冷淡で、戦闘に発展した。剣鬼は勝利を確信したものの、凜鳳に腕を切り落とされ、戦意を失う。両腕を失った剣鬼は、死を前にしながらも、凜鳳に対して自らと同じ臭いを感じ取った。

剣鬼と安士の因縁

剣鬼はかつて安士と同じ道場に通っていた過去を語り始め、才能がないと見下していた安士が凜鳳やリアムのような強者を育てたことに皮肉を感じていた。彼は自らを外道と認めつつ、安士の弟子たちもいずれ自分と同じ道を歩むと予言した。凜鳳はその言葉を拒絶したが、剣鬼はその運命を悟りつつ首を斬られて生涯を終えた。

ビリーとセシリアの脱出

一方、ビリーとセシリアは高速艦で惑星から脱出しようとしていた。ブースターを用いた周到な準備により離脱には成功したが、ビリーは戦局に対する自信が薄く、護衛として百隻の艦隊と合流しようとしていた。セシリアは戦力の不十分さを指摘しつつ、自らの無力さに涙を流した。

リアムの追撃と短距離ワープの成功

そこへリアムの乗るアヴィドが短距離ワープで高速艦に追いつき、強制的に船体に取り付いた。アヴィドは高速艦の行動を制限するために穴を開け、リアムはセシリアを人質に取る形で降伏を要求した。セシリアは通信を通じて状況を知らせるも、敵艦隊が包囲を開始し、一触即発の状況が生まれた。

駆け引きと一閃の決断

包囲する派遣軍の准将と交渉する中、リアムは退かず、一機での突破を選択する。アヴィドと意志を通わせたリアムは、敵艦隊を囲む球状の陣形を狙い、一閃の技を放った。その結果、敵の艦艇と機動騎士は一斉に爆発し、勝負が決した。

アデルバートの到着とアヴィドの限界

直後、アデルバートが特務陸戦隊を連れて到着し、リアムの支援に入る。だが、アヴィドは極限まで無理をしたため崩壊を始め、最終的にはボロボロの姿に戻った。リアムはその姿に感謝し、今後の修復をニアスに託す決意をする。

ヴァナディースの存在と疑念

最後に、アヴィドが保護していたヴァナディースの存在にリアムは気付き、彼女とアヴィドの関係に疑念を抱いた。変化した姿がヴァナディースとの合体によるものだったのかという謎を残しながら物語は進んでいった。

第十六話 ジェミナイの花

降伏とビリーの最期

バンフィールド家による機動騎士部隊の突入により、高速艦は制圧寸前となった。艦長はビリーに降伏を促すが、ビリーは自ら一人で抵抗する意志を見せた上で、他の乗員とセシリアには降伏を命じた。セシリアに拒絶の言葉を投げかけられたビリーは、それを受け入れ、銃で自決した。

戦後処理とアデルバートの報酬交渉

戦闘が終結し、勝利を報告するアデルバートに対して、リアムは功績を評価し報酬と昇進を約束した。アデルバートは筆頭騎士の地位を求めたが、クラウスの実力を認めて自らの未熟を悟っていたため、番号付きの騎士制度において次点の地位を希望するに留めた。これを受けて、リアムは番号制度の導入を本格化することを決意した。

ロイヤルガードの奮起とシエルの祈り

シュバルツフォーゲルの格納庫では、リアムの出撃を止められなかったことに対し、エセルが部下のロイヤルガードを叱責していた。部下たちはそれを真摯に受け止め、更なる過酷な訓練を希望した。シエルはその様子に呆れつつも、ヴァナディースの頭部に触れて、かつてのリーリエを偲び感謝の祈りを捧げた。

クルトとの再会とヴァナディースの反応

格納庫を訪れたクルトは、ヴァナディースの動力に自らのコピーが関与していたことを告げ、シエルに感謝を伝えた。その際、ヴァナディースが一瞬反応し、二人を驚かせた。クルトは仕事に戻る前にセシリアへの愛を告白し、シエルは兄の幸福を確信して安堵した。

リーリエとの再会と花畑での約束

リアムは、違法植物ジェミナイが栽培された花畑で、白いワンピースを纏ったリーリエと再会した。彼女は無関係を装っていたが、言動の不自然さから疑念を招いた。だが、リアムは彼女の素直な反応を信じ、花畑を気に入った彼女のために保存を約束した。リーリエは感謝の言葉とともにリアムに抱きつき、その正体を明かさぬまま姿を消した。

再会と正体の発覚

実家に向かう途中のシエルは、リーリエの姿を見かけて衝撃を受けた。彼女が兄クルトそっくりであったため混乱し、問い詰めた結果、リーリエはヴァナディースのシステムによって記憶を得た存在であると明かした。かつての兄が「お姉様」になったことを受け入れられないシエルは絶叫し、物語は騒がしく幕を閉じた。

第十七話 クルトとセシリア

皇太子クレオと宰相の対立

帝国首都星では、皇太子クレオと宰相が、セシリアの挙式参加を巡って激しく対立していた。クレオは自身の不参加に納得できずにいたが、宰相は代官ビリーの違法行為やジェミナイの無断栽培に関して、責任の所在をクレオにあると断じた。また、宰相はセシリアの怒りと決別の意思も伝え、クレオの立場を更に追い詰めた。ジェミナイ栽培についても宰相は後手に回る形で許可を出し、結果的にクレオの失策が際立つ形となった。

エクスナー家での結婚式と各陣営の反応

セシリアとクルトの結婚式は盛大に行われ、エクスナー家には多くの貴族や商人が集まり繁栄の兆しを見せた。ジェミナイの正規栽培許可が下りたことも相まって、商業的な期待が高まる中、セシリアは現状維持を明言しバンフィールド家との関係継続を宣言した。これにより、クルトの立場は盤石となる一方で、元皇族ウォーレスは自身の役割の喪失感から泥酔し泣き崩れた。エイラもジェミナイの取り扱いに関する私的な思惑が外れたことに不満を爆発させ、リアムに絡んで鬱憤を晴らそうとするも、逆に案内人との出会いを延々と語られて困惑する結果となった。

案内人への“感謝”と襲撃

首都星の下層で過ごしていた案内人は、今回の一件に関与できなかったことを悔やんでいたが、突如として犬の姿をした存在により脚を斬られるという奇襲を受けた。その剣にはリアムを助けた者たちの感謝の念が込められており、案内人はまたしても地下に逃げ込む羽目となった。

セシリアの本性とクルトの苦悩

結婚初夜、クルトはセシリアに性転換薬の隠し所を見破られ、強引に服用させられてしまう。セシリアはクルトの秘密を見抜いた上で、自らの歪んだ嗜好を満足させようとしていた。彼女はクルトの二面性――夫としての男性と、リアムに恋する乙女としての女性――を理想の存在と捉え、離縁の可能性すら許さないと釘を刺す。政治的な意味でもセシリアの意志は重く、クルトは逃れられない状況に置かれたまま、恐怖と諦念を抱えていた。

リアムの帰還と“妖精”騒動

リアムは結婚式を終えてアルゴスへ帰還し、戦いの余韻と休息を味わっていた。だが、リーリエとの出会いを“妖精との邂逅”と認識して天城に話したことで、精神的な限界を疑われ、ロゼッタを含めた周囲が大騒ぎとなる。政庁も医療体制を整えて対応を始める中、リアムはようやく“妖精など存在しない”という事実を天城から知らされ、己の疲労の深さを自覚するに至った。

特別編 量産型メイドロボは見た!剣鬼の正体一

メイドロボ剣山の訪問と報酬の届け

バンフィールド家のメイドロボ・剣山は、エクスナー家での戦いに貢献した楽鳳と風華への褒賞を携え、ハイドラにある安士の自宅を訪ねた。持参したのは名刀二振りと金銭報酬の目録であり、丁重な形式で届けられた。案内された先は和室の安士の部屋で、そこでは楽鳳と風華が安士に剣鬼の正体を問い詰めていた。

剣鬼の正体と安士の過去

剣山が提示したホログラムを見て、安士は剣鬼がかつての道場仲間・山田であることに気付いた。彼はかつて同じ道場に通っており、孤高を気取る山田に絡まれていた過去を語った。一閃流の剣士でありながら他流派で修行をしていた安士は、身分を隠していたため山田との実力差を見せられなかったことを弟子たちに説明した。

安士と山田の因縁

安士は山田に幾度も絡まれたが、本来であれば道場主の娘と結婚し跡を継げる立場にいた山田が剣鬼となり命を落としたことを「勿体ない」と語った。安士にとって、山田の転落はかつての剣士仲間の悲劇として映ったようである。

剣山の鍛錬と誤解される情熱

報酬の任務を終えた剣山は中庭に戻り、木刀代わりの箒で剣術の素振りを始めた。名前に「剣」が含まれていることから剣術に興味を持ち、日々鍛錬を重ねていた彼女の技は、もはや精密で力強いものとなっていた。しかし、通りかかった姉妹機・塩見にはそれが掃除の延長と誤解されており、剣山は黙して否定せず、黙々と箒を振り続けるのであった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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