【結論】
評価:★★★★★(5/5) シリーズ内での立ち位置:異世界×ミリタリーファンタジーの先駆者であり金字塔となった『ゲート』の本編(全10巻・文庫版等含む)からスピンオフ、シーズン2(外伝含む)までの各巻あらすじや見どころを俯瞰できる「全巻解説ロードマップ(インデックス)」です。
最大の見どころ:中世ヨーロッパ風の異世界に近代兵器を装備した「自衛隊」が突入し、ドラゴンや帝国軍といったファンタジーの脅威を圧倒的な火力とタクティクス(戦術)で蹂躙していく「圧倒的カタルシス」と、国家間のリアルな政治・外交駆け引き。
注意点:自衛隊の超法規的活動や政治劇など、リアリティを持たせるための重厚な描写が多いため、一般的なライトノベルに比べると文章がやや硬派です。また、時にグロテスクな戦闘描写や、過激な超常バトルの表現も含まれます。
【読むべき人】
・現実の軍事兵器、自衛隊の戦術・装備が大好きで、「もし現代兵器が魔法やファンタジーの世界に挑んだらどうなるか」というif展開に極限までワクワクできる人 ・単なる無双バトルだけでなく、異世界「特別地域」の利権をめぐる日米中露などの「リアルな現代政治・国際外交の腹の探り合い」をじっくり楽しみたい人 ・オタク自衛官・伊丹と、異世界のヒロインたち(エルフ、魔導士、亜神など)が織りなす、お調子者ながらも筋の通った交流ドラマが好きな人
【合わない人】
・最初から剣と魔法、チートスキルだけを頼りにダンジョンを攻略していくような、王道でカジュアルな「異世界ゲーム系ファンタジー」を求めている人 ・自衛隊の活動描写や政治的な解説パートが多く、ミリタリー的な専門用語や硬めの文章を読むのが手間に感じてしまう人
【この記事の価値】
この記事を読むことで、『ゲート』各巻のストーリーの流れ、自衛隊と帝国との戦いの歴史がスッキリと理解できます。これから重厚な架空戦記に挑む初心者の読書ガイドとしてはもちろん、伊丹たちの激闘の足跡をピンポイントで振り返りたいファンにも最適なロードマップです。
概要
本対象範囲において、主人公である伊丹耀司は、東京・銀座で自身の趣味であるオタク活動(同人誌即売会への参加)を最優先する、目立たない「員数外」の三等陸尉として物語を開始する。
突如として銀座に出現した「門(ゲート)」と、そこから侵入した異世界の軍勢・怪異による無差別殺戮事件「銀座事件」に遭遇した彼は、居合わせた民間人を皇居へと避難誘導する功績を挙げ、二等陸尉へと昇進する。
この事件をきっかけに、日本政府は門の向こう側に広がる未知の異世界「特地」への自衛隊派遣を決定。
伊丹は現地民情の調査を担う「深部情報偵察隊・第三偵察隊」の隊長に任命され、その活動範囲を特地全域へと広げる。
特地において伊丹は、エルフのテュカ、魔導師レレイ、亜神ロゥリィ、ダークエルフのヤオといった現地の住民たちと接触し、難民保護や交流を通じて個人的な信頼関係を築いていく。
巻ごとの主要展開
『0-zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり(前編・後編)』
- 開始時点:非番で同人誌即売会へ向かうため銀座を訪れていた、陸上自衛隊・三等陸尉の伊丹耀司。
- 主要事件:銀座に突如出現した「門」から異世界の怪異や武装勢力が侵入し、民間人を無差別に殺戮する「銀座事件」が勃発。伊丹は現場で女性警察官・沖田聡子らを指揮して皇居へ民間人を避難誘導し、二重橋での防衛戦を主導して多くの命を救う。その後、内閣危機管理室の要請(メイガス経由)により非公式に敵陣へ潜入し、門の正面映像を撮影する。
- 転換点:伊丹の避難誘導の功績による二等陸尉への昇進と、彼が撮影した門の正面映像により、日本政府が門の向こう側が未知の「異世界」であることを確信する。
- 巻末時点:事件発生7日目に政府は強引な「収束宣言」を出す。しかし都内には怪異の残党が潜み、自衛隊の「特地」への派遣が決定される。


『1 接触編(上・下)』
- 開始時点:二等陸尉に昇進した伊丹は、特地派遣部隊の深部情報偵察隊・第三偵察隊の隊長に任命される。
- 主要事件:自衛隊は「門」を越えアルヌスの丘に強固な拠点を構築し、襲撃してきた連合諸王国軍を撃退。伊丹らは現地調査中に、炎龍に滅ぼされた集落の井戸からエルフのテュカを救出する。さらに、コダ村で魔導師レレイ、亜神ロゥリィと接触し友好関係を築く。
- 転換点:炎龍の襲撃からコダ村の避難民を護衛してアルヌスへと連れ帰る(通信不通を装った伊丹の独断による行動)。
- 巻末時点:難民を受け入れたアルヌスの丘の麓に「難民キャンプ(後のアルヌスの街)」の基礎が築かれる。さらに、日本の国会に参考人として伊丹やレレイ、テュカ、ロゥリィが招致され、日本国内に特地の実情が公開される。


『2 炎龍編(上・下)』
- 開始時点:アルヌスが発展する中、テュカは父親を失った精神的ショックから伊丹を「父親」と思い込むことで現実逃避していた。
- 主要事件:ダークエルフのヤオが一族を救うため自衛隊に炎龍討伐を依頼するが、政治的理由から断られる。ヤオはテュカの狂気を利用して伊丹に討伐を迫る。伊丹は当初、部下の命を最優先して拒絶するが、テュカを救うために「命令違反」を覚悟の上で、ヤオ、レレイ、ロゥリィら少人数で炎龍の巣へ向かう。
- 転換点:伊丹が職務や立場をなげうってでも、テュカを救うために独断で炎龍討伐を決意し出撃したこと。
- 巻末時点:伊丹らは、自衛隊から融通してもらったLAMや粘土爆薬、レレイの魔法、テュカの精神的再覚醒と精霊魔法により炎龍を討伐。戦闘後に出現したハーディの使徒ジゼルと新生龍も空自ファントムらの介入により撃破する。伊丹は命令違反により第三偵察隊長を免職・停職処分を受けるが、特地住民からは「炎龍討伐の英雄」と称えられ、新たな任務「資源状況調査担当」に就く。


『3 動乱編(上・下)』
- 開始時点:偵察隊長を解任された伊丹は、レレイの「導師号」審査と資源調査を兼ねて、テュカ、ロゥリィ、ヤオと共に学都ロンデルへ向かう。
- 主要事件:ロンデルでは、炎龍討伐の英雄として名高くなったレレイを狙う刺客(笛吹男など)の妨害に直面し、伊丹らは彼女を護衛する。一方、帝都では皇帝モルトが病に倒れ、皇太子ゾルザルがクーデターを起こして実権を掌握。講和派貴族の大粛清(オプリーチニナ)を開始し、ピニャを幽閉。日本政府は講和派要人救出のため、帝都に自衛隊空挺団を派遣する。
- 転換点:ゾルザルの暴政開始と、それに対する自衛隊の帝都への直接介入(空挺降下による要所制圧)。
- 巻末時点:自衛隊は講和派要人を救出。伊丹らも帝都の皇宮に乗り込み、日本人拉致被害者の松居冬樹やピニャ、モルト皇帝を救出し、イタリカへと脱出する。帝国は「ゾルザル派」と「ピニャ正統政府」に分裂し、全面的な内乱へ突入。


『4 総撃編(上・下)』
- 開始時点:ピニャはイタリカに「正統政府」を樹立し、自ら皇太女に就任。自衛隊と正式に講和条約を締結。
- 主要事件:自衛隊は特地派遣部隊を総動員し、正統政府軍を支援しながらゾルザル軍を圧倒的な火力で殲滅する作戦を進める。一方、伊丹は「門」の存在が世界に引き起こしている時空の歪み「アポクリフ(虚無の霧)」の調査を命じられ、その脅威を目撃する。地球側では、列強諸国が特地権益の独占を狙い、日本に対して「門の国連管理」を強硬に要求し、暗躍を活発化させる。
- 転換点:門の存続が世界の崩壊(アポクリフの拡大)をもたらす事実が判明し、「門の閉鎖」が最終合意に向けて本格化すること。
- 巻末時点:冥王ハーディから「門を開閉する能力」を授けられたレレイが、諸外国の工作員や帝国の内乱勢力によって狙われる存在となる。


『5 冥門編(上・下)』
- 開始時点:日本政府はアポクリフの脅威を避けるため「門の一時閉鎖」を最終決定。これに不満を持つ中国工作員らが銀座駐屯地ドームを占拠。
- 主要事件:特地では、ゾルザル軍の残党がイタリカを急襲。レレイは第二皇子ディアボによって攫われ中国工作員らに引き渡されそうになるが、メイアの告発や伊丹(隔離病棟から脱走)、自衛隊によって救出される。しかし、中国工作員らが銀座ドームで大型トラックを門に突進させ、物理的に門を破壊する。
- 転換点:門の破壊・消失に伴い世界の歪みエネルギーが解放され世界規模の特殊地震が発生したこと。
- 巻末時点:異なる世界線が複数絡み合い、アルヌスに巨大魔方陣が出現して蟲獣が氾濫。レレイは日本の存在する世界線への通路を再び開く。伊丹は、魔方陣を破壊するために爆薬を仕掛ける危険な任務を完遂。家族を持つ自衛官らが日本へ脱出する一方、伊丹や狭間陸将ら数千人の単身隊員は特地側に残留する。4年後、レレイの能力により門が再開通し、伊丹は日本への帰還を果たす。一等陸尉への昇進と激務を言い渡され、物語は完結する。


シリーズ全体の時系列
銀座事件の勃発と伊丹の頭角
- 該当巻:『ゲート0』(上下)
- プロットの流れ:東京・銀座に突如出現した門から侵入した異世界の軍勢と怪異により、民間人が無差別に殺戮される「銀座事件」が勃発。
非番のオタク自衛官・伊丹耀司は、周囲の警察官や民間人を率いて皇居へと避難誘導し、多くの命を救う。この功績により伊丹は二等陸尉へと昇進。
さらに内閣危機管理室の指示により、非公式に銀座の敵陣地に潜入した伊丹は、女性警察官の沖田聡子やテレビアナウンサーの物部さおりらと共に敵情を偵察し、門の正面映像を撮影して政府に提供する。
これにより政府は門の向こう側が未知の「異世界」であることを確信し、自衛隊の特地派遣(進出)を決定する。


特地進出と現地住民との接触
- 該当巻:『ゲート1 接触編(上下)』
- プロットの流れ:自衛隊は「門」を越え、特地のアルヌスの丘を拠点として強固な防塞を築き、押し寄せる連合諸王国軍を圧倒的な火力で撃退する。
第三偵察隊の隊長となった伊丹らは、特地内部の調査に赴き、炎龍に滅ぼされた集落の井戸の底からエルフの娘テュカを救出。さらに、コダ村で魔導師レレイ、亜神ロゥリィと接触し友好関係を築く。
伊丹は通信不通を装った独断により、炎龍の脅威から逃れるコダ村の避難民をアルヌス(自衛隊駐屯地)へ連れ帰り、のちの「アルヌスの街」の基礎を作る。
これにより自衛隊は現地住民との直接的な交流を開始し、日本国内の国会に彼らを参考人招致することで特地の実情を広く公開する。


テュカの精神的危機と炎龍討伐
- 該当巻:『ゲート2 炎龍編(上下)』
- プロットの流れ:アルヌスの街が繁栄する中、テュカは父親を失った現実を受け入れられず、伊丹を「父親」と思い込むことで精神的危機に陥っていた。
ダークエルフのヤオは一族を救うため自衛隊に炎龍討伐を依頼するが、政治的理由から断られる。ヤオはテュカの狂気を利用して伊丹に討伐を迫る。
伊丹は部下の安全とテュカの救済の間で葛藤した末、自衛官としての立場をなげうってでもテュカを救うために「命令違反」を覚悟し、ヤオ、レレイ、ロゥリィら少人数で炎龍の巣がある火山へ向かう。
激戦の末、テュカの覚醒と精霊魔法、自衛隊の近代兵器(LAMや粘土爆薬)により炎龍の討伐に成功。
伊丹は命令違反により隊長職を免職となるが、現地住民からは「炎龍討伐の英雄」と称えられる。


レレイの護衛と帝都のクーデター
- 該当巻:『ゲート3 動乱編(上下)』
- プロットの流れ:第三偵察隊長を解任され「資源状況調査担当」となった伊丹は、レレイの「導師号」審査と資源調査のため学都ロンデルへ向かう。
ロンデルでは、炎龍討伐の英雄として名高くなったレレイを狙う刺客(笛吹男など)の妨害に直面し、伊丹らは彼女の護衛に奔走する。一方、帝都では皇帝モルトが病に倒れ、皇太子ゾルザルが権力を掌握する。
ゾルザルは講和派の貴族や元老院議員に対する大規模な粛清(オプリーチニナ)を開始し、ピニャを幽閉。日本政府は講和派の要人を救出するため、帝都に自衛隊空挺団を派遣する特殊軍事作戦を決行する。
伊丹らも帝都の皇宮に乗り込み、日本人拉致被害者の松居冬樹やピニャ、病床のモルト皇帝を救出し、イタリカへと脱出する。
これにより、帝国は「ゾルザル派」と「ピニャ正統政府」に分裂し、全面的な内乱へ突入する。


内戦の激化と世界の歪み(アポクリフ)の発見
- 該当巻:『ゲート4 総撃編(上下)』〜『ゲート5 冥門編(上)』
- プロットの流れ:イタリカに樹立されたピニャの正統政府は、自衛隊と正式に講和条約を締結。自衛隊は特地派遣部隊を総動員し、正統政府軍を支援しながらゾルザル軍を圧倒的な火力で殲滅する作戦を進める。
一方、伊丹は「門」の存在が世界に引き起こしている時空の歪み(すべての生命を死滅させる虚無の霧「アポクリフ」)の調査を命じられ、その絶大な脅威を目撃する。
地球側では、アメリカ、中国、ロシアなどの列強諸国が特地権益の独占を狙う日本に対し、門の国連管理を要求し暗躍を活発化。
門の存続による時空の歪みと政治的圧力から、日本政府は「門の一時閉鎖」を最終決定し、自衛隊派遣部隊に総員退去命令(脱兎)を下す。



門の崩壊、怪異の氾濫と再接続(結末)
- 該当巻:『ゲート5 冥門編(下)』
- プロットの流れ:門の閉鎖に反発する中国工作員らが銀座駐屯地ドームを占拠。特地では第二皇子ディアボによって攫われたレレイを伊丹や自衛隊が救出。
しかし、中国工作員らの暴挙によって銀座側の「門」が物理的に破壊され消失する。
門の消失に伴い世界の歪みエネルギーが解放され世界規模の特殊地震が発生、さらに異なる世界線が複数絡み合いアルヌスに巨大魔方陣(黒い太陽)が出現して蟲獣が氾濫する。
レレイは日本の存在する世界線への通路を再び開き、伊丹らは魔方陣を破壊するために爆薬を仕掛ける危険な任務を完遂(ロゥリィがその傷を肩代わりする)。
レレイの限界が近づく中、家族を持つ自衛官らが日本へ脱出し、伊丹や狭間陸将ら数千人の単身隊員は特地側に残留(孤立)する。
4年後、レレイの能力により門が再開通し、伊丹は日本への帰還を果たす。
一等陸尉への昇進とさらなる激務を言い渡され、物語は完結する。
伊丹の立場の変化
社会的立場
- 開始時:陸上自衛隊・三等陸尉。非番時に趣味(オタク活動)を最優先し、手柄や昇進を望まない員数外の自衛官。
- 途中の変化:
- 銀座事件での避難誘導の功績:二等陸尉に昇進。
- 特地派遣:深部情報偵察隊・第三偵察隊の隊長に任命される。
- 炎龍討伐における「命令違反」:停職二週間、減俸一ヶ月の懲戒処分を受け、第三偵察隊長を解任。
- 免職後の新たな配属:「資源状況調査担当」に降格。
- 終了時:陸上自衛隊・一等陸尉。特地への残留(孤立)を経て、4年後に門が再開通し日本へ帰還した際、さらなる責任を伴う激務への昇進を言い渡される。
能力に対する認識
- 本人の認識: 自分には何かを「作る」「創造する」といった特別な能力はなく、実力以上に英雄(二重橋の英雄、炎龍討伐の英雄)として扱われることに強い負担(「実力以上に振る舞うことを強いられるのがどれほどにしんどいか」)を感じている。自身の本質は「趣味に生きる凡人」であり、手柄や名誉を望んでいない。
- 周囲の評価:
- 自衛隊上層部(狭間、檜垣ら):普段の言動は軽薄だが、レンジャー訓練を経た卓越したサバイバル能力、高い状況判断力、現地住民と信頼関係を築く優れた外交能力(人徳)を高く評価している。
- 特地住民・勢力(レレイ、テュカ、ロゥリィ、ヤオ、ピニャら):「二重橋の英雄」や「炎龍を討ち果たした英雄」として絶対的な信頼を寄せており、危機的な状況を切り開く指導者、あるいは父親・眷属・伴侶として高く評価している。
- その差が変化した出来事: 炎龍討伐後、ヤオやエルベ藩王国などから感謝され、ジゼル猊下を前にロゥリィが「炎龍を倒した男」と伊丹を眷属・伴侶として宣言した際、自身の実際の役割(爆薬を仕掛けただけで、直接戦ったのはヤオ達やレレイ、テュカであるという事実)と周囲の誇大な英雄視のギャップに戸惑い、欺瞞による偽経歴の流布に「実力以上に振る舞うことのしんどさ」を痛感した。
主要人物との関係の推移
レレイ・ラ・レレーナ
- 初登場・開始時:コダ村での調査中に、コダ村出身の聡明な少女魔導師として出会う。伊丹が通信不通を装い避難民をアルヌスへ連れ帰った際、自衛隊と現地住民の通訳を担う。
- 関係を変えた主な出来事:アルヌスでの生活、日本への国会招致への帯同、炎龍討伐での共闘。
- 途中の変化:伊丹がテュカを救うために独断で炎龍討伐を決意した際、ロゥリィと共に「心中は嫌だが、心中ではないなら同行する」と同行。炎龍戦でレレイは魔力を消耗しつつも伊丹を強力に支援。
- 対象範囲終了時:門が閉鎖され、アルヌスに蟲獣が溢れ出す最終決戦時、レレイは限界を超えて門を維持し、伊丹を日本の存在する世界へと導こうとする。門が閉じた後も、伊丹ら残留者と共に特地で過ごし、4年後に門を再開通させる。伊丹に対しては、彼が冗談を言った際に「乱暴をしてはいけない」と庇われるなど、強い愛着(最終巻のラストで伊丹の胸に顔を埋めて離れようとしない様子)を抱く関係となる。
- 該当巻:第1巻(上下)、第2巻(上下)、第3巻(上下)、第4巻(上下)、第5巻(上下)
テュカ・ル・マロウ
- 初登場・開始時:炎龍に襲撃された集落の井戸の底から、伊丹によって救出される。
- 関係を変えた主な出来事:炎龍に父親を殺されたショックによる精神の崩壊と、炎龍討伐による救済。
- 途中の変化:精神のバランスを崩したテュカは、伊丹を「父親」と思い込むことで現実から逃避。伊丹は当初、父親を演じることで妄想を肯定していたが、ヤオの指摘や彼女を救うために炎龍の巣へ赴き、「俺はお前の父さんじゃない、赤の他人だ」と冷酷な現実を突きつける。これによってテュカは覚醒し、自らの精霊魔法で炎龍にとどめを刺す。
- 対象範囲終了時:炎龍討伐後も、テュカは「言い慣れちゃったから」という理由で伊丹を「お父さん」と呼び続け、アルヌスの街の再建時にも「ね、お父さん、どうしよう」と腕にすがって頼りにする、疑似親子的かつ極めて親密な関係を継続する。
- 該当巻:第1巻(上下)、第2巻(上下)、第3巻(上下)、第4巻(上下)、第5巻(上下)
ロゥリィ・マーキュリー
- 初登場・開始時:コダ村で伊丹らと出会う。暗黒神エムロイの使徒(亜神)であり、巨大なハルバートを操る。
- 関係を変えた主な出来事:日本での避難時に伊丹の腕に絡みつき「虫除け(ハーディ除け)」として彼を利用したこと。炎龍討伐への同行。
- 途中の変化:伊丹が独断で出撃しようとした際、「水臭い」と同行を要求。炎龍討伐に同行するが、戦闘において「伊丹が負うはずだった傷をすべて肩代わりして引き受けていた」ことが判明。ジゼルを前に「耀司は眷属の契りを交わした、伴侶である」と宣言する。
- 対象範囲終了時:最終決戦においても伊丹の傷(怪異・ダーの爪や首を抉られた傷など)をすべてその身に引き受けて彼を守る。伊丹に対して「怪我するな、死ぬな、首がもげたら死ぬから」と強く脅迫(愛情)し、生涯の伴侶(眷属)として絶対的な関係を維持する。
- 該当巻:第1巻(上下)、第2巻(上下)、第3巻(上下)、第4巻(上下)、第5巻(上下)
ピニャ・コ・ラーダ
- 初登場・開始時:イタリカ防衛戦において自衛隊(健軍ら)の圧倒的な武力(鋼鉄の天馬)を目の当たりにし、帝国存続のために講和を模索する皇女として出会う。
- 関係を変えた主な出来事:日本への同行、園遊会での講和派形成。
- 途中の変化:講和派の代表として自衛隊と協力し、元老院の切り崩しに奔走するが、ゾルザルのクーデターにより幽閉される。伊丹らによって皇宮から救出され、イタリカを拠点に正統政府を樹立する。
- 対象範囲終了時:ピニャは皇太女に就任し、自衛隊と正式な講和条約を締結。伊丹に対しては、絶体絶命の窮地から救い出してくれた恩人であり、帝国を存続させるための重要なパイプ役として敬意と高い信頼を維持する。
- 該当巻:第1巻(上下)、第2巻(上下)、第3巻(上下)、第4巻(上下)、第5巻(上下)
主要人物の変化
ピニャ・コ・ラーダ
- 開始時:帝国の第十皇女であり、自身の創設した「薔薇騎士団」を率いる。当初は自衛隊を「緑の衣をまとった泥棒(賊)」と侮り、武力による排除を考えていた。
- 転機:イタリカ防衛戦における自衛隊の圧倒的な近代兵器の火力を目撃し、武力格差に戦慄。さらに東京を視察し、圧倒的な国力差を認識したことで、主戦論から「講和(生存)」へと目的が変化する。
- その後:日本側の外交官・菅原浩治らと協力し、元老院議員を集めた園遊会を共催。日本の近代兵器のデモンストレーションを行い、講和派の貴族・元老院議員を形成。しかし、ゾルザルのクーデターによって幽閉され絶望するが、シェリーの説得や伊丹らの救出作戦を経て再起する。
- 終了時:イタリカに「正統政府」を樹立し、自ら皇太女に就任。自衛隊と講和条約を締結し、帝国の存続のためにゾルザル軍との内乱を戦い抜く決意に満ちた指導者へと変化した。
ゾルザル・エル・カエサル
- 開始時:帝国の第一皇子。傲慢で自己中心的な性格であり、自衛隊(日本)を「野蛮な未開人」と見下し、武力による殲滅を主張する主戦派の筆頭。
- 転機:皇帝モルトが病に倒れたこと。
- その後:皇帝の不豫に乗じて皇太子府の開設を宣言し、帝都の実権を掌握(クーデター)。講和派貴族の弾圧や、元老院議員の親族の抹殺など、恐怖政治(オプリーチニナ)を開始し、自衛隊との戦争継続を図る。自衛隊の降下作戦により帝都を追われつつも、残党(ゾルザル軍)を率いてイタリカへの急襲を行うなど執拗に抗戦する。
- 終了時:イタリカを襲撃したものの自衛隊と正統政府軍の反撃に遭い、最終的に軍は壊滅。帝位の正統性をピニャに奪われ、権力を失った敗残の主戦派指導者となる。
レレイ・ラ・レレーナ
- 開始時:コダ村出身のリンドン派の魔導師の少女。優れた頭脳を持つが、他者に対して無感情で無表情、冷静沈着な通訳・交渉役として自衛隊に協力していた。
- 転機:炎龍討伐、および学都ロンデルでの「導師号」審査。
- その後:伊丹らと炎龍討伐に赴き、魔導師として戦闘に参加。ロンデルでの導師号審査に挑み、「炎龍討伐の英雄」として特地で広く名を知られるようになる。冥王ハーディから直接、門を開閉する能力を授けられたことで、自身の学問的探求から「両世界の存亡と門の処理」という重大な責任を負う立場へと変化する。
- 終了時:門の崩壊に伴う危機において、自身の気力を限界まで消耗しながら日本の存在する世界線への通路を切り開く。伊丹ら残留者と共に4年間の時を経て、再び門の再開通を成功させるなど、単なる学徒から「世界の境界を司る偉大な大魔導師」へと成長し、伊丹に対する感情(愛着)を豊かに表すようになった。
ヤオ・ハ・デュッシ
- 開始時:炎龍の襲撃から一族を救うため、なりふり構わず自衛隊に助けを求め、拒否されても粘り強く懇願していたダークエルフの女性。当初は目的のためならテュカの精神的危機を利用することも厭わない姿勢であった。
- 転機:伊丹らと共に炎龍討伐を成し遂げたこと。
- その後:伊丹の所有資産となることを宣言し、アルヌスの難民キャンプ(街)の警備や、伊丹らの活動(ロンデル行、帝都救出作戦)における忠実な戦力として機能。
- 終了時:冥王ハーディの使徒ジゼルから「信徒の命など炎龍の餌にすぎない」という冷酷な神の意思を聞かされ、自身が抱いていた盲目的な神への信仰を失う。しかし、伊丹やテュカらとの絆を得たことで、「神への妄信」から脱却し、自分たちの力で生き、仲間とアルヌスの街を守るために戦う現実的な戦士へと変化した。
勢力・組織・対立構造の変化
日本政府・特地派遣自衛隊
- 主な人物:森田総理(後に辞任、長倉総理へ)、嘉納外務大臣、夏目防衛大臣、狭間陸将、伊丹二尉(のちに一尉)
- 当初の立場:突如出現した門を確保し、銀座事件の首謀者を逮捕し賠償を得るため、特地に「調査・友好関係の構築」を目的とした部隊を派遣する。
- 主人公との関係:主人公・伊丹は、派遣部隊における最も優秀な現地民とのパイプであり、時に命令違反を犯しながらも政府の講和交渉の突破口を作る存在。
- 途中で起きた変化:講和交渉の進展に伴い、帝国のクーデターによる主戦派ゾルザル軍を打倒するため、ピニャの正統政府を軍事的に強力に支援する「共同参戦国」となる。しかし、地球側の列強諸国が特地権益を狙って「門の国連管理」を迫る政治的圧力を強め、時空の歪み(アポクリフ)の発見も重なり、日本政府は「門の閉鎖」を最終決定。自衛隊に「総員退去命令(脱兎)」を下す。
- 対象範囲終了時の状況:中国工作員らの暴動により銀座ドームで門が物理的に破壊され消失。異なる世界線が絡み合い蟲獣が溢れるアルヌスで、自衛隊(約2万数千人)は日本へ帰還。狭間陸将や伊丹、単身者の隊員ら(約4千〜5千人)は、魔方陣を破壊し特地を守るために残留(孤立)する。4年後、門の再開通により、自衛隊は特地と地球の再接続を果たし、施政権の移行や新たな体制の構築を進める立場となる。
帝国講和派・ピニャ正統政府
- 主な人物:ピニャ皇女(のちに皇太女、次期皇帝)、モルト皇帝(病床)、ハミルトン、ボーゼス、キケロ卿ら講和派議員。
- 当初の立場:自衛隊(日本)の圧倒的な近代兵器の威力を前に、正面衝突すれば帝国は滅亡すると悟り、自国の存続のために日本との平和的講和(降伏・賠償支払い)を模索する勢力。
- 主人公との関係:主人公・伊丹を「二重橋の英雄」や、のちにピニャや皇帝を帝都から救出した「最大の恩人」として厚く信頼し、自衛隊の武力を自派閥の最大の後ろ盾とする。
- 途中で起きた変化:ゾルザルのクーデターによって弾圧され、帝都から要人を救出。イタリカに「正統政府」を樹立し、自衛隊と正式に講和条約を締結することで「帝国の正統な統治者」としての地位を確立する。
- 対象範囲終了時の状況:ゾルザル軍の残党を自衛隊の圧倒的火力で殲滅し、内乱に実質的に勝利。モルト皇帝の退位とピニャの次期皇帝即位が確定。アルヌスの壊滅的な被害を前にしつつも、自衛隊の残留部隊と協力し、帝国の新たな再建と、日本との新しい再開通に向けた体制を整える支配勢力となる。
帝国主戦派・ゾルザル軍(ハリョ一族、中国工作員などと結託)
- 主な人物:ゾルザル皇太子、ディアボ(第二皇子、のちに権力欲から結託)、メトメス、劉(中国工作員、裏で結託)、ハリョ一族。
- 当初の立場:自衛隊を「野蛮な未開人」と見下し、武力による手痛い撃退を受けつつも、なお武力による殲滅を主張する帝国の支配権力。
- 主人公との関係:主人公・伊丹を「皇子(ゾルザル)を殴った憎き敵」「レレイ奪還を阻む敵」として敵視。
- 途中で起きた変化:皇帝の病に乗じてクーデターを起こし、講和派を弾圧するが、自衛隊の圧倒的な反撃(空挺作戦、総攻撃)により帝都を追われ、残党軍としてゲリラ化。権力欲に駆られた第二皇子ディアボや、日本の独占を崩したい中国工作員(劉ら)と結託し、門を再開通させる能力を持つレレイを誘拐して日本政府の外交権を奪おうと画策する。
- 対象範囲終了時の状況:レレイ奪還作戦において自衛隊に敗北。イタリカでの決戦で軍主力は完全に壊滅し、ゾルザルやディアボは支配権力を喪失。主戦派としての勢力は完全に解体された。
長期的に継続した問題・事件
帝国との講和を巡る内乱とゾルザル軍の暴動
- 発生:第1巻(『接触編』<上>でのアルヌス迎撃戦、および『接触編<下>』での講和交渉開始)
- 途中経過:皇帝モルトの不豫に伴うゾルザルのクーデターにより、講和派が徹底的に弾圧され(オプリーチニナ)、帝都での自衛隊空挺団による要人救出作戦が勃発。ピニャはイタリカで正統政府を樹立し、帝国は分裂して内戦へ突入。自衛隊は正統政府の軍事同盟国としてゾルザル軍の掃討作戦を進める。
- 大きな転換:第5巻(『冥門編』(上下)において、ゾルザル軍主力および第二皇子ディアボ、中国工作員の劉らが結託してイタリカを襲撃し、レレイを誘拐。しかし伊丹らによるレレイ奪還と、自衛隊による圧倒的な反撃により、ゾルザル軍は完全に壊滅)
- 現在の状況:ゾルザルの内乱勢力は完全に鎮圧され、モルト皇帝の退位とピニャの次期皇帝としての正統性が確立したことで、内戦問題は実質的に解決をみた。
「門」の存在が引き起こす時空の歪みとアポクリフの脅威
- 発生:第4巻(『総撃編』(上下)における、すべての生命を枯死させる虚無の霧「アポクリフ」の出現と恒星位置のズレの観測)
- 途中経過:門を無理やり石造りの建造物で固定化したことにより、二つの世界の間に空間の張力(歪み)が蓄積していることが明らかになる。日本政府はアポクリフの絶大な危険性と地球側の国際的圧力から、「門の一時閉鎖」を決定する。
- 大きな転換:第5巻(『冥門編』(上下)において、中国工作員の暴挙により銀座側の「門」が物理的に破壊・消失した。この瞬間、蓄積されていた歪みエネルギーが一気に解放され、世界規模の特殊地震が発生する。さらに異なる世界線が複数絡み合い、アルヌスに「黒い太陽」が出現して蟲獣が氾濫するが、レレイが日本の世界線との通路を開き、伊丹らが爆薬で魔方陣を破壊したことで脅威は去る)
- 現在の状況:門の消失により、時空の歪み(アポクリフ)の脅威は一度解決された。4年後、レレイによって再び門が安全な形で再開通されたことで、世界の崩壊を伴わない新たな接続状態へと移行している。
レレイ・ラ・レレーナを巡る各勢力の争奪・暗殺工作
- 発生:第3巻(『動乱編』(上下)における学都ロンデルでのレレイの「導師号」審査)
- 途中経過:炎龍討伐の英雄として名高くなったレレイは、ゾルザル派の刺客(笛吹男など)や、帝都の陰謀に巻き込まれる形で、命を狙われる存在となる。伊丹らはロンデルで彼女の護衛に奔走した。さらにレレイが「門を開閉する能力」を冥王ハーディから直接授かったことで、諸外国(中国など)から最重要人物としてマークされる。
- 大きな転換:第5巻(『冥門編』(上下)において、第二皇子ディアボがレレイを木箱に隠して誘拐し、中国工作員の劉らに引き渡そうとするが、メイアの告発や伊丹、自衛隊の介入により救出・奪還される)
- 現在の状況:門の再開通後、レレイは無事に保護されており、暗殺・争奪問題は解決している。
各巻をつなぐ因果関係
『ゲート0』(上下)
銀座事件勃発と伊丹の非公式の敵陣偵察(門の正面映像の撮影・送信)
↓
それによって生じた状況:日本政府が門の向こう側が完全に異世界(未知の国家と怪異)であることを確信し、国会で特別法が可決。
↓
『ゲート1』(上下)
自衛隊の「特地派遣(進出)」とアルヌスの丘の確保、第三偵察隊の編成 ↓ さらに生じた変化:伊丹の第三偵察隊が、炎龍に滅ぼされた集落でテュカを救出。コダ村でレレイ、ロゥリィと出会い、避難民をアルヌスへ連れ帰る(独断専行)。
↓
『ゲート2』(上)
コダ村避難民を受け入れた「アルヌスの街」の形成、および父親を失った精神的危機から伊丹を「父親」と思い込むテュカの精神的崩壊
↓
さらに生じた変化:ヤオが炎龍討伐を嘆願し、テュカを救うために伊丹が「命令違反」を覚悟で、レレイ、ロゥリィ、ヤオと共に独断で出撃。
↓
『ゲート2』(下)巻末
LAMや粘土爆薬、レレイの魔法とテュカの覚醒による「炎龍の討伐成功」
↓
さらに生じた変化:伊丹は隊長職を免職・降格。しかし特地住民からは「炎龍討伐の英雄」と称えられ、レレイの名声も高まる。
↓
『ゲート3』(上)
レレイの「導師号」審査と資源調査を兼ねた「学都ロンデル」への赴き。英雄となったレレイを狙う刺客の暗躍。
↓
さらに生じた変化:帝都で皇帝モルトが病に倒れ、ゾルザルがクーデターを起こして講和派を大粛清。ピニャが幽閉。日本政府は講和派救出のため自衛隊空挺団を派遣。
↓
『ゲート3』(下)巻末
伊丹らによる日本人拉致被害者(松居冬樹)やピニャ、モルト皇帝の救出、およびイタリカへの脱出成功
↓
さらに生じた変化:ピニャがイタリカで「正統政府」を樹立し、自衛隊と正式に講和条約を締結。帝国は完全にゾルザル派と正統政府軍に分裂し、全面的な内乱へと突入。
↓
『ゲート4』(上下)
自衛隊総動員による「ゾルザル軍殲滅作戦」の開始、および門の影響による時空の歪み(すべての生命を枯死させる「アポクリフ(虚無の霧)」)の発見。
↓
さらに生じた変化:地球の列強が特地権益を狙って「門の国連管理」を強硬に要求。日本政府内で「門の閉鎖」が最終決定される。
↓
『ゲート5』(上)
門の閉鎖に反発する中国工作員らによる銀座駐屯地の占拠、および第二皇子ディアボと結託した「レレイ誘拐事件」の発生
↓
さらに生じた変化:伊丹らのレレイ救出、および中国工作員らの暴挙による「門の物理的破壊(消失)」。
↓
『ゲート5』(下)巻末
世界の歪みエネルギー解放による「世界規模の特殊地震」の発生、異なる世界線が絡み合うことによる「アルヌスへの黒い太陽(魔方陣)の出現と蟲獣の氾濫」
↓
さらに生じた変化:レレイが日本の世界線への通路(門)を開き、伊丹らが仕掛けた爆薬で魔方陣を破壊。家族持ちなどの自衛官が日本へ脱出し、伊丹や狭間らは特地へ残留(孤立)。
↓
4年後の結果:レレイの能力により門が「安全な形での再接続(再開通)」を果たし、伊丹らは日本へと帰還する。
大きな転換点
伊丹の避難誘導(二重橋の防衛)と「門」の正面映像の撮影
- 該当巻:『ゲート0』前編・後編
- それ以前:銀座に突如出現した門から侵入した異世界の軍勢(帝国軍)や怪異により、民間人が無差別に殺戮され、日本政府や警察・自衛隊は事態把握に混乱していた。
- 出来事:非番のオタク自衛官・伊丹耀司が、現場で民間人を率いて皇居二重橋へと避難誘導を成功させ多くの命を救う。その後、非公式に銀座の敵陣地に潜入し、スマホで門の正面映像の撮影に成功、政府に送信する。
- 変化:伊丹は二等陸尉へ昇進。政府は「門の向こう側は完全に異世界である」と確信。
- その後への影響:特別法が可決され、自衛隊の「特地派遣(進出)」が決定される。
コダ村の避難民のアルヌス(自衛隊駐屯地)への受け入れ(伊丹の独断)
- 該当巻:『ゲート1 接触編(上・下)』
- それ以前:自衛隊は「門」周辺のアルヌスの丘を強固な防塞(拠点)とし、迫り来る敵軍を撃退していたが、現地住民との直接的な交流や難民の保護といった施策は決定していなかった。
- 出来事:伊丹率いる第三偵察隊が、炎龍の襲撃からコダ村の避難民を護衛して移動する中、通信不通を装った伊丹の独断により、避難民をアルヌスへと連れ帰る。
- 変化:アルヌスの丘の麓に「難民キャンプ(街)」が形成され、レレイ、テュカ、ロゥリィら現地住民と自衛隊との直接の友好関係が始まる。
- その後への影響:難民キャンプはのちに多くの種族が集う「アルヌスの街」へと発展。日本国内の国会に彼らを参考人として招致し、特地の実情が公開されるきっかけとなる。
伊丹の「命令違反」による炎龍討伐への出撃
- 該当巻:『ゲート2 炎龍編(上・下)』
- それ以前:テュカは父親を失った精神的ショックから伊丹を「父親」と思い込む精神の崩壊状態にあった。ヤオは一族を救うため炎龍討伐を自衛隊に依頼したが、政治的理由から断られていた。
- 出来事:テュカの精神的崩壊を救うため、伊丹は職務や立場をなげうってでも、ヤオ、レレイ、ロゥリィら少人数で「命令違反」を覚悟の上で炎龍討伐に出撃。
- 変化:伊丹はテュカに「俺はお前の父さんじゃない、赤の他人だ」と突きつけ、彼女を精神的に覚醒させる。LAMや粘土爆薬、レレイの魔法とテュカの精霊魔法により、「炎龍の討伐」に成功。
- その後への影響:伊丹は隊長職を免職となり降格。しかし、現地住民からは「炎龍を討ち果たした英雄」として絶対的な信頼を寄せられ、レレイの名声も高まる。
ゾルザルによるクーデターの勃発と自衛隊の帝都空挺作戦
- 該当巻:『ゲート3 動乱編(上・下)』
- それ以前:ピニャ皇女らの尽力により、帝国と日本政府との間で講和交渉が進められ、友好関係が結ばれつつあった。
- 出来事:皇帝モルトが病に倒れ、皇太子ゾルザルが権力を掌握(クーデター)。講和派貴族の大粛清(オプリーチニナ)が開始。日本政府は講和派要人救出のため、帝都に自衛隊空挺団を派遣。
- 変化:自衛隊は帝都の要所を制圧。伊丹らも皇宮に乗り込み、日本人拉致被害者の松居冬樹やピニャ、モルト皇帝を救出し、イタリカへと脱出する。
- その後への影響:ピニャはイタリカで「正統政府」を樹立し、自衛隊と正式に講和条約を締結。帝国は完全にゾルザル派と正統政府軍に分裂し、全面的な内乱(内戦)へと突入。
時空の歪み「アポクリフ(虚無の霧)」の発見と門の閉鎖の最終決定
- 該当巻:『ゲート4 総撃編(上・下)』〜『ゲート5 冥門編(上)』
- それ以前:自衛隊は正統政府軍を強力に支援しつつ、圧倒的な火力でゾルザル軍の掃討作戦を進めていた。
- 出来事:伊丹らは、門を無理やり石造りの建造物で固定したことで時空に歪みが生じ、すべての生命を枯死させる「アポクリフ」が特地深奥部に出現している実態を目撃・報告。地球側でも諸外国が特地権益を狙って「門の国連管理」を日本に強硬に要求。
- 変化:日本政府はアポクリフの絶大な危険性と地球側の国際的圧力を避けるため、「門の一時閉鎖」を最終決定し、自衛隊派遣部隊に総員退去命令(脱兎)を下す。
- その後への影響:門の閉鎖に反発する中国工作員らが銀座ドームを占拠。ディアボと結託した「レレイ誘拐事件」が引き起こされ、最終決戦の引き金となる。
中国工作員らによる銀座ドームでの「門」の物理的破壊(消失)
- 該当巻:『ゲート5 冥門編(下)』
- それ以前:日本政府による「門の一時閉鎖(退去)」作戦が進行していた。レレイは伊丹らによって救出・保護されたが、銀座側では中国工作員らが門を人質にして膠着状態が続いていた。
- 出来事:中国工作員らが大型トラックを門に突進させ、物理的に門を破壊・消失させる。
- 変化:二つの世界を繋いでいた門が完全に崩壊。蓄積されていた歪みエネルギーが一気に解放され、世界規模の特殊地震が発生する。
- その後への影響:異なる世界線が複数絡み合い、アルヌスに巨大魔方陣(黒い太陽)が出現して蟲獣が氾濫。自衛隊は帰還ルートを確保するため、異なる世界線が交錯する中での蟲獣との死闘(最終決戦)を余儀なくされる。
対象範囲開始時と終了時の比較
伊丹
- 開始時:陸上自衛隊・三等陸尉。非番時に趣味(オタク活動)を最優先する、目立たない員数外の自衛官。
- 終了時:陸上自衛隊・一等陸尉。特地への残留(孤立)を経て、4年後に門が再開通し日本へ帰還。しかし一等陸尉への昇進と、さらなる責任を伴う激務を言い渡される。
人間関係
- 開始時:自衛隊内でも目立たない「員数外」の存在であり、元妻の葵梨紗以外には深い親交を持つ人物はほとんど描かれていない。
- 終了時:特地住民(レレイ、テュカ、ロゥリィ、ヤオ、ピニャら)からは「炎龍を討ち果たした偉大な英雄」として絶大・執着的な信頼(レレイ、テュカ、ロゥリィの3人からは眷属・伴侶・父親として愛着を寄せられる)を得ており、自衛隊上層部(狭間、檜垣ら)からも「人徳と外交力に優れた最重要幹部」として認められている。
活動範囲
- 開始時:現代日本(東京・銀座)。
- 終了時:時空の歪みを解消した「特地」全域。残留部隊としてのアルヌス周辺から、4年後には再び門を通って日本(同人誌即売会会場)へと帰還。
主な課題
- 開始時:銀座事件の勃発に伴い、民間人をいかに避難させ生存するかという、個人的なサバイバルと避難誘導。
- 終了時:閉鎖された門の安全な「再開通」と、特地における新たな支配体制(ピニャ正統政府)への施政権の移行、および日本・特地双方の新たな境界の管理・調整。
その他フィクション

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