漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ

漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ

物語の概要

ジャンルおよび内容
本作は、ダンジョンが現れた世界を舞台に、探索の様子をライブ配信する「ダンジョン配信」が流行している近未来型異世界である。主人公の貴族系お嬢様配信者が、登録者数わずかという「底辺配信者」から、迷惑系配信者を撃退して予期せずバズり、伝説となる過程を描いている。
主人公の配信が切り取られた瞬間から爆発的な注目を集め、無双&バズ展開へと突き進むライトノベルである。

主要キャラクター

  • 山田カリン:本作の主人公。お嬢様系の雰囲気をまとった16歳のダンジョン配信者。登録者数3・視聴者0という「底辺」からスタートし、迷惑系配信者との遭遇を機に一気に知名度を上げる。

物語の特徴

本作の特徴は、配信(ライブストリーミング)という現代的メディアと、ダンジョン探索というファンタジー的要素を融合させている点である。さらに「底辺配信者が偶然バズる」「お嬢様キャラクターが“チンピラお嬢様”として無双する」というギャップと爽快感も大きな魅力である。また、配信動画がトラブルを切っ掛けに広がる“バズ”展開、そして伝説化という王道かつSNS時代らしい成長ストーリーも他作品との差別化要素である。コメディ・無双・ネットバズという要素が融合しており、読者にとって“軽快に読めて爽快感がある”という点も強調できる。
他の異世界ファンタジーと一線を画すのは、「転生・異世界」「チート能力」などではなく、「配信×ダンジョン探索×人気化」という設定の組み合わせにある。

書籍情報

お嬢様系底辺ダンジョン配信者、迷惑系をボコったらバズって伝説になってますわ!?
作画:山田孝太郎 氏
原作:赤城大空 氏
イラスト:福きつね  氏
出版社:小学館(サンデーGXコミックス)
発売日:2025年10月17日
ISBN:9784091578990

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

チンピラお嬢様のダンジョン無双コメディ!
「お股を痛めて生んでくれたお母様に申し訳ないと思わねぇんですの!?」

「このラノ2025」「つぎラノ2024」TOP10の話題作を、
『変人のサラダボウル@comic』『ソードアート・オンライン ファントム・バレット』の超画力作家が完全コミカライズ!!

世界中にダンジョンが出現してから数十年。
探索の様子を配信する「ダンジョン配信」が人気を集める中、
お嬢様系配信者・山田カリンは、視聴者0、登録者数3という底辺ぶりにしょんぼりしていた。
ある日カリンは、「ダンジョン壁を爆破してみた」配信をしようとしている迷惑系に遭遇。
実は若手最強格だった彼をフルボッコにしたカリンは、チンピラお嬢様としてバズってしまい…!?

単行本限定で、原作・赤城大空書き下ろし「四条光姫のダンジョンなぜなに解説コーナー」も収録!配信形式で、世界観への理解が楽しく深まります!
そして帯コメントを、にじさんじの壱百満天原サロメ様にいただきました!ぜひチェックしてみてください!

お嬢様系底辺ダンジョン配信者、迷惑系をボコったらバズって伝説になってますわ!? 1

感想

この作品は、お嬢様口調の山田カリンが、ひょんなことからダンジョン配信でバズってしまう、そんな痛快なコメディ作品である。原作小説の一巻中盤、タイタンナイトボーンとの戦いまでが描かれており、読み進めるうちに、カリンの魅力にどんどん引き込まれていった。

特に印象に残ったのは、やはりタイトルにもなっている影狼をボコったシーン。
ドロップキックからヘッドバットの後はラッシュで最後はアッパーで影狼をダウンさせる。
山田カリンが世界にデビューした衝撃(笑撃?)映像だった。
そこからバズって山田カリンが世界に認知され実力の実証のためダンジョン探査を中継。
ドレス姿で紅茶片手にモンスターを瞬殺。
それに戸惑う視聴者達。
空を飛ぶモンスターには共に攻めて来たボアを空飛ぶモンスターに投げつけるシーンでは、思わず笑いがこぼれてしまった。
シリアスな展開とコミカルな描写のバランスが絶妙で、飽きさせない工夫が凝らされていると感じる。

巻末では、カリンお嬢様の失敗が発覚し、今後の展開が非常に気になる終わり方だった。さらに、単行本限定で収録されている四条光姫の解説コーナーも、世界観をより深く理解する上で非常に役立った。
光姫の解説と、二巻告知のP音のセリフとの関係性を考えると、ニヤニヤが止まらない。

全体を通して、戦闘シーンの熱さと、日常パートのコミカルさ、そして登場人物たちの人間関係が丁寧に描かれており、多角的に楽しめる作品だと感じた。カリンの成長はもちろんのこと、彼女を取り巻く人々のドラマにも注目しながら、今後の展開を見守っていきたい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

登場キャラクター

山田カリン

配信者であり高校生。素手と紅茶を携えて迷宮を進む者である。観客ゼロの時期を経て一気に話題となった存在である。
・所属組織、地位や役職
 個人配信者である。高校生探索者である。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロックタランチュラを単独で撃破した。迷惑配信の爆炎石点火を制止し、当事者を無力化した。雑談配信を実施し多数の視聴者を集めた。中層ボスのタイタンナイトボーンを作戦で形態変化させてから撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一夜で登録者が急増した。通称「チンピラお嬢様」として話題化した。配信の同接が数万人規模に到達した。

佐々木真冬

同級生であり支援役。状況把握と助言で配信運営を後押しする人物である。
・所属組織、地位や役職
 高校の同級生である。カリンの私的サポート役である。
・物語内での具体的な行動や成果
 バズの状況を伝えた。雑談配信の早期実施を提案した。炎上回避の見立てを示し、今後の方針を助言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 配信戦略の参謀的立場を確立した。視聴者との関係整理を促した。

影狼砕牙(かげろうさいが)

迷惑行為で注目されていた配信者。下層で爆炎石を用いようとして騒動を起こした人物である。
・所属組織、地位や役職
 個人配信者である。迷惑系として知られる。
・物語内での具体的な行動や成果
 爆炎石の点火を生配信で宣言した。騒動を引き起こし探索者らを危険に晒した。カリンの介入で制止され、病院へ搬送された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 行為が批判され、映像は切り抜きで拡散した。騒動の当事者として名が残った。

四条光姫

人気の探索者であり解説役である。ダンジョンの基礎知識を視聴者へ示す人物である。
・所属組織、地位や役職
 著名探索者である。解説コーナーの案内役である。
・物語内での具体的な行動や成果
 出現時の安全対応を説明した。内部侵食の性質を述べた。下層や深層の実力基準を整理した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 教育的役割を担い、視聴者理解を助けた。情報面で物語の補助線となった。

展開まとめ

第1話「底辺配信お嬢様」

視聴者ゼロの配信者・山田カリン

山田カリンは「ダンジョン配信者」として活動していたが、配信開始直後の視聴者数は常にゼロであった。彼女は登録者や同接数が伸びないことを嘆きつつも、変わらずダンジョン攻略配信を続けていた。

ダンジョンの存在と社会の変化

物語の舞台では、数十年前に突如「渋谷ダンジョン」をはじめとする異次元空間が世界各地に出現した。そこはモンスターが生息する巨大な迷宮であり、探索によって国家を揺るがすほどの資源や、既存の物理法則を超える力を得ることが可能であった。この出来事は当初混乱をもたらしたが、後に法整備が進み、ダンジョンは国の管理下に置かれ、探索は立派な職業の一つとして確立した。

配信文化と人気チームの登場

時代が進むにつれ、ダンジョン探索は配信コンテンツとしても人気を博するようになり、多くのチームがライブ配信を通じてファンを獲得していた。とある人気探索チームが上層のボスを討伐する場面では、900人もの視聴者が熱狂的にコメントを送り、成功を称賛していた。

無名配信者への転換点

街中では配信視聴が日常化しており、人々はスマートフォンでお気に入りの探索チームを追っていた。そんな中、一人の男性が偶然カリンのライブ配信を目にする。無名の彼女が、誰も見ていないダンジョンの奥へ進んでいく姿が映し出されており、男性は「なんだこの配信」と興味を抱いたところで場面が終わる。

初の視聴者出現
山田カリンはこれまで誰にも視聴されなかった配信中、突如「1人が視聴中」と表示されたことに気付き、感激していた。彼女は「これを機に固定視聴者を得たい」と意気込み、丁寧な自己紹介を行った。自身が16歳であること、「お優雅なダンジョン攻略」をコンセプトとするチャンネルであることを説明し、笑顔で配信を続けた。

危険地帯での単独配信
カリンは「現在、下層をお優雅にソロ攻略中」と語り、危険区域に一人で踏み込んでいた。その様子を視聴していた男性視聴者は驚愕し、「高校生でソロ潜行!?」「死ぬ気か!?」と焦りを見せた。カリンは視聴者にアピールしながらも、突如現れた巨大なモンスター「ロックタランチュラ」と遭遇する。

下層最強モンスターとの対峙
ロックタランチュラは下層最強格の魔物であり、視聴者の男性は「もう助からない」と呆然とした。しかし、カリンは冷静に戦闘態勢を整え、笑顔のまま迎撃に入った。モンスターの鋭い脚による攻撃を避けつつ、間合いを詰めて拳を叩き込む。

圧倒的な一撃
カリンの一撃は岩のような体を持つロックタランチュラを粉砕する威力を持っており、爆発的な衝撃が周囲を揺らした。彼女はそのまま畳み掛けるように連続攻撃を放ち、「お優雅な戦い」と称しながら、華麗に敵を撃破した。

勝利と余韻
戦闘後、カリンは優雅に勝利ポーズを決め、粉々になったモンスターの残骸が周囲に散った。カメラドローンがその姿を映し出す中、彼女の配信は静かに続いていた。破壊された敵の一部が転がる描写を残して、物語は次の展開へと繋がった。

初コメントと誤解
山田カリンは初めて配信にコメントがついたことに喜び、必死に反応を返そうとした。しかし、その内容は「生配信風のフェイク動画だ」と批判するものであった。視聴者は下層でドレスを着ている点や高性能カメラの使用から、すべてが演出だと誤解していた。カリンは必死に否定したが、コメント主は去り、再び視聴者数はゼロとなった。

誰にも信じられない現実
カリンは地面に倒れ込みながら落ち込んだ。AI技術が進歩し、フェイク映像が容易に作れる時代では、リアルな配信すら信じてもらえない現状が描かれる。彼女の奇抜な行動や設定は「ネタ動画」として処理されており、本物の探索配信として見てもらえなかった。

失意と再決意
視聴者の誤解に傷ついたカリンは、「こんなだから登録者が伸びない」と自嘲する。それでも、子供の頃に憧れた配信者「鬼龍院セツナ」のように人々に元気を与えたいという思いを胸に抱き続けていた。幼少期、孤独だった自分を救ってくれた存在に近づこうとする決意が示される。

努力の軌跡と現状
カリンはその憧れを追って日々努力し、命懸けでダンジョン探索を続けてきた。多くの魔物を討伐して力を磨いた結果、今の実力を得ていたが、それでも登録者はわずか3人。配信歴1年を経てもなお成果は乏しく、現実との落差に苦悩していた。

変わらぬ孤独な配信
配信の最後、カリンは「乙カリンですわ〜」と明るく締めくくるが、画面には再び「0人が視聴中」と表示されていた。誰も見ていない配信で虚空に挨拶を続ける姿が映し出され、彼女の孤独と健気な情熱が対比的に描かれて物語は幕を閉じた。

掲示板に現れた危険人物
匿名掲示板では、迷惑行為を繰り返す配信者「影狼砕牙(かげろうさいが)」の動向が話題となっていた。過激な行動で注目を集めてきた彼は、ついに「下層で一線を越える行為に出た」として、閲覧者たちの注目を集めていた。

危険な爆炎石と挑発的な宣言
影狼はダンジョン下層での生配信を開始し、「視聴者さんたち、ダンジョン破壊って見てみたくないか?」と挑発的に語った。彼が手にしていたのは高威力の「爆炎石」であり、使用すればダンジョンの構造すら崩壊させる危険な代物であった。影狼はその石を掲げ、「これを今から使ってやる」と不敵な笑みを浮かべた。

炎上覚悟の配信と急増する視聴者
配信が始まると視聴者数は瞬く間に3000人を超え、ネット上でも「また炎上狙いか」「今度こそ逮捕では」といった書き込みが相次いだ。爆炎石は使用が禁じられている危険物であり、国からも警告が出ていたが、影狼は「アンチも見てろよ!」と笑いながら点火を開始した。

暴走する配信と迫る惨劇
点火と同時に強烈な光が走り、爆炎の衝撃波が周囲を襲う。臭気と音に引き寄せられたモンスターたちは暴走状態に陥り、探索者の命が危険に晒された。掲示板の投稿者たちは「死人が出る」「影狼、ついにやりすぎた」と騒然となるが、本人は愉快そうに笑い続けていた。

山田カリンの介入
その場に偶然居合わせた山田カリンは、配信を見ながら暴走する爆炎石に気付き、急いで現場へ駆けつけた。彼女は影狼に向かい「それは絶対使っちゃだめな石ですわ!」と警告するが、影狼は聞き入れず点火の動作を続けた。カリンは爆発の危険を察知し、即座に行動に移る。

激突と怒りの鉄拳
点火寸前、カリンは全身の力を込めて飛び込み、怒号と共に渾身の蹴りを叩き込んだ。「なにやってんですの、オラァァァァァ!!!!」という叫びとともに、影狼は吹き飛ばされ、爆炎石は手から弾かれた。お優雅な配信者として知られるカリンが見せた怒りの一撃は、暴走配信者に対する制裁のような迫力を放っていた。

カリンの乱入と怒涛の説教

そこへ現れたのが、同じ探索者であるカリンであった。
危険を察知した彼女は突如乱入し、影狼の爆炎石を止めようとするが、彼は無視して炎を上げかける。激怒したカリンは跳び蹴りで影狼を吹き飛ばし、続いて拳で容赦なく叩きつけた。

「下層で爆炎石なんて危ねぇだろ!!脳みそ詰まってんですのオオン!?」
怒声と共に連撃を叩き込み、さらにトドメの説教を浴びせる。
「お股を痛めて生んでくれたお母様に、申し訳ないと思わねぇんですの!?!」

影狼は抵抗もできず地面に転がり、「がはっ」と情けない声を上げて気絶した。

病院搬送と異例の診断

気絶した影狼を抱えて出口に向かうカリンを見た警備員たちは、
「この子、錯乱してるな」「同業者を殴ったって言ってるぞ」と判断。
危険人物扱いされ、影狼と共に病院へ搬送された。

診察を受けたカリンに、医師はカルテを見ながら困惑した表情で告げた。
「怖いくらいに健康。君なんで来たの? 十六歳女性の健康体サンプルに使っていい?」

カリンは目をぱちくりさせ、「解せませんわ……」と一言。
そのまま何事もなく帰宅することとなった。

結末

暴走配信を起こして制裁を受けた影狼と、誤解されながらも毅然と立ち去るカリン。
騒動は一件落着となり、掲示板では「迷惑系配信者、真の意味で成敗される」と語り草となった。

湯浴みと反省
事件後、山田カリンは自宅の風呂で一日を振り返っていた。暴走した影狼を止めるための行動があまりに激しく、「仕方ないとはいえ、少々乱暴でしたわね」と反省する。配信を切った後でよかったと胸を撫でおろしながらも、「お咎めなしということは大丈夫ですわよね?」と自問し、食卓でたくあんをつつきながら平穏な時間を取り戻していた。

静かな夜と知らぬ大反響
その晩、カリンは「色々あって疲れましたわ」と布団に入り、安堵の笑みを浮かべて眠りにつく。だが同時刻、掲示板では「【急報】影狼、野生のお嬢様にフルボッコにされる」というスレッドが爆速で伸びていた。書き込みには「お股を痛めて生んでくれたお母様のくだりで腹筋崩壊」「情報量が多すぎる」「切り抜きの再生数エグくて草」などのコメントが並び、爆発的な盛り上がりを見せていた。

拡散する動画とネットの祭り状態
影狼が装着していたカメラが奇跡的に無事だったため、映像はそのまま彼のチャンネルで配信されていた。「爆炎石で下層の壁を破壊してみた」というタイトルの動画は、視聴者6.2万人を突破。彼女の怒号と名言が切り抜きとして大量に拡散され、「なんだこのチンピラお嬢様!?」「もっとやれ!」とネットは祭り状態となる。
さらにカリンの配信も切り忘れていたため、彼女のチャンネルが即座に特定され、登録者数は急増した。

想定外の結果と未来への伏線
一晩でチャンネル登録者は約2000人に到達。
「まあ、もともと同接ゼロでしたけど、結果オーライですわ」と夢心地で眠るカリンは、自身が“伝説の配信者”として世界を救う存在になる未来を、まだ知らなかった。

解説コーナー「四条光姫のダンジョンなぜなに解説」要約
四条光姫がダンジョンの仕組みを説明するコーナー。
Q1では「ダンジョン出現時に地下鉄や建物は大丈夫か?」との質問に対し、「ある程度は飲み込まれるが、出現時には避難が必要」と回答。
Q2では「ダンジョンが地下を侵食し続けるのでは?」との疑問に、「時空がねじれているため侵食は少ない」と説明。
さらに「内部に拠点を作れないのか?」という質問には、「時間が経つと異物は吸収されるため、安定した拠点は作れない」と解説して締めくくられていた。

第2話「目覚めとバズ」

寝坊と慌てる朝
山田カリンはスマホの電源を切ったまま眠り込み、翌朝に寝坊してしまう。慌てて支度をして家を飛び出す途中、ようやく電源を入れると大量の通知音が鳴り響く。前夜の出来事を思い出しつつ、「昨日、通知がうるさかったのはそのせいでしたのね」と首を傾げる。

真冬からの電話
通学途中、同級生の佐々木真冬から電話が入る。真冬は「びっくりしたわ、おめでとう」と告げ、「あんた、すごいことになってるね」と意味深に言う。カリンは何のことか分からず、「ネットチェックしてないの?」と問われても首を傾げるのみだった。

急上昇するフォロワー数
真冬の助言に従ってスマホのホーム画面を確認したカリンは、SNSの通知が止まらない状況を目にする。フォロー通知は1200件、さらに500件のいいね通知が続き、最終的に「2543人があなたを新たにフォローしました」と表示された。
驚愕したカリンは「大型SNSが壊れましたわ!?」と叫ぶが、真冬に「壊れてない、アカウント見てみな」と言われ確認する。

フォロワー30万人超の衝撃
カリンのアカウント「@yamadakarin」は“ソロのダンジョン配信者”として登録されており、フォロワー数は302,006人に達していた。本人はその事実に目を見開き、「な、なんですのこれぇぇぇぇ!?」と通りの真ん中で悲鳴を上げる。
前夜の“影狼撃退”映像が拡散した結果、知らぬ間にネットのバズり主となっていたのであった。

影狼の正体と世界的拡散
真冬からの説明で、カリンは自分が殴った相手が有名な「迷惑系配信者・影狼」だったことを知る。しかもその時、彼のカメラが配信中で、カリンが影狼をボコボコにする映像が全世界に生配信されていた。彼女のチャンネルも同時に特定され、二人の配信が連動して大バズリ状態となっていた。

SNSトレンド1位の衝撃
掲示板では「女子高生冒険者が迷惑配信者を撃退」「勧善懲悪お嬢様」と話題沸騰。真冬の言葉に促されて確認すると、SNSのトレンド1位は「山田カリン」で投稿数38万件を突破していた。カリンは思わず「ぶほっ!?」と吹き出し、驚愕のあまり固まる。

登録者数40万人超え
YouTubeを確認したカリンはさらに衝撃を受ける。前日まで登録者3人だったチャンネルが、わずか一晩で40.3万人に急増していたのだ。「砂漠で水を求めていたところに津波が来たよう」と形容し、あまりの展開に「脳の処理が追いつきませんわ…」と混乱する。

努力が実を結ぶ瞬間
真冬は「ずっと頑張ってきた実力がようやく評価された」と励まし、カリンも感涙。「憧れの“優雅で可憐なダンジョン配信者”に近づけたかもしれませんわ」と胸を熱くする。少し棚ぼたではあるが、自身の努力が報われたと信じようとした。

新たな“チンピラお嬢様”伝説の始まり
だが、次の瞬間、トレンド2位には「チンピラお嬢様」が浮上。関連動画を再生すると、例の現場映像が流れ出す。そこではカリンが怒号を上げながら影狼を叩きのめしており、「脳みそ詰まってんですのオオン!?」「お股を痛めて生んでくれたお母様に申し訳ないと思わねぇんですの!?」と、怒涛の説教パンチを繰り出していた。
動画はすでに100万回再生を突破し、ネットでは完全に“伝説”扱いされていた。

そして再生産される「カリンまとめ」
その後、切り抜き職人たちによって“優雅とは程遠いカリンの雄姿”がショート動画として再生され、SNSでは爆発的な拡散が続く。
こうして、山田カリン――通称“チンピラお嬢様”は、世界中を席巻する新たな配信界のスターとなったのであった。

校内での騒動と周囲の反応
影狼を撃退した動画が拡散されたことで、カリンは登校直後から注目の的となった。廊下を歩くだけで「あいつだ!」と指をさされ、クラスでも「チンピラお嬢様動画すげー!」と冷やかされる。真冬以外には秘密にしていた配信活動が、最悪の形で露見してしまったのである。

バズの代償と動揺
動画はすでに100万回再生を突破しており、クラスメイトからは「叱って!」と冗談交じりに絡まれる始末。カリンは顔を真っ赤にして「うるせぇですわー!」と絶叫するが、内心では「これがバズの代償ですの……?」と崩れ落ちる。真冬は冷静に「ネットに上がった映像は回収不能」と諭した。

炎上の危惧と冷静な分析
動揺したカリンは「ライセンス剥奪!? 逮捕!?」と騒ぐが、真冬は「完全に相手が悪い。映像証拠もあるし世論は味方」と冷静に分析。影狼は元から嫌われ者だったため、ネットの反応も「賞賛一色」であり、炎上の心配はないと断言した。

これからの方向性と助言
真冬は「問題はこれからどうするか」と助言。今の注目は一過性であり、「騒ぎに乗った野次馬が集まってるだけ。今のうちに本当のファンに変える努力を」と促す。さらに「このまま黙っていたらすぐ忘れられる」として、雑談配信で早急に活動再開するよう指示した。

新たな決意と行動開始
真冬の助言に勇気づけられたカリンは、「頑張ってこのチャンスを活かしますわ!」と決意。自らの口で状況を説明し、信頼を取り戻すことを誓う。放課後から早速配信を再開し、「本来のお優雅な姿で固定ファンを獲得していきますわ!」と意気込む。
一方の真冬は冷ややかに「登録者は伸びるだろうけど、優雅は無理そう」と心中でつぶやくのだった。

第3話 「雑談配信」

配信準備と緊張
山田カリンは初の雑談配信を前に、自宅の配信部屋で準備を整えていた。家具の配置や台本の確認も済ませ、いざ始めようとするが、いざとなると極度の緊張に襲われて震えが止まらなかった。深呼吸で気を落ち着け、「イメージ通りに喋れば大丈夫」と自分に言い聞かせる。

配信開始と圧倒的反響
マウスをクリックし配信を開始すると、画面には「お優雅な雑談配信」のタイトルが映し出される。カリンは笑顔で「みな様ごきげんよう」と挨拶するが、コメント欄は瞬く間に「お嬢様!」「チンピラお嬢様!」と興奮の渦に包まれた。先日のバズ動画の影響で視聴者が殺到しており、チャット欄は歓声で埋まる。

配信トラブルと混乱
突然カリンが驚いた拍子に「うおえ!?」と叫んでしまい、コメント欄が爆笑と「草」の嵐に。動揺するカリンは「どうなってますの!?」と狼狽するが、さらにコメントの流れが止まらず、同接数が一万人を超えていた。想定外の規模にパニックになりつつも、冷静を装って挨拶を続けようとする。

自己紹介とさらなる崩壊
改めて自己紹介を試みるも、緊張で声が震え、「お優雅なダンジョン探索者、山田カレンですわ」と名前を噛んでしまう。視聴者からは「名前間違えてて草」「緊張しすぎwww」とツッコミが殺到し、配信開始早々からカリンの「お嬢様芸」全開のドタバタ配信となった。

配信中の混乱と焦り
カリンは同接視聴者数が1万を超え、次々と流れるコメントに圧倒されながら配信を続けていた。準備していたカンペが行方不明となり、言葉を詰まらせたまま「えと……」を繰り返す。視聴者からは「昨日の動画見た!」「影狼を吹っ飛ばしたのスッキリした!」といったコメントが殺到し、彼女は慌てて「いや殺してはいませんわ!爆炎石着火を止めただけですの!」と弁明した。

影狼の安否と謝罪未遂
カリンは配信で影狼の現状を報告する。事件後、彼は生きたまま病院に搬送され、命に別状はないと説明した。しかし、謝罪の連絡を試みるも影狼は通話を拒否したと明かし、「やはりやりすぎたかも」と反省の言葉を漏らす。コメント欄は「ゲロwww」「なさけねぇwww」と荒れ、雰囲気が一時的にピリついた。

お嬢様の再起と場の収拾
カリンは空気を察し、「皆様、もう少しおしとやかに参りましょう?」と穏やかに語りかける。続けて「汚い言葉はお優雅ではありませんことよ~」と注意すると、コメント欄は「了解ですわ!」「カリンお嬢様が怯えてらしてよ!」と次第に和やかさを取り戻した。

配信の盛り上がりと急上昇
影狼の話題を「お吐湯物様(おゆーが)」と呼び替え、上品な言い回しに変換したことで視聴者の反応が爆発的に増加。コメント欄は「OYU-GA!」の連呼で埋まり、同接数は3万人を突破する。カリンは勢いに乗って「乾杯ですわ!」と宣言し、配信は祝祭ムードに包まれた。

爆発的バズと混乱の再来
視聴者たちは「トレンド入りおめでとう!」「すごい勢いですわ!」と盛り上がる中、過去の暴言「お腹を痛めて生んでくれたお母様に申し訳ないと思わねぇんですの!?」が再度引用され、コメント欄が再炎上。カリンは慌てて「それはもう忘れてくださいまし!」と叫ぶも、配信は再びカオスな方向へ転がっていくのだった。

雑談配信の大成功とチャンネルの起点

山田カリンは緊張の面持ちで初の雑談配信を開始した。当初は視聴者数が一万人を超え、コメントの勢いに圧倒される中で噛んだり、素の声を漏らすなどの失敗を重ねてしまう。しかし誠実な対応と丁寧な語り口で次第に場の空気を掌握していった。

影狼との事件の説明と波紋

配信中、カリンは過去に自らの手で影狼を気絶させた件について質問を受け、正当防衛であったと説明した。影狼は後に病院へ搬送され一命を取り留めたが、視聴者の間では賛否が分かれ、一時的にコメント欄が緊張状態となる。カリンは「お優雅に」と視聴者を諭し、品位ある言葉遣いを促して場を落ち着かせた。

配信の盛り上がりと“お湯雅様”誕生

流れが和らぐと、視聴者たちは冗談交じりに影狼を「お湯雅様」と呼び始め、配信の空気は一転して和やかに。カリンの人気は急上昇し、同接数は三万人を突破。ファンたちはコメントで「乾杯ですわ!」と祝福し、配信は祝祭的な盛り上がりを見せた。

配信者としての矜持と感謝の言葉

カリンは自身がドレス姿で配信・探索する理由を問われると、幼少期に観たアニメ『ダンジョンアライブ』の影響で、鬼龍院セツナという優雅な冒険者に憧れたことを明かす。それがチャンネル開設の原点であり、ドレスは彼女にとって“正装であり誇り”であった。

熱狂の終盤と締めの挨拶

最高潮に達した配信は五万人を超える視聴者を記録し、真冬の助言通り一時間を区切りに終了。カリンは感謝を述べ、「また明日お会いしましょうですわ」と締めくくる。コメント欄には「乙カリン!」の嵐が流れ、初の雑談配信は大成功に終わった。

配信後の安堵と充実感

初の雑談配信を終えたカリンは、全力を出し切って疲労困憊しながらも満足感に浸っていた。
「なんとかやりきりましたわ……」と机に突っ伏し、食事を取りつつ翌日の再配信に向けて意欲を新たにする。真冬の支援と視聴者の反応が大きな励みとなり、「明日はとっておきの攻略風景をお見せしますわ!」と決意を語る。

充足の夜と視聴者への感謝

布団に入り、配信の余韻を噛みしめながらSNSを確認したカリンは、コメント欄に溢れる「乙カリン!」の声を見て微笑む。
「挨拶が返ってくるというのは、こんなにも嬉しいものなんですね」と呟き、初めての“つながり”の実感に幸福を覚えながら眠りについた。

翌朝の再始動

翌日、放課後。学校を終えたカリンはダンジョン受付で準備を整え、再び探索へと向かう。
紅茶の入ったポットを手に、「それでは始めていきましょうか」と優雅に宣言。配信カメラの前でカップに紅茶を注ぎながら、「お優雅なダンジョン攻略配信を!」と明るく笑顔を見せる。

――その姿には、昨日よりも確かな自信と輝きがあった。

第4話 「お優雅ダンジョン攻略 その①」

配信開始と視聴者の熱狂
ダンジョンの入口付近で配信を開始したカリンのチャンネルには、冒頭から「キター!」のコメントが殺到し、瞬く間に三万人以上の視聴者が集まった。紅茶を注ぐ優雅なティータイムからスタートする彼女の姿に、チャットは「唐突な紅茶w」「遠足かよw」とざわめく。

緊張と視聴者の驚愕
カリンは「いきなり緊張してしまいましたの」と紅茶を口にしながら落ち着こうとするが、その様子が“本気でお嬢様RPを貫く”ものに見え、視聴者は爆笑と困惑の入り混じった反応を見せた。配信開始わずか数分で同接三万人を突破し、彼女自身も驚愕する。

装備公開と“拳ひとつ”の宣言
いよいよ攻略を開始する段になって、カリンは武器を取り出すと思いきや、「武器はこの拳ひとつですわ!」と宣言。視聴者からは「マジで素手!?」「さすが配信者魂w」とコメントが飛び交い、期待と不安が高まる。

機材事情と金欠の告白
さらに、配信機材についても「このカメラは福引の中古品ですの」と明かし、他の機材は貧弱で、コメント確認もスマホ頼みであると説明。視聴者は「金ないの!?」「お嬢様設定どこ行ったw」と驚くが、カリンは「収益化申請中ですの!」と明るく答え、笑いを誘った。

紅茶を持ったままの戦闘宣言
ティーカップを手にしたまま洞窟に進む姿に、コメント欄は「ティーカップ持ってて草」「うっかり可愛い」と大盛り上がり。彼女は「もちろんこのままお紅茶を飲みながら、お優雅に進むのよ!」と宣言し、さらに混乱を招く。

憧れの“セツナ様”再現
カリンは、自身の行動を「『ダンジョンアライブ』のセツナ様が常にドレスに紅茶だったからですの!」と誇らしげに語る。視聴者は「ガチで言ってる!?」「原作再現すぎw」と騒然となるが、カリンは「このくらいこなして当然ですの!」と自信満々。

初のモンスター遭遇
配信を進める中、突如として“ヘルハウンド”が出現。観客は「逃げろ!」「紅茶捨てろおおお!」と叫ぶ中、カリンはティーカップを手にしたまま対峙しようとする。
――お嬢様流ダンジョン攻略が、ついに本番を迎えたのであった。

圧倒的戦闘力の披露

紅茶を手にしたまま、カリンは迫りくるヘルハウンドを余裕の笑みで迎え撃つ。拳を軽く振るだけで、凄まじい衝撃と共に敵を一撃で粉砕。視聴者たちは「は!?」「今の見えた!?」と騒然となり、コメント欄が混乱に包まれた。

余裕の態度と配信の静寂

カリンは「緊張で動けるか不安でしたが、今日もお優雅に絶好調ですわ!」と満面の笑みで語る。だが、あまりの光景に視聴者は言葉を失い、コメント欄は一転して静まり返った。

“普通に殴っただけ”の衝撃

驚く視聴者に対し、カリンは「え?普通に殴っただけですわよ?」とあっさり返答。彼女にとっては日常の動作に過ぎず、再び迫る二体のヘルハウンドも軽く拳を放つだけで粉砕した。チャット欄では「殴った!?」「いや速すぎて見えねぇ!」と悲鳴が上がる。

“無反動砲”と誤解される強さ

さらに驚くべきことに、紅茶のカップの水面がまったく揺れていなかった。視聴者から「物理法則どこいった!?」「無反動砲!?」と突っ込みが相次ぎ、カリンは「返ってくる反動も相手に叩き込むスキルでしたわ、名前は忘れましたけど」と適当に説明。チャットは爆笑と混乱の嵐に包まれた。

“お優雅”の定義と配信者の葛藤

戦闘を終えたカリンは、自身の拳の強さが“お優雅”からかけ離れていると自覚する。
「殴ってばかりではお優雅ポイント不足ですわね」と反省しながらも、視聴者に楽しんでもらうためには個性を確立する必要があると考え、「お優雅なダンジョン攻略」というチャンネルの方向性を再確認した。

次なる戦いへの構え

再び洞窟の奥からヘルハウンドたちが現れる。
カリンは紅茶を手に、穏やかな笑みで言う――「そうですわ!今度こそお優雅ポイントを高めませんと!」
彼女の戦いは、まだ始まったばかりであった。

ヘルハウンドとの再遭遇と“休憩宣言”
ダンジョン奥で再びヘルハウンドの群れと遭遇したカリンは、拳を振るいすぎて「手が疲れましたの」と笑顔で告げる。視聴者が警戒を促す中、彼女は紅茶を手に「こういう時は――休憩ですわ!」と宣言。戦闘中にもかかわらず優雅に紅茶を口にし始めた。

“お優雅な回避”の実演
群れが襲いかかると、カリンはドレス姿のまま流れるように回避を開始。まるで社交ダンスのような動きで敵の攻撃をかわしていく。視聴者たちは「なんじゃそりゃああ!」「ドレスにかすりすらしねえw」「倍速社交ダンスw」と大興奮。カリンはその華麗な動きを「お優雅な回避」と名付け、配信者としての持ち味を確立した。

紅茶を守りながらの戦闘
回避の最中も紅茶のカップを手放さず、液面ひとつ乱さずに拳を繰り出す。視聴者は「無反動パンチ!?」「カップ揺れてねえw」と騒ぎ立てるが、カリンは満面の笑みで「皆様、どうでしょう? お紅茶攻略ですわよ!」と語る。その姿にコメント欄は「お優雅(物理)ww」「拳の暴力が優雅w」と盛り上がった。

“お優雅”の定義をめぐる混乱
視聴者の爆笑に包まれる中、カリンは「お優雅ですわよね?」と真剣に問いかける。コメント欄は「わかった!お優雅だから!!」と総ツッコミ状態となり、「“優雅”と“お優雅”は別物」という新たな概念まで生まれた。彼女は自分の“お優雅スタイル”が受け入れられたと感じ、満足げに頬を緩める。

人気爆発とカリンの動揺
配信の勢いは止まらず、同接はついに七万人を突破。数字を見た瞬間、カリンは「おぶほっ!?」と紅茶を噴き出してしまう。コメント欄は「紅茶こぼしたw」「せっかくお優雅だったのにw」と総ツッコミ。視聴者との温度差に気づかぬまま、彼女は「中層へと進むのですわ!」と再び洞窟奥へと向かった。

四条光姫のなぜなに解説コーナー
場面は切り替わり、四条光姫によるダンジョン豆知識へ。
「ダンジョン下層では魔力が高く、近代兵器はほぼ無効」「銃弾は通らず、魔力加工された素材製の武器でなければ通用しない」と解説する。これにより、“拳で戦うお嬢様”カリンの異常さが、ある意味で理にかなっていることが示された。

第5話 「お優雅ダンジョン攻略 その②」

飛行型モンスターとの遭遇
ダンジョン中層に進んだカリンは、毒針を放つ巨大虫「フライキャタピラー」と、猪型モンスター「ボア」の群れに遭遇する。コメント欄は「ボアと群れとか厄介!」とざわつくが、カリンは紅茶を手に余裕の笑みを見せる。

お優雅な怪力投擲
カリンは「よいしょ」と軽い掛け声と共にボアを素手で掴み上げ、まるで砲弾のようにフライキャタピラーへ投げつける。炸裂した衝撃で敵が次々と吹き飛び、視聴者は「なんだこれ!?」「モンスターを野球ボール扱い!?」と驚愕。カリンは「群れで出てくれてラッキーですわ! 効率が良いですの!」と笑顔で語り、それを「お優雅な戦術」と評した。

敵の逃走と“撮れ高”への執念
連続投擲で圧倒されたモンスターたちは恐怖で逃げ出す。だがカリンは「撮れ高になりませんわ!!」と叫びながらドレス姿のまま全力で追いかけ始める。視聴者は「追うなw」「お嬢様のやることじゃねえw」と爆笑し、配信は一気に拡散された。

ネット上の話題化
同時刻、地上の街では「紅茶片手に上層ノーダメ突破のお嬢様がいる」と話題沸騰。通勤中の人々までスマホで配信を視聴しており、「生配信じゃなくフェイク動画だろ」と疑う声も上がる。しかし実際のトレンドでは「山田カリン」「お紅茶RTA」「ダンジョン舞踏会」などが上位を独占しており、彼女の名は一気に全国へと知れ渡った。

配信者としての高まりとボス出現
視聴者数は七万人を突破し、カリンは「拡散してくださってありがとうございますの!」と満面の笑みで感謝を述べる。だがその背後には、中層ボスモンスター「タイタンナイトボーン(通称・屍切り骸骨)」が立ちはだかっていた。紅茶を手にしたまま、カリンは新たな戦闘の幕開けを優雅に迎えようとしていた。

お優雅な一撃と大剣破壊
中層ボス「タイタンナイトボーン」と対峙したカリンは、巨大な大剣を振りかざす骸骨の騎士に対し、臆することなく拳を構えた。「どっせい!ですわ!」の掛け声と共に繰り出された渾身の一撃は、刃の側面を正確に捉え、鋼鉄の大剣を大きく歪ませる。視聴者たちは「剣戟が逸れた!?」「大剣の側面を!?」「マジか!?」と騒然となった。

視聴者の困惑と実況解説
「普通なら防御職が受け止める攻撃だぞ!?」「あの足切り斬骨の一撃を素手で!?」と専門解説者たちも理解を超える展開に唖然。さらにカリンが再び拳を構えた瞬間、画面には衝撃の光景が映し出される。拳の直撃により――大剣が真っ二つに砕け散ったのである。コメント欄には「え!? 剣が!?」「うっそだろ!? 破壊できんのかよ!?」「どこまでいくんだこのお嬢様www」と驚愕と笑いが渦巻いた。

カリンの作戦と形態変化の誘発
実はこの大剣破壊こそが、カリンの意図した“作戦”であった。彼女はボスの性質を事前に分析し、武器破壊によって第二段階――形態変化を誘発させることを狙っていたのだ。
やがてナイトボーンの鎧が溶け、骸骨の下から異様に発達した筋肉が露わとなる。視聴者が「形態変化!?」「鎧が溶けてる!?」「そんな仕様聞いたことないぞ!?」と混乱する中、カリンは紅茶を手に「まぁ、逞しい腕ですこと」と優雅に評した。

覚醒と瞬殺
筋骨隆々となったボスは圧倒的な気迫を放ち、周囲の空気を震わせる。しかしカリンは一歩も退かず、拳を高く掲げる。「えいや!ですわ!」
その一撃は覚醒体の胸骨を粉砕し、爆風とともにボスの身体を吹き飛ばした。コメント欄は「え!?」「終わった!?」「覚醒タイタンナイトボーンさん、見せ場ゼロ!?」と騒然。実況の声が「覚醒タイタンナイトボーンさん……見せ場なく瞬殺」と締めくくるほど、圧倒的な決着であった。

まさかのレアドロップと視聴者崩壊
戦闘後、カリンは戦場の中心に転がる黒い宝珠を拾い上げ、「あら、この綺麗な石もご覧になるのは初めてでして?」と微笑む。視聴者は即座に「レアドロップ!?」「特殊条件ドロップ!?」「ソロ&素手破壊が条件かよ!?」と大混乱。
しかしカリンはカメラに映して満足げに「というわけで撮れ高は十分ですわ。ポイしますわ」とそのまま地面に放置。コメント欄は「持ち帰れえええ!!!」「正気か!?」と絶叫の嵐となった。

お優雅なる常識破壊の証明
こうしてタイタンナイトボーン戦は、カリンの冷静な戦術と圧倒的な膂力によって終結した。
戦略的な「大剣破壊」による誘発と、瞬殺による制圧。
彼女の名は――「お優雅な常識破壊者」として、さらに世間に広く知れ渡ることとなった。

未成年ゆえの制限と視聴者の驚愕
カリンは未成年のため、討伐報酬のレアドロップを換金できないと判明する。彼女はあっさりと「残念ながら捨てるしかないんですの」と宣言し、視聴者たちを唖然とさせた。その一方で、「もし欲しい探索者がいたらぜひ試してみてくださいまし!」と、まるで公募のように明るく提案した。コメント欄では、希少性を考えれば八桁台の価値になるとの予測が飛び交う。

驚異的な経済価値と拡散の波
レアドロップが発見されたという前代未聞の情報は、瞬く間に拡散し、専門家たちが「情報だけで金を取れる」とざわつく。動画の切り抜き再生が爆発的に伸び、十万円札が舞うような経済的熱狂が描かれる。

お嬢様の宣言と下層突入
そんな騒ぎの中、カリンは「問題ありませんわ!」と朗らかに宣言し、動画の使用料も報酬も一切不要と公言。「完全フリーですので、どんどん広めてくださいまし!」と笑顔で言い切り、配信界隈は再び熱狂した。彼女は視聴者の歓声を受けつつ、「下層に潜ってまいりますわ!」と宣言し、さらなる深部へと進む。

魔境・下層の到達
下層は中層とは比べものにならない危険地帯であり、モンスターの魔力量は桁違い。上位10%の探索者しかまともに活動できない領域であった。それでもカリンは紅茶を手に余裕の表情を浮かべ、視聴者数はついに十万人を突破する。

突如の異変と次章への導入
下層で足を止めたカリンの配信画面が突如フリーズ。視聴者は「通信障害?」「寝ちゃった?」と困惑する中、彼女は真っ青な顔で「わ、わたくし……一生の不覚ですわ……!」と叫ぶ。
それは通信不具合か、それとも――。第1集は彼女の悲鳴をもって幕を閉じた。

解説コーナー:四条光姫のダンジョン講座
エピローグでは人気探索者・四条光姫が下層について解説。下層で活動できるのは上位10%前後の実力者であり、更に深層は国家級の探索者団が挑む領域であると明かされた。カリンの挑戦がいかに異常であるかを補足し、次なる舞台「下層編」への期待を煽って締めくくられている。

同シリーズ

dd54a35c208ac2afbbf6aef08c8f8c2c 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
お嬢様系底辺ダンジョン配信者、迷惑系をボコったらバズって伝説になってますわ!? 1

小説版

dd54a35c208ac2afbbf6aef08c8f8c2c 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
【お嬢様バズ1】
64d3c634ecadbf6104037a183409b225 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
【お嬢様バズ2】
5ebafe6c33946d50128d9f7d5951016b 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
【お嬢様バズ3】
6eb91612ec0932701e2e1893f727a61e 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
【お嬢様バズ4】
b395e3b65c3281d9ec121e42fc793f81 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
【お嬢様バズ5】

赤城大空 氏の著作の別シリーズ

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 シリーズ

rectangle_large_type_2_384da97d931c3b968f3ecd6aa2987455 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
下ネタという概念が存在しない退屈な世界

出会ってひと突きで絶頂除霊!

おバカで下ネタ全壊な除霊モノ。

サキュバスの性異物と呼ばれる腕に取り憑かれている古屋晴久は、人、霊どちらも絶頂させる事の出来る快楽媚孔が見え。
それを突くと相手を絶頂させる事が出来る絶頂除霊能力( 本人は呪いと呼んでる)を持ってしまった。

 本のオンラインショップ

本棚

そんな古屋晴久の将来の夢は除霊師になる事だったが、絶頂除霊を隠しているために彼の除霊師学校での成績は万年最下位。

それでも何とか除霊師になりたい古屋は、同じ性異物に取り憑かれてる宗谷美咲、同性愛者をサディスティックに緊縛するのが大好きな烏丸蒼とチームを組んで除霊依頼を解決して行く。

rectangle_large_type_2_474af0eeb4ccab8aa9d7133f667511aa 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
出会ってひと突きで絶頂除霊!

淫魔追放

a3ec05f61b53cfcdaf97f7d812f01fcb 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
淫魔追放~変態ギフトを授かったせいで王都を追われるも、女の子と”仲良く”するだけで超絶レベルアップ~

その他フィクション

e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 漫画【お嬢様バズ】「お嬢様系底辺ダンジョン配信者 1」感想・ネタバレ
フィクション あいうえお順

Share this content:

こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

コメントを残す

CAPTCHA