お嬢様バズ1巻レビュー
お嬢様バズまとめ
お嬢様バズ3巻レビュー
どんな本?
【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう~けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホほどバズって伝説になってますわ!?~とは、2023年に発表されたライトノベルのタイトル。
作者は赤城大空 氏で、イラストは福きつね 氏が担当している。
この作品は、ドレス姿でダンジョン攻略するお嬢様系配信者の山田カリンが、配信を切り忘れたまま迷惑系配信者の影狼砕牙を拳でボコってしまうという事件をきっかけに、人気に火がついていくコメディー。
カリンは、お嬢様言葉を使う天然で無邪気な女の子で、ダンジョンでは非常識な強さを持っている。
この作品は、カクヨムというウェブ小説サイトで連載されており、2023年10月18日に小学館のガガガ文庫から書籍化されている。
爆笑と癒しを求める人におすすめです。
読んだ本のタイトル
【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう: けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?2
著者:赤城大空 氏
イラスト:福きつね 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
カクヨム年間総合1位の超人気作!
バズリまくってついに収益化を達成したカリン。記念すべき初回配信に現れたのは、憧れのセツナお嬢様の“生みの親”もちもちたまご先生で……? 一方、カリンをバズらせるきっかけとなった迷惑系配信者・通称ゲロも、虎視眈々とカリンを狙っていた。注目を集めつづけるカリンだが、その実力はまだまだ未知数。まさかダンジョン崩壊を機に、“フィスト●ァックお嬢様”を超える伝説が生まれることになろうとはカリン本人を含む誰も知らないのだった――。人気すぎておハーブ大農園!!! 規格外お嬢様のダンジョン無双バズ、第2弾!
【悲報】お嬢様系底辺ダンジョン配信者、配信切り忘れに気づかず同業者をボコってしまう2 けど相手が若手最強の迷惑系配信者だったらしくアホ程バズって伝説になってますわ!?
前巻までのあらすじ
単独で下層攻略していたフォロワー3人の泡沫配信者の山田カリンは、下層上部で爆破するとモンスターを誘き寄せる匂いを放つ爆炎石を爆破しようとしている。
迷惑系配信者の影狼を発見。
あまりの危険行為にチョッピリチンピラをはみ出させながら、影狼をボコって爆破を阻止したまでは良かったが。
影狼はカリンの暴行で気絶してしまい、彼を放置するわけにはいかずに地上まで連れ帰った。
その一部始終を影狼とカリンの配信カメラが中継しており、カリンは「チンピラお嬢様」としてバズってしまった。
このまま勢いを止めないため、親友の真冬の勧めもあり、雑談配信で影狼とのトラブルを報告し、翌日にはダンジョンでの生配信を行った。
そこで発覚するカリンの異常行動。
お紅茶片手に上層、中層をタイムアタックかと思う程の速さでクリア。
緊張のあまりお紅茶を飲み切ってしまい、下層からお紅茶無しで下層一層目のボスを撃破。
その次の層で特殊個体の深層のモンスター、ワイアットワームを必殺技”フィストフ●ック”で撃破する。
そして、山田カリンの新たなるあだ名”フィストフ●ック”お嬢様が爆誕する。
カクヨムの20話から引用すると、、
「中層ボスまで紅茶片手にタイムアタック並の速度で攻略」
カクヨム 第20話 掲示板回その3
「有名中層ボス足切り骸骨の未確認特殊行動と未確認ドロップアイテムの存在を明らかに」
「下層ボスの尻尾を掴んで振り回す」
「ダンジョン壁を素手で破壊」
「強化種疑惑のある深層モンスター討伐」
感想
ダンジョンアタックから1週間経ち、有名になったカリンお嬢様。
だが、通りすがりの女子高生達がカリンお嬢様の事を”フィストフ●ックお嬢様”と呼んでいたのを聞いて親友の真冬に泣きつく。
髪型がおとなしくなった事を喜んだカリンお嬢様の担任の先生は、本人の目の前でフィストフ●ックお嬢様と書いてるツブヤイターをリツイートする。
そんな不名誉な称号を血で血を洗うように別の称号にしようと(無自覚)カリンお嬢様は、配信を続けるようと踏ん張り。
雑談配信でカリンお嬢様は、自身のフリフリドレスの素材はダンジョンのモンスターの物で、機能は姿を変更できる物であり。
普段は上層、中層はフリフリドレスの機能で普通の探査者のような変装して通過するらしい。
そんな高機能なドレスを苦学生であるカリンお嬢様は支払えるのかと聞かれると、お嬢様は自作してると言う。
彼女のユニークスキルは”神匠”と呼ばれるスキルだったが、下層のモンスター素材でしか加工出来ないハズレスキルだと呼ばれていた、、
彼女はそのスキルを使って雑談配信用のソファーを作ると言って雑談配信を終える。
そして翌日。
カリンお嬢様は、ダンジョンの中でモンスターをワンパンで倒しアイテムを回収し。
未成年はアイテムの持ち出しが出来ないので、法の隙間を突いて、ダンジョン内でやれば良いじゃないかと「ですわ!ですわ!トンテンカン♪」と加工して「ボフン!」とアイテムを作成する。
接近してくるモンスターは、ダンジョンに吸収される前のモンスターの遺骸を加工して指弾で撃退していた。
そんな蛮族お嬢様がDYIするシーンが配信に流れ唖然とする視聴者達。
それに驚いていた視聴者達はどうやってソファーを持って帰るのかと聞くと、カリンお嬢様は自身しか使えないが、アイテムボックスを出して来た。
以前、アイテムボックスの素材になるかもしれない素材が100億以上で売れたと噂されるアイテムボックス。。
その完成形の物をシレっと出したカリンお嬢様。
その時、世界は彼女のユニークスキル”神匠”に戦慄した。
後日、彼女のアイテムボックスをギルドの職員が聴き取りをするのだが、、、
元公安職員の真冬がカリンお嬢様を回収して行った。
カリンお嬢様と会話して疲労困憊した職員さんを残して。
そして、翌週。
カリンお嬢様のチャンネルが収益化したと報告する配信。
“【収益化記念!】山田カリンのおしとやか雑談生配信”をすると、、
彼女の貧相な食生活が垣間見えた。
それに危機感を持った視聴者達は、収益化した事を良いことにカリンお嬢様にスパチャを貢ぐ。
それに動揺するカリンお嬢様。
俗に言う赤スパ祭りが始まる。
「それにこの世には初の赤スパ祭りで取り乱す配信者様からしか摂取できない栄養がございますし……」「グヘヘ……これだから初々しい配信者に高額スパチャねじ込むのはやめられねえぜ。……マジでいっぱい食べてください」
などのコメントと共に。
そんな中「ダンジョンアライブ」の原作者”もちもちたまご”先生が最高額の赤スパ(約60万)を入れながらカリンお嬢様へイラストを贈る。
その挿絵がコレ↓
永遠の推しと、まさかのコラボ✨#お嬢様バズ pic.twitter.com/UjYCG5kmIE
— ガガガ岩浅 (@kiwaasa_gagaga) March 15, 2024
セツナお嬢様に認められた者に贈られる髪飾りを直接付けてもらうシーン。
それを見て、お嬢様がお産まれになっておりますわ。
その後、感動のあまり号泣するカリンお嬢様に視聴者はホッコリして終わる。
ちなみにこの時の赤スパ祭りでカリンお嬢様は、4千万円を稼いで再度ノックダウンしてしまう。
コレを視聴者は〝スパチャ四千万と原作者ファンアートのダブルパンチでノックダウン”とコメントした。
気が付いた、カリンお嬢様は動揺して真冬へ相談するが。
そんなの序の口だと彼女に教えられる。
その後、収益化記念のダンジョン生配信を行うのだが、目的はもちもちたまご先生から贈ってもらったファンアートで、セツナお嬢様から贈られた髪飾りを創るため。
ジュエルタートルを乱獲。
その後に「ですわ!ですわ!トンテンカン♪」と髪飾りを完成させ、配信を覗きに来た、もちもちたまご先生も完成度が高いとお墨付きを与える素晴らしい髪飾りを作った。
そうして、キリ良く配信を終えようとしたら、、
前巻のエピローグでカリンお嬢様の強さの秘密を探っていたお吐瀉物様(影狼)が現れ。
カリンお嬢様に決闘を申し込むのだが、、、
カリンお嬢様は、お吐瀉物様(影狼)のお顔を覚えていなかった。
ボコボコにした時は顔がパンパンに腫れており、平常の彼の顔を知らなかったらしい。
そんなナチュラル煽りをしたカリンお嬢様はお吐瀉物様(影狼)との決闘を受け。
お吐瀉物様(影狼)はカリンお嬢様はユニークスキル”神匠”で作成したアイテムで実力をブーストしていると看破したと言って、魔道具を封印するアイテムを発動させ。
カリンお嬢様の御髪の色が金髪から黒髪へと変えてしまう。
そして、お吐瀉物様(影狼)のユニークスキル
ラビットファイアを発動して、スピードに乗った攻撃をしようとしたのだが、、、
ナチュラルに強いカリンお嬢様のカウンターパンチをくらいお吐瀉物様(影狼)はワンパンでノックダウンしてしまう。
あれだけドヤ顔でカリンお嬢様の強さの秘密を豪語していたのだが、彼の考察は完全に外れてしまった。
それでも引くに引けないお吐瀉物(影狼)様は、致命的な事を言おうとしたら。
突如ダンジョン崩壊が起こり、地上にモンスターが氾濫して来た。
このままでは多くの人が氾濫して出てきたモンスターに蹂躙されてしまう。
モンスターに対抗できるのはカリンお嬢様のみ。
圧倒的に手数が足りないカリンお嬢様は、お吐瀉物(影狼)様が使用した魔法具の封印は発動中。
お陰でアイテムボックスは使えなかったが、応用を駆使してお口から、神匠で作成したオユウガトリングを駆使して湧き出たモンスターを全部倒してしまう。
その後に出てきた深層のボスモンスター、暴風ドラゴンが現れたが、、
カリンお嬢様は、ロボットアームにパイルバンカーを装備して突貫。
危なげなく勝利して騒動は終わる。
(左下)オユウガトリング乱射(右下も)オユウガトリング乱射、さらにパイルバンカーも装備
🏆カクヨム年間ランキング1位❗️
— ガガガ岩浅 (@kiwaasa_gagaga) March 17, 2024
🏆アクスタ特典、二次受注まで完売❗️
🏆さて、次の伝説は……?
いま一番面白い配信もの(岩浅基準)、#お嬢様バズ 2巻本日発売です!🌿
読めば必ず、カリンお嬢様から目が離せなくなる!🫵
激推しです🔥🔥🔥 pic.twitter.com/wxcTIKScuf
この時にカリンお嬢様は自身の配信は切っていたが、お吐瀉物様の配信は中継しており。
お口からガトリング砲を出すシーンがくり抜かれてしまった。
それに産声と同じ悲鳴をあげる。
そうして、偉業を達成したカリンお嬢様は、色々と忙しくして数日ぶりに生配信をしたのだが、、
彼女に感謝している人々から赤スパ祭りが勃発して総額3億円となってしまう。
再度、産声のような悲鳴をあげて今巻は終わる。
外伝
公安警察は、公共の安全と秩序を維持するため、国家体制を脅かす事案に対応する警察の特殊な部隊である。
秘匿性が高く、時には非合法な手段を用いることもあった。
ダンジョンの出現により、異常な力を持つ人物の監視や反政府組織への潜入など、表沙汰にできない業務が増加。
特に、才能のある孤児を英才教育して優秀な人材に育てる活動が秘匿されており。
佐々木真冬はそのような環境で育ち、歴代最優秀の成績を修めた秘匿公安警察として活動していたが、ダンジョンでの事故により重傷を負い、長時間の戦闘が不可能になってしまった。
高い戦闘力を短時間ながら発揮できるものの、公安警察としての活動はほぼ不可能になり、普通の公立中学への転校が決定する。
その選択は、現役時代の功績を考慮しての特例的な措置であった。
真冬は公安警察としての人生を引退し、一般人として新たな人生を歩み始めることになる。
転校初日、真冬は特別な感情なしに新しい生活を始まった。
公安の仕事に強い誇りを持っていたわけではないが、自分の才能を発揮する場を失ったむなしさを感じていた。
新しい環境での変化を望んでいたが、転校した中学校は平凡そのもので、劇的な変化はなかった。
しかし、その教室には普通とは異なる存在がいた。
遅刻して駆け込んできた山田カリンという少女であった。
彼女の奇妙な行動と見た目に真冬は困惑し、クラスメイトたちの反応は慣れてるせいか冷静だった。
カリンとの最初の接触は、真冬のこれまでの冷めた気持ちを少し動かしたようだった。
真冬が新しい生活を始めてから数日後、彼女の山田カリンに対する印象は「なんだこいつ」というものであった。
カリンは常にお嬢様口調で話し、アニメのお嬢様キャラに憧れているようだが、その振る舞いはしばしば矛盾していた。
そんな性格だから、クラス内で孤立していると思いきや、じゃんけんで勝利し続けるなど、他のクラスメートからは受け入れられているようだった。
しかし、特定のグループに属しているわけではなく、放課後はダンジョン攻略に夢中で、他人と遊ぶことは少なかった。
真冬はカリンを「騒がしい問題児」「珍獣」と捉え、苦手意識を持っていた。
カリンもまた真冬との相性の悪さを察しているらしく、直接的な関わりは避けていたが、真冬の予想はすぐに覆されることになる。
その日、真冬は職員室での用事や先生の配信機材の技術的なトラブルの解決に時間を取られた後、人がいなくなった教室で帰り支度をしていたら。
山田カリンが突然現れ、ダンジョン配信者デビューの準備に関して真冬に助けを求めた。
カリンは機械に詳しくなく、資金も限られているため機材選びや初期設定で失敗する余裕がなかった。
真冬は最初、カリンの依頼を拒否したが、カリンの熱意と必死の頼みに渋々と彼女のダンジョン配信者としての夢をサポートすることに同意した。
そして、交換条件に真冬のやりたい事探しに協力する事となる。
夏休みを迎えた週末、二人は真冬のやりたいことを探しをすることになった。
二人はやりたいことを探すために多くの場所に出かけたが、カリンはただの学生で家庭の事情で金銭的に余裕がなかったため、行動範囲に制限があった。
それでも夏休みの東京都内で、無料のイベントやワークショップなど様々な場所へ行くことができた。
しかし、カリンとの時間は予想外の出来事が多く、コンサートで寝たり、水族館で刺身を想像したりとトンチキな場面が多発。
同人誌イベントでは、制服を着たまま不適切なエリアに迷い込んでしまうなど、カリンの奇妙な行動に真冬は振り回された。
さらに、動物と触れ合える場所で老婆から餌を貰ってしまうなどの交流もあった。
最初は互いに合わないと思っていたが、真冬はカリンとの交流を通じて、煩わしいと感じることなく、かえって彼女との時間を楽しむようになっていた。
この経験は、彼女にとって暗部とは無縁な初めての夏であり、その時間は嫌いではなかった。
夏休みが始まってから約十日後、真冬はカリンとの日々からやりたいことを見つけることができずにいた。
彼女はカリンと一緒に様々な場所を訪れ、多くの体験をしても、やりたいことが見つからなかったと感じ、カリンにこれ以上の付き合いは不要だと告げた。
真冬は多くの中学生がやりたいことを持っていないと言い、自分一人で探せば良いと述べた。
彼女は夢を追いかけているカリンの時間をこれ以上奪うことは適切ではないと考え、帰り支度を始めた。
しかし、そのとき二人は人々の騒ぐ声と、遠くに見える真っ黒な煙に気付き駆け出していった。
真冬とカリンが火事現場に駆けつけたところ、中規模マンションから炎が上がっており、周囲は野次馬で大騒ぎになっていた。
火事は魔法装備が原因であり、通常よりも早く建物全体に燃え広がっていた。
そんな時に、逃げ遅れた子供がいるという情報を得た二人は、状況を把握し、真冬は元公安の経験を活かして犯人と火災の関連を推測する。
その考察の間に、カリンは危険を顧みず火事の中に入っていってしまっていた。
カリンは逃げ遅れた子供を救助し、無事に外に出てくることができた。
その功績は周囲から賞賛されるが、彼女の髪は火の粉で一部焼け、10円ハゲ状態となっており。
煤で汚れた顔と合わせて非常に慌ており。
真冬はこの状況を見て笑いをこらえるが、カリンはその場から急いで逃げ出した。
真冬は久しぶりに笑ったことを感じつつ、カリンと一緒に現場を離れて行った。
火災現場から離れた後、真冬はカリンに危険な行動について問いかけ、その動機を探った。
カリンは小学生の頃に両親を失い、アニメキャラクターに憧れることで前を向くきっかけを得たと語った。
彼女の夢はそのキャラクター、セツナ様のようにダンジョン攻略を通じて多くの人を楽しませることだった。
真冬はカリンの純粋な夢に驚きながらも、彼女の配信活動を支援することを決める。
二人は友人としてこれからも協力し合うことを誓い、配信の準備を進めることになった。
翌日、真冬とカリンは選定した機材のチェックとダンジョンでの配信のテストを行うため、近隣のダンジョンへ行った。
カリンは初めてのダンジョン配信の準備に元気いっぱいで、真冬は安全面でのアドバイスをしながらカリンの様子を遠くから見守った。
テスト配信では、カリンが驚異的な戦闘力を発揮し、中層モンスターを素手で瞬時に倒す様子が映し出された。
これに真冬は衝撃を受ける。
更に、カリンは自作のフリフリドレスを着ており、その非現実的な格好にも真冬は驚かされた。
カリンが「神匠」というユニークスキルを持っていることが明らかになり、真冬はそのスキルを活かす方法を提案する。
これが世界を震撼させるバケモノを産み出す事になるとは知らずに。
カリンは提案に興奮し、その方法を試すために再びダンジョンへ向かった。
真冬はカリンの突然の力の発揮とその後の行動に混乱しつつ、彼女のこれからの活躍を見守ることになる。
カリンとのダンジョン機材チェックから十日後、真冬はカリンが異常なほどの戦闘力を持つ国家最強級の探索者と同等、またはそれ以上であることに気づく。
カリンは〈神匠〉というユニークスキルを持ち、それを活かし、自作の魔法装備を完成させていた。
この装備は変身魔法効果を持ち、カリンを完璧なお嬢様の姿に変えるものであった。
真冬はカリンのこの十日間のダンジョン攻略の録画を見せてもらい、その内容からカリンが人間離れした強さを持つことを改めて実感する。
カリンのレベルは、自作の鑑定アイテムで計測されたら異常なほど高かった。
カリンは自身の強さに気づいておらず、アニメのように同世代の探索者と共にダンジョンを攻略することを夢見ていた。
一方で真冬は、カリンが公開する実力を適切に誘導し、彼女が配信者としてどの程度注目されるかを見守ることに決めた。
真冬はカリンの夢を支持し、彼女が夢に向かって前進できるようにサポートすることを自身の目標とする。
カリンと真冬は高校に進学し、行動を共にする機会が増えた。
真冬は配信が上手くいかないカリンを支え、適度にアドバイスをしていた。
一年後、カリンは配信を切り忘れた状態で迷惑系配信者を退治し、その様子が大きくバズり。
真冬はカリンの非常識な強さが公になることへの不安を抱えながらも、カリンがついに夢のスタートラインに立ったことを素直に祝福する。
親友の成功を喜びながらも、カリンがこれからどうなるかについて複雑な心境を抱える真冬は、カリンが配信での行動をやり過ぎないよう注意喚起する準備をする。
カリン視点
カリンは、真冬に自分が作った〈神匠〉のフリフリドレスを披露した後、真冬がこれまで出会った人々の中で最も強い存在だと認識していた。
真冬との友情を大切にし、彼女に多大な支援を受けたことへの感謝しており。
カリンは、真冬とより親しくなるきっかけを探り、彼女が隠している強大な力や事情については詮索しないと決めた。
カリンは、セツナ様のようになりたいという夢を追いかけ。
真冬の怪我を治す方法をダンジョンで見つけ出すことを新たな目標として掲げ、配信デビューの準備と並行してダンジョンでの訓練に励むことに決めた。
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お嬢様バズ1巻レビュー
お嬢様バズまとめ
お嬢様バズ3巻レビュー
考察・解説
配信者としてのバズ
作中において、山田カリンの「配信者としてのバズ」は、初期の「面白おかしい非常識な新人」という枠を完全に超え、国や社会全体を巻き込む「社会現象」へと発展していく過程が描かれている。第2巻における彼女のバズの変遷と影響は以下の通りである。
1. 不名誉なバズの定着と葛藤
最初のバズの余波により、カリンのチャンネルは雑談配信でも同時接続者数(同接)6万人、ダンジョン配信では安定して8万人前後を集める業界トップクラスへと成長した。
- カリンが意図せず叫んでしまった下ネタ由来の愛称「フィストファックお嬢様」が一般の女子高生にまで浸透する事態に陥った。
- 「お優雅なダンジョン攻略」という本来のコンセプトとは違う、間違ったイメージで登録者が増え続けることに強い不満と悩みを感じていた。
- 地道な配信を続けることで印象を上書きしようと奮闘する姿が描かれている。
2. 常識破壊による探索者界隈の激震
彼女のバズは、単なる戦闘力だけでなく「常識の破壊」によってさらなる熱狂を生み出した。
- 雑談配信の中で、彼女が着ているドレスや自室の家具が「ダンジョン下層ボスの素材」であり、それを「ユニークスキル〈神匠〉と通常加工スキル」で自作していることが発覚した。
- 未成年は素材を地上に持ち出せないという法律に対し、「ダンジョン内で家具に加工してから持ち帰る」という合法(脱法)的な抜け道を実演した配信では、同接25万人を記録した。
- 他者が干渉できない「アイテムボックス」まで自作していることが判明し、もし彼女が本気で素材を持ち帰れば鳥取県の税収レベルの経済効果をもたらしかねないとして、探索者界隈やネット民を戦慄させる特大のバズを巻き起こした。
3. 収益化記念の「赤スパ祭り」と原作者降臨
待ちに待った収益化記念配信では、視聴者の同情と原作者の降臨により記録的な数字を叩き出した。
- お祝いの「ご馳走」として質素すぎる食事(もやし炒めと数粒の苺など)を披露したことで、視聴者からの同情と娯楽が入り混じった高額スーパーチャット(赤スパ)の嵐が発生した。
- 彼女が憧れるアニメ『ダンジョンアライブ』の原作者である「もちもちたまご」先生が降臨し、高額スパチャを連発したうえに描き下ろしのコラボイラストを贈呈した。
- この劇的な展開により同接は18万人を超え、たった一回の配信でスパチャ総額が4000万円に達するという大バズを記録した。
4. 災害鎮圧による「英雄」化と異次元の数字
カリンのバズが決定的な社会現象となったのは、渋谷で発生した「ダンジョン崩壊」である。
- 迷惑系配信者・影狼との公開試合(同接21万人)の最中に起きたこの大災害に対し、カリンは体内収納スキルからガトリング砲や超重量級パイルバンカーを取り出した。
- 無数のモンスターや深層ボスの「暴風龍」を単独かつ犠牲者ゼロで討伐した。
- この常軌を逸した怪獣決戦は影狼のカメラを通じて全世界に生中継され、同接は前代未聞の100万人を突破した。
- これによりカリンはネットの話題を独占するだけでなく、TVのニュースでも繰り返し報道される「時の人」「英雄」となった。
5. スパチャの世界記録とイメージの払拭
大災害を鎮圧した数日後に行われたカリンの自宅配信では、これまでの記録をさらに塗り替える結果となった。
- 命を救われた現場の人々やファンたちが大集結し、開始1分で同接30万人に達した。
- 恩返しの「赤スパ」だけでコメント欄が真っ赤に染まり続け、1回の配信でスパチャ総額「3億円」という世界記録級の偉業(令和の三億円事件)を達成した。
- この圧倒的な支持と財力によって、カリンが気にしていた「体の中から武器を吐き出すお優雅でない姿」のイメージもある程度押し流され、チャンネル登録者数はついに500万人を突破した。
このように、第2巻における彼女のバズは、一人の異常な配信者が持つ「強さ」と「真っ直ぐなキャラクター」が、最終的に何百万人もの命と心を動かす巨大なうねりへと変わっていく過程として描かれている。
加工スキルと神匠
作中における「加工スキル」およびユニークスキル「神匠(しんしょう)」は、主人公である山田カリンの非常識な強さと規格外の行動を支える重要な要素として描かれている。
戦闘と加工スキルの両立の異常性
ダンジョンで獲得できるスキルは個人の適性に大きく依存するため、近接職や生産加工職といった偏りが生じる。
- 戦闘系スキルと加工系スキルを両立することは、野球と将棋を同時に極めるようなものとされている。
- 深層モンスターを素手で討伐するほどの戦闘力を持つカリンが、高度な加工スキルまで有していること自体が、探索者の常識を大きく覆す異常な事態とされている。
外れユニーク「神匠」とデメリットの踏み倒し
カリンが持つ神匠は、モンスターの素材を使って強力な装備品やマジックアイテムを作り出せる生産加工系のユニークスキルである。
- このスキルには、下層以降の素材しか加工できない(スキルの熟練度を上げるための練習に莫大な費用や危険が伴う)、製作物は作成者本人しか使えないという強烈な制約がある。
- そのため、世間ではほとんど活用機会のない外れユニークとして扱われている。
- しかしカリンは、下層モンスターを素手で無傷で討伐できる圧倒的な戦闘力を持つため、自力で下層素材を乱獲し、下層素材しか使えないというデメリットを力技で完全に踏み倒している。
ダンジョン内加工と規格外の製作物
未成年の探索者はドロップ素材を無加工で地上に持ち出すことが法律で禁じられているが、カリンは元公安の親友である真冬から教わった、ダンジョン内で加工を済ませて私的利用する分には合法(脱法)という抜け道を実践している。
彼女はこの抜け道と神匠を駆使して、以下のような常軌を逸したアイテムを自作している。
- 擬態ドレス:下層最強級のボスであるヴェノクラゲの素材から作られた、擬態機能と自動修復機能を持つ高性能な魔法装備のドレス。
- アイテムボックス:内部の時間が停止し、大容量かつ本人しか干渉できない収納アイテム。
- 重量級魔法兵装:体内収納スキルから引きずり出される二丁のガトリング砲や、深層ボスを殴り倒すための巨大パイルバンカーといった殲滅兵器。
- 通常家具の製作:神匠を使っている間に通常の加工スキルも習得しており、上層や中層の素材を用いて、高品質なソファなどの家具をダンジョン内で一瞬にして作り出すことすら可能になっている。
まとめ
カリンが加工スキルを持ち、アイテムボックスや強力な兵器まで自作していることが配信で明らかになると、視聴者や探索者界隈は戦慄し、特大のバズを巻き起こした。
- これを受けてネット掲示板などでは神匠のポテンシャルの高さが再評価される機運が高まった。
- しかし、最終的には神匠の真価を発揮するには下層素材を自由に調達できる異常な戦闘力が必要不可欠であると結論づけられた。
- 一般的な加工職人には到底真似できない、カリン限定の無法スキルとして認知されるに至っている。
このように、カリンの持つ加工スキルと神匠は、彼女の規格外の戦闘力と組み合わさることで初めて真価を発揮するものであり、作中の常識を破壊する象徴的な要素として機能している。
アイテムボックスの作成
作中における「アイテムボックス」の作成は、山田カリンの持つ規格外の能力と、世間の常識との圧倒的なズレを象徴するエピソードとして描かれている。
アイテムボックスの公開
カリンがダンジョン内で自作した巨大なソファをどうやって持ち帰るのかと視聴者が疑問に思った際、カリンは懐から手のひらサイズの革袋を取り出した。そして、自分よりはるかに大きなソファを瞬時にその袋へ吸い込ませ、それがユニークスキル〈神匠〉で作った手作りの「アイテムボックス」であることをあっさりと明かした。
性能と〈神匠〉による制限
このアイテムボックスは、容量がそこそこ大きく、内部の時間が流れないという非常に優れた機能を持っている。しかし、〈神匠〉で作成されたため「作成者本人しか使えない」という強烈な制限があり、他の人間が触れようとしても透過してしまう。
カリンの過小評価と「失敗作」扱い
視聴者や探索者界隈にとって、アイテムボックスは過去にダンジョンの奥地で見つかった際に、国が数百億〜数千億円で買い取ったというニュースがあるほどの「激ヤバアイテム」である。ダンジョン関連の法律を専門とする御剣弁護士すら、現行法を超越したアイテムの登場に「見てない」と現実逃避するほどであった。
- アニメ『ダンジョンアライブ』を基準にしているカリンは、アニメのアイテムボックスに比べれば足元にも及ばず、トップクラスの探索者なら普通に持っているレベルだと本気で勘違いしている。
- 当初これを量産して視聴者への抽選プレゼントにしようと考えていたものの、素材となるモンスターが希少で一度しか出会えず、他人が使えない制限も超えられなかったため「失敗作に近い」と評価している。
- 現在では「食べかけのケーキを美味しく保存するのに重宝している」と呑気に語り、視聴者を「そんなプレゼント企画をしたら視聴者同士の殺し合い(バトル・ロワイヤル)が起きる」と戦慄させた。
世間への影響と波紋
アイテムボックスの存在が明らかになったことで、以下のような大きな波紋を呼んだ。
- 探索者組合(ギルド)からの呼び出し:ダンジョン資源の流通や、未成年の素材換金不可という原則を乱しかねないため、カリンは探索者組合から事情聴取を受けた。ギルド側はアイテムボックスの他者使用の可能性を警戒しあらゆる手で確認しようとしたが、カリンは「他人が干渉できる方法がわかれば〈神匠〉の改良のヒントになるから協力してくれるのか」と勘違いし、職員の胃に穴を空けそうになった。
- 「隠し魔法装備」疑惑と影狼の暴走:アイテムボックスほどのトンデモ魔法道具を作れるのなら、カリンは自身の身体能力を強化する強力な魔法装備をドレスの中に大量に隠し持っているに違いないと考察する者が現れた。迷惑系配信者の影狼砕牙もこの考察を信じ込み、魔法装備を無効化する高価な特注アイテムを用意してカリンに公開試合を挑むことになった。しかし、カリンの強さは魔法装備による底上げなどではなかったため、作戦は全く意味を成さず一撃で粉砕される結果となった。
まとめ
このように、アイテムボックスの作成はカリンの非常識な加工技術を証明するとともに、探索者界隈を根底から揺るがす大事件となった。
影狼砕牙との再戦
作中における影狼砕牙(かげろうさいが)との再戦は、彼の異常な執念と見当違いな対策、そして山田カリンの「素の力」の底知れなさが浮き彫りになるエピソードとして描かれている。
再戦のきっかけと影狼の推測
カリンに不意打ちで敗北したと思い込んでいる迷惑系配信者の影狼は、彼女の配信内容から現在地(渋谷ダンジョン)を特定し、生配信を回しながらアポなしで突撃(リア凸)してきた。
- カリンが以前の怪我を謝罪し「お詫びになんでもする」と言ったのを利用し、彼は「正々堂々とした公開試合」を要求した。
- 影狼がここまで自信満々に勝負を挑んだのには理由があった。
- 彼はカリンが規格外のアイテムボックスを自作できることに着目し、彼女の異常な強さの秘密は「ユニークスキル〈神匠〉で自作した強力な魔法装備をドレスの下に大量に隠し持ち、身体能力を底上げしているからだ」と確信していたのである。
影狼の「秘策」と絶対の自信
試合直前、影狼は大金を積んで手に入れた「対象の魔法装備の効果を完全に打ち消す最上級のマジックアイテム」を使用した。
- これによりカリンの着ていたドレスの擬態機能が失われ、彼女の髪色も金髪から黒の地毛へと戻った。
- 影狼はこれでカリンの強化装備をすべて無力化したと勝利を確信した。
- 自身のユニークスキル〈加速する弾丸〉で最大まで加速し、同接21万人の前で全力の突撃を仕掛けた。
残酷な真実と「ワンパン」決着
しかし次の瞬間、影狼は右頬を拳の形に陥没させられ、地面にめり込んでいた。
- カリンは影狼の長い演説が終わるのを待っていただけであり、彼を見下ろして「わたくし、魔法装備を使った力の底上げなんてしてませんわよ?」と無慈悲な真実を告げた。
- カリンの異常な強さは装備によるものではなく、純粋な「素の力」であった。しかも、本気で殴ると殺してしまうため、手加減をして迎え撃った結果であった。
- 億単位の対策アイテムを無駄にしたうえに、完全なステゴロで一撃粉砕(ワンパン)されたこの決着は、カリンと影狼の双方のチャンネルで全世界に生配信され、影狼は「ゲロワンパン」として再び世界中に醜態を晒すことになった。
まとめ
周到なメタ(対策)を張ったにもかかわらず完敗した影狼は、カリンの強さが16歳の少女の素の力であるという現実を受け入れられず錯乱した。
- その直後、渋谷ダンジョンの崩壊という大災害が発生した。
- しかし、自らが手も足も出なかった深層ボス「暴風龍」すらも犠牲者ゼロで単独討伐してのけたカリンの圧倒的な姿を特等席で目撃した影狼は、彼女の強さと覚悟に完全に毒気を抜かれ、「憧れ」を抱いてしまった。
- この出来事をきっかけに、彼は迷惑行為で数字を稼ぐやり方を捨て、「一から鍛え直す」ことを決意した。
- そして後日、どんな手を使っても成り上がろうとする方針が合わなくなったとして、所属していた国内最強クラン「ブラックタイガー」をあっさりと脱退し、新たな道を歩み始めることになった。
渋谷ダンジョン崩壊
作中において「渋谷ダンジョン崩壊」は、第2巻の最大のクライマックスであり、山田カリンが単なる人気配信者から国や社会全体を巻き込む「英雄」へと昇華する決定的な大事件として描かれている。
1. 発生の経緯と絶望的な状況
事の発端は、カリンと影狼砕牙の公開試合の直後である。
- カリンに一撃で敗北し錯乱する影狼に呼応するかのように、ダンジョン周辺の建設禁止エリアの地面が陥没し、大量の魔力とともに本来地上に出るはずのないモンスターたちが溢れ出した。
- 「ダンジョン崩壊」は過去に都市を丸ごと壊滅させた事例もある最悪の災害である。
- それが週末で野次馬も多数集まっていた渋谷のど真ん中で起きたため、現場はパニックに陥り、大惨事になることは避けられないと思われた。
2. カリンの決断と「放送事故」
逃げ惑う人々や重傷を負った影狼にモンスターの凶刃が迫る中、カリンは「目の前の方を見捨てるわけがございませんわ!」「誰か一人でも亡くなれば――それはお優雅ではありませんもの!」と犠牲者ゼロでの完全鎮圧を宣言する。
- 被害を出さずに大量のモンスターを素手で殲滅するのは手数が足りないと判断したカリンは、自身の配信を切断し、絶対にカメラには映したくない「お優雅でない」切り札を解禁した。
- それは、ユニークスキル〈体内収納〉を用いて口の中から引きずり出した、〈神匠〉製の二丁の巨大なガトリング砲であった。
- カリンは膨大な魔力を込めた追尾性の魔力弾を乱射し、一般人を一切巻き込むことなく、第一波のモンスター群を一瞬にして殲滅した。
- しかし彼女は、影狼のカメラが回ったままであり、自分が武器を吐き出す姿が全世界に生中継されていることには全く気づいていなかった。
3. 深層ボス「暴風龍」との怪獣決戦
第一波を凌いだ直後、地面がさらに大きく隆起し、第二波として深層ボス「暴風龍(ストームドラゴン)」が地上に顕現した。
- その圧倒的な魔力と暴風の鎧を前に、影狼をはじめとする実力者たちすら絶望し撤退戦を覚悟した。
- しかしカリンは全く怯むことなく、即殺のためにガトリング砲を捨て、さらに巨大な超重量級魔法兵装「パイルバンカー」を両腕に装備した。
- カリンは暴風龍が放つ巨大な竜巻のブレスに真正面からパイルバンカーで殴りかかって貫通し、そのままゼロ距離で龍の顔面と胴体に最大火力の一撃を叩き込み、見事に深層ボスを単独で討伐してのけた。
4. 英雄的偉業と社会現象
この常軌を逸した「怪獣決戦」は、影狼のカメラを通じて前代未聞の同時接続者数100万人を集めた。
- 週末の都心で起きたダンジョン崩壊を「犠牲者ゼロ」で食い止めたという歴史的偉業はテレビのニュースでも繰り返し報道され、カリンは国中から称賛される「時の人」となった。
- 後日行われた配信では、命を救われた現場の人々や親族などから感謝の高額スーパーチャットが殺到し、1回の配信でスパチャ総額3億円という世界記録級の偉業を達成、チャンネル登録者数も500万人を突破した。
まとめ
一方でカリン本人は、偉業の称賛よりも「口からバカでかい銃を引きずり出すお優雅でない映像」が全世界に拡散されてしまったことに絶望し、学校で奇声を上げてマスコミから逃げ回るという、彼女らしい微笑ましい葛藤も描かれている。このように「渋谷ダンジョン崩壊」は、彼女が国を揺るがす英雄となる一方で、その非常識な一面がさらに広まる象徴的なエピソードとして位置づけられている。
お嬢様バズ1巻レビュー
お嬢様バズまとめ
お嬢様バズ3巻レビュー
登場キャラクター
山田カリン
16歳の女子高校生である。ダンジョン配信者として活動している。アニメキャラクターである鬼龍院セツナに強い憧れを抱く。お嬢様言葉を使い、優雅なダンジョン攻略を目標とする。苦学生であり、資金に余裕がない。佐々木真冬の親友である。
・所属組織、地位や役職
高校生。ダンジョン配信者。個人勢。
・物語内での具体的な行動や成果
ダンジョン内加工という手法でアイテムボックスや家具を作成した。渋谷でのダンジョン崩壊時に逃げ遅れた人々を救出している。深層ボスの暴風龍ストームドラゴンを討伐して事態を収束させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
チャンネル登録者数は数百万人に到達した。渋谷ダンジョン崩壊を鎮圧して時の人となる。収益化を達成し、巨額の投げ銭を受けた。
佐々木真冬
カリンの中学からの同級生である。元公安警察の秘匿メンバーであり、過去には神童と呼ばれていた。ダンジョンで大怪我を負い、実質的に引退して一般の学校に転校した。冷静な性格を持つ。カリンの配信活動を支援している。
・所属組織、地位や役職
高校生。元公安警察。
・物語内での具体的な行動や成果
カリンにダンジョン素材利用の抜け道を教えた。彼女の配信機材の設定を手伝う。また、カリンの食生活の改善を指導した。火災現場では不良探索者を拘束している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
公安警察を引退して普通の学生となった。
担任の女性教師
カリンと真冬のクラスの担任である。カリンのネット上での愛称の拡散を面白がる。
・所属組織、地位や役職
高校の教師。
・物語内での具体的な行動や成果
カリンの愛称が拡散すれば彼女が落ち着くと考え、SNSで情報を広めようとした。その結果、カリンにスマートフォンを没収された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
鬼龍院セツナ
アニメ『ダンジョンアライブ』の登場人物である。カリンの憧れの存在として位置づけられる。
・所属組織、地位や役職
アニメ『ダンジョンアライブ』のキャラクター。
・物語内での具体的な行動や成果
作中での直接の登場は描かれていない。原作者の描き下ろしイラストの中で、カリンに髪飾りを着ける姿が描写された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カリンの活躍により、彼女が登場する作品の人気が再燃した。
御剣弁護士
ダンジョン関連の法律を専門とする弁護士である。カリンの配信の視聴者として登場する。
・所属組織、地位や役職
弁護士。法律系チャンネルの配信者。
・物語内での具体的な行動や成果
カリンが行うダンジョン内加工について、私的利用に限れば合法であると解説した。カリンがアイテムボックスを作成した際は、現行法で対処不能だと困惑している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
もちもちたまご
漫画『ダンジョンアライブ』の原作者である。カリンのファンとして活動する。
・所属組織、地位や役職
漫画家。
・物語内での具体的な行動や成果
カリンの収益化記念配信に高額の投げ銭を送った。カリンとセツナを描き下ろしたコラボイラストを贈呈している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
カリンの影響で作品の人気が急上昇し、新装版の発売が決定した。
公安の女
公安警察の関係者である。真冬の過去を知る人物として描かれる。飄々とした態度をとる。
・所属組織、地位や役職
公安警察。
・物語内での具体的な行動や成果
路地裏で真冬と接触した。カリンの実力やアイテムボックスの件について真冬を問い詰める。真冬にカリンの監視を任せてその場を去った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
年配の学年主任
真冬とカリンが通う学校の教員である。
・所属組織、地位や役職
中学校の学年主任。
・物語内での具体的な行動や成果
ペットカメラの接続不良について真冬に相談した。真冬に問題を解決してもらい喜んでいる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
老婆
公園で動物にエサを与える人物である。カリンと顔見知りとして接する。
・所属組織、地位や役職
一般人。
・物語内での具体的な行動や成果
ベンチに腰掛け、猫や鳩にパンを与えていた。真冬から野生動物にエサをやらないよう注意された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
みっちゃん
マンションの住人の子供の友人である。かくれんぼが得意な性格を持つ。
・所属組織、地位や役職
一般人。子供。
・物語内での具体的な行動や成果
火災が発生したマンションの中に取り残された。その後、カリンによって救出される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
みっちゃんの友達
火災が起きたマンションに住む子供である。みっちゃんと遊んでいた。
・所属組織、地位や役職
一般人。子供。
・物語内での具体的な行動や成果
みっちゃんが火災現場に取り残されたことを周囲の大人たちに伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
マンションの管理人
火災が起きたマンションを管理する人物である。
・所属組織、地位や役職
マンション管理人。
・物語内での具体的な行動や成果
みっちゃんを救出したカリンを引き留めようとした。彼女の名前を聞こうと試みる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
ブラックタイガー
影狼砕牙
迷惑系ダンジョン配信者である。若手最強クラスの探索者として認知されている。傲慢な性格だが、カリンの強さに憧れを抱く。
・所属組織、地位や役職
探索者クラン「ブラックタイガー」の探索者。ダンジョン配信者。
・物語内での具体的な行動や成果
カリンに公開試合を挑んだ。魔法装備を無効化するアイテムを使用したが、カリンの素の力に一撃で敗北する。渋谷ダンジョン崩壊の際、カリンに助けられた。カリンの戦いを見て一から鍛え直すことを決意している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
物語の終盤で、所属していたブラックタイガーを脱退した。
黒井腹満
国内最強の探索者クランのトップである。政治的影響力を持つ。
・所属組織、地位や役職
探索者クラン「ブラックタイガー」のクランマスター。
・物語内での具体的な行動や成果
影狼のクラン脱退を責めた。カリンを異常な存在と認識し、彼女を潰すための策を巡らせる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化はない。
お嬢様バズ1巻レビュー
お嬢様バズまとめ
お嬢様バズ3巻レビュー
展開まとめ
第1話 新たな日常
深層イレギュラー討伐後の変化
深層イレギュラーを討伐した配信以降、カリンの周囲は大きく変化していた。
特に配信翌日は騒動となり、登校したカリンは大勢の生徒に囲まれた。女子からは握手、男子からはサインを求められ、始業に影響が出そうなほどだった。カリンは事前に用意していたサインと探索者としての速度を活かして対応したものの、慣れない人気によって大きく疲弊し、その日は配信する気力すら失っていた。
また、SNSには全国の大手クランや配信事務所から勧誘が殺到し、対応しきれなくなったためダイレクトメッセージを閉鎖した。さらに、影狼の件で証言を軽視した守衛たちから正式な謝罪も届き、カリンは配信内で気にしていないことと感謝の気持ちを伝えていた。
広がる人気と消えない愛称
登校中、カリンは自分の動画を見ながら話す女子生徒たちの会話を耳にした。
自分の活躍が話題になっていることに喜びを感じていたが、その直後にフィストファックお嬢様という愛称で呼ばれていることを知り、大きな衝撃を受けた。
深層モンスター討伐時の失言が一週間経っても広く浸透している現実に絶望したカリンは、自分だと気付かれないよう髪型を変え、その場から逃げ出した。
学校で続くフィストファック騒動
学校に到着したカリンは真冬に泣きつき、愛称の拡散が止まらないことを訴えた。
しかし真冬は有名税のようなものだと受け流し、クラスメイトたちも面白がるばかりだった。さらに担任教師まで、その呼び名の拡散によってカリンが少し落ち着くかもしれないと考え、再び広めようとしたため、カリンは悲鳴を上げながら教師のスマートフォンを没収した。
こうして学校でも愛称は半ば定着しており、カリンの悩みは深まるばかりだった。
登録者増加と新たな悩み
休憩時間、カリンは改めて真冬に相談した。
チャンネル登録者数は百五十万人を突破しており、深層イレギュラー討伐の影響で視聴者は増え続けていた。多くの視聴者がお優雅なダンジョン攻略に惹かれて登録していた一方で、フィストファック騒動から流入した者も少なくなかった。
カリンは、お優雅なダンジョン攻略という本来のコンセプトと視聴者の認識がずれてしまうことを懸念していた。登録者数の増加は喜ばしい反面、間違ったイメージで知られる状況には強い不満を抱いていた。
雑談配信への挑戦
真冬は、変なイメージを払拭したいなら地道に配信を続けるしかないと助言した。
カリンもそれに納得し、自分がお優雅な姿を見せ続ければ印象は自然と変わっていくはずだと考えた。
また、真冬からは視聴者の急増による疲労やマンネリ化を防ぐため、ダンジョン攻略以外の配信も行うべきだと勧められていた。
そのためカリンは、この日はダンジョン配信ではなく自室からの雑談配信を行うことを決めた。しかし、その配信が別の大騒動へ発展することを、この時のカリンはまだ知らなかった。
第2話 ドレスの秘密
雑談配信の開始
カリンは自室から雑談配信を開始した。
深層モンスター討伐から一週間が経過していたが人気は衰えておらず、配信開始直後から大量の視聴者が集まり、同時接続数は瞬く間に増加した。ダンジョン配信ではない自宅配信にもかかわらず高い同接を維持しており、カリンは改めて自身の人気の大きさを実感していた。
その後カリンは、事前に告知していた通り、コメントやSNSの質問に答える雑談配信を進めていった。
クラン勧誘への回答
配信中、クランへの所属予定について質問が寄せられた。
カリンは鬼龍院セツナに倣い、当面はどのクランにも所属するつもりはないと説明した。自分はまだ未熟であり、ダンジョン攻略中に紅茶を切らしてしまう現状では理想とするセツナには及ばないと考えていたためである。
視聴者たちはさらなる高みを目指そうとするカリンの向上心に驚きながらも、その姿勢を称賛していた。
コスプレ許可と過去の思い出
視聴者からカリンのコスプレをしてもよいかという質問が寄せられた。
カリンは快く許可し、自身もかつて鬼龍院セツナのコスプレ衣装を手作りしていたことを明かした。そして当時撮影した写真を公開し、視聴者たちを驚かせた。
公開された写真からはセツナへの強い憧れと衣装製作の技術が伝わり、視聴者たちはカリンの意外な一面に感心していた。
ドレスの正体が判明
続いて視聴者から、普段着用しているドレスの素材について質問が寄せられた。
カリンは、そのドレスが下層ボスであるヴェノクラゲの素材から作られていると説明した。この発言に視聴者たちは騒然となり、下層最強級のボス素材を使った高級装備であることに驚愕した。
さらに、そのドレスにはヴェノクラゲ由来の擬態能力が残されていることも明かされた。
擬態能力の公開
カリンはドレスに魔力を流し込み、その能力を実演した。
するとドレスは普通の戦闘衣へと変化し、髪色まで変わったことで印象が大きく変化した。これまでカリンは身元が知られることを避けるため、この能力を利用して上層や中層では一般探索者に擬態して活動していたのである。
視聴者たちは、これまで見かけていても気付かなかった可能性に戦慄し、ダンジョン内での遭遇を想像して大いに盛り上がった。
ドレス製作者の告白
ドレスの性能や素材に驚いた視聴者たちは、その価値について次々と質問した。
下層ボス素材を用いた高性能な魔法装備は極めて高額であるはずだと考えられていたが、カリンは当然のように料金はかかっていないと答えた。
そして、そのドレスは自分自身で製作したものであると明かし、視聴者たちをさらに驚愕させた。
第3話 カリンお嬢様のユニークスキル
雑談配信で明かされた加工技術
魔法装備と家具の自作発言
視聴者からドレスについて質問を受けたカリンは、そのドレスを自身の加工スキルで製作したと明かした。
さらにドレスだけでなく、自室に並ぶ家具やティーカップまでもモンスター素材を使って自作した品であると説明したため、コメント欄は騒然となった。視聴者たちは圧倒的な戦闘能力を持つカリンが加工技術まで有している事実に混乱し、情報量の多さに理解が追いつかなくなっていた。
ユニークスキル〈神匠〉の公開
下層ボス素材を加工できる理由を問われたカリンは、自身が〈神匠〉というユニークスキルを持っていると明かした。
〈神匠〉はモンスター素材から特殊な装備やマジックアイテムを製作できる生産加工系のユニークスキルであり、その能力によって下層素材からドレスを製作したのである。
視聴者たちは、戦闘系ユニークスキルを予想していたため、まさか加工系ユニークスキルの保持者だったことに大きな衝撃を受けていた。
外れユニークと呼ばれる理由
カリンは〈神匠〉について便利ではあるものの使い勝手は良くないと説明した。
製作した装備は本人しか使用できず、下層素材は扱える一方で上層や中層の手頃な素材を加工できないなどの制約があるためである。
世間でも〈神匠〉は外れユニークとして知られていたが、視聴者たちは深層モンスターを無傷で討伐する戦闘力を持つカリンにとっては、その欠点がほとんど問題になっていないことに気付き、さらに驚愕していた。
通常加工スキルの存在
家具やティーカップについて問われたカリンは、それらは〈神匠〉ではなく、そこから派生した通常の加工スキルで製作したと説明した。
家具や調度品には上層や中層素材の方が適しているためである。
戦闘能力と加工技術は本来両立が難しいとされていたため、視聴者たちは高い戦闘力に加えて高度な加工技術まで持つカリンに強い衝撃を受けていた。
次回配信の決定
加工技術に対する視聴者たちの半信半疑な反応を見たカリンは、自身の言葉だけでは信じてもらいにくいと判断した。
そこで百聞は一見にしかずとして、次回の配信では実際に素材を入手し、家具を製作するまでの過程を公開すると宣言した。
こうして次回は、これまでとは異なる家具製作配信が行われることになり、その日の雑談配信は終了した。
素材入手方法への疑問
カリンの雑談配信終了後、視聴者たちは翌日の家具製作配信について議論を始めた。
未成年はダンジョン素材の持ち出しが禁止されているため、カリンがどのように製作素材を用意するつもりなのかという疑問が持ち上がった。金銭的に余裕があるようにも見えず、素材を購入するのも難しいのではないかと考えられていた。
ドレス素材への疑念
議論はカリンが着用しているドレスにも及んだ。
ドレスは自身で製作したと語っていたものの、そもそもの素材をどのように入手したのかという疑問が浮上した。一部では素材を不正に持ち出している可能性まで話題に上がったが、多くの利用者はカリンがそこまで無謀な行動を取るとは考えていなかった。
しかしフィストファックお嬢様という異名を引き合いに出されると、その反論も勢いを失っていた。
規則を守っているという認識
利用者たちは、カリンが過去の配信で足切り骸骨の希少ドロップを規則通り放棄していたことを思い出した。
そのため未成年の素材持ち出し禁止規定も当然理解しているはずだと考えられ、不正な持ち出し説には否定的な意見が多かった。
翌日の配信への期待
素材購入説や素材の余剰在庫説など様々な推測が語られたが、どれも決定的な説明にはならなかった。
カリンは高価な素材を大量購入するような性格にも見えず、下層ボス素材を容易に入手できるとも思えなかったためである。
結局、利用者たちは答えを出せないまま、真相は翌日の配信で明らかになるだろうと考え、その日を待つことにした。
第4話 加工スキル配信開始
加工配信の開始
翌日、カリンは学校を終えると都内のダンジョン中層から配信を開始した。
前日に予告した加工スキルのお披露目配信であり、新しいソファを作るための素材集めから始めると説明した。しかし未成年はドロップアイテムを持ち出せないはずであるため、視聴者たちは素材をどう扱うのか疑問を抱いた。
カリンはその問題には抜け道があると意味深な発言をしつつ、詳細は後で説明すると告げて素材集めを開始した。
素材集めに熱中するカリン
加工スキル持ちであることが広く知れ渡った影響もあり、配信には大量の視聴者が集まっていた。
カリンはダンジョンブルやスプリングホッパー、シープスキラーなど、家具製作に適した素材を持つモンスターを次々と討伐していった。素材の特徴や用途を嬉々として解説する姿からは、戦闘だけでなく加工にも強い関心を持っていることがうかがえた。
視聴者たちは相変わらず無傷でモンスターを殲滅するカリンの戦闘力に驚きながら、その様子を見守っていた。
素手で戦う理由の告白
視聴者から、加工スキルを持ちながらなぜ武器を使わず素手で戦うのかという質問が寄せられた。
カリンは探索者になった当初、武器を買うお金がなく、最初は拾ったバットで戦っていたと語った。しかしバットは壊れやすく、試しに素手で戦ってみたところ、自分の拳の方が丈夫で壊れても治るため都合が良かったという。
さらに憧れの鬼龍院セツナも基本的に素手で戦っていたため、その戦闘スタイルに強く影響を受けたことも明かした。
苦学生疑惑と制度への議論
カリンの発言から、視聴者たちは改めて彼女の金銭事情に注目した。
初心者用の武器すら購入できなかった過去や、これまで語られてきた生活状況から、苦学生説が再び話題になったのである。
その流れで未成年による素材換金禁止制度についても議論が起こった。制度を緩和すべきという意見も出たが、貧困家庭の子供が危険なダンジョン探索を強いられる可能性があるため、現状の規制には一定の理由があると考えられていた。
ダンジョン内加工の開始
素材集めを終えたカリンは、十分な量が確保できたことを確認した。
そして未成年である自分はドロップアイテムを無加工のまま持ち出せないため、ダンジョン内で加工を行うと説明した。
そのまま中層に存在する水場へ移動すると、集めた素材を広げ、まずはシープスキラーの毛の毒抜き作業から始めた。
こうして視聴者たちが疑問に思っていた抜け道の正体が、ダンジョン内で素材を加工する方法であることが明らかになった。
第5話 法律にも穴はある
ダンジョン内加工という抜け道
カリンがダンジョン内で素材を加工すると宣言すると、視聴者たちは大きな混乱に包まれた。
未成年による素材持ち出しは禁止されているため、その方法が本当に合法なのか疑問視する声が相次いだ。しかしカリンは、素材を装備品や家具へ加工してから持ち出すのであれば問題ないと説明した。
法律専門家による解説
混乱するコメント欄に、ダンジョン法を専門とする御剣弁護士が現れた。
御剣弁護士は、加工後の品を私的利用する限り違法ではないと説明した。ただし、本来は誰も実行できないと想定されていたため、法の想定外を突いた方法であり、実質的には脱法に近いとも補足した。
さらに、加工品を規制対象にすると未成年探索者が正当に所持する装備まで没収可能になってしまうため、探索者組合が反対し、現在の制度が成立した経緯も語られた。
その結果、視聴者たちは方法自体が合法であることを理解したものの、それを実際に実行できるカリンの存在に改めて驚いていた。
加工中のモンスター襲撃
合法性への議論が続く中、ダンジョン内で加工を行う以上、モンスターの襲撃をどう防ぐのかという新たな問題が浮上した。
実際にモンスターが接近すると、視聴者たちは加工どころではないと考えた。しかしカリンは全く慌てる様子を見せなかった。
骨片による迎撃
カリンは足元に残っていた討伐済みモンスターの骨を拾い上げ、適当な大きさに砕いた。
そしてその骨片を指で弾き飛ばすと、弾丸のような速度で飛んだ骨片が襲いかかってきたモンスターの頭部を遠距離から吹き飛ばした。
加工作業を続けながら片手間にモンスターを撃退する姿に、視聴者たちは再び常識外れの実力を見せつけられることになった。
第6話 山田カリンの加工スキル
骨片を利用した安全な素材加工
カリンは、加工途中の素材を傷つけずに作業するため、討伐したモンスターの骨を砕いて弾丸代わりに使用していた。遠距離から接近するモンスターの頭部を骨片で撃ち抜き、素材の下処理を続行した。
さらに足元の死体がダンジョンに吸収される前に新たなモンスターを倒して骨を補充しながら、効率よく作業を進めていた。その常識外れの方法に視聴者たちは驚愕しつつも盛り上がっていた。
親友が教えた法律の抜け道
御剣弁護士から、未成年でありながらダンジョン素材を利用する方法をどう知ったのか質問されると、カリンは親友から教わったと明かした。
その親友は、未成年でも加工スキルを活用できる方法を考え出した人物であり、配信活動の開始にも大きく貢献していた。カリンは親友との思い出を楽しそうに語り、視聴者たちはその有能さに感心していた。
素材の下処理完了
カリンはシープスキラーの毛やスプリングホッパーの尾などの下処理を手際よく進めた。
視聴者たちが会話に気を取られている間に大量の素材の処理を終えており、その器用さと作業速度に驚きの声が上がっていた。
加工スキルによるソファ製作
下処理を終えたカリンは素材を一か所に集め、大量の魔力を込めて加工スキルを発動した。
すると、軽快なリズムとともに素材が煙に包まれ、その直後には革張りの高級ソファが完成していた。工程らしい工程が見えないまま完成品が出現したため、視聴者たちは困惑した。
カリンは加工スキルとはこういうものだと説明したが、加工スキルを持つ探索者たちからも、普通はここまで極端ではないとの指摘が相次いだ。
規格外の加工能力への驚愕
カリンは、昔はもっと時間がかかっていたものの、作り続けるうちに作業速度が向上して現在の形になったと語った。
しかし視聴者たちは、それが一般的な加工スキルの範囲を大きく超えていると認識していた。戦闘能力だけでなく加工技術まで最高水準に達している可能性が示され、探索者界隈は大きな衝撃を受けていた。
その話題はSNSでも急速に拡散され、配信の同時視聴者数は十二万人を突破した。
新たな疑問の発生
完成したソファに満足したカリンは、あとは持ち帰るだけだと語った。
しかし視聴者の一人が、大型のソファを持ち帰るなら目立つはずなのに、これまで作った家具が話題になっていなかったのはなぜかと疑問を投げかけた。
その何気ない疑問が、新たな騒動のきっかけとなったのであった。
第7話 山田カリンの失敗作
アイテムボックスの公開
視聴者たちは、ダンジョン内で作成した大型家具をカリンがどのように持ち帰っていたのか疑問を抱いた。家具を運搬していれば目立つはずであり、これまで話題にならなかった理由がわからなかったのである。
その疑問に対し、カリンは小さな革袋を取り出した。そして完成したソファを袋に向けると、巨大なソファは一瞬で吸い込まれた。驚愕する視聴者たちに対し、カリンはそれが〈神匠〉で作成した手作りのアイテムボックスであると明かした。
常識を覆す性能
アイテムボックスの存在が明らかになると、コメント欄は騒然となった。
カリンは、このアイテムボックスには十分な容量があり内部では時間も停止していると説明した。しかし〈神匠〉で作ったものは作成者本人しか使用できず、他人は触れることすらできないため、自身では失敗作だと考えていた。
その説明を受けた視聴者たちは、さらに驚きを深めていた。
量産できなかった理由
カリンは過去に、アイテムボックスを量産して視聴者への抽選プレゼントに利用しようと考えたことがあったと語った。
しかし素材となった希少モンスターには一度しか遭遇しておらず、さらに〈神匠〉の他者使用不可という制限も克服できなかったため断念したのである。
カリン自身は失敗作と評価していたが、視聴者たちはそれだけで世界を揺るがしかねない代物だと受け止めていた。
認識のずれ
カリンはアニメで見たアイテムボックスに比べれば性能は遠く及ばず、トップクラスの探索者から見れば大したものではないだろうと語った。
しかし視聴者たちは、その認識は完全に誤っていると考えていた。ネット上の情報を信用しなくなった結果、カリンが常識から大きく外れた判断をしているのではないかという声も上がっていた。
さらにアイテムボックスがトレンド一位となり、御剣弁護士までもが現行法では対処不能な危険な代物だとして困惑していた。
希少素材への関心
視聴者たちは、アイテムボックスの素材となったモンスターについて質問した。
カリンは、一度しか遭遇していないため記憶は曖昧だが、大きくて強いモンスターだったと説明した。その言葉から、視聴者たちは深層級のモンスターではないかと推測したものの、確証は得られなかった。
そのため、カリンが他にも同等のマジックアイテムを所持しているのではないかという不安や疑問が広がっていた。
配信の成功と影響
カリンは、アイテムボックスが食べかけのケーキを保存するのに便利だと語りながら、新しく作ったソファを収納して帰還した。
この配信は大きな反響を呼び、フィストファック由来のイメージを完全ではないものの薄めることに成功した。配信は二十五万人の同時視聴者を記録し、切り抜き動画も数百万再生を達成した。さらにトレンド上位はカリン関連の話題で埋まり、チャンネル登録者数も百八十万人まで増加した。
影狼が見出した糸口
配信の裏では、カリンの強さの秘密を探り続けていた影狼が映像を視聴していた。
影狼は内容に愕然としながらも、何らかの糸口を見つけたかのように鋭い視線を向けていた。
カリンお嬢様の影響力と評価
加工スキルとアイテムボックスへの衝撃
掲示板では、カリンが加工スキルを持ち、ダンジョン内加工やアイテムボックス作成まで実現したことに大きな衝撃が広がっていた。
多くの利用者は、これほどの実力者が長期間注目されずに活動していたこと自体を驚きとして受け止めていた。
カリンの実力を巡る議論
利用者たちは、カリンが国内最強クラスの探索者ではないかと議論していた。
一方で、トップ探索者は実力を公開しないことが多く、配信だけで強さを正確に判断することは不可能だという意見も出ていた。そのため、強さの比較は結論が出ないまま続いていた。
また、カリン自身が上位探索者の基準をアニメ作品に置いているため、自分の能力を過小評価しているのではないかとも指摘されていた。
アイテムボックスが持つ価値への驚愕
掲示板では、アイテムボックスの存在が特に危険視されていた。
戦闘能力だけでなく、素材の大量運搬を可能にする能力によって、カリンが継続的に下層の素材を持ち帰れば莫大な価値を生み出せるのではないかという試算まで語られていた。
そのため、未成年探索者の素材換金禁止制度がカリンによって見直される可能性を冗談交じりに語る者もいた。
未成年制度と脱法的活用法
利用者たちは、現行制度では未成年がパーティを組んでも素材換金ができず、成果報酬も受け取れないことを確認していた。
その結果、カリンが行ったダンジョン内加工と私的利用こそが、現状で唯一の合法的な活用手段であるという認識で一致していた。
また、その方法を考案したカリンの親友についても、高度な知識を持つ人物ではないかと話題になっていた。
研究者や探索者たちの反応
カリンが未成年であるため、希少素材や未知のドロップ品を持ち帰れないことに対して、研究者や探索者たちは複雑な感情を抱いていた。
希少な素材や未確認アイテムが目の前にありながら回収できない状況を嘆く声が上がり、探索者たちの間では冗談交じりの議論も続いていた。
『ダンジョンアライブ』人気の再燃
掲示板では、カリンの言動を理解するために、彼女が愛読している『ダンジョンアライブ』を履修する必要があるという話題も盛り上がっていた。
その影響で原作漫画やアニメの人気が急上昇し、各種配信サイトや電子書籍ストアでランキング上位を占める事態となっていた。
さらに原作者にもその現象が伝わり、利用者たちはカリンが作品人気の再燃を引き起こした存在として語っていた。
カリンへの評価
利用者たちは、カリンの行動が常識外れであることを認めながらも、根本的には善良な人物だと評価していた。
しかし同時に、やっていることがあまりにも規格外であるため、その評価に反論できないまま盛り上がり続けていた。
第9話 収益化記念と来訪者
収益化記念配信とアイテムボックス騒動の余波
探索者組合からの呼び出し
加工スキル配信から一週間後、カリンはアイテムボックスの件で探索者組合に呼び出されていた。
組合はダンジョン資源の管理や流通を担う立場から、アイテムボックスの真偽や危険性について確認を行った。聞き取りの中でカリンは、他者使用不能という〈神匠〉の制限を解除する手がかりになるのではないかと期待したが、職員たちは逆に振り回されて疲弊していた。
最終的に聞き取りは途中で終了し、カリンは理由が分からないまま帰宅していた。
収益化達成への喜び
気持ちを切り替えたカリンは、自身のチャンネルが収益化されたことを祝う配信を開始した。
事前告知の効果もあり、多くの視聴者が集まり、配信開始直後から同時接続数は急増していた。カリンは応援してくれた視聴者へ感謝を伝え、収益化達成を心から喜んでいた。
豪華な夕食の披露
カリンは収益化記念として用意した夕食を披露した。
炊きたてのご飯、味噌汁、豚肉ともやしの炒め物、そして苺という内容だったが、本人は普段より大幅に豪華な食事だと満足していた。
しかし視聴者たちは、その献立からカリンの生活が想像以上に質素であることを改めて実感し、苦学生説への確信を深めていた。
赤スパ祭りの発生
食事を始めた直後、高額スーパーチャットが次々と投げ込まれた。
初めての高額投げ銭にカリンは驚き、五万円もの金額がどれほど大きいかを必死に訴えながら、視聴者へ無理な出費をしないよう呼びかけた。
しかし視聴者たちは、これまで楽しませてもらったことへの感謝や、もっと良い食事をしてほしいという思いから投げ銭を続けたため、コメント欄は赤スパで埋め尽くされていった。
混乱するカリン
次々と送られてくる高額スーパーチャットに対し、カリンは完全に混乱していた。
同時接続数が九万人を超えていることも意識できないほど動揺し、真冬へ助けを求めようとするほど追い詰められていた。
原作者からの突然の来訪
そんな混乱の最中、さらに五万円のスーパーチャットが流れた。
その送り主は、『ダンジョンアライブ』の原作漫画を手掛けたもちもちたまごであり、収益化を祝う言葉とともに名乗りを上げた。
その予想外の人物の登場は、混乱していたカリンにさらなる衝撃を与えていた。
第10話 収益化記念とお礼の品
原作者降臨と収益化記念配信の大成功
原作者の高額スパチャ
収益化記念配信中、高額スーパーチャットの嵐に混乱していたカリンは、『ダンジョンアライブ』の原作者を名乗る人物からのスーパーチャットに気付いた。
当初は成りすましを疑う声が多かったが、原作者本人のSNSで配信へのスパチャ投稿が確認され、本物であることが判明した。視聴者たちは驚きと興奮に包まれ、コメント欄は大きな盛り上がりを見せた。
作品への感謝と贈り物
原作者のもちもちたまごは、カリンや視聴者たちが作品やキャラクターを愛してくれたことへの感謝を伝えた。
さらに感謝の気持ちとして高額スパチャを重ねるだけでなく、特別に描き下ろしたイラストも用意していた。原画の郵送まで準備していることを明かし、カリンへ贈り物を届けた。
描き下ろしイラストへの感激
カリンが公開されたイラストを確認すると、そこには『ダンジョンアライブ』の人気キャラクターである鬼龍院セツナとカリンが描かれていた。
セツナがカリンの髪を整え、実力を認めた者だけに贈る髪飾りを身に着けさせている構図だった。憧れのセツナと並ぶ自分の姿を見たカリンは感極まり、涙ながらに感謝を伝えた。
視聴者たちもイラストの完成度や解釈の一致ぶりを称賛し、カリンの反応を温かく見守っていた。
原作者からの助言
喜ぶカリンに対し、もちもちたまごは感謝の言葉を返した。
そのうえで、原作者として最後にアニメと現実は違うため無理をしないでほしいと伝えた。視聴者たちもその忠告に同意し、配信は和やかな雰囲気に包まれた。
加速するスパチャと配信の盛況
感動的なやり取りに触発された視聴者たちは、さらに多くのスーパーチャットを送り始めた。
同時接続数は十五万人を超え、コメント欄は再び高額スパチャで埋め尽くされた。カリンは処理しきれないほどの支援に悲鳴を上げながらも、配信は大成功を収めた。
社会的反響の拡大
配信後、「原作者降臨」や「ダンジョンアライブ」がトレンド入りした。
号泣するカリンの切り抜き動画も大きな注目を集め、雑談配信でありながら同時接続数は十八万人を突破した。『ダンジョンアライブ』の売上はさらに伸び、カリンとセツナを描いたファンアートも急増した。
その影響は作品にも及び、『ダンジョンアライブ』新装版の発売が決定するほどの大きな反響となった。
スパチャ総額に卒倒
配信終了後、カリンは管理画面でスーパーチャットの総額を確認した。
想像をはるかに超える金額を目の当たりにしたカリンは、その場で卒倒した。目を覚ました後も何度も数字を確認したが信じられず、詐欺ではないかと疑うほど取り乱した。
最終的にカリンは混乱したまま真冬へ電話をかけ、助けを求めるのだった。
第11話 収益化記念配信(ダンジョン編)
収益化後の相談と生活改善
真冬からの助言
収益化配信後のスーパーチャット総額に混乱したカリンは真冬を呼び出した。
真冬は登録者数や再生数を考えれば、今後は動画収益だけでも月収三百万円ほどになる可能性があると説明した。驚くカリンに対し、真冬は無理に使わず貯蓄し、税理士を雇うことを勧めた。
食生活の改善
真冬は貯蓄以上に食生活の改善を重視した。
カリンが以前から食費を削り続けていたことを問題視し、食費を今の五倍に増やすよう強く求めた。さらにその場でスーパーへ連れ出し、肉や野菜、果物やアイスクリームなどを大量に購入した。
カリンは値段の高さに悲鳴を上げたが、真冬によって強制的に食料を買い込まれ、食生活の改善を図られることになった。
髪飾り作成配信の開始
二日間の休養を挟んだ週末、カリンは再びダンジョン配信を開始した。
今回の目的は、『ダンジョンアライブ』の原作者から贈られたイラストに描かれていた、鬼龍院セツナの髪飾りを再現することだった。
これまでセツナに及ばないと考えて作成を控えていたが、原作者から特別なイラストを贈られたことを受け、ダンジョン素材を使って再現する決意を固めた。
ジュエルタートルの素材集め
カリンは髪飾りの素材として珍しいモンスターであるジュエルタートルを狙い、中層で狩りを始めた。
視聴者たちはジュエルタートルを心配しながらも配信を楽しみ、カリンは素材を集め続けた。また、最近は真冬の指導で栄養のある食事を取っていたことも明かし、視聴者たちはその変化を喜んだ。
髪飾りの完成
三時間ほどの作業の末、カリンはイラストに描かれていたものとそっくりな髪飾りを完成させた。
視聴者たちは完成度の高さと加工技術に驚愕し、試作品を何度も作り直していた理由にも納得した。カリンが実際に髪飾りを装着すると、その姿はイラストそのままだと称賛された。
原作者からの再評価
配信中には原作者のもちもちたまごも再びコメントを残した。
デザインが複雑で商品化できなかった髪飾りを現実で再現したことに感謝し、完成品がイメージどおりであることやカリンによく似合っていることを伝えた。
カリンは再び感激しながら感謝を述べ、大きな満足感を得た。
ダンジョンからの帰還
髪飾り作りを終えたカリンは、配信を続けたまま地上へ戻った。
帰還時にはダンジョン内に残っていた最後の探索者となっており、守衛から上位ダンジョンでは遅くまで潜らない方がよいと助言を受けた。カリンは礼を述べ、その日の配信を締めくくろうとした。
影狼砕牙との再会
配信終了の挨拶をしようとしたその時、背後から男の声が響いた。
声の主は、以前カリンに気絶させられた迷惑系ダンジョン配信者の影狼砕牙だった。影狼は長時間の配信からカリンの居場所を特定したと明かし、敵意を隠さない態度で接近した。
しかしカリンは影狼の顔を覚えておらず、誰なのか分からない様子を見せたため、影狼は怒声を上げるのだった。
第12話 影狼砕牙のリベンジ
影狼からの果たし状
影狼のリアル突撃
髪飾り作成配信を終えようとしていたカリンの前に、迷惑系ダンジョン配信者の影狼砕牙が現れた。
影狼はカリンの配信内容から潜伏先のダンジョンを特定し、自身も生配信を行いながら接触していた。突然のリアル突撃に視聴者たちは驚きと警戒の声を上げた。
再会と謝罪の申し出
影狼は自分を覚えていないカリンに激怒したが、カリンは名前こそ覚えていたものの、以前の戦闘で顔が大きく腫れていたため素顔を認識できていなかったと説明した。
さらにカリンは、入院するほどの怪我を負わせてしまったことを気にしていたと明かし、連絡を取ろうとしても繋がらなかったため謝罪できずにいたことを打ち明けた。そして、自分にできることなら何でもすると申し出た。
公開試合の要求
カリンの言葉を聞いた影狼は、その謝罪の代わりとして公開試合を要求した。
不意打ちのない正々堂々とした勝負を行い、本当の実力を見せてやると宣言したのである。
視聴者たちは影狼の要求に驚きながらも、むしろ影狼の身を案じる反応を見せた。
影狼の自信
影狼は視聴者の警告を意に介さなかった。
これまでの配信を分析した結果、カリンの強さには何らかの仕掛けや秘密があり、それを見抜いたと確信していたからである。対策も準備済みであり、だからこそ勝負を挑んだのだった。
勝負の受諾
カリンは怪我を心配しながらも、それで影狼の気が済むならと勝負を受け入れた。
探索者同士の公開試合にも使われる建設禁止区域で対峙した二人を見て、視聴者たちは同時接続数が二十万人を突破するほどの盛り上がりを見せた。
試合開始直前の異変
影狼は模造刀を抜き、カリンに髪飾りを外さなくてよいのかと問いかけた。
カリンはそれをセツナから贈られた誇りだとして身につけたまま戦う意思を示した。すると影狼は、探索者の本気とは使える手をすべて使うことだと告げる。
その直後、影狼が発動した特殊な魔力が周囲へ広がった。
するとカリンのドレスは色褪せたように変化し、擬態機能も失われて金色だった髪は黒い地毛へ戻った。突然の変化にカリンは困惑するのだった。
第13話 影狼の秘策
影狼の切り札
魔法装備無効化の発動
公開試合開始直前、影狼が特殊なマジックアイテムを発動したことで、カリンのドレスから擬態機能が失われた。
ドレスの色はくすみ、金色だった髪も黒い地毛へ戻ったため、視聴者たちは突然の変化に騒然となった。
影狼の作戦公開
影狼は広い建設禁止区域を高速で走り回りながら、自身のユニークスキル〈加速する弾丸〉によって速度と突進力を高めていった。
同時に、カリンの強さの正体は〈神匠〉によって作られた魔法装備やマジックアイテムによる底上げだと主張した。アイテムボックスすら作れるのだから、身体能力を強化する装備を多数隠し持っていても不思議ではないと断言したのである。
対策アイテムへの自信
影狼はブラックタイガーの伝手で入手した希少なマジックアイテムを掲げた。
そのアイテムには魔法装備の効果を完全に打ち消す力があり、ドレスの擬態機能が失われたことがその証明だと語った。これでカリンの強さの源を封じたと確信し、勝利を確信していた。
視聴者たちの動揺
影狼の説明を聞いた視聴者たちは驚きと不安に包まれた。
カリンの異常な強さは魔法装備によるものではないかという考察も以前から存在していたため、一部は影狼の説に動揺した。しかし、卑怯な手段だと非難する声も多く、試合そのものを止めるべきだという意見も上がった。
影狼の全力突撃
影狼は外野の声を一蹴し、勝負は双方の合意の上で成立していると主張した。
そして同時接続二十一万人が見守る中、最大まで加速した状態で模造刀を構え、カリンへ向かって全力で突撃した。
一撃による決着
しかし次の瞬間、影狼は右頬を拳の形に陥没させた状態で地面へ叩き込まれていた。
カリンは影狼の長い説明を遮るのが悪いと思い、話し終えるまで待っていただけだと明かした。そして困ったような表情を浮かべながら、自分は魔法装備による身体能力強化など行っていないと告げた。
こうして影狼の周到な作戦と切り札はまったく意味を成さず、勝負は一瞬で決着したのであった。
第14話 災害
影狼の完全敗北
一撃決着への騒然
カリンの一撃によって影狼は地面へ叩きつけられ、その場で動けなくなった。
視聴者たちは一瞬言葉を失ったものの、直後には両者の配信コメント欄が爆発的な盛り上がりを見せた。影狼が周到な対策を講じながらも一撃で敗北した事実に、多くの者が衝撃と笑いを隠せなかった。
対策の無意味さが判明
影狼は信じられない様子で、カリンが魔法装備による強化をしていないという事実を受け入れられずにいた。
一方のカリンは、今回は意識を失わせない程度に手加減しただけであり、本気で迎え撃ったことに変わりはないと説明した。そして本気で戦えば相手を殺してしまうため、力加減だけは調整したと告げた。
広がる敗北の波紋
配信では影狼の敗北が瞬く間に話題となり、「ゲロリベンジ」「ゲロワンパン」といった話題がトレンド入りした。
同時接続者数は三十万人を超え、現場には騒ぎを聞きつけた野次馬まで集まり始めていた。影狼自身は全国規模で醜態を晒す結果となり、視聴者たちは同情と困惑を入り混ぜながらその様子を見守っていた。
影狼の錯乱
敗北を受け入れられない影狼は、カリンほどの強さが十六歳の少女に備わっているはずがないと叫び続けた。
カリンがアイテムボックスも無効化されたままであり、これが自分本来の力だと説明しても納得できず、影狼は次第に理性を失っていった。そして秘密を暴き、今度こそ復讐すると支離滅裂な言葉を吐き始めた。
異変の発生
その直後、大地が脈動するような異変が起こった。
影狼の怒りに呼応するかのように地面が激しく揺れ始め、カリンは感知スキルによって周辺に集まっていた野次馬たちの存在を察知すると、全員に退避を呼びかけた。
ダンジョン崩壊の発生
しかし警告が届く前に、ダンジョン周辺の広大な建設禁止区域が大きく裂けた。
割れた地面から大量の魔力が噴き出し、それに続いて本来なら地上に現れないはずの大量のモンスターが出現した。
こうして渋谷の中心部でダンジョン崩壊が発生し、現実世界へ災害がもたらされたのであった。
第15話 放送事故
ダンジョン崩壊とカリンの決断
渋谷を襲ったダンジョン崩壊
渋谷ダンジョン周辺で地面が陥没し、大量の魔力とモンスターが噴き出したことで警報が鳴り響いた。
週末の渋谷には多くの人が集まっており、さらに影狼が配信で場所を明かしていた影響で野次馬も集まっていたため、現場は大混乱に陥った。ダンジョン崩壊は都市を壊滅させた前例もある災害であり、人々は恐怖に包まれていた。
影狼たちの救出
湧き出したモンスターは弱った者を優先して襲い始め、重傷を負った影狼にも危険が迫った。
しかしカリンは即座に割って入り、一撃でモンスターを消し飛ばした。その後、影狼と守衛二人を抱えて建設禁止区域外のビル屋上へ避難させた。
影狼が自分を助ける理由を問うと、カリンは相手が誰であろうと見捨てることはできず、この場の全員を救うと断言した。
犠牲者を出さない決意
崩壊したダンジョンからは下層モンスターまで現れ始め、人々に危険が迫っていた。
視聴者たちはカリンの実力を信じながらも、これほどの規模では手数が足りず犠牲者ゼロは不可能ではないかと心配していた。しかしカリンは冷静に状況を分析し、アイテムボックスは使えないものの、後から取り出す装備には影響がないことを見抜いていた。
配信終了と秘密の切り札
カリンは配信を終了すると宣言し、浮遊カメラも収納した。
そして自らの口の中から、〈体内収納〉スキルを用いて二丁の巨大なガトリング砲を取り出した。本人は配信を切ったつもりだったが、影狼の配信によってその光景はそのまま全世界へ配信されていた。
その異様な光景に視聴者たちは騒然となった。
魔法兵器による殲滅戦
カリンは〈神匠〉によって生み出した魔法兵器に魔力を込め、モンスターの群れへ攻撃を開始した。
放たれた魔力弾は凄まじい威力と連射性能を誇り、下層モンスターやラージキメラまでも瞬時に撃破した。さらに弾丸は正確にモンスターだけを追尾し、人々を巻き込むことなく次々と敵を排除していった。
膨大な魔力を消費しているはずにもかかわらず、カリンは疲労を見せることなく攻撃を続けた。
犠牲者ゼロの達成
やがて地上へ現れたモンスターは一匹残らず殲滅され、地下から出現しようとしていた後続の脅威も撃破された。
感知スキルで周囲を確認したカリンは、犠牲者が一人も出ていないことを宣言した。
視聴者たちは、週末の都心で発生したダンジョン崩壊を単独で食い止めた事実に熱狂し、賞賛の声を上げた。
新たな脅威の接近
しかし守衛の一人は、深層まで存在する上位ダンジョンである以上、これで終わりではないと警告した。
避難誘導が始まるなか、再び大地が激しく揺れた。そして地下深くから、これまで出現したすべてのモンスターを上回る圧倒的な魔力の塊が浮上し始めた。
第16話 怪獣決戦と様式美
ダンジョン崩壊の第二波
深層ボスの出現
モンスターの群れを殲滅した直後、建設禁止エリア中央の地面が大きく隆起し始めた。
そこから溢れ出したのはダンジョンそのものではなく、一体のモンスターが放つ圧倒的な魔力と殺意だった。カリンは即座にガトリング砲で攻撃したが、弾幕は地面ごと吹き飛ばされてしまう。
そして現れたのは、深層ボスである暴風龍ストームドラゴンだった。
絶望する探索者たち
巨大な龍は全身を暴風の鎧で覆い、カリンの魔力弾すら寄せ付けなかった。
その異常な存在感に現場の探索者たちは絶望する。影狼は深層モンスターの恐ろしさを知っていたため、犠牲者ゼロを諦めて撤退戦へ切り替えるようカリンへ訴えた。
しかしカリンは冷静に敵の能力を分析し、被害を出さずに倒すには即座の撃破が必要だと判断した。
新たな兵装への換装
カリンはガトリング砲を放棄し、再び〈体内収納〉から新たな兵器を取り出した。
現れたのは巨大なパイルバンカーだった。巨大ロボットの腕のような超重量級兵装を両腕に装着したカリンは、迷うことなく暴風龍へ突撃した。
暴風龍との空中戦
音速級の速度で接近するカリンに対し、暴風龍は巨大な竜巻のような風のブレスを放った。
だがカリンはその攻撃を見切り、余波を利用して空中へ跳躍する。さらに連続して放たれたブレスに対し、パイルバンカーで真正面から殴りかかった。
激突した衝撃でブレスは打ち砕かれ、そのままカリンは暴風の鎧を突破して龍の顔面へ一撃を叩き込んだ。
暴風龍の撃破
パイルバンカーの鉄杭が撃ち込まれたことで暴風龍は大きな損傷を受け、風の鎧も弱体化した。
続いてカリンはもう片方のパイルバンカーを振りかぶり、龍の胴体へ最大火力の一撃を叩き込む。
その衝撃で巨大なクレーターが生まれ、暴風龍の胴体には大穴が開いた。
こうして深層ボスである暴風龍は討伐され、ダンジョン崩壊による脅威は完全に消滅した。
影狼の心境の変化
一連の戦いを目撃した影狼は、自分との実力差を痛感した。
迷惑配信で注目を集めることに執着していた彼だったが、圧倒的な実力と覚悟を見せたカリンの姿に憧れを抱く。
その結果、迷惑行為ではなく一から鍛え直そうと決意した。
配信再開と失敗の発覚
ダンジョン崩壊が収束したことを確認したカリンは、視聴者を安心させるため配信を再開した。
しかし本人は気づいていなかったが、配信を切った後も影狼の配信で戦闘の様子は全世界へ中継されていた。
カリンは何事もなかったかのように、カメラの不調で配信が切れただけだと説明する。しかし視聴者たちはすでに、〈体内収納〉から武器を取り出す様子や戦闘の全容を見ていた。
英雄の悲鳴
視聴者に促されて影狼の配信映像を確認したカリンは、自分が口からガトリング砲を引きずり出している映像を目撃した。
深層ボスのブレスにも動じなかったカリンだったが、その映像を見た瞬間に絶叫してひっくり返った。
一方で影狼は、自分がその映像を世界中へ配信してしまったことに気づき、遠くで倒れているカリンへ密かに申し訳なさを感じていた。
事件後の反響
渋谷で発生したダンジョン崩壊を未成年探索者である山田カリンが犠牲者ゼロで鎮圧した事実は大きな話題となった。
ニュースでも繰り返し報道され、カリンの知名度はさらに上昇する。
その結果、カリンのチャンネル登録者数は翌日には四百万人へ到達し、かつてない規模の成長を遂げた。
第17話 佐々木真冬の憂鬱
ダンジョン崩壊後の反響
英雄として称賛されるカリン
渋谷で発生したダンジョン崩壊を犠牲者ゼロで鎮圧したカリンは、多くの人々から英雄として称賛されていた。
ニュースでは救助された一般人や出動した探索者たちのインタビューが繰り返し放送され、命の恩人として感謝する声や、深層ボスを討伐した姿に感銘を受けたという声が相次いでいた。
SNSや掲示板でも話題はカリン一色となり、その活躍と強さに驚嘆する書き込みが溢れていた。
ネット上で広がる人気
ダンジョン崩壊の映像は爆発的な反響を呼び、カリンの人気はかつてないほど高まっていた。
一方で〈体内収納〉による武器取り出し映像を拡散しようとする者も現れたが、ファンたちは即座に通報し、動画を削除へ追い込んでいた。
人命救助という事情を理解していたため、ファンたちはそのスキルを揶揄することには否定的だったが、戦闘中のチンピラじみた言動については苦笑交じりに受け入れていた。
真冬と公安の接触
世間が大騒ぎするなか、真冬は人気のない路地裏で一人の女性と接触していた。
その女性は公安関係者であり、カリンの存在をなぜ今まで報告しなかったのかと真冬を問い質した。
特にアイテムボックスや深層ボスの瞬殺は国家レベルでも無視できない問題であり、公安としては事前に把握しておきたかったのである。
しかし真冬は、引退した身であり友人の情報を報告する義務はないと突っぱねた。
ブラックタイガーへの言及
会話のなかで公安の女性は、ブラックタイガーのような巨大クランを簡単には排除できない現状について語った。
真冬はブラックタイガーを若い才能を潰す存在として批判したが、女性は法治国家である以上、証拠もなく行動できないと説明した。
さらに、影狼との騒動によってカリンが将来的にブラックタイガーと対立する可能性についても示唆した。
親友を守る決意
公安の女性がカリンを利用する可能性を匂わせると、真冬は即座に糸を首元へ突きつけて警告した。
そしてカリンの実力は既に世界でも上位に数えられるレベルだと断言し、軽々しく刺激しない方がいいと忠告した。
その言葉を聞いた女性は、本気で警戒する必要がある存在なのだと理解する。
カリンの秘密を隠していた理由
公安の女性は、なぜカリンがあれほど非常識な強さを持ちながら現実感覚に乏しいのかを尋ねた。
真冬は、自分の過去や探索者としての経歴を悟られないよう危険な話題を避けていたことを認める。
さらに、カリンが大好きな作品『ダンジョンアライブ』を純粋な憧れとして語る姿を見て、その夢を壊したくなかったのだと本音を漏らした。
まだ隠されている力
真冬は、配信で語られている内容ですらかなり制限していると明かした。
本当に危険な情報は口外させないよう誘導しており、カリンにはまだ公になっていない力や情報が存在することを示唆した。
その話を聞いた公安の女性は、監視を増やすよりも真冬に任せた方が安全だと判断する。
親友への想い
女性が去った後、真冬は一人になった路地裏でカリンについて考えていた。
怪我によって探索者を引退し、将来への希望を失っていた自分を救ってくれたのがカリンだったのである。
だからこそ真冬は、これからも親友を支え続けるつもりでいた。
しかし同時に、人気者になってしまったカリンが今後も自分を親友だと思い続けてくれるのかという不安も抱いており、ネット上の評判を眺めながら少しだけ拗ねた気持ちを抱くのだった。
【深層ボスも】 カリンお嬢様の髪飾り制作配信実況スレ apart334 【殴り殺しますわ!】
ダンジョン崩壊鎮圧への称賛
掲示板では、カリンが渋谷で発生したダンジョン崩壊を単独で食い止め、犠牲者を一人も出さなかったことが大きな話題となっていた。テレビやSNSでも連日取り上げられており、関連スレッドが短期間で数百に達するほどの盛り上がりを見せていた。
また、犠牲者ゼロでのダンジョン崩壊鎮圧は前例のない偉業として語られ、一部では海外の伝説的な探索者の逸話と比較する声も上がっていた。
カリンへの好意的な反応
カリン本人は渋谷での出来事を忘れてほしいと発信していたが、その反応も含めて好意的に受け止められていた。
掲示板の参加者たちは、功績を誇示するのではなく恥ずかしがっている姿勢や、お優雅さを重視する様子に好感を抱いていた。また、騒動の規模の大きさにもかかわらず批判的な意見がほとんど見当たらないことも話題になっていた。
影狼の存在と騒動の余波
ダンジョン崩壊のインパクトが大きすぎたため、影狼との対決やリアルでの突撃行為は話題の中心から外れていた。
一方で、影狼のボディカメラ映像が騒動の記録として大きな役割を果たしたことから、冗談交じりに功労者扱いする声も上がっていた。参加者たちは影狼の今後について様々な憶測を交わしていた。
映画化や創作展開への妄想
掲示板では、カリンの活躍があまりにも劇的だったことから、実写映画化やスピンオフ作品の話題でも盛り上がっていた。
しかし同時に、カリンの独特な性格や原作再現への強いこだわりを理由に、撮影現場でも常識外れな行動を取りそうだと冗談交じりに語られていた。また、もちもちたまご先生がカリンのイラストを多数公開していることも話題となっていた。
素材分配を巡る議論
話題はダンジョン崩壊後に発生した大量のドロップ素材へ移った。
参加者たちは、通常は国が素材を回収し、復興費用や被害者支援、出動した組織への報酬として分配する制度になっていることを説明していた。
しかし今回はカリンが実質的に単独で事態を収束させたため、前例のない状況となっていた。個人へどのような形で報酬を与えるのか、行政担当者が頭を抱えているのではないかと語られていた。
〈神匠〉再評価の流れ
後半では、カリンが使用した数々の魔法装備によって〈神匠〉というユニークスキルの評価が大きく変化したことが話題となった。
大群を殲滅したガトリング砲や深層ボスを撃破した兵器などを挙げながら、〈神匠〉の潜在能力は非常に高いのではないかという意見が交わされていた。
一方で、それらを実現できたのはカリンが特別だからであり、一般的な〈神匠〉使いには再現不可能だと考える者も多かった。
〈神匠〉持ち職人の悩み
その流れの中で、自身も〈神匠〉を持つ職人が書き込みを行った。
その人物は工房で働いていたが、以前から〈神匠〉を揶揄されており、今回の再評価によって逆に周囲から面倒な反応を受けるのではないかと不安を吐露していた。
さらに、〈神匠〉を成長させるためには高価な下層素材が大量に必要であり、自身にはそれを集める手段も資金もないため、カリンのような活躍は現実的ではないと説明していた。
職人への励ましとスレッド終了
参加者たちはその職人に同情し、転職を勧めたり励ましの言葉を送った。
職人自身は大きな期待は抱いていないとしながらも、より良い職場があればと本音を漏らしていた。
最後は、職人の再就職を願う書き込みや、カリンが現状を変えてくれることを願う書き込みで締めくくられ、スレッドは終了した。
第19話 三億の女と不穏な動き(少し長いエピローグ)
渋谷事件後のカリンへの注目
渋谷で発生したダンジョン崩壊を鎮圧してから数日が経過しても、カリンは世間の注目の中心であり続けていた。
切り抜き動画は大量に再生され、関連スレッドやファンアートも増加していた。テレビやダンジョン庁も騒動を大々的に取り上げ、探索者ブームと呼べるほどの盛り上がりを見せていた。
収納スキル動画に悩むカリン
一方でカリン本人は、自身が体内収納スキルで魔法兵装を取り出す映像がネット上に残り続けていることを深く気にしていた。
ファンによる通報で多くの動画は削除されたものの、海外サイトなどには映像が残っており、収納スキルについての議論も続いていた。そのためカリンはマスコミや企業からの接触を避けながら、真冬に助けを求めていた。
真冬の助言と親友の支え
真冬は動画の完全な削除は難しいと説明し、今後も配信を続けて新しい印象を積み重ねるしかないと助言した。
カリンはその言葉に納得し、もちもちたまご先生らの支援も無駄にしないため、今後も配信活動を続けていく決意を固めた。そして真冬への感謝を改めて口にした。
久々の配信と赤スパチャの嵐
放課後、カリンは渋谷事件後初となる配信を開始した。
事件への言及を済ませようと考えていたが、配信開始直後から渋谷で命を救われた人々やその家族、関係者たちが大量の高額スパチャを送り始めた。
感謝や恩返しの言葉とともに最高額のスパチャが次々と投げ込まれ、コメント欄は高額スパチャだけで埋め尽くされた。視聴者たちはカリンの功績に対する感謝を形にして示していた。
感謝の気持ちが生んだ巨額の支援
カリンは異常な状況に困惑し、投げ銭が多すぎると訴えたが、視聴者たちは逆に彼女が自身の偉業を理解していないとして、さらにスパチャを送り続けた。
その結果、配信は世界記録級とも言われる盛り上がりとなり、視聴者たちは収納スキルの話題を押し流すほどの勢いでカリンを称賛し続けた。
三億円の衝撃
配信終了後、カリンはスパチャ総額を確認した。
その額は三億円に達しており、あまりの金額に驚愕したカリンは絶叫した末、その場で気絶してしまった。
その後ネットでは令和の三億円事件、時給三億の女、血の池地獄などの言葉が流行し、収納スキルの話題は大きく後退した。さらにチャンネル登録者数も五百万人を突破し、カリンの人気は一層高まっていった。
影狼のクラン脱退
その頃、国内最強クラスの探索者クランであるブラックタイガーでは、影狼が脱退を申し出ていた。
クランマスターの黒井腹満は激しく反発したが、影狼はこれまでの世話に感謝しつつも、自分はこのままブラックタイガーにいては目指す存在にはなれないと語った。
そして違約金や各種手続きを残したうえで、ブラックタイガーを去っていった。
黒井の警戒
影狼の退団後、黒井は山田カリンへの警戒心を強めていた。
カリンは影狼を二度も圧倒しただけでなく、ブラックタイガーの面子や影響力にも大きな打撃を与えていた。黒井はカリンを異常かつ異質な存在と認識し、正面から戦う以外の方法も含めて、将来的に対抗する手段を考える必要があると判断した。
そして山田カリンの画像を見つめながら、怪物を潰すための策を巡らせていた。
書き下ろし 真冬とカリンのファーストコンタクト
真冬とカリンの出会い
公安警察として生きた真冬
公安警察は国家の安全を守るために活動する秘匿性の高い組織であり、探索者が存在する現代では監視や工作、危険人物への対処なども担っていた。その一環として孤児を育成する制度が存在し、その中で歴代最高クラスの成績を収めたのが佐々木真冬であった。
真冬は優れた戦闘能力と任務遂行能力によって神童と評価されていたが、修練中の事故で重傷を負い、長時間の戦闘が不可能となった。その結果、公安を事実上引退し、普通の中学校へ転校して新たな人生を歩むことになった。
虚無感を抱えた転校初日
真冬は新しい生活に希望を見出そうとしていたものの、公安としての人生を失った喪失感は消えていなかった。
転校先の教室でも心は冷めたままであり、普通の学生として生きていく未来を漠然と受け入れていた。
しかしその平穏は、遅刻しながら教室へ飛び込んできた山田カリンの登場によって破られた。奇妙な言動と騒がしさに満ちたカリンを見て、真冬は強い困惑を覚えた。
カリンへの苦手意識
その後も真冬はカリンを観察していた。
カリンはお嬢様口調を使いながらも毎日のように騒動を起こし、クラス中から親しまれていた。探索者として活動しているらしく、毎朝傷だらけで登校していたが、真冬から見れば能力も特別高くは見えなかった。
真冬はカリンを騒がしい問題児だと認識し、自分とは正反対の人間だと考えて距離を置いていた。
ダンジョン配信の協力依頼
ある日、放課後に教室へ残っていた真冬のもとへカリンが現れた。
カリンは夏休みにダンジョン配信者として活動したいと考えており、機材選びや設定を手伝ってほしいと頼み込んだ。真冬は最初こそ断ったものの、カリンは必死に食い下がった。
そのやり取りの中で真冬は、自分にはやりたいことがなく、夢に向かって全力で進めるカリンが羨ましいと本音を漏らしてしまった。
やりたいこと探しの提案
真冬の言葉を聞いたカリンは、自分の配信準備を手伝ってもらう代わりに真冬のやりたいこと探しを手伝うと提案した。
真冬は最初こそ拒否したものの、なぜかカリンなら何かを見つけてくれるかもしれないという感覚を抱き、その提案を受け入れた。
こうして二人は夏休みに様々な場所を巡ることになった。
夏休みの交流
二人は無料イベントや水族館、同人誌即売会など様々な場所へ出かけた。
その過程でカリンは相変わらず騒動ばかり起こし、真冬は世話役のような立場になった。しかし真冬はそんな時間を不思議と嫌ではないと感じるようになっていた。
カリンの素直さや裏表のなさに触れるうちに、真冬は初めて味わう穏やかな時間を楽しんでいた。
やりたいこと探しの終わり
十日ほどが経過しても、真冬は自分のやりたいことを見つけられなかった。
真冬はこれ以上カリンの時間を奪うべきではないと考え、やりたいこと探しを終わりにしようと告げた。
しかしその直後、二人は遠くで発生した火災に気づき、現場へ駆け出した。
火災現場への突入
現場ではマンションが激しく燃え上がっており、子供が建物内に取り残されていることが判明した。
真冬は状況を分析し救助を検討していたが、その間にカリンは単独で火の中へ突入していた。
さらに真冬は火災の原因となった探索者たちを発見し、公安時代の能力を使って瞬時に拘束した。
子供の救出とカリンの失敗
マンション内部で爆発が起こり周囲が絶望しかけた直後、カリンは無事に子供を救出して現れた。
周囲から称賛される中、カリンの髪に燃え移っていた火が突然燃え上がり、一部の髪が焼け落ちてしまった。
その様子に真冬は思わず笑い出し、二人はその場から逃げるように立ち去った。
カリンの夢の原点
落ち着いた後、真冬はなぜそこまで命懸けで行動できるのかをカリンへ尋ねた。
カリンは幼い頃に両親を亡くし、絶望していた自分を救ったのがアニメ『ダンジョンアライブ』だったと語った。
特に鬼龍院セツナに憧れ、自分も人々を救い楽しませる探索者になりたいという夢を抱いていたのである。
その純粋な思いを聞いた真冬は呆れながらも、そんなカリンの姿をこれからも見ていたいと感じた。
配信準備の開始
真冬は自分のやりたいことを探す必要はもうないと考え、カリンの配信準備を手伝うことを決めた。
さらに二人は互いを友達と認め合い、真冬は敬称をやめるよう求めた。
こうして二人は配信機材の準備を進め、本格的な活動へ向けて動き始めた。
隠されていたカリンの実力
配信テストのためダンジョンへ入ったカリンの映像を見た真冬は愕然とした。
カリンは中層モンスターを瞬時に倒し、あらゆる攻撃を完全回避していた。しかもドレス姿のまま無傷で戦い続けており、その実力は国家最強級探索者に匹敵するものだった。
真冬はこれまで自分がカリンの強さを完全に見誤っていたことを知った。
神匠の力とドレス作り
真冬からダンジョン内加工の知識を教わったカリンは、ユニークスキル〈神匠〉を活用して装備作りを始めた。
十日後に再会した際、カリンは変身機能や自動修復機能を備えた高性能な魔法装備のドレスを完成させていた。
さらに録画映像から、カリンがこの短期間で異常な速度で成長していたことも判明した。
真冬の葛藤
真冬はカリンの実力が世間に知られれば大騒ぎになると理解していた。
一方で、自分を虚無感から救ってくれたカリンの夢を壊すこともできなかった。
そのため真冬はカリンの夢を肯定しつつ、実力を露出しすぎないよう助言する方針を選んだ。
高校進学後の二人
その後も二人は友人として交流を続け、同じ高校へ進学した。
真冬は配信活動を支援しながらも、カリンが大きな注目を集めないよう陰ながら配慮していた。
しかし高校進学後、カリンが迷惑系配信者を撃退した映像が拡散され、一気に注目を浴びることになった。
真冬は不安を抱きながらも、ようやく夢の第一歩を踏み出した親友を心から祝福した。
カリンの新たな決意
一方のカリンは、真冬が強大な実力を隠しながら生きていることに気づいていた。
真冬に多く助けられたことを感謝していたカリンは、いつか恩返しをしたいと考えていた。
そして探索や配信活動を続けながら、真冬の後遺症を治す方法を見つけることも新たな目標として胸に刻み、さらなる鍛錬へ励んでいくのだった。
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