どんな本?
高校生の異世界転移に巻き込まれたムコーダは、戦闘面では全くの無能だったので戦争に巻き込まれ無いように別の国へ行く。
その道中に、ムコーダの料理に魅入られた伝説の魔獣フェンリルが仲間に加わり、さらに生まれたばかりのスライムも仲間になる。
その後、中身は中年で見た目は可愛いピクシードラゴンもムコーダの作るご飯に釣られて仲間になってしまう。
読んだ本のタイトル
#とんでもスキルで異世界放浪メシ 14 クリームコロッケ×邪教の終焉
著者:#江口連 氏
イラスト:#雅 氏
あらすじ・内容
創造神の使徒、はじめました!?
「勇者召喚」に巻き込まれ、現代日本から異世界へとやってきたサラリーマン、ムコーダ。
とんでもスキルで異世界放浪メシ 14 クリームコロッケ×邪教の終焉
彼は創造神デミウルゴスから、人族至上主義を掲げるエセ宗教「ルバノフ教」をとっちめてほしいと頼まれる。
ルバノフ教からは度々迷惑を被っていたこともあってフェル達がノリノリなため、デミウルゴスの頼みを引き受けるムコーダ。
一行はルバノフ神聖王国にあるルバノフ教の総本山に向かうが、それはまるでお城のように巨大で豪華な教会だった。
そこで悪事を重ねて懐を肥やしていた教皇たちに対して、デミウルゴスの神託によるお叱りと、フェル達「創造神の使徒」によるお仕置きが行われ――。
瓦礫の山を後にしたムコーダ一行は、次の目的地であるロンカイネンの街へ。
壊れた魔道コンロの代わりを探すのが目的だけど、その前に冒険者ギルドから厄介な依頼が持ち込まれて……?
「小説家になろう」12億PV超のとんでも異世界冒険譚、世界に轟く14巻!
前巻からのあらすじ
ブリクストの難関ダンジョンの最下層で、エンシェントドラゴンのゴン爺を仲間に加えてムコーダはゴン爺の背に乗ってカレーリナの街に帰還。
そしてギルドに行くとギルドマスターが待ち受けていた。
そしてエンシェントドラゴンを本当に従魔にしたのかと確認される。
そんなムコーダの通り名が史上最強と呼ばれてると言う。
そして、屋敷に帰り奴隷達にゴン爺を紹介して帰りの宴会をして。
そこまでは順調だったのだが、、
ドランからドラゴン大好き残念エルフのエルランドが訪問して来てから、雲行きが急激におかしくなった。
ドランのギルドマスターを辞めて、カレーリナのムコーダの屋敷に住むと言い出した。
それにドン引きなドラちゃんとゴン爺。
そんな2人の拒否反応からエルランドが住むのは無理だと言うが彼は諦めなかった。
そこでムコーダは、カレーリナのギルドマスターの所に急いで行き事情を説明。
あまりの事に頭を抱えながらも、ドランの副ギルドマスターのウゴールに連絡してもらい迎えに来て貰う事にする。
ウゴールに拘束されたエルランドはドランにドナドナされて、さらにエルフの監視員を置かれて強制的に仕事をさせられる事に、、
自業自得な気がする、、合掌。
なかなか外に出れなかったドラちゃんとゴン爺のために狩に行くのだが、、
ゴン爺とフェルが嫌がるムコーダを強引に連れ出して秘境の狩場へと行く。
そこで野生のヘビモスが居ると聞かされるムコーダは1人になるのを嫌がったが、フェルとゴン爺が二重でムコーダの周りに結界を張って安心だと言い。
久しぶりの狩にヒャッハーなカルテッドはムコーダを置いて狩に夢中になる。
放置されたムコーダは怖いので料理に集中して肉団子を作っていたら、、
ヘビモスに襲われて作っていた料理を食べられてしまう。
ついでにムコーダ愛用の魔導コンロも破壊されてしまう。
屋敷では、風呂を気に入ったゴン爺のために風呂場を改装してたり。
その改装業者のドワーフが、ムコーダが噂の移動酒屋の店主だと気が付いて酒を売って欲しいと懇願したり。
主神デミウルゴスから困ったちゃん認定されているルバノフ教にお灸を据えろと言われ、ちょっと無茶振りと思っていたら。
ルバノフ教の方からちょっかいを出して来たので、ムコーダはルバノフ教の教皇のいる総本山を破壊してあるお方の声を聞かせるという計画を立て、その準備に入って終わる。
感想
邪教の終焉
創造神デミウルゴスから、人族至上主義を謳い実在しない神を信仰し、信者から金を巻き上げるルバノフ教を懲らしめる手伝いをして欲しいと言わたムコーダ一行。
ゲン担ぎにオーク肉のカツ丼を食べて、ルバノフ教の総本山のある都市へゴン爺に乗って移動する。
そして豪奢な総本山の教会の前でフェルとゴン爺が創造神の使徒として仁王立ちして口上する。
「人間どもよ、創造神デミウルゴス様の声を聴け」
宗教関係者、王族と皇族に念話でデミウルゴスが「ルバノフって誰?」と言う。
それに対してルバノフ教の教皇は「ルバノフ様は全知全能の人族の神」だと言う。
それを聞いてデミウルゴスは「この世界の創造神で最上位神なのじゃ、当然、この世界の神々も全て知っておる。そこで言わせてもらうが、ルバノフなんていう神はおらんぞ。そもそも神々は人種によって優劣なとつけんわい」と言い。
さらに、「ルバノフ教は金集めのためにできた宗教」だと暴露。
それを暴露されたルバノフ教の教皇と教会上層部は真っ青。
さらに人族以外の獣人族達を奴隷にして、見目麗しい少年少女をおもちゃにして飽きたら奴隷として売り払う。
その売り先の帝国は、戦闘訓練の的に奴隷を使うと知りながら。さらに死体は非道な人体実験をしているらしい。
そんな非道な事をしている帝国の皇帝にも、見ているぞと苦情を言う。
最後は〆でルバノフ教の総本山の教会をフェル達で木っ端微塵にしてデミウルゴスの懲らしめは終わる。
魔導コンロを買いにロンカイネンへ
ロンカイネンの街へ行くと、ギルド長からB級水生の人喰い馬のケルピー、S級ワニの魔物のタイラントブラックアリゲーター、A級のカニの魔物のバーサックマッドクラブの討伐をして欲しいと言う。
特にバーサックマッドクラブは普段大人しいらしいが、貴族のボンボンがバカをやって暴れてるらしい。
商業ギルドで大きい空き家を借りて、いざ討伐となると、、
ケルピーは人を襲う直前に討伐して、バーサックマッドクラブは出会ったら4トントラック級にデカかったがスイがアッサリ倒し。
タイタントブラックアリゲーターはフェルが手加減をした雷を落として気絶した状態にして、ムコーダがトドメを刺す。
ギルド長が依頼したモノは1日で終わる。
その後、バーサックマッドクラブの身を食べるのだが、魔道コンロは無い。
それなら食いしん坊カルテッドの魔法でカニを茹でて食してみると、、
メチャクチャ美味い。
カニ味噌も日本酒によく合う。
ゴン爺と呑んでいたムコーダに日本酒大好きなデミウルゴスがオネダリしてくるくらい美味い。
そんな初日を終わらせて、翌日に魔道コンロを買いにロンカイネンの街に繰り出す。
そして、出会ったのは、、
ヘビモスに壊された金貨860枚の魔導コンロより一回り大きく、オーブンが2つ付いており。
さらに前は4つ口だったのが6つ口になっている。
メンバーにゴン爺が増えて消費量が増えているムコーダには天啓のような魔導コンロ。
お値段は金貨1200枚!
ムコーダは即決で購入してアイテムボックスに入れて持ち歩いて行く。
そして、最初に作った料理がバーサックマッドクラブを使ったカニクリームコロッケ!
カニクリームコロッケを食べたフェル達がカニを気に入ってバーサックマッドクラブを3匹取ってしまう。
それを聞いたギルドマスターはバーサックマッドクラブの甲殻が欲しいので売ってくれと言うが、、
茹でると甲殻が劣化してしまうので中身ごとと聞いた食いしん坊カルテッドは断固拒否w
カニクリームコロッケにギルドマスター涙目になってしまう。
そうしてギルドで討伐の報酬を貰って屋台巡りをしていたら。
エイヴリングのダンジョンで出会ったA級冒険者、箱舟(アーク)と再会する。
そして、お互いの近況を報告していたら、、
ムコーダがカレーリナで家を買って拠点持ちになったと聞いて羨ましがるアークの面々。
そして、行く場所を決めかねていたアーク達はムコーダの家にお世話になろうとする。
そうしてカレーリナに帰ろうとしたら、フェルが小国郡にある手付かずのダンジョンに行くと言い出す。
それを聞いたアーク達も行きたいとフェル達と意気投合。
多勢に無勢でムコーダは手付かずのダンジョンにドナドナされてしまう。
その前に、ロンカイネンの街の各教会に訪問して寄付して、各神達にも御供えをする。
そして、ゴン爺の背中に乗って手付かずのダンジョンに行くが、、
小国郡の手付かずのダンジョン
ゴン爺の背中に乗り慣れてないアークのメンバーがダウンして。
ダンジョンに入るのに多少手間取ったが、、
ダンジョンの中で見せつけるムコーダの非常識な攻略が露呈いする。
特に目を引いたのが野営で。
フェルとゴン爺の結界で見張をしないで寝てしまうムコーダを横目に、アークの面々は普段の癖で見張をしていたら、、
結界の外で出会ったら即死級の魔物を見てしまい、あまりのショックで寝不足になってしまう。
そんな事を知らずに爆睡したムコーダをアークの面々は豪胆だと言う。
だがそんなムコーダがダンジョンの中で調理した熱々の料理に唖然としながらも堪能する。
鍋か、、、
最後までお読み頂きありがとうございます。
展開まとめ
第一章 デミウルゴス劇場
森での作戦と勝負飯の用意
ムコーダ一行は、目撃効果を最大化するためにルバノフ教総本山への突入を翌朝に定め、国境の森で一泊する判断を下した。ゲン担ぎとしてムコーダは特盛カツ丼を用意し、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは上機嫌で平らげて英気を養っていた。ムコーダ自身もカツ丼をかき込み、翌朝はトンカツを出すと宣言して一同の士気を整えていたのである。
口上の稽古と役割分担
演出の説得力を高めるため、前面はフェルとゴン爺、ドラちゃん、スイが担い、ムコーダはゴン爺の背で身を伏せる段取りとなった。フェルは風の女神ニンリルの眷属として、ゴン爺は古竜として神託を告げる役を請け負い、念話で台詞回しまで確認して準備を整えていた。
総本山前での対峙と緊張
翌朝、一行は城と見紛う巨大な教会前広場に降り立った。白銀の鎧をまとった聖騎士隊が魔物を穢らわしいと罵倒して進み出たため、フェルとゴン爺は激昂したが、ムコーダが段取りの維持とデミウルゴスの出番を理由に必死に抑え込んだ。夕食抜きの脅しも効き、二体は予定通りの口上に戻ったのである。
創造神の神託放送
合図を受けたデミウルゴスの声が、ルバノフ教信者や各国の王族・主要聖職者に同時に響き渡った。教皇らが姿を現すと、デミウルゴスはルバノフなる神の実在を問い、創造神としてこの世界の神々を全て知る立場からルバノフ神は存在しないと断じた。人種に優劣を付ける教義を否定し、群衆はどよめいていた。
虚偽と悪行の暴露、帝国への警告
デミウルゴスはルバノフ教上層部が就任時に真相を教わっていた事実を突き、教団が金集めのための虚偽宗教であることを暴露した。さらに獣人やエルフ、ドワーフ、果ては見目の良い人族を玩具にし、帝国に奴隷として売り渡している実態を糾弾した。続けて帝国に対しても、帝国外を人と見なさぬ悪習を即時やめるよう厳命し、見ていると警告していた。
制裁宣言と偽魔剣の露見
デミウルゴスはお仕置きとしてフェルと古竜に攻撃を命じ、二体は群衆に退避を勧告した。そこへ聖騎士隊の将が魔剣を掲げて突撃し、ムコーダは反射的に魔剣グラムで受け止めて斬撃を防いだ。刃は打ち合いで相手の剣だけが根元から折れ、デミウルゴスがその剣は百年以上前に売り払われた偽物だと明かすと、将は膝から崩れ落ちたのである。
総本山の破壊と撤退
段取りに復帰した一行は、フェルの雷、ゴン爺の土の大岩、ドラちゃんの氷柱、スイの酸弾を同時に叩き込み、豪奢な教会は瓦礫と化した。一行は騒擾の隙に撤退し、出発点の森へ戻ると、フェルとゴン爺は全力を出せず消化不良だと不満を漏らした。ムコーダはお仕置きの範囲として妥当だと諭し、共同作業とした意図を述べていた。
次なる行き先の含みと小休止
ロンカイネンの街行きを確認する中、フェルはその後に楽しめる場所があると不穏な含みを持たせ、ムコーダは不安を覚えていた。腹を空かせた面々に急かされ、ムコーダはダンジョン豚のネギ塩豚丼を昼食に供した。食後、四体は狩りへ躍り出て、フェルの真意を質す機会は有耶無耶となったのである。
夕餉待ちの独り仕事と不穏な含み
狩りに出た仲間と留守番の決意
フェルの「楽しめる場所」発言を残したまま、四体は消化不良を理由に森へ狩りに出た。ムコーダは不気味な鳴き声に怯えつつも結界を信じ、暇を埋めるため夕飯作りに着手したのである。
即興メニューの決定と下拵え
アイテムボックスからギガントミノタウロスの肉を引き当て、ニラとの甘辛炒め丼を構想した。肉を一口大に切り、塩胡椒と片栗粉を薄くまぶし、醤油・酒・みりん・砂糖・おろしニンニク・おろしショウガを合わせて準備を整えた。
甘辛炒め丼の調理と大量確保
ゴマ油で肉に火を通しタレを絡め、刻んだニラをさっと合わせて仕上げた。土鍋炊きの白飯にのせて「ニラとギガントミノタウロスの甘辛炒め丼」を量産し、食いしん坊四体の“お代わり”を見越して保管した。
ストック作り:具だくさん肉そぼろ
時間が余ったため、コカトリスの挽き肉にタマネギ、ニンジン、ピーマン、シイタケ、タケノコ水煮を加えた具だくさん肉そぼろを仕込んだ。調味は醤油・みりん・酒・砂糖・おろしショウガで、水分が飛ぶまで炒め、特大タッパー群に小分けして保存した。
手ぶら帰還と夕餉での機嫌直し
夕刻、四体は「美味い肉が見つからない」と不機嫌のまま戻った。フェルとゴン爺はマイコニドやマンイーター、トレントばかりで収穫が無かったと述べ、ドラちゃんとスイも落胆を隠さなかった。ムコーダが甘辛炒め丼を供すると、一同は無心に頬張り、味を称えつつも「次は美味い肉を獲る」と闘志を新たにした。
フェルの“次の一手”と不安の芽
満腹後、フェルは「この屈辱は……で晴らす」と含みを残し、以前の“楽しめる場所”発言と併せて不穏さを漂わせた。ムコーダは丼をかき込みながら、内心で“面倒事の予感”に怯え、事を荒立てぬよう静かに願っていたのである。
第二章 ロンカイネン到着
門前の警戒と街への配慮
一行は昼前にロンカイネン手前の草原へ到着した。門前から接近する兵士をフェルが警戒したが、ムコーダが制止して無用な衝突を避ける判断を示したのである。
エレメイ川での捜索開始
スイを船代わりにして下流へ進み、ケルピーとタイラントブラックアリゲーターの所在を探索した。魚類(エレメイメガロドラス、エレメイサラトガ)を確保しつつも、標的は見つからず移動を継続したのである。
ケルピー襲撃の救援と即時討伐
左岸で待ち伏せする気配をフェルとゴン爺が感知。冒険者五人組を狙うケルピーが出現したため、ムコーダが警告し、取り残された女性に迫る瞬間をドラちゃんが氷魔法の貫槍で一撃し、迅速に討伐・回収した。
黒ワニ討伐方針を巡る論争
黒ワニ(タイラントブラックアリゲーター)は深底に潜むと判明。フェルは「特大雷魔法で一掃」を提案したが、ムコーダは広域殲滅がローカル経済と冒険者の生計、解体協力体制(=将来的な大物処理と肉供給)に悪影響を及ぼすと論理立てて反対した。
配慮型作戦:減殺雷→止め刺し
議論の末、フェルは殺さぬ程度に威力を落とした雷撃を実施し、ゴン爺が結界で一行を保護した。黒ワニが仰向けに浮上すると、ムコーダが魔剣グラムで脳天まで貫き、確実に仕留めたのである。
戦利品と余波
黒ワニの回収後、雷で昏倒した魚群のうち食用に適した種類のみを鑑定して確保した。ドラちゃんとスイは次戦を熱望したが、ムコーダは現地資源と冒険者事情への配慮を再確認しつつ、当座の目標達成を優先する構えであった。
第三章 カニを食らう
ギルド報告と三件同時達成の確認
ムコーダ一行は冒険者ギルドでオーソンに成果を報告し、バーサクマッドクラブ、ケルピー、タイラントブラックアリゲーターの三件討伐完了を倉庫で現物提示により確認させた。信じ難い依頼同時達成に、オーソンは驚愕していたのである。
“食う”優先の方針と素材価値のせめぎ合い
バーサクマッドクラブについて、オーソンは殻が鎧・盾の一級素材と力説し買い取りを懇願したが、ムコーダは「美味いが最優先」として辞退し、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイも強硬に“食用”を主張した。ケルピーは不味なため皮のみの買取に回し、黒ワニは肉と一部の皮を自家用確保、報酬と買い取り代は査定後に一括受領と決した。
急げ、茹でカニ計画
食いしん坊四体の猛プッシュで街外へ移動。ムコーダは過去の“水球封緘”の応用を思い出し、スイに巨大ウォーターボールを作らせ、塩を溶かして“即席塩釜湯”を用意する構想に切り替えた。
加熱プロトコル:段階加熱→投入→追い焚き
フェル、ゴン爺、ドラちゃん、ムコーダの四者でファイヤーボールを段階投入し、水温を段階的に引き上げる。十分に沸き立ったところでウォーターボールへバーサクマッドクラブを封入、温度降下に応じて小さめの火球を追加投入し、等温での茹で上げを完遂した。
殻処理と身出しの勝算
茹で上がり後、ムコーダは脚をもぎ取り、ネットスーパー包丁とゴム手袋で殻を割って身を掻き出した。茹で処理により殻が相対的に脆くなり、想定より作業は円滑に進行した。細脚の一部は後続料理用に確保している。
実食①:そのまま&ポン酢で昇華
盛り切りの脚肉を供すると、四体は一斉に咀嚼して「美味い」と絶賛。ムコーダはポン酢醤油を提案し、酸味で旨味が立ち上がる“追い味変”により、更なる高評価を得た。
実食②:カニ味噌×日本酒=大人の悦楽
甲羅を開けると身と味噌が大量に詰まっており、ムコーダは身和え味噌に日本酒と醤油を少量加え、殻皿で“甲羅焼き”を作成。淡麗な新潟の日本酒と合わせてゴン爺と“酒肴の極致”を堪能した。フェルとドラちゃん、スイは色味と苦味を理由に不参戦であった。
神の乱入と“お裾分け”
酒肴の香りに誘われ、デミウルゴスが出現。ムコーダは甲羅焼きを供出し、神はご満悦の様子で“後日の謝礼”をほのめかした。ムコーダは“この世界の神は自由”と苦笑しつつ、宴を結んだのである。
第四章 新・魔道コンロ
“狩り”より優先:魔道コンロ調達
カニ再確保を主張するフェルに対し、ムコーダは「まずは調理インフラ」と一喝。商人ギルドで大店を教えてもらい、ヴァルドネル魔道具店→リゴーニ魔道具店は二口コンロのみ在庫・大型は特注で約一年待ちと判明。最後のアルファーロ魔道具店で、なんと希望超えの特大機種を発見。六口コンロ+オーブン2基の業務級で、もともと貴族の特注だったが仕様変更で“流れ品”に。金貨1200枚で即買い、魔石はサービス、アイテムボックス収納で持ち帰った。
新装備の試運転と“前菜”
帰宅後、腹を鳴らすフェルたちのために試運転を兼ねて調理。すぐ食べたい四体には作り置きのダンジョン豚丼を“つなぎ”で出し、ムコーダは本命の仕込みへ。併せて盗賊王の戦利品・魔道冷蔵庫も稼働。雑談では“魔石を食べるか問題”が話題に:ゴン爺は気分次第で噛み砕いていたが味はなく、フェルは「もう食わん」、ドラちゃんは硬さと腹痛で拒否、スイも不要なら食べたくない——以後は換金して美味いものに回す方針に落ち着いた。
本命:バーサクマッドクラブのカニクリームコロッケ
バーサクマッドクラブの脚肉を山盛りにほぐし、アルバン印タマネギを炒めてから白ワインで香りづけ。別鍋でバター+小麦粉→牛乳のベシャメルを丁寧に炊き、具と合わせて冷やし固める。俵成形→バッター液→パン粉→180度で揚げ、外サク中トロの黄金比を作り上げた。付け合わせは千切りキャベツとトマト(アルバン印)。まずは“素のまま”を推奨、その後はソースで味変。
試食会:四体の反応
スイは震えるほど絶賛、ドラちゃんも「サックサクでトロトロ」とドはまり、ゴン爺は「飽きぬ驚き」だとしみじみ。フェルは野菜(マヨ無し)を速攻で処理してから本丸へ突入、追いソースでお代わりを連打し、満足げに一言——「明日はカニを獲りに行くぞ。これは決定だ」。
……こうして、エレメイ川の“カニ強化合宿”が次の予定に据えられてしまったのである。
第五章 傍迷惑な意気投合
カニ追加確保と小休止
前日のエレメイ川探索でバーサクマッドクラブを3匹確保。サイズは少し小ぶりでも収穫は上々。疲労を癒やして昼近くまで休み、豚テキ丼で腹を満たしてから冒険者ギルドへ向かった。
報酬受領と“殻は脆くなる”真実
オーソンから討伐報酬と買取で大金貨55枚を受領。バーサクマッドクラブを“茹でて食べた”と聞いたオーソンは落胆。殻は加熱で脆くなるため本来は素材価値が高いという。追加で捕った3匹の買い取り打診も、フェルとゴン爺が即拒否し“食用確定”となった。
Aランク『箱舟』と再会
ギルド前でガウディーノ、ギディオン、シーグヴァルド、フェオドラと再会。近況交換の場で、ムコーダは魔道コンロ新調やブリクスト踏破を報告。『箱舟』は護衛任務で来訪したが、水系魔物と相性が悪く、次の拠点に悩んでいる様子。ムコーダはカレーリナ滞在を勧誘し、好感触を得た。
“手付かずダンジョン”で意気投合
フェルが突如「帰らぬ。次は小国群の手付かずダンジョンだ」と宣言。ゴン爺・ドラちゃん・スイも乗り気。噂に目を輝かせた『箱舟』も即同行を希望し、フェルが黙許。ムコーダ以外は全員テンション最高潮で、宿もそのままムコーダ宅に決定した。
景気づけのワニ晩餐
帰宅後、ムコーダはタイラントブラックアリゲーターを試食し“鶏~白身魚風の淡泊”と判断。メニューは①醤油ベースの二度揚げから揚げ(レモン・マヨ・七味・黒酢ネギソースで味変)、②キノコのクリームソースがけソテー。食いしん坊カルテットは当然の爆食、『箱舟』も恐る恐るから完食へ。“ビール×から揚げ”で三人の戦士はご満悦、フェオドラは両手フォークで怒涛の連取。にぎやかな宴の末、“ダンジョン遠征連合”は完全に出来上がったのだった。
第六章 まだ見ぬダンジョンへ、出発!
ダンジョン前日の段取りと“食料問題”
ムコーダは教会と孤児院へのお布施&寄付巡りを担当し、『箱舟』はダンジョン準備の買い出しへ。『箱舟』側の実情として、長期潜行では食料と水が最大の荷物で、フェオドラのアイテムボックス(小さめ)も大半が保存食で埋まるのが常。飲料水用魔道具の恩恵は大きいが、それでも物資は重い――そこで「食はムコーダ一任」が朗報となり、荷が激減して大喜び。マジックバッグ希少&高額事情、ダンジョン通いが強さとランクに直結する現実など、Aランクでも世知辛い実態が共有された。
“使徒様”フィーバーの副作用
巡回先は土・水・風・火の各女神の教会。ルバノフ教総本山事件でフェルとゴン爺が創造神デミウルゴスの“使徒”扱いとなっているため、どの教会も最上級の歓待で大混乱。ムコーダが“使徒名義”で寄進したことで更に沸騰し、退場にも一苦労。歓待に最初は悪い気のしなかったフェル&ゴン爺も、四連戦でげんなりしていく。
戦神ヴァハグンの教会、まさかの手合わせ
最後の戦神の教会では雰囲気一変。礼より実戦を尊ぶ信徒たちの代表が「一戦を」と名乗り、古竜ことゴン爺に槍、フェルに剣で挑む。結果は瞬殺級の見せ場――ゴン爺は微動だにせず槍先を頭で受け潰し、フェルは爪一本で剣を中程から切断。信徒一同あんぐり、挑戦者も呆然。
最大の天敵、現る
その直後、茂みの陰から輝く瞳の子どもたちが“使徒様!”と視線集中。これにフェルとゴン爺が青ざめ、「今すぐ帰るぞ」と即時撤収を進言。ムコーダは“使徒様より”の寄付を渡して退散。最強二巨頭の苦手はどうやら遠慮知らずの子ども――というオチで、一行は無事ミッション完了。
出発に向けて
こうしてローカルの宗教周りと神々への供物準備の目処が立ち、ダンジョン遠征の下準備は整う。ムコーダは内心ため息をつきつつも、フェル・ゴン爺・ドラちゃん・スイ、そして『箱舟』がウキウキで待つ“手付かずのダンジョン”へ向けて、着々と出発態勢を固めていくのだった。
第七章 ダンジョン探索開始!
到着直後の疲労と動揺
一行はゴン爺の背でダンジョン近辺へ到着したが、ギディオンは青ざめて膝をつき、シーグヴァルドは飛行中に気絶していた。フェオドラは軽やかに着地して二人の体たらくを指摘し、ガウディーノはシーグヴァルドを地面へ寝かせて介抱していたのである。
入場見送りの判断
フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイは直ちに突入する意気込みを見せたが、ムコーダは日没が近いこと、同行者の体調が万全でないことを理由に本日の入場見送りを決めた。フェルとゴン爺は不満を示しつつも了承し、ドラちゃんとスイも翌日の突入に気持ちを切り替えたのである。
発見困難な立地の確認
ムコーダはダンジョン発見までの空路が長引いた経緯を指摘し、フェルとゴン爺も辺鄙な岩場の隙間に開いた入口という立地の難しさを認めた。小国群の荒野に紛れた入口であったため、両名の索敵がなければ到達は困難だったと整理されたのである。
夕食準備と魔道コンロの披露
ムコーダは翌日の探索に備え、手早い夕食を用意する方針を示し、携行する大型の魔道コンロを取り出した。初見のガウディーノはその規模に驚きを隠せず、一行はムコーダの調理に期待を寄せたのである。
ゴマ香る豚キャベ丼の調理
ムコーダはダンジョン豚とアルバンが畑で育てたキャベツを用いて、醤油・酒・みりん・砂糖・白すりゴマの合わせ調味料で炒め合わせた丼を仕上げた。炊き立ての白飯に盛り付けると香ばしい胡麻の風味が立ち、食欲をそそる出来であった。
食卓の賑わいと飲み物の配布
ムコーダはガウディーノ、ギディオン、シーグヴァルドに贈答向けの瓶ビールを供し、酒に強いゴン爺にも深皿で振る舞った。フェオドラには果汁100%のリンゴジュースが渡され、フェル、ドラちゃん、スイにも同じジュースが注がれた。丼は酒肴としても相性が良く、面々は勢いよく平らげておかわりを求めたのである。
食いしん坊たちの面目躍如
食いしん坊カルテットにフェオドラが加わって箸が進み、フェオドラの口元には米粒が付き、ギディオンとシーグヴァルドは呆れながらも笑みを見せた。シーグヴァルドは酒の追加も求め、ガウディーノとギディオンにたしなめられつつも、ムコーダは適量の追加を認めたのである。
明日への備えと一抹の不安
三人の探索者は明日から潜る手付かずのダンジョンについて熱く語り、フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイも意気軒昂であった。一方でムコーダは未知の構造ゆえの不確実性を意識し、最強戦力が揃っていながらも慎重さを失わぬよう心を引き締めたのである。
川辺の状況と獲物の確認
ムコーダ一行は川辺でゴン爺・ドラちゃんと合流し、大量の五メートル級レッドテイルカイマンを確認した。シーグヴァルドは魔物名と価値を即断し、鎧新調用の素材確保を見据えて狩猟数の目標を定めたのである。
レッドテイルカイマンの一斉討伐
「から揚げ」の一言で食欲勢が覚醒し、スイは大型酸弾、フェルは爪斬撃、ゴン爺とドラちゃんは捕獲→氷魔法の連係で狩り尽くした。短時間で川岸はドロップ品で埋まり、ムコーダは肉偏重で拾う面々に皮や牙も回収するよう指示し、後処理を統率したのである。
巨大魚の乱入と古竜の制圧
回収終盤、泳ぎ残りの一体を掴んだゴン爺に巨大魚が食らいついたが、古竜は頭部を鷲掴みにして制圧した。ドロップは白身・魔石・宝箱で、巨大魚は高ランクと推測された。
エンペラードラード鑑定と鍋談義
白身は「エンペラードラード」で、加熱でほくほくに旨いと判明。フェル、ドラちゃん、スイは即座に鍋を所望し、未体験のゴン爺も興味を示した。ムコーダは当初「作り置きで簡便に」と考えていたが、食材の魅力に押され鍋案が浮上したのである。
スキル詮索と火消し
フェオドラは鍋参加を主張し、ギディオンは鑑定や大容量アイテムボックスから勇者性を匂わせて詮索した。シーグヴァルドとガウディーノが仁義に反すると諫め、話題は曖昧なまま収束した。
“アーク”の戦術狩り(ブルーヘッドオッター)
“アーク”は頭頂の青毛を持つCランク「ブルーヘッドオッター」を連係で撃破。フェオドラの矢→シーグヴァルドのウォーハンマー→ガウディーノの斬撃とギディオンの突きで仕留め、撥水性の高い毛皮を得た。フェルとスイは「肉が不味い」ため不参加であった。
仲間への自覚と安心感
ムコーダは巨大スイの背で“アーク”の連係に感嘆しつつ、自身は強力な従魔と共にある安心を再確認した。フェルもそれを肯定し、引き続き湿地の探索を継続したのである。
ゴン爺の“土産”とムコーダの一刺し
偵察から戻ったゴン爺は丸太級の緑の大蛇「ハンターグリーンアナコンダ」(Aランク)を生け捕りで持ち帰った。肉は上質、皮は珍重品と鑑定され、レベル上げを名目にムコーダがミスリル槍で脳天に一突きして討伐し、肉と緑皮を獲得した。
力の差と苦笑い
“アーク”はレッドテイル・大蛇・巨大魚まで平然と片付ける従魔戦力と物量に唖然とし、ムコーダの臆病な一刺しに「それでは強くならぬ」と苦言を呈した。ムコーダは内心で弁解しつつ、次の狩りと鍋の段取りを思案したのである。
第八章 豪胆なムコーダ
誤解の弁明と昼食方針
ムコーダは“箱舟”に対し、ハンターグリーンアナコンダの件はゴン爺の土産であり常態ではないと丁寧に説明し、ひとまず誤解を解いた。気持ちを切り替え、一行は乾いた草地に陣取り、フェルとゴン爺の結界下で昼食準備に入ったのである。
エンペラードラードの野菜だし鍋
“アーク”に悟られぬよう魔道コンロの陰でネットスーパーを操り、ムコーダは野菜だしの鍋の素とシイタケ、シメジを調達した。アルバンの畑産のハクサイ・ネギ・巨大ニンジンと魚の白身を合わせ、あっさりながらコクのある「野菜だし鍋」を仕立てた。スープは野菜とキノコとエンペラードラードの旨味が重層的に融け合い、完成度は高かったのである。
食卓の熱狂と“野菜課題”の克服
食いしん坊カルテットに食いしん坊エルフを加えた面々は鍋に釘付けとなり、フェルは渋りながらも「野菜完食でおかわり」というムコーダの条件に屈して葉物を平らげた。ドラちゃんは染みたハクサイを称え、ゴン爺も「肉偏重でも主殿の料理なら何でも美味」と評した。ムコーダは雑炊の〆まで供し、大満足の昼食となったのである。
“アーク”の反応とフェオドラの健啖
ギディオン、ガウディーノ、シーグヴァルドは鍋の滋味と栄養のバランスに舌を巻き、魚料理の意外性を喜んだ。フェオドラは「早い者勝ち」とばかりに鍋をさらい、三名が慌てて取り分ける場面も生まれた。
白い火柱とアリ塚の掃討
探索再開後、前方に炎が上がり、ドラちゃんの疑似ブレスが白いアリの群れを焼いたことが判明した。到着すると、高層のアリ塚群と一メートル級の白アリが多数横たわっており、ガウディーノは過去の凄惨な事件からそれをキラーターマイトと断じた。かつてはBランク精鋭すら食い散らす脅威であったが、今回は従魔戦力の前に蹂躙されたのである。
顎ドロップの価値と分配
ムコーダは当初回収を渋ったが、ガウディーノの助言で「顎」が高品質ナイフ材・工芸材と知り、麻袋一つ分を拾う方針に転じた。残余についてはドラちゃんの承諾を得て“アーク”へ自由採取を許可し、面々は歓喜して回収した。
スイの巣内突入と“過保護”論争
スイが「自分でも狩りたい」と単独突入を願い出ると、入口幅の都合でフェルとゴン爺は不適、ドラちゃんが護衛を引き受けた。ムコーダは案じて右往左往し、フェルらは「過保護」と評したが、ムコーダは従魔を家族と捉える信条を曲げなかったのである。
無事帰還と戦利品
やがてドラちゃんとスイは無事に戻り、巨大魔石級ではないが良質の魔石と、楕円形で白く煌めく小さな石を土産として差し出した。ムコーダは胸を撫で下ろし、仲間と家族の安全を最優先にしつつも、豪胆に食と探索を主導する自らの在り方を確かめたのである。
前進と小収穫
一行はアリ塚を離れ、巨大スイで移動を再開した。ドラちゃんとスイの戦利品である白色の輝石は鑑定の結果ホワイトオパールであり、ムコーダは後日ランベルトに装身具への加工を依頼する意向を示した。途中、十メートル級の巨大アリクイを目撃したが、フェルの「肉質最悪」との判断で無視して行軍を優先したのである。
野営準備と夕食
ダンジョン内の擬似昼夜に合わせて薄暗くなったため、乾いた草地に野営地を確保した。結界はフェルとゴン爺が展張し、夕食は作り置きのダンジョン牛による牛丼を供出した。“箱舟”の面々はこれを絶賛し、肉ダンジョン行きの計画を語り合い、フェオドラは相変わらずの健啖ぶりを見せたのである。
見張り方針の相違
ムコーダは結界を信頼して見張り不要と進言したが、ガウディーノは「冒険者の習性」として見張り実施を選択した。フェルとゴン爺は自らの結界に対する不信に不快感を覗かせたが、ムコーダは両者の立場を斟酌しつつ敷布団を配して休息体制を整えた。
夜間の脅威と結界の効力
深夜、結界外にAランク級の脅威が複数接近した。ギディオンの番ではヘルスパイダーが多数、シーグヴァルドの番でも同様に出現し、フェオドラの番にはヴァンパイアバットが飛来したという。いずれも結界に阻まれて侵入不能であったが、“箱舟”の面々は極度の緊張に晒され、生きた心地がしなかったと述懐したのである。
翌朝の光景と“豪胆”評価
明け方、スイに起こされたムコーダは豚汁・大根おろしの小鉢・わかめ胡麻おにぎりの朝食を準備したが、“箱舟”の面々は皆そろって深い隈を作るほど疲弊していた。夜の顛末を聞いたムコーダは結界の堅牢さを改めて実感しつつ、熟睡していた自分が結果的に「豪胆」と評された事実に苦笑したのである。
第九章 スッポン鍋、再び
湿地帯の一週間と収穫
巨大スイで順調に前進。フェオドラが鮮やかな「インコもどき」を次々射落とし、装飾用の羽根を大量確保。“箱舟”は高値素材にご満悦。フェルとスイはブラックアナコンダや巨牛エアレーを「美味いから」という理由で狩り、肉在庫が潤う。ドラちゃん経由でビッグ/ジャイアント・バイトタートルの肉も手に入り、ムコーダは土産用に羽根を、食材用に肉を確保する。
ボス戦前夜とスッポン鍋
ボス手前で休息を選択。フェルは急ぎたがるが、ムコーダは準備重視で夕餉にスッポン(バイトタートル)鍋を仕立てる。見た目で尻込みする“箱舟”に対し、滋養強壮と「肌プルンプルン」効果を力説。フェオドラが真っ先に黙食→絶賛の無言おかわりで他三人も続き、全員が味と効能に陥落。翌朝、“箱舟”の面々はカツサンドを頬張りつつツヤ肌にご満悦、フェオドラは頬をさすってニンマリ。
階層主:アサシンジャガー
苔むした岩間の穴を守るSランク「アサシンジャガー」2体と遭遇。ゴン爺は「ブレス一発」を主張するも、ムコーダが巻き添え回避で却下。ドラゴン組は口論になりかけるが、ドラちゃんが「機動と魔法で行く」と名乗り出、スイも参戦。
ドラちゃん&スイの撃破劇
アサシンジャガーは風魔法を纏った爪斬撃で高速攻撃。ドラちゃんは回避からの氷魔法で背から腹へ貫通させ一撃必殺。スイは酸弾を躱されるも三本目の触手で尾を捕縛→多重拘束→頭部を包み込み窒息させて討伐。いずれもドロップは魔石と美しい毛皮のみ。フェルとゴン爺でさえスイの窒息戦法には「それは勘弁」と顔を引きつらせる。
“箱舟”の動揺と評価更新
フェンリルと古竜だけでなく、小柄なドラゴンとスライムまでもがSランクを単独撃破する現実に“箱舟”は茫然。「ムコーダを怒らせるな」「大人しくする」と態度を改め、戦力差と食の威力(=スッポン鍋)を痛感するのであった。
閑話 魔道冷蔵庫の出番
魔道冷蔵庫の存在意義に悩む日常
カレーリナの自宅リビング。フェル、ゴン爺、ドラちゃん、スイがうたた寝する中、ムコーダはふと魔道冷蔵庫の扱いに頭を悩ませていた。盗賊王の宝として手に入れた逸品であったが、ネットスーパーと時間停止のアイテムボックスがあるため、使用頻度はごく僅か。浅漬けや下味用以外に出番がなく、せっかくの魔道具を眠らせている現状を惜しんでいたのである。
スイの熱意とレアチーズケーキ作り
ムコーダの独り言に反応したスイが「甘いの!」と目を輝かせ、ドラちゃんとゴン爺も興味津々で起き上がった。ムコーダは苦し紛れに、学生時代の喫茶店バイトで覚えたレアチーズケーキを思い出し、製作を決意する。スイを助手に任命し、ビスケットを叩き砕き、溶かしたバターを混ぜて型に敷き、魔道冷蔵庫で冷却。さらにクリームチーズ・砂糖・ヨーグルト・レモン汁・生クリーム・ゼラチンを順に合わせ、なめらかな生地を作り上げた。
冷却とフルーツソースの仕上げ
生地を冷やし固める間、ヴィオレットベリーを使ったフルーツソースを作成。甘酸っぱい紫色のソースを煮詰めて完成させ、ケーキに添える準備を整えた。スイは「もうできた?」と待ちきれずに跳ね回るが、ムコーダは「夕飯後のお楽しみ」となだめ、魔道冷蔵庫の中でケーキを冷却した。
食後のデザートと歓喜の声
夕食後、純白のレアチーズケーキに鮮やかなヴィオレットベリーソースをかけて提供。フェル、ゴン爺、ドラちゃんが一口食べて「甘すぎずうまい」と好評し、スイは嬉しさのあまり飛び跳ねた。ムコーダも味見し、懐かしさと共に出来栄えを満喫したのである。
女神へのお裾分けと神界の反応
甘味に敏感な女神の声が届き、スイが「お裾分けする」と念じてケーキを供えた。皿が光に包まれて消えた直後、女神の「美味しいのじゃ!」という満足の声が響き、スイは歓喜。ムコーダはスイと共に微笑み合い、久方ぶりに魔道冷蔵庫が真価を発揮した一日を静かに噛みしめたのである。
番外編 食い倒れ屋台巡りツアー?
小国群での採取任務と帰路
ムコーダ一行は、国境を越えて小国群の森に向かい、希少な薬草採取の依頼を遂行した。魔物との遭遇もあったが、フェルとゴン爺の存在により危険は皆無。採取を終えた後、せっかくの機会とあって、彼らは立ち寄りの街ラドワーンを訪れることにした。この街は農産物の集積地として知られ、小国群の中でも第四の規模を誇る活気ある都市であった。
異国の街と屋台の誘惑
人々は日焼けした逞しい体格が多く、街並みは中東の市場を思わせる異国情緒に満ちていた。ムコーダが文化探索に心躍らせている一方で、フェルの鼻が屋台の香りを嗅ぎつける。最初に向かったのは巨大な肉塊を焼く屋台で、香辛料の香ばしい匂いに惹かれた食いしん坊カルテットが突撃した。異世界ケバブとも言うべきスパイス肉は、独特の癖を持ちながらも絶妙な味わいで、全員が即座に平らげたのである。
ゴン爺の嗅覚と肉連続制覇
次なる標的はゴン爺が見つけた串焼き屋台。香ばしい煙とスパイスの匂いに釣られ、またもや肉料理を注文。フェルもドラちゃんも「味が深い」と満足し、スイまで「美味しい〜」と喜々として食べ尽くした。ムコーダは「もう少し噛んで味わえ」と注意するが、彼らは皆「ちゃんと味わっている」と主張。結局、流れるように屋台から屋台へと渡り歩く展開となった。
終わらぬ食欲と異国の味覚
肉串、揚げ物、スパイス焼きと、各屋台の料理を次々と制覇したカルテットは「腹も十分満たされた」と満足げ。スイだけは「まだ食べられる〜」と意気揚々で、ムコーダは呆れながらも付き合った。スパイスの産地らしく料理には刺激的な辛味が多く、普段のムコーダ飯にはない異国の風味が旅の一興となったのである。
異国情緒より食欲優先の一日
ムコーダはせっかくの異国訪問に観光気分を味わいたかったが、食いしん坊カルテットにとっては「異国=屋台飯」だった。フェルもゴン爺も「十分異国を堪能した」と満足げで、食の冒険こそ彼らの旅の醍醐味であると主張。ムコーダは最後に日用品の買い物だけを済ませ、「結局屋台巡りで終わった」と苦笑しながら、異国の街の黄昏を後にしたのである。
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