小説「目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので 8」感想・ネタバレ

小説「目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので 8」感想・ネタバレ

目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい8の表紙画像(レビュー記事導入用)

最強装備宇宙船  7 レビュー
最強装備宇宙船  全巻まとめ
最強装備宇宙船  9 レビュー

物語の概要

本作は、ゲーム知識と最強の宇宙船「クリシュナ」を持って未来的な異世界に転移した主人公ヒロが、平穏な一戸建て生活を目指して傭兵稼業に勤しむスペースファンタジー小説の第8巻である。 本巻では、ヒロたちが滞在中のダレインワルド伯爵家より、テラフォーミングが完了した「コーマット星系」への入植船団護衛およびトラブル処理の依頼を受けるところから物語が始まる。最新鋭の軍用戦闘ボットを購入し戦力を増強したヒロは、入植地を襲う宙賊や、敵対貴族が放ったとされる謎の生物兵器「攻撃的原生生物」との戦いに身を投じていく。宇宙空間での艦隊戦に加え、過酷な環境下での地上白兵戦も描かれる。

主要キャラクター

  • ヒロ(キャプテン・ヒロ): 本作の主人公。最強の小型戦闘艦クリシュナと母艦ブラックロータスを操るプラチナランク傭兵。トラブル体質で、本人の意思とは裏腹に貴族間の陰謀や大規模な戦闘に巻き込まれる。今回は剣を用いた白兵戦でも活躍する。
  • クリスティーナ・ダレインワルド(クリス): ダレインワルド伯爵家の跡取り娘。コーマット星系への入植計画の指揮を任され、ヒロたちに護衛を依頼する。ヒロに対して淡い恋心を抱いている。
  • セレナ中佐: 帝国航宙軍の指揮官であり、自身も貴族。高い剣術の腕前を持つ。ヒロを「対ゲリッツ(敵対貴族)の切り札」として徴用し、テラフォーミング中の惑星での過酷な任務に連れ出す。
  • ミミ&エルマ: ヒロの船のクルー。ミミはオペレーター、エルマはサブパイロットを務める。ヒロを公私ともに支えるパートナーたち。
  • メイ: ヒロが所有する超高性能メイドロイド。艦の管理から戦闘指揮まで完璧にこなす。
  • ティーナ&ウィスカ: ドワーフの整備士姉妹。鹵獲した宙賊船の修理や改修で大忙しの日々を送る。

物語の特徴

地上戦と「軍用戦闘ボット」の投入
これまでの宇宙船による戦闘に加え、本巻では強力な「軍用戦闘ボット」十機を導入したことによる制圧戦や、ヒロ自身が強化外骨格と剣を用いて行う、テラフォーミング中の惑星での白兵戦が大きな見どころである。SF設定でありながら、異形の怪物と剣で戦うファンタジー要素が融合したアクションが展開される。

貴族社会の陰謀と傭兵の立ち位置
単なる宙賊退治に留まらず、ダレインワルド伯爵家と敵対するイクサーマル伯爵家の陰謀が絡むストーリーとなっている。ヒロは傭兵という自由な立場でありながら、帝国貴族の権力闘争や領地経営の一端に関わり、その実力を認められていくカタルシスが描かれる。

次なる冒険への布石
激しい戦闘の合間に描かれるヒロとヒロインたちの交流や、メディア取材を受けるコミカルな日常パートも健在である。また、巻末ではヒロが追い求める「コーラ」の手がかりを求めて、次なる目的地(エルフの母星系)が定まるなど、冒険の広がりを予感させる構成となっている。

書籍情報

目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 8
著者:リュート
イラスト:鍋島テツヒロ
出版社:KADOKAWA(カドカワBOOKS)
発売日:2022年8月10日
ISBN:9784040746272

BOOK☆WALKEで購入

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

ヒロ、生まれたばかりの星を守る騎士となる!
セレナの口利きで帝都で軍用戦闘ボットを購入し更なる戦力増強を図る一行。

そこへ飛び込んだのは、ダレインワルド家から、新たにクリスが指揮を取ることになった惑星への入植の際の護衛依頼だった。
テラフォーミング完了後の入植にはたくさんの資源が飛び交い、宙賊達の格好の狙いの的らしい。

ゴールドスター取得でメディアからも大注目を受けるヒロは、曲者揃いの取材クルーの張り付きの上で、惑星防衛という特大ミッションに挑む!

目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 8

帝都での滞在と軍用戦闘ボットの導入
御前試合を終えたヒロたちは、ダレインワルド伯爵家の帝都屋敷に滞在し、クリスティーナやクルーたちと穏やかな時間を過ごしていた。ヒロは今後の危険に備え、最新鋭の個人用防護膜発生装置を購入する。さらに、セレナ中佐からの紹介状を利用して軍需企業イーグルダイナミクスを訪れ、対宙賊の移乗攻撃および防衛用として、整備システムを含めた軍用戦闘ボット「アルケニー」十機を購入し、戦力の大幅な増強を図った。

コーマット星系への入植護衛依頼
ダレインワルド伯爵より、テラフォーミングが完了した惑星コーマットⅢへの入植計画に伴う護衛依頼が舞い込んだ。ヒロたちは、入植船団の指揮を任されたクリスティーナと共にコーマット星系へ向かうことになる。この旅には、ヒロたちの活躍を取材したいという複数のメディア企業のスタッフも同行することとなり、撮影条件などを定めた上で彼らを母艦ブラックロータスに乗船させた。

宙賊の撃退と新型兵器の運用
コーマット星系に到着後、ヒロたちは哨戒任務中に大型客船を襲撃する宙賊艦隊と遭遇した。クリシュナの圧倒的な火力で敵艦の武装と推進器を破壊し無力化した後、導入したばかりの軍用戦闘ボットを投入して移乗攻撃を行った。ボットによる制圧は迅速かつ一方的なものであり、人質を取っていた宙賊たちを無傷で捕縛することに成功した。この一連の戦闘は同行していたメディアによって記録され、ヒロたちは戦利品と賞金により多額の利益を得た。

未知の生物兵器との遭遇
入植が進むコーマットⅢの防衛部隊から、攻撃的な原生生物の襲撃を受けているとの緊急連絡が入った。ヒロたちが急行すると、そこには自然発生とは考え難い異形の生物兵器群が存在していた。ヒロはクリシュナによる航空支援とブラックロータスからの砲撃を行い、これらを殲滅した。調査の結果、これらの生物は敵対するイクサーマル伯爵家が放った生物兵器である可能性が浮上した。

テラフォーミング惑星での追撃戦
宙賊の本拠地制圧作戦の最中、逃走を図るサプレッションシップを確認したヒロは、テラフォーミング進行中の過酷な環境にある惑星コーマットⅣまで追跡を行った。地上に降下したヒロは、セレナ中佐率いる帝国航宙軍と合流し、砂塵吹き荒れる中で生物兵器の群れと交戦した。敵の拠点を突き止め突入した彼らは、最奥部で四本の腕を持つ異形の怪物と対峙する。激闘の末、ヒロとセレナは連携して怪物を討ち取ったが、それが標的であるゲリッツ本人であったかは判別不能であった。

開拓都市の視察と契約の終了
脅威が去ったコーマットⅢにて、ヒロは傭兵の姿に変装したクリスティーナと共にお忍びで開拓都市の視察を行った。現地の食料生産設備や住民の生活を見て回る中、クリスティーナを侮辱しようとした記者が現れる一幕もあったが、ヒロの制止により事なきを得た。一ヶ月にわたる契約期間が満了し、クリスティーナはヒロを引き留めようと想いを伝えたが、ヒロはこれに応じず傭兵として生きる道を選んだ。

次なる目的地への出港
すべての任務を終えたヒロたちは、莫大な報酬と戦利品の売却益を手にコーマット星系を離れることとなった。次なる目的地として、ヒロが追い求めている炭酸飲料「コーラ」が存在する可能性があるエルフの母星系、リーフィル星系が選ばれた。ブラックロータスが出港する様子を、港の一角からセレナ中佐が静かに見送っていた。

感想

8巻は、御前試合後の「一息つける時間」から始まるが、その落ち着きは長続きしない。ミミの出自とエルマの身分が明らかになったことで、装備の更新や防護策が一層現実味を帯び、ヒロの周囲にはさらなる“面倒事を呼び込む土壌”が着々と整っていく。

そこへ舞い込むのが、テラフォーミング直後の惑星コーマットⅢにおける入植護衛の依頼である。「入植」という希望に満ちたイベントに見せかけて、その実態は原生生物の襲撃や宙賊の介入が前提にある危険な現場であり、この世界特有の殺伐さが容赦なく描かれている。戦闘用ボットの投入が取材対象となり、敵の撃退がそのまま利益と実績へと変換されていく流れは、この作品が持つ「勝つほど資本が増える」という構造を改めて突きつけてきた。

一方で読んでいて気になったのは、コーマットⅢでの襲撃が単なる“駆除”で終わらず、生物兵器疑惑へと繋がり、調査と討伐の規模が急速に拡大していく展開の速さである。さらに、ヒロは本来パイロット寄りの立ち位置であるにもかかわらず、またしても前線での白兵戦を強いられる展開には違和感も残る。ヒロとセレナが特別な存在であることは理解できるが、同じ現場に立たされる普通の兵士が気の毒に見えるほど、戦場の難易度が跳ね上がっているように感じられた。

結果として任務は満了し、舞台は次の星系へと移る。全体を振り返ると、8巻は平穏な日常よりも事件処理が優先され、クリシュナ単独での活躍はやや控えめに感じられた。それでも、入植と治安維持、貴族と軍、宙賊と利権が複雑に絡み合うこの世界の空気感は濃密であり、次の舞台でも同じだけの“面倒”が待ち受けていそうだと思わせる一巻だった。

最強装備宇宙船  7 レビュー
最強装備宇宙船  全巻まとめ
最強装備宇宙船  9 レビュー

最後までお読み頂きありがとうございます。

BOOK☆WALKEで購入

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

登場キャラクター

ヒロ

傭兵として活動し、戦闘・交渉・部隊運用・装備調達などを包括的に取り仕切る実務的なリーダーである。冷静な判断力でリスクを徹底的に排除しつつ、利益確保にも抜け目がない。

・所属組織、地位や役職  傭兵(名誉子爵)。ブラックロータスおよびクリシュナの所有者。

・物語内での具体的な行動や成果  帝都で軍用戦闘ボット「アルケニー」十機を導入し、戦力強化を図った。  コーマット星系の入植護衛任務を請け負い、宙賊の掃討や拠点の制圧を指揮した。  セレナ中佐の強引な命令により、コーマットⅣの地上戦へ投入され、ツイステッドやゲリッツ(変異体)を近接戦闘で撃破した。  戦後処理では鹵獲品の売却や報酬計算を細かく行い、次なる目標として「家を建てる」計画を立てた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  コーマット星系の防衛に大きく貢献し、その活躍は記録映像として残された。

ミミ

ヒロのパートナーとして行動する少女であり、オペレーター業務や情報管理を担当する。皇帝の血縁者という出自を持つが、普段は普通の少女として振る舞う。

・所属組織、地位や役職  ヒロのクルー(傭兵)。

・物語内での具体的な行動や成果  降下時の記録映像撮影やデブリ監視を行い、ヒロの判断をサポートした。  戦闘ボットの購入時に金銭感覚の麻痺を露呈し、整備士姉妹に諭された。  クリスの苦悩に寄り添い、彼女が素に戻れる空気を作る一因となった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロとの関係は良好で、彼の目標である「コーラ探索」にも付き合う姿勢を見せた。

エルマ

ベテラン傭兵であり、ウィルローズ子爵家の令嬢でもある。ヒロの良き相談相手として、戦闘から生活面まで幅広くサポートする。

・所属組織、地位や役職  ヒロのクルー(傭兵)。

・物語内での具体的な行動や成果  祝賀会で「芋虫料理」を率先して試食し、周囲の警戒心を解いた。  クリシュナのサブパイロットとして地上支援砲撃を行い、ヒロたちを援護した。  宙賊問題の根深さやエッジワールドのリスクについて、現実的な視点から助言を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロの無茶な行動に呆れつつも、信頼関係に基づき同行を続けている。

メイ

ヒロが設計した高性能メイドロイドであり、艦内管理から電子戦、戦闘ボットの指揮までこなす万能な存在である。

・所属組織、地位や役職  ヒロの所有するメイドロイド。

・物語内での具体的な行動や成果  レーダー監視やデータ解析を行い、宙賊の動きや資金源を特定した。  軍用戦闘ボット部隊を遠隔指揮し、宙賊艦の制圧を迅速に完了させた。  ヒロに「ご褒美」としてのハグを要求し、処理能力の向上を報告した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロへの依存度(忠誠度)が高く、彼とのスキンシップを喜ぶ人間味のような反応を見せる。

クリスティーナ・ダレインワルド(クリス)

ダレインワルド伯爵家の令嬢であり、コーマット星系入植船団の総指揮を任された人物である。激務に追われながらも、指導者としての責務を果たそうと努める。

・所属組織、地位や役職  ダレインワルド伯爵家令嬢。コーマット星系総督。

・物語内での具体的な行動や成果  入植初期の混乱や大量の陳情処理に忙殺され、ヒロとの食事会で弱音を吐露した。  宙賊拠点掃討作戦では演説を行い、帝国軍や傭兵の士気を高めた。  視察の名目でヒロたちとお忍びで外出し、年相応の素顔と、侮辱に対する冷徹な貴族の顔の両面を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロに対して好意を明確にし、別れ際に「悪い貴族女性」を演じて口づけを奪った。

帝国航宙軍・関係者

セレナ中佐

帝国航宙軍の指揮官であり、ヒロに対して強引な命令を繰り返す人物である。目的のためなら手段を選ばず、自ら前線に立つ武闘派でもある。

・所属組織、地位や役職  帝国航宙軍中佐。

・物語内での具体的な行動や成果  ヒロに戦闘ボット購入の便宜を図る一方で、地上戦への強制参加を命じた。  コーマットⅣの過酷な環境下でヒロと共に先行偵察を行い、ツイステッドやグラップラーを撃破した。  ゲリッツ捕縛に執着し、変異体となった彼(らしき存在)を制圧して持ち帰った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロの剣術を高く評価し、背中を預けられる戦友のような認識を持っている。

ダレインワルド伯爵

クリスの祖父であり、伯爵家当主として入植事業を統括する人物である。実利を重んじ、ヒロたちを傭兵としてドライに雇用した。

・所属組織、地位や役職  ダレインワルド伯爵家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  挨拶もそこそこにヒロへ護衛依頼を提示し、条件交渉をまとめた。  クリスに指揮権を与え、彼女の成長と実績作りを促した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  孫娘の成長を見守る立場として、間接的にヒロたちの活動を支援している。

クルー・技術者

ティーナ

整備士姉妹の一人であり、現実的な視点と高い技術力を持つ人物である。

・所属組織、地位や役職  ヒロのクルー(整備士)。

・物語内での具体的な行動や成果  鹵獲した宙賊艦の修理・改修作業を一手に引き受け、過重労働をこなした。  ミミの金銭感覚のズレを指摘し、一般人の感覚を説いた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロの無茶な戦利品回収ペースに振り回されつつも、技術者としての職務を全うしている。

ウィスカ

ティーナの姉妹であり、同じく整備士として同行する人物である。

・所属組織、地位や役職  ヒロのクルー(整備士)。

・物語内での具体的な行動や成果  ティーナと共に鹵獲艦の整備にあたった。  祝賀会での食事マナーや食の好みなど、生活面での細かな描写が見られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ティーナ同様、裏方として艦隊の運用を支えている。

メディア関係者

アレン

メビウスリングのメディア部に所属する取材者であり、ヒロの活動を記録する役割を持つ。

・所属組織、地位や役職  メビウスリング・メディア部二課。

・物語内での具体的な行動や成果  ヒロに自伝の執筆を勧めたり、戦闘記録の提供を求めたりした。  傭兵の現実に直面し、イメージとのギャップに戸惑う様子を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロの活動を通じて、傭兵という職業への理解を深めている。

ズィーア

取材班の一員であり、刺激的な展開を好む人物である。

・所属組織、地位や役職  取材班クルー。

・物語内での具体的な行動や成果  ヒロの稼ぎや隠居の可能性について言及し、彼のモチベーション(コーラ探索)を引き出した。  母星系やエッジワールドに関する情報を提供し、今後の行動指針に影響を与えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロとの会話を通じて、彼の特異な価値観に触れている。

ニーア

取材班の一員であり、撮れ高のためにリスクを軽視する傾向がある人物である。

・所属組織、地位や役職  取材班クルー。

・物語内での具体的な行動や成果  戦闘中にヒロに絡んで邪魔をし、コックピット出禁を告げられた。  ヒロに養ってもらおうと提案するが、軽くあしらわれた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロからの評価が低く、制裁として「減点」されるなど扱いが悪い。

ワムド

取材班の一員であり、映像的な見栄えを重視する人物である。

・所属組織、地位や役職  取材班クルー。

・物語内での具体的な行動や成果  艦隊集結の光景を喜び、戦闘データの共有を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

その他

ゲリッツ=イクサーマル

イクサーマル伯爵の弟であり、コーマット星系での妨害工作を指揮していたとされる人物である。

・所属組織、地位や役職  イクサーマル伯爵家。

・物語内での具体的な行動や成果  サプレッションシップで逃走し、コーマットⅣの地下施設へ潜伏した。  最終的に四本腕の異形(ツイステッド)と化した状態で発見され、ヒロとセレナに倒された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  生きたまま捕獲され、ダレインワルド伯爵家によるイクサーマル家追及の証拠となった。

ピジョー

イーグルダイナミクス帝都支社の担当者であり、ヒロに戦闘ボットを販売した人物である。

・所属組織、地位や役職  イーグルダイナミクス帝都支社。

・物語内での具体的な行動や成果  ヒロの要望に合わせて最適な機種(アルケニー)を提案し、大量購入契約を成立させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

エイファ

コーマットⅢの第二開拓都市で農業に従事する巨漢の男性であり、ラギール氏族の出身である。

・所属組織、地位や役職  ラギール氏族出身の農業担当者。

・物語内での具体的な行動や成果  ヒロたちに土壌調査や農業ボットの運用について説明した。  実家を継げないため移民に応募したという経緯を語った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ヒロの知名度を知っており、友好的に接した。

クララ

第二開拓都市のまとめ役を務める中年女性であり、ヒロたちを出迎えた人物である。

・所属組織、地位や役職  第二開拓都市の代表者。

・物語内での具体的な行動や成果  ヒロのファンであることを明かし、気さくに接した。  クリスの正体を察しつつも、あえて触れずに配慮した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

クレイン

第二開拓都市の「便利屋」的な役割を担う中年男性であり、ヒロたちの案内役を務めた。

・所属組織、地位や役職  第二開拓都市の住人(便利屋)。

・物語内での具体的な行動や成果  ドワーフの少年と共にヒロたちを案内し、食事を共にした。  宙賊襲撃の警報時にヒロたちを送り出し、武運を祈った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

ビャッキー

セラエノタイムス所属の記者を名乗る男であり、クリスに対して悪意ある質問を投げかけた人物である。

・所属組織、地位や役職  セラエノタイムス(自称)。

・物語内での具体的な行動や成果  クリスの両親の死を侮辱し、彼女を激昂させた。  ヒロの威圧に恐れをなして逃走した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  クリスの逆鱗に触れ、排除された。

展開まとめ

プロローグ

寝床での目覚めと誤解
ヒロは何者かが寝床に入り込む気配で目を覚ました。侵入者を無意識に抱き寄せ再び眠りかけるが、ミミの声で意識が覚醒する。布団をめくると、そこには頬を染めたクリスティーナ・ダレインワルドがいた。予期せぬ状況にヒロは動揺するが、貴族屋敷の防音性により騒動は外に漏れなかった。

帝都屋敷での滞在事情
ヒロたちは御前試合後に一度コロニーへ戻り、その後再び帝都へ降下し、ダレインワルド伯爵家の屋敷に滞在していた。ヒロが御前試合で名を上げたことや各種功績により、帝都への再訪は容易であった。クリスとは過去の事件を通じて深い縁を結んでおり、互いに特別な感情を抱いていた。

同行者たちの立場と背景
ミミは一見普通の少女であるが、皇帝の血縁にあたる出自を持つ存在であった。皇帝の配慮により、彼女は身分を伏せたまま傭兵としての生活を続けていた。エルマはベテラン傭兵であり、同時にウィルローズ子爵家の令嬢であった。家族との軋轢を経て、ヒロとの関係は公認されていた。

朝の支度と仲間たち
ヒロはエルマと挨拶を交わし、穏やかなやり取りを交えながら身支度を整えた。ダイニングではメイドロイドのメイが朝食の準備をしており、彼女はヒロが設計した高性能アンドロイドであった。整備士姉妹のティーナとウィスカは疲労のため寝坊しており、起床後は簡単な飲み物で済ませることになった。

一日の予定と穏やかな時間
伯爵は帝城に出仕しており、夕方に戻る予定であった。ヒロは朝食後に軽い訓練と買い物、昼食の外出を提案し、ミミやクリスはそれに賛同した。屋敷では剣術訓練やトレーニングが行われ、整備士姉妹も合流する。帝都での一日は、忙しさの中にも穏やかな日常として進んでいった。

#1: 帝都にて

買い物と装備購入
ヒロたちは帝都のショッピングモールで買い物をしていた。ヒロは個人用防護膜発生装置を購入し、未開拓惑星での小動物対策からレーザー攻撃の防御まで出力を変えて使える点に満足していた。一方でティーナは用途に疑問を挟みつつも、二人は軽口を交わしながら別行動を続け、他の面々が最新素材の服を選ぶ間に面白そうな店を冷やかして回っていた。 要約プロンプト

セレナ中佐からの連絡と予定変更
歩き回る最中、ヒロの端末にセレナ中佐から通信が入り、軍用戦闘ボット購入の許可が下りた旨と電子証明書、紹介状が送付された。セレナ中佐は結晶戦役の借りを返したと告げ、今後の貸しを意識させて通信を切った。ヒロは面倒事を警戒しつつも、戦闘ボット購入へ予定を切り替え、ティーナも強く乗り気になっていた。

イーグルダイナミクス訪問と展示品の検討
一行は高級レストランで食事を取り、メイがアポイントを調整した後、イーグルダイナミクス帝都支社へ向かった。入口付近には警備用ボットと展示機が並び、ミミとクリスは小型機を可愛いと評し、ティーナとウィスカは中型機を中心に見て回った。ヒロとエルマは室内戦を想定し、機動性よりシールドや耐久、火力を重視すべきだと考え、中型重戦闘ボットの方向へ絞っていった。

担当者ピジョーの提案と商談
担当のピジョーは紹介状を踏まえた丁重な応対で社屋へ招き、ヒロの用途を聞いた上で中型重戦闘ボットを推した。ピジョーは四脚型のアルケニーを提示し、アームやバックパックの換装で突撃、防衛、通信、医療、修理、三次元機動、光学迷彩などの役割を持たせられると説明した。ヒロは汎用性と運用幅に納得し、十機と整備・換装システム一式、オプション装備の見積を求めた。

購入決定とコスト比較
複数案の提示後、ヒロは非稼働時に折りたためる点も評価してアルケニーの軍用タイプ購入を決めた。紹介状の効果と大量購入により本体価格は下がり、換装システムや装備込みで総額は大きな買い物となった。クリスは高性能メイドロイドを増やす案を口にしたが、メイは自身の価格、メンテ頻度、修理の制約を挙げ、軍用戦闘ボットの整備性と戦闘継続能力、費用対効果が優れると説明した。ヒロも護衛用途はメイが適任だが、戦闘ボットは用途が異なると整理した。

屋敷帰還と入植護衛の依頼
屋敷へ戻るとダレインワルド伯爵は挨拶抜きで依頼を提示し、コーマット星系の居住可能惑星コーマットⅢで入植を開始するため初期段階の護衛と、問題発生時のトラブル対応を求めた。ヒロは対応範囲と追加料金を明確にし、伯爵は自家戦力や帝国航宙軍の派遣も前提に、傭兵としての参加を求めた。報酬と拘束期間がすり合わせられ、ヒロ、ミミ、エルマは了承し、依頼はギルド経由で手続きされることになった。

クリスへの指揮任命と不穏な予感
伯爵はクリスに入植船団の指揮を任せ、成功を求めた。ヒロはそれがクリスの研修でもあると理解し、ミミとエルマも支援の姿勢を示した。整備士姉妹は伯爵の貴族然とした雰囲気に固まっていた。ヒロたちは入植を休暇のように語ろうとしたが、クリスが入植初期に宙賊が現れる可能性へ言及し、三人は言葉にしなかった不安を共有して嘆く空気になっていた。

アルケニー購入の決定と金銭感覚の修正
ヒロは複数機種の説明を受けた末、最初に薦められたアルケニー型の軍用戦闘ボットを購入すると決めた。理由は汎用性が高く、非稼働時に機体を折りたためて想定より小さく扱える点にあった。戦闘特化で強力な機種もあったが、用途が偏るため見送られた。セレナ中佐の紹介状と十機一括購入により単価が下がり、換装システムとオプション込みで総額は約120万エネルとなった。ミミが安いと口にしたため、ティーナとウィスカは一般人の収入感覚を示して諭し、ミミは我に返っていた。 要約プロンプト

メイドロイドと戦闘ボットの比較
クリスはメイの方が戦闘ボットより高性能だと指摘し、同等の高性能メイドロイドを揃える案を出した。ヒロとエルマも性能面では同意し、メイは礼を述べた上で、費用対効果と運用上の差を説明した。メイ級は本体価格が高く、オプションや整備装置まで含めると複数体で大きな出費となる一方、軍用戦闘ボットは戦闘面で優位であり、整備・換装システムがあれば損傷時も自前で修理可能で、長期間の継続運用がしやすいと整理した。ヒロは護衛用途ならメイが最適だが、戦闘ボットは持ち歩けず用途が異なると結論づけ、エルマの護衛要否の問いかけは真顔で退けられていた。

屋敷帰還と伯爵からの依頼提示
商談後、クリスは祖父の帰還時刻を見込み、一行は屋敷へ戻った。到着直後、ダレインワルド伯爵は挨拶を挟まず依頼を切り出し、クリスはその唐突さに声を上げた。伯爵はホロディスプレイでコーマット星系を示し、テラフォーミングが完了した居住可能惑星コーマットⅢへの入植開始に伴い、初期段階の護衛と、惑星上で問題が起きた場合のトラブル解決をヒロに求めた。

契約条件の交渉と成立
ヒロは宙賊対応は基本給の範囲としつつ、惑星上のトラブル解決は別料金とすること、さらに宙賊の突撃降下すべてを単独で防ぐのは不可能だと釘を刺した。伯爵は自家戦力と帝国航宙軍も守りに就く前提を示し、その上で傭兵として加わる形を求めた。日当や追加報酬、拘束期間が詰められ、最短一ヶ月から最長三ヶ月の契約で合意し、ミミとエルマも参加を了承した。依頼は傭兵ギルド経由で手続きされ、伯爵とヒロは握手で成立を確認した。

クリスへの指揮任命と不穏な空気
伯爵はクリスに入植船団の指揮を任せ、成功を命じ、クリスは受諾した。ヒロはこれが将来の領主としての研修でもあると理解し、ミミとエルマも支える姿勢を見せた。整備士姉妹は伯爵の雰囲気に圧され置物のように固まっていた。ヒロたちは入植を休暇のように語ろうとしたが、クリスが入植初期には宙賊が現れると述べて気合を入れたため、三人は言わなかった不安を突かれた形になり、内心の嘆きを共有していた。

#2:コーマット星系へ

コーマット星系の概要と入植背景
ヒロは目的地コーマット星系の概要を整理した。同星系はG型主系列星を中心に複数惑星とガス惑星、小惑星帯を持ち、鉱物資源は一般的だが埋蔵量が豊富であった。ダレインワルド伯爵家は採掘・精錬コロニーや貿易コロニーを早期に整備し、さらに第三惑星コーマットⅢのテラフォーミングを帝国補助のもと進め、完了に至った。一方で第四惑星は寒冷で、居住に適した環境への改変にはなお十年程度を要すると語られていた。 要約プロンプト

宙賊脅威の見立てと護衛体制
ミミは今後、移民船や居住地、貿易コロニー、貿易船への襲撃増加が見込まれると説明し、それが雇用理由になったと結論づけた。エルマは、自分たちだけで全てに対応できないため、伯爵家が他の傭兵を大量に集め、防衛戦力も増強し、帝国航宙軍の派遣もあると補足した。ミミが帝国航宙軍の話題でヒロを見たため、ヒロは活動範囲が重なる以上、再び顔を合わせる可能性を認めていた。

出港命令と記録装置の追随
ヒロは伯爵家に直接雇用されるのが自分たちだけであると述べ、酷使される可能性を織り込みつつ、稼げると割り切って気合を入れた。ブラックロータスにクリシュナを積んだ船は出港し、伯爵家護衛船団と合流後、ゲートウェイで複数星系を経由してコーマット星系へ向かう航路が示された。この出港の様子は四つの記録装置により記録され続けていた。

船内生活の実態と傭兵像のギャップ
移動中、ヒロはメビウスリングのメディア部二課アレンと休憩スペースで話し、傭兵生活は四六時中戦闘ではなく移動が長いと説明した。伯爵家護衛船団と行動している間は、帝国貴族への襲撃が割に合わず、ゲートウェイ周辺は軍が睨みを利かせ、領主にとっても通過中の襲撃は恥になるため、事件が起こりにくいと述べた。さらにヒロは、船内で過ごす時間が長い以上、快適な環境が仕事の質を上げるという考えを語り、内装や食事、寝具にこだわる理由を示した。

ミミの出自への関心と説明の調整
休憩スペースでは、ミミが船内環境が整った経緯や、自身の出自に関する話題にも触れた。ミミは帝室と距離を置き、皇女と似ているだけの存在だと説明し、謁見前に船で検査が行われたことや、ゲノム検査の結果についても語っていた。話題が深掘りされそうになると、ミミは別の話へ移そうとする流れになった。

交易ステーション到達と移民船団の規模
約一週間弱の後、一行はコーマット星系の交易ステーションに到達し、近くに停泊する五隻の大型移民船団を目にした。ティーナは船型や着陸手順、着陸後に拠点化し最終的に解体資源になる仕組みを説明し、ウィスカも船体下部が物流倉庫として機能すると補足した。ヒロは五箇所同時に植民が行われると理解し、エルマは自分たちが護衛と支援を担うと整理した。

支援任務の内容と宙賊の狙い
ミミが支援内容を尋ね、ヒロは原生生物への近接航空支援や、邪魔な地形の破壊依頼があり得ると答えた。ただし依頼が回るのは戦闘艦でなければ危険な場合に限るとも述べた。ヒロは植民船の武装が宙賊艦に対抗できず、宙賊は備蓄物資や探索中の開拓民を狙い、違法奴隷狩りの獲物にするため降下を試みると説明し、忙しくなる見通しを立てた。

交易コロニーの活況と最初の仕事
コーマットプライムコロニーは好況に沸き、植民の集積基地として物資や嗜好品の取引が急増し、コロニー拡張工事も進んでいた。ミミは活気に驚き、ヒロは今は持ち込めば売れる状況だと見た。エルマは最初の仕事が降下する移民船の護送になると述べ、ヒロは降下時の襲撃は旨味が薄く、起こせば伯爵家と帝国の報復が確実だと語った。

祝賀会の開催と傭兵としての距離感
ホテルでの待ち合わせ後、コーマットⅢ入植開始を祝う立食パーティーが開かれ、クリスの乾杯で祝賀会が始まった。ミミとティーナは料理へ向かい、ウィスカは行儀を注意した。会場は人で溢れていたが、ヒロたちは傭兵装いで参加し、暴力的な気配もあってか近寄る者は少なかった。御前試合が配信され、顔が知られている可能性にも触れられていた。

セレナ中佐の登場と連携提案
メイが接近者を知らせ、ヒロは部下を連れたセレナ中佐と対面した。セレナ中佐は宙賊狩り目的で来ていると述べ、互いに手の内を知る者同士として連携行動を提案した。ヒロは提案自体は否定せず、依頼人の許可と指揮系統の問題、伯爵家と軍で防衛目標の優先度が異なる可能性を理由に即答を避け、セレナ中佐は伯爵家へ話すと応じて去った。

連携の損得勘定と食事へ移動
ヒロは内心では連携が宙賊撃破数を増やす一方、身軽さを失い、対宙賊独立艦隊の火力差で獲物や賞金が減り、鹵獲も期待しにくいと見ていた。エルマも、クリスは武功の観点から申し出を断りがちだろうと推測した。ヒロは料理を取りに行くことにし、エルマとメイを伴って会場奥へ向かった。

コーマットⅢ産の料理と警戒
料理台の周辺は混雑しており、コーマットⅢで採れる食材も並んでいた。ヒロは警戒するが、エルマは伯爵家の主催で食中毒など起こせないと述べ、ヒロも納得して近づいた。

巨大芋虫の丸焼きと試食
ヒロは中型犬ほどのサイズの芋虫めいた丸焼きを目にし、見た目の強烈さに戸惑った。エルマに促され、切り分けられた芋虫をクラッカーに載せ、緑色のソースをかけた一品を受け取って口にした。ソースはバジル系の香草らしく、クラッカーの食感、焼けた皮の香ばしさ、濃厚なチーズのような味わいが広がり、ヒロは見た目に反して美味いと評価した。

評判の拡散とエルマの巻き込み
ヒロは追加を求め、さらにエルマにも同じ料理を渡した。エルマも美味しいと認めたことで、遠巻きにしていた参加者が注文し始め、芋虫料理は注目を集めた。

特産物とテラフォーミングへの思考
ヒロは特産物が入植地の強みになる可能性を口にしつつ、幼虫がこのサイズなら成虫がどうなるかを想像して嫌がられた。テラフォーミングで固有生物が死滅しない点にヒロが意外さを覚えると、エルマは死滅した種も多いだろうと返し、ヒロは芋虫の生命力に納得した。

ミミたちの合流と食の好みの差
ミミたちが皿を持って合流し、ミミの皿には芋虫載せクラッカーが載っていた。ヒロが先ほど見捨てた件を咎めると、ミミは謝罪し、ティーナは一番槍を譲ったのだと述べた。ウィスカは芋虫を避けて無難な料理を選んでおり、ティーナは保守的だと評しつつ、ヒロも食べず嫌いを戒めた。

クリスの登場と淑女モードの動揺
エルマに促され、ヒロはドレス姿のクリスに気づいた。クリスは控えめで大人しい印象のドレスを着ており、淑女として挨拶し、パーティーを楽しめているか尋ねた。ヒロが芋虫料理に視線を向けると、クリスは僅かに動揺を見せたため、ヒロは小声で謝り、視界に入らないよう立ち位置を変えた。

パーティーの平穏な終幕と撮影
その後は大きな波乱なく、ヒロはクリスと談笑し、ミミたちと珍しい料理を楽しみ、パーティーは無事終了した。船に同乗していたメディア関係者も会場の様子を撮影していたが、招待客ではないため豪華な料理や酒は提供されない状況であった。

#3:惑星防衛

降下宙域の監視強化と警戒理由
ヒロは、植民船の降下タイミングで宙賊が襲う可能性は低いと見つつも、危険は宙賊に限らないとして警戒強化を指示した。メイはブラックロータスのアクティブレーダー出力とパッシブレーダー感度を最大にし、監視データを処理して脅威を精査する体制を整えた。植民船一番機から五番機が順次降下を開始し、ヒロはミミに降下の様子を記録するよう頼んだ。光の尾を引いて各船が時間差で別方向へ降下する様子は壮大で、各船に約一万人が搭乗しているため、初期開拓民は約五万人規模となった。アレンは記録データの提供を求め、ヒロは伯爵家への確認後にすると返した。

宙賊以外の脅威想定と不審デブリへの対処
アレンが「宙賊以外の危険」の意味を問うと、ヒロはこの局面で襲撃しても得がなく、仕掛けるなら植民事業を潰したい勢力だと説明した。加えて、目立ちたがり屋や酔っぱらい、名を売るために事件を起こす連中の存在も想定し、油断を戒めた。ミミは右舷上方距離860付近のデブリの異常を指摘し、ヒロは他より低温でサーマルステルスの可能性を見た。メイが通信要請のピンを送ったが反応はなく、ヒロはEML展開と射撃を命じた。武装展開を確認した伯爵家巡洋艦ジャッジメントワンが説明を求め、ヒロは不審デブリが降下軌道へ近づいているため破壊すると告げた。ジャッジメントワンは監視とフォローを約し、EMLが発射されて不審デブリは粉砕された。破壊時のエネルギー反応から正体は小型船舶と断定され、ヒロはデータ送信を指示した。アレンは問答無用ぶりに驚いたが、ヒロは通信要請に応じない不審行動の方が悪いと述べ、植民船へのリスクを最優先した。

今後の行動方針と取材視点の温度差
降下後、ヒロは今後は他勢力と連携しつつ惑星周辺と星系全体の巡視を行い、場合によっては積極的な宙賊狩りを命じられる可能性を示した。アレンはそれを受けて乾いた笑いを漏らし、恒星系の広大さゆえに「偶然の遭遇」を期待する撮れ高の低さを暗に感じていた。

宙賊戦の実務と捕虜回収
場面は宙賊戦へ移り、ヒロは宙賊に十秒で機関停止とベイルアウトを命じ、従わなければ撃つと宣告した。宙賊は機関を停止し、コックピットブロックをパージして脱出した。ヒロはメイに回収を頼み、ミミとエルマは回収用ドローンで残骸と戦利品の回収を開始し、ヒロは撃破艦のスキャンで装備やサルベージ対象の判断材料を整えた。

宙賊への非情さの理由と非合法奴隷の説明
ズィーアが容赦のなさに言及すると、ヒロは賞金が生死不問であること、投降者の回収自体がリスクであることを述べた。さらに、宙賊に襲われた輸送船や旅客船は積荷を奪われるだけでなく皆殺しや非合法奴隷行きになることが多いと語り、ズィーアが「性奴隷や人体実験」と答えると、ヒロはより歪んだ需要があると補足し、過去の救出経験を踏まえて嫌悪を示した。ヒロは見逃せば別の犠牲が出る可能性があるとして、宙賊は見かけ次第駆除すると断言した。

戦利品ビジネスと収益の見立て
戦利品が増え、捕虜も出たため、一度帰還して売却と引き渡しを行う判断が示された。交易コロニーと惑星地表を往復できる小型輸送船需要が高く、回収した宙賊船残骸からパーツを移植し、装甲材を貼って即席輸送船に仕立てて売り捌くやり方が語られた。ニーアが売価を尋ね、ヒロは小型艦が約5万、中型艦が10万弱で、部品も含めて売却益は約15万程度と答え、さらに宙賊撃破の賞金も得ていた。

ニーアの誘いとヒロの拒否
ニーアはヒロに養ってほしいと持ちかけ、ヒロは笑顔で拒否した。ニーアは本気ではない様子で退きつつも、ヒロと一緒にいると愉しそうだとして再度誘い、ヒロは重ねて断った。

自由時間と個人的な食事会の準備
翌日の出港時刻が告げられ、それまでは自由時間となった。夜には個人的な食事会が予定され、ヒロは取材を遠慮するよう伝えた。整備士姉妹の寝落ち対応や消耗品発注を手伝った後、ヒロは姉妹を叩き起こし、出来上がっていたエルマを簡易医療ポッドで整え、メイを船に残して外出した。

クリスとの個室食事会と精神的限界
食事会は祝賀会とは異なり、高級店の個室で親交を深める場として用意されていたが、先に到着していたクリスは死んだ魚のような目で床に横たわっていた。クリスは無言でヒロを座らせ、胡座の上に収まり、甘いお菓子を求めた。結果としてヒロはクリスを後ろから抱き、ミミとウィスカはプリンやケーキを食べさせ、ティーナとエルマは酒を飲みながら眺める状況になった。クリスは毎日山のように陳情や役所仕事が上がり、処理しても終わらないと訴え、ヒロは撫でて宥めた。ティーナが酒を勧めかけ、ヒロは未成年だとして止めた。クリスが落ち着くまでに約三十分を要した。

為政者としての相談と宙賊流入の兆候
落ち着いた後、クリスは追い込まれていたが、開拓初期を乗り切れば仕事は楽になると述べた。ヒロは支援できる範囲として愚痴を聞き甘やかすことを示し、クリスはそれでいいとして寄りかかった。クリスはヒロたちの数日間の過ごし方を尋ね、ヒロは宙賊の待ち伏せと撃破を繰り返し、三日で五十程度撃破したと答えた。クリスは全体の討伐数が上昇傾向にあると述べ、ヒロは周辺から宙賊が流入している可能性を考え、有名な宙賊団の乗り込みもあり得るとして注意を促した。具体策として、集積所が見つかれば急襲できるよう大規模戦力を動かす準備と余力確保、惑星防衛との戦力配分を挙げ、最終的には伯爵に相談すべきだと助言した。クリスは翌日に祖父へ相談すると答えた。

食事中の雑談と陳情の小話
エルマはこうした席で仕事の話をする無粋さを指摘したが、ヒロはこの場だからこそ話せると返した。その後は食事を取りつつメディアスタッフの過ごし方を語り、クリスは陳情の話を返し、独身男性がカップル向け居住区に配備され「周りがカップルだらけで辛い」と訴えた陳情が話題になり、一同は笑っていた。

救難信号の受信と即応
食事会の翌日、ヒロはクリシュナ単艦で先行し、ブラックロータスは後着で回収担当という運用を続けていた。出港直後、旅客船が宙賊に襲われている救難信号を受信し、ヒロは現場へ急行すると同時に救援を送る旨の連絡と、ブラックロータスへ急行指示を出した。エルマはコロニーにも受信報告と座標送信を提案し、ヒロは了承した。ニーアは「撮れ高」として撮影準備を始め、ヒロは乱戦の可能性を告げてベルト着用を促した。

現場到着と戦力差による小型艦掃討
超光速解除後、スラスターを破壊され停止した大型客船、接触中の中型宙賊艦二隻、さらに小型宙賊艦十隻以上が確認された。ミミは小型十四隻と中型二隻を報告し、客船が移乗攻撃を受けている状況も示した。ヒロは小型艦を優先して撃墜する方針を取り、正面から突入して散弾砲で一隻を爆発四散させた。続けてフライトアシストを切って反転し背後を取り、重レーザー砲の一斉射で宙賊艦を圧倒し、航行不能へ追い込んだ。宙賊側は散開や包囲などの指示を出したが、ヒロは各個撃破を進めて小型艦を掃討した。

人質脅迫への返答と中型艦の無力化
中型宙賊艦は「乗客を皆殺しにする」と脅迫したが、ヒロは降伏すれば命は取らないと返し、交渉に応じなかった。ヒロは中型艦のメインスラスター破壊を狙い、「手足をもぐ」として照準を向けた。移乗攻撃のため接舷中の宙賊艦はシールド停止状態であり、ヒロは背後へ回り込んで重レーザー砲でメインスラスターを破壊し、続けて武装もピンポイントで破壊して丸裸にした。ヒロとエルマは人質脅迫を逆手に取り、殺すなら賞金が上がると告げ、凶悪犯として厳罰になると示して投降を促した。

ブラックロータス到着と戦闘ボット突入
ブラックロータスがワープアウトし、メイが到着を報告した。ヒロは軍用戦闘ボット十体を非致死性兵器装備で投入し、宙賊艦二隻を制圧した後、そのまま民間船へ移乗して残敵も制圧するよう命じた。ヒロはクリシュナで増援警戒を担当し、メイに戦闘ボット指揮と、ティーナとウィスカへサルベージ開始の指示を出させた。ニーアは接舷突入を期待したが、ヒロは戦闘ボット十体で十分であり自分が突入してリスクを負う必要はないと説明し、撮れ高目的で危険を冒さないと釘を刺した。

戦闘ボットによる制圧の進行
戦闘ボットから、敵艦コントロール掌握、敵兵無力化、EMP攻撃の確認と軽微損害、制圧完了と民間船突入準備といった報告が続いた。ミミは制圧の圧倒ぶりに言及し、エルマは過去の戦闘ボット戦との違いを説明した。ヒロは投資した装備でリスクを下げ、長期的に実入りを良くする狙いを語った。ニーアは撮れ高不足を嘆きつつ、戦闘中にヒロへ絡み、ヒロは操縦中だとして制止し、今後コックピット出禁を示唆した。

戦後処理と戦利品の確保
帝国航宙軍が到着し、ヒロは捕虜の宙賊を引き渡した。鹵獲した中型宙賊艦二隻のうち一隻は航宙軍が曳航し、もう一隻はブラックロータスで曳航した。さらに小型艦二隻分のスクラップとパーツもハンガーへ収容し、輸送仕様に改修して売却する見込みを立てた。ヒロは礼金も含め収益増を期待し、ニーアが土下座で許しを請うても無視した。

取材班への制裁と運用の仕切り直し
ズィーアがクリシュナに乗り込み、ニーアは怨念混じりの視線を向けた後、色仕掛けで取り繕おうとしてヒロに「五点減点」と告げられた。ヒロは合計十点で脱出ポッド射出の冗談を示しつつ、次にやらかせば撮影班ごと下船させると通告した。ワムドとアレンも釘を刺され、反射的に身体を強張らせた。戦利品が増えたため、哨戒を止めない範囲でコロニー契約の保管スペースに回収品を放り込み、再出撃する方針が語られた。整備士姉妹はコロニーに残って回収艦の修理改修を進め、スペース・ドウェルグ社は取材のため残留し、ヒロは邪魔をしないよう条件を付けた。

傭兵像のズレとヒロの姿勢
休憩中、アレンはヒロの働きぶりが一般的な傭兵像と違うと述べ、エルマは「大きく稼いで遊び、金がある間はダラダラ」というイメージを示した。ニーアはさらに下世話な想像を口にして減点を示唆され、ズィーアとアレンは乾いた笑いで受け流した。ヒロは船のアップグレードや操艦感覚の維持、腕を鈍らせないための継続稼働を重視し、自分もクルーも死なせたくないから手を抜かないと述べた。最後にヒロは小休止を終えて哨戒へ戻る意志を示し、メイにはデータキャッシュ解析の継続を指示した。

#4:奇妙な原生生物

緊急通信と地上支援要請
哨戒中のヒロ一行は、コーマットⅢの防衛部隊司令部から緊急通信を受けた。内容は「開拓地が攻撃的な原生生物に襲われており、対地攻撃可能な艦艇が至急支援攻撃をしてほしい」という要請であった。ヒロは、原生生物相手に宇宙戦力へ救難要請が来る点を不審に思い、防衛部隊とクライアント双方へ確認を入れ、通信ログの保存も指示した。そのうえで通達を無視できないとしてコーマットⅢへ向かう決断をした。

原因推測と妨害の可能性
ヒロとエルマは、調査の見落としやテラフォーミング由来の急性変異に加え、第三者による意図的な妨害の可能性も挙げた。入植事業に被害が出ればダレインワルド伯爵家の計画に傷が付くため、敵対者が生物兵器のような存在を持ち込んだ線もあり得る、という見立てであった。ズィーアは「ロックな展開」を喜ぶが、ヒロは貴族の暗闘に巻き込まれる危険を指摘し、会話内容のカットを求めた。

原生生物の情報と三種の脅威
現地到着後、ミミが原生生物の情報をスクリーン表示した。対象は黄褐色で人肌のような質感を持つ禍々しい造形で、三種に分類された。
一種目は体高約5mで、人間の素足に似た脚を二十本以上持ち高速接近し、腕で殴り殺して口で噛み砕くとされ、腕先は岩石質の表皮で覆われていた。
二種目は体長約15m・体高約7mほどで、船を裏返したような流線型の体と象の脚のような多脚を持ち、前面の岩石質装甲で突撃し、レーザーライフルでは歯が立たないとされた。
三種目は体高約2mで六脚、移動は遅いが生体レーザー砲を備え、レーザーランチャー級の威力と射程で、シールドを持たない航空機・シーカーミサイル・攻撃ドローンを撃墜すると説明された。ヒロは「誂えたような戦闘能力」として自然物らしさに疑問を強めた。

降下と上空戦闘の開始
降下軌道計算後、クリシュナは大気圏へ突入し、ズィーアは初体験の迫力に騒いだ。開拓地上空では既に複数の戦闘艦が展開し、雲霞のように押し寄せる原生生物をレーザー砲で薙ぎ払っていた。レーザー砲は照射部を蒸発させ爆発と衝撃で破壊する兵器だと語られ、地表は爆破と熱と破壊の嵐に晒されていた。ヒロは出力を最低限に絞って速射優先とし、ブラックロータスには基本レーザータレットでの攻撃、開拓地に危機が迫った場合のみマルチキャノン使用を指示した。

生体レーザー個体の排除と掃討
戦闘が進むと、生体レーザーを撃つ個体は概ね仕留められており、残るのは前衛型と突撃型が中心となった。ヒロは四門の重レーザー砲を上下で分担し、近距離と遠距離の個体を撃破して掃討を進めた。出力を絞ったため照射時間が長く発射間隔が短くなり、掃討効率が上がった。

戦闘後の処理と「食料」発言
掃討中、エルマは原生生物が有機生命体である以上、成分分解してタンパク源にされる可能性を述べた。これにヒロとミミは驚き、ミミは味への興味を示したが、ヒロは前衛型の見た目に抵抗を抱いたまま受け流した。

巣の破壊と調査の管轄問題
ヒロは原生生物の巣と思われる地表構造物に対し、ブラックロータスの艦砲射撃を加えて破壊した。離脱後、ズィーアは「普通の原生生物ではない」点を問題視するが、ヒロとエルマは調査は管轄外であり、必要なら調査後の戦力排除で役立てると答えた。ヒロは宙賊狩りのほうが世のためにも自分達のためにもなるとし、ミミは「お金になる」と言って同調した。

データキャッシュ解析と妨害者の存在
メイから、宙賊艦から回収したデータキャッシュの解読完了が報告された。アジト位置や取引データに加え、宙賊へ資金や装備を流してダレインワルド伯爵家の植民事業を妨害しようとする者の存在が示唆された。ヒロはその情報をクリスへ報告し相談する方針を決め、段取りはメイに任せた。

アジト襲撃準備と情報統制
クリスは迅速かつ密かに帝国航宙軍へ働きかけ、伯爵家私兵と帝国航宙軍精鋭を集めて宙賊アジトを叩く方針で動いた。作戦を秘匿する理由として、交易コロニー等に宙賊へ情報を流す者がいるため、宣言すれば逃げられる点が説明された。出撃命令までクリシュナとブラックロータスはコーマットプライムコロニーで停泊待機となり、鹵獲艦の改修と売却準備も進められた。

改修作業と日常の負担
ティーナとウィスカは回収した中型艦二隻と小型艦二隻の修理・改修を進め、宙賊船内の汚さに辟易していた。ブラックロータスの戦闘ボットは装備を替えて作業補助と護衛に回され、二人は早朝から遅くまで作業する生活になった。

襲撃当日と作戦の定石
襲撃当日、ワムドがクリシュナに同乗し、艦隊が勢揃いする光景を「良い画」として喜んだ。手順は、軍の戦艦級・巡洋艦級が艦砲射撃で先制し、ハンガーやドックを破壊して逃走を封じ、四散して逃げる宙賊を傭兵が潜伏地点から狩る、という流れであった。ブラックロータスは帝国航宙軍側で艦砲射撃に参加し、メイは準備完了を報告した。

クリスの演説と目的の明確化
ブリーフィング後、クリスがスクリーンに登場し、この作戦が星系と人々の安全を守るものであり、最大の恩恵はダレインワルド伯爵家が受けると明言した。帝国軍人は武勲を得て、傭兵には賞金に加え伯爵家が正当な報酬を支払うと述べ、最後に「全員が幸せになるために、宙賊には宇宙に散ってもらう」と宣言して奮戦を求めた。

潜伏開始とクリスの演説の余韻
クリスの可憐かつ危険な笑みで送り出されたヒロ達は、指定宙域で小惑星の陰に潜伏し、エンジン出力と生命維持を最低限にしてステルスを維持した。ワムドはクリスの演説に高揚していたが、ヒロは宇宙空間では声量が外に漏れないとし、会話で声を潜める必要はないと説明した。ミミとエルマも、純真だったクリスの変貌ぶりに苦笑いを浮かべた。

作戦開始と宙賊拠点への先制砲撃
開始時刻に合わせてクリシュナは小惑星陰から飛び出し、主力艦隊のレーザー砲撃が宙賊拠点の改造小惑星へ直撃して爆発が連続した。ヒロは「稼ぐぞ」と宣言し、ミミとエルマは応答して戦闘に突入した。

初動戦闘と装備の良い宙賊への警戒
逃走中の宙賊艦三隻へ重レーザー砲を撃ち込んだが、最初の一斉射はシールドに阻まれた。ヒロは宙賊側の装備が良いと判断し、再射で一隻を爆発四散させた。さらに回避機動が単調な別艦を撃破し、最後の一隻は降伏してコックピットブロックをベイルアウトしたため、ミミは所有権主張のためにタグ付けを行った。

乱戦介入とイオンブラスター持ちの排除
次の戦域では味方が押されており、ヒロは宙賊の装備の良さに加えてイオンブラスターらしき光弾を確認した。ヒロは乱戦に飛び入り参加を宣言し、味方からも装備の良さへの警告が返った。ヒロはまずイオンブラスター持ちを狙い、付かず離れずで狙いすます傾向を利用して目標を特定し、擦れ違いざまに大型散弾砲を叩き込み、シールドごと粉砕した。散弾砲は短距離命中時にシールドをほぼ無視して大ダメージを与える特性があり、乱戦向きの武器として機能した。

戦力集中による形勢逆転と追撃戦
ヒロが多数の敵を引き付けたことで、押されていた傭兵側は宙賊の横腹を食い破り、脅威度の高いイオンブラスター持ちやシーカーミサイル持ちを的確に潰していった。宙賊は形勢不利で算を乱して潰走し、傭兵達は追撃戦を開始した。ワムドは「どっちが宙賊かわからない」と漏らし、ミミは苦笑いで応じた。宙賊拠点攻略戦は宙間戦闘としては成功裏に終わり、地上ならぬ拠点内部では帝国航宙軍・星系軍・伯爵家私設軍の歩兵部隊が突入掃討を続けていた。

戦後の屑拾いと戦果の確認
ヒロ達は撃破した宙賊艦の残骸から戦利品を回収した。物資や資材を持ち出して逃走準備をしているため、拠点戦の宙賊艦は有用な戦利品を積んでいることが多いとヒロは説明した。回収品にはフードカートリッジ、飲料水、酒、医療品、ドラッグ、レアメタル、換金可能な資材やハイテク製品、冷凍睡眠ポッド内の人間(違法奴隷の可能性)などが含まれていた。クリシュナの戦果は小型艦42隻・中型艦8隻で計50隻となり、撃破報酬の計算も示された。

報酬配分と金の使い道の会話
エルマとミミは取り分として、それぞれ推定10万エネル以上、3万エネル超を見込んでいた。ワムドは金額感に驚き、使い道を尋ねたが、二人は酒や食べ物を挙げ、服やアクセサリという発想には乗り気ではなかった。ヒロは必要なら自分が買ってしまうと内心で整理しつつ、戦利品回収の手が止まっていることを咎めて作業を促した。

拠点内部の異変と不穏な兆候
戦利品回収中、ミミは帝国航宙軍や星系軍側が騒がしいことを察知した。頑強に抵抗する集団があり、白兵戦力に被害が出ているらしいという情報が示された。ヒロとエルマは、訓練された帝国海兵に対抗でき、パワーアーマーの装甲を裂き、レーザーを防ぐ存在として「貴族剣士」や、別案としてコーマットⅢで暴れた奇怪な生物の可能性を口にした。

サプレッションシップ出現と無茶振り命令
宙賊拠点の一角が光り、超高速で接近する存在をレーダーが捕捉した。正体はサプレッションシップであり、セレナ中佐から「止めなさい」という命令が広域通信で飛んだ。ヒロは撃破の可否を確認するが、セレナは「撃破はダメ、拿捕して」と要求した。ヒロは、クリシュナより速く、硬いシールドを持つ相手を撃破せずに拿捕する無理難題だと反発したが、挑発を受けて引き受ける形になった。

拿捕失敗と超光速航跡による追跡
結果としてサプレッションシップは逃走し、ヒロ達は超光速航行の航跡を辿って追跡に入った。サプレッションシップはハイパードライブ非搭載のため星系外逃亡は困難と見込み、セレナは斥候を向かわせつつ追跡継続を要請した。ブラックロータスは全速のクリシュナに追従できず置いてきたが、危険が少ない追跡であり、戦利品回収後に追いつくとヒロは見た。

コーマットⅣへの降下と軌道封鎖の待機
航路がテラフォーミング中のコーマットⅣへ向かっていることが判明し、ヒロは強い嫌な予感を抱いた。追撃は間に合わず、サプレッションシップは降下を開始したため、攻撃すれば墜落させるだけになり、撃破禁止条件の下では手出しができなかった。ヒロ達は低軌道上から降下地点を正確に観測してマークし、そのまま軌道上で待機して離脱時を叩く構えを取った。惑星離脱時は回避行動が難しく無防備になるため、軌道を押さえれば推進機破壊も容易だという理屈が語られた。

逃走意図の推測と“降下フラグ”への抵抗
ワムドは、なぜ危険なテラフォーミング中惑星に逃げ込むのかを問う。ヒロは、逆転の手段があるか、外部支援待ち、あるいは時間稼ぎだと推測しつつ、確証はないと述べた。後続の軍が来るまで待機し、引き継げたらコロニーへ帰って戦利品を捌く方針を示したが、ミミとエルマの軽口に対してヒロは「降下する理由はない」と強調し、絶対に降りないと固く抵抗した。

#5:砂塵惑星コーマットV

ドロップシップ内での強制出撃
ヒロは帝国航宙軍のドロップシップ内におり、帰還を訴えるがセレナ中佐に却下された。セレナ中佐は軽量コンバットアーマー姿で、周囲には重装甲の海兵やパワーアーマー用ジャンプスーツの装甲海兵も同乗していた。ヒロも白兵戦用の軽量コンバットアーマーに加え、耐候性と迷彩機能を備えたカメレオンサーマルマント、浄水可能な水筒、高機能ユニバーサルマスク、剣二本と銃火器を装備していた。

捕縛対象ゲリッツの重要性
セレナ中佐は、逃走中のゲリッツ=イクサーマルが身体強化済みの剣術達人であり、この星系で対抗できるのは自分かヒロしかいないと説明した。ヒロはレーザーで焼けばよいと反発するが、拠点制圧でそれを試みて被害が出たこと、そして生け捕りが絶対条件であることが示された。ゲリッツはイクサーマル伯爵の弟で「右腕」とされ、捕縛して情報を引き出せば伯爵家を潰せるため、言い逃れ不能な今が好機だとセレナ中佐は断言した。

降下開始と地獄への突入
降下30秒前の号令の後、ドロップシップは大気圏突入で激しく揺れた。セレナ中佐は「テラフォーミング中の惑星という地獄の底まで」付き合えと告げ、ヒロの叫びも虚しく降下が進行した。

着陸地点の過酷環境と宇宙からの支援
着陸後、海兵達は拠点確保と装備点検、工兵によるマテリアルプロジェクター展開を開始した。現地は零下20℃、砂塵を伴う強風が吹き荒れ、マスク無しでは顔が傷だらけになりかねない状況であった。ヒロは端末でクリシュナと通信し、ミミとエルマはヒロのトラッキングと支援砲撃が可能だと伝えた。エルマはサブパイロットとして訓練済みであることも示された。

探索任務の宣告と指揮官の前線参加
ヒロは安全な拠点で待機したいとぼやくが、セレナ中佐が背後から即否定した。セレナ中佐はヒロと自分を「対ゲリッツの切り札」と位置づけ、通常戦力では各個撃破されかねないため、先鋒として探索に立てと命じた。指揮官は後方にいるものだというヒロの抗議に対し、指揮デバイスで情報管理ができ、貴族出身なら思考の高速化と並列化ができて当然であり、前に出ながら指揮を取るのが帝国航宙軍指揮官だとセレナ中佐は返した。

ツイステッド迎撃と近接戦闘
敵性体22体の接近が報告され、セレナ中佐とヒロが前に出て迎撃した。ヒロは大小二本の高周波ブレードを使用し、歪な人型生命体「ツイステッド」と交戦した。ツイステッドは赤黒い筋肉組織のような体で、四肢の先が岩石質に覆われ、動きは人型でも人のそれではなく厄介だった。ヒロは突進を避けつつ両断や切断で三体を処理し、その隙に海兵が銃火器で駆逐を進めた。ヒロもレーザーガンを抜いて殺傷モードで撃ち、突進個体を受け流して背中へ連続射撃するなど、剣と銃を併用した。

被害なしで撃退とセレナの剣技評価
襲撃は各班被害なしで切り抜けた。砂塵の先にはHUDでクリシュナや帝国の小型戦闘艦が表示され、前方へ断続的なレーザー支援が入っていた。セレナ中佐はツイステッドを六体真っ二つにしており、ヒロは剣術の高さを認めた。セレナ中佐は、自分は前に出て斬る剣、ヒロは待ち構えて刈り取る剣だと性質の違いを述べ、死合えば勝敗は読めないとも評した。

敵の類似性と探索の難航
ツイステッドはコーマットⅢの「攻撃的原生生物」に似ており、岩石質の攻撃腕が共通していた。軍用RVも随伴していたが、群がられると棺桶になるため探索は困難であった。強風の砂塵にテラフォーミング由来の微細金属粒子が混じり、センサーが利きにくいことも痛手となった。威力偵察に出たRV三台と乗員十二名が既に犠牲となり、RV主軸の探索は断念されていた。さらに、クリシュナがマークした降下地点が地表環境の影響でズレていたため、部隊は砂塵下を徒歩で進み、襲撃を警戒しながらサプレッションシップを探す状況に陥っていた。

ゲリッツの生死と確保目的の再確認
ヒロは、これほどツイステッドが多いなら標的の貴族も死んでいるのではと疑うが、セレナ中佐は死体の一部でも持ち帰る必要があると答えた。それが宙賊との結託を示す確証になるためである。さらに、ツイステッドや攻撃的原生生物がゲリッツの差し金なら、それらを制御する術を持つ可能性があり、存在するなら奪取が必要だとセレナ中佐は述べた。部隊準備が整い、セレナ中佐を先頭に砂塵の大地を進軍していった。

ガラス化した戦場と人為性の確信
レーザー爆撃で半ばガラス化した地面が足音のたびに耳障りな音を立て、砂塵で視界は最悪であった。それでも、擱座した巨大な「攻撃的原生生物」が目に入り、セレナ中佐は形状一致から人為的産物である可能性が極めて高いと判断した。

サプレッションシップ反応の捕捉と接近
地上部隊がサプレッションシップと思しき反応を捉え、上空の機体とも情報共有された。距離は遠くなく、セレナ中佐は歩行で向かう判断をし、部隊は目的地へ移動した。

サプレッションシップの安全確認と防衛拠点待機
サプレッションシップは地面に突き刺さって擱座しており、まずドローンで内部捜査が実施された。反応爆弾やジェネレーター細工の可能性を警戒し、工兵がシールドジェネレーターを設置して簡易防衛拠点を構築した。危険物なしの報告後、斥候主体の調査部隊が突入し、ヒロとセレナ中佐は防衛拠点で待機した。

レーション休憩と異星食材の悪戯
防衛拠点は砂塵を遮断し、ヘルメットを外して食事と給水が可能であった。ヒロがバックパックからレーションを取り出すと、異形生物の真空パックが出てきてセレナ中佐が驚愕した。ヒロは過去に食べたことがあり美味いと述べ、船員の悪戯だと処理しつつ別の食料を探した。

ペニテンス王国レーションと軍用ソーセージの食べ比べ
ヒロは「ペニテンス王国軍用食三型」と印字されたレーションを開封し、パウンドケーキ状の甘い食材を確認した。ヒロはセレナ中佐に分け、代わりに帝国航宙軍のドライソーセージ状レーションを受け取った。甘いケーキ状レーションはドライフルーツとシロップ、酒精を感じる味で、塩味の軍用ソーセージは汗をかいた身体に合うと評された。セレナ中佐はペニテンス王国側を好み、ヒロも同意したうえで、異形生物パックの方がさらに美味いと示唆した。

グラップラー出現とセレナの首狩り
砂塵の奥から体高5mの大型個体「グラップラー」が出現し、近接航空支援が手一杯だとの声が飛んだ。セレナ中佐はヒロと二人で対処すると決め、ヒロに正面で注意を引くよう指示した。グラップラーは岩石質の腕で地面を叩きつけ、土煙の中でセレナ中佐は腕の向こうへ回り込み、ヒロは肉と岩の境目を斬って片腕を切断した。続く打撃もヒロは極端に時間が伸びたような感覚の中で回避し、岩石質ごと腕を掻っ捌いた。セレナ中佐は肩の上に取り付き、気合一閃で首を落として撃破した。

戦況整理と航空支援の増強
大型個体の突破はグラップラー一体のみで、他はツイステッド数十体であった。エルマの操縦するクリシュナとの通信で、弾幕の薄さを指摘し、散弾砲使用と弾薬費負担の申し出が交わされ、支援火力の強化が決まった。

蟻塚状の巨大構造物の発見
部隊はサプレッションシップ調査後、斥候の痕跡を追って進軍し、襲撃頻度が増す地点で蟻塚のような巨大構造物に到達した。HUD表示で高さ300m超、赤茶色の土塊状で、セレナ中佐は巣である可能性が高いと判断した。ヒロは破壊は容易と見たが、ゲリッツ生け捕りの必要性と航空支援なし突入の危険が障害となった。

宇宙からの“増援”降下と戦闘ボット投入
セレナ中佐は自分達が斥候であり、本命戦力が後から来ると説明した。上空の艦艇が退避した後、宇宙から断熱圧縮の炎を纏った物体が降り注ぎ、地面に金属杭のように突き刺さった。それらから軍用戦闘ボットが降り立ち、工兵ボットは前哨基地を瞬時に構築した。セレナ中佐は高みの見物に切り替え、ヒロも前哨基地へ向かった。

戦闘ボットによる圧倒と帝国地上戦力の実態
人間大ボットはレーザー乱射と怪力でツイステッドを引き剥がして破壊し、中型ボットはプラズマランチャー等でグラップラーや突撃個体「ブル」を正面から撃破した。体高5mのタイタン級は機敏に前線を薙ぎ払い、シールドで攻撃を防いだ。セレナ中佐は地上戦力の大半が戦闘ボットであり、タイタン級が要であると述べた。

戦力手配の理由と観戦継続
セレナ中佐は、元々コーマットⅢの攻撃的原生生物掃討のための戦力をそのままコーマットⅣへ転用したと説明した。ヒロは乱戦への突入を拒否し、しばらくウォーゲーム観戦になると見て、降下してくる追加ポッドを見上げながら水筒へ手を伸ばした。

戦闘映像の共有と撮影機材の存在
ヒロはユニバーサルマスク越しにミミ達と通信し、グラップラー戦の映像が「かっこよかった」と評価され、ワムドから受け取ったデータも送られた。HUD上には、ヒロとセレナ中佐が剣で突撃する場面が良いアングルで再生された。ヒロの肩付近には自律式の球体撮影機材が追随しており、惑星上の行動や周囲状況を撮影していると示された。

強襲降下艇到着とプラズマ砲撃の戦場
帝国軍の強襲降下艇が到着し、対地攻撃に特化した艦艇の支援で、クリシュナの出番はほぼなくなった。戦場には緑色のプラズマ砲弾が降り注ぎ、シールド技術で超高温プラズマを封入して撃ち出す第二世代兵器であることが語られた。弾数制限が少なく、砲身消耗も抑えられ、ジェネレーター出力があれば連射可能という特徴が強調された。

映画的展開の皮肉と化学兵器の否定
ヒロは戦闘がホロ映画のようだと述べ、最後は肉弾戦という定番を冗談めかして語ったが、セレナ中佐は毒ガス攻めは無理だと即答した。互いが生物・化学兵器対応装備を持ち、相手も当然対策しているはずだと判断された。

構造体攻略の進捗と軌道爆撃できない理由
セレナ中佐は、既に一部戦力が構造体内部に突入し橋頭堡を確保、外部掃討も終盤と報告した。ヒロは軌道爆撃で消し飛ばせばよいと口にするが、生け捕りが必要なため実行できないと再確認された。

ゲリッツの目的推測と嫌がらせ仮説
セレナ中佐はゲリッツが構造体に籠城し救援を待つ時間稼ぎだと見たが、ヒロは場所の悪さに違和感を抱いた。ヒロは、遺体回収を困難にして「行方不明」にする証拠隠滅の可能性を挙げたが、セレナ中佐はそれならサプレッションシップごと恒星に突っ込む方が確実だと退けた。
その後、セレナ中佐は敵が想定外の追跡を受けて焦っていると分析し、ヒロは「どうせ助からないなら最大限引っ掻き回して嫌がらせする」可能性を示した。セレナ中佐はイクサーマル伯爵家がやりそうだと嫌悪感を示した。

掃討の進行と地下への本命突入
構造体内掃討は順調で、突入口の確保、橋頭堡構築、内部調査が進み、戦闘ボットに多少の被害が出ても押し切られた。地上構造物は外れだったが、背後の脅威排除のため掃討は必要だったと整理された。

地下で人工物発見と最終局面への移動
地下の掃討・調査を進める戦闘ボットが人工物を発見し、当たりだと判断された。ヒロは同様の施設が複数あれば厄介だと懸念するが、セレナ中佐は軌道爆撃で片っ端から破壊すればよいと効率論を述べた。
セレナ中佐は、ゲリッツは地下の人工構造体にいるはずだとして、ヒロにも同行を命じ、二人は現場へ向かう流れとなった。

地下通路の進軍とホバリング車両
軍用戦闘ボットが殲滅したツイステッドの死体が折り重なる地下通路を、ヒロとセレナ中佐はホバリング車両で進んだ。車両は不整地走破を目的とした重力・慣性制御技術の応用であり、速度は高くないが崖や急傾斜も越えられた。随伴する逆関節の高機動型戦闘ボットが警戒役となり、敵が残っていても排除できる体制であった。

籠城シールドへの対処と力押し破壊
セレナ中佐は、目標側はシールドを張って籠城していると報告し、破壊方法は現場を見れば分かるとした。到着すると、戦闘ボット群がシールドへレーザーを乱射し、タイタン級が自機シールド全開で体当たりし、シールド同士の干渉で飽和させて消失させていた。シールド消失の瞬間、照射レーザーが壁面を灼いて爆ぜさせ、続いて小型・中型ボットが整然と突入した。

ジェネレーター掌握の優先と突入準備
セレナ中佐は、内部で再度シールドに閉じ込められる事態やジェネレーター暴走による自爆を避けるため、シールドジェネレーターとメインジェネレーターの掌握を優先させた。ヒロも手堅い判断だと見なし、三十分弱の待機後、施設最奥部で目標捕捉の報告を受け、海兵達が突入準備に入った。

白い研究施設と生産プラントの兆候
人工施設内部は白い内装で研究施設のような印象を与え、ツイステッドの姿は見えず、破壊されたレーザータレット残骸が散見された。通路脇のガラス越しには金属製の筒が多数並び、中身は空であった。セレナ中佐は奥に生産プラントがあると見立て、非合法の人造肉プラント案件で似たものを見た経験があると述べた。

目標の正体と四本腕の異形
戦闘ボットの牽制射撃音を追ってホールに到達すると、四本の腕すべてに剣を持つ体長2.5m級の人型ツイステッドが暴れており、セレナ中佐はそれを目標と認めた。ヒロは生け捕りの実現性に疑問を抱き、対象は赤黒い捻れた筋肉繊維と岩石質の鎧に覆われ、もはや人間の面影が薄い存在として描写された。

レーザー飽和の不成立と斬撃決着への移行
戦闘ボットがレーザー同時攻撃を行うと、一部は剣で跳ね返され戦闘ボットに小爆発を生じさせた。命中分も再生で傷が塞がり、岩石質の鎧には効きが悪かった。セレナ中佐はプラズマ兵器なら効く可能性はあるが弾速が遅く回避されると述べ、結局は斬るしかないという判断に至り、両者は抜刀して前進した。

近接戦闘と膝の断裂による制圧
ヒロは小剣で剣風を受け流しつつ長剣で岩石質の腕を斬るが浅く、深追いを避けた。セレナ中佐は後ろ回し蹴りを低姿勢で回避しつつ、二本腕の連撃をかわし弾いた。四本腕がヒロへ縦横無尽の斬撃を集中すると、ヒロは息を止めて動きが緩慢になる感覚の中で回避と受け流しを連ね、懐へ入り込んだ。続く膝蹴りに対し、ヒロは長剣を合わせて膝上を深々と斬り込み、四本腕は巨体を崩して倒れた。セレナ中佐とヒロは好機を逃さず、倒れた対象の剣腕と四肢を次々に断ち切った。

再生の確認と搬出準備
対象は切断面がみるみる塞がり、出血が止まる再生を見せた。セレナ中佐は任務として生体搬出を進め、剣の銘や製造番号が身元追跡の証拠になり得ると判断し、海兵に指示して搬出準備を整えた。ヒロはこれが本当にゲリッツか疑い、隠れ蓑の可能性も示された。

逃走可能性の検討と任務継続
セレナ中佐は、サプレッションシップに車両搭載余地がないこと、装備や移動の制約、構造体最奥まで到達する時間などから、本物が逃げ延びた可能性は高くないと見たが、探索は継続するとした。ヒロが任務復帰を確認すると、セレナ中佐はまだゲリッツがいる可能性があるとして解放しない姿勢を示した。

最終調査と原隊復帰
徹底調査で施設内にゲリッツ潜伏の可能性は否定された。四本腕の奥でツイステッド生産プラントが発見され、制御データが押収され解析に回された。惑星上のツイステッドへ強制停止命令を出せる可能性も示され、構造体外の探索は大量投入された戦闘ボットが担当することになった。ヒロはセレナ中佐の指揮下を外れ原隊へ復帰し、クリシュナへ戻れた。

#6:植民惑星コーマットⅢ

平穏の到来と移民作業の進行
コーマットⅣの降下制圧作戦が終わると、宙賊の活動は沈静化し、コーマットⅣで得たデータ解析の完了により、コーマットWおよびコーマットⅢで活動していたツイステッドは強制停止された。脅威が取り除かれた結果、ダレインワルド伯爵家の管理下で移民作業が粛々と進行し、状況は「穏やか」と表現される段階へ移行した。

自伝談義と「盛ってる扱い」問題
ヒロはアレンに勧められて傭兵の自伝を書き始めたが、ズィーアやミミ達は、傭兵自伝は話を盛った娯楽小説扱いになりがちだと反応した。ヒロ自身も、テラフォーミング中惑星へ降下して剣で戦う経歴は、事実でも虚構扱いされると認識していた。

宙賊アジトの役割と闇商人の構造
ズィーアが宙賊の活動減少に疑問を示すと、エルマとヒロは、宙賊アジトが戦利品や奴隷を取引するブラックマーケットとして機能していると説明した。アジトで集積された物資を闇商人が買い付け、表の世界で流通させる構造があり、アジト壊滅は宙賊だけでなく闇商人にも打撃になるという整理であった。

根絶の難しさと辺境の現実
ズィーアは闇商人の摘発を提案するが、エルマは商船や行商人の膨大さ、出所不明品を扱う店の遍在、闇商人依存で成り立つ小コロニーの存在などを挙げ、根絶の困難さを示した。ヒロは、この種の社会問題は傭兵の手に余ると結論づけつつ、問題があるからこそ傭兵の仕事が生まれる面もあると受け止めた。

報酬の試算と目標達成の発覚
ヒロは意識の低い話として報酬計算に切り替え、日当30万エネル、別件招集100万以上、最低30日雇用などを前提に最低額を積み上げた。コーマットⅢでの対地攻撃招集分、コーマットⅣ関連の扱い、アジト襲撃分、賞金と船売却益を加算し、概算で総額2650万エネル規模、最終的に3000万超えの可能性まで見積もられた。ズィーアの指摘を受け、ヒロは一等市民権を既に得ている以上、土地代と建築費があれば一戸建て目標が現実的だと気づく流れになった。

隠居への違和感と「コーラ未達」宣言
ミミとエルマは、ヒロが今までそれに気づいていなかった点を指摘し、ズィーアは「英雄様はもう隠居か」と問うた。ヒロは隠居の選択肢を否定し、もっと各地を見て回りたいこと、落ち着くには早いことを述べたうえで、決定打として「コーラを見つけていない」ため安息に至れないと宣言した。ミミとエルマは納得しつつ呆れも混ぜた反応を示した。

コーラ説明の封印と食文化の補足
ズィーアがコーラに興味を示すと、ヒロが語ろうとしたが、エルマが蹴って話題を封じ、コーラを甘い炭酸飲料だと短く説明した。ミミは炭酸の開封で噴き出す性質にも触れ、ズィーアは「怖い」と反応したが、ヒロは危険物ではないと否定した。さらに、炭酸飲料や通常調理が一般的でない世界の食事情にも言及が入った。

母星系とエッジワールドという探索方針
ズィーアは、古い文化を保つ種族の母星系や、帝国に最近編入された辺境惑星なら、ヒロの求める飲料や文化が残っている可能性があると示唆した。見返りとして、ズィーアはセレナ中佐との因縁を要求し、ヒロはコーラ情報を優先して了承した。母星系では料理修練を積んだ人材が育つという説明も加わり、特産品探索の筋道が示された。

エッジワールドの危険性と護衛案
エッジワールドは未探索宙域の境界に近い最前線であり、帝国航宙軍の影響力が弱い。エルマは宙賊が増援を呼びやすく、数で押してくる事情を説明し、ヒロも単独行動のリスクを認めた。一方で、武装商船団が船団を組み重武装で活動しているため護衛需要は高く、ブラックロータスを補給艦として売り込む案も出た。最終的に、まずは安全な帝国領内の母星系巡りを優先しつつ、将来的にエッジワールドも視野に入れる方針へまとまった。

今後の行動目標の確定
ヒロは、まず残り十日間コーマット星系で契約を満了させ、その後は家を建てる惑星選定、コーラ探索、各地の見聞という三本柱で動くと整理した。結局、人間は「安定」より「未達の欲望」に引きずられて動く生き物であり、ここではそれがコーラという形で明文化された、というだけの話である。

視察依頼と「お忍び」決定
ヒロがコーマットプライムコロニーで契約消化中、クリスからコーマットⅢ現地視察の護衛依頼が入った。イクサーマル家の生物兵器処理が完了し安全が確保されたため、現地を直接見たいという理由であった。ヒロは契約範囲内として了承し、メディアは同行させず「お忍び」で動く方針となった。同行メンバーはヒロ、ミミ、エルマに絞られた。

傭兵ルックのクリスと降下権限の付与
合流したクリスはショートパンツとジャケット、腰にレーザーガンと大型ナイフ、猫耳風ヘッドセットという傭兵風の装いで現れた。ヒロは意図を確認し、クリスは「一緒に動くなら自然」と説明した直後、ヒロの端末に「コーマットⅢへの無制限降下権限付与」が届いた。クリスが自身の権限で手続きを済ませていたためで、ヒロは受領しつつ、帰還を常に可能にしておくという言葉に妙な圧を感じた。

視察名目の整理と開拓都市への決定
視察は「ありのままを見たい」という動機で具体プランは未定だったため、ヒロは訪問理由付けを検討した。クリスは「テストケースとして承認された体なら可能」と整理し、開拓民側へ通達を流した上で、受け入れ可能な場所として「第二開拓都市」へ向かうと決めた。開拓都市とは着陸した移民船を指す通称であり、着陸後の中心地として発展していく前提の呼称であった。

降下と移民船の変貌
コーマットⅢへ降下すると、移民船は接地部を残して上部構造の大半が消え、中心に高いタワーが立つ形へ変わっていた。周囲には四角い建物が整然と並び、移民船の構造材を解体・再利用して施設群を建設した状況が読み取れた。クリスは計画段階として、衣食は備蓄と宇宙からの輸送で賄い、次に食料自給、住環境整備、最終的に有価産品の生産体制へ移る見通しを説明した。産品は畜産品や農作物などの有機生産物が中心で、例として「巨大芋虫」由来の生産物にも触れた。

地上の空気と出迎え
着陸はオートドッキングで円滑に完了し、ミミは地上の空気の爽快さを喜んだ。発着場ゲートでは中年女性クララが出迎え、ヒロの御前試合をホロ中継で見ていたと述べ、軽口でヒロをからかった。クララは第二開拓都市のまとめ役であると名乗り、クリスの正体も察しているような含みを見せた後、所用で離れた。

案内役「便利屋」とドワーフ少年の反発
残った案内役は温和な中年男性クレインと、若いドワーフ男性だった。ドワーフ少年は不機嫌を隠さず、クレインは「相手を見ろ、名誉子爵だ」と小声で叱責したが会話はヒロに聞こえていた。ヒロは刃傷沙汰の意思がないと明言し、案内を急がせた。彼らは役所所属ではなく、都市で起きるトラブル対応を請け負う「何でも屋」的な立場で、クララから仕事を振られることもあるという。

移動手段と市街地の様子
案内された移動手段は座席付きの簡素なホバーボートで、風防もなく吹き曝しだが浮上して不整地にも対応できる仕様だった。ミミは風を直接感じて楽しみ、エルマは埃っぽさを難点として挙げた。市街地はコンクリート様の舗装と整然とした建物群で、コロニーの商業区画に似る一方、広告ビルボードが少なく物寂しい印象もあった。案内役は酒場や商店も後で見せると述べ、目的地は急造中の「食料生産設備の現場」だと説明した。

畑そのものの正体と肩透かし
食料生産設備の現場は、ヒロの第一印象どおり「ただの畑」であった。耕作面積も極端に広大ではなく、複数区画が並ぶ程度で、見た目の派手さは皆無だった。エルマも「見ても面白くない」と率直に評し、ミミも地面で育てる方式に納得する程度であった。

転がる球体と農業ボットの合流
畑の上をハンドボール大の球体が等間隔で横並びになって高速で転がり、ヒロ達の前を通過した。案内役は用途を説明できず、合流予定の担当者を探す流れとなった。程なくして大型機械を積んだ別のエアボートが到着し、ラギール氏族のエイファが現場担当として名乗った。エイファは巨体で朗らかな口調を持ち、御前試合の映像でヒロを認識していた。

土壌調査と調整という「地味だが重要」工程
エイファは、転がっていた球体が農業用多目的ボットの子機であり、自身のボートに載る大型機械が本体だと説明した。現在は土壌の成分やpHなどを調べ、データを集めつつ適宜調整を行う段階であるという。ミミが水耕栽培のほうが簡単ではないかと問うと、エイファは水耕では作れる作物の種類が限られるため、地上畑では水耕で難しい作物を優先して育てるのだと答えた。クリスはそれを「商品価値の高い作物の優先」と整理し、エイファも高く売れる点だけでなく栄養価や味の良さも理由に含めた。

農家の出自と移民参加の動機
エイファは代々農家の家柄で、テラフォーミング完了惑星で農業従事者を募集している話を聞き応募したと語った。氏族は長子相続で、エイファは四男のため家を継げず、植民事業が「渡りに船」だったという説明であった。

畑造成の別機材とヒロの物欲
畑そのものの造成は、球体ボットではなく手に持てるサイズの小型機械で行われ、光のようなものを出して木や雑草だらけの場所を一気にふかふかの土へ変えるとエイファは説明した。ヒロは遭難時に役立ちそうだとして購入可能性を探り、ミミがサバイバルキットなどを後で調べると請け負った。クリスは何か言いかけたが、場の自然さを崩す発言は避けて飲み込んだ。

食堂への移動と「地上の熱気」
クレインの気遣いで一行は移民船基部の食堂へ移動した。食堂自体はフードコートのような造りで、食事もフードカートリッジ由来の一般的な内容だったが、食事を取る人々の表情には生気と熱量があり、ヒロはコロニー住民とは違う活力を感じ取った。外食環境がまだ乏しいため混み合っており、外で軍用レーションを食べる者もいるという話も出た。

男三人の調達行と小競り合い
食事の運搬は男三人が担当し、運びやすいファストフード系を中心に揃えた。道中、ドワーフ少年はヒロがドワーフ文化を知るのかと噛みつき、ヒロが「ドワーフの整備士が二人いる」と返すと、少年は「どうせ女だろ」と刺すように言った。クレインは「英雄色を好む」と茶化し、少年も「英雄の風格はない」と続け、ヒロは自分を「顔が売れただけのペーペー」と位置づけて受け流した。

ジャンクフードに目を輝かせるクリス
席に戻ると、クリスはテーブルのジャンクフードを前に珍しそうに目を輝かせ、「こういうものは久しぶり」と口にした。貴族の生活では出にくい食事であることが示唆され、ヒロは彼女の思い出と結びつけて理解した。一方、その反応を見たクレインは顔色を悪くし、クリスの正体に近づきかねない気配が漂った。

次の行動案と食べっぷり評
食後の予定として、ヒロは町の外の「道なき道」を散策する案を出し、自然を満喫する体験として肯定された。食事中、ヒロはエルマの遠慮のない食べ方を「気持ち良い」と評したが、エルマはレディ向けの褒め言葉としては落第だと返しつつ、大きく不機嫌にはならなかった。ミミとクリスはヒロをじっと見つめ、空気に小さな引っかかりを残したまま食事の時間が続いた。

未開の原野は中止、鳴り響く宙賊警報
食後に自然散策へ出ようとした矢先、周囲一帯にサイレンが鳴り響いた。クレインが即座に「宙賊の襲撃警報」と断言し、場の空気は一気に戦闘寄りへ傾いた。ヒロは状況確認より先に行動を選び、ホバーボートを半ば強引に借用して発着場へ急行する構えを取った。

ホバーボート強奪と即席チーム編成
ヒロは運転席に乗り込み、エルマを助手席、ミミとクリスを後部座席へ乗せて出発した。クリスは一瞬迷うが同行を選び、「民を守る刃になる」と覚悟を言葉にした。クレインは諦め混じりに武運を祈り、ドワーフ少年は「しくじるな」と釘を刺した。

発着場への疾走と緊急発進
メイから襲撃情報が入り、星系軍が宙賊を足止めしていること、降下まで猶予があることが共有された。ヒロは人通りの減った道を全開で走り、発着場へ滑り込む。クリシュナのタラップを展開し、全員を走らせて乗艦。ハッチを緊急閉鎖してコックピットへ突入し、そのまま巡航出力へ上げて重力圏離脱を開始した。加速Gでミミが最も苦しみ、クリスは呻き声も出さないほど耐えていた。

迎撃プランと出番の消失
ヒロは重力圏付近で待ち伏せし、宙賊艦が超光速航行を解除する瞬間を狙撃する案を提示し、エルマも妥当と認めた。しかし星系軍戦闘艦に一時ロックオンされつつ、状況は「星系軍が超光速航行中の宙賊を追跡してインターディクトを狙っている」流れと判明する。ヒロ達は警戒態勢のまま待機を選び、クリシュナのレーダーでは追跡全体を捉えきれないまま、宙賊は追い詰められて御用となり、降下襲撃は未遂で終わった。

帰還後の商業区画と“ささやかな遊び”
コーマットプライムコロニーへ戻ると、四人は商業区画へ出た。メイにはメディアの足止め工作を依頼し、ブラックロータスには寄らず四人で動く判断をした。クリスは以前の滞在で閉じこもりがちだった反動もあり、今回こそ「観光というか遊び」を望み、ミミも遠慮無用だと背中を押した。

キャラグッズ購入とクリスの年相応
店先でメッセージアプリのキャラクターグッズを見つけ、エルマとミミは自分達が使っているスタンプのキャラを指摘した。ヒロが最近使っている“目つきの悪い犬”のキャラも含め、クリスは勢いよく複数の小型フィギュアを購入し、ミミがクリスの使用キャラも見つけて揃った形になった。大人びたクリスにも年相応の喜びがあることが示され、ヒロが微笑ましく見ていると、クリスは照れて頬を赤らめた。

不穏な接近者とクリスの威圧
そこへ、身なりの整った男が悪意を滲ませて近づき、クリスへ「総督閣下」と呼びかけて慇懃に挨拶した。男はセラエノタイムス所属のビャッキーと名乗り、社員証らしきホログラムを提示する。クリスは返答せず、無機質な視線で圧をかけ続け、場は一気に凍る。ヒロはクリスの横で即応位置に入り、エルマは少し離れて周囲警戒、ミミは背後に控えた。

両親への侮辱と抜刀阻止
ビャッキーは「両親と叔父が相次いで亡くなったため、総督自身の謀略ではという噂がある」と踏み込んだ。クリスは即座に短剣へ手を伸ばし、ヒロが柄頭を押さえて抜剣を阻止した。クリスは怒りを抑えず、両親が自分を守るために犠牲になった事実を告げ、その最期を愚弄する者には報いを受けさせると通告した。ヒロは「今頃真っ二つだ」と冷ややかに追い払い、男は蒼白で逃走した。

休憩の店と“本当の自分”の揺れ
エルマが喉の渇きを理由に休憩を提案し、ミミのリサーチで落ち着いた店へ入った。案内ボットに導かれ、女性客が多い雰囲気の奥まった席に着く。注文はエルマが冷たい飲み物、他は菓子とお茶のセットとなった。
クリスは「皆が自分を歳相応の小娘として扱うから、これが本当の自分ではと思ってしまう」と吐露し、責務の重さと素の自分の間で揺れていることを示した。

ヒロの“逃げ道”提案とクリスの選択
ヒロは「後悔しないなら連れて行っても良い」と極端な逃走案まで口にし、エルマが即座に咎めた。クリスはそれを「甘い誘惑」と苦笑しつつ、過去に連れていかなかったことを確認する。ヒロは立場が変わったこと、今は無茶を通せるだけの肩書きがあることを挙げた上で、核心として「激務でボロボロのクリスを見るのが忍びない」と言い切った。
クリスは「いずれ帰ってくる場所を作る」という方向へ意志を整え、ミミは無言で抱きつき、場は“丸く収まる”空気に落ちた。

頼ってほしいという願いとヒロの現実感
クリスは「羽を休める場所を定める時が来たなら自分を頼ってほしい」と頼み、ヒロは「まず聞く。できないことはできないと言う」と条件付きで受け止めた。ヒロの内心では、伯爵家に頼れば優遇と引き換えに利用されるリスクもあるという現実的な計算が続いていた。

締めの余韻
危機対応から街歩き、侮辱への即応、休憩での本音までが一続きになり、クリスは“総督”としての硬さと、仲間内で見せる年相応の柔らかさの両方を露わにした。ヒロは守る線引きを維持しつつ、逃げ道を提示できる距離感を保ち、関係は一段深い信頼へ寄っていった。

エピローグ

契約満了と執務室での別れ
ヒロは一ヶ月の任務を終え、コーマットプライムコロニーのクリス執務室を訪れた。契約は一ヶ月ごと更新で最大三ヶ月の条件であり、この期間に宙賊の討伐や拠点壊滅が進んだ結果、星系の治安は大きく改善した。クリスは働きを高く評価し、傭兵ギルドへの報告と報酬振込の手配を告げたうえで、側にいてほしいと本音を漏らすが、ヒロは傭兵としてそれを断った。

夜景の告白と“妖しい”圧
夜景を背にしたクリスは「気持ちは変わっていない」と真っ直ぐに言い、再会時期を問う。クリスは拗ねた言い回しで揺さぶり、ヒロが否定すると、クリスは“嫌っていない”言質を取りに来る。ヒロは言葉を合わせるが、クリスの視線が妖しく感じられ、ヒロは思わず後退った。

罠の実演と口づけによる忠告
クリスは「貴族の謀略」に備えろと言いながら、自ら服の留め具を外し、棒読みの悲鳴まで添えて“護衛呼び出しボタン”へ手を伸ばす芝居を始めた。ヒロは慌てて手首を掴んで止め、悪戯を諭す。しかし直後、クリスは左手でヒロの首を抱き、狙い澄ましたように口づけを奪う。
クリスは「悪い貴族女性なら既成事実を作って関係を強要する」と言い、だから“自分以外の貴族女性と一人きりで会うな”と釘を刺した。ヒロは素直に従い、クリスは満足げに距離を取り、なおも誘惑めいた一言を残す。ヒロは“悪い子になった”と評し、クリスは“恋する女の子は成長が早い”と笑って締めた。

帰艦後のメイとご褒美ハグ
ヒロはメイに「女性はこわい」的な愚痴をこぼし、メイは微妙にズレた診断を返す。メイは各社メディアの録画データを検閲し、艦内セキュリティに関わる部分を処理済みだと報告した。ヒロが労いと“ご褒美”を考えると、メイは抱擁を要求し、理由として“ゴシュジニウム補給で性能向上”というジョークめいた説明をした。ヒロは応じて抱きしめ、メイは僅かに嬉しそうな雰囲気を見せ、処理能力が約4%向上したと答えた。

出港準備と“空荷”の割り切り
メディア撤収と補給が終わり、ブラックロータスとクリシュナは出港可能となった。鹵獲船の処分も完了し、整備士姉妹は酒盛りの翌日で部屋に籠もっている。空荷出港は惜しいが、コーマットプライムは好景気で物価が高く、道中の交易コロニーで交易品を積む方針を決める。メイはリーフィル星系へのルートを滞りなく設定し、ニーパック星系のゲート通過後に寄港するスケジュールを組む。

外部映像に映る“白い軍服の女”と不穏な気配
出港開始後、外部センサー映像がホロに表示され、白い軍服に大ぶりの剣を差した女性が拡大表示された。ヒロが面倒事を警戒すると、エルマは「現地で見たほうが早い」「言葉では説明しづらい」と苦笑し、ヒロは平穏を願いながら嘆息してソファにもたれた。

最強装備宇宙船  7 レビュー
最強装備宇宙船  全巻まとめ
最強装備宇宙船  9 レビュー

最強装備宇宙船 一覧

目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたいの表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい2の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい3 アイキャッチ画像
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい3の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい4巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい4の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい5巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい5の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい6巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい6の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい7の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい7の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい8の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい8の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい9の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい9の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい11巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 11の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい12巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 12の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい13巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 13の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい14巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 14の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい15巻の表紙画像(レビュー記事導入用)
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 15の表紙。
あらすじと考察は本文で詳しく解説。

その他フィクション

フィクションのまとめページの表紙画像(導入用)
フィクション(novel)あいうえお順

Share this content:

こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

コメントを残す

CAPTCHA