最強装備宇宙船 3 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 5 レビュー
物語の概要
本作はSF異世界ファンタジーに分類されるライトノベルである。元普通の会社員であった主人公・ヒロは、ゲームのような世界で目覚め、最強装備と宇宙船を得て傭兵として自由な生を満喫している。第4巻では、親族に狙われていた宇宙貴族の令嬢を無事に祖父の元へ届けたヒロ一行が、一時の休息を兼ねて船上での平穏を過ごそうとする。しかしそこへ自爆覚悟で襲い掛かる高速サイバネ剣士との白兵戦が発生し、宇宙船上での戦闘を余儀なくされる――という展開が描かれる。物語は宇宙傭兵としての戦闘と、仲間との絆を深める日常が交錯する構造を持つ。
主要キャラクター
- ヒロ:
本作の主人公である傭兵。最強装備と宇宙船を駆使して多様な任務をこなす自由人であり、戦闘・交渉・宇宙航行の全てを自分のやり方で切り抜ける存在である。
物語の特徴
本作の魅力は、宇宙を舞台にした自由奔放な傭兵生活と、従来の異世界転生ものとは異なる“宇宙船・傭兵業”という舞台設定にある。主人公は単なるチート最強でも王道無双でもなく、自由を尊重しつつ任務をこなす立場としてストーリーを牽引する。また、宇宙船上での戦闘や白兵戦、貴族令嬢の護送といったSF要素が、単なる剣と魔法の異世界とは異なる爽快感を生む。SF要素とファンタジー的冒険が融合し、読者に宇宙規模の旅と戦いを体感させる構造となっている。
書籍情報
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 4
著者:リュート 氏
イラスト:鍋島テツヒロ 氏
出版社:KADOKAWA(カドカワBOOKS)
発売日:2020年12月10日
ISBN:9784040738932
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
人体改造済みの神速サイバネ剣士と一騎打ち!?
親族に狙われる宇宙貴族令嬢をやっと祖父に引き渡し、メイの整備やセレナをあしらうのに時間を使っていたら……自爆覚悟の小型船で突撃してきた剣士たちと、船上での白兵戦開始!?
感想
貴族のお家騒動が決着! 突撃専用艦と脳筋貴族が強烈すぎる
『目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい』4巻を読んで、まず感じたのは、貴族のお家騒動が思った以上にすっきり決着したことだ。
前巻から続くクリスの命を狙う陰謀。
帝国貴族の権力争いとなれば、もっと陰湿で長引く展開になるのかと思っていた。
ところが、今回は派手な宇宙戦闘に加え、敵艦に船ごと突っ込んで白兵戦を仕掛けるという、とんでもない戦法まで登場する。
いや、宇宙戦争でそれをやるのか。
しかも、そんな兵器が存在する背景には、剣を好む帝国貴族たちの価値観があるという。
恐れられているはずの貴族が、妙な方向に脳筋なのが面白い。
一方で、ヒロは宇宙船の操縦だけでなく、パワーアーマーを使った白兵戦でも実力を発揮する。
そして、事件が決着した後には、クリスとの関係にも一つの区切りが訪れる。
激しい戦闘と笑ってしまうような貴族文化、さらに少し切ない別れまで描かれた4巻。
今回は、特に印象に残った場面を中心に感想をまとめたい。
※以下、4巻のネタバレを含みます。
クリスを狙う貴族のお家騒動。祖父と合流しても安心できない
今回の中心となるのは、ダレインワルド伯爵家の内紛である。
クリスは両親を失い、叔父のバルタザールから命を狙われている。
ヒロたちは彼女を守りながら、祖父である現当主アブラハム・ダレインワルド伯爵のもとへ送り届けようとする。
しかし、相手は帝国貴族だ。
資金も権力もあり、軍の戦力まで利用してくる。
単純な護衛任務で終わるはずがない。
実際、クリスを狙う勢力は帝国軍の正式な戦闘艦まで投入してくる。
宙賊相手ならともかく、正規軍の戦艦や巡洋艦に狙われるのだから、たまったものではない。
それでも、ヒロは持ち前の操縦技術で危機を切り抜けていく。
特に、敵戦艦の死角に張りつき、敵自身を盾にする戦い方は印象的だった。
正面から撃ち合えば不利でも、相手の弱点を利用すれば生き残る道がある。
ヒロの強さは、単にクリシュナの性能が高いことだけではない。
危険な状況でも、勝てる方法を冷静に探せるところが強みなのだと思う。
そして、ようやくクリスの祖父と合流する。
これで一安心かと思いきや、事件はまだ終わらない。
むしろ、そこから最後の大騒動が始まるのだから、貴族のお家騒動は本当に面倒である。
サプレッションシップ登場! 船ごと突っ込む発想が理解できない
今回、最も強烈だったのがサプレッションシップの存在だ。
これは敵艦に突撃し、船体に突き刺さったところから兵士を送り込むための特殊な艦である。
宇宙船なのに、目的は敵艦への体当たり。
しかも、その後は白兵戦で制圧するという。
いや、頭がおかしいだろう(笑)。
普通、宇宙船同士の戦闘なら、レーザーやミサイルで敵を攻撃するものだと思う。
わざわざ敵艦に接近し、船体を貫いて、兵士を送り込む必要があるのだろうか。
もちろん、相手の船を破壊せずに制圧できるという利点はある。
しかし、突撃する側の危険が大きすぎる。
敵艦の防御を突破できなければ終わりだし、突入に成功しても、その先には武装した敵兵が待っている。
実際、作中でも成功率の低さが語られている。
それなのに、この兵器が存在する。
理由の一つが、帝国貴族の剣を重んじる文化だというのだから、さらに驚かされる。
剣で戦いたい。
だから、敵艦に突っ込んで白兵戦をする。
そんな発想で兵器が生まれてしまうのか。
しかも、剣を好むという理由が、帝国貴族の間では一定の説得力を持っているらしい。
恐ろしい存在のはずなのに、どこか変人の集団にも見えてくる。
乗ってみたいかと聞かれれば、全力で遠慮したい。
浪漫があることは認める。
ただし、自分の命を懸けてまで付き合いたくはない。
突撃させられる部下が気の毒すぎる。貴族の浪漫と現場の悲哀
サプレッションシップの戦法で、もう一つ気になったことがある。
それは、実際に突入する兵士たちの立場だ。
貴族本人が剣で戦いたいというのは、本人の自由かもしれない。
しかし、その趣味に付き合わされる部下はどうなのだろう。
敵艦に船ごと突っ込み、危険な白兵戦を強いられる。
しかも、成功する保証はない。
指揮する側にとっては名誉や浪漫のある作戦でも、実行する側からすれば命懸けの仕事である。
読んでいて、どうしても部下たちが気の毒になった。
主君の趣味で危険な現場に送り込まれるのは、たまったものではない。
もちろん、貴族に忠誠を誓っている兵士たちにも、それぞれの事情はあるのだろう。
それでも、作戦を命じる側と実行する側の負担があまりに違う。
ヒロが相手の戦法を理解できないのも当然である。
一方で、この極端な価値観が帝国貴族という存在を印象深くしている。
権力を持った陰険な敵役というだけではない。
剣へのこだわりが強すぎて、合理性を置き去りにしてしまう。
そんな妙な人間臭さがあるからこそ、単なる悪役以上に記憶に残るのだと思う。
ヒロは白兵戦でも強かった! ただしメイの方が強い
サプレッションシップが伯爵家の旗艦に突き刺さったことで、戦いは艦内での白兵戦へと移る。
ここで印象的だったのが、ヒロの戦闘能力である。
普段はクリシュナの操縦技術が目立つため、どうしても宇宙戦闘の専門家という印象が強い。
しかし、今回はパワーアーマーを装備し、自ら敵艦へ乗り込んで戦う。
しかも、相手は普通の兵士だけではない。
強化された身体能力を持ち、レーザー攻撃を剣で弾くような貴族の剣士まで登場する。
ここまでくると、剣士というより別の何かである。
レーザーを剣で防ぐなど、普通に考えれば反則だろう。
そんな相手に対して、ヒロは正面から剣術勝負を挑まない。
多方向からの攻撃で相手の防御を崩し、装備の特性を活用して戦う。
この判断が実にヒロらしい。
剣にこだわる相手に、同じ土俵で付き合う必要はない。
使える武器を使い、勝てる方法を選べばいい。
実際、バルタザールとの戦いでは、パワーアーマーの機能まで駆使して決着をつける。
宇宙船の操縦だけでなく、白兵戦でも十分に強い。
ヒロの戦闘要員としての幅広さが分かる場面だった。
ただし、ここで忘れてはいけないのがメイである。
ヒロも強いが、メイの方がさらに強そうなのだ。
メイドロイドとして家事をこなし、護衛まで担当する。
しかも、強化後の戦闘能力がとんでもない。
今回も重火器を扱い、ヒロを支援しながら敵を制圧していく。
優秀なメイドという言葉だけでは、もはや説明が足りない。
むしろ、戦闘用の機械兵器がメイドの仕事もしているように見える。
ヒロが安心して戦えるのも、メイの存在が大きいのだろう。
それにしても、これだけ強いメイドがそばにいるのだから、下手な敵よりよほど恐ろしい気がする。
セレナ少佐は相変わらず残念美人。私生活との落差が面白い
激しい戦闘の一方で、セレナ少佐とのやり取りも印象に残った。
軍人としての彼女は優秀である。
指揮能力があり、判断も早く、部下からの信頼も厚い。
ところが、私生活になると途端に様子がおかしくなる。
ヒロのもとへ遊びに来たかと思えば、行き先を決めることまで丸投げする。
お酒が入れば、さらに面倒なことになる。
ヒロが距離を置こうとする気持ちも分かる。
しかし、読んでいる側からすると、この落差が面白い。
軍人としては頼りになるのに、個人的な付き合いになると妙に不器用だ。
しかも、ヒロへの評価がかなり高い。
本人は自由な傭兵でいたいのに、周囲からはどんどん評価されていく。
セレナ少佐との関係も、そう簡単には終わらなさそうである。
ヒロとしては勘弁してほしいだろうが、今後も登場してほしい人物の一人だ。
クリスの告白とヒロの選択。簡単に一緒にはなれない二人
貴族のお家騒動が決着した後、物語はクリスとヒロの関係にも踏み込んでいく。
クリスはヒロへの好意を伝える。
しかし、ヒロはその気持ちを受け止めながらも、彼女と一緒になることを選ばない。
ここは少し切なかった。
ヒロは自由な傭兵として生きたい。
一方、クリスには伯爵家を継ぐという立場と責任がある。
どちらかが自分の生き方を大きく変えなければ、簡単には一緒にいられない。
好意があるだけでは解決しない問題だ。
ヒロがクリスを拒むのも、彼女の気持ちを軽く扱っているからではない。
むしろ、彼女の将来や、自分と行動を共にするミミたちのことまで考えた結果なのだろう。
その判断には納得できた。
ただ、クリスの気持ちを考えると、やはり寂しさも残る。
命を助けられ、一緒に危険を乗り越えた相手なのだから、特別な感情を抱くのも自然だと思う。
それでも、ここで無理に関係を進めなかったことは好印象だった。
恋愛だけで、貴族としての責任まで消えてしまうわけではない。
そうした現実的な線引きがあるからこそ、二人の関係に重みが生まれているように感じた。
「羽を休める止まり木になりたい」クリスの決意が印象的
巻末で特に印象に残ったのは、ヒロを見送るクリスの心情である。
自由に銀河を飛び回るヒロを、鳥にたとえる。
そして、自分は一緒に飛び回れないからこそ、彼が羽を休められる場所になりたいと考える。
この比喩には、どこか古風な雰囲気がある。
正直、使い古された表現にも思えた。
いや、誰の入れ知恵なんだろう。
そんなことまで考えてしまった。
しかし、クリスの立場を思えば、なかなか切実な決意でもある。
彼女はヒロと一緒に旅をしたい。
けれど、伯爵家を捨てるわけにはいかない。
だから、ヒロの自由を奪うのではなく、いつか戻ってこられる場所になろうとする。
この考え方には、彼女なりの成長が感じられた。
守られるだけだった少女が、自分の立場を受け入れ、そのうえで望む未来を手に入れようとしている。
しかも、祖父のもとで次期当主として力をつける覚悟まで決めている。
ただ待っているだけではないのだ。
もっとも、メイの助言が影響しているらしいところには、少し不安もある。
あのメイドロイドは、ヒロのためならかなり大胆なことを考えそうだからだ。
クリスが立派な女伯爵になったとき、ヒロは本当に自由でいられるのだろうか。
そんな先の展開まで想像してしまった。
外伝の男性キャラクターも印象的。世界が少しずつ広がっていく
今回、もう一つ嬉しかったのが、外伝で個性的な男性キャラクターが登場したことだ。
特に印象に残ったのは、ハードボイルドな雰囲気を持つフェレットのような人物である。
このシリーズはヒロの周囲に女性キャラクターが集まりやすい。
それ自体も作品の魅力だが、男性キャラクターにも個性の強い人物が増えると、世界がさらに賑やかになる。
主人公たちとは違う立場で生きている人物が描かれることで、宇宙の広さも感じられる。
こうした登場人物が今後どこかで再登場したら面白そうだ。
本編の事件とは別の場所でも、それぞれの人生や仕事が続いている。
そんな広がりが感じられるのは、長く続くシリーズならではの楽しみだと思う。
まとめ|4巻は貴族のお家騒動をすっきり終わらせた満足感のある一冊
4巻は、クリスを巡る貴族のお家騒動に決着がつく巻だった。
帝国軍の戦闘艦による襲撃。
敵艦へ突き刺さるサプレッションシップ。
パワーアーマーを使った白兵戦。
そして、クリスとの別れ。
かなり多くの出来事が詰め込まれている。
それでも、読後感は不思議とすっきりしていた。
貴族の内紛という厄介な題材を扱いながら、必要以上に泥沼化させなかったところがよかった。
特に印象的だったのは、帝国貴族の価値観である。
剣が好きだから、敵艦に突っ込んで白兵戦をする。
そんな浪漫を本気で実現してしまうのだから、恐ろしいやら面白いやら。
その一方で、ヒロは合理的に戦い、クリスの命を守り抜いた。
宇宙船でも白兵戦でも頼りになる主人公だと、改めて感じた。
そして、クリスの決意も忘れがたい。
ヒロと一緒に旅ができないからこそ、自分の立場でできることを考える。
二人の関係が完全に終わったわけではなく、将来へ向けた可能性を残した締め方もよかった。
派手な戦闘で盛り上げながら、人間関係にもきちんと区切りをつける。
そのバランスが、この巻の魅力だと思う。
さらに、次の目標として母艦の購入が浮上する。
これまでクリシュナ一隻で活動してきたヒロたちが、今度はどんな宇宙船を手に入れるのか。
貴族のお家騒動を終え、ようやく自由な傭兵生活へ戻れるのか。
もっとも、ヒロのことだから、次の目的地でも何かしらの騒動に巻き込まれそうである。
そうした予感まで含めて、次巻が楽しみになる一冊だった。
最強装備宇宙船 3 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 5 レビュー
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
登場キャラクター
ヒロ
傭兵として行動する人物であり、護衛任務では合理性を優先して判断する立場である。クリスの護衛を請け負い、エルマやミミ、メイと行動を共にする関係である。
・所属組織、地位や役職
傭兵。ゴールドランク傭兵として名乗る場面がある。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスと同室で目覚めた件を説明し、護衛任務に就いて警戒を担った。敵襲では戦艦への張り付き戦法を採用し、独立艦隊到着までの時間を稼いだ。白兵戦ではパワーアーマーで突入し、剣士を電撃装置で無力化した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
護衛契約で報酬が増額し、所持金が大きく回復する。伯爵家の家紋入りメダルを受け取り、取引上の後ろ盾を得る。
クリス
帝国貴族ダレインワルド伯爵家の血を引く少女であり、命を狙われる危険を抱える立場である。ヒロを「騎士様」と呼ぶなど、護衛対象を超えた感情を示す関係である。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家の関係者。護衛対象。
・物語内での具体的な行動や成果
自身が狙いである可能性を静かに語り、戦闘中の状況理解に関与した。ヒロへ告白し、関係を望む意思を言葉で示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
「次期女伯爵として力を得る」と決意し、周囲に認められる成長を目標に据える。ヒロとの再会を半ば取り付け、護衛関係の継続を主張する。
エルマ
ヒロと行動を共にする仲間であり、安全や現実面を優先して釘を刺す立場である。ヒロの軽率さを叱責し、作戦や対外対応で補助線を引く関係である。
・所属組織、地位や役職
ヒロのクルーの一員。操艦や防御担当として指示を受ける。
・物語内での具体的な行動や成果
添い寝騒動でヒロを咎め、クリスの危険性を説明する。戦闘では防御を任され、航海ではシステムや弾薬、燃料チェックを担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
金銭分配で割合が示され、報酬配分の枠組みに組み込まれる。メイの行動に警戒を示し、恋愛成就志向への嫌な予感を言語化する。
ミミ
ヒロの仲間であり、感情が行動に出やすい人物である。クリスへの情緒や、ヒロへの依存に近い反応を自覚する関係である。
・所属組織、地位や役職
ヒロのクルーの一員。オペレーション担当として指示を受ける。
・物語内での具体的な行動や成果
敵襲時にレーダー設定や回線確保を担当し、敵戦力解析にも関与した。クリスの件で号泣し、喜びと罪悪感が混ざった本音を語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
報酬配分が設定され、次回から割合を引き上げる案が出る。伯爵から「どこかで会ったか」と問われ、本人は否定する。
メイ
メイドロイドであり、無駄のない受け答えと実務能力を示す存在である。護衛や家事を担い、ヒロの生活基盤に強く関与する関係である。
・所属組織、地位や役職
メイドロイド。ヒロの船内業務と護衛を担当する。
・物語内での具体的な行動や成果
飲み物提供や会話を通じて情報共有を行い、ヒロの出自告白も受け止めた。アップグレードで筋力や触覚、調理機能などを強化し、武器提案も実施した。白兵戦ではレーザーランチャー運用で制圧に加わり、戦闘後は装備回収にも動いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アップグレードにより戦闘力が大幅に増し、適切な武器があればヒロに匹敵すると説明される。報酬の金銭受領を辞退し、必要物品で補う方針を示す。
セレナ少佐
帝国貴族の令嬢であり、軍人として艦隊を率いる人物である。ヒロに対して距離を詰める言動を見せつつ、現実的な危険例も提示する関係である。
・所属組織、地位や役職
少佐。艦隊指揮官。
・物語内での具体的な行動や成果
護衛任務の状況に不満を漏らしつつ、敵襲では到着時間を告げた。独立艦隊到着後は戦闘停止や制圧開始などの命令を出した。非番時にはヒロを外出に誘い、警戒すべき犯罪例を列挙してVR提案を拒否した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
離反艦隊への攻撃命令を出し、戦局の主導に関与する。ヒロに対し、戦功と身分条件を絡めた可能性の話を持ち出す。
アブラハム・ダレインワルド伯爵
ダレインワルド伯爵家の当主であり、武装と威圧感を伴って面会に臨む人物である。クリスの保護と家の体面を重視し、ヒロを雇用する関係である。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家当主。伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロから一連の事件報告を受け、内容整合を確認した上で報酬を約束した。護衛継続を提案し、日当と口止めを含む条件を提示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
家紋入りメダルを渡し、信用保証として機能させる意図を示す。クリスとヒロの関係について「許さない」と線引きを明示する。
バルタザール
クリスの命を狙う側の中心人物として示される存在である。戦闘では剣士として現れ、伯爵側に捕縛される関係である。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家の内紛側の人物として言及される。作中では「バルタザール卿」として扱われる。
・物語内での具体的な行動や成果
敵艦隊の形式が帝国軍採用型である点から、差し金として疑われる。白兵戦では剣でレーザーを弾き、ヒロの武器を切断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
決闘の後に捕縛され、拘束具で連行される。粛清が進んだことで火種がいったん消えたと整理される。
ロマンド・ケストレル少佐
敵戦艦ヴェストール側の副艦長として登場する軍人である。戦闘終盤に投降を告げる立場である。
・所属組織、地位や役職
戦艦ヴェストール副艦長。少佐。
・物語内での具体的な行動や成果
敵戦艦の機関停止後、投降を告げる通信を行った。艦長の自決を報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
投降の宣言により戦闘終結の節目を作る。
オイゲン・ヘラスミス大佐
敵戦艦ヴェストール側の艦長として言及される軍人である。戦闘終盤に自決したと報告される立場である。
・所属組織、地位や役職
戦艦ヴェストール艦長。大佐。
・物語内での具体的な行動や成果
自決したと報告され、艦の統率が失われた形になる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自決報告に対しヒロが疑念を抱くため、余波として不信の種を残す。
戦闘一覧
#1: 俺は悪くねぇ!
アウトポスト周辺での結晶生命体迎撃
- 戦闘者: ヒロ(クリシュナ)、帝国航宙軍(レスタリアス他) vs 結晶生命体(大型種・小型種)
- 発生理由: 帝国軍のアウトポストが結晶生命体の群れに襲撃され、交戦状態にあったため。
- 結果: ヒロが単機で突入して大型種を魚雷で撃破し戦況を崩したことで、帝国軍が押し返し、最終的に結晶生命体を宙域から駆逐した。
#2: 襲撃
帝国軍離反艦隊との戦闘
- 戦闘者: ヒロ(クリシュナ)、対宙賊独立艦隊(セレナ少佐) vs 帝国軍離反艦隊(戦艦ヴェストール他)
- 発生理由: クリス(ダレインワルド伯爵家の血縁)の抹殺を図るバルタザールの差し金により、敵艦隊が護衛対象のペリカンⅣおよびクリシュナに攻撃を仕掛けたため。
- 結果: ヒロが敵戦艦に張り付いて撹乱し、到着した独立艦隊の援護により敵戦艦以外が無力化された。最終的に敵戦艦は機関停止・降伏し、艦長は自決した。
#3: キャプテン・クレイジー・ヒロ
叙勲式会場での傭兵との揉め事
- 戦闘者: メイ(ヒロの護衛) vs 若い傭兵(ウェイド)
- 発生理由: ヒロに因縁をつけた傭兵が、ヒロに掴みかかろうとしたため。
- 結果: メイが即座に相手の手首を制圧して威圧し、それ以上の騒ぎには発展せず収束した。
#5: 二度あることは三度ある
街中でのナンパ男との衝突
- 戦闘者: ヒロ、セレナ少佐 vs チャラい男二人
- 発生理由: 男たちがヒロと少佐の会話に割り込み、しつこく絡んできたため。
- 結果: ヒロが一人を物理的に制圧(首と手首を極め、喉への打撃)し、少佐が剣の鯉口を切って威嚇したことで、男たちは逃走した。
#6: 偵察艦隊
ガーガーオル星系での待ち伏せ戦闘
- 戦闘者: 第二偵察艦隊(ヒロ含む) vs 結晶生命体の群れ
- 発生理由: 偵察任務中に、待ち伏せしていた結晶生命体の群れから攻撃を受けたため。
- 結果: ヒロが囮となって敵群を引きずり回し、第一偵察艦隊の増援到着まで持ちこたえたことで、艦隊の被害を軽微に抑えて撃退した。
#6: はじめてのゲートウェイ
コーマット星系での奇襲攻撃
- 戦闘者: ダレインワルド伯爵家船団、ヒロ(クリシュナ) vs 不審船群、サプレッションシップ(鎮圧艦)
- 発生理由: バルタザール派がクリスや伯爵を狙い、旗艦を制圧するために襲撃したため。
- 結果: サプレッションシップが防御射撃を突破して旗艦への突入(衝角攻撃)に成功し、内部への侵入を許した。ヒロは白兵戦での救援を決断した。
#7: 傍迷惑な乾坤一擲
旗艦内での白兵戦
- 戦闘者: ヒロ(パワーアーマー)、メイ vs 敵の移乗攻撃部隊(パワーアーマー、歩兵)
- 発生理由: 旗艦内に侵入した敵部隊を排除し、クリスたちを救出するため。
- 結果: ヒロのシールドタックル「ブチカマシ」やメイの重火器掃射により敵部隊を圧倒・制圧し、最奥部へ到達した。
バルタザール卿との決闘
- 戦闘者: ヒロ、メイ vs バルタザール(剣士)
- 発生理由: クリスと伯爵を護り、襲撃の首謀者を無力化するため。
- 結果: ヒロが集中砲火で相手のシールドと視界を奪った隙に接近し、電撃装置「ハリテ」を用いて気絶させ、捕縛に成功した。
#8: ミミとミリメシ
嫉妬した傭兵との決闘
- 戦闘者: ヒロ(クリシュナ) vs 傭兵たちの小型戦闘艦(複数)
- 発生理由: ヒロの女性関係や待遇に嫉妬した傭兵たちが因縁をつけ、決闘を挑んだため。
- 結果: ヒロが圧倒的な実力差を見せつけ、一方的に勝利した。
#9: 結晶戦役
イェーロム星系突入戦
- 戦闘者: 帝国航宙軍艦隊、傭兵部隊(ヒロ含む) vs 結晶生命体(ガーディアン・クリスタル他)
- 発生理由: マザー・クリスタル討伐のため敵星系へ侵攻した際、即座に戦闘が発生したため。
- 結果: 帝国軍の統制射撃とヒロの囮行動により、敵の第一波・第二波を壊滅させた。
マザー・クリスタル討伐戦
- 戦闘者: ヒロ(クリシュナ)、帝国航宙軍艦隊 vs マザー・クリスタル、小型結晶生命体群
- 発生理由: 結晶生命体の発生源であるマザー・クリスタルを破壊するため。
- 結果: ヒロが単機突入して至近距離から魚雷を打ち込み、ブラックロータスの電磁投射砲支援もあってマザー・クリスタルを撃破した。
#EX: セレナ少佐の非番な一日
プールでの追走劇
- 戦闘者: セレナ少佐 vs ヒロ
- 発生理由: ヒロに肉体を観察され「ゴリラ」扱いされたセレナ少佐が激怒し、報復として捕まえようとしたため。
- 結果: 強化肉体を持つ少佐がヒロを追い回し、最終的に捕獲した(※模擬的な争い)。
最強装備宇宙船 3 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 5 レビュー
展開まとめ
プロローグ
微睡みの中での目覚めと邂逅
ヒロは誰かの気配を感じて目を覚ましたが、意識はまだ完全には覚醒していなかった。柔らかなベッドと温かな体温に包まれ、無意識のまま相手を抱き寄せた結果、目の前にいたのは黒髪の少女クリスであった。互いに戸惑いながらも、二人はしばらく視線を交わし、静かな時間を共有した。
朝の誤解とエルマの叱責
その後、ヒロとクリスが二人で部屋を出る場面をエルマに目撃され、添い寝をしたことについて厳しい視線を向けられた。ヒロとクリスは何もなかったと説明し、エルマも渋々ながらそれを受け入れたものの、軽率な行動を慎むよう忠告した。
クリスの立場と抱える危険
エルマの叱責は、クリスが帝国貴族ダレインワルド伯爵家の血を引く存在であることに起因していた。両親を失い、叔父から命を狙われる身であるクリスは、行動一つで多くに影響を及ぼす立場にある。現在はセレナ少佐の艦隊に同行することで擬似的な護衛を得ているが、依然として危険は去っていなかった。
ミミの関与と場の収束
本来クリスがミミのもとで休む予定だったことが判明し、ミミの手引きがあったことも明らかになった。エルマはミミにも注意を向けたが、最終的にはこれ以上追及しないと判断した。ヒロとクリスは反省を示し、場は収まり、三人は身支度を整えて朝食へ向かうこととなった。
#1: 新しいクルーはメイドロボ
護衛任務の日常とクリシュナでの安堵
セレナ少佐と話をつけた翌日、ヒロたちは民間輸送船ペリカンⅣの護衛任務に就いていた。任務内容は星系内や近隣星系を巡回する比較的穏やかなものであり、ヒロとエルマが交代でコックピットに入り警戒を担当していた。ヒロはクリシュナに戻ったことで実家のような安心感を覚え、クリスも安全性の高さを認めつつ、身分ゆえの窮屈さを感じていた。
メイドロイド・メイとの会話
コックピットでは、メイドロイドのメイが飲み物を運び、ヒロと会話を交わしていた。ヒロはメイの将来的なアップグレードを考えていたが、メイは現状の性能でも問題ないと述べ、主人としての配慮に感謝を示した。感情値を抑えた設定についても不満はなく、必要があれば相談すると応じた。
警戒体制と宙賊情勢の整理
護衛中、ヒロは超光速航行中でも使用可能な複合センサーで周囲を監視していた。宙賊はシエラⅢ襲撃で大損害を受け、再編を余儀なくされている状況であり、ペリカンⅣが襲われた場合でも短時間でセレナ少佐率いる艦隊が駆けつける算段となっていた。この護衛任務自体が宙賊を誘い出す罠であることも、ヒロは内心で理解していた。
セレナ少佐との距離感
メイとの会話の中で、ヒロはセレナ少佐との関係にも触れた。彼女は帝国貴族の令嬢であり、優秀な軍人でもあるが、ヒロは自由な傭兵稼業を続けるため、あくまでビジネスライクな関係を保つと決めていた。
出自の告白と世界観の違和感
メイから強い情報保護の意思を示されたことを受け、ヒロは自身の出自について語り始めた。目覚めた時にはクリシュナと共にこの世界におり、元の世界ではゲームとして認識していた要素と現実の宇宙が奇妙に一致していること、しかし完全には一致しない点が多いことを説明した。メイはシミュレーション仮説を提示しつつも、ヒロの認識に一定の理解を示した。
向き合わない選択と現状維持
ヒロは自らの出自を深く追及することは今は得策ではないと結論づけた。真相を探れば厄介事を招く可能性が高く、現状では不便もないためである。メイもその判断を尊重し、以後は質問と回答を重ねながら情報収集を続けていくこととなった。
#2:襲撃
膠着する護衛任務とセレナ少佐の通信
ペリカンⅣの護衛を始めて三日が経過しても宙賊の襲撃は起きず、セレナ少佐は通信越しに不満を漏らした。少佐は船舶IDと船名を付け替えたと口にし、ミミとエルマは国家権力じみた手口に呆れ、クリスは危険を察して沈黙した。全員がコックピットで待機する中、メイは船内清掃を続けていた。
インターディクト発生と戦闘準備
遭遇率の話の最中、随伴する輸送船にインターディクターが使用され警報が鳴った。セレナ少佐は到着まで五分かかると告げ、ヒロはミミにレーダー設定とペリカンⅣへの回線確保を指示し、エルマには防御を任せた。ヒロはペリカンⅣへ、抵抗を抑えて超光速ドライブ停止とシールド強化を促し、五分後に援軍が来ると伝えた。
敵艦隊の正体と絶望的な戦力差
通常空間へ引きずり出された直後、クリシュナのいた宙域を赤いレーザーが貫き、ヒロは急加速で回避した。ミミの解析で敵は十一隻と判明し、その内訳に戦艦級一、巡洋艦級二が含まれていた。さらに敵艦の形式は帝国軍正式採用型であり、単なる宙賊ではなく、クリスの命を狙う叔父バルタザールの差し金だとヒロは確信した。
戦艦への張り付き戦法と迎撃戦
ヒロは距離を取れば主砲で焼かれると判断し、戦艦の死角に回り込んで真後ろに張り付いた。僚艦の誤射を誘い、戦艦を盾にする形で小型艦と艦載機を重レーザー砲と散弾砲で撃破していった。クリスは機動に混乱し、ミミが状況を説明したが、敵側通信からも異常な機動として警戒され、帝国軍人らしき声が飛び交った。
独立艦隊到着と命令無視
膠着が続いた末、戦艦レスタリアスを旗艦とする対宙賊独立艦隊がワープアウトし、セレナ少佐は戦闘停止と機関停止を命じた。しかし敵艦隊は従わず、ペリカンⅣを無視して執拗にクリシュナのみを狙い続けた。クリスは狙いが自分であり、敵に退路がない可能性を静かに語った。
全艦兵装使用自由と離脱機動
敵艦隊はヴェストールの損害を考慮せず全艦兵装使用自由を宣言し、無数の熱源が発射された。セレナ少佐も離反艦隊への攻撃を命じ、戦艦への張り付きは維持不能となった。ヒロは加速してミサイル弾幕へ敢えて突入し、散弾砲で迎撃しつつ誘爆と爆炎、さらにフレアとチャフを利用して追尾とロックオンを外したが、巡洋艦主砲の攻撃でシールドは大きく消耗した。
戦局逆転と敵戦艦の降伏
クリシュナが巡洋艦の陰を使って凌いでいる間、独立艦隊の集中砲火が敵艦を次々に無力化し、残る戦闘能力はほぼ戦艦一隻のみとなった。セレナ少佐は無益な犠牲を止めるよう再度命令し、沈黙の後に敵戦艦は機関を停止した。戦艦ヴェストール副艦長ロマンド・ケストレル少佐が投降を告げ、艦長オイゲン・ヘラスミス大佐は自決したと報告した。
終結後の警戒と帰還待ち
セレナ少佐は負傷者救出と制圧開始を指示し、独立艦隊は敵艦へ接触して掌握に移った。ヒロは自決という報告に疑念を抱きつつも、即時の反転攻撃を警戒して様子見を選び、メイに損傷がないことを確認した。クリシュナはペリカンⅣへ戻るまで戦闘機動に備え、戦闘の完全終息を待つこととなった。
#3: アンドロイド街
戦後処理と護衛任務の終了
離反艦隊の制圧と曳航準備に時間を要し、ヒロ達はペリカンⅣ格納庫で待機となった。護衛任務は手続きと補給の都合で解除され、報酬は三日分で24万エネルに確定した。一方、離反艦隊は「宙賊ではない」ため賞金対象外とされ、セレナ少佐の期待は空振りに終わった。憲兵の事情聴取では無警告射撃の記録が決め手となり問題はなかったが、ヒロの戦闘機動だけは「気持ち悪い」と評され、当人は根に持った。
メイのアップグレード計画とシエラプライム滞在
クリスの祖父からの接触を待つため、ヒロ達はシエラプライムコロニーに滞在する方針を固めた。滞在のついでに、オリエント・インダストリー支社があるこの地で、発注済みのメイのアップグレードを実装することになる。金持ちが集まるコロニーゆえハイエンド部材と設備は潤沢で、護衛面でもメイの強化は合理的であった。出発前、エルマはメイにヒロの護衛を念押しし、メイは標準仕様でも人間の1.5〜2倍の筋力があると淡々と示した。
いかがわしいアンドロイド街の洗礼
メイの案内で向かった先は、まず露骨に女性型アンドロイドが溢れる“アンドロイド街”であった。ショーウィンドウには少女型から肉感的な機体まで並び、露出の多い格好でのデモや客引きめいた光景も見える。男性客だけでなく女性の姿もあり、さらに少年型らしき存在まで混じっていた。メイは違和感を示さず、ヒロは説明しても無駄だと悟って受け流した。街を抜けるとメーカー支社と工房が並ぶ区画に移り、いかがわしさは多少落ち着いた。
直営工房での受付と“言葉不要”の情報共有
到着したのは巨大なオリエント・インダストリー直営工房で、受付アンドロイドは用件を即座に把握し、メイのアップグレードへ案内した。メイはアンドロイド間のデータ共有により音声が不要だと説明し、ヒロは納得する。ヒロは喫茶スペースに通され、冷たい茶を頼みながら待機することになった。
アップグレードの実態は“積み替え”
受付アンドロイドは、今回の作業は身体各部の交換とデータ載せ替えであり、軽微な改修よりも新規素体の構築が早いと説明した。骨格・筋繊維・中枢プロセッサ等を総入れ替えし、所要は約二時間と見積もられた。待ち時間は生活アドバイスとメンテ講習に充てられ、ヒロのエネル残高は“勉強代”として削られていった。
外見据え置きの強化と奉仕機能の追加
戻ったメイの外見は変化しなかったが、戦闘力は大幅に向上し、適切な武器があればパワーアーマー装備のヒロに匹敵するとされる。さらに味覚センサと調理プログラム、高度触覚センサが実装され、調理や繊細なマッサージなどの奉仕が可能になった。受付側の祝福めいた雰囲気に、ヒロはありがたさと後ろめたさの間で複雑な気分を抱えた。
メイ用武器の中身が物騒すぎる件
メイは黒い圧縮金属の鋼球やセキュリティバトンなど、隠し持てる物理破壊特化の装備を提示した。投擲や殴打でパワーアーマーを貫通・破砕できると淡々と説明され、ヒロは率直に怖がった。光学兵器はクリシュナ備品で足りるため、直接的な破壊手段を増やしたという判断であった。
“動作確認”という名の強制イベント
受付アンドロイドは規則として動作確認を要求し、ヒロは拒むが「九割が同意する」と割り切られる。メイは一瞬だけ感情を見せてヒロを引っ張り、ヒロは観念して連行された。結果としてヒロは語彙が死ぬほどの衝撃を受け、工房を出る頃には足取りがふわつく有様となった。
貴族私兵の警備と祖父からの接触
クリシュナに戻ると、武装した屈強な男達が歩哨に立っていた。メイはダレインワルド伯爵家の私兵であり、クリスの祖父が接触してきた証拠だと説明した。ヒロ不在の間、メイがヒロの端末でメッセージを受信・返信し、ミミとエルマに「装備受け取りの外出」と伝えて時間を稼いでいた。
船内の空気が最悪で即土下座
食堂ではミミがクリスに抱きつき、エルマは目を合わせず、クリスも視線が泳いでいた。ヒロは空気の悪さを察し、エルマの舌打ちを受けて即座に土下座し謝罪した。メイまで正座して頭を下げ、エルマはやり過ぎたと軟化するが、ヒロは頭を叩かれて反省を命じられた。ミミはクリスの引き渡しが近いことへの寂しさで不安定になっていた。
引き渡し段取りと“貴族対応”の不安
接触は傭兵ギルド経由で、祖父側は護衛派遣も含め面会希望を出していたが、ヒロ不在を理由にエルマが待ってもらっていた。船長であるヒロ抜きで護衛対象を引き渡すのは危険と判断したためである。今後はヒロが伯爵と直接通話する流れとなり、言葉遣いの問題が懸念された。メイはホロに受け答えを表示して支援できると提案し、ヒロはまず自力で挑み、危うければ二人の助けを借りる方針とした。全員は顔を整えた上で、コックピットの大型ホロディスプレイで通話準備に入った。
#4:ダレインワルド伯爵との邂逅
通信は肩透かしで、迎えが来るだけ
ヒロは気合満々で伯爵との通信に臨んだが、実態は秘書官を通じた面会予約で終わった。伯爵側は「初顔合わせは通信で済ませない」方針らしく、十五分後に迎えを出すという事務連絡だけが残った。メイは黙して控え、アップグレード後の貫禄だけがやけに目立つ状況となった。
伯爵家の艦隊が示す“本気の警戒”
軽い情報収集の結果、シエラプライムにはダレインワルド伯爵家の船が多数寄港し、しかも戦闘艦が揃っていると判明した。当主アブラハムが、息子バルタザールを強く警戒している証拠である。秘書官の素性はクリスが保証しつつも、エルマとメイは「安全=100%」ではないと釘を刺し、ヒロはレーザーガン携行で面会に向かった。
貴族の迎車と、港湾区画の緊張移動
迎えは高級RV(偵察車両)で、火力とシールドを備えた軍用寄りの代物だった。歩哨の私兵達も同乗し、港湾区画を快速で移動する。途中、セレナ少佐に視線を向けられた気がしてヒロは戦慄し、最終的に物々しい艦艇が並ぶ区域へ到着した。艦隊編成は堅実で、防御と迎撃を重視した前衛、火力重視の後衛、頑丈な旗艦という“厄介な”布陣であった。
旗艦の格納庫と、クリスの単独面会
旗艦格納庫では秘書官とメイドが出迎え、船内の人員は執事服・メイド服で統一されていた。クリスは祖父のもとへ案内され、ヒロ達は応接室へ分離された。ヒロは一瞬ためらうが、クリスとエルマ双方の頷きで「問題なし」と判断し、別行動を受け入れた。
“宇宙の迎賓館”みたいな内装に思考が逸れる
応接室へ向かう途中、船内は一流ホテル級の内装で、旗艦兼別荘兼迎賓館という設計思想が見えてくる。エルマは「クリシュナも方向性は同じ」と指摘し、ヒロは大型母艦購入まで妄想を膨らませる。ミミは上品すぎる雰囲気に落ち着かず、ヒロは「品が良い」と評価しつつ待機した。
赤すぎる紅茶と、一時間弱の“溜め”
通された部屋はガラス壁越しに庭園が見えるが、実態はホロ演出らしい。紅茶が供されるが、液体が妙に真っ赤でヒロは内心ツッコミを飲み込む。味と香りは普通で謎だけが残る。待機は一時間弱続き、ついに「お館様」の来訪が告げられた。
アブラハム・ダレインワルド伯爵の威圧
入室した伯爵は初老ながら長身で頑強、腰に大小二本の剣を差し、鷹のように鋭い黒い目を持つ“強そうな老人”だった。後ろには白いドレス姿のクリスが伴う。ヒロはゴールドランク傭兵として名乗り、礼儀に自信がない旨を先に詫び、エルマ・ミミ・メイを紹介する。ミミは貴族への畏怖が強く、明らかに気後れしていた。
感謝と報告、そしてヒロの余計な正直さ
伯爵は感謝を述べ、ヒロ達に着席を促す。ヒロは「大変だった」と率直に言ってエルマに肘を食らうが、伯爵は事情聴取を望み、結果的にヒロの姿勢は許容された。ヒロは宙賊襲撃、クリスのコールドスリープポッド発見、解除と邂逅、依頼受領、刺客対策の撹乱、リゾート惑星での襲撃と戦闘ボット戦、セレナ少佐との協力、帝国軍離反艦隊の襲撃撃退までを順に報告した。伯爵は内容整合を確認し、報酬を約束した。
“これから”の護衛継続と、報酬の爆上げ
伯爵は正規軍に狙われ続ける危険を理由に、引き続き護衛として雇いたいと提案する。ヒロは報酬次第で受諾、エルマも同意し、ミミは必死に頷く。まず過去分は、撹乱費用を含む支出を全額補填し、さらに護衛報酬込みで合計800万エネルが支払われた。メイ購入費は“護衛必要経費”としては認められず、そこは妥当な線に落ち着く。結果、ヒロの所持金は概算で2440万エネル規模まで回復した。
口止め料込みの25万エネルと、“掃除”の含意
次の契約では、通常8万エネル/日に対し25万エネル/日が提示され、ヒロは高額の理由を訝しむ。エルマは「口止め料込み」と解説し、伯爵家の内紛だけでなく、帝国航宙軍の離反やステルスドロップシップの件は帝国の威信に関わるため、吹聴すれば伯爵家と帝国軍双方を敵に回しかねないと釘を刺した。ヒロは即座に“お口にチャック”を宣言し、ミミも青ざめて頷く。秘書官は補給と「掃除」に数日かかると強調し、ヒロは深掘りせず受け流した。
別れ際の首飾りと、“騎士様”の継続
見送りの場でヒロは、護衛依頼の“代わり”として受け取っていた薄紫の宝石の首飾りを返そうとする。しかしクリスは「護衛はまだ終わっていない」として預かり続けるよう命じ、「私の騎士様」と呼んで微笑んだ。ヒロは折れて首飾りを保持し、明日からは待機しているだけで日当25万エネルが入るという“夢のような日々”を想像しながら、その場を後にした。
#5: 二度あることは三度ある
買い物許可と、メイ同伴の“念には念”
クリスを伯爵家の旗艦へ送り届けた翌日、エルマはミミと買い物に出たいと言い出した。ヒロは即答で許可し、二人が長らく船に籠もりきりだった事情を踏まえて息抜きを優先した。さらに安全策としてメイの同行を提案し、メイにも小遣いを渡して外出の自由度を確保した。
独りの船内で露呈する“生活依存”
女性陣を見送ったヒロは、掃除も家事もメイが完璧にこなしているせいでやることがなく、暇を潰す術すら乏しい現状に気づく。元の世界ではゲームが趣味だったが、この世界の端末ゲームはライト寄りで物足りず、VRなど“ヘビーに遊べる娯楽”を探す思考に寄っていった。そこで食堂のブザーが鳴り、来客の気配が立つ。
来客はセレナ少佐、笑顔で圧をかけてくる
ホロ越しに現れたのはセレナ少佐であった。ヒロは「ミミ達がいないので船には入れられない」と拒み、世間体を理由に外で会う提案へ誘導する。少佐の用件は「半舷休息で暇だから遊びに来た」という軽さだが、反応は妙に繊細で、ぼっち扱いされて震えながら否定するなど私服時のポンコツぶりが露見した。ヒロは追い返せず、外出の旨をミミ達へ連絡し、遠隔でシールド起動の段取りまで整えて応対に出た。
エスコート要求という無茶振り
少佐は「非番だから少佐呼びはやめろ」と言い、ヒロは「セレナ様」として折衷する。だが行き先を聞くと、少佐は「こういう時は男性がエスコートするもの」と返し、ヒロは情報不足のコロニーで丸投げされる理不尽に溜息を吐く。結局、目的なしに歩き回る“面白そうなもの探し”で誤魔化す流れになった。
VR提案は“犯罪の例”で粉砕される
ヒロはVRステーションを提案するが、少佐はフルダイブ中の無防備さを理由に、幽閉・拉致・違法奴隷化や口座からの搾取などの悪質事例を列挙して強く警戒した。ヒロは恐怖で引き下がり、代案提出を少佐に求める。少佐が提示したのは美食の店であったが、ヒロは「酔って面倒になる前科二犯」を根拠に即却下し、ここで口論が発生する。
ナンパ介入と、剣の鯉口で即解散
言い合いの最中、チャラい男二人が割り込む。ヒロは短気な一人を首と手首で制圧し、喉仏への軽打で戦意を折る。もう一人は少佐が剣の柄に手をかけた時点で固まり、少佐が鯉口を切ると二人は脱兎の如く逃走した。少佐は「無粋」と不機嫌になり、ヒロはおだてて宥めるが、逆に「女たらし」扱いされて痛いところを突かれる。
結局“飲み食い”へ、救難信号を送るヒロ
周囲の視線が痛いという名目で、少佐は落ち着ける店へ誘導する。ヒロは嫌な予感を抱きつつ同行し、個室で乾杯となる。少佐はワイン、ヒロはソフトドリンクという構図だが、ヒロは裏でミミ達へ救難信号を送り「サシ飲み状態、助けて」と店の場所まで共有した。
壁を作る理由と、少佐の情緒が暴れる
少佐はヒロが冷たい、壁を作っていると不満をぶつける。ヒロは「面倒」と言い切って怒らせ、少佐は泣き落としじみた反応で迫る。さらに婚約者の話題になると少佐は露骨に拒絶し、結婚相手候補が軟弱者や性格破綻者ばかりだったと吐露する。理想が高いと突っ込まれた少佐は酒を追加注文し、台パンまで始めて情緒が完全に暴走する。
少佐の“理想”にヒロが当てはまってしまう地獄
少佐はヒロを、度胸・武勇・艦乗りの才能・戦術眼を備えた強い男だと長々と称賛し、ヒロはむず痒さで制止する。少佐は「今のままでは無理」と現実も理解しており、ヒロがプラチナランカーになり、さらに「一等星芒十字勲章(ゴールドスター)」級の戦功を得れば身分待遇的に可能性が出ると語る。ヒロは余計な戦場に放り込まれるのを避けるため、視線を無視して逃げに徹した。
オチは“ウザ絡み耐久戦”
少佐は「構ってください」と駄々をこね、ヒロは「早く来てくれ」とミミ達の到着を祈る。高級店の防音だけが無駄に優秀で、店員に止められないまま、ヒロはミミ達が駆けつけるまで延々とウザ絡みを受け続ける羽目になった。
#6: はじめてのゲートウェイ
出港と「掃除」の気配
クリスをダレインワルド伯爵の元へ送り届けた三日後、ヒロ達はシエラプライムコロニーを出港する。コロニーでは死体の晒しや銃撃戦が続き、伯爵家秘書官の言う「掃除」が不穏な余韻として残った。ヒロは深く考えない方針を採用し、船ではミミ・エルマ・メイの距離感が妙に近いことにも、困惑しつつ受け入れていた。
船団合流とハイパースペース航行
クリシュナは伯爵家船団に一時編入されているため、出港手続きは相手任せで進む。ヒロ達は船団最後尾(殿)に入り、同期航行で超光速航行からハイパードライブへ移行する。ハイパースペースの極彩色の光景にミミは見惚れ、ヒロは酔いそうになるなど感覚差が出たが、航路自体は妨害もなく順調に進んだ。
ゲートウェイ到達と“安心の罠”
バルデミューレ星系で、巨大構造物「ゲートウェイ」を目視する。コロニー以上のスケールで対になった三角錐状装置と、その間に発生する歪んだ空間に船が出入りしていた。守備隊が駐屯する戦略拠点ゆえ安全そうに見える一方、エルマは「ここまで無事なら、これからが危ない」と釘を刺す。目的地デクサー星系へはゲート越しに複数星系を経由する必要があり、途中の星系の政治関係がリスクになり得ると整理された。
メイの分析が刺さる:最危険は“伯爵領での出待ち”
ヒロ達はジーグル星系・ウェリック星系を進むが、両星系とも星系軍が護衛に付くなど伯爵の外交は機能していた。そこでメイは、危険の本命を「伯爵領コーマット星系へのワープアウト直後」と断定する。バルタザールが他者を操る手腕を持つなら、伯爵領の防衛戦力(星系軍)が籠絡されている最悪パターンがあり得るためだ。もっとも“雇われの傭兵が伯爵にそれを直言できない”という現実がヒロ達を黙らせた。
休養と“堕落への誘い”
ワープアウトに備えて交代仮眠の話になるが、メイが警戒を担うべきと提案し、ミミとエルマも「特性を活かさないのは逆に失礼」と後押しする。メイは「役に立てるのが存在意義で、そう扱われるのが嬉しい」と真面目に言い切り、ヒロは人間扱いとのバランスに悩む。結局、ヒロ・ミミ・エルマは食事と風呂と“ゆっくり”でコンディションを整え、戦闘への備えを固めた。
ワープアウト直後、足止めと突入体の二段構え
ワープアウト直後、船団周囲を不審船が取り囲んで回遊し、衝突リスクで艦隊運動を縛る“足止め”が発生する。通信での誰何にも応答せず、最終警告も無視した瞬間、外周から超高速物体が旗艦へ突入を開始。不審船群も同時に攻撃を開始し、乱戦へ移行する。
正体はサプレッションシップ:頭のおかしい貴族兵器
ヒロが追撃してレーザーを浴びせても、細長い銃弾形の船は強力シールドで耐える。メイがそれを帝国航宙軍の「サプレッションシップ」と説明する。シールド飽和装置付き衝角で敵艦に突き刺し、衝角経由で歩兵を流し込んで制圧する“移乗攻撃特化艦”で、武装はないが推進と防御が異様に強い。帝国貴族が剣で決着を好む文化も絡み、ヒロは倫理と合理性の両面でツッコミが止まらなくなる。
突入成功、旗艦に“刺さる”
サプレッションシップは防御射撃を突破し、旗艦の側面に深々と突き刺さる。周囲の不審船は護衛艦隊の足止めに徹し、旗艦へ増援が寄れない状況が成立する。ヒロは刺さった船を破壊して排除したくなるが、気密喪失や誘爆で旗艦ごとバラバラになる危険があり断念する。
希少兵器の実戦投入と、ヒロの決断
メイの追加情報で、サプレッションシップは政治的ロビー活動の産物で実戦投入は稀、成功率も低く“豪華な棺桶”などと呼ばれていることが明かされる。それでも今回は突入が成功し、バルタザール側の手腕と運が示唆される。ヒロは報酬の問題だけでなく、バルタザールが生き残れば今後の命の危険が跳ね上がると判断し、旗艦へ着艦許可を取り、パワーアーマーで白兵戦に介入してでもクリスを守り、バルタザールを確実に潰す方針を固める。エルマに操艦を任せ、ヒロはメイを伴って突入準備へ走り出した。
#7:傍迷惑な乾坤一擲
着艦と事前情報:貴族の剣は装甲ごと斬る
ヒロは敵艦へ移乗して白兵戦を強いられ、重量級パワーアーマー【RIKISHI mk-Ⅱ】で突入する。随行するメイは体内ジェネレーターでパワーアーマー用レーザーランチャーを運用でき、異様に張り切っている。エルマから「貴族の剣は受けるな、装甲ごと斬られる」「貴族はサイバネ強化で反応速度が異常」と警告が入り、ヒロは二丁持ちのスプリットレーザーガン(ショットガン的多弾レーザー)で対策する。
格納庫突破:力士パワーと重火器メイドの制圧
艦内ではメイド・執事側が兵士風の敵に押されており、敵にはパワーアーマーも混じっていた。ヒロはシールド展開と体当たり必殺「ブチカマシ」で敵パワーアーマーを吹き飛ばし、メイの高精度レーザーランチャー掃射と合わせて敵陣を押し潰す。生身の敵は火力と装甲と膂力の前で制圧され、ヒロは「殺し合い」であることを自覚しつつ前進する。
惨状の通路:貴族剣の切断痕と警戒
進路には人体が寸断された凄惨な光景が広がり、貴族の剣の被害だと察する。メイは壁や天井の着弾痕から、敵が反応速度強化サイバネを導入していると推定し、ヒロはスプリットレーザーガンの多数同時発射なら剣で捌き切れないと踏む。剣戟音が聞こえ、メイを先行させると、メイは人外じみた速度で駆け出す。
ホール突入:二刀流“ジェダイもどき”の出現
ホール奥にダレインワルド伯爵と部下、そして保護対象のクリスがいる。手前ではメイが剣士と交戦中で、剣士はレーザーを剣で弾き、残りを回避するという反則芸を披露する。ヒロが飛び出すと、剣士は一瞬で間合いを詰め、殴打を受けても剣で受け流した上に、ヒロのスプリットレーザーガンを短剣で真っ二つに切断する。
火力で押し切る:飽和狙いの集中砲火
激怒したヒロは残りのスプリットレーザーガンと肩部レーザーで掃射し続け、メイも収束モードで決定打を狙う。剣士は携帯シールドで耐えるが、集中砲火でついに容量飽和し、煙幕で視界とレーザー減衰を狙って姿を消す。ヒロはセンサーで煙幕を無効化し、投擲したスプリットレーザーガンで逃走・接近の動きを止める。
近接決着:シールドで斬撃を受け、電撃「ハリテ」で無力化
剣士の斬撃はヒロのシールドに弾かれ、決定打にならない。ヒロは剣士の手首を掴み、掌の高圧電流放射装置「ハリテ」を起動して感電させ、気絶させる。メイが素早く剣と装備を回収・排除し、剣士は捕縛対象として扱われる。
決闘の後始末:剣の戦利品と捕縛処置
ダレインワルド伯爵は「その男は捕縛する」と宣言し、首輪のような拘束具で剣士(バルタザール卿)を連行させる。決闘に助太刀した形になったため、勝者側の慣習として敗者の剣が戦利品となり、伯爵は不本意さもあってヒロに長剣と短剣を譲る。ヒロはパワーアーマーのウェポンマウントに剣を装着しつつ、真っ二つにされた愛銃の恨みも忘れない。
クリス救出の余韻:懐剣の意味と安堵
クリスは無事で、腰に懐剣を下げていた。ヒロはそれが「尊厳のための最終手段」になり得たことを察し、間に合ってよかったと実感する。エルマとミミへ連絡すると戦闘は終結傾向で、ヒロは帰艦して祝勝パーティーを提案し、クリスも参加する流れになる。
帰艦と戦利品確認:貴族の象徴を手にする
ヒロはクリシュナへ戻り、パワーアーマーを脱いで一息つく。ミミは貴族の剣を“雲の上の象徴”として困惑しつつ興味津々で手に取り、ヒロも剣の形状や用途を観察する。エルマは呆れつつも「問題なら向こうから言ってくる」と割り切り、剣を収納してパーティー準備へ移行する。ヒロは風呂上がりの祝勝を楽しみに締める。
#8: クリスとミミ
祝勝の後、ヒロだけ先に寝落ち寸前
祝勝パーティーで“ピザっぽいもの”と“フライドチキンっぽいもの”を腹いっぱい食い、ヒロは早々に風呂へ退避する。艦隊側は裏で大混乱(内通者摘発・修理・救護)だが、傭兵組は待機命令で自由時間になる。ヒロは戦闘疲労が一気に出て、部屋でだらける。
クリス来訪:ネックレス返却と告白
チャイムの相手はクリスで、ヒロは下着姿を慌てて誤魔化して応対する。雑談の流れで、ヒロは預かっていた薄紫の宝石付きネックレスを返し、護衛任務の節目だと伝える。クリスは寂しげに受け取り、意を決して「慕っている」と涙ながらに告白する。
ヒロの拒絶:生活と立場を優先する決断
ヒロは好意自体は嬉しいと受け止めつつ、現実として「伯爵が認めない」「クリスは跡取り」「自分は傭兵をやめない」「ミミとエルマを危険に晒せない」と説明し、関係を断る。クリスが「家を捨てても」と言っても止め、結果としては明確な失恋になる。慰めきれず、ヒロはメイを呼んでクリスを連れ出させ、自分は罪悪感で不貞寝する。
翌朝:罪悪感の反芻と、ミミの突撃号泣
目覚めたヒロは「少女の好意を袖にした」重さに沈む。そこへミミが背中に飛び乗ってきて、理由不明の大号泣を始める。ヒロはティッシュで顔を拭きつつ落ち着かせ、ミミがそばにいるだけで気分が持ち直すことを自覚する(薄情というより、生活の基盤がそこにある)。
ミミの本音:喜びと罪悪感が混ざって爆発
ミミはメイから事情を聞き、「クリスが選ばれなかったことを喜んでしまった」自分を責めて泣いていたと告白する。ヒロを慰めに来たのに、逆にヒロに甘えてしまい自己嫌悪が増幅する。ヒロは「ちゃんと役に立ってる」と慰め、気分転換に食堂へ連れ出す。
エルマの現実論:クリスに“暇”がない
食堂でエルマは冷静に、父が亡くなりバルタザールも処分されるなら、クリスが継ぐしかないと整理する。伯爵の寿命や政務リスクも踏まえ、クリスは当分“領主教育の詰め込み”で自由が削られ、色恋どころではないと見立てる。ヒロは気の毒さを感じつつ、現実の重さを飲み込む。
不穏担当メイ:恋愛ハッピーエンド至上主義、発動
エルマが「機械知性は恋愛成就至上主義」と嫌な予感を漂わせ、メイも「恋と愛は銀河を救う」とか言い出す。メイがクリスに吹き込んだ内容は、
「次期女伯爵として完璧な力をつけ、誰にも文句を言わせずヒロを囲えばよい」
という、平然とした“外堀埋め”戦略である。ヒロが拒否っても、メイは「束縛が嫌なら別ルートでやりようがある」と微笑み、ヒロは本能的に震える。
小休止の締め:次の稼ぎへ、母艦購入を視野に
ミミはメイに懐き、エルマは諦め顔で「ヒロのためにならないことはしない」とだけ保証する。クリス関連は一旦区切り、次はダレインブルグで報酬回収して通常営業へ戻る流れになる。ヒロは今後の方針として、輸送もできる母艦購入を検討し、安く買うなら造船星系へ行くのが合理的だと考え始める。
#9: 次なる目的地は?
コーマット滞在が長引く理由
サプレッションシップがダレインワルド伯爵家の旗艦に深々と刺さり、撤去と本格修理で約10日かかる見込みとなった。体面上「応急で穴塞いで本星へ帰還」はできず、結果としてヒロたち(クリシュナ)はコーマットプライムコロニーで待機を命じられる。星系軍にも内通が出て戦力が落ち、コロニー襲撃リスクが残るため、傭兵戦力を手元に置きたい事情もあった。
次なる目的地の検討:母艦購入の方針
ヒロは「もっと稼ぐ」ために母艦導入を提案し、予算は当初2500万エネル、報酬込みで3000万エネル程度を想定する。複数戦闘艦運用はせず、クリシュナ1機分のハンガーで十分。母艦は攻撃寄りにせず、シールド容量・逃げ足・カーゴ容量重視の“貨物船寄り”構成を狙う。
候補3隻の比較と淘汰
- RIMS-013 Night Hawk(リコン):中型・高速・運動性良。装甲/シールド/カーゴは控えめだが、母艦としては足回り最上位クラス。
- SDMS-020 Skizbrazunil(スペース・ドウェルグ):大型・堅牢・シールド/装甲/カーゴが強い。改造余地も大きく、採掘/調査にも転用可。ただし鈍重でインターディクトに弱く、超光速巡航も遅め。
- ISMS-007 Chrome Elephant(イデアル):中間性能。だがエルマが帝国軍(イデアル製)への心理的拒否感を示し、メイも「中途半端」と切り捨て、候補から外れる。
エルマ vs メイ:機動性か堅牢性か
- メイは「クリシュナの攻撃力を活かすなら、母艦は耐えて“前に出る”べき」としてスキーズブラズニル推し。宙賊は基本的に鹵獲狙いで過剰火力を撃ちにくい、という前提で安全性も確保できると主張する。
- エルマは「クルーの安全・離脱のしやすさ」を重視し、ナイトホーク推し。クリシュナが時間稼ぎしている間に超光速ドライブ起動で逃げ切る絵を描く。
- ヒロは操艦担当がエルマになる前提で、操作ストレスの少ない高速艦の適性を評価する。
決着:操艦者が“メイ”になることで結論がひっくり返る
メイが「戦闘時に手持ち無沙汰になる自分が母艦を制御するのが最適」と表明する。エルマはクリシュナのサブパイロット、ミミはオペ担当で戦闘配置が埋まるため、母艦担当はメイが合理的という整理になる。さらにメイは、移乗攻撃を受けても「全ハッチ開放で減圧」など非生物ならではの対処を平然と提示し、ヒロに“えげつない”と言われる。ここで行き先はほぼ確定する。
次なる目的地:ブラド星系
スペース・ドウェルグ社の造船所があるブラド星系へ向かう方針が固まる。場所的にもデクサー星系からハイパーレーン4つ先で、遠すぎない。企業色が強く、会社と子会社がコロニー運営をしているらしいため、ヒロは「企業自治区っぽい政治形態」を含めて興味を持つ一方、エルマだけは微妙な表情を見せる(ただし危険警告ではなさそう)。
待機5日目:ストレスと“すけべ”
待機は地味にストレスが溜まり、全員で外出できず、エルマは酒量制限で目が死んでいく。ヒロは宇宙に出られずシミュレーターで誤魔化し、結局トレーニング量が増える。汗ばんだエルマを見てヒロが余計なことを考え、ミミに「すけべ」認定されて頬を引っ張られる(自業自得)。
伯爵の召喚:報酬800万エネルと“後ろ盾のメダル”
旗艦に招かれ、伯爵は人払いして感謝を述べ、護衛日数22日+追加込みで合計800万エネルの報酬を提示する。さらに、ダレインワルド家の家紋入りメダルを渡し「信用保証(後ろ盾)」とする。貴族トラブル回避や、取引相手(特にブラドのドワーフ企業)からの優遇が期待できる。伯爵は「縛るためではない」と言い切り、半ば強引に持たせる。
同時に「クリスの望む関係は許さない」と線引きも明示し、ヒロも了承済みの構図になる。
ミミへの“会ったことが?”という不穏な一言
伯爵がミミに「どこかで会ったか」と尋ね、ミミは全力否定する。ヒロは“実は貴族の娘”展開を一瞬疑うが、確証はない。種だけ撒かれて終わる、嫌なやつ。
帰艦後:金額の現実感と分配の話
今回の800万エネルはヒロの母艦計画に追い風となり、所持金は約3210万エネル規模へ。分配はミミ0.5%(4万→本来は8万に引き上げ案)、エルマ3%(24万)、残りがヒロという形。ミミは「使い切れない」と本気で嫌がり、ヒロとエルマの“金銭感覚バグ”に振り回される。結局、今回は据え置き、次回から1%に昇給で決着する。
メイの報酬は“不要”という価値観
メイは「テツジン・フィフスに報酬を払わないのと同じ」として金銭報酬を辞退する。必要物品があれば進言するという形で、ヒロは「よそはよそ、うちはうち」で気遣いは続ける方針を取る。メイがほんの少し嬉しそうに見えるのが、いちばん厄介でかわいいところである。
エピローグ
静かな航路と、静かじゃない決意
コーマット星系で旗艦修理を終え、デクサー星系に到着するまで大きな事件は起きなかった。バルタザールが捕縛され、伯爵が息のかかった者を粛清したことで、火種がいったん消えたからである。ヒロは「口を割らせる手段はこの世界ならいくらでもあるだろう」と、妙に冷静に納得している。
クリスとの通信:騎士契約は“未解任”
ブラド星系へ出発する前、ヒロはクリスへ別れの連絡を入れる。クリスは寂しさを見せつつも、「また今度」と言うヒロの言葉を“契約更新”に変換し、半年に一度の再会を半ば取り付ける。さらに「私はまだ解任していない」「会いに来なかったら家の力で捕まえに行く」と、かつての眠り姫とは思えない強さを見せる。ヒロは苦笑しつつ、ちゃんと会いに来ると応じ、心残りを片付けて出航へ切り替える。
この変化は、旅で得た経験と、メイの影響(薫陶が効きすぎ)を匂わせる締めになっている。
出港シークエンス:役割分担の再整理
デクサープライムコロニーからの出港準備では、
- エルマがシステム・弾薬・燃料をチェック
- メイが食料・水・医薬品など補給物資の管理を再チェック(“メイドの仕事”として強硬に奪取)
- ミミが出港申請と航路設定
という分業が確立する。ヒロは「出港のワクワク感は薄れない」と言い、全員が同意するが、エルマだけは「平和に終わるわけない」と諦めムードで、ヒロに突っ込まれる。嫌な予感だけは精度が高いのが人類の嫌なところである。
ブラド星系へ:超光速からハイパースペースへ
航路ロック後、超光速ドライブを起動し、恒星の光が尾を引く描写を挟んでハイパーレーン接続、ハイパードライブで極彩色のハイパースペースへ突入する。次の目的地は明確に「ブラド星系」そして「スペース・ドウェルグ社の工場がある工業星系」である。ここから母艦購入編に入る導線がきれいに敷かれる。
クリス視点の余韻:鳥と鳥籠、そして“居場所”になる覚悟
後半はクリスの内面独白に切り替わる。ヒロを「銀河を渡る鳥」と捉え、「鳥籠に閉じ込めれば彼は彼でなくなる」と理解する。だから選択肢は二つになる。
- 自分も銀河を飛ぶ鳥になる
- 自分が“羽を休める場所”になる
だがクリスは使命(家と両親から託されたもの)が重く、前者を選べない。だから後者を選ぶために「無力な小娘ではいられない」と決意する。
伯爵との対話:鍛える側と鍛えられる側
背後に立つ祖父(伯爵)は釘を刺しつつも、クリスの決意を肯定し「厳しく行くぞ」と宣言する。クリスは三年後(成人)を節目に、次期女伯爵として周囲に認められる力を得ると誓う。ここで「家が総力で後押しする」ことが明示され、クリスの“本気の成長ルート”が確定する。
締め:メイの言葉で終わる、最悪に強い宣言
最後にクリスはメイの言葉を引用する。
「恋する乙女は無敵」
最強装備宇宙船 3 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 5 レビュー
最強装備宇宙船 一覧

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。
その他フィクション

Share this content:


コメント