どんな本?
『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜』は、理不尽な孫の手氏による日本のライトノベル。
この作品は、34歳の無職でニートの男性が剣と魔法の異世界に転生し、新たな人生を歩む物語。
主人公は、前世での経験と後悔を糧に、今度こそ本気で生きることを誓う。
彼は新たな名前「ルーデウス・グレイラット」として、家族や人間関係を大切にしながら、前世のトラウマを乗り越えて成長していく。
この作品は、「小説家になろう」で2012年から2015年まで連載され、その後書籍化された。
また、漫画版やアニメ版も制作されています。
特にアニメ版は大変人気があり、2024年4月には第2期の後半が放送される。
また、「無職転生 〜蛇足編〜」という番外編もあり、こちらは本編完結後の物語が描かれている。
読んだ本のタイトル
#無職転生 ~蛇足編~ 1
著者:#理不尽な孫の手 氏
イラスト:#シロタカ 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
ビヘイリル王国での決戦の末、勝利したルーデウス・グレイラット。
無職転生 ~蛇足編~1
彼を取り巻く人々のその後を描く物語集『蛇足編』が開幕!
シリーズ第1巻ではノルンの結婚話『ウェディング・オブ・ノルン』、
ルーシーの初登校を描く『ルーシーとパパ』、ドーガとイゾルテの婚活話『アスラ七騎士物語』に加え、ギレーヌの里帰りを描く書き下ろし短編
『かつて狂犬と呼ばれた女』の四編を収録。
人生やり直し型転生ファンタジー、激闘のその後の物語がここに!!
感想
ノルンの嫁入り
ノルンとルイジェイドの結婚までの話。
オルステッドが突然ノルンの嫁ぎ先を決めないと言う。
オルステッドの歴史では、中級の冒険者をしていたノルンをルイジェイドが助け。
その後、ノルンが猛プッシュしてルイジェイドと結婚し、彼等の間に産まれた子が後々にラプラスを倒す事になるらしい。
それを聞いたルーデウスは、ノルンにルイジェイドと結婚するかと聞くと、、
食い気味に”お願いします”と言って来た。
歳の差500歳以上、子供の頃には護衛してもらったルイジェイドはノルンを嫁と考えられるのだろうかと思いながらルイジェイドにも聞いたら、、
ルイジェイドも大人になったノルンを気に入っていたらしい。
そうしてノルンとルイジェイドは結婚して、翌年には娘が産まれる。
その娘を見てオルステッドは凶悪な顔で笑った、、
ルーシーとパパ
ルーデウスとシルフィの娘、ルーシーの初登校の話。
7歳になったルーシーは学校に通い出す。
それを見送ったルーデウスは、心配していたがシルフィ、ロキシーから禁止されてしまった。
それをオルステッドに愚痴ると、オルステッドはルーデウスにヘルメットとマントを貸してくれた。
それを着用してルーデウスはルーシーを見守るが、、
ロキシーに見つかってしまった、、
なかなかのコメディーだった。
アスラ七騎士物語
アスラ七騎士のイゾルテとドーガの結婚までの話。
アリエルには7人の騎士がいる。
王の懐刀ルーク。
守備を司る左翼の三騎士
“王の盾”イゾルテ
“王の門番”ドーガ
“王の城壁”シルヴェストル
攻撃を司る右翼の三騎士。
“王の大剣”シャンドル
“王の斧槍”オズワルド
“王の猟犬”ギレーヌ。
イゾルテはエリスが剣神の所で修行している時に切磋琢磨した水神流剣士。
そんな彼女は伴侶を得ようとお見合いをするのだが、、
26回失敗してしまった。
上役のアリエルから紹介された王族を含めて彼女は顔で選り好みしてしまい、ブサイクは断ってしまった。
それもクリアしたら、今度は水神流の伝統が邪魔をする。
家名を捨てないといけない、、
そんな感じでイゾルテはなかなか結婚出来なかっかが、、
門番の騎士、ドーガはイゾルテに無自覚に恋慕しており。
彼女のお見合いの話を聞くと元気がなかったので、妹の旦那であり親友のハンスが”告白しちゃえよ!”と言う。
でもイゾルテは面食い。
そして告白した結果、、、
ドーガ!!良かったな!!
かつて狂犬と呼ばれた女
最初はエリスの事かと思ったら、、
ギレーヌの事だった。
この話ではギレーヌの人生を知れる。
産まれたばかりのギレーヌは”獣帰り”理性がなく、少しでも面白くなければ暴力を振るう者だった。
普通なら5歳くらいになったら理性が勝り大人しくなるのだが、ギレーヌは凶暴なままだった。
修行をしていたが、本人は自覚していなかった。
剣王となり聖地を出され、パウロと出会い別れ。
変な虫を食って餓死しそうになっていたときにエリスと出会い。
そして時空事故に巻き込まれ。
魔大陸から帰ってきたエリスと聖地へ赴き修行をする。
エリスをルーデウスのもとに送り届けたら、アリエルのもとへ行き。
七大騎士となる。
そして、生まれ故郷のドラディア族の郷へルーデウス、エリス、リニア、プルセナと共に訪問。
そして、リニアの父ギュエスと再会。
ギュエスから「どのつら下げて帰ってきた?」と言われますが、ギレーヌは意に返さず自然体で受け答えし。
獣帰りだった頃のギレーヌを知っているギュエスからしたら信じられない風景だった。
さらに、ギレーヌは礼儀正しく目上の者としてギュエスを扱ってくれた。
最後までお読み頂きありがとうございます。
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
展開まとめ
『ウェディング・オブ・ノルン」
「ノルンの嫁入り 前編」
家族との時間と政略的打診
ビヘイリル王国での戦いから数ヶ月が経過し、敵対存在であるヒトガミは沈黙を保っていた。ルーデウスはラプラスとの最終決戦に備え、各地との交渉を続けていたが、エリスとロキシーの妊娠が発覚したため、近頃は家族と過ごす時間を優先していた。ある日、オルステッドとの作戦会議中、突然「ノルンを結婚させよう」という話が飛び出した。政略結婚を疑ったルーデウスは強く反発し、ノルンの貞操を守る決意を示したが、オルステッドの意図は別にあった。
ループの記憶とルイジェルドとの縁談
オルステッドは、過去のループでノルンの子供がスペルド族最後の戦士となり、ラプラスを討ち倒した重要人物であったと語った。今回のループでは同様の運命はないものの、可能性を残す布石として縁談を提示したという。その相手はルイジェルドであり、かつてのループではノルンが冒険者時代に命を救われ、一目惚れして夫婦になった経緯があった。ノルンはその後、子供を産み、ルイジェルドを看取った末に穏やかな死を迎えたとされた。
ノルンの現況と心境の探り
現在のノルンは魔術ギルドで働いており、恋人の気配はない。ルーデウスはさまざまな女性陣に相談しようとしたが、偶然にもリビングでノルンと二人きりになる機会が訪れたため、直接本人に話を切り出す決意を固めた。遠回しに恋愛状況を探るうちに、ノルンには好きな人がいると判明した。その人物は「年上で頼りになり、守ってくれる存在」であり、ルーデウスよりもさらに年長の男性であった。
縁談の提示とノルンの真意
ルーデウスは縁談があることを正直に告げた。するとノルンは一瞬で了承し、淡々と従う姿勢を示したが、その様子から恋愛感情の整理がついていないことが見て取れた。相手が誰かと問われたノルンは、ルーデウスが口にした「ルイジェルド」という名前に驚き、身を乗り出して熱意を示した。実のところ、ノルンは幼少期からルイジェルドに憧れており、恋心を自覚しながらも報われぬ思いとして胸に秘めていたのだった。
兄妹の対話と想いの共有
ルイジェルドへの想いを隠し続けていたノルンは、縁談の相手がその人だと知った瞬間、心の奥底に抑え込んでいた感情を吐露し、結婚を強く望む旨を伝えた。ルーデウスはすべてを理解し、ノルンの想いを支えることを決意した。こうして、政略とは異なる形での縁談が、過去のループとは異なる新たな物語として動き始めた。
「ノルンの嫁入り中編」
ノルンの将来を憂慮する兄の葛藤
ルーデウスは、ノルンとルイジェルドの縁談を進めるべく、準備に取りかかった。政略的にもこの縁談は有益であり、スペルド族とオルステッド陣営の結びつきを強化する意味を持っていた。しかし、ルーデウスはノルンが幸せになれるかどうかを重視しており、ルイジェルドが義務感や妥協で結婚することに懸念を抱いていた。妻たちに相談した結果、「心配しすぎ」との反応を得たが、それでも彼は妹の将来を案じていた。
ルイジェルドへの直接訪問と沈黙の対話
ルーデウスはスペルド族の村を訪れ、ルイジェルドと面会した。村は復興を遂げており、ルイジェルドの住まいも整っていた。ルーデウスはノルンに対するルイジェルドの感情を探ろうとしたが、最初の一言をどう切り出すべきか悩み、長い沈黙の後にようやく世間話を始めた。ノルンのお茶や料理の話題を通じて関心を確認しつつ、本題に切り込む機会を探った。
気持ちを試す対決とルイジェルドの告白
意を決したルーデウスがノルンへの想いを問うと、ルイジェルドは無言のまま決闘を挑んだ。場所を移しての一戦の後、ルイジェルドはノルンに恋慕の情を抱いていることを明言し、彼女を妻に迎えたいと申し出た。その恋心はビヘイリル王国で看病を受けた時に芽生えたものであり、真剣なものであると彼は語った。彼はスペルド族の未来と王国の関係を考慮しつつも、ルーデウスの家と結びつきたいと望んでいた。
ノルンへの想いと懸念の共有
ルーデウスはノルンの短所を挙げ、ルイジェルドがそれらを理解した上で本当に受け入れられるかを問いただした。ノルンは失敗が多く、未熟な部分もあるとしつつも、一生懸命に努力し続ける娘であることを説明した。対するルイジェルドもまた、ノルンの良い面と悪い面を熟知し、すべてを受け入れていると述べた。
誓いの言葉と兄の決断
ルーデウスは、ルイジェルドに対して、ノルンが泣き虫であることや他種族に囲まれた生活になること、そして浮気の心配などを次々と確認したが、ルイジェルドはいずれにも力強く肯定し、誠意を持ってノルンを守り抜くと誓った。その誠実な態度に心打たれたルーデウスは、涙を流しながら、妹を託すことを決意した。ノルンのすべてを受け入れてくれる相手が見つかったことに安心し、最後に深く頭を下げて感謝の意を示した。
「ノルンの嫁入り 後編」
ノルンの婚約成立と準備
ノルンは兄ルーデウスとルイジェルドの段取りに導かれ、十日足らずで求婚を受け入れた。結婚式はスペルド族の風習で行うことが決まり、ノルンは族の女性たちと共に伝統衣装を縫い上げた。彼女は自室を整理しながら学院時代の思い出や家族への感謝を噛みしめ、父パウロの遺剣に向かって結婚を報告したのである。
アイシャとの姉妹対話
婚礼を控えた夜、妹アイシャが訪れ、結婚や幸福の実感について率直に問い掛けた。ノルンは好きという感情と将来への確信を語り、アイシャは初めて姉に「負けた」と漏らしつつ複雑な心境を吐露した。二人は子育ての協力を約束し、遅くまで語り合いながら姉妹の結束を深めた。
スペルド族式挙式とミリス式サプライズ
満月の夜、スペルド族の村で婚礼が催され、参列者は料理を持ち寄って二人を祝福した。家族は全員参加し、リーリャとアイシャが用意した巨大フルーツケーキが宴を彩った。式の途中にはクリフによるミリス式祝詞と首飾りの交換が挟まれ、ノルンは感激の涙を流しながらルイジェルドの額に口づけを贈った。
祝辞と家族の絆
シルフィ、エリス、ロキシーが順に助言と激励を述べ、リーリャは感涙し、ゼニスは無言の愛情で娘の手を取った。最後にルーデウスが祝福の言葉を贈り、ノルンは兄の支えへの深い感謝を表した。兄妹は互いの涙を拭い合い、参列者の前で新たな門出を誓い合った。
新生活と娘の誕生
挙式後、ノルンはルイジェルドの家へ移り、新生活を開始した。一年後、二人の間にスペルド族の特徴を受け継いだ長女ルイシェリア・スペルディアが誕生した。オルステッドはその名を聞き、過去の因縁を想起させるかのように不気味な笑みを浮かべたが、家族は新たな命を祝福し、ノルンの幸福は確かなものとなったである。
「ルーシーとパパ」
「ルーシーの入学初日前編」
家族の成長と教育方針の決定
時が経ち、エリスとロキシーはそれぞれ娘を出産し、クリスティーナとリリと名付けた。家族構成は子供が六人となり、家の増築も検討され始めていた。その中で長女ルーシーが七歳を迎え、学校教育の重要性について議論がなされた。ルーデウスは自身の経験から、学校生活の価値を強く認識しており、ラノア魔法大学への入学を提案した。家族会議の結果、多数の賛成を得て、子供たちは七歳から通学させる方針が決定された。
入学初日の朝の様子
ルーシーの初登校日、彼女は新品の制服や道具に身を包み、期待に胸を膨らませながら出発の準備を整えた。父ルーデウスは忘れ物の確認や注意事項を繰り返し伝え、不安を募らせるが、シルフィは成長を信じて静かに見守る姿勢を貫いた。家族に見送られ、ルーシーは意気揚々と登校していった。
親の心配と自立への葛藤
家族がそれぞれの用事に戻る中、ルーデウスは扉の前に立ち尽くし、娘の無事を祈る気持ちで心を満たされた。彼はルーシーの進学を自立への第一歩と理解しつつも、心配が拭いきれず、彼女の様子を見に行きたい衝動に駆られていた。特別生ではなく一般生として入学させたことが正しい判断だったのか、自問し続けていた。
オルステッドとの対話と変装の決意
ルーデウスはその思いをオルステッドに相談するも、彼の無言と鋭い言葉にたじろぐ。オルステッドは黙ってヘルメットと自分の上着を渡し、ルーデウスの本音を見抜いたうえで変装を許容する示唆を与えた。ルーデウスはそれを受け取り、自分ではなく「他人」として見に行く方法に気づく。自身の正体を隠し、娘を遠くから見守る決意を固めた。
龍神スタイルでの出発と偶然の遭遇
変装を終えたルーデウスは、オルステッドの姿を模した装いで事務所を出発した。その姿に自身も満足しつつ、魔法大学へと急ぐ途中、北神カールマン三世ことアレクサンダーと遭遇する。アレクはルーデウスを本物のオルステッドと信じ込み、丁重に対応した。
誤解の拡大とアレクの推測
ルーデウスの変装に気づかなかったアレクは、その行動の意味を誤解し、何か重大な任務に関わっていると推測した。彼はルーデウスの勇敢さと行動力を信じ、密かに称賛と共感を抱いた。そして、ルーデウスが変装してまで行おうとしている行動を、何かしらの囮作戦であると理解し、協力する決意を固めた。
誤解のまま進む物語
ファリアスティアからルーデウスの変装を知らされたアレクは驚きながらも、その理由を深読みし、ますます誤解を強めた。そして、その真相を知るために「正解」があるとされた社長室へと向かった。数分後、彼は真実を知ることとなる運命にあった。
「ルーシーの入学初日 後編」
変装中の逡巡と市街地での動揺
ルーデウスはオルステッドの装いで町を進み、注目を浴びながらも評判向上を画策して大通りへ向かった。しかし偶然エリスとレオの一行を視認し、正体露見を恐れて物陰に退避した。葛藤の末に変装を解かず迂回したが、レオに気づかれたため身を隠しつつ学校へ急行した。
校内潜入とロキシーの洞察
正門を避けて塀越えで魔法大学に侵入したルーデウスは、廊下で生徒に囲まれたロキシーと鉢合わせた。彼女は一目で変装の主を見抜き、真意を問うた。ルーデウスが娘の授業風景を見たいだけと告げると、ロキシーは手助けをしないことを条件に黙認し、視察目的として扱うと約した。
授業観察とルーシーの活躍
教室外に衝立を築き、千里眼で内部を覗いたルーデウスは最前列で熱心に学ぶルーシーを発見した。彼女は教師の説明に疑義を呈し、魔力量の成長説を主張して注目を集めたが、教師は柔軟に応対し教室は拍手で包まれた。休み時間には同級生に囲まれ、初日から人気者となった姿を確認したルーデウスは安堵と誇りを覚えた。
正体露見と夫婦の対話
授業終了後、土壁を解除したルーデウスの前にシルフィが現れ、変装と約束違反を咎めた。ルーデウスは娘の成長を見届けたかったと釈明し、謝罪を決意した。シルフィは涙を見せつつも理解を示し、三人で手をつなぎ帰路についた。
帰路での報告と余波
道すがらルーシーは新たな友人や授業の様子を語り、両親はその成長を喜んだ。なおルーデウスは変装のまま帰宅したため町には「オルステッドが少女を狙う」との風聞が流れ、翌日オルステッド本人から厳しい叱責を受ける羽目となったが、それは別の話となった。
「ルーシーの家族」
三人の母の教えと役割
ルーシーには三人の母がいた。白髪の母は最初の妻でルーシーの実母であり、最も年下で甘えん坊な性格とされていた。彼女は友達の大切さと弱者への思いやりを説いた。青髪の母は最も年長で物知りであり、ララの母である。必要なときに的確な助言を与えてくれる存在として、ルーシーの精神的な支柱となっていた。赤髪の母は最も年上に見えるが実は最も幼いとされ、アルスの母である。彼女は強くあることと守る意志の重要性を説き、ルーシーに体術を教えた。
兄妹たちとの関係
ルーシーの兄妹は六人で、ララは優しく穏やかで不思議な感性を持ち、動物や人と心を通わせていた。アルスは勇敢で正義感が強く、母の教えを実践しようと努めていた。ジークは泣き虫ながらも力持ちで、時に兄姉に助けられながら成長していた。クライブはララと同年で、義理の弟として接していたが、ルーシーは彼を実弟のように大切にしていた。末妹のリリとクリスティーナはまだ幼く、ルーシーにとってはこれから守るべき存在として認識されていた。
祖母と叔母の存在
金髪の祖母ゼニスは言葉を発しないが、感情を汲み取って優しく接する存在であり、静かに家族を見守っていた。茶髪の祖母リーリャは元メイドでありながら家族に尊敬されており、ルーシーも彼女との一件を通じて敬意の大切さを学んだ。叔母のノルンは努力家で模範的存在であり、ルーシーの憧れの対象であった。アイシャ叔母は有能で、家事全般に通じ仕事もこなす人物であり、ルーシーの生活を支える指導者でもあった。
家族の守護者とペットたち
ペットには、賢く忠実な守護魔獣レオ、臆病ながら献身的なアルマジロのジロー、菜園を守る魔植物ビートがいた。彼らはいずれも家族として扱われ、各自が役割を果たしていた。ビートは外敵に対しては容赦なく、家族に対しては友好的に接していた。
父への想いと憧れ
ルーシーにとって父は唯一無二の存在であり、尊敬と愛情を抱いていた。幼少期には避けていた時期もあったが、今では大好きな存在であり、その存在に安心感を覚えていた。父は優しく接する一方で、自身への期待は持っていないと感じていた。父の偉大さは周囲の人々や町の人々の態度からも明らかであり、ルーシーはそのような父に少しでも認められたいと願っていた。
新たな門出への決意
ルーシーは七歳となり、家族が通った魔法大学への進学を迎えた。青い髪の母からの激励を受け、不安と期待を抱えながらも、自身の努力で父に褒めてもらいたいという思いを胸に、新しい生活へと歩み出す決意を固めた。
『アスラ七騎士物語』
「婚活のイゾルテ前編」
海竜王と無名の英雄
かつて、とある国が海竜王によって脅かされ、漁業や港町が被害を受けていた。国王は海竜王を討った者に娘と王位を与えると宣言し、多くの勇者が挑むも敗北した。そこに現れたのが、古びた剣を携えた放浪者レイダルである。彼は海を凍らせ、海竜王の攻撃を受け流し、その首を刎ねた。しかし王は約束を翻し、財宝のみを渡して娘と王位を与えなかった。レイダルは悲しみに沈み、国を去ろうとしたが、王女が自らの立場を捨てて追いかけ、彼に結婚を申し出た。二人は夫婦となり、姿を消した。後に「水神流」が生まれ、そこには「水神の伴侶は家を捨てる」という慣習が残された。
水帝イゾルテの婚活事情
現在、アスラ王国の水神流剣士イゾルテ・クルーエルは、水神襲名を間近に控えながらも結婚相手を探していた。剣の実力と美貌を備えた彼女には多くの求婚者がいたが、家を捨てる覚悟を求められる水神の慣習に従い、それを受け入れられる者は少なかった。貴族や剣士たちも、家柄を捨てることをためらい、次々と候補者が去っていった。
イゾルテと兄タントリスの対話
イゾルテは、自宅で兄タントリス・クルーエルと婚活の行き詰まりについて語り合った。タントリスは努力型の剣士であり、妹の親代わりとして支えてきた。彼はイゾルテに対し、相応の相手を選ぶ権利はあるが、高望みでは結婚できないと諭した。イゾルテは幼少期から兄に頭が上がらず、その意見を素直に受け止めていた。
王城への出発とイフリート卿との邂逅
その後、イゾルテはアリエル女王に呼ばれて王城へ向かった。途中、同じ七騎士の一人であるシルヴェストル・イフリートと会話を交わした。彼は外見にそぐわぬ指導力でアスラ王国の騎士を束ねる「王の城壁」であり、イゾルテに対し女王への忠誠の意義を再認識させた。
ドーガとの邂逅と心の揺らぎ
王の間の前で、七騎士の一人「王の門番」ドーガが彼女を出迎えた。彼はイゾルテを信頼し、武器検査を省略したうえで、純粋な好意で髪に付いた花びらを取ってやった。その振る舞いにイゾルテは動揺しながらも信頼を寄せ、彼を戦士として尊敬する気持ちを抱いた。
王族との縁談と乙女心
女王アリエルは、イゾルテに王族との見合い話を持ちかけた。王家の支援と理解を得た上での縁談であり、イゾルテは即座に了承した。相手が王族であることや条件の良さに加え、婚活への焦りもあって迷わなかった。
イゾルテの忠誠と葛藤
イゾルテはアスラ七騎士の一人「王の大盾」として女王アリエルに忠誠を誓っていたが、その心には葛藤も残っていた。祖母である先代水神レイダは、アリエルの盟友である龍神オルステッドによって戦の中で命を落とした経緯があり、イゾルテは表向きには割り切っていたものの、心の奥底には複雑な感情を抱えていた。それでも彼女は水神流を守るために、忠誠を貫く道を選んでいた。
乙女の期待と前向きな一歩
縁談を了承したイゾルテは心を弾ませながら王城を後にした。見合いの日程をシルヴェストルに伝えに行こうとする中、喉の渇きに気づく。そこに現れたのは再びドーガであり、彼は冷えた水を差し出した。無骨ながらも細やかな気遣いに触れたイゾルテは、顔は好みでないとしながらも、この男には背を預けられると感じた。だが、それはそれとして、これから始まる見合いの日々への期待に胸を高鳴らせながら、その場を後にした。
「円番のドーガ 前編」
七騎士の配置と物語の焦点
アスラ王国には女王アリエルに忠誠を誓う七騎士が存在し、右翼が攻撃、左翼が防御を担った。筆頭は「王の懐刀」ルークであり、左翼には「王の門番」ドーガが名を連ねていた。本編は、婚活に悩むイゾルテの陰で進むドーガの過去と現在を描いたものである。
幼少期──妹を守る決意
ドーガはドナーティ領の寒村に生まれ、幼いころに母を亡くした。父の言葉で妹を守る責務を背負い、五歳にして家の入口を斧を抱えて守り続けた。その執念は突如現れた魔物をも屠り、初陣で妹を救う結果となった。
村襲撃と父の死
十歳の頃、王国全土で魔物が暴走し村が襲撃された。ドーガは木こり斧で数十体を討ち払うも父は戦死した。推薦状を得て王都守備隊に入隊し、妹の生活を支えるべく門番となった。
門番時代の武功と昇進
王都下町の門番として働く中、夜間に逃げ込んだ女性を追う盗賊団を殲滅し、下級から中級の門へ昇格した。粗野ながら人望を集め、同僚ハンスが最大の理解者となり妹と結婚して家族を築いた。
北神シャンドルとの遭遇
戴冠式の警備で王城裏門を守っていた折、北神カールマンことシャンドルに圧倒的な武技で試され、その忠誠心を認められて弟子となった。疲労で二日眠り続けた後、シャンドルに連れられ女王アリエルに謁見した。
アリエルへの忠誠と七騎士任命
ドーガは家族を守りたいという質朴な動機を語り、国を守ることが家族を守る道と諭されて騎士に任命された。以来、黄金の鎧を授かり王の間の扉を最後の門と定め、寝食を忘れて守護に尽くした。
イゾルテとの邂逅と芽生えた恋心
北王へ成長したドーガは、交代要員として試合した水神流のイゾルテに完敗し、その実力と気品に触れて恋心を抱いた。以来、彼女の結婚の噂に動揺し、勤務中も心が揺れて食事さえ喉を通らなくなった。
ハンスの助言と決意
妹夫婦との食卓で様子を案じたハンスは、ドーガの恋を見抜き、想いを伝えなければ後悔すると叱咤した。ドーガは自らの価値を疑いながらも、七騎士として胸を張り、イゾルテへ告白する決意を固めた。
「イゾルテとドーガ 後編」
婚姻に対する迷いと不信感
イゾルテは水神流の継承者としての重責を担いつつも、見合いの連続に疲弊していた。兄タントリスとの会話で、これまでに26人もの候補を断ってきたことが明かされる。紹介された王族たちは皆魅力的で誠実だったが、正直すぎる性癖の告白により、経験の浅いイゾルテには受け入れがたかった。男性全般への不信感が芽生えつつあり、結婚自体を諦めかけていた。
強制された決断と自覚
厳選しすぎるイゾルテの性格を見かねたタントリスは、次の候補と結婚するよう提案した。自身の過去を思い返したイゾルテは、その指示に従う覚悟を決めた。剣士としての生き方と結婚との両立の難しさを実感しながらも、孤独な未来を避けるためには受け入れざるを得ないと感じていた。
道場での騒動とドーガの登場
婚約候補の到着を前に、道場で騒ぎが起きた。現れた大男は、アスラ七騎士の一人で「王の門番」ドーガであった。彼は騎士礼服に身を包み、花束を持っていた。そしてイゾルテに向かって、結婚の申し込みを行った。ドーガの突然の告白に、イゾルテは驚愕しつつも拒絶した。アリエルからの紹介を優先すべきという忠義心が彼女を縛っていた。
純朴な想いと決別
イゾルテの屋敷での再対面において、ドーガは自身が王族でないことを明かし、ただ想いを伝えたかったと告げた。イゾルテは一度は断るが、ドーガの誠実さ、質素な生活、常識的な性格に心が揺れた。しかし忠義を重んじた彼女は最終的に断り、ドーガもあっさりと引き下がった。その姿に一抹の寂しさを覚えながらも、イゾルテは判断を覆さなかった。
想いの継続と騎士辞退
翌日、イゾルテは再び別の王族を断ってしまい、アリエルからの呼び出しを受ける。王の間に入ると、そこにはドーガの姿があった。彼はアリエルの騎士を辞すると宣言し、その理由としてイゾルテを選びたいと語った。彼の覚悟は真剣であり、アリエルもそれを受け入れてイゾルテに選択を迫った。
決意と受諾
ドーガは再び花束を差し出し、想いを告げた。イゾルテは、自身を重ねた初代水神の逸話を思い出し、ドーガの誠意に心を動かされた。自らの忠義と向き合った末に、ついに彼女は花束を受け取った。こうして二人は結ばれ、王の間は拍手に包まれた。
結婚とその後の関係
ドーガは七騎士を辞める予定だったが、アリエルの説得により職務を維持した。夜は定時に帰宅し、イゾルテに同行する日々を送るようになった。やがて二人は正式に結婚し、周囲の噂とは裏腹に仲睦まじい様子がうかがえた。イゾルテの「ダーリン」発言をきっかけに、真の夫婦関係が認められるようになり、二人は晴れて夫婦として歩み始めたのであった。
『かつて狂犬と呼ばれた女』
ドーガとイゾルテの結婚を巡る誤解と調査
ルーデウスは、ドーガが水神イゾルテと結婚したと聞き、当初は彼が悪女に騙されているのではないかと疑った。イゾルテが顔で結婚相手を選ぶという噂を元に、彼女の人柄を探るためアスラ王国で各方面から調査を試みた。だが結果として、二人は互いに惹かれ合って結婚したことが確認され、ルーデウスは祝福の言葉を送って帰路についた。
ドルディア族への訪問計画と同行者の選定
エリスが突然ドルディア族の村への訪問を提案し、ルーデウスやプルセナと共に訪れる準備を進めた。訪問の目的は、ルーデウスの娘ララが将来ドルディア族の救世主として迎えられる際の儀式準備であった。また、ギレーヌも同行者に加えようとするエリスの提案により、ギレーヌも旅に参加することとなった。
ギレーヌの過去と成長の回想
道中、ギレーヌは自身の過去について語った。幼少期、彼女は「獣返り」と呼ばれる激しい衝動に支配されており、周囲の者から恐れられ排除されかけていた。だが、旅の剣士ガル・ファリオンに拾われ、剣を通して生き方を教わったことで、徐々に他者との関係を築けるようになった。その後、剣の聖地で修行を重ね、剣王となり、最終的にアスラ王国の騎士として仕えていた。
ドルディア族との再会と和解
一行はドルディア族の里へ到着し、ギレーヌはかつての同胞たちと再会した。族長ギュエスとの対面では、彼女が過去に村を混乱させたことに対する非難の言葉が投げかけられたが、ギレーヌは冷静に、恨みではなく感謝を述べた。彼女の変化と謙虚な姿勢に、ギュエスも態度を改め、ギレーヌの帰郷を正式に歓迎した。
儀式準備と次世代への期待
ルーデウスとギュエスは、ララの救世主としての儀式に関する準備について協議した。大森林の奥地に棲む魔物を狩る役目が儀式の中心となるが、現時点で戦士長が不在であるため、将来的にはプルセナらがその役割を担う可能性が示唆された。新たな世代の成長と変化に期待が寄せられる中、ギレーヌの帰還は一つの節目となり、里に新たな風が吹き込まれた。
同シリーズ
小説版




















漫画版










その他フィクション

Share this content:
コメントを残す