小説「あの乙女ゲーは俺たちに厳しい世界です 5 (マリエルート)」感想・ネタバレ

小説「あの乙女ゲーは俺たちに厳しい世界です 5 (マリエルート)」感想・ネタバレ

Table of Contents

物語の概要

ジャンルおよび内容
本作は、乙女ゲームの世界に転生または類似設定で“モブキャラ”として巻き込まれた主人公を描く異世界ファンタジーである。女尊男卑的な乙女ゲーム的世界観を背景に、主人公やその仲間がゲーム内の定められたルートや運命に抗い、自分なりの道を切り開いていく物語である。第5巻では、王国の権力闘争・聖女の怨念・公開処刑といった重厚なドラマが展開し、主人公たちが「ゲームの世界」という枠を超えた真実と対峙する展開が描かれている。

主要キャラクター

  • リオン:本作の主人公格。乙女ゲーム的世界においてモブ扱いされるポジションであったが、自らの意志で運命に抗おうと行動を起こす。第5巻ではクラリス救出を目指し、王国の闇と戦う。
  • マリエ:リオンの盟友であり、乙女ゲーム世界で“攻略対象として目立つキャラクター”を志す少女。第5巻ではリオンとともに救出作戦に参加し、物語の鍵を握る役割を果たす。
  • クラリス:ユリウス襲撃事件の首謀者という濡れ衣を着せられ、公開処刑寸前となった少女。リオンとマリエが無実を信じて救出に動く主要な対象である。
  • オリヴィア:聖女として崇められていたが、その裏に「怨念」が蠢いており、第5巻ではその計画が動き出すことで物語に陰を落とす存在となる。

物語の特徴
本作の魅力は、「乙女ゲーム世界」という一見軽めの設定を土台にしつつ、政治・宗教・信仰・権力といったシリアスなテーマを積み重ねている点である。第5巻では「公開処刑」「王国の暗部」「聖女の怨念」といった重厚な構図が物語を牽引しており、読者にとって単なるラブコメ/転生モノ以上の深みをもたらしている。また、主人公が“モブ的位置”から抜け出そうとする点や、定められたルートに疑問を持つという構造が、他の異世界・乙女ゲーム系作品と差別化される要素となっている。さらに、「ゲーム世界の枠組みを知る人物による反転」「男主人公視点から乙女ゲームを見直す」という視点もユニークである。こうした要素が読者に“既視感”と“新鮮さ”を同時に感じさせる魅力である。

書籍情報

あの乙女ゲーは俺たちに厳しい世界です 5
(Trapped in a Dating Sim: Otome Games Are Tough For Us, Too!)
乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です 外伝
Trapped in a Dating Sim: The World of Otome Games is Tough for Mobs)】
著者:#三嶋与夢 氏
イラスト:#悠井もげ 氏
キャラクター原案:#孟達
出版社:マイクロマガジン社GCノベルズ
発売日:2025年10月30日
ISBN:9784867168578

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あらすじ・内容

「本当に何とかしなさいよ、リオン!!」

ユリウス襲撃事件の首謀者として、公開処刑が決まったクラリス。
彼女が無実であることを知っているリオンとマリエは救出を計画するのだが、ルクシオンは『優先度が低い』と協力を拒否。
仕方なく地道な聞き込み調査を進める二人を呼び止めたのは、リオンが尊敬してやまない師匠こと、学園のマナー教師だった。
師匠にクラリスの父親であるバーナードを紹介され、嫌な予感を抱きつつも明かされたのは権力闘争という王国の暗部。
かつてない事態に覚悟を決めるリオンだったが、その裏では聖女の怨念に支配されたオリヴィアの恐るべき計画が動き出していた

あの乙女ゲーは俺たちに厳しい世界です 5

感想

クラリスが冤罪で公開処刑に処されるという、衝撃的な展開から物語が始まる。リオンが正体を隠して救出に動く姿は、まさにヒーローそのものだ。協力者として、大臣職を失ったクラリスの家であるアトリー家、リオンの親戚筋であるローズブレイド家、そして王族の師匠が登場する。さらに、アルゼル共和国のキャラクターも登場し、物語はますます複雑さを増していく。

ヒロインたちが誰も死んでいないという点で、若干優しい世界になっていると感じた。特典の頃のシビアな展開を知っているだけに、少し安心した。
しかし、アンジェとリビアは依然として不幸な状況に置かれており、彼女たちの今後が気がかりである。

特に印象に残ったのは、リオンの師匠の存在だ。彼がリオンにクラリスの父親であるバーナードを紹介する場面は、物語の核心に迫る重要なシーンだと感じた。権力闘争という王国の暗部が明らかになり、リオンが覚悟を決める姿は、心を強く揺さぶる。

一方で、4巻に登場した拘束されている聖女の怨霊の存在が気になった。あれだけ大きな影響力を持っていた怨霊が、今どうなっているのだろうか。本体があれだけ動いていたのだから、消滅してしまったのだろうか。今後の展開で、再び登場する可能性もあるかもしれない。

次巻では、オリヴィアの恐るべき計画がどのように展開していくのか、そしてリオンはどのように立ち向かっていくのか、今から楽しみでならない。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場キャラクター

リオン・フォウ・バルトファルト

仮面の騎士として行動した学生である。救出作戦と共和国救援を主導した。倫理観を理由に介入を決断した。
・所属組織、地位や役職
 学園生。飛行艦パルトナーの運用者。
・物語内での具体的な行動や成果
 処刑台へ突入しクラリスを救った。共和国の飛行船を防衛した。巨大個体の撃破連携を提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王都で注目と警戒の対象となった。聖樹破壊への出撃を決意した。

マリエ・フォウ・ラーファン

救出計画の共同実行者である。回復魔法で多数を治療した。情報整理と現場統率を担った。
・所属組織、地位や役職
 学園生。リオンの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
 聞き込みと偽装外遊の準備を進めた。負傷者の治療を継続した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 共和国側から術者として高評価を受けた。

ルクシオン

高性能遺物である。優先順位を理由に協力を拒否した。作戦効率に影響を与えた。
・所属組織、地位や役職
 リオンの支援存在。
・物語内での具体的な行動や成果
 証拠収集の情報源となった。直接支援は停止した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一時的に作戦から離れた。

クラリス・フィア・アトリー

不当な裁判で有罪視された貴族令嬢である。処刑宣告を受けたが仮面の騎士に救出された。ジルクへの警告を最後に残した。
・所属組織、地位や役職
 アトリー家の娘。
・物語内での具体的な行動や成果
 監獄で無実を主張した。処刑台での拘束から解放された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 婚約を破棄された。学内外で孤立した。

ジルク・マーモリア

クラリスの元婚約者である。処刑の立会人を受諾した。演説で群衆の支持を得た。
・所属組織、地位や役職
 マーモリア家の子息。
・物語内での具体的な行動や成果
 婚約破棄を通告した。処刑台で仮面の騎士に制圧された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 負傷療養中に復讐を誓った。

アンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ

王妃の勧めで面会に赴いた貴族である。学内の空気に抗した。
・所属組織、地位や役職
 学園生。王家に近い立場。
・物語内での具体的な行動や成果
 監獄でクラリスの忠告を受けた。処刑と聖女就任を注視した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 聖女への強い警戒を固めた。

ユリウス

王太子である。政治均衡を優先しつつ行動を模索した。
・所属組織、地位や役職
 王国王太子。
・物語内での具体的な行動や成果
 ジルクを見舞った。フランプトン侯爵と面会した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 聖女人事と宮廷対立に巻き込まれた。

オリヴィア(聖女アン)

聖女の座を得た存在である。実体は思念体アンである。学園と宮廷を同時に操ろうとした。
・所属組織、地位や役職
 神殿の聖女。
・物語内での具体的な行動や成果
 ジルクを誘導した。聖女就任を宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 公的権威を獲得した。報復の意思を内に秘めた。

バーナード・フィア・アトリー

元大臣でありクラリスの父である。救出を正式に依頼した。
・所属組織、地位や役職
 アトリー家当主。元大臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 計画の資金と後援を行った。家族の退避を完了した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 宮廷から退いたが影響力を保持した。

師匠(マナー教師)

学園の教師である。憲兵介入を止めた。作戦の後方支援を約した。
・所属組織、地位や役職
 学園の礼法担当。
・物語内での具体的な行動や成果
 自邸での会合を設けた。収容場所と警備情報の把握を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 公的には中立を維持した。

ディアドリー・ラファ・ローズブレイド

現場運営と偽装を統括した女性である。調査団の体裁を整えた。
・所属組織、地位や役職
 ローズブレイド家の関係者。調査団の実務責任者。
・物語内での具体的な行動や成果
 人員と物資の整備を指揮した。共和国接近と情報収集を主導した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 作戦で指揮権に近い発言力を得た。

ダン・フィア・エルガー

クラリス事件に関わった人物である。監獄で拘束されていた。
・所属組織、地位や役職
 詳細不明。
・物語内での具体的な行動や成果
 仮面の騎士に解放された。王都突入を志願した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 救出作戦の支援者となった。

カーラ

元取り巻きである。庇護と改名雇用を求めた。
・所属組織、地位や役職
 使用人見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 憲兵と貴族の癒着を証言した。世話役として配置された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 内部協力者へ転じた。

フランプトン侯爵

宮廷の有力貴族である。処刑強行と聖女人事を推進した。
・所属組織、地位や役職
 侯爵。宮廷派閥の領袖。
・物語内での具体的な行動や成果
 口封じを進めた。ユリウスと駆け引きを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 責任追及を回避した。

ローランド王

王国の国王である。救出劇を評価しつつ苦言を呈した。
・所属組織、地位や役職
 王国の君主。
・物語内での具体的な行動や成果
 軍と官の処分を検討した。派閥拡大への警戒を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 国家の構造的脆弱性を認識した。

ルイーゼ・サラ・ラウルト

共和国側の要人である。致傷から回復し要証言者となった。
・所属組織、地位や役職
 ラウルト家の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
 救助され医務室で治療を受けた。内部裏切りの断片を漏らした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 生存が確認され情勢の鍵を握った。

オリバー・サラ・アロン

共和国騎士団の副団長である。憎悪と自責を抱えて証言した。
・所属組織、地位や役職
 ラウルト家騎士団・副団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ノエルの関与を主張した。負傷状態で部隊を抑えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 機密として聖樹の情報を伝えた。

ノエル・ジル・レスピナス

“悪魔の子”と呼ばれる少女である。騎士団の殺害対象となった。
・所属組織、地位や役職
 レスピナス家の血筋。
・物語内での具体的な行動や成果
 リオンに救助された。騎士団から首謀者と断定された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 二作目主人公相当と再定義された。

ヘルトルーデ

公国側の指導者である。侵攻計画を承認した。
・所属組織、地位や役職
 公国の王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 会議で方針を確認した。妹の訴えを退けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 内外の圧力に晒された。

ヘルトラウダ

公国の王女である。姉との断絶を告げられた。
・所属組織、地位や役職
 公国の王族。
・物語内での具体的な行動や成果
 城で面会を求めた。護衛に拘束された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 政治的影響力を失った。

ゲラット伯

公国会議の主導者である。侵攻を推し進めた。
・所属組織、地位や役職
 伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 内通を前提とする戦略を提示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 発言力を強めた。

黒騎士バンデル

公国の武人である。会議で威圧を示した。
・所属組織、地位や役職
 公国の騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 議場の統制を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 軍事的抑止として機能した。

展開まとめ

プロローグ

クラリス裁判の開廷と孤立
学園三年のクラリス・フィア・アトリーが、ユリウス襲撃の首謀者として裁判にかけられていた。傍聴席は非難と嘲笑で満ち、アトリー家の関係者は出席を許されず、クラリスは孤立して無実を訴え続けていた。

証拠提示と反論封殺
裁判官は動機の存在を強調し、憲兵長は現場遺留品としてダン・フィア・エルガーの拳銃を提示した。酒場の客の証言として、ジルクへの殺意を口にしていた点が挙げられ、クラリスのアリバイ主張は虚偽と断じられた。クラリスは否定したが発言は遮られ、場は有罪前提で進行していた。

嵌められた可能性への気付きと処刑宣告
弁護すら許されない不自然さから、クラリスは自分とアトリー家が嵌められたと悟った。裁判官は嘲笑しつつ判決を言い渡し、王都広場での公開処刑を宣告した。禁じられていた公開処刑の復活に傍聴席は動揺し、王宮の許可済みと説明されたことで、クラリスは恐怖と絶望で膝をついていた。

学園に広がる噂とリオンの困惑
春の学園は新入生を迎える一方で公開処刑の噂一色となっていた。リオン・フォウ・バルトファルトは、裁判が既に終わっていたことに驚きつつ、廊下で飛び交う声を聞きため息をついていた。

無実を知るリオンとマリエの葛藤
リオンとマリエ・フォウ・ラーファンは、当日の襲撃が別集団でありクラリスらにアリバイがあることを把握していた。しかし、リオンは仮面の騎士としてお尋ね者であり、証言すれば自らが拘束される危険があった。加えてアリバイ情報はルクシオン由来で、この世界では証拠能力を持たないと理解していた。

証拠不在の現実とルクシオン問題
マリエは放置を否定し救済を主張したが、決定的証拠は手元にない。リオンはルクシオンの協力で証拠収集を図る考えを示す一方、マリエは最近のルクシオンが優先事項を口実に協力を渋っている点を不安視していた。

救出へ向けた決意
リオンはマスター権限での強制協力を視野に入れ、クラリスの公開処刑回避に動く決意を固めた。リオンは個人的な寝覚めの悪さを理由にしつつも、マリエと共に前進する構えを示して場面は閉じていた。

第0話 「追い打ち」

ルクシオンの協力拒否
リオンはクラリス救出のため子機を介してルクシオンに協力を要請したが、「優先順位」を理由に拒否された。ルクシオンは「利益が少ない」「守るべきはマリエ」と断じ、作戦行動中で動けないと通告した。リオンは独力で動く決意を固めた。

聞き込み開始と相次ぐ門前払い
リオンとマリエは繁華街でダンの行きつけの酒場を回り、当日のアリバイ確認を試みたが、三軒連続で証言を拒否され追い出された。不自然な拒絶により、事件の背後の圧力を疑った。

憲兵の介入と師匠の救出
二人は憲兵に職務質問され、リオンが連行されかけた。マリエが抗議して緊張が高まるが、学園のマナー教師でありリオンの師匠が介入し、憲兵は撤収した。師匠は「自宅へ来るべき状況」とだけ告げ、二人を招いた。

監獄のクラリスと面会
クラリスは貴族用の設備が整った独房で憔悴していた。面会に来たジルクへ無実を訴えたが、酒場証言や遺留拳銃の情報を根拠に疑いを向けられた。クラリスは怒りに任せオリヴィアへの敵意を口走り、ジルクの疑念を決定的にした。

婚約破棄の通告
ジルクはマーモリア家当主の決定として、クラリスとの婚約破棄を通告した。クラリスは崩れ落ち、看守は嘲笑的な独白を残して退室した。クラリスの孤立は決定的となった。

ジルクの動揺とオリヴィアの慰撫
ジルクはロビーでオリヴィアに弱さを見せ、彼女は「理解者」として寄り添った。ジルクは自責と本音を吐露し、精神的支えとしてオリヴィアへの依存を強めた。

聖女アンの本性露見
寮に戻ったオリヴィアは独りで嘲笑し、誘導が成功したと自白した。学園での自由行動のためクラリス排除を喜び、次の標的を思案する。オリヴィアの肉体を奪った思念体・聖女アンが暗躍していることが示された。

第2話 「事態は想像を超えて」

招待の理由
師匠は憲兵介入を踏まえ、リオンとマリエが「危険域」に踏み込んでいると判断し自邸へ招いたのである。聞き込み対象と内容が既に火種であると指摘した。

屋敷での客人
中庭で待っていた客人はバーナード・フィア・アトリーである。元大臣にしてクラリスの父で、失脚は「馬鹿娘の不始末」ではなく宮廷内権力闘争の敗北が真因であると明かした。

真相の骨子
事件は権力再編の一環である。通常の失脚処理を超え、クラリス処刑にまで踏み込む強硬さが異常である。神殿勢力も加担しており、宮廷工作は無効化されつつある。

要請と実行役
バーナードは実力行使での救出を要請。実行役はリオンとマリエである。評価根拠はダンジョン攻略、空賊拘束、オフリー家対応などの実績である。リオンの飛行船「パルトナー」運用も前提である。

二重任務と隠れ蓑
憲兵に目を付けられているため、アルゼル共和国の「不穏動向」調査を表向き任務とする。これをアリバイにしつつ、裏でクラリス救出を実施する方針である。処刑は師匠の根回しで夏季休暇期に設定済みである。

敵対圧力の可視化
酒場側の一斉黙秘と憲兵の強権は「証拠排除」の組織的動きである。続行すれば即時拘束の危険が高いと師匠は警告した。

決意の要請
権力の座を離れた父として、バーナードは頭を下げて救出を懇願。事件の根は想定以上に深く、正面突破ではなく偽装と奇襲で挑む局面である。

第3話 「忠告は届かず」

監獄での面会と忠告
アンジェリカは監獄の貴族用房でクラリスと面会した。看守が筆記準備を整える中、憔悴したクラリスは「オリヴィアに気を付けろ」と忠告した。アンジェリカは怒気を収めず、王妃の勧めで来た面会は実りなしと判断したが、クラリスの警告にわずかに動揺していた。クラリスは以後、沈黙に戻った。である。

学園に漂う処刑ムード
校内では夏季休暇期の公開処刑が既定路線として語られ、生徒は「立場上の出席」を意識していた。王妃が禁じた公開処刑の再開は見せしめと解釈され、空気は硬直していた。である。

三人の再会と異様な均衡
廊下でアンジェリカはユリウス、ジルク、オリヴィアに遭遇した。ジルクは元婚約者として公開処刑への「立会い役」を受諾し、近距離で確認する覚悟を示した。ユリウスは承認し、オリヴィアは寄り添いながら慰撫と同調でジルクの心的依存を強めた。アンジェリカは、平然と距離を詰めるオリヴィアと赤面するジルクの変化に強い警戒を固めた。である。

昼休みの逡巡と決断
校舎裏でリオンは作戦受諾をためらっていた。理由はルクシオン不在と憲兵の監視である。マリエは六個目のサンドイッチを平らげつつ叱咤し、「一度も二度も同じ」と迫った。リオンは単独行動しかねないマリエを止めるためにも参加を決断し、師匠へ受諾を伝えに走った。である。

第4話 「それぞれの後悔」

救出受諾と動機
リオンとマリエはバーナード・フィア・アトリーの前で救出作戦を正式に受諾した。露見時は実行犯として裁かれるリスクを了承しつつ、リオンは「気分が悪いから助ける」としつつも実質は強い倫理観で介入を決めたのである。

立会人ジルクへの怒り
マリエはジルクが「処刑立会人」を引き受けた件に激昂。バーナードは立会人が罪状朗読や合図まで担うと説明し、静かな怒気を示した。娘を最後まで信じなかった元婚約者への失望が強調されたのである。

作戦骨子と役割
師匠は情報面支援(収容場所と当日警備の把握)を約し、実行役はリオンとマリエに一本化。処刑期日は夏季休暇に調整済みで、表向きはアルゼル共和国調査で外遊しつつ、裏で救出を敢行する二重任務とした。憲兵対策のアリバイ工作が中核である。

大人側の後悔と制約
バーナードはリオンの胆力と正義感を評価しつつ、過去の選択を悔いた。師匠は「現実は変えられない」と釘を刺す一方、自身も動けなかった日々を認めた。宮廷と周辺勢力のしがらみが行動を鈍らせている点が示された。

馬車内の逡巡と覚悟
リオンとマリエは安請け合いを悔いつつも後戻り不可を確認。憲兵の監視下での早期救出は疑義を招くため不可と判断。国外調査で姿を消し、その間に救出を実行する方針で一致した。

準備方針
必要要素は①監獄位置と動線、②当日警備シフト、③離脱ルート、④国外不在の公式記録である。観光情報収集も外遊カバーストーリーの一部として活用し、事前情報量が勝敗を分けるとの認識で動き出した。である。

第5話 「助け出すために」

侯爵との密談と口封じの徹底
オリヴィア(聖女アン)はフランプトン侯爵と密会し、クラリス支援者の動きを共有した。酒場関係者や客は既に脅迫・一部は殺害により口封じが完了しており、生徒側は監視に留めつつ、真相に近づけば抹消する方針で一致したのである。

憲兵の尾行と“旅行”カバー
マリエはアルゼル共和国の資料収集中に私服憲兵に尾行されていた。憲兵は「国外調査=外遊」と見做しつつも警戒を継続し、標的をリオンへと定めて上層の歓心を得ようとしていた。オフリー家黙認の前歴が示唆され、組織的腐敗が強調されたのである。

カーラからの接触と庇護要請
路上でマリエは元取り巻きのカーラと接触し、憲兵・オフリー家の癒着情報を得る。裁判での証言は握り潰されるため決定打に欠けるが、カーラは「金銭よりもリオンの庇護」を本命条件として提示した。カーラはまた、王都の路地で“特待生が首謀者”とする決定的光景を目撃しており、扱いを誤れば自分が抹殺される危険を自覚していた。

救出計画の露見とテコ入れ
ディアドリーが帰還し、リオンたちの“共和国調査の裏での救出”を看破。

  • 偽装力強化:調査団としての人員・物資を体裁良く整えることを厳命(必要性の有無ではなく“敵の目”が基準)。
  • 人材の囲い込み:カーラは改名のうえ使用人として雇用し、クラリス側の世話・裏務を担当させる。裏切りリスクは抱えつつも内側で管理する方針である。
  • 同行宣言:ディアドリーは実質的に作戦へ合流し、貴族社会的カバーストーリーと現場運営の両面を補強した。

作戦の現在地
救出の大義と危険はさらに増したが、①偽装外遊(共和国調査)、②情報線(監獄・警備・動線)、③人員整備(ディアドリー・カーラ)、④憲兵対策(アリバイと攪乱)の骨子が固まりつつある。敵は口封じを完了しつつ生徒側への監視網を敷いており、時間との戦いである。

第6話 「仮面の騎士再び」

教室での最終打ち合わせ
夕刻の教室で、リオンは師匠に作戦を報告した。表向きはアルゼル共和国調査として出港、人員と物資はディアドリーの進言で拡充し、敵に本気の調査団だと誤認させる体制を整えた。救出はアロガンツ単騎での強襲・小型艇での離脱という大胆策であり、師匠はリオンの“素直さ”ゆえに信を置き、実行を委ねたのである。

パルトナーの偽装とカーラの配属
王都近郊の浮島港でパルトナーは出航準備を完了。船内にはクラリス受け入れ区画を隔離で用意し、世話役として採用されたカーラに任務が下る。カーラは“大罪人の世話”に動揺するが、マリエとディアドリーに現実と危険を突きつけられ、従う決意を固めた。

仮面の騎士、監獄急襲
リオンは黒装束と仮面で再出撃し、監獄内で暴行を受けるダンらを急襲解放した。だがクラリスは既に「見せしめ」のため王都へ前倒し移送済み。リオンは方針転換を迫られ、ダンは痛みを押してもエアバイクでの王都突入を志願した。

公開処刑の開幕とジルクの演説
王都広場には十数年ぶりのギロチン台が設営され、群衆と兵士が取り巻く。見届け人として登壇したジルクは“元婚約者としての責務”を強調し、クラリス断罪を正当化する演説で群衆の喝采を得る。拘束されたクラリスは屈辱と恐怖に震えつつも瞳の光を失い、最期にジルクへ「オリヴィアは純真ではない」「いつか必ず後悔する」と警告したが、ジルクは嘲って退けた。

現在地と緊迫の引き
クラリスの首はギロチンに固定され、合図を待つのみ。リオンは王都内侵入手段を模索し、ダンらはエアバイクでの救出に賭ける段へ移行した。敵は大衆の目と儀式を盾に既成事実化を図る中、仮面の騎士の介入が一刻を争う状況となったのである。

学園の静寂と処刑への距離感
学園ではユリウス、グレッグ、クリス、ブラッドが教室に集まり、クラリスの処刑について意見を交わした。生徒が処刑場へ向かう動機は「立場の表明」と分析され、ユリウスは不快感を示しつつも強制する意思は示さなかったのである。

オリヴィアの仮面と本心
窓辺のオリヴィアは表向きは自省的な言葉を口にしたが、内心では処刑を娯楽とした古き時代観を良しとし、貴族社会の破滅を待望していた。彼女の視線は終始、処刑場へ向けられていた。

異変の兆し—空からの影
処刑の刻限が迫る中、複数のエアバイクが広場上空へ進入した。警備強化とも取れる動きだったが、オリヴィアは敵対行動の可能性を直感した。

処刑台への乱入と一撃
ジルクが合図を掲げた瞬間、黒装束の仮面の騎士がエアバイクから降下し、電撃効果を持つ潰し刃のサーベルでジルクを制圧した。刀身は殺傷を避ける加工であり、騎士は意識を奪わぬ程度の痛打と蹴撃で行動不能に追い込んだ。

仮面の宣言と因縁の発火
騎士は「無実のご令嬢を救う」と高らかに宣言し、処刑の阻止を明言した。ジルクは屈辱と被害意識から強い遺恨を抱き、仮面の騎士を決して許さぬ敵と認識したのである。

現在地
広場は群衆と兵の緊張が極限に達し、処刑は中断。仮面の騎士の介入により局面は一気に救出劇へと転じ、次の一手が場の趨勢を決すると言える。

第7話 「処刑場からの救出」

処刑台への乱入と制圧
仮面の騎士を名乗ったリオンは処刑台上でジルクを電撃の潰し刃と蹴撃で無力化し、麻酔弾入り拳銃と防弾加工のマントで兵士の銃撃と突進を凌いだ。ギロチンの固定具を破壊してクラリスを解放し、救出の意思を高らかに宣言したのである。

空路脱出と追撃回避
処刑台を包囲する兵の圧力が強まる中、上空のエアバイク隊(ダンら取り巻き)がロープを投下し、リオンはクラリスを抱えて上昇して離脱した。兵はエアバイクを狙撃しようとしたが、操縦の妙で路地の建物を盾に射線を封じ、追撃を躱した。飛行中、クラリスは声と所作から仮面の騎士の正体がリオンであると察した。

水路での合流と匿い先の決定
一行は王都水路の運搬船に着艦し、バーナード元大臣と合流した。バーナードは家族の避難完了と後援を告げ、クラリスらに「潔白が証明されるまでリオンの庇護下で身を隠す」方針を示した。先輩たちは仮面の騎士としてのリオンに深く頭を下げて感謝を表明し、リオンは気恥ずかしさを滲ませつつ受け入れた。

王都の騒擾と王の所感
救出劇は王都を騒然とさせ、責任者の罷免や軍の投入、号外の乱発へと発展した。王宮では国王ローランドが仮面の騎士の機略を評価しつつも先を越された悔しさを吐露し、宮中で勢力を拡大するフランプトン派への警戒を強めた。あわせて女尊男卑と領主貴族の思惑が絡む国家の歪み、愛し合う王家の血統者でなければ起動しない「欠陥兵器」依存という構造的脆弱性を自省し、王位の重圧に嘆息したのである。

第8話 「助けられた者、逃がした者」

リオンたちの帰還と再会
アルゼル共和国へ向かう飛行艦パルトナーに、小型艇が接近した。乗っていたのはリオン、クラリス、アロガンツらであった。夜間、誘導灯を頼りに小型艇が着艦し、リオンはタラップを使わずに飛び降りた。マリエは彼を出迎え、無事を確認して安堵した。リオンは作戦成功を報告し、マリエはその言葉に胸を撫で下ろした。軽口を交わす二人の様子に、クラリスは羨望を抱いていた。

クラリスの複雑な感情とディアドリーの忠告
格納庫に現れたディアドリーはクラリスを誘い、二人で艦内を歩いた。クラリスは処刑場でリオンに助けられた際、彼に惹かれたが、婚約者のマリエへの嫉妬を抑えきれずにいた。ディアドリーはその感情を見抜き、軽率な行動を慎むよう釘を刺した。クラリスは立場を理解し、二人の関係を壊すつもりはないと誓った。

貴族社会の混乱とジルクの復讐心
一方、王都ではジルクが負傷した状態で療養していた。顔には仮面の騎士に踏まれた痕が残り、彼は復讐を誓っていた。ユリウスは見舞いに訪れ、事件の混乱を語った。クラリスを奪還されたことで王都は騒然となり、現場責任者が処罰されたが、主導者のフランプトン侯爵は責任を免れていた。ユリウスは貴族の腐敗に失望を示した。

オリヴィアの助言とユリウスの決意
そこへオリヴィアが見舞いに現れ、ユリウスとジルクに声をかけた。会話の中で、フランプトン侯爵とレッドグレイブ公爵の対立が話題に上ると、オリヴィアはユリウスに直接会って対話するよう勧めた。貴族社会を変えたいと願うユリウスはその言葉に感銘を受け、自ら行動を起こす決意を固めたのである。

第9話 「踊る貴公子たち」

リオンの起床とクラリスのメイド変装
パルトナー合流後に眠っていたリオンは昼に目を覚まし、呼びに来たマリエと対面した。背後にはメイド服のクラリスが同行しており、船内で事情を隠すための変装であると説明した。クラリスは作法を活かしてメイドとしても振る舞う意志を示し、専属という設定で他者との接触を避ける案を提示した。マリエは過剰と見なしたが、クラリスは体力に自信があるとして働く姿勢を崩さなかった。ディアドリーが用件を抱えて待っているため、リオンは急ぎ身支度を整えることにした。

ユリウスとフランプトン侯爵の面会
ユリウスはフランプトン侯爵邸を訪れ、クラリスの公開処刑強行の理由と責任問題を質した。侯爵は模倣犯抑止のための断行であったと述べ、自身が退けばレッドグレイブ家の専横を許すことになると弁明した。さらに侯爵はオリヴィアの名を挙げ、条件が整えばユリウスと結ばれる可能性に言及し、個人的協力を提案した。ユリウスは国家的均衡を理由に難色を示したが、オリヴィアが標的となる含意に強く反応し、詳説を求めた。

舞台裏でのフランプトン侯爵とオリヴィアの合意
ユリウスが退出した後、フランプトン侯爵は応接室にいたオリヴィアと互いの思惑を確認した。二人はユリウスが理想に素直で御しやすいと評価し、当面は利用対象とする認識を共有した。会話は王妃ミレーヌの実権と手腕への警戒にも及び、フランプトン侯爵は苦戦を予想した。一方でオリヴィアは聖女の立場を不可侵領域と位置付け、優位を見通していた。侯爵はオリヴィアの老練さに脅威を覚えつつ、提携の正しさを再確認したのである。

第10話 「楽しい船旅?」

ディアドリーの語学特訓と叱責
ディアドリーはアルゼル共和国語の黒板を用意し、日常会話も怪しいリオンとマリエに激怒して特訓を開始した。通訳依存は他国に侮られると断じ、調査団団長であるリオンにも同様の厳しさで臨んだ。三時間の集中指導後、二人は精神的にも消耗していた。

休息とマリエの前向きな決意
部屋に戻ったリオンは疲労で横になっていたが、マリエが合鍵で入室し、共和国語はホルファート語に近く習得負荷が低いと聞いたと報告した。現地での習得機会を原動力に、バイリンガルとして優雅に振る舞う未来を動機づけにして学習を続ける決意を示した。

航路上の異変と合図
甲板ではディアドリー、クラリス、ダンが逆航路の飛行船からの点滅合図を解析していた。複数隻が短時間にすれ違い、いずれも引き返せ・危険を示していた。天候は穏やかで空賊の線も薄いことから、クラリスは共和国側で大規模事象が発生している可能性を示した。

進退の議論と方針
リオンは調査断念と帰還を打診したが、ディアドリーは無成果帰還は無能の自己喧伝かつアリバイ疑惑を招くと退け、これは正確な情報を得る好機だと位置付けた。内戦の巻き込まれリスクについては王国旗の抑止効果を前提にしつつ、危険はゼロではないと認めた上で、クラリスの提案する「次にすれ違う飛行船へ乗り込み事情を聴取する」案を採用した。

リオンの立場と自己認識
マリエはリオンに方針決定を促したが、リオンは知見と覚悟の不足を理由に有能な者へ委ねる姿勢を示した。自らは飛行船提供で貢献していると整理しつつ、今回の事態が既に事後である可能性を認め、まずは情報収集を優先する空気の中で行動に移る構えであった。

第11話 「アイゼル共和国について」

二作目の舞台と記憶の欠落
リオンはマリエを自室に招き、アルゼル共和国が乙女ゲーム二作目の舞台である点を確認し、現状が自然な進行かを検討した。マリエは転生前の記憶が薄く詳細を思い出せず、六大貴族が統治し、失われた七番目の大貴族が物語の核であること、ラウルト家当主が最終的な敵対勢力だったことのみを伝えた。アルゼルが魔石資源で富む隣国であるため、異変が王国へ波及する懸念が示された。

対立構図の概略と時期の不整合
マリエは、二作目ではラウルト家と対立する勢力が協力して当主を打倒し、没落家系を再興する筋立てだったと回想した。ただし大規模な争いが顕在化するのは学園三年相当の時期であり、現在の学年段階で大事件が起こるのは不自然であると指摘した。

シナリオ変動要因の仮説
リオンは転生者の介入による時系列の前倒しを仮説として提示した。マリエは転生者であっても大事を起こせるとは限らないと疑義を挟んだが、リオンは強力な遺物や支援存在の有無で状況が変わり得ると述べ、アルゼル側にも同種の要因が存在する可能性を示した。

夜明けの船橋とディアドリーの動機
翌朝、リオンとマリエは船橋でディアドリーと合流した。ディアドリーは夜間から詰めており、歴史の転機に立ち会う興味と、資源交渉で王国に苦杯を舐めさせてきた相手への関心、さらに最新の正確な情報を王宮に供出して政治的優位を得る意図を示した。マリエは政治的配慮の広さに感嘆し、リオンは平穏志向を述べたが、行動方針は情報獲得優先で一致した。

遭難の発見と即応
リオンが双眼鏡で遠方を確認すると、白いモンスターに襲撃され煙を上げる飛行船を視認した。リオンは救助準備を船に指示し、自身はアロガンツで先行して対応に向かう決断を下した。

第12話 「共和国の飛行船」

出撃準備と武装の選定
アロガンツの出撃準備はロボットが担当し、右腕固定のガトリングガンと背部コンテナからの弾薬供給が施された。ルクシオン不在により作業効率は低下していたが、リオンは出撃を優先した。カウントダウン後に発進し、目的地へ急行した。

マリエとディアドリーの所感
艦内では、先行したリオンを見送りつつ、マリエが自らの無力感を吐露した。ディアドリーは相互補完を説き、マリエにできる役割を促した。同時に襲撃対象の飛行船が共和国製であること、白色の昆虫型という見慣れない多種のモンスターであることを確認した。

初動制圧と火力の限界
リオンはガトリングガンで群れを掃討し、黒煙が視界を悪化させる中で残弾の速い消耗を認識した。敵はアロガンツを警戒しつつも主に飛行船を狙っており、弾数不足を見越したリオンは飛行船甲板へ着艦して防衛線に加わった。

共和国側との連携
リオンは外部スピーカーでホルファート王国所属を名乗り、共和国側の騎士と兵士は協力を受諾した。リオンは救援後の情報聴取を見据えつつ、甲板上から再び射撃で群れを減らした。

白色群の執着と近接戦移行
弾切れによりガトリングガンを投棄し、リオンはハルバードとライフルに切り替えた。甲板を損傷しつつも接近個体を排除したが、敵の圧力は飛行船中心に集中していた。

巨大ムカデ型の出現
海面からパルトナー全長を超える有翼ムカデ型が出現し、飛行船の球状バリアに巻き付いて締め上げ、海へ引きずり込もうとした。至近射撃で外殻を貫通させても決定打には至らず、アロガンツ単独での撃破は困難と判断された。

主砲連携作戦の提案
リオンはパルトナーへ通信し、飛行船から巨体を引き剥がした瞬間に主砲で叩く連携を提案した。巻き添えの懸念を示すマリエに対し、リオンは救助優先と機会創出を明言し、弱点探索のために巨体の周囲を旋回して次動作へ移った。

ガトリング制圧と弾薬逼迫
アロガンツは右腕固定のガトリングガンで白色昆虫型の群れを掃討したが、弾薬消費が激しく視界も黒煙で悪化していった。スズメバチ状個体の背後奇襲で被害を受けつつも数を減らしたが、残弾が乏しくなったため、リオンは襲撃中の共和国飛行船の甲板へ着艦したのである。

名乗りと共同戦闘
リオンは外部スピーカーでホルファート王国の支援を宣言し、共和国側の騎士・兵士は協力を受諾した。再度の射撃後に弾切れとなり、ガトリングを投棄してハルバードとライフルへと武装転換した。

巨大ムカデ型の出現
海面からパルトナー全長超の有翼ムカデ型が浮上し、防御フィールドを展開した飛行船へ巻き付き、締め上げて海へ引きずり込もうとした。至近のライフル射撃は外殻を貫くも決定打に欠け、アロガンツ単独撃破は困難と判断された。

フルインパクトと主砲連携
リオンはパルトナーに通信し、引き剥がし後の主砲・ミサイル一斉射を要請した。まずアロガンツの内部兵装「フルインパクト」を頭部へ叩き込み、巨大個体の頭部と胴体の一部を破壊。兵装は過負荷で使用不能となったが、体当たりで胴体を飛行船から引き離し、その瞬間にパルトナーの砲撃とミサイルが命中して巨体は黒煙となって消滅した。

続く危機と救助行動
撃退直後、共和国の飛行船は上昇できず降下を継続していた。内部機関が限界に達していると見たマリエの指摘を受け、リオンは救助行動への即時転換を決定したのである。

第13話 「救出したのは………………」

古い共和国船と避難民の収容
パルトナーは老朽化した共和国製飛行船から避難民を収容した。負傷者に加え所持品も少ない一般人が多く、共和国では緊急事態が進行中であると推測されたのである。

ディアドリーの現地指揮
ディアドリーは責任者の聴取を急ぎ、重傷者の「ルイーゼ」こそ共和国側の責任者と判明。直ちにマリエを呼び、治療と情報確保の両立を図った。

マリエの治療と“加護”の発見
瀕死のルイーゼは右手甲に淡い光を放つ紋章を持ち、共和国の「加護」により命脈を保っていた。だが加護の力は弱く、通常の回復魔法だけでは救命が難しい状況であった。

リオンの船内探索ともう一人の救助
船内確認に向かったリオンは、暗室で泣き続けるピンク髪ツインテールの少女を発見・背負って救出した。共和国船沈没の危険が迫る中、避難誘導は継続された。

ルイーゼの正体と“リオン坊ちゃん”
医務室に搬送された重傷者はルイーゼ・サラ・ラウルトと判明。メイド長の証言で、ルイーゼがかつて亡くなった弟「リオン坊ちゃん」を想起していたことが明らかになった。ラウルト家当主アルベルクは退避を命じ、港での救助中に“白い化け物”の襲撃を受け、ルイーゼは致命傷を負ったという。

呼びかけ療法と容体の反転
マリエは活力を引き出すため、同名のリオンに“弟”の役を依頼。リオンが「ルイーゼお姉ちゃん」と呼びかけ手を握ると、ルイーゼの意識が回復し生命力が急上昇。マリエの回復魔法と簡易医療で出血と損傷が安定に向かった。

断片情報:内情の影
朦朧とするルイーゼは「皆死んじゃった」「父も、私たちを裏切ったセルジュも……」と漏らし、ラウルト家内部(または近親勢力)に“裏切り者セルジュ”の存在があることを示唆した。

現状評価
ラウルト家の要人ルイーゼ保護に成功。もう一人の少女も確保。共和国では“白い昆虫型群”と巨大個体の出現、並びに政治・家中の混乱が同時進行している可能性が高い。今後はルイーゼの意識回復後の聴取、救出少女の身元確認、セルジュの素性、六大貴族の動向の確認が急務である。

治療後の消耗と情報の価値
マリエは回復魔法の酷使で疲弊していたが、共和国情勢の鍵を握るルイーゼ・サラ・ラウルト救命を最優先と判断したのである。避難民の証言は「白いモンスターの氾濫」と「聖樹が動いた」という断片に留まり、体系的情報は得られていなかった。

リオンの違和感と“既視感”
マリエはリオンの振る舞いに“親しさ”を感じ取り、面識を疑ったが、リオン本人は「知らないはず」としつつも断言できず、内心の引っかかりを自覚した。これは先の“呼びかけ療法”での感情移入か、あるいは別要因の示唆である。

パルトナーの秘匿機能露見と責任問題
主砲・医療区画の使用でパルトナーの実力が露見し、リオンとマリエは“誰が説明責任を負うか”で応酬した。だがディアドリーは追及より現場対応を優先させ、二人に行動を求めた。

新たな火種:共和国騎士団の暴発
ディアドリーの報告によれば、共和国騎士らが同国の女性一名の処刑を要求し武装で騒然、ローズブレイド側は制止中であった。痴情ではない気配のみが伝わり、動機は不明である。

判断と移動
ディアドリーは「最悪を避けるための即応」をリオンに要求し、必要なら退去措置も辞さずと指示。リオンは説得か収監(船内牢)を選択肢として受諾し、マリエと共に騒動現場へ向かった。

第14話 「レスピナス家の悪魔の子」

騎士団の暴発と制止
共和国の騎士団は重傷のまま武装して殺気立ち、船内の一室にいる「女」を殺害しようと突入を図ったのである。ローズブレイド家の騎士が入り口で阻止し、責任者として呼ばれたリオンが応対に立った。騎士団の副団長格と見られる男は、リオンを見て「リオン様」と呼び驚愕を示した。

場の収拾と医療優先の判断
マリエは負傷者の無謀な行動を叱責し、武器の一時没収と治療優先を強行した。ローズブレイド側の騎士が回収を実施し、共和国側は責任者の指示で従った。リオンは治療室で事情聴取を並行する方針とした。

“標的”の少女と隔離
騎士団が殺害を求めた対象は、リオンが沈没寸前の飛行船から背負って救出したピンク髪ツインテールの少女であった。ディアドリーは彼女を保護・隔離し、監視付き個室を用意する方針を決定した。

マリエの治療と力量
マリエは回復魔法で共和国騎士らの傷を次々と癒した。希少な適性に加え、幼少期からの過酷な鍛錬により、上位層の術者として機能している描写が示された。ただし過度の鍛錬は体躯の成長を犠牲にしたと語られ、リオンはその来歴に痛ましさを覚えた。

副団長オリバーの証言
名乗った男は「オリバー・サラ・アロン」。ラウルト家騎士団の副団長である。彼の説明によれば、先の少女こそクーデターの首謀者であり、「ノエル・ジル・レスピナス」、すなわち“レスピナス家の悪魔の子”であるという。ノエルは六大貴族の関係者を誑かして共和国内で反乱を起こし、やがて「巫女」「守護者」の紋章を持ち出して情勢を逆転、白いモンスターの氾濫と聖樹の変貌を引き起こしたと述べられた。多くの国民は大陸内に取り残され、生存は絶望的との見立てであった。オリバーは「幼子の命までは奪えない」と見逃した過去を悔い、激しい憎悪と自責を吐露した。

一時中断と次への布石
オリバーは興奮で傷口を開き、マリエが治療を優先。リオンは聴取をいったん打ち切り、後刻の再面談と情報整理を決めた。マリエは夜食の手配をリオンに求め、彼は食堂へ向かった。今後はルイーゼの証言、ノエル本人の取り調べ、そして“巫女・守護者・聖樹”に関する体系的情報の収集が課題として浮上したのである。

オリバーの問いと関係確認
オリバーはマリエにリオンとの関係を質し、マリエは婚約者であると明言した。オリバーはそれに納得し、以後は丁重な態度を崩さなかったのである。

ルイーゼ一命の報と謝意
マリエは治療の進捗を伝え、ルイーゼが一命を取り留めた事実を告げた。オリバーおよび騎士らは感涙して感謝を述べたが、マリエは安堵を戒め、事情説明へ話題を戻したのである。

「若君リオン」に酷似という違和感
オリバーは、現リオンが十数年前に亡くなったラウルト家の若君リオンに酷似していると証言した。若君は五歳で没したため、年齢差と外見の符合は理屈に合わず、マリエは強い違和感を抱いた。

私室での再検討と夜食
リオンは私室でマリエに夜食を用意し、双方は共和国情勢と“乙女ゲー二作目”の知識を突き合わせた。マリエは断片記憶を回収しつつ論点を整理したのである。

ノエル=主人公という再定義
マリエは、騎士らが「悪魔の子」と罵るノエル・ジル・レスピナスこそ二作目の主人公であり、レスピナス家は“失われた七番目の大貴族”であると断定した。よってノエルの蜂起には、ラウルト家によるレスピナス家滅亡という復讐動機が成立すると再構成したのである。

ルイーゼ=悪役令嬢像の反転
ラウルト家の令嬢ルイーゼは二作目の「悪役令嬢」相当と位置付けられる一方、現実の振る舞いと周囲の敬愛から単純な悪役ではない像が浮かび上がった。物語上の役割と現実の人格が乖離している可能性が示唆された。

時間軸の前倒しと“聖樹・紋章”事変
本来は三年生相当(来年)に発生する大事件が、何らかの介入で前倒しされたと推測された。巫女・守護者の紋章の顕現、白いモンスター氾濫、聖樹の変貌は、その帰結として説明可能である。

国家・経済への実害と世界終末リスク
魔石輸出国たるアルゼル共和国の崩壊は各国経済に波及し、ホルファート王国も無関係ではないと評価された。さらに二作目がバッドエンドへ収束した場合、「世界滅亡」に至るルートが存在するとのゲーム知識が再確認され、状況の重大性が明確化したのである。

第15話「連鎖」

姉妹断絶の宣告
ヘルトラウダは王城の廊下で姉ヘルトルーデに面会を求めたが、ルーデは「家族の縁を切った」と冷然に突き放した。護衛とメイドの制止によりラウダは拘束され、訴えは退けられたのである。

公国会議と侵攻方針
会議室では伯爵ゲラットが主導し、黒騎士バンデルの威圧で進行が整えられた。議題はホルファート王国への侵攻であり、魔笛喪失で切り札を欠く状況にもかかわらず、王国側の派閥と内通して戦果を得る計画が示された。ヘルトルーデは不快感を示しつつも、実務上これを承認した。

王国情勢の転変
ヘルトルーデが「レッドグレイブ一強」を前提に相手を質すと、ゲラットは「その時代は終わった」と笑い、内紛を梃子に“敵が献上する勝利”を掠め取る段取りを強調した。公国は大陸での橋頭堡確保を狙い、連鎖的混乱の加速が示唆された。

王都広場の晴れ舞台
王都広場ではギロチンが撤去され、聖女認定の式が準備された。舞台袖にはフランプトン侯爵と神官、そして白基調の礼装を纏うオリヴィアがいた。王太子ユリウスは同席を望むも、神殿配慮で見送りとなった。

“聖女”の二重の顔
オリヴィアは群衆の歓声を浴びて「聖女就任」を高らかに宣言したが、その内実は思念体アンの復讐心に彩られていた。表では献身を誓いながら、内心では王家と民衆を唾棄し、“ここから地獄を始める”意思を固めていたのである。

権力者たちの利害と軋轢
フランプトンは王権の威光を演出し、神官は場の格式を盾に距離を求めた。両者の思惑の対立は、王国中枢の利己的連携の脆さを浮き彫りにした。ユリウスは晴れ舞台を前に昂揚し、オリヴィアはそれを利用して支持を取り込んだ。

標的の視線
宣言の最中、オリヴィア(アン)は群衆の中からアンジェリカを視認し、無力感に沈む彼女を注視した。これは今後の報復劇の導火線として、個別標的を見据える動きであった。

聖女認定とアンジェリカの戦慄
王都広場での聖女就任式において、群衆はオリヴィアを熱狂的に称えた。アンジェリカはその声に呑まれつつも、舞台上の微笑を「醜悪」と感じ取り、胸奥の不快と怒りを抑えられなかった。かつて石ころ程度と見なした存在が、いまや自分を見下ろす「怪物」へと転じた事実を前に、彼女は闘志だけを辛うじて手放さずにいたのである。

避難・停泊と情報集約
パルトナーは無人島に停泊し、会議室では共和国避難民からの証言を基に被害の規模を検討した。ディアドリーは「確証を持ち帰るまでは帰還不可」と主張、部下は「危険度が高すぎる」と反対し、方針は対立した。

世界滅亡フラグの確認
リオンとマリエは小声で協議し、二作目の舞台がバッドエンド化すれば「世界滅亡エンド」に至るというゲーム知識を再確認した。回避策は曖昧で、肝心のルクシオンとも連絡不能であった。

聖樹が元凶という裏情報
オリバーからリオン個人に伝えられた機密として、「共和国の聖樹が白いモンスターを産出している」事実が共有された。拡散すれば宗教的動揺を招くため秘匿されていたが、放置すれば増殖が続く可能性が高く、早期の対処が不可避であった。

強行偵察の名目と真意
リオンは「パルトナーで可能な限り接近し、アロガンツ単独で調査」と表向き説明したが、真意は武装満載での“聖樹破壊突撃”であった。ディアドリーは即座に虚を見抜き、「ただ命を賭ける愚か者は嫌悪する」と釘を刺したうえで本音の開示を迫った。

指揮権と覚悟表明
リオンは「今回に限ってはローズブレイド家は足手まとい」と明言し、自ら聖樹破壊に向かう決意を示した。これにディアドリーは逆に欣喜し、“本物の冒険者”としての胆力を称揚、リオンの帰還後に武勇伝を直聞したいと宣言して“ファン”を自称した。

行動計画の骨子
パルトナーは共和国大陸の外縁まで接近、船は待機。リオンはアロガンツで突入し、聖樹を撃破して速やかに離脱する。ディアドリー側には事情を開示したうえで待機を求め、巻き込みを最小化する方針で合意が形成されつつあった。

番外編 「マリエとクラリスのメイド服」

状況設定
リオンはクラリスを「学年一つ上の上級生」から「頼れる年長の女性」と再定義し、現在は自船パルトナー上で専属メイドとして受け入れていた。クラリスは執務室を整えつつ、ローズブレイド家の人間が多数同乗する現状ではリオンの立場が軽んじられ、船そのものを狙われ得ると警告したのである。

クラリスの助言と警戒
クラリスはパルトナーが“喉から手が出るほど”のロストアイテムである現実を直言し、アトリー家の過度関与は避けつつも警戒の強化を促した。リオンは感謝しつつも、至近距離でのやり取りに動揺していた。

ディアドリーの観察と対抗策
ディアドリーは扉越しに二人の空気と「ローズブレイド家が奪う」との示唆を聞き、正面奪取ではなく“人ごと抱き込む”策へ転換。マリエを味方に付け、クラリスと競わせることでリオン周辺の主導権を握る算段を立てた。

マリエのメイド化作戦
ディアドリーはマリエに一日限定の専属メイド案を提示。子供用サイズの可愛い制服を用意し、「普段と違う自分」を見せる効用を説いた。マリエは逡巡の末に承諾し、クラリスへの対抗心も芽生えた。

三者対面と火花
メイド姿のマリエに対し、リオンは裏を勘ぐって怯え気味の反応。マリエは不満を露わにし、クラリスに嫉妬を向けた。クラリスは穏やかに「自分が世話をする」と受け止めつつ、ディアドリーには“余計な火種”の視線を向けた。

マリエの背景と温度差
マリエは幼少期から家事を強いられた過去を明るく語り、ディアドリーとクラリスは一瞬たじろいだ。リオンは“闇が重い”と頭を抱え、場の温度差が露呈した。

結果
かくしてリオンには一日限定で“二人の専属メイド”が誕生。ディアドリーは思惑通りにクラリスとマリエの競争関係を作り、リオン周辺の主導権争いは新たな局面を迎えたのである。

同シリーズ

外伝

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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