小説「嘆きの亡霊は引退したい 1巻」感想・ネタバレ

小説「嘆きの亡霊は引退したい 1巻」感想・ネタバレ

どんな本?

「嘆きの亡霊は引退したい 〜最弱ハンターによる最強パーティ育成術〜」は、槻影 氏による日本のライトノベル。
この作品は、ファンタジーコメディジャンルに属し、なろう系小説として連載されている。

物語は、世界中に存在する宝物殿と、そこに眠る特殊な力を持つ宝具に焦点を当てている。

富、名誉、そして力を求めて、危険を顧みずに宝物殿を探索するトレジャーハンターたちが大暴れする時代を描いており。

主人公のクライ・アンドリヒは、「嘆きの亡霊」のパーティーリーダーとして所属しており、同時に「始まりの足跡」のクランマスターも兼任。
彼はハンターレベル8でありながら、才能もやる気もなく、凡庸な存在。
一方、ティノ・シェイドはソロとして「始まりの足跡」に所属しており、ハンターレベル4に上達しています。彼は「嘆きの亡霊」に入ることを目指しており、クライの後輩として彼を慕い「ますたぁ」と呼ぶ。

この作品は、ライトノベルとして小説家になろうで連載されているほか、GCノベルズ(マイクロマガジン社)からライトノベルとして刊行され。
メディアミックスとして漫画化もされており、2024年にはテレビアニメ化も決定している。

読んだ本のタイトル

嘆きの亡霊は引退したい  ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 1巻
著者:槻影 氏
イラスト:チーコ  氏

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あらすじ・内容

その男――稀代の英雄か、 それともただの人か。

その男――稀代の英雄か、 それともただの人か。 富と名誉、そして力。栄光を求め、危険を顧みず、 世界各地の宝物殿を探索するトレジャーハンター達の黄金時代。 トレジャーハンターになろうぜ―― クライ・アンドリヒと幼馴染達との誓いは、 挫折を余儀なくされたはずだった。 クライには何一つ才能がなかったから……。 にも関わらず、何故かいや増していく周囲の期待。 跳ね上がるのは命の危険。 人間離れしていく幼馴染達が大暴れするたびに、 クライの土下座スキルは高まっていく……! これは一人の青年が円満引退を目指す物語。

嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 1

感想

基本的に勘違い系のコメディだった。

富と栄光を求めて幼馴染達と組んだ冒険者パーティー嘆きの亡霊。

王都随一のクラン「始まりの足跡」の中心パーティーになっていた。

そのリーダーのクライはクランのリーダーでもあった。

でも彼は、、、、
雑魚だった。

何回も足を引っ張るからパーティーを抜け出そうとしてたのに、幼馴染であるパーティーメンバーはクライを完璧に信じており、、

彼の言葉を全て良いように解釈して彼をリーダーの座に縛り付けてしまう。

それを内心は悲鳴を上げてるが、表面上は平静を保っているから勘違いを生むw

その勘違いが良いように回った結果。
王都でも最大で有名なクラン「始まりの足跡」のクランリーダーとなり、二つ名は「千変万化」と呼ばれる王都でトップの冒険者と認識されている。

でも、実態は現場から離れた雑魚。
その辺の中堅冒険者に絡まれたら土下座して逃げてしまうくらい弱い。

でも、持ち前のポーカーフェイスとテキトートークで「千変万化」に全てを良いように変化させてしまう。

それを側で見ている連中は「アレは本物だ」と評価されてしまうので。

何度も書くけど、実は雑魚。
でも、全てが上手く行ってしまう。

それを知っている幼馴染達は、彼を絶対に手放さない。
そして、彼のために迷宮に潜りドンドン強くなって行く。

今巻に出てきたパーティーメンバーはシーフの役職についてる幼馴染で、見た目は小さい少女なのだが、、

調子に乗っている冒険者を見ると襲いかかって〆る攻撃的な性格をしていた。

でも、主人公のクライの前では天真爛漫な少女になる。

何でそうなるのかは後々にわかるのだが、、、

何で犬と同じ扱いを、、、

ソレに慕われるクライって何者?

変なフェロモン出してるの??w

今巻の話では、新メンバー募集をしていたら跳ねっ返りの冒険者達。

乱闘騒ぎを起こし、会場にしていた酒場を半壊にしてしまう。
こんな騒動を起こしてしまったので冒険者ギルドからクライは呼び出しを受けてしまう。

護衛にシーフの弟子を連れて行くが、、

その後、騒動が勃発。

そのシーフの弟子に新メンバー募集の時に来ていた連中を率いて高ランクの冒険者が行方不明になった迷宮の探査に行かせた。

そして、あまりの高ランクなボスが出て来て弟子達が絶対絶命と思いきや、、、

あまりの危険さに急いで現場に駆けつけたせいで、加速して止まれなくなっていたクライがボスを偶然轢いてしまう。

後輩たちよ命を助けるが、奇跡はそう簡単に起こらない。

今度こそ絶対絶命と思ったら。

パーティーメンバーのシーフが現れてあれだけ苦労していたボスを鎧袖一触で倒してしまう。

一流冒険者の力は理不尽だった。。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

アニメ化

PV

GREE Entertainment ANIME & MUSIC【公式】

備忘録

プロローグ

物語の始まりは、幼い頃、友人たちとトレジャーハンターになることを誓った主人公から始まる。彼らは様々な遺跡を巡り、富と名誉を求めて冒険を続ける。

しかし、主人公だけが、彼らの中で唯一、特別な才能を持たないと感じていた。ある日、主人公は帝都で行われる《足跡》クランのメンバー募集イベントに参加するが、そこでは多くのハンターたちが自分の力を示そうと争っていた。イベントでは、特に《聖霊の御子》と《嘆きの亡霊》のパーティが注目されており、主人公は過去に《嘆きの亡霊》のメンバーとして活動していたことが明らかになる。主人公はルーダという女性ハンターと出会い、彼女のパーティ探しを手伝うことになるが、イベントは喧嘩と混乱に包まれてしまう。最終的に、主人公が《嘆きの亡霊》の過去のメンバーであることがティノによって明かされ、物語は緊迫した雰囲気の中で終わる。

物語は、15歳で成人を迎えた主人公とその友人たちがトレジャーハンターとしての冒険を始めることから始まる。彼らはレベル1の宝物殿で腕試しをし、その中で主人公だけが他のメンバーよりも実力が劣っていることを痛感する。主人公は彼らとの実力差に苦悩し、トレジャーハンターを諦める決意を固めるが、仲間たちは彼をリーダーに任命する。数年後、主人公は《嘆霊》クランのリーダーとして、帝都でのメンバー募集イベントに参加する。イベントでは、主人公の過去の仲間やライバル、新たな才能を持つ者たちとの出会いが描かれる。主人公は宝物殿の攻略という直接的な戦いからは距離を置きつつも、戦略や交渉によって彼らの冒険を支え続ける。この物語は、才能の有無に関わらず、それぞれの役割を見つけ、支え合いながら成長していく主人公たちの姿を描いている。

第一章

主人公は《嘆きの亡霊》の一員としてトレジャーハンターの活動を始めるが、宝物殿での冒険が自身の力不足を痛感させる。仲間たちに対し、自分が足手まといであると訴え、トレジャーハンターを諦めるべきだと考える。しかし、仲間たちは主人公の言葉を真摯に受け止め、自分たちも力不足だと認め、それぞれが更なる成長を目指して行動を起こす。主人公はクラン《始まりの足跡》を立ち上げ、トレジャーハンターとしての冒険から一歩引く形で活動の幅を広げていく。

帝都ゼブルディアでは、トレジャーハンターとしての生活が続いていた。トレジャーハンターの聖地として、宝物殿が様々な形で現れ、それらを攻略することが彼らの目的だった。しかし、その過程で起こる様々な騒動や、時には新聞に取り上げられるような大事件も発生する。ある日、主人公は探索者協会からの呼び出しを受け、過去の騒動に対する説明と対応を求められる。罰として、難易度が低いものの、拘束期間が長い「遭難救助」の依頼を受けることになる。この過程で、主人公は自身の立場や役割、そしてトレジャーハンターとしてのアイデンティティについて再び考え直すことになる。

クライが去った後、副支部長のカイナは安堵の息をつき、緊急依頼のファイルをガーク支部長に手渡す。ガークはクライの態度に対して寛容であり、クライのハンター人生を見守ってきたと言っても過言ではない。クライは5年前にハンターとして登録され、その後も変わらず栄光の道を歩んでいる。《始まりの足跡》は帝都で勢いのあるクランの一つであり、クライはそのリーダーとして、傲慢な態度を見せることなく、探協に対しても気を遣っている。依頼選びでは、難易度が低いと見せかけて実は難しい「遭難救助」の依頼を選び、ガークとカイナはクライの判断を信頼している。

罰ゲームを持ってクランハウスに戻った主人公は、予定していたアークが貴族からの呼び出しで不在と知らされる。タイミングが悪く、アークに頼む予定だった依頼をどうするか悩むが、エヴァに自分で行くことを提案される。しかし、主人公は自分が以前と比べて力が落ちていることを理由に拒否し、他の方法を探す。主人公はティノに罰ゲームを押し付けるが、ティノはレベルが4であり、罰ゲームの内容が困難であることを訴える。最終的に、主人公はティノを説得し、別の方法を模索することになる。探協からの依頼を受け、主人公はティノに罰ゲームを渡すが、ティノはそれを受け入れることに疑念を持つ。しかし、ティノが罰ゲームを受け入れた後、主人公はティノに他のハンターを紹介し、一緒に依頼を遂行することを提案する。

第二章

ティノ・シェイドは帝都ゼブルディアで育った女性で、もともとトレジャーハンターになることには興味を持っていなかった。しかし、《聖霊の御子》を率いる《銀星万雷》のアーク・ロダンと《始まりの足跡》の発足人であるクライ・アンドリヒのような著名なハンターの活躍に触発されて、ハンターの道を選ぶ。彼女は現在、マスターから罰ゲームの任務を任され、そのためにパーティを組む相手を探しているが、これに乗り気ではない。探索者協会でルーダ・ルンベックというレベル3のハンターと出会い、彼とパーティを組むよう依頼される。ティノはまた、「金の鍵」という酒場でグレッグ様に接触し、彼にも同じ依頼をする。最終的にはギルベルト・ブッシュも加わり、ティノは彼らに罰ゲームの任務への参加をためらいながらも依頼する。

クラン上層階の執務室でクランマスターとエヴァが話している場面から始まる。クランマスターはティノにパーティを率いさせることに対してエヴァは時期尚早ではないかと懸念を示すが、クランマスターはこれもティノの成長のためだと説明する。クランマスターは自身の判断が適当であることを認めつつも、ティノの強さと逃げ足の速さを信じている。ティノが罰ゲームの任務に苦戦している様子を見せつつも、クランマスターは彼女の成長を願い、任務の成功後にはアイスを食べに行くことを約束する。

ティノはギルベルト少年との模擬戦に挑む。ギルベルト少年は自分より弱い者に従うつもりはないと宣言し、素手でティノに挑むが、ティノの敏捷性と戦闘技術によって圧倒される。ギルベルト少年は何度も立ち上がろうとするものの、ティノの圧倒的な力に抗うことができない。クランマスターはティノを鼓舞し、禍根がなくなるまでギルベルトを倒すよう助言する。

ギルベルト・ブッシュは、剣の才能を持つ天才であり、幼い頃から村で最も強い者として成長した。マナ・マテリアルの吸収速度と許容限界が高く、トレジャーハンターとしての道を選んだのは自然な流れであった。帝都へと向かい、探索者協会に登録した後も、その才能と勇敢さで名声を高めていった。しかし、ティノとの模擬戦で、ギルベルトは自分の力の限界と相手の圧倒的な力を痛感する。自分の大剣「煉獄剣」を使ってもいいと言われるが、それを拒否し、自らのプライドを保とうとする。しかし、《千変万化》と呼ばれる青年が煉獄剣を使いこなし、ギルベルトを圧倒する。これまでのギルベルトの経験とは異なる、理解できない力を目の当たりにし、自分の未来について再考するきっかけとなった。

第三章

帝都ゼブルディアの北西に広がる大森林地帯には、かつて『シルバームーン』と呼ばれる狼の群れが生息していた。これらの狼はその美しい毛皮のためにハンターたちに狩られ、数を減らし、ついには絶滅した。その地に現れるようになった宝物殿「白狼の巣」には、血に濡れた狼の幻影が出現するとされ、ハンターたちにとって新たな挑戦の場となっている。しかし、この宝物殿は歴史を反映するタイプであり、出現する幻影は非常に強力で、死骸を残さない特徴を持つ。クランのメンバーたちはこの情報に基づいて宝物殿の攻略を計画しているが、中には怖がる者もいる。特に、幽霊が出ると噂される場所には足を踏み入れたくないと考える者もいる。エヴァは組織運営能力が高く、クランの物資購入から情報収集まで幅広くこなす。一方で、クランマスターは宝具に強い関心を持ち、時にはクラン運用費を使ってまで宝具を買い漁ることもあるようだ。

クランのラウンジで、臨時パーティのメンバーが集まっている。ティノは任務が遭難の救助であることを告げ、迅速に行動を促す。一方で、あるクランマスターは宝具の魔力チャージをメンバーに依頼している。帝都ゼブルディアの北の街道で「はぐれ」と呼ばれる幻影が商隊を襲い、全滅させた事件が起こり、その幻影が狼であるという情報がリーダーからクランマスターに伝えられる。その狼の幻影が「白狼の巣」から来ている可能性が高いという話になり、クランマスターは内心で不安を感じつつも、ティノたちには任務を成功させる自信を持っている。

しかし、救出対象がレベル5のハンターであることが後になって判明し、クランマスターはその情報を知らなかったことでショックを受ける。他のメンバーはクランマスターがすでに事態を把握していたと思っていたが、実際には情報が不足していたことが明らかになる。結局、クランマスターはティノたちが成功することを祈りながら、状況の対処を考える。

ティノ・シェイドは、基礎訓練を終えて初めて師匠と実戦を想定した組手をした後の記憶が深く刻まれている。師匠は見た目が若く、華奢で可愛らしいが、その実力は膨大で、多くのハンターが恐れる存在である。師匠はティノに対し、「絶対服従」を求め、どんな命令にも無条件で従うこと、そしてクライに逆らう者を一人残さず倒すことを要求する。師匠の真剣な態度と、一切の抵抗を許さない姿勢から、ティノは師匠がただの人間ではなく、ハンターすら恐れる怪物であることを理解する。

【白狼の巣】に向かう途中の森で、ティノが率いる臨時パーティは緊張感を持って警戒しながら進む。パーティはバランスが悪く、広域殲滅能力や治療能力に欠けるが、索敵能力に優れた盗賊が二人いることが幸いだ。森には異常な気配が漂い、遠吠えが響く中、グレッグは不吉な予感を口にする。ティノは、マスターからの依頼であることを理由に、遺書を書かせたことを明かす。パーティメンバーは状況の重大さに気づき、不安を感じながらも、ティノの覚悟を受け入れる。しかし、目の前に現れたのは、予想されていた巨大な狼ではなく、真紅の甲冑を着た狼の騎士であり、パーティはその出現に驚愕する。この異常な状況は、マスターが予測して臨時パーティを組んだ結果であり、パーティは未知の挑戦に直面している。

クランマスター室でひとり、罰ゲームの危険性を知った後の反省と不安を抱えながら、クライは独り言を零していた。ティノや他のメンバーが無事であることを願いつつ、自身の判断ミスを嘆く。特にティノに対する責任を感じ、彼女が師匠のリィズから受けるであろう影響を案じている。クランマスターとしての責任を重く感じ、半ば自嘲しながら、秘密の私室から宝具を携えてティノたちのもとへ向かおうと決意する。その途中、副クランマスターのエヴァに出くわし、彼女の心配をよそに、一人で行動することを選択する。彼は状況を打破するため、自らが持つ宝具を駆使して救援に向かうことにしたが、その中には帝国法に触れる可能性のある危険なアイテムも含まれていることが示唆されている。

狼の騎士との戦闘後、ルーダはティノに撤退を提案するが、ティノは進むことを決定する。狼騎士は非常に強力で、その防御と攻撃力は通常のレベル3宝物殿の幻影とは異なるレベルだった。グレッグはベテランであるが、彼らは狼騎士を倒すのに苦労し、ティノの戦略と注意を引く行動が勝利に繋がった。しかし、ティノは撤退を拒否し、まだ宝物殿に入っていないことを理由に挙げる。

【白狼の巣】で予想される狼型の幻影は、普通の狼よりも大きく、武装している点で異なる。ルーダが以前訪れた際は、現れた幻影は一人でも対処可能なレベルだったが、今回の狼騎士は格上であることが明らかだ。ティノはパーティのリーダーとして、全員を生きて帰らせる義務があると述べ、マスターの意図に従い救助対象が生きていると信じて進むことを決意する。

ティノは戦略を立て、自分とルーダが相手を引きつける間に、グレッグとギルベルトが後衛を強襲する計画を提案する。この計画は、ティノがリーダーとしての資質を示し、マスターの期待に応えるためのものである。

クライはティノを助けるため、夜空を飛ぶ。彼は「夜天の暗翼」という外套型の宝具を使用しており、これは使用者に飛行能力を与えるものであるが、いくつかの重大な欠陥がある。その最大の欠点は、細かい制御ができず、ブレーキがないことである。この宝具の前の持ち主は、使用中に事故死しており、クライはこの欠陥品を引き取った。高速で飛行することができるが、安全性には欠けるため、使用にはリスクが伴う。

クライはその速さを活かし、帝都から【白狼の巣】がある森へと瞬く間に到達する。彼は森の中を高速で飛び、目標の宝物殿を発見する。しかし、最大の課題は宝具にブレーキ機能がないため、停止する方法がないことである。結果として、クライは勢いそのままに宝物殿の穴へと飛び込むことになる。

幻影はかつて存在していた生き物をベースに生み出される。ギルベルトらはウルフナイトと呼ぶ武器持ちの狼人間と戦っていた。これらの敵は恐るべき力と耐久力、素早さを持ち、人間であるティノたちよりも遥かに強い。しかし、ティノたちのチームワークにより、ウルフナイトを倒すことができた。ウルフナイトは個々の力は強いが、協力という概念がなく、これが彼らの最も大きな弱点であった。ティノたちはコンビネーションでウルフナイトを攻略し、その戦い方が効果的であることを証明した。

ギルベルトは煉獄剣の魔力が枯渇していたが、ティノは宝具を持っておらず、戦闘は宝具なしで行うべきだと語る。ティノは宝具を切り札としてのみ使用し、普段の戦闘では使わないという哲学を持っていた。彼はまた、宝具を師匠を通じてマスターに渡し、マスターが宝具の性能を調べた後、良い物であればアイスを食べに連れて行ってもらえると語った。これに対し、グレッグはティノが都合よく搾取されているのではないかと疑問を投げかけるが、ティノはマスターのことを神と称賛する。

一時間ほど歩いた後、彼らの視界が広がり、王の間と思われる場所に到達した。ティノは、ここが宝物殿になる前はシルバームーンの群れの長の部屋だったと推測し、グレッグは少し休憩を提案するが、ティノはパーティの状態を確認した後、休憩するほどでもないと判断し、ボス部屋の確認を優先することを決める。彼らは宝物殿の最奥に向かい、強力な幻影が現れる可能性が高い場所、いわゆる『ボス部屋』に近づく。ティノは、ボス部屋の近くで一時停止し、周囲の気配を感じ取ろうとするが、彼女は何かがいると感じる。

ティノは、この依頼がグレッグにとって現状を打破する機会だったと説明し、マスターが彼らを選んだのは偶然ではなく、全員を助けようとする意図があったと主張する。ルーダの参加理由については、ティノははっきりと答えられないが、胸の大きさが関係しているのではないかと推測する。一方で、ギルベルトは、ティノが最初にボスに立ち向かうことに疑問を投げかけるが、ティノは自分がハンターであることを理由に挙げ、ボス部屋に向かって疾走を開始する。彼らは、強力な幻影との戦いに備えている。

ボス部屋に到達した彼らは、巨大な真紅の戦斧を持ち、全身を黒色のプレートアーマーで覆った巨大な狼人間と対峙する。この狼人間は、今までに遭遇したウルフナイトよりも二回り大きく、強化された肉体を持っており、その白銀色の毛皮と人間の頭蓋骨で覆われた顔は、禍々しくも美しい月色をしていた。戦斧の一撃はティノにとって避けるのが精一杯で、彼女の得意な蹴り技も鎧を打ち砕くことはできなかった。パーティは強大な敵に圧倒されながらも、撤退することなく戦いを挑む。

ギルベルトとグレッグは、狼人間の攻撃をなんとか防ぎつつ、弱点を探るが、その硬い鎧を貫くことはできない。ルーダは牽制と警戒を担当し、狼人間の動きを分析する。戦斧を避けつつも、ティノは狼人間の頭部、唯一の無防備な部分を狙うが、その大きさと速さに苦戦する。

グレッグの剣が折れる瞬間、狼人間の隙をついてルーダが短剣を投げ、一瞬の間を作る。その間を利用してギルベルトが攻撃を受け止め、ルーダはグレッグを押しのけて戦斧の一撃から救う。そして、ティノはこの隙を突いて狼人間の頭部にショートソードを突き刺し、ついに巨大な狼人間を倒す。狼人間の消失と同時に、ティノの腿からは血が流れるが、彼女は任務を遂行し、試練を乗り越える強さと勇気を示した。

疲労しきったメンバーは、白銀色の毛皮を持つ巨大な狼人間たちとの戦いから一息ついていたが、安堵も束の間、さらに四体の同様な狼人間が現れる。先に倒したと思われた敵が、実は一体だけではなかったことが判明し、メンバーは絶望的な状況に陥る。ティノは戦闘による傷をポーションで治療し、メンバーも怪我の状況を確認しながら、どう対処するかを模索する。さらなる敵の登場に、彼らは逃げ場を失い、絶望的な状況に立たされる。しかし、ティノはリーダーとしての責任を感じ、諦めずに戦い続ける決意を固める。絶望的な状況の中、彼らは再び戦いに挑むことを決意する。

四体の白銀の狼騎士に囲まれたティノたちは、圧倒的な力の差を前に絶望的な状況に追い込まれる。ギルベルトは敵の攻撃を受け飛ばされ、グレッグも攻撃を試みるが、敵の力は圧倒的であった。ティノは「弾指」という宝具を使い、敵の目を狙う作戦を立てる。ルーダの援護と共に、ティノは魔法の弾丸を発射し、狼騎士の一体の目を狙うが、効果は限定的だった。逃げ道を塞がれ、戦闘はさらに激化し、ギルベルトは再び戦いに加わるが、状況は好転せず。絶望の中、全員が限界に達していたが、突如として何かが狼騎士を襲い、戦況に変化が生じる。

第四章

ルークは、自分が掴んでいる宝具の暗視能力を使いながら、暗くて狭い宝物殿の中を、コントロール不能に近い速度で飛び回っている。彼は、過去の仲間との会話や、自らの死を覚悟する瞬間を経験しながらも、幻影を高速で避け、進んでいく。しかし、その暴走は自己責任であり、彼自身がその状況に陥ったことに気づきつつある。幻影との衝突を避けながらも、彼はティノとその仲間たちが生きていることを確認し、安堵する。

彼は、自らが引き起こした混乱の中で、ティノたちと再会する。しかし、その喜びも束の間、再び彼らを襲う幻影との戦いが始まる。ルークは、自分の命を守るために、持っていた「弾指」という宝具を使う準備をする。この宝具から放たれる魔法の弾丸は、幻影に向けられるが、その瞬間彼は「僕の命は──十七個あるんだよ」というセリフを口にする。彼の行動と決断は、彼が直面している危険を乗り越えようとする決意を示している。

トレジャーハンターとしての活動は、マナ・マテリアル吸収率などの才能が必要であり、そのためハンターの数は限られている。主人公は、自分に才能がないことをハンターになってから知り、幼馴染の中で唯一の無才であったが、彼らの成功によって少しマシな状態になっている。彼は死にたくない一心で、攻撃を一度だけ防ぐ「結界指」という宝具を十七個も持っているが、それでも無敵ではない。宝具「弾指」を使用して幻影に攻撃を仕掛けるが、実際には幻影にダメージを与えることができず、逃げるための時間稼ぎにしかならなかった。しかし、幻影たちが彼が持つ「シトリースライム」を恐れていることを利用し、逃走する機会をつかむ。カプセルを投げつける振りをして幻影たちを撤退させ、ティノたちと共に逃走を図る。最終的に、カプセルの中身が空だったことに気づくが、それに気付かれる前に逃げ出すことができた。

ティノは、彼女が敬愛するクライ・アンドリヒが、小さな革のポーチから次々にチョコレートバーを取り出し、仲間たちに分け与える姿に感動する。クライはティノにとって憧れの存在であり、その優しさや判断力、追跡能力、そして場を和ませる力に感銘を受けている。ティノは、クライがレベル10に相応しいハンターだと感じている。クライは遭難した者たちの救助を最優先し、遭難者の体力を考えて速やかに宝物殿からの脱出を決意する。クライはティノにリーダーとしての役割を任せ、ティノはそれに応える決意を新たにする。さらに、ティノはロドルフが襲われた人型のウルフナイトについての情報を共有することを提案する。

小さな人影が、白銀のウルフナイトたちの前に現れる。この人影は、ウルフナイトたちがかつて経験したことのないような、警戒すべき臭いが染み付いた金属片を持っていた。ウルフナイトたちは、この臭いに本能的に警戒感を抱きつつも、それが安全ではないことを理解していた。彼らは不思議な鎖によって足止めされていたが、今ではその対処法を知っている。小さな人影は、顔全体を骸骨で覆っており、その死の気配はウルフナイトたちのそれを超えていた。この人影は、ミドルサイズの透明な剣身を持つ剣を握っていた。この剣はかつてレベル8のハンターが所有していたものであり、ウルフナイトたちはその事実を知らない。【白狼の巣】と呼ばれる宝物殿は、かつての魔獣シルバームーンの残した呪いによって強い影響を受けている。この場所は人への憎悪と憧れが混在する場であり、ウルフナイトたちが二足歩行や道具を使うのもその影響である。この宝物殿は、現在、レベル5のハンターを撃退できるほどの危険な場所となっている。ウルフナイトたちは、笑う骸骨の面を持つ人影に対して憎悪を込めた咆哮を上げる。

第五章

ロドルフ・ダウーは帝国騎士団出身で、トレジャーハンターに転身した人物である。彼はマナ・マテリアルを吸収し、槍術の技を磨いていた。彼の攻撃力は巨大なランス型の宝具『風竜閃』によって顕著で、それは分厚い金属の盾を貫通し、風の能力で敵を蹂躙する。また、防御においても全身鎧を身に纏い、盾を用いて鉄壁の防御を誇る。ロドルフは自身の力に絶対の自信を持ち、レベル5のハンターとしてさらなる経験を積むことを目指していた。

ロドルフと彼のパーティはレベル3の宝物殿への依頼を受け、初めは順調に探索を進めていた。しかし、宝物殿を訪れて三日目に幻影のレベルが上がり始め、異常な強さの敵が現れるようになった。それでもロドルフたちは強すぎて、当初は警戒していたもののすぐにそれを解消した。さらに探索最終日には、完全な人骨を被る小型のウルフナイト──シルバームーンの怨念の化身と出会うこととなった。

全員が体力をある程度回復し、運命を決める帰還を開始した。怪我人が半数を占め、宝物殿に異常が発生している状態で、全員の生還は神頼みの状態であった。ロドルフは慈悲深き献身の魔力を使い切って何とか歩ける状態に回復し、ティノが先頭を警戒しながら進む中、ロドルフはもしボスが出たら盾になると宣言した。ティノは誰も見捨てないと応答した。

ロドルフは自分たちが生き残れたのは、遊んでいた敵によるものだと語り、敵が強すぎたことを悔やんだ。彼らは途中で強力な幻影に遭遇し、その恐怖と絶望を強く感じていた。ギルベルト少年も含め、全員がその強大な敵の存在に恐怖を感じていた。

曲がり角から、顔全体を人間の頭蓋骨で覆った人型の強力な幻影が現れ、全員が絶望的な状況に陥った。続いてもう一体、小柄な人影が現れ、手には失われたはずの宝具が握られていた。この予期せぬ展開に全員が驚愕し、特にティノは恐怖で取り乱した。しかし、その時、笑う骸骨の頭がゆっくりと動き、皆の絶望的な状況を一変させた。「あれ、リィズちゃんやんけ」という言葉が出た瞬間、状況の真相が不明なまま、何が何だかわからない状況になった。

白狼の巣に蓄積された莫大なマナ・マテリアルによって、上位の存在であるレッドムーンが顕現した。この新たに誕生した存在は、シルバームーンの王としての理想と怨嗟を体現していた。白銀の狼騎士たちはその臣下となり、群れのボスに仕える優秀な騎士として機能した。レッドムーンは自己を超える力と知性を有し、侵入してきたハンターたちに対して圧倒的な強さを見せつけた。この力があれば、シルバームーンの全滅はなかったであろう。ボスは恨みを持たず、自身の力によってハンターたちを滑稽に感じ、彼らの絶望を愉快に思った。最終的には巣を拡張することも考えられるが、それは仲間が増えてからの話である。ボスは『嘆きの亡霊』と出会い、その歓喜の笑みを浮かべた存在と対峙することになった。

風、影、雷、炎、嵐のような存在感を持つリィズ・スマートは、その場にいた全員を圧倒した。何の前触れもなくボスを吹き飛ばし、誰もが彼女の動きを認識できなかった。リィズは《嘆きの亡霊》のパーティシンボルである『笑う骸骨』の仮面を外し、可憐ながらも爆発しそうな危うさを持つ真の姿を現す。リィズの速さと力は誰にも匹敵しないもので、彼女は手加減を覚えたと言いながらも、ティノや他のハンターたちを恐れさせる。リィズはウルフナイトの銃弾を素手で受け止め、彼らを瞬時に蹂躙した。彼女の能力は『速い』ことで、この世界に存在する誰よりも、何よりも速く動ける。リィズは圧倒的な速度でウルフナイトとボスを破り、その場にいた全員を圧倒し、自分の力を示した。最後には、リィズがクライにただいまと言い、抱きつくシーンで締めくくられる。

エピローグ

『笑う骸骨』を被ったリィズは、それが格好いいと言いながらも、被ると怪物のように見えると指摘する。田舎の町には、それぞれ異なる夢を持つ六人の子供がいた。勇敢な少年は剣士を、好奇心旺盛な少女は盗賊を、優しい少年は守護騎士を、賢い少女は魔導師を、自分にできることを考えた少女は錬金術師を目指した。彼らは常に強さを追い求め、その天賦の才と努力で目指したものを成し遂げた。『笑う骸骨』は、いつしか畏怖の象徴となった。

ギルベルトは、【白狼の巣】の攻略から生還し、自分の力を過信していたことを認める。救助対象を無事帝都まで送り届け、依頼は完遂されたが、ギルベルトはこの経験から自分と真の強さとの間に大きな差があることを痛感する。パーティの仲間たちとの絆を感じながら、これまでの自分を見直し、一から鍛え直す決意を新たにする。そして《千変万化》に礼を伝え、いつか弾丸を素手で掴めるようになると宣言する。ギルベルトは、これまでの武器「煉獄剣」を《千変万化》に預け、素手での強さを目指すことを決める。ティノはギルベルトの未来を信じつつも、リィズの仮面が特別製であり、彼女が弾丸を掴んだ際も実際には見えていなかったことを伝える。

主人公は、精神的および肉体的に極度の疲労を感じている。【白狼の巣】での異常事態は、通常では考えられない規模であり、リィズのような強力なハンターがいなければ、彼を含めたハンターたちは全滅していただろう。主人公は、リィズが仮面をデザインした際に目の部分に穴を開け忘れたことを思い出しながら、彼女たちの成長を感じている。自分とリィズたちとの力の差を痛感し、ハンターをやめることを決意する。しかし、リィズがもし自分がハンターをやめれば一緒にやめると言い出し、これに対して主人公は混乱する。最終的に、リィズがついてくることを理由に、もう少しハンターを続けることにする。主人公は、リィズたちの努力を無駄にしないため、そして彼らが集めた影響力と実力を考えると、彼らの未来を潰すわけにはいかないと感じている。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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