漫画「【推しの子】 8 第六章 プライベート編」 感想・ネタバレ

漫画「【推しの子】 8 第六章 プライベート編」 感想・ネタバレ

【推しの子】 7巻 レビュー
【推しの子】 まとめ
【推しの子】 9巻 レビュー

どんな本?

『推しの子』は、原作を赤坂アカ 氏が、作画を横槍メンゴ 氏が手掛ける日本の漫画作品。
2020年4月23日から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載が開始され、1週遅れで『少年ジャンプ+』でも連載されている。
本作は赤坂にとって4作目、横槍にとって6作目の連載作品で、赤坂は『かぐや様は告らせたい』の連載中に本作を開始し、異例の2作品同時週刊連載となった。

この作品のジャンルは青年漫画で、主人公は死後に前世の記憶を持ちながら、推していたアイドルの子供として生まれ変わるというファンタジー設定を持つ「転生もの」です。ストーリーは、サスペンス要素や現代社会を投影した展開、芸能界の闇への切り込みなどが特徴。

タイトルの「推しの子」は、「応援している人」を意味する言葉「推し」から来ており、主人公とその妹のことを指している。
本作のタイトルロゴでは、隅付き括弧(〖〗)が使用されており、これは外側が二重線になった独自の記号を用いることが正式表記とされ、演出上の意味がある伏線となっており。

作品は芸能界の華やかな部分とシビアな部分の両方を描いており、斬新な設定と予測不能な展開で多くの反響を呼んでいる。
個性的な作風の作家二人がタッグを組んだことで、独自の世界観が生まれている。
2020年7月1日から9月30日にかけて発売された単行本第1巻は、同期間で日本で最も売れた作品となり、2023年11月時点でシリーズ累計部数は1500万部を突破。

物語は章ごとに区切られており、各章の最後のコマや、単行本各巻冒頭の登場人物紹介、あらすじのページで章ごとのサブタイトルが掲示されている。
プロローグ「幼年期」では、田舎の産婦人科医ゴローが、自分に懐いていた患者で、12歳で亡くなった少女さりなの影響でアイドルオタクになり、活動休止中の推しアイドル・星野アイが双子を妊娠した状態で現れたことから物語が始まる。

アニメについては、2023年4月から放送が開始されている。
第1話は90分の拡大版で、2023年3月17日には『推しの子 Mother and Children』のタイトルで全国の劇場で先行上映された。

読んだ本のタイトル

推しの子】 8
原作:赤坂アカ 氏
漫画:横槍メンゴ 氏

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あらすじ・内容

「私アクアくんとなら……キスだってHだってやじゃないよ?」
第六章プライベート、展開中!! 星野アクアは、自身の父親の現状を知り、“芸能界”への復讐心は下火となっていた。一方、星野ルビーら新生『B小町』はユーチューブでの人気テコ入れの為、MV撮影を決意!! 2.5次元舞台の慰安も兼ねて、アクアや黒川あかねも帯同して、“神話の街・高千穂”へ!! そこは、前世のアクアとルビーが死んだ場所でもあり…。
“赤坂アカ×横槍メンゴ”の豪華タッグが全く新しい切り口で“芸能界”を描く衝撃作…第8巻!!

【推しの子】 8

感想

2.5次元舞台が終わり。
復讐対象が死んでおり気が抜けた星野アクア。
そんなアクアの慰安を兼ねて。
アイドルグループ、B小町の新たな挑戦としてミュージックビデオの撮影を高千穂で行うこととなる。
高千穂は、アクアとルビーが前世で生きていた神秘的な場所で。
この撮影を通じて、ルビーは衝撃的な事実を知ることに。

アクアの前世、ゴローの遺体が発見されるのである。
ルビーはかつての自分に優しくしてくれた先生の死を知ることで、新たな感情、復讐の気持ちが湧き上がる。

一方、アクアは彼の父の真実を知ることで、自らの復讐心を失っていた。
その中で、アクアと黒川あかねの2人の関係性が深まる。

アクアは、自らの過去と向き合うことで、自らを新たに定義しようとする。
一方、ルビーは、ゴローの遺体を発見したことで、自分自身の過去との繋がりを深く感じ、新たな目的を見つける。
そして、物語は新たな展開を迎える。

この第8巻は、アクアとルビーの関係性や彼らの過去と現在、そして未来への思いが描かれており、非常に感情移入しやすい内容でした。

ルビーがゴローの遺体を発見するシーンでは、彼女のショックと痛みを実感し、アクアが父の真実を知るシーンでは彼の葛藤を感じることができました。

特に、ルビーの復讐心の炎上とアクアの父に対する復讐心の再燃がどういうタイミングで燃え上がるのか。

次巻への期待感を高める要素となっています。

そして、黒川あかねの洞察力や、彼女とアクアとの間に芽生える関係の進展も今後の展開が楽しみです。
物語の深さと、登場人物たちの成長、そして新たな展開を楽しむことができる一冊でした。
次巻も非常に楽しみです。

【推しの子】 7巻 レビュー
【推しの子】 まとめ
【推しの子】 9巻 レビュー

最後までお読み頂きありがとうございます。

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キャラクター紹介

アクア(星野愛久愛海)

アイの息子であり、前世の記憶を持つ役者である。父親探しという目的を一度は失ったものの、周囲との関係や過去の因縁に再び向き合うことになる。

・所属組織、地位や役職  苺プロ所属・役者。

・物語内での具体的な行動や成果  DNA鑑定の結果から父親は死亡したと結論づけ、復讐からの解放を宣言した。有馬かなとの外出では、彼女の立場や好みを考慮した自然なエスコートを行った。黒川あかねに対し、これまで彼女を利用していた事実を謝罪し、改めて守る立場になることを伝えてキスを交わした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  あかねとの関係は「ビジネスカップル」から、互いの本音を共有する新たな段階へと変化した。

ルビー(星野瑠美衣)

アイの娘であり、新生「B小町」のセンターを務めるアイドルである。天真爛漫な性格であったが、自身の根幹に関わる衝撃的な事実を知り、内面に大きな変化が生じる。

・所属組織、地位や役職  苺プロ所属・アイドル(B小町)。

・物語内での具体的な行動や成果  PV撮影を兼ねた宮崎旅行を提案した。高千穂の森で、前世からの想い人である雨宮吾郎の白骨遺体を発見した。謎の少女から、アイと吾郎の死に関わる犯人が生きていることを示唆され、復讐を決意した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  復讐心の芽生えとともに両目に暗い星が宿り、アイドルとしての表現力が覚醒した。MV監督のアネモネから、その変化による資質を高く評価された。

黒川あかね

劇団「ララライ」に所属する若手実力派女優であり、アクアの交際相手である。高い洞察力を持ち、アクアの内面や嘘を深く理解している。

・所属組織、地位や役職  劇団ララライ・女優。

・物語内での具体的な行動や成果  アクアとの関係解消を予期し、歩道橋で話し合いの場を持った。宮崎旅行に同行し、精神的に不安定になったルビーを支えた。アクアから「利用していた」と告白されたが、それを承知の上で受け入れ、彼が苦しむならば身を引く覚悟があることを伝えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  アクアとの関係は解消されず、互いの意志を確認し合う形で継続された。

有馬かな

元天才子役であり、新生「B小町」のセンターを務めるアイドルである。アクアに好意を抱いており、彼とあかねの関係に複雑な感情を持っている。

・所属組織、地位や役職  苺プロ所属・アイドル(B小町)。

・物語内での具体的な行動や成果  アクアと二人で食事や買い物に行き、誠実な対応に心を動かされた。MV撮影では、過酷な環境下でも高い演技力と集中力を発揮し、楽曲の世界観を体現した。あかねとの温泉での会話で、アクアとの関係について探りを入れた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  MV監督のアネモネから、現場で何かを起こす力があるとして「推せる」と評価された。

MEMちょ

人気ユーチューバーであり、新生「B小町」のメンバーである。メンバーの中では最年長であり、大人の事情に対応できる立場にある。

・所属組織、地位や役職  苺プロ所属・アイドル(B小町)。

・物語内での具体的な行動や成果  MV撮影において、労働基準法の制限がある年少組とは別に、深夜帯での単独撮影を行った。知人のクリエイターであるアネモネを宮崎での案内役として紹介した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

アネモネ

MEMちょの知人であり、映像クリエイターである。宮崎県高千穂町に拠点を置き、神話や土地の伝承に詳しい。

・所属組織、地位や役職  映像クリエイター・MV監督。

・物語内での具体的な行動や成果  新生「B小町」のMV撮影における監督を務めた。当初は有馬かなの才能を評価していたが、後に覚醒したルビーの表情を見て、その評価を一変させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

謎の少女

宮崎の森に現れた、カラスを連れた少女である。外見は幼いが、過去の事件や人間関係について深い知識を持っている。

・所属組織、地位や役職  不明。

・物語内での具体的な行動や成果  ルビーの宿の鍵をカラスに奪わせ、雨宮吾郎の遺体がある場所へと誘導した。その後、ルビーに接触し、吾郎とアイを死に追いやった犯人の情報を与え、復讐を促した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルビーが「役目」を自覚するきっかけを作った重要人物である。

雨宮吾郎

アクアの前世の姿であり、かつて宮崎の病院に勤務していた医師である。長らく失踪扱いとなっていた。

・所属組織、地位や役職  医師(故人)。

・物語内での具体的な行動や成果  高千穂の森の祠の裏で、白骨化した遺体となって発見された。所持していたクレジットカードにより身元が特定された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  遺体発見により死亡が確定した。

ミヤコ(斎藤ミヤコ)

苺プロダクションの社長であり、アクアとルビーの育ての親である。所属タレントの精神状態や体調を管理する立場にある。

・所属組織、地位や役職  苺プロダクション・社長。

・物語内での具体的な行動や成果  遺体発見後のルビーの様子がおかしいことに気づき、精神的なダメージを懸念した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  特になし。

出来事一覧

第七十一話 歩道橋

関係解消についての対話
  • 当事者: 黒川あかね vs アクア
  • 発生理由: あかねが、アクアの言動から自分との関係解消を考えていると察したため
  • 結果: あかねは本気の恋心を伝え関係継続を望んだが、アクアは即答せず、結論は出なかった

第七十二話 自由

恋愛感情と自由を巡る問答
  • 当事者: 黒川あかね vs アクア
  • 発生理由: あかねが、恋愛感情の伴わないキスの是非や、復讐終了後の「自由」という言葉への違和感をアクアに問い詰めたため
  • 結果: あかねが体調不良を理由にその場を離れ、話し合いは中断された(事実上の距離を置く形となった)

第七十四話 高千穂

あかねの同行に対する反応
  • 当事者: 有馬かな vs 黒川あかね(の存在)
  • 発生理由: 社内旅行にあかねが参加することに対し、有馬かなが複雑な感情を抱いたため
  • 結果: 有馬かなが微妙な反応を見せ、独特の空気が生じた

第七十六話 MV

衣装チェックでの厳しい指摘
  • 当事者: 黒川あかね vs 有馬かな
  • 発生理由: 撮影衣装に着替えた有馬に対し、あかねがチェックを行ったため
  • 結果: あかねは一見厳しい評価を下したが、実際には衣装の乱れを直し、内面では称賛した

第七十七話 再会

宿の鍵の強奪
  • 当事者: カラス vs ルビー
  • 発生理由: ルビーが会話に夢中になっている隙に、カラスが鍵を奪ったため
  • 結果: ルビーとあかねは鍵を取り返すために夜の森へ入り、カラスを追跡した
白骨死体の発見
  • 当事者: ルビー、黒川あかね vs (遺体の状況)
  • 発生理由: カラスを追って森の奥にある祠へ辿り着いたため
  • 結果: 行方不明だった雨宮吾郎の白骨死体を発見した

第七十八話 利用

「利用していた」ことへの告白と清算
  • 当事者: アクア vs 黒川あかね
  • 発生理由: 吾郎の遺体発見を受け、アクアがこれまであかねを復讐や調査のために利用していた罪悪感を吐露したため
  • 結果: あかねはそれを承知していたと明かし、アクアは「守る側」に回ることを決意してキスを交わした

第七十九話 役目

星野アイ殺害事件(過去)
  • 当事者: 二人組の男のうち一人 vs 星野アイ
  • 発生理由: 謎の少女による語りの中で言及された過去の事実
  • 結果: 星野アイが殺害された
謎の少女による扇動
  • 当事者: 謎の少女 vs ルビー
  • 発生理由: 少女がルビーに接触し、吾郎とアイの死に関わる犯人の情報を一部明かしたため
  • 結果: 少女は犯人を突き止めるのがルビーの役目だと告げ、ルビーは激しい憎悪と復讐心に目覚めた

第八十話 願い

温泉での探り合い
  • 当事者: 有馬かな vs 黒川あかね
  • 発生理由: あかねのアクアに対する言動から、有馬かなが二人の関係性の変化(一線を越えた可能性)を感じ取ったため
  • 結果: 有馬かなは複雑な感情を抱き、心中で動揺した

展開まとめ

第七十一話 歩道橋

東京ブレイド千秋楽後の空白
舞台「東京ブレイド」は千秋楽を迎え、出演者たちは一区切りの時期に入った。アクアは父親を探すという明確な目的を失い、事務所のソファで予定の空白を前に無為な時間を過ごしていた。スケジュール帳も白く埋まらない状態となり、将来への準備が整っていない現状を自覚していた。

宮崎旅行の提案と有馬かなの反応
ルビーはPV撮影を兼ねた宮崎旅行を提案し、アクアを誘った。アクアが同行するかどうかに、有馬かなは露骨な関心を示しながらも自分からは言い出せず、周囲のやり取りを気にする態度を見せていた。アクアが参加を決めると、有馬は一転して饒舌になり、喜びを隠しきれない様子であった。

黒川あかねとの面会
アクアは途中で有馬たちの元を離れ、黒川あかねと会うために外出した。二人は恋愛リアリティーショー終了後も、ビジネスカップルとしての関係を継続しており、日常的な会話や外出を重ねていた。宮崎旅行の話題も自然な流れで共有され、関係性は形式上の交際を超えた友人に近い距離感となっていた。

別れを意識させた発言
会話の中でのアクアの言動から、あかねはアクアが関係の解消を考えていることを察した。あかねは曖昧な状態を避け、旅行までこの気持ちを引きずりたくないとして、早い段階で話をつける決断をした。

歩道橋での対話
二人は過去に事件が起きた歩道橋を訪れ、関係について率直に向き合った。あかねは、交際が打算やビジネスで始まったことを理解した上で、それでもアクアに本気の恋心を抱いていた事実を明かした。キスや身体的関係についても否定せず、アクアを引き止めようとする姿勢を示した。

関係性の核心
あかねは、歩道橋で助けられた経験が強く心に残っていることを語り、アクアの優しさを最初から理解していたと述べた。一方で、アクアはその言葉を受け止めながらも即答はせず、二人の関係は明確な結論を迎えないまま残された。

静かな余韻
別れ話は未決着のまま、歩道橋での抱擁という形で場面は締めくくられた。アクアとあかねの関係は、ビジネスでも単なる恋愛でもない曖昧な状態にあり、その行方は今後に委ねられる形となった。

第七十二話 自由

歩道橋での別れ話の継続
歩道橋で向き合ったアクアと黒川あかねは、前話に続き関係性についての話し合いを続けていた。あかねは「キス」や「H」といった行為の意味について、恋愛感情が伴わなければ成立しないものだと主張し、アクアがそれをどう捉えているのかを問い詰めた。アクアは明確な答えを返せず、自身が感情面で鈍感であることを認める形となった。

あかねの自己分析
あかねは、自身のアクアへの気持ちについて整理を試みた。恋愛感情があるかと問われれば肯定はするものの、その確信には揺らぎがあり、自分でも正体を掴みきれていない状態であると語った。初めての交際がビジネスカップルという歪な形で始まったことから、基礎を踏まずに応用から入ってしまった感覚だと表現し、関係の不自然さを言語化した。

アクアの過去と父親探し
話題は次第に、アクアがこれまで進めてきた父親探しへと移った。アクアはDNA検査を多数行い、多額の費用を費やしていた事実を明かし、その過程で異母兄弟の存在を突き止めたこと、そして父親はすでに死亡していたと結論づけた経緯を説明した。母の死の真相を追い続けてきた行動が、結果として終わりを迎えた形であった。

自由という言葉への違和感
アクアは、父親探しが終わったことで復讐から解放され、これからは自由に生きられると語った。しかし、その言葉を聞いたあかねは、どこか納得できない様子を見せた。話の内容自体は理解できるものの、あかねはアクアの中に残る違和感、見落とされている要素の存在を直感的に感じ取っていた。

別れの選択
最終的に、あかねは体調を理由にその場を離れることを選び、二人の話し合いは中断された。別れは感情的な衝突ではなく、互いの未整理な部分を残したまま、距離を置くという形で成立した。アクアは一人取り残され、自身が本当に自由になれたのかを自問する状態となった。

アイの墓前
場面は変わり、ルビーが星野アイの墓を訪れていた。近況やアクアの変化を報告した後、ルビーは墓地を後にする。その直後、帽子とコートを身に着けた一人の男が花束を手にアイの墓へと向かう姿が描かれた。男の正体は明示されず、顔も伏せられていたが、アイの死と深く関わる存在であることを強く示唆する形で物語は幕を閉じた。

第七十三話 スマート

服選びに迷う有馬かな
有馬かなは、アクアと二人で出かける約束を前に、どの服を着るべきかで激しく悩んでいた。可愛いか大人っぽいか、アクアの好みに合うかどうかを考え続け、結論が出ないまま準備に時間を費やしてしまう。その結果、早くから準備していたにもかかわらず待ち合わせに遅れてしまった。

遅刻と合流
待ち合わせ場所に到着した有馬は、遅刻したことを強く気にしていた。しかしアクアは責める様子を見せず、寒さを気遣って温かい飲み物を用意して待っていた。この対応に、有馬は安堵と同時に動揺を覚える。

自然体のエスコート
買い物の最中、アクアは支払いを手早く済ませ、混雑を避ける判断を下し、有馬の荷物を持つなど、終始落ち着いた振る舞いを見せた。有馬の好みや立場を踏まえた選択を重ねる姿は、意図的というより自然な配慮として描かれていた。

白を選ぶ理由
アクアはキャリーケース選びの場面で、白色を選択する。それは有馬のサイリウムカラーに合わせたものであり、有馬自身の象徴を尊重した判断であった。この行動により、有馬は自分がきちんと見られていることを実感する。

予約された店と誤解
アクアは事前に予約が必要な店へ有馬を連れて行く。有馬はその流れから別の展開を想像して動揺するが、アクアの意図はあくまで食事であり、特別な下心を示すものではなかった。二人の認識の差が、軽いすれ違いとして描かれる。

送り届けられる結末
食事の後、アクアはタクシーを呼び、有馬を自宅まで送る。有馬は最後まで緊張と期待を抱いていたが、結果として何事もなく帰宅することになった。アクアの一連の行動は「相手に楽しんでもらう」ことを重視したものであり、有馬はその誠実さに強く心を揺さぶられていた。

第七十四話 高千穂

新曲完成と宮崎行きの決定
新生「B小町」の初オリジナル楽曲が完成し、メンバーはその出来を確認した。作曲家ヒムラによる楽曲は完成度が高く、ルビーたちは手応えを感じていた。楽曲制作が一区切りついたことで、PV撮影を兼ねた宮崎旅行が正式に始動した。

空港での集合と人間関係の揺れ
宮崎行きの空港には苺プロの関係者が集まり、黒川あかねの姿もあった。あかねの同行に対し、有馬かなは複雑な反応を見せる一方、ルビーは親しげに接し、「お姉ちゃん」と呼ぶなど積極的に距離を縮めた。その様子は周囲にも影響を与え、微妙な空気を生んでいた。

高千穂への到着と案内役
一行は宮崎県高千穂町に到着し、メムの知人であるクリエイター・アネモネの案内を受けた。高千穂が神話と深い関わりを持つ土地であり、芸能や歌に縁のある神々と結びついた場所であることが説明され、観光と仕事の両立が示唆された。

過密なPV撮影スケジュール
当初は一本の予定だったPV撮影は二本に増え、スケジュールは一気に過密となった。到着早々、B小町のメンバーは撮影へと向かい、有馬は疲労をにじませながらも仕事に臨むことになった。観光の余裕はほとんどなく、アイドル活動が優先される状況であった。

アクアとあかねの別行動
B小町が撮影に入る一方で、アクアとあかねは別行動を取った。表向きは町の散策であったが、アクアの目的は明確であり、観光パンフレットを広げるあかねとは異なる方向を見据えていた。

病院への接近
アクアが向かったのは、かつて前世の自分が勤めており、アクアとルビーが生まれた病院であった。その場所は同時に、前世で命を落とした地点でもある。アクアはこの地に真相への手がかりがあると確信しており、物語は過去と現在が交差する局面へと踏み込んでいった。

第七十六話 MV

MV撮影の現場と演出方針
新生「B小町」のMV撮影が進行していた。撮影は明確な台本よりも、コンセプトと大まかな流れを共有したうえで、その場の判断を重視する方式で行われていた。ドラマパートとダンスパートを分けて撮影する構成であり、被写体の魅力を引き出すことが最優先とされていた。現場には監督、カメラマン、照明、美術など多くのスタッフが関わり、相応の規模と費用を要する仕事であることが示されていた。

重曹の表情と「可愛さ」の引き出し方
重曹はドラマパートの撮影において、カメラを「好きな人」だと思って振り返る演出を求められた。その結果、無意識に本心が滲むような表情を見せ、撮影側から高く評価された。撮る側の意図と被写体の感情が噛み合うことで、意図以上の成果が生まれる様子が描かれていた。

撮影進行と年齢制限への配慮
未成年であるルビーや重曹の個人パートは、労働時間の制限を考慮して早めに撮影されていた。一方で成人であるMEMちょの個人パートは後回しとされ、深夜撮影も可能な立場であることが示唆されていた。撮影は全体として順調に進行していた。

あかねによる衣装チェックと本音
撮影衣装に着替えた重曹に対し、あかねは一見厳しい評価を下したが、その実、衣装の乱れを細かく直すための指摘であった。整え終えた後は「及第点」と評しつつも、内心では強く称賛しており、表と裏の感情の差が描かれていた。

アクアの評価と無自覚な距離感
重曹はアクアにも意見を求めたが、アクアの評価はあかねと同様に控えめなものであった。実際には目を奪われていた様子が描写されつつも、言葉としては踏み込まない態度を取っていた。

ダンスパートで示された「アイドル性」
ダンスパートに入った重曹は、観る者に強く訴えかける存在感を放っていた。あかねはその姿を「私を見てと叫んでいる」と評し、舞台編を経て自ら前に出る力を身につけた結果だと分析していた。

アクアの確信と警戒心
その姿を見たアクアは、重曹は「売れる」と断言した。一方で、注目されるアイドルに男の影がちらつく危険性をあかねが指摘し、過去の炎上経験を踏まえた警告を行っていた。アクアはそれを受け、アイの事件を思い起こしながら、アイドルという立場の危うさを改めて意識していた。

締めとしての静かな予兆
重曹の才能と輝きは確かなものである一方、成功と同時にリスクも伴うことが示され、物語は期待と不安が交錯する余韻を残して締めくくられていた。

第七十七話 再会

22時の区切りと別行動
MV撮影は22時を迎え、未成年のメンバーは帰宅準備に入った。18歳以上であるMEMちょは一人で深夜の撮影へ向かい、他のメンバーとは別行動となった。一方、撮影を終えたルビーは強く甘える様子を見せ、あかねと同室を希望するなど、無邪気な距離感を保っていた。

夜道の寄り道と無邪気さ
帰路についたルビーとあかねは、夜道でも楽しげな会話を続ける。ルビーは途中でカラスを見つけ、好奇心のまま近づくなど、警戒心の薄さと天真爛漫さを見せた。その流れで雑学めいた話題を口にするが、内容は的外れであり、あかねに突っ込まれる場面も描かれた。

進路の話題と価値観の違い
会話は将来の進路へと移り、ルビーはアイドル活動を最優先に考えていることを語った。女優業への興味も示すが、今は「B小町」として結果を出すことが先だと考えている。一方、あかねは自身の経験を踏まえ、軽々しく別の道に進むことはしない姿勢を示した。

恋心の告白
話題は恋愛へと移り、ルビーは年の差について問いかけたうえで、前世で深く想っていた吾郎への気持ちを語り始めた。病室で孤独だった過去に寄り添い、励まし続けてくれた存在として、吾郎が生きる意味そのものだったことが明かされる。あかねはその想いを否定せず、素直に受け止め、背中を押す言葉をかけた。

鍵を追って森の奥へ
会話の最中、ルビーは宿の鍵をカラスに奪われていたことに気づく。二人はスマートフォンの灯りを頼りに森の中へ入り、カラスを追いかけていく。夜の森という不安定な状況の中でも、ルビーは前向きさを失わず、あかねも冷静に付き添っていた。

祠での発見
カラスを追い詰めた先に、小さな祠とその裏にある空洞が現れた。中へ踏み込んだ二人が目にしたのは、白骨化した遺体であった。白衣と眼鏡を身に着けたその遺体の胸元には、かつてルビーが大切にしていたアイのキーホルダーが残されていた。

変わり果てた再会
遺体の正体は、長らく消息不明となっていた吾郎であった。ルビーは、再会を願い続けてきた相手と、最悪の形で対面することになる。恋心と感謝を抱き続けてきた相手がすでにこの世にいないという事実が突きつけられ、物語は重い余韻を残して幕を閉じた。

第七十八話 利用

遺体の身元確定と事情聴取
警察の捜査により、森で発見された遺体は所持品のクレジットカードから「雨宮吾郎」であると特定された。ルビーは事情聴取を受けるが、受け答えは形式的であり、内面では大きな動揺を抱えたままであった。外見上は平静を装っていたものの、心ここにあらずの状態であることが周囲にも伝わっていた。

ルビーの異変と周囲の懸念
事務所に戻った後も、ルビーは「大丈夫」と繰り返すのみで、自身の感情を整理できていなかった。ミヤコは顔色の悪さや反応の鈍さから、精神的なダメージの大きさを察していた。翌日に控えた撮影に影響が出ることが懸念される状況であった。

深夜の対話と罪悪感
深夜、アクアとあかねは屋外のベンチで向き合っていた。アクアは、吾郎の遺体が見つかったことについて、自分にも責任があるかのように感じていると語った。あかねは、それを明確に否定し、悪いのは殺した人物であると断じた。

「利用していた」という告白
アクアはこれまで、父親の件や調査、復讐に関わる事柄において、あかねを利用してきたことを自ら認め、謝罪した。ビジネスカップルという関係の裏にあった本音を明かし、負い目を感じていたことが示された。

あかねの理解と覚悟
あかねは、アクアが自分を利用していることに以前から気づいていたと明かしたうえで、それを承知のまま関係を続けていたと語った。そして、自分がそばにいることでアクアが苦しむのであれば身を引くべきだと考え、別れを選ぼうとする。その言葉とは裏腹に、涙を抑えきれない姿が描かれていた。

立場の転換と本心
アクアは、復讐の区切りがつき、吾郎の遺体も見つかったことで、自身の中の大きな目的が終わったことを自覚していた。そのうえで、これまで支えてくれたあかねに対し、今度は自分が守る側に回りたいと本心を伝えた。

関係の変化を示す行動
アクアは立ち上がり、あかねの涙を拭い、静かにキスを交わした。それは「利用する関係」からの決別であり、感情に基づいた選択であることが示唆されていた。

余韻として残る不安定さ
二人の関係は新たな段階へ進んだものの、その選択が今後どのような波紋を広げるのかは描かれず、静かな緊張感を残したまま物語は締めくくられていた。

第七十九話 役目

MV外ロケ撮影の継続
雨宮五郎の遺体が発見された直後であったが、新生B小町のMV撮影は予定通り継続された。ルビーは明らかに精神的な不調を抱えたまま現場へ向かい、表情からも消耗が見て取れる状態であった。移動中の車内では、有馬かなが過酷な外ロケ撮影の実情を語り、芸能活動の裏側が改めて示された。

川辺での撮影と有馬かなの存在感
撮影場所は冬の山中の川辺であり、有馬かなは寒さに耐えながらも、撮影中は全力で感情を表に出し、印象的なカットを生み出していた。撮影が止まった瞬間に見せる素の反応との落差は、演者としての力量と覚悟を際立たせていた。

謎の少女との再会と接触
撮影前、ルビーは以前から姿を見せていた謎の少女と再び接触した。少女はカラスを伴い、意味深な態度でルビーに語りかけ、雨宮五郎が失踪した当時の病院周辺で目撃されていた「二人組の男」の存在を明かした。

語られた過去と伏せられた核心
少女は、その二人組のうち一人が後に星野アイを殺害した人物であることを示唆したが、もう一人の正体については明言しなかった。そして、それを突き止めることこそが「貴方の役目」だと告げ、真相を伏せたまま立ち去った。

ルビーの内面に芽生えた復讐心
少女との会話を反芻する中で、ルビーは母であるアイと、初恋の相手である五郎という、二人の大切な存在を奪われた事実を強く意識するようになった。その感情は次第に憎悪へと変質し、犯人を必ず見つけ出すという強い決意へと昇華された。

「役目」の自覚と覚醒
ルビーは自らに課された役目を受け入れ、「絶対に殺してやる」という覚悟を固めた。その瞬間、彼女の瞳には両目に星が宿り、これまでとは異なる覚醒した表情を見せた。それは復讐心と引き換えに解放された、新たな才能の兆しであった。

監督アネモネの評価の変化
MV監督アネモネは、有馬かなを「何かを起こす存在」として高く評価し、強い自己主張と行動力に「推せる」資質を見出していた。一方で、ルビーに対しては教科書的で面白みに欠けると感じていたが、覚醒したルビーの表情を目にした瞬間、その評価は一変した。

第八十話 願い

MV撮影の完了
過酷な外ロケとスタジオ撮影を経て、新生「B小町」のMV撮影はすべて終了した。撮影後は観光の予定が語られるものの、翌日には帰京しなければならず、実際には休息の時間はほとんど残されていなかった。編集作業は監督であるアネモネに委ねられ、一本目は比較的短期間で仕上げる方針が示される一方、二本目については時間をかけて制作したいという意向が語られた。

温泉での会話
夜、温泉に入った黒川あかねと有馬かなは、映画出演や将来について言葉を交わす。話題は自然とアクアとの関係に及び、あかねはキスを受けた出来事を思い返しながら、現在の関係が「正式な交際なのか」を整理できずにいる様子を見せた。かなは、仕事に集中すべき時期ではないかと指摘しつつも、相手を気遣う姿勢を崩さなかった。しかし、あかねの言動から、かなは二人の関係がすでに一線を越えている可能性を察し、胸中に複雑な感情を抱く。

夜の対話と問い
その夜、あかねの部屋に泊まったルビーは、アクアが役者を志した理由について問いかける。あかねは「会いたい人が芸能界にいるから」という説明で濁すが、その言葉だけでルビーは兄の行動の動機をある程度理解してしまう。

荒立神社での祈願
翌朝、一行は芸事にご利益があるとされる荒立神社を参拝する。多くが「売れること」や「問題を起こさないこと」を願う中、ルビーだけは「アクアが犯人を見つけ出せますように」と祈った。復讐心を内に秘めたままのその願いは、彼女の変化を強く印象づけるものであった。

時間の経過と次章への移行
宮崎での撮影旅行は終わり、物語は半年後へと時間が進む。アクアとルビーは二年生に、有馬かなは三年生となり、それぞれの活動が大きく動き出す節目が示される。新章「中盤編」への突入が告げられ、物語は次の段階へと移行した。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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