ささピー 4巻レビュー
ささピー 全巻まとめ
ささピー 6巻レビュー
どんな本?
佐々木がペットショップで購入した文鳥は、異世界から転生した高名な賢者様だった。
可愛らしい賢者様に世界を超える機会と強力な魔法の力を与えられ、佐々木は異世界へと現代の物品を持ち込んで商売を開始。
世界間貿易でお金を稼ぎ、魔法の訓練をして、美味しい物を食べまくる――そんな悠々自適なスローライフを目指してみるも、ある日のこと、会社からの帰り道で佐々木は異能力者と遭遇する。賢者印の魔法で異能バトルを切り抜けるが、その実力を見込まれて内閣府超常現象対策局という異能管理組織からスカウトされ、晴れて転職先が決定してしまい……?
佐々木とピーちゃん 異世界でスローライフを楽しもうとしたら、現代で異能バトルに巻き込まれた件
このライトノベルがすごい2022 単行本・ノベルス部門 1位 獲得!
さらにアニメ化もする。
このラノベがすごい!2023でも安定の評価。
前巻からのあらすじ
お酒に酔っ払ったピーちゃんのミスにより、動画サイトで異世界語を喋る文鳥様と金髪美少女のがバズってしまい。
二人静が用意した拠点の存在がインターネットに流出。
これを確認したことで同所には、お隣さんを筆頭にして、星崎さんや魔法少女、エルザ様と各界の少女たちが集結した。
当然のようにいがみ合う面々。
魔法や異能力、銃弾やマジカルが右へ左へ飛び交う。
その傍らで佐々木には上司から新たなお仕事が与えられる。
太平洋の大海原に巨大怪獣、来訪のお知らせ。
怪獣はピーちゃんの世界の亜竜だと判明。
佐々木は局員として二人静や星崎さんと共に、その調査に向かうことになった。
他方、お隣さんの周囲では、天使とその使徒たちによるアパート爆破が敢行され。
佐々木はマイホームを失う。
佐々木は爆破した天使の1人を捕まえ、怪獣退治に協力させ。
怪獣を異空間に閉じ込め、ピーちゃんが怪獣をボコって怪獣騒動は終了。
読んだ本のタイトル
佐々木とピーちゃん 5 裏切り、謀略、クーデター! 異世界では王家の跡目争いが大決着 ~現代は待望の日常回、ただし、ハードモードの模様~
著者:#ぶんころり 氏
イラスト:#カントク 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
現代では依然として慌ただしい佐々木の身辺。
佐々木とピーちゃん 5 裏切り、謀略、クーデター! 異世界では王家の跡目争いが大決着 ~現代は待望の日常回、ただし、ハードモードの模様~
自宅アパートが爆破されたお隣さんは軽井沢にお引越し。
クラーケン打倒の立役者に数えられた星崎さんの周囲では局外の異能力者が暗躍する。
さらに彼女たちのサポートでてんてこまいする二人静は、まさかの学生コスプレ!?
一方、異世界ではヘルツ王国の跡目争いが大きく進展を見せる。
ササキ男爵やミュラー伯爵が与しているアドニス殿下の兄・ルイス殿下が敵国であるマーゲン帝国への出兵を決定。
玉砕必至の作戦内容を耳にしたことで、佐々木とピーちゃんは王国を守るために帝国へ内偵に向かうことに。
星の賢者様を失い衰退の一途を辿るヘルツ王国に未来はあるのか。
アドニス殿下とルイス殿下、ヘルツ王家の跡目争いが完膚なきまでに決着を迎える第五巻!
果たして佐々木は、星の賢者様の想いを救えるのか。
感想
最後の最後で御新規さん登場!?
今度は宇宙人か??
どんだけ盛り込むんだよww
異世界の方ではササキ男爵領から隣国に塔に閉じこもっていた王子が侵略をする。
王子の率いる軍は快進撃をするが。
佐々木が調べてみるとどうも八百長くさい。
そこに現れる隣国のエルフ好きの辺境伯。
その辺境伯は最初は拘束されたが、謎の数日があったら何故か策謀する側になる。
そしてそのエルフもなかなかの曲者だった。
そんな連中を相手に星の賢者様と佐々木は大立ち回り。
でも王子も王様も、、
国も帝国のせいでグチャグチャ。
第二王子が国王に就任して、多くの貴族が粛清の嵐に、、
そしたら少なくなった貴族のおかげで、佐々木がレストランを任せていたフレンチさんが子爵になってた。
佐々木も大臣に就任。
国を立ち直させて帝国からの侵攻を食い止めなければいけない。
そして、現代に帰って来た佐々木の元に緊急連絡があり、内閣超常現象対策室に急行すると未確認飛行物体が、、
次巻
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ささピー 4巻レビュー
ささピー 全巻まとめ
ささピー 6巻レビュー
考察・解説
デスゲームの激化
現代日本で繰り広げられる天使と悪魔の代理戦争(デスゲーム)は、隔離空間での局地的な戦闘やアパート爆破といった物理的な被害にとどまらず、他勢力の介入や現代のテクノロジーを悪用した情報戦へとさらなる激化を見せている。その主な動向と新たな展開は以下の通りである。
陣営を超えた共闘と他勢力の乱入
・巨大怪獣クラーケンの出現という人類共通の脅威に対し、デスゲームは一時休戦を余儀なくされた。
・佐々木の立案により、クラーケンを周囲の被害が出ない「隔離空間」に封じ込める作戦が実行され、お隣さん(黒須)と悪魔アバドンは、本来敵対している天使やその使徒、さらには異能力者(星崎など)や魔法少女(マジカルピンク)と入り乱れて共闘体制を敷くという、ゲームの枠組みを超えた異例の事態が発生した。
・また、新興宗教団体「セフィラ」の施設における戦闘では、異世界で生き残ってきたデスゲーム参加者たちが別勢力として乱入し、佐々木たちの任務を混乱させるなど、複数の陣営の思惑が複雑に交錯し始めている。
インターネットを通じたデスゲームの暴露
・さらに深刻な激化の要因として、情報化社会ならではの脅威が浮上している。
・お隣さん(黒須)は、スマートフォンで「デスゲーム開催のお知らせ」と題された不気味なウェブサイトやニュース記事が世間で話題になっているのを発見する。
・そのサイトや関連するSNSアカウントには、敗北した使徒の無惨な遺体の写真が多数無修正で投稿されていた。
・アバドンは、このウェブサイトの目的が「愉快犯」「参加者への恐怖の植え付け」「天使と悪魔の存在を世間に知らしめること」のいずれかであり、何者かが意図的に情報を流出させていると推測している。
・過去(大正や昭和)に行われた代理戦争とは異なり、現代の高度な情報処理技術とネットワークによって、使徒の生存競争はより苛烈でスピード感のあるものへと変貌しており、アバドンも「今回の代理戦争は考えているより早く終わるかもしれない」と分析している。
お隣さん(黒須)の孤立と執着の先鋭化
・デスゲームの激化とアパート爆破による住居の喪失を経て、お隣さん(黒須)は二人静が手配した軽井沢の広大な別荘(新居)へと移り住むが、過酷な環境下で彼女の佐々木に対する執着はより先鋭化している。
・彼女にとって佐々木の存在は精神的な安定に不可欠であり、彼が不在の広すぎる新居では強い孤独と不安に苛まれている。
・周囲に集まる他の女性陣(魔法少女、星崎、二人静、エルザなど)の存在に強い嫉妬と焦りを抱く彼女は、アバドンの助言を受けながら、佐々木の関心を惹きつけるためのアプローチを模索し、デスゲームを勝ち抜くための打算や情報戦にも冷徹に適応し始めている。
まとめ
このように、デスゲームは単なる異能バトルを逸脱し、未知の勢力の介入やインターネットを利用した悪意ある情報暴露戦へと発展し、参加者たちをより過酷で予測不能な運命へと追い込んでいるのである。
王位継承争い
ヘルツ王国における「王位継承争い」は、国王の宣言を機に勃発し、隣国マーゲン帝国との戦争や裏で暗躍する大戦犯を巻き込んだ、国家の存亡をかけるクーデターへと発展した。その経緯と結末は以下の通りである。
王位継承争いの発端と派閥の形成
・国王が貴族たちに向け、次期国王を5年後に決定すると宣言し、王子たちに国政への関与と成果を競わせたことが争いの発端である。
・これにより、第一王子のルイス殿下を推すアインハルト公爵の派閥と、第二王子のアドニス殿下を推すミュラー伯爵やササキ男爵の派閥へと国内の貴族社会が二分され、大きく揺れ動くこととなった。
第一王子ルイスの出兵と孤独な戦い
・王位継承を有利に進めるため、ルイス殿下は隣国マーゲン帝国への侵攻を決定し、自ら軍を率いて進軍した。
・道中、彼はマーゲン帝国と裏で通じていると疑われるが、実際には王国の中枢にまで入り込んだ帝国の間者(大戦犯であるエルフのメイジィ)に対抗するため、あえて敵と結託しているように振る舞う孤独な戦いを続けていた。
・ルイス殿下は帝国のトロイ将軍を見事討ち取るが、自身も腐肉の呪いに蝕まれており、肉塊と化す直前に弟のアドニス殿下へ「5年の期日を待たずに次期国王となり、国内に潜んだ膿を出し切れ」と祖国の未来を託して命を落とした。
アドニス殿下の決起と王都奪還
・兄の真意と遺志を受け取ったアドニス殿下は、王都アレストへの進軍(クーデター)を決意する。
・ササキ男爵と星の賢者(ピーちゃん)の計らいにより、ルイス殿下が祖国のために遺してくれた守り手としてゴールデンドラゴンを兵士たちにお披露目し、軍の士気を最高潮に高めた。
・ドラゴンの圧倒的な力により、行く手を阻む帝国派の貴族軍を無傷で蹴散らし、超高速で王城へと突入した。
国王の自刃とアインハルト公爵の野望阻止
・一方王城では、国王がエルフのメイジィによる魅了(チャーム)の魔法を受けて操られていた。
・しかし、ササキ男爵からルイス殿下の立派な最期とアドニス殿下の奮闘を知らされると、自らの意志で魔法に抗い、自刃して崩御した。
・さらに、ルイス殿下の派閥にいたアインハルト公爵は、王位を乗っ取るためにまだ10歳の異母弟エミールを新たな神輿として担ぎ上げようと企んでいた。
・しかし、玉座の間に突入したアドニス殿下らによってアインハルト公爵は討ち取られ、その野望は打ち砕かれた。
まとめ
このように、玉座の間を制圧したアドニス殿下は、その場で第四十八代ヘルツ国王としての即位を宣言し、国家の存亡をかけたクーデターは成功を収めた。その後正式に戴冠式が行われ、アドニス新国王を支えるため、ミュラー伯爵が宰相に、ディートリッヒ伯爵が財務大臣に、そしてササキ男爵が宮中大臣に任命され、新たな王国の体制が確立されたのである。
現代日本での休暇
巨大怪獣クラーケン討伐という大仕事を終えた佐々木たちは、現代日本で束の間の休暇を与えられるが、その休日は様々な出来事や騒動に彩られたものとなった。現代日本での休暇を巡る主な動向は以下の通りである。
休暇の付与とそれぞれの反応
・クラーケン消滅の報告を受けた阿久津課長は、事後処理を局で行うため、現場で対応に当たっていた佐々木、星崎、二人静の三名に数日間の休暇を与えた。
・異世界での活動に時間を割きたい佐々木や二人静がこれを喜んだ一方で、お賃金命の星崎は臨時ボーナスなどを期待していたらしく、不満げな表情を見せた。
・また、仕事に出たいと主張する星崎に対し、課長は語学などの学業を優先するよう指示した。
お隣さんの母親の通夜と新居の確保
・休暇に入った佐々木は、まず二人静と共に、アパート爆破事件で亡くなったお隣さんの母親の通夜に参列した。
・その後、住居を失ったお隣さんとアバドン少年のために、二人静が手配した軽井沢の広大な別荘を新居として案内した。
・佐々木自身も、焼失したアパートに代わる新居として、将来的に大型犬(ゴールデンレトリバーなど)と一緒に飛んだり跳ねたりできるドッグラン付きの一戸建てを夢想し、心を躍らせていた。
星崎との英会話レッスンと実家訪問
・休日の朝、佐々木が滞在するホテルに星崎が制服姿で突然押しかけてきた。
・課長から語学の勉強を促されていた彼女は、佐々木に英会話のレッスンを持ちかけた。
・結果的に佐々木は、星崎が妹と二人で暮らしているマンションの私室を訪問し、英会話の勉強に付き合うことになった。
暴動騒ぎへの対応と呆気ない休暇の終了
・星崎の自宅でレッスンをしていた矢先、近所の大通りで異能力者による暴動騒ぎが発生する。
・佐々木と二人静は一般市民の不利益を避けるため、二人静が正義のヒロイン「セーラー仮面」に、佐々木が変身魔法で「怪人ミドルマネージャー」に変装して特撮ヒーローのような芝居を打ち、公の機関を巻き込まずに事態を収拾した。
・しかし、この騒動の事後処理を終えて局に呼び出された佐々木たちは、阿久津課長から、世界中で目撃されている「未確認飛行物体(UFO)」の調査を新たに命じられてしまう。
まとめ
このように、この騒動の事後処理を終えて新たな調査を命じられた結果、彼らの休暇は名目四日、正味三日という短さで呆気なく終了することとなったのである。
お隣さんの家族問題
佐々木のアパートの隣室に住む中学生の少女・お隣さん(黒須)は、極めて劣悪で複雑な家庭環境に置かれている。その過酷な家族問題が、彼女の佐々木に対する異常な執着や、デスゲーム(天使と悪魔の代理戦争)への参戦に大きな影響を与えている。お隣さんの家族問題に関する主な動向とポイントは以下の通りである。
母親による育児放棄(ネグレクト)と虐待
お隣さんの両親は離婚しており、彼女は母親と暮らしていたが、母親は養育をほぼ放棄していた。
- 母親が交際相手の男性を家に連れ込んでいる間、お隣さんは家に入ることができず、真冬であっても防寒具なしでアパートのドアの前に締め出される過酷な生活を送っていた。
- 彼女が餓えをしのぐことができたのは、佐々木が密かに差し入れていたパンや食料のおかげであった。
母親の恋人からの暴行未遂と悪魔との契約
ある日、お隣さんは玄関前で母親の新しい恋人から性的暴行を受けそうになる。
- その絶望的な状況下で悪魔「アバドン」が姿を現し、彼女を救う対価として代理戦争への参加を求めた。
- 彼女はそれを受け入れて悪魔の使徒となり、帰宅後に理不尽な暴力を振るってきた母親とその恋人を、手に入れた異能力(触れた相手の意識を奪う力)で無力化した。
アパート爆破事件による母親の死
デスゲームが激化する中、天使陣営の使徒によってお隣さんの自宅アパートが爆破される事件が発生する。
- この凶行により、室内にいた母親とその交際相手は命を落とした。
- 結果として、お隣さんは帰るべき家と家族を完全に失うこととなった。
通夜での修羅場と親族の打算
母親の死後に行われた通夜の席でも、彼女の家族問題の闇が浮き彫りになる。
- 不倫相手の本妻からの暴力: 亡くなった母親の恋人には本妻(奥さん)がおり、通夜に乗り込んできた奥さんからお隣さんは平手打ちを受け、逆恨みの罵声を浴びせられた。お隣さんは悪魔の力で奥さんを無力化し、亡くなった男が実は自分(子供)を狙っていたロリコンであったことを冷徹に暴露した。
- 祖母の金銭目的の接近: 通夜にはこれまで一切連絡を寄越さなかった祖母も現れた。祖母はお隣さんを心配するふりをしながら、実際は彼女が得るであろう賠償金や保険金といった「資産」、あるいは裕福な養子先から金を巻き上げることを目論む打算的な人物であった。祖母が佐々木を「遺産狙い」と非難したことで、お隣さんは祖母を完全に軽蔑し、決別を選択した。
家族愛の欠如と佐々木への狂気的な依存
親族から爪弾きにされ、母親からも愛情を受けられなかったお隣さんにとって、唯一自分を気遣い、見返りを求めずに食料を与えてくれた佐々木は「命綱」であり、世界の全てであった。
- 家族から得られなかった愛情の枯渇が、佐々木に対する「彼と永遠に一緒にいたい」という狂気的で先鋭化した依存と執着を生み出している。
- この佐々木への執着が、彼女が過酷なデスゲームに身を投じる最大の原動力となっている。
以上の経緯から、お隣さんの佐々木に対する強い執着とデスゲームへの参加は、彼女が家庭内で強いられてきたネグレクトや虐待、そして親族の打算的な態度といった過酷な環境に起因していることがわかる。佐々木という唯一の救いを失わないための彼女の行動は、この過酷な家族問題と密接に結びついているのである。
ささピー 4巻レビュー
ささピー 全巻まとめ
ささピー 6巻レビュー
キャラクター紹介
現実世界の住人
佐々木
内閣府超常現象対策局に所属する中年公務員であり、ピーちゃんのパートナーとして異世界と現代を行き来する人物である。異世界では男爵として活動しており、周囲から厚い信頼を得ている。
・所属組織、地位や役職
内閣府超常現象対策局・局員。ヘルツ王国・宮中大臣(男爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
星崎の自宅で妹の睦美による誤解を解き、英会話のレッスンを受けた。暴動事件では怪人ミドルマネージャーに扮して事態の収拾に貢献する。異世界ではアドニス殿下の王都奪還に同行し、ルイス殿下の真意やヘルツ国王の最期を見届けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アドニス陛下の即位に伴い、宮中大臣という重職に任じられる。ケプラー商会からは役員待遇を打診され、影響力をさらに拡大させている。
ピーちゃん
佐々木の飼うシルバー文鳥であり、その正体は異世界エイトリアムの高名な星の賢者である。佐々木に魔法の力を与え、彼の行動を様々な面でサポートする。
・所属組織、地位や役職
佐々木の使い魔。元ヘルツ王国・星の賢者。
・物語内での具体的な行動や成果
佐々木と共にマーゲン帝国に潜入し、変身魔法でゴールデンレトリバーの姿となって諜報活動を行った。ヘルツ王国の王城ではメイジィと交戦し、彼女を撤退へと追い込む。アドニス殿下の王都奪還にあたっては、ゴールデンドラゴンを投入して戦局を有利に導いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
異世界における多大な影響力を持ち、ミュラー伯爵やアドニス殿下から敬愛を集めている。
お隣さん
佐々木のアパートの隣室に住んでいた中学生の少女である。悪魔アバドンと契約した使徒であり、佐々木に対して強い執着心を抱く。
・所属組織、地位や役職
中学生。悪魔アバドンの使徒。
・物語内での具体的な行動や成果
アパートの爆破事件で住まいを失い、二人静が手配した軽井沢の豪邸へ引っ越した。母親の通夜に参列した際、乱入してきた女性に暴力を振るわれそうになり、アバドンに制圧させる。親族から孤立した状況を再認識し、佐々木と行動を共にする意志を固めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
二人静の支援により広大な屋敷で暮らすことになり、生活環境が大きく変化している。
アバドン
お隣さんと契約を結んでいる悪魔である。少年の姿をしており、彼女の護衛や助言を担う。
・所属組織、地位や役職
悪魔。
・物語内での具体的な行動や成果
お隣さんの通夜の席で、彼女に暴力を振るおうとした女性を無力化した。軽井沢の新居では、暖炉の火の管理や夜の散歩の提案などを行い、お隣さんの感情や行動をサポートする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
お隣さんとの関係において、助言者としての立場を確立している。
お隣さんの祖母
お隣さんの母親の母親であり、通夜の席で喪主を務めた人物である。
・所属組織、地位や役職
お隣さんの祖母。
・物語内での具体的な行動や成果
孫であるお隣さんに同居を持ちかけるが、佐々木を財産目当ての男と疑って非難した。その態度から利己的な思惑を見透かされ、お隣さんに同行を拒否される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
お隣さんからは完全に拒絶され、関係が断絶した。
母親の関係者の女性
お隣さんの母親と交際していた男性の妻である。
・所属組織、地位や役職
お隣さんの母親の交際相手の妻。
・物語内での具体的な行動や成果
お通夜の会場に乱入し、夫を奪われた恨みからお隣さんに平手打ちを加えた。さらなる暴力を振るおうとしたため、アバドンによって意識を奪われ制圧される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記述されていない。
睦美
星崎の妹であり、中学生の少女である。姉を深く慕っており、彼女に近づく大人を警戒する。
・所属組織、地位や役職
中学生。星崎の妹。
・物語内での具体的な行動や成果
自宅を訪れた佐々木を姉を騙す悪い大人だと疑い、問い詰めた。佐々木から姉が立派に働いている事実を説明され、最終的に誤解を解いて感謝の言葉を伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は確認できない。
内閣府超常現象対策局
阿久津
内閣府超常現象対策局の課長であり、佐々木たちの上司にあたる人物である。組織の管理と情報収集において隙のない態度を見せる。
・所属組織、地位や役職
内閣府超常現象対策局・課長。
・物語内での具体的な行動や成果
クラーケン消滅の報告を受け、佐々木たちに休暇を与えた。その後、未確認飛行物体の出現に伴い休暇を打ち切り、国内での情報収集任務を命じる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
佐々木や二人静の行動を水面下で把握しており、彼らの情報戦を牽制しつつ利用する立場にある。
星崎
水を操る能力を持つ高校生の局員である。佐々木とペアを組んで任務に当たる機会が多い。
・所属組織、地位や役職
内閣府超常現象対策局・局員。高校生。
・物語内での具体的な行動や成果
厚木基地での面会で英語が通じなかったことを悔やみ、佐々木に英会話のレッスンを提案して彼を自宅に招いた。暴動事件の際は、二人静の衣装替えに協力して事態収束を支援する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
阿久津から語学の習得と学業の優先を指示され、学習意欲を高めている。
非正規の能力者グループ
二人静
非正規の能力者グループの元メンバーであり、現在は嘱託として局に協力する女児の姿をした人物である。強大な身体能力とエナジードレインの能力を併せ持つ。
・所属組織、地位や役職
内閣府超常現象対策局・嘱託。
・物語内での具体的な行動や成果
お隣さんの通夜の準備や新居の手配を行い、生活環境を支援した。暴動事件ではセーラー仮面に変装して現場へ赴き、暴徒を次々と無力化して事態を鎮圧する。厚木基地での面会では英語の通訳を務め、交渉を主導した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
豊富な資金力と行動力を活かし、佐々木たちの現代社会での活動において不可欠な存在となっている。
自衛隊・米軍
吉川
海上自衛隊に所属する幹部自衛官である。
・所属組織、地位や役職
海上自衛隊・一等海佐。
・物語内での具体的な行動や成果
厚木基地の応接室で佐々木たちと面会し、クラーケン討伐の功績に対する感謝を伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記述されていない。
メイソン大佐
横田基地に所属する米軍の将校である。異能力者に理解があり、自国の利益のために動く。
・所属組織、地位や役職
米軍・大佐。
・物語内での具体的な行動や成果
クラーケンを秘密裏に排除した佐々木たちを高く評価し、年俸三百万ドルで自国の異能力者として引き抜こうとした。提案を断られた後も、困ったときには手を貸すと約束して協力的な姿勢を示す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記述されていない。
魔法少女
アイビー中尉
青色を基調とした装いの魔法少女である。メイソン大佐と共に行動している。
・所属組織、地位や役職
米軍・中尉。魔法少女。
・物語内での具体的な行動や成果
厚木基地での面会に同席し、クラーケン騒動の際に助けられたことへの感謝を佐々木たちに伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
幼い外見ながら中尉という軍の階級を与えられている。
ヘルツ王国
アドニス
ヘルツ王国の第二王子であり、正義感と使命感を持つ青年である。兄の真意を知り、祖国を守るために立ち上がる。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・第二王子(のち第四十八代ヘルツ国王)。
・物語内での具体的な行動や成果
ルイス殿下がマーゲン帝国に与したという報告を受け、真偽を確かめるべくエルブレヘンへ向かった。そこで兄の最期を看取り、王都奪還を決意する。レクタン平原の砦で兵を鼓舞し、王都に突入してアインハルト公を討つことで王城を制圧した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
クーデターを成功させ、第四十八代ヘルツ国王として即位する。
ヘルツ国王
ヘルツ王国の統治者であり、アドニスやルイスの父親である。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・国王。
・物語内での具体的な行動や成果
王城の謁見の間において、メイジィのチャーム魔法によって操られていた。佐々木から息子たちの奮闘を聞かされて正気を取り戻し、アドニスを託す言葉を残して自ら首を切り自決する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その死はアドニスによる王都奪還の強力な動機付けとなった。
ルイス
ヘルツ王国の第一王子である。冷笑的な態度を装いながらも、実際には祖国を守るために一人で孤独な戦いを続けていた。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・第一王子。
・物語内での具体的な行動や成果
マーゲン帝国の前線基地とエルブレヘンを制圧し、自身が帝国を裏切ったかのように見せかけた。広場でトロイ将軍と対峙して彼を討ち取った直後、腐肉の呪いによって肉塊へと姿を変える。最期の瞬間に真実をアドニスへ伝え、王国の未来を託して死亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
表向きは逆賊として扱われているが、実際には国を守るための自己犠牲を払った人物である。
エミール
アドニスとルイスの腹違いの弟にあたる少年である。今年で十歳になる。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・王子。
・物語内での具体的な行動や成果
アインハルト公によって神輿として担ぎ上げられ、謁見の間の玉座に座らされていた。王都奪還戦において、アインハルト公が自害する光景を目の当たりにして恐怖に震える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記述されていない。
ミュラー
ヘルツ王国の貴族であり、アドニス派閥の重鎮である。佐々木とピーちゃんを深く信頼している。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・伯爵(のち宰相)。
・物語内での具体的な行動や成果
アドニスの指示に従い、兵の動員や補給の準備を進めて王都奪還軍を支えた。王城内での戦闘では、佐々木と連携して剣を振るい道を切り開く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アドニス即位後の論功行賞において、王国の宰相に抜擢される。
エルザ
ミュラー伯爵の娘であり、「盛り姫」と呼ばれている。現在は現代日本で生活している。
・所属組織、地位や役職
ミュラー家・長女。
・物語内での具体的な行動や成果
軽井沢の別荘で平穏に暮らしつつ、佐々木に同居を提案するが断られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
将来的にアドニス陛下の妃として迎えられる可能性がピーちゃんによって示唆されている。
フレンチ
異世界の飲食店店長であり、佐々木からレクタン平原の砦の管理を任された人物である。
・所属組織、地位や役職
飲食店の店長。レクタン平原の砦の責任者(のち子爵)。
・物語内での具体的な行動や成果
出兵前の兵站準備や現地の調整を担った。アドニスの演説の場で砦の代表として紹介される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アドニスから子爵の地位を与えられ、平民から貴族へと異例の出世を遂げた。
アインハルト公
ルイス派の有力貴族であったが、独自の思想に基づいて行動する人物である。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・公爵。
・物語内での具体的な行動や成果
幼いエミール王子を担ぎ上げて王都を制圧しようとした。王城に突入してきたアドニスに対し、新たな秩序の必要性を説いた後、自らの首を魔法で刎ねて自害する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その死により、彼が率いていた勢力は完全に戦意を喪失した。
ディートリッヒ
ヘルツ王国の貴族である。ルイス派からアドニス派へと鞍替えした。
・所属組織、地位や役職
ヘルツ王国・伯爵(のち財務大臣)。
・物語内での具体的な行動や成果
王城の牢屋に監禁されていたが、アドニスの即位に伴い解放された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
即位後の論功行賞において、王国の財務大臣に任命される。
マーゲン帝国
トロイ将軍
マーゲン帝国の軍幹部である。平民出身から這い上がった実力者として知られる。
・所属組織、地位や役職
マーゲン帝国・将軍。
・物語内での具体的な行動や成果
エルブレヘンの宿でエルフの副官の無礼を佐々木に謝罪した。ルイス殿下との共謀を疑われ、広場で彼と対峙するが、ルイスの雷撃魔法を受けて討ち取られる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その死により、帝国の前線部隊は大きな打撃を受けた。
バートランド辺境伯
エルブレヘン近辺を治めるマーゲン帝国の有力貴族である。トロイ将軍とは政治的に対立している。
・所属組織、地位や役職
マーゲン帝国・辺境伯。
・物語内での具体的な行動や成果
馬車が爆発した際に佐々木の回復魔法で救われ、地下牢に収監された佐々木を自ら解放した。その後、エルフの副官の正体が大戦犯であることを看破する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特筆すべき地位の変化は記述されていない。
メイジィ
大戦犯に数えられるハイエルフの魔法使いである。強力な空間魔法やチャーム魔法を操る。
・所属組織、地位や役職
ハイエルフ。トロイ将軍の副官。
・物語内での具体的な行動や成果
トロイ将軍の副官として成人女性に扮装し、帝国内で暗躍していた。地下牢でバートランド辺境伯を始末しようとするが、ピーちゃんに撃退され変身が解ける。その後、ヘルツ王国の王城で国王をチャーム魔法で操っていたが、再びピーちゃんの攻撃を受けて撤退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その正体は幼い外見のハイエルフであり、帝国内の混乱や国王暗殺を裏で操っていた黒幕である。
商会関係者
ヨーゼフ
ルンゲ共和国のケプラー商会における現地責任者である。商人として高い洞察力を持つ。
・所属組織、地位や役職
ケプラー商会・現地責任者。
・物語内での具体的な行動や成果
マーゲン帝国の支店への無線機導入を佐々木に持ちかけた。その対価として、帝国内での利益の一割と商会の役員待遇を提示し、取引を成立させる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
佐々木を役員として迎え入れ、情報通信技術の独占による商会の飛躍を図っている。
マルク
ケプラー商会のエイトリアム支店(マルク商会)の担当者である。
・所属組織、地位や役職
マルク商会・担当。
・物語内での具体的な行動や成果
導入された無線機に過電流を流して故障させてしまい、佐々木に謝罪した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
佐々木が異世界を不在にする間、フレンチと共に現地の連絡窓口を担う。
その他の存在
ゴールデンドラゴン
ピーちゃんによって呼び出され、レクタン平原の大穴に住み着いた巨大なドラゴンである。
・所属組織、地位や役職
ピーちゃんの使い魔。
・物語内での具体的な行動や成果
アドニス殿下の王都奪還戦において先頭に立ち、ブレスや巨体を用いた攻撃で敵兵を次々と蹴散らす。王都アレストの正門を破壊し、進軍の道を切り開いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ルイス殿下が遺した守護者として扱われ、王都奪還後も牽制のために首都に滞在する。
ささピー 4巻レビュー
ささピー 全巻まとめ
ささピー 6巻レビュー
展開まとめ
〈前巻までのあらすじ〉
佐々木とピーちゃんの出会いと異世界渡航
都内の中小商社に勤める佐々木は、疲れた日常を送る中でペットショップにてシルバー文鳥を購入した。その文鳥は異世界から転生してきた元賢者であり、ピーちゃんと名付けられた。佐々木はピーちゃんと共に異世界へ渡る機会と強力な魔法の力を得て、スローライフを目指すようになった。
現代と異世界を行き来する生活の始まり
佐々木は現代の品を異世界へ持ち込んで商売を始めたが、その魔法が異能力と誤解され、内閣府超常現象対策局にスカウトされた。転職により収入は増え、現代と異世界を往復する生活は順調に進んだ。
異世界での権力争いと戦争への関与
異世界では商売の傍ら王家の権力争いに巻き込まれ、さらに隣国との戦争が勃発した。佐々木とピーちゃんはヘルツ王国第二王子アドニスの派閥として活動することになった。
現代での異能戦闘と魔法少女との対立
現代では対策局の任務により異能力者との戦闘が続き、ピーちゃんの不在時でも佐々木は魔法を駆使してこれを乗り越えた。一方で異能力者を憎む魔法少女から襲撃を受け続け、その仲裁に奔走し、自身は魔法中年として振る舞うことになった。
資金獲得と戦力の強化
二人静の協力により、異世界の財を現代の貨幣へ換える手段を確立した。これにより魔法の鍛錬も進み、異能力者や魔法少女との戦闘において優位に立つようになった。
デスゲームと第四勢力の出現
現代では悪魔と天使の代理戦争であるデスゲームに巻き込まれた。隣人が危機に陥り、佐々木は命懸けで救出したことで、悪魔アバドン少年の存在と第四の勢力を知り、二人静と共に協力することを決めた。
情報流出と各勢力の衝突
ピーちゃんの失態により、異世界のエルザの存在がインターネット上に流出した。これをきっかけに各勢力が集結し、ホテルにて異能力者、魔法少女、デスゲーム関係者、異世界の人物が邂逅したが、混乱の中で戦闘となり、事態は収拾不能となった。
巨大怪獣の出現と討伐
太平洋に異世界由来のドラゴンの亜種が出現した。佐々木は対策局の指示を受け、星崎や二人静と共に対処にあたり、各勢力の協力を得てピーちゃんの魔法によりこれを討伐した。
天使勢の暗躍と被害の拡大
代理戦争は日常にも及び、天使勢の工作により佐々木の住むアパートが爆破された。隣人は天使とその使徒と遭遇し、佐々木も関与する中で事態はさらに緊迫した。
関係の緩和と新たな不穏
ドラゴン討伐を通じて各勢力の関係はある程度改善し、熱海での慰安を共にするまでに至った。しかしその直後、異世界ではヘルツ王家の跡目争いを巡り情勢が大きく動き始めていた。
〈休暇と日常〉
帰路での会話と星崎の不安
クラーケン討伐の翌朝、佐々木たちは熱海の旅館を出発し、都内へ向かって移動していた。二人静の運転する車中で、星崎は幼い外見の運転手に強い不安を示し、佐々木に運転交代を勧めたが、佐々木は自分の方が危険だと応じた。軽口を交えた会話の中で、星崎は交通費の話題を振られ動揺しつつも、場を取り繕った。
秘密の共有と口裏合わせ
移動中、星崎はクラーケン出現時に人の気配が消えた件について説明を求めたが、二人静は知らぬ存ぜぬで通す方針を示した。佐々木は既に星崎に口止めを行っており、彼女も不満を抱きつつ黙認する姿勢を取った。その代わりとして、今後も仕事に協力することを条件とし、クラーケンはいつの間にか消えたという説明で口裏を合わせることが決まった。
局での報告と対応方針の確定
都内の局へ到着後、阿久津のもとで打ち合わせが行われた。佐々木はクラーケンが海上で消滅したという事実のみを報告し、それ以上の詳細は伏せた。阿久津はその意図を理解し、上層部にも同様に報告することを承諾した。これにより、事態は表向き収束した形となった。
休暇の付与と各自の反応
連日の任務を受け、阿久津は佐々木たちに休暇を与える判断を下した。二人静と佐々木はこれを歓迎し、特に佐々木は異世界の問題や生活基盤の整理に時間を充てる意向を持った。一方で星崎は報酬面に不満を抱きつつも、学業を優先するよう指示され渋々受け入れた。
お通夜への同行と事情の説明
業務終了後、佐々木と二人静はホテルでお隣さんとアバドン少年と合流し、葬儀場へ向かった。お通夜はお隣さんの母親のために行われるものであり、二人静が準備の多くを手配していた。お隣さんはその厚意に感謝を示し、二人静は大したことではないと応じた。
家庭事情と葬儀の背景
葬儀では祖母が喪主を務めることが伝えられた。母親は家族と疎遠であったが、事件報道をきっかけに連絡が取れたという事情が明かされた。遺体は損傷が激しく会場には置かれず、後日火葬される予定であると説明された。
参列者の反応と孤立の実態
会場に入ると参列者たちの視線が集中し、お隣さんに対する噂や中傷が囁かれた。家庭環境や過去の出来事を理由に、引き取り手がいないことまで話題にされており、彼女が親類からも疎外されている状況が浮き彫りとなった。
読経の開始と場の収束
二人静に促されて席に着いた佐々木たちは、後方に座り静かに待機した。やがて僧侶が現れ、読経が始まることで会場は儀式の空気に包まれた。
お隣さんの不安と費用への懸念
お隣さんは、自身の母親のお通夜に初めて参加し、祭壇に飾られた遺影を見つめながら現実を受け止めていた。同時に、立派な式にかかる費用を不安に感じていたが、二人静が手配したものであり支払いの心配は不要だと説明され、一応の安心を得た。
参列者の噂と孤立感の自覚
会場ではお隣さんの境遇について、虐待や引き取り先に関する噂が囁かれていた。お隣さんはそれを受け流しつつも、自身が孤立した立場にあることを認識していた。代理戦争の影響で別荘に住むことになった現状を思い返しながら、佐々木と隣同士でいられなくなったことを寂しく感じていた。
二人静の言動への感情と読経の開始
二人静が佐々木をからかう発言をしたことに対し、お隣さんは強い対抗心を抱いた。その後、僧侶が到着して読経が始まり、参列者は焼香の準備に入ったが、会場には悲しみの様子は見られず、お隣さん自身も感情の動きを感じていなかった。
焼香と周囲からの中傷
焼香の順番が回ってきたお隣さんは、佐々木と二人静に導かれて見よう見まねで焼香を行った。その最中、背後では母親の死因やお隣さん自身に関する中傷が囁かれていた。父親の不在や親族の無関心も重なり、周囲との断絶が強調された。
通夜後の提案と女性の乱入
通夜終了後、佐々木と二人静は早めの退出を提案したが、その直後、お隣さんを睨んでいた女性が現れた。女性は母親の関係者であり、怒りのままにお隣さんへ平手打ちを加えた。佐々木は即座にお隣さんを支え、暴力を止めようとした。
女性との対立と真相の暴露
女性は夫を奪われたと主張し激しく責め立てたが、お隣さんは母親とその男性の関係を否定し、むしろ自身がその男性に狙われていた事実を明かした。女性はそれを否定したが、対立は収まらず、再び暴力を振るおうとしたところを佐々木が制止した。
アバドンによる制圧と場の収束
事態が悪化する中、お隣さんはアバドンに介入を求めた。アバドンが女性に触れると力が抜けて座り込み、騒動は収束した。お隣さんは最低限の謝意を示した後、その場を離れる決断をした。
祖母との対面と対立
会場を出た後、お隣さんの祖母が追いかけてきて挨拶を交わしたが、祖母は佐々木を疑い、財産目当てではないかと非難した。さらにお隣さんに同居を持ちかけたが、その態度から利己的な思惑が透けて見えた。
養子縁組の示唆と拒絶の意思
会話の中で、お隣さんには養子縁組の話が進められていることが示唆された。祖母の誘いに対し、お隣さんは内心で拒絶を決め、佐々木と共に行動する意思を固めた。
帰路への決断と別れ
お隣さんは祖母との同行を拒み、佐々木に帰路を急ぐよう頼んだ。祖母の呼び止めにも応じず、祖父への伝言だけを残してその場を離れた。こうしてお隣さんは祖母との関係を断ち、佐々木たちと共に葬儀場を後にした。
通夜後の帰還と軽井沢への移動
佐々木たちはお通夜を途中で切り上げ、アパート近くのホテルへ戻った。その後、ピーちゃんの空間魔法によって軽井沢の別荘へ移動し、リビングで今後について話し合うことになった。
引っ越し計画の提示と生活環境の説明
二人静は、お隣さんとアバドン少年の新居について、翌朝には引き渡し可能であると説明した。生活に必要な設備は整っているが、人手不足のため当面は自力で家事を行うか別荘を利用する必要があると伝えた。これにより新生活の具体像が示された。
佐々木の住居問題と提案の交錯
佐々木自身の住居についても話題となり、エルザは別荘での同居を提案した。二人静も条件付きでこれを許可したが、佐々木は距離感や関係性を考慮し辞退した。さらにお隣さんから同居の提案が出されたが、世間体や将来的なリスクを理由にこれも断り、住居問題は保留となった。
異世界への移動とミュラー伯爵との再会
佐々木とピーちゃんは異世界へ渡り、まずミュラー伯爵を訪ねた。特に問題は発生しておらず、ビデオレターのやり取りなど定例の対応を行った後、ルイスの帰還情報を受けてササキ男爵領へ向かうことになった。
領地開発の進展と新たな体制の提案
ササキ男爵領では砦や周辺開発が急速に進んでいた。佐々木は運営を現地に委ねる方針を示し、フレンチに統括を依頼した。最初は戸惑いを見せたフレンチであったが、最終的にこれを受け入れ、領地運営の体制が固まった。
商会での取引と通信機器の故障対応
続いてルンゲ共和国のケプラー商会を訪れ、持ち込んだ商品の取引を行った。その際、無線機の不調が報告され、佐々木は現代から代替機を持ち込み交換したことで通信は正常に回復した。これにより取引環境が維持された。
滞在と日常業務の継続
ルンゲ共和国で一泊した後、再びヘルツ王国へ戻り、宿に滞在しながら日常業務を継続した。取引は順調に進み、大きな問題は発生しなかった。
魔法訓練と成果の停滞
その後、数日にわたりピーちゃんの指導のもと魔法の訓練を行ったが、新たな魔法の習得には至らなかった。最終的に、焦らず継続することが重要であると助言を受け、訓練は一区切りとなった。
新居訪問と環境への驚き
お通夜の翌日、お隣さんとアバドンは二人静の案内で新居を訪れた。軽井沢の別荘地にあるその屋敷は、広大な敷地と立派な造りを備え、以前の住環境とは比べものにならないものであった。お隣さんはその規模に戸惑いながらも、ここで暮らすことへの現実感のなさを覚えていた。
屋敷の説明と生活の見通し
屋敷は七部屋を備えた大きな一戸建てであり、将来的には使用人の手配も予定されていた。二人静はこれを先行投資と位置付け、お隣さんたちに期待を寄せていた。お隣さんは対価を支払えない現状に不安を抱きつつも、その厚意を受け入れるしかなかった。
今後の戦いに関する意見の対立
二人静とアバドンは、天使勢力への先制攻撃を提案し、お隣さんにも協力を求めた。しかしお隣さんは佐々木に負担をかけることを避けたいと考え、その方針に難色を示した。戦いを優先する両者と、関係性を重視するお隣さんとの間で意識の差が生じていた。
佐々木への想いと自己分析
お隣さんは佐々木との関係について思索を深め、自身の想いが通じない理由を考えた。アバドンの助言も踏まえつつ、佐々木が求めているものを理解することが重要であると結論づけ、今後はその把握を優先する方針を固めた。
二人静と佐々木の関係への疑念
二人静の発言や態度から、お隣さんは佐々木との関係性に疑念を抱いた。実際の関係を確認しようと問いかけたが、二人静ははぐらかすような応答をしたため、確信を得るには至らなかった。
佐々木の来訪と誤解の解消
その最中、佐々木が屋敷を訪れた。二人静とのやり取りから、両者が特別な関係にあるわけではないと判断でき、お隣さんは安堵した。同時に、改めて佐々木への想いを強めることとなった。
新たな仕事の気配
佐々木は二人静に対し、クラーケン討伐に関する礼の連絡が入ったことを伝えた。休暇中であるはずの状況に対し、お隣さんは再び仕事の気配を感じ取り、内心で落胆を覚えた。
休暇中の連絡確認と軽井沢への移動
異世界から現代へ戻った佐々木は、滞在先のホテルで端末を確認し、阿久津から厚木の海上自衛隊が礼をしたいとの連絡を受けたことを知った。また、二人静からは、お隣さんとアバドン少年の新居確認に向かう予定が伝えられていたため、佐々木はまずそちらへ向かうことにした。ピーちゃんの空間魔法で軽井沢の別荘へ移動し、そこから徒歩で新居へ向かった。
新居での会話と二人静の冗談
佐々木が新居のリビングへ入ると、お隣さんが二人静に対し、佐々木と男女の関係にあるのかを問いただしていた。二人静は冗談めかして応じていたが、付き合いの浅いお隣さんに誤解を与える可能性を考えた佐々木は、それを否定した。その後、豪華な屋敷の様子を見ながら、佐々木は二人静に厚木から礼の連絡が入った件を相談した。
厚木行きの相談とお隣さんの遠慮
クラーケン討伐の件で厚木側から連絡があったことを受け、佐々木は折り返しの前に二人静へ意見を求めた。二人静は先方の意図を確認したいと述べ、佐々木はその場で対応することにした。話を聞いたお隣さんは、自分たちはここで待っていると申し出て、佐々木に迷惑をかけたくないとの考えを示した。佐々木はその気遣いに感謝しつつ、今後は二人静が面倒を見るだろうと伝え、自身も新生活へ向けて距離を取りたいと考えた。
新居の内覧と将来の住まいへの思案
二人静の提案で、佐々木たちはそのまま屋敷を見て回ることになった。お隣さんも了承し、佐々木は理想的な住まいの一例としてこの屋敷を参考にしようと考えた。内覧を通じて、戸建てや大型犬との暮らしへの意欲がさらに高まり、自身の新居への思いを強めていた。
星崎の回収と運転交代の騒動
軽井沢での用事を終えた後、佐々木たちはホテルを経由し、二人静の車で星崎の通う学校へ向かった。星崎を回収して厚木基地へ向かう途中、星崎から送り迎えの件を指摘されたことをきっかけに、二人静は佐々木へ運転を代わらせた。佐々木は不慣れなまま車を発進させたが、交差点で自転車を避けようとして操作を誤り、危うく事故を起こしかけた。二人静が咄嗟にブレーキを踏んだことで事なきを得たが、佐々木は自動車運転の危険さを痛感し、今後は講習を受けて改善すると約束した。
厚木基地での再会と新たな面会相手
運転を二人静に戻した後、一行は安全に厚木基地へ到着した。応接室には吉川のほか、青を基調とした魔法少女アイビー中尉と、横田所属のメイソン大佐が待っていた。英語での会話が始まると、佐々木も星崎も対応できず戸惑ったが、二人静が通訳を買って出たことで、自己紹介や挨拶を交わすことができた。
交流の場で交わされた情報交換
面会では、アイビー中尉の礼儀正しい応対や、その立場について語られた。また、日本側の魔法少女についても話題に上り、佐々木や星崎の身の上や現在の勤め先についても質問がなされた。会話の大半は二人静とメイソン大佐が担い、佐々木と星崎は通訳を介して受け答えする形となった。
引き抜きの提案と辞退の判断
やがてメイソン大佐は、クラーケンを秘密裏に排除した功績を高く評価し、佐々木たちを自国の異能力者として招きたいと申し出た。条件として三百万が提示され、星崎はその額に強く反応したが、佐々木は先方が欲しているのは自分たちの力そのものではなく、クラーケン討伐の方法という情報であると見抜き、転職後に不要と判断される危険を指摘した。そのため、佐々木は提案を丁重に断るよう依頼し、二人静もこれに同意した。
礼として示された今後の協力
引き抜きの提案を断られた後、メイソン大佐は改めて礼を述べ、勲章とは別に、今後困ったことがあれば手を貸すと約束した。これは仲間を助けてくれた相手への本心からの申し出であると伝えられ、二人静や吉川はそれを小さくない礼だと受け止めた。佐々木もまた、その見解を素直に受け入れた。
星崎の気付きと英会話勉強会の提案
厚木基地からの帰路、星崎は学校の授業だけでは英語を話せるようにはならないと気付き、佐々木に英会話の勉強を一緒にしようと持ちかけた。基地でのやり取りで自分たちが十分に発言できなかったことが、その提案の背景にあった。佐々木も必要性自体は認めたが、休暇中であることを指摘すると、星崎は休みの間は自宅で勉強しようと提案を変えた。
自宅勉強案への佐々木の戸惑い
星崎の自宅で二人きりに近い形で勉強する案に対し、佐々木は強い戸惑いを覚えた。星崎は業務上すでに踏み込んだ場面もあったのだから細かいことを気にしても仕方がないと述べたが、佐々木は同僚だからこそ距離感を大切にしたいと応じた。そのやり取りを通じて、互いの感覚の違いが浮かび上がった。
学校到着と星崎の学習意欲
やがて車は星崎の通う学校に到着した。星崎は自宅まで送ってもらうより学校の方が都合がよいと述べ、英語教師への相談や図書室で英会話教材を借りるつもりであることを明かした。さらに、先ほど話した勉強会の件も考えておくよう佐々木に念を押し、強い意欲を見せながら校内へ向かった。
二人静のからかいと佐々木の応答
星崎を見送った後、二人静は女子高生の家に招かれて何をするつもりなのかと佐々木をからかった。佐々木は当然行かないと即座に否定し、勉強をするならビデオチャットを使えばよいと答えた。二人静はその反応を面白みに欠けると評しつつも、車はそのままホテルへ戻った。
ホテル帰還と異世界行きの決定
ホテルでピーちゃんと合流した佐々木たちは、軽井沢の別荘へ空間魔法で移動した。まだ明るい時間であり、普段なら仕事中の時刻であったが、佐々木はそのまま異世界へ向かうことを選んだ。クラーケンを巡る一連の騒動を終え、忙しさがひとまず落ち着いたことで、この先は穏やかな時間が続いてほしいと願っていた。
〈マーゲン帝国〉
ミュラー伯爵からの報告と情勢の悪化
異世界に到着した佐々木たちはミュラー伯爵を訪ねたが、挨拶もそこそこにルイス殿下による貴族の粛清について報告を受けた。対象となったのは主にアドニス派の貴族であり、マーゲン帝国との関係を理由に拘束されていた。ピーちゃんとミュラー伯爵は、その狙いが兵力や兵糧の確保にあると推測した。
招集命令と首都行きの決定
粛清の影響を受け、アドニス殿下からミュラー伯爵へ招集がかかっていることが明かされた。佐々木はこれを受けて即座に同行を申し出て、ピーちゃんも了承したため、一行は首都アレストへ向かうこととなった。
アドニス殿下との面会と状況共有
空間魔法で首都に到着した一行は、ミュラー伯爵の案内によりアドニス殿下の私室で面会した。殿下はルイス殿下がすでに兵を動かし始めていることを伝え、拘束された貴族の領地が王家に接収され、兵力として利用されている現状を説明した。
砦の経緯と評価の変化
佐々木は以前ルイス殿下と交わしたやり取りを説明し、砦の扱いについて経緯を明かした。これにより、ミュラー伯爵が粛清対象から外れていた理由が判明し、アドニス殿下とミュラー伯爵から感謝を受けた。
ルイス殿下の来訪と要求
その最中、ルイス殿下が現れ、砦を軍事利用するため貸し出すよう求めた。既に佐々木との間で合意があるとし、正式な説明を求めたことで、場は緊張感を帯びた。
佐々木の条件提示と交渉成立
佐々木は砦の貸与に応じる代わりに、拘束された貴族の命の保証と、砦およびエイトリアム周辺の安全確保を条件として提示した。アドニス殿下もこれを支持し、ルイス殿下は両条件を受け入れたことで交渉は成立した。
アドニス殿下の出陣決意
ルイス殿下が退室した後、アドニス殿下は自ら兵を率いて現地へ向かう意志を示した。王宮に留まるだけでは状況を動かせないと判断し、現場で指揮を執る覚悟を語った。
ピーちゃんの懸念と不穏な予感
一連の流れを受けて、ピーちゃんはルイス殿下の思惑に翻弄されている可能性を示唆した。しかし確証はなく、現時点では推測に過ぎないとして深追いは避けられた。その後、雑談を交わして面会は終了した。
〈お隣さん視点〉
新居への引っ越しと最低限の持ち物
お隣さんは引っ越し当日を迎えたが、持ち物は制服と鞄のみであり、それだけで移動は完了した。新居の案内は二人静が担当し、途中からおじさんも合流したことで、お隣さんは喜びを感じながら屋敷を見て回った。
二人との別れと端末の受け取り
内覧後、二人静とおじさんはすぐに去り、お隣さんには新しい端末が渡された。端末には生活に必要な連絡先が登録されており、試しに食事の番号へ連絡すると出前が届いたが、おじさんの連絡先は登録されていなかった。
整えられた生活環境の確認
屋敷内には家具や家電が揃っており、風呂や寝室など生活に必要な設備も整っていた。複数の部屋や豊富な備品が用意されており、すぐに生活が始められる環境であった。
広大な敷地と孤立感
外に出ると、広い敷地と周囲の自然環境により、他の住宅が見えない孤立した空間であることを実感した。地図で周辺の別荘を確認し、庭やガレージの広さから維持の大変さを感じた。
生活手段の不足と初日の終了
食事は出前に頼るしかなく、現金を持たない現状に不安を覚えたまま入浴と就寝を行った。こうして引っ越し初日は、新居の確認だけで終わった。
眠れない夜と原因の自覚
就寝後も眠れず、アバドンに指摘される中で、お隣さんはその原因を理解していた。これまで隣にあったおじさんの気配が存在しないことが、不安と寂しさを生み、眠れなくなっていたのである。
外出の提案と行動の決意
アバドンから気分転換として夜の散歩を提案され、お隣さんは外出を決意した。これまで許されなかった自由な行動に心が揺れ、状況を受け入れようとしていた。
デスゲームの開始と準備
しかし外出を決めた直後、空調音が止まり静寂が訪れたことで、デスゲームの開始が察知された。お隣さんは外出の必要がなくなったと判断し、すぐに戦闘に備えて着替えを行った。
衣服選択と自己認識の変化
用意された衣類の中から無難な服装を選んだが、アバドンから指摘を受け、自身が服選びに慣れていないことを自覚した。また、おじさんの周囲にいる女性たちを意識し、今後は見た目にも気を配る必要性を認識した。
〈お隣さん視点〉
新居を出て天使たちを捜索
隔離空間の発生を受けて、お隣さんとアバドンは引っ越したばかりの新居を出発し、夜空へ飛び上がって天使とその使徒を探した。しかし、新居周辺は山中の別荘地であり、木々に隠れた建物が点在する地形と夜の暗さが重なって、上空から人影を捉えるのは困難であった。そこでお隣さんは、相手が帰宅途中か帰宅後である可能性を踏まえ、駅付近や交通量の多い道路へ向かうのが妥当だと判断した。
町へ向かう途中の会話と状況判断
二人は地上の明かりを目指して移動し、商店街や駅周辺へと向かった。移動の最中、お隣さんは天使や悪魔の正体について思いを巡らせたが、明確な答えは得られなかった。やがて駅周辺に着くと、車や電車、人の気配が戻ってきたことで、隔離空間がすでに消失したことを理解した。これにより、今回の遭遇は偶発的なものであり、相手は早々に撤退したのだと判断した。
収穫なしの帰還と気分転換
隔離空間内で天使側に関する収穫は得られなかったが、お隣さんは周辺の地理を効率よく把握できたことを前向きに受け止めた。帰路も空を飛んで新居へ戻り、軽井沢の静かな夜景の中での移動は、結果として気分転換にもなっていた。
端末で見つけたデスゲーム関連の情報
寝室に戻ったお隣さんは、二人静から渡された端末の通知を確認した。そこからニュースサイトへ進むと、デスゲーム開催のお知らせという見出しの記事が目に留まり、さらにソーシャルメディア上で話題になっている投稿へ辿り着いた。そこには、使徒と思しき遺体の写真を含む凄惨な画像が連続して掲載されていた。お隣さんは、その中の一枚に見覚えがあることに気づいた。
外部サイトの確認と意図の推測
投稿に添付された外部リンクを開くと、そこにはデスゲーム開催のお知らせと題されたウェブサイトが存在していた。サイトには無修正の猟奇的な画像が多数掲載されており、世間ではイベントの宣伝サイトのように受け取られていた。お隣さんとアバドンは、この行為の意図について、ゲームを早く終わらせたい者、参加者を脅したい者、あるいは天使と悪魔の存在を世間に知らしめたい者の仕業ではないかと考えた。
情報拡散への危機感と二人静への相談決定
お隣さんは、ウェブサイトの題名を検索し、匿名掲示板で検証や議論が始まっていることも確認した。現時点では的外れな書き込みばかりであったが、情報技術が発達した現代では、使徒を取り巻く状況が以前よりも苛烈になる可能性を感じた。そのため、翌日に二人静へ相談することを決め、端末を置いて床に就いた。
エイトリアム帰還後の変身準備
変身魔法の説明と危険性の認識
エイトリアムの宿に戻った佐々木とピーちゃんは、マーゲン帝国へ向かうための準備として、見た目を変える魔法について話し合った。ピーちゃんは肌や体格、顔立ちまで変えられる高度な変身魔法を説明し、その難易度は上級以上であり、使い方次第では社会に大きな影響を与え得る危険な技術であると語った。佐々木はその危険性を理解し、安易な習得は避けるべきと判断した。
変身の実行と新たな姿の確認
ピーちゃんの補助により佐々木は変身魔法を施され、鏡に映る姿は完全に別人へと変化した。肌や髪色、体格まで異世界風に整えられ、現地でも自然に紛れ込める外見となっていた。年齢も若干若く調整されており、違和感はあるものの実用上問題のない仕上がりであった。
変身魔法の制約とリスクの共有
この変身は継続的に魔力を消費するため、ピーちゃんと離れると解除される可能性があることが説明された。また、術の負荷によっては肉体が耐えきれず崩壊する危険性も示され、魔法の扱いには慎重さが求められると理解された。佐々木はそのリスクを踏まえつつも、現状では問題なく運用できると判断した。
ピーちゃんの変身と外見の調整
続いてピーちゃん自身も姿を変えることとなり、文鳥の姿から大型犬へと変身した。佐々木の希望を反映したゴールデンレトリバーの外見となり、二人は新たな姿に問題がないことを確認した。これにより周囲からの違和感を抑えつつ行動する準備が整った。
マーゲン帝国への出発決定
準備を終えた二人は、マーゲン帝国への移動を開始することにした。最初の目的地として、ヘルツ王国と国境を接する地方都市エルブレヘンが選ばれた。ここはレクタン平原に隣接し、出兵の経路として重要な拠点であるため、情勢把握のための訪問先として適していると判断された。
帝国領への潜入と町への入場
ピーちゃんの空間魔法により佐々木とピーちゃんはエイトリアムから一瞬で帝国領へ移動し、エルブレヘン近郊の街道に降り立った。その後は徒歩で町へ向かい、偽名を用いて正規の手続きで入町した。人頭税の支払いも済ませ、ピーちゃんは使い魔として申請されたことで問題なく通過した。通貨も共和国の金貨を帝国貨幣へ換金し、旅人としての体裁を整えた。
繁栄した都市の観察と拠点探し
エルブレヘンの町は石造りの建物が立ち並び、外壁や街道も整備された大規模な都市であった。中心部へ進むほど高級住宅や貴族の住まいが増え、活気と規模の大きさが際立っていた。二人は当面の拠点として宿を確保するため中心街へ向かい、上流階級向けの宿に入ることを決めた。
高級宿への宿泊と身分差の認識
宿では当初、身分を理由に宿泊を拒まれたが、ルンゲ共和国の商人であると名乗ることで滞在を許された。ただしトラブル時は宿側が関与しない条件が付され、貴族と平民の格差が強く存在することを実感する結果となった。案内された客室は豪華であり、調度品や内装にも高い格式が見られた。
廊下での貴族とエルフの対立
客室へ戻る途中、佐々木は廊下で貴族の男性がエルフの女性に絡む場面に遭遇した。女性は謝罪を申し出るも男性は退かず、関係の非対称性が露わとなっていた。通行も困難な状況となったため、佐々木は偽名を名乗り介入し、金貨を用いて場の収拾を試みた。
金銭交渉の激化と辺境伯の介入
金貨の提示は次第にエスカレートし、貴族側も対抗して金額を引き上げる事態となった。最終的に佐々木は大金貨を提示して対抗するが、そこへトロイ将軍が現れ、貴族の正体がバートランド辺境伯であることが判明した。将軍は副官であるエルフ女性の非を認めて謝罪し、場は収束へと向かった。
場の収束と情報の取得
辺境伯は興味を失い退去し、エルフ女性と将軍が残された。将軍は佐々木に対し国境付近の情勢が不安定であるため行動を控えるよう助言した。佐々木はこれを受け入れ、観光を続ける意向を示しつつ場を離脱した。こうして一連の騒動は収まり、帝国内の貴族社会や政治的緊張の一端を垣間見る結果となった。
帝国領への潜入と町への入場
ピーちゃんの空間魔法により佐々木とピーちゃんはエイトリアムから一瞬で帝国領へ移動し、エルブレヘン近郊の街道に降り立った。その後は徒歩で町へ向かい、偽名を用いて正規の手続きで入町した。人頭税の支払いも済ませ、ピーちゃんは使い魔として申請されたことで問題なく通過した。通貨も共和国の金貨を帝国貨幣へ換金し、旅人としての体裁を整えた。
繁栄した都市の観察と拠点探し
エルブレヘンの町は石造りの建物が立ち並び、外壁や街道も整備された大規模な都市であった。中心部へ進むほど高級住宅や貴族の住まいが増え、活気と規模の大きさが際立っていた。二人は当面の拠点として宿を確保するため中心街へ向かい、上流階級向けの宿に入ることを決めた。
高級宿への宿泊と身分差の認識
宿では当初、身分を理由に宿泊を拒まれたが、ルンゲ共和国の商人であると名乗ることで滞在を許された。ただしトラブル時は宿側が関与しない条件が付され、貴族と平民の格差が強く存在することを実感する結果となった。案内された客室は豪華であり、調度品や内装にも高い格式が見られた。
廊下での貴族とエルフの対立
客室へ戻る途中、佐々木は廊下で貴族の男性がエルフの女性に絡む場面に遭遇した。女性は謝罪を申し出るも男性は退かず、関係の非対称性が露わとなっていた。通行も困難な状況となったため、佐々木は偽名を名乗り介入し、金貨を用いて場の収拾を試みた。
金銭交渉の激化と辺境伯の介入
金貨の提示は次第にエスカレートし、貴族側も対抗して金額を引き上げる事態となった。最終的に佐々木は大金貨を提示して対抗するが、そこへトロイ将軍が現れ、貴族の正体がバートランド辺境伯であることが判明した。将軍は副官であるエルフ女性の非を認めて謝罪し、場は収束へと向かった。
場の収束と情報の取得
辺境伯は興味を失い退去し、エルフ女性と将軍が残された。将軍は佐々木に対し国境付近の情勢が不安定であるため行動を控えるよう助言した。佐々木はこれを受け入れ、観光を続ける意向を示しつつ場を離脱した。こうして一連の騒動は収まり、帝国内の貴族社会や政治的緊張の一端を垣間見る結果となった。
〈正義のヒロイン〉
帝国滞在後の取引再開
マーゲン帝国での観光を終えた佐々木とピーちゃんは、ルンゲ共和国へ移動し、ケプラー商会を訪れてヨーゼフと再会した。納品書を渡して商品の確認を任せると、これまでと同様に取引は滞りなく進行し、日常的な商談が一段落した。
無線機導入の新たな要請
取引後、ヨーゼフはマーゲン帝国の支店にも無線機を導入したいと申し出た。王国と帝国の関係悪化を踏まえ、情報伝達の強化を求める意図であり、運用内容の監視やマルク商会の協力も受け入れるなど、強い導入意欲を示していた。
燃料と運用を巡る交渉
佐々木は燃料供給や輸送の困難さを理由に慎重な姿勢を示したが、ヨーゼフは燃料管理を商会側で担うと提案し、さらに機材導入の見返りとして帝国内利益の一割や役員待遇を提示した。この提案は従来の取引とは一線を画すものであり、強い誘引となった。
提案受諾に至る判断
佐々木はヘルツ王国の立場を重視しつつも、負担増が限定的であることや状況次第で対応可能であることを踏まえ、提案を受け入れる決断を下した。ヨーゼフもその判断を尊重し、双方は今後の協力関係の継続を確認した上で握手を交わした。
情報価値への認識
今回の交渉を通じて、異世界においても情報通信技術が極めて高い価値を持つことが改めて認識された。佐々木はこの取引が大きな利益を生む可能性を感じつつ、従来とは異なる規模の商機に踏み込んだのであった。
取引後の資金運用と領地訪問
ヨーゼフとの打ち合わせを終えた佐々木は、ルンゲ共和国で一泊し、商品の代金を受け取った後、次回取引の内容を無線機材と燃料に決定した。続いてエイトリアムへ向かい、マルク商会に資金を預けたのち、レクタン平原のササキ男爵領を訪れた。そこでは砦や城壁がほぼ完成し、町の整備と人員の増加が進んでいる様子が確認された。
ミュラー伯爵との再会と情勢確認
砦に到着した佐々木はミュラー伯爵と再会し、取引資金の手配を伝えた。伯爵はルイス殿下が出兵したとの報を受け、砦に滞在して迎撃準備を進める意向を示した。佐々木もこれに同行し、殿下の到着を待つことを申し出て了承された。
物資搬入と準備作業への参加
フレンチからも状況説明がなされ、砦では兵站準備が進められていることが明らかとなった。エイトリアムからの物資搬入や兵の集結が進む中、佐々木とピーちゃんも作業に加わり、魔法を用いた荷運びや整理を手伝った。単純作業に没頭するうちに時間は過ぎ、日が暮れていた。
夜の密談と帝国動向の共有
夜、応接室でピーちゃんとミュラー伯爵が密談を行った。ピーちゃんはマーゲン帝国側の動きとしてトロイ将軍やバートランド辺境伯の存在を挙げ、ルイス殿下の計画が既に察知されている可能性を指摘した。これにより戦況が不利に傾く見通しが共有され、今後の対応について意見が交わされた。
防衛方針と信頼関係の確認
ピーちゃんは非常時の対処としてドラゴンの存在を示唆しつつ支援を約束し、ミュラー伯爵はヘルツ王国を守り抜く決意を示した。両者の間では深い信頼関係が確認され、師弟のようなやり取りが続いた後、その日の話し合いは終了した。
出発準備と現代への帰還
その後数日間、佐々木は砦の準備や開発作業に従事しつつ、殿下到着を待った。しかし仕入れの都合により現代へ戻る必要が生じ、ミュラー伯爵に別れを告げることとなった。ピーちゃんの魔法によって帰還が行われ、短期間の滞在は幕を閉じた。
ホテルでの帰還と不審なメールの受信
異世界から戻った佐々木はホテルの客室で朝を迎え、休暇中であることを確認した。その中で一通の簡潔なメールが届き、不審に思いながら差出人を確認すると星崎のものであった。内容はこれから行くというものであり、直後に彼女の来訪を予感した。
星崎の来訪と強引な接触
予想通り、星崎はホテルを訪れてドアを叩き、さらに電話をかけてきたため、佐々木は応対せざるを得なかった。星崎は休日であるにもかかわらず制服姿で現れ、英会話の勉強を始めるために来たと告げた。
英会話提案と友人関係の欠如の発覚
佐々木は同級生と学ぶ方が良いと勧めたが、星崎は友人がいないと明かした。クラスメイトの話題に興味を持てず、会話に入れない状況が語られ、彼女の孤立した立場が示された。
価値観の共有と会話の深まり
星崎は勧善懲悪の分かりやすい作品を好むと語り、複雑な人間関係に疲れている心情を吐露した。佐々木もそれに一定の共感を示し、両者の価値観が部分的に重なる様子が描かれた。
自宅への誘いと生活事情の開示
星崎は英会話のため自宅へ行くことを提案し、妹との二人暮らしであることを明かした。佐々木は慎重な姿勢を崩さなかったが、彼女の強引な誘いは続いた。
猫の存在による決断
星崎の家で猫を飼っていると知った佐々木は興味を示し、最終的に誘いを受け入れることを決めた。こうして英会話レッスンを名目に、星崎の自宅へ向かうことが決定した。
星崎邸での英会話レッスン
星崎邸への訪問と妹との遭遇
佐々木は星崎と共に電車を乗り継ぎ、彼女の自宅である集合住宅を訪れた。建物は管理の行き届いた分譲賃貸らしいマンションであり、星崎は以前に色々あったため、より安い住まいではなくここを選んだと示唆した。佐々木は深く踏み込まず、星崎に促されるまま部屋へ上がったが、そこへ妹の睦美が猫を抱いて現れ、佐々木の存在に驚いた。佐々木はその場で帰ろうとしたものの、星崎に引き止められ、そのまま部屋へ通された。
星崎の部屋での英会話レッスン開始
星崎の部屋は簡素で落ち着いた造りであり、女子高生の部屋というより上京した社会人の住まいのような印象であった。佐々木はベッドに座ることをためらって床に正座したが、星崎に怪しまれた末、ベッドへ座り直した。その後、星崎は事前に用意していた教材を取り出し、二人は予定通り英会話のレッスンを始めた。
睦美による呼び出しと警戒
レッスンの途中で佐々木がトイレに立つと、廊下で待っていた睦美に呼び止められ、リビングへ案内された。睦美は以前から佐々木のことを姉から聞いており、自分も年上の相手が好みだと告げた上で、意味は分かるはずだと迫った。佐々木が身をかわしたことで睦美はソファーにぶつかって転び、苛立ちを露わにしながら、佐々木がお姉ちゃんを騙して弄ぶつもりではないかと問い詰めた。
誤解への説明と星崎の事情の共有
佐々木は、英会話レッスンのために呼ばれただけであり、星崎の職場での立場上、頼みを断れなかったと説明した。さらに、星崎の英語の勉強相手として、今後は睦美も協力してはどうかと提案した。睦美はなおも疑念を抱き、姉が深夜まで働いていることや立派なマンションに住んでいることから、風俗のような仕事をしているのではないかと不安を吐露した。これに対し佐々木は、星崎には特別な才能があり、それを買われて働いているのであって、そのような仕事ではないと真剣に否定した。
姉妹関係への理解と誤解の解消
睦美は、父親の借金問題や暴力から自分を庇ってくれた星崎を大切に思っており、だからこそ佐々木を強く警戒していた。佐々木は、星崎が職場でも信頼されている人物であることを伝え、睦美の不安に理解を示した。睦美は最終的に佐々木の説明を受け入れ、姉のことを教えてくれた礼を述べた。
星崎の登場とレッスン再開
そこへ星崎が現れ、リビングで何をしているのかと問いかけた。佐々木は猫が見えたので立ち止まっていたと取り繕い、星崎は佐々木に妹へ妙なことをしないよう釘を刺すと同時に、睦美にも佐々木へ妙なちょっかいを出さないよう言い聞かせた。こうして睦美とのやり取りは終わり、佐々木は再び星崎の部屋へ戻って英会話レッスンを再開した。
暴動の発生と星崎の帰宅
英会話のレッスンを中断して昼食に向かおうとしていた佐々木と星崎は、通りの先から多数の悲鳴と逃げ惑う人々を目にした。交差点の先では大勢の一般人が二つの集団に分かれるように乱闘しており、異能力の関与が疑われる状況であった。佐々木は星崎に妹の安全確保を優先するよう促し、自身は現場確認へ向かった。
現場確認と二人静からの連絡
交差点に到着した佐々木は、玉突き事故で道路が塞がれ、その只中で老若男女が入り乱れて暴れている光景を確認した。凶器や露骨な異能力の痕跡は見られなかったが、不自然な乱闘の広がりから異能力者の関与を強く疑った。そこへ二人静から連絡が入り、騒動の映像がすでにネット上に流れていること、そして現場近くまで到着していることが伝えられたため、佐々木は指定されたコンビニへ向かった。
二人静との合流と事態の分析
佐々木はコンビニ前で二人静と合流し、騒動について意見を交わした。星崎の自宅付近で事件が起きたことや、厚木基地での一件の直後であることから、今回の暴動はクラーケン討伐と無関係ではなく、自分たちを標的とした可能性が高いと判断した。また、星崎と妹についてはピーちゃんが向かっており、安全面は問題ないと確認された。
異能力対処の難しさと方針の模索
二人は、この規模の暴動を引き起こせる相手は高ランクの異能力者である可能性が高いと考えた。だが、二人静が表立って異能力を使えば現場の映像流出によって立場が危うくなり、警察や自衛隊を正面から投入しても事態がさらに悪化する恐れがあった。そのため、表向きには異能力が介在していない形で騒動を収束させる必要があると整理された。
星崎邸での作戦会議
佐々木と二人静は星崎邸へ戻り、星崎とピーちゃんを交えて作戦会議を行った。妹は自室で待機しており、マンション全体はピーちゃんの魔法で守られていた。星崎も騒動の原因が自分たちにある可能性を認め、状況共有の上で対応策の検討に加わった。
変身ヒーロー作戦の提案
佐々木は、二人静の異能力が暴徒の鎮圧に適している一方で、正体を晒したままの行動は避けるべきだと考えた。そこで、二人静を正体不明の変身ヒーローとして現場に送り込み、騒動そのものを特撮やイベントのように見せかける案を提案した。ピーちゃんの変身魔法を二人静に使う案は危険が大きいため見送られたが、星崎の妹のセーラー服やフルフェイスのヘルメットなどを用いて外見を変える方向で話がまとまった。
佐々木の役割と二人静の承諾
佐々木は、自分は変身ヒーローを支える敵役の異能力者として動き、黒幕のように振る舞いながらバックアップに回る役目を申し出た。さらに、異世界での新たな取引によって二人静への見返りを用意できると説明したことで、二人静は作戦への協力を承諾した。星崎は衣装替えを担当し、阿久津への連絡や情報工作も含めた準備が進められ、変身ヒーロー作戦が開始されることになった。
セーラー仮面の登場と鎮圧開始
佐々木は路地裏から現場を監視しつつ、二人静と別行動で合流を待っていた。送られてきた写真をもとに現場を確認した直後、大型バイクに乗ったセーラー服姿の二人静が到着し、正義のヒロインセーラー仮面として名乗りを上げた。彼女は暴徒に接近し、接触によるエナジードレインで次々と無力化していった。
ピーちゃんとの合流と潜伏行動
その最中、変身魔法で雀に姿を変えたピーちゃんが佐々木のもとへ合流した。人目を避けるため内ポケットに潜ませつつ、佐々木は敵役として出番を待ち続けた。現場ではセーラー仮面の活躍により暴徒の数は急速に減少していった。
黒幕の逃走と作戦移行
やがて暴徒の一人が不自然に戦線を離脱し、ビルの間へ逃走する様子が確認された。これにより操っていた異能力者が離脱した可能性が高いと判断された。追跡は困難であったため、当初の計画通り現場収拾を優先し、佐々木は敵役として行動を開始した。
怪人ミドルマネージャーの登場
佐々木は変身魔法で外見を偽装した姿で路上に現れ、セーラー仮面に対して怪人ミドルマネージャーとして名乗りを上げた。両者は即興のやり取りを交わしながら対峙し、演出としての戦闘が展開された。
戦闘演出と撤退判断
セーラー仮面が怪人に接近して押さえ込む場面もあったが、ピーちゃんの存在により一時的に動揺が生じた。その後も即興のやり取りを続けつつ、黒幕が既に撤退している状況から長期戦は避けるべきと判断された。佐々木は通話を装い課長へ連絡し、局員投入の了承を得た。
現場収束と証拠隠蔽
怪人ミドルマネージャーは撤退を宣言して現場から離脱し、直後に局員が到着して現場は封鎖された。負傷者や暴徒は回収され、撮影禁止の指示とともに情報統制が行われた。セーラー仮面も撤収し、騒動は表向き撮影現場の一幕として処理された。
事後対応と上司との対峙
その後、佐々木たちは局に戻り阿久津と面談した。今回の騒動について上司は事前に情報を得ていたことが示唆され、各国勢力がクラーケン討伐を契機に彼らを注視している状況が明らかとなった。星崎は家族への危険性を指摘し、上司は身辺警護を約束した。
騒動の背景と今後の認識
今回の暴動は彼らを探るための行動であり、直接的な害意は薄かったと説明された。とはいえ外部からの監視は強まっており、今後はより慎重な行動が求められる状況となった。佐々木たちは局員としての立場の重要性を改めて認識するに至った。
異世界帰還後の動向と戦況確認
帰還後の移動と軽井沢での打ち合わせ
阿久津との打ち合わせを終えた佐々木たちは庶務を片付けて帰路に就き、深夜にホテルへ戻った。その後ピーちゃんと合流し、空間魔法で軽井沢の別荘へ移動した。リビングで二人静と向き合い、今後の取引について軽油中心への切り替えを相談したが、既に手配済みであることが伝えられた。
二人静は経験に基づき、上位の意向は読めず一線を越えれば危険であると忠告し、自身が生き延びてきた理由として死なないことを挙げた。また無線機の故障原因として過電流の痕跡が確認されたことを指摘し、取り扱いへの注意を促した。
食事と軽油準備、異世界への再出発
その後三人で食事を取りながら待機し、軽油の準備完了の連絡を受けた。搬入先は従来の倉庫とされ、これを確認した佐々木たちは異世界へ移動した。ケプラー商会にて無線設備と軽油を納品し、設置方法や運用の指導を行った結果、数日間ルンゲ共和国に滞在することとなった。
砂糖など従来の商品は当面停止し、軽油供給を優先する方針が決定された。準備が整った荷馬車を見送った後、佐々木たちはヘルツ王国へ向かった。
砦への到着とアドニスとの再会
エイトリアムを経由してミュラー伯爵の屋敷を訪れるも不在であり、砦へ向かった。現地は町として発展しており、砦内部も整備が進んでいた。応接室に通された佐々木たちは、アドニス殿下と再会した。
アドニスはルイス殿下の件について話があると告げ、戦況の説明に入った。
ルイス殿下の勝利報告と動揺
アドニスはルイスが帝国の前線基地を制圧し大勝利を収めたと伝え、書状も本人の筆跡であると説明した。この想定外の戦果により、王位継承争いはルイスが優位に立つ可能性が示された。
アドニスは祖国のためなら王位を譲るべきかもしれないと語り、弱気な姿勢を見せた。
戦況の再検証と出発決定
しかし佐々木とミュラー伯爵、ピーちゃんは戦況が順調すぎる点を疑問視し、事実確認の必要性を提案した。ピーちゃんは帝国の動きも含めて調査する方針を示し、佐々木も協力を申し出た。
最終的に一行はゲシュワー駐屯地へ向かい、ルイス殿下の安否と戦況の真偽を確認するため、直ちに出発することを決定した。
〈侵略〉
ゲシュワー駐屯地の制圧確認
ササキ男爵領の砦を発った佐々木とピーちゃんは、空からゲシュワー駐屯地の様子を確認した後、地上へ降りて接近した。施設の周囲には馬車や人の姿が多く、さらにヘルツ王国の旗が各所に掲げられていたため、ルイス殿下の勝利が真実味を帯びていた。着地直後には騎士たちに出迎えられ、佐々木はそのままルイス殿下の下へ案内された。
ルイス殿下との面会と進軍の意思
佐々木はルイス殿下に祝意を伝えつつ、状況確認も兼ねていることを明かした。ルイス殿下は双眼鏡で佐々木たちを確認していたことを示しつつ、ゲシュワー駐屯地の制圧を当然の成果として語った。さらに、王都へ凱旋するのではなく、この機会にさらに帝国を攻める考えを示し、アドニス殿下には王都で吉報を待てと伝えるよう命じた。
駐屯地内部の実態確認
面会後、佐々木は案内を受けて施設内部を見て回った。そこではヘルツ王国の兵が完全に駐屯地を掌握しており、地下牢には基地司令ら重要な捕虜が収監されていた一方、価値の低い兵は処分されたと説明された。ヘルツ側にも負傷者はいたが、全体として駐屯地の制圧は事実であると確認された。
エイトリアムでの再検討
ゲシュワー駐屯地の確認を終えた佐々木とピーちゃんは、エイトリアムの宿へ戻って今後の方針を話し合った。ピーちゃんは、ルイス殿下が帝国と通じている可能性を疑い続けていたが、それを示す証拠はまだ得られていなかった。そのため、次にルイス殿下が攻める可能性が高い町へ再び潜入し、動きを探る必要があると判断した。
再潜入と町での情報収集
二人は再び変身魔法で姿を変え、ピーちゃんはゴールデンレトリバーの姿となって帝国の町へ戻った。前回と同じ宿に拠点を取り、翌日から町を歩いて情報収集を始めた。しかし、ゲシュワー駐屯地陥落の話題は市中では一切聞こえず、代わりに前回の出兵失敗に対する不満ばかりが語られていた。佐々木は町の人々が平穏を保っていることに違和感を覚えた。
宿での辺境伯との再会
その日の夕方、宿へ戻る途中で佐々木たちはバートランド辺境伯と再会した。辺境伯は騎士たちを従え、トロイ将軍の行方を捜している最中であり、佐々木にもその姿を見なかったか尋ねた。佐々木は見ていないと答え、辺境伯はそれ以上踏み込まず立ち去った。このやり取りから、トロイ将軍と辺境伯の間に連携が取れていない可能性が浮かび上がった。
夜の爆発と新たな異変
客室に戻った佐々木とピーちゃんは、辺境伯とトロイ将軍の関係を整理しながら、改めて今後の手を考えていた。そこへ宿の外で強い閃光と炸裂音が響き、窓の外を見ると豪華な馬車が爆発したように横転し、火を上げていた。周囲には倒れた騎士や逃げ惑う通行人の姿があり、ピーちゃんは攻撃魔法の可能性を示した。佐々木は夕食を後回しにして外の様子を見に行くことを決め、ピーちゃんにはその場に残ってもらうことにした。
爆発現場での救助と辺境伯の生還
客室を飛び出した佐々木は、爆散した馬車へ駆け寄り、その内部で騎士に庇われた人物が生きていることを確認した。そこで回復魔法を行使すると、瓦礫の間から現れたのはバートランド辺境伯であった。辺境伯は自分よりも倒れた騎士たちへの治療を優先するよう求め、佐々木はそれに従った。
救助直後の反転と拘束
やがて帝国兵たちが馬で駆けつけたが、彼らは佐々木を辺境伯暗殺未遂の犯人と断じた。辺境伯自身は佐々木に助けられたと主張したものの、兵たちは聞き入れず、佐々木をその場で取り押さえて簀巻きにし、首には隷属の首輪まで嵌めた。さらに辺境伯までも魔法で眠らされ、騎士たちごと連れ去られていった。
地下牢への収監とピーちゃんの潜入
佐々木が連行された先は町中の施設に設けられた地下牢であった。手枷と首輪を付けられたものの、首輪の効果は及んでおらず、魔法で脱出可能であることは確認できた。ただし変身魔法の維持時間が問題となる中、ピーちゃんが姿を隠して牢まで追ってきて、格子を抜けて中に入った。これにより変身の解除を防げる状況が整った。
牢内での情報収集方針
佐々木とピーちゃんは、脱獄せずにしばらく囚人として留まる方針を選んだ。帝国内の情報や逮捕理由を探る機会になると考えたためである。ピーちゃんの探検により、ここが帝国軍施設であり、兵の間ではゲシュワー駐屯地陥落の噂が流れていることまでは判明したが、それ以上の成果はないまま数日が経過した。
バートランド辺境伯による救出
動きのない日々が続いた後、地下牢に現れたのはバートランド辺境伯であった。辺境伯は妨害を受けて到着が遅れたと語り、自ら牢の鍵を開けて佐々木を解放した。手枷と首輪も外され、佐々木は辺境伯の先導で地下牢を脱出することになった。
地下牢での襲撃と副官の正体
しかし地下牢の出口で、辺境伯の騎士たちも看守たちも一斉に倒れた。そこへ現れたローブ姿の人物は、フードを外すと以前宿で会ったトロイ将軍の副官のエルフであった。彼女は中央が辺境伯を煙たがっていること、そして佐々木を犯人役に仕立てる段取りであることを明かした。辺境伯はこの陰謀に巻き込んだことを詫びたが、状況は既に追い詰められていた。
魅了の魔法とピーちゃんの介入
副官は佐々木に対し、辺境伯を自らの手で殺すよう命じた。その言葉は抗いがたい魅力を伴っており、佐々木は強く引き寄せられたが、そこへピーちゃんが割って入り、攻撃魔法を放って副官を牽制した。これによって佐々木は正気を取り戻し、先ほどの感情が魅了の魔法によるものだったと悟った。
副官の変身解除と正体の露見
続けて佐々木はレーザー魔法を放ち、副官の両脚を消し飛ばした。副官はすぐさま回復魔法で再生したが、その過程で変身魔法が解け、幼い外見の本来の姿を晒した。辺境伯はその姿を見て、彼女が大戦犯の一人であるハイエルフのメイジィだと叫んだ。メイジィ自身も、今までの姿は魔法で変えていたと認めた。
メイジィの撤退と辺境伯との別れ
なおも攻撃を続けようとしたところ、メイジィは空間魔法でその場から撤退した。危機を脱した後、辺境伯は佐々木たちの正体に疑念を抱きつつも、問いを深めるより先に安全な場所への移動を優先した。佐々木たちは辺境伯を町の別邸まで送り届けたのち、歓迎の申し出を断ってエルブレヘンを離れることにした。メイジィの正体が判明したことで、確認すべき事柄が新たに生じたためであった。
ゲシュワー駐屯地からの報告と疑念の整理
辺境伯と別れた佐々木たちは、宿を引き払ってゲシュワー駐屯地の近くへ移動し、そこで変身魔法を解いて元の姿に戻った。証拠となる異世界の衣服は地中に埋め、トロイ将軍の副官であったエルフの女について話し合った。佐々木は、チャームの魔法の使い手であることや、砦造りに関わった凄腕のゴーレム使いとも同一人物ではないかと疑い、ピーちゃんもそれに同意した。さらに二人は、大戦犯とは世間から傍迷惑な強者として扱われる存在であり、その行動原理は一様ではないものの、今回の件でマーゲン帝国上層部と結びついている可能性が高いと認識した。
駐屯地の変化とルイス軍の出発
その後、佐々木たちは飛行魔法でゲシュワー駐屯地へ向かった。だが、前回と比べて兵の数は大きく減っており、残っているのも負傷兵や商人、慰安婦らしき非戦闘員ばかりであった。この状況から、ルイス殿下がすでに駐屯地を発ち、さらに帝国側へ進軍したと判断された。これを受けて、佐々木とピーちゃんはミュラー伯爵とアドニス殿下のもとへ急ぎ戻ることを決めた。
ゴーレム使い不在の確認と砦での報告
ササキ男爵領へ戻った佐々木たちは、まずフレンチに凄腕のゴーレム使いの所在を尋ねた。しかしその人物は数日前から現場を離れていると分かり、エルフの女がその正体であった可能性がさらに強まった。続いて砦の応接室でミュラー伯爵とアドニス殿下に面会し、トロイ将軍の副官がルイス殿下と行動を共にしていたこと、そして同じ人物が砦の建造に関わっていた疑いが濃厚であることを報告した。加えて、ルイス殿下がすでにゲシュワー駐屯地を発ち、次の標的がエルブレヘンである可能性も伝えた。
アドニス殿下の決意と出陣
報告を受けたアドニス殿下は、兄が誤った道を進もうとしているなら、それを正すのは弟の役目であると語り、自ら追う決意を示した。ミュラー伯爵はただちに兵の支度に向かい、佐々木とピーちゃんも協力を申し出た。アドニス殿下は二人に同行を求め、ピーちゃんは現地までの先導を引き受けた。こうして一行はエルブレヘンへ向けて出発した。
進軍途上の確認とエルブレヘン接近
道中で一行はゲシュワー駐屯地にも立ち寄ったが、ルイス殿下やその軍勢の姿はなく、事前に確認した通り閑散としていた。騒動もなくそこで一泊し、翌日改めてエルブレヘンへ進軍した。数日後、目的地が目前に迫った頃になっても、先方には大きな動きが見られなかった。アドニス殿下とミュラー伯爵は、これほど接近を許している以上、ルイス殿下が帝国側と手を組んで現地を制圧した可能性が高いと見た。
エルブレヘン門前での兄弟対面
やがて一行が町の出入り口に到着すると、そこには多数の騎士に守られたルイス殿下の姿があった。周囲にはヘルツ王国の旗を掲げた兵たちが並び、町の内部にも王国軍が入り込んでいる様子が見て取れた。外壁には争いの痕跡が残っていたが、大軍同士が激突した形跡はなく、むしろ大規模な戦闘なしに掌握された印象であった。アドニス殿下は兄に問いただすためにここまで来たと伝え、ルイス殿下はそれに応じた。
ルイス殿下の説明と追及の失敗
アドニス殿下がマーゲン帝国に与しているのかと単刀直入に問うと、ルイス殿下はそれを否定し、以前の騒動で帝国が兵力を失っていたため、ゲシュワー駐屯地もエルブレヘンも押し切れたのだと説明した。さらに、町の兵が引いたのはアドニス殿下の部隊が後方から近づいているとの情報を得たからであり、今回の戦果の半分は弟のものだとまで語った。その説明には大きな矛盾が見られず、アドニス殿下も勢いを削がれる形となった。ルイス殿下は王都へ戻れと命じ、自身はこの地をヘルツ王国の領土として固めるために残ると告げた。
撤退の決断と兵たちの不満
ルイス殿下が去った後、アドニス殿下はミュラー伯爵に兵を引くよう命じた。伯爵はそれに従い、一行は来た道を引き返すことになった。兵たちは覚悟を決めてここまで来ていたため、不満の声も漏れていたが、総大将の決断に従うほかなかった。こうしてアドニス殿下の遠征は、成果を得られぬまま終わる形となった。
アドニス殿下の単独潜入
アドニス殿下の兵団がエルブレヘンから撤退を始めて一日が経過した後、アドニス殿下は兄の真意を確かめるため、ミュラー伯爵の兵団から離れて再びエルブレヘンに潜入した。事情を知るのはミュラー伯爵のみであり、佐々木とピーちゃんは星の賢者の空間魔法を用いて殿下を秘密裏に町へ連れ込んだ。まず佐々木たちが先に宿を確保し、その後に殿下を招き入れる形で拠点を整えた。
占領下の町の観察
翌日、三人はルイス殿下の所在確認を目指して町を見て回ったが、ヘルツ王国の兵が各所を警備していたため、容易には近づけなかった。そのためこの日は制圧下に置かれた町の様子を確かめることに切り替えた。町では帝国側の住民が怯え、商店や飲食店の閉店も目立っていた。略奪は起きていなかったが、今後の方針は住民に一切伝えられておらず、不安だけが広がっていた。
ピーちゃんの偵察と戦闘の発生
三日目、ルイス殿下の居場所確認はピーちゃんが単独で担うことになった。しかし出発から間もなく、ピーちゃんはマーゲン帝国側の門付近で両国の兵が衝突していると報告して戻ってきた。アドニス殿下も同行を望んだが、佐々木は大戦犯級の魔法使いが出てくる可能性を理由に制止し、まず自分とピーちゃんだけで確認に向かった。
ルイス殿下とトロイ将軍の対峙
現場となった広場では、ルイス殿下とトロイ将軍が両軍の兵に囲まれたまま向かい合っていた。トロイ将軍は計画を聞かされていなかったことに怒りを示し、ルイス殿下に兵を引くよう迫ったが、ルイス殿下は敵国の王子として振る舞い、裏切りを否定した。そのまま両者は戦闘に入り、ルイス殿下は障壁魔法でトロイ将軍の猛攻を防いだ。しかし将軍の剣が赤く輝いた一撃によって障壁は砕かれ、ルイス殿下は頬を裂かれた。
アドニス殿下の乱入とトロイ将軍の死
そこへ我慢できなくなったアドニス殿下が広場へ飛び込み、兄への助太刀を宣言してトロイ将軍へ斬りかかった。将軍がその攻撃を受け止めた直後、ルイス殿下は雷撃の魔法を放ち、トロイ将軍を倒した。将軍はその場に崩れ落ち、回復魔法を受けても動かなくなった。これを受けてルイス殿下は、自らがトロイ将軍を討ち取ったと兵たちに高らかに宣言し、ヘルツ王国軍は歓声を上げた。
ルイス殿下の告白
戦いの直後、ルイス殿下はアドニス殿下に対して王都へ戻るよう命じ、自らには時間が残されていないと告げた。その直後、ルイス殿下の背から肉塊が噴き出し、身体が異形へと変わり始めた。アドニス殿下はそれを腐肉の呪いだと悟り、兄が長年東の塔に籠もっていた理由もこの呪いにあったのではないかと気づいた。ルイス殿下は、敵はすでにヘルツ王国の深部にまで入り込んでいること、自分の派閥は切り捨てて構わないこと、しかしササキ男爵とミュラー伯爵、そして一部の者は信じてよいことを弟に伝えた。さらに、ルンゲ共和国と大戦犯という呼び名にも疑念を示した。
最後の別れ
呪いは進行を止めず、ルイス殿下の身体は急速に肉塊へと変貌していった。周囲の兵たちは回復魔法を重ねたが、変化は止まらなかった。アドニス殿下は泣きながら兄に諦めないでほしいと訴えたが、ルイス殿下は祖国を託し、愛しい弟よと言い残した。やがて頭部までも肉塊に呑み込まれ、最後には人としての姿を完全に失った。アドニス殿下はその場で兄の名を叫び、戦場には弟の悲痛な声だけが響いた。
〈王位継承〉
王城への潜入と捜索開始
ピーちゃんの空間魔法により、佐々木とピーちゃんはゲシュワー駐屯地から王城の中庭へと移動した。周囲に人の気配がないことを確認した上で、二人は城内を手分けして捜索する方針を決定した。ピーちゃんは東側、佐々木は西側を担当し、大戦犯と遭遇した場合は派手に魔法で知らせるよう取り決めた。
城内での襲撃と異変の察知
佐々木が城内を進むと、貴族と思しき人物に遭遇したが、相手は即座に攻撃魔法を放ち襲いかかってきた。相手は佐々木の存在を把握しており、生かしておくと困ると語ったことから、城内に敵が潜んでいる状況が明らかとなった。その後も複数の人物から追撃を受けつつ、佐々木は城内を進んだ。
謁見の間での対峙
辿り着いた謁見の間では、トロイ将軍の副官であるエルフの魔法使いメイジィと、玉座に座るヘルツ国王の姿があった。国王はチャームの魔法により正常な状態を失っており、エルフの魔法使いの支配下にあった。佐々木は国王にルイス殿下の最期とアドニス殿下の無事を伝え、意識を取り戻させようと試みた。
国王の覚醒と自決
佐々木の言葉により、国王は一時的に正気を取り戻し、子供たちが祖国のために戦っていることを理解した。そしてアドニス殿下を託す言葉を残すと、自ら短刀で首を切り、自決した。佐々木は回復魔法を施したが効果はなく、国王はそのまま命を落とした。
ピーちゃんの救援とエルフの撤退
ピーちゃんが駆けつけ、国王に対して高度な回復魔法を試みたが、既に死亡していたため蘇生は不可能であった。その直後、エルフの魔法使いは空間魔法で離脱を試み、ピーちゃんの攻撃魔法を受けながらも逃走した。
濡れ衣と撤退
謁見の間に駆けつけた貴族や騎士たちは、国王の死を目の当たりにし、佐々木を犯人として糾弾した。状況的に弁明は不可能と判断した佐々木は、ピーちゃんと共に飛行魔法で脱出し、追手を撒いた上で空間魔法により王城から離脱した。
王都帰還後の情勢共有
ヘルツ王国の首都アレストを発った佐々木たちは、ゲシュワー駐屯地に戻り、そこでミュラー伯爵とアドニス殿下に王城内で起きた一連の出来事を報告した。大戦犯の脅威は退けられたものの、その過程で国王が命を落としたことを知り、アドニス殿下は深い悲しみを示した。一方で、ルイス殿下派の貴族たちが今後は年少の弟妹を神輿として担ぎ出す可能性が語られ、次の局面が見え始めた。
王都奪還に向けた方針決定
アドニス殿下は、兄と父が残した機会を無駄にできないとして、王都に向かう決意を固めた。ミュラー伯爵はこれに従い、レクタン平原の砦を拠点に兵を集める案がまとまった。さらにエイトリアムやディートリッヒ伯爵領からの支援も視野に入れられ、王都への進軍準備が進められることとなった。
王都からの書状と敵意の明確化
一行が砦に戻ると、王城からの書状が届いていた。そこにはルイス殿下が逆賊であり、ササキ男爵の暗躍によって国王が崩御したと記され、アドニス殿下に早急な登城を求める内容が並んでいた。ミュラー伯爵とアドニス殿下はこれを明白な罠だと判断し、王都側が完全に敵対姿勢を取ったことを確認した。
砦での密議と提案の採用
アドニス殿下は王都までの道中で妨害が激化することを見越し、どう進軍するかを再検討した。そこで佐々木たちは、兵を鼓舞しつつ王都まで一気に進軍する策を提案した。アドニス殿下はその提案を受け入れ、王都奪還に向けた準備を整えることとなった。
出陣前の演説とフレンチの叙任
翌日、兵が揃うとアドニス殿下は砦の中庭に面した場所に立ち、兵たちに向けて演説を行った。ヘルツ王国衰退の原因は帝国の間者が国内深く入り込んでいることにあると語り、さらに国王がその手の者によって殺されたと告げた。この場で殿下は砦に正式な名を与え、フレンチを子爵に叙すると宣言した。加えて、功績を挙げた兵たちにも騎士としての道が開けると示したことで、兵たちの士気は大きく高まった。
ドラゴン投入による出兵加速
続いてアドニス殿下は、国境の大穴に棲むドラゴンが味方であると明かし、それがルイス殿下の遺した守り手であったと説明した。空に現れたゴールデンドラゴンの姿に兵たちは驚愕しつつも歓声を上げ、出兵への勢いは一気に増した。こうして王都奪還軍は、ドラゴンを切り札として進軍を開始した。
王都までの快進撃
一行はまずエイトリアムで兵と補給を整え、その後は最短ルートで王都を目指した。道中ではルイス派の領地のみならず、中立や他派閥の領地からも妨害を受けたが、ドラゴンの圧倒的な力によって敵兵は次々と蹴散らされた。佐々木の回復魔法もあって味方に死者は出ず、進軍は驚くほどの速度で続いた。
王都突入と王城攻略
王都アレストに到着すると、アドニス殿下はドラゴンのブレスで正門を破壊し、民には手を出さず抵抗する者だけを切り捨てるよう命じた。兵たちは一斉に突入し、王都内を制圧しながら王城を目指した。王城前の兵は早々に崩れ、アドニス殿下たちは近衛騎士に守られながら城内へ進んだ。城内では佐々木が雷撃魔法で遠距離から支援し、ミュラー伯爵やアドニス殿下が近接戦で切り開く形となった。
謁見の間での決着
謁見の間に辿り着いた一行は、玉座に座らされた少年エミールと、その傍らに立つアインハルト公を発見した。アインハルト公は、より大きな敵と戦うためには今の秩序を変える必要があると語り、帝国と通じた正当化を試みた。しかし最後には自らの首を刎ねて命を絶ち、その場にいた者たちを震え上がらせた。
アドニス殿下の即位宣言
アドニス殿下は、弟妹を利用し国を傾けようとした逆賊は討ち取られたと宣言し、その場で第四十八代ヘルツ国王として即位を名乗った。騎士や兵たちはこれを称え、後続の兵も駆けつけて王城内は勝利の声に包まれた。こうして敵側は戦意を失い、残党兵も早々に鎮圧された。
王都攻略の完了
王都内には第二王子によるクーデター成功の知らせが広まり、各所で敵兵の撤退が始まった。味方にも被害は出ていたが、ドラゴンの威圧と快進撃によって損害は最小限に抑えられた。結果として、アドニス殿下による王都攻略はわずか一日で成功に終わった。
戴冠と論功行賞
王城に戻った翌日、城内ではアドニス殿下の戴冠式が行われ、彼は正式にヘルツ国王の地位を得た。翌々日以降にはクーデター参加者への論功行賞が進められ、ミュラー伯爵は宰相に抜擢された。多くの貴族が帝国に与していたため、重要職を任せられる人物が限られており、その結果として伯爵に大役が回ってきたのである。ディートリッヒ伯爵は財務大臣に任じられ、ササキ男爵には宮中大臣の役目が与えられた。さらにフレンチもフレンチ子爵として正式に取り立てられ、レクタン平原一帯を治める立場となった。
祝宴での顔合わせと新体制の形成
戴冠式と褒賞の後には、即位の祝宴を兼ねた派閥の結束を図るための会合が開かれた。ササキ宮中大臣となった佐々木のもとには、多くの貴族が次々と挨拶に訪れた。会場ではアドニス陛下やミュラー伯爵、ディートリッヒ伯爵も絶えず人に囲まれており、新しい体制のもとで足場を固めようとする貴族たちの熱気が満ちていた。フレンチ子爵もまた注目を集め、ミュラー伯爵との関係や砦での功績を問われていた。ドラゴンは引き続き首都アレストに滞在し、帝国派貴族への牽制役を担うこととなった。
現代帰還の相談
王都帰還から数日が経過し、佐々木は現代日本での時間経過を気にし始めた。ピーちゃんも、そろそろ元の世界へ戻るべきだと提案した。異世界では依然として多くの課題が残っていたが、現代の職場や状況も無視できなかったためである。二人は、当面エルフの人が表立って動くことはないだろうと判断し、いったん現代に戻る方向で話を進めた。
エルザの将来と王家との結び付き
会話の中で、エルザをそろそろ実家へ戻すべきではないかという話題が出た。ピーちゃんは、王城内の混乱が収まった頃にユリウスから声が掛かるだろうと見込み、その際にまた一芝居打てばよいと考えていた。佐々木は、エルザの将来の立場は極めて重要になるだろうと見ており、場合によってはアドニス陛下の妃となる可能性まで想像していた。ピーちゃんも、相手がアドニス陛下であればエルザにとって悪い話ではないと認めた。
ルイス殿下救済への希望
現代へ戻る前に、佐々木はルイス殿下のことを諦めたくないとピーちゃんに打ち明けた。ルイス殿下は現在、肉塊となったまま運び込まれ、今後の扱いも定まっていなかった。ピーちゃんは、自分の魔法ではあの呪いに手が出せないと改めて語ったが、佐々木はアバドン少年ならば何かできるかもしれないと考えた。父であるヘルツ国王を救えなかった以上、せめて息子であるルイス殿下のことは見捨てたくないという思いが、佐々木の中に強く残っていた。
ピーちゃんとの合意
佐々木は、クラーケンの件で助けてもらった借りもあり、ピーちゃんの大切にしてきた存在を自分も助けたいのだと伝えた。ピーちゃんは当初、そこまで自分たちに関わる必要はないと返したが、最後には明確に否定せず、その言葉を受け入れるように応じた。こうして二人の間では、ルイス殿下を救う可能性を完全には捨てないという思いが共有された。
現代への帰還と休暇終了の発覚
佐々木たちは星の賢者様の魔法で異世界から現代日本へ戻り、ホテルの一室に移動した。時刻は朝七時、日付は出発から二日後であり、異世界では一か月以上を過ごしていたことが分かった。佐々木が局支給の端末を確認すると、上司から不在着信とメールが届いており、休暇はすでに終わっていて本日から登庁するよう指示されていた。これを受けて佐々木は身支度を整え、ピーちゃんにはエルザへの説明を頼んだ上で職場へ向かった。
久々の出社と打ち合わせへの招集
ホテルを出た佐々木は、久しぶりの満員電車に揉まれながら職場へ向かった。駅では他人とぶつかって罵声を浴びるなど、社畜生活の感覚を改めて思い出させられた。職場に到着すると、阿久津課長にすぐ声をかけられ、打ち合わせスペースへ案内された。そこにはすでに星崎と二人静が着席しており、三人はいつも通りの位置関係で課長と向き合うことになった。
髪の変化をめぐる軽口
打ち合わせの冒頭で、阿久津は佐々木の髪が以前より伸びていることに気づいた。二人静がそれに乗じて茶化し、さらに星崎の髪にも話題が及んだことで、場には軽い雑談が流れた。佐々木が星崎の髪型を褒めると、星崎は意外そうにしながらも素直に受け取った。その後、阿久津は本題に入るため、ディスプレイへの注目を促した。
未確認飛行物体の提示
阿久津がディスプレイに映し出したのは、空高くに浮かぶ角張った飛行物体の写真であった。画像は全国各地だけでなく国外でも撮影されており、昼夜を問わず目撃例が相次いでいるという説明がなされた。写真の対象は古典的なUFOというより、宇宙戦艦のような形状をしていた。二人静は衛星画像ではないかと推測したが、阿久津はそれ以上の詮索は危険だと制した。
新たな任務の提示
阿久津は、この未確認飛行物体について情報収集をしてほしいと三人に依頼した。まずは国内での調査を考えていると説明し、異能力者が関与している可能性は低いと見ているものの、現時点で完全には否定できないと語った。佐々木は、異能力者による関与が皆無とは言い切れないことを理解しつつも、今回もまた休暇が短期間で打ち切られた現実を受け止めるしかなかった。二人静は、巨大怪獣騒動の次は未確認飛行物体かと呟き、現代側の慌ただしさを改めて感じさせた。
『お隣さんと暖炉』
〈新居での違和感〉
豪邸への引っ越しと落ち着かなさ
自宅アパートが爆破されたため、二人静が用意した軽井沢の別荘地にある屋敷へ引っ越した。玄関ホールだけでも以前の住まい一式が収まるほどの広さであり、室内全体も非常に広大であった。案内を終えた家主が外出した後、二人静とアバドンは二人きりで過ごすこととなった。広々とした空間に対し、二人静は落ち着かず、ソファーの上で膝を抱えて過ごしていた。
広すぎる空間への不安とやり取り
アバドンはその様子を見て、以前の住まいと変わらない振る舞いだと指摘したが、二人静は壁までの距離が遠すぎて落ち着かないと答えた。冗談めかして建物の崩壊を心配しているのではないかと問われるも、二人静はそれを否定しつつも、不安を拭いきれない様子であった。静まり返った室内では暖炉の音だけが響き、広い庭を眺めながらも心が落ち着かない状態が続いていた。
暖炉を巡る不安と知識の想起
暖炉について火事の危険を懸念した二人静は、水をかけるべきかと考えたが、アバドンに金属が割れる可能性を指摘され思いとどまった。そのやり取りを通じて、学校で学んだ理科の知識を思い出し、授業の意義を改めて認識する一方で、先に指摘されたことに悔しさも感じていた。外出時の扱いについても疑問を持ち、暖炉を使う必要性そのものに疑念を抱いた。
暖炉を巡る価値観の違い
二人静が暖炉の必要性に疑問を呈する中、アバドンは風情を理由に肯定した。さらに薪を追加して火を維持しようとするアバドンに対し、二人静は火を消したい意向を示したが、聞き入れられることはなかった。この一連のやり取りから、暖炉に対する価値観の違いが明確となり、火の管理は当面アバドンに任せる形となった。
佐々木とピーちゃん 一覧













漫画版



西野 学内カースト最下位にして異能世界最強の少年 シリーズ

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