最強装備宇宙船 16 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 18 レビュー
物語の概要
■ 作品概要
本作は、宇宙を舞台にしたSFファンタジー・ライトノベルである。航宙艦やコロニーが行き交う高度なSF世界に、空間転移や念動力といった「サイオニックテクノロジー(法力)」や「聖遺物」などのファンタジー要素が融合した独自の宇宙社会を基本的な世界観としている。
本作(第17巻)では、主人公のヒロ一行が自らの出自やサイオニック能力の新情報を求め、鎖国状態にある「ヴェルザルス神聖帝国」を目指す旅が描かれる。道中、婚約者であるクリスの祖父・ダレインワルド伯爵領を訪れたヒロは、婚約に反発する家臣たちを自らの実力と覚悟で抑え込む。束の間の休息を楽しむ中、宙賊の大船団による襲撃が発生し、絶体絶命の危機においてヒロが愛機「クリシュナ」にサイオニックパワーを全力で注入した結果、機体は眩い光に包まれ異形の進化を遂げる。その後、ヴェルザルス神聖帝国に入国した一行は、独特の文化や儀式に触れながら、クリシュナの謎や異界の存在へと迫っていく。
■ 主要キャラクター
- ヒロ(キャプテン・ヒロ):本作の主人公。凄腕の航宙傭兵(プラチナランカー)であり、名誉子爵の地位を持つ。時空間すら操る強大なサイオニック能力(第三法力)に覚醒した「落ち人」であり、もし絶望の中で死を迎えれば星系を複数吹き飛ばすほどの大惨事を引き起こしかねない危険な存在として恐れられている。異常なほどトラブルを引き寄せる体質を持つが、本人は権力闘争を嫌い、一戸建てを建てて自由に生きることを夢見ている。
- クリスティーナ(クリス):ダレインワルド次期女伯爵であり、ヒロの婚約者。ヒロの傭兵としての生き方を理解し、ヒロの夢である一戸建ての建設地として自らが総督を務めるコーマット星系を提案し、全面的に支援する。
- クギ:ヴェルザルス神聖帝国の神祇省に所属する狐耳の巫女。ヒロが暴走した際の監視や保険(生贄)として派遣された立場だが、自身の意思で彼を強く慕っており、任務が解かれても離れるつもりはないという固い決意を持っている。
- エルマ&ミミ:ヒロと行動を共にする初期からのクルー。エルマはエルフの女性で酒好きであり、常識人として冷静なツッコミ役を担う。ミミはヒロを慕い、交易商人としてのスキルを身につけながら健気に彼をサポートする。
- ティーナ&ウィスカ:凄腕のドワーフ整備士姉妹。常識を越えた異常な進化を遂げ、「聖遺物」の可能性が高いとされるクリシュナの理解不能な性能に絶望しつつも、解析と整備に奮闘する。
■物語の特徴
本作の魅力は、主人公が圧倒的な力を見せつける戦闘の爽快感と、平和でユーモラスな日常描写のギャップにある。未知の宇宙怪獣「光子生命体」や多数の宙賊艦隊を相手に、ヒロのサイオニック能力と未知の進化を遂げたクリシュナが無双するシーンは、読者に強いカタルシスを与える。 一方で、ヒロ自身は「星系を滅ぼし得る生きた爆弾」というシリアスな設定を抱えながらも、権力を避けてマイペースに振る舞い、クルーたちとメイド服などのコスプレ大会を開いたり、未知の星で即席の焼き飯を振る舞ったりするなど、コミカルで温かい日常のやり取りが物語の緩急を生み出している。 さらに第17巻では、独自の宗教観や「法力植物」「物の怪」といった概念が存在する「ヴェルザルス神聖帝国」が舞台となることで、SFの枠に留まらないオカルトやファンタジー要素が深掘りされ、他作品にはない重厚かつ特異な世界観が展開されている点も大きな特徴である。
書籍情報
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 17
著者:リュート 氏
イラスト:鍋島テツヒロ 氏
出版社:KADOKAWA(カドカワBOOKS)
発売日:2026年5月9日
ISBN:9784040764054
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
愛機クリシュナが謎の超絶進化! さらにヒロは遂にクリスと正式に……?自らの出自やサイオニック能力の新情報を求めてヴェルザルス神聖帝国を目指すヒロ一行。その前に、クリスとの婚約に向けて祖父ダレインワルド伯爵領を訪れる。顔合わせの席で反発する家臣を黙らせると、その後はクリスとゆっくりしたり、謎のコスプレ大会をしてみたり……。
さらに、旅の道中で宙賊の大船団が襲来。絶体絶命の中、ヒロがクリシュナにサイオニックパワーを全力注入すると、機体が眩い光に包まれて異形の進化を遂げて――?
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 17
感想
読んでまず感じたのは、本作らしい日常パートと大規模なSF展開のバランスの良さである。
婚約者との穏やかな時間が描かれたかと思えば、次の瞬間には宇宙規模の戦闘や未知の技術の話へ発展していく。その落差がありながらも、不思議と違和感なく楽しめるところが本シリーズの魅力だと改めて感じた。
まず印象に残ったのは、ヒロとクリスがダレインワルド伯爵領を訪れる場面である。
婚約そのものに反発する家臣たちもいたが、ヒロは感情的になることなく、自分の立場と実績を示しながら堂々と向き合っていた。その姿には大きな成長を感じる。
また、将来の拠点としてコーマット星系に家を建てる計画が具体的に進み始めたことも印象的だった。
シリーズ当初から掲げてきた「一戸建てを持つ」という目標に少しずつ近づいていることが実感できて、読んでいて嬉しくなった。
さらに、ヒロとクリスの関係が大きく前進した点も見逃せない。
これまで慎重な距離感を保っていた二人だったが、ついに正式な意味で結ばれることになる。
個人的には少し意外な展開でもあったが、それだけクリスの覚悟が強かったのだろう。長く見守ってきた関係だけに、素直に喜ばしく感じられた。
物語が大きく動き出すのは、クギの故郷であるヴェルザルス神聖帝国へ向かう旅からである。
その道中で発生した宙賊艦隊との戦いは非常に熱かった。
特に印象に残ったのは、ヒロがクリシュナへサイオニックパワーを注ぎ込み、機体が未知の進化を遂げる場面である。
絶体絶命の状況から一気に形勢が逆転する展開には思わず興奮してしまった。
読んでいて感じたのは、このシリーズの魅力は単純な戦闘の強さだけではなく、「次は何が起こるのかわからないワクワク感」にあるということである。
進化したクリシュナが「聖遺物」と呼ばれる特別な存在だったことが判明した時も、SF作品を読んでいたはずなのに神話や伝説のようなロマンを感じた。
宇宙船でありながら、どこか神秘的な存在として描かれている点が非常に面白い。
そして終盤では、一行がヴェルザルス神聖帝国の主星イズモへ到着する。
異文化との出会いも興味深かったが、特に印象に残ったのは「祓えの儀」である。
ヒロに蓄積された穢れの量が明らかになる場面では、これまでどれほど危険な状況を乗り越えてきたのかが改めて伝わってきた。
さらに、儀式の中で現れた「九尾の美女」との邂逅も非常に印象的だった。
美しさと恐ろしさが同居しているような不思議な存在であり、今後の物語にどのように関わってくるのか気になって仕方がない。
読んでいて感じたのは、本巻は新たな章の始まりを描いた物語だったということである。
クリシュナの進化、サイオニック能力の謎、神聖帝国の文化、そして九尾の美女の存在。
これまで積み重ねてきた物語の先に、さらに大きな世界が広がっていることを感じさせてくれた。
日常パートの温かさと、未知への冒険のワクワク感を同時に味わえる非常に満足度の高い一冊だった。続きではヒロたちがどのような新たな発見や騒動に巻き込まれるのか、今から楽しみである。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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最強装備宇宙船 16 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 18 レビュー
考察・解説
クリスとの婚約
ヒロとクリスティーナ(クリス)の婚約に関する詳細について解説する。
婚約の背景とクリスの覚悟
ヒロはダレインワルド次期女伯爵であるクリスと婚約を予定している。
・クリスは、ヒロが結婚後も傭兵としての活動を続けることや、他の女性クルーたちとの関係が続く可能性を理解し、受け入れている。
・その一方で、自分にも相応の時間を求めるなど、ヒロとの関係構築に積極的な姿勢を見せている。
・ヒロがヴェルザルス神聖帝国へ旅立つ前夜、クリスは遠方へ行くヒロへの想いを形にするため、強い決意を持って自らの意思で関係を求め、ヒロもその覚悟を受け入れたことで二人は正式に結ばれた。
家臣たちの反発と政治的利点
当主であるダレインワルド伯爵自身は二人の婚約に賛成しているものの、家臣の全員が納得しているわけではなかった。
・特にブッシュバウム子爵は、ヒロの女性関係や、彼を迎えても伯爵家に利益がないとして猛反発していた。
・しかし、ヒロがクリスだけでなく、有力貴族であるセレナ(ホールズ侯爵家)やエルマ(ウィルローズ子爵家)とも婚約関係を結ぶ予定であることが大きな武器となる。
・これにより帝都や有力貴族との太い繋がりが形成されるため、家臣たちの懸念は大きく薄れた。
・最終的にダレインワルド伯爵が「ヒロを伴侶として迎えることは決定事項」と明言し、反対派の家臣たちもそれに従うことになった。
ヒロのスタンスと婚約 of 条件
ヒロは婚約にあたり、自身の生き方を曲げない強いスタンスを家臣たちに示した。
・傭兵稼業の継続:結婚後も傭兵として自由に活動することを宣言し、活動を制限されるなら婚約自体を取りやめるとまで断言した。
・領政への不干渉:自身を通じてホールズ侯爵家などが伯爵領の運営に干渉してくる可能性を防ぐため、領政には深く関わらず、治安維持や対宙賊活動などの軍事面でのみ協力する方針を示した。
・トラブル体質の告白:自身が異常なほどトラブルを引き寄せる体質であることを包み隠さず語り、領地に長く留まることの危険性を説明した。
この説明を受けた家臣たちは、ヒロが領地に定住せず傭兵として各地を巡ることを逆に支持するようになった。
将来の拠点計画と婚儀の見通し
ヒロの目標である「庭付き一戸建て」の建設地として、クリスが総督を務めるコーマット星系が有力な候補となっている。
・クリスは全面的に協力することを約束した。
・自身の権限を行使して、護衛任務の報酬として「クリシュナを停泊させられる着陸パッド付きの広大な土地」を用意すると申し出ている。
・婚儀については、クリスが貴族として正式に成人するまでにはまだ時間が残されているものの、慣習の形骸化やセレナの年齢なども考慮され、成人を待たずに1年以内に執り行う見通しで話がまとまっている。
まとめ
ヒロとクリスの婚約は、傭兵としての自由を尊重する姿勢と、それを受け入れるクリスの強い覚悟によって成り立っている。家臣団の政治的な反発に対しても、ヒロの持つ有力貴族との繋がりや、領政に干渉せず軍事面でのみ貢献するという合理的な提案によって解決が図られた。コーマット星系での拠点計画も進んでおり、二人は1年以内の婚儀に向けて着実に準備を進めている。
伯爵家臣との対立
ヒロとダレインワルド伯爵家の家臣たちとの対立について解説する。
対立の背景と家臣たちの思惑
ヒロがクリスティーナ(クリス)の伴侶となることについて、当主であるダレインワルド伯爵自身は賛成していたが、家臣の全員が納得しているわけではなかった。
・家臣たちの間には、自らの家から婿を送り込むことで伯爵家との結び付きを強め、派閥内での立場を盤石にしたいという打算があった。
・有力な後ろ盾を持たない名ばかり貴族のヒロを迎え入れても、伯爵家にとって利益がないと懸念されていた。
顔合わせにおける家臣たちのスタンス
伯爵邸での会合では、家臣たちから以下のように三者三様の反応が示された。
・アードルフ・ブッシュバウム子爵(筆頭格):ヒロが多数の女性を側に侍らせていることや、伯爵家に利益をもたらさないことを理由に、婚約に猛反発した。
・ベッティーナ・エルツベルガー女男爵:ヒロの武勲と皇帝から賜った名誉爵位を評価しつつ、当初は是も非も表明しない中立的な立場をとっていた。
・ルートガー・シュノール男爵:世継ぎを残すことが最重要であるとし、女性関係は問題ないとして消極的ながら賛成の立場をとり、激昂するブッシュバウム子爵をたしなめた。
対立の解消とヒロの交渉術
ヒロはこの対立を、自身がもたらす強力なコネクションと、独自のスタンスを明確に提示することで解消に導いた。
・強力な政治的パイプの提示:ヒロがクリスだけでなく、セレナ(武門の名門ホールズ侯爵家)やエルマ(ウィルローズ子爵家)とも婚約する予定であることが最大の武器となった。これにより帝都や有力貴族との太いパイプが形成されるため、家臣たちの利益がないという懸念は完全に粉砕された。当主のダレインワルド伯爵が「婚約は決定事項」と明言したことで、ブッシュバウム子爵も渋々ながら従わざるを得なくなった。
・傭兵稼業の継続と領政への不干渉の宣言:ヒロは結婚後も傭兵として自由に生きることを宣言し、活動を制限されるなら婚約自体を取りやめると強気の姿勢を見せた。さらに、自分が領地運営に深く関われば、自身を通じてホールズ侯爵家などが領政に干渉してくる可能性があり、それを警戒する家臣もいるはずだと指摘した。そのため、軍事面(治安維持や対宙賊活動)でのみ協力し、領政には深く関わらないという方針を示し、エルツベルガー女男爵らの深い納得を得た。
・トラブル体質の告白:ヒロはダメ押しとして、自身が異常なほどトラブルを引き寄せる体質(宙賊との頻繁な遭遇、バイオテロ、結晶生命体や生物兵器との死闘など)であることを包み隠さず語った。これを聞いたエルツベルガー女男爵は困惑し、傭兵稼業を続けることを支持する、できれば自領には来ないでほしいと宣言した。
対立の結末
最終的に、反発していたブッシュバウム子爵やシュノール男爵も含め、家臣たちはヒロが領地に定住せずに傭兵稼業を続けるという方針を了承した。
・ダレインワルド伯爵も、ヒロがダレインワルド伯爵家とホールズ侯爵家、ウィルローズ子爵家を結ぶ楔として機能すれば十分であると評価した。
・家臣との対立はヒロのペースに巻き込まれる形で平和裏に収束した。
まとめ
ヒロとダレインワルド伯爵家家臣団との対立は、貴族社会の思惑とヒロの合理的かつ強気な交渉術がぶつかり合う形で展開された。自家の利益や権力闘争を重視する家臣たちに対し、ヒロは他家との圧倒的な政治的パイプを誇示しつつ、領地運営に干渉せず外部から軍事貢献のみを行うという、家臣側にもメリットのある妥協点を提示した。さらに自身のトラブル体質を開き直って告白することで、領地に留まらせない方が安全であると家臣たちに納得させ、自身の傭兵スタイルを認めさせるという鮮やかな政治的勝利を収めている。
拠点の選定
ヒロが最終的な大目標として掲げている「拠点の選定」に関する詳細について解説する。
危険な傭兵生活を送るヒロにとって、安住の地となる拠点の確保は最も重要な計画であり、婚約者であるクリスティーナ(クリス)の協力を得て具体的な進展を見せている。
最大の目標である庭付き一戸建て
ヒロは最終的な大目標として、自由に炭酸飲料を飲める庭付き一戸建ての惑星居住地を手に入れることを掲げている。
・惑星上に土地や家を購入するには、上級市民権(一等市民権)や数億エネルという莫大な資金が必要となる。
・そのため、ヒロは仲間と共に傭兵稼業で資金を貯め続けてきた。
有力候補地であるコーマット星系とクリスの支援
ヒロの婚約者となるクリスが総督を務めるコーマット星系が、将来の拠点の最も有力な候補地となっている。
・費用の抑制と仕事の確保:ダレインワルド伯爵領の中心であるデクサー星系などの歴史ある星系に比べて、コーマット星系は開拓初期であるため土地代などが安く上がる可能性が高い。さらに、傭兵としての仕事も得やすいというメリットがある。
・治安の評価:治安はデクサー星系より一段落ちるものの、防衛設備を整えれば居住惑星が丸ごと蹂躙されるような心配はないと評価されている。
・クリスの権限による優遇:クリスは自身の権限を行使し、護衛任務の報酬という名目でヒロに土地を用意すると約束している。ダレインワルド伯爵家の身内(伴侶)となるため、実質的に無料で無税の土地が提供されるという、非常に有利な条件が提示されている。
拠点の具体的な設備計画
ヒロが思い描く庭付き一戸建ては、単なる住宅ではなく傭兵としての実用性と安全性を兼ね備えた要塞のような仕様が計画されている。
・着陸パッドの設置:最低でも愛機である小型艦クリシュナが着陸できるパッドが必要とされている。中型艦アントリオンも停泊できれば理想であるが、敷地面積が広くなりすぎるため検討事項となっている。
・立地条件:大型の母艦ブラックロータスは個人の敷地に停泊させることが難しいため、将来的にブラックロータスが着陸可能な総合港湾施設が建設される予定の場所の近くに土地を確保する方針である。
・地下シェルターの構築:宙賊の降下襲撃などの万が一の事態に備え、防御の堅い地下シェルターを敷地内に用意することが必須条件として話し合われている。
まとめ
ヒロの目標である拠点の選定は、クリスが総督を務めるコーマット星系を軸に、極めて現実的かつ有利な条件で計画が進められている。単なる隠居先ではなく、愛艦の着陸パッドや強固な地下シェルターを備えた、傭兵の拠点にふさわしい機能性と安全性を備えた一戸建てを目指し、具体的な立地や設備選定のフェーズへと移行している。
クリシュナの変貌
ヒロの愛機である小型戦闘艦「クリシュナ」の変貌について、そのきっかけや変化した性能、そしてその正体に関する詳細を以下の通り解説する。
圧倒的な宙賊艦隊との死闘の最中、ヒロの精神波と共鳴したクリシュナは、既存の宇宙船の常識を遥かに超越した異次元の戦闘能力へと進化を遂げた。
1. 変貌のきっかけ
ヒロたちがヴェルザルス神聖帝国へ向かう途中、ウェリック星系において80隻を超える大規模な宙賊艦隊による襲撃を受け、窮地に陥った。
・圧倒的な物量と包囲網によってシールドが削られ劣勢に立たされたヒロは、サイオニックパワーを用いて機動性を強化しようと試みた。
・しかしその瞬間、クリシュナは逆にヒロから膨大な力を吸収し始め、操縦不能に陥る。
・クギの助言を受けたヒロが自ら全力でサイオニックパワーを注ぎ込むと、極彩色の閃光が発生した。
・これにより、クリシュナは未知の姿へと変貌を遂げた。
2. 変貌後の性能と新たな武装
閃光が収まった後、クリシュナは一回り大きくなって「脱法小型艦」と呼べるサイズに成長し、計器類や兵装表示も未知のものへと変化していた。
・ジェネレーターとシールド:ジェネレーター出力は戦艦クラスを遥かに超え、ゲートウェイなどの高エネルギー超巨大構造物レベルという異常な数値に達した。また、シールドは光学兵器の軌道を歪曲して受け流す未知の仕様に変化している。
・機動性能と特殊機能:従来のスラスターに加えて光の翼(ヴェルザルス神聖帝国の艦艇のものと酷似)が発生し、どの方向へも一瞬でトップスピードに達する異常な機動性を獲得した。また、慣性制御が完璧に機能するため搭乗者への負担はない。さらに、星系内の任意座標へ瞬間移動する短距離転移機能も備わった。
・重力子砲:従来の重レーザー砲から変化した兵装である。出力調整が可能で、中型艦のシールドを一撃で貫通し、高出力で放てば対象を木っ端微塵にする威力を持ち、四門を束ねて極太のビームを放つことも可能である。
・念動衝撃砲(カウモーダキ):プラズマ砲に似た弾速の速い兵器で、シールドごと敵艦を粉砕する。拡散砲モードも備えている。
・光輪兵器(ヴァジュラナーバ):精神波を感知して敵を自動追尾し、敵艦ごと真っ二つに切断する恐るべき兵器である。
3. クリシュナの正体である聖遺物
変貌したクリシュナのあまりに常識外れな構造に対し、整備士であるティーナとウィスカはこれまでの整備マニュアルがすべて無効になったことで絶望し、茫然自失となった。
・その後、ニーパックプライムコロニーでヴェルザルス神聖帝国の聖堂長フウシンが鑑定を行った結果、クリシュナは聖遺物である可能性が高いと判明した。
・聖遺物とは、落ち人であるヒロの力を増幅し、目的に応じて変換・制御する焦点具であり、物質化した高次エネルギー体である。
・所有者の願いや成長に応じて姿や能力を変化させ、世界の物理法則を改変する力を持っている。
4. 今後の対応
航宙艦の形をした聖遺物は前例がなく、フウシンはその性能がヴェルザルス神聖帝国最強のスサノオ級戦艦の出力すら凌駕するかもしれないと推測した。
・既存の技術体系では整備や解析が不可能である。
・そのため、神聖帝国の本国で専門の研究機関や学者、技師による詳細な解析と整備技術の解明を行うことになった。
・ティーナとウィスカもそれに協力して技術を学ぶ方針となった。
まとめ
クリシュナの変貌は、絶体絶命の危機においてヒロのサイオニックパワーと共鳴したことで引き起こされた。その正体は物理法則すら改変する高次エネルギー体「聖遺物」であり、戦艦をも超えるジェネレーター出力と、重力子砲や自動追尾を行う光輪兵器といった異次元の兵装を手に入れた。今後はこの未知のテクノロジーを解明するため、ヴェルザルス神聖帝国の本国にて専門家による解析と整備技術の習得が進められることになる。
ヴェルザルス神聖帝国
ヴェルザルス神聖帝国に関する詳細を以下の通り解説する。
グラッカン帝国などの他国とは根本的に異なる技術体系を持つヴェルザルス神聖帝国は、他国との交易や船の往来を極端に制限し、半ば鎖国状態にある特異な国家である。
1. 概要と特殊な宙域環境
・帝国の版図は、此の世(物質界)と他次元(アストラル界)との境界線が極めて薄い特殊な領域である。
・過去に祖先が境界線を破壊しかけて世界を滅ぼしかけた歴史があり、その不安定な宙域を守るために現在の版図が築かれた。
・穢れ(怨みなどの負の法力)を纏った者が航行すると、光子生命体などの危険な異界生物(宇宙怪獣)を呼び寄せてしまうリスクがあるため、外国船の立ち入りを厳しく制限している。
・領内で活動する前には、大社で禊の儀と祓えの儀を行い、穢れを浄化する必要がある。
2. 独自のサイオニックテクノロジー
帝国では、一般的な科学技術よりも「法力」と呼ばれるサイオニックテクノロジーが高度に発達している。
・航宙技術・兵器:乗員の法力を蓄積して作動する空間跳躍航行(ジャンプドライブ)により、他国の船よりも遥かに短時間での長距離移動が可能である。兵器としては、対物破壊力よりも生命体を殺すことに特化した純白の光線「魂砕き(ソウルクラッシュ)」などを保有している。
・聖遺物の研究:世界の物理法則を改変する力を持つ聖遺物(物質化した高次エネルギー体)を専門に研究する政府機関や学者が存在し、それを解析して宝具を作り出す分野も存在する。
・コミュニケーション:第二法力(テレパシー)を用いた意思疎通が日常的である。そのため、緊急時以外はいきなり精神干渉で接触しないといった独自の礼儀作法が発達している。
3. 特異な星系構造と文化
・人工的な星系:中枢星系は、恒星の周囲のハビタブルゾーンに多数の居住可能惑星が環状に配置されるという、自然形成とは思えない奇跡的なバランスの星系構造を持っている。
・主星イズモ:緑と水に恵まれた美しい惑星である。抗重力物質「浮き石」の鉱床によって空中に大地が浮かぶ「浮地」が存在する。また、法力を循環させて惑星環境を維持する「祈り桜」と呼ばれる法力植物が植えられており、法力が物質化した花弁を常に散らしている。
・和風の文化:建物の入り口で靴を脱ぐ、襖や座布団がある、大社(祭祀施設)には鳥居や石段があるなど、日本の神道や和風文化を思わせる要素が多く見られる。
・食文化:おにぎりやいなり寿司、米から醸造した清酒、醤油のような調味料が存在する。ただし、調理の多くはフリーズドライなどのレトルト食品に依存しており、生鮮食材を使った調理文化はあまり発展していない傾向がある。
4. 落ち人への対応
・ヒロのような上位世界からの来訪者である「落ち人」を非常に警戒しつつも、友好的に接するよう努めている。
・落ち人が絶望の果てに死亡したり暴走したりすると、莫大なサイオニックパワーが解放され、恒星系が複数吹き飛ぶほどの超新星爆発めいた大惨事を引き起こす可能性があると認識しているためである。
・帝国にとって落ち人を敵に回すことは禁忌であり、彼らが心安らかに生活できるよう全力で配慮する方針をとっている。
まとめ
ヴェルザルス神聖帝国は、物質界とアストラル界の境界線に位置するという特殊な地理的背景から、独自の発展を遂げた国家である。法力を基盤としたサイオニックテクノロジーや和風の文化、そして世界の物理法則すら変える聖遺物や落ち人への極めて慎重な対応など、他国にはない独自の社会構造と秩序が形成されている。
祓えの儀式
ヴェルザルス神聖帝国で行われる「祓えの儀式」について詳細を解説する。
グラッカン帝国などの他国とは異なる独自の精神文化と法力技術を持つ神聖帝国において、この儀式は他国からの来訪者が領内で活動するために避けては通れない神聖な手続きである。
1. 祓えの儀式の概要と目的
祓えの儀式は、ヴェルザルス神聖帝国の主星イズモにある大社で執り行われる、心身にこびりついた穢れや罪業を浄化するための儀式である。
・神聖帝国の版図は、物質界(此の世)と他次元(アストラル界)との境界線が極めて薄い特殊な領域にある。
・殺生などによって生じる怨みや負の法力といった「穢れ」を濃く纏った者が航行すると、光子生命体などの危険な異界の存在(宇宙怪獣)を引き寄せてしまうリスクがある。
・他国からの来訪者が領内で安全に活動するためには、事前に禊の儀とこの祓えの儀を受けて穢れを祓うことが必須とされている。
2. 儀式の仕組み
・儀式では、神職たちが巨大な炎に法力を注ぎ込み、紫色の炎を作り出す。
・この炎の一部が伸びて参列者の身体を包み込み、その者の穢れや罪業を燃料にして燃やすことで浄化が行われる。
・炎に焼かれても身体に熱さや火傷などの害はなく、むしろ温かくて心地よい感覚をもたらす。
・通常、穢れの少ない者の場合は炎はすぐに消え去る。
3. ヒロの儀式における特異な反応
ヒロが祓えの儀式を受けた際、常人とは比較にならない異常な反応が起きた。
・穢れの大燃焼:ヒロはこれまで多数の宙賊を討伐し、さらには結晶生命体の巨大な母体であるマザー・クリスタルを撃破した経験があったため、莫大な罪業と穢れを抱えていた。そのため彼を包んだ紫色の炎は消えるどころか激しく燃え上がり、最終的には大噴出を起こして儀式場全体を紫色の光で埋め尽くすほどの規模になった。
・九尾の美女との邂逅:この炎の噴出の最中、ヒロは神に近い上位存在である九尾の美女に空間転移のような力で引き寄せられ、彼女と対話することになる。彼女の存在はヒロ以外の誰にも認識されておらず、儀式終了後にヒロが元の場所に戻った際、彼の頬に真っ赤な口紅の跡が残されていたことで、不可思議な出来事があったことだけが証明された。
まとめ
祓えの儀式は、物質界とアストラル界の境界を守るヴェルザルス神聖帝国において、治安と環境を維持するための極めて合理的な防衛手段である。無差別な殺生や破壊がもたらす負のエネルギーを物理的に燃やし尽くすこの儀式において、ヒロが引き起こした異例の大燃焼と上位存在との邂逅は、彼のこれまでの過酷な戦歴と、落ち人としての特異な影響力を改めて裏付ける事件となった。
最強装備宇宙船 16 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 18 レビュー
登場キャラクター
傭兵団(ブラックロータス)
ヒロ(キャプテン・ヒロ)
傭兵ギルドに所属するプラチナランカーである。クリシュナとブラックロータスの船長を務めている。トラブルを引き寄せる体質を持つ。権力闘争を避けて自由な傭兵生活を望む。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)・船長。名誉子爵。
・物語内での具体的な行動や成果
ダレインワルド伯爵領にて、クリスとの婚約について家臣たちと交渉を進めた。ウェリック星系で宙賊の大船団と交戦し、クリシュナを未知の姿へ変貌させて敵を撃退している。ヴェルザルス神聖帝国を訪問し、大社で祓えの儀を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
サイオニック能力に覚醒しており、第三法力を行使できる落ち人として周囲から一目置かれている。
クギ(セイジョウ・クギ)
ヒロの従者として行動する狐耳の巫女である。ヒロに強い忠誠心と好意を抱いている。ヴェルザルス神聖帝国の神祇省に所属している。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)。ヴェルザルス神聖帝国神祇省・巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロのクリシュナ操縦をサブパイロットとして補佐した。ヴェルザルス神聖帝国への訪問時に案内役などを務め、交渉の橋渡し役を担った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロが暴走した際の監視や生贄としての役割を持つが、自身の意思でヒロの側にいる。
ミミ
ヒロの船のオペレーターを務める少女である。ヒロを慕い、彼の世話を焼くことを喜んでいる。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)・オペレーター。
・物語内での具体的な行動や成果
クリシュナでの戦闘時に敵データの管制を担当した。ニーパックプライムコロニーで積荷のチェックなどを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
帝室の血を引く存在であることが過去に判明している。
エルマ
エルフの女性傭兵である。ウィルローズ子爵家の出身として知られる。ヒロのサポート役やツッコミ役を担う。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)。
・物語内での具体的な行動や成果
クリシュナでの戦闘時にサブパーツの制御や防御を担当した。ヒロに同行し、ヴェルザルス神聖帝国を訪問している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロと婚約関係を結ぶ予定である。
メイ
ブラックロータスの管理を担うメイドロイドである。ヒロに忠実に仕えている。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)・メイドロイド。
・物語内での具体的な行動や成果
ブラックロータスの操艦や日用品の管理を担当した。フウシンとの打ち合わせでスケジュール調整を補佐している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
機械知性であり、魂が存在しないため禊の儀を必要としない。
ティーナ
凄腕のドワーフ整備士である。ウィスカの姉として知られる。ヒロに好意を寄せる。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)・整備士。
・物語内での具体的な行動や成果
ウェリック星系での戦闘後、変貌したクリシュナの解析と整備に取り組んだ。ヴェルザルス神聖帝国のサイオニックテクノロジーに関心を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
未知の技術体系に直面し、一時的に絶望した。
ウィスカ
ドワーフの整備士である。ティーナの妹にあたる。控えめな性格だがヒロに密着することもある。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)・整備士。
・物語内での具体的な行動や成果
ティーナと共に、変貌したクリシュナのデータ収集と解析を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
姉と同様に、クリシュナの規格外の性能に衝撃を受けた。
ショーコ
船医を務める女性である。研究に熱中する性格を持つ。未知の遺伝子や技術に強い興味を抱く。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)・船医。
・物語内での具体的な行動や成果
ヴェルザルス神聖帝国の住民から生体サンプルを得ようと意欲を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
サイオニックテクノロジーの解明に強い関心を寄せている。
ネーヴェ
ベレベレム連邦出身の少女である。ヒロたちに救助されて船に乗っている。
・所属組織、地位や役職
傭兵団(ブラックロータス)。
・物語内での具体的な行動や成果
ミミと共に補給や売却業務を学んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
グラッカン帝国やヴェルザルス神聖帝国の文化に新鮮な驚きを見せた。
ダレインワルド伯爵家
クリス(クリスティーナ・ダレインワルド)
ダレインワルド次期女伯爵である。ヒロの婚約者となる予定を持つ。ヒロの傭兵としての生き方を理解している。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家・次期女伯爵。コーマット星系総督。
・物語内での具体的な行動や成果
デクサー星系の伯爵家本邸でヒロを迎え、彼との関係を深めた。ヒロのためにコーマット星系に土地を用意すると約束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
身体強化を施されているが、力を制御しきれないことがある。
エデルトルート
クリスの護衛を務める女性である。クリスが無頓着であることを心配する。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家・護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
クリスが護衛を最小限しか連れずに行動することをたしなめた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロがクリスを危険な目に遭わせないか警戒している。
グートルーン
クリスの護衛を務める女性である。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家・護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
エデルトルートと共にクリスの護衛として行動した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
クリスの安全を第一に考えている。
ダレインワルド伯爵
ダレインワルド伯爵家の当主である。クリスの祖父にあたる。ヒロとクリスの婚約に賛成している。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
家臣たちとの会合で、ヒロをクリスの伴侶として迎えることを決定事項として明言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロに一年以内に領地へ戻るよう求めた。
執事
ダレインワルド伯爵家に仕える人物である。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家・執事。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロたちを伯爵邸の奥へと案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
広大な庭園と巨大な屋敷の管理に関わっている。
アードルフ・ブッシュバウム
ダレインワルド伯爵家の家臣の筆頭格である。ヒロの女性関係などを理由に婚約に猛反発した。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家家臣・子爵。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロとクリスの婚約に反対したが、最終的に当主の決定に従った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自家の人間を婿に押し込もうとする打算があったとされる。
ベッティーナ・エルツベルガー
ダレインワルド伯爵家の家臣である。ヒロの武勲を評価しつつ、中立的な立場をとっていた。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家家臣・女男爵。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロの方針やトラブル体質の説明を聞き、彼が領地に定住せずに活動することを支持した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロの話を聞いて自領には来ないでほしいと発言した。
ルートガー・シュノール
ダレインワルド伯爵家の家臣である。世継ぎを残すことを最重要と考えている。
・所属組織、地位や役職
ダレインワルド伯爵家家臣・男爵。
・物語内での具体的な行動や成果
激昂するブッシュバウム子爵をたしなめ、婚約に消極的ながら賛成の立場をとった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
常に厳然とした態度を保っている。
ヴェルザルス神聖帝国
ランシン
ニーパックプライムコロニーで聖堂護衛官の隊長を務める男性である。額に角が生えている。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・聖堂護衛官隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
ニーパックプライムコロニーでヒロたちを出迎え、聖堂へ案内した。修練場でヒロの念動障壁を攻撃して強度を試した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロとの模擬戦でサイオニックシールドに閉じ込められ制圧された。
モエギ
狐耳を持つ女性の聖堂護衛官である。ヒロのドキュメンタリー番組の熱心なファンとして知られる。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・聖堂護衛官。
・物語内での具体的な行動や成果
精神干渉系の法力を用いてヒロたちの認識阻害を行った。ヒロから焼きおにぎりの作り方を教わった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロに対して積極的に好意を示している。
コノハ
丸い獣耳を持つタヌキ系の女性である。聖堂護衛官を務める。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・聖堂護衛官。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロたちを聖堂の奥や修練場へ案内した。ヒロと模擬戦を行い、敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過去にヒロたちと共に任務を行った経験がある。
聖堂護衛官たち
ヴェルザルス神聖帝国の聖堂を警備する武官の集団である。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・聖堂護衛官。
・物語内での具体的な行動や成果
修練場でランシンやコノハと共にヒロの念動障壁に攻撃を加えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロの異常な成長速度に驚愕した。
フウシン
ニーパックプライムコロニーの聖堂を預かる聖堂長である。好々爺とした雰囲気を持つ。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・聖堂長。
・物語内での具体的な行動や成果
ブラックロータスを訪問し、クリシュナの鑑定を行った。クリシュナが聖遺物である可能性が高いと判断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
聖遺物を解析して宝具を作り出す分野を専攻している。
カラス
ヴェルザルス神聖帝国の即応艦隊の長を務める男性である。背中に黒い翼を生やしている。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・即応艦隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
ニーパックプライムコロニーでヒロたちと合流し、本国への出発日程を調整した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
胡散臭い笑みを浮かべることが多い。
イナバ
神祇省の記録官を務めるうさ耳の女性である。落ち人の言動を記録することを務めとしている。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国神祇省・記録官。
・物語内での具体的な行動や成果
ブラックロータスに乗船し、ヒロたちに同行した。光子生命体やイズモの浮地について説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロに情報提供を行うことを条件に同行を許可された。
クジャ
ヴェルザルス神聖帝国の武官である。頭に豪華な飾り羽を生やしている。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・武官。
・物語内での具体的な行動や成果
カラスやイナバと共にブラックロータスを訪れ、自己紹介を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロの動向を少し緊張気味に見守っている。
即応艦隊
ヴェルザルス神聖帝国の護衛艦隊である。クリシュナと似た光の羽や装飾を持つ艦艇で構成されている。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国・護衛艦隊。
・物語内での具体的な行動や成果
ブラックロータスと同期航行を行い、帝国領へ案内した。出現した光子生命体を「魂砕き」で一撃で消滅させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
乗員の法力を蓄積して空間跳躍航行を行う機能を持つ。
眉目秀麗な神主
オオカミのような耳と尻尾を持つ男性の神職である。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国大社・神職。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロの禊の儀で発生した異常事態の収拾にあたった。ヒロを拉致した九尾の美女の正体について説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
穢れを平然と抑え込むヒロのポテンシャルに感服した。
背中に小さな白い翼のようなものを生やしている巫女
大社に仕える巫女の一人である。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国大社・巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
禊の儀を終えたヒロに対し、彼が異常な穢れを宿しながらも無事であることに驚きを示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロの特異な状態に感心している。
豪華な衣装の女性(九尾の美女)
九本の尻尾を持つ絶世の美女である。神に近い高位の存在として知られる。
・所属組織、地位や役職
ヴェルザルス神聖帝国大社。
・物語内での具体的な行動や成果
祓えの儀の最中にヒロを別空間へ引き寄せ、対話を行った。ヒロの頬に口紅の跡を残した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒロ以外の人物にはその存在を認識されていない。
その他の勢力・集団
宙賊
宇宙空間で略奪行為を行う犯罪者の集団である。
・所属組織、地位や役職
宙賊。
・物語内での具体的な行動や成果
ウェリック星系で八十隻を超える大規模な船団を組み、ヒロたちを襲撃した。変貌したクリシュナの圧倒的な力の前に撃破された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
民間船を襲うなど、宇宙の安全を脅かす存在として描かれている。
光子生命体
亜空間生物の一種である。宇宙怪獣と呼ばれる危険な存在として恐れられている。
・所属組織、地位や役職
なし。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒロたちがヴェルザルス神聖帝国へ向かう道中で出現した。即応艦隊の兵器や、クリシュナの光輪兵器によって全滅させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
生命体に取り付いて生命力を吸い殺す性質を持つ。
最強装備宇宙船 16 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 18 レビュー
展開まとめ
プロローグ
朝のひとときとクリスの不満
衣擦れの音で目を覚ましたヒロは、傍らにいたクギと朝の挨拶を交わした。機嫌の良いクギと触れ合いながら目を覚ました後、二人は共に朝風呂を楽しんだ。
その後休憩スペースへ向かったヒロは、クリスティーナとその護衛達に迎えられた。クリスティーナは、婚約者でありながら他の女性と同衾したヒロに不満を示した。ヒロは自分の生活方針を隠すつもりはなく、結婚後も傭兵として活動を続ける考えであること、他の女性との関係も変わらない可能性があることを率直に伝えた。
クリスティーナはその事実を理解しつつも、自分にも相応の時間を求めた。ヒロがそれを認めると、クリスティーナは満足そうな笑みを浮かべた。
朝食での交流
朝食の席では、クリスティーナがヒロの隣に座り、彼の日常を学んでいると語った。ミミやエルマも加わり、いつもの賑やかな雰囲気が広がった。
ティーナはヒロに褒められて照れ笑いを浮かべ、その様子をクリスティーナが興味深そうに観察していた。一方でウィスカはクリスティーナに対して距離を置いていたが、ヒロは二人にも気を配りながら食事の時間を過ごした。
婚約を巡る事情
食後の休憩中、ヒロはダレインワルド伯爵が婚約についてどこまで理解しているのかをクリスティーナへ尋ねた。
クリスティーナは祖父である伯爵自身は婚約に賛成していると説明したが、家臣達の全員が納得しているわけではないと明かした。家臣達の中には、自らの家から婿を送り込み、伯爵家との結び付きを強めたいと考える者もいた。
しかし現在は、ヒロがエルマやセレナとも婚約関係を結ぶことになったことで、帝都や有力貴族との繋がりが生まれた。そのため、ヒロを迎える利益が無いという家臣達の懸念は大きく薄れていた。
クリスティーナは、残る課題は領地に戻って家臣達を納得させることだけだと語り、自信ありげに微笑んだ。
デクサー星系への到着
一行はダレインワルド伯爵領の中心であるデクサー星系へ到着した。以前訪れた時よりも交通量が大幅に増えており、コーマット星系の開発需要による活況が感じられた。
ミミやエルマ、クギ達が周辺の状況を確認した結果、星系軍や伯爵家の戦力によって十分な治安維持が行われていることが判明した。ショーコ達は将来的な拠点候補としてデクサー星系やコーマット星系について意見を交わし、クリスティーナもコーマット星系への居住を勧めた。
ヒロは即断は避けたものの、コーマット星系に拠点を構える案には前向きな考えを示した。
護衛任務の進行
ネーヴェから護衛任務の進め方を問われたヒロは、通常は主要コロニーへ向かい、必要な手続きを経て護衛対象の最終目的地へ向かうと説明した。
今回についてはクリスティーナ本人から、伯爵家本邸まで送り届けてほしいとの依頼があり、一行はデクサープライムコロニーを経由して惑星デクサーⅢへ向かうことになった。
デクサープライムコロニーでの準備
デクサープライムコロニー周辺は非常に賑わっており、コーマット星系開発の影響が周辺地域にも広がっていた。クリスティーナはコーマット星系の発展によって人や物資が大量に流入していると説明した。
その話題からブラドプライムコロニーの治安問題が語られ、過去の出来事を思い出したウィスカは不安を見せた。ヒロ達は彼女を気遣いながら話題を切り替えた。
その後、伯爵家本邸への降下準備が進められた。アントリオンの運用や母艦の将来的な乗り換え計画について整備士姉妹と話し合う中、デクサーⅢへの降下許可が下りた。
ヒロはメイへ降下を任せ、一行はダレインワルド伯爵家の本拠地へ向かうことになった。
#1:領都惑星デクサーⅢ
降下と総合港湾施設への到着
ブラックロータスとアントリオンは降下申請の承認を受け、デクサーの総合港湾施設へ向けて降下を開始した。二隻は管制官の指示に従って問題なく着陸し、一行は事前の打ち合わせ通りに行動を開始した。
整備士姉妹は船に残り、荷物の搬出や艦艇の整備と補給を担当することになった。一方、ヒロ達はダレインワルド伯爵との面会や婚約に関する打ち合わせのため下船した。
伯爵家への移動と厳重な護衛
ヒロ達は港湾施設内を移動し、エルマと合流した。クリスティーナが次期女伯爵という立場であるため、一行は大勢の護衛に囲まれながら移動することになった。
ヒロが普段からこのような扱いを受けているのかと尋ねると、クリスティーナは本星では概ねこのようなものだと答えた。さらに護衛のエデルトルートは、クリスティーナが護衛を最小限しか連れずに行動することをたしなめたが、本人はあまり気にしていない様子であった。
ヒロも護衛の重要性を認めつつ、自身の傭兵としての生き方について考えを巡らせたが、今はダレインワルド伯爵との話し合いに集中することにした。
ダレインワルド伯爵邸の威容
一行はダレインワルド伯爵邸へ到着した。広大な庭園と巨大な屋敷を目にし、その規模に感嘆した。
案内役の執事に導かれながら屋敷へ向かう途中、クギやメイ達は庭園や建物について語り合った。メイは管理用ボットが見当たらないことを不思議がったが、クリスティーナは雇用創出のために人力で管理していると説明した。
その光景を見たヒロは、自分が将来建てたいと考えている家について思いを巡らせた。
婚約に反対する家臣との会合
会合の場では、ブッシュバウム子爵がヒロとクリスティーナの婚約に強く反対した。ヒロが多くの女性と関係を持っていることや、次期女伯爵の伴侶として相応しくないことを理由に挙げたのである。
これに対し、エルツベルガー女男爵はヒロの爵位と功績を評価する立場を示し、シュノール男爵も世継ぎを残すことが重要であるとして一定の理解を示した。
最終的にダレインワルド伯爵は、ヒロをクリスティーナの伴侶として迎えることは決定事項であると明言し、ブッシュバウム子爵も渋々ながら従った。
ヒロの立場と今後の方針
その後、エルツベルガー女男爵から今後どのように伯爵領へ貢献するつもりなのかを問われたヒロは、自身の力は軍事面に限られると説明した。
ヒロは対宙賊独立艦隊の立ち上げに関わった経験を活かし、治安維持や対宙賊活動の分野で貢献する考えを示した。しかし同時に、結婚後も傭兵として活動を続ける意思を明確にした。
ブッシュバウム子爵がそれを問題視すると、ヒロは傭兵活動を制限されるなら婚約自体を取りやめると断言した。
伯爵領への関与を避ける理由
ヒロは、自分が伯爵領の運営へ深く関与することは望ましくないと説明した。自身を通じてホールズ侯爵家が伯爵領へ影響力を及ぼす可能性があり、それを警戒する家臣達もいるはずだと指摘したのである。
そのためヒロは、傭兵としての役割を超えて領政へ関わるつもりはなく、必要な時だけ依頼を受けて協力するという立場を示した。
エルツベルガー女男爵はその考えに理解を示し、ブッシュバウム子爵やシュノール男爵も最終的には受け入れた。
トラブル体質の告白
ヒロはさらに、自分が異常なほどトラブルを引き寄せる体質であることを語った。
宙賊との遭遇、コロニーでの災害、貴族絡みの事件、生物兵器との戦闘など、自ら経験してきた数々の出来事を挙げた結果、家臣達は驚きを隠せなかった。
その話を聞いたエルツベルガー女男爵は、ヒロが傭兵として各地を巡ることを支持し、自領にはできれば来てほしくないと冗談めかして語った。
婚儀の日程の決定
会合では婚約や結婚に関する具体的な話し合いも行われた。
クリスティーナが正式に成人するまでにはまだ時間が残されていたが、慣習の形骸化やセレナの年齢なども考慮され、成人を待たずに婚儀を行う方針が示された。
ダレインワルド伯爵は一年以内に婚儀を執り行う見通しを示し、家臣達もこれに同意した。
ダレインワルド伯爵からの要請
会合後、ダレインワルド伯爵はヒロへ今後の方針を伝えた。
ヴェルザルス神聖帝国へ向かうこと自体は認めるものの、どれほど長引いても一年以内には戻るよう求めた。また、ヒロは名誉爵位を持つ存在であり、複雑な貴族の手続きや役割を担う必要はないとも説明した。
ヒロはダレインワルド伯爵家とホールズ侯爵家、そしてウィルローズ子爵家を結ぶ楔としての役割を果たせばよいとされ、しばらく伯爵領へ滞在して有力者達との面識を作っておくよう勧められた。
ヒロはその提案を受け入れ、当面は伯爵領で過ごすことになった。
ダレインワルド伯爵領での挨拶回り
ヒロはダレインワルド伯爵の配慮で少しは自由な時間ができると思っていたが、実際には三日間にわたって分刻みの予定を組まれていた。クリスと共に領内各地を巡り、代官や有力商人達との会食や顔合わせを繰り返したため、歓迎を受ける側でありながら疲労困憊していた。
一方でクギやネーヴェ、ショーコ先生は異文化との交流を楽しんでおり、それぞれの立場から有意義な時間を過ごしていた。
クリスの突撃と負傷騒ぎ
ようやく予定が終わると思われた矢先、クリスが勢いよく部屋へ飛び込んできた。身体強化された力を制御しきれなかったため、ヒロへ激突し、ミミやエルマを巻き込んでソファごと転倒する騒ぎになった。
ヒロは大きな怪我を負ったが、医療ポッドによって短時間で回復した。エルマやショーコ先生は、身体強化された貴族が力を制御できない危険性を指摘し、クリスへ訓練を怠らないよう忠告した。クリスは自らの失敗を深く反省していたが、ヒロは問題ないとしてこの件を終わらせた。
商業施設への外出計画
怪我の騒動が収まると、一行はネーヴェの服を買いに出掛ける話で盛り上がった。クリスも気分転換を兼ねて参加することになったが、次期女伯爵として顔が知られているため、ミミやクギ達の協力で変装することになった。
その後、一行は総合商業施設へ向かい、ネーヴェの服や酒、特産品などを購入した。
コスプレ大会の開催
買い物から戻ると、ヒロは購入した衣装を皆に着てもらった。ティーナとウィスカはエルフの伝統衣装をまとい、エルマやミミ、クリス、ネーヴェはメイド服姿になった。
クギもメイド服を着用し、メイは猫耳と尻尾のアタッチメントまで装備して披露した。ヒロは満足そうにその姿を眺め、仲間達から呆れられながらも楽しんでいた。
その後は逆にヒロが着せ替えの対象となり、皆に様々な衣装を着せられることになった。
クリスの覚悟
その夜、クリスはヒロの部屋を訪れ、自らの意思で関係を求めた。ヒロは最初こそためらったものの、クリスの強い決意と覚悟を前に観念した。
クリスはヒロが再び遠方へ旅立つことを理解しており、その前に想いを形にしたいと考えていた。ヒロも最終的にはその気持ちを受け入れた。
翌朝の二人
翌朝、ヒロは隣で眠るクリスを見ながら、自分がついに彼女との関係を深めたことを実感した。これまでの経緯を振り返りながらも、クリスへの好意を再確認し、その選択を受け入れた。
目覚めたクリスは恥ずかしさから顔を隠したが、ヒロはそんな彼女を気遣った。
食堂での朝食
クリスは恥ずかしがりながらもヒロと共に食堂へ向かった。そこにはミミとクギがおり、二人は自然な態度でクリスを迎えた。
クギはクリスの体調を気遣いながら接し、ヒロも普段通りに振る舞うよう促した。クリスは徐々に緊張を解き、普段の調子を取り戻していった。
コーマット星系への拠点構想
朝食を取りながら、ヒロは将来的な拠点についてクリスと話し合った。土地価格や利便性、クリスの権限を総合的に考慮し、コーマット星系に屋敷を建てる方針を伝えた。
クリスは全面的に協力すると約束し、土地の確保や選定を自ら担当すると申し出た。ダレインワルド伯爵家の権限によって土地の提供も可能であると説明し、ヒロを驚かせた。
最終的にクリスは、護衛依頼の報酬として土地を用意する考えを示し、二人は将来の住まいについて具体的な話を進めていった。
#2:トランスフォーム
ヴェルザルス神聖帝国への旅立ち
クリスは土地と建物の準備を引き受ける代わりに必ず帰ってくるようヒロへ念を押した。ヒロ達はクリスやダレインワルド伯爵に別れを告げ、ヴェルザルス神聖帝国へ向かうためゲートウェイのあるニーパック星系を目指した。
移動中、クギはヴェルザルス神聖帝国との往来が制限されている理由について説明した。自国の船や兵器、兵士達が他国とは大きく異なるため、余計な警戒を招かないようにしているという事情が語られた。
ヒロの危険性の説明
話題はヒロ自身へ移り、クギはヒロのような落ち人と敵対した場合、自国ですら滅ぶ可能性があると説明した。
ヒロは、自身が死んだ場合には恒星系一つ、あるいは複数の星系を巻き込むほどの災厄が発生する可能性があると明かした。ヴェルザルス神聖帝国では過去の事例や未来予測によってその危険性が確認されているという。
その話を聞いたクルー達は困惑し、半信半疑ながらも衝撃を受けていた。
第三法力の実演
ヒロは自らの能力を説明するため、離れた場所に置かれた水のボトルを空間転移によって手元へ引き寄せて見せた。
整備士姉妹やショーコ先生は、その現象が莫大なエネルギーを必要とする異常な行為であることを理解し、大きな衝撃を受けた。一方でミミやネーヴェは純粋に感心していた。
ヒロは、生物を転移させることは危険なため試していないと説明し、自身の能力がどこまで及ぶのか分からないままであることを認めた。
クギの決意
話の流れの中で、クギは自分がヒロの監視や保険として派遣された立場であることを認めながらも、それとは別に自分自身の意思でヒロの傍にいるのだと告げた。
たとえ任務が解除されても離れるつもりはないと決意を示し、ヒロもまたクギを手放す気はないと応えた。二人は寄り添いながら、ヴェルザルス神聖帝国の文化や風習について語り合った。
クギの過去への反応
ヒロは興味本位でクギの幼少期について尋ねたが、クギは怯えるような反応を見せ、その話題を避けた。
ヒロはそれ以上追及せず、代わりに巫女としての生活について話を聞くことにした。しかしクギの反応から、過去に何らかの事情があることを感じ取っていた。
ウェリック星系での襲撃
ブラックロータスはウェリック星系へ到着した。現在はコーマット星系の開発事業に伴い警備が強化されているはずだったが、その最中にインターディクト攻撃を受けた。
ヒロ、ミミ、クギは急いでクリシュナへ向かい出撃準備を整えた。調査の結果、敵は大型宙賊艦二隻を中心とした大規模な戦力であり、ブラックロータス側は数で大きく劣っていることが判明した。
圧倒的な物量との戦闘
戦闘が始まると、敵艦隊は八十隻を超える規模で襲いかかってきた。ヒロはクリシュナで敵陣へ突撃し、ブラックロータスとアントリオンを守るため奮戦した。
しかし第二波としてさらに大量の宙賊艦が出現し、戦況は悪化した。クリシュナは包囲されてシールドへの被弾が増え始め、ヒロは劣勢を覆す手段を模索することになった。
サイオニックパワーの暴走
ヒロはサイオニックパワーを用いてクリシュナの機動性を強化しようとした。しかしその瞬間、クリシュナ側が逆に膨大な力を吸収し始めた。
船体の出力やシールド容量は異常な数値へ達し、操縦系統も制御不能となった。クギの助言を受けたヒロは、さらに全力でサイオニックパワーを流し込んだ。
すると極彩色の閃光が発生し、クリシュナは正体不明の変化を遂げた。
変貌したクリシュナ
閃光が収まると、クリシュナの計器類や兵装表示は見たことのないものへ変化していた。重レーザー砲は重力子砲へ変わり、新たな兵装として念動衝撃砲や光輪兵器などが追加されていた。
試しに使用した重力子砲や念動衝撃砲は、宙賊艦をシールドごと粉砕する圧倒的な威力を発揮した。
さらに光輪兵器を起動すると、精神波を感知して敵を自動追尾し、宙賊艦ごと真っ二つに切断した。
謎の力を得たクリシュナ
変貌したクリシュナは異常な機動性能まで獲得していた。レーザー攻撃がまともに当たらず、シールドも異常な強度を示していた。
ヒロ自身も何が起きているのか理解できなかったが、まずは敵艦隊を撃破することを優先し、ブラックロータスとアントリオンを援護しながら戦闘を継続することを決めた。
パワーアップしたクリシュナの検証
戦闘後、ヒロ達は変貌したクリシュナの性能を調べたが、強化された事実以外は何も解明できなかった。大型宙賊艦も圧倒的な機動力と火力によって短時間で撃破されており、ヒロ自身も何が起きたのか理解できていなかった。
エルマから戦闘中の異常な移動について問われると、ヒロはショートリープ実行という表示の直後にブラックロータス付近へ瞬間移動していたことを説明した。クギは現在の姿ですら本来の性能の一端に過ぎない可能性を示唆した。
戦闘後の回収作業
宙賊撃破後、ブラックロータスは通常通りサルベージ作業を開始した。
ティーナはクリシュナの変化に強い関心を示し、可能な限りデータを収集するようヒロへ指示した。ヒロは新たな兵装を検証しながら後始末を進めた。
重力子砲は出力調整が可能であり、高出力では大型の破壊を引き起こせることが判明した。またクリシュナには星系内で任意座標へ移動できる短距離転移機能も備わっていることが分かった。
整備士姉妹の衝撃
ブラックロータスへ帰還したヒロを待っていたのは、変貌したクリシュナを前に絶望するティーナとウィスカであった。
二人が積み重ねてきた整備知識やマニュアルはほぼ無効となり、武装や機関、シールドなどあらゆる要素が未知のものへ変わっていた。クリシュナはサイズも性能も大きく変化し、従来の小型戦闘艦の枠を超えた存在となっていた。
特にジェネレーター出力は戦艦どころか超巨大構造物級に達しており、ティーナとウィスカは理解不能な性能に頭を抱えていた。
新たなクリシュナの特徴
解析の結果、光の翼はヴェルザルス神聖帝国の艦艇に搭載されていた機動装置と酷似していることが確認された。
またジェネレーターから発生するエネルギーは既知の技術体系では説明できず、クリシュナ内部で何が起きているのか誰にも分からなかった。
ティーナとウィスカは戸惑いながらも作業を再開し、クリシュナの解析と整備を進める決意を固めた。
戦利品の処理
今回の戦闘では大型宙賊艦二隻を含む大規模な戦力を撃破したため、大量の戦利品を獲得した。
しかし全てを回収することはできず、残された戦利品のサルベージ権はウェリック星系の傭兵ギルドへ売却された。回収した装備品はブラックロータスへ積み込まれ、後の売却や利用のため保管された。
ニーパック星系への到着
戦利品を積載したブラックロータスは予定通りニーパック星系へ向かった。
大量の戦利品の中には宙賊由来の貨物も含まれていたため、防衛艦隊による厳しいセキュリティスキャンを受けることになった。しかしヒロ達は戦闘記録や回収データを提示し、貨物が正当な戦利品であることを証明した。
さらにヒロのプラチナランカー資格と名誉子爵の身分も信用材料となり、問題なく通過が認められた。
到着後の予定
検査を終えた一行は、ニーパックプライムコロニーへの到着を待ちながら今後の予定を確認した。
ブラックロータスとアントリオンの整備、戦利品の売却、賞金の受領に加え、変貌したクリシュナの調査も必要であった。またヴェルザルス神聖帝国の聖堂を訪問する予定もあり、ネーヴェにはミミと共に補給や売却業務を学ばせる方針が決まった。
クリシュナ調査への期待
ブラックロータスは無事にニーパックプライムコロニーへ入港した。
ヒロはティーナとウィスカの作業状況を確認し、二人はまず既存艦艇の整備と補給を優先する方針を示した。その上で、クリシュナの異常な性能はサイオニックテクノロジーと深く関係している可能性が高いため、ヴェルザルス神聖帝国で協力を求める必要があるとの結論に至った。
ヒロはクリシュナの整備方法やサイオニック技術について情報を得られるよう交渉する決意を固め、一行は入港手続きを終えてコロニーでの活動を開始することになった。
#3:ニーパックプライムコロニー
ニーパックプライムコロニーの活気
ニーパックプライムコロニーに到着したヒロ達は、傭兵ギルドで報告と賞金の受け取りを済ませた後、コロニー内の様子を見て回った。
そこには新規入植者や商人達が集まり、活気に満ちた空気が漂っていた。ネーヴェが身なりの良い人々が多いことに気付くと、ミミは惑星上居住地へ入植できる人々の多くが一等市民権を持つ裕福な層であるためだと説明した。
さらに商人達もゲートウェイを利用した商機を求めて集まっており、コロニー全体が好景気に沸いている様子であった。
ヴェルザルス神聖帝国の迎えとの合流
ヒロ達はヴェルザルス神聖帝国からの迎えを待っていた。
現れたのは聖堂護衛官隊長のランシン、狐耳の女性モエギ、そして旧知のコノハであった。コノハは帝国へ帰還していたはずだったため、ヒロは再会に驚いた。
ランシンは聖堂への案内を申し出て、一行は用意された車両で移動することになった。
認識阻害と道中の会話
聖堂へ向かう途中、ヒロは周囲の人々が自分達へほとんど注意を払わないことに気付いた。
その原因はモエギが使用していた精神干渉系の法力であり、人避けや認識阻害の効果を発揮していた。ヒロはクギとの初対面時にも似た現象が起きていたことを思い出した。
またコノハからネーヴェの年齢について驚かれたり、ランシンから大切な人が増えることは愛と勇気と希望につながると語られたりしながら、一行は聖堂へ向かった。
聖堂の構造とモエギの好意
聖堂へ到着したヒロは、前庭に設置された法力貯蔵装置や建物の構造を観察した。
ウィンダステルティウスコロニーで見たものと同じ設備であることに気付き、法力を蓄積する仕組みが各地の聖堂に共通して存在することを知った。
その最中、モエギはヒロへ積極的に接近し、好意を隠さない態度を見せた。困惑したヒロに対し、コノハはモエギがヒロのドキュメンタリー番組の熱心な視聴者であり、聖堂関係者の中にもファンが多いことを説明した。
聖堂内部の仕組み
一行は靴を脱いで聖堂へ入り、内部を案内された。
ヒロは建物全体から法力を感じ取り不思議に思ったが、クギから聖堂には法力を蓄積する機能や建物を保護する結界が組み込まれていると説明を受けた。
またヒロの膨大な法力による影響についても既に対策が施されていることをコノハから聞かされ、安心することになった。
コノハとの実力談義
道中でコノハはヒロの力が以前より大きく成長していることを感じ取った。
ヒロは今ならコノハにも勝てるかもしれないと語り、コノハも負けじと言い返した。ランシンも興味を示したが、全力で戦えばコロニーそのものに被害が及ぶため、模擬戦は現実的ではないという結論になった。
聖堂長フウシンとの面会
一行は聖堂長フウシンの部屋へ案内された。
フウシンは既に本国側で準備が整っており、迎えの船団も待機していると説明した。グラッカン帝国との調整が終わり次第、本国への移動が始まる予定であることも明かされた。
ランシン達も同じ便で帰国する予定であり、移動中は同行することになった。
滞在計画の調整
フウシンは聖堂への滞在を提案したが、ヒロは船の整備や戦利品処理が残っていることを説明した。
そこでクギは用事を終えた後に聖堂へ通い、帝国文化を学ぶ形を提案した。フウシンもそれを歓迎し、本国へ向かう前にヒロの法力の規模や影響を把握したいという事情を説明した。
ヒロはその意図に納得し、協力する方向で話をまとめた。
戦利品処分と出発準備
聖堂での挨拶を終えた後、一行は宙賊から得た戦利品の売却と各種補給に奔走した。
ブラックロータスの機動力維持のため不要な貨物を処分し、弾薬や予備物資も十分に確保した。一方で大量破壊兵器として扱われる対艦反応弾頭魚雷の追加補充は見送られた。
ヴェルザルス神聖帝国への方針共有
準備の合間にヒロはクルー達を集め、ヴェルザルス神聖帝国への対応方針を共有した。
ヒロは帝国側から悪意を感じないこと、そして落ち人を敵に回す危険性を帝国側が十分理解していることから、過度に警戒する必要はないと説明した。
もし敵対行動があれば自分が暴走し大惨事になるため、帝国側もそのような事態を避けるはずだと語った。
仲間達の意見と今後の予定
ヒロの説明を受けたエルマやショーコ先生達は、グラッカン帝国との関係や貴族家との婚約などもヒロ達を守る後ろ盾になっていると指摘した。
一方で油断は禁物であり、ハニートラップなどには注意するよう忠告も行われた。
話し合いの結果、一行はそれぞれ家族や関係者へ連絡を済ませた上で、翌日は再び聖堂を訪れてヴェルザルス神聖帝国について詳しく学ぶことを決めた。
#4:異文化交流
聖堂訪問と技術者達の興味
翌日、ヒロ達は事前に連絡を入れた上で聖堂を訪れた。今回はティーナとウィスカも同行しており、二人は前庭に設置された法力貯留装置に強い興味を示した。
ウィスカが計測機器で調査を始めると、装置から発せられるエネルギー波形がクリシュナのジェネレーターに近いことが判明した。迎えに来たコノハはその様子に困惑したが、ヒロは二人がサイオニックテクノロジーに強い関心を抱いていることを説明した。
クリシュナ変貌の相談
ヒロはコノハにクリシュナが変形したことを打ち明けた。
コノハは最初こそ意味が理解できず怪訝な反応を示したが、話が長くなると判断し、一行をフウシンの待つ部屋へ案内した。移動中、ヒロはコノハの尻尾に興味を示したものの、クギからそれは失礼な行為だと注意を受けた。
また、インプラントによる身体強化の話題が持ち上がり、ミミは前線で戦える可能性について興味を示したが、ヒロは情報処理能力や感覚機能の強化の方が向いているのではないかと考えていた。
コノハを巡る冗談
ヒロが軽い調子でコノハを仲間に誘うと、コノハは即座に拒否せず考えておくと返答した。
その反応にエルマは渋い表情を浮かべ、ミミやネーヴェ、ウィスカも小声で反応した。コノハ自身も会話を聞いており、頼りになると言われたことで機嫌を良くしていた。
聖遺物としてのクリシュナ
奥の間でヒロはフウシンとコノハへクリシュナの変貌について説明した。
その話を受けたフウシンは、クリシュナが聖遺物である可能性が高いと語った。聖遺物とは落ち人が携える特別な宝具であり、所有者の願いや成長に応じて姿や能力を変化させるものも存在するという。
クギはクリシュナが他者にも操縦可能であったため聖遺物とは考えていなかったが、フウシンはそのような例が極めて稀なだけであり、現状を見る限り可能性は高いと判断した。
ヴェルザルス神聖帝国の研究体制
フウシンはヴェルザルス神聖帝国には聖遺物を専門に研究する機関や学者が存在すると説明した。
その話を聞いたヒロは、帝国であればクリシュナの解析や整備技術の解明が進む可能性があると考えた。そしてティーナとウィスカにも技術指導を受けさせたいと希望を伝えた。
フウシンは確約こそできないものの、その意向を本国へ伝えると約束し、さらに事前調査のため自らクリシュナを見学したいと申し出た。
帝国訪問の準備
ヒロはフウシンをブラックロータスへ招待することを提案し、コノハも同行する方向で話がまとまった。
その後、フウシンとクギ、そしてメイは帝国到着後の予定について相談を始めた。ヒロはメイが一行の好みや性格を最も正確に把握しているため、適任だと考えて協力を認めた。
コノハとの訓練場行き
相談が進む一方で、ヒロはコノハに連れられて護衛官達の修練場へ向かった。
コノハは以前ヒロが自分に勝てるかもしれないと発言した責任を取るよう求め、自身の実力を確認する意図もあると説明した。ヒロは気乗りしなかったものの、訓練に応じることにした。
移動中、コノハは生身での戦闘能力向上の重要性を説いたが、ヒロは本来航宙傭兵であり、生身で戦うことが増えている現状に複雑な思いを抱いていた。
念動障壁の習得
修練場へ到着すると、ランシンも加わってヒロの法力について話し合いが始まった。
念動力の話題から念動障壁の存在を知ったヒロは、その場で試しに構築してみた。すると初めてにもかかわらず極めて強固な障壁を形成し、コノハやランシン達の攻撃をまったく受け付けなかった。
さらにヒロは精神防壁と念動障壁を統合し、多層構造のより強力な防御を作り上げた。その異常な習得速度に護衛官達は驚愕した。
サイオニックシールドによる反撃
防御能力を確認したヒロは攻守を交代すると宣言し、円盤状の障壁を複数展開して攻撃に転用した。
ランシン達は陣形を組んで対処したが、ヒロの障壁は高速で飛来し続け、最終的には全員が制圧された。さらに精神と念動力を組み合わせた障壁の中へ閉じ込められたことで、法力の行使も封じられてしまった。
圧倒的勝利と新たな可能性
コノハ達はヒロの急激な成長に驚き、落ち人の恐ろしさを改めて認識した。
一方のヒロは新たな技術を習得できたことに満足し、サイオニックシールドが防御だけでなく攻撃や拘束にも利用できることを確認した。
護衛官達はヒロの応用力と成長速度を異常視したが、ヒロ自身は様々な知識や発想を組み合わせただけだと考えながら、更なる応用法について思考を巡らせていた。
聖堂の食堂での夕食準備
ヒロが食堂を訪れると、ミミとエルマがいた。ミミは自分で握ったおにぎりをヒロに差し出し、ヒロはその味を褒めた。ミミは綺麗な形に握る難しさを語り、モエギの技術に感心していた。
一方、エルマはヴェルザルス神聖帝国産の米から造られた酒を味見していた。ヒロは飲み過ぎを心配したが、エルマは節度を守るつもりでいると答えた。また、グラッカン帝国に存在する酒の搾れる果物の話題になると、モエギは驚きを見せ、両国の違いが話題となった。
聖堂の食事事情
モエギは大量のおにぎりを聖堂の夕食として用意していると説明した。
ティーナ達は聖堂奥部のサイオニックテクノロジーを見学しており、クギとメイはフウシンとの打ち合わせを続けていた。やがてクギとメイも食堂へ現れ、クギは調理の手伝いに加わった。
ヒロも何か手伝えないかと考えたが、厨房にある食材の大半はレトルト食品であり、調理に活用できるものはほとんど存在しなかった。
焼き飯もどきの調理
限られた食材の中からヒロはソーセージ状の保存食と香辛料、醤油に似た調味料を見つけ出した。
それらを利用し、パックご飯を炒めて焼き飯もどきを作り上げた。簡素な料理であったが評判は良く、ティーナやコノハ、エルマやランシンにも好評だった。
ヒロは聖堂本来の料理である具沢山の汁物や卵料理を味わいながら、焼き飯が人気を集める様子を眺めていた。
焼きおにぎりの提案
焼き飯の人気に複雑な表情を浮かべるモエギに対し、ヒロはおにぎりの新しい食べ方として焼きおにぎりを提案した。
モエギはその存在を知らず、ヒロは作り方を説明した。ヒロはこの世界の食文化に欠落している部分があることを改めて感じていた。
技術習得の難しさ
食後、ヒロはティーナ達にサイオニックテクノロジーの理解が進んだか尋ねた。
しかし三人は、技術体系が根本的に異なりすぎて理解が難しいと答えた。サイオニック技術は既存科学とは考え方そのものが異なり、短期間で習得できるものではないことを痛感していた。
ヒロは焦らず学び続けるよう励まし、翌日に予定されているフウシンのブラックロータス訪問を確認した。
出発前の準備確認
ミミは弾薬や物資の補給が完了していることを報告した。
ヒロは日用品の管理をメイに任せている現状を思い返しつつ、翌日はフウシンを迎えるだけで済みそうだと考えた。エルマはヴェルザルス神聖帝国でもエネルが使えると知り、酒を購入する算段を立てている様子だった。
フウシン達のブラックロータス訪問
翌日、フウシン、モエギ、コノハの三人がブラックロータスを訪れた。
初めて乗船したフウシンとモエギは船内の広々とした空間に感嘆し、フウシンはまずクリシュナを見せてほしいと希望した。また、自身がヒロのドキュメンタリー番組の熱心な視聴者であることも明かした。
ヒロは居心地の悪さを感じながらも、三人をクリシュナの格納庫へ案内した。
クリシュナの鑑定
フウシンはクリシュナの装甲へ触れて鑑定を試みたが、外部からでは十分な解析ができなかった。
そこでコックピットへ移動し、メインシートに触れてさらに詳しい鑑定を行った。その結果、クリシュナが聖遺物であることは確信したものの、あまりにも複雑かつ強力で解析しきれないと判断した。
さらに、その性能はヴェルザルス神聖帝国最強クラスの戦艦すら上回る可能性があると語った。
聖遺物の正体
その後フウシンは、聖遺物について基礎的な説明を行った。
聖遺物とは落ち人の力を増幅し、目的に応じて変換・制御する焦点具であり、常識では説明できない原理によって現実そのものへ干渉する存在であるという。
クリシュナはその中でも極めて特殊で、航宙艦の姿を持つ前例のない聖遺物であった。
クリシュナの危険性と今後の方針
フウシンは聖遺物が危険な存在である一方、落ち人がそれを手放すことはほとんどなく、無理に奪えば大きな災厄を招く可能性があると説明した。
ヒロもクリシュナを手放すつもりはないと答え、フウシンはその反応に納得した。そしてクリシュナの詳細な解析や整備方法の解明は、本国で専門家達によって行うべきだと提案した。
整備士姉妹の困惑
さらにフウシンは、聖遺物は物質化した高次エネルギー体であり、巨大なものほど莫大な力を秘めていると説明した。
その話を聞いたティーナとウィスカは衝撃を受け、クリシュナの整備に対する不安を隠せなくなった。ヒロは従来通りの戦闘艦だと説明したが説得力は乏しく、二人は強く動揺した。
最終的には、あくまで例え話であり、本国で安全性をしっかり調査するという約束によって、ようやく二人を落ち着かせることができた。
#5:ヴェルザルス神聖帝国へ
迎えを待つ平穏な日々
フウシンによるクリシュナの調査後、ヒロ達はヴェルザルス神聖帝国からの迎えを待ちながら平穏な日々を過ごしていた。ニーパック星系は治安が良く、宙賊狩りもできず、報酬の低い依頼にも興味を持てなかったため、ヒロは暇な時間を利用して武器の整備を行っていた。
その様子を、護衛として派遣されていたコノハとモエギが興味深そうに見学していた。
武器と法力についての会話
コノハとモエギはレーザーガンを手に取り、外部の武器に強い興味を示した。
ヒロは彼女達が銃を携帯していない理由を尋ねたが、コノハは自分達には必要ないと答えた。第二法力による能力が強力であることや、認識阻害によって不要な接触を避けられることも理由の一つであった。
その会話の最中、コノハとモエギは聖堂からの連絡を受け取り、ヴェルザルス神聖帝国からの迎えが到着したことを伝えた。
同行提案と誤解
迎えの到着を聞いたヒロは、軽い気持ちでコノハとモエギにブラックロータスへの同乗を提案した。
しかしコノハは意味深な反応を見せ、モエギも戸惑いを見せたため、ヒロはすぐに発言を撤回した。エルマからも呆れられたが、ミミはヒロの親切心からの発言だったと擁護した。
その後コノハは、本国でヒロの護衛や付き人を命じられる可能性があると説明した。ヒロはその可能性に納得し、もし決定した際には連絡してほしいと伝えた。
神聖帝国艦隊の到着
ヒロ達は大型ホロディスプレイで到着したヴェルザルス神聖帝国の護衛艦隊を確認した。
その艦隊はリッシュ星系で見た艦隊と酷似しており、六枚の光の羽や装飾など、進化したクリシュナと共通する特徴が見られた。ティーナやウィスカもその類似性を指摘し、興味深く観察していた。
一方でショーコは神聖帝国の住民から生体サンプルを得たいと意欲を見せ、クギやネーヴェに窘められていた。
出発準備の確認
ヒロは神聖帝国への入国手続きについてコノハに確認した。
特別な事前手続きは不要であり、ゲートウェイ通過時に船籍や乗員情報が登録されるだけだと説明された。エルマは輸出入規制の確認をミミに指示し、ミミもメイと共に確認することを約束した。
ヒロは特にやるべきことが残っていないことを確認し、出発を待つことになった。
神聖帝国使節との会談
艦隊到着から間もなく、神聖帝国の使者達がブラックロータスを訪れた。
現れたのはカラス、神祇省記録官のイナバ、そして武官のクジャであった。カラスはリッシュ星系で面識があった人物であり、神聖帝国側がヒロへの配慮として派遣したことを説明した。
一行は食堂へ移動し、神聖帝国入りに関する打ち合わせを始めた。
出発日程の決定
カラスは約四十八時間後に出発する予定であることを説明した。
ヒロは了承し、積荷や補給物資の確認をミミに任せた。その他についても、常識的な行動を心掛ければ問題ないと説明され、ヒロは冗談交じりに応じた。
イナバからの依頼
会談の中で、イナバはヒロに同行したいと申し出た。
理由を問われたイナバは、落ち人であるヒロの言動や行動原理を記録し後世へ残すことが、自身の務めであると説明した。しかしヒロは記録されることに難色を示した。
その後、イナバが神祇省の事情に詳しいことを知ったヒロは、質問への情報提供を条件に記録活動を認める取引を提案した。イナバはその条件を快く受け入れ、同行が決定した。
ブラックロータスでの移動開始
出港準備は既に整っていたため、ヒロ達は翌日にニーパックプライムコロニーを出発した。
コノハとモエギは神聖帝国艦で帰国することになり、ブラックロータスには乗船しなかった。一方でイナバは既にブラックロータスへ移っており、ミミやクギと共にヒロのドキュメンタリー番組を楽しんでいた。
ヒロはその映像が流れる休憩スペースを避け、ショーコの研究室へ逃げ込んでいた。
ネーヴェの治療経過
研究室ではネーヴェが調整ポッドの中で身体の検査と調整を受けていた。
ショーコは、ネーヴェの臓器や骨格は概ね問題ない状態まで回復しており、残る課題は筋肉量だけだと説明した。今後は食事や運動、あるいは調整ポッドによる補強で改善していく方針であった。
ネーヴェは将来について冗談交じりの発言をしたが、ヒロは話題を変え、まずは健康を優先するよう促した。ショーコも出産などはまだ先にした方が良いと判断しており、ネーヴェの治療は順調に進んでいることが確認された。
ヴェルザルス神聖帝国への航路
ブラックロータスはヴェルザルス神聖帝国の即応艦隊と同期航行を行い、ゲートウェイを通過して帝国領へ入った。帝国艦隊は空間跳躍航行による移動が可能だったが、ブラックロータスにはその機能が搭載されていなかったため、艦隊は通常航行で同行していた。
イナバは空間跳躍航行には兵士達の法力を蓄積して利用する仕組みが必要だと説明した。これを受けてティーナ達技術者は、ブラックロータスへの搭載や運用の可能性について議論を交わしたが、技術体系の違いや整備の問題など多くの課題があることを確認していた。
穏やかな船内の時間
船内ではカラスから差し入れられたいなり寿司をクギ達が味わっていた。故郷を離れていたクギは特に喜んでおり、ヒロはカラスの行為に何らかの意図を感じながらも、その配慮に一定の好意を抱いていた。
ヒロが旅の平穏さについて口にした直後、ブラックロータスへ連絡が入り、即応艦隊が何かを発見したため超光速航行を停止したことが伝えられた。
光子生命体との遭遇
宇宙空間には紫色の光と共に多数の発光体が出現した。
イナバはそれらを光子生命体と呼ばれる亜空間生物だと説明した。光子生命体は生命体に取り付き生命力を吸収する危険な宇宙怪獣であり、発見次第排除することが帝国の規則となっていた。
ヒロ達が見守る中、即応艦隊は光の紋章を展開し、魂砕きと呼ばれる兵器によって光子生命体を一撃で消滅させた。その光景を見たヒロは、改めてヴェルザルス神聖帝国を敵に回したくないと実感した。
クリシュナによる迎撃戦
光子生命体の群れが後方にも出現したため、ヒロはクリシュナで出撃した。
ブラックロータスを退避させた後、ヒロはクギとミミに指示を出し、進化したクリシュナの戦闘能力を試すことにした。ミミが指定した座標へ短距離転移を成功させると、ヒロは光輪兵器ヴァジュラナーバを起動した。
出現した光子生命体は、巨大な光輪から射出された無数の光輪兵器によって次々と切り裂かれ、短時間で全滅した。戦闘後、クギはジェネレーター出力が安定していることを報告し、ヒロは取得したデータを保存するよう指示した。
戦力の実証
光子生命体の殲滅を終えたヒロは、クリシュナが即応艦隊と同等の成果を単独で上げたことを認識した。
光子生命体への対応能力を示したことで、ヴェルザルス神聖帝国側の警戒は強まるだろうと考えたが、それでも侮られるよりは良いと判断した。その後、ヒロはクリシュナの点検を行うためブラックロータスへ帰還した。
帝国中枢星系への到着
後続の光子生命体が現れないことを確認した即応艦隊は航行を再開し、一行はやがてヴェルザルス神聖帝国の中心領域へ到着した。
そこには恒星を囲むように多数の居住可能惑星が環状に配置された壮大な光景が広がっていた。自然形成とは思えない星系構造に、ヒロ達は驚きと感嘆を覚えた。技術者達は重力バランスや形成方法について考察したが、詳細は不明のままであった。
到着後の予定確認
目的地について尋ねられたイナバは、主星イズモの首都宇宙港へ到着後、歓迎のセレモニーと大社での祓えの儀が予定されていると説明した。
クギは大社が祭祀や儀式の中心施設であり、祓えの儀は穢れを浄化するための儀式だと補足した。さらにイナバは、滞在中の宿泊場所や停泊施設については神聖帝国側が手配すると説明した。
ヒロは神聖帝国の厚意によって実現した訪問であることを踏まえ、可能な限り協力する意向を示した。そんなヒロに対し、仲間達はまず寝床と停泊場所を気にするところがらしいと笑っていた。
#6: 主星イズモ
ヴェルザルス神聖帝国への到着
ヒロ達は先導艦に従って環状惑星帯の一つであるイズモへ降下した。事前に話が通っていたためか手続きは円滑に進み、一行は大社へ向かうことになった。
移動中、ヒロは光子生命体の存在を思い出し、ヴェルザルス神聖帝国が半ば鎖国状態にある理由として、領内に危険な宇宙怪獣が出現する事情があるのではないかと推測した。エルマもそれを否定できないと感じていた。
航空客車とイズモの景観
一行は航空客車に乗って移動した。以前リーフィル星系で同種の乗り物が墜落した経験を持つティーナは不安を示したが、コノハとモエギは安全性に問題はないと説明した。
車窓から見えるイズモは緑と水に恵まれた美しい惑星であり、桜のような花を咲かせ続ける樹木が各地に広がっていた。また空中には大地が浮かんでおり、イナバはそれが抗重力物質である浮き石の鉱床による現象だと説明した。技術者達は未知の物質に強い興味を示し、イナバへ質問を重ねていた。
祈り桜と法力植物の説明
大社へ向かう石段を登る途中、ミミは手に落ちた花弁が消えていく様子に驚いた。
イナバとクギは、この樹木が祈り桜と呼ばれる法力植物であり、花弁は法力が物質化したものだと説明した。さらにクギは、法力植物には法力を循環させて惑星環境を維持する働きがあると語った。
ヒロ達はその仕組みに困惑しながらも、サイオニックエネルギーによって良い影響をもたらす植物として理解することにした。
大社への到着と参拝
石段を登り切った一行は広大な境内へ到着した。クギはかつてこの大社で修行していたことを明かし、懐かしそうに周囲を見渡していた。
ヒロ達はクギの案内で参拝作法を教わり、手を清めて参拝を行った。その後、神職や巫女達に迎えられ、祓えの儀へ向けて案内されることになった。
ミミは歓迎されているように感じるとヒロへ話し、ヒロも案内役達から悪意を感じないことを認めた。一行は礼儀正しく振る舞うことを確認しながら儀式の場へ向かった。
禊の儀で起きた騒動
儀式に先立ち、ヒロ達は禊の儀を受けることになった。
しかしヒロの禊では、清めの水が穢れによって汚染され始める異常事態が発生した。神職や巫女達が総出で対応にあたり、大量の法力を投入して事態の収拾に努めた。
結果として禊は完了したものの、現場には疲弊した神職達とずぶ濡れになったヒロだけが残されることになった。
穢れの正体とヒロの異常性
女性陣との合流後、神職達はヒロに宿る穢れの量に驚きを示した。
彼らによれば、本来それほどの穢れを抱えれば心を壊したり、欲望や暴力性に支配されたりするという。しかしヒロにはそのような兆候がなく、高いポテンシャルによって穢れを抑え込んでいるのだと説明された。
ヒロは自らの経験を振り返り、その説明に一定の納得を示した。
祓えの儀の開始
続いて祓えの儀が執り行われた。
神職達は巨大な炎へ法力を注ぎ込み、炎は紫色へと変化した。やがて炎の一部が参列者達へ伸び、それぞれの身体を包み込んだ。
他の者達の炎はすぐに消えたが、ヒロだけは炎が長時間燃え続けた。身体に異常はなく、むしろ温かさを感じていたが、その異常な状態に神職達も驚きを隠せなかった。
穢れの大燃焼
儀式を見守っていた豪華な衣装の女性は、炎が穢れと罪業を燃料として燃えているのだと説明した。
ヒロが結晶生命体の母体であるマザー・クリスタルを倒したことを思い出すと、それを契機として炎はさらに激しく燃え上がった。紫色の炎は大噴出を起こし、儀式場全体を光で埋め尽くした。
九尾の女性との対話
儀式後、ヒロは大社で最も高位と思われる九尾の女性に呼ばれ、二人で話をすることになった。
彼女は穢れとは怨みの積み重ねであり、普通ならば人の精神を蝕むものだと説明した。ヒロの場合は膨大な穢れを抱えながらも、高いポテンシャルによって平然としている異常な状態だと語った。
また彼女はヒロに強い関心を示し、自分のもとへ来るよう冗談めかして誘った。しかしヒロは本能的な危険を感じ取り、その誘いを受けなかった。
それでも女性はヒロへの興味を失わず、行き詰まった時には自分のもとへ来るよう告げた。ヒロがその言葉を受け止めると、彼女は微笑みながら唇へ手を当て、その息をヒロへ吹きかけた。
エピローグ
ヴェルザルス神聖帝国での異変の顛末
九尾の美女の痕跡
気がつくとヒロは再び禊の儀の会場へ戻っていた。ミミ達はヒロが突然現れたことに驚き、エルマはヒロの頬に真っ赤な口紅の跡が残っていることを指摘した。
ヒロは儀式中に九本の尻尾を持つ美女に空間転移のような力で連れ去られたことを説明した。しかしミミやエルマ、クギ達にはその女性の存在自体が認識されておらず、ヒロだけが彼女と接触していたことが判明した。
九尾の美女の正体
ヒロが女性の特徴や会話内容を伝えると、神主はその人物が間違いなく特別な存在であると断言した。
その女性は人の枠を超えた高みに到達した存在であり、神に近い存在だと説明された。神主自身にもその存在を捉えることはできず、ヒロだけが認識できたことになる。
ヒロは、自身が感じていた強烈な危険感が、その女性と深く関われば戻れなくなる可能性を本能的に察知した結果だったのではないかと考えた。
儀式の目的の説明
儀式後、一行は和室へ案内され、茶と羊羹を振る舞われた。その場で神主は禊の儀と祓えの儀の本来の目的について説明した。
ヴェルザルス神聖帝国の領域は他世界との境界が極めて薄い特殊な場所であり、穢れを多く纏った者は異界の存在を引き寄せやすくなるという。そのため、領内で活動する前に穢れを祓う必要があったのである。
神聖帝国成立の背景
神主はヴェルザルス神聖帝国の成り立ちについても語った。
帝国の祖先は過去に他次元との境界を破壊しかけ、世界を滅ぼしかねない事態を引き起こした。しかし最終的には危機を回避し、不安定な宙域を守るために現在の版図を築き上げたのである。
外国船の航行を制限している理由も、穢れを纏った者が光子生命体のような異界生物を呼び寄せる危険があるためだった。
物の怪への対策
神主は帝国内では幽霊に似た存在が現れることもあると説明した。
その話を聞いてミミや整備士姉妹は不安を覚えたが、クギは法力で守ると約束し、モエギとコノハも護衛を引き受けた。ヒロも助けを求めたが、周囲からはヒロ自身の力なら物の怪程度は容易に対処できると返され、自身の強さを改めて認識させられた。
今後の予定の相談
事情を理解したヒロは儀式への感謝を伝え、今後の予定について話し合った。
まずヒロ達はクリシュナの調査と解析を希望した。神主は既に一流の研究者や技術者を招集していると説明し、ティーナ達の参加も歓迎すると約束した。
クギの過去への言及
続いてヒロはクギの両親へ挨拶したいと申し出た。
しかし神聖帝国側の人々は一様に複雑な表情を浮かべた。クギはセイジョウ・クギになった時点で過去の全てを消却しており、そのような人物は存在しないと説明した。
ヒロは事情を理解できなかったが、クギ自身はそれを自ら望み、現在の生活に満足していると語った。
クギの願いとヒロの決断
クギは過去には触れず、自分が修行時代に世話になった人々へ挨拶したいと願った。
ヒロはその希望を受け入れ、クギが望まない限り過去へ踏み込まないと決めた。ヴェルザルス神聖帝国の人々もその判断に安堵し、話し合いは穏やかに終わったのである。
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その他フィクション

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