小説「あたしは星間国家の英雄騎士! 1巻」感想・ネタバレ

小説「あたしは星間国家の英雄騎士! 1巻」感想・ネタバレ

次巻

読んだ本のタイトル

#あたしは星間国家の英雄騎士1巻
著者:#三嶋与夢 氏
イラスト:#高峰ナダレ  氏

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あらすじ・内容

いつか、あの人みたいな正義の騎士に!!
星間国家アルグランド帝国――その辺境であるバンフィールド伯爵家で、騎士としての第一歩を踏み出した少女エマ。
幼い頃に見た領主様に憧れて騎士を志した彼女だったが、初の実戦で失敗し、さらなる辺境惑星エーリアスに左遷されてしまう。
やる気の無いお荷物部隊の隊長を押し付けられたエマだけど――
「この程度で諦めるもんか。あたしは正義の騎士になるんだ!」
真っ直ぐに頑張る彼女に、少しずつ感化される者も出始める。
そんな中、エーリアスに海賊の拠点があることが判明。
本星から精鋭部隊が送り込まれるが……!?
落ちこぼれの少女騎士が成り上がる新たな「星間国家」英雄譚、開幕!!

あたしは星間国家の英雄騎士!①

プロローグ
数十キロメートルに及ぶ小惑星はかつて資源採掘の場として利用されていたが、現在は軍によって要塞化され、基地として運用されている。内部には多くの坑道があり、これらは軍事施設として活用されている。基地内では若者たちが無重力状態で整列し、騎士としての訓練を受けている。この若者たちは、バンフィールド家の新たな騎士としての任務を開始することになる。エマ・ロッドマンもその中の一人で、騎士としての活躍を夢見ている。

第一話「出来損ないの Dランク」
エマ・ロッドマン少尉が騎士学校を卒業後、宇宙空間での実戦に投入される。初陣での緊迫した状況の中、エマは機動騎士「ネヴァン」のコックピットに乗り込み、戦闘を経験する。この戦いで、エマは自身の未熟さを痛感し、戦闘で重要な教訓を得る。

第二話「辺境治安維持部隊」
惑星ハイドラにある軍港で、エマを含む新米騎士たちが配属先へと向かうシャトルに乗り込む。エマは辺境の地に配属されることを知り、ラッセルという上位者の騎士に嘲笑されるが、カルアという騎士に慰められる。配属先では、古い宇宙空母とその乗組員に適応しようとするエマの姿が描かれる。

第三話「傑作機モーヘイブ」
空母メレアのトレーニングルームで、エマは一人でトレーニングを行い、小隊員たちとの関係に苦悩する。整備中の機動騎士「モーヘイブ」についてダグから聞かされると、エマは小隊の問題に直面し、対応を考える。

第四話「第三小隊」
惑星エーリアスで、エマが率いる第三小隊が調査団の護衛を行いながら、敵との遭遇を経験する。彼女はチーム内での孤立を感じつつも、隊内の問題に取り組み、信頼を築こうと努力する。

第五話「宇宙海賊」
宇宙海賊との戦いが描かれ、エマはモーヘイブで戦闘に参加する。エマの騎士としての成長とチームとの絆が試される中、敵との戦いで新たな困難に直面する。

第六話「緊急依頼」
バンフィールド家の政庁で、クローディア・ベルトラン大佐が指揮する部隊が宇宙海賊の拠点攻撃を計画する。エマは部隊の一員としてこの緊急任務に加わり、指揮官のもとで行動する。

第七話「イェーガー部隊」
惑星エーリアス近くの宇宙で、クローディアはエマに新型のネヴァンタイプを割り当てる。エマは新型ネヴァンの試作実験機の調整に努め、その過敏な反応に苦労しながらも、操縦技術を磨く。同時に、エマの周囲の人々は、彼女に高性能機が与えられた理由を理解し難く感じている。

第八話「バンフィールド家の悪魔」
エマは新型ネヴァンを使用して敵の拠点攻撃に参加する。敵の迎撃と激しい戦闘の中、エマは彼女の機動性を活かして敵を圧倒する。この戦闘を通じて、クローディアはエマの潜在能力と成長を認識する。

第九話「捨て駒」
敵の拠点で繰り広げられる激しい戦闘の中、エマは重要な役割を果たす。しかし、敵の砲台が新たに登場し、部隊は撤退を余儀なくされる。エマと部隊は多くの困難に直面しながらも、生存と任務遂行のバランスを取ることを強いられる。

第十話「アタランテ」
エマは新たに届いた機動騎士アタランテを駆って戦闘に臨む。アタランテの高い機動性と強力な武装を駆使して敵を撃破するが、その過程でエマ自身も大きなリスクを背負う。結果的にエマは部隊の中で特別な存在となる。

第十一話「異才」
アタランテと共に戦うエマは、その特異な能力を周囲に示す。戦闘中、彼女は敵の大型兵器と対峙し、圧倒的な力を見せつける。エマの行動は、彼女の隊員としての成長だけでなく、リーダーとしての資質をも証明する。

第十二話「憧れの人」
戦後、エマはリアムについて深く考える。彼の行動に悩みつつも、彼の理想とする騎士像について理解を深める。エマは自らの正義と使命について再考し、リアムを模範としてより高い目標に挑む決意を新たにする。

エピローグ
戦いが終わった後、エマはアタランテと共に新たな任務に就くことになる。彼女は過去の戦闘から得た教訓を活かし、未来に向かって前進する決意を固める。エマはバンフィールド家の騎士として、さらなる成長を遂げることを誓う。

感想

リアムより歳下の女騎士エマが主人公。

平民出身でバンフィールド家の領地の住民だが。
ブライアンから可愛がられおり。
リアムくん人形(サイン付き)が貰えるほどの関係。
孫か?ブライアンが言ってる孫なのか?

リアムのバンフィールド領は、善政のおかげで急速に発展したのだが。
防衛のための騎士不足が深刻な問題となっていた。

それを解消するために門戸が広げて騎士学校を開設させ、多くの若者を学校に入って騎士にしたのだが、、

主人公のエマは騎士の必須技能、機動騎士の操縦がド下手だと評価されていた。

研修での実戦で操縦下手と、教官のクローディアが弱らせてトドメを刺すだけの状態で用意された海賊を殺せなかった結果。

普通なら評価Cで卒業して現場に配属されるのだが、エマは落ちこぼれのD判定を受け。

元海賊貴族バークリー家の領地だった辺境にいる空母メレアに配属されるが、メンバーは全くやる気の無い連中だった。

彼等はリアムが当主になる前からの兵士で、先代、先先代の悪政の中でも住民のために宇宙海賊と戦っていた彼等は、、
リアムが中央から軍人を多く入れて、軍を再編した結果。
彼等は左遷され腐ってしまった。

そんな配属先に戸惑いながら部隊のメンバーと上手くやろうとしていたが、相手にその気がない。

作戦をしていたら完全にハブられてる状態。

そんな状態で宇宙海賊の部隊と遭遇してしまい、宇宙海賊の攻撃で1小隊が全滅して退却する事になる。
その後、本星からイェーガー隊の増援が来たのだが、、

その中にエマをD判定にしたクローディアがいた。

さらに、宇宙海賊の拠点占領のために送られて来た領主リアムの直属の特務陸戦隊のトレジャーと共に来た試作機がリアムの直接の指示でエマに送られて来た。

その機体は、新型動力炉を搭載しており作動のバランスが悪く、エースパイロットですら操縦出来ない機体になってしまったが、、

アシスト機能が邪魔だと思ってしまうほど繊細に操縦の出来るエマに与えたら彼女は変貌する。

エースパイロットですら避けられない光学兵器ですら読んで避けてしまうほどの起動をする。

その結果、エマはD判定から新人では早すぎるが、戦果を考えたら妥当なB判定を受ける。

そして、試作機のテストパイロットとなるが、所属先は相変わらず空母メレアのまま。

最後までお読み頂きありがとうございます。

次巻

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ

全長数十キロに及ぶ小惑星が、かつて資源採掘の場として利用されていたが、現在は軍によって要塞化され、基地として運用されている。小惑星内部には多くの坑道があり、その空洞は軍事施設として活用されている。基地内では若者たちが無重力状態で整列し、騎士としての訓練を受けている。この若者たちは、バンフィールド家の新たな騎士としての任務を開始することになる。

騎士は軍人とは区別され、幼い頃からの厳しい訓練と肉体強化処置を受ける。
騎士になるためには莫大な予算と時間が必要であり、通常の兵士とは異なる。バンフィールド家はアルグランド帝国アルバレイト朝に属する伯爵家で、領内には複数の騎士学校が設けられている。
バンフィールド家は家臣団を持たず、急遽設立された騎士学校で騎士の育成に力を入れている。
星間国家が存在するこの世界では、前時代的な価値観が残り、バンフィールド家には譜代の家臣は存在しない。

若者たちの中にはエマ・ロッドマンもおり、彼女は騎士としての活躍を夢見ている。
エマはバンフィールド伯爵、リアム・セラ・バンフィールドに深い尊敬の念を抱いており、彼に近付くことが彼女の目標である。
エマは自身の夢に向かってのスタートラインに立ったことを喜び、騎士としての新たな生活を始める。

三十年以上前、エマは幼少期に両親と共に宇宙戦艦とロボットたちが空を覆う様子を見上げていた。
これはバンフィールド家の軍が宇宙海賊を退けて凱旋する様子で、領民たちは歓声を上げていた。
特に注目されていたのは、機動騎士で、エマはその一つが自分の領主であるリアム・セラ・バンフィールドの機動騎士であることに魅了された。
母親はその機動騎士が宇宙海賊を退けたと説明し、エマはその強さに憧れを抱くようになる。

この経験がエマに騎士になる夢を抱かせ、バンフィールド家で騎士として活躍することを目指すようになる。
そして現在、エマは騎士学校を卒業し、騎士としての新たな生活を始める。卒業後はレイチェルと名前された女性騎士と共に研修期間に入る。
レイチェルは彼女にとって頼りになる存在で、二人はそれぞれの研修先に向かうことになる。
レイチェルは第二十四部隊、エマは特に厳しいとされる第一部隊に配属されることになり、これからの挑戦に直面する準備を整える。

エマ・ロッドマン少尉が騎士学校を卒業後、宇宙空間での実戦に投入された。
彼女は機動騎士「ネヴァン」のコックピットに乗り込み、初陣を迎える。
状況は緊迫しており、敵との交戦がすぐに始まった。エマは戦闘中、操縦に苦労し、動揺していた。
教官のクローディア・ベルトランもその場におり、彼女の指導のもとエマはなんとか戦場を乗り切ろうとする。

敵である宇宙海賊たちは古い機動騎士を使用しており、バンフィールド家の最新鋭の機動騎士に抵抗するが、エマの動揺は続いた。彼女は敵機との戦闘中、手加減できない状況に戸惑う。
その中で、教官クローディアが敵パイロットを無慈悲にも殺害し、エマに同じ行動を促すが、エマはそれを拒否する。

その結果、クローディアはエマの行動を非難し、彼女を戦場から撤退させる。
エマは宇宙海賊との戦闘で重要な教訓を得るが、騎士としての初陣は失敗に終わる。
この体験はエマにとって、騎士としての道が容易でないことを痛感させる出来事となった。

第一話  出来損ないの Dランク

エマはクローディアからの厳しい評価を受けていた。彼女は騎士学校の成績が機動騎士の操縦を除いて平凡で、射撃の評価だけが高かった。
しかし、機動騎士を操縦する際にはその技能を活かせていなかった。
クローディアによる最終評価はDランクであり、これは騎士として最低の評価である。
騎士学校を出て初陣を経験したエマにとって、この評価は「無能」を意味していた。

クローディアはバンフィールド家が騎士不足に直面しており、騎士学校を設立して短期教育で騎士を育成している現状をエマに伝えた。
エマはこれにより、自分が騎士を目指せた理由が家の苦しい事情にあることを理解する。

その後、エマは公園で走りながら考えを巡らせ、かつて騎士になると決めた日のことを思い出した。
彼女は騎士になるために必要な力を持っていると自信を持っていたが、実際の評価は厳しかった。
エマは自己疑念に苛まれるが、公園で偶然出会った知り合いの老人から励まされ、正義の騎士になるという夢を再確認する。
老人との会話で、エマは自分を信じて前に進む決意を新たにした。

バンフィールド家の屋敷は広大で、都市一つを内包するほどの規模である。
そこには罷免されながらも現在も騎士団をまとめる役割を担うクリスティアナ・レタ・ローズブレイアがいた。
彼女は自身の副官であるクローディアを呼び出し、新米騎士の育成が厳しすぎると指摘した。
クリスティアナはクローディアに対し、使える騎士を育てるよう命令し、彼女が厳しくなった理由を理解しながらも叱責した。

さらに、クローディアに新たな任務を与えた。
それは宇宙海賊に武器を供給する者たちがいることと、新たに手に入れた惑星に海賊の兵器工場が存在するという情報を基に、その工場を潰すことだった。
この命令に対し、クローディアは宇宙海賊や関連する存在に対する不快感を露にしつつも、命令を受け入れた。

第二話  辺境治安維持部隊

惑星ハイドラにある軍港にて、軍学校を卒業した新米騎士たちが配属先へ向かうシャトルに乗り込んでいた。
その様子を家族が見送っていた。待合室にて、エマとカルアという騎士が話をしている。
カルアはエマに自信を持つよう励ますが、エマは落ち込んでいた。
そこにラッセルという上位者の騎士が現れ、自らの優越を誇示し、エマに対して冷たく当たる。
ラッセルはエマが配属される辺境の地について嘲笑し、騎士の資格を返上するよう言い放つ。
無礼な態度を取るラッセルに対し、カルアはエマを慰め、ラッセルの言葉を忘れるよう助言する。

エマが乗ったシャトルは、同じ宇宙戦艦に配属される軍人たちも乗船していた。
彼らの中には規律を欠く者もおり、エマはその様子に冷や汗をかいていた。配属先の宇宙空母は古く、二世代前のものであった。
着任したエマは司令官ティム・ベイカー大佐と面会し、彼によるとエマが配属された艦「メレア」は、新しくバンフィールド家が取得した惑星エーリアスの治安維持と調査に向かうが、具体的な仕事はないと告げられる。
エマは機動騎士大隊の小隊長として任命されるものの、実際の活動の機会は期待されていなかった。

格納庫で、エマは自身の小隊を率いることになるダグ・ウォルッシュ准尉とモリー・バレル一等兵と出会う。
また、ラリー・クレーマー准尉も小隊の一員であったが、彼は除隊を控えており、この部隊が解体されるか意味のない任務に就くだけだと冷めた態度を見せる。
ダグとモリーのフレンドリーながらも軍人としては不適切な態度や服装に、エマは戸惑いを隠せなかった。

第三話  傑作機モーヘイブ

空母メレアのトレーニングルームで、エマは一人でトレーニングを行っていた。
設備は古く、故障しているものもあり、他のクルーはトレーニングに現れなかった。
バンフィールド家の私設軍は改革が行われ、より厳しい軍隊が期待されていたが、エマが目の当たりにしたのはその逆だった。

エマは格納庫で小隊員たちを集め、訓練をサボったことでダグ、ラリー、モリーを叱責した。
しかし、三人は軽く扱い、エマの説教を真剣に受け止めなかった。
特にラリーはエマの説教を無視し、勝手に去った。エマは小隊長として厳しくあるべきだと学んでいるが、問題児ばかりの小隊に苦悩している。
エマ自身も、他から見れば問題児に映っているかもしれないと感じ、落ち込んでいる。

ダグに案内されたエマは、モーヘイブと呼ばれる機動騎士の格納庫を訪れた。
整備中のモーヘイブ二型は二世代前の機体であり、その時代のものは性能が低く、生産性と整備性の高さから広く普及していたことをダグは説明した。
ダグは、自分たちが使い捨てられた存在であると感じており、そのことにエマは反論しようとしたが、ダグは聞く耳を持たなかった。
改革後も旧式の装備を使用している現状に対し、ダグはバンフィールド家を恨んでいる。
モリーが孤児院出身で、技術を得るために軍に入隊したこと、ラリーも騎士になりたかったが教育カプセルの適用が間に合わなかったため騎士になれなかったことがダグから語られた。
エマはダグの話から、メレアでの問題の深刻さを知り、どう対応するか考えあぐねている。

翌日、エマはトレーニングルームでモリーとともにトレーニングを行っていた。
エマがベンチプレスで非常に重い重量を持ち上げる姿をモリーが称賛している。
エマは、体を動かすことに関しては得意であり、騎士としての訓練も受けていることを説明した。
しかし、モリーはエマが頭を使うよりも行動する方が得意な「脳筋」とからかった。
その後、モリーはエマにこれからの計画を尋ねたが、エマは自分が勝手に頑張ると答え、正義の騎士に憧れていると述べた。
エマは女性らしさを問われることに少し苦しんでおり、いじけるが、モリーには可愛いと言われて照れていた。
その時、艦内放送が鳴り、宇宙空母メレアの大気圏突入が一時間後に迫っていることが伝えられた。

第四話  第三小隊

惑星エーリアスは、自然豊かながら生物によっては入植困難な場所である。
旧バークリー家の放置したこの惑星に、バンフィールド家が調査団を派遣した。
調査団は、軽空母メレアに乗せられ、現地で拠点の建設を開始した。
一方、宇宙用のパイロットスーツに着替えたエマは、周囲が地上用のパイロットスーツを着用していることに不満を示していた。
特にエマは、自分が支給されたパイロットスーツが一般パイロットと同じものであることに苛立ちを感じていた。
隊長であるエマは、自分がDランクの騎士でありながら隊長を務めることに自信を失っていた。
エマが隊長としての態度を強めようとする中、ラリーはエマを小馬鹿にし、ダグはエマを守ろうとした。
調査団が無人機の回収を行っていることを知らされず、エマは情報の不足に困惑していた。
最終的には、ダグがエマとラリーの言い争いを止め、地上用の装備で問題ないと説明した。
それに落ち込むエマに、ラリーは厳しく言い放った。

エマが立ち去った後、モリーがダグとラリーに近づいて詰め寄り、エマをいじめたことを非難した。
ラリーは自分には関係がないと反論するが、モリーはチームの一員として関与を強調した。
ダグはラリーに対して行動を諫め、今回の行為が過ぎたと指摘したが、ラリーは騎士への不満を露わにし、エマを避けて自らのモーヘイブへ向かった。

エマはダグやラリーの説明を受ける代わりに直接調査団の責任者に会い、事実を確認しようとした。
責任者によると、既に無人機を用いての調査が行われており、人間の手が必要な場面は少ないことがわかる。
しかし、ラリーはエマを情報共有から意図的に外しており、その事実をダグも知りつつ黙っていた。
エマは隊員たちの行動に憤りを感じ、信じられないと口にした。

モリーがエマのもとに戻ってきたとき、エマは調査団の人と直接話していたことを説明し、自分の行動について説明した。
しかし、その間にもラリーはエマを避け続け、コミュニケーションを拒否した。
エマは自分が隊長として尊重されていない現実に直面し、自己疑念に苛まれながらも、自らの機体の整備が済んでいることを確認した。
モリーは整備の腕を自信を持って語り、エマはモリーの技能を信じて出撃の準備を整えた。

第五話  宇宙海賊

エマが率いる第三小隊は、惑星エーリアスで調査団の護衛を行っていた。
任務は穏やかな環境下で進行しており、他のパイロットたちは任務中にもかかわらずリラックスしていた。
しかし、エマは自分のモーヘイブのコックピットに気を取られ、その中に他人の臭いが残っていることに苦しんでいた。

そのとき、第四小隊の隊長がエマのモーヘイブに近づき、エマがDランクの騎士であることを揶揄した。
隊長は任務中にも酒を飲み、タンクトップ姿で現れ、エマに挑戦的な態度を示した。
エマはその行動に怒り、隊長に操縦勝負を挑まれるが、彼女のモーヘイブは反応が鈍く、操作ミスから転倒してしまった。

エマの失敗に第四小隊は大笑いし、去っていった。
エマは部下たちからも見捨てられたと感じ、隊内での孤立を深めた。
その後、エマはダグとラリーに立て直す機会を求めるが、彼らは第四小隊の隊長に対して同情的であり、エマを支援する意思は見せなかった。

エマは自身の失態を嘆き、ダグからも冷たい言葉を受ける。
彼はエマが騎士としての資格を疑い、彼女の努力にもかかわらず、彼女が状況を悪化させていると指摘した。
エマはこの一連の出来事から、自己疑念と失望を深めていた。

メレアの格納庫で、機動騎士部隊の大隊長に何度も殴られたエマは、心よりも身体の痛みを感じていた。
気落ちしているエマに対し、モーヘイブを整備していたモリーが話しかけ、冗談を言って慰めようとした。
エマはモーヘイブが倒れたことについて謝罪し、モリーはそれを受け入れ、モーヘイブの再調整を始めると述べた。

その後、突然の爆発音が聞こえ、エマとモリーは敵襲を確認し、エマはモーヘイブに乗り込む準備をし、モリーに避難を促した。
一方、ラリーは機動騎士のコックピットで戦闘に参加しており、敵のゾークと交戦していた。
敵機は地上戦仕様に改造され、ラリーとダグは数的不利な状況に追い込まれた。
エマのモーヘイブは戦闘に参加し、敵の攻撃を避けながら反撃し、結果的に敵機を破壊した。
しかし、その過程でエマ自身も大きなリスクを冒していた。

最終的に、ラリーとダグはエマの無事を確認し、彼女の無茶な行動に苛立ちながらも、彼女が無事であることに安堵した。
敵の撤退後、部隊は宇宙に撤退する命令を受け、ラリーはエマを回収しメレアに戻るよう指示された。

メレアの治療室で、エマはモリーに叱られていた。
エマが乗るモーヘイブを壊され、モリーは激怒していたが、エマが無事で戻ってきたため、その怒りも少しは和らいでいた。
モーヘイブのアシスト機能を外した状態での戦いでエマが無事であったことにモリーは驚きと安堵を感じていた。

その後、モリーはエマに第四小隊が全滅し、第一小隊も大損害を受けたことを伝える。
第三小隊のエマたちだけがまともに残っていた。
話は続き、エマたちの隊に特殊部隊が送られてくるという噂があり、それが事実であることに二人は戸惑っていた。
特殊部隊の派遣の理由が不明で、その状況が二人を更に困惑させていた。

第六話  緊急依頼

ハイドラに位置するバンフィールド家の政庁では、官僚や軍人たちが慌ただしい一日を過ごしていた。
新たに獲得した惑星エーリアスに宇宙海賊の拠点が存在することが判明し、クローディア・ベルトラン大佐が指揮する部隊がその拠点に攻撃を仕掛けていた。
クリスティアナからの命令で、クローディアはエーリアスに向かう予定であったが、その移動は海賊の兵器製造プラントの発見により急がれていた。
このプラントは艦艇が建造可能な規模を持ち、エーリアスが海賊たちの主要な拠点であることが明らかになったため、クリスティアナは状況の深刻さをクローディアに伝え、彼女の部隊だけが間に合う可能性があった。
クローディアは先遣隊を派遣し、本隊が到着するまでの間、敵の退路を断つ提案に応じたが、現地の治安維持部隊の支援は断った。
特務陸戦隊の派遣も承認され、クローディアの指揮下で行動することになった。
この一連の対応は、バンフィールド家の信用問題にも関連しており、帝国の貴族たちに弱みを見せるわけにはいかなかった。

数日後のエーリアス近くで、高速艦に乗っていたクローディアはメレアの姿を眺めながら不機嫌になる。彼女の部下は、メレアが左遷先の部隊であることを知り、驚く。エマもメレアに乗り込んでおり、クローディアは彼女を評価の低い騎士として認識していた。エマは元教官であるクローディアとの再会に驚いていたが、クローディアの部隊とメレアの間の雰囲気は良くなかった。

ティム大佐は、クローディアに対して、送られた戦力が少ないと不満を表明し、クローディアの部下たちはそれに反応してしまう。クローディアは部下を抑えつつ、ティム大佐の不満に対して、彼らの任務の重要性を認識せず、嫌味と皮肉にしか耳を傾けない彼らに対する苛立ちを隠さない。クローディアとティム大佐のやり取りは緊張を高め、メレアのクルーたちも彼らに対して敵意を抱いている。

この会議での不和は、エマにとっては特に辛いものであった。しかし、モリーから「エマちゃん、凄い贈り物が届いたよ」というメッセージが会議に投影され、場の空気が一変する。モリーの呼びかけにより、エマは困惑しながらも反応を示す。

無重力状態の艦内通路で、エマはモリーに格納庫へと連れられる。格納庫には、以前エマが失った機動騎士モーヘイブ二型の代替として、新しい機動騎士が待っていた。この機動騎士は、ネヴァンの同型機で、詳細な変更が施された外見を持つ。特に、頭部にはツインアイのメインカメラがあり、追加されたブースターが目立つ。

モリーは新しい機動騎士の前で興奮し、エマはその様子に驚く。
その時、パワードスーツ型の宇宙服を着た女性兵士が近づいてきて、エマに機動騎士の受け取りサインを求める。
エマは自分がDランクであることから間違いではないかと困惑するが、女性兵士は間違いではないと確認する。
サインをした後、女性兵士は「乗りこなして見せろ」という伝言を伝えるが、送り主についての情報は何も提供しない。

女性兵士は去った後、エマは名前を聞き出せずに困惑したまま残される。
そして、届けられた機動騎士を見つめながら、「あたしに乗りこなせっていうの?」とつぶやく。

第七話  イェーガー部隊

惑星エーリアス近くに高速艦が集まり、空母メレアの周囲で物資を引き渡すために停泊している。
クローディアは部下から、Dランクのエマ・ロッドマン少尉に新型ネヴァンタイプが割り当てられたことに対する不満を受け、上からの命令であると強調し、余計な問題を避けるよう指示する。

一方、メレアの格納庫では、エマが新型ネヴァン試作実験機の受領を果たし、その調整作業に専念していた。
この新型機は、通常のネヴァンに比べて多くの実験的技術が導入されており、操縦の反応が過敏であり、特別なパイロットスーツを必要とする。
その機体の調整を、エマは整備士のモリーと共に行っているが、開発責任者であるパーシー・パエ技術少佐からは、機体がまともに動かないと警告される。
パーシーはエマの機体が暴走する危険性も持っており、アシスト機能が搭載されていないことを明かす。
しかし、エマは機体の調整に夢中であり、その警告を軽く受け流していた。

全体的に、メレアのクルーや他のパイロットたちは、上層部がエマに高性能機を与えた理由を理解できずにいる。
一方でエマは、提供された機体を最大限に活用しようと調整に励んでいる。

宇宙海賊たちの兵器製造プラントで、バンフィールド家が攻撃するとの知らせに逃げ出す準備をしていたが、リバーと名乗る謎の男が爆破を止める。
リバーは何度殺されても現れるため、海賊たちは彼を恐れていた。
リバーは、バンフィールド家に大きな失敗を経験させる計画を提案する。

一方、メレアの格納庫で、クローディアはバンフィールド家の指揮下で戦闘を準備し、自称「イェーガー部隊」として作戦を進めるつもりだった。
作戦内容を周囲に説明し、部隊名を決めるなどして準備を進める。
しかし、エマは試作機の調整が難しく、爆発のリスクを伴う状況での戦闘参加を考えていた。
周囲からは軽蔑されるが、エマは宇宙海賊の脅威から人々を守るために戦うことを決意している。

数十年前、クローディアは宇宙海賊が根城にしていた資源衛星で捕らわれており、劣悪な環境の中で命を長らえる毎日を過ごしていた。
元部下である男が、海賊に成り下がり、クローディアに食べ物を与えるものの、軽蔑的な態度で彼女を扱っていた。
男はクローディアを裏切り、部隊を売り渡し、多くの部下がその裏切りにより死んだ。
その場で男は殺され、その直後、成人したばかりと思われる子供が現れ、クローディアに協力を求めた。
子供はクローディアの才能を認め、彼女を助け出す。
この出来事が、クローディアが今の彼女になるきっかけとなり、自身の能力を証明することが彼女の使命となった。

第八話  バンフィールド家の悪魔

メレアが大気圏に突入し、敵プラントへ低空飛行で接近した。
地上からの強襲を選択したが、敵はメレアの接近を早期に察知し、迎撃用の設備を展開した。
ブリッジでは、クローディアに対して不満が噴出しており、ティム大佐は作戦の無謀さを指摘し、出撃するなとの指示にも関わらず、クローディアはイェーガー部隊の全機出撃を命じた。
ハッチが開かれ、ネヴァンたちは追加パックのブースターで加速し、敵プラントに向かった。
敵の迎撃システムと戦いながら、敵機と交戦し、プラント内の砲台を破壊していった。
クローディアは部下たちに敵の幹部以外の殲滅を命じ、敵プラントへの攻撃を続行した。

数十年前、クローディアは宇宙海賊に捕らわれ、資源衛星の牢屋に入れられていた。
痩せ細った体を隠しながら、海賊たちに命乞いをしていた。
その間、牢屋で共に過ごした騎士たちは次々と死んでいった。
ある日、元部下で海賊になった男がクローディアを侮辱しながら食べ物を与えたが、その場で殺されてしまう。
その直後、子供の姿をした機動騎士のパイロットが登場し、元部下を殺害する。
この子供はクローディアに騎士としての能力を認め、牢屋を解放して彼女に手を差し伸べた。
クローディアはその手を取り、以降はその子供に仕えることを決意した。
その後、クローディアは作戦に集中し、再び自分が無能ではないことを証明することに専念することを誓った。

第九話  捨て駒

戦場で防衛戦を行う部隊が敵プラントを襲撃していたが、新たな砲台が現れ自分たちを狙っていた。
ゾークと呼ばれる敵機を迎え撃つ状況になっていた。
クローディアは部下のネヴァンが敵から奪い取った武器を使用し、敵機を撃破していた。陸戦隊は幹部数名を拘束したが、撤退が困難であった。
敵は光学兵器の砲台を自走砲に乗せて攻撃を行っており、クローディアはネヴァンで突撃し、敵の自走砲を撃破し陸戦隊の撤退を支援することに決めた。
その際、自分たちは多くの敵に対して破壊される可能性があった。
陸戦隊の指揮官はクローディアの申し出を受け入れ、生きて再会したら秘蔵の酒を振る舞うと約束したが、クローディアは下戸であった。
その後、プラントの中央部分に亀裂が入り、隠しハッチが開くと巨大な兵器が出現した。
この兵器は戦艦に搭載されるほどの光学兵器を備えており、クローディアは敵の準備に苦々しい思いを抱いていた。
敵機はリバーと名乗るアドバイザーが操り、リバーはバンフィールド家の名声を落とすためにこの事態を引き起こしたことを語った。
リバーの話を聞いてクローディアは自分の無能さを恥じたが、最終的には戦闘態勢を整えることになった。

軽空母メレアは大気圏からの離脱準備に入っていた。
ティム大佐は帽子をかぶり直し、敵の多様な仕掛けに対して不満を表明していた。
オペレーターからの問いに、ティム大佐は逃亡の正当性を主張しながら、すべての責任を自分が負う覚悟を示していた。
その最中、操縦調整が終わったと報告するエマの顔が投影された。エマは出撃する意志を示すが、ティム大佐は冷静にそれを却下した。
エマは、自身と欠陥機の状況を重ね合わせ、「騎士であること」を自らに課していた。ティム大佐は諦めたように出撃を許可し、メレアは離脱を進めた。
エマは出撃準備を進める一方で、モリーに迎撃システム破壊の協力を依頼し、迎撃システムを破壊した後はコンテナを射出する計画を立てていた。
エマは光学兵器と実弾兵器の用意を頼み、モリーはそれを受け入れた。

エマは幼い頃、バンフィールド伯爵の動画を見ていた。
その動画では、伯爵が一対一の対談で宇宙海賊たちを撃退したことについて話している。
伯爵は自己の行動を正義とは考えず、ただ自分の意志で行動していたと述べている。
この様子にエマは感銘を受け、「領主のような騎士になりたい」と思うようになる。

エマは自身が騎士であることと、アタランテに乗って味方を救うことの重要性を強調している。
彼女は、もし味方を見捨てて宇宙海賊を野放しにすれば、正義の騎士として自信を持てなくなると考えている。
そうした思いから、エマは出撃を決意し、モリーから出撃の許可を得る。
エマはアタランテに乗り、格納庫から出撃し、ブースターを使って加速していく。
その間、彼女の体はシートに押さえつけられながらも、エマはその状況を乗り越えようとする。

第十話  アタランテ

プラントから遠く離れた軽空母メレアでは、離脱準備が進められていた。
ティム大佐は、自分が命令したと言い、部下たちは従っただけと主張するつもりだった。
自分の失敗を受け入れ、すべての責任を背負う覚悟でいた。
しかし、軍にしがみついた長い人生を振り返りながら、今はそれが空しく思えていた。
ティム大佐は自分の人生を省み、軍を去ることに疑問を感じていた。

その頃、宇宙海賊のプラントでは激しい戦闘が続いており、クローディアは苦戦を強いられていた。
大型兵器ビッグボアによる攻撃に苦しんでおり、左腕を失った状態で戦っていた。
ビッグボアの装甲に傷をつけることはできたものの、それが有効打となることはなかった。
近接武器で攻撃を続けるクローディアだったが、その試みも功を奏することはなかった。

そんな中、メレアからは意外な味方が駆けつけてくる。
試作実験機のネヴァンが、敵の厳重な攻撃をかいくぐりながらプラントへと接近していた。
その驚異的な機動性によって、ビッグボアのレーザー攻撃を避けつつ、クローディアたちのもとへとたどり着くことに成功していた。
しかし、その勢いを殺しきれずにプラントを通り過ぎてしまったことで、クローディアは驚きとともに緊張感を失ってしまった。

アタランテのコックピット内で、エマは機体の制御に苦戦しながら敵プラント上空を通り過ぎてしまう。
方向転換を試みるが、ブースターの強力な出力によって大きな負荷がかかる。
しかし、アタランテはエマの操作に敏感に反応し、レーザー攻撃を巧みに避けていく。
エマはアタランテと共に、普通の機体では感じることのない鋭敏な動きを体験していた。

戦闘中、エマはプラントに再接近し、アタランテの専用ライフルで敵の固定砲台や車両を次々と撃ち抜いた。
続いて、散弾モードを備えたビームライフルで複数の敵を同時に攻撃し、効率的に敵を倒していく。
射撃の正確さに敵も驚愕する。

最終的にエマはアタランテの性能をフルに活かし、地上を低く飛びながら戦闘を展開する。
敵の圧倒的な数にも負けず、サブマシンガンやショットガンで敵を効果的に攻撃し、次々に倒していった。
その中で、エマは実弾兵器が有効であることを再確認し、さらに敵のレーザーブレードで敵を切り裂く戦法も用いる。

最後に、エマはレーザーブレードと実弾兵器を組み合わせた攻撃で、敵の数を減らしていく。
その過程で敵の大型兵器ビッグボアとの戦いが続き、エマはビッグボアのレンズを狙って射撃を続けたが、レンズは次々と交換され、攻撃が有効打となることはなかった。

しかし、エマの果敢な攻撃と地上部隊の努力により、敵の発電施設が制圧され、ビッグボアの電力供給が絶たれる。
これによりビッグボアの動きが鈍くなり、エマとクローディアたちに反撃のチャンスが訪れる。
エマは最後の力を振り絞り、ビッグボアを倒すべく戦いを続ける決意を新たにする。

プラントの地下で陸戦隊は、捕らえた海賊たちを連れて地上を目指していた。
アタランテをエマに届けた女性隊員が指揮官と会話を交わし、エマがアタランテを動かしたことに驚いていた。
指揮官はエマの将来に興味を示し、女性隊員も彼女に機動騎士を届けたことを自慢するつもりであると述べている。

その間に、武装した宇宙海賊たちが現れ、陸戦隊との間で戦闘が発生する。
敵の女性海賊リーダーは自分たちを捕らえた陸戦隊に対し銃を乱射するが、女性隊員はナイフを使って敵を素早く倒し、陸戦隊の他の隊員も残りの敵を排除する。
生き残った女性海賊はすぐに武器を破壊され、指揮官によって射殺される。

陸戦隊は任務を続け、その過程で陸戦隊が高い戦闘能力を持つことが示される。
特にアタランテを動かすことができたエマの潜在能力には、特に注目が集まっていた。

第十一話  異才

メレアの格納庫で、パーシーは遠くからアタランテの戦闘データを確認していた。
通常では動かせないはずのアタランテをエマが見事に操縦していたため、パーシーはエマの能力に感心していた。
その間、エマが生存していることを知り、モリーが安堵していた。
しかし、パーシーは、アタランテが専用装備ではなくモリーが渡した実弾兵器を使用していることに不満を持っていた。

一方、エマはビッグボアという巨大な敵機に対抗するため、機動性と速度を生かした操縦を行っていた。
しかし、アタランテの暴れん坊ぶりに振り回されながらも、光学兵器の攻撃を紙一重で避ける高度な操縦技術を発揮していた。
光学兵器の装甲へのダメージは無効で、本当に装甲を貫ける武装がないため、エマは武器を捨て、隠し持っていた武器に切り替えていた。

その頃、プラントに攻め入るゾークたちが、アタランテを優先的に攻撃しようとしていたが、クローディアはこれを阻止するために奮闘していた。
ビームウィップを駆使して敵を複数まとめて倒し、味方に新たに届いた武器で装備を強化して戦い続けていた。
その中でクローディアは、エマの持つ異才とバンフィールド家への誇りを新たに感じていた。

アタランテのコックピット内で、エマは高出力に耐え切れず警報が鳴り響く機体を操っていた。
関節部分からの警告にも関わらず、彼女はビッグボアに接近し続けていた。
光学兵器が機体に当たるものの、特殊加工された装甲はそれを防いでいた。
しかし、ビッグボアとの距離が近づくにつれて、エマは機関銃の攻撃を受ける。
それでもアタランテから放電するエネルギーがバリアとなり、弾丸を逸らしていた。

接触すると、敵パイロットとの通信回線が開かれ、スーツ姿の男が登場した。
男は冷静に自分たちの運命を語り、エマはその死を恐れない態度に動揺を隠せなかった。
エマは死に対して恐怖を感じており、自分がバンフィールド領の領民を守る騎士であるという責任感から前に進んでいた。

対照的に、男は自らを「何度でも蘇る不滅の営業マン」と称しており、命を消耗品とみなす発言をした。
これに激怒したエマは、アタランテのパワーを最大限に引き上げて、ビッグボアを攻撃した。
ブースターの力を借り、ビッグボアを文字通り持ち上げる力を見せつける。
ビッグボアの腹部に特殊な武装を突き刺し、爆発させることで、リバーを倒した。

その後、アタランテは力尽きて落下し、クローディアのネヴァンが受け止める。
エマはクローディアに「教官」と呼びかけたが、クローディアは自身を「大佐」と訂正した。
その時、メレアが戦場に現れ、モーヘイブが次々と降下し、戦況は一気に味方の優勢へと傾いた。

エマはこのすべてが終わったことを実感し、安堵のため息をついたが、戦場の残酷さを目の当たりにして、敵を殺した直後の光景に心を痛め、吐き気を感じた。

第十二話  憧れの人

メレアの格納庫で、モーヘイブにより運び込まれたアタランテを前に、モリーが頭をかきながら、一度の出撃でアタランテが酷く破損してしまったことに驚いていた。
特に左腕の損傷がひどく、修理ではなく交換が必要であると考えている。
一方、パーシーと第三兵器工場の関係者たちは、エマの操縦記録を確認し、その実力に感心しながらも機体のダメージに驚愕していた。

ダグは、バンフィールド家が宇宙海賊に対して容赦なく行動する様子を目の当たりにし、憂鬱な気分を抱えていた。
彼らの部隊は、戦闘が終了した後、メレアの母艦に引き返していた。
モリーは外で起きていることを知り、心配そうな表情でアタランテを見上げ、不在のエマの無事を願っていた。

メレアに横付けされた戦艦に訪れるエマは、シャワーを浴びた後の軍服姿であったが、疲労が顔に出ていた。
コックピットでの体験から気分が悪くなっており、艦内を歩く彼女を見て乗組員たちは彼女のことを話していた。
目的地は元教官であるクローディアの部屋であった。
クローディアは、重力を高めた自室でトレーニングをしており、エマの到着を待っていた。

クローディアとの会話では、エマはアタランテの破壊を謝罪するが、クローディアはそれを咎めず、彼女の実力を称賛する。
しかし、敵を殺した事実に直面したエマは動揺し、クローディアはエマに対して、リアム様が正義の騎士として振る舞うことはないと教える。
リアムが自らを悪と称し、若い頃から重い責任を背負っていた事実を伝える。

クローディアは、バンフィールド家に仕える中で、リアムの側で数多くの戦いを経験しており、リアムが正義を自称したことがないこと、また幼少期から重大な決断を迫られてきた背景を説明する。
これにより、エマはリアムに対する理解を深め、クローディアはエマにとってのリアム像が簡単なものではないことを受け入れさせようとする。

最終的に、エマとクローディアの間での会話は、エマがハイドラに帰還する命令が出たことで終了し、クローディアはエマにこれからの行動について助言を与える。
エマはクローディアからの助言を受け入れ、改めてリアムとバンフィールド家に対する理解を深める機会を得る。

エピローグ

メレアの格納庫には、壊れたアタランテが吊り下げられており、エマがその姿を見上げていた。
エマは、アタランテに対する感謝の気持ちを伝えつつ、自分が騎士として活躍できたことについて考えていた。
彼女は、特別な機体に乗ることが評価されにくいと感じており、通常の量産機であるネヴァンに比べてアタランテの維持が非効率的であることを理解していた。

アタランテを一機製造するコストはネヴァンの中隊を整える費用と同等であるため、管理や維持の面から見てもアタランテの方が負担が大きいとされていた。
エマはアタランテの今後の扱いについて考え、修理後も再度の使用が困難である可能性を認識していた。

そんな中、エマの独り言を聞いたパーシーが登場し、アタランテの開発継続を示唆した。
パーシーは、エマに次もアタランテをテストすることを依頼し、開発計画の継続がエマの活躍によるものであることを伝える。
これにより、エマは希望を持ち、アタランテと再び関わる可能性に心を動かされていた。

最終的に、エマは宇宙艦隊に合流し、展望室からアタランテを運ぶ輸送艦を見送った。
部隊の他のメンバーとの会話には参加しにくいエマだが、アタランテとの再会を心待ちにしていた。

クローディア率いる艦隊が惑星ハイドラへ帰還し、部隊は補給と整備を終えて休暇に入ることになった。
クローディアはクリスティアナの執務室にて、エマの騎士ランク昇格を推薦する電子書類を提出した。
書類では、エマをBランクに昇格させたいとされていたが、これはバンフィールド家の規定に反する異例の申し出であった。
通常は数年間Cランクで様子を見ることが定められているが、クローディアはエマの実力を高く評価し、推薦した。

クローディアの推薦にもかかわらず、クリスティアナは慎重な姿勢を示す。
騎士ランクの昇格は単なる形式ではなく、昇格する騎士には相応の任務が課され、高いリスクが伴うためである。
エマの場合、短期間での昇格が問題となる可能性があるが、クリスティアナはエマの実績を認め、Bランク昇格を承認する。

この昇格には、クローディアがエマの将来を見据えていた意図がある。
クローディアは、エマが追い求める目標に近づくためには、通常の経路よりも速い昇進が必要だと考えていた。
エマの才能と潜在能力を信じており、彼女が困難を乗り越えることができると確信している。

最終的に、クリスティアナはエマの昇進を認め、彼女を中尉に昇進させる。
これにより、エマは異例の速さでキャリアを築いていくことになる。
ただし、クローディアの提案した配属先の変更は認められなかったため、エマは現在の部隊に留まることになる。
これは彼女の特殊な才能を考慮した結果である。

ハイドラの自然公園で、昇進と昇格が決まったばかりのエマは、ベンチに座りながら景色を眺めていた。
彼女は自らの正義について深く考えており、リアムが自身を悪だと称していることに悩んでいた。
リアムの行動はエマにとって正義の範であるはずが、そのリアム自身が悪を名乗るのだから、彼女の混乱は大きい。

そこへ、ブライアンと名乗る老人が現れ、エマの悩みを察して話を聞くことを申し出る。
エマはリアムの行動に疑問を感じつつも、彼の正義を追求する姿勢には感銘を受けている。
ブライアンはエマに対し、自分の心に問いかけるよう促し、エマは自問自答の中で、リアムが自分にとって真の正義の騎士であると再認識する。

老人との会話の後、エマはリアムを正義の騎士として尊敬し続けることを決意する。
また、ブライアンが特機「アタランテ」のことをどうして知っているのかについて尋ねるが、老人は詳細を明かさずに立ち去る。
エマはその正体やアタランテについてもっと知りたいと感じながらも、自分の進むべき道を歩む決意を新たにする。

特別編  叙勲式

惑星ハイドラに帰還した辺境治安維持部隊が叙勲式を迎えた。
バンフィールド家の規模であれば、通常、大戦での英雄的な活躍がない限り、大々的な式典は行われず、形式的なものに留まる。
領主リアム・セラ・バンフィールドは姿を現さなかったが、エマを含む軍人たちにとっては、勲章を受け取ることが栄誉であった。

叙勲式のために騎士の礼服を着てお屋敷に向かったエマだが、広すぎるお屋敷で迷子になってしまう。
バンフィールド家は星間国家アルグランド帝国の伯爵家で、その領地は惑星を数多く所有しており、お屋敷は都市のような規模を持つ。

途方に暮れていたエマは、通りかかったメイドロボットの伊吹に道を尋ねる。
伊吹はエマに目的地を示し、その後礼儀正しく去って行った。
メイドロボットであることにエマは気付き、名前が伊吹であることに興味を持つ。
伊吹の名前は彼女の主人によって付けられたもので、大切にされていることが伺えた。

最終的にエマは叙勲式にギリギリ間に合うが、ティム大佐からは遅刻寸前であったため小言を受けることになる。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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