小説「サイレント・ウィッチ II(2) 沈黙の魔女の隠しごと」感想・ネタバレ

小説「サイレント・ウィッチ II(2) 沈黙の魔女の隠しごと」感想・ネタバレ

Table of Contents

簡単な感想

護衛対象の王子の前で「アウアウ」してるだけで気に入られてしまった魔女殿。
その王子は沈黙の魔女に憧れており、彼女に会いたくて仕方ない。
・・・え?
もう既に会ってるよ?

どんな本?

本作は、引きこもりの天才魔女モニカ・エヴァレットが、正体を隠して第二王子の護衛任務に挑むファンタジー作品である。無詠唱魔術を操る〈沈黙の魔女〉として知られるモニカは、学園生活に身を投じ、生徒会会計としても活動を始める。しかし、かつての恩師の赴任や魔力測定への参加など、彼女の正体を脅かす出来事が次々と発生し、平穏な日常は一変する。

主要キャラクター
• モニカ・エヴァレット:無詠唱魔術を操る〈沈黙の魔女〉。極度の人見知りでありながら、第二王子の護衛任務に就く。
• フェリクス・アーク・リディル:第二王子。モニカの護衛対象であり、彼女の正体に気づかぬまま信頼を寄せる。
• ルイス・ミラー:〈結界の魔術師〉として知られる七賢人の一人。モニカの任務を監督する立場にある。

物語の特徴

本作の魅力は、最強の魔女でありながら人見知りというギャップを持つモニカのキャラクターにある。彼女が日常生活で直面する困難や、正体を隠しながら任務を遂行する姿が、読者に共感と興味を与える。また、学園生活と魔法バトルが融合したストーリー展開は、他のファンタジー作品と一線を画す要素となっている。

出版情報
• 著者:依空まつり
• イラスト:藤実なんな
• 出版社:KADOKAWA(カドカワBOOKS)
• 発売日:2021年10月8日
• ISBN:9784040742243
• 定価:1,430円(税込)
• 電子書籍版:あり
• 関連メディア展開:シリーズ累計でアニメ化が決定しており、2025年に放送予定。

KADOKAWAanime

読んだ本のタイトル

サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと
著者:#依空まつり 氏
イラスト:#藤実なんな 氏

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あらすじ・内容

沈黙の魔女〉モニカは第二王子を狙う敵を極秘裏に“処理”。生徒会会計にも抜擢され、護衛任務は順調……かに思えた。

 しかし正体バレの危機が次々襲来!? かつての恩師が赴任してきたり、七賢人になるほどの魔力量なのに魔力測定に巻き込まれたり、普通の学園生活に最強の魔女は失神寸前!

 皆には簡単な社交ダンスやお茶会だって、モニカには精いっぱい。それなのに、第二王子にも次なる危機が迫り――?

 無詠唱の魔女の極秘任務、メンタルが試される第二幕!

サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと

感想

護衛対象の第二王子がサイレントウィチーに憧れている事が発覚。彼女がワイバーンを撃ち落とす処も目撃しており。彼女に会える事を熱望している。。

居るよ!!

王子のすぐ側に居るよ!!

生徒会の会計で、いつもアウアウとしていて、クッキーを口元に持って行ったら食べる可愛い生き物として愛でるのがそうですから!!ww

でも、そんな彼女も毒には勝てないのか、、
まさか昏倒するとは思わなかった。
そこはスーパーじゃ無いんだ。

あと、医療魔法が禁止されてるとはな、、
意外な世界だ。

それを解禁してる帝国と何気に不気味だし、最後はまさかの人物が王子暗殺を企てるとは、、

なんか人間不信になりそうで怖いな、、

いや、あの兄妹が居るなら大丈夫かな?
婚約者と一緒に居るためのダシするため粘着質に絡み付く妹と、怒鳴ったりしてるけど何故か凄く面倒見の良い兄。

さらに影でお姉さま支えながらも、表では悪役令嬢をする令嬢と、モニカを支える人が多くてなかなかに面白い。

でも、全員が素直じゃ無いw

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登場キャラクター

学園関係者

モニカ・ノートン

〈沈黙の魔女〉として第二王子の護衛任務を負い、学園では仮の身分で生活する少女である。無詠唱魔術を駆使しながらも、目立たず任務を遂行しようと努める。
・セレンディア学園高等科二年に編入
・遠隔魔術で竜を討伐し、正体を隠したまま市民を救助
・毒入り紅茶事件では命を落としかけるも、生徒会役員として任務を全う
・〈螺炎〉事件では精霊王を召喚し、結界を書き換えて暗殺を阻止した

ネロ

モニカの使い魔であり、普段は黒猫の姿をしているが人間にも変身可能である。
・街中ではぐれたモニカを探し出し再会を果たした
・暴走馬車の制御や情報探索などでモニカを支援
・〈螺炎〉事件では感知魔術を駆使して異常を報告した

フェリクス・アーク・リディル

第二王子であり、生徒会長を務める人物である。
・モニカの正体に感づいており、深い関心を寄せている
・〈沈黙の魔女〉の魔術に強い憧れを抱く
・派閥にとらわれず、自らの信念に従って行動している

ウィルディアヌ

フェリクスの使い魔であり、情報収集や報告を担う存在である。
・フェリクスの従属精霊
・精霊王召喚の痕跡を報告し、旧庭園の異変を伝えた

シリル・アシュリー

副会長であり、冷静沈着かつ厳格な言動が特徴の人物である。
・モニカの業務を代行し、信頼を寄せている
・クローディア・エルヴェインの兄であり、妹との関係に葛藤を抱える

ニール・クレイ・メイウッド

生徒会の庶務担当で、モニカにとって話しやすい同学年の生徒である。
・ダンス練習ではモニカのパートナーとなり支援した
・クローディア・アシュリーの婚約者とされている

ブリジット

生徒会の書記であり、厳格な性格である。
・社交ダンス失敗時にはフェリクスの任命責任を追及
・冷静な判断力と厳しさを持つが、公平な態度も見せる

エリオット

生徒会の一員であり、毒殺事件や商会事件などでもモニカと関わる。
・アボット商会偽装事件でモニカと共に現場対応
・チェスでモニカと対局し、彼女の戦略性を評価した

イザベル・ノートン

ケルベック伯爵家の令嬢であり、学園内では悪役令嬢として振る舞っているが、実際には繊細で知識豊富な人物である。
・ケルベック伯爵家の娘
・茶会でモニカに協力し、紅茶や茶葉の準備を支援
・毒殺未遂事件ではカロラインを逆転させる策略を実行
・モニカを自室に迎え療養させるなど、深い恩義を抱いている

アガサ

イザベルの侍女であり、主の指示に忠実に従い、礼儀正しい態度でモニカに接した。
・ケルベック家付きの侍女
・茶葉の準備やモニカの世話を行った
・モニカが一人で食事できるよう配慮を見せた

ラナ・コレット

モニカの同級生であり、共に行動することの多い友人である。
・街中での買い物時にモニカと再会し和解
・ピアノ演奏に参加し、社交ダンスの練習を支援
・茶会事件後も変わらぬ友情を示し続けた

カロライン・シモンズ

ノルン伯爵令嬢であり、モニカに敵意を抱く女子生徒である。
・階段事件の加害者でありながら圧力をかけて隠蔽を図った
・紅茶に毒を混入させモニカを昏倒させた
・イザベルにより行為を暴かれ、立場を失った

ケイシー・グローヴ

高等科二年の生徒で、最初はモニカに友好的に接していたが、その正体は暗殺者であった。
・乗馬授業を通じてモニカと親しくなる
・フェリクス暗殺のため〈螺炎〉を学園に仕掛けた
・〈螺炎〉封印後に捕縛され、修道院送りとなった

クローディア・エルヴェイン

読書家で博識な女子生徒であり、皮肉屋で観察眼に優れている。
・茶会で毒の混入を見抜き、応急処置を行った
・モニカの正体に気づいていたと推測される発言を多数行った
・シリルの妹であり、彼との関係は緊張を孕んでいる

クローディア・アシュリー

毒殺未遂事件後、モニカに執着を見せるようになった女性である。
・命の恩人という立場を利用して友人関係を迫った
・食堂での同席などを通じてモニカと関わる

リンジー・ペイル

若手の教師であり、突然クラス担任を任されることになった人物である。
・ダンス授業においてグレンとモニカの指導に苦慮
・生徒たちの助け合いに感慨を抱いた

セレンディア学園長

学園を統括する立場にあり、〈水咬の魔術師〉ウィリアムを新任教師として迎え入れた。
・ソーンリーの逮捕後の学園運営を主導した

ウィリアム・マクレガン

〈水咬の魔術師〉であり、モニカの旧師である高名な魔術教授である。
・基礎魔術学の授業を担当
・視力に難があり、モニカの正体を見抜いていない

カール・ボイド

チェスの講師であり、モニカの才能を見抜いて大会出場を計画した人物である。
・セレンディア学園のチェス教師
・モニカに無理やりチェス授業を申し込ませた
・チェス大会への出場を希望し、周囲に働きかけた

メイベル・ヘインズ

舞台演出を担当する生徒であり、情熱的で演技への熱意を持つ。
・フェリクスに演技の依頼をするが断られる
・学園祭における花火の搬入に立ち会った

王族・貴族関係者

ノルン伯爵

カロライン・シモンズの父であり、貴族社会において一定の影響力を持つ存在である。
・ノルン伯爵家当主
・カロラインの行為がケルベック家への敵対と認定され、家名への影響が示唆された

エリアーヌ

フェリクスのはとこであり、クロックフォード公爵の指名によってフェリクスの婚約者候補とされている人物である。
・クロックフォード公爵家の親族
・舞台演出を通じてフェリクスに接近しようとする思惑が描かれた

七賢人・魔術師関連

〈結界の魔術師〉ルイス・ミラー

七賢人の一人であり、学園に張られた結界を管理する魔術師である。
・〈結界の魔術師〉の称号を持つ七賢人
・モニカを弟子として使いながら、囮にする策略を用いる
・〈螺炎〉事件では、結界改変を見抜き、最終的にケイシーを修道院送りにした

リン

ルイスと契約を結んだ精霊であり、連絡係を務める無表情な少女の姿をした存在である。
・ルイスの契約精霊
・モニカに贈り物や指示を届けた
・〈螺炎〉事件ではケイシーの拘束に関与

グレン・ダドリー

編入生であり、学園でモニカと交流を深める青年である。
・セレンディア学園高等科の生徒
・モニカに魔術使用の秘密を打ち明け、信頼を築いた
・社交ダンス試験でモニカのペアとなり、再試験を乗り越えた

〈茨の魔女〉

敵対する魔術師であり、旧庭園に蔓を張り巡らせて罠を仕掛けていた存在である。
・敵性魔術師として言及される存在
・〈螺炎〉の罠の設置者であり、結界の内側に薔薇の蔓を展開した

メアリー・ハーヴェイ

〈星詠みの魔女〉の名を持つ七賢人の一人であり、未来を予測する能力に長けている。
・〈星詠みの魔女〉の称号を持つ七賢人
・フェリクスの未来だけが読み取れず、国家的な異変の中心と予見した

展開まとめ

プロローグ  休日のささやかな挑戦

休日の買い物と少女たちの心の成長

女子寮での嘲笑とイザベルの機転


モニカ・ノートンは制服姿で女子寮を歩いていたが、休日に私服を着るのが常識の中、周囲から浮いていた。カロラインとその取り巻きにからかわれるが、そこに現れたイザベル・ノートンが状況を察し、悪役令嬢を装ってモニカを救った。モニカは彼女の助けに感謝しながら、その場を離れた。

ネロとのやりとりと人混みによる動揺

寮を出たモニカは、使い魔であるネロと街へ出かけるが、休日の人混みに圧倒されて動けなくなる。ラナ・コレットと偶然出会うも、自分が場違いであると感じたモニカは同行を断る。街でネロとはぐれてパニックに陥るが、青年魔術師に助けられ、ネロと再会する。

はぐれ竜出現と対応への決意

竜出現の報に街が騒然とする中、青年は飛行魔術で様子を見に行く。モニカは第二王子の護衛という立場と市民の安全を鑑み、竜の討伐を決意する。ネロは人間の姿に変化し、モニカを担いで時計台まで運搬。モニカは遠隔魔術の準備を進めた。

遠隔魔術による竜討伐

時計台からの遠視魔術で状況を把握したモニカは、青年の火球に合わせて無詠唱の遠隔魔術を発動し、竜の眉間を貫いた。竜は倒れ、兵士や青年からは青年の攻撃と誤認されたまま喝采を浴びた。モニカは誰にも知られず、密かに任務を全うしたのである。

たくましさの自覚とラナとの和解

ネロの指摘で、自分が人型のネロに慣れていることに気づいたモニカは、成長を実感する。その頃、ラナは買い物中の出来事を思い出しながら、モニカを探しに戻る。再会した二人は言葉を交わし、ラナは櫛が買える小間物屋の地図と焼き栗を渡す。モニカは勇気を振り絞って一緒に行きたいと伝え、ラナと手を取り合って街へ歩き出した。

ルイスの浮かれと報酬としての贈り物

王都では〈結界の魔術師〉ルイス・ミラーが生まれてくる子と〈沈黙の魔女〉モニカのために服を選んでいた。彼は任務成功への褒美として服を贈ることを決め、契約精霊リンに届けさせる準備を整えた。弟子には何も伝えず囮にしていることを語り、冷静かつ悪意に満ちた師の一面を見せていた。

学園に潜む影と次なる不穏な計画

一方、学園内では東部出身の人物が、中央貴族の無関心な態度に怒りを募らせていた。その者は、秘密裏に保管していた魔術的装置を取り出し、学園祭に紛れて何らかの行動を起こす決意を固めていた。モニカたちの穏やかな日常の裏では、静かに悪意が動き出していたのである。

一章  沈黙の魔女、改め失言の魔女

新任教師の登場とモニカの日常の一幕

ソーンリーの逮捕と新任教師の紹介


セレンディア学園では、資金着服と準禁術研究の罪でヴィクター・ソーンリーが逮捕された影響により、王都や魔術師組合の調査員が連日訪れていた。その対応に追われていた若手教師リンジー・ペイルは、突然クラス担任を任されることになり、精神的疲労を抱えていた。そんな中、学園長は新たな基礎魔術学教師として、〈水咬の魔術師〉ウィリアム・マクレガンを紹介した。彼は元ミネルヴァ名誉教授であり、〈結界の魔術師〉や〈沈黙の魔女〉のかつての師でもあった。

モニカとニールの穏やかな交流

休み明けの朝、モニカは昨日ラナと買った櫛で髪を上手く整えることができ、微かな達成感に浸っていた。生徒会室では庶務のニール・クレイ・メイウッドと出会い、資料整理を手伝う。ニールは生徒会の中で唯一の同学年であり、物腰の柔らかさからモニカも比較的話しやすい相手であった。他の役員たちは癖が強く、特に書記のブリジットとエリオット、そして生徒会長フェリクスとの関係には緊張が伴っていた。

選択授業の悩みと魔術科目への疑念

ニールとの会話の中で、翌日に控える選択授業見学会の話題が出る。豊富な選択肢にモニカは迷い、特に芸術分野への自信の無さに悩んでいた。エリオットは意図的にモニカを見下すような発言をし、さらにブリジットの能力を引き合いに出すことでプレッシャーを与えた。シリルはエリオットと芸術的素養について応酬を繰り広げ、フェリクスはその場を和ませるように彼らの隠された才能を暴露して笑いを誘った。

魔術授業への誘導とモニカの焦燥

フェリクスは、数学と魔術の親和性を指摘し、数学に強いモニカに魔術科目を勧めた。しかし、モニカは詠唱ができず無詠唱魔術しか使えないため、授業中に正体が露見するリスクを恐れていた。表向きは曖昧に「前向きに検討します」と返すも、結果的にフェリクスの同行を了承してしまい、深く後悔する。

思わぬ誘いと〈失言の魔女〉の自嘲

フェリクスの言葉に調子を合わせたつもりが、逆に明日の見学会を案内されることになってしまい、モニカは混乱する。護衛任務の範疇を超えて接近しすぎることの危険を自覚しつつも、うまく断れなかった自身を「〈沈黙の魔女〉」ならぬ「〈失言の魔女〉」と自嘲しながら、頭を抱えていた。

二章  恐怖の魔力量測定

選択授業見学会と新たな出会い

選択授業の見学とフェリクスとの同行


セレンディア学園では、一・二年生による選択授業の見学会が実施されていた。モニカはラナと一緒に回ることを望んでいたが、ラナはすでに授業を決めていたため、単独で行動することになった。目立つのを避けるため教室を早々に飛び出したが、廊下でフェリクスと鉢合わせ、結局は彼と共に見学を開始することとなった。

フェリクスの意外な一面と新たな登場人物

道中、モニカはフェリクスが魔術の才能を持たないことを知り、完璧な王子像との乖離に驚きを覚えた。そこへ、かつて街で会った青年・グレンが登場する。グレンはセレンディア学園に編入したばかりの生徒であり、ニールと同じクラスであることが明かされた。彼はフェリクスの正体を知らず、無邪気に接する姿が印象的であった。

グレンの秘密とモニカの共感

グレンはモニカに、自身が監督者のいない場で魔術を使ったことを秘密にしてほしいと懇願した。実は彼はまだ見習い魔術師であり、無断使用が師匠に知られれば厳罰を受ける可能性があるという。モニカはその懸命な様子に共感し、秘密を守ることを約束した。

基礎魔術学の授業と旧師との再会

見学の一環として、フェリクスに勧められるままモニカたちは基礎魔術学の教室へ向かった。そこにいたのは、モニカがミネルヴァ時代に教わった〈水咬の魔術師〉ウィリアム・マクレガンであった。彼の登場によりモニカは任務露見の危機に晒されるが、マクレガンが視力に難があることを思い出し、気づかれていない可能性に一縷の望みをかけた。

魔力量測定の危機とグレンの救い

授業では魔力量を測定する実習が行われた。モニカは自分の魔力量が七賢人レベルを超える数値であるため、測定を避けなければならなかった。恐怖と焦燥に駆られる中、グレンの測定器が暴走し、教室の注目を集めた。この騒動を利用してモニカは密かに教室を抜け出し、危機を回避した。

チェス教室での挑戦とエリオットとの対局

避難先に選んだチェスの教室では、生徒会書記エリオットに見つかり、強引に対局を申し込まれた。モニカはルールすら知らなかったが、実戦経験に裏打ちされた戦略思考により、瞬く間に盤面を制圧した。エリオットはキャスリングという奥の手で勝利を収めたが、モニカはそれを責めることなく潔く敗北を認めた。

授業申請の強制と新たな波乱の予感

勝負の後、チェスの教員ボイドにより、モニカは強制的に授業の受講を申し込まされた。状況を理解しないまま申込書を受け取ったモニカは、逃れられない運命に直面しつつも、怯えながらそれを受け入れたのである。エリオットはその様子に呆れながらも、彼女の資質と誠実さに複雑な感情を抱いていた。

三章  尾の無い雄牛と快活令嬢、スカートを穿いた猫

商会偽装事件とモニカの活躍、そして新たな出会い

アボット商会の紋章確認と絵の描写対立

モニカは見学会後、生徒会室に戻り、シリルとエリオットが議論している場面に出くわした。議題はアボット商会の紋章についてであり、二人の描写が全く一致していなかった。シリルは雄牛と車輪と主張し、エリオットはそれを否定。モニカが記憶力と描写力を発揮して紋章を正確に再現したことで、議論は一旦収束した。

商会来訪の報せと立ち会いへの同行

表門にアボット商会の馬車が到着したとの報せが入り、エリオットが対応に向かうこととなった。生徒会の規則により二名の立ち会いが必要となり、モニカが同行することに決まった。緊張するモニカだったが、実務経験を積む好機として受け入れた。

違和感のある紋章とモニカの記憶力

現地に到着したモニカは、馬車の紋章が記憶していたものと微妙に異なることに気づいた。軸の数や雄牛の尻尾の有無といった細部の違いを指摘し、エリオットも不審を抱くようになった。偽装の可能性を考えたエリオットは、モニカに警備兵の呼び出しを依頼した。

貴族としての矜持と襲撃の開始

モニカは危険を顧みずエリオットの身を案じるが、エリオットは貴族として平民を守るべきだと主張し、自ら囮となって時間を稼ぐ決意を固めた。偽商人が近づいてきた矢先、エリオットがモニカを突き飛ばし、男の手にはナイフが握られていた。

無詠唱魔術による制圧作戦

モニカは即座に侵入者を敵と認識し、エリオットに正体を悟られないよう配慮しながら無詠唱魔術で行動を開始した。馬の尻に軽い電撃を与えて暴走させ、一人目を落馬で、もう一人を馬車による衝突を装って、気絶させた。魔術の使用を悟られぬよう、極めて高度な技術を駆使していた。

暴走する馬車とケイシーとの出会い

しかし馬車の暴走は収まらず、モニカは逃げ遅れて絶体絶命の危機に陥った。そこに現れたのが、高等科二年生の少女ケイシー・グローヴであった。彼女はモニカを引き寄せて助け、さらに御者席へ跳び乗って馬を手綱と声で宥め、暴走を鎮めた。

犯人の拘束と和やかな会話

エリオットは犯人を倉庫に拘束し、モニカには待機を命じて警備兵を呼びに走った。モニカはケイシーと親しくなり、互いの故郷や「サムおじさんの豚の歌」といった話題で盛り上がった。人見知りのモニカにとって、ケイシーとの出会いは大きな変化であった。

乗馬授業の勧誘と新しい挑戦

ケイシーは乗馬授業への参加をモニカに提案し、初めてモニカは乗馬を選択肢として意識した。運動神経に自信がないモニカだったが、ケイシーの励ましもあり、挑戦してみたいという気持ちが芽生えた。

ネロの変装騒動とルイスのタブー

寮に戻ったモニカは、今日の出来事をネロと振り返った。ネロは学園内でも行動できるように人間の姿へ変身を試みるが、女子制服を着た筋肉質な男性という失敗作になってしまった。さらにネロが〈結界の魔術師〉ルイスの外見を揶揄しようとしたため、モニカは必死に止め、ルイスの外見に関するタブーを再確認することとなった。

選択授業の決定と新たな一歩

その夜、モニカは選択授業の申込書に「チェス」と「乗馬」を記入した。これは彼女にとって、新たな世界への扉を開く重要な一歩であり、自身の可能性を広げる挑戦でもあった。ケイシーとの出会いを経て、モニカは少しずつ変わり始めていたのである。

四章  ギュルンギュルン

社交ダンス試験への挑戦と仲間たちの支え

落ちこぼれとされた二人の問題児


セレンディア学園の教師リンジー・ペイルは、社交ダンスの授業において頭を抱えていた。問題となっていたのは、高等科二年の編入生グレン・ダドリーとモニカ・ノートンであった。二人はダンスの基礎すら知らず、授業ではまるで嵐のような混乱を引き起こし、再試験を言い渡された。

悲惨な練習風景とモニカの失神

放課後、グレンの倍速のステップにモニカが振り回され、彼女は教室中を転がる羽目になった。見かねたニールの制止も間に合わず、グレンの勢いに三半規管を破壊されたモニカは白目を剝いて失神した。指導役のケイシーは、あまりの酷さにため息を漏らし、ペアの再編成を提案した。

指導と助け合いによる再編成

ケイシーはグレン、ニールはモニカの指導を買って出たが、演奏者がいないことに気づく。そこへラナが突如現れ、ピアノを引き受けた。友人と名乗ってくれたラナの言葉に、モニカは喜びと安堵で胸を震わせた。ダンスルームは互いに助け合う温かな空気に包まれた。

教師の回想と感慨深い思い出

リンジー教諭はその光景を扉越しに見守り、自らの過去を思い出した。誰にも助けてもらえず一人で努力してきた自身とは異なり、生徒たちは互いに手を取り合っていた。その光景に微笑みを浮かべ、扉をそっと閉じた。

生徒会室での責任とプレッシャー

翌日、生徒会室では、フェリクスがダンスの練習について話題にし、ニールが曖昧に回答する。その様子から惨状を察したシリルとブリジットが厳しい言葉を投げ、モニカは責任を痛感してうなだれた。特にブリジットは任命責任を問う形でフェリクスに圧力をかけた。

フェリクスの信頼とモニカの決意

フェリクスはそれを受けても笑顔でモニカを擁護し、期待していると明言した。モニカはその言葉にプレッシャーを感じつつも、精一杯に応えようと決意し、理詰めの努力計画を口にした。シリルからは体を使えと一喝されたが、彼女の覚悟は確かであった。

屋根裏部屋での疲労と葛藤

部屋に戻ったモニカは筋肉痛に悶えつつ、ネロとのやり取りで少しずつ気持ちを整理していった。ネロは魔術でダンスの上達が可能かと尋ねたが、モニカは肉体操作魔術が禁術であること、そしてその背景にはシュヴァルガルト帝国との魔術政策の違いがあることを説明した。

モニカの過去と心の傷

モニカはフェリクスの期待の言葉をきっかけに、自身の過去を回想した。父が民衆に誤解されて非業の死を遂げたこと、かつての友人に拒絶されたこと――それらが「期待に応える」ことへの恐怖を生んでいた。しかしエリオットの姿を思い出し、自身の役割と責任を改めて考えるようになった。

夜の練習とネロとの共闘

責任から逃げたくないという想いに突き動かされ、モニカは再び練習を開始した。ネロは人間の姿に変身し、彼女の練習に付き合った。雑ながらもサポートを続けるネロに支えられながら、モニカは何度もステップを踏み外しつつも、前へ進み続けた。

この夜、モニカは仲間に支えられながら、自らの過去を乗り越え、生徒会役員としての責任を果たすための第一歩を踏み出したのである。

五章  大体、宝石職人のおかげ

社交ダンス再試験と仲間たちの成長

フェリクスとシリルの登場による緊張の練習開始


放課後の練習にフェリクスとシリルが見学に訪れたことで、場の空気は一変した。ラナは興奮し、モニカは恐怖で蒼白になった。フェリクスはモニカに期待して見守ると告げ、シリルは勝手に同行していたことが露呈し、赤面するという意外な一面を見せた。

グレンとの練習とシリルの指導

モニカとグレンがダンスを披露するが、動きが噛み合わず、シリルに止められた。意外にもモニカではなくグレンが叱責され、シリルは自ら見本を見せるためモニカを誘い、エスコートの手本を示した。そのダンスは見事で、モニカも自然と動けるようになった。

フェリクスとの練習での気づきと変化

その後、フェリクスがモニカを誘い、ダンスの形式を崩して会話中心の軽やかなステップを促した。フェリクスはモニカの外見や笑顔を褒め、彼女の警戒心を緩めていった。モニカはブローチの宝石を見て魔術式の可能性を思案し、自然と緊張を解いたまま踊り切ることに成功した。

再試験の合格と仲間の祝福

モニカとグレンは再試験に挑み、見違えるようなステップで踊りを終えた。教師のリンジーは二人の成長を認め、合格を告げた。見守っていた友人たちも歓声を上げ、温かな雰囲気に包まれた。

ブリジットとの静かな駆け引き

個室のティールームではブリジットとフェリクスが茶会を行っていた。表面上は穏やかな会話ながら、内面では静かな牽制が続いていた。ブリジットはモニカの適性を問うが、フェリクスは過去の自分を重ねるように語り、彼女の可能性を信じていた。

グレンへの警戒と観察の継続

フェリクスはグレンの正体に疑念を抱き続けており、彼の動向を注視していた。偶然見かけた裏庭での行動を確認すべく、足を運ぶことにした。

裏庭での焼肉パーティと友情の深化

グレンの発案で焼肉パーティが始まり、モニカたちは楽しいひとときを過ごした。食文化や政治情勢の話題も交え、互いの理解が深まる。フェリクスも途中で合流し、校則違反を黙認する形で仲間に加わった。

リンの訪問と報酬としての贈り物

寮に戻ったモニカを迎えたのは、ルイスの契約精霊リンであった。ルイスからの贈り物として新しいドレスとコートが届けられ、モニカは感謝の手紙を書く準備を始めた。

警備案の指示と結界の考察

リンから次回の報告で学園祭当日の警備案を求められ、モニカは困惑した。結界の仕組みやルイスの魔術の性質を思い出し、内部からの脅威への備えを意識するようになった。ネロの過激な提案やリンの無表情な説明も加わり、緊張感とともに情報整理が進められた。

責任と任務への意識の芽生え

モニカは、学園祭警備という重大な任務に向き合う中で、自分の責任と役割を再認識していった。任務の裏にあるルイスの意図を探りつつ、彼女は少しずつ生徒会役員としての自覚を深めていったのである。

六章  場違いな一杯

茶会実技演習とモニカの試練

茶会授業への準備とイザベルの支援

社交ダンスの再試験を終えたモニカは、次なる課題である茶会の実技演習に挑むこととなった。紅茶に不慣れな彼女は、使用する茶葉を用意できず、ケルベック伯爵令嬢イザベルに助けを求めた。イザベルとその侍女アガサは快く協力し、紅茶の選定から淹れ方まで丁寧に指導を行った。イザベルは悪役令嬢としての立場を演じながらも、実際には繊細な配慮と知識でモニカを支えた。

茶葉の準備とクローディアへの警戒心

茶会では同席者と紅茶の種類が被らないよう注意が必要であり、イザベルの助言によりモニカは二種類の茶葉を準備した。準備室ではケイシーと出会い、ラベル代わりに紙を使う工夫もした。そこでケイシーから、四人目の参加者クローディア・エルヴェインの存在を聞かされた。読書家で博識な彼女に、モニカは「悪役令嬢」のイメージを重ね、不安を募らせた。

茶会演習とフェリクスを巡る噂話

名門校らしく格式高い環境のもと、茶会演習が始まった。女子生徒たちは第二王子フェリクスの婚約者候補について談笑していたが、その裏ではモニカに対する陰口が飛び交っていた。かつての事件が尾を引き、ノルン伯爵令嬢カロラインはモニカに敵意を向けていた。

クローディアの毒舌と沈黙の魔女の影

モニカの座るテーブルには、陰気な空気を漂わせるクローディアがいた。彼女は他者に対して高圧的で皮肉な言葉を投げかけ、場の雰囲気は悪化した。さらに「沈黙の魔女」についての知識を語り、モニカの正体を見抜いているかのような発言を続けた。モニカは正体が露見する恐怖に怯えながら、その場から逃げ出した。

茶葉の喪失とケイシーの励まし

モニカは茶を淹れるために準備室へ向かったが、用意していた茶葉がゴミ箱に捨てられているのを発見した。心が折れかける中、ケイシーが駆けつけて励まし、代わりに自分の紅茶を使うことを提案した。しかし、モニカは自分で用意することにこだわり、急いで寮へと向かった。

モニカの選択と新たな一杯

モニカは茶の代わりにコーヒーを持ち帰り、再び茶会の場に戻った。紅茶とは異なる選択にクローディアは否定的な態度を見せたが、モニカは自信を持って淹れたコーヒーを提供した。その香りと味にラナとケイシーは驚きと賞賛の言葉を漏らし、クローディアですら一目置く姿勢を見せた。

場違いな飲み物とモニカの本音

モニカは自らの選択が場違いであると自嘲しながらも、友人に一番好きなものを飲んでほしかったという真心を語った。ラナはその姿に心を打たれ、モニカのコーヒーを「好き」と肯定した。こうして緊張に包まれていた茶会の空気は、ようやく一つに溶け合った。

モニカの決意と学園への思い入れ

夜、モニカはレポート課題に取り組みながら、学園生活に対する自分の思いを振り返っていた。茶葉を捨てられた事件に傷つきながらも、彼女はこの場所で得た友情や経験に支えられていた。ネロとの会話を通じて、モニカは逃げることなく、自分の役割と向き合う覚悟を新たにした。

そして、仮初の姿であるモニカ・ノートンとしての学園生活が、確かにかけがえのない日々となりつつあることを、彼女は静かに実感していた。

七章  苦い紅茶が見せた夢

毒入り紅茶事件と真実の露見

クローディアの尾行とモニカの困惑


ティーパーティの事件から一週間、モニカはクローディアの視線に悩まされていた。クローディアは常にモニカの周囲に現れ、話しかけることなくじっと見つめていた。この行動にモニカは〈沈黙の魔女〉の正体を見抜かれたのではないかと怯えていた。

カロラインからの茶会への誘い

昼休み、モニカはカロライン・シモンズに呼び止められ、お茶会への誘いを受けた。過去に階段から落ちる原因となった相手からの誘いでありながらも、モニカは生徒会役員としての責任感からこれを断れなかった。

お茶会での圧力と告発の強要

茶会の場で、カロラインは階段事件を事故であったと証言するようモニカに求めた。取り巻きたちと共にプレッシャーをかける中、モニカはシリルの尽力を思い出し、意を決して証言を拒否した。その場の空気は凍りつき、モニカは精神的な恐怖に晒された。

毒入り紅茶の摂取と錯乱状態への転落

紅茶を飲んだモニカは次第に異常を感じ始め、幻覚と過去のトラウマに囚われて意識を失った。彼女の幻視には、炎に包まれる父と失われる研究資料が映し出され、幼少期の虐待の記憶が蘇った。

クローディアの介入と毒の発覚

モニカが倒れた場に現れたクローディアは、カロラインの所持品から目薬を発見し、毒物の混入を断定した。彼女は迅速に応急処置を施し、周囲に医療支援を要請した。

医務室での回復と自己嫌悪

医務室で目覚めたモニカは、自身が茶会を混乱させたことに対して強い自責の念を抱いた。フェリクスとシリルの見舞いに恐縮し、謝罪の言葉を繰り返したが、シリルからは「被害者が頭を下げる必要はない」と一喝された。

クローディアの登場と兄妹の確執

その場に現れたクローディアは、シリルの妹であることが明かされた。彼女の不遜な態度に対し、シリルは怒りをあらわにするが、フェリクスは彼女の応急処置を称賛した。クローディアはその賛辞を不満げに受け流した。

誤解と真実、クローディアの感情の揺れ

モニカと二人きりになったクローディアは、毒の正体やカロラインの動機について説明した。彼女は感謝されることを嫌い、尾行していた理由を「婚約者を誑かしたから」と語った。誤解を受けたモニカは狼狽し、フェリクスが婚約者であると誤認したが、真の婚約者はニールであった。

友情の演出とニールへの圧力

グレンとニールが見舞いに訪れると、クローディアは突然モニカとの友情を演出し、ニールとの関係を誇示した。圧倒的な威圧感でニールを追い詰めるその様子に、グレンも戦慄した。そこにケイシーが加わり、混乱の中で妙な空気が広がった。

フェリクスの怒りとイザベルの登場

一方、フェリクスは今回の事件に強い怒りを覚えていた。シリルは関係者を応接室に集め、さらにモニカの姪にあたるイザベル・ノートンの来訪を報告した。フェリクスは冷たい笑みを浮かべ、「楽しいティーパーティをしよう」と静かな怒りを燃やしたのである。

八章  真打ち悪役令嬢の高笑い

毒殺未遂事件の真相と〈沈黙の魔女〉への想い

カロラインの慢心と追い詰められた応接室


毒入り紅茶事件の首謀者であるカロライン・シモンズは、学園内での立場と父の権力を盾に、自らの行為の正当化を試みていた。応接室にて、第二王子フェリクスと副会長シリルから糾弾されるも、彼女は「目薬を入れただけ」と苦しい言い訳を繰り返した。

シリルの追及と違法薬物の証拠提示

シリルはクローディアの情報をもとに、カロラインの所持していた目薬が危険な医療用薬品であると断言し、毒殺未遂の容疑を確実なものとした。フェリクスは冷静に、しかし容赦なく名誉毀損の可能性も指摘し、カロラインは窮地に追い込まれた。

イザベル・ノートンの登場と反撃の始まり

そこへ現れたのはケルベック伯爵令嬢イザベル・ノートンであった。最初はモニカを切り捨てるかのように振る舞うが、直後にカロラインへ「美容薬」と称して毒と同じ成分を紅茶に混入して提供した。自ら飲んで安全性を示したうえで、カロラインに恥をかかせ、華麗に立場を逆転させた。

ケルベック家の影響力と脅威の誇示

イザベルは、カロラインの行為がケルベック伯爵家への敵対行為であることを明言し、家名や領地にまで影響を及ぼす可能性を示唆した。ノルン伯爵家がケルベックの軍事力に依存している事実を突き、貴族社会の厳しさをカロラインに思い知らせた。

〈沈黙の魔女〉への恩返しとしての行動

イザベルの真の狙いは、〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレットへの恩返しであった。かつてケルベック領を襲った黒竜を一人で追い払ったその功績に、イザベルは深く感謝しており、学園でモニカを守ることを誓っていた。

モニカとの同室を目論むイザベルの計画

事件後、イザベルは侍女アガサとともにモニカを自身の部屋に迎える計画を進めていた。療養を名目に屋根裏部屋から移すことで、モニカの生活環境を改善し、さらには自らの趣味である恋愛小説を通じて親交を深めようと意気込んでいた。

フェリクスの回想とモニカへの興味

一方、フェリクスは事件の処理を終え、モニカの様子を確認するため医務室を訪れたが、彼女は既に寮に戻っていた。会話の中で、彼はエリオットと〈モニカ・ノートン〉という存在の非凡さについて議論し、モニカの正体に対して特別な関心を抱いている様子を見せた。

〈沈黙の魔女〉に対する強い敬意と憧憬

フェリクスはかつてケルベック地方で〈沈黙の魔女〉の魔術を目撃しており、その美しさと圧倒的な精度に心を奪われた過去を持つ。彼は魔術論文を熱心に収集し、彼女の魔術理論に深い関心を寄せていた。その情熱は恋にも似た崇拝心として彼の内に根付き、誰よりも彼女の才覚と行動を理解しようとしていた。

学園を包む静かな波紋と未来の兆し

この事件をきっかけに、学園内の勢力関係に変化が生じ始めていた。モニカを巡る人々の思惑、交錯する忠誠と野心。〈沈黙の魔女〉の存在が再び注目を集める中、彼女自身の運命もまた、静かに、しかし確実に動き出していたのである。

九章  チョコレートの事情

療養生活とチョコレートの記憶

イザベルの部屋での療養と小説体験


毒を盛られたモニカは、一週間の間、イザベルの部屋で療養していた。イザベルの厚意でシルクの寝間着や柔らかなベッドが用意され、彼女の推薦する恋愛小説を読むこととなった。だが、情緒的な表現に馴染みのないモニカは物語に共感できず、感想を言葉にすることも難しかった。イザベルはその感動を熱弁したが、モニカはどこか申し訳なさそうに対応するしかなかった。

アガサの配慮と質素な食事の思い出

食事の時間になると、イザベルの侍女アガサがモニカのために料理を運び、静かに部屋を空けてくれた。アガサはモニカが人と食事するのに不慣れであることを理解し、一人で落ち着いて食べられるよう配慮していた。モニカは柔らかなパンを口にしながら、かつて山小屋で食べていた硬い黒パンの味を思い出していた。

ネロとの再会と恋に関する会話

窓から忍び込んできたネロは、食事の香りに反応し、チーズを得て満足する。話題はモニカが読んだ恋愛小説へと移り、モニカが内容を要約するものの、ネロには「何も伝わらなかった」と酷評された。モニカは他者に深く夢中になる心情が理解できず、恋愛や愛情という感情に対して距離を感じていた。

リンの登場と密書の発見

療養を終えて屋根裏部屋に戻ったモニカを迎えたのは、連絡係であるリンであった。三日前から部屋に待機していたというリンは、モニカが不在の間に届いた密書を手渡した。その手紙は連絡事項と共に、「早く良くなりなさいよ」といった優しい言葉が添えられたもので、モニカは筆跡からラナのものであると確信し、宝物として大切に鍵付きの引き出しにしまった。

生徒会業務への復帰とシリルの配慮

翌日、生徒会室に復帰したモニカは、フェリクスや他の役員たちから体調を気遣われた。自分の不在によって迷惑をかけたことを詫びるが、シリルは既に彼女の仕事を全て片付けており、引き継ぎだけで済むよう配慮していた。業務が一段落すると、シリルはモニカを残し、「居残り作業」と称して二人きりの時間を設けた。

チョコレートを通じた助言と忠告

シリルはモニカにチョコレートを振る舞いながら、毒入り紅茶を飲み干した件について叱責した。貴族社会では食の知識も重要であり、自衛の手段として味覚を養う必要があると説いた。チョコレートは新技術により改良されたものであり、その手間と価値をモニカは改めて理解した。

フェリクスの登場とチョコレートの真意

その場に突然現れたフェリクスは、モニカとシリルのやりとりを目撃していた。シリルが狼狽する様子を軽く受け流しつつ、チョコレートを一口飲むことで、「くだらない派閥争いには屈しない」という意思を示した。チョコレートの技術は第一王子派と繋がりのあるランドール王国のものであり、シリルはそれを気にしていたのだった。

王族の立場とフェリクスの信念

フェリクスは王族という立場に縛られながらも、自身の信念に従って行動する姿勢を見せた。彼にとって重要なのは形式ではなく本質であり、美味しいものに罪は無いという考えを、モニカの前で堂々と貫いた。

静かに深まる信頼と決意

チョコレートの香りが漂う静かな生徒会室で、モニカは少しずつ信頼と理解を得ていた。そして、自分の立場と役割の重さを噛み締めながら、新たな一歩を踏み出していったのである。

十章  幸せな約束

初めての学生食堂と迫る暗殺の兆し

学生食堂での初体験とクローディアの接近

人混みを避けて生活していたモニカは、ケイシーとラナに誘われ、初めてセレンディア学園の学生食堂を利用することになった。そこはまるで高級レストランのような設備で、給仕が注文から配膳まで行ってくれる仕組みであった。緊張しながらも席に着いたモニカの隣に現れたのは、クローディア・アシュリーであった。彼女は「命の恩人」としての立場を利用し、モニカに友達関係を強要するかのように振る舞った。

食事を通じた友情と過去の背景の共有

ケイシーやラナとともに食事を楽しむ中、モニカは焼き魚の美味しさに驚き、仲間たちはそれぞれの故郷の話や食文化を共有した。ケイシーは貧しいながらも明るく、自らの過去を隠さず語り、チャリティバザーに出す刺繍作品をモニカにも贈ろうと提案した。モニカは遠慮しながらも、その厚意に胸を打たれていた。

学園祭の話題と個性豊かな準備

ラナが熱心に語る学園祭の劇や衣装監修に、モニカは初めての経験に期待を膨らませた。建国神話を題材にした劇やチャリティバザー、音楽部の演奏など多彩な催しが予定されており、モニカも次第に楽しみに感じ始めていた。そんな中、シリルが現れ、生徒会の業務として資材搬入の立ち会いを命じた。

資材搬入中の異変と危機回避

放課後、モニカはシリルと共に東門で資材の搬入に立ち会った。舞台美術の代理として現れたケイシーと共にチェック作業を進めていたが、束ねられた木材の縄が切れ、ケイシーの頭上に倒れかけた。咄嗟にモニカが無詠唱の風の魔術を使い、倒れる方向をずらすことでケイシーを救った。事故の原因は不審な切れ込みが入れられた縄にあった。

ケイシーの告白と欺瞞の関係性

ケイシーの手を取り医務室に向かう途中、モニカは縄の切れ方と外部からの刃物持ち込み禁止の状況から、内部犯行であると断定した。そして問い詰められたケイシーはあっさりと犯行を認め、フェリクスに近づくためにモニカと友人関係を築いていたと語った。さらに、かつての紅茶事件も自身の仕業であったことを明かした。

過去の違和感と真相への確信

モニカはケイシーの嘘を見抜いていた。紅茶の瓶に自分だけが分かる印をつけており、それを知っていたのはケイシーしかいなかったためである。ケイシーの供述はどこか演技がかっており、モニカはその裏にある真実を掴みかけていた。

暗殺用魔導具〈螺炎〉の発見と目的の暴露

その時、使い魔ネロが人間の姿となって現れ、西倉庫に不穏な魔力反応があると報告した。モニカが感知魔術で調査した結果、それは暗殺用魔導具〈螺炎〉であることが判明した。反応がある場所にはフェリクスが立ち会っており、事態は一刻を争うものだった。

暴かれた真の目的と迫る危機

〈螺炎〉の魔力特性に驚くモニカの前で、ケイシーはなぜモニカがそれを知っているのかと問い返した。その反応からモニカは確信し、ケイシーの本当の狙いがフェリクスの暗殺であることを導き出した。ケイシーは何も答えなかったが、その沈黙が全てを物語っていた。

モニカは、真実を知ってしまった。すべては、これから動き出す運命の前兆に過ぎなかったのである。

十一章  わたしの責務

〈螺炎〉事件と〈沈黙の魔女〉の覚醒

花火の搬入と舞台演出担当の提案


学園祭の準備の一環として、舞台演出用の花火が早期に搬入された。立ち会いにはフェリクス、エリオット、生徒会役員に加え、演出担当のメイベル・ヘインズが参加していた。舞台への情熱を隠さないメイベルは、フェリクスに役を演じてほしいと懇願したが、彼は生徒会業務を理由に断った。

クロックフォード公爵の影と婚約者の思惑

メイベルの執拗な提案の裏には、フェリクスのはとこエリアーヌの意向があった。フェリクスは、婚約者として名が挙がる彼女への関心を示さず、クロックフォード公爵の意志に従うだけの自分に対して、強い無力感を抱いていた。

ケイシーの動機と計画の全貌

ケイシー・グローヴは、フェリクス暗殺を目的として〈螺炎〉を仕掛けていた。彼女は以前の倉庫事故を自作自演し、アリバイを構築していた。背景には、自身の故郷が竜害に晒され、国の援助が届かず、ランドール王国に救われたという過去があった。彼女の家は代々ランドールと密かな繋がりを持ち、クロックフォード公爵が進める対ランドール戦争の阻止こそが、彼女の動機であった。

〈螺炎〉発動の危機とモニカの覚悟

火薬が搬入された倉庫で〈螺炎〉が炸裂寸前となる中、モニカは〈沈黙の魔女〉としての責務を果たす決意を固めた。魔術による封印、避難誘導、〈螺炎〉の排除などあらゆる手段を検討した結果、最も可能性のある方法として、学園に張られたルイス・ミラーの防御結界を書き換えることを選択した。

防御結界の起動と旧庭園での罠解除

モニカは学園に外部から攻撃魔術を放ち、結界を発動させた。ネロの協力で発動地点である旧庭園に急行し、噴水の底に仕込まれた魔術式を書き換えようとする。しかし〈茨の魔女〉が仕掛けた罠によって、薔薇の蔓が襲いかかる。モニカは冷静にその蔓を切断しつつ、感知魔術で〈螺炎〉の状態を確認し、時間の猶予がほとんど残されていないことを知った。

精霊王召喚による突破と結界改変

圧倒的な障壁を前に、モニカは風の精霊王〈シェフィールド〉の召喚に踏み切った。精霊王の力で薔薇の結界を打ち破った後、モニカはルイスの結界を再構成し、対象を〈螺炎〉に限定した極小高密度結界へと変換した。その結界は酸素を遮断することで〈螺炎〉の炎を封じ込め、破壊の拡大を阻止した。

魔力を使い果たした少女の勝利

すべての処理を終えたモニカは、限界まで魔力を使い果たし、その場に倒れ込んだ。ネロはケイシーを解放しながら、誇らしげにモニカの偉業を称えた。モニカの勇気と魔術的才能によって、学園は未曾有の危機を回避したのである。

この瞬間こそが、〈沈黙の魔女〉モニカ・エヴァレットの真の覚醒であった。

エピローグ  柔らかな壁

〈螺炎〉事件の終息と涙の別れ

魔力消耗後の再会とケイシーへの想い


結界書き換えと〈螺炎〉封印を終えたモニカは、魔力を使い果たし噴水跡で倒れ込んでいた。そこへ現れたケイシーは、暗殺失敗の責任を自覚し、笑いながらも敗北を認めた。モニカは、利用されていたことを知りながらも、ケイシーの何気ない優しさに惹かれていたと告白し、彼女を憎むことができなかった。

ルイスの到来と結界書き換えの叱責

そこへ〈結界の魔術師〉ルイス・ミラーが登場し、結界改変の痕跡を確認した。彼はモニカが精霊王を召喚して結界を改変したことに驚き、学園防衛の要である自身の結界を数分で改変されたことに呆れながらも評価した。ケイシーが暗殺者であると知ると、ルイスはリンに命じて彼女を拘束させた。

精神干渉魔術の是非とモニカの訴え

ルイスはケイシーの取り調べに精神干渉魔術を用いる意向を示したが、モニカはその非人道性に強く反発した。モニカはルイスが第一王子派であることに着目し、ケイシーの行動が第一王子派に不利益をもたらすと論理的に訴えた。ルイスはその打算を受け入れ、ケイシーを修道院送りとし、精神干渉を免除することで手を打った。

ルイスの譲歩と護衛任務の継続

取引の成立により、モニカはケイシーの命を救うことに成功した。その代償として、モニカは今後も第二王子フェリクスの護衛任務を継続することを約束した。ルイスは彼女の情の深さに若干の不安を抱きつつも、その才能を高く評価し、今後も協力を得る道を選んだ。

ケイシーとの最期の別れ

護送直前、ケイシーはモニカに別れを告げ、乗馬と刺繍の約束を守れなかったことを詫びた。モニカは涙ながらに「忘れない」と伝え、ケイシーもまた敵であるにも関わらず、最後まで優しさをにじませた言葉を残して学園を去った。二人の間にあった友情のような繋がりは、静かに幕を下ろした。

生徒会室での疲労と誤解

その後、生徒会室に戻ったモニカは魔力切れと疲労から意識が朦朧とし、シリルの背中に無意識にもたれかかってしまう。シリルは驚きながらも彼女を叱らず、むしろ自分の確認不足で事故が起きたと謝罪した。それに対し、モニカは罪悪感と感情が一気に溢れ、泣き崩れてしまった。

涙と贖罪、眠りにつくモニカ

モニカは自らの嘘と秘密を抱えたまま涙を流し、最終的にはその場で泣き疲れて眠ってしまった。シリルとニールは困惑しながらも、彼女の弱さと人間らしさに戸惑いを見せた。

クローディアの手助けと静かな配慮

シリルは妹クローディアにモニカの送迎を依頼し、彼女は表向きは嫌々ながらも快く了承した。シリルはモニカの体を気遣い、自らの上着を彼女にかける。仲間たちは、モニカという存在の変化と、その中心にある深い感情の揺らぎを見守っていた。

モニカは、大切な友を失いながらも、護るべきもののために立ち続けることを選び、今また静かに歩みを進めていた。

【シークレット・エピソード】それは恋心にも似た

〈沈黙の魔女〉の足跡と揺れる人々の思惑

旧庭園での異変とフェリクスの動揺


生徒会室を後にしたフェリクスは、使い魔ウィルディアヌから精霊王召喚の痕跡があったとの報告を受け、校内を巡回することにした。彼が向かった先は、大規模結界の中枢が設けられている旧庭園であった。門の錠が炎で焼き切られているのを確認したフェリクスは、魔術による侵入を察知し、慎重に庭園奥へと進んだ。

破壊された噴水と七賢人〈結界の魔術師〉の姿

旧庭園では、噴水の残骸と薔薇の蔓が散乱する異様な光景が広がっていた。そこには七賢人の一人〈結界の魔術師〉ルイス・ミラーの姿があり、結界の再構築作業を行っていた。彼の使い魔であるメイド姿の精霊は、フェリクスのかつていた西の倉庫にあった〈螺炎〉の残骸回収を命じられていた。

〈沈黙の魔女〉の名とフェリクスの高揚


ルイスは精霊王を魔力補助具なしで召喚した存在を「〈沈黙の魔女〉」と名指しし、その行為を無謀と呟いた。その名を耳にしたフェリクスは、驚愕とともに強い高揚を覚えた。かつて空に浮かぶ精霊王の魔術を目にした記憶が蘇り、〈沈黙の魔女〉が自分を助けたのだと知ったフェリクスは、抑えきれぬ興奮と憧れを抱いた。

初恋にも似た感情と〈沈黙の魔女〉への探求心

フェリクスは〈沈黙の魔女〉の性別すら定かでないにもかかわらず、その存在に強く惹かれた。中等科、教師、外部からの潜入者といったあらゆる可能性を考慮しながら、彼はただ一つの願望を強めていた。「会いたい」「もっと近くで見てみたい」と──それは、英雄への憧れと同時に、恋慕にも似た衝動であった。

教師陣の興味とモニカへの視線の集中

一方、社交ダンス教師リンジー・ペイルは、チェス講師カール・ボイドからモニカ・ノートンについての問い合わせを受けていた。ボイドは彼女をチェス大会に出場させる意向を示し、リンジーはその快挙を素直に喜んだ。だが、その会話を耳にした基礎魔術学担当の老教師ウィリアム・マクレガンが、モニカに興味を示した。

かつて七賢人を育てた者の直感

マクレガンは、かつて魔術師養成機関ミネルヴァで〈沈黙の魔女〉や〈結界の魔術師〉を教えていた人物であった。その彼が、モニカとグレンが編入生であることを知り、口元に意味深な笑みを浮かべた。彼の直感は、モニカという少女に何らかの異常な可能性を感じ取っていた。

星詠みの魔女と見えない未来の予兆

同じ頃、リディル王国城の翡翠の間では、七賢人〈星詠みの魔女〉メアリー・ハーヴェイが星を読み取ろうとしていた。しかし、彼女にはどうしても未来が見えない存在がいた。それは、第二王子フェリクス・アーク・リディルである。多くの星が国の未来に異変を告げている中、彼だけが霧の中に隠れているかのように見えなかった。

国家規模の異変の前触れと見えぬ中心人物

星々が告げる未来の変化の中で、メアリーはそれが何を意味するのか読み取ることができなかった。だが一つだけ確かなのは、その中心にフェリクスという見えない存在がいるということだった。

学園と王国、〈沈黙の魔女〉を巡る運命は、今まさに静かに結びつこうとしていた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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