「イノベーションはなぜ途絶えたか ─科学立国日本の危機」感想・ネタバレ

「イノベーションはなぜ途絶えたか ─科学立国日本の危機」感想・ネタバレ

どんな本?

私が「イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機」という本に出会ったきっかけは、kindleの日替わりセールでした。
当時、価格が手頃であったことと、タイトルが非常に興味深く感じたため、購入を決意しました。

私は日本の科学技術やイノベーションに関する話題に非常に興味を持っております。
特に日本がかつての「科学立国」としての地位をどのようにして失ってしまったのか、その原因や背景、そしてこれからどのようにして再建していけるのかという問題に関心を持っていました。

また、日本の経済や産業、特にハイテク産業の現状や課題について、私自身の仕事や日常生活においても直接的・間接的に関わっているため、この本の内容が私の知識や視点を広げる手助けになると感じました。
そのため、この本を読むことで、より深い理解や新しい視点を得ることができるのではないかと期待して読み始めました。

本書「イノベーションはなぜ途絶えたか: 科学立国日本の危機」は、かつて世界を牽引していた日本の科学技術やハイテク産業の衰退について、その原因や背景を詳しく分析し、具体的な解決策を提案しています。
経済の停滞や原発事故など、多くの社会的な問題が起こる中、日本のイノベーションがどのようにして失われていったのか、その原因は何だったのかを深堀りしています。

本書では、企業の基礎研究の軽視や政策的な失敗が日本のイノベーションの衰退の大きな要因であると指摘しています。
特に、アメリカとの比較を通して、ベンチャー支援策の成功と失敗の違いを明らかにしています。

また、科学の発見からイノベーションが生まれるまでのプロセスや原理についても詳しく解説し、日本の科学技術の再興のための具体的な方法や策を示しています。

この本は、科学と社会を有機的に結びつけるための「国家再生の設計図」として、多くの読者に示唆や示案を与えています。

読んだ本のタイトル

イノベーションはなぜ途絶えたか ─科学立国日本の危機
著者:山口栄一 氏

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あらすじ・内容

かつて「科学立国」として世界を牽引した日本の科学とハイテク産業の凋落が著しい。経済の停滞にとどまらず、原発事故のような社会への大打撃を招きかねないイノベーションの喪失。その原因は企業の基礎研究軽視のみならず、政策的失敗にもあったことをベンチャー支援策に成功した米国との比較から解明する。さらに科学の発見からイノベーションが生まれる原理を明らかにし、日本の科学復興に向けた具体的な処方箋を示す。科学と社会を有機的に結びつける“国家再生の設計図”。

序章 沈みゆく日本を救え
第1章 シャープの危機はなぜ起きたのか
第2章 なぜ米国は成功し、日本は失敗したか
第3章 イノベーションはいかにして生まれるか
第4章 科学と社会を共鳴させる
第5章 イノベーションを生む社会システム

イノベーションはなぜ途絶えたか ─科学立国日本の危機

感想

かつての科学立国であった日本が、近年イノベーションを生み出せなくなった原因とその解決策を探る一冊となっています。
日本のイノベーションの喪失は、単なる企業の基礎研究の軽視だけでなく、政策の失敗にも起因していると著者は指摘します。

米国の成功事例と比較しながら、日本が陥った罠を明らかにし、新たなイノベーションを生むための具体的な策を提案しています。

読み進める中で、日本のイノベーションが失われていった背景や、それに繋がる経済の停滞、原発事故などの社会的な問題が詳しく解説されていて、非常に興味深く読むことができました。

著者は、イノベーションの喪失の背後には、日本の企業や政府の研究方針の誤りや、基礎研究への投資の減少、そして国際的な競争力の喪失があると指摘します。
特に、米国のベンチャー支援策(SBIR)と日本のそれとの違いは、日本のイノベーションの衰退の大きな原因として挙げられています。

米国では、大企業が基礎研究から手を引くことで、新しいベンチャー企業が誕生し、新たなイノベーションを生み出していったのに対し、日本ではこのような制度が十分に機能していないとのこと。

また、著者は日本の科学研究の現状を分析し、論文数の減少や、企業の中央研究所の廃止、ベンチャー育成システムの問題点などを詳しく検証しています。
そして、これらの問題を解決するための方法として、「創発・回遊・共鳴場」という新しいイノベーションの発生メカニズムを提案しています。

この本を読んで、日本がかつての輝きを取り戻すためには、企業や政府、そして私たち一人一人がどのような取り組みをすべきか、具体的な方向性が示されていると感じました。
しかし、現状の教育制度や経済状況を考えると、著者の提案する方法を実現するのは容易ではないとも感じました。

それでも、この本を読むことで、イノベーションを生み出すための新しい視点や考え方を得ることができ、非常に刺激的でした。
私自身も、社会人としてこのような視点を持ち、日々の業務に生かしていきたいと強く思いました。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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