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フィクション(Novel)出会ってひと突きで絶頂除霊!

小説「出会ってひと突きで絶頂除霊! 3」感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

絶頂除霊 ! 2巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 4巻レビュー

Table of Contents

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  1. どんなラノベ?
    1. ■ 主要キャラクター
    2. ■ 物語の特徴
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  6. 書籍情報
  7. あらすじ・内容
  8. 感想
  9. 考察・解説
    1. 絶頂除霊と呪い
    2. ホテルラプンツェルの攻略
    3. 魔族アンドロマリウス
    4. ミホトの顕現
    5. 宗谷家の試験
  10. 登場キャラクター
    1. 宗谷家
      1. 宗谷美咲
      2. 優秀な教育係
      3. 美咲の母親
      4. 黒猫の式神
    2. 都立退魔学園
      1. 葛乃葉楓
      2. 古屋晴久
      3. 烏丸葵
      4. 南雲睦美
      5. 太刀川芽依
      6. 小林
      7. Dクラスの男子たち
      8. 小林の班員たち
      9. 消えた生徒たち
    3. 退魔師協会・監査部
      1. 文鳥桜
      2. 晴久の養父
      3. ナギサ
      4. 監査部
      5. 十二師天
      6. 女性退魔師
      7. 男性退魔師
      8. 先遣隊
      9. 多々羅刃
      10. 他の退魔師班
      11. 数百人規模の退魔師
      12. 楓の祖母
    4. 一般人・その他
      1. 小日向静香
      2. 静香の母親
      3. 斉藤
      4. 職場の女性
      5. 管理人
      6. 行方不明者
      7. 警察
      8. 実況者たち
      9. 利用者
      10. 大勢の女性
      11. 静香の父親
    5. 魔族・怪異・式神
      1. ミホト
      2. ホテルラプンツェル
      3. 生き霊
      4. アンドロマリウス
      5. 偽の葛乃葉楓
      6. 偽物の美咲
      7. 偽の文鳥桜
      8. 偽の南雲睦美
      9. 失敗者の怪物
      10. 青龍
      11. 玄武
      12. 朱雀
      13. 白虎
      14. 四体の守護獣
  11. 展開まとめ
    1. プロローグ 
    2. 第一章 束の間の日常、あるいは確実に進行していく呪い 
    3. 第二章 まあ男なら流れるようにYESをクリックしちゃうよね 
    4. 第三章 エロゲーの世界へようこそ! 
    5. 第四章 覚醒の喘ぎ声 
    6. エピローグ 
    7. エピローグ 2 
  12. 同シリーズ
    1. 出会ってひと突きで絶頂除霊! シリーズ
  13. 赤城大空 氏の著作の別シリーズ
  14. 下ネタという概念が存在しない退屈な世界 シリーズ
  15. 淫魔追放
    1. その他フィクション

どんなラノベ?

■ 作品概要

本作は、人間の負のエネルギーを糧とする魔族が引き起こす怪異事件に、落ちこぼれ退魔師の主人公・古屋晴久たちが挑む退魔活劇の第3巻である。 本巻では、男性を異空間に引きずり込むエッチなゲーム型怪異「ホテルラプンツェル」による大規模な連続失踪事件が発生する。絶頂除霊の能力を見込まれた晴久は、チームメイトの宗谷美咲や烏丸葵とともにゲームの世界へ突入する。次々と現れる淫らな誘惑に耐えながら、怪異の核となった少女・小日向静香の救出と、事件の裏で暗躍する魔族・アンドロマリウスとの決戦に挑む姿が描かれる。

■ 主要キャラクター

  • 古屋晴久:都立退魔学園の落ちこぼれ生徒。対象の快楽媚孔を突くことで強制的に絶頂させて除霊する「絶頂除霊」の能力を持つ。
  • 宗谷美咲:晴久のチームメイトで、名家「式神の宗谷」の令嬢。他人の性情報が視える「淫魔眼」の呪いを抱えている。
  • 烏丸葵:晴久たちのチームメイト。極度の女好きかつ変態的な性癖を持つが、特定の条件下で強力な拘束術を発揮する。
  • 葛乃葉楓:晴久の幼馴染みで、トップクラスの実力を持つ退魔師。外部から晴久の交信役として攻略を支援する。
  • 小日向静香:全寮制女子校・白雪女学院の生徒。極度の男性恐怖症と罪悪感を植え付けられ、怪異「ホテルラプンツェル」の核にされた少女。
  • アンドロマリウス:女子高生の姿をした魔族。人々の歪んだ正義感を煽って怪異を育て、晴久たちの呪われた能力を狙って暗躍する黒幕。
  • ミホト:晴久の両手に宿る、銀髪で褐色の肌を持つ謎の少女。魔族をも圧倒する強大な力を持つ。

■ 物語の特徴

本作は、本格的な退魔バトルとエロコメディが融合した独特の世界観が特徴である。 第3巻では、誘惑に屈すれば出られなくなる「ホテルラプンツェル」での絶頂サバイバルが展開され、晴久たちの能力や精神力が試される緊迫感とユーモアが魅力となっている。また、単なる怪異退治にとどまらず、大人たちの歪んだ正義感や、それに抑圧された少女の心理といったシリアスなテーマが深く描かれている点も興味深い。さらに、晴久の絶頂除霊の真の正体である「ミホト」の顕現や、魔族との直接対決など、物語の根幹に関わるターニングポイントが描かれており、読者を強く引き込む構成となっている。

読んだ本のタイトル

出会ってひと突きで絶頂除霊 ! 3
著者:赤城大空 氏
イラスト: 魔太郎 氏
出版社:小学館ガガガ文庫

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あらすじ・内容

イクかイカせるか? 絶頂サバイバル開幕!

――魔族

それは、人間が生み出す負のエネルギーを糧に生きる上位存在。ときに人を操り、傷つける忌むべき存在。

ロリコンスレイヤーの一件によって明らかになった魔族の関与。その事実をうけ、退魔師界はにわかにザワついていた。

だが、晴久や美咲たちのような仮免退魔師にはそのような話は関係なく――相変わらず本免許を取るために、様々な事件を追っていた。

女子高に発生したドMの生き霊を退治するために晴久が女装して忍びこむとか、そういう感じの。

そんななか、世間の男達に大流行してるエッチなゲームに人々が取り込まれるという怪異が発生する。

ゲームの美少女キャラクターをイカせていけば無事クリア。美少女たちにイカされてしまえばゲームオーバーで外に出られなくなるという、うらやまけしからんゲーム仕様。

絶頂除霊のチカラを見込まれ、クリアの可能性を託された晴久たちは果敢にゲームへと挑む! 

その先で起こる淫らな誘惑の恐ろしさも知らないで……。

――それ以上は……ダメだって……ほんとに……わたしたち、も、どれなく……。

そして遂に現れる絶頂除霊の元凶と、美咲の家系に隠された能力の真骨頂。体液飛び交う退魔活劇第三弾!

出会ってひと突きで絶頂除霊!3

感想

今回の怪異はエロゲ―だった。

被害者は万単位。

ゲーム内でイッたらゲームオーバーでゲームに取り込まれてしまう怪異。

そのカギは前作のキャラクーとキャラが被ってるが、純粋培養された男性恐怖症の女生徒。

その怪異の裏で暗躍する魔族。

そして、遂に現れた絶頂除霊の核となる神族(?)ぽいなにか?

やってる事は他人の快楽の気を貪る悪魔のような存在。

そんな怪異の中で心(san値)をガリガリと削られる呪いを手に持つ男と呪いを目に持つ女。

大はしゃぎしている心にナニを持つ女。

彼女は率先して果て、、

ゲームに取り込まれる。。

任務中でも欲望最優先。

やるなド変態、、

でも、この表現で何故に18禁にならないのか本気で不思議だ。

表現の自由への挑戦はまだ続く。

アニメイトで購入 BOOK☆WALKERで購入

絶頂除霊 ! 2巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 4巻レビュー

物語の概要

■ 作品概要

本作は、人間の負のエネルギーを糧とする魔族が引き起こす怪異事件に、落ちこぼれ退魔師の主人公・古屋晴久たちが挑む退魔活劇の第3巻である。 本巻では、男性を異空間に引きずり込むエッチなゲーム型怪異「ホテルラプンツェル」による大規模な連続失踪事件が発生する。絶頂除霊の能力を見込まれた晴久は、チームメイトの宗谷美咲や烏丸葵とともにゲームの世界へ突入する。次々と現れる淫らな誘惑に耐えながら、怪異の核となった少女・小日向静香の救出と、事件の裏で暗躍する魔族・アンドロマリウスとの決戦に挑む姿が描かれる。

■ 主要キャラクター

古屋晴久:都立退魔学園の落ちこぼれ生徒。対象の快楽媚孔を突くことで強制的に絶頂させて除霊する「絶頂除霊」の能力を持つ。
宗谷美咲:晴久のチームメイトで、名家「式神の宗谷」の令嬢。他人の性情報が視える「淫魔眼」の呪いを抱えている。
烏丸葵:晴久たちのチームメイト。極度の女好きかつ変態的な性癖を持つが、特定の条件下で強力な拘束術を発揮する。
葛乃葉楓:晴久の幼馴染みで、トップクラスの実力を持つ退魔師。外部から晴久の交信役として攻略を支援する。
小日向静香:全寮制女子校・白雪女学院の生徒。極度の男性恐怖症と罪悪感を植え付けられ、怪異「ホテルラプンツェル」の核にされた少女。
アンドロマリウス:女子高生の姿をした魔族。人々の歪んだ正義感を煽って怪異を育て、晴久たちの呪われた能力を狙って暗躍する黒幕。
ミホト:晴久の両手に宿る、銀髪で褐色の肌を持つ謎の少女。魔族をも圧倒する強大な力を持つ。

■ 物語の特徴

本作は、本格的な退魔バトルとエロコメディが融合した独特の世界観が特徴である。 第3巻では、誘惑に屈すれば出られなくなる「ホテルラプンツェル」での絶頂サバイバルが展開され、晴久たちの能力や精神力が試される緊迫感とユーモアが魅力となっている。また、単なる怪異退治にとどまらず、大人たちの歪んだ正義感や、それに抑圧された少女の心理といったシリアスなテーマが深く描かれている点も興味深い。さらに、晴久の絶頂除霊の真の正体である「ミホト」の顕現や、魔族との直接対決など、物語の根幹に関わるターニングポイントが描かれており、読者を強く引き込む構成となっている。

出版情報 出版社:小学館(ガガガ文庫) 著:赤城大空 イラスト:魔太郎 電子版配信日:2018年12月1日 関連メディア:『出会ってひと突きで絶頂除霊!@comic』としてコミカライズ版も展開されている。

書籍情報


著者: 氏
イラスト:  氏

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あらすじ・内容

感想

以下の条件に従って、指定された小説、または文書について、感想文を作成せよ。

ユーザーが話した、または入力した、
簡単なメモや感想、
箇条書き、
断片的な文章をもとにして、
それらを、
である調の、
構造的な感想文として整えること。

【入力項目】

・作品タイトル
「ここに作品タイトル」

・作品の簡単なあらすじ(任意)
「ここに、あらすじ。省略してもよい」

・ユーザー自身の感想メモ
箇条書きでもよく、文として整っていなくてもよい。
「ここに、感じたことや印象を自由に話す」

【出力条件】

・文章全体は、必ず、である調で書くこと
・同じ語尾が続かないようにし、文体に変化を持たせること
・誰にでも伝わる、平易で読みやすい日本語を使うこと
・あらすじの説明ではなく、感想、印象、心に残った点、読後の気持ちを中心に書くこと
・戦い、日常、人間関係など、作品の魅力を多角的に語ること
・入力された感想メモは、必ず内容に反映させ、自然な文章に整えること

【使用例】

・作品タイトル
『片田舎のおっさん、剣聖になる 9』

・ユーザー感想メモ
おっさんが、あえて強化を断って戦うところが、かっこよかった。
スレナが成長して、最後に笑えるようになったのが良かった。
ルーシーの「貸し」が、今後どうなるのか気になる。
戦闘シーンは派手ではないが、説得力があった。
日常パートが落ち着いていて、読んでいて安心できた。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察・解説

絶頂除霊と呪い

『出会ってひと突きで絶頂除霊!』における古屋晴久の両手に宿る能力と呪いの実態、そしてその真の正体について解説する。

生者死者を問わず快楽媚孔を突いて怪異を昇天させる卑猥な特徴、骨董品屋の呪物接触に起因する十二師天級養父の封印と九つ目の性遺物の疑い、魔族アンドロマリウス戦で露呈した銀髪褐色少女ミホトの真の正体、そして守護獣を伴う術式解析による再封印と解呪に向けた美咲との危険な任務同行にいたる全容は以下の通りである。

快楽媚孔の打突による霊級格大怪異の一撃除霊と大地への干渉を伴う物理法則無視の覚醒特性

絶頂除霊は、生者・死者を問わず対象の快楽媚孔と呼ばれる急所を突くことで、強制的な性的絶頂を与え、その余波で悪霊や怪異を昇天・消滅させるという規格外かつ卑猥な能力である。

・その威力は絶大であり、通常であれば高位の退魔師がかりで挑むような霊級格6~7の大怪異をも一撃で除霊することが可能である。

・さらに、能力が覚醒していくにつれ、人間や霊体だけでなく、大地や木々といった無機物の快楽媚孔すらも視認できるようになる。

・そこを突くことで局地的な地震や地割れを起こすといった、物理法則を無視した現象まで引き起こすようになる。

両手模倣呪物の接触に端を発する銀十字架腕輪封印とナギサ部長の睨む天人降ろしの気配

晴久がこの能力を得たのは、幼い頃に骨董品屋で両手を模した呪物に触れてしまったことが原因である。

・この呪いは極めて強力であり、最高位の退魔師である十二師天級の実力を持っていた養父でさえ解呪することができず、銀の十字架が付いた腕輪によって封印を施すのが精一杯であった。

・退魔師協会監査部長のナギサは、この呪いをサキュバス王の九つ目の性遺物ではないかと推測している。

・しかし、数百年も発見されていなかった点や、大地への干責といった記録にない異能を発現している点、さらには神聖な存在をその身に宿す天人降ろしの気配が感じられる。

・これらから、単なる性遺物の枠に収まらない未知の危険な存在として強く警戒されている。

魔族戦で顕現した銀髪褐色少女ミホトの圧倒的武力と意思を無視した味方への捕食危害リスク

第3巻にて、魔族アンドロマリウスとの絶望的な戦いの中で、絶頂除霊の真実が明らかになる。

・晴久の両手に宿っていたのは、単なる能力や力ではなく、ミホトと名乗る銀髪で褐色の肌を持つ自我を持った少女であった。

・これまで晴久の夢の中に現れて絶頂除霊を使うよう促したり、危機の際に頭の中に響いていた謎の声の正体は彼女である。

・養父が強力な術式で封印していたのは、絶頂除霊の能力そのものではなく、このミホトの顕現を防ぐためであった。

・ミホトは、高位の魔族であるアンドロマリウスの攻撃を容易く消滅させ、圧倒的な身体能力で一方的に打ち倒すほどの人智を超えた強大な力を持っている。

・しかし、彼女が顕現して活動するためには膨大なエネルギーを必要とする。

・空腹を満たすためであれば、晴久の意思を無視して能力を使い、味方である宗谷美咲にまで危害を加えようとする非常に危険な存在でもある。

四体守護獣の高度術式による腕輪への再封印と淫魔眼を抱える美咲との完全解呪への共闘

暴走したミホトは、間一髪のところで美咲が発動した規格外の霊力と、四体の守護獣を伴う高度な術式解析によって、再び晴久の両手へと再封印された。

・しかし、根本的な解呪には至っていない。

・魔族が晴久と美咲の抱える呪いを明確に狙って暗躍していること、そしてミホトという制御不能な爆弾を抱えていることから、晴久は一刻も早くこの厄介な呪いを完全に解かなければならないという強い危機感を抱いている。

・晴久と美咲は、互いの厄介な呪いである絶頂除霊と淫魔眼を解くための手がかりを求めて、退魔師としての危険な任務に身を投じていくこととなる。

まとめ

絶頂除霊と呪いの真正を巡る実態は、国家災害規模の怨霊を瞬時に消滅させる異能の核に、術者すら捕食対象とし得る魔族的少女ミホトの存在を宿した、極めて危険な二面性を持つ呪縛の記録である。十二師天級の養父による腕輪の封印が能力そのものではなくミホトの精神顕現の阻止であったプロセスは、この力の暴走がもたらす脅威の深刻さを示している。最終的に、美咲の守護獣術式解析によって破滅的な暴走を腕輪へ再封印することに成功し、互いの呪具の解明に向けて退魔師の最前線へと赴く決意を固めた顛末は、この絶頂除霊の謎が単なる個人的な体質の改変にとどまらず、魔族の王や世界崩壊の引き金となる爆弾を抱えながら、二人が運命を変えるために限界へと挑む絶対的な共闘劇の幕開けであることを厳密に証明している。

ホテルラプンツェルの攻略

『出会ってひと突きで絶頂除霊!』における「ホテルラプンツェル」は、第3巻で発生した大規模な失踪事件の原因となった霊級格6の異空間構築型怪異である。全年齢向けのホラー脱出ゲームアプリとして配信されていたが、実際はプレイした女性を恋愛対象とする男性を強制的にゲーム内の異空間へ引きずり込む性質を持っていた。この怪異のルールと、古屋晴久たちによる攻略の経緯は以下の通りである。

参加者の好みを突く淫らな誘惑によるゲームオーバーと小日向静香の男性恐怖症を利用した怪異の構築

ホテルラプンツェルの内部は、明確な失踪条件と歪んだ背景によって支配されていた。

・ゲームオーバーの条件:参加者の好みや弱点に合わせて出現する女性キャラクターからの淫らな誘惑に一度でも屈してしまうとゲームオーバーとなり、現実世界へ戻れなくなる。

・クリア条件:誰か一人でもゲームをクリアすれば、怪異との契約により、囚われていた一万人以上の全員が解放される。

・怪異の核:この怪異の核となっていたのは、小日向静香という女子校生である。彼女は母親をはじめとする周囲の大人たちから男性排除の過激な思想を押し付けられ、極度の男性恐怖症と罪悪感を植え付けられていた。魔族アンドロマリウスは、この歪んだ正義感を利用して彼女を追い詰め、怪異を育て上げていた。

ベテラン退魔師50名の全滅に伴う晴久の選出と美咲や烏丸の想定外の同時吸い込み

退魔師協会の先遣隊であるベテラン男性退魔師50名は、自身の好みを突く誘惑に耐えきれず全員が失敗してしまう。

・そこで、性的な関心が薄く、一撃で対象を行動不能にできる晴久が最も攻略に適していると判断される。

・文鳥桜や葛乃葉楓の外部からの通信サポートを受けながらゲームへ挑むこととなった。

・しかし、女性は入れないはずのゲーム内に、なぜか宗谷美咲と烏丸葵の二人も一緒に吸い込まれてしまうという想定外の事態からスタートする。

偽の葛乃葉楓の出現と好みを反映した偽の美咲による烏丸の脱落および手錠のツボ破壊突破

廃ホテルを舞台とした前半ステージでは、偽の葛乃葉楓などが現れる。

・烏丸は自身のゲーム知識で仕掛けの解除に貢献するが、やがて自分の好みを反映した偽の美咲との勝負に興奮して誘惑に屈してしまい、触手に連れ去られて脱落した。

・続く第三の部屋では、偽の桜と南雲睦美が現れ、晴久は両手を手錠で封じられる危機に陥る。

・しかし、指先だけで手錠の弱点である快楽媚孔を突いて破壊し、突破した。

床崩落による別館落下と記憶操作に伴う小日向静香の女装救出保護

その後、床が崩落して晴久は別館へ落ち、美咲とはぐれた上に記憶の一部を操作されてしまう。

・晴久はそこで、失敗した男性たちが融合した怪物に襲われていた小日向静香を救出する。

・静香の男性恐怖症を和らげるため、晴久はゲーム内で見つけた服を着て女装した。

・彼女を守りながら出口を目指す。

静香の作った閉じ込め箱庭の露見と烏丸操る怪物挟撃下での背後絶頂除霊による一万人解放

二人は出口へたどり着くが、そこは現実への帰還ルートではなく、静香が晴久を自分だけの王子様として永遠に閉じ込めるために作った箱庭であった。

・美咲と合流して記憶を取り戻した晴久は、静香が怪異の核であることを理解する。

・静香の触手と、烏丸が内側から操る失敗者の怪物に挟み撃ちにされる絶体絶命のピンチを迎えるが、烏丸の暴走が逆に静香の触手を拘束する隙を生み出した。

・晴久は静香の本心では助けてほしいと願っているという思いを汲み取り、彼女を倒すのではなく救うことを決意する。

・美咲の援護を受けて静香の背後へ接近した晴久は、絶頂除霊を放って彼女に植え付けられた歪んだ願いを除霊することに成功した。

・これにより異空間は崩壊し、烏丸や同級生の小林を含む、囚われていた一万人以上の人々は無事に現実世界へと帰還を果たした。

まとめ

ホテルラプンツェルの攻略を巡る一連の戦闘は、大衆の精神的弱点を突いて一万人以上を幽閉した異空間怪異に対し、晴久の徹底した自己制御と美咲らの支援によって核である少女の救出と空間破壊を同時に成し遂げた劇的な解放の記録である。先遣隊が全滅する中、女装工作によって静香の警戒を解き、手錠の制限すら快楽媚孔の打突で突破したプロセスは、晴久の状況適応力の高さを示している。最終的に、静香の歪んだ防衛本能が生み出した箱庭において、暴走した烏丸の動きを逆利用して触手を封じ、背後からの絶頂除霊によって少女を汚染から救い出して被害者全員を現実へ帰還させた顛末は、この作戦が単なる空間の消滅にとどまらず、魔族に利用された静香の魂を救済し、協会の権威を失墜させる陰謀を実力で打破するための絶対的な救出劇であったことを厳密に証明している。

魔族アンドロマリウス

『出会ってひと突きで絶頂除霊!』における魔族アンドロマリウスの暗躍と戦闘の経緯について解説する。

女子高生の姿に化けて人間社会に潜伏し、一連の怪異事件を裏で操っていた魔族アンドロマリウスは、人間の生み出す負のエネルギーを糧とする上位存在である。人々の歪んだ正義感を煽って他者を攻撃させ、そこから生まれる苦痛や憎悪を楽しむ性質を持つ彼女の作中での動向と目的、そして古屋晴久の内に眠るミホトの顕現に伴う敗北と逃亡にいたる全容は以下の通りである。

文鳥桜への外部からの怪異強制植え付けによる監査部牽制と晴久の能力への高評価

第2巻における正義の怪異(ロリコンスレイヤー)事件において、アンドロマリウスは明確な攪乱工作を展開した。

・退魔師協会監査部が動き出したことで、魔族側の計画が妨げられることを嫌う。

・状況をかき乱すために正義の怪異を利用した。

・晴久の監視役であった文鳥桜に外部から怪異を植え付けて遠隔操作し、春ヶ原の街で大規模な混乱を引き起こす。

・この事件を通じて、晴久が単身で怪異を打ち破る様子を観察していた。

・晴久を魔族の王に関係する存在であると高く評価し、彼の両手に宿る強力な呪いである絶頂除霊に強い興味を抱き始める。

小日向静香の男性排除思想肯定によるホテルラプンツェルの育成と晴久らの連れ去り罠

第3巻におけるホテルラプンツェル事件では、晴久と宗谷美咲が持つ特殊な呪いの力を狙い、より強固な陰謀を企てた。

・誰にも気づかれずに二人を連れ去るための壮大な罠を仕掛ける。

・極端な男性排除を掲げる小日向静香の母親たちの思想を正義として肯定・増幅させた。

・周囲の大人たちから追い詰められた静香の心を意図的に利用し、男性を異空間に閉じ込める怪異ホテルラプンツェルを強力に育て上げた。

小日向家地下室への座標操作誘導と圧倒的実力による蹂躙および銀髪褐色少女ミホトの顕現

晴久たちがゲームをクリアして現実へ帰還しようとした際、アンドロマリウスは彼らの座標を操作して小日向家の地下室へ誘導し、自ら姿を現した。

・人間とは比較にならない圧倒的な実力で晴久と美咲を容易く蹂躙する。

・二人を空中へ拘束して連れ去ろうとした。

・しかしその時、絶頂除霊の真の正体である銀髪褐色の少女ミホトが晴久の両手から顕現する。

強大エネルギー弾の絶頂除霊消滅と二つの弱点同時打突による行動不能および時空裂け目からの逃亡

アンドロマリウスはミホトの異質な気配に困惑し、街を巻き込むほどの強大なエネルギー弾を放った。

・しかし、ミホトに身体を操られた晴久の両手は、その魔法攻撃すらも絶頂除霊で消滅させてしまう。

・圧倒的な身体能力で肉薄されたアンドロマリウスは、晴久の拳で強烈な一撃を叩き込まれて上空へ吹き飛ばされた。

・さらに二つある弱点を同時に狙われて完全に行動不能に陥る。

・予想外の存在であるミホトによって敗北を喫した彼女は、空間の裂け目を開いて晴久たちへの報復を宣言する。

・完全に除霊される前に逃亡を果たした。

まとめ

魔族アンドロマリウスを巡る一連の事件は、人々の正義感を巧みに歪めて大規模な霊災を引き起こし、退魔師協会を翻弄した狡猾な黒幕が、予測不能な超常の存在によって打倒された決戦の記録である。文鳥桜や小日向静香の心理的間隙を突いて怪異を構築し、晴久らを連れ去ろうとしたプロセスは、彼女の戦略的知性の高さを示している。最終的に、地下室での直接対決において顕現したミホトの武力により、最大火力のエネルギー弾を無力化され、二つの弱点を破壊されて行動不能に追い込まれながらも空間の裂け目から逃亡した顛末は、この魔族の暗躍が単なる一過性の騒動の終結にとどまらず、晴久の持つ呪いが魔族の王へと繋がる核心的な鍵であることを証明し、今後のさらなる報復と激しい死闘の開幕を告げる絶対的な契機となったことを厳密に証明している。

ミホトの顕現

『出会ってひと突きで絶頂除霊!』における「ミホトの顕現」は、第3巻のクライマックスで描かれる最大のターニングポイントであり、主人公・古屋晴久の能力「絶頂除霊」の真の姿が現実世界に姿を現した重要な出来事である。ミホトの顕現から圧倒的な戦闘、エネルギー不足による暴走、そして宗谷美咲の覚醒による再封印にいたる全容は以下の通りである。

小日向邸地下室での術式破砕と銀髪褐色少女ミホトの顕現

魔族アンドロマリウスによって小日向邸の地下室へ連れ去られた晴久と宗谷美咲は、圧倒的な実力差によって完全に拘束されてしまう。

・アンドロマリウスが晴久たちの負の感情を楽しんで連れ去ろうとしたその時、晴久の両手から謎の声が響き、白い霧のような霊的物質が噴き出した。

・その霧は周囲の瘴気を浄化して二人を拘束していた術式を砕き、これまで晴久の夢の中にだけ現れていた銀髪で褐色の肌を持つ少女の姿を形作っていく。

・彼女は自らをミホトと名乗り、長い眠りのせいで記憶が欠落しており、名前以外の詳細は不明な状態であった。

晴久の身体操作による魔族攻撃の消滅と二つの弱点同時打突による完全行動不能

顕現したミホトは、自らの両腕を晴久の両手へ同化させ、彼の背後から身体を重ねるようにして操り始める。

・魔族であるアンドロマリウスは強力な負のエネルギーを放つが、ミホトに操られた晴久の両手は、その魔法攻撃自体を絶頂除霊の能力で容易く消滅させてしまう。

・さらにミホトは、晴久の両腕を床へ叩きつけた反動だけで身体を高速移動させるという人間離れした動きで魔族に肉薄し、強烈な一撃を叩き込んでアンドロマリウスを天井を突き破るほど上空へ吹き飛ばした。

・上空での追撃戦でも、ミホトは街を巻き込むほどの巨大なエネルギー弾を消滅させる。

・魔族の二つの弱点を同時に狙うことでアンドロマリウスを完全に行動不能に陥らせ、地下室へと叩き落とした。

顕現と戦闘に伴う膨大な空腹感と晴久の意思を無視した美咲への強引な身体的接触暴走

魔族を撃退し、アンドロマリウスが逃亡した後、ミホトは顕現と戦闘で消費したエネルギーを満たすため、晴久の意思を完全に無視して暴走を始める。

・彼女は晴久に連続して能力を使わせてエネルギーを奪い、彼を疲労困憊で動けなくさせた。

・しかしそれだけでは足りず、今度は美咲を標的にして、彼女からエネルギーを奪うために強引な身体的接触を図る。

・美咲には能力を撃ち込むための弱点が存在しなかったため、ミホトは本気で嫌がる彼女の反応を引き出すことでエネルギーを得ようとした。

眩い強大霊力の溢出と四体守護獣結界による拘束および封印術式の瞬時解析再封印

ミホトの強引な接触によって美咲が追い詰められた瞬間、美咲の身体から普段の彼女からは考えられないほど強大で眩い霊力が溢れ出した。

・美咲の身体から五枚の護符が現れ、そのうちの四枚から青龍、玄武、朱雀、白虎という四体の圧倒的な霊力を持つ守護獣が出現する。

・白虎が晴久とミホトを美咲から引き離し、四体による結界でミホトの動きを完全に封じ込めた。

・意識を失ったような状態になった美咲は、晴久の両手に触れて養父が施していた封印術式を瞬時に解析する。

・構造を組み直すことで、顕現していたミホトを再び晴久の両手へと封印することに成功した。

まとめ

ミホトの顕現を巡る一連の事件は、上位の魔族すら一方的に蹂躙する神話的な武力の覚醒であると同時に、術者の制御を離れて味方をも捕食対象とする破滅的な暴走リスクを露呈した極限の戦闘記録である。アンドロマリウスの最大火力を絶頂除霊で無効化し、肉体操作によって完全無力化に追い込んだプロセスは、ミホトが持つ規格外の戦闘能力を示している。最終的に、エネルギー飢餓による暴走に対し、美咲が四神の守護獣を覚醒させて結界に閉じ込め、高等な術式解析によって腕輪への再封印を完遂した顛末は、この顕現劇が単なる危機の打開にとどまらず、晴久の呪いが周囲の人間を巻き込みかねない制御不能な爆弾であることを証明し、二人が完全解呪に向けてさらなる高位の退魔術を志すための決定的な原動力となったことを厳密に証明している。

宗谷家の試験

『出会ってひと突きで絶頂除霊!』における「宗谷家の試験」は、第3巻の結末(エピローグ)で新たに提示される試練であり、主人公の古屋晴久たちが次なる困難に直面することを示す重要な出来事である。その背景と詳細は以下の通りである。

ホテルラプンツェル解決に伴う本免許交付予定と直前の突然の停止命令

第3巻で発生した大規模なホテルラプンツェル事件の解決や、強大な魔族であるアンドロマリウスを撃退した功績が高く評価された。

・晴久、宗谷美咲、烏丸葵のチームの三人は、トップクラスの実力を持つ葛乃葉楓に並ぶ異例の早さで本免許が交付される予定となっていた。

・しかし、その交付直前になって、何者かによって突然の停止命令が下されてしまう。

名家九の旧家式神の宗谷当主であり十二師天の一員たる美咲の母親による介入

抗議する美咲の前に黒猫の式神が現れ、停止命令を出したのが美咲の母親であることが判明した。

・彼女は、日本の退魔師業界を支配する名家である九の旧家の一つ、式神の宗谷の当主である。

・同時に最高位の退魔師である十二師天にも名を連ねる強大な権力者である。

本家継承にふさわしい仲間との出会いの見極めと交付完全取り消しを伴う非情な宣告

美咲の母親は、本免許を正式に受け取る前の条件として、三人そろって宗谷家へ来るよう命じた。

・その目的は、落ちこぼれ扱いされていた美咲が、本家を継ぐにふさわしい仲間と出会えたかを直接見極めるための試験を行うことであった。

・彼女は、この試験の結果次第では、三人の本免許交付を完全に取り消すと非情な宣告を下す。

黒猫の式神による晴久の値踏みと関係険悪化のタイミングでの過酷な試練課与

黒猫の式神は、特に晴久のことを値踏みするように見つめていた。

・美咲の母親は、幼少期の美咲に、最高のパートナーと巡り合えば一族の力を最大限に引き出せる、と語っていた過去がある。

・晴久がそのパートナーとしてふさわしいかどうかが厳しく問われることとなる。

・晴久と美咲がミホトの暴走による接触の影響で険悪な関係に陥っている最悪のタイミングで、名家・宗谷家による過酷な試験が課されるという波乱の展開を示唆して、第3巻は幕を閉じる。

まとめ

宗谷家の試験を巡る新たな展開は、大規模な霊災解決という破格の功績によって得られるはずだった本免許に対し、最高権威である十二師天の血縁者が介入し、チーム全体の存続と評価を根底から揺るがした過酷な試練の記録である。本免許交付の直前停止から、式神を介した強硬な出頭命令にいたるプロセスは、九の旧家が持つ絶対的な権力構造を示している。ミホトの暴走によって晴久と美咲の信頼関係が危機に瀕する中、最高峰の退魔師である母親が晴久の資質を最高のパートナーとして見定めるべく非情な試験を課した顛末は、この試練が単なる資格審査の延長にとどまらず、宗谷家一族の血統の証明と、リオンたちが呪術界の深層へと足を踏み入れ、自らの実力で未来をこじ開けるための絶対的な前哨戦となったことを厳密に証明している。

絶頂除霊 ! 2巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 4巻レビュー

登場キャラクター

宗谷家

宗谷美咲

宗谷家の跡取り娘である。他人の性情報が視える淫魔眼の呪いを抱えている。古屋晴久のチームメイトであり、彼に好意を抱きつつも素直になれない一面を持つ。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の学生。式神の宗谷の令嬢。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェルの異空間へ吸い込まれ、晴久とともに脱出を目指した。暴走したミホトを四体の守護獣を使って再封印している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久の能力による行為を思い出して彼を拒絶し、不仲な状態となった。本免許の交付が予定されていたが保留されている。

優秀な教育係

宗谷美咲の幼少期に指導を行った人物である。

・所属組織、地位や役職
 宗谷家。

・物語内での具体的な行動や成果
 美咲に退魔術の修行を指導した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

美咲の母親

日本の退魔師業界を支配する名家《九の旧家》の一つ「式神の宗谷」の当主である。美咲に最高のパートナーと巡り合えば一族の力を引き出せると語っていた。

・所属組織、地位や役職
 宗谷家の当主。退魔師協会の十二師天。

・物語内での具体的な行動や成果
 晴久たちの本免許交付を直前で停止させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久たちが本家を継ぐにふさわしい仲間か見極めるための試験を課した。

黒猫の式神

宗谷家の当主が操る式神である。

・所属組織、地位や役職
 宗谷家。

・物語内での具体的な行動や成果
 抗議する美咲の前に現れ、母親の言葉を伝えた。晴久を値踏みするように見つめている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

都立退魔学園

葛乃葉楓

古屋晴久の幼馴染みである。晴久の能力を管理し、彼を厳しくも気にかけている。美咲に嫉妬心を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェル攻略において晴久の交信役を務めた。魔族の関与を受け、晴久の存在をこれ以上隠し通せないと判断している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 定期検診で封印の異常を見逃したことを自責している。

古屋晴久

都立退魔学園の落ちこぼれ生徒である。両手に強力な除霊能力「絶頂除霊」の呪いを抱えている。女性や性的なことへの関心が薄い。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園・Dクラスの学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 女装して白雪女学院へ潜入した。ホテルラプンツェルの異空間へ入り、小日向静香を救出して怪異を崩壊させている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本免許の交付が予定されていたが、宗谷家の介入によって保留された。

烏丸葵

古屋晴久のチームメイトである。極度の女好きであり、女性に興奮した際に強力な捕縛術を使用する。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園・Dクラスの学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェルに吸い込まれ、偽物の美咲との勝負に敗れて脱落した。後に失敗者の怪物を内側から操り、静香の触手を拘束して攻略に貢献している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本免許の交付が予定されていたが、宗谷家からの試験を課された。

南雲睦美

古屋晴久のクラスメイトである。残留怪異による怪力を抱えている。晴久と桜の関係を疑っている。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園・Dクラスの学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 晴久が白雪女学院に潜入する際、偽装用の胸当てを用意した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

太刀川芽依

古屋晴久に情報や物品を提供する後輩である。その正体は変身した葛乃葉楓である。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 情報の代償として晴久をデートに誘い、一日付き合わせた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

小林

古屋晴久の寮の隣室に住む学生である。ホラーゲーム「ホテルラプンツェル」を晴久に紹介した。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェルのゲームオーバー画面を残して寮の部屋から突然姿を消した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゲームクリア後に現実へ帰還した。

Dクラスの男子たち

古屋晴久のクラスメイトである。晴久が美咲や桜から関心を向けられている状況を妬んでいる。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園・Dクラスの学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 晴久が異性への関心が薄すぎると指摘した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

小林の班員たち

小林と同じ実習班に所属する学生たちである。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 無断欠席した小林の様子を心配し、古屋晴久へ寮の部屋の確認を頼んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

消えた生徒たち

都立退魔学園から姿を消した学生たちである。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の学生。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェルのゲームオーバー画面を端末に残して失踪した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

退魔師協会・監査部

文鳥桜

古屋晴久の幼馴染みであり、彼の監視役を務める。晴久の生活を支えており、彼に強い執着を抱えている。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会監査部の構成員。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェル攻略において、晴久の最初の交信役を担当した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔族に怪異を植え付けられた記憶から、いつ被害を受けたか分からないことに恐怖を感じている。

晴久の養父

古屋晴久の両手へ封印術式を施した人物である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師。

・物語内での具体的な行動や成果
 絶頂除霊そのものではなく、ミホトの顕現を防ぐために術式を構築していた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 故人である。

ナギサ

監査部を束ねる人物である。晴久の特殊な力を警戒している。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会監査部・監査部長。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェル対策本部で説明役を務めた。小日向邸の包囲作戦を指揮している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久から現れたミホトに強大な気配を感じ、衝撃を受けた。

監査部

退魔師協会内の自浄組織である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 対人霊能組織戦を専門とし、ホテルラプンツェル事件の対策本部で指揮を執った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

十二師天

退魔師協会における最高位の実力者たちである。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 会合を開き、古屋晴久の今後について協議することが決まった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

女性退魔師

退魔師協会に所属する実働部隊である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェル事件では、怪異の核や黒幕の組織の捜索を担当した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 男性向けの怪異であるため、ゲームの世界へは入れなかった。

男性退魔師

退魔師協会に所属する実働部隊である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェルの攻略を目指し、地下室で作戦会議を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

先遣隊

ホテルラプンツェルの攻略に向かった五十人のベテラン男性退魔師である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゲーム内の誘惑に耐えきれず、開始から三十分以内に全員が失敗して失踪した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゲームクリアによって解放された。

多々羅刃

監査部の幹部である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会監査部の幹部。

・物語内での具体的な行動や成果
 緊急対策本部で、ホテルラプンツェルの性質や怪異との契約について説明した。男性退魔師を指揮している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

他の退魔師班

退魔師協会に所属する部隊である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 生き霊の発生源である人物が突然姿を消す事例に複数遭遇した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

数百人規模の退魔師

退魔師協会に所属する実働部隊である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。

・物語内での具体的な行動や成果
 小日向静香の実家周辺に展開し、包囲作戦に参加した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

楓の祖母

葛乃葉楓の祖母である。

・所属組織、地位や役職
 十二師天。

・物語内での具体的な行動や成果
 小日向邸の応援に向かった。楓へ十二師天の会合について連絡を入れている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

一般人・その他

小日向静香

白雪女学院の生徒である。母親たちから過激な男性排除の思想を押し付けられ、極度の男性恐怖症を抱えている。

・所属組織、地位や役職
 青澄女子大学付属白雪女学院の生徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 ホテルラプンツェルの核として利用されていた。除霊後に晴久をアフターケアの相手に指名し、積極的に接触しようとした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 残留怪異の影響で、不適切な願望を抱いた男性へ激痛を与える能力が残っている。親権は父親へ移った。

静香の母親

小日向静香の母親である。男性や性的な表現を絶対的な悪と決めつけ、娘に強要している。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 アンドロマリウスに扇動され、地下室で男性排除を叫ぶ儀式を行っていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 事件後に拘束され、取り調べと浄化を受けることになった。

斉藤

白雪女学院へ生き霊を飛ばしていた人物である。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 自室で生活していた途中の状態のまま、突然行方不明になった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

職場の女性

斉藤と同じ職場に勤める人物である。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 斉藤が二日間無断欠勤し、連絡も取れなくなったと退魔師たちに伝えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

管理人

斉藤が住むアパートの管理人である。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 美咲たちに斉藤の部屋の鍵を貸し出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

行方不明者

ホテルラプンツェルに取り込まれた男性たちである。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 全国で一万人以上が失踪し、異空間へ閉じ込められた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 異空間の崩壊によって全員が救出された。

警察

日本の治安維持組織である。

・所属組織、地位や役職
 警察。

・物語内での具体的な行動や成果
 生き霊とは無関係な失踪が急増している状況を把握していた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

実況者たち

ホテルラプンツェルのプレイ動画を配信していた人物たちである。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゲームの終盤で更新を停止し、交流サイトも動かなくなった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

利用者

ホテルラプンツェルをプレイしていた人物たちである。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 実況者たちの失踪を受け、このゲームを失踪ゲームと呼び始めていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

大勢の女性

静香の母親とともに儀式を行っていた人物たちである。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 地下空間で男性の排除を叫び、異常な興奮状態に陥っていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 事件後に拘束された。

静香の父親

小日向静香の父親である。静香の母親とは離婚している。

・所属組織、地位や役職
 一般人。

・物語内での具体的な行動や成果
 母親の逮捕後、静香の親権を引き取った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

魔族・怪異・式神

ミホト

古屋晴久の両手に封印されていた絶頂除霊の真の姿である。銀髪と褐色の肌を持つ少女の姿をしている。空腹を満たすためなら周囲へ危害を加える危険な存在だ。

・所属組織、地位や役職
 不明。

・物語内での具体的な行動や成果
 晴久の夢の中に現れて能力の使用を促していた。アンドロマリウスとの戦闘時に顕現し、圧倒的な力で魔族を退けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦闘後に暴走したが、美咲によって再び封印された。

ホテルラプンツェル

小日向静香の抑圧された心を利用して作られた異空間構築型の怪異である。推定霊級格は6とされている。

・所属組織、地位や役職
 怪異。

・物語内での具体的な行動や成果
 プレイした男性を異空間へ引きずり込み、参加者の好みに合わせた誘惑を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久の絶頂除霊によって崩壊した。

生き霊

白雪女学院に集まった霊的存在である。男性を恐れる静香に惹きつけられて発生した。

・所属組織、地位や役職
 怪異。

・物語内での具体的な行動や成果
 女性退魔師の攻撃を受けるほど力を増し、学院の結界を破った。女装した晴久に惹かれて静香を襲った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久の除霊によって消滅した。

アンドロマリウス

人間の女子生徒に化けて暗躍する魔族である。人間の歪んだ正義感を煽って苦痛や憎悪を楽しむ趣味を持つ。

・所属組織、地位や役職
 魔族。

・物語内での具体的な行動や成果
 静香の母親を扇動してホテルラプンツェルを育てた。晴久と美咲を拘束して連れ去ろうとしたが、顕現したミホトに敗北した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 空間の裂け目を開き、報復を宣言して逃亡した。

偽の葛乃葉楓

ホテルラプンツェルの異空間に現れた偽物である。

・所属組織、地位や役職
 怪異の一部。

・物語内での具体的な行動や成果
 晴久の無意識の願望を反映して甘やかし、彼を翻弄した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 不明。

偽物の美咲

ホテルラプンツェルの異空間に現れた偽物である。

・所属組織、地位や役職
 怪異の一部。

・物語内での具体的な行動や成果
 拘束された姿で現れ、烏丸葵の好みを刺激して勝負を繰り広げた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 烏丸を誘惑してゲームオーバーへ追い込んだ。

偽の文鳥桜

ホテルラプンツェルの異空間に現れた偽物である。

・所属組織、地位や役職
 怪異の一部。

・物語内での具体的な行動や成果
 偽の南雲睦美とともに現れ、晴久の両手に手錠をかけて能力を封じようとした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久の絶頂除霊を受けて無力化された。

偽の南雲睦美

ホテルラプンツェルの異空間に現れた偽物である。

・所属組織、地位や役職
 怪異の一部。

・物語内での具体的な行動や成果
 偽の文鳥桜とともに現れ、晴久に迫った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久の絶頂除霊を受けて無力化された。

失敗者の怪物

ホテルラプンツェルのゲームオーバーになった男性たちが融合した異形の怪物である。

・所属組織、地位や役職
 怪異の一部。

・物語内での具体的な行動や成果
 別館で小日向静香を襲っていた。烏丸葵に取り込まれた後、彼女に内側から操られて静香の触手を拘束した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 異空間の崩壊とともに霧散した。

青龍

宗谷美咲の護符から出現した守護獣である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミホトの暴走時に現れ、他の守護獣とともに結界を構築した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 再封印完了後に護符へ戻った。

玄武

宗谷美咲の護符から出現した守護獣である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミホトの暴走時に現れ、他の守護獣とともに結界を構築した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 再封印完了後に護符へ戻った。

朱雀

宗谷美咲の護符から出現した守護獣である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミホトの暴走時に現れ、他の守護獣とともに結界を構築した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 再封印完了後に護符へ戻った。

白虎

宗谷美咲の護符から出現した守護獣である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。

・物語内での具体的な行動や成果
 晴久とミホトを美咲から引き離し、他の守護獣とともに結界を構築した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 再封印完了後に護符へ戻った。

四体の守護獣

宗谷美咲の霊力によって出現した四神の総称である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。

・物語内での具体的な行動や成果
 圧倒的な霊力でミホトの動きを完全に封じ込めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 通常の小さな式神とは異なる強大な存在として描かれた。

絶頂除霊 ! 2巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 4巻レビュー

展開まとめ

プロローグ 

宗谷美咲の幼少期

恵まれた修行環境

日本の退魔師業界を支配する九の旧家の一つ、式神の宗谷。その跡取り娘として生まれた宗谷美咲は、小学校入学前から退魔術の修行を始めた。

美咲には優秀な教育係や高性能な魔具、自由に使える訓練場が与えられていた。しかし多くの術式を器用に覚えられる一方、霊力が極端に低く、弱い雑霊にさえ苦戦していた。

両親への相談

一歳年上の葛乃葉楓が既に実戦経験を積んでいると知った美咲は、自分の才能に不安を抱き、両親へ強い退魔師になる方法を尋ねた。

母親は、美咲が成長して心から信頼できる最高のパートナーと巡り合えば、人式神の宗谷と呼ばれる一族の力を最大限に引き出せると説明した。

将来への期待

美咲は運命の相手が見つからなければ強くなれないのかと不安になった。すると母親は、そのような相手が現れなくても、思春期を迎えれば霊力は必ず上昇すると励ました。

美咲は母親の言葉を信じ、将来に備えて修行を怠らないと約束した。その後も前向きに努力を続けたが、霊力が増えることはなかった。

落ちこぼれの評価

成長しても状況は変わらず、母親の言葉も曖昧な記憶となっていった。やがて美咲には、宗谷家の跡取りでありながら才能に恵まれない落ちこぼれという評価が定着した。

第一章 束の間の日常、あるいは確実に進行していく呪い 

夢に現れた謎の少女

桜に起こされた朝

古屋晴久は、自室で文鳥桜に朝食の時間だと起こされた。桜は監視役として隣室に住み、晴久の生活を支えていたが、寝坊を許さず強引に布団を剥ぎ取った。

その直後、晴久の身体に起きていた生理的な変化を見た桜は、顔を赤らめて動揺した。

理性を失った桜

桜は、以前の除霊で晴久の私物を顔に押し付けられたことや、その後も彼の洗濯物を扱っていたことを口にした。やがて感情を抑えきれなくなり、晴久を押さえつけて強く迫った。

晴久は桜の異常な様子に戸惑い、止めようとした。しかし桜は晴久への執着を露わにし、二人の関係が大きく変わりかけた。

停止した淫夢

桜の行動がさらに進もうとした瞬間、周囲の時間が停止した。そこへ銀髪と褐色の肌、人外の瞳を持つ少女が現れ、それまでの出来事が夢であったと告げた。

晴久は少女の姿に見覚えがあり、以前にも夢の中で接触した存在ではないかと疑った。

能力を求める少女

少女は夢の続きを望むなら、晴久が絶頂除霊をさらに多く使うよう求めた。現実でも桜との距離を縮めるよう促し、晴久の欲望を刺激して能力を使わせようとした。

さらに少女は、晴久と直接関われるようになるまであと少しだと語った。晴久は、彼女が自分の能力と深く結びついた存在だと察し、その正体を問いただそうとした。

淫夢の余韻と新たな依頼

夢からの目覚め

古屋晴久が謎の少女へ問いかけようとした瞬間、スマートフォンのアラームが鳴り、夢の景色は消え去った。

晴久は夢の感触が現実と区別できないほど鮮明だったことに戸惑った。さらに、夢に現れた少女の声が以前から危機の際に聞こえていた声と同じであり、自分へ絶頂除霊の使用を促していることに不安を覚えた。

桜への警戒

直後、文鳥桜が朝食の準備のため部屋へ入ってきた。晴久は夢の影響から、桜が自分へ何かしてこないかと尋ねてしまい、激怒した桜に叩き起こされた。

晴久は桜との間にそのような関係が生まれるはずはないと考え直した。一方、桜は晴久に聞こえないところで、彼の私物を密かに持ち出していることが知られたのではないかと焦っていた。

桜の不安と信頼

登校途中、桜は晴久へ、両手の呪いが悪化していないか葛乃葉楓に検査してもらうよう求めた。晴久も、魔族に怪異を植え付けられた桜の体調を改めて心配した。

桜は後遺症こそなかったものの、いつ怪異を植え付けられたのか分からないことには恐怖を感じていた。それでも、危機に陥れば晴久が助けてくれると信じており、以前よりも彼を頼る気持ちを見せた。

教室での誤解

Dクラスへ入ると、烏丸葵が晴久と桜の関係を疑い、二人が既に特別な関係になっていると思い込んでいた。晴久が否定しても烏丸は聞き入れず、桜に制裁された。

南雲睦美も二人の関係を疑い、晴久が桜だけを特別扱いしているのではないかと不満を示した。晴久は南雲の弱点を利用して拘束から逃れ、ようやく自分の席へ戻った。

淫魔眼への恐れ

晴久は、宗谷美咲の淫魔眼なら桜との関係について事実を証明できると考えた。しかし同時に、淫魔眼には夢の内容まで読み取られる可能性があることを思い出した。

晴久は今朝の夢を美咲に知られることを恐れたが、彼女なら他人の不適切な妄想を見慣れているはずだと考え、平静を装うことにした。

仕事再開の相談

そこへ美咲が教室へ現れ、晴久の回復を確認すると、実習班の仕事を再開しようと提案した。美咲は二人の呪いや性遺物に関係しそうな依頼を複数見つけており、どれを受けるか相談するつもりだった。

晴久と美咲はそれぞれの呪いを解くため、性遺物に関係する事件を優先して引き受けていた。晴久は絶頂除霊から、美咲は淫魔眼から解放されることを目指し、再び実習へ動き出そうとしていた。

淫夢の発覚と呪いの再調査

美咲の追及

古屋晴久は、先月の騒動で逃げ回ったことが事態を悪化させたと反省し、宗谷美咲の前でも平静を装った。しかし美咲の淫魔眼には、晴久が見た桜との鮮明な夢が読み取られていた。

美咲は、晴久が妹同然の桜を夢の中で特別な目で見ていたことを執拗に責めた。晴久はその迫力に圧倒され、桜に助けを求めた。

美咲と桜の対立

桜が晴久を美咲から引き離すと、美咲は桜が晴久の私物を密かに利用している事実を指摘した。桜は淫魔眼で得た情報を脅しに使うのは規則違反だと反発したが、美咲も晴久に事実を知られてよいのかと応じた。

二人は互いに晴久への思いを否定しながら激しく睨み合った。晴久が仲裁しようとしても両者から黙るよう命じられ、教室には険悪な空気が広がった。

男子たちの嫉妬

晴久は争いから逃れてDクラスの男子たちへ近づいたが、彼らは晴久が美咲と桜の二人から関心を向けられている状況を妬んでいた。

男子たちは晴久への不満を募らせながら、現実から目を背けるように娯楽の話へ移った。晴久は自分の席で、美咲と桜の対立が収まることを願うしかなかった。

楓への報告

その日の午後、美咲が体調不良で早退したため、実習班の仕事は中止となった。晴久は自室で葛乃葉楓と会い、新たに発現した強化能力と、夢の中で起きた異変について報告した。

楓は当初、夢の内容は晴久自身の問題ではないかと冷たく切り捨てた。しかし淫魔眼を持つ美咲が強い嫌悪を示したと聞き、夢の詳細に関心を向けた。

夢の少女の声

晴久は、夢の最後に褐色の肌と銀髪を持つ修道女姿の少女が現れたことを明かした。その少女の声は、これまで危機の際に晴久の頭へ響いていた声と同じであり、能力をさらに使うよう促していた。

以前は夢の中の声を思い出せなかったにもかかわらず、今回は内容を鮮明に記憶していた。話を聞いた楓は表情を変え、晴久の両手へすぐに霊視を行った。

変化のない封印

晴久は、監査部から極端に警戒された後、ナギサの霊視を境に処分を保留された経緯を挙げ、両手の呪いがどれほど危険なのか尋ねた。

楓は情報が錯綜しており、確かなことは言えないと答えた。晴久の処遇は保留されたものの、実際には監視が強化されているため、能力を慎重に扱いながら退魔師としての有用性を示すよう忠告した。

霊視の結果、ブレスレットによる封印には変化がなかった。楓は、能力が増えているのに封印がまったく変化していないことを不自然に感じた。

養父の封印

楓は、晴久の養父が施した封印そのものを改めて解析する必要があると判断した。十二師天級の術式を調べるには専門家の手配と時間が必要であり、楓は関係者へ掛け合うことにした。

晴久は疲労の見える楓を心配したが、楓は余計な世話だと退けた。休暇中に晴久の対応をしているため迷惑だと言い残し、慌ただしく部屋を去った。

芽依からの要求

楓が去った後、晴久のもとへ太刀川芽依から久しぶりに連絡が入った。芽依は、これまで晴久へ提供してきた情報に対して、受け取った代価が少なすぎたと主張した。

芽依は新たな代価として、晴久に一日付き合うよう一方的に求めた。晴久はこれまで何度も助けられてきた負い目から断れず、指定された服装で待ち合わせ場所へ向かった。

芽依との外出と女装依頼

芽依との待ち合わせ

古屋晴久は、これまで太刀川芽依から機密情報や希少な品を受け取ってきた代償として、一日付き合うことになった。待ち合わせ場所に現れた芽依は普段以上に着飾っており、晴久と腕を組んだまま水族館や猫カフェを巡った。

二人は夕暮れの公園を歩きながら楽しく一日を振り返ったが、晴久は代償らしい要求が何もないことを不思議に感じた。

芽依の揺さぶり

芽依は晴久をからかいながら、男女が二人で出かければデートだと告げた。さらに晴久が誰にでも優しく接するため、自分にも可能性があると勘違いしてしまうと漏らした。

晴久が戸惑うと、芽依はすぐに冗談だと笑った。しかし代償を求めることなく満足そうに帰ったため、晴久には彼女の本心が分からないままだった。

男子たちの誤解

帰り道、晴久と芽依はゲームショップから出てきた小林たちに目撃された。男子たちは晴久が美咲や桜だけでなく芽依とも親しくしていると思い込み、事実を歪めて言いふらすと叫びながら走り去った。

晴久は新たな噂が広がることを覚悟したが、芽依はその様子を楽しげに眺めていた。

穏やかになった教室

翌日、晴久がDクラスへ入ると、小林や烏丸たちは異様に穏やかな表情を浮かべていた。彼らは前日に遊んだ恋愛ゲームに強く感動し、晴久にも勧めようとした。

晴久は年齢制限のある作品を断ったが、男子たちは彼が異性への関心が薄すぎると指摘した。その様子は、何かに活力を吸い取られているようにも見えるという評価につながった。

ホテルラプンツェル

小林たちは晴久へ、全年齢向けとして配信されているホラーゲーム、ホテルラプンツェルを紹介した。内容は廃墟から脱出する形式であったが、随所に不自然な性的演出が組み込まれていた。

晴久は内容の異常さに驚いたものの、アプリは長期間配信され、ランキング上位を維持していた。広告もなく無料である点を含め、どこか不自然な作品であった。

美咲と桜の選別

そこへ桜と美咲が現れ、Dクラスの男子たちを観察した。美咲は淫魔眼で彼らの内面を確認し、桜とともに何らかの条件に合う人物を探していた。

しかし男子たちは全員不適格と判断され、最終的に晴久が最もまともで適任だという結論になった。

女装への勧誘

桜は晴久の肩に手を置き、女装に興味があるかと尋ねた。晴久は即座に拒否したが、その意思は聞き入れられなかった。

こうして晴久は、美咲と桜が進める新たな計画に巻き込まれ、後の大事件へつながる騒動へ足を踏み入れることになった。

第二章 まあ男なら流れるようにYESをクリックしちゃうよね 

白雪女学院への潜入

女子校の霊障

青澄女子大学付属白雪女学院では、数日前から大量の生き霊が集まり、校内を守る結界が破られていた。桜は以前この学校の結界構築に関わっていたため、霊災相談室から応援を求められていた。

生き霊の中心には、女性退魔師から攻撃されるほど力を増す厄介な存在がいた。男性退魔師なら対処できる可能性が高かったが、白雪女学院は全寮制の女子校であり、学校側は敷地内へ男性を入れることを拒んでいた。

女装作戦

交渉に疲れた退魔師たちは、男性退魔師を女装させて秘密裏に潜入させる作戦を立てた。美咲が男性候補の内面を確認した結果、女子校に過度な幻想を抱いていない晴久が選ばれた。

晴久は自分の能力を考えれば最悪の人選だと反発し、烏丸や男子生徒たちへ話を振って逃れようとした。しかし美咲と桜が即座に全員を制圧し、晴久は強制的に任務へ参加させられた。

晴久の変装

晴久は黒髪のかつらや顔を隠す布、体格を隠す衣装を身に着け、女性らしく見えるよう細部まで整えられた。南雲が用意した偽装用の胸当ても使われ、外見上は問題なく女子校へ潜入できた。

晴久は校舎近くで標的を待ち構えた。校内の生徒たちは安全上の理由から退避しておらず、窓から退魔師たちの様子を見守っていた。

予定外の標的変更

誘導されてきた生き霊の急所を確認した晴久は、不意打ちで除霊しようとした。しかし生き霊は突然進路を変え、渡り廊下にいた一人の女子生徒を理想の相手だと叫びながら追い始めた。

これまで生徒に危害を加えていなかったため、退魔師たちは対応が遅れた。晴久は女子生徒をかばったものの、反撃できる体勢を作れず、手を引いて校舎内へ逃げ込んだ。

教室への逃走

晴久は女子生徒を連れて生き霊から逃げ続けたが、二階の教室へ追い詰められた。窓からの脱出も難しく、逃げ場を失った二人は教室内で身を隠す方法を探した。

女子生徒は掃除用具入れのロッカーを指し、二人で隠れることを提案した。しかし中は狭く、生き霊を欺けるかも分からない状況であった。

白雪女学院での正体露見

ロッカーへの避難

古屋晴久は小日向静香とともに掃除用具入れへ身を隠し、追ってきた生き霊をやり過ごそうとした。生き霊は二人を見失ったものの周囲を離れず、晴久たちは狭い空間で身動きの取れない状態になった。

晴久は静香との距離があまりにも近いことに動揺し、生き霊たちが彼女の強い魅力に引き寄せられたのではないかと疑った。

小日向静香との会話

静香は晴久が自分を助けた際に負った額の傷を手当てし、互いに名乗った。晴久は正体を隠すため古屋晴子と名乗り、退魔学園の一年生だと説明した。

静香は晴久を頼りになる年上だと思っていたと語り、晴久も彼女の上品で穏やかな振る舞いに好感を抱いた。

髪留めの正体

静香は、晴久が烏丸から渡された髪留めを見て、成人向け作品の特典だと見抜いた。晴久は怪しまれたと焦ったが、静香は逆に作品の内容へ強い興味を示した。

外出を厳しく制限されている静香は、学院外の娯楽へ憧れを抱いていた。晴久は断片的に知っている内容を説明したが、静香は感動的な場面よりも刺激の強い部分を熱心に尋ねた。

女装の発覚

会話に夢中になった静香の身体が晴久に触れ、隠していた男性の特徴に気づいた。静香は確かめるように晴久のかつらと顔を覆う布を外し、彼が男性であることを知った。

男性を極端に危険視する教育を受けていた静香は激しく動揺し、ロッカーから飛び出した。晴久は任務のために潜入したと説明しようとしたが、静香は防犯ブザーを鳴らして助けを求めた。

生き霊の再来

防犯ブザーの音を聞きつけ、生き霊が教室へ突入した。生き霊は静香を標的にして一直線に迫ったため、晴久は彼女を守りながら除霊を試みた。

晴久は生き霊の弱点を突くことに成功したが、同時に反撃を受けて壁へ叩きつけられた。変装用の衣装も破れたものの、生き霊は消滅し、中心となる存在の除霊は完了した。

男性への恐怖

静香は、自分を助けたのが男性だったことに戸惑った。晴久へ謝罪して傷の手当てをしようとしたが、長年植え付けられた男性への恐怖を拭えず、途中で足を止めてしまった。

晴久は任務を終えた一方、正体を知られたことで潜入作戦が露見する危機を迎えた。

白雪女学院事件の異変

静香の介抱

古屋晴久が男性だと知った小日向静香は強い恐怖を示したが、彼が自分を守って負傷したことには責任を感じていた。静香は晴久にかつらと顔を隠す布を着けさせることで恐怖を抑え、震えながらも彼の手当てを続けた。

そこへ退魔師たちと静香の母親が近づいてきたため、静香は晴久を再びロッカーへ隠し、破れた衣装も中へ押し込んだ。

母親の叱責

教室へ駆け込んだ静香の母親は娘の無事を喜び、退魔師たちを別方向へ向かわせた。二人きりになると態度を一変させ、男性を排除した学院の方針を乱したとして静香を責めた。

母親は、静香の容姿や振る舞いが生き霊を引き寄せたと決めつけ、今後の不要な外出を禁じた。さらに週末には家へ戻り、何らかの儀式へ参加するよう命じた。静香は反論できず、母親に従った。

静香への違和感

晴久はロッカーの中から会話を断片的に聞き、母娘の関係が正常ではないと感じた。静香が男性を病的に恐れている理由にも、母親の教育や儀式が関係しているのではないかと疑った。

その後、桜と宗谷美咲が替えの衣服を届けるまで、晴久は静香の様子を気にかけながらロッカーに残った。

生き霊の発生源

翌日、晴久は美咲、烏丸葵とともに白雪女学院へ集まった生き霊の発生源を追った。生き霊は除霊しただけでは再び発生するため、元となった人間を見つけ、生き霊封じの術式を施す必要があった。

美咲が霊力の痕跡を辿り、晴久と烏丸は対象が抵抗した場合に備えて同行した。晴久は静香の母親との会話が気にかかっていたが、学院の霊災相談室へ報告した以上、霊的な異変がなければ介入は難しかった。

静香への疑惑

烏丸は、白雪女学院の周辺でも静香が特に美しい生徒として知られていたと語り、晴久が彼女へ思いを寄せたのではないかとからかった。

美咲も淫魔眼で晴久の内面を確認したが、晴久は静香を心配しているだけだと否定した。美咲はしばらく晴久を観察した後、納得して生き霊の追跡へ戻った。

消えた斉藤

美咲たちは生き霊の発生源である斉藤のアパートへ到着した。しかし本人は不在で、職場の女性によれば二日間無断欠勤し、連絡も取れなくなっていた。

管理人から預かった鍵で室内へ入ると、テレビや照明がついたままで、飲み物や食事、洗濯物も途中の状態で放置されていた。外出した形跡はなく、部屋で過ごしていた人物が突然消えたような状況であった。

ベッドで途切れた痕跡

美咲が追っていた霊力の痕跡は、部屋のベッドの上で突然途切れていた。斉藤の携帯電話や鍵も室内に残されており、自ら外出したとは考えにくかった。

晴久たちは危険を感じて部屋を出て、学院と警察へ報告した。しかし斉藤の行方は分からなかった。

相次ぐ失踪

その後も三人は生き霊の発生源を探し続けたが、対象者の多くが同じように突然姿を消していた。

週明けを迎えても失踪の理由は判明せず、晴久は白雪女学院に集まった生き霊の背後で、より大きな事件が進んでいるのではないかと胸騒ぎを覚えた。

ホテルラプンツェルによる大量失踪

生き霊の発生源の消失

白雪女学院へ生き霊を飛ばしていた人々は、自宅や個室などで霊力の痕跡を突然途絶えさせ、次々と姿を消していた。他の退魔師班も同様の事例に遭遇し、行方不明者は数十人に達していた。

さらに警察によれば、生き霊とは無関係な失踪も急増していた。桜は情報分析と学院の結界再構築に追われ、退魔学園を欠席していた。

小林の欠席

Dクラスでも小林を含む数人が無断欠席していた。昼休みになると、小林の班員たちは連絡が取れないことを不安に思い、古屋晴久へ寮部屋の確認を頼んだ。

晴久たちが合鍵で入室すると、小林の姿はなかった。照明はついたままで、携帯電話や財布、鍵も残されており、部屋で過ごしている最中に突然消えたような状況であった。

ゲームオーバー画面

小林の机には、直前まで一人で娯楽を楽しもうとしていた形跡が残っていた。起動中のパソコンには、以前小林たちが晴久へ紹介したゲーム、ホテルラプンツェルのゲームオーバー画面が表示されていた。

班員によれば、このゲームを配信していた実況者たちは、いずれも終盤で更新を停止していた。さらに本人たちの交流サイトも動かなくなったため、利用者の間では失踪ゲームと呼ばれ始めていた。

学園内の共通点

晴久は小林以外の欠席者についても寮部屋を調べた。その結果、退魔学園で消えた生徒たちの端末にも、すべてホテルラプンツェルのゲームオーバー画面が残されていた。

霊視では異常を確認できなかったが、役目を終えた怪異や呪具から霊的な痕跡が消える例はあった。晴久はゲームが失踪事件の原因だと確信し、早急な対応が必要だと判断した。

全国規模の失踪

晴久が桜へ連絡しようとした直前、葛乃葉楓から電話が入った。楓は晴久へすべての仕事を中止するよう命じ、全国で一万人単位の失踪が発生していると明かした。

原因は現在も配信されているホテルラプンツェルであり、その危険度は最低でも霊級格6と推定されていた。退魔師協会は緊急事態を宣言し、全国から人員を集めていた。

晴久への指名

楓は、十二師天を含む高位の退魔師ではなく、晴久にしかゲームを除霊できない可能性が高いと断言した。

翌日、晴久は宗谷美咲と烏丸葵を伴い、緊急対策本部が設けられた退魔師協会東京南支部へ向かった。しかし美咲の呪われた眼を警戒する協会側は、会議への参加条件として彼女に目隠しを求めていた。

ホテルラプンツェル攻略作戦

目隠しでの会議参加

淫魔眼を持つ宗谷美咲は退魔師協会の関連施設への立ち入りを禁じられていたが、重大事件への参加を認める代わりに目隠しを命じられた。烏丸葵が悪ふざけを始めたため、古屋晴久が美咲の手を取り、自分の肩につかまらせて会議室まで案内した。

会議室には約四百人の退魔師が集められていた。晴久は春ヶ原事件で大勢を特殊能力によって行動不能にした人物として知られており、周囲から強烈な警戒と好奇の視線を向けられた。

監査部の指揮

緊急対策本部では、監査部の多々羅刃とナギサが説明役を務めた。監査部が参加した理由は、今回の事件に霊能力を悪用する組織が関与している可能性が高く、対人霊能組織戦を専門とする彼らの力が必要だったためである。

多々羅刃は、ホテルラプンツェルが最低でも霊級格6に相当する異空間構築型の怪異であると説明した。

ゲーム世界への連れ去り

ホテルラプンツェルは、女性を恋愛対象とする男性だけをゲーム内の異空間へ引きずり込む怪異であった。既に一万人を超える男性が行方不明となっており、女性退魔師はゲームへ入ることができなかった。

ゲーム開始時には、失敗すれば現実へ戻れないことや、誰か一人がクリアすれば囚われた全員が解放されることが明記されていた。しかし警告文がありふれた広告表現に似ていたため、多くの利用者が演出だと誤解して同意していた。

怪異との契約

多々羅刃は、利用者が同意した警告文が怪異との契約として機能していると分析した。怪異は自ら設定した規則へ忠実である場合が多いため、ゲームをクリアすれば全員が解放されるという条件も信頼できる可能性が高かった。

一方で、ゲームの規則そのものが強力な拘束力を持つため、攻略に失敗した者は現実へ戻れなくなっていた。

全滅した先遣隊

協会は事前に五十人の男性退魔師をゲーム内へ送り込み、精神感応術式によって外部から支援していた。しかし先遣隊は全員、開始から三十分以内に失敗していた。

ゲーム内に現れる女性や状況は、参加者それぞれの好みや弱点に合わせて変化していた。そのため経験豊富な退魔師や高齢者でさえ誘惑を避けられず、攻略情報の共有も十分な効果を発揮しなかった。

二つの攻略班

ナギサは、男性退魔師には多々羅刃の指揮下でゲームのクリアを目指させ、女性退魔師には怪異の核や事件を引き起こした組織の捜索を担当させる方針を示した。

一万人規模の人間を消失させる力は個人の能力を大きく超えており、事件は組織的な霊能テロである可能性が高かった。女性班は関係者を徹底的に調べ、男性班は囚われた人々を救うためゲームへ挑むことになった。

地下室の作戦会議

男性退魔師たちは南支部の地下室へ移動し、ホテルラプンツェルが導入された大量のパソコンを前に攻略方法を検討した。怪異によって作られたゲームは削除できず、注意喚起後も新たな利用者が増え続けていた。

男性たちは誘惑への耐性を高める方法や、ゲーム内の相手を無力化して進行する手段について真剣に議論した。しかし経験の有無だけでは攻略能力を判断できず、作戦は早くも難航していた。

ホテルラプンツェルへの突入

晴久の交信役

古屋晴久が他の男性退魔師たちの作戦会議に加われなかったのは、葛乃葉楓、文鳥桜、宗谷美咲、烏丸葵が彼の交信役を巡って集まっていたためである。

ホテルラプンツェルは参加者の好みを反映した女性を出現させるため、晴久は知人に内部の様子を見られることを強く嫌がった。しかし、最も攻略の可能性が高い晴久には優秀な術者が必要だとされ、桜が最初、楓が次の交信役を務め、美咲は予備に回ることになった。

晴久の適性

ゲームでは一度でも誘惑に屈すれば失敗となる一方、出現する女性を先に無力化しなければ進めなかった。性的なものへの関心が薄く、一撃で相手を行動不能にできる晴久は、攻略に最も適した人物と判断されていた。

桜は交信術式を使い、ゲーム内の晴久が見聞きするものを共有できる状態を整えた。怪異の核や事件の黒幕につながる情報を見つけた場合、外部へ報告することも晴久の役目であった。

美咲の不安

美咲は、自分が晴久を直接支援できないことに引け目を感じていた。晴久は、これまで何度も美咲に助けられてきたことを挙げ、今回は能力の相性が悪かっただけだと励ました。

美咲も晴久が毎回傷ついていることを心配し、今回は無理をしないよう求めた。二人のやり取りを聞いた桜は苛立ち、晴久へ早くゲームを始めるよう促した。

想定外の同行者

晴久が警告文へ同意してゲームを開始すると、身体と意識が暗い空間へ引き込まれた。しかし一緒にゲーム内へ吸い込まれたのは晴久だけではなく、美咲と烏丸も同行していた。

女性は入れないはずであり、美咲は警告文へ同意すらしていなかった。外部の桜と楓も動揺したが、楓は交信術式だけは維持するよう桜へ指示した。

晴久は異常事態に混乱しながら、泣きそうな少女が王子を待ち望む声を聞き、そのまま意識を失った。

地下の儀式

現実世界の広大な地下空間では、大勢の女性が男性の排除を叫びながら儀式を行っていた。集団は自らの主張を絶対的な正義と信じ込み、異論を許さない異常な興奮状態に陥っていた。

儀式の中心にある玉座には、小日向静香が座らされていた。静香は身体を覆い隠す衣装を着せられ、周囲の熱狂から取り残されたように深く項垂れていた。

アンドロマリウスの介入

儀式を眺めていたのは、人間の女子生徒に化けた魔族アンドロマリウスであった。彼女は静香から自然に生まれた怪異ホテルラプンツェルを利用し、失踪事件を拡大させていた。

晴久たちがゲームへ入ったこともすぐに察知し、美咲だけでなく烏丸まで取り込まれたことには困惑した。しかし、自分が狙っていた特殊な能力の持ち主たちを捕らえられたことには満足していた。

歪められた正義

静香の母親は、男性が全国で消えているのはアンドロマリウスから授けられた儀式の成果だと信じ、感謝を伝えた。アンドロマリウスは母親たちの主張を肯定し、正義のためなら何をしても許されると煽った。

さらに人外の力で母親の思想を強め、儀式の熱狂を加速させた。その結果、静香の心はますます追い詰められ、ホテルラプンツェルの力も増していった。

アンドロマリウスは、人々の正義感を利用して怪異を育て、晴久たちの能力を奪う計画を進めていた。

第三章 エロゲーの世界へようこそ! 

ホテルラプンツェルへの突入

晴久の交信役

古屋晴久が他の男性退魔師たちの作戦会議に加われなかったのは、葛乃葉楓、文鳥桜、宗谷美咲、烏丸葵が彼の交信役を巡って集まっていたためである。

ホテルラプンツェルは参加者の好みを反映した女性を出現させるため、晴久は知人に内部の様子を見られることを強く嫌がった。しかし、最も攻略の可能性が高い晴久には優秀な術者が必要だとされ、桜が最初、楓が次の交信役を務め、美咲は予備に回ることになった。

晴久の適性

ゲームでは一度でも誘惑に屈すれば失敗となる一方、出現する女性を先に無力化しなければ進めなかった。性的なものへの関心が薄く、一撃で相手を行動不能にできる晴久は、攻略に最も適した人物と判断されていた。

桜は交信術式を使い、ゲーム内の晴久が見聞きするものを共有できる状態を整えた。怪異の核や事件の黒幕につながる情報を見つけた場合、外部へ報告することも晴久の役目であった。

美咲の不安

美咲は、自分が晴久を直接支援できないことに引け目を感じていた。晴久は、これまで何度も美咲に助けられてきたことを挙げ、今回は能力の相性が悪かっただけだと励ました。

美咲も晴久が毎回傷ついていることを心配し、今回は無理をしないよう求めた。二人のやり取りを聞いた桜は苛立ち、晴久へ早くゲームを始めるよう促した。

想定外の同行者

晴久が警告文へ同意してゲームを開始すると、身体と意識が暗い空間へ引き込まれた。しかし一緒にゲーム内へ吸い込まれたのは晴久だけではなく、美咲と烏丸も同行していた。

女性は入れないはずであり、美咲は警告文へ同意すらしていなかった。外部の桜と楓も動揺したが、楓は交信術式だけは維持するよう桜へ指示した。

晴久は異常事態に混乱しながら、泣きそうな少女が王子を待ち望む声を聞き、そのまま意識を失った。

地下の儀式

現実世界の広大な地下空間では、大勢の女性が男性の排除を叫びながら儀式を行っていた。集団は自らの主張を絶対的な正義と信じ込み、異論を許さない異常な興奮状態に陥っていた。

儀式の中心にある玉座には、小日向静香が座らされていた。静香は身体を覆い隠す衣装を着せられ、周囲の熱狂から取り残されたように深く項垂れていた。

アンドロマリウスの介入

儀式を眺めていたのは、人間の女子生徒に化けた魔族アンドロマリウスであった。彼女は静香から自然に生まれた怪異ホテルラプンツェルを利用し、失踪事件を拡大させていた。

晴久たちがゲームへ入ったこともすぐに察知し、美咲だけでなく烏丸まで取り込まれたことには困惑した。しかし、自分が狙っていた特殊な能力の持ち主たちを捕らえられたことには満足していた。

歪められた正義

静香の母親は、男性が全国で消えているのはアンドロマリウスから授けられた儀式の成果だと信じ、感謝を伝えた。アンドロマリウスは母親たちの主張を肯定し、正義のためなら何をしても許されると煽った。

さらに人外の力で母親の思想を強め、儀式の熱狂を加速させた。その結果、静香の心はますます追い詰められ、ホテルラプンツェルの力も増していった。

アンドロマリウスは、人々の正義感を利用して怪異を育て、晴久たちの能力を奪う計画を進めていた。

ホテルラプンツェル攻略の異変

覗き見した二人

廃ホテルの客室を出た古屋晴久は、扉の前にいた宗谷美咲と烏丸葵に遭遇した。二人は亀裂の入った扉越しに、晴久が偽の葛乃葉楓に翻弄されていた一部始終を見ていた。

烏丸は晴久だけがゲーム内で特別な体験をしたことを羨み、美咲は彼が無意識に楓から優しく甘やかされることを望んでいるのだと冷たく追及した。晴久は楓本人に知られることを恐れ、誤解だと必死に訴えた。

宿主の心の声

晴久たちは廃ホテル内の探索を進め、怪異の宿主の内面が記された新たな紙片を発見した。

そこには、男性は危険で排除すべき存在であり、自分の容姿が男性を引き寄せるため自由を与えられないという思いが綴られていた。晴久はその内容に聞き覚えを感じたものの、誰の言葉だったのか思い出せなかった。

険悪な同行

晴久が最初の部屋で対処に遅れたことを、桜と美咲は許していなかった。晴久が雰囲気を和らげようとしても、二人は楓との出来事を持ち出して刺々しい返事を続けた。

晴久は精神的に追い詰められ、普段は問題行動の多い烏丸との会話に安らぎを感じるほどであった。

烏丸の攻略知識

烏丸はホテルラプンツェルを遊んだ経験を生かし、仕掛けや道具の使い方を次々と解明した。桜から送られる攻略情報にも従い、晴久たちはほとんど立ち止まることなく探索を進めた。

女性に襲われる部屋には晴久だけが入ればよいため、三人でゲームへ入れたことは攻略上の利点にもなっていた。

残り十人

ゲーム開始から一時間が経過した時点で、参加した男性退魔師のうち生き残っていたのは、晴久たちを含めて十人だけであった。

事前に十分な対策をした熟練者たちさえ次々と失敗しており、晴久たちがクリアできなければ事件解決の見通しが立たない状況となっていた。晴久は改めて油断できない怪異だと認識した。

二つ目の部屋

烏丸が仕掛けを解いて鍵を入手すると、次に女性との対決が行われる部屋へ進めるようになった。桜は晴久へ、今度こそ迷わず一度で対処するよう命じた。

美咲も次にどのような楓が現れるのかと冷たく問いかけ、晴久へ圧力をかけた。

暴走した烏丸

それまで真面目に攻略していた烏丸は、突然鍵を持って走り出し、自分が先に部屋へ入ろうとした。彼女は事件の危険性よりもゲーム内の体験を優先し、晴久と美咲の制止を振り切った。

烏丸は仲間が事件を解決すると勝手に信じ、扉を開けて一人で部屋へ飛び込んだ。直後に扉は強固に閉ざされ、晴久たちは中へ入れなくなった。

閉ざされた扉

美咲が渡した消防斧でも扉は壊れず、霊的な防御が施されていることが判明した。

晴久は物体にも作用する能力で突破しようとしたが、扉には能力を使うための弱点が存在しなかった。普段なら物体にも見えるはずの弱点が扉だけにないことから、晴久は通常とは異なる仕組みで封じられていると気づいた。

烏丸の脱落と最後の攻略者

異空間の構造

晴久は扉だけでなく周囲の壁や天井にも能力を使うための弱点がないことを確認した。桜は、廃ホテル全体が一つの怪異として成立しており、晴久たちはその内部に閉じ込められているのではないかと推測した。

そのため正規の手順を無視した脱出や、能力による強引な突破はできないと判明した。

烏丸の対戦相手

閉ざされた部屋の中には、拘束された美咲の姿をした偽物が現れていた。烏丸は自分の好みを反映した状況に興奮し、偽物の美咲との勝負を始めた。

本物の美咲は、自分そっくりの存在が利用されている光景に激しく動揺した。晴久も室内を見てしまったため、美咲から責められ、必死に謝罪した。

烏丸の敗北

烏丸は一方的に優勢に見えたが、偽物の反応に自分まで影響され、最後には誘惑へ屈してしまった。部屋は廃墟の状態へ戻ったものの、烏丸は床に倒れて動けなくなった。

直後、床から現れた黒い触手が烏丸を飲み込み、異空間の奥へ連れ去った。扉が開いて次の鍵が現れたことから、晴久たちは烏丸と偽物の勝負が相打ちとして処理されたのだと判断した。

二人きりの探索

晴久と美咲は鍵を回収し、烏丸を置いて先へ進んだ。しかし二人は先ほどの光景を共に見たうえ、美咲が晴久の耳を塞ごうとして密着したこともあり、互いを意識してひどく気まずくなっていた。

桜は場を取り繕うように、帰還後は烏丸を監査部の要注意人物として扱うと告げた。晴久も厳しい処分を望みながら探索を続けた。

静香の罪悪感

新たな紙片には、怪異の核となった少女が、おしゃれや男性との交流を望んだことまで母親へ謝罪する思いが記されていた。

少女は男性への興味を悪いものだと教え込まれ、自分を利用して男性を閉じ込めれば、母親の望みを叶えられると考えていた。その代わり、母親の目が届かない怪異の世界でだけは、自分の願望を満たしたいと望んでいた。

楓との交信

晴久と美咲が気まずさから探索へ集中できずにいると、交信役を桜から引き継いだ楓が二人を叱責した。桜は術式による消耗が激しく、交信を続けられなくなっていた。

楓によれば、ゲーム開始から約三時間が経過し、他の退魔師は全員失敗していた。晴久と美咲だけが、現実へ戻れる可能性を残した最後の攻略者となっていた。

最後の勝負部屋

一度目の対決を突破した退魔師たちも、その後は相手の人数や誘惑の強さが増したことで敗北していた。

前半部分に残された対決はあと一つであったが、そこは事前の攻略情報が存在しない未知の部屋だった。楓は晴久の能力なら突破できる可能性があるとしながらも、油断せず進むよう強く警告した。

第三の勝負部屋

楓の理解

古屋晴久は、第三の勝負部屋でも葛乃葉楓を模した存在が現れることを恐れ、交信中の楓へ先に謝罪した。楓は、無意識の願望を利用する怪異である以上、何が現れても晴久を責めないと告げ、任務へ集中するよう促した。

楓の思いがけない理解に晴久は安堵したが、背後では宗谷美咲が二人のやり取りに不満を募らせていた。

二人の偽物

部屋へ入ると、巨大なベッドの上に南雲睦美と文鳥桜を模した存在が現れた。晴久は楓ではなかったことに安心しかけたが、交信先の楓は彼が二人へ願望を抱いていたことに強い不快感を示した。

さらに美咲も扉の隙間から室内を見つめ、晴久が対処に要した時間を数え始めた。晴久は二人から向けられる圧力に気を取られ、偽桜の接近を許した。

封じられた両手

偽桜は晴久の両手に手錠をかけ、絶頂除霊を使えない状態にした。そのまま偽南雲との接触を強制し、晴久をゲームオーバーへ追い込もうとした。

晴久は身体を自由に動かせなくなったが、指先だけは動かせることに気づいた。そこで手錠に能力を使うための弱点があると考え、背後の偽桜へ触れながら探し始めた。

偽桜の隙

偽桜は晴久の抵抗に反応し、次第に自分の役割へ集中できなくなった。そのため晴久を偽南雲へ押し進める力が弱まり、わずかな猶予が生まれた。

晴久は楓と美咲からの重圧に耐えながら、指先を動かし続けた。やがて手錠の弱点を捉えて能力を発動し、拘束を破壊することに成功した。

別館での再会と記憶の異変

第三の勝負部屋の突破

古屋晴久は拘束を破ると、偽の文鳥桜と南雲睦美を続けて絶頂除霊で無力化した。部屋は廃墟へ戻り、晴久は前半ステージ最後の勝負を突破して鍵を手に入れた。

楓は攻略を評価しながらも、もし晴久が一線を越えていれば厳しく制裁していたと告げた。宗谷美咲も晴久がわざと拘束されたのではないかと疑い、偽南雲の姿を撮影した画像まで持ち出して彼を追い詰めた。

崩落した床

突然、部屋と廊下の床が大きく崩れ、晴久と美咲は暗闇へ落下した。楓との交信も途切れ、二人は離ればなれになった。

意識を失う直前、晴久の頭には、自分以外の少女と一緒にいる彼を責める女性の声が響いた。その声は晴久を以前から知っているかのように語りかけていた。

別館での孤立

目を覚ました晴久は、さらに荒廃したホテルのような場所に一人で倒れていた。そこは本来の経路を通らずに移動させられた別館らしく、天井にも落下してきた痕跡はなかった。

楓との交信は完全に切れており、一緒に落ちた人物の名前さえ思い出せなくなっていた。紙片に記されていた言葉の出所を思い出せなかったことと同じく、晴久の記憶には不自然な欠落が生じていた。

失敗者の怪物

近くから悲鳴を聞いた晴久は、声の方向へ駆けつけた。そこには多数の触手を生やした怪物がおり、その表面には小林をはじめ、ゲームに敗れた男性たちの顔が次々と浮かんでいた。

晴久は、ゲームオーバーになった者たちが怪物へ取り込まれている可能性を察した。襲われていた人物を守るため怪物へ絶頂除霊を放ったが、怪物は危険な液体をまき散らしながら暴れ始めた。

小日向静香の救出

晴久が救った相手は、小日向静香であった。晴久は静香の手を取って怪物から離れたが、落ち着いた静香は彼が男性であることを思い出し、強い恐怖から距離を取った。

静香は助けられたことへ感謝しながらも、男性の近くにはいられないと謝罪した。晴久は彼女を守るには近くで行動する必要があるため、別の方法を考えた。

再びの女装

晴久は客室に残されていた女性用の制服と黒髪のかつらを身につけた。女装した晴久を見た静香は緊張を和らげ、笑いながらも彼へ近づけるようになった。

静香は晴久の手を握り、これなら大丈夫だと告げた。二人は互いに落ち着きを取り戻し、別館の探索を始めた。

失われた記憶

晴久は歩きながら、静香が自分の名前を知っていることに違和感を抱いた。これまで女装せずに彼女とゲームを攻略してきた記憶も、正式に名乗った記憶も存在しなかった。

晴久が矛盾に気づいた瞬間、静香は余計なことを思い出してはいけないと囁いた。その言葉に晴久は強い寒気を覚え、彼女が単なる被害者ではない可能性を察した。

出口に潜む罠

怪物からの逃走

古屋晴久と小日向静香は、別館を探索する途中で異形の怪物に何度も襲われた。怪物にはゲームに敗れた男性たちが取り込まれており、晴久は静香を守りながら客室や衣装棚へ逃げ込み、追跡をやり過ごした。

狭い場所に隠れるたび、静香は男性である晴久への恐怖と、彼を頼りたい気持ちの間で揺れていた。

王子様への憧れ

静香は、自分を守りながら進む晴久を絵本の王子様のようだと評した。晴久は大げさだと否定したが、静香は怪物から助け、先へ導いてくれる彼に強い信頼を寄せていた。

一方、静香は学院の外で自由に遊べなかったため、密かにゲームを楽しみ、謎解きにも慣れていた。刺激の強い作品への興味を明かすと、晴久に嫌われるのではないかと怯えたが、否定されて安堵した。

別館の出口

二人は集めた道具で通路を塞ぐ鉄板を外し、別館の玄関へ到達した。扉の先には庭園と街道が広がっており、晴久はようやくゲームを攻略できたのではないかと考えた。

静香は嬉しそうに晴久の手を引き、出口へ向かおうとした。

遠くからの呼び声

そのとき、ホテルの奥から晴久を呼ぶ聞き覚えのある声が響いた。晴久が立ち止まると、静香はその声を脱出を妨げる偽物だと決めつけ、強引に外へ連れ出そうとした。

晴久は静香の急な態度に違和感を覚え、玄関脇に残されていた新たな紙片を見つけた。

静香の箱庭

紙片には、男性を恐れながらも、自分を利用せず、守り、閉ざされた場所から救ってくれる相手を求める少女の願いが記されていた。

少女はそのような王子様と、母親たちの目が届かない美しい城で、二人きりのまま永遠に暮らしたいと望んでいた。

晴久は、目の前の出口が現実への脱出路ではなく、静香が自分を閉じ込めるために作った箱庭へ続いている可能性に気づいた。

小日向静香の救出

美咲との再会

古屋晴久が小日向静香と出口へ向かっていると、別行動になっていた宗谷美咲が姿を現した。その瞬間、晴久は自分が美咲と一緒にゲームへ入ったことを思い出し、静香と行動していた記憶が不自然に作られたものだと気づいた。

美咲は静香を危険な存在だと警告し、晴久を引き離そうとした。

静香の怪異化

静香は晴久を箱庭へ連れていこうとし、その身体から無数の黒い触手を出現させた。晴久の記憶を曇らせ、彼を自分だけの王子様として閉じ込めようとしていたのである。

晴久は、探索中に拾った紙片の内容がすべて静香の心情を表していたと理解した。男性への恐怖、自由を求める気持ち、過度な罪悪感は、白雪女学院で見た静香の言動と一致していた。

静香の内面世界

触手に取り込まれた晴久は、静香の記憶と感情が形になった光景を見た。そこでは静香の母親を中心とする女性たちが、男性や性的な表現を絶対的な悪と決めつけ、静香へ繰り返し否定の言葉を浴びせていた。

母親は静香の容姿や興味まで罪だと教え込み、男性と接したいという自然な願いを抑圧していた。静香は長年の責めを受け、自分は悪い子だから何も望んではならないと思い込んでいた。

怪異を育てる少女

儀式の傍らには、異様な雰囲気を持つ女子生徒がいた。その少女は静香に怪異を生み出す素質があると見抜き、母親たちの思想を正義だと肯定していた。

少女は目的のためなら実の娘を犠牲にしても構わないと母親を煽り、静香の心を意図的に追い詰めていた。ホテルラプンツェルは、こうした抑圧によって発生し、強化された怪異であった。

静香の本心

晴久の意識へは、静香が自分を責め続ける声が流れ込んだ。しかしその奥には、今いる場所から逃げたい、誰かに助けてほしいという小さな願いが隠されていた。

晴久は、静香が自分と永遠に閉じこもりたいと望んでいるのではなく、本心では母親たちの支配から救い出されることを求めていると悟った。

美咲の救出

晴久が静香の怪異に完全に取り込まれかけた瞬間、美咲が消防斧で触手を切断した。晴久は粘液にまみれながら廃ホテルへ戻され、静香から引き離された。

美咲は晴久が怪異に敗れたのではないかと疑ったが、淫魔眼で確認し、彼がまだゲームオーバーになっていないと理解した。

救出への決意

晴久は美咲に、静香を倒すのではなく助けると告げた。静香はその言葉に反応したものの、自分は悪い子だから救われてはいけないと叫び、さらに大量の触手を生み出した。

晴久と美咲は一度距離を取り、追跡から逃れた。晴久は静香の言葉が母親によって歪められたものだと断じ、本人の意思に関係なく救い出すと決意した。

晴久はゲームから脱出するだけではなく、怪異を倒して囚われた静香を解放することこそ、本当の攻略だと考えた。

第四章 覚醒の喘ぎ声 

挟み撃ちの窮地

静香の追跡

古屋晴久と宗谷美咲は、小日向静香から伸びる大量の触手に追われ、廃ホテル内を逃げ回った。静香は晴久へ執着し、彼を自分のもとへ取り込もうとしていた。

美咲は、静香が晴久へ強い思いを抱いていることを淫魔眼で読み取り、二人が離れていた間に何があったのかと問い詰めた。晴久は記憶を操作されていたと説明したが、美咲の疑念を完全には解けなかった。

異空間の妨害

逃走中、扉や床、天井が突然動き、二人の進路を妨げ始めた。ホテルラプンツェル全体が静香の意思に従い、晴久たちを追い詰めていると考えられた。

美咲は結界や攻撃術式を放ったが、強大な異空間の前ではほとんど効果がなかった。静香自身の霊格はそれほど高くないものの、大部分の力が異空間の維持に使われているため、正面から近づくことも困難であった。

使えない強化能力

晴久は、自分の身体に能力を使って身体能力と思考力を高める方法を考えた。しかしホテルラプンツェルでは、理由を問わず一度でも条件を満たせばゲームオーバーになる可能性があった。

外部との通信も途切れているため、安全を確認する方法はなかった。晴久は危険な強化能力を使えず、美咲の術式も通じないまま、別の手段を探すことになった。

静香を救う意志

晴久は、自分たちが敗れること以上に、怪異によって歪められた静香が取り返しのつかない行動へ進むことを恐れた。

静香の願望は母親たちに植え付けられた罪悪感と抑圧によって変質したものであり、その状態で晴久を取り込ませるわけにはいかなかった。晴久は彼女をこれ以上傷つけないためにも、必ず救い出すと決意した。

失敗者の怪物

静香の触手から放たれた粘液を浴び、晴久と美咲は足元を取られて速度を落とした。その直後、進行方向からゲームに敗れた男性たちが融合した怪物が現れた。

背後には静香、前方には異形の怪物が迫り、二人は完全な挟み撃ちに陥った。

小日向静香の解放

烏丸の抵抗

古屋晴久と宗谷美咲は、小日向静香と異形の怪物に挟まれ、近くの客室へ逃げ込もうとした。しかし前方の怪物から烏丸葵の顔が現れ、白雪女学院の生徒を拘束したいという執念によって怪物を内側から操り始めた。

烏丸は光縄乱緊縛を発動し、静香と大半の触手を拘束した。その常軌を逸した執念に晴久と美咲は呆れながらも、反撃の好機を得た。

静香への突進

晴久は静香本体へ接近し、美咲は式神と護符で援護した。拘束を逃れた触手が次々と晴久へ迫ったが、美咲の式神が身代わりとなり、爆破魔札も一瞬の目くらましを生んだ。

晴久はその隙に静香へ抱きつき、背後に隠れていた能力の急所を発見した。

歪んだ願いの除霊

静香は晴久を自分の世界へ閉じ込めようとしたが、晴久は外の広い世界を見られるよう力になると告げた。そして母親から植え付けられた罪悪感と歪んだ願いを忘れさせるため、絶頂除霊を発動した。

静香の身体と触手は激しく震え、やがて力を失った。晴久を拘束していた触手も地面へ落ち、ホテルラプンツェル全体が崩壊を始めた。

異空間の消滅

静香の除霊が完了すると、烏丸が操っていた怪物も霧散した。内部に取り込まれていた男性たちは解放され、烏丸も不満を漏らしながら光の中へ消えていった。

晴久は倒れかけた静香を抱き留めた。異空間の崩壊によって、囚われていた人々は現実へ戻れる見込みとなった。

美咲の追及

美咲は、晴久が静香を抱き続けていることへ不満を示し、耳を引っ張って引き離そうとした。さらに静香が以前晴久へ触れた場所について問い詰め、淫魔眼で真相を確認しようとした。

晴久が必死にごまかしていると、意識の薄い静香が彼の服を掴んだ。

静香の疑問

静香は、自分が悪いのになぜ助けたのかと弱々しく尋ねた。母親たちから自分には救われる資格がないと思い込まされていたため、晴久が危険を冒してまで手を差し伸べたことを理解できずにいた。

ホテルラプンツェル事件の黒幕

静香への誓い

小日向静香は怪異を除霊された後も苦しみ、自分のような人間がなぜ助けられたのかと涙を流した。古屋晴久は宗谷美咲に、静香が母親たちによって意図的に追い詰められ、怪異を発症させられた経緯を説明した。

晴久は、静香を異常な環境へ追い込んだ大人たちこそ責任を負うべきだと憤った。そして静香が自分を責めず、男性への恐怖を克服して広い世界を見られるようになるまで支えると約束した。

美咲の笑顔

晴久の言葉を聞いた美咲は、当初は彼の除霊能力を目的にチームを組んだものの、今では能力に関係なく晴久と組めてよかったと思っていると告げた。

美咲の素直な笑顔に晴久は動揺したが、彼女はすぐに晴久の服装をからかい、普段の調子へ戻った。

現実への帰還

ホテルラプンツェルの崩壊が進むと、晴久の服装はゲームへ入る前の制服へ戻った。晴久たちは現実へ帰還し、静香の検査と今後の保護について相談するつもりでいた。

しかし目を覚ました場所は退魔師協会ではなく、静香が怪異を発症させられた地下室であった。晴久たちは、静香とともにいた影響で帰還地点を変えられたのではないかと考えた。

地下室の少女

晴久が楓や桜へ連絡しようとすると、暗闇から一人の女子生徒が現れた。少女はホテルラプンツェルから解放された際の座標を操作し、晴久たちを小日向家の地下へ誘導していた。

少女は晴久と美咲を特殊な力の持ち主だと見抜き、退魔師協会や神族に気づかれる前に連れ去ろうとした。

二つの弱点

晴久は少女が静香の母親を扇動していた人物だと気づき、能力を使って捕らえようとした。しかし少女の身体には、通常一つしかないはずの弱点が二つ存在していた。

複数の弱点を持つのは、極めて強力な怪異や怨霊に限られていた。晴久は、目の前の少女が人間とは比較にならない存在だと悟った。

人外の正体

美咲が淫魔眼で少女を視ると、人間ではあり得ないほど長い年月と異常な情報が読み取られた。少女は人間の霊視を欺ける肉体を使っていたが、美咲の眼だけはその偽装を見抜いていた。

少女が正体を隠すのをやめると、地下室には桜へ怪異を植え付けた存在と同じ異質な瘴気が満ちた。

アンドロマリウス

晴久は、少女こそロリコンスレイヤー事件で桜を苦しめた魔族だと確信した。桜が今も抱えている恐怖を思い出し、怒りを支えに少女へ立ち向かった。

少女は晴久の怒りを意に介さず、自らをアンドロマリウスと名乗った。彼女は人間が掲げる正義を利用し、人々を扇動することを得意とする魔族であった。

アンドロマリウスとの対決

魔族の目的

アンドロマリウスは、古屋晴久と宗谷美咲が持つ呪いを調べ、二人を密かに連れ去るために一連の事件を仕組んだと明かした。ロリコンスレイヤーを利用して文鳥桜を襲わせ、小日向静香の周囲にも働きかけ、ホテルラプンツェルを強力な怪異へ育てていた。

晴久は、桜や静香が傷つけられたのは自分たちの力を狙う魔族の計画だったと知り、激しい怒りを抱いた。

正義を利用する趣味

晴久が回りくどい手段を取った理由を問うと、アンドロマリウスは最大の理由を自分の趣味だと答えた。

魔族は人間の負の感情を糧としており、アンドロマリウスは特に正義感を煽ることを好んでいた。正義を信じ込んだ人間が倫理や良心を失い、他者を攻撃することで生まれる苦痛や憎悪を楽しんでいたのである。

静香の母親にも元からあった思想を増幅させ、娘を追い詰めて強力な怪異を生み出させていた。

晴久の突撃

晴久はアンドロマリウスの言葉を遮り、桜と静香を傷つけた報いを受けさせるため攻撃を決意した。美咲に援護を頼み、自ら相手へ向かって走り出した。

しかしアンドロマリウスは一瞬で晴久の背後へ移動し、美咲と四体の式神を無力化した。美咲は術式によって空中に拘束され、晴久は魔族との圧倒的な実力差を見せつけられた。

快楽点ブースト

晴久は迷う余裕がないと判断し、自分の能力を使って思考と動きを最適化した。強化された状態でアンドロマリウスの弱点を狙ったが、相手の速度には追いつけなかった。

さらに瘴気を凝縮した攻撃を受け、晴久は連続する爆発によって全身を傷つけられた。能力を使っても、晴久自身の身体能力や霊力が高まるわけではなく、人間として可能な最善を実行できるだけであった。

圧倒的な実力差

アンドロマリウスは、人間がどれほど最善を重ねても魔族には勝てないと告げた。それでも晴久は再び能力を使おうとしたが、手を踏みつけられて阻止された。

晴久が挑発を続けると、苛立ったアンドロマリウスは彼を強く蹴り飛ばした。晴久は重傷を負って動けなくなり、美咲と同じように空中へ拘束された。

負の感情の糧

アンドロマリウスは晴久へ近づき、桜や静香を傷つけた自分への怒りを面白がった。

優しい人間ほど、愛情を傷つけられた際に強い悲しみや憎しみを生むため、自分にとって好ましい存在なのだと語った。晴久は抵抗できないまま睨みつけることしかできず、アンドロマリウスは彼の負の感情を楽しんでその場を離れた。

銀髪の少女の顕現

連れ去りの準備

アンドロマリウスは古屋晴久と宗谷美咲を拘束し、誰かに気づかれる前に連れ去ろうとした。彼女は報酬として得る力を使い、さらに各地の対立や正義感を煽る計画を楽しげに語った。

晴久は抵抗する術を失い、連れ去られるしかないと諦めかけた。

両手からの気配

そのとき、晴久の両手から謎の声が響いた。アンドロマリウスはそこに自分の嫌う存在の気配を感じ取り、初めて明確な警戒を見せた。

晴久の両手から白い霧が溢れると、周囲の瘴気は浄化され、晴久と美咲を拘束していた術式も砕け散った。床へ落ちた衝撃で美咲も意識を取り戻した。

銀髪の少女

晴久の指先から噴き出した白い霊的物質は、人の姿を形作った。現れたのは、これまで晴久の夢や意識の中に現れていた銀髪と褐色の肌を持つ少女であった。

少女は晴久を宿主と呼び、魔族に狙われている以上は助ける必要があると告げた。晴久にも美咲にもその正体は分からず、アンドロマリウスも少女から漂う異質な気配に困惑した。

両腕への同化

少女は説明するだけの力が残っていないとして、自らの両腕を晴久の両手へ同化させた。晴久の手には強大な力が満ち、傷ついた身体にも再び活力が戻った。

少女は晴久の背後から身体を重ねるようにして両腕を操り、アンドロマリウスとの戦闘を開始した。

消滅した攻撃

アンドロマリウスは強力な負のエネルギーを放ったが、少女に操られた晴久の両手はその攻撃自体を絶頂除霊で消滅させた。

少女は、晴久の両手にはあらゆるものへ作用する力があると説明した。アンドロマリウスは予想外の能力に動揺し、無数の攻撃を放って晴久を近づけまいとした。

異様な突進

少女は晴久の両腕を床へ叩きつけ、その反動だけで身体を高速移動させた。晴久は自分の意思とは無関係に敵の攻撃をかわし、瞬く間にアンドロマリウスの足元まで接近した。

アンドロマリウスは晴久を踏みつけようとしたが、自分には見えない弱点を狙われることを恐れ、直前で体勢を崩した。

魔族への一撃

少女は弱点を狙う動きを囮にして、隙を見せたアンドロマリウスへ晴久の拳を叩き込んだ。

その一撃は人間離れした威力を発揮し、アンドロマリウスの身体を天井まで吹き飛ばした。魔族は天井を突き破ってさらに上方へ飛ばされ、晴久は予想を超える力に驚きながら、美咲と小日向静香の無事を確認しようと振り返った。

ミホトの正体と魔族への反撃

ミホトの名

銀髪褐色の少女は、長い眠りによって記憶が欠けており、自分の正体を詳しく説明できないと語った。ただし名前だけは覚えており、ミホトと名乗った。

ミホトは空腹を訴えながら、吹き飛ばしたアンドロマリウスへ追撃を仕掛けようとした。

小日向邸の包囲

その頃、小日向静香の実家周辺には、数百人規模の退魔師が展開していた。捜査を指揮するナギサは、白雪女学院の霊災相談室に不審な記憶封印が施されていたことから、小日向邸を事件の中心と断定していた。

封じられていた記憶には、静香に強力な怪異が宿っていた事実が含まれており、その封印からは文鳥桜を襲った魔族と同じ気配が検出されていた。

晴久を捜す楓と桜

ホテルラプンツェルに囚われていた者たちが次々と帰還する中、古屋晴久と宗谷美咲だけは行方不明のままであった。

葛乃葉楓と桜は晴久の安否を案じながら、小日向邸の包囲作戦に参加していた。宗谷家の当主や楓の祖母も応援に向かっており、作戦本部は増援の到着を待っていた。

上空へ現れた二人

突然、小日向邸から轟音とアンドロマリウスの悲鳴が響き、強烈な瘴気が噴き出した。続いて、ミホトに両腕を操られた晴久が、魔族を追って上空へ飛び出した。

ナギサはミホトから、以前晴久を霊視した際に感じた異質な気配を察した。しかし、そのときには存在を確認できなかったほど強大なものが顕現した事実に衝撃を受けた。

楓もミホトを見た瞬間に顔色を失い、懐に隠した何らかの術式を強く握り締めていた。

魔族の大技

追い詰められたアンドロマリウスは、自分が人間に祓われるはずがないと叫び、街全体を巻き込みかねない膨大なエネルギーを集めた。

ナギサは周囲の退魔師へ防御を命じたが、アンドロマリウスは怒りに任せて晴久たちへ攻撃を放った。

無効化された一撃

ミホトに操られた晴久の両手は、放たれた巨大なエネルギー弾を能力で消滅させた。晴久とミホトは勢いを落とさずアンドロマリウスへ接近し、二つある弱点を同時に狙った。

右手はアンドロマリウスの頬を捉え、晴久は桜と静香を傷つけた報いとして二度目の一撃を与えた。

地下室への落下

能力を受けたアンドロマリウスは行動不能となり、小日向邸の地下室へ落下した。晴久も続いて落ちたが、ミホトの力で衝撃を抑え、無事に着地した。

地下室では美咲が驚愕する中、アンドロマリウスが能力の影響で動けずにいた。晴久たちは、圧倒的だった魔族へ初めて決定的な反撃を与えることに成功した。

ミホトの暴走と美咲の異変

アンドロマリウスの逃走

アンドロマリウスは能力の影響で動きを乱しながらも、あらかじめ開いていた空間の裂け目へ逃げ込んだ。彼女は晴久たちへの報復を宣言し、完全に除霊される前に姿を消した。

ミホトは弱点を一つしか突けなかったことを悔しがったが、晴久は魔族を退けられたことに安堵した。

ミホトへの感謝

晴久は、正体不明ながらこれまで何度も助けてくれたミホトへ礼を伝えた。しかしミホトは不足したエネルギーを補うため、晴久の意思を無視して能力を使い始めた。

晴久は連続して力を受け、疲労と倦怠感によって動けなくなった。ミホトは晴久から得たエネルギーだけでは足りないとして、次に美咲へ狙いを定めた。

封印されていた存在

晴久は、養父が本当に封じていたものは絶頂除霊そのものではなく、ミホトだったのだと理解した。楓が定期的に封印を確認していたのも、ミホトの顕現を防ぐためだったと考えられた。

しかし封印は既に解けており、晴久にはミホトの行動を止める手段がなかった。

美咲にない弱点

ミホトは美咲の全身を調べたが、能力を使うための弱点を見つけられなかった。無機物や術式にさえ存在するはずのものが、美咲には一つもなかったのである。

晴久は美咲が直接能力を受けずに済むと安堵したが、ミホトは別の方法でエネルギーを得ようと考えた。

強引な接触

ミホトは晴久の両手を操り、美咲へ身体的な接触を始めた。晴久と美咲は必死に制止したが、ミホトは本気で嫌がる相手からは十分なエネルギーを得られないと述べ、美咲の反応を確かめるように接触を続けた。

美咲は激しく否定しながらも次第に力を失い、晴久との距離が近づくにつれて動揺を深めた。

美咲から溢れた霊力

ミホトの行動がさらに進みかけた瞬間、美咲の身体から眩い光が放たれた。

それは晴久にも見えるほど強大な霊力であり、霊力量が低いはずの美咲から発生したとは考えにくい規模であった。晴久だけでなくミホトも驚き、行動を止めて美咲の異変を見つめた。

ミホトの再封印と事件後の混乱

四体の守護獣

宗谷美咲の身体から五枚の護符が現れ、一枚が小日向静香を守る結界を張り、残る四枚から青龍、玄武、朱雀、白虎が出現した。

従来の小さな式神とは異なり、四体は圧倒的な霊力を持つ守護獣であった。白虎は古屋晴久とミホトを美咲から引き離し、四体による結界で二人の動きを完全に封じた。

美咲の術式解析

美咲は意識を失ったような状態で晴久の両手に触れ、養父が施した封印術式を瞬時に解析した。

封印は晴久自身の霊力も利用し、内側と外側の双方からミホトを抑えていた。美咲はその構造を組み直し、顕現したミホトを晴久の両手へ再び吸収させた。

さらに封印の要である銀の十字架付きの腕輪へ霊力を流し、晴久の両手へ装着した。これによってミホトの気配は完全に消えた。

美咲の昏睡

再封印が完了すると、四体の守護獣は護符へ戻り、美咲から溢れていた膨大な霊力も消失した。

美咲はその場に倒れたが、危険な状態ではなく、静かな寝息を立てて気を失っていた。晴久も心身の限界を迎え、駆けつけた退魔師たちの気配を感じながら意識を失った。

解呪への危機感

晴久は、魔族が自分たちの呪いを狙い、周囲の人間まで巻き込んでいることを深刻に受け止めた。

特に絶頂除霊には、空腹を理由に周囲へ危害を加えかねないミホトが宿っていた。美咲が封印し直さなければ被害はさらに広がっていた可能性があり、晴久は一刻も早く呪いを解かなければならないと決意した。

楓の検査

数日後、回復した晴久の病室へ葛乃葉楓が現れ、封印が解けた経緯と銀髪の少女について説明を求めた。

楓が両手を霊視すると、養父の術式と同じ構造でありながら、別人が施したように変化していることが判明した。晴久が美咲による再封印だと説明すると、楓は強い衝撃を受けた。

事件の報告

晴久は、魔族アンドロマリウスが静香の怪異化を仕組み、自分と美咲の呪いを狙っていたことを説明した。

さらにミホトが両手から現れてアンドロマリウスを撃退し、その後に暴走したミホトを美咲が封印したことも伝えた。再封印後も絶頂除霊は使えたが、ミホトの声は聞こえなくなっていた。

協会の判断

話を聞いていた監査部部長のナギサは、晴久の説明が現場で感じた気配と一致していると認めた。

しかし魔族に狙われる特殊な力を持つ晴久と美咲を、退魔師協会が今後どのように扱うかは不明であった。ナギサは結論が出るまでは従来通り過ごすよう告げ、病室を去った。

楓の動揺

晴久は、美咲が封印を管理できるようになれば楓の負担も軽くなるのではないかと提案した。しかし楓は、役目を奪われることを恐れたかのように傷ついた表情を浮かべた。

美咲が目覚めたとの知らせを受けて晴久が病室を出ようとすると、楓は引き止めかけた手を抑え、早く美咲のもとへ行くよう冷たく促した。晴久は楓の様子を案じ、何かあれば相談するよう伝えてから立ち去った。

美咲の拒絶

晴久が美咲の病室へ駆けつけると、美咲は彼の顔を見た瞬間に事件中の出来事を思い出した。

美咲は激しく動揺して晴久を平手打ちし、室内の物を投げつけて追い出した。その後、退院するまで晴久との面会を拒み続けた。

晴久は、呪いを巡る危機が深まる中で、美咲との協力関係まで壊れかねない状況に陥り、今後の解呪がさらに困難になったと感じていた。

エピローグ 

小日向静香のアフターケアと本免許の保留

ホテルラプンツェル事件の後始末

ホテルラプンツェルに囚われていた人々は全員救出され、小日向静香の容体も安定していた。怪異を強化する儀式に参加した静香の母親たちは拘束され、魔族の影響を受けていた点を考慮されながらも、取り調べと浄化を受けることになった。

静香の親権は離婚していた父親へ移され、彼女は母親の支配から離れて暮らし始めた。長年染みついた自責や男性恐怖症は残っていたが、怪異の再発防止を兼ねた治療も進められていた。

静香に残った異能

静香には、強力な怪異を発症した後遺症として残留怪異が残っていた。その能力は、周囲で不適切な願望を抱いた男性へ激痛を与えるものであり、恐怖心が強まるほど範囲と威力も増していた。

能力を制御するには男性恐怖症を軽減する必要があり、静香本人の希望によって古屋晴久がケアの相手に選ばれた。晴久は静香が男性と接しやすいよう、再び女装して彼女の滞在先を訪れた。

静香の積極的な接近

晴久の女装姿を見た静香は安心し、自ら抱きついて男性の身体へ慣れようとした。しかし彼女の行動は必要な訓練の範囲を越えており、晴久は慌てて制止した。

その最中、静香を狙う男性の生き霊が屋敷へ接近した。静香が恐怖を感じると残留怪異が発動し、生き霊たちは一斉に無力化された。晴久は能力の危険性を改めて実感した。

静香の本心

静香は周囲への迷惑を減らすためだと主張し、晴久との急激な接触によって男性恐怖症を克服しようとした。しかし晴久は、彼女がアフターケアを口実に自分へ近づこうとしているのではないかと指摘した。

静香は否定せず、怪異の中で自分を救うために戦い、純粋に怒ってくれた晴久だからこそ特別な相手に選んだと明かした。晴久はその感情が救出時の刷り込みに近いものだと考え、安易に応えるべきではないと判断した。

静香の自制

晴久が苦し紛れの嘘で逃れようとすると、静香はすぐに見抜き、逆に彼を追い詰めた。しかし最後には、無理に接触することは正しくないと認め、その日は引き下がった。

それでも静香は、男性恐怖症が治るのと晴久が自分を意識するのはどちらが先かと問い、今後も彼をアフターケアの相手に指名すると告げた。晴久は、守られるだけだった静香が意外なほど積極的で強かな一面を持っていたことを知った。

美咲との険悪な関係

数日後、退魔学園では本免許の査定発表が近づいていた。宗谷美咲はホテルラプンツェル事件と魔族撃退の実績から、本免許の取得を期待していた。

しかし美咲は、ミホトに操られた晴久から受けた行為を思い出すたびに動揺し、彼を近づけようとしなかった。晴久は誤解を解いて以前の関係へ戻ろうとしたが、美咲は烏丸葵の陰へ隠れて拒絶した。

広がった誤解

晴久と美咲の不仲は周囲にも広まり、烏丸や文鳥桜、クラスメイトたちは晴久が美咲へ問題行動を取ったと思い込んでいた。

晴久は仕事や解呪の協力関係への影響を心配したが、美咲には話を聞いてもらえず、状況を改善する手段を見つけられなかった。

本免許への停止命令

査定の結果、晴久、美咲、烏丸の三人には本免許が交付される予定であり、葛乃葉楓に並ぶ早さの記録となっていた。

ところが交付直前になって、何者かから停止命令が出された。抗議する美咲の前に黒猫の式神が現れ、その声の主が宗谷家当主であり、現役の十二師天でもある美咲の母親だと判明した。

宗谷家の試験

美咲の母親は、本免許を正式に受け取る前に、三人そろって宗谷家へ戻るよう命じた。

そこで美咲が本家を継ぐにふさわしい仲間と出会えたかを試験し、結果次第では三人の本免許交付を取り消すと告げた。黒猫は特に晴久を値踏みするように見つめ、宗谷家による新たな試練の始まりを示した。

エピローグ 2 

楓の嫉妬と自責

校舎裏の自己嫌悪

退魔学園が査定発表に沸く中、葛乃葉楓は人気のない校舎裏で一人、自らの感情を責めていた。

古屋晴久が宗谷美咲とチームを組んだときや、ホテルラプンツェルで自分以外の女性を具現化したとき、美咲が晴久の封印を更新したとき、楓は明らかな嫉妬を抱いていた。その感情に振り回された結果、定期検診で封印の異常を見逃し、ミホトの存在にも気づけなかったのではないかと考えていた。

祖母からの連絡

楓のもとへ祖母から連絡が届き、十二師天の会合で晴久の今後について協議されることが知らされた。

魔族まで関与した以上、晴久の存在をこれ以上隠し通すことはできず、会合の結論によっては一部の十二師天が過激な行動に出る可能性もあった。祖母は日程が決まり次第、晴久にも心の準備をさせるよう楓へ求めた。

抑え込まれた思慕

楓は、自分には晴久へ嫉妬する資格などないと改めて思い込んだ。

晴久が絶頂除霊に魅入られ、危険な立場へ追い込まれた原因は自分の不注意にあると考えていたためである。楓は募る思いを自責の念で押し込め、晴久へ感情を見せない業務連絡のようなメールを送った。

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