小説「キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える 3」感想・ネタバレ

小説「キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える 3」感想・ネタバレ

Table of Contents

どんな本?

本作は、銀河大帝国を舞台に、傭兵として生計を立てるジョン・ウーゾスの物語である。彼は「オタク」「モブ」を自認し、「分不相応・役者不足・身の程を弁える」を信条としている。目立たぬよう日々を過ごそうとするが、彼の卓越した能力が周囲の注目を集め、予期せぬ事態へと発展していく。

主要キャラクター
• ジョン・ウーゾス:騎士階級の傭兵。高校時代の事件と父の借金・リストラを機に傭兵となる。時間がある時にはライトノベルを愛読する。 
• フィアルカ・ティウルサッド:司祭階級の女傭兵で、「女豹」の異名を持つ。ジョンの実力を認めつつも、彼が昇級に興味を示さない態度を快く思っていない。 
• スクーナ・ノスワイル:レースチーム『クリスタルウィード』の女性エースパイロット。同性からの人気が高く、ジョンを度々チームに誘っている。 
• ロスヴァイゼ:意思を持つ古代兵器の小型戦闘艇。金髪碧眼の美女のアバターを持ち、ジョンに乗り換えを提案することが多い。 
• ゴンザレス・パットソン:闇市商店街で薬剤師兼情報屋を営む、ジョンの高校時代からの友人。事故で女性型義体に入れられ、現在もその姿で生活している。 

物語の特徴

主人公が目立たぬ「モブ」として生きようとする一方で、その卓越した能力が周囲の注目を集め、意図せず事件に巻き込まれていく点が特徴である。スペースオペラの世界観の中で、地味ながらも確実に任務を遂行する主人公の姿勢が、他の作品と一線を画している。 

出版情報
• 出版社:オーバーラップ 
• レーベル:オーバーラップノベルス 
• ISBN:978-4-8240-0889-3 
• 発売日:2024年10月25日 
• 価格:1,430円(税込) 

読んだ本のタイトル

キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える 3
著者:土竜 氏
イラスト:ハム  氏

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あらすじ・内容

銀河大帝国――人類が生息可能な惑星のある宙域の7割を国土としている大国でジョン・ウーゾスは、傭兵を生業としていた。
「オタク」「モブ」を自認している彼は「分不相応・役者不足・身の程を弁える」をモットーにし、惑星テウラでのテロリスト掃討作戦を完遂した。
そして、そんな彼に新たな災難の影が――
「なんであんたがあんなに報酬をもらってるのよ!?」
頭がピンクの没落貴族様に絡まれたり。
「動くな侵入者。動けば殺す」
パッチワーク号が破壊され、逃げ込んだ洞窟では“意思のある古代兵器”ロスヴァイゼの姉・ゲルヒルデに銃口をつきつけられたり。
災難続きのウーゾスだが、偶然出会った超高性能な古代兵器。当然、彼がとる行動は……!
「だが断る! そういう船は、イケメンで主人公属性の奴が乗るのが正しいお!」
実は超有能なモブ傭兵による、無自覚爽快スペースファンタジー。第3幕!

キモオタモブ傭兵は、身の程を弁(わきま)える 3

感想

ウーゾスが再び波乱に巻き込まれる第三幕。
今回も様々な災難が彼を襲いながらも、淡々と対処する姿が印象的であった。
特に、ピンク頭の没落貴族・アコ・シャンデラの横暴ぶりは目を引いた。
貴族の理不尽な要求や、銀河大帝国の封建的な仕組みを垣間見ることができ、現皇帝が禁じている旧時代の支配構造に未練を抱く者がいるという現実に驚かされた。
ウーゾスの乗船が破壊されたという展開も衝撃的であったが、それ以上に古代兵器のロスヴァイゼの姉・ゲルヒルデの存在が興味深かった。

ゲルヒルデは登場してすぐに去ってしまったが、彼女がウーゾスに対して冷静かつ的確に対処する場面は強い印象を残した。
特に、ウーゾスが彼女にロスヴァイゼのことを尋ねた際、妹を探すために行動を起こす決意を示す様子に彼女の固い意志が感じられた。
次巻での本格的な登場を期待したい。

また、ウーゾスが古代遺跡の調査に参加するという新しい仕事の描写も面白かった。
戦闘が少ない仕事を求めた結果、発掘現場での雑用を引き受けることとなったが、それでも事件に巻き込まれてしまうという運命に同情せざるを得ない。
彼が見ている世界は常に危険と隣り合わせであることが改めて強調された。

今回の物語ではヒロイン成分がやや不足していると感じたが、それを補うようにゼイストールの活躍が描かれていた点は満足できるものであった。
ゼイストールは存在感こそ控えめであったが、その行動には確かな信頼感を抱かせるものがあった。
彼が何者であるのか、これからの展開で明かされることを楽しみにしたい。

ウーゾスの両親が借金を完済したというエピソードも感動的であった。
彼が傭兵として活動する理由の一つが、家族への仕送りであることを改めて認識させられた。
家族との再会が温かいものであり、特に父親が彼を誇りに思っている様子は胸を打つものがあった。
親孝行を果たすことができたウーゾスの喜びは読者にも伝わってくる。

全体として、ウーゾスが困難な状況を淡々と乗り越えていく姿が魅力的であった。
彼が自己評価を低くしながらも、着実に成果を挙げていく様子に共感と好感を抱かずにはいられない。
戦いと日常、そして人間関係が織り交ぜられた物語であり、次巻への期待が高まる内容であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

依頼1:海賊退治の依頼

  • 依頼主: 傭兵ギルド
  • 依頼内容: 小規模な海賊退治。ターゲットは『ハンズ・ブラザーズ』と呼ばれる二人組の海賊であり、その拠点を発見し、討伐することが目的であった。
  • 依頼の報酬: ギルドからの報酬および情報の提供。
  • 護衛メンバー: ウーゾス(単独行動)
  • 役割分担: ウーゾスが単独で情報収集、敵の追跡、戦闘を行った。

依頼中の出来事と対応

  • 発生した問題・トラブル
    • 問題発生時の状況: ウーゾスはサービスエリア・コンカにて海賊『ハンズ・ブラザーズ』を発見し尾行を開始した。彼らを追跡する過程で、アルティシュルト・ビンギル・オーヴォールス公爵の直轄領地に入り込んでしまった。
    • 敵の特徴や行動: 『ハンズ・ブラザーズ』は無礼な態度を示し、店員とトラブルを起こしていた。その後、小惑星にアジトを持つことが確認された。
    • 対処方法と結果: ウーゾスはアジトの位置を確認し、ギルドに座標を提供した。その後、襲撃を仕掛けてきた戦闘艇『G-22 バステス』2機と交戦し、撃墜騙しのテクニックを用いて2機とも撃破した。
  • その他の出来事
    • アルティシュルト公爵領内に迷い込んだ際、公爵領の私設軍隊と交渉を行い、退去することで問題を回避した。

結果

  • 依頼完了: ギルドへアジトの座標を報告し、討伐依頼を完了した。戦闘艇2機も回収した。
  • 報酬支払い: 小惑星の売却および戦闘艇2機の売却により、合計1155万クレジットを得た。全額を情報として受け取る決定をした。
  • 依頼後の出来事: アコ・シャンデラとのトラブルが発生した。彼女はウーゾスの報酬額に不満を抱き、無礼な要求を繰り返したが、ゼイストール氏により追い返された。また、シャンデラは昇級試験の資格を満たしていないことが判明し、騎士階級のままであった。

依頼2:ノーバンドル侯爵家の社交パーティー警備任務

  • 依頼主:ノーバンドル侯爵家
  • 依頼内容:社交パーティー会場のコロニー周辺警備及び来客者の交通整理
  • 依頼の報酬:45万クレジット(完了報酬と撃退ボーナス含む)
  • 護衛メンバー:ウーゾス、バーナード、モリーゼ、アーサー、セイラ、レビン、ダン・ビルトロップ、ロスヴァイゼ、ランベルト
  • 役割分担
    • 周辺警備と交通整理:ウーゾスと仲間たち
    • 交通案内と貴族対応:ロスヴァイゼ、ランベルト
    • 貴族や来客の誘導:アーサー、セイラ
    • 警備責任者:ドータス・ツイル

依頼中の出来事と対応

襲撃事件の発生

  • 発生した問題・トラブル:襲撃者が無人機や小型艇700~800機で襲撃
    • 状況:緊急警報が発令され、傭兵達が迎撃に出動
    • 敵の特徴:無人機主体で攻撃に精彩がなく、容易に撃破可能
    • 対処方法と結果
      • ウーゾスと仲間たちは管制塔の指示を受け、次々と迎撃を成功
      • 特にロスヴァイゼが激昂し、多数の無人機を破壊
      • 約46分で全ての敵機が沈黙し、戦闘終了

デブリ掃除と警戒態勢

  • その他の出来事:襲撃後のデブリ掃除を命じられる
    • 対応:仮眠中だったウーゾスが起床し、清掃に参加
    • 新たな問題:宿泊施設全体に部屋から出ないよう通達される
    • 影響:宿泊施設コロニー内にいる全従業員と傭兵へ拘束命令が出された

殺人事件の発生

  • 発生した問題・トラブル:ベーダズ・チラルギス・ガイザム伯爵が刺殺されて発見
    • 状況:警察が捜査を開始し、参加者全員が中央ホールに集められる
    • 犯人特定と逮捕:逃走中の給仕係が犯行を認め逮捕される
    • ロックメイチ男爵子息の推理失敗:事件を解決できず、名声を失墜

結果

  • 依頼完了:無事に社交パーティー警備任務を遂行し、襲撃者の排除と安全確保を完了
  • 報酬支払い:依頼完了後、45万クレジットを受け取り、追加撃退ボーナスも支給
  • 依頼後の出来事:ウーゾスは報酬を持って帰宅し、掃除やアニメ鑑賞に費やしつつ、次の依頼に備えた

依頼3:惑星トスレにおける発掘調査の護衛

  • 依頼主:フロリナ・テーズ教授(帝都グロールムス大学考古学教授)
  • 依頼内容:サンフィールド社製『キャリーエース Ⅲ型』の操縦を担当し、発掘チームを発掘現場へ送迎する。帰還後はベースキャンプでの雑用も含む。
  • 依頼の報酬:具体的な金額は記載されていないが、大学側とテーズ教授からの報酬が含まれる。
  • 護衛メンバー:ウーゾス(パイロット)、フロリナ・テーズ教授および研究チーム(研究員・学生)
  • 役割分担:ウーゾスは輸送船の操縦および護衛を担当。教授と研究チームは発掘作業に従事する。

依頼中の出来事と対応

発生した問題・トラブル:ダズブロウト博士による妨害と襲撃

  • 問題発生時の状況と行動
    • ウーゾスが発掘品を運搬する際、ダズブロウト博士が脅迫と妨害を仕掛けた。ダズブロウトは研究成果を自らの功績とするため、テーズ教授を強制的に従わせようとした。
    • ウーゾスはダズブロウトの策略を察知し、自身の船の駆動キーを教授に渡すふりをして隠し持つ策を講じた。
  • 敵の特徴や行動
    • ダズブロウト博士は帝国子爵で、学会内での権力を利用してテーズ教授を追い詰めた。彼の部下たちは軍人崩れの傭兵であり、発掘現場を包囲し襲撃を試みた。
  • 対処方法と結果
    • ウーゾスは洞窟へと逃げ込むことで攻撃を回避。洞窟内でゲルヒルデと遭遇し、協力を得た。
    • ダズブロウトの手下による襲撃を避けるため、ウーゾスは別の出口を探索することを決意した。

その他の出来事:ゲルヒルデとの遭遇と協力

  • 出来事の詳細と影響
    • ウーゾスは洞窟内でゲルヒルデと遭遇。ゲルヒルデはロスヴァイゼの妹であり、ウーゾスに対して協力を提供した。
    • ゲルヒルデの案内により、水上船を利用して脱出する計画を立てることができた。

結果

  • 依頼完了:ウーゾスは海上都市へ帰還し、テーズ教授と再会。ダズブロウト博士の妨害を乗り越え、発掘調査を完了させた。
  • 報酬支払い:テーズ教授および大学、ダズブロウト博士の息子から合計900万クレジットを受け取った。また、ギルドを通して正規報酬50万クレジットと保険金を受け取った。
  • 依頼後の出来事:ダズブロウト博士は逮捕され、裁判を待つ身となった。ウーゾスは新たな戦闘艇を探す計画を立て、次の活動に向けて準備を進めた。

モブ № 55『そうか、じゃあもう切るぞ。晩飯用に庭先の茄子を取ってきておかないと母さんに叱られる』

ウーゾスの日常と家族との会話

マーケットでの買い物と家族を思い出す


ウーゾスはテロリスト退治の祝勝会から早めに帰宅し、数日間の休息を取ることにした。部屋を掃除した後、マーケット『グルミネックストア』で必要な物資を購入した。買い物中に両親のことを思い出し、久しぶりに通信を試みることを決意した。

父親との通信と借金の話

ウーゾスは父親であるジャック・ウーゾスに通信をかけ、借金の返済状況を確認した。過去の送金によって借金は残り100万クレジットに減少しており、ウーゾスは次の仕事の報酬で完済する意向を示した。父親も返済の完了に向けて協力することを約束した。

父親の状況と母親の近況

父親は田舎で農業を始め、過去の仕事のストレスから解放されていた。母親は友人と共にカラオケダイエットに励み、元気な様子を見せていた。父親はウーゾスに痩身治療を勧めたが、ウーゾスは興味を示さなかった。父親は帰省を勧めたが、ウーゾスは明確な返答を避けた。

ゴンザレスからの通信と友人との再会計画

夕食中に友人のゴンザレスから映像通信が入った。ゴンザレスはクルスと翌日に会う予定を立て、ウーゾスも誘った。ウーゾスは承諾し、ゲームセンター『プレイスターハウス』での再会を約束した。

ゲームセンターでの思い出と会合の話題

ゴンザレスとの通信を終えた後、ウーゾスはゲームセンター『プレイスターハウス』の思い出を振り返った。店は最新機種からレトロゲームまで揃っており、学生時代からの行きつけであった。ゴンザレスは過去に出席した会合についても触れ、セクハラ被害に遭った愚痴を語った。

モブ № 56「さてと。軽く昼食でも食べてから、『アニメンバー』にいくとしますか!』

ウーゾスと友人たちの交流と過去の記憶

ゲームセンターでの遊びとクレーンゲームの挑戦


ウーゾスはゴンザレスとクルス氏と共に駅前の『プレイスターハウス』で集まった。クルス氏はクレーンゲームに挑戦し、総額1万7000クレジットを費やして複数のフィギュアを手に入れた。その後、彼らは対戦ゲームやレースゲームを楽しみ、昼食時を過ぎてから店を出た。

ファストフード店での昼食と懐かしい話

一行は馴染みのファストフード店に入り、それぞれバーガーやドリンクを注文した。過去にお洒落なカフェチェーンに入った際に周囲の視線を気にしてしまい、それ以来その店を避けるようになっていた。

クルス氏の怪我の回復と友人たちの喜び

クルス氏は火傷によって損傷した両腕が完全に回復したことを明かした。彼はまだ顔の治療が完了していないことや、再発の可能性を懸念していた。

ゴンザレスの身体問題と後悔

ゴンザレスは元の身体に戻れない事情を話した。会合の司会を務める役割が予想以上に早く巡ってきたことが原因であった。自分の計算違いに対して後悔の念を抱きつつも、現状を受け入れていた。

モブ № 57「ウーゾス氏らしい答えですな」

休日の買い物とポスター事件

ウーゾスたちは休日を利用して、アニメショップ『アニメンバー』やリサイクルショップ『せいざばん』を巡り、同人誌や漫画の新刊を探し回った。4時間以上も買い物に費やし、目的の品を手に入れた後、夕方に最寄り駅へ向かっていた。そこで街頭演説を行う集団を目撃した。その演説は「今の皇帝は弱腰であるため、植民地となっている国々は独立すべきだ」という内容であった。ウーゾスはクーデターの可能性を感じ取り、傭兵としては稼ぎ時であると考えたが、大規模な戦いを避けるため小規模な依頼を好んだ。

闇市商店街とポスターの問題

ゴンザレスは、演説で掲示されていたポスターが自分の近所、闇市商店街にも貼られていたと驚いた。闇市商店街では中二病的な商店が多く、通常のポスターは破壊されたり加工されることが常であった。しかし最近では、企業側も対策を講じ、中二病風にデザインしたポスターを使用することで破壊を避けるようにしていた。ゴンザレスの言う通り、掲示されたポスターも翌日には別の内容に改変されていた。

借金の返済と報酬受け取り

ウーゾスは傭兵ギルドを訪れ、先日のテロリスト討伐の報酬を受け取りに行った。通常なら250万から350万クレジットの報酬が400万クレジットと大幅に上乗せされていた。理由を尋ねると、軍の兵隊が迷惑をかけたことへの賠償として追加の支払いが行われたとのことであった。ウーゾスはその金額を全額受け取り、報酬の半分を借金返済に回し、ついに父親が背負わされた借金を全額返済することに成功した。

次の依頼と準備

ウーゾスは引き続き傭兵ギルドで小規模な海賊退治の依頼を見つけ、引き受けることにした。ギルドの受付で手続きを行い、必要な情報を受け取った後、銀行へ向かい借金返済の振り込みを済ませた。傭兵ギルド内にもATMは存在するが、金銭目的で他の傭兵に絡まれることを避けるため、誰も使用しない状況であった。そうして再びギルドへ戻り、ウーゾスは船『パッチワーク号』に乗り込んで海賊退治に出発した。今回は情報屋であるゴンザレスにも頼らず、ギルドから提供された情報のみでの任務となったが、油断しないように心掛けていた。

モブ № 58「 700クレジット。現金オンリーな」

惑星ルゴのサービスエリアでの捜索と『ハンズ・ブラザーズ』の発見

惑星ルゴ周辺での調査

ウーゾスは依頼を受けて、海賊の拠点を探すために宙域を捜索した。この宙域には小規模な海賊が活動しており、そのアジトが近辺に存在することは明白であった。調査を開始して約2時間後、ウーゾスは小惑星を発見し、マーカーを取り付けた。小惑星には反応がなく、海賊が仕事に出ている可能性が高いと判断したウーゾスは、最寄りのサービスエリアに向かうことにした。

サービスエリア・コンカの訪問

ウーゾスは『サービスエリア・コンカ』を訪れた。この施設は荒くれ者の集う場所で、一般人の利用は少なかった。店内はエネルギースタンド、トイレ、レストラン兼バーのみのシンプルな作りであった。ウーゾスは店内に入り、人工皮膚と機械の部分が継ぎ接ぎになった女性型アンドロイドのような店員から注文を取った。メニューは主にジャンクフードと酒類であった。

ウーゾスが注文した料理は質が良く、彼は満足しながら食事を楽しんだ。しかし、店内に探している海賊の姿は見当たらなかった。

『ハンズ・ブラザーズ』の出現

食事中に店内へと入ってきた2人組の男が、ウーゾスのターゲットである『ハンズ・ブラザーズ』であった。彼らは通信画面で顔を晒し、自らの名を『ハンズ・ブラザーズ』と名乗って恐ろしさを誇示していた。そのため、ギルドの資料にも顔写真が記載されていた。

彼らは仕事を終えた後のようで、店員に無礼な態度で注文をした。店員は明らかに不機嫌で、料金を通常の3倍に設定し請求した。『ハンズ・ブラザーズ』はその法外な料金に怒りを露わにしたが、店員の威圧的な態度に圧倒されて店を後にした。

ウーゾスは食事を終えた後、店を出る際に追加の料金を置いてから、『ハンズ・ブラザーズ』を尾行することにした。目的は彼らのアジトの確認と、他者の干渉を避けるためであった。

モブ № 59「あー。私に女性に縁がないのは納得ずみなんで、止まってくれますかね?  止まらないなら撃ち落としますよ?」

ハンズ・ブラザーズの追跡と戦闘

ハンズ・ブラザーズの追跡


ウーゾスはハンズ・ブラザーズの宇宙船にビーコンを取り付けることに成功した後、彼らの船を遠距離から追跡した。小惑星に接岸する際、彼らの噴射口を狙いビームを発射したが、相手の機体が予想外に動いたため攻撃は外れた。ウーゾスは呼びかけを行ったが、ハンズ・ブラザーズは挑発的な言動を返し、逃亡を図った。

ビーム攻撃を何度か行ったものの、相手は巧みに攻撃を避け続けた。30分ほどの追跡の末、駆逐艦の残骸が行く手を阻み、その隙に相手に逃げられてしまった。さらに進んだところで、ウーゾスはアルティシュルト・ビンギル・オーヴォールス公爵の直轄領地に出くわした。艦隊に出会い、不法侵入者として排除される可能性があったため、彼は船を停止し状況を説明した。公爵領の私設軍隊はウーゾスの話を聞き、必要な情報を受け取った後、彼を退去させた。

公爵領からの脱出

公爵領から引き返したウーゾスは、ギルドに連絡を取り、ハンズ・ブラザーズのアジトである小惑星の座標を伝えた。ギルドは買い取りを承諾したものの、その直後にウーゾスは不意に戦闘に巻き込まれた。グラントロス社製の戦闘艇「G‐22 バステス」2機が襲撃を仕掛けてきた。

戦闘艇との交戦

戦闘艇2機は互いに上下左右を入れ替えながら、ビームを撃ち続けるという高度な飛行技術を見せた。ウーゾスはビーム攻撃を避けながら、アジトの小惑星まで逃げることを試みた。しかし、燃料が少なく、逃げ切ることは困難であった。

戦闘艇のうち1機が右へ回り込む際、ウーゾスは『撃墜騙し』と呼ばれるテクニックを用いて攻撃を成功させた。偶然にもビームが相手の機体の胴体と噴射口に命中し、1機は航行不能となった。その後、もう1機の背後を取って噴射口を破壊することに成功した。

撃破後の対応

ウーゾスは降伏勧告を行おうとしたが、敵は『高速射出式脱出カプセル』を使って逃亡した。ウーゾスは2機の戦闘艇を戦利品として曳航することを決意し、宇宙服を着たまま作業を進めた。結果的に危険を回避し、生き残ることに成功した。

モブ № 60「完膚なきまでに叩きのめすのが当然でしょう!?」

小惑星売却と報酬受け取り

ウーゾスは、以前に確保した小惑星と戦闘艇を売却し、ギルドにて報酬を受け取った。小惑星の改造建築物は341万クレジット、戦闘艇「バステス」2機は合計815万クレジットであり、総額は1155万クレジットであった。ウーゾスは全額を情報として受け取ることを決定した。

アコ・シャンデラとのトラブル

報酬受け取りの際、ピンク髪の女性アコ・シャンデラがウーゾスの報酬額に不満を持ち、彼を批判した。彼女は自身が撃破した海賊船が買い取られなかったことに不満を抱いていたが、ゼイストール氏によると、それは毎回完全にスクラップ状態であるため買い取りが不可能であった。また、シャンデラはウーゾスに対して「バステス」を譲り渡すように要求するなど、無礼な言動を続けたが、最終的にゼイストール氏に注意されて退散した。

昇級試験とシャンデラの問題点

シャンデラは騎士階級であるが、昇級試験の資格を満たしていないことが判明した。昇級試験には「戦闘」「退治」「護衛」「警備」の依頼を各10件ずつ完了する必要があるが、シャンデラは護衛や警備を「低能な連中のする事」と見下しており、一切受けていなかった。このため、昇級試験の資格が得られず、度々申請を拒否されていた。

フィアルカとの対立

ウーゾスとのトラブルの後、シャンデラは「ランディットコーヒー」という店でウェイトレスに対して横暴な態度を取っていた。サービスが遅いと感じたシャンデラはコーヒーカップを払いのけ、さらにウェイトレスを銃で撃とうとした。しかし、そこに居合わせたフィアルカ・ティウルサッドによって制止され、銃を取り上げられた。フィアルカはシャンデラの行動を非難し、貴族であっても街中での銃の使用は禁止されていると警告した。

爵位剥奪とフィアルカの対処

シャンデラはかつて男爵家の出身であったが、3年前に爵位を剥奪されていた。フィアルカのアンドロイドであるシェリーがその事実を指摘し、シャンデラをさらに苛立たせた。フィアルカはシャンデラに支払いと謝罪を要求したが、シャンデラは不満を抱きながらも店を後にした。

小惑星売却と報酬受け取り

ウーゾスは以前に確保した小惑星と戦闘艇を売却し、ギルドにて報酬を受け取った。小惑星の改造建築物は341万クレジット、戦闘艇「バステス」2機は合計815万クレジットであり、総額は1155万クレジットであった。ウーゾスは全額を情報として受け取ることを決定した。

アコ・シャンデラとのトラブル

報酬受け取りの際、ピンク髪の女性アコ・シャンデラがウーゾスの報酬額に不満を持ち、彼を批判した。彼女は自身が撃破した海賊船が買い取られなかったことに不満を抱いていたが、ゼイストール氏によると、それは毎回完全にスクラップ状態であるため買い取りが不可能であった。また、シャンデラはウーゾスに対して「バステス」を譲り渡すように要求するなど、無礼な言動を続けたが、最終的にゼイストール氏に注意されて退散した。

昇級試験とシャンデラの問題点

シャンデラは騎士階級であるが、昇級試験の資格を満たしていないことが判明した。昇級試験には「戦闘」「退治」「護衛」「警備」の依頼を各10件ずつ完了する必要があるが、シャンデラは護衛や警備を「低能な連中のする事」と見下しており、一切受けていなかった。このため、昇級試験の資格が得られず、度々申請を拒否されていた。

フィアルカとの対立

ウーゾスとのトラブルの後、シャンデラは「ランディットコーヒー」という店でウェイトレスに対して横暴な態度を取っていた。サービスが遅いと感じたシャンデラはコーヒーカップを払いのけ、さらにウェイトレスを銃で撃とうとした。しかし、そこに居合わせたフィアルカ・ティウルサッドによって制止され、銃を取り上げられた。フィアルカはシャンデラの行動を非難し、貴族であっても街中での銃の使用は禁止されていると警告した。

爵位剥奪とフィアルカの対処

シャンデラはかつて男爵家の出身であったが、3年前に爵位を剥奪されていた。フィアルカのアンドロイドであるシェリーがその事実を指摘し、シャンデラをさらに苛立たせた。フィアルカはシャンデラに支払いと謝罪を要求したが、シャンデラは不満を抱きながらも店を後にした。

モブ № 61「なのに、愚鈍な権力者はそういう時に限って、焦って余計な事をするから失脚をするんだよ」

アルティシュルト公爵と捕らえられた海賊

アルティシュルト・ビンギル・オーヴォールス公爵は、自身の公爵邸の温室で植木鉢に水をやっていた。執事が現れ、捕らえられた二人組が単なる海賊であったことを報告した。傭兵が提出した資料通りであったため、公爵は自分たちの不手際を認めた。また、放たれた猟犬が撃墜され機体を放棄したことも報告された。公爵は相手の腕の良さを評価しつつ、問題をこれ以上拡大させないために放置することを決定した。更に、警備隊長を更迭するよう命じた。

猟犬の悔恨と決意

公爵邸内にある使用人宿舎で、猟犬と呼ばれる姉妹が敗北したことを嘆いていた。彼女たちは自分たちを撃墜した相手の実力を認め、次こそは勝利するために腕を磨くことを誓った。

アニメショップでの購入と偶然の遭遇

ウーゾスはアニメショップ『アニメンバー』を訪れ、新刊やゲームの同人誌を購入していた。帰宅途中、ピンク髪の女性アコ・シャンデラと再会する。彼女は街中でウーゾスに銃を突きつけ、戦闘艇の購入を要求する。

警察への通報とアコ・シャンデラの逮捕

ウーゾスは警察に通報し、アコ・シャンデラの行動が犯罪であることを指摘した。アコは貴族としての特権意識を示し、ウーゾスに戦闘艇を献上するよう要求し続けた。しかし警察が到着し、彼女は脅迫の現行犯として逮捕された。警察の対応によって事態は解決し、ウーゾスは無事に帰宅した。

結末とウーゾスの推測

ウーゾスは今回の出来事を振り返り、アコ・シャンデラが貴族であることを確認した。また、彼女の行動が反皇帝派閥と関係している可能性を推測した。事件は警察によって解決されたものの、傭兵ギルドの評判への影響を懸念しつつウーゾスは帰宅した。

モブ № 62「当たり前でしょう?  それぐらいの事も理解出来ないなんて、揺るぎない馬鹿の確かな証拠よね」

傭兵ギルド内の不正とゼイストールの対応

ローンズとウーゾスは、傭兵ギルド・イッツ支部の上層部から、アコ・シャンデラへの被害届を取り下げるように圧力をかけられていた。だがゼイストールは帝都の本部へ上層部の汚職の可能性を通報し、被害届の取り下げを強制するならば全員を解任するとの指示を本部から取りつけた。この結果、アコ・シャンデラが不起訴となっても他支部へ移される措置が講じられた。

ビッセン伯爵令息との対立

帝都のギルドに籍を移していた貴族の傭兵ストライダム・ビッセンが、再びイッツ支部を訪れた。彼は傭兵チーム「煉獄」のメンバーとしてランベルト・リアグラズを勧誘しようとしたが、ランベルトはこれを拒否した。ビッセンは傲慢な態度を取り続けたが、ロスヴァイゼによって厳しく非難された。

ビッセンはロスヴァイゼに対して銃を向けたが、ゼイストールによって阻止された。ゼイストールは毅然とした態度でビッセンを挑発し、最終的に彼を圧倒的な力で打ち負かした。その後、取り巻きたちも全員逮捕された。

一件落着と今後の不安


ゼイストールによる迅速な対処により、ビッセン伯爵令息とその取り巻きは排除された。しかし、ビッセンは貴族であるため、ギルドの上層部が黙っているとは限らない。ウーゾスはこの出来事に不安を抱きながらも、ゼイストールの行動に感銘を受けた。

モブ № 63「俺はダン・ビルトロップ。騎士階級だ。人は俺を『無敵のタフガイ』と呼ぶぜ!」

ノーバンドル侯爵家の社交パーティー警備依頼

社交パーティー警備の仕事として、ウーゾスはノーバンドル侯爵家主催の社交パーティー会場のコロニー周辺警備および来客者の交通整理を行う依頼を受けた。この依頼は銀河標準時間で72時間の業務期間を持ち、2交代制で12時間の連続勤務と12時間の待機休憩を繰り返す形式であった。会場となるコロニーはノーバンドル侯爵家領にある惑星ラタカサの衛星軌道上に位置していた。

惑星ラタカサの特徴

惑星ラタカサは岩と氷で構成される極寒の惑星で、大気の平均温度はマイナス120度を超えることはなく、人間が呼吸することは致命的であった。しかし、恒星の光はわずかに届いており、『ソイビス』と呼ばれる樹木が生育し、美しい緑の針葉を持つ景観を形成していた。ノーバンドル侯爵家はこの惑星を開発せず、別荘兼観測所のみを設け、関係者以外の上陸を禁止していた。

警備依頼の条件と準備

ウーゾスはギルドから依頼書を受け取り、仕事の準備を整えた。依頼の条件には以下が含まれていた。
• 宇宙船の持ち込み必須。
• コロニー内の宿泊施設(カプセルホテル式)の無料使用と食事の無料支給。
• 宇宙船の燃料支給。
• 緊急時には待機中であっても出撃すること。
• コロニー外への外出禁止。

ウーゾスはゴンザレスから情報を買い、ラノベや漫画を購入して暇を潰しながら出発準備を整えた。その後、指定時間に間に合うように惑星イッツを出発し、コロニーに到着した。

説明会と再会

説明会の会場には様々な支部から集まった傭兵が200人ほど集結していた。ウーゾスはそこで過去に一緒に仕事をした仲間と再会した。
• バーナード:穏やかな性格の年配傭兵。
• モリーゼ:がさつだが頼りになる女性傭兵。
• アーサーとセイラ:以前の護衛依頼で共に働いた二人組。
• レビン:中二病的な服装をしたが矜持のある青年。

また、新たにダン・ビルトロップという騎士階級の傭兵と出会った。ダンは以前、司教階級に昇格したが、貴族社会を嫌って自ら降格を願い出たという過去を持つ男である。彼はウザいが腕の確かな傭兵であり、仲間に対する思いやりも持っていた。

依頼遂行の開始

説明会が始まり、ウーゾスは仕事に取りかかることになった。会場周辺の警備や来客の交通整理を担当しながら、仲間たちと協力しながら任務を遂行した。

モブ № 64『そいつらは一刻も早く英雄になりたいんだろうよ』

ノーバンドル侯爵家の社交パーティー警備

コロニー周辺の警備と誘導


ノーバンドル侯爵家主催の社交パーティーにおいて、ドータス・ツイルは警備責任者として傭兵達に指示を与えた。警備対象はコロニー周辺および来客の誘導であり、開催期間は三日間であったが、パーティー本番は翌日のみであった。傭兵達は集合日と解散日を含む三日間の業務に従事することとなり、会場内部への立ち入りは緊急時以外禁止とされた。シフトは二隻一組で交代制を採用し、食事や休憩も互いにカバーする体制であった。

ロスヴァイゼとランベルトの登場

アーサーやセイラと共に、ロスヴァイゼとランベルトもこの仕事に参加していた。彼らは美形・美女・美少女とされる者達であり、貴族の交通整理や案内を担当することとなった。ウーゾスはロスヴァイゼの存在に驚きつつも、特に干渉されることなく業務を続けていた。

バーナードとの会話と仮眠

バーナードは警備の合間にウーゾスと会話を交わした。ウーゾスが戦闘の起こらない依頼を求めた理由を聞き出し、リスク回避のためであると理解した。バーナードは仮眠を取りたいと申し出て、二時間の仮眠を許可されたが、十分な休息とはならなかった。次の休憩はウーゾスに譲られ、彼は簡易ベッドで仮眠を取った。

ロスヴァイゼとランベルトの関係

食事中にウーゾスはロスヴァイゼと遭遇した。彼女は貴族達からのナンパを受けつつも、ランベルトの助けにより対処できていた様子であった。二人の関係は以前よりも親密になっており、ウーゾスは彼らの進展を感じ取った。

モリーゼとのやり取り

モリーゼがウーゾスやロスヴァイゼに対して茶化すような発言をしたが、バーナードがこれをたしなめた。アーサーとセイラもその場に現れ、事態を収めた。食堂でのやり取りは和やかであり、ウーゾスは次の任務へ向けて休息を取った。

ランベルトとレビンの交流

ウーゾスはランベルトがレビンと親しく話している様子を目にした。レビンはランベルトに商店街に関する話をしており、二人の間に友情が芽生えているようであった。ウーゾスは友人を作ることができたランベルトを見て安心した。

モブ № 65「ですが、犯人が逮捕されるまではここを出ないようにしてください。下手に出ようとすると共犯の疑いがかかりますからね」

パーティー会場の警備と襲撃者の迎撃

パーティー会場の警備に参加した人々は、行列整理を担当していた者のみであった。貴族たちが有望な者を囲い込むために意図的に選ばれた可能性が高いと考えられる。セイラとロスヴァイゼは貴族からの不適切な誘いに激怒していたが、一方でアーサーとランベルトは疲弊していた。ウーゾスは休息を取っていたが、緊急警報が鳴り響き、襲撃者の迎撃に参加した。襲撃者は主に無人機や小型艇で、その数は700から800機に及んでいた。

ウーゾスたち傭兵は管制塔の指示を受けて迎撃を開始したが、敵の動きに精彩がなく、まったく手応えを感じられなかった。セイラとロスヴァイゼは激しい怒りを露わにし、敵を次々と撃破していった。特にロスヴァイゼは猛烈な勢いで無人機を破壊していた。襲撃から46分後、すべての敵機が沈黙したが、残骸処理という新たな任務が発生した。

デブリ掃除と謎の通達

デブリ掃除の任務は休憩中だった者たちが担当することになり、ウーゾスは短時間の仮眠を取った。その後、宿泊施設コロニー内にいる全従業員と傭兵へ部屋から出ないよう通達が流れた。この指示は従わなければ逮捕される可能性があるとされ、厳重な対応が取られていた。ウーゾスはこの時間を利用して仮眠をとることにした。

殺人事件の発生と捜査開始

4時間後、全員が中央ホールに集められ、警察の捜査が開始された。捜査を担当するのはタムオ首都警察捜査課のウィボイド・ロイマン刑事であった。彼は襲撃者の調査を予定していたが、急遽、殺人事件の捜査へと変更されたことを説明した。

被害者は貴族であるベーダズ・チラルギス・ガイザム伯爵であり、胸部を何度も刺されて死亡していた。現場は伯爵の宿泊していた部屋であり、現在は名探偵として有名な男爵の孫が推理を行っているとのことであった。

ウィボイド刑事は、襲撃発生時点で宿泊施設コロニーにいた者は全員無関係であると宣言した。しかし犯人が逮捕されるまでは施設を離れないよう求め、下手に外へ出ようとすると共犯として疑われる可能性があることを強調した。

モブ № 66「そう、あのエドワード・ロックメイチが私の祖父です!  私は祖父と違い、出来はよくありませんがね」

シビルス・ノーバンドル侯爵家の社交パーティー

ティウルサッド子爵家のフィアルカは、父オーバルト・ティウルサッドと母アリシア、護衛のシェリーと共にシビルス・ノーバンドル侯爵家主催の社交パーティーに参加していた。会場はノーバンドル侯爵家所有のコロニーで開催され、各界の人物が集まり賑わっていた。父オーバルトは親皇帝派にも反皇帝派にも属さず中立を保つ立場であり、多くの学友と再会を楽しんでいた。フィアルカもシェリーと共に料理を楽しんでいたが、ベーダズ・チラルギス・ガイザム伯爵に絡まれるという不愉快な出来事があった。

パーティー中の襲撃と戦闘

パーティー終了間際に突如としてコロニー外で戦闘が発生した。傭兵たちと侯爵家の兵士が応戦し、結果的に傭兵たちの圧勝で戦闘は終了した。フィアルカは父母の安全を確認し、事態の収束を見届けた。

ガイザム伯爵の死と捜査の開始

翌朝、ガイザム伯爵が刺殺されているのが発見された。警察が捜査を開始し、参加者全員がコロニー内に留め置かれた上で事情聴取が行われた。フィアルカも聴取を受けたが、彼女や家族の無実が証明され、捜査対象から外された。

ロックメイチ男爵子息の登場と混乱

捜査の進展が見られない中、若い男爵家の跡取りであるマイク・ロックメイチが名乗りを上げ、犯人が判明したと宣言した。彼はガイザム伯爵に恨みを持つ全ての者が犯人であると主張し、さらにノーバンドル侯爵がこの事件を引き起こしたと糾弾した。しかし、参加者たちはこの主張に困惑し、状況は混迷を深めた。

犯人の逮捕とロックメイチの失敗

その後、逃走していた臨時雇いの給仕係が逮捕された。調査により凶器のナイフに彼の指紋が検出され、現場での足取りも明らかとなった。ロックメイチ男爵子息の推理は完全に誤りであったことが判明し、彼の信頼は失墜した。

モブ № 67「すみませんね。僕も一応傭兵なんで、こういう基本的な対処くらいは出来るんですよ」

傭兵ギルド内の不正とゼイストールの対応

ロイマン刑事は全員シロと判断したが、共犯の可能性は排除できないとしていた。船を動かせば即座に逮捕される可能性があるため、警備の仕事も中止となった。ロイマン刑事は犯人の逮捕を急いでいたが、まだ結論には至っていなかった。

見知らぬ女性との遭遇と疑惑

ウーゾスは談話室で休憩中に見知らぬ女性から声をかけられた。彼女はウーゾスに船を貸してほしいと頼んだが、ウーゾスは拒否した。女性はウーゾスを罵倒して去ったが、その言動に不審を抱いたウーゾスはロイマン刑事に報告した。ロイマン刑事は女性が脱出手段を求めていた可能性を指摘した。

女性の襲撃と反乱への関与

ウーゾスが船に向かうと、先ほどの女性が待ち伏せして銃を突きつけてきた。彼女は帝国による階級差別と貴族の横暴を糾弾し、反乱を正当化しようとした。しかし、ウーゾスは彼女の主張を受け入れず、逆に彼女を説得することに失敗した。

戦闘と女性の制圧

ウーゾスは機転を利かせ、駆動キーを投げることで女性の隙を突き、熱線銃で彼女の武装を解除した。さらに女性の脚を撃ち、動けなくさせた。ウーゾスは彼女の銃を回収し、警戒を続けた。

ウーゾスの対処と戦闘後の状況

ウーゾスは自分が傭兵であることを示し、適切に対処したことを伝えた。彼女は地面に倒れこみ、行動不能となったが、ウーゾスは引き続き状況を見守りつつ、次の対応を考えていた。

モブ № 68「お嬢さんがこいつに船を貸せって頼んでいる現場を見たからさ。それと、美人だって事と魅力的だって事が常に同時に存在してる訳じゃないんだぜ?」

犯人の逮捕と報酬の受け取り

襲撃者との遭遇と対応


ウーゾスは駐艇場で襲撃者の女性と遭遇した。彼女は先に銃を向け発砲しようとしたため、ウーゾスは正当防衛として彼女を撃ち、動けない状態にした。襲撃者の行動を記録するため、ウーゾスは腕輪型端末のカメラで撮影を続けた。襲撃者は悲鳴を上げ、通行人に助けを求めたが、ウーゾスの知人であるダンが現場に現れ、襲撃者の主張を否定した。

ロイマン刑事の到着と犯人の拘束

ロイマン刑事が警官隊を引き連れて現場に到着し、襲撃者を拘束した。ロイマンは襲撃者の銃撃の様子を確認し、さらに監視カメラ映像を調査することで彼女の犯行を証明した。また、彼女は反帝国派思想集団の構成員であることが判明し、逮捕に至った。

帰還と報酬の支払い

事件が解決した後、ウーゾスはコロニーを出発し、18時間をかけて惑星イッツへ戻った。帰還後、ギルドへ出向き報酬支払いの手続きを行った。警備責任者であるドータス・ツイル氏からは、今回の仕事の完了に対する満額の報酬に加えて、撃退ボーナスも支払われた。その結果、ウーゾスは当初の予定を超える45万クレジットを受け取った。

取り調べと貴族の没落

逮捕された女性は取り調べの際に貴族としての特権を主張し続けたが、爵位を剥奪されていたことを知らされ、勅書の写しを見せられると錯乱し、暴れ出した。最終的に彼女は実刑判決を受けることが確定し、場合によっては精神医療専門病院に収監される可能性も示唆された。

事件後の日常

ウーゾスは報酬を受け取った後、家に戻り休息を取った。翌日は掃除や買い物、アニメ鑑賞に費やし、平穏な日常を取り戻した。しかし事件の影響を引きずり、心の中では今後の対策について考えを巡らせていた。

モブ № 69「ともかく、一度は家に帰って来なさい。大丈夫!  近所のババア共はだまらせたから!」

家族との再会と借金返済の報告

ウーゾスは、報酬支払いを終えて銀行へ向かった。目的は、戦闘機の売却金と依頼料の一部を預け、両親への仕送りを行うことであった。銀行へ向かう途中、父親からの連絡を受け、母親の姪の結婚式でイッツに来ていることを知らされた。ウーゾスは、パルベア駅近くのファミリーレストラン「ペガサスメテオ」で会う約束をした。

到着した店で両親と再会したウーゾスは、母親が以前と比べて痩せたことに気づいた。父親からは、ウーゾスが送金した資金によって借金を完済できたとの報告を受け、借用書も確認した。ウーゾスは安堵し、金融機関からの嫌がらせもなく解決したことに安心した。

父親は、大学進学を諦めさせたことに対して謝罪したが、ウーゾスは傭兵としての高収入と実力主義の環境を歓迎していた。家族との会話の中で、ウーゾスは新たに仕送りを行い、両親はその金額に驚いたが受け取ることにした。

店内での襲撃と危機回避の試み

食事を終えた後、ウーゾスがトイレに向かった際、不審な客が店に入ってきた。フードを被ったその人物は銃を所持しており、ウーゾスに対して発砲した。幸いにも人が座っていなかったソファーが破壊されるに留まり、大きな被害は出なかった。

相手はアコ・シャンデラと名乗り、自身が貴族の男爵令嬢であり、以前の逮捕は不当であると主張した。ウーゾスへの襲撃は偶然ではあったが、ウーゾスを粛清する意志を示した。

ウーゾスは状況を冷静に判断しつつ、熱線銃を準備した。警察が来るまでの時間を稼ぐ必要があったが、相手の行動を見極めながら慎重に対応しようとした。

モブ № 70「嫌になったら戻って来なさい。しかしそれまでは、立派に仕事をやりとげるんだぞ」

ピンク頭との対峙とルナリィスの介入

ジョン・ウーゾスはファミリーレストラン「ペガサスメテオ」にて家族と食事中、ピンク頭の女性・アコ・シャンデラに絡まれた。アコは店内の客を「下民」と見下し、銃を抜いて暴れ出した。ジョンは、トレイを利用して視界を奪い、銃で彼女の右足を撃つことで体勢を崩させた。アコが倒れた瞬間、頭部にビームが着弾し気絶した。撃ったのは、タイトスカートのスーツ姿で金色の髪を持つ美人、ルナリィス・ブルッドウェル少将であった。彼女は帝国軍中央艦隊討伐部隊第5艦隊司令官として知られていた。

警察の事情聴取と無罪確定

警察と救急車が到着し、アコは拘束され搬送された。ジョンとルナリィス少将も事情聴取を受けたが、防犯カメラ映像や目撃者の証言によって、ジョンの正当防衛が確定した。さらに、アコには捜索命令が出ていたことも判明した。ルナリィスが所持していた光線銃「トライショット」は、帝国軍の正式採用武器であり、緊急時に逮捕権を持つ軍人として適切に使用された。

店長の対応と事件の収束

ファミリーレストラン「ペガサスメテオ」の店長は、今回の騒動に巻き込まれた客全員に対し料金を無料とし、今後の防犯体制の強化を約束した。店内の客たちへの事情聴取が終わり、ようやくジョンは家族と再会できた。両親は無事を喜び、特に父親はジョンの仕事を誇りに思っている様子であった。

アコ・シャンデラのその後

アコ・シャンデラは、再生治療カプセル内で目を覚ました。自身が捕えられた直後、何者かによって脱出させられたことを理解した。提供された資金や装備をもとに、復讐の計画を再開しようとしたが、その過程で不審な薬品が治療液に注入され、突如として命を落とした。アコを利用していた謎の男たちは、彼女を捨て駒として見做し、暗殺を実行したのである。

モブ № 71「お?  なんだあ?  キモデブがいるぜ!  前に身の程って奴を教えてやったはずなのによぉ」

ピンク頭の襲撃事件後の日常と新たな依頼

ピンク頭の襲撃事件が終結し、ウーゾスの両親は怪我なく解放され、繁華街へ向かっていった。ウーゾスは帰宅して休養を取ることに決めた。翌日、傭兵ギルドを訪れると、ローンズがピンク頭に関する情報を提供した。脱走を手引きした者が存在し、ピンク頭は収容中に心臓発作で死亡したと伝えられた。ローンズは処理された可能性を示唆し、不穏な空気を感じ取ったウーゾスは深入りしないことを決意した。

その後、ウーゾスは戦闘のない依頼を求めた結果、惑星トスレでの遺跡発掘現場での作業を提案された。この依頼は、発掘用機材の運搬やベースキャンプでの雑用が主な内容で、戦闘の発生は皆無とされていた。ウーゾスはこの依頼を受けることを決め、傭兵ギルドを後にした。

アニメショップでの買い物とロスヴァイゼとの再会

惑星トスレでの仕事に備えて、ウーゾスはアニメや漫画のデータを買い揃えることにした。『アニメンバー』での買い物を終えた際、ロスヴァイゼと再会した。ロスヴァイゼはウーゾスに接触した際に断られた理由を問うた。ウーゾスは、自身の立場と危険を考慮し、ロスヴァイゼと行動を共にすることがリスクであることを説明した。ロスヴァイゼはその説明を受け入れ、安堵の表情を見せた。

また、ウーゾスはロスヴァイゼに惑星トスレの遺跡について尋ねたところ、特権階級が景観保護を名目に平地を山岳地帯に改造したことを知った。ウーゾスはこの情報に興味を抱きつつも、惑星トスレでの仕事に向けて準備を進めた。

アロディッヒ・イレブルガスとの遭遇と挑発

ウーゾスがロスヴァイゼと別れた直後、イレブルガス商事の社長子息であるアロディッヒと遭遇した。アロディッヒはウーゾスを挑発し、過去の対立を再び蒸し返そうとした。ウーゾスは挑発に乗ることなく、冷静に対処しようとした。

モブ № 72「安全装置がかかっているとはいえ、こんな町中で銃を抜くものではないわ」

ウーゾスとイレブルガスの遭遇

ウーゾスは学校時代に嫌われていた男、アロディッヒ・イレブルガスと再会した。イレブルガスは高級品を身に着け、女性や取り巻きを引き連れて現れた。ウーゾスを見下しつつ、ロスヴァイゼに興味を示してナンパを始めた。イレブルガスは自分がイレブルガス商事の次期社長であることを誇示し、ロスヴァイゼに付き合うよう誘い続けた。

ロスヴァイゼの対応とイレブルガスの挑発

ロスヴァイゼはイレブルガスを無視し、傭兵の証明書を見せつけて彼を一蹴した。しかし、イレブルガスは理不尽にウーゾスを非難し、激昂して銃を抜いた。彼の所持する大口径熱線銃『サンドホーク』は民間では扱いにくい威力の高い武器であったが、イレブルガスは威嚇のためにこれを突きつけた。

ロスヴァイゼの制圧行動とイレブルガスの敗北

ロスヴァイゼはイレブルガスの腕を巧みに捻じり、銃を奪い取り、取り巻きの方へと投げ飛ばした。その後、銃を安全装置のかかった状態で分解し、返却した。ロスヴァイゼはイレブルガスに厳しく退去を命じたため、彼は取り巻きと共に不満を漏らしながら店を去った。

ウーゾスとロスヴァイゼの会話とその後の行動

イレブルガスが去った後、ロスヴァイゼはウーゾスに謝罪した。彼女はイレブルガスの存在に苛立ち、その制圧を自ら行ったことを明かした。ウーゾスは今回の出来事に巻き込んでしまったことを詫びたが、ロスヴァイゼはむしろ満足しているようであった。

その後、ウーゾスは必要な物資を購入し、ゴンザレスから惑星トスレの情報を得た。さらに闇市商店街で食材を調達し、両親に長期の不在を伝えて帰宅した。そして、旅に持っていくラノベや漫画、アニメを選び始めた。

モブ № 73「しかし、プロのパイロットというのは凄いな。こんな雨と風と雷のなかでこんなに安定して飛行させられるとは。素人の私達ではこうは行かない。やはりコツなどあるのかね?」

惑星トスレの概要と調査体制

惑星トスレは海と緑と白い雲に彩られた美しい星である。大気は人類が生息可能で水資源も豊富だが、地面のほとんどが固い岩盤であり、平地は全体の約1%しか存在しない。そのため、居住拠点は海上や空中に建造されている。この地形が形成された原因については、災害や戦争の影響など様々な仮説が立てられているが、実際には古代の特権階級が景観保護の名目で平坦な土地を山岳地帯に改造したためであるとされる。

現在、惑星トスレは発掘調査の対象となっており、観光惑星としての開発が進行中である。主要拠点である『オーシャン・パレス』は、巨大な人工海上都市として建造され、各種研究や発掘のための拠点となっている。海底に固定されたプレートが3階層にわたり設置され、最上階には宇宙港行きの軌道エレベーターが存在する。施設内には発掘や研究に必要な設備が揃っているが、娯楽施設は存在しない。

ウーゾスの仕事と発掘チームへの参加

ウーゾスは今回、帝都グロールムス大学の考古学教授フロリナ・テーズのチームに雇われた。彼の役目は、サンフィールド社製『キャリーエース Ⅲ型』という貨物船を操縦し、教授たちを発掘現場へ送迎することであった。発掘現場に到着後は自由時間が与えられ、ウーゾスは都市内での生活や読書を楽しんだ。

教授チームは発掘現場での作業を終えると、夕方には再びウーゾスの操縦する貨物船で海上都市へ帰還するという日々を送っていた。この平和な仕事はウーゾスにとって心地よいものであり、命の危険を感じることなく生活できることに感謝していた。

謎の視線と女子学生の存在

ウーゾスは貨物船の点検中に、何者かの視線を感じたことがあった。その視線は点検中にずっと続いていたが、正体は判明していなかった。また、ある日、女子学生が荷物を運んでいる際に足を滑らせて荷物を投げつけてしまったことがあった。この時、ウーゾスは彼女に不自然な視線を感じた。

その後、発掘チームを現場へ送り届けるという日常が続き、ウーゾスは安定した生活を送っていた。海上都市に戻ってからも、読書や娯楽を楽しむ自由時間が与えられていた。

悪天候と女子学生の異常行動

3週間が経過したある日、惑星トスレにて天候が急激に悪化した。教授たちを発掘現場に送った直後、激しい豪雨と暴風が発生し、教授から早めに帰還したいという連絡が入った。ウーゾスは発掘品を積み込み、教授たちを迎えに行ったが、帰還中に教授から操縦技術について質問される場面があった。

その際、ウーゾスに視線を送っていた女子学生が教授をたしなめ、ウーゾスの肩を掴みながら微笑みかけた。この時、ウーゾスは彼女が自分に視線を送り続けていた張本人であると確信した。さらに、その直後に船体が雷に打たれ、状況は一層危険なものとなった。

帰還と安堵

ウーゾスは危険を回避するため、海面近くを低空飛行で慎重に操縦しながら海上都市へと帰還した。女子学生の不審な行動に対する警戒心は続いていたが、それ以上の干渉はなく、無事に仕事を終えることができた。

モブ № 74「実は大事な研究データを休憩所兼遺跡の一時保管所になっている小屋に忘れてしまったんだ!  あれがなければ研究が進まないんだ!」

発掘品の分解整備と教授の失念

ウーゾスは海上都市に戻り、発掘品を降ろしながら船体のチェックを行った。問題はなかったが、雷や雨の影響を考慮し、教授の許可を得て分解整備を行うことを決定した。整備工場に船を移動させ、依頼を完了したが、教授が重要な研究データを保管場所に忘れていたことが発覚した。ウーゾスは自分の船で取りに行くことを提案し、教授も同行した。

フロリナ・テーズの視点とウーゾスの操縦技術
フロリナ・テーズ教授は研究データを忘れてしまったことを後悔していた。ウーゾスの操縦する船は非常に安定しており、発掘現場への到着も迅速であった。ウーゾスは丁寧に船を停船し、フロリナはすぐに研究データを回収した。しかし船へ戻った際、突如二隻の船が現れたことに気づいた。

ダズブロウト博士の妨害

ウーゾスの船に近距離通信が入り、帝国子爵であり考古学博士のハロルド・ダズブロウトが現れた。ダズブロウトはフロリナの発掘成果を妬み、自分の功績とするために彼女を圧迫した。過去にダズブロウトは権力を使って発掘場所を変更させていたが、その場所からは大した発見がなかった。ダズブロウトは学会に自分の指示で発掘を行わせたと報告することで功績を奪おうとした。

フロリナの譲歩とダズブロウトの要求

ダズブロウトはフロリナの研究チームを嵐の中で都市から追い出すと脅迫し、彼女に従うよう迫った。フロリナは彼の性格を理解しており、脅迫が本気であることを察した。ウーゾスは通信妨害の可能性を指摘したが、フロリナは部下たちの安全を確保するためにダズブロウトの要求を受け入れた。ダズブロウトは船のエンジンを停止し、ウーゾスも含めて外に出るよう命令した。

モブ № 75「お前のところのパイロットは下手くそだな。私が雇ったパイロット達は、このものすごい嵐の中でもほとんど揺れる事なく飛行し、簡単に着陸までこなしていたぞ。無能の部下はやっぱり無能だな」

ウーゾスの逃走と戦闘計画

ウーゾスはテーズ教授の依頼を受け、敵対勢力からの襲撃を避けるための逃走プランを考えていた。教授の研究成果を狙うダズブロウト博士の勢力が迫る中、ウーゾスは自らの船の駆動キーを教授に渡すふりをして隠し持ち、教授に予備の駆動キーを渡して敵を欺く策を立てた。ウーゾスは教授に続いて船の外に出ると、上空には二隻の船が配置され、地上には軍用突撃銃を持った敵兵たちが配置されていた。

ダズブロウト博士との交渉と教授の窮地

ダズブロウト博士は教授に研究成果と駆動キーを要求し、教授は渋々とそれを差し出した。ダズブロウトと軍人崩れたちは船に乗り込んだが、ウーゾスの船は突如上空の船からビーム攻撃を受けて破壊された。ウーゾスは急いで階段状の遺跡を駆け上がり、洞窟へと逃げ込んだ。

テーズ教授の捕縛とダズブロウトの狡猾さ

教授は駆動キーと研究データを渡したが、ダズブロウトはウーゾスを安全に保つという約束を守らなかった。駆動キーを返すふりをして船外に捨て、教授を脅迫して研究チームの人質を盾に従わせた。さらにウーゾスの生存が確認されると、ダズブロウトは部下にウーゾスの抹殺を命じようとしたが、突如起こった嵐のため船のコントロールを失い、攻撃は不安定なものとなった。

ウーゾスの窮地と脱出の可能性

ウーゾスは洞窟へ逃げ込んだが、ダズブロウトの指示で洞窟の入り口が砲撃され、完全に塞がれてしまった。風の影響で攻撃は安定せず、ウーゾスは洞窟内に取り残されたが、別の出口を探す決意を固めた。過去に聞いた話によれば、この場所には別荘や防衛基地が存在する可能性があるため、ウーゾスは奥へと進むことにした。

モブ № 76「動くな侵入者。動けば殺す」

洞窟内の探索と発掘基地の発見

ウーゾスは腕輪型端末のライトを点灯させ、洞窟内を調査した。洞窟は緩やかな傾斜で奥に続いており、空気循環用のパイプラインが天井と地面に設置されていた。しかし、パイプは稼働していない状態であった。洞窟内には古代文明の痕跡が点在し、砲撃の影響でひび割れが確認された。ウーゾスは急いで脱出の手段を探す必要があると判断した。

洞窟内の探索と発掘の最前線への到達

ウーゾスは洞窟を進み、二つに分かれた道のうち右側を選んだ。右の道は発掘現場へと続いており、道具が几帳面に整頓されていた。道の終点である発掘の最前線に到達したが、空気が薄くなっていることを感じ、引き返すことにした。

左の道と発掘基地の発見

左の道を選んだウーゾスは、古代文明の痕跡が残る平坦な道を進んだ。途中に発掘のための基地を発見し、そこには掘削機、酸素マスク、発掘用の道具、休憩用の設備などが整備されていた。ウーゾスはこれを利用して脱出作業を進めることに決めた。

掘削作業の開始と酸素供給の発見

ウーゾスは掘削機を使って脱出を試みたが、作業は思った以上に難航した。洞窟内の空気が薄くなり始めたため、基地に戻って休憩を取ることにした。しかし、意外にも基地内では十分な呼吸ができた。これにより、どこかから酸素が供給されている可能性を考えたウーゾスは、引き続き掘削作業を進める決意を固めた。

謎の女性との遭遇

掘削を続けたウーゾスは、基地へ戻る途中で突然行き止まりに遭遇した。しかし、その壁が突然音もなく開き、背後から女性の声がウーゾスに指示を与えた。彼女は銃を構えた高身長で鋭い眼光を持つ女性であり、ウーゾスを侵入者と見なして行動を制限した。

女性との対話と正体の判明

ウーゾスは事情を説明し、洞窟内に避難した経緯を話した。女性はウーゾスに興味を失い、エレベーターで元の場所へ戻ろうとした。その際、ウーゾスは女性に質問を投げかけた。発掘調査が行われているにもかかわらず、この施設の存在が発見されなかった理由を尋ねたのである。女性は「擬装土」という特殊な土砂によって探査が阻害されていると説明した。

ロスヴァイゼとの関係と正体の告白

さらにウーゾスは、ロスヴァイゼという言葉に聞き覚えがあるか尋ねた。女性はそれが自分の妹の一人であることを告げ、自らの名前が「ゲルヒルデ」であると明かした。彼女は小型戦闘艇・Wagner・Valkyria・SistersのLot No. 02であり、その正体を語った。

ウーゾスの推測と確認

ウーゾスは彼女の雰囲気がロスヴァイゼと似ていることから、同じ存在であると推測していた。その推測が正しかったことを確認できたことで、ウーゾスは彼女との出会いに対する理解を深めた。

モブ № 77「では私はここを放棄して愚妹に会いにいく。調査は勝手にするといい」

エレベーターでの休息と洞窟内の探索

ウーゾスはエレベーター内で休息を取るため戻ってきた。ゲルヒルデから許可を得た後、パイロットスーツを脱ぎ、乾燥機能を作動させて内部と外部を完全に乾燥させた。スーツの下にはジャージを着用していたため、動きやすさと吸湿性を確保していた。エレベーター内で横になり、疲れからすぐに眠りに落ちたが、椅子を並べた簡易ベッドは快適とは言えなかった。

エレベーター内での作業と新たな発見

翌朝、ウーゾスはウォーターサーバーの水を飲み、掘削機のバッテリーを確認し、安全のため再びパイロットスーツを着用した。準備を整えた後、エレベーターの近くの壁のヒビに気づき、軽く叩くと岩が剝がれ落ち、エレベーターの昇降ボタンらしきものを発見した。ゲルヒルデの忠告を守り、昇降ボタンを操作せず掘削作業を再開した。

洞窟からの脱出と破壊された船

掘削機を使って数時間の作業を行い、ついに外へと繋がる穴を掘り抜いた。しかし、外は激しい雨風が続き、遠くから見てもウーゾスの船と休憩所は完全に破壊されていた。通信手段も失われ、大切な書籍やアニメデータカードも灰となっていた。ウーゾスは海上都市へ戻る手段を探すことを決意した。

ゲルヒルデとの再会と助言

雨の中で途方に暮れていたウーゾスは、ゲルヒルデに再び出会った。ゲルヒルデは水上船があることを教え、ウーゾスに自由に使うことを許可した。さらにウーゾスは、ゲルヒルデの妹がいる場所の情報を提供し、ゲルヒルデは目的地に向かうために自身の戦闘艇へと戻っていった。

水上船の発見と脱出準備

ゲルヒルデからの情報をもとに、ウーゾスは格納庫を探索し、水上船を発見した。エンジン付きの船は無事で、燃料も十分にあったため、脱出には問題なかった。安全のために手漕ぎ用の櫂も準備した。エレベーターホールに戻り、革製の長椅子で休息を取ることにした。掘削作業が無駄に終わったことに嘆きつつも、ウーゾスは脱出の準備を整えた。

モブ № 78「待たせたな!  みんな無事か!?」

海上都市への脱出と危機

ウーゾスは、激しい雨風を利用してダズブロウトの追撃を避けながら、水上船を起動させた。目的地は海上都市ではなく、最寄りの発掘現場であった。通信中継の可能性を期待しての選択であったが、距離があるかロックが掛かっているため、通信はできなかった。ダズブロウトの手下に見つからないよう、ウーゾスは慎重に行動を続けた。

フロリナ・テーズの拘束と状況確認

フロリナ・テーズは、ダズブロウトの部下たちに拘束され、海上都市へ移送された。到着後、研究員や学生たちが保管庫へ押し込まれ、ダズブロウトによって研究資料が全て奪われた。テーズはダズブロウトに脅され、反抗できずに保管庫へと閉じ込められた。

学生であるビーナ・チュルスから、研究資料の喪失とデイビッド・トライスの行方不明について報告を受けた。また、地元警察が事故処理で手一杯であり、一部がダズブロウトの手下であるため通報が受け付けられなかったことも知らされた。

デイビッド・トライスの行動と救出作戦

デイビッド・トライスは、ナンパに失敗して研究エリアに戻ったところ、ダズブロウトの部下たちが研究資料を運び出している現場を目撃した。警察へ通報するも相手にされず、内部にダズブロウトの手下が存在することを悟ったトライスは、独自に教授たちを救出する決意を固めた。

トライスは警備室から電磁警棒と麻酔銃を入手し、見張りの男たちを麻酔と電磁警棒で制圧した。保管庫の鍵を手に入れた彼は、研究員や学生たちを解放し、保管庫内に押し込められていたチンピラたちを逆に拘束することに成功した。

学長への報告と対策の指示

解放後、テーズはトライスの携帯を借りて帝都グロールムス大学のキャンベル学長に連絡を取った。ダズブロウトによる研究資料の奪取とウーゾスの殺害計画、警察の協力が得られない現状を説明した。学長は警察への連絡とダズブロウトの除籍処分の準備を約束し、テーズに証拠収集を求めた。

また、学長室にいた別の人物は、過去の因縁によりダズブロウトに恨みを抱いていることを示唆した。この人物も学長に協力する意向を示し、ダズブロウトの処分に向けた行動が始まった。

ウーゾスの行動と課題

ウーゾスは発掘現場から離れ、最も近い島へと到着した。しかし、崖が多く通信も届かないため、海上都市へ向かうことを決意した。ダズブロウトの手下に見つからないよう慎重に行動しながら、海上都市への到達を目指した。

モブ № 79「それなら問題はありませんよ。発見者はテーズ教授。私の名前は絶対に出さないように私からお願いして約束してもらってますから」

ウーゾスの帰還と事情聴取

ウーゾスはテーズ教授の発掘現場を出発してから、12か所の発掘現場を経由し、72時間かけて海上都市に戻った。ダズブロウト博士の手下が誰か特定できず、助けを求められない状況で食料も無かったが、釣り船に溜まった雨水で凌いだ。上陸時は夜釣り客の会話に紛れて無事に水上船を係留し、すぐにその場を離れた。

帰還後、ウーゾスはテーズ教授の研究エリアを訪れた。テーズ教授が発掘品の保管作業を指揮している中、ウーゾスが声をかけると教授は無事を喜び、抱きつこうとしたが拒否された。ウーゾスは依頼の仕事が滞ったことを謝罪し、教授は自分に責任があると述べて咎めることはなかった。その後、警察が訪れ、ウーゾスの身元確認と事情聴取を求められた。

ダズブロウト博士の逮捕と裁判待ち

テーズ教授と警察官による話では、教授がウーゾスと引き剥がされた後、海上都市に戻ると学生や研究員が人質に取られ、研究成果を奪われ保管庫に監禁されていた。さらに、警察内部にも協力者がいたため、逃げ出すことも困難であった。しかし、ナンパに励んでいて現場にいなかった学生デイビッド・トライスが救出活動や証拠集めを行い、ダズブロウト博士を逮捕に至らせた。

ダズブロウト博士は無罪を主張したが、過去の悪事も明るみに出た。さらに博士の息子が父親の悪事を暴露し、被害者たちに告発を促すなど全面的な協力を行ったため、博士は大学からも除籍されることとなった。裁判所の機能がない海上都市では取り調べが不可能であり、現在は帝国首都での護送待ちとなっている。

テーズ教授の研究成功とウーゾスの安堵

ウーゾスは自身の船に関して、テーズ教授と大学、そしてダズブロウト博士の息子が三分の一ずつ負担してくれることになり、保険金も下りることが決まった。しかし、同じ船が見つかるかどうかは不明であった。ウーゾスは自身の状況を警察に説明し、通信のやり取りを録画したデータを提示したことで感謝された。また、ゲルヒルデに関することや古代文明の遺跡発見については伏せるようにした。

その後、テーズ教授が水上船の場所を聞き出し急ぎ向かう一方で、ウーゾスは警察から事情聴取を終えて自由の身となり、着替えを購入し風呂と食事を楽しんだ。そしてホテルに戻り、すぐに眠りについた。

再会と新たな発見

翌朝、ウーゾスはテーズ教授の研究エリアへと急いだ。そこでは、教授以下の研究員や学生がウーゾスの乗ってきた水上船を囲み、検査や観察に夢中になっていた。教授から急かされる形で貨物船に乗り込み、発掘現場へと向かうことになった。

ウーゾスがベースキャンプとして使っていた休憩所は、最初からあの形であったことが確認され、怪しいと感じられていた。また、地下への穴についても調査が進められていた。ウーゾスがエレベーターを起動させ、テーズ教授たちを地下施設へ案内した際、教授たちは大喜びし、その後ウーゾスは研究者たちに場所を教えて地上へと戻った。

ウーゾスの決意と帰路

地上ではウーゾスの船と小屋の撤去作業が進められており、新たな小屋の建設が開始されていた。残骸から使えるものを探している際、眼鏡をかけた女子学生が現れ、ウーゾスが教授を守れなかったことを叱責しつつも、遺跡発見者を教授に譲ることを確認した。その後、彼女は納得して作業現場に戻っていった。

ウーゾスは余計なことに関わらない方が良いと考えつつも、新しい船を探す決意を固め、帰途についた。

モブ № 80「汎用型戦闘艇の防御重視?  そりゃなかなか難しいな。最近はあまり扱ってないからな」

傭兵ギルド内の修理工場の訪問と戦闘艇の調査

ウーゾスは海上都市に戻り、修理工場を訪れて新しい戦闘艇を探し始めた。工場の親方と弟子に相談した結果、防御重視の汎用型戦闘艇は非常に少ないことが判明した。カタログを確認したところ、イオフス社の『ノルテゲレーム』という『スリッツ』の後継機が候補として挙がった。この機体は以前のものと外見はほぼ同じだが、船内が広くなり性能も向上していた。価格も賠償金で賄える範囲であったが、機体は海上都市では入手できない状況であった。

ローンズへの報告と不安

ウーゾスは工場を離れた後、ローンズに電話をして今回の出来事を報告した。ローンズはウーゾスに賠償金をしっかり受け取るように指示しつつ、問題が起きないよう早めに現地を離れるよう助言した。ウーゾスは自分に釘を刺した女子学生のことを懸念しつつも、教授に相談することを考えた。

仕事の終了と賠償金の受け取り

契約期間は残り2日となり、本来の専属パイロットが戻ってきたためウーゾスはお役御免となった。教授や大学、博士の息子から賠償金900万クレジットを受け取り、仕事自体の報酬と保険金はギルドで受け取ることに決まった。その後、ウーゾスは現地を離れるために必要な便を探したが、出発は翌朝となった。

惑星イッツへの帰還と日常の再開

翌朝、ウーゾスは無事に惑星イッツへ帰還した。まず食料の買い出しを済ませ、自宅で掃除や風呂を終えた後、アニメを鑑賞しながら食事を取った。翌日には傭兵ギルドを訪れ、ローンズから正規の報酬50万クレジットと賠償金を含めた合計1200万クレジットを受け取った。

新しい戦闘艇の入手と今後の計画

ウーゾスはカタログで見つけた『ノルテゲレーム』を入手するため、代理店に問い合わせる必要があると考えた。惑星イッツが政令指定惑星であるため、取り扱っている可能性はあるが、不人気な品の取り扱いには不安を抱えていた。ローンズはしばらく休んでから探すことを勧めたが、ウーゾスは必要以上に休むことは避け、次の活動を見据えて行動するつもりであった。

【特別編】 1  私の新人時代

ティウルサッド社での整備作業と回想

ティウルサッド・コーポレーションの整備工場において、ウーゾスの戦闘艇『エガリム』がオーバーホールを受けていた。工場の窓からその様子を眺めるウーゾスは、女豹のエンブレムの塗り直し作業を目にし、自分がエンブレムを使い始めたきっかけを思い出していた。ウーゾスは、幼い頃から「ティウルサッド子爵の御嬢様」というブランドでしか見られないことに不満を感じていたため、自分の実力を証明するために傭兵としての道を選んだ。両親を説得し、高校入学と同時に惑星イッツ支部で傭兵活動を開始することを決意した。傭兵活動をするために、ティウルサッド社製の戦闘艇と母艦を使用することを条件とされ、シェリーと共に活動を開始した。

初めての依頼と海賊退治

惑星イフコーゼス星立エギビリス学園高等部に首席で入学したウーゾスは、初めての金曜日に傭兵ギルドに登録した。受付嬢から不親切な対応を受けつつも、別の受付係の男性からきちんとした対応を受け、初仕事として『斑猫姉妹』と呼ばれる女海賊を討伐する依頼を選んだ。斑猫姉妹は、貨物船を偽装して活動していた海賊であり、ウーゾスは母船『ウリクモ』を貨物船に偽装して接近、戦闘を行った。ウーゾスは、二人の戦闘艇を撃墜し、貨物船も制圧した。斑猫姉妹を警察に引き渡し、任務を完了させた。

報酬と初仕事の評価

ウーゾスは依頼を完了し、ギルドで報告を行った。報酬は『斑猫姉妹』の捕縛と戦闘艇の売却で合計540万クレジットとなった。初仕事の報酬としては高額であり、ウーゾスはその成果に満足した。夕食では母親が腕を振るい、豪華な料理を振る舞った。ウーゾスは初仕事の達成感に満ちた時間を過ごしたが、宿題を忘れていたことを指摘され、慌てて取り掛かった。

エンブレムの選定と動物園訪問

戦闘艇に付けるエンブレムを決めるため、ウーゾスは惑星イフコーゼス星立ホトル動物園を訪れた。友人のマイカも同行し、ウーゾスは様々な動物を見学した末に豹の赤ちゃんに魅了される。エンブレムに豹を選ぶことを決め、戦闘艇に描くことにした。シェリーとマイカとの交流を通じて、ウーゾスは傭兵としての活動を楽しみながらも、自分の道を進んでいく決意を新たにした。

斑猫三姉妹の更生と就職

ウーゾスが捕まえた『斑猫三姉妹』は、海賊行為の動機が事故で亡くなった両親の借金返済であったこともあり、懲役3年の判決が下された。出所後、ティウルサッド・コーポレーションの更生者保護支援活動により、三姉妹は同社に就職した。三女のメーショは整備士、次女のシアルは警備員、長女のミルケは会計課で働いていた。ウーゾスは、彼女たちが改心し、それぞれの職務を全うしている姿を確認した。

エンブレムの完成と新たな決意

ウーゾスは、自身の戦闘艇に豹のエンブレムを描き、今後の活動に向けて新たな決意を固めた。過去の経験を振り返りつつも、ウーゾスは傭兵としての活動を続けることを選んだ。ティウルサッド・コーポレーションでの整備作業が完了したことを確認し、次の依頼に向けて準備を整えた。

【特別編】 2  憧れ

模擬レースと撮影の準備

『シルフィードゴスペル』は美容用品の総合販売メーカーであり、エステサロン・ブティック・スポーツジムなどを含めた美容サポートプロジェクトを展開していた。このプロジェクトのコマーシャルやポスターのイメージキャラクターとして20人の女性プラネットレーサーが選ばれ、その中にはウーゾスとアエロも含まれていた。撮影は惑星ケワットレイドでの模擬レースから始まった。この惑星は酸化鉄を多く含む赤い地表を持ち、居住には不向きであったが、プラネットレースの基本的なコースとして使用されることが多かった。

模擬レースの開始と競技状況

ウーゾスとアエロは浮遊板基地の更衣室で準備を整えた。模擬レースは戦闘禁止のため、純粋にレース技術を競うものとなっていたが、参加者たちは緊張感を持ち、ピリピリとした空気を漂わせていた。撮影は浮遊型カメラドロイドによって行われ、ピットガレージに人間が入らないよう配慮されていた。模擬レースは無事に行われ、ウーゾスが1位、アエロが2位でゴールすることに成功した。

『シルフィードゴスペル』本社での昼食と撮影

模擬レース終了後、ウーゾスたちは首都惑星ハインにある『シルフィードゴスペル』本社へ移動した。本社内の多目的ホールで提供された昼食は、ダイエットフードやローカロリーフードの試食会も兼ねていた。ウーゾスとアエロはそれぞれ好みの料理を取り、他のレーサーたちと会話を楽しんだ。特に、プリセリセル・アリラウス・ファリナーとリリン・フレットラインという他のチームの選手たちとのやり取りがあった。

直営店での撮影とエリアナ・アーノイドの登場

昼食後は『シルフィードゴスペル』の本社ビル内にある直営店舗で、商品を見て回る様子を撮影された。ウーゾスたちが店舗を見て回っていると、エリアナ・アーノイドという若い社長が現れた。彼女は自社の商品であるスキンケア用品の効果を証明するかのように、年齢を感じさせない美貌を保っていた。この事実に、他のレーサーやスタッフたちは驚きを隠せなかった。

エステ体験とポスター撮影

エステ体験では、ウーゾスが初めての施術を受け、疲れや身体のこりを取り除かれた。施術が終わると、ポスター撮影の準備が整い、ウーゾスは撮影用の衣装として男物のスーツを着せられた。その姿に周囲の人々は興味を示し、一部の者は熱心に写真を撮影していた。撮影後、ウーゾスは様々なファッションとヘアスタイルを試し、特にロングヘアへの変化を楽しんだ。

『女神の奇跡』とヘアエクステンション体験

『シルフィードゴスペル』が開発した『女神の奇跡』という乳白色の液体は、髪に付着すると細胞型ナノマシンが髪を高質化し、自然に延長するという技術であった。ウーゾスはこの施術を受け、短髪から腰まであるロングヘアに変化した。撮影では多様な髪型とファッションを楽しみ、その様子をデータとして記録した。

撮影後の結果とポスターへの不満

撮影終了後に発表されたCMは好評であったが、ポスターについてはウーゾスが不満を抱いた。20人のレーサー全員に2パターンのポスターが用意されていたが、ウーゾスのポスターは男物のスーツとゴスロリツインテールという異色の組み合わせであり、彼女はその選択に納得できなかった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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