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フィクション(Novel)最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い読書感想

小説【出涸らし】「最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 7」感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

出涸らし6巻 レビュー
出涸らし8巻 レビュー

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  1. どんなラノベ?
    1. ■ 物語の特徴
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 帝国の式典
    2. 聖女の暗殺計画
    3. エルフの王女
    4. 魔奥公団の暗躍
    5. 帝位争いの進展
    6. レオナルトの覚醒
  6. 登場キャラクター
    1. アードラシア帝国(皇族・後宮)
      1. ヨハネス・レークス・アードラー
      2. エリク・レークス・アードラー
      3. ゴードン・レークス・アードラー
      4. ザンドラ・レークス・アードラー
      5. トラウゴット・レークス・アードラー
      6. コンラート・レークス・アードラー
      7. アルノルト・レークス・アードラー
      8. レオナルト・レークス・アードラー
      9. ヘンリック・レークス・アードラー
      10. クリスタ・レークス・アードラー
    2. アードラシア帝国(臣下・貴族・関係者)
      1. フランツ
      2. セバスチャン
      3. フィーネ・フォン・クライネルト
      4. ギード・フォン・ホルツヴァート
      5. アロイス
      6. リタ
      7. 店主
      8. 老婆
      9. ゴロツキたち
      10. 村長
    3. 帝国軍・騎士団
      1. エルナ・フォン・アムスベルグ
      2. アリーダ・フォン・ヴァイトリング
      3. マルク
      4. ヴィンフリート・トラレス
      5. ラース
      6. 近衛騎士たち
      7. 警邏隊
      8. ネルベ・リッター
    4. 冒険者ギルド・冒険者
      1. ジークムント・アイスラー
      2. リンフィア
      3. ジャック
      4. 受付嬢
      5. 冒険者たち
    5. 魔奥公団
      1. バベット
      2. イアン
      3. ヴィルジール
      4. イグナート
      5. 魔奥公団の構成員たち
      6. 魔導師たち
      7. 男たち
    6. ペルラン王国
      1. レティシア
      2. 鷲獅子騎士たち
    7. イーグレット連合王国
      1. ウィリアム・ヴァン・ドラモンド
      2. 竜騎士たち
    8. コルニクス藩国
      1. 藩王の息子
      2. 藩国の要人
      3. ミア
    9. ミヅホ仙国
      1. オリヒメ・クオン
    10. エルフの里・ダークエルフ
      1. ウェンディ
      2. ポーラ
      3. エルフたち
      4. ダークエルフたち
    11. アルバトロ公国
      1. エヴァ
      2. ジュリオ
    12. ロンディネ公国
      1. 公子
    13. 皇国
      1. マルティン
    14. 動物・魔物
      1. ブラン
      2. ノワール
      3. 鷲獅子たち
      4. 死霊たち
      5. 飛竜
  7. 展開まとめ
    1. 第一章 要人集結
    2. 第二章 式典開催
    3. 第三章 英雄皇子
    4. エピローグ
  8. 最強出涸らし皇子 シリーズ
  9. その他フィクション

どんなラノベ?

『最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する』は、ファンタジー世界を舞台にした暗躍型の異世界宮廷ファンタジーである。

物語の舞台は、周辺国との軍事的な緊張感や、深刻な内憂外患を抱える強大なアードラー帝国である。主人公のアルノルト・レークス・アードラーは、双子の弟であるレオナルトを帝位につけるため、自らは「出涸らし皇子」と呼ばれる無能な皇子を演じつつ、裏では大陸最高峰の冒険者「シルバー」として驚異的な能力を振るい、壮絶な帝位継承戦を影から支配していく。

基本的な世界観は、魔法や魔導具、古代魔法、禁術が存在する中世風ファンタジーである。大国間での外交政略、領主の腐敗、宮廷内の暗殺疑惑といった複雑な陰謀が絡み合い、武力闘争のみならず、経済戦や高度な知略戦が展開される点が物語の大きな特徴である。

■ 物語の特徴

皇帝即位二十五周年式典を控え、帝都には王国の聖女レティシアら各国の要人が集結した。しかしその裏で、王国の反帝国派と魔奥公団が結託し、レティシアの拉致事件を引き起こす。偽の遺体が残された状況の中、アルノルトは違和感から幻術を見破り、潜入していたダークエルフの仕業だと暴き出すこととなる。

一方、レティシアへ想いを告げていたレオナルトは、彼女を救出するため鷲獅子を駆って追跡へ向かう。古城での激闘の末、死霊魔導師ヴィルジールやダークエルフの族長バベットを討ち倒し、見事レティシアの救出に成功を収めたのだ。だが、この事件自体が近衛騎士団を帝都から引き離すための陽動に他ならない。

手薄になった帝都では、第三皇子ゴードンと第二皇女ザンドラが他国と連携して反乱を企てていた。アルノルトはその陰謀を察知し、藩国の義賊ミアをフィーネの護衛に雇い入れるなど、残された戦力で防衛すべく暗躍の準備を進めていく。次期皇帝の座を巡る争いは、国家の存亡を懸けた未曾有の危機へと発展していくのである。

読んだ本のタイトル

#最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い  7 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する
著者:タンバ 氏
イラスト:夕薙 氏
出版社:KADOKAWAスニーカー文庫
発売日 :2021年7月1日
ISBN : 9784041115039

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あらすじ・内容

記念式典の裏で動き出した犯罪組織グリモワール。聖女レティシアを狙う彼らを討伐すべく、それぞれ動き出すアルとレオだったが、二人を待ち受けていたのは帝都全体を巻き込まんとする更なる強大な陰謀だった……!

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い7 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する

感想

皇帝の施政25周年の記念式典が行われ、外国からVIPが多く来ることになった。

その接待役に各皇族が就く事になるのだが、、

主人公アルは極東の国ミズホのオリヒメ。

そのまま居着いてしまうくらい馴染んでないか??

弟のレオは隣国の連合王国から来た聖女レティシアの接待に就く。

セバスの調べで、そのレティシアが犯罪組織グリモワールに狙われている事がわかる。

しかも本人も何かされる事は分かってるようで襲われる事は事は織り込み済み。

レティシアを狙うグリモワールは聖女を研究材料にしたいらしく誘拐を企てるらしいが、、

誘拐を実行するつもりが無いらしく、グリモワールを注視しても動きが無い。


そして、レオはレティシア本人王国から必要とされて無いとレオに零し王国の為に死ぬことは覚悟済みらしい。

それをどうにかしたいレオは、、

一皮剥けた。

ツゥるんと剥けちゃった。
いや、ハッチャケた?

まぁ、アルの弟だもんね、、

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出涸らし6巻 レビュー
出涸らし8巻 レビュー

考察・解説

帝国の式典

アードラシア帝国で開催された皇帝即位二十五周年記念式典は、皇帝ヨハネスの治世を祝う華やかな祭典であるが、その裏では帝国の存亡を揺るがす巨大な陰謀が進行する舞台となった。式典の概要と、集結した要人たち、そして裏で動いていた事態について解説する。

式典の概要と集結した要人たち
式典は前夜祭が三日間、式典自体も三日間続く大規模なものであり、帝都中が祝祭の熱気に包まれる。この式典に合わせて、大陸中の主要な国々から要人が帝都に集結した。彼らの接待役は皇族たちが分担して務めている。
・ペルラン王国:救国の聖女レティシア。接待役は第八皇子レオナルトが務めた。
・イーグレット連合王国:飛竜を駆る竜王子ウィリアム・ヴァン・ドラモンド。留学時代の友人である第三皇子ゴードンが接待役を務めた。
・コルニクス藩国:藩王の息子。藩国は三年前に皇太子ヴィルヘルムを死に追いやった因縁の国であったが、第四皇子トラウゴットが関係改善の誠意を示すために自ら接待役に志願した。
・ミヅホ仙国:仙姫オリヒメ・クオン。本人の強い希望により、第七皇子アルノルトが引き続き接待役を務めた。
・エルフの里:長老の孫娘ウェンディ。秘密主義のエルフからの異例の参加であり、アルノルトの計らいでクリスタとフィーネが接待役を務めた。
・その他、皇国の大臣を務める皇子(エリク担当)、アルバトロ公国の双子エヴァとジュリオ(コンラート担当)、ロンディネ公国公子(ヘンリック担当)などが参加した。

式典の裏で暗躍する組織と陰謀
華やかな式典の裏側では、帝国を崩壊させようとする複数の勢力が結託し、暗躍していた。
・魔奥公団と賞金首の潜入:魔法の真理を追求するためなら手段を選ばない犯罪組織である魔奥公団や、賞金首の呪詛使いイアンが帝都の地下に潜伏していた。彼らは聖女レティシアを悪魔召喚の依り代にする計画を進めていた。
・聖女レティシアの拉致:式典の最中、ダークエルフの族長バベットがレティシアの護衛隊長に成り代わり、レティシアを拉致する事件が発生した。現場に幻術で偽装された死体を残すことで、帝国に近衛騎士団による城の封鎖を行わせ、外部への追撃を遅らせるという巧妙な罠が仕掛けられていた。

まとめ
この拉致事件は、単なる犯罪組織の凶行ではなく、王国、連合王国、そして帝国内の裏切り者であるゴードンとザンドラが連動した国家規模の陰謀の一部であった。
・レティシア拉致の騒動によって、エルナ率いる近衛騎士隊など多くの精鋭が帝都の外へ分散させられた。
・ゴードンとザンドラは帝都が最も無防備になったこの隙を突き、式典の最終日に帝都を制圧する計画を立てていた。
・さらに、帝都での内乱に合わせて、連合王国、藩国、王国の三国が同時に国境へ侵攻する手はずとなっていた。
このように、華やかな式典は帝国崩壊の引き金となる危険な状況に陥っているのである。

聖女の暗殺計画

アードラシア帝国の皇帝即位二十五周年記念式典の裏で進行していた聖女レティシアの暗殺計画は、実際には暗殺に見せかけた拉致計画であり、ペルラン王国、犯罪組織である魔奥公団、そして帝国の裏切り者たちの思惑が交錯する巨大な陰謀であった。その全貌は以下の通りである。

計画の背景と王国の思惑
かつて弱体化していたペルラン王国は、レティシアの活躍によって国力を回復した。しかし、力を取り戻した王国では以下の思惑が交錯していた。
・帝国と協調するレティシアら親帝国派に対し、大陸最強を目指して連合王国と手を結ぼうとする第一王子ら反帝国派が主流となりつつあった。
・反帝国派は、帝国との条約締結を進めるレティシアを邪魔者と見なした。
・帝国内で彼女を排除することで、帝国との戦争の口実を作ろうと企てていた。

実行犯である魔奥公団の目的
王国の反帝国派は、魔法の真理を追求する大陸規模の犯罪組織である魔奥公団と手を組んだ。両者の利害が一致した理由は以下の通りである。
・王国側は帝国の弱体化と戦争の口実を求めていた。
・魔奥公団の狙いは、魔王級の悪魔を召喚するための上質な依り代として、四宝聖具の使い手である聖女を研究素材として利用することであった。

巧妙な拉致の手口と陽動の罠
実行犯である魔奥公団幹部でダークエルフの族長バベットは、以下の巧妙な手口を用いてレティシアを拉致した。
・事前にレティシアの護衛隊長カトリーヌを殺害して記憶を奪い、幻術で彼女に成り代わって帝国に潜入していた。
・深夜に第八皇子レオナルトの姿に化けてレティシアの部屋を訪れ、強力な睡眠薬の煙を吸わせた。
さらにバベットは、部屋の壁にレティシアに偽装したカトリーヌの死体を突き刺して残した。これは城内で事件が起きれば皇帝は必ず城の封鎖を命じるというセオリーを逆手に取った罠であった。
・これにより、帝国最強の近衛騎士団は城に足止めされ、外部への追撃を遅らせることに成功した。
・同時に、ゴードンとザンドラが企む帝都制圧計画のために城の守りを手薄にするという陽動の役割も果たしていた。

悪魔召喚の儀式とレティシアの抵抗
北部の隠れ家である偽装された村の地下に運ばれたレティシアは、死霊魔導師ヴィルジールによって悪魔召喚の儀式にかけられた。
・悪魔を定着させるため、無数の死霊による凄惨な過去や怨嗟の声を浴びせられ、精神を悪に染め上げられそうになる。
・しかしレティシアは、悪魔の依り代になれば、愛を告げてくれたレオナルトの一生を縛り付ける呪いになってしまうと考えた。
・彼を想う心だけを支えにして、心を削りながらも死霊を浄化し、最後まで耐え抜いた。

まとめ
死体偽装の罠を見抜いたアルノルトの助言を受けたレオナルトは、聖杖の気配を追える黒い鷲獅子ノワールと共に隠れ家を強襲した。レオナルトは人間相手に初めて本気の剣を振るい、立ちはだかる死霊魔導師ヴィルジールを聖炎を纏わせた魔法剣で打ち倒し、間一髪でレティシアの救出に成功したのである。

エルフの王女

アードラシア帝国の皇帝即位二十五周年記念式典に合わせて来訪したエルフの王女ことウェンディは、物語において重要な真実を握る存在として登場する。彼女の背景や作中での出来事は以下の通りである。

エルフの王女の来訪と接待役の決定
ウェンディは、大陸西部の結界に守られたエルフの里の長老の孫娘であり、実質的なエルフの王女として扱われる存在である。
・人間社会や人間の国、そしてお祭りに強い興味を抱いていたことから、異例ながら帝国の式典へ参加することになった。
・接待役については、アルノルトが幼いエルフを溺愛するトラウゴットを危険視して回避した。
・最終的に皇帝のお気に入りであるフィーネと、皇族のクリスタの二人が担当することに決まった。

幻術による偽装とアルノルトの看破
帝都へ到着したウェンディは青い髪のスレンダーな大人の女性の姿をしていたが、それは彼女自身がかけた幻術による偽装であった。
・実際には子供の姿をしており、祖父から子供が代表では失礼に当たると言いつけられて姿を偽っていた。
・アルノルトはその幻術の違和感に気づいたが、あえて皇帝には報告せず、異国の地で不安を抱えていた彼女を安心させた。
・ウェンディは同世代の接待役であるクリスタやリタとすぐに打ち解け、親しく交流していた。

隠された真実とダークエルフの脅威
一見すると平和な親善訪問に見えたが、その裏には恐ろしい真実が隠されていた。
・ウェンディたちの一行は、里を出発した直後に襲撃を受け、ウェンディ以外の本物のエルフは全員殺害されていた。
・彼女に同行していた従者たちであるポーラなどの正体は、五百年前の戦争の生き残りであるダークエルフであった。
・ウェンディは首に爆発する魔導具のネックレスを付けられ、命を脅かされて彼らに従うしかなかった。
・聖女レティシアの拉致計画を隠蔽するためのカモフラージュとして利用されていたのである。

皇旗による正体の露見と救出
玉座の間において、アルノルトたちがレティシアの偽装死体の謎を解明しようとした際、トラウゴットが魔法を無効化する魔導具である皇旗を発動させた。
・これにより、ウェンディの幻術が解けて本来の幼い姿が現れると同時に、同行していたダークエルフたちの黒い肌も露見し、彼らの正体が暴かれた。
・追い詰められたダークエルフたちはウェンディに短剣を向けたが、トラウゴットによる皇旗の投擲という物理攻撃や近衛騎士たちによって即座に制圧された。
・ウェンディの首にあった爆弾のネックレスも、近衛騎士団長アリーダによってすでに切断されており、彼女は無事に保護された。

まとめ
保護されたウェンディは皇帝に対し、自分たちを襲い聖女を拉致した実行犯がダークエルフの族長バベットであること、それが王国主導の計画であること、そして彼女たちが魔王級の悪魔を召喚しようとしている危険性を証言した。
・この重要な情報提供により、帝国は迅速に救出部隊と国境防衛の軍を動かすことになった。
・その後、ウェンディは皇帝の寛大な処置により、行動制限は受けるものの、厳重な護衛のもとで安全な部屋を与えられることになったのである。

魔奥公団の暗躍

アードラシア帝国の皇帝即位二十五周年記念式典の裏で、大陸規模の犯罪組織である魔奥公団が聖女レティシアを狙い、帝都やその周辺で大規模な暗躍を行っていた。その目的や具体的な行動、他勢力との結託の全貌は以下の通りである。

魔奥公団とは
魔奥公団は、魔法の真理や秘奥を追求する魔導研究者たちから発展した犯罪組織である。
・禁術の研究や魔法アイテムの収集を行っている。
・研究素材とするために先天魔法の使い手を殺害することも厭わない危険な集団である。
・幹部は悪魔の羽が生えた本のマークの入れ墨を体に刻んでいる。

目的と王国の反帝国派との結託
今回の彼らの最大の狙いは、魔王クラスの悪魔を召喚するための上質な依り代として、四宝聖具の使い手である聖女レティシアを手に入れることであった。
本来、厳重に警護されている聖女を拉致することは不可能に近いが、彼らは以下の理由からペルラン王国の反帝国派と結託していた。
・王国側は帝国内で聖女を排除して戦争の口実にするという目的があった。
・魔奥公団は研究素材である聖女を求めていた。
このように両者の利害が一致したのである。

帝都地下拠点の構築とシルバーによる壊滅
魔奥公団は帝都にある放棄された貴族の屋敷の地下に強力な結界を張り、多数の構成員や罠を配置して拠点としていた。
・そこには用心棒として金で雇われたS級冒険者イグナートや、幹部である賞金首の呪詛使いイアンが潜伏していた。
・しかし、独自に調査を進めていたSS級冒険者シルバーが単身でこの拠点に突入した。
・シルバーは構成員やイグナートを圧倒的な力でねじ伏せ、逃亡を図ったイアンも追撃の末に捕らえ、帝都の地下拠点を壊滅させた。

拠点に残された資料から発覚した真の計画
シルバーが拠点を制圧した際、そこにあった資料は聖女を魔法実験にどう使うかという研究計画ばかりであった。
・どうやって厳重な警備から聖女を拉致するかという計画書や痕跡は一切なかった。
・この不自然さから、シルバーは魔奥公団は外部から襲撃するのではなく、すでに城の内部に聖女を拉致して引き渡す協力者がいるという真実にたどり着いたのである。

聖女拉致の実行と悪魔召喚の儀式
実際に城内部で拉致を実行したのは、魔奥公団の幹部であり王国から手引きを受けていたダークエルフの族長バベットであった。
・彼女はレティシアの護衛隊長を殺害して入れ替わり、第八皇子レオナルトの姿に化けてレティシアを拉致した。
・その後、帝都北部の村をカモフラージュした隠れ家の地下において、死霊魔導師ヴィルジールがレティシアを悪魔の依り代にするための儀式を開始した。
・無数の死霊による凄惨な過去や怨嗟の声をレティシアに浴びせ、彼女の清廉な精神を悪に染め上げようと企てたのである。

まとめ
しかし、レティシアはレオナルトへの想いを支えに死霊の怨嗟に耐え抜き、対話によって死霊を浄化し続けた。そして、聖杖の気配を辿って隠れ家を強襲したレオナルトがヴィルジールを討ち果たしたことで、魔奥公団による聖女を依り代とした悪魔召喚という恐るべき計画は未然に防がれることとなったのである。

帝位争いの進展

アードラシア帝国の帝位争いは、皇帝即位二十五周年記念式典を境に、これまでの政治的な駆け引きから他国を巻き込んだ武力によるクーデターや反乱へと劇的に進展し激化した。各陣営の動向と帝位争いの変化は以下の通りである。

ゴードンとザンドラによる帝都制圧計画と武力行使への移行
これまで第二皇子エリクが優位に立っていた小競り合いの状況を打破するため、第三皇子ゴードンと軟禁中の第二皇女ザンドラが手を結んだ。
・彼らはペルラン王国、イーグレット連合王国、コルニクス藩国という周辺三国に加え、犯罪組織である魔奥公団とも結託し、国家規模の反乱を企てた。
・聖女レティシアの拉致事件を起こすことで帝国の最強戦力である近衛騎士団を帝都の外へ誘き出し、帝都が手薄になった式典最終日に武力で帝都を制圧するというクーデターに踏み切った。
これにより、帝位争いは血を流す軍事衝突へと変貌したのである。

レオナルトの覚醒と決意による陣営の躍進
第八皇子レオナルトは、これまで自分が皇帝の座を狙うべきかという迷いを抱えていた。しかし、初恋の相手である聖女レティシアが誘拐され、愛する者を失う恐怖に直面する。
・アルノルトからすべてを守るために皇帝になれという叱咤を受けたレオナルトは、ついに彼女を守るためにも皇帝になると強い覚悟を決めた。
・さらにレオナルトはレティシアにプロポーズをしており、もし彼女を妻に迎えれば王国の聖女という絶大な人気と影響力を自陣営に取り込むことになる。
結果として、帝位争いにおいて極めて大きな政治的アドバンテージを得ることになるのである。

トラウゴットの評価とエリク陣営の停滞
最大勢力を誇る第二皇子エリクは、帝国の弱体化を防ぐために帝位争いの激化を避け、被害を抑える現実的な手段をとっている。
・しかし、第四皇子トラウゴットはそれを理想を追おうとしないと批判し、かつての亡き皇太子ヴィルヘルムのような覇気が失われたと切り捨てた。
・トラウゴット自身は帝位を狙わないと明言しつつも、ヴィルヘルムを超える可能性をアルノルトとレオナルトに見出し、暗に彼らを支持する姿勢を見せている。

第九皇子ヘンリックの参戦
第二皇女ザンドラ勢力の残存勢力である約六割を引き継ぐ形で、新たに第九皇子ヘンリックが帝位争いへ参戦した。
・彼はホルツヴァート公爵家の協力を得ているが、勢力としては弱小である。
・そのため、自らが皇帝になるのではなく、各勢力に協力して恩を売ることで、帝位争い終結後の確固たる地位を確保するというキングメーカー的な立ち位置を狙っている。

まとめ
式典を機に、ゴードンとザンドラ陣営が外国勢力を引き入れてクーデターを起こしたことで、帝位争いは単なる誰が次の皇帝に相応しいかという政治闘争から、反乱軍と他国の侵略から帝国を守り抜けるかという帝国の存亡をかけた戦いへと急激に進展しているのである。

レオナルトの覚醒

アードラシア帝国の帝位争いにおいて、第八皇子レオナルトが皇帝としての覚悟を決め、精神的・肉体的な真の「覚醒」を遂げるまでの経緯は以下の通りである。

迷いの払拭とプロポーズ
レオナルトは自分が皇帝に向いているのかという迷いを抱えていたが、レティシアから「国を家族と捉え、民のために何ができるか考えられるあなたの方が皇帝に向いている」と背中を押され、迷いを断ち切った。
祖国のために自らの死を受け入れている彼女を救うため、レオナルトはアルノルトの助言を胸に「誰かがあなたを奪うなら僕が奪う」と強引なプロポーズを行い、彼女を何としても守り抜く覚悟を示した。

絶望からの再起と皇帝への覚悟
しかし、レティシアが拉致され自室に偽装死体が残されたのを見たレオナルトは、愛する者を守れなかった絶望から完全に心を折られてしまう。
そんな彼をアルノルトは殴り飛ばし、「悲しむことは弱いことじゃない。立ち止まることが弱いんだ」「失うのが怖くて泣きたくないならすべてを守るしかない」と厳しく叱咤した。
アルノルトから「お前が守れないモノは俺が守る。お前は俺が守れないモノを守れ」と双子で補い合う約束を交わし、レオナルトは彼女のためにも必ず皇帝になるという真の覚悟を決めた。

ノワールの服従と躊躇いを捨てた剣
レティシアが生きていると知ったレオナルトは、誰にも懐かない気性の荒い黒い鷲獅子「ノワール」に真っ向から意思をぶつけ、力ずくで認めさせて空へ飛び立った。
これまで人間相手の戦闘では常に命を奪うことに躊躇いを抱えていたレオナルトだったが、レティシア救出という明確な目的のため、初めて躊躇いを捨てた「本気の剣」を振るう。
その迷いのない剣技の冴えは凄まじく、立ちはだかる魔奥公団の魔導師たちや、死霊魔導師ヴィルジールを圧倒し、間一髪でレティシアを救出した。

アードラーの誓いと潜在能力の解放(覚醒)
救出後、追撃してきた古強者のダークエルフ・バベットとの死闘において、レオナルトは圧倒的な力の差に苦戦を強いられる。
しかしその窮地で、かつて皇太子ヴィルヘルムから教えられた「アードラーの略奪」の真意を悟る。
それは単なる強欲ではなく、「この手に掴んだすべては誰にも渡さず、あらゆるモノから守り抜くという誓い(宣誓)」であると真に理解した。
その覚悟に応えるように、レティシアが聖杖の力(対象の潜在能力を引き出す「黄金」の色)をレオナルトに行使する。
これにより規格外の潜在能力を解放したレオナルトは、バベットが反応できない速度で接近して深手を負わせ、最上級聖魔法《ホーリー・グリッター》を放って強敵を打ち倒した。

出涸らし6巻 レビュー
出涸らし8巻 レビュー

登場キャラクター

アードラシア帝国(皇族・後宮)

ヨハネス・レークス・アードラー

アードラシア帝国の皇帝である。自身の息子たちが帝国を裏切るとは考えていない。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
 自身の即位二十五周年式典で演説を行った。レティシアを王国に帰すというアルノルトの提案を退けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 帝国の最高権力者として絶対的な決定権を持つ。

エリク・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第二皇子である。トラウゴットから理想を追おうともしないと批判された。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第二皇子。外務大臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 レティシアの遺体を確認し、違和感があると証言した。三国による侵攻を防ぐため、皇国が参戦しないよう外交工作を命じられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 帝位争いにおいて有力な候補者の一人である。

ゴードン・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第三皇子である。帝位争いにおいてザンドラと同盟を結んでいる。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第三皇子。
・物語内での具体的な行動や成果
 玉座の間でアルノルトの挑発に乗り、掴みかかろうとした。帝都制圧計画をザンドラと共に企てている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 連合王国からの支援を受けている。

ザンドラ・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第二皇女である。ゴードンと手を組み帝都制圧を計画している。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第二皇女。
・物語内での具体的な行動や成果
 城内の一室でゴードンと密談を行った。王国と協力して帝都制圧の準備を進めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 現在は軟禁状態にある。

トラウゴット・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第四皇子である。幼いエルフを好む変人として知られている。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第四皇子。
・物語内での具体的な行動や成果
 コルニクス藩国要人の接待役を自ら引き受けた。宝物庫から皇旗を持ち出し、玉座の間で発動させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 皇太子ヴィルヘルムを超えられないと考え、帝位を狙っていない。

コンラート・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第六皇子である。アルバトロ公国の接待役を務める。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第六皇子。
・物語内での具体的な行動や成果
 玉座の間でアルノルトの発言を聞いて笑い出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 形式上はゴードンを支持する立場にある。

アルノルト・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第七皇子である。裏ではSS級冒険者シルバーとして活動している。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第七皇子。SS級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔奥公団の拠点を単身で制圧した。レティシアの偽装遺体を見破り、皇帝や他の皇子たちを説得した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 帝都に残って裏切り者を炙り出すための遊撃隊として動く。

レオナルト・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第八皇子である。レティシアへ深い愛情を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第八皇子。
・物語内での具体的な行動や成果
 レティシアへプロポーズを行った。ノワールに乗って追跡を行い、隠れ家でレティシアを救出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 人を殺すことへの躊躇いを捨て、本気で剣を振るうようになった。

ヘンリック・レークス・アードラー

アードラシア帝国の第九皇子である。アルノルトとレオナルトを見下している。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・第九皇子。
・物語内での具体的な行動や成果
 ロンディネ公国の接待役を命じられた。ザンドラの勢力を引き継ぎ帝位争いへ参戦すると宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ホルツヴァート公爵家の協力を得ている。

クリスタ・レークス・アードラー

アードラシア帝国の皇女である。エルフのウェンディと親しく交流している。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・皇女。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウェンディの接待役を務めた。ウェンディの幻術を見破ったアルノルトに対し、秘密を守るよう頷いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

アードラシア帝国(臣下・貴族・関係者)

フランツ

アードラシア帝国の宰相である。皇帝の右腕として政務を支える。

・所属組織、地位や役職
 アードラシア帝国・宰相。
・物語内での具体的な行動や成果
 レティシアの偽装死体を見て、護衛隊長の犯行ではないという違和感に気づいていた。西部と北部の国境に近衛騎士団を派遣するよう手配した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 平民出身でありながら宰相の地位に就いている。

セバスチャン

アルノルトに仕える万能執事である。元暗殺者という経歴を持つ。

・所属組織、地位や役職
 第七皇子付き執事。
・物語内での具体的な行動や成果
 夜の帝都で魔奥公団の構成員を追跡した。エルナたちと共にレオナルトの援軍として駆けつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

フィーネ・フォン・クライネルト

「蒼鴎姫」と呼ばれる令嬢である。皇帝のお気に入りである。

・所属組織、地位や役職
 クライネルト公爵家・令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
 クリスタと共にエルフの接待役を務めた。ミアの喋り方を可愛いと肯定した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ミアを護衛として従えることになった。

ギード・フォン・ホルツヴァート

ホルツヴァート公爵家の人物である。ヘンリックに協力している。

・所属組織、地位や役職
 ホルツヴァート公爵家・関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 廊下でアルノルトを侮辱した。エルナの殺気を受けて腰を抜かした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レオナルトから帝位争いをかき乱さないよう警告された。

アロイス

ジンメル伯爵家の若き領主である。アルノルトを強く信頼している。

・所属組織、地位や役職
 ジンメル伯爵家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルノルトからの呼び出しに応じ、城内での暗躍に協力することを誓った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

リタ

クリスタの護衛役を務める少女である。

・所属組織、地位や役職
 騎士見習い。
・物語内での具体的な行動や成果
 クリスタと共にウェンディの接待役を務めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

店主

祭りの射的露店を営む男である。

・所属組織、地位や役職
 露店の店主。
・物語内での具体的な行動や成果
 屁理屈を並べて景品を渡すのを拒んだ。アルノルトに素性を明かされて脅され、景品を渡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

老婆

祭りで露店を出していた女性である。

・所属組織、地位や役職
 露店の店主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゴロツキたちに店を荒らされた。アルノルトたちによって救われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ゴロツキたち

祭りで老婆の店を荒らした二人組の男である。

・所属組織、地位や役職
 帝都のならず者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ガームリヒ男爵の名前を出してアルノルトから金を脅し取ろうとした。近衛騎士たちに包囲され、老婆へ謝罪した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 警邏隊に引き渡された。

村長

帝都北部の村の代表者である。

・所属組織、地位や役職
 村長。
・物語内での具体的な行動や成果
 レオナルトに質問され、見ていないと答えた。火炎魔法を放ってレオナルトを攻撃しようとしたが、首を刎ねられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 村そのものが魔奥公団の偽装拠点であった。

帝国軍・騎士団

エルナ・フォン・アムスベルグ

近衛第三騎士隊の隊長である。アルノルトの幼馴染である。

・所属組織、地位や役職
 近衛第三騎士隊・隊長。アムスベルグ勇爵家。
・物語内での具体的な行動や成果
 冒険者ギルドに乗り込み、シルバーに転移魔法を依頼した。古城での戦闘に駆けつけ、バベットを消滅させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 聖女救出部隊の隊長に任命された。

アリーダ・フォン・ヴァイトリング

近衛騎士団長である。帝国最強の剣士と目されている。

・所属組織、地位や役職
 近衛騎士団・団長。第一騎士隊隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
 玉座の間でアルノルトに掴みかかろうとしたゴードンを制止した。ウェンディの首の爆弾を切断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

マルク

近衛騎士の一人である。エルナの部下である。

・所属組織、地位や役職
 近衛第三騎士隊・副隊長格。
・物語内での具体的な行動や成果
 祭りでアルノルトの護衛を務め、ゴロツキたちを拘束した。古城の戦いにおいてレオナルトと共に敵陣へ突撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ヴィンフリート・トラレス

レオナルトの筆頭軍師である。常に先の展開を予測して行動する。

・所属組織、地位や役職
 第八皇子陣営・筆頭軍師。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルノルトの伝令を受け、ネルベ・リッターを率いて古城の戦闘に駆けつけた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ラース

傷跡の騎士団(ネルベ・リッター)の団長である。

・所属組織、地位や役職
 ネルベ・リッター・団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヴィンフリートの指示を受け、部下たちを率いて敵の軍勢に突撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

近衛騎士たち

帝国の最精鋭部隊である。

・所属組織、地位や役職
 近衛騎士団。
・物語内での具体的な行動や成果
 玉座の間でダークエルフたちを取り押さえた。レオナルトと共に古城の敵軍勢に突撃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レティシアの死体発見により城の封鎖任務に就かされた。

警邏隊

帝都の治安を守る部隊である。法務大臣の管轄下にある。

・所属組織、地位や役職
 帝都警邏隊。
・物語内での具体的な行動や成果
 祭りの騒ぎに駆けつけ、ゴロツキたちを引き取った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ネルベ・リッター

ヴィンフリートが率いる騎士団である。

・所属組織、地位や役職
 傷跡の騎士団。
・物語内での具体的な行動や成果
 古城での戦闘に増援として到着し、敵軍勢を半包囲した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

冒険者ギルド・冒険者

ジークムント・アイスラー

S級冒険者である。熊の姿をしている。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・S級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 クリスタとリタの護衛を務めた。古城での戦闘に参加し、敵兵を踏み台にしてエルナの援護に向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

リンフィア

A級冒険者である。音を使った魔法を操る。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・A級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルノルトの伝令としてヴィンフリートの元へ向かった。古城での戦闘で敵兵を眠らせて一掃した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ジャック

大陸に五名しか存在しないSS級冒険者の一人である。酒好きである。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・SS級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 賞金狙いでイアンを狙撃した。アルノルトと互角の戦闘を繰り広げ、帝国に肩入れしすぎるなと警告して去った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「放浪の弓神」という二つ名を持つ。

受付嬢

冒険者ギルドの受付を担当する女性である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・職員。
・物語内での具体的な行動や成果
 ギルドに乗り込んできたエルナに対し、申し訳なさそうに対応した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

冒険者たち

冒険者ギルドに集まる荒くれ者たちである。

・所属組織、地位や役職
 冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 エルナの登場に怯え、的外れな言葉を並べ立てた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔奥公団

バベット

魔奥公団の幹部であり、ダークエルフの族長である。人間を強く憎んでいる。

・所属組織、地位や役職
 魔奥公団・幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
 護衛隊長カトリーヌに化け、レティシアを拉致した。レオナルトとの戦闘に敗れ、最後はエルナに消滅させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔王の復活を企んでいた。

イアン

魔奥公団の幹部である。「呪詛使い」と呼ばれる賞金首である。

・所属組織、地位や役職
 魔奥公団・幹部。
・物語内での具体的な行動や成果
 帝都地下の拠点でアルノルトを邪眼結界で拘束しようとしたが失敗した。逃走中にジャックに狙撃されて重傷を負った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 虹彩異色の瞳を持つ。

ヴィルジール

無数の死霊を操る死霊魔導師である。

・所属組織、地位や役職
 魔奥公団・魔導師。
・物語内での具体的な行動や成果
 レティシアを悪魔召喚の依り代にするため、死霊の怨嗟を浴びせた。レオナルトの魔法剣によって焼き尽くされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

イグナート

S級冒険者であるが、金のために魔奥公団の用心棒をしている。

・所属組織、地位や役職
 S級冒険者。魔奥公団・用心棒。
・物語内での具体的な行動や成果
 帝都地下の拠点で炎の魔剣を用いてアルノルトと交戦した。反射結界によって自身の攻撃を跳ね返され敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔奥公団の構成員たち

魔法の研究に取りつかれた者たちの集団である。

・所属組織、地位や役職
 魔奥公団・構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 帝都地下の拠点で罠や連弩を用いてアルノルトを迎撃したが全滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔導師たち

バベットやヴィルジールの配下である。

・所属組織、地位や役職
 魔奥公団・魔導師。
・物語内での具体的な行動や成果
 村人として偽装し、レオナルトたちを迎撃した。千を超える軍勢で古城を包囲し魔法による一斉攻撃を試みた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

男たち

帝都の夜の街で密談していた組織の下っ端である。

・所属組織、地位や役職
 魔奥公団・構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 セバスに尾行されていたところをミアの魔法の矢で倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ペルラン王国

レティシア

「救国の聖女」と呼ばれる英雄である。レオナルトから求婚される。

・所属組織、地位や役職
 ペルラン王国・聖女。
・物語内での具体的な行動や成果
 王国と帝国が戦争になるのを防ぐため、自らの暗殺を受け入れようとした。バベットに拉致されたが、レオナルトに救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 四宝聖具の一つ「聖杖(虹天)」の所有者である。

鷲獅子騎士たち

レティシアの護衛を務める精鋭騎士たちである。

・所属組織、地位や役職
 ペルラン王国・鷲獅子騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 レオナルトと共にノワールの後を追い、レティシア救出作戦に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

イーグレット連合王国

ウィリアム・ヴァン・ドラモンド

イーグレット連合王国の第二王子である。ゴードンの友人である。

・所属組織、地位や役職
 イーグレット連合王国・第二王子。竜騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 竜騎士団を率いて帝都へ飛来した。玉座の間でアルノルトの登場を静かに観察していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「竜王子」の異名を持つ。

竜騎士たち

飛竜を乗りこなす連合王国の騎士たちである。

・所属組織、地位や役職
 イーグレット連合王国・竜騎士団。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウィリアム王子と共に帝都へやって来た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

コルニクス藩国

藩王の息子

コルニクス藩国の要人である。

・所属組織、地位や役職
 コルニクス藩国・要人。
・物語内での具体的な行動や成果
 式典に参加するため帝都を訪れ、トラウゴットの接待を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

藩国の要人

ウィリアム王子やゴードンと会話していた人物である。

・所属組織、地位や役職
 コルニクス藩国・要人。
・物語内での具体的な行動や成果
 パーティー会場でトラウゴットの監視を受けながら会話をしていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ミア

「朱月の騎士」と呼ばれる藩国の義賊である。

・所属組織、地位や役職
 義賊。フィーネの護衛。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔奥公団を追って帝都に潜入した。アルノルトの依頼でフィーネの護衛を引き受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 メイドの姿に変装して城に潜入した。

ミヅホ仙国

オリヒメ・クオン

ミヅホ仙国の「仙姫」である。アルノルトを振り回す。

・所属組織、地位や役職
 ミヅホ仙国・仙姫。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルノルトと共にお忍びで祭りを楽しんだ。レティシアの部屋に強力な結界を張った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エルフの里・ダークエルフ

ウェンディ

エルフの里の長老の孫娘である。

・所属組織、地位や役職
 エルフの里・代表者。
・物語内での具体的な行動や成果
 道中でダークエルフに襲撃され、爆弾の首輪をつけられて従わされていた。皇旗の効果で幻術が解け、真の姿を現した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 保護され、行動制限を受けながらも安全な部屋を与えられた。

ポーラ

ウェンディの従者を装うエルフである。正体はダークエルフである。

・所属組織、地位や役職
 ダークエルフ。
・物語内での具体的な行動や成果
 アルノルトの部屋を訪れ、レオナルトに握手を求めた。玉座の間で正体を現した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エルフたち

ウェンディと共に帝国を訪れる予定だったエルフである。

・所属組織、地位や役職
 エルフの里の住人。
・物語内での具体的な行動や成果
 道中でダークエルフの襲撃を受け、ウェンディ以外は全員殺害された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ダークエルフたち

魔王に与して力を得たエルフの生き残りである。

・所属組織、地位や役職
 ダークエルフ。
・物語内での具体的な行動や成果
 エルフの一行を襲撃し、ウェンディの従者に成り代わった。玉座の間で皇旗により魔法を封じられ捕縛された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

アルバトロ公国

エヴァ

アルバトロ公国から訪れた双子の姉である。

・所属組織、地位や役職
 アルバトロ公国・要人。
・物語内での具体的な行動や成果
 パーティー会場で皇国の大臣と会話をしていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ジュリオ

アルバトロ公国から訪れた双子の弟である。

・所属組織、地位や役職
 アルバトロ公国・要人。
・物語内での具体的な行動や成果
 パーティー会場で皇国の大臣と会話をしていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロンディネ公国

公子

ロンディネ公国から訪れた要人である。

・所属組織、地位や役職
 ロンディネ公国・公子。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘンリックの接待を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

皇国

マルティン

皇国の大臣を務める皇子である。

・所属組織、地位や役職
 皇国・皇子。大臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 玉座の間でアルノルトが乱入してきた際、皇帝の指示で退出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

動物・魔物

ブラン

レティシアが騎乗する白い鷲獅子である。

・所属組織、地位や役職
 ペルラン王国の鷲獅子。
・物語内での具体的な行動や成果
 気絶したレティシアを乗せるのは危険と判断され、出番はなかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ノワール

気性が荒く、レティシア以外には懐かない黒い鷲獅子である。

・所属組織、地位や役職
 ペルラン王国の鷲獅子。
・物語内での具体的な行動や成果
 レオナルトの頭突きと気迫を受け入れて彼を背に乗せた。聖杖の気配を辿ってレティシアの居場所を見つけ出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

鷲獅子たち

ペルラン王国の騎士たちが騎乗する幻獣である。

・所属組織、地位や役職
 幻獣種。
・物語内での具体的な行動や成果
 レオナルトの号令に従い、疲労を抱えながらも空を飛び続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

死霊たち

ヴィルジールが使役する怨念の塊である。

・所属組織、地位や役職
 死霊。
・物語内での具体的な行動や成果
 レティシアに凄惨な過去や怨嗟の声を浴びせた。レティシアの対話によって多くが浄化された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

飛竜

イーグレット連合王国の竜騎士たちが騎乗する竜の亜種である。

・所属組織、地位や役職
 飛竜。
・物語内での具体的な行動や成果
 ウィリアム王子や竜騎士たちを乗せて帝都へ飛来した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

出涸らし6巻 レビュー
出涸らし8巻 レビュー

展開まとめ

第一章 要人集結

ゴードンとザンドラの共謀

帝剣城の一室で、ゴードンとザンドラは密会していた。

二人は聖女レティシア拉致による混乱を利用し、帝都制圧計画を進めていたのである。

ゴードンは、レオナルトとアルノルトが予想以上に早く真相へ辿り着いたことで、近衛騎士団を大規模に帝都外へ誘導する計画が狂ったと苛立っていた。

しかし、それでも勇爵やエルナを含む複数の近衛騎士隊を帝都外へ出すことには成功しており、式典最終日に決起する方針を変えるつもりはなかった。

各国を巻き込んだ帝国包囲

ゴードンとザンドラの背後には、それぞれ別の国家が存在していた。

ザンドラには王国が、ゴードンには連合王国が協力しており、さらに藩国も動く予定だった。

帝都制圧と同時に三国が国境へ圧力をかけることで、帝国軍を動けなくする算段だったのである。

また東部最強戦力であるリーゼロッテも、皇国の動きを警戒して東部国境から離れられない状況に置かれていた。

南部は復興中であり、諸侯軍も即応できない。

こうして皇帝を孤立させる環境が完成していた。

ミアの護衛就任

一方アルノルトは、フィーネ護衛のためミアを勧誘していた。

ミアは当初、帝位争いへ関わるつもりはないと拒否する。

しかしアルノルトは、帝国で反乱が起これば藩国にも戦火が及ぶ可能性があると説明した。

さらに現在の帝都封鎖状態では、個人で藩国へ帰還することも難しいと指摘する。

加えて虹貨という破格の報酬と、帰路の安全確保を提示したことで、ミアは最終的に協力を承諾した。

ただしミアは、将来的に藩国へ攻撃する際は民の安全を守るよう条件を出し、アルノルトもそれを約束した。

アルノルトとレオの役割分担

アルノルトは、自分とレオの役割について語っていた。

これまでレオは帝国全体を守るために戦い、アルノルトはレオでは守れない個人や裏側を支えてきた。

しかし今回は逆だった。

レオはレティシアという一人の人間を守るため帝都を離れ、アルノルトが帝国そのものを守る役割を担っていたのである。

ミアはそんな二人を「双黒の皇子」と評した。

レティシア救出と新たな危機

レオはついにレティシア救出へ成功した。

しかし脱出直後、ダークエルフ率いる軍勢から大量の火球攻撃を受ける。

レオは敵の正体がダークエルフと魔奥公団の連携だと見抜き、疲弊した鷲獅子騎士たちを率いて東の古城へ退避した。

その後レティシアは目を覚まし、自分を置いて逃げるよう訴える。

だがレオは、レティシアを見捨てるつもりは一切ないと断言した。

さらに、自分は帝国皇子として犯罪組織を看過できないと告げ、彼女を守り抜く覚悟を示した。

レティシアの決断

戦いを乗り越えた後、レオはレティシアへ改めて問いかける。

王国へ戻り問題解決を図る道もあるが、自分は彼女に帝都へ来てほしいと願っている、と。

レティシアは少し沈黙した後、自分はレオの傍にいると返答した。

レオもまた、その迷惑ごと含めて自分が背負うと笑みを浮かべる。

こうして二人は共に帝都へ戻る決意を固めた。

帝都での暗躍準備

帝都ではアルノルトが独自戦力を集めていた。

ミアをフィーネの護衛兼メイドとして城へ潜り込ませ、さらにアロイスも呼び寄せる。

アルノルトは、現在の帝剣城には誰が敵か分からない危険な空気が漂っていると説明した。

そのため、立場に縛られず自由に動ける者たちで裏から動く必要があったのである。

ミアが、いつもアルノルトは何をしているのかと尋ねると、アルノルトは笑みを浮かべて答えた。

自分たちがやるのは「暗躍」だ、と。

第二章 式典開催

式典初日の不穏な空気

皇帝即位二十五周年式典初日、帝都は華やかな熱気に包まれていた。

しかしその裏では、アルノルトがエルフの姫君ウェンディへ違和感を抱いていた。

ウェンディは穏やかで礼儀正しかったが、その姿には幻術が施されており、本来は見た目どおり幼い少女だったのである。

アルノルトは秘密を知りながらも皇帝へ報告せず、クリスタやリタへ自然に振る舞うよう助言した。

さらにウェンディがトラウゴットの嗜好へ完全に一致していることから、彼には特に注意するよう警告していた。

レティシアが語った王国の現実

開会式後、レティシアはついに自身の抱える事情をレオへ打ち明けた。

王国では第一王子と反帝国派が結びついており、帝国との関係改善を進めるレティシアは邪魔者となっていたのである。

さらに彼女は、自分がいずれ暗殺されることも受け入れていた。

帝国内で死ねば帝国と王国の戦争理由になり、帰国後に死ねば王国の混乱を抑えられる。

そう考えたレティシアは、自身の死を最後の奉仕として覚悟していた。

アルノルトの厳しい現実論

レオはレティシアを救いたいとアルノルトへ訴えた。

しかしアルノルトは、彼女は王国の人間であり、自分たちは帝国皇族である以上、最優先すべきは帝国の利益だと冷徹に返した。

それでも彼は、レオが中途半端な覚悟で動くことだけは許さなかった。

救うなら、その後の政治問題や戦争の危険まで背負えと突きつけたのである。

一方でアルノルト自身は、魔奥公団を壊滅させるため、シルバーとして単独突入を決断していた。

シルバーによる魔奥公団制圧

アルノルトは地下に潜む魔奥公団の拠点へ突入した。

罠や魔法陣、大量の構成員による迎撃を受けるが、圧倒的な魔法と結界で蹂躙していく。

さらにS級冒険者イグナートとの激戦も制し、最深部で幹部イアンへ辿り着いた。

イアンは聖女レティシアを実験へ利用する計画を認めるが、追い詰められると転移魔導具で逃亡する。

アルノルトは追跡し、王国のSS級冒険者ジャックとも激突した。

その戦闘を通じて、SS級冒険者が政治へ深く関与する危険性も改めて認識することになる。

レオの決断

夜会の後、レオはついに自分の答えをアルノルトへ告げた。

レティシアを救う方法は、帝国へ迎え入れることしかない。

そしてそのために、自分の妻として迎えると決意したのである。

アルノルトは、その答えが政治的にも個人的にも覚悟を伴うものだと理解し、高く評価した。

しかしレオは最後に、どうプロポーズすればよいかわからないと真剣に悩み始め、アルノルトを呆れさせていた。

隠し部屋での告白

レオはレティシアを帝剣城の秘密の隠し部屋へ連れて行った。

そこで彼は、五年前からずっと彼女を想い続けていたこと、再会して改めて愛を確信したことを真っ直ぐに告げる。

そして、自分の妻になってほしいと正式に求婚した。

レティシアは政略ではなく純粋な愛情からの告白だったことに激しく動揺する。

しかしレオは返事を急がず、帝都を発つまでに答えを聞かせてほしいと優しく伝えた。

その言葉に、レティシアの心は大きく揺れていた。

偽りのレオによる襲撃

その夜、レティシアの部屋へレオを名乗る人物が現れた。

レティシアは異変を察して扉を開けるが、侵入者は睡眠薬入りの紫煙を放つ。

抵抗したレティシアだったが、意識を奪われて倒れてしまう。

そして偽りのレオは、自分は本物ではないこと、悪いのは王国だと静かに告げた。

そのまま彼は剣を抜き、事件は最悪の展開へ向かっていく。

レティシア殺害事件

翌朝、レティシアは部屋で死体となって発見された。

レオは絶叫し、完全に取り乱す。

しかしアルノルトは、現場へ強い違和感を抱いていた。

死体は本物にしか見えないが、どこか決定的に違う。

さらに犯人が護衛隊長カトリーヌへ露骨に疑いを向けている点も不自然だった。

アルノルトは、これは殺害ではなく拉致であり、死体自体が幻術で偽装された別人だと推測する。

そして高度な幻術を扱えるエルフたちへ疑念を向け、レティシアがまだ生きている可能性へ賭け始めた。

絶望したレオを立ち上がらせた言葉

完全に心が折れたレオへ、アルノルトは自らの過去を語った。

母を救えなかった絶望の中、自分を支え続けたのがレオだったこと。

だからこそ、どれほど絶望しても立ち止まるなと叱咤したのである。

さらにアルノルトは、レティシアは生きている可能性が高いと真実を明かした。

それを聞いたレオは、一気に生気を取り戻す。

そして今度こそ自分の手でレティシアを救うと決意を固めた。

ノワールと鷲獅子騎士団の決起

レオは黒い鷲獅子ノワールのもとへ向かった。

ノワールはレティシア以外に従わない凶暴な存在だったが、レオは真正面から向き合い、自分の弱さと覚悟をぶつけた。

何度攻撃されても退かず、最後には頭突きまで叩き込む。

その覚悟を認めたノワールは、ついに頭を垂れた。

さらにレオは、絶望して蹲るか、自分についてくるかを鷲獅子騎士たちへ問いかける。

その言葉に騎士たちは立ち上がり、全員がレオへ従うことを決断した。

こうしてレオは、レティシアを救うため帝都を飛び立ったのである。

第三章 英雄皇子

玉座の間での対立

レオを逃がしたアルは玉座の間へ連行され、皇帝や皇子たちから追及を受けた。

ヘンリックは投獄を主張したが、アルは空から出ただけだと屁理屈を返し、近衛騎士団側にも責任があると開き直る。

その態度は場を呆れさせたが、同時にアルノルトがここまで動く以上、何か理由があると思わせる効果も生んでいた。

そしてアルは、レティシアは生きていると断言する。

護衛隊長が犯人とされる状況証拠の不自然さや、魔奥公団の研究資料に拉致計画そのものが存在しなかった点を根拠に、今回の事件は殺害ではなく拉致だと説明した。

偽装死体の暴露

アルは、レティシアの遺体そのものへ強い違和感を抱いていた。

皇帝とエリクも同様の違和感を認めるが、ゴードンだけは理解できず激昂する。

アルは、それほど高度な幻術を扱える存在としてエルフたちへ疑いを向けた。

さらに宝物庫の魔導具『皇旗』を使えば、強制的に魔法を無効化できると提案する。

そこへ突然トラウゴットが乱入し、自らの血を代価に皇旗を発動させた。

するとレティシアの遺体へ掛けられていた幻術が解け、現れたのは護衛隊長カトリーヌの死体だった。

さらにエルフたちの正体も暴かれる。

彼女たちは、かつて魔王へ仕えたダークエルフだったのである。

ウェンディの告白と悪魔召喚計画

保護されたウェンディは、エルフの里を出た後に襲撃を受け、自分以外のエルフは殺されたと明かした。

レティシア拉致は王国側の提案であり、ダークエルフたちは実行役に過ぎなかった。

さらに、護衛隊長へ成り代わっていたダークエルフ族長バベットこそが真犯人であり、彼女は魔奥公団幹部でもあると語る。

加えて、レティシアを利用した悪魔召喚計画の可能性まで浮上した。

皇帝は即座に近衛騎士団を派遣し、同時に王国・連合王国との戦争まで視野へ入れた準備を開始する。

一方アルは、ようやくレオの行動が正しかったと正式に認められたことを理解していた。

帝都に残ったアルノルト

レオたちの救援へ向かう近衛騎士団へ、アルはセバスやジークまで同行させた。

一方、自分は帝都へ残ることを選ぶ。

近衛騎士団の多くが外へ出たことで、帝都内部の警備は再び手薄になっていたからである。

アルは、軍内部に裏切り者がいる可能性を強く疑っていた。

特にゴードンは軍への影響力が強く、最も疑わしい存在だった。

フランツへ問い詰めたアルに対し、フランツは明言を避けながらも、別視点で備えていることを暗に示した。

そしてシルバーとしてどちらへ付くのか問われたアルは、自分は民の味方だと即答した。

ミアの協力と双黒の皇子

アルはミアへ、フィーネの護衛役を依頼した。

最初は拒否していたミアだったが、帝国崩壊の危険性や藩国への影響を説明され、最終的に協力を決断する。

アルは、レオが個人を守るために動き、自分は国家を守るために残ったと語った。

互いの届かない場所を補い合うことこそ、自分たち兄弟の在り方なのだと。

その姿を見たミアは、帝国には双黒の皇子がいると評していた。

牢獄のレティシア

拉致されたレティシアは地下牢へ監禁されていた。

そこへ現れたのは、護衛隊長へ成り代わっていたダークエルフ族長バベットだった。

彼女はレオの姿にまで変化できる幻術使いであり、王国主導でレティシア拉致へ協力したことを認める。

さらに死霊魔導師ヴィルジールは、レティシアを悪魔召喚の依り代へする計画を進めていた。

死霊たちの怨嗟で精神を蝕み、聖女を悪へ堕とそうとしていたのである。

しかしレティシアは、死霊たちの苦しみを受け止め続け、対話によって浄化していった。

そして彼女を支えていたのは、レオから向けられた真っ直ぐな愛情だった。

レオによる救出

レオ率いる鷲獅子騎士団は、ノワールが追う聖杖の気配を頼りに北部の村へ辿り着く。

そこは魔奥公団が偽装した潜伏拠点だった。

レオは迷いなく地下施設へ突入し、聖炎を纏わせた魔法剣で死霊を斬り裂きながらヴィルジールを討ち取る。

そして牢獄でレティシアと再会した。

レオは鎖を断ち切り、彼女を抱き留めながら、誰かに奪われるなら奪い返すと真っ直ぐ告げる。

レティシアはその言葉へ嬉しそうに応え、安心したように意識を失った。

古城での籠城戦

救出直後、レオたちは千を超える敵軍による空中奇襲を受ける。

レオは即座に古城への撤退を決断した。

敵軍を率いていたのはダークエルフ族長バベットであり、彼女は王国と魔奥公団双方へ関わっていた。

古城へ追い詰められたレオへ、レティシアは自分を置いて逃げるよう告げる。

しかしレオは拒絶した。

ここで彼女を見捨てるくらいなら、最初から助けに来ていないと断言したのである。

レオとバベットの死闘

古城を包囲したバベットは、人間とアードラー一族への憎悪を語った。

それに対しレオは、アードラーの略奪とは守るための誓いなのだと答える。

掴んだものを決して手放さない。

それがアードラーの在り方だった。

追い詰められたレオへ、レティシアは聖杖『虹天』の黄金の力を使用する。

潜在能力を引き出されたレオは別次元の力を発揮し、《ホーリー・グリッター》によってバベットを焼き尽くした。

しかし敵軍は最後の総攻撃を開始する。

そこへ現れたのがエルナだった。

彼女は圧倒的な力で敵軍を吹き飛ばし、アルノルトが皇帝たちを説得したから間に合ったのだとレオへ伝えた。

双子の役割

救援到着後も、レオは敵軍を放置できないとして徹底抗戦を選ぶ。

帝都ではアルノルトが裏切り者を炙り出すため、自ら囮となって動いている。

だからこそ、自分たちは外部で敵軍を潰す必要があるのだと判断した。

レオの姿は、かつてのアルノルトを思わせるものになっていた。

その言葉を聞いたレオは、それは最高の褒め言葉だと笑った。

レティシアの選択

戦いの後、レオは改めてレティシアへ問いかける。

王国へ戻る道もある。

だが、自分は彼女へ帝都へ来てほしいと願った。

レティシアは迷った末、自分はレオの傍にいると答える。

迷惑をかける存在だと自嘲する彼女へ、レオはその迷惑ごと奪ったのだと笑い返した。

こうしてレティシアは、自らの意思でレオと共に生きる道を選んだのである。

帝都へ迫る次なる危機

一方、アルノルトは帝都内部の危険へ備えていた。

ミアをフィーネ護衛へ配置し、アロイスとも連携を取る。

そして立場に縛られず動ける自分たちの役割を語った。

帝国を守るため、自分たちは暗躍するのだと。

その言葉と共に、帝都側でも次なる戦いの幕が上がろうとしていた。

エピローグ

ゴードンとザンドラの密談

帝剣城の一室で、ゴードンとザンドラは密かに会談していた。

本来なら軟禁状態にあるザンドラとの接触は困難だったが、聖女レティシア拉致による混乱がそれを可能にしていた。

ザンドラは、近衛騎士団が複数部隊も帝都外へ出ている現状を見て、計画は十分成功していると評価する。

しかしゴードンは不満を隠さなかった。

本来は宰相や近衛騎士団がさらに大規模な捜索へ動き、帝都からもっと多くの戦力を引き離す予定だったのである。

ところが、レオナルトとアルノルトが早期に事件の真相へ辿り着いたことで、計画には狂いが生じていた。

帝都制圧計画の継続

それでもゴードンは、計画を中止するつもりはなかった。

勇爵エルナや複数の近衛騎士隊が帝都外へ出払っている現在こそ、帝都が最も無防備な状態だからである。

ゴードンは、式典最終日に帝都制圧を決行すると断言した。

ザンドラもまた、自分がようやく軟禁状態から解放される時が来たと笑みを浮かべる。

二人は互いに協力しているものの、その関係は利害一致による一時的なものに過ぎなかった。

各国を巻き込んだ陰謀

今回の陰謀には、複数国家が関与していた。

ザンドラには王国が、ゴードンには連合王国が協力しており、さらに藩国も国境攻撃へ参加する予定だった。

帝都制圧と同時に各国が国境へ圧力を掛けることで、帝国軍は大規模な移動を封じられる。

さらにリーゼロッテ率いる東部戦力も、皇国の動きを警戒して東部国境から離れられない状況へ追い込まれていた。

ゴードンは、皇国すら結果的に利用されている状況を嘲笑していた。

皇帝孤立化の完成

南部は復興途中であり、各国境守備軍も容易には動けない。

また、戦力を持つ諸侯たちも帝都内部の異変を把握できておらず、迅速な救援は不可能な状況だった。

すべては、ゴードンが事前に組み上げていた計画通りである。

ゴードンは、自分は皇帝の下へ向かうと告げ、ザンドラへ城の制圧を任せた。

ザンドラもまた、幼少期から過ごしてきた帝剣城なら制圧は容易だと自信を見せる。

こうして帝都には、大規模な内乱と侵略戦争へ繋がる陰謀が静かに迫っていたのである。

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