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2026年 秋十夜転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す

小説「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す 12」感想・ネタバレ

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転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す12の表紙画像(レビュー記事導入用) 2026年 秋

大聖女11レビュー
大聖女まとめ
大聖女13レビュー

Table of Contents

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
          1. 嘘をついたら猫パンチダンス。見学するだけのフィーアはどこへ行った前巻では、筆頭聖女選定会の第一次審査で患者を治しすぎたフィーア。
          2. 嘘をついたら猫パンチダンス。これは映像で見てみたい
          3. 猫が喧嘩しているような謎の猫パンチダンス。
          4. 教会と作り方が違う。それでもフィーアを信じる聖女たち
          5. 「私はフィーアを信じるわ!」
          6. 「ぐしゃぐしゃばりっ」より直伝書を選ぶ聖女たち
          7. 本人であるフィーアが一番、大聖女式を雑にやっているw
          8. 新薬を大量提出されて、審査員が頭を抱える
          9. 今まで存在しなかった新薬の山。
          10. 審査員が頭を抱え、報告を受けた騎士団長たちも頭を抱える
          11. 頭を抱える。
          12. 第三次審査は不穏。でも魔物退治なら絶対何か起きる
          13. 「サヴィス総長の目だ」
          14. 魔物退治の方が普段の仕事に近い。
          15. 絶対何か起きる。
  5. 考察・解説
    1. ストーリー・プロット
        1. 各幕の推移
        2. 主要な転換点
        3. 転換点1:デズモンドの味覚障害の看破と等価交換の成立 
        4. 転換点2:直伝書による知識の正当化 
        5. 転換点3:聖女たちへの無私なる技術共有 
        6. 転換点4:カーティスによる杭への介入
        7. まとめ
      1. 主人公を中心とした人物関係の変化
        1. 主人公を中心とした人物関係の変化
        2. 主人公の認識と周囲の評価
        3. まとめ
      2. クライマックス
        1. 失伝薬の共同復活と社会的評価の確立
        2. 巻末時点における状況と課題
        3. まとめ
    2. 筆頭聖女選定会
        1. 第二次審査での被検体面談と等価交換
        2. 製薬指導と三百年前の失伝薬の復元
        3. 第二次審査の結果と圧倒的な点数差
        4. 第三次審査の指名劇と王太后の真実
        5. まとめ
    3. 失われた製薬技術
        1. 製薬技術が失われた背景と現状
        2. 古書の出現と構造的課題
        3. 知識の補完と製薬工程の伝授
        4. 復元された新薬群と社会的影響
        5. まとめ
    4. 騎士団長の面談
        1. 面談の概要と大聖女の薔薇
        2. 三者三様のヒアリング
        3. 面談がもたらした影響
        4. まとめ
    5. アルテアガ帝国の奇病
        1. 主な症状の経過
        2. 罹患層に見られる共通点
        3. 原因物質としての深泥亀
        4. 特効薬の伝承と白い花
        5. まとめ
    6. 精霊王の金の瞳
        1. 精霊王の金の瞳の概要
        2. 第82話における発覚の経緯
        3. フィーアによる真相の看破
        4. 物語上の意味と今後の伏線
        5. まとめ
  6. 登場キャラクター
    1. 第一騎士団
      1. フィーア・ルード
      2. シリル・サザランド
    2. 第二騎士団
      1. デズモンド・ローナン
      2. ザンド
    3. 第三魔導騎士団
      1. イーノック
    4. 第四魔物騎士団
      1. クェンティン・アガター
    5. 第五騎士団
      1. クラリッサ
    6. 第六騎士団
      1. ザカリー
    7. 第十一騎士団
      1. ガイ
    8. 第十三騎士団
      1. カーティス
    9. 黒竜騎士団
      1. サヴィス・ナーヴ
    10. ナーヴ王国(王族・高位貴族・教会・医療関係者・その他)
      1. プリシラ・オルコット
      2. アナ
      3. メロディ
      4. ケイティ
      5. ローズ・バルテ
      6. ルドミラ
      7. イアサント王太后
      8. バルフォア公爵
      9. 母親
      10. 商会長
    11. 魔物・精霊
      1. ザビリア
      2. 黄金色のグリフォン
      3. フラワーホーンディア
    12. 集団
      1. 事務官たち
      2. 聖女たち
      3. 給仕係
      4. 料理人たち
      5. 騎士団長たち
      6. 医師たち
      7. 患者たち
      8. 地方勤務の騎士団長たち
      9. 貴族たち
      10. 平民たち
      11. 王太后の近衛騎士たち
      12. 第六騎士団の騎士たち
      13. 観客
      14. クラリッサの部下たち
  7. 展開まとめ
    1. 74 聖女フィーアによる騎士団長面談
    2. 75 筆頭聖女選定会 第二次審査3
    3. 76 聖女フィーアのお薬作り教室1
    4. 77 聖女フィーアによるデズモンド団長個人面談
    5. 78 聖女フィーアのお薬作り教室2
    6. 79 シリル団長と晩餐会
    7. 【SIDE】 第十三騎士団長カーティス 「私の決断」
    8. 【挿話】 第四回騎士団長秘密会議
    9. 80 筆頭聖女選定会 第二次審査結果発表
    10. 81 筆頭聖女選定会 騎士団長指名
    11. 82 筆頭聖女の最高の魔法
    12. 【挿話】 事務官たちは第二次審査結果を必死で検証する
    13. 特別書き下ろし 【SIDEデズモンド】 同僚と部下の前で踊ってみた (※ 『大聖女の薔薇』 の効果です)
    14. 電子書籍特典 【SIDE クェンティン】 クラリッサの恋煩い
  8. 同シリーズ
    1. 同著者の作品
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本巻は、筆頭聖女選定会の第二次審査(騎士団長へのヒアリングおよび製薬)の全容を記述している。
主人公フィーア・ルードは、自らの正体を隠しながら最低限の労力で審査を通過しようと試みた。
しかし、騎士団長たちの隠れた負傷や体調不良を鋭い洞察力(および前世の知識)で看破していく。
その過程でアルテアガ帝国で流行する奇病「金持ち病」の情報を入手し、自身の友人たちの安否を懸念したことから、情報収集と特効薬の手掛かりを求めて本格的な行動を開始した。

フィーアは「大聖女のお薬作り教室」を通じて他の聖女候補たちに失伝した製薬技術を伝授し、聖女たちの連帯を促すことで、数々の伝説的な薬を復活させていく。

最終的に第二次審査で2位にダブルスコア以上の差をつける圧倒的1位を獲得し、物語は第三次審査の舞台「星待の森」へと進展した。

■ 主要キャラクター

  • フィーア・ルード:  第一騎士団所属の騎士。前世は大聖女。高い能力を隠そうとするが、騎士への配慮や薬作りへの情熱により、無自覚に規格外の成果を出す。
  • デズモンド:  第二騎士団長。第二次審査の被検体。味覚障害を隠していたが、フィーアの計略により露呈。後にフィーアの薬によって完治し、情報の対価を支払う。
  • カーティス:  第十三騎士団長。フィーアの前世の従騎士。彼女を「フィー様」と崇拝し、彼女を守るためならシリルへの宣戦布告も辞さない。
  • クラリッサ:  第五騎士団長。第二次審査の被検体。変異種キマイラへの過剰な闘争心を「恋の病」と誤認しており、フィーアにその本質を指摘される。
  • シリル:  第一騎士団長。フィーアを選定会に参加させた。王家特有の「杭(呪い)」を心臓に打ち込まれており、その重責に苦しんでいる。
  • プリシラ:  聖女候補。当初はフィーアをライバル視していたが、彼女の卓越した技術と無私の指導に感銘を受け、深い信頼を寄せるようになる。
  • ローズ:  王太后推薦の聖女候補。『プリンセス・セラフィーナ直伝書』を所持。プライドが高いが、フィーアの知識の正当性を認め、一時的な協力関係を築く。

書籍情報

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す 12
著者:十夜 氏
イラスト:chibi  氏
出版社:アース・スター エンターテイメント
レーベル:アース・スターノベル
発売日:2026年1月15日

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

「フィーア、どうしてお前は騒動を起こさずにいられないんだ!!」

筆頭聖女選定会の二次審査が始まり、その課題として怪我をした騎士団長三人と面談することになったフィーア。

全く協力する気のないデズモンドと、前のめりに協力的なカーティス、飄々としたクラリッサを前に、フィーアは一計を案じ……。

さらには聖女たちに薬作りを教えることになったフィーアは、ローズ聖女にも声をかけ――

書き下ろしは、フィーアと聖女たちが作った規格外の薬を採点することになった事務官たちのドタバタを描いた、「【挿話】事務官たちは第二次審査結果を必死で検証する」を収録!

転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す 12

感想

嘘をついたら猫パンチダンス。見学するだけのフィーアはどこへ行った前巻では、筆頭聖女選定会の第一次審査で患者を治しすぎたフィーア。

10年前に失われたモーリスの脚まで再生。

他の聖女たちにも治癒方法を教え、最終的には病院の患者が全員完治した。

そして今回は第二次審査。

薬作りである。

フィーアは当初、選定会に本気で参加するつもりなどなかったはずだ。

現在の聖女たちがどんなものか、見学するくらいの気持ちだったはず。

それがどうしてこうなった。

新しい薬を作る。

失われた製法を復活させる。

他の聖女にも教える。

審査員を徹夜させる。

騎士団長たちにまで頭を抱えさせる。

フィーア、全然隠れてないぞ。

前巻に続いて「聖女であることをひた隠す」とは何だったのかと考えながら読むことになった。

嘘をついたら猫パンチダンス。これは映像で見てみたい

今回、一番笑ったのはデズモンド団長である。

第二次審査では、患者役となった騎士団長たちから症状を聞き取り、それに合った薬を作る必要がある。

しかしデズモンドは協力する気がない。

自分は健康だと言い張る。

そこでフィーアが用意したのが、大聖女の薔薇入りの紅茶

この薔薇の効果がひどい。

嘘をつくと、本人の意思とは関係なく踊り始める。

そしてデズモンド。

「一週間徹夜しても平気だ!」

みたいなことを言った瞬間、発動。

両腕を上げて、

猫が喧嘩しているような謎の猫パンチダンス。

見てみたい。

ものすごく見てみたい。

シリルと並ぶほど強い騎士団長が、聖女服姿のフィーアの前でへなちょこ猫パンチを繰り返す。

しかも途中でプリシラまで入ってくる。

その結果、プリシラの中で、

「騎士団長って本当に精鋭なの?」

という疑惑まで発生する。

デズモンド、風評被害まで発生させている。

しかもこの薔薇の効果はその場だけでは終わらず、その日一日続く。

騎士団へ戻った後も、嘘をつくたびに踊る。

部下の前でも踊る。

同僚の前でも踊る。

一日で騎士団長としての尊厳が削られていく。

気の毒ではある。

でも見たい。

アニメ化されたら、ぜひ全力で猫パンチダンスをやってほしい。

教会と作り方が違う。それでもフィーアを信じる聖女たち

第二次審査で印象に残ったもう一つが、聖女たちの変化だった。

プリシラから頼まれ、フィーアが魔力回復薬の作り方を教えることになる。

そこへローズも加わる。

ローズが持っていたのが、300年前の製薬方法を記した**『プリンセス・セラフィーナ直伝書』**。

ところがこの本、製法は書かれているのに材料一覧がない。

当時は誰でも知っていたから省略されたのだろうが、300年後の現在では肝心な情報が失われている。

そこでフィーアが前世の知識から不足部分を補う。

ただし問題がある。

フィーアが提示した材料は、現在の教会で使われている魔力回復薬とはかなり違う。

聖女たちからすれば、

「本当にこれでいいの?」

となるのも当然である。

それでも直伝書に書かれた内容とフィーアの知識が次々と一致していく。

最終的にはプリシラが、

「私はフィーアを信じるわ!」

と言い切る。

他の聖女たちもその場から離れない。

ここは前巻までの積み重ねを感じた。

最初の頃なら、こんな怪しい作り方をフィーアに言われても簡単には信じなかったと思う。

だが第一次審査で、フィーアが言った通りにやれば実際に患者が治った。

自分たち自身も、それを体験している。

だから今回は、

「教会のやり方と違う」

より、

「フィーアがそう言うなら試してみよう」

が勝つ。

単純にフィーアが規格外なだけではなく、周囲との信頼関係ができてきたのが良かった。

「ぐしゃぐしゃばりっ」より直伝書を選ぶ聖女たち

ただし、フィーアの説明は相変わらずである。

薬草を手に取って、

「ぐしゃぐしゃばりっ」

「くしゃくしゃべりっ」

「楽しいと思えるところまで引っ張る」

……分かるか。

そこへローズが直伝書を読み上げる。

葉を何回折る。

何倍まで伸ばす。

どこに沿って切る。

こちらは異様に細かい。

フィーアからすれば、

「そんな難しいことしなくても、握り潰せばいいのに」

となる。

一方の聖女たちは、大聖女に憧れているから直伝書に書かれた難しい方法を選ぶ。

何とも面白い逆転である。

本人であるフィーアが一番、大聖女式を雑にやっているw

それでも結果として全員が魔力回復薬を作れるようになる。

さらに聴力回復薬、頭痛薬、解毒薬、疲れ目の薬など、現在では失われていた薬まで次々と復活する。

フィーアの知識。

ローズの直伝書。

プリシラたちの技術。

それぞれが組み合わさり、一人だけでは再現できなかった300年前の技術が戻ってくる。

前巻の「ずどん」と同じで、フィーア一人の特殊能力で終わらず、他の聖女へ技術が渡っていく流れは好きである。

新薬を大量提出されて、審査員が頭を抱える

問題は、ここが審査会だということだ。

普通なら既存の薬を作らせて、

正しく調合できている。

効果が高い。

完成数が多い。

そういった基準で採点するのだろう。

ところがフィーアたちが提出してきたのは、

今まで存在しなかった新薬の山。

審査員からすれば、

「これ、何点付ければいいんだ?」

となる。

効果が分からない。

本当に効くのか確認しないといけない。

既存の採点基準にも収まらない。

その結果、事務官たちは病院へ持ち込んで実際の患者に使い、徹夜で検証することになる。

これもフィーアのやらかしの被害者である。

しかもフィーア本人は、事務官立ち会いなしで薬を作ってしまった時には、

「審査用じゃないからいいわ」

くらいの感覚だった。

もし全部、審査外で勝手に作っていたらどうなったのだろう。

それはそれで大騒ぎになりそうである。

そして苦労して採点した結果。

フィーア、また一位。

しかも2位のプリシラにダブルスコア以上。

目立たないつもりとは。

審査員が頭を抱え、報告を受けた騎士団長たちも頭を抱える

当然、この報告は騎士団長たちにも届く。

第一次審査の時点で、

「フィーアを参加させたら何か起きる」

と分かっていた。

それでもシリルとしては、ローズが筆頭聖女になるのを防ぐため、一度くらいフィーアに上回ってもらえればよかった。

結果。

第一次審査で患者全員完治。

第二次審査で失伝薬を大量復活。

二回連続一位。

騎士団長秘密会議。

また開催。

そしてまた、

頭を抱える。

もはやお約束である。

フィーアが何かやる。

現場が混乱する。

事務官が頭を抱える。

報告を受ける。

騎士団長も頭を抱える。

本人だけ、

「そんなに大したことしたかしら?」

みたいな顔をしている。

この温度差がやはり面白い。

見学するだけだったフィーアはどこへ行ったのだろう。

完全に選定会の中心人物になっている。

第三次審査は不穏。でも魔物退治なら絶対何か起きる

そして最後は第三次審査へ。

今度は星降の森で、騎士たちと一緒に行動する実戦形式となる。

ここで一気に不穏になったのが王太后である。

現在の筆頭聖女であるイアサント王太后が、大勢の前で治癒魔法を披露する。

ザカリー団長の傷を短時間で治す。

民衆は大熱狂。

さらに風で隠されていた右目が見える。

金の瞳。

周囲は大聖女と同じ特徴だとさらに盛り上がる。

しかしフィーアだけは違った。

その瞳を見て、

「サヴィス総長の目だ」

と気付く。

ここで空気が変わる。

これまでの猫パンチダンスやお薬教室から、一気に王家の暗部へ繋がってきた。

シリルが王太后を警戒する理由。

サヴィス総長の右目。

王家にまつわる「杭」。

カーティスがフィーアをシリルから遠ざけようとする理由。

まだ全部は見えていないが、かなり嫌なものが埋まっていそうである。

ただ。

次は第三次審査。

魔物がいる森。

騎士団同行。

そしてフィーア。

……大丈夫か?

いや、大丈夫なわけがない。

しかもフィーアにとっては、聖女として薬を作るより、

魔物退治の方が普段の仕事に近い。

本人は騎士である。

聖女として目立ちたくないなら、むしろ一番危険な審査ではないだろうか。

治癒ですら患者を全員治した。

薬作りでは失伝技術を復活させた。

では魔物退治では何をするのか。

第三次審査が始まる前から不穏な伏線まで大量に置かれている。

王太后の金の瞳。

王家の秘密。

変異種の魔物。

騎士団長たち。

そしてフィーア。

絶対何か起きる。

むしろ何も起きなかったら驚く。

「見学するだけ」のつもりだった少女が、もう二つの審査を破壊しているのだ。

第三次審査くらい普通に終わるかもしれない。

……いや。

フィーアだもんな。

無理だろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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大聖女11レビュー
大聖女まとめ
大聖女13レビュー

考察・解説

ストーリー・プロット

筆頭聖女選定会の第二次審査において、フィーアは独自の観察力と卓越した知識を発揮し、選考の枠組みを越えた成果を次々と生み出していく。騎士団長たちの不調の看破から失伝した製薬技術の再現、さらには背後に潜む帝国の異変や王家の因縁に至るまで、審査を通じて展開した出来事の全容を整理して記述する。

各幕の推移
  • 第1幕:騎士団長へのヒアリングと踊る紅茶 

第二次審査の面談室において、フィーアはデズモンド、クラリッサ、カーティスの3名に対するヒアリングを実施する。
自身の不調を隠そうとするデズモンドに対し、虚偽を述べると身体が勝手に踊り出す大聖女の薔薇を浮かべた紅茶を提供する。
デズモンドは味覚障害を患っていたため異常な甘味に気づかず、甘いと嘘をついた結果として猫パンチダンスを踊らされ、症状を看破される事態に陥る。

  • 第2幕:アルテアガ帝国の奇病と白い花の連鎖 

聖女候補のプリシラより、アルテアガ帝国の上位貴族を中心に手足の麻痺や身体機能の喪失を招く奇病「金持ち病」が流行している情報がもたらされる。
時を同じくして、選定委員からウレスース沼地にのみ自生する白い花が各候補者へ配給される。
帝国に住む友人たちの身を案じたフィーアは、この花が奇病の特効薬の素材となる占い師の託宣を知り、情報の等価交換を目的としてデズモンドの治療薬を作る決意を固める。

  • 第3幕:大聖女のお薬作り教室

 プリシラたちの要請を受け、魔力回復薬の調合指導が開始される。
ローズが提示した直伝書には、素材を特定の回数折り曲げるなど難解で非効率な手順が記されていた。
これに対し、フィーアは素材を直接握り潰すなど直感的かつ合理的な手法を提示する。
聖女たちはフィーアの簡略化された手順こそが直伝書の複雑な工程を凌駕する本質的な正解と悟り、全員が薬の完成に成功して候補者間に強い連帯感が芽生える。

  • 第4幕:騎士団長専用食堂での情報交渉

フィーアはデズモンドを尾行し、騎士団長専用食堂において接触を図る。
完成させた味覚障害の特効薬を提供する見返りとして、金持ち病に関する極秘情報の開示を求める。
デズモンドから、病の発生地域が帝国の西部に集中している事実や、同地に生息する高級食材「深泥亀」が原因に関与している可能性が高いという、地理的および生態学的な重要手がかりを獲得する。

  • 第5幕:専門薬の製作と第二次審査の終了 

審査最終日、各聖女は救いたい対象のために聴力回復、頭痛、解毒、眼精疲労に効く薬剤の共同調合を進める。
フィーアが素材の適切な配合を助言し、ローズが直伝書の記述を読み上げる連携により、失伝していた素材情報が的確に補完されていく。
完成した薬剤は病院の患者たちに劇的な効果を及ぼし、事務官たちは新薬の圧倒的な効力とフィーアの指導力に困惑しつつも深い敬意を抱く。

  • 第6幕:庭園の晩餐会と王家の杭の禁忌

審査終了後の夕食の席において、シリルが王太后を忌避する背景や、王家の血筋に代々打ち込まれてきた呪いである「杭」の存在が明かされる。
そこへ割って入ったカーティスは、フィーアが大聖女の御力で呪いを解こうとすれば魔王の右腕に察知される危険があると熟知していた。
彼女に重荷を背負わせる事態を阻止すべく、カーティスはシリルに対して強い警戒と牽制の姿勢を突きつける。

  • 第7幕:結果発表と第三次審査への到達 

第二次審査の結果が公表され、フィーアは625ポイントを獲得する。
2位のプリシラ(311ポイント)にダブルスコア以上の差をつける圧倒的な首位を獲得する。
市中には奇跡の聖女の噂が浸透し、他の聖女たちも大きな自信を培う。
物語は最終審査となる魔物討伐随行に向け、会場となる星降の森(星待の森)へ到着した場面で幕を閉じる。

主要な転換点
転換点1:デズモンドの味覚障害の看破と等価交換の成立 

大聖女の薔薇を用いた計略により、隠蔽されていた騎士団長の不調を露呈させる。これが単なる治療にとどまらず、帝国の奇病に関する機密情報を引き出す取引の起点となる。

転換点2:直伝書による知識の正当化 

ローズが持ち込んだ300年前の記録と照合されたことで、フィーアの感覚的で簡略化された手順が高度に洗練された古代技術の本質である裏付けを得る。これにより、彼女の技術に対する聖女たちの絶大な信頼が確立される。

転換点3:聖女たちへの無私なる技術共有 

技術の独占を排し、競合相手である候補者全員へ救済の手法を教え導く。この行動が聖女たちの意識を個人間の競争から人々を救う共通の使命へと昇華させ、複数の失伝薬を同時に蘇らせる大きな成果へ繋がる。

転換点4:カーティスによる杭への介入

王家の呪いは複数世代にわたる重篤な宿弊であり、解除には大聖女自身の存在を脅かす重大な危険が伴う。カーティスによるシリルの牽制は、フィーアを過酷な宿命の連鎖から守護しようとする従騎士としての断固たる決断を意味する。

まとめ

第二次審査において示された規格外の調合技術は、単なる試験の枠に収まらず、長年途絶えていた高度な医療知識を現代へ蘇生させる契機となる。自らの知識を惜しみなく分かち合う姿勢は周囲の聖女たちを感化して強固な連帯を育む一方、国境を越えた奇病の影や王家にまつわる禁忌が浮き彫りとなり、最終審査へ向けた物語はより深遠な局面へと進展していく。

主人公を中心とした人物関係の変化

筆頭聖女選定会の第二次審査を通じ、主人公フィーアを取り巻く人間関係や周囲からの視線は大きな変遷をたどる。独自の立ち振る舞いによって生じた関係性の変化と、本人の無自覚な自己評価および周囲の過熱する称賛との間に生じる認識の落差を以下に整理して論じる。

主人公を中心とした人物関係の変化
  • フィーアとプリシラ 

単なる勝敗を争う競合相手の枠組みを脱し、指導者と教え子の間柄を経て、互いの資質を深く認め合う友人関係へと深化する。

  • フィーアとローズ 

教会の権威や個人的な拒絶に阻まれていた距離感が、古代の直伝書という共通の手がかりを介して一時的な協力関係へと推移する。
フィーアは相手の自尊心を傷つけないよう配慮を示し、手元の文献に教えを乞う謙虚な態度を崩さず接する。

  • シリルとカーティス

フィーアの存在を中心として信頼を共有していた同僚関係から、彼女を王家の呪詛に巻き込ませないとするカーティスの強固な意志により、緊張感をはらむ警告関係へと変化する。

主人公の認識と周囲の評価
  • 主人公自身の認識 

審査を適当にやり過ごすだけの偽聖女に過ぎず、秤を用いずに感覚任せで仕上げた報告書は当然ながら低評価に沈むと考え、自身の志の低さを自認する。

  • 周囲からの客観的評価 

既存の医術体系を超越した規格外の逸材と位置づけられ、計量器に頼ることなく薬草の本質を見極める卓越した感覚の持ち主として捉えられる。秘伝の技術を惜しみなく他者へ伝授する慈愛に満ちた奇跡の聖女として崇敬を集める。

  • 認識差の具体例 

計量も行わずに素材を握り潰して調合した簡素な成果物について、本人は低評価を確信する一方、現場の事務官や医師は凡人の知見では測り得ない感覚的最適解を導き出した天才の所業と受け止め、結果として異次元の高得点へ結実する。

まとめ

本人が目立たぬよう意図して下した大雑把な処置の数々は、周囲の圧倒的な深読みと相まって、神業としての評価を決定づける結果を生む。ライバル関係の解消や陣営内の軋轢を誘発しながらも、周囲との絶望的な認識の乖離を内包したまま、事態は次の審査局面へと大きく転回していく。

クライマックス

第二次審査の最終日において展開した失伝薬の共同製作は、選定会の趨勢を決定づける中核的な局面を形成した。各聖女が救済したい対象を心に据え、古代の知見と希少素材を融合させる作業を通じ、現代の医術を大きく前進させる成果が生み出された。審査の結末と巻末における情勢の推移を以下に整理して記述する。

失伝薬の共同復活と社会的評価の確立
  • 共同調合の進展 

聖女たちはそれぞれの救いたい相手を想定し、フィーアが提示するウレスース沼地の白い花をはじめとする希少素材の配合比率や、魔力制御の手順に従って調合を進めた。

  • 直伝書の補完と新薬の完成 

ローズが直伝書の記述を読み上げ、フィーアが失われていた素材情報を助言によって補う連携体制が機能した。これにより、聴力回復薬やキノコの毒を解毒する薬剤などが次々と完成に至った。

  • 劇的な治癒効果と名声の定着 

完成した新薬群は病院の収容患者へ劇的な快復をもたらした。この実績が決定的な要因となり、フィーアは周囲から奇跡の聖女として広く認識される結果を招いた。

巻末時点における状況と課題
  • フィーアの到達状況 

第二次審査を首位で通過し、最終審査の実施地となる星待の森へ到着を果たす。

  • 解決に至った事象 

デズモンドが抱えていた味覚障害の解消。 自作の魔力回復薬の普及による聖女全体の魔力枯渇問題の克服。

  • 継続中の課題 

アルテアガ帝国で蔓延する金持ち病の根本的解決に向けた、原因物質とされる深泥亀の生態調査。 代々の王族の心臓に打ち込まれている杭と呼ばれる呪いの解明。

  • 今後の懸念事項 

王家の呪いからフィーアを遠ざけようとするカーティスの強い警告が、騎士団内部の力関係や連携に及ぼす影響。 魔物討伐を伴う第三次審査の戦闘局面において、フィーア自身の真の実力や正体が外部へ露見する危険性。

まとめ

ライバル関係を越えた聖女たちの連帯は、途絶えていた高度な製薬技術を復活させ、医療現場に劇的な変革を現出させた。選定会の枠組みを越えて名声を確立した一方で、国境を跨ぐ奇病の謎や王家の禁忌が浮き彫りとなり、最終審査の舞台となる星待の森において新たな波乱の局面を迎える。

筆頭聖女選定会

筆頭聖女選定会は、第二次審査における画期的な成果の創出と、第三次審査の開幕に伴う重大な事実の浮上により、物語全体の大きな転換点を迎える。失伝した製薬知識の復元や国家間の暗部への接触、そして王家に秘められた謎の顕在化に至る経緯を以下に整理する。

第二次審査での被検体面談と等価交換
  • 騎士団長たちとの面談

 特別患者として割り当てられたデズモンド第二騎士団長、クラリッサ第五騎士団長、カーティス第十三騎士団長の3名に対し、聞き取り調査を実施する。
虚偽を述べると身体が勝手に踊り出す大聖女の薔薇の花びらを浮かべた紅茶を提供し、デズモンドが強い甘味に気づかない様子から、長年隠されていた味覚障害の症状を看破する。

  • 金持ち病に関する機密情報の獲得 

看破した味覚障害を治癒する薬を調合し、その対価としてアルテアガ帝国で流行する金持ち病の極秘情報を入手する。
患者の発生が帝国西部の貴族層に集中している事実、特効薬の素材となる白い花がウレスース沼地に自生すること、現地の高級食材である深泥亀が病因に関与している可能性を突き止める。

製薬指導と三百年前の失伝薬の復元
  • 直伝書の補完 

王太后から借り受けたプリンセス・セラフィーナ直伝書には古代の製薬法が記されていたものの、素材一覧や配合比率が脱落していた。
前世で培った知識を照らし合わせ、宵待草、紫蔓モドキ、赤甘の実といった不足素材を補い、正しい製法を他の聖女たちへ開示する。

  • 四種の新薬調合と審査事務官の評価 

フィーアの指導を通じて、聖女たちは聴力回復薬、頭痛薬、キノコ専用解毒薬、眼精疲労治療薬の4種類を完成させる。
夜を徹して病院の患者へ投与して検証を行った事務官たちは、長年の苦痛から急速に回復する患者の姿を目の当たりにし、奇跡の聖女が成した偉業として強い衝撃を受ける。

第二次審査の結果と圧倒的な点数差
  • 審査順位の公表

検証作業を経て確定した点数は、1位フィーア(625ポイント)、2位プリシラ(311ポイント)、3位アナ(190ポイント)、4位ローズ(187ポイント)となる。
2位にダブルスコア以上の差をつける規格外の数値を記録し、目立たぬよう立ち回るつもりだったフィーア本人は頭を抱え、後方支援を担う騎士団長たちも想定を遥かに超えた事態に絶句する。

第三次審査の指名劇と王太后の真実
  • 部隊編成と同行団長の選定

最終審査となる第三次審査は、星降の森において魔物討伐部隊(騎士10名および騎士団長1名)と連携する実戦形式で行われる。
首位通過者として最初の指名権を得たフィーアは、各団長による猛烈な自己主張の中から、動物好きという独自の判断基準により第四魔物騎士団長のクェンティンを選出する。

  • 王太后による治癒の実演と隠された右目 

審査開始に先立ち、大勢の貴族や平民が見守る広場にてイアサント王太后による公開治癒が執り行われる。
魔物との戦闘で重度の火傷を負ったザカリー団長に対し、短時間の回復魔法を行使して瞬く間に傷を塞ぎ、群衆を熱狂させる。
突風によって王太后の右目が露わになった瞬間、そこに宿っていた金色の輝きを捉えたフィーアは、それが本来サヴィス総長のものである事実を直感し、深い戦慄を覚える。

まとめ

第二次審査で成し遂げられた失伝薬の復活は、医療体制の革新を促すとともに、帝国の奇病へ繋がる重要な手がかりをもたらす。続く実戦審査では王太后の身体に秘められた異様な事実が白日の下に晒され、単なる選定行事の枠組みを越えて、王家と騎士団を巻き込む宿命的な対峙へと展開が加速していく。

失われた製薬技術

筆頭聖女選定会の第二次審査において主題となった失われた製薬技術は、三百年にわたる聖女組織の変遷と、古代技術の復元過程を鮮明に示す。過去の知見の衰退要因から、古書の補完を経て新たな調合体系が再興されるまでの経緯を以下に整理して論述する。

製薬技術が失われた背景と現状
  • 薬草認識の縮小

三百年前の大聖女の時代には400種類以上の植物が薬草として認識され、多様な症状に応じた薬剤が製造されていた。しかし聖女の減少や保有魔力の減退に伴い、汎用的な外傷や毒消しなど患者数の多い領域へ優先度が絞られた結果、利用されなくなった薬草は指定から除外され、現代に伝わる種類は82種類まで激減する事態を招いた。

  • 教会製回復薬の機能低下 

現代の教会に伝わる魔力回復薬は、製法の変質により服用時に激痛を伴い、丸一日を費やしても魔力の半分程度しか回復しない欠陥を抱える状態に陥っていた。

古書の出現と構造的課題
  • 伝来書の提示 

聖女ローズが筆頭聖女イアサント王太后から借り受けた書物により、三百年前の製法が審査の場に持ち込まれた。

  • 記載内容の欠落 

当時の聖女にとって自明の知識であったためか、素材の一覧や詳細な配合量が省略されており、現代の知識のみでは単体での再現が不可能な記述にとどまっていた。

知識の補完と製薬工程の伝授
  • 不足素材の特定 

フィーアは前世の記憶を頼りに、書物から脱落していた宵待草、紫蔓モドキ、赤甘の実といった不足素材や配合手順を特定し、周囲の聖女たちへ開示した。

  • 製法選択の差異 

素材を直接手で握り潰すといった迅速で合理的な手法を提示したフィーアに対し、他の聖女たちは学術的な記録に即した厳密な計量や折り曲げの手順を選択し、技術の習得に取り組んだ。

復元された新薬群と社会的影響
  • 本来の魔力回復薬 

服用時の苦痛を一切伴わず、即座に全魔力を充填させる性能を有する。

  • 聴力回復薬

丸緑の実やぷちぷちの葉、棘なし緑薔薇の花びら、百黄花の蜜などを用い、聴覚の障害を解消する効能を示す。

  • 頭痛薬

慢性的な激しい頭痛の症状を速やかに緩和させる。

  • キノコ専用解毒薬

山間部で頻発するキノコ中毒の毒素を中和・除去する。

  • 疲れ目の薬

眼精疲労や視界の霞みを解消し、視認機能を正常化させる。

  • 医療現場の反響

 夜を徹して実施された患者への検証投与において劇的な治癒成果が確認され、長年苦痛を抱えていた患者たちに快復をもたらした。この結果を受け、調合に携わった聖女たちは奇跡の聖女として広く称賛を集める契機を得た。

まとめ

停滞していた製薬分野の技術は、不完全な文献記述と前世の知識が結びついたことで劇的な復権を遂げた。特定組織による独占を排し、複数の候補者が協調して古代の処方を実用化した試みは、医療水準の向上にとどまらず、聖女本来の社会的役割を再確立する原動力となる。

騎士団長の面談

筆頭聖女選定会の第二次審査において実施された騎士団長たちへの面談は、軽妙なやり取りの中に物語を左右する重大な手掛かりが凝縮された名場面に位置づけられる。特別患者として集められた面々との問答と、そこから派生した様々な影響について論考をまとめる。

面談の概要と大聖女の薔薇

調合審査の一環として、聖女が患者の不調を聞き取り適切な処方を導き出す課題が設定された。

  • 被検体としてデズモンド第二騎士団長、クラリッサ第五騎士団長、カーティス第十三騎士団長の三名が待機した。
  • フィーアは場を和らげる名目で大聖女の薔薇の花びらを浮かべた紅茶を振る舞った。
  • その花びらには、虚偽を口にすると本人の意思を無視して奇妙な踊りを強制的に発動させる効果が秘められていた。
三者三様のヒアリング
  • カーティス第十三騎士団長

 フィーアへ深い信奉を寄せるカーティスは、極めて友好的な姿勢で面談に応じた。
胸部に施された処置だけでなく、ズボンの下へ隠匿されていた下肢の激しい損傷をフィーアは瞬時に見抜いた。

  • クラリッサ第五騎士団長 

特定の対象を思い浮かべると動悸や震えが生じると吐露し、フィーアから好意による不調と推測された。
しかしその対象は星待の森で逃走した変異種キマイラであり、実態は捕食者としての闘争心や再戦を望む武者震いに過ぎない事実が暴かれた。

  • デズモンド第二騎士団長 

自身の不調を否定して強弁を繰り返すたび、花びらの効果により猫パンチを模した拙い踊りを披露する事態へ追い込まれた。
異常な量の甘味を加えた紅茶を何の違和感もなく何杯も口にしていた様子を通じ、長年にわたり味覚障害を抱えている実態が看破された。

面談がもたらした影響
  • プリシラが抱いた疑念

室内に足を踏み入れたプリシラは、精鋭の長たるデズモンドが滑稽な踊りに興じる光景を目の当たりにして戦慄した。
騎士団の上層部を実力不足の集団と誤認し、将来的な婚姻候補から騎士を完全に除外する確心を強めた。

  • 金持ち病の極秘情報の獲得 

味覚障害を治療する薬剤を調合して提供する対価として、アルテアガ帝国で蔓延する奇病に関する機密を引き出すことに成功した。 発症者が帝国の西部地域や上流貴族に集中している点、特効薬の鍵を握る白い花がウレスース沼地に自生する点、地元特産の高級食材である深泥亀が発症要因に関与している可能性など、事態を解き明かすための重要情報が揃った。

まとめ

奇想天外な薬効によって騎士団長たちの秘匿事項が暴かれたこの面談は、単なる喜劇的な幕間劇にとどまらない。国家間の思惑や未知の病を巡る真相へと肉薄する起点となり、物語をより深層の局面へと推し進める契機を築き上げた。

アルテアガ帝国の奇病

アルテアガ帝国において新たに発生し流行を見せる病気について、現地では通称として金持ち病の名が定着している。帝国側はこの病気の蔓延を対外的に秘匿しており、発症原因や有効な治療手段も判明していないため、罹患した者は邸宅内へ隔離されるなど厳格な情報統制が敷かれている。

主な症状の経過
  • 初期症状 四肢の違和感から発症し、時間の経過とともに激しいしびれへと悪化していく。
  • 進行時の状態 患部が腐敗にいたるわけではないものの、知覚が完全に途絶し、自己の意思では右腕や左脚といった身体の一部を一切動かせない機能不全へ陥る。
罹患層に見られる共通点

第二騎士団長の調査によって判明した患者の特徴には、以下の明確な偏在性が確認されている。

  • 上位貴族層 国内における患者の大半を帝国の特権階級が占めている。
  • 帝国西部の貴族層 上位貴族以外の発症者についても、居住地がアルテアガ帝国西部地域に属する貴族に限定されている。
原因物質としての深泥亀

発症要因として疑いを持たれている対象に、帝国西部の沼地にのみ生息する希少な魔物である深泥亀が存在する。

  • 高級食材としての扱い 

極めて俊敏で捕獲が困難を極めるため、一部の富裕層のみが口にする珍重された食材として流通している。

  • 流通経路と被患層の合致 

鮮度低下が早い特性上、主に地元の西部貴族によって消費される一方、潤沢な資金を持つ大貴族は高位魔導士を動員して氷漬け輸送を行い賞味している。
この喫食状況が上位貴族および西部貴族という罹患層の分布と完全に一致するため、有力な病因として注視されている。

特効薬の伝承と白い花

帝国内で信認を得ている占い師より、特定の白い花を原料とする薬剤が治療に寄与するとの神託が下された経緯がある。

  • 自生地の限定性 

該当する植物は、帝国西部に広がるウレスース沼地にのみ自生する希少種に該当する。

  • 聖女選定会への素材提供 

具体的な調合手順や薬効の引き出し方が解明されていなかったため、選定会の調合室において検証用の課題素材として聖女候補たちへ配布される事態となった。

まとめ

味覚回復薬の提供と引き換えに行われた交渉を通じ、帝国の暗部で広がる病の実態と生態系に関わる重要情報がもたらされた。西部の沼地を巡る環境と特効薬の素材解明は、今後の事態打開における中核的要素として位置づけられる。

精霊王の金の瞳

物語の第82話において明らかになった精霊王の金の瞳は、作中最大の謎や王家の暗部、そしてサヴィス総長と王太后の間に横たわる深い確執の根源に迫る決定的な要素に位置づく。その発覚の経緯と、作中において持つ意味合いについて整理する。

精霊王の金の瞳の概要
  • ナーヴ王家の血統を示す象徴 

精霊王の金の瞳は、ナーヴ王家に代々受け継がれてきた特別な瞳に該当する。三百年前の大聖女セラフィーナも精霊王から受け継いだ黄金の瞳を宿していた。

  • 民衆における信仰と意味合い 

かつての大聖女が赤髪と金瞳を備えていた経緯から、王国の人々の間ではこの二つの特徴を併せ持つ者が大聖女の再来、あるいは至高の存在として神聖視される土壌が形成されている。

第82話における発覚の経緯
  • 王太后による回復魔法の公開 

筆頭聖女選定会の第三次審査直前、星降の森に集った大勢の貴族や平民の前で、現筆頭聖女イアサント王太后による公開治療が執り行われた。
魔物との交戦で激しい火傷を負ったザカリー第六騎士団長に対し、王太后は約十秒という極めて短い時間で傷を治し、現場に熱狂を巻き起こした。

  • 突風によって露わになった右目

実演の直後、突然生じた強い風によって王太后の髪が乱れ、平素は覆い隠されていた右目が露呈した。
日光を受けて眩く輝く金の瞳を目にした群衆は、伝説の大聖女と同一の容姿を見出し、歓喜の声を上げた。

フィーアによる真相の看破
  • 衝撃による動揺

大衆が歓声を上げる一方、王太后の右目を視認したフィーアのみは言葉を失うほどの衝撃を受け、手元に保持していた聖石の装身具を取り落とす事態に陥った。

  • 暴かれた右目の正体 

フィーアは王太后の右目を観察し、それがサヴィス総長のものである事実を直感した。王太后の顔面に宿っていたのは当人由来の器官ではなく、王家の血を引く実子サヴィスから奪い取られた精霊王の金の瞳そのものであったことが判明する。

物語上の意味と今後の伏線
  • サヴィス総長の右目の傷が持つ背景

黒竜騎士団の頂点に立つサヴィスが、右目の処置を一貫して拒み続け、傷を覆い隠してきた理由について、通常の戦闘による負傷ではなく実母である王太后に目を奪われた、もしくは差し出させられた結果である可能性が浮上する。

  • 王太后の権威が内包する欺瞞

大聖女の再来として絶対的な求心力を保ってきたイアサント王太后の象徴が、実の息子の肉体を奪取して得た偽りの外観であった実態が露呈し、王家に横たわる冷酷な実態が表面化する。

まとめ

精霊王の金の瞳を巡る衝撃的な露呈は、サヴィス総長が背負う過酷な生い立ちや十年前の悲劇、さらには王太后との間に生じていた埋めがたい亀裂の真相を一挙に解き明かす鍵となる。選定会の枠組みを越えて王家の核心的な闇を炙り出し、物語全体の命運を左右する重大な転換点を提示する。

大聖女11レビュー
大聖女まとめ
大聖女13レビュー

登場キャラクター

第一騎士団

フィーア・ルード

第一騎士団の新人騎士を務める。前世は大聖女セラフィーナの記憶を保持する。筆頭聖女選定会の第二次審査に参加する。

・所属組織、地位や役職
 第一騎士団・新人騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 騎士団長たちへのヒアリングを行った。デズモンドの味覚障害を見抜き、新薬を作成した。他の聖女たちに失われた製薬技術を伝授する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二次審査で625ポイントを獲得し、1位となった。第三次審査ではクェンティン団長を指名する。

シリル・サザランド

第一騎士団長を務める。サザランド公爵の立場に位置する。

・所属組織、地位や役職
 第一騎士団・団長。サザランド公爵。

・物語内での具体的な行動や成果
 選定会後の庭園でフィーアと晩餐を共にした。王太后の流れを汲む聖女を筆頭聖女にしたくない真意を口にする。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 カーティスから王家の呪いや杭に関する警告を受ける。

第二騎士団

デズモンド・ローナン

第二騎士団長を務める。憲兵司令官の職務を担当する。

・所属組織、地位や役職
 第二騎士団・団長。憲兵司令官。

・物語内での具体的な行動や成果
 フィーアが出した薔薇入り紅茶を飲み、嘘をつくたびに踊りを披露した。味覚障害を治す薬と引き換えに金持ち病の極秘情報を伝える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 味覚が正常に回復する。秘密会議でフィーアの第二次審査1位の結果を他の団長に見せた。

ザンド

第二騎士団に所属する部下を務める。デズモンドの執務室で勤務する。

・所属組織、地位や役職
 第二騎士団・騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 踊りを披露して頭を抱えるデズモンドと会話を交わした。デズモンドの様子を観察しながら質問を投げかける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 デズモンドの言い訳を冷静に受け流す。

第三魔導騎士団

イーノック

第三魔導騎士団長を務める。大聖女に関する事物に強い関心を示す。

・所属組織、地位や役職
 第三魔導騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 秘密会議でローズが持ち込んだ本の話を聞き、身を乗り出した。第三次審査の指名でローズから選出される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 大聖女ゆかりの本が存在することに興奮を見せた。

第四魔物騎士団

クェンティン・アガター

第四魔物騎士団長を務める。魔物とともに戦うスタイルを持つ。

・所属組織、地位や役職
 第四魔物騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三次審査の自己紹介で従魔のグリフォンを同行させるとアピールした。1位のフィーアから指名を受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 指名された喜びでその場で跳ね上がった。クラリッサの恋煩いの正体がキマイラへの執着だと指摘する。

第五騎士団

クラリッサ

第五騎士団長を務める。高い戦闘能力を保持する。

・所属組織、地位や役職
 第五騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヒアリングで特定の相手を想うと動悸がすると述べた。逃した変異種キマイラへの闘争心を恋煩いと主張する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第三次審査でメロディから指名を受けた。

第六騎士団

ザカリー

第六騎士団長を務める。星降の森での魔物討伐を得意とする。

・所属組織、地位や役職
 第六騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 デモンストレーションでフラワーホーンディアと戦った。炎によって腕に強い火傷を負う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王太后の回復魔法を受けて戦線に復帰した。魔物を倒して第三次審査でプリシラから指名される。

第十一騎士団

ガイ

第十一騎士団長を務める。地方勤務を担当する。

・所属組織、地位や役職
 第十一騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三次審査の会場に他の地方勤務の団長とともに姿を見せた。自己紹介の並びに参列する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王都勤務の団長たちが言い争う姿を呆然と眺めた。

第十三騎士団

カーティス

第十三騎士団長を務める。フィーアに対して忠誠を尽くす。

・所属組織、地位や役職
 第十三騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 服の下に隠していた脚の怪我をフィーアに見抜かれた。シリルに対し王家の杭や呪いについて言及して警告を発する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フィーアを守るためにシリルを遠ざける決意を固めた。第三次審査でケイティから指名を受ける。

黒竜騎士団

サヴィス・ナーヴ

黒竜騎士団総長を務める。王弟の立場に位置する。

・所属組織、地位や役職
 黒竜騎士団・総長。王弟。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三次審査の会場に姿を現した。王太后の実演を見守る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 右目の瞳が王太后に移植されている事実をフィーアに見抜かれた。

ナーヴ王国(王族・高位貴族・教会・医療関係者・その他)

プリシラ・オルコット

大聖堂で高い実績を持つ聖女を務める。オルコット公爵家の養女にあたる。

・所属組織、地位や役職
 聖女。オルコット公爵家・養女。

・物語内での具体的な行動や成果
 金持ち病の噂をフィーアに伝えた。フィーアから学び、他の聖女たちとともに新薬を作成する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二次審査で311ポイントを獲得し、2位となった。筆頭聖女を目指す執着を捨てる。

アナ

東部ノモ大教会所属の聖女を務める。朱色の髪を持つ。

・所属組織、地位や役職
 東部ノモ大教会・聖女。

・物語内での具体的な行動や成果
 頭痛薬の作製を希望した。フィーアの指導のもと新薬完成に成功する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二次審査で190ポイントを獲得し、3位となった。デズモンド団長を指名する。

メロディ

西部大教会所属の聖女を務める。茶色の髪を持つ。

・所属組織、地位や役職
 西部大教会・聖女。

・物語内での具体的な行動や成果
 他の聖女とともに新薬の作成に取り組んだ。完成した新薬の成果を喜ぶ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二次審査で171ポイントを獲得し、6位となった。クラリッサ団長を指名する。

ケイティ

南部大教会所属の聖女を務める。葡萄色の髪を持つ。

・所属組織、地位や役職
 南部大教会・聖女。

・物語内での具体的な行動や成果
 耳が不自由な姉のために聴力回復薬の作成を希望した。乾燥させた素材を用いて調合を成功させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二次審査で174ポイントを獲得し、5位となった。カーティス団長を指名する。

ローズ・バルテ

イアサント王太后お抱えの聖女を務める。18歳で赤髪を持つ。

・所属組織、地位や役職
 イアサント王太后お抱え・聖女。

・物語内での具体的な行動や成果
 王太后から借りた『プリンセス・セラフィーナ直伝書』を持参した。疲れ目の薬の作成に挑む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 第二次審査で187ポイントを獲得し、4位となった。イーノック団長を指名する。

ルドミラ

地方教会出身の聖女を務める。

・所属組織、地位や役職
 地方教会・聖女。

・物語内での具体的な行動や成果
 お薬作り教室に参加した。他の聖女とともに新薬の作成を完遂する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 聖女たちの連携により製薬技術を習得した。

イアサント王太后

現筆頭聖女を務める。前王妃でありサヴィスやセルリアンの母親にあたる。

・所属組織、地位や役職
 現筆頭聖女。前王妃。

・物語内での具体的な行動や成果
 ローズに直伝書を貸し与えた。星降の森で火傷を負ったザカリーに回復魔法を掛ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 風で露わになった右目に、サヴィスの瞳が移植されていると判明した。

バルフォア公爵

ナーヴ王国の三大公爵の一人を務める。道化師ロンの顔を持つ。

・所属組織、地位や役職
 バルフォア公爵。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三次審査の会場で観客席に姿を見せた。王太后の魔法実演を見学する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 選定委員としての役割を継続する。

母親

病院に入院する子どもの親を務める。

・所属組織、地位や役職
 一般平民。

・物語内での具体的な行動や成果
 キノコの中毒で苦しむ我が子の枕元に付き添った。提出された解毒薬により子どもが快癒する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 床に頭を擦り付けて感謝の意を示した。

商会長

王都で商売を営む人物を務める。

・所属組織、地位や役職
 商会長。

・物語内での具体的な行動や成果
 長時間の労働により深刻な目の疲労を抱えていた。疲れ目の薬を服用してすっきり回復する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 事務官に対し冗談を交えつつ喜びを告げた。

魔物・精霊

ザビリア

フィーアの従魔を務める。黒竜王の正体を持つ。

・所属組織、地位や役職
 魔物・黒竜王。

・物語内での具体的な行動や成果
 カーティスの過去の回想場面で名前が言及された。特典SSでフィーアと杭について推論を交わす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は存在しない。

黄金色のグリフォン

クェンティン団長の従魔を務める。

・所属組織、地位や役職
 魔物・従魔。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三次審査のデモンストレーションで登場した。フラワーホーンディアを会場中央まで誘導する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 クェンティンの指示に従って素早く立ち回った。

フラワーホーンディア

星降の森に棲むBランクの鹿型魔物に該当する。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 瞳を赤く変えて周囲に激しい炎を撒き散らした。ザカリーたちに火傷を負わせる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 回復したザカリーによって腹を斬りつけられて倒された。

集団

事務官たち

筆頭聖女選定会の運営を担当する文官たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 選定会・運営事務官たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 深夜に集まり提出された大量の新薬の採点方法を協議した。病院の患者に投薬して夜通し効能を検証する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 検証結果に基づき第二次審査の順位表を完成させた。

聖女たち

筆頭聖女選定会に参加する各地の聖女たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 選定会・候補者たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 フィーアの指導を受け、直伝書を元に4種の新薬を作成した。全員が調合に成功する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 お互いに助け合う連帯感を深めた。

給仕係

騎士団長専用食堂に勤めるスタッフを務める。

・所属組織、地位や役職
 食堂・給仕係。

・物語内での具体的な行動や成果
 フィーア、デズモンド、カーティスにドリンクや温かい料理を運んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は存在しない。

料理人たち

騎士団長専用食堂の厨房で腕を振るうスタッフたちを務める。

・所属組織、地位や役職
 食堂・料理人たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 利用者が姿を見せてから温かい料理を作り始めた。肉料理やスープを仕上げる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は存在しない。

騎士団長たち

王都に在住する主要な騎士団長たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 ナーヴ王国・騎士団長たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 上級娯楽室で第四回秘密会議を開催した。デズモンドから第二次審査の結果表を見せられて騒然となる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フィーアがぶっちぎりの1位となった現実に頭を抱えた。

医師たち

王都の病院に勤める医療関係者たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 王都の大病院・医師たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 深夜に訪れた事務官たちとともに新薬の安全性を確認した。患者への投薬に立ち会う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 新薬の絶大な効果をその目で目撃した。

患者たち

王都の大病院に入院する人々を務める。

・所属組織、地位や役職
 病院・患者たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 深夜に提出された新薬を服用した。長年の耳不自由や頭痛、毒苦から解放されて歓喜する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フィーアたちを奇跡の聖女様と称えて感謝した。

地方勤務の騎士団長たち

普段は王都を離れて各地方の警備を担当する騎士団長たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 地方勤務・騎士団長たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 第三次審査のため王都に参集した。自己紹介の並びに加わる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王都勤務の団長たちが言い争う姿を呆然と眺めた。

貴族たち

第三次審査の会場に見学へ訪れた高位の貴族たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 ナーヴ王国・貴族たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 星降の森に集まり会場を埋め尽くした。王太后の挨拶や魔法実演に熱狂する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王太后の両目が露わになった瞬間に大歓声を上げた。

平民たち

王太后の魔法を一目見ようと集まった一般の国民たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 ナーヴ王国・平民たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 迫る魔物の姿に恐怖の悲鳴を上げた。ザカリーの傷が治る光景を見て万歳を叫ぶ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 筆頭聖女の偉大さを心から称賛した。

王太后の近衛騎士たち

イアサント王太后の警護を担当する騎士たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 王太后専属・近衛騎士たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 赤と白の衣装を着た王太后の周囲を固めて移動した。会場の周りに散らばって警備を行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は存在しない。

第六騎士団の騎士たち

ザカリー団長率いる第六騎士団に所属する部下たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 第六騎士団・騎士たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 フラワーホーンディアを取り囲んで剣を打ち込んだ。負傷しながらも奮闘を見せる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ザカリーとともに魔物討伐を達成した。

観客

第三次審査の会場で周囲を取り囲んだ見学者の群衆を務める。

・所属組織、地位や役職
 見学者たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 魔物の出現に怯えつつも戦闘を見守った。王太后の魔法と勝利に歓喜の声を上げる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は存在しない。

クラリッサの部下たち

第五騎士団でクラリッサ団長を支える騎士たちを務める。

・所属組織、地位や役職
 第五騎士団・騎士たち。

・物語内での具体的な行動や成果
 特典SSでクラリッサが仕事をしっかりこなしたことについて感謝を述べた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆事項は存在しない。

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大聖女11レビュー
大聖女まとめ
大聖女13レビュー

展開まとめ

74 聖女フィーアによる騎士団長面談

騎士団長へのヒアリング

第二次審査で騎士団長たちの症状を聞き取るため、フィーアはデズモンド、クラリッサ、カーティスのいる部屋を訪れた。そこで大聖女の薔薇を入れた紅茶を振る舞い、三人から情報を得ようとした。

カーティスについては、服の上からでは分からない脚の怪我を見抜いた。一方、クラリッサが特定の相手を考えると動悸がすると聞いたフィーアは恋の病だと考えたが、その相手は数日前に逃した変異種のキマイラであり、実際には再戦への闘争心であった。

デズモンドは自分に不調はないと言い張ったが、紅茶に仕込まれた嘘をつくと踊り出す薔薇の効果によって何度も踊らされた。やり取りの中でフィーアは、以前飲んだ紅茶の味にデズモンドだけが気付かなかったことから、彼が味覚障害を抱えていると見抜いた。

75 筆頭聖女選定会 第二次審査3

金持ち病の情報

プリシラはフィーアとともに調合室へ戻り、アルテアガ帝国で上位貴族を中心に金持ち病と呼ばれる病が広がっていると明かした。症状は手足のしびれから始まり、やがて身体の一部が動かなくなるもので、治療法も原因も分かっていなかった。

帝国一の占い師は、西部のウレスース沼地に咲く白い花を薬に使えば治せると告げていた。その花は選定会の聖女たちにも渡されたが、薬の作り方は誰にも分からず、プリシラは関わらないよう勧めた。フィーアは病人を助けるため、情報を持つデズモンドから詳しい話を聞くことにした。

76 聖女フィーアのお薬作り教室1

失われた魔力回復薬

プリシラから薬作りを教えてほしいと頼まれたフィーアは、他の聖女たちも集めて魔力回復薬の作り方を教えた。そこへローズも加わり、王太后から借りたプリンセス・セラフィーナ直伝書を持ち出した。

直伝書には三百年前の製薬技術が残っていたが、材料一覧が省かれていた。フィーアは前世の知識から不足している薬草を補い、赤甘の実などを用いた本来の魔力回復薬を再現した。現代の教会で使われているものとは材料も製法も異なっていたが、直伝書の記述と一致したことで聖女たちはフィーアを信じた。

フィーアの感覚的な製法より、直伝書に記された細かな計量法を選んだ聖女たちは全員、魔力回復薬の作製に成功した。激痛を伴わず高い効果を発揮する薬を自分たちでも作れたことで、聖女たちはフィーアに感謝した。

77 聖女フィーアによるデズモンド団長個人面談

味覚回復薬との交換

フィーアは夕方、味覚回復薬を渡すためデズモンドを尾行したが、本人には最初から気付かれていた。途中でカーティスも加わり、三人は騎士団長専用食堂へ向かった。

フィーアが味覚障害を治す薬を差し出すと、デズモンドはアルテアガ帝国の金持ち病に関する情報との交換に応じた。患者の大半は上位貴族であり、それ以外の患者も全員が帝国西部の貴族であることが判明していた。また、占い師が示した白い花も帝国西部のウレスース沼地にだけ咲くものだった。

フィーアはデズモンドがさらに重要な情報を隠していると察し、薬を完成させるための最後の材料が必要だと持ち掛けて交渉を続けた。

78 聖女フィーアのお薬作り教室2

新薬の共同製作

第二次審査最終日、聖女たちは再びフィーアのもとへ集まった。フィーアはそれぞれが将来必要とする薬を作ればよいと提案し、聴力回復薬、頭痛薬、キノコ専用解毒薬、疲れ目の薬を分担して作ることになった。

フィーアは前世の知識とローズの直伝書を組み合わせ、不足していた材料や手順を次々と教えた。聖女たちは複雑な方法に苦労しながらも新薬の製作に成功し、失われていた三百年前の製薬技術の一部を取り戻した。

最終的に聖女たちは、それまで存在しなかった複数の薬を審査用として提出した。突然大量の新薬を渡された事務官たちは、その効果と採点方法をどう検証するか頭を抱えることになった。

79 シリル団長と晩餐会

シリルの苦悩

第二次審査終了後、フィーアはシリルと二人で晩餐を共にした。翌日の第三次審査で次代の筆頭聖女が決まるため、シリルは普段より沈んでいた。

シリルは現在の筆頭聖女である王太后の考え方を継ぐ者が次代の筆頭聖女になることを望んでいなかった。そこにはサヴィスや自分の家族に関わる過去があり、フィーアは彼が単に政治的な理由だけでローズを避けているのではないと理解した。

そこへカーティスが現れ、三百年前に関係する秘密を知っていると明かしたうえで、フィーアには果たせない役割があるとしてシリルへ近付かないよう警告した。

【SIDE】 第十三騎士団長カーティス 「私の決断」

フィーアを守る決意

カーティスはシリルとフィーアを引き離した後、自分の行動を振り返った。彼は三百年前に関する秘密の一端を知っており、そのためフィーアがシリルと深く関わることを危険視していた。

フィーアに詳しい事情を話すことはできなかったが、彼女を守るためならシリルとも対立する覚悟を固めた。

【挿話】 第四回騎士団長秘密会議

選定会への警戒

第二次審査終了後、騎士団長たちは再び集まり、フィーアが大量の新薬を生み出したことに頭を抱えた。第一次審査だけでも予想を超えていたのに、第二次審査でも常識外れの結果を出したためである。

一方で、シリルがローズを筆頭聖女にしたくないと考えていた目的は、フィーアの活躍によってほぼ達成されつつあった。しかしフィーア自身は選定会を楽しんでおり、第三次審査にも参加するつもりだったため、騎士団長たちはさらなる騒動を予感した。

80 筆頭聖女選定会 第二次審査結果発表

再び一位となったフィーア

第二次審査では、フィーアが教えた製薬技術によって多数の新薬が提出された。事務官たちは評価基準を定めるのに苦労しながらも、公平性を保つため検証を重ねた。

その結果、フィーアは第二次審査でも一位となった。本人は高過ぎる得点に不満を抱き、選定会から抜けようとしたが、プリシラたちからフィーアの魔法をもっと見たいと求められ、第三次審査にも参加することになった。

81 筆頭聖女選定会 騎士団長指名

第三次審査のチーム編制

第三次審査は星降の森で行われ、聖女一人につき騎士十人と騎士団長一人が同行することになった。現代の聖女は戦闘中には参加せず、戦闘終了後に負傷者を治療するのが通常であった。

順位一位のフィーアから順に同行する騎士団長を選ぶことになり、十二人の騎士団長が自己紹介を行った。デズモンドやイーノックらはそれぞれ独特な形で自分を売り込み、聖女たちは希望する団長を指名した。

ローズはイーノック、ケイティはカーティス、メロディはクラリッサを選び、ほかの聖女たちもそれぞれ騎士団長と組んだことで、第三次審査のチーム編制が完成した。

82 筆頭聖女の最高の魔法

王太后の治癒

第三次審査開始前、現筆頭聖女イアサント王太后による治癒魔法の実演が行われた。大勢の見物人の前で魔物との戦闘が行われ、負傷したザカリー騎士団長に王太后が回復魔法を使用した。

ザカリーの傷は瞬く間に治り、そのまま戦線へ復帰してフラワーホーンディアを討ち取った。戦闘中の騎士を完全に回復させる王太后の力に、人々は熱狂し、筆頭聖女を称えた。

精霊王の金の瞳

歓声の中で王太后の両目が露わになり、人々は赤い髪と金の瞳を大聖女と重ねてさらに熱狂した。しかしフィーアだけは、王太后の右目を見て衝撃を受けた。

その瞳は単なる金色の目ではなく、ナーヴ王家に代々伝わる精霊王の金の瞳であった。フィーアはそれを見た瞬間、王太后の右目はサヴィス総長の目だと口にし、第三次審査を目前にして新たな事実へ直面した。

【挿話】 事務官たちは第二次審査結果を必死で検証する

新薬の採点

第二次審査終了後、事務官たちは聖女たちから提出された大量の新薬を前に、徹夜で効果と難易度を検証した。ローズが持つ直伝書や過去の資料も使い、公平な採点方法を必死で組み立てた。

結果として常識の範囲に収めた採点を行ったものの、それでもフィーアは一位となった。

特別書き下ろし 【SIDEデズモンド】 同僚と部下の前で踊ってみた (※ 『大聖女の薔薇』 の効果です)

消えない薔薇の効果

デズモンドはフィーアの紅茶によって何度も踊らされたことを恥じていた。しかし大聖女の薔薇の効果はその日一日続き、騎士団へ戻った後も嘘をつくたびに踊り出した。

部下や同僚の前でも奇妙な踊りを披露することになり、デズモンドは一日で尊厳や面目を失ったと嘆いた。

電子書籍特典 【SIDE クェンティン】 クラリッサの恋煩い

クラリッサとキマイラ

クラリッサはクェンティンに、自分は恋煩いをしていると訴えた。しかし彼女が四六時中考えていた相手は人間ではなく、星待の森で逃した変異種のキマイラであった。

クェンティンはそれを恋ではなく獲物への執着だと指摘したが、クラリッサは受け入れず、再びキマイラと出会うことを待ち望んでいた。

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