漫画「黄泉のツガイ 12巻」マミたん連載危機! 感想・ネタバレ

漫画「黄泉のツガイ 12巻」マミたん連載危機! 感想・ネタバレ

黄泉のツガイ 12の表紙画像(レビュー記事導入用)

Table of Contents

物語の概要

■ 作品概要

本作は、現代日本を舞台に「ツガイ」と呼ばれる異形の存在を使役して戦う者たちを描いた新感覚の伝奇ファンタジーバトル漫画である。
第12巻では、物語の勢力図が大きく動く激戦が展開される。主人公のユルたちは、裏切り者のアキオが孤立する隙を突き、強敵イワンが立ち入る中華料理店への夜襲を敢行する。一方で、西ノ村勢力の御陵(ごりょう)が手薄になった影森本家へ単身侵攻を開始し、ゴンゾウやジンを圧倒する事態となる。二つの場所で同時に巻き起こる死闘と、それぞれの陣営の思惑が交錯する緊迫した内容となっている。

■ 主要キャラクター

  • ユル: 本作の主人公。山奥の「東村」で狩人として育った少年。非常に冷静かつ合理的、時に冷徹とも言える「狩人メンタル」の持ち主である。強力なツガイ「左右様(さゆうさま)」を従え、離ればなれになった両親の行方と世界の真実を追う。
  • アサ: ユルの双子の妹。影森家で育てられ、あらゆるものを「解く」力を宿している。兄であるユルを大切に想っているが、目的のためには手段を選ばない過激な側面も持つ。
  • 影森ヒカル(かげもり ひかる): 影森家の次男。影森本家への御陵の侵攻に対し、重傷を負いながらも家族と屋敷を守るべく立ちはだかる。今巻における重要な戦闘の主軸を担う。
  • アキオ: 元は影森家の食客であったが、裏切り、西ノ村勢力に加担した男。ユルたちの夜襲の標的となるが、窮地の中で粘り強い抵抗を見せる。
  • 与謝野イワン(よさの いわん): 圧倒的な戦闘力を誇る西ノ村側のツガイ使い。中華料理店での戦いに参戦し、ユルと左右様の前に立ちはだかる最大の壁として君臨する。

■ 物語の特徴

本作の最大の特徴は、伝承上の存在や神格化された異形を「二体一組のバディ(ツガイ)」として定義し、それを使役する人間との緻密な連携バトルを描いている点にある。 特に第12巻では、日常生活の場である「中華料理店」が瞬時に戦場へと変貌する対比や、同時並行で進む二つの拠点の攻防が読者の緊張感を煽る構成となっている。善悪が単純に割り切れない多層的な勢力争い、そして荒川弘特有のテンポの良いアクションとユーモアが混在する作風は、他の能力バトルものとは一線を画す魅力である。

書籍情報

黄泉のツガイ 12
著者:荒川弘 氏
出版社:スクウェア・エニックス
レーベル:月刊少年ガンガン
発売日:2026年3月12日
ISBN:9784301003816
メディア展開: 2026年4月よりTVアニメの放送開始が予定されている。
主要キャストは小野賢章(ユル役)、宮本侑芽(アサ役)、中村悠一(デラ役)らが務める。

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あらすじ・内容

我が果たすべき修羅を為せ。
ユル達はアキオが一人となる隙を狙い
イワンの立ち入る中華料理店に夜襲をかけた。
防戦一方のアキオだがイワンが助けに現れる!
一方で御陵は、手薄になった影森本家に
単身で侵攻開始しゴンゾウとジンを圧倒する。
イワンにはユルと左右様、御陵にはヒカル、
激情を湛える二組は、闇夜に敵を討たんとし――!?

我が果たすべき修羅を為せ。
力戦奮闘ツガイバトル、第12巻!!

黄泉のツガイ 12

感想

読み終えて、特に心にのこったのは、亡くなったゴンゾウからツガイを引きついだヒカルの姿だ。漫画家である彼のツガイは、真っ白な紙に向き合うかのように能力を使いこなす場面は、この作品ならではの面白さといえる。周りを白紙にする「ホワイト」を使い、自分の想像したものを次々に形にする戦い方は、見ていてわくわくさせられた。迷路やはにわの軍隊、そして最後には自作のキャラである「マミたん」まで飛び出す遊園地が現れるなど、その発想のゆたかさに驚かされるばかりである。

しかし、その代償はあまりにも大きい。利き腕である右腕に重傷を負ってしまったことは、漫画家である彼にとって、これ以上ないほどの苦しみだろう。ふたたびペンをにぎることができるのか、大切な居場所であったスタジオが休みになってしまうことも含めて、非常に切ない気持ちになった。創作を愛する者が、その手段を奪われかねない状況は、読んでいて胸がしめつけられる。

また、戦いのあとの処理についても、世間の冷たさが浮き彫りになっていた。影森の屋敷が、警察の手によってガス爆発として片付けられ、あとかたもなく消えていくさまは、どこか空虚である。協力関係にあったはずの刑事たちも距離を置き始め、これまでの日常がこわれていく様子に、得体の知れない不安を感じずにはいられない。

ユルたちが強敵であるイワンたちを捕らえたものの、いまだに結界の中では武装したままであるという点も、気がかりな点だ。西ノ村も拠点を失い、お互いに帰る場所をなくしたなかで、物語はますます混沌としてきたように思う。デラの土地が新たな拠点になるのか、それとも別の場所へと向かうのか。先の見えない展開に、次巻への期待がさらに高まる一冊であった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察

ヒカルの能力「黒白(ホワイト)」

ヒカルの能力は、彼のツガイである「黒白(ホワイト)」による現実の描き換えである。

具体的には、任意の場所を一瞬で真っ白な状態に変え、その上から自由に描き換えることができるという強力な能力を持っている。ヒカルが描いた内容はそのまま現実に反映され、設定した内容そのものが現実の性質として具現化する。

ヒカルは本職が漫画家であるため、頭の中のイメージを極めて高速で具現化でき、現実ではあり得ないようなものでも瞬時に創造できる点が最大の強みである。

作中における能力の活用例

作中では、この能力を使って以下のような多様な攻撃や地形操作を行っている。

  • 「100t」と刻まれた巨大な分銅を創造し、実際に100トンの質量で敵のツガイを押し潰す。
  • 地面を白く塗り替えて砂利を消し去る。
  • 巨大な迷路を瞬時に出現させて敵を閉じ込める。
  • 埴輪の兵士を描き出して攻撃させる。
  • 敵の足元を水面に変化させて落下させる。
  • 「KAGEMORI WELCOME」と書かれた遊園地のような巨大な門や人形からなる異様な空間を創り出す。

御陵(みささぎ)との戦いにおける戦術と弱点

ヒカルの能力が作り出した規格外の攻撃に対し、敵である御陵(みささぎ)は驚愕し警戒を強めていた。さらにヒカルは、遊園地のような異空間を創造してあえて巨大な門を開け放つことで、敵に「城の中に罠があるのではないか」と疑心暗鬼にさせる「空城の計」を用い、御陵を自発的に撤退させるという戦術的な使い方も見せている。

撤退の際、御陵はヒカルを「ゴンゾウの血を引く者だけのことはある」と高く評価した。しかし同時に、「その気になれば俺を殺せたはずだ。しかし人の命を奪う選択ができないことこそ、お前の弱点だ」と、ヒカルの非情になりきれない甘さを的確に見抜いている。ヒカルはその気になれば敵を殺せるほどの力を持っているが、人の命を奪う選択ができない性格が戦闘におけるネックとなっている。

まとめ

ヒカルの能力は御陵を退かせるほど強力であったが、この御陵の襲撃による影森家への被害は極めて甚大であった。御陵たった一人の「地」と「天」による猛攻で屋敷は壊滅状態に陥り、当主であるゴンゾウやジン、ムジュンといった重要人物たちが頭部を攻撃されて命を落とすという致命的な結果を招いている。

影森家の壊滅

影森家の壊滅は、西ノ村の御陵(みささぎ)たった一人による襲撃によって引き起こされた。その詳細な経緯と、関連する事実関係について解説する。

襲撃の真の目的と結界の突破

御陵が影森家を襲った最大の理由は、アサとユルを捕らえることではなく「双子を殺すために、彼らが逃げ込める安全な場所(影森家)を物理的に潰すこと」であった。ゴンゾウは影森の仁義としてアサたち客人を守る姿勢を貫いたが、御陵はこれを一蹴する。
影森屋敷には外部からのツガイを弾く強固な結界があったが、御陵は上空から結界の要石を正確に狙撃して破壊するという規格外の方法で、結界を無効化して侵入した。

圧倒的なツガイ「天と地」による蹂躙

ゴンゾウとジンは正面から迎撃を試みたが、御陵のツガイ「天と地」の絶望的なコンビネーションの前に敗北する。

  • 「地」の攻撃:石畳を跳ね上げ、地面からの爆発や触手で対象の動きを完全に拘束する。
  • 「天」の攻撃:上空からの目視による正確無比な狙撃で、防具の装甲ごと対象を貫く極めて高い威力を持つ。

ゴンゾウのツガイ「百鬼夜行」も、要となる仲介役のツガイを「天」の狙撃で真っ先に潰されたことで統率を失い、同士討ちを始めて崩壊してしまった。

ゴンゾウの最期とジンの生還

当初はジンも頭部を狙撃されて死亡したと認識されていたが、実際にはジンは生還している。
ゴンゾウは「地」に足を拘束され「天」の直撃を受けて命を落とすが、その最期の力を振り絞ってジンの盾となり、御陵の進行を止めた。そのわずかな隙に、ジンのツガイである「アイ」が気絶したジンを救出し、現場から離脱することに成功している。ジンは重傷を負い行方不明となっているものの、生存が確認された。

屋敷の完全な崩壊とヒカルへの継承

ゴンゾウの死後、主を失ったツガイたちを御陵が狩り尽くし、妨害者がいなくなったことで影森屋敷は完全に破壊され、瓦礫の山と化した。
一方、生き残ったゴンゾウのツガイ「百手」と「うやむや」は、別室で仮眠をとっていた長男ヒカルのもとへ逃れ、ゴンゾウの死と「新たな当主としての継承」を伝えた。事態を知ったヒカルは激しい怒りを見せ、御陵と対峙することになる。

まとめ:壊滅後の絶望的な状況

崩壊した屋敷は、警察によって「ガス爆発と陥没」として処理された。しかし、裏社会の仕事を仕切っていたジンが行方不明となった影響は致命的であった。協力関係にあった刑事でさえ、「漫画家であるヒカルには影森家を維持できないだろう」と見切りをつけ、支援を打ち切ってしまう。
結界も寝る場所も失ったナツキやアサは、護身用の銃を手に入れて身を隠すしかなくなり、凄惨な事態を目の当たりにしたアサは「自分のせいだ」と深く自責の念に駆られている。

イワンの拘束

イワンの拘束は、アサのツガイである「陰陽」が作り出した結界空間への隔離という形で実現した。
その経緯と、拘束後の特異で過酷な状況について解説する。

市街地での戦闘から結界への隔離

ユルと左右様に追い詰められたイワンは、一般人を巻き込むことで相手の攻撃を制限しようと、自ら建物の壁を壊して市街地(大通り)へと逃走した。ユルは流れ矢で一般人を傷つけることを恐れ、左右様も派手に暴れることができず、イワンの思惑通りに戦況は膠着しかけた。

しかしユルは、イワンをアサの前に誘導していた。アサの「解」でイワンとツガイの契約を解除しようとするが、乱入した別のツガイが盾になり失敗する。イワンがアサに迫り、さらにガブと「ガブリエル」が戦闘に割り込むという大混戦に発展した。

この一般人が巻き込まれかねない状況を打開するため、アサのツガイ「陰陽」がイワンとアサを丸ごと飲み込み、別の結界空間へと隔離したのである。

結界内での攻防と想定外の事態

何もない結界内で一対一となったアサとイワン。アサの「解」の射程の方が有利であり、さらにイワンは空間転移の「枠」を仲間のアキオを逃がすために使い切っていたため、イワン自身も「死んだな」と覚悟を決めた。

しかしここで、イワンのツガイ「マガツヒ」が想定外の行動に出る。
大凶が突如として主であるイワンの首を斬り裂き、それをトリガーとして小凶が「陰陽」の結界そのものから力を吸収し、イワンに流し込んで復活させたのである。

不意を突かれ、復活したイワンに斬りかかられたアサの危機を察知した陰陽は、アサだけを結界の外に押し出して逃がした。これにより、イワンだけが結界の中に取り残され、完全に閉じ込められる結果となった。

拘束後のイワンの過酷な状況

陰陽は力を吸い上げられたことで意識不明に近い状態に陥ってしまったため、外からイワンを吐き出すことも、誰も中に入ることもできない完全な隔離状態となってしまった。

結界の内部に取り残されたイワンは、以下の方法で辛うじて命を繋いでいる。

  • 小凶が陰陽から精気を吸い上げ続けてイワンに与える。
  • 大凶が定期的にイワンの首を刺して回復させる。

イワン自身がこれを「地獄の点滴」と表現しているように、何もない白い空間で、外部の誰かが状況を動かすのを待つしかなく、常に餓死や精神崩壊の危険と隣り合わせの化け物じみた状況に置かれている。

まとめ

結果として、アサはイワンを直接仕留めることこそできなかったが、事実上イワンを無力化し、完全に拘束することには成功したと言える。

登場キャラクター

夜と昼を別つ双子

ユル

16歳の金髪の少年である。双子の妹のアサとともに東村に住んでいた。日々の狩りで培ったメンタルを持ち、人殺しにも躊躇がない。俗世から隔離されて育ったため、現代の一般常識には疎い。

・所属組織、地位や役職
 段野ハナ宅の居候

・物語内での具体的な行動や成果
 イワンとの戦闘では左右様と連携し、弓矢で攻撃を仕掛けた。街中での戦いにおいては、一般人を巻き込まないよう配慮を見せた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 封の力を持つとされるが、その能力はまだ使用できない状態にある。

左右様

ユルが従えているツガイである。女性形の左様と男性形の右様で構成される。東村の守り神として遥か昔から存在していた。

・所属組織、地位や役職
 東村の守り神。ユルのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 イワンとの戦闘でユルを補佐した。力を失い倒れた陰陽を抱えて移動する役割も担った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本尊は村入口にあった守り神の石像である。非常に頑丈な性質を持っている。

アサ

ユルの双子の妹である。黒髪で眼帯をした姿をしている。ユルを溺愛する性格を持つ。

・所属組織、地位や役職
 影森家に匿われている。

・物語内での具体的な行動や成果
 イワンを陰陽の結界に引き込み、戦闘を優位に進めようとした。解の力をイワンに向けたが、新造ツガイに阻まれて失敗に終わった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 15歳の時に殺された経験があり、その際に解の力に目覚めている。

陰陽(おはぎとだいふく)

アサが従えているツガイである。羽村によって名付けられた。アサの命令しか聞かない性質を持つ。

・所属組織、地位や役職
 アサのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 イワンを別の空間へ取り込み、隔離した。小凶に結界の力を吸い上げられ、アサだけを結界の外へ逃がした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンに精気を奪われ、意識不明に近い状態に陥った。

東村関係者

田寺リュウ(デラ)

東村の番小物を務める田寺家の現当主である。普段は下界に暮らし、商人として東村に出入りしていた。ユルを助けて共に下界へ降りた人物である。

・所属組織、地位や役職
 段野ハナ宅の居候。

・物語内での具体的な行動や成果
 暗殺を狙っていた椥辻を確保した。椥辻の指をナイフで切り飛ばし、爆発物の起爆を阻止した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 海外の危険地帯で仕事をしていた経験を持っている。

影森家

影森ヒカル(波久礼ヒカル)

影森家の長男である。ハートフルな作風で人気の漫画家として活動している。殺伐とした影森家の生活を厭う傾向がある。

・所属組織、地位や役職
 影森家長男。漫画家。影森家新当主。

・物語内での具体的な行動や成果
 御陵の攻撃に対し、自身の能力で100トンの分銅や遊園地の門などを創造して応戦した。屋敷に残っている人々の救出と避難を指示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゴンゾウが死亡したため、彼のツガイを継承し、影森家の新当主としての責任を負うことになった。

黒白(ホワイトとベタ)

ヒカルが従えているツガイである。ホワイトが物体を消し、ベタが任意の物を上書きする役割を担う。

・所属組織、地位や役職
 ヒカルのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヒカルの指示に従い、地面を白く塗り替えるなどの能力を発動させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 描いた内容を現実に反映させる能力であり、影森家の中で最も危険だとアキオに警戒されていた。

百手

影森屋敷にいるツガイである。高い防御力を持っている。

・所属組織、地位や役職
 ヒカルのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヒカルからの命令を受け、屋敷の人々の避難を支援した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 御陵のツガイの攻撃を辛うじて耐えられる程度の装甲を持つ。

影森アスマ

影森家の次男である。うさんくさい笑みが特徴だが、実際は合理的な考え方を持つ。母を自殺に追い込んだハヤトを憎悪している。

・所属組織、地位や役職
 影森家次男。西ノ村討伐の現場責任者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ナツキの護衛を担当しつつ、現場の状況を注視していた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゴンゾウの死を知り、強く動揺してその場に崩れ落ちた。

金烏玉兎(朝霧と夜桜)

アスマが従えているツガイである。それぞれ蝶と蛾の群体の姿を持つ。イオリから受け継がれた存在である。

・所属組織、地位や役職
 アスマのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 夜桜が影森家側の異変を察知した。アスマを落ち着かせるため、状況を楽観的に説明しようと試みた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去にアスマの母が姿を消した時と似た不吉な気配を感じ取っていた。

ガブちゃん

赤いパーカーを着た金髪の少女である。影森家に身を寄せる立場にある。悲惨な過去を持つことが仄めかされている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の襲撃部隊。

・物語内での具体的な行動や成果
 アサとイワンの戦闘に割り込み、自身のツガイを使ってイワンと交戦した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 西ノ村の者を討伐する際、ジンからアサの護衛を最優先するよう命じられていた。

ガブリエル

ガブちゃんが従えているツガイである。上顎と下顎で一体となっている。戦闘に特化した能力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 ガブちゃんのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 巨大な口でイワンのコートを噛みちぎり、動きを止めた。店や看板を破壊しながらイワンへ攻撃を仕掛けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 口を閉じれば盾にもなる性質を持っている。

黒谷ナツキ

黒谷四姉弟の長女である。眼鏡をかけた女性の姿をしている。アサやガブちゃんの家庭教師役も務める。

・所属組織、地位や役職
 影森家の使用人。西ノ村討伐の現場指揮。

・物語内での具体的な行動や成果
 車内で待機し、アスマの護衛を優先させる判断を下した。ハルオからの通信を受け、援軍の派遣を調整した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ゴンゾウの死を聞き、屋敷へ戻らずアサと共に身を隠す方針を決めた。

なもみはぎ(ジジ丸とババ丸)

ナツキのツガイである。なまはげの姿をしている。戦闘力が高いことが特徴である。

・所属組織、地位や役職
 ナツキのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 連絡が途絶えている状況から、影森家側の異変を感じ取った。ナツキの指示に従い、車内で待機状態を維持した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

黒谷フユキ

黒谷四姉弟の長男である。長髪の男性の姿をしている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の使用人。西ノ村討伐の現場指揮。

・物語内での具体的な行動や成果
 イワンをかばったツガイから情報を得るため、閻魔帳を展開した。パチンコ玉を重力で加速させ、ドSの意識を奪った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 捕らえた西ノ村関係者を尋問し、情報を吐かせる方針を立てた。

閻魔帳(ウィスパーとエンプレイス)

フユキが従えているツガイである。接したツガイから情報を取ることができる。

・所属組織、地位や役職
 フユキのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 フユキの指示によって展開され、ツガイの残骸から情報を収集する準備を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 敵に渡れば極めて危険な情報の塊として扱われている。

黒谷ハルオ

黒谷四姉弟の次男である。現代の若者っぽい外見をしている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の使用人。西ノ村討伐の現場指揮。

・物語内での具体的な行動や成果
 醍醐たちに襲われていたウサギを救出し、ツガイの力で敵を押さえ込んだ。ナツキへ通信を入れ、パワー系の援軍を要請した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アキオを取り逃がしたことを報告し、謝罪の意を示した。

ウサちゃんとカメちゃん

ハルオのツガイである。兎と亀の姿をしている。兎の素早さと亀の重さが武器である。

・所属組織、地位や役職
 ハルオのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 ウサギは壺を監視しつつ、醍醐の攻撃を回避した。カメちゃんは重力のような力で醍醐とサドマゾを押さえ込んだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

黒谷アキオ

黒谷四姉弟の三男である。スキンヘッドで大柄な男性の姿をしている。痛覚を感じない体を持つ。

・所属組織、地位や役職
 元・影森家の使用人。西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 過去に御陵と接触し、影森家のツガイに関する情報を提供した。イワンの転移用の枠を使って逃走した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 影森家を裏切ったため、ジンから見つけ次第殺すよう命じられている。

桜沢先生

影森家のおかかえ医師である。屋敷の医務室に常駐している。

・所属組織、地位や役職
 影森家の医師。

・物語内での具体的な行動や成果
 ヒカルのもとへ駆けつけ、ツガイの能力で御陵の攻撃を防いだ。ヒカルの指示を受け、庭師を連れて退避した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 屋敷の崩壊とゴンゾウの死を確認し、電話でナツキに報告した。

偕老同穴

桜沢のツガイである。攻撃力を持たない代わりに、防御能力へ完全に特化している。

・所属組織、地位や役職
 桜沢のツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 能力を発揮して防御を展開し、御陵の攻撃を完全に防いだ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

西ノ村関係者

御陵

西ノ村関係者のリーダー的存在である。中華料理店「西家」を営んでいる。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 影森家を襲撃し、ゴンゾウを倒した。ヒカルと対峙したが、罠を警戒して自ら撤退した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 影森家を壊滅させた後、車で回収され、新たな拠点を探すことになった。

天と地

御陵が従えているツガイである。天は目に見えないほど上空におり、地は地中にいる。

・所属組織、地位や役職
 御陵のツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 地はヒカルへ攻撃を仕掛けたが、100トンの分銅に押し潰された。天は上空から反撃を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 天の攻撃は使用頻度が低く、発動に準備が必要であると推測されている。

与謝野イワン

新郷ハヤトに雇われた刀使いである。戦闘能力が高い。よく「夜道のチカン」と名前を間違えられる。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ユルやガブと街中で戦闘を繰り広げた。陰陽の結界に取り込まれたが、マガツヒの機転によって復活した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 陰陽の結界内に閉じ込められ、外部と連絡が取れない状態に陥った。

マガツヒ(大凶と小凶)

イワンが従えているツガイである。長刀と脇差の姿をしている。斬った空間同士を入れ替える力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 イワンのツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 大凶がイワンの首を斬り、小凶が陰陽の結界から力を吸収してイワンを復活させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンとの間に軽口を叩き合う関係性が構築されている。

椥辻

若い男性である。相手のツガイの本尊に寄生するツガイを扱う。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 フユキを暗殺するために起爆を試みたが、デラに阻止されて捕獲された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自身の体にツガイを仕込んでおり、主が死ぬと大規模な爆発を起こす仕組みになっている。

粘菌のようなツガイ

椥辻が扱うツガイである。相手のツガイの本尊に寄生させることができる。

・所属組織、地位や役職
 椥辻のツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 椥辻の体に仕込まれており、腕のツガイと心臓につながっている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自在に操って爆発させることが可能である。

醍醐

血の気の多い大男である。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 西家でハルオのウサギに殴りかかり、戦闘になった。フユキの攻撃に激怒して襲いかかったが、反撃されて抑え込まれた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 フユキによって拘束され、情報を吐かせるための尋問対象となった。

サドマゾ(ドSとドM)

醍醐が従えているツガイである。くらった攻撃をドMが吸収し、ドSがコピーして相手に放つ。

・所属組織、地位や役職
 醍醐のツガイ。

・物語内での具体的な行動や成果
 ドMがウサギを脅迫し、サドマゾ二倍拳で攻撃を増幅させた。ドSはパチンコ玉の直撃を受けて意識を失った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

ミナセ

年齢不詳の若い女である。ヤマハの双子の姉にあたる。他人の寿命も封じることができる。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 影森家を壊滅させた後の御陵の前に車で現れ、彼を回収した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつて黒谷アキオの母と名乗って、アキオを西ノ村側へ引き入れた経緯がある。

山科

御陵側の人物である。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。

・物語内での具体的な行動や成果
 車内で御陵が街や店を去ることに触れた際、引っ越しだと騒ぎ立てた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項はない。

展開まとめ

第45話 破壊と創造

影森家側の異変の察知

影森家の関係者を乗せた車のもとに、アスマのツガイである金烏玉兎の夜桜が現れた。夜桜は周囲の空気が重く異様であることを指摘した。ナツキのツガイであるなもみはぎも状況の異変を感じ取っており、事態が悪化している可能性を示唆した。

連絡途絶による不安の拡大

車内ではアスマが動揺していた。ジンや父、さらに波久礼とも連絡が取れない状況になっていたためである。夜桜もまたゴンゾウたちと連絡が取れなくなったことを知り、影森側の状況が通常ではないと認識した。

なもみはぎは、御陵が影森屋敷の前に現れたという連絡を最後に通信が途絶えたことを説明した。また、こちら側でもハルオとの連絡が途絶していることが判明した。

護衛任務の優先

ハルオの安否を気にするナツキに対し、なもみはぎは捜索に向かうかを確認した。しかしナツキは行動を急がず、アスマの護衛を優先する判断を下した。なもみはぎはその判断を了承し、車は待機状態を維持することとなった。

夜桜の不穏な記憶

重苦しい空気の中で、夜桜は過去の出来事を思い出していた。幼いアスマに金烏玉兎が受け継がれた直後、アスマの母イオリが姿を消し、その後海で発見されたという出来事である。現在の状況が、その時と似た不吉な気配を帯びていると夜桜は感じ取っていた。

アスマを落ち着かせるための説明

夜桜はアスマを落ち着かせるため、影森屋敷では御陵への対応で手が離せないだけだろうと説明した。ゴンゾウやジンが簡単に倒されるはずはないとも語り、連絡がないのは単に仕事中で電話に出ないだけだろうと軽く言ってみせた。

さらにヒカルについても、寝起きの機嫌が悪く、着信音に腹を立ててスマートフォンを壊している可能性すらあると冗談めかして語り、緊張を和らげようとした。

御陵との対峙

場面は影森屋敷側へと移る。そこではヒカルが御陵と対峙していた。ヒカルは寝起きの状態で現れたような様子であり、御陵を前にした緊迫した状況が示された。
この対峙が、影森家側で起きている異変の中心であることが示唆された。

ヒカルと御陵の対峙

影森屋敷では御陵がヒカルと対峙していた。そこへ桜沢が駆けつけ、状況を伝えようとしたが、ヒカルは寝起きの状態で非常に機嫌が悪く、桜沢はその様子を見て強い警戒を示した。
桜沢が休んでいるところを起こしてしまったと謝ると、ヒカルは問題ないとして状況を受け入れ、完全に目が覚めたことを告げた。

ツガイの継承

桜沢はヒカルのそばにいるムカデのツガイを見て、それが御館様――すなわちゴンゾウのツガイであることに気付いた。
ヒカルはそれを認め、現在は自分のツガイになったと説明した。これにより、ゴンゾウが死亡し、ツガイがヒカルへ継承された事実が明らかになった。

御陵の攻撃と被害状況

ゴンゾウのツガイから、御陵の攻撃状況が報告された。攻撃は地面からの爆発と上空からの攻撃の二種類であり、それによってゴンゾウは倒されたと説明された。
ジンもまた上空からの攻撃を受け、アイと共に逃げたものの重傷を負っており、生存は不明であることが伝えられた。

さらに御陵のツガイの攻撃力は極めて高く、防御力の高い百手の装甲でも辛うじて耐えられる程度である可能性が示された。

屋敷の人々の救出を決意

被害状況を把握したヒカルは、桜沢に協力を求めた。屋敷に残っている人々を全員救出することを宣言したのである。
桜沢は軽口を交えながらもその判断を受け入れ、影森家の新当主としての責任を背負うヒカルの行動を認めた。

御陵の事前調査

場面は過去へと移り、御陵が中華料理店でアキオから影森家のツガイについて情報を聞き出していたことが明かされた。
アキオは影森家の中で最も危険なのはヒカルのツガイ「黒白」であると説明した。

「黒白」は“ホワイト”の能力によって任意の場所を一瞬で真っ白な状態に変え、その上から自由に描き換えることができる能力を持つ。ヒカルは漫画家であり、頭の中のイメージを高速で具現化できるため、現実ではあり得ないものでも瞬時に創造可能であると指摘された。

一方、ゴンゾウの「百鬼夜行」は攻撃力も防御力も乏しく、主にコミュニケーション能力に特化したツガイであると説明された。

また警戒すべき人物として、桜沢のツガイ「偕老同穴」が挙げられた。このツガイは攻撃力を持たない代わりに、防御能力へ完全に特化した存在であると語られた。

桜沢のツガイによる防御

影森屋敷では御陵の攻撃に対し、桜沢のツガイ「偕老同穴」が防御能力を発揮した。
その能力によって展開された防御は御陵の攻撃を完全に防ぎ、周囲を守る盾として機能した。

桜沢は礼を言われるが、自分ではなくツガイに感謝するよう答えた。

御陵の新たな攻撃

防御を確認した御陵は、次の標的をヒカルへ定める。
指を立てて新たなツガイ「地」を呼び出し、ヒカルへ攻撃を仕掛けた。

ヒカルの能力「黒白」の発動

ヒカルはその攻撃に対し、自身の能力を使用した。
腕を振る動作とともに巨大な重りを創造し、「100t」と刻まれた分銅を地面へ出現させたのである。

その質量によって御陵のツガイ「地」は押し潰され、完全に動きを封じられた。

御陵の驚愕

御陵はその光景を見て驚愕した。
出現した分銅の大きさからは到底100トンの重量があるとは思えず、それほどの質量を生み出したヒカルの能力の規格外さに衝撃を受けたのであった。

ヒカルの能力の本質

御陵が100トンの分銅の重さに疑問を抱くと、ヒカルは
「俺が100トンって描いたら100トンなんだよ」
と説明する。
ヒカルのツガイ「黒白(ホワイト)」は、描いた内容をそのまま現実に反映させる能力であり、設定した内容そのものが現実の性質になる。

ヒカルは能力を使い、地面を白く塗り替えて庭の砂利を消し去る。

迷路による拘束

続けてヒカルが指を刺すと、御陵の周囲に巨大な迷路が出現する。
突然閉じ込められた御陵は「小賢しい真似を」と不快感を示す。

一方で、桜沢は迷路に巻き込まれたことに文句を言うが、ヒカルは桜沢の防御ツガイなら無傷だろうと判断していた。

避難の指示

ヒカルは戦いながら冷静に状況を整理し、

  • 桜沢に庭師を連れて退避するよう指示
  • 百手などのツガイに屋敷の人々の避難を命令

する。

桜沢はヒカルを見て、激怒しているように見えるが、実際はかなり冷静に行動していると評価する。

御陵の突破

迷路は御陵によって破壊される。
御陵の背後に現れた人影へ攻撃を仕掛けるが、それはヒカルが描いた埴輪の兵士だった。

さらに周囲は再び白く塗り替えられ、御陵は
「またか……次は何が来る?」
と警戒を強める。

地形操作による攻撃

次の瞬間、御陵の足元が水面へと変化し、御陵は落下する。
御陵は「天」を呼び出し、上空からヒカルへ反撃を仕掛ける。

その衝撃でヒカルの部屋に掛かっていた「スタジオはぐれ者」の看板が吹き飛ばされる。

新たな空間の出現

御陵は地の触手によって水中から引き上げられる。
しかし目の前には、突如として遊園地のような巨大な門が出現していた。

門には
「KAGEMORI WELCOME」
と書かれており、巨大な人形や装飾に囲まれた異様な空間が広がる。

現実を塗り替えるヒカルの能力によって作られた世界を前に、御陵は
「……なんだこれは」
と困惑するのだった。

ユルとイワンの戦闘

場面はユルとイワンの戦闘へ移る。
ユルは左右様をイワンに襲わせて注意を引き、その隙に弓でイワンの右腕を射抜く。接近した左様はイワンの刀のツガイの刃を破壊し、武器を弱体化させる。

視線誘導を利用した弓撃

イワンは刺さった矢を小太刀で切断し、口で引き抜いて応戦する。
その間にユルは高所から地面へ降り、地面から真上に向かって矢を放つ。矢は上空へ飛び上がり、落下してイワンの真上へ来る軌道になる。

落下してくる矢に気づいたイワンが「上か」と視線を上げた瞬間、ユルが放っていた別の矢が顔をかすめる
ユルは姿を隠しながら、視線誘導を利用した二段攻撃でイワンを攪乱する。

左右様との連携攻撃

ユルに気を取られた隙に左様が襲いかかる。イワンがそれを避けると、ユルの矢が左足に命中する。
さらに右様の攻撃を回避した瞬間、今度は左肩にも矢が命中し、イワンは次第に追い詰められていく。

ユルの指示

ユルは左右様に
「イワンを大きい通りに出すな。無関係な人を巻き込まずここで仕止めろ」
と命じる。左右様はその命令を受け入れる。

イワンの逃走

ユルが「無関係な人を巻き込まずここで仕止めろ」と命じたのを聞いたイワンは、
「一般人を巻き込めないのがおまえたちのだめなところだ」
と皮肉を口にする。

そして建物の壁を斬り裂き、横穴を開けてその場から逃走する。
一般人を巻き込めないという制約を逆手に取り、戦場を市街地へ移そうとする。

戦闘が市街地へ

左右様はイワンが建物に穴を開けて逃げたことに気づく。
外の大通りでは、突然の衝撃音に人々が「今の音は何だ」「ガス爆発か」と騒ぎ始めていた。

その直後、中華料理「西家」の扉が開き、イワンが大通りへ姿を現す。
戦いはついに一般人のいる市街地へ広がってしまう。

イワンが大通りに出現

建物を破壊して逃げたイワンは、大通りへと姿を現す。体には矢が刺さり血も流れているが、平然と歩いているため周囲の一般人は騒然とする。
人々は「爆発のせいか」「矢が刺さっている」「コスプレか」「救急車を呼ぶか」と戸惑いながら彼を取り囲む。

市街地でのイワンの思惑

イワンは周囲を警戒しながら状況を分析する。
自分の武器は一般人には見えないが、ユルの弓や矢は普通の人間にも見えてしまう。そのため市街地ではユルは流れ矢を恐れて弓を使いづらく、左右様も無関係な人を巻き込むような大暴れはできないはずだと考える。
つまりこの場所では、自分が有利であり、人質も取り放題だと判断する。

ユルの狙い

しかしその直後、イワンは群衆の中にアサの姿を見つける。
そこで初めて、自分がここへ誘導されていたことに気づき、「本当の狩場はこっちか」と歯噛みする。

そしてユルはアサに向かって短く命じる。
「やれ、アサ。」

第46話 アナとイワン

西ノ村討伐の作戦会議

影森家では、西ノ村の者を討伐するための作戦会議が開かれていた。
冒頭でジンは「裏切り者は許すな」というおやっさんの命令を伝え、影森を裏切ったアキオについて「見つけ次第殺す」と明言する。ジン自身も同じ考えで、現場で遭遇した場合は殺すつもりだと断言する。

その言葉を聞き、黒谷姉弟(ハルオ・ナツキ・フユキ)は複雑な表情を見せる。

現場指揮の任命

ただし今回、ジンとおやっさんは現場には出ず屋敷に残る。
そのため、現場での判断は黒谷姉弟に任せるとジンは告げる。

各自の役割

ガブは、アキオが自分の視界に入る前に黒谷姉弟で片付けてほしいと冗談めかして言い、自分は見た瞬間に殺してしまうと口にする。
アスマは現場責任者として同行し、ナツキの護衛を担当する。

またガブが、西ノ村の連中は殺してよいのかと確認すると、ジンは問題ないと答える。ただしガブにはアサの護衛を最優先にするよう釘を刺す。

イワンへの対応

話題はその後、イワンへの対処へ移る。
ユルは、イワンが現れた場合は自分たちに任せてほしいと申し出る。過去に一度戦った経験があり、左右様とアサと共に仕留めてツガイを手に入れるつもりだと語る。

フユキは、イワンの両親に関する情報を引き出す役目を自分たちが担当すると申し出る。

アサの戦い方の調整

デラは、イワンとの戦いは殺すか殺されるかになるため、絶対に相手の間合いに入るなとアサへ忠告する。
アサは、イワンが視界に入ったら首を飛ばせばいいのかと確認する。

しかしユルはそれを止める。
以前アサが技に慣れておらず、狙いを外して屋敷を壊してしまったことを思い出し、街中で首を飛ばす「解」は誤射で通行人を巻き込む危険があると説明する。

市街地での戦術

左右様は、ツガイと主の契約を「解く」攻撃なら一般人に被害は及ばないと説明する。
ユルは、人混みで使うならその方法が適切だと判断し、アサも同意する。

そしてユルは、刀のツガイを切り離した後、自分がイワンを仕留めると決める。

実戦への接続

作戦が決まり、ユルはイワンを誘導する。
その結果、イワンは街中でアサの前に姿を現すことになる。

アサの攻撃と想定外の乱入

アサはイワンに向けて、ツガイと主の契約を解除する術「解」を放つ。しかしその瞬間、まだ造りが整っていない新造ツガイが間に入り、アサの攻撃はイワンではなくそのツガイに命中してしまう。突然現れた存在にアサは「この子どこから……!?」と動揺する。

イワンの接近とユルの後悔

その隙を突き、イワンは一気に距離を詰めてアサに斬りかかろうとする。上から戦況を見ていたユルは、アサも殺す覚悟を持っていたはずなのに、自分が街中での戦闘を考慮して制限をかけたことで隙を生んだと悟り、自身の判断の甘さを悔いる。そして弓を放とうとする。

ガブの介入

その直後、ガブが「選手交代だよ、クソチカン」とイワンを罵りながら戦闘に割り込む。ガブのツガイ「ガブリエル」が現れ、巨大な口でイワンのコートを噛みちぎって動きを止める。

ガブリエルとイワンの交戦

ガブリエルはそのままイワンに襲いかかる。イワンは二本の刀を抜き、ガブリエルの攻撃を受け止めて応戦する。こうして街中での戦闘は、アサとユルの戦いにガブが加わる形となり、さらに激しさを増していく。

街中での激しい戦闘

街中でガブとイワンの戦闘が続く。巨大な口を持つツガイ「ガブリエル」が暴れ回り、店や看板を破壊しながらイワンに襲いかかる。周囲の通行人たちは突然の戦闘に悲鳴を上げて逃げ惑う。

一般人を利用するイワン

アサは「ガブちゃん、一般人を巻き込まないで」と叫ぶが、ガブは「ちゃんと避けてる」と言い返す。確かに人自体は直接攻撃から外れているものの、被害は広がっていた。アサは、イワンが人混みを利用し、一般人を巻き込むことに躊躇がないと気づく。

ユルたちが手を出しづらい状況

ビルの上から戦況を見ているユルも、イワンが最初から人混みの中で戦うつもりだったと考える。左右様も、矢を撃てば流れ矢で一般人を傷つける可能性があるため、簡単に攻撃できないと指摘する。またガブリエルが前面にいるため、アサの「解」も使いにくくなっていた。

イワンの挑発

イワンは「ガブリエルはかなり硬いと聞いたが大したことない」と挑発する。するとイワンのツガイ「マガツヒ」が、自分には斬れないものはないと豪語する。挑発されたガブは「うちの子なめんな」と怒り、戦闘はさらに激しくなりかける。

陰陽による隔離

その直後、イワンの頭上にアサのツガイ「陰陽」が現れ、イワンを飲み込むようにして別の空間へ取り込む。突然姿を消したイワンに、戦っていたガブも状況が理解できず戸惑う。

イワンの消失と混乱

突然イワンの姿が消え、周囲の一般人たちは何が起きたのか分からずざわめく。
そこへユルが駆け寄ると、ガブは「遅えよ」と文句を言いながら、イワンは陰陽が飲み込んだと説明する。しかしユルがアサの所在を確認すると、ガブもアサがいないことに気づく。

陰陽の中にいるアサ

ユルが陰陽に「アサは中にいるのか」と問いかけると、陰陽は頷く。
イワンと一緒に取り込まれたと知ったユルは激怒し、「今すぐアサだけ出せ」と命じる。しかし陰陽は首を横に振るだけだった。

右様が「主の命令か」と確認すると、陰陽は再び頷く。
左様は、このツガイはアサの命令しか聞かないと説明し、右様も仕方がないと判断する。ユルは無駄と分かっていてもアサの名を叫ぶ。

隔離空間での対峙

陰陽の内部では、アサとイワンが向き合っていた。
アサは「ここなら障害物も邪魔する者もいない。もう逃がさない」と言い、イワンとの決着をつける構えを見せる。

影森の屋敷と遊園地の門

場面は影森の屋敷へ移る。
御陵の前には遊園地のような「KAGE MORI WELCOME」と書かれた門が開かれていた。御陵は「入って来いと言わんばかりだ」と警戒する。

さらに緊急車両の音が近づき、人が集まり始めていることを察した御陵は、今日は退くと判断しその場を去る。

空城の計

門の中から避難していた人々が姿を現し、敵が去ったことに安堵する。
そこにいたヒカルは、門をわざと開け放ち「城の中に罠があるのではないか」と敵に思わせる作戦――「空城の計」を使ったのだと説明する。御陵は疑心暗鬼に陥り、自ら撤退したのだった。

御陵の評価

退却する御陵は、影森の長男ヒカルについて「ゴンゾウの血を引く者だけのことはある」と評価しつつも、ここまでとは思わなかったと考える。

ヒカルの負傷

一方ヒカルは、人々を守れたことに安堵するが、御陵の攻撃で右腕に大きな傷を負っていた。
御陵は遠くからヒカルを見ながら、「その気になれば俺を殺せたはずだ。しかし人の命を奪う選択ができないことこそ、お前の弱点だ」と指摘する。

フユキの調査

アサが消えた現場では、通報を受けて警察が集まり始めていた。
その中でフユキは、イワンをかばって現れたばかりのツガイの残骸に目を向ける。イワンを守るために出てきたことから、西ノ村に関係する存在だと判断し、「情報をもらっておくか」と言って閻魔帳を展開する。

暗殺を狙う男

その様子をビルの影から監視する男がいた。
男は、フユキが爆死し「閻魔帳」だけが無傷で手に入る状況が理想だと考える。さらに、あのツガイが捕まれば一時的に主となっていた自分の情報が露見するため、証拠隠滅も兼ねて爆破しようとしていた。しかし周囲は人混みで、一般人も巻き込む可能性がある。それでも構わないと判断し、起爆を決意する。

デラの介入

その瞬間、背後からデラが現れ、男の手にくっついているものを指摘する。
デラは、イワンをかばったツガイが本人のものではないことや、誰かが乱入させた可能性に触れながら周囲を観察した結果、手に何かを仕込んでいる男に気づいたと語る。さらに、粘菌のような爆弾を仕込むツガイ使い――椥辻という人物の噂を持ち出し、女子高生のツガイにも爆弾を仕込んでいるという話まで知っている様子を見せる。

男の動揺

男は、デラがどこまで事情を把握しているのか警戒する。
デラは否定しないことから図星だと見抜き、自分は海外の危険地帯で仕事をしていた経験があると語る。そして、子どもの腹に爆発物を巻き付けるような手口は戦場で何度も見てきたと説明する。

起爆阻止

デラは、起爆スイッチを押そうとする男の指をナイフで切り飛ばす。
死体に爆発物を仕込むのは初歩的な罠で、近づいた相手を爆破するためのものだと見抜いていたのだった。

東村の方針

デラは「安心しなよ、椥辻くん」と男の名前を呼びながら告げる。
そして東村は、子どもや捕虜には優しいのだと意味深な言葉をかける。

第47話 ナイフと爆弾

椥辻の確保

椥辻の手から血が出ているのを見て、通行人が心配して声をかける。
デラは「さっきの爆発で飛んできたガラスに当たった」と説明し、すぐ病院に行くと言って一般人をその場から遠ざける。

人目がなくなると、デラはフユキに「そいつ、やっぱり爆発物を仕込んである」と連絡する。
フユキもそれを認め、距離を取るよう指示する。デラは、爆発を起こそうとしていた東村襲撃犯を捕まえられたことに感謝を伝える。

東村と影森の違い

椥辻は「仇討ちか。情報を取ったあと僕を殺すのか」と問いかける。
デラは、東村は子供と捕虜には優しいと答え、影森とは違うと強調する。

しかし椥辻は、結局影森に引き渡されれば自分は殺されるのではないかと指摘する。
デラはそれに対し「ノーコメント」とだけ答える。

椥辻の切り札

椥辻は服を開き、自分の体に仕込まれたツガイを見せる。
それは腕のツガイと心臓につながっており、主が死ねば自分ごと爆発する仕組みになっていた。

その爆発は、先ほど東村の連中がいた倉庫の爆発とは比べ物にならない規模で、この一帯がクレーターになるほどだという。
椥辻は、デラがむやみに人を殺す人物ではなかったため、自分も街も守られたのだと語る。

デラの対応

デラは冷静に対処し、「解」で椥辻とツガイの契約を解除すると告げる。
その後の処遇はそれから決めるが、逃げようとすれば命に関わらない程度に無力化できると警告する。

壺を見張るウサギ

西ノ村の拠点「西家」で、ハルオのツガイであるウサギは壺を監視していた。
蓋を開けると、中から蛾のようなツガイが飛び出してくるため、慌てて蓋を閉める。右から「これを持っていろ」と言われて預かったものの、正体が分からず困惑していた。

醍醐の襲撃

そこへサドマゾの主・醍醐が現れる。
店が荒らされていることや、アキオを生かしておいたことへの不満、イワンとも連絡が取れなくなったことを口にしながら現場に入ってくる。

醍醐はウサギを見ると、それがハルオのツガイだと気づき、壺を返すよう要求して殴りかかる。

ウサギの回避

ウサギは壺から飛び出した蛾のツガイを捕まえつつ、右に「逃がすな」と言われたことを思い出しながら、醍醐の攻撃を軽々と回避する。
醍醐はその素早さに苛立つが、ウサギは頭を踏みつけて跳び退くなどして距離を取り、「怪我していてもその程度の攻撃は避けられる」と余裕を見せる。

サドマゾの召喚

激怒した醍醐はツガイ「サドマゾ」を召喚する。
ウサギは、こちらから攻撃しない限りツガイは何もできないはずだと考える。

しかし醍醐はサドマゾを殴りつけ、その力を利用する技「サドマゾ二倍拳」を発動。
倍化した衝撃によって攻撃が増幅され、ウサギは次第に追い詰められる。

残酷な脅し

醍醐は壺を返せば「ウサギ汁にする程度で許してやる」と嘲笑する。
サドマゾのマゾ側も、ウサギ汁やウサギ定食など残酷な言葉を並べて脅す。

ハルオの登場

その直後、突然重力のような力が働き、醍醐とサドマゾは横方向に吹き飛ばされ壁へ叩きつけられる。
そこへハルオが現れ、ウサギに「待たせたな」と声をかける。

ハルオの到着と状況説明

西家に現れたハルオは、自分のツガイ「カメちゃん」と共に醍醐とサドマゾを押さえ込む。
ウサギは二人に対し、サドマゾの能力は「受けた攻撃をコピーしてそのまま返すもの」だと説明する。

そのため、カメちゃんが力で押さえているものの、攻撃を止めた瞬間に同じ威力の反撃が返ってくる危険な状況になっていた。

ナツキへの救援要請

ハルオは通信でナツキに助けを求める。
ナツキは無事を確認した後、連絡をよこさなかったことを怒るが、ハルオは後で説明すると謝罪する。

現在地を聞かれたハルオは「中華料理屋の二階」と答え、
カメちゃんが醍醐とサドマゾを押さえ込んでいるが、力を抜けば反撃が来るため危険だと説明し、パワー系の援軍を送ってほしいと頼む。

さらにハルオは、アキオに逃げられて連れて帰れなかったことも報告し、謝罪する。

別の通信:フユキからの警告

続いてフユキがナツキに連絡を入れる。
フユキは商店街にいると伝え、通りに放置されている野良ツガイには触らないよう警告する。それらには爆発物が仕込まれている可能性があるためだった。

爆弾を仕込んだ人物は椥辻で、すでに田寺が捕まえていると報告する。
そして、ツガイを持っていない人員を何人か送るようナツキに要請する。

ナツキの報告

ナツキはその情報を受け、椥辻も確保されたことをアスマへ伝える。

陰陽の結界での対峙

アサはイワンを「陰陽」の結界空間に引き込み、一対一の状況を作る。
周囲を巻き込まないための空間であり、二人の間を遮るものは何もない。アサはここで自分が勝つと宣言する。

イワンは状況を分析するが、初手で背後を取られており不利だと判断する。

マガツヒの願い

イワンのツガイ「マガツヒ」の大凶は、アサに対して命乞いをする。
陰陽がアサを好ましく思っているように、自分たちもイワンを気に入っており、この主を殺さないでほしいと懇願する。

しかし小凶はそれを叱り、命乞いなどするなと反発する。

アサの目的

アサは、イワンが自分の両親を斬ったという話が本当か確認する。
大凶はそれを認め、さらにミネとナギサを斬ったこと、そしてアサと兄の両親が沖縄にいる可能性を示唆する。

アサは両親が沖縄に辿り着いて生きているのかを問い詰めるが、大凶は場所を教えない。
代わりに「イワンを殺さないと約束すれば、知っていることを全て話す」と取引を持ちかける。

交渉決裂

アサは、両親のことはマガツヒに聞けばよいと判断し、兄の命を狙う者に慈悲はないと宣言する。
こうして交渉は完全に決裂する。

イワンの絶望的状況

イワンは状況を分析する。
距離的にアサの「解」の攻撃の方が先に届く可能性が高く、転移用の枠もアキオを逃がすために使ってしまっている。

さらにユルの矢のダメージも残っており、投擲攻撃の精度も落ちているため勝機が薄い。
このままでは確実に首を飛ばされると判断し、「死んだな」と呟く。

予想外の行動

その直後、マガツヒの大凶が突然動き、イワンの首を斬る。

あまりに予想外の出来事に、アサもイワンも一瞬理解できず固まる。
血が噴き出す中、アサは「自分の『解』はまだ発動していない」と気づき、状況の異常さを認識する。

陰陽の異変

大凶に首を斬られたイワンを見て、アサは自害だと思い一瞬攻撃の意思を緩める。
しかしそれは小凶の能力を使うための行動だった。小凶は「結界に使うのは初めてだが賭けだった」と言い、陰陽の結界そのものから力を吸収し、それをイワンに流し込む。
その影響で陰陽は激しく苦しみ、悲鳴のような声を上げる。

イワンの復活

吸い上げた力によってイワンは復活する。
突然動き出したイワンはアサへ斬りかかり、アサは完全に不意を突かれる。

陰陽の救出

アサの危機を察知した陰陽は、結界の外へアサだけを押し出して逃がす。
イワンは結界の中に残される形となる。

結界の外の状況

外に出たアサをユルが心配し、ガブも無茶をするなと叱る。
アサは自分は無事だと答えるが、陰陽は力を使い果たして倒れてしまう。

イワンの拘束

アサは陰陽が自分だけを逃がしてくれたことを説明し、イワンを仕留められなかったと悔やむ。
ユルはまずアサが無事であることを優先し、状況を確認する。
ガブはイワンが陰陽の結界の中に閉じ込められていることを確認し、ナツキに連絡してイワンを捕まえたため一旦撤収すると報告する。

第48話 金星と敗北

警察の到着

現場に駆けつけた警察は、商店街の惨状を見てガス爆発かと疑う。
通報では「肩に矢が刺さった男」がいるはずだったが、現場はそれどころではない状態になっていた。
その中で警察は弓矢を持っているユルに目を付ける。

職務質問

警察はユルに近づき、弓矢が玩具かどうか、矢尻が付いているのかを確認しようとする。
ユルがアサに「矢尻が付いていたらどうなるのか」と聞くと、アサは弓の種類によっては銃刀法違反になる可能性があると説明する。
さらに逆らえば公務執行妨害で捕まるとも教える。

警察の排除

その会話を聞いた左右様が、警察官を突然殴り倒す。
ユル、アサ、ガブは「急に倒れた」とわざとらしく騒ぎ、関係ないふりをする。
ガブは救急車を呼びに行こうと言い、アサもそれに同意する。

撤退

左右様は倒れている陰陽を抱えて移動する。
ユルとアサ、ガブもその場を離れる。

陰陽の状態と新たな情報

陰陽は死んではおらず、意識不明に近い状態だと左右様が説明する。
アサはイワンに精気をほとんど奪われたことを思い出し動揺するが、その中でユルに
「父様と母様は沖縄にいるらしい」
という情報を伝える。

大凶の行動への文句

結界の中に取り残されたイワンは、大凶に対して「やるなら先に言え」と文句を言う。
突然首を斬られたことに驚いたためである。

しかし小凶は「説明している暇など無かった」「自分たちの機転に感謝しろ」と言い返す。

マガツヒとの軽口

イワンは、人の命を賭けた博打をするなと叱る。
もし自分が死ねばマガツヒは野良になり、次の主が自分のような剣士とは限らないからだと言う。

すると小凶は「お前だって仲の良い奴はいないだろ」「お前と付き合えるのは自分たちくらいだ」と言い返す。
さらに大凶がイワンを気にかけている様子に触れ、イワンと小凶は大凶を「ツンデレ」とからかう。

結界の状況確認

イワンは外へ状況を伝えようとスマートフォンを確認するが、結界の中のため外とは繋がらない。
完全に閉じ込められている状況だと理解する。

生存方法

イワンは「この何も無い空間で餓死するのか」とぼやく。
それに対し小凶は、陰陽から精気を吸い続けてイワンに与え、定期的に大凶が首を刺して回復させれば生き延びられると説明する。

イワンはそれを「地獄の点滴」と例える。

脱出の不確実性

ただし陰陽が目覚めた場合、マガツヒだけが外へ吐き出される可能性があり、その場合イワンだけ結界に残って本当に餓死する可能性もあると小凶は言う。
それを聞いたイワンは、自分の最後の食事が御陵の具無しあんかけ焼きそばだったことを思い出し、もっと良い物を食べておけばよかったと後悔する。

結界内での待機

さらに毒ガスで殺される可能性や海に捨てられる可能性など、様々な最悪の想像が出る中、小凶は陰陽を殺さない程度に精気を吸い続ける必要があると説明する。

イワンは、外の誰かが状況を動かしてくれることに期待するしかないと考える。
小凶は状況が変わるまで体力温存のため寝ていろと言うが、イワンは空腹で眠れないとぼやき、御陵の料理を恋しがる。

結界の状況確認

巨大な陰陽の結界を前に、ナツキは本当にこの中にイワンがいるのかと確認する。
しかし左右様は、陰陽がこの状態ではイワンを外に吐き出すことも内部に入ることもできず、生死すら分からないと説明する。

ナツキはイワンの空間転移を指摘するが、アサはその様子は無かったと答える。
夜桜は、イワンが転移の「枠」を用意していなかったのではないかと推測する。
さらにハルオからの連絡でアキオが突然消えたことを聞き、イワンは転移用の枠をアキオに使ってしまったのだろうと結論づける。

結界内のイワンの状態の推測

左右様は、自分がやられた時と同じ方法でイワンが陰陽の精気を吸い取っている可能性を示す。
アサもそれに同意する。

もしそうなら、イワンは陰陽の精気が尽きる寸前まで粘り続けるつもりだろうと左右様は言う。
何もない白い空間に長く閉じ込められれば精神が狂いかねない状況である。

その異常さに周囲は「化け物じみている」と評する。

アサへの評価

アサは陰陽に触れながら、自分が仕留め損ねたせいだと謝る。
しかし周囲は呆れ気味に受け止める。

ユルはアサの背中を叩き、イワンを捕らえただけでも大きな成果だと励ます。
自分でも正面から戦うのは怖い相手だったと認め、謝る必要はないと言う。

戦闘方法を巡るやり取り

ユルは今さらながら、イワン用の矢に痺れ薬を付けておけば良かったと話す。
アスマはそれを卑怯な戦法だと言うが、ユルは命の取り合いで正々堂々にこだわる方がおかしいと反論する。

そこへガブが口を挟み、ユルと口論になる。
騒ぎは周囲に止められる。

桜沢からの連絡

その最中、ナツキのスマートフォンに桜沢から電話が入る。
ナツキは現場にいることを伝え、しばらく連絡が取れず心配していたと話す。

ナツキは椥辻、醍醐、そしてイワンを捕まえたと報告する。
桜沢は大きな成果だと労う。

しかしナツキは、尾行班に死者が出たことを伝え、遺体回収を依頼する。
すると桜沢はそれを断り、自分は御陵にやられ、影森家が壊滅状態になっていることを告げる。

影森家の壊滅

場面は崩壊した影森家の現場へ移り、桜沢は電話越しに「影森家はめちゃくちゃだ」と報告する。

影森家の被害

影森家の現場では建物が崩壊し、多数の救急車や消防車が集まり、現場の被害の大きさが明らかになる。
瓦礫の中からは遺体も見つかり、状況の深刻さが伝わる。

ナツキは電話で桜沢から詳細を聞き、周囲にその内容を伝える。
その報告の中で、ゴンゾウが死亡したことが明らかになる。

影森家側の衝撃

ゴンゾウの死を聞いたアスマは強く動揺し、その場に崩れ落ちる。
周囲の者たちも言葉を失い、現場に重い空気が広がる。

さらに、この壊滅的な被害を引き起こしたのが御陵ただ一人であることが分かり、ユルはその事実に戦慄する。

御陵の離脱

場面は御陵の側に移る。
影森家を壊滅させた後、歩いて去ろうとする御陵の前に車が止まり、運転席のミナセが声をかける。

「仕事帰りのお兄さん、乗っていくかい」と軽い調子で誘い、御陵は車に乗り込む。

御陵側の状況

車内で、醍醐・椥辻・イワンが音信不通になったことが報告される。
アキオは店に戻れないのかと尋ねるが、御陵は「やむを得ん」と答える。

それを聞いた山科は「引っ越し」と騒ぎ立てるが、御陵は嬉しそうに言うなとたしなめる。
御陵は街や店を気に入っていたが、残念だと語る。

ミナセも「また行く場所が無くなった」と呟き、彼らは新たな拠点を探すことになる。

西屋での尋問開始

西屋の二階にフユキが現れ、ハルオと合流する。
ハルオは援軍が来たことを喜び、屋敷の襲撃についての情報共有を行う。

フユキは拘束されている醍醐と、サドマゾのツガイであるドM・ドSの二体を確認する。
そして攻撃を仕掛けてきたのは小さい方だったはずだとハルオに確かめながら、手の中にパチンコ玉を取り出す。

即席の攻撃

フユキはそのパチンコ玉を、近所のパチンコ店から拝借してきたものだと説明する。
さらにカメに重力操作を維持させたまま玉を投げつける。

重力で加速されたパチンコ玉は散弾のような威力となり、ドSに直撃して意識を奪う。
フユキはこれを「カメの力を借りた即席散弾銃」と説明し、攻撃後に重力を解除させる。

醍醐の反撃

重力が解除されると、醍醐とドMは倒れたドSに声をかけるが反応はない。
激怒した醍醐はフユキに襲いかかり、「閻魔帳」を奪うために殺すと叫ぶ。

しかしフユキは容易に反撃し、醍醐の攻撃を抑え込む。

閻魔帳の価値

フユキは、敵に渡れば極めて危険な情報の塊である「閻魔帳」を、影森ゴンゾウが弱い主に任せるはずがないと説明する。
御陵の仲間は本来ならすぐ殺したいところだが、現在はジンがいないため死体処理が困難だとも語る。

そのため、口がきける程度には生かしておき、西ノ村の情報をすべて吐かせるつもりだと告げる。

大江戸医科大学附属病院での検証

大江戸医科大学附属病院の待合室では、桜沢と術者たちが影森屋敷襲撃の状況をツガイの証言をもとに検証していた。
ツガイによれば、影森屋敷の結界は「ツガイやその身体の一部ですら許可なく侵入できない」構造であるにもかかわらず、外部からの攻撃によって要石が破壊されたという。

桜沢はこれを受け、攻撃はツガイの身体や霊的存在ではなく、この世界の物質による攻撃ではないかと推測する。

「地」と「天」の攻撃の違い

ツガイは、敵が使用した攻撃について説明する。
「地」の攻撃は次々と連続して放たれたのに対し、「天」の攻撃は一発ごとに間隔があったという。

桜沢はこの情報から、「天」の攻撃は使用頻度が低く、発動に準備が必要な攻撃ではないかと推測する。

さらにツガイは、敵が頭部を狙って攻撃していたこと、ヒカルも狙われたが攻撃は外れ、右腕に掠っただけであったと補足する。
桜沢は「外したとはいえ、かすっただけで右手がズタズタにされている」と説明し、その威力の高さに警戒を強める。

ツガイによる攻撃状況の補足

ツガイはさらに、ゴンゾウやジン、ムジュンが頭部を攻撃されて死亡したことを語る。
一方でヒカルは屋根の下にいたため直撃を免れたと考えられた。

この証言を聞いた術者たちは、今回の攻撃は御陵による誘導ではなく、ツガイ本人が上空から目視で狙いを定めていた可能性が高いと推測する。

刑事の来訪と影森家の状況

そこへ刑事が現れ、影森屋敷の被害について桜沢に声をかける。
刑事は現場を確認してきたと語り、屋敷は派手に破壊されていたと報告する。

桜沢は、屋敷が西ノ村の生き残りによって襲撃されたと説明する。
刑事は影森家当主ゴンゾウの死を惜しみつつも、影森家の今後について厳しい見方を示す。

暫定当主がヒカルであると聞いた刑事は、これまで漫画しか描いてこなかったヒカルに何ができるのかと疑問視する。
さらに、表向きの事業はアスマが回すとしても、裏の処理を担っていたジンが行方不明である以上、影森家がこの先生き残るのは難しいのではないかと指摘した。

影森家から距離を置く決断

刑事は、自分たちの一族も影森家と共に東村を出てきた関係であるため協力したい気持ちはあると語る。
しかし現状では潮時だとして、影森家とは距離を置かせてもらうと告げる。

そのうえで、屋敷警備員の銃を回収しておいたことを桜沢に伝える。
桜沢はそれを自分が持たせたわけではないと答える。

刑事は去り際に、屋敷の事件は「ガス爆発と陥没」という形にしておいたと伝え、ヒカルへの伝言を残して立ち去った。

ナツキの判断

刑事が去った後、銃の処分について話題になる。
海に捨てる案も出るが、その直後ナツキから電話が入る。

ナツキは、屋敷に戻っても結界も寝る場所もなく、再び敵襲があっても困るため、しばらくアサと一緒に身を隠すつもりだと語る。
そのうえで護身用として銃を何丁か譲ってほしいと頼み、ヒカルの判断を仰ぐ。

アサの自責

車で移動するナツキの隣で、アサは街の広告看板を目にする。
そこにはヒカルの漫画作品「プリきゅん☆マミたん」のアニメ三期決定を知らせる看板が掲げられていた。

それを見たアサは、今回の惨事を思い返しながら、自分のせいだと強く自責の念を抱くのであった。

黄泉のツガイ 一覧

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黄泉のツガイ 1巻
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黄泉のツガイ 12

その他フィクション

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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