スポンサーリンク
マンガ読書感想黄泉のツガイ

漫画【ヨミツガ】「黄泉のツガイ 5巻」ユル誰も信用できなくなる 感想・ネタバレ

スポンサーリンク
黄泉のツガイ 5巻の表紙画像(レビュー記事導入用) マンガ

ヨミツガ 4巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 6巻レビュー

Table of Contents

スポンサーリンク
  1. どんな本?
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 東村の惨劇
      1. 第一の惨劇:影森家(アサ側)による急襲
      2. 第二の惨劇:イワンによる無差別な殺戮と拉致
      3. まとめ
    2. 偽アサと人質
      1. 偽アサの正体と役割
      2. イワンの襲撃と人質としての拉致
      3. ユルを誘き出すための罠と奪還作戦
      4. まとめ
    3. 下界のルールとツガ友
      1. 下界の厳しいルールとユルの戸惑い
      2. 黒服のツガイと「ツガ友」の誕生
      3. まとめ
    4. ダンジの正体
      1. ダンジの正体と「影」の欠落
      2. 真の主と与えられた命令
      3. まとめ
    5. 影森家の暗躍
      1. 表の慈善事業と裏の私兵育成
      2. ツガイを用いた徹底的な情報搾取と冷酷な管理
      3. まとめ
    6. 倉庫街の罠
      1. 血文字のメッセージとユルの作戦
      2. 影森アスマの便乗と無気配の拉致
      3. 倉庫の惨劇と殺し屋イワンの登場
      4. まとめ
    7. 両親の血痕
      1. イワンとの対峙と刀のツガイ
      2. 左右様による血の匂いの特定と両親の血痕
      3. まとめ
  6. 登場キャラクター
    1. 主人公一行・田寺家
      1. ユル
      2. 田寺リュウ(デラ)
      3. 左右様(右様・左様)
      4. 段野ハナ
      5. 田寺ケン
      6. 虎鉄
      7. 二狼
    2. 東村
      1. ダンジ
      2. 偽アサ
      3. キョウカ
      4. ヤマハ
      5. 祈祷師
      6. ミネ
      7. ナギサ
      8. 子供
    3. 影森家
      1. アサ
      2. 影森ゴンゾウ(御館様)
      3. 影森ヒカル(波久礼ヒカル)
      4. 影森アスマ
      5. 影森ジン
      6. 黒谷ハルオ
      7. 黒谷ナツキ
      8. 黒谷フユキ
      9. 黒谷アキオ
      10. ガブ
      11. 立川マコト
      12. 夜桜
      13. 朝霧
    4. 敵対勢力・その他
      1. 新郷
      2. イワン
      3. 小凶
      4. 大凶
      5. 山賊たち
      6. オシラサマ
      7. オシラサマの主
      8. オシラサマの主の孫
      9. 黒服のツガイ達
      10. 黒服のツガイの主(犬)
      11. ホステス(アオイ)
  7. 展開まとめ
    1. 第17話 大凶と小凶
    2. 第18話 家族と友
    3. 第19話 ユルとダンジ
    4. 第20話 朝霧と夜桜
  8. 黄泉のツガイ 一覧
  9. その他フィクション

どんな本?

黄泉のツガイは、『鋼の錬金術師』の荒川弘氏が、約11年ぶりに「月刊少年ガンガン」で連載を開始した作品。

現代の日本、世俗から隔絶された山奥で生まれた、夜と昼を別つ男女の双子ユルとアサが主人公。

幼い頃に離れ離れになった二人を巡って繰り広げられる闘いを描いた伝奇バトル。

この作品では、幽霊や妖怪などの異形の存在を「ツガイ」と呼んでおり。

ツガイは一般人には見えないが、ツガイ側から干渉して特定の人間に姿を見せることが可能で、稀に勘所があって見える者もいる。

人間と契約する者もいて、ツガイを従える者は「ツガイ使い」と呼ばれている。

ユルとアサは400年ぶりに誕生した特別な双子で、それぞれ異なる能力を持っている。

ユルは封印する力”封”
アサは解放する力”開”

二人は東村という山深い村落で暮らしていましたが、ある日を境に別々の道を歩むことになる。

この作品は現在単行本第6巻まで発売されており、ガンガンONLINEで連載中。

魂を目覚めさせる荒川弘最新作として注目されている。

スクウェア・エニックス

読んだ本のタイトル

黄泉のツガイ 5巻
著者:荒川弘 氏
出版社:スクウェア・エニックス
レーベル:月刊少年ガンガン
発売日:2023年9月12日
ISBN:9784757587861

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

友は敵に、敵は友に 覚悟は此処に

手長足長を撃退し、その主であるデラの異母弟・ケンを
仲間に引き入れたユル一行。
先代田寺がユルの両親の脱走を手引きしたが、
現在どこにいるのかは知らないとケンは言う。
両親の手掛かりは得られず、先代田寺から
ユルの両親を追うことにしたデラは東村に探りを入れる。
しかし、与謝野イワンが東村を蹂躙し始め…!?

集いて、離れ、また集い…。
災禍止まぬツガイバトル、第5巻!!

黄泉のツガイ 5

感想

影森の時期当主アスマからの依頼で。

祈祷師を襲い、彼の身体を切り取り。
彼の身体の中に入って、東の村に侵入。
住民を手当り次第斬って行く刀のツガイ、マガツキ「大凶」「小凶」の使い手イワン。

イワンによって多くの村人が殺され、アサに偽装していたザシキワラシの片割れと、村の子供1人を誘拐して東京へ瞬間移動させ。
誘拐した本人は、祈祷師を道案内にして下界へと降りて、東京の祈祷師の事務所で彼を殺し。
その祈祷師の死体に、ユル宛のメッセージを書いて失踪する。

その祈祷師の死体を「山賊」と呼ばれる連中の依頼でハナがユンボで埋めて処理。
ユル宛のメッセージをデラに伝える。

それをデラから聞かされたユルは、メッセージを見た「山賊」達を囮にして犯人を狙撃するつもりだったが、、

アスマのツガイ、夜桜がユルを誘拐してしまう。
そして、ユルに「封」を取得するために死んでみろと言う。

そして、ユルを誘拐されたデラと左右様達は「山賊」を壊滅したイワンと遭遇。
ユルの「封」と相性が最悪の左様を殺すと言って左様と一騎討ちをするのだが、、

右様がイワンの刀、マガツヒからユル、アサの両親、ミネとナギサの血の臭いがすると言って終わる。

偽アサになっていたザシキワラシ。
そのザシキワラシの片割れは、ユルの幼馴染のダンジとして下界へ降り、旧いツガイのオシラサマに回収され。
彼女の案内でユルの所に行くが、、
ユルと再会した時に、影を出し忘れてユルにツガイだとバレてしまった。
幼馴染だと思っていたユルにとって、ダンジがツガイだったという事実は許容範囲を超えてしまい。
頭を整理する必要性があったが、、
宇宙人のようなツガイの主のパグ(?)に寄り添われて立て直す。

そして、イワンの罠にハマり。
アスマから「封」を解放するために”一回死んでみる?”と言われる。

本当に殺伐としている。

最後までお読み頂きありがとうございます。

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

ヨミツガ 4巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 6巻レビュー

考察・解説

東村の惨劇

ユルの故郷である東村を襲った二度の凄惨な襲撃事件について解説する。
東村は外界から隔絶された平穏な集落であったが、物語の中で二つの異なる勢力から襲撃を受け、壊滅的な被害を被ることになる。

第一の惨劇:影森家(アサ側)による急襲

・最初の惨劇は、突突として村を囲んでいた結界が消失し、上空に武装したヘリコプターが出現したことで始まった。
・見慣れぬ火器を持った武装集団が侵入し、村人を次々と殺害した。
・さらに本丸には、ヘリから少女風の人物であるガブが降下し、不可視の攻撃によって大人たちだけを選別して次々と惨殺し、周囲を一瞬で壊滅状態に追い込んだ(子供は殺害の対象外とされていた)。
・この混乱の最中、本物のアサが現れ、これまでユルが妹だと信じていた偽アサを一方的に排除した。
・そしてアサは兄以外の全てを殺すと冷酷に宣言し、ユルが信じていた村の日常と価値観を根底から崩壊させた。
・ユルはデラと共に隠し通路へ逃れ、守護ツガイである左右様を起動させてヘリを墜落させるなどして難を逃れるが、村は甚大な被害を受けた。

第二の惨劇:イワンによる無差別な殺戮と拉致

・ユルが下界へ降りた後、東村は再び悲劇に見舞われた。今度は、謎の男である新郷に雇われたイワンという男が単独で村に侵入した。
・イワンは刀のツガイである大凶の空間転移能力を利用し、東村に向かっていた祈祷師の体と入れ替わる形で村へ入り込んだ。
・彼は明確な標的である偽アサを探すため、遭遇する村人に対してこいつじゃないと言い放ちながら、無差別に斬り殺して本丸へと進攻した。
・本丸では村人たちがクロスボウで迎撃を試みるものの、イワンの圧倒的な戦闘力の前に全て弾かれ、長老のヤマハにも凶刃が迫った。
・そこへ正体は座敷童子のツガイである偽アサが影を操って介入するが、イワンのツガイである小凶の不意打ちによって隙を突かれ、制圧されてしまった。
・結果として、イワンは偽アサと、近くにいたおとなしそうな村の子供を人質として確保し、転移能力を使って下界にいる新郷の元へ拉致した。

まとめ

・この二度目の襲撃により、東村の多数の大人が殺害され、村は存続が危ぶまれる状態に陥った。
・惨状を目の当たりにしたキョウカは、自身は村に残る決断を下しつつ、ツガイであるダンジに山を下りてユルを助けるよう指示した。
・その後、下界に逃れてオシラサマに保護されたダンジはユルと再会し、刀二本持った男が一人だけで乗り込んで来て大人がたくさん殺されたこと、もう村はだめかもしれないと、東村が壊滅状態にあることを涙ながらに報告した。
・この二つの惨劇により、ユルの生まれ育った東村の日常は完全に破壊され、彼が両親の行方や村の隠された真実を追うための過酷な戦いへと本格的に身を投じる要因となった。

偽アサと人質

偽アサの正体と、彼女や村の子供が人質として攫われた経緯、そしてユルの奪還作戦について解説する。

偽アサの正体と役割

・東村の地下牢に幽閉され、ユルが長年自身の妹だと信じて大切にしていた偽アサの正体は、ユルの幼馴染であるダンジと対になる座敷童子のツガイ(女児)である。
・彼女は、ユルを村に縛り付けて見守るため、キョウカ(ダンジの主であり母と呼ばれる人物)の指示でアサのふりをしていた。
・後にユルは、これまでのツガイたちと同様に地面に落ちる影が無いという共通点から、ダンジや偽アサが人間ではないことを見抜くことになる。

イワンの襲撃と人質としての拉致

・第一の襲撃を生き延びていた偽アサだが、謎の男である新郷に雇われたイワンが東村を無差別に襲撃した際、長老のヤマハを庇ってイワンの刃の前に割って入り交戦した。
・しかし、イワンのツガイである小凶の不意打ちによって足を刺され、制圧されてしまった。
・イワンは、主を殺さないことを条件に下界へ同行するよう偽アサに要求し、彼女はそれに従った。
・さらにイワンは、予防として人間の人質も欲しいと考え、近くにいたおとなしそうな村の子供を捕獲し、偽アサと共にツガイの空間転移能力を使って下界にいる新郷の元へ強制的に拉致した。

ユルを誘き出すための罠と奪還作戦

・その後、下界で殺害された東村の祈祷師の遺体が発見され、その身体には「ユルへ」「偽の妹と村の子供をあずかっている」「次の満月の日 亥の刻 フジムラヤマ倉庫 一号に来い」という、ユルを名指しで呼び出す血なまぐさいメッセージが刻まれていた。
・これが自分を誘き出すための明確な罠であると理解したユルは、正面から乗り込むことはせず、好戦的な山賊の集団を先陣に切らせて敵と衝突させ、その隙に人質を救出するという作戦を立案した。

まとめ

・ユルがこの作戦を実行したのには、単に村の子供を助けるためだけではなく、偽アサを確保することで相方であるダンジとも再び接触し、二人を並べて村の隠された真実や両親の行方について直接問い詰めるという強い目的があった。
・そのため、気配の強い左右様を囮として一号倉庫に配置し、ユルとデラは弓の届く範囲の別地点に潜伏して支援するという態勢を取り、指定された満月の夜の決戦へと臨むことになった。

下界のルールとツガ友

下界(現代社会)の常識に直面するユルの戸惑いと、その過程で偶然生まれたツガイ同士の友好的な関係(ツガ友)について解説する。

下界の厳しいルールとユルの戸惑い

・東村の狩猟生活で育ったユルにとって、下界の法律やルールは理解しがたいものであった。
・弓の試し撃ち場所を探していたユルは、川の魚を浅瀬に追い込んで手掴みで獲ろうとするが、同行していたケンから「ここは釣り禁止」「鳥も獣も勝手に獲っちゃダメ」「狩猟には許可証がいる」と下界の掟を説明され制止される。
・さらに、下界の人間が武器を持ち歩いていないことを不思議に思い、「どうやって獣や悪漢から身を守るんだ?」と尋ねるユルに対し、ケンは「おまわりさんという市民の味方がいる」「下界では理由があっても無くても人を殺すと捕まって裁かれる」と教える。
・相手が殺しに来たのを返り討ちにしても罪に問われる可能性があるという現代の法律に、ユルは強く驚愕した。
・このやり取りを通じて、ケンはユルが下界の基本ルールを全く教えられていないことに気付き、自身が教育しなければならないと決意する。

黒服のツガイと「ツガ友」の誕生

・下界のルールを学んでいたユルたちは、人気の無い場所へ移動する最中に、サングラスをかけた黒服の男女と一匹の犬に尾行されていることに気付く。
・ユルが迎撃の態勢を取ると、黒服たちは「危害を加える気はありません」と告げ、衣服を脱ぎ捨てて本来の姿(人間からは宇宙人と呼ばれるような姿)を現した。
・彼らは能登で古くから祀られていた在来ツガイであったが、現代では人々に忘れ去られ、消滅寸前だったところを、偶然上から落ちてきた「野良犬」と契約してしまったという特異な事情を持っていた。

まとめ

・主が犬であるため、言葉が通じず個別の名前すら付けてもらえない状況であったが、彼らは自分たちの主(犬)を深く愛していた。
・しかし、周囲に境遇を相談できるツガイがいなかったため、理知的な雰囲気を持つユルのツガイたちに「友達になっていただけないでしょうか」と申し出る。
・右様が「わが主に害をなさなければな」と快諾し、自分たちが「左右様」であると名乗ると、東村のレジェンド級の存在と友達になれたことに黒服のツガイたちは大興奮して歓喜した。
・この異様で平和なツガイ同士の交流を見たケンは、内心で彼らの関係を「ツガ友」と称している。

ダンジの正体

ユルの幼馴染として振る舞っていたダンジの正体や、彼に与えられていた使命について解説する。

ダンジの正体と「影」の欠落

・物心ついた頃からユルの幼馴染として常に一緒に遊んでいたダンジだが、彼の正体は人間ではなく、牢に閉じ込められていた偽アサ(女児)と2人で一組となる座敷童子(ザシキワラシ)のツガイ(男児)である。
・ユルが下界でダンジと再会した際、彼らツガイには地面に影が落ちないという共通の法則があることに気づき、ダンジの正体を見破った。
・ダンジによれば、その気になれば影を作ることも可能だが、無事にユルと再会できた安堵からうっかり影を作り忘れていたとのことである。
・なお、守護ツガイである左右様は、村の入り口からダンジをずっと見ていたため彼がツガイであることを当然知っていたが、ユルはとっくに正体に気づいた上で付き合っていると勘違いしていたため、ユルに黙っていた。

真の主と与えられた命令

・ユルは、ダンジが自分を監視し、時には山賊を差し向けて殺そうとしていたのではないかと疑った。
・しかしダンジはこれを強く否定し、自分の主は東村の住人であるキョウカであると明かした。
・ダンジはキョウカを母と呼んで人間の母子のように振る舞うよう命じられており、彼に与えられた任務はユルを見守ることと、有事の際には長老のヤマハおばぁを守ることであった。
・かつてダンジがユルの狩りにしつこく付いて行こうとしていたのも、ユルを山賊から守るためであったことが判明する(一方で相方の偽アサは、アサのふりをしてユルを村に縛り付ける役目を担っていた)。

まとめ

・イワンによる二度目の東村襲撃で村が壊滅状態に陥った際、主であるキョウカは自身が村に残る決断をし、ダンジに単独で山を下りてユルを助けるよう指示した。
・下界へ逃れたダンジはオシラサマに保護され、都でユルとの再会を果たす。
・しかし、ユルに正体を明かした後、下界に連れ去られている相方(偽アサ)の気配を感知し、ユルに事情を詳しく話す前に単独で捜索へと向かってしまう。
・その後、左右様と友人になった黒服のツガイたち(能登のツガイ)が土地勘を活かして相方探しを手伝ってくれることになり、ダンジは彼らの優しさに涙を流して感謝した。

影森家の暗躍

影森家が下界で水面下で行っている暗躍や、その冷酷な組織運営について解説する。

表の慈善事業と裏の私兵育成

・影森家は表向きには乳児院などの養護施設を運営する慈善事業を行っているが、その実態は裏社会の戦力確保のための機関である。
・例えば、屋敷の警備や実動部隊を担う黒谷四姉弟(ナツキ、フユキ、ハルオ、アキオ)は、赤ん坊の頃に影森の乳児院の前に捨てられた血の繋がりのない孤児たちであり、影森家への恩義を感じるように育て上げられた影森の兵隊である。
・長男である漫画家のヒカルが「倫理観がイカれてる」「殺し殺され裏切り裏切られが普通に生活の中にある」と激しく嫌悪するほど、その組織構造は血生臭いものである。

ツガイを用いた徹底的な情報搾取と冷酷な管理

・影森家を襲撃してきた者たちを捕らえた際の尋問方法は、極めて冷酷なものであった。
・フユキが使役するツガイ「閻魔帳(ブラックリスト)」を用いて、対象の本名、生年月日、家族構成、さらには借金や母親の病状といった個人的な弱みまで強制的に暴露し、記録する。
・当主のゴンゾウは、襲撃者たちが金目当てで集められた即席のチームであり黒幕と直接の接点がないと知ると、彼らの借金や母親の治療費を全額立て替えて恩を売り、使い捨てできる兵としてストックしておけと冷酷に命じた。
・さらに、死んだ主のツガイには適当な者と契約を結ばせて情報を抜き取り、黒幕が判明した暁にはそいつもろとも繋がっていた奴も殺しておけと指示するなど、徹底した報復と非情な組織管理を行っている。

まとめ

・影森家は組織として一枚岩ではなく、内部でも様々な暗躍が交錯している。
・当主のゴンゾウは、運命の双子が生まれる度に世が乱れるため東村の血族ごと排除(殲滅)すべきだという過激な思想を持っており、三男のジンと共に水面下で何かを企み、ユルを狙う勢力がいるとされるフジムラヤマ倉庫へ向けて密かに出撃する準備を進めている。
・一方で、ゴンゾウの思想に反対する次男のアスマも、特別な力を持つ者は相応の組織の下でコントロールされるべきという独自の統治思想から、ツガイを使ってユルを尾行させたり、ツガイ「夜桜」の空間転移能力を用いてユルを強制的に拉致したりと、水面下で強引な工作を行っている。
・ジンは尾行の一件を一部の者のスタンドプレーだと他勢力に釈明しているが、影森家という組織全体が常に陰謀と謀略に満ちていることが伺える。

倉庫街の罠

ユルを誘き出すために仕掛けられた「フジムラヤマ倉庫の罠」と、そこで交錯した様々な勢力の思惑について解説する。

血文字のメッセージとユルの作戦

・下界で殺害された東村の祈祷師の遺体には、「ユルへ。偽の妹と村の子供をあずかっている。次の満月の日 亥の刻 フジムラヤマ倉庫 一号に来い」という、ユルを名指しした血文字のメッセージが刻まれていた。
・これが自分を誘き出す明確な罠だと理解したユルとデラは、正面からの突入を避け、血の気の多い山賊の集団を先陣として向かわせ、敵と衝突している隙に人質を救出するという作戦を立てた。
・ツガイ同士は気配を感知し合うため、気配の強い左右様を囮として一号倉庫に配置し、ユルとデラは弓や銃の届く向かいの工場に潜伏して待ち構えることになった。

影森アスマの便乗と無気配の拉致

・指定された満月の夜、作戦通りに潜伏していたユルであったが、突如、全く気配も音も殺気も発しない謎のツガイに背後から頭を掴まれてしまう。
・ユルは自らの位置を晒すリスクを承知でデラに「こいつを撃て!」と叫ぶ。
・デラがライフルで撃ち抜くが、敵は大量の蛾を発生させて視界を遮り、左右様の迎撃をもすり抜けて、ユルごと空間転移で消え去ってしまった。
・ユルを拉致したのは、影森家の次男・アスマが使役するツガイ「夜桜」であった。
・アスマは倉庫街の呼び出しを利用し、「特別な力を持つ者はコントロールできる者の下に存在するべき」という自身の野望のためにユルを誘拐し、「一回死んでみませんか」と「封」の力を得させるための狂気的な勧誘を行った。

倉庫の惨劇と殺し屋イワンの登場

・一方、ユルを攫われたデラと左右様であったが、周囲の血の匂いが強すぎてユルの追跡ができなかった。
・デラが倉庫の照明をつけると、そこには先陣を切らせるはずだった山賊たちの死体の山と、彼らを皆殺しにした真の待ち合わせ相手である殺し屋「イワン」が座っていた。
・イワンは「山賊たちが取引の邪魔だったから」という理由で皆殺しにしたと語り、さらにユルが「封」を得るのに邪魔となる左様を排除するため、刀のツガイ「大凶・小凶」を抜いてデラたちに襲い掛かる。

まとめ

・このようにフジムラヤマ倉庫の罠は、人質を利用してユルを狙うイワン(新郷)、その場を利用してユルを拉致した影森アスマ、そしてこのタレコミを聞きつけて密かに出撃していた影森ゴンゾウたちという、複数の勢力の思惑が複雑に交錯する血みどろの現場となった。

両親の血痕

物語の中で判明した「両親の血痕」に関する衝撃的な事実について解説する。

イワンとの対峙と刀のツガイ

・フジムラヤマ倉庫でユルとデラ、そして左右様は、東村を襲撃した実行犯であり、刀のツガイ「大凶・小凶」を使役する男・イワンと対峙する。
・イワンは「金を払ってくれれば、人だろうがツガイだろうがなんでもいくらでも斬る」という冷酷な請負の殺し屋であり、戦闘になった左様は右腕を切り落とされてしまう。

左右様による血の匂いの特定と両親の血痕

・その戦闘の最中、嗅覚に優れた右様は、イワンの刀から「とんでもない数の人を斬ってきた」血の匂いがまとわりついていることに気づく。
・右様はその重層的な血の匂いを嗅ぎ分け、まず比較的新しい匂いとして「倉庫で斬り殺された山賊たちの血」と「東村の住民たちの血」を特定した。
・そして右様は、その新しい血の匂いのさらに奥に、かすかに残る別の匂いを捉えた。
・右様は「わしらはそのにおいを知っている」と断言し、それがユルとアサの両親である「ミネとナギサの血の匂い」であると指摘した。

まとめ

・アサの証言により、両親は沖縄へ向かう飛行機の中で忽然と姿を消し、現在も行方不明であることが分かっていた。
・しかし、イワンの刀に彼らの血が染み付いていたという事実は、両親が失踪した際にイワン(またはその刀のツガイ)と接触し、斬られて流血する事態に見舞われていたことを強く示唆している。
・これまで全く手がかりがなかった両親の行方や生死に関わる極めて重要な痕跡が、両親を探すユルの前に最悪の形で提示されることとなった。

ヨミツガ 4巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 6巻レビュー

登場キャラクター

主人公一行・田寺家

ユル

下界のインフラや常識に疎い少年である。狩猟生活に根ざした価値観を持つ。家族やかつて共に過ごした者を思いやる一面がある。

・所属組織、地位や役職
 東村出身の少年。左右様の主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ケンから下界のルールを教えられた。ダンジの正体がツガイであることを見抜いた。正体不明の敵の急襲を受け、倉庫で拉致された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アスマから自身の元へ来るよう勧誘を受けた。

田寺リュウ(デラ)

ユルの保護者を自認する人物である。事態を冷静に分析し、状況に応じた判断を下す。

・所属組織、地位や役職
 田寺家の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 テレビを設置してユルたちに外界の情報を見せた。ジンと面会し、彼を信用して協力を求めた。倉庫でユルを襲った敵へ向けて発砲した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 祈祷師の遺体に残された伝言から、それが罠であると見抜いた。

左右様(右様・左様)

ユルに従う双子のツガイである。東村の伝説的存在として他のツガイから広く知られている。

・所属組織、地位や役職
 ユルのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 黒服のツガイたちと友好的な関係を結んだ。ユルを攫ったツガイと交戦したが、決定打を与えられなかった。イワンの刀と戦い、左様が腕を切断された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンの刀に付着した血の匂いから、ミネとナギサの痕跡を捉えた。

段野ハナ

面倒事を避けようとする現実的な人物である。デラやユルの生活を支援する。

・所属組織、地位や役職
 田寺家の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 山賊の依頼を受けて祈祷師の遺体を処理した。遺体に刻まれたメッセージをデラに伝えた。食事に関して、食べられる時に食べるべきだと主張した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 危険な事態への深入りを避ける姿勢を貫いている。

田寺ケン

ユルに下界の常識を教えようとする人物である。生真面目な性格である。

・所属組織、地位や役職
 田寺家の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルと共に武器を作成した。弓の試し撃ち場所を探すユルに同行し、狩猟規則などを説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 母親の故郷がエチオピアである。

虎鉄

ハナが使役するツガイである。

・所属組織、地位や役職
 ハナのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 外出するユルたちの行動を追跡し、安全を確認した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 異常な気配の接近を察知した。

二狼

ハナが使役するツガイである。

・所属組織、地位や役職
 ハナのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルたちが平和に散歩中であるとハナに報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

東村

ダンジ

ユルの幼馴染として振る舞っていた存在である。キョウカを母と呼び、その指示に従う。

・所属組織、地位や役職
 東村のツガイ。偽アサと対になる座敷童子の男児。
・物語内での具体的な行動や成果
 イワンの襲撃から逃れ、オシラサマに保護された。ユルと再会し、村が壊滅状態になったことを伝えた。偽アサの気配を感知し、捜索に向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 影を持たないことから、ユルにツガイであると見抜かれた。

偽アサ

ユルの妹のふりをしていた存在である。ダンジと対になるツガイである。

・所属組織、地位や役職
 東村のツガイ。ダンジと対になる座敷童子の女児。
・物語内での具体的な行動や成果
 イワンの襲撃時にヤマハを庇って交戦した。小凶の不意打ちにより隙を突かれ、イワンに制圧された。イワンに従う意思を示し、下界へ転移させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 敵の人質として利用されている。

キョウカ

東村に住む女性である。ダンジの主である。

・所属組織、地位や役職
 東村の住民。ダンジの主。
・物語内での具体的な行動や成果
 村が襲撃された際、自身は村に残る決断をした。ダンジに山を下りてユルの助けになるよう指示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ダンジに対し、主ではなく母として振る舞うよう命じていた。

ヤマハ

東村の長老的な存在である。

・所属組織、地位や役職
 東村の住民。おばぁ。
・物語内での具体的な行動や成果
 本丸への侵入者に気付くのが遅れた。イワンに斬られそうになったところを偽アサに庇われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ダンジは有事の際に彼女を守るよう命じられていた。

祈祷師

東村の住民である。非戦闘向けのツガイを連れている。

・所属組織、地位や役職
 東村の祈祷師。
・物語内での具体的な行動や成果
 イワンに身体の一部を転移され、腹に大穴を開けられた。イワンに下界への道案内を命じられた。その後、何者かに殺害され、遺体にメッセージを刻まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死亡が確認され、遺体はハナによって処理された。

ミネ

ユルの父親である。

・所属組織、地位や役職
 東村の住民。ユルとアサの父。
・物語内での具体的な行動や成果
 物語本編には直接登場していないが、写真がジンからデラ経由でユルに渡された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンの刀から血の匂いが検出され、生死にまつわる痕跡が示された。

ナギサ

ユルの母親である。

・所属組織、地位や役職
 東村の住民。ユルとアサの母。
・物語内での具体的な行動や成果
 物語本編には直接登場していないが、写真がジンからユルに渡された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンの刀に血の匂いが付着していることが左右様により確認された。

子供

東村に住む子供である。

・所属組織、地位や役職
 東村の住民。
・物語内での具体的な行動や成果
 村が襲撃された際、イワンに目を付けられた。人質として偽アサと共に下界へ転移させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 新郷の前に転移し、下界へ到達した。

影森家

アサ

ユルの双子の妹である。精神的に不安定な状態に陥っている。

・所属組織、地位や役職
 影森家に保護されている。ユルの実妹。
・物語内での具体的な行動や成果
 「兄様に会いたい」と繰り返し呟き続けた。ポンコツ気味と判断され、倉庫への出撃から外された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ジンとデラの面会には同席しなかった。

影森ゴンゾウ(御館様)

影森家の当主である。裏で計画を進める指導者である。

・所属組織、地位や役職
 影森家・当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ジンと共に何かを企んでいると語られた。ユルを狙う勢力がいるとの情報を得て、ナツキやフユキと共に出発の準備をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 表向きは慈善事業として乳児院を運営している。

影森ヒカル(波久礼ヒカル)

影森家の長男である。殺伐とした家業を嫌い、漫画家として活動している。

・所属組織、地位や役職
 影森家・長男。漫画家。
・物語内での具体的な行動や成果
 原稿のアシスタント作業を行っていた。立川やハルオにカタギになるよう勧めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハートフル幸せマンガの名手として評価されている。

影森アスマ

影森家の次男である。特別な力は相応の者の下でコントロールされるべきだと考えている。

・所属組織、地位や役職
 影森家・次男。夜桜と朝霧の主。
・物語内での具体的な行動や成果
 転移してきたユルに挨拶した。ユルに「一回死んでみませんか」と勧誘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「封」の力を求めている。

影森ジン

影森家の三男である。組織の責任者として、筋を通すことを重視する。

・所属組織、地位や役職
 影森家・三男。
・物語内での具体的な行動や成果
 ストーカーを処理した。デラと面会し、一部の者による尾行について謝罪した。ユルの両親の写真をデラに託した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 違法な手段も用いるが、信用を得るべき相手には誠意を見せる姿勢を持つ。

黒谷ハルオ

影森家の関係者である。組織に対して恩義を感じている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の構成員。黒谷四姉弟の次男。
・物語内での具体的な行動や成果
 デラに缶コーヒーを提供した。ヒカルの漫画を称賛しつつ、アシスタントへの勧誘は断った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 乳児院育ちで血の繋がりがないが、影森に育てられた過去を持つ。

黒谷ナツキ

影森家の関係者である。現状の生活に不満を抱いている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の構成員。黒谷四姉弟の長女。
・物語内での具体的な行動や成果
 婚活サイトを閲覧し、影森を辞めたいと発言した。ゴンゾウと共に出発の準備をした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

黒谷フユキ

影森家の関係者である。組織の業務に忠実である。

・所属組織、地位や役職
 影森家の構成員。黒谷四姉弟の長男。
・物語内での具体的な行動や成果
 ナツキに仕事であることを忠告した。ゴンゾウが企んでいることを知らせ、出発の準備を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

黒谷アキオ

影森家の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 影森家の構成員。黒谷四姉弟の三男。
・物語内での具体的な行動や成果
 ガブらの外出に気付き、アサが別行動であることについて尋ねた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

ガブ

影森家の関係者である。

・所属組織、地位や役職
 影森家の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 アサがポンコツであると指摘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

立川マコト

影森家に関わる人物である。金銭を稼ぐために働いている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヒカルの漫画を読んで感動の涙を流した。カタギになるよう勧められたが、金を稼ぐ必要があると断った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハルオたち四姉弟が乳児院育ちであることを知った。

夜桜

アスマが使役するツガイである。気配を完全に消すことができる。

・所属組織、地位や役職
 アスマのツガイ。金烏玉兎の一体。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルを背後から拘束し、拉致した。デラに撃たれた後、大量の蛾を発生させて視界を奪い、空間転移を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 昼が苦手であり、夜にのみ活動する特性を持つ。

朝霧

アスマが使役するツガイである。

・所属組織、地位や役職
 アスマのツガイ。金烏玉兎の一体。
・物語内での具体的な行動や成果
 夜が苦手なため、夜間は姿を見せないことがアスマから語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

敵対勢力・その他

新郷

東村の襲撃を指揮する人物である。金銭でイワンを雇っている。

・所属組織、地位や役職
 東村襲撃の指示役。
・物語内での具体的な行動や成果
 イワンに東村への侵入を命じた。下界に転移してきた偽アサと子供を迎え入れた。アスマに対して忠告を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ツガイを所持している。

イワン

報酬のために動く実行役である。人だろうがツガイだろうが斬るという姿勢を持つ。

・所属組織、地位や役職
 新郷に雇われた人物。小凶・大凶の主。
・物語内での具体的な行動や成果
 東村へ侵入し、多数の村人を殺害した。偽アサと子供を確保し、下界へ転移させた。倉庫で山賊たちを皆殺しにした後、左様の腕を切断した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自身のツガイである小凶や大凶から見下されている。

小凶

イワンのツガイである。主に反抗的な態度を取る。

・所属組織、地位や役職
 イワンのツガイ。脇差の姿を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果
 イワンの足に干渉して偽アサの隙を作った。他のツガイとの相性が悪いと評された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンと頻繁に口論を繰り広げる。

大凶

イワンのツガイである。

・所属組織、地位や役職
 イワンのツガイ。太刀の姿を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果
 空間移動用の立方体を作り出し、イワンを東村へ転移させた。偽アサたちを下界へ送るためにも使用された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンからの呼びかけに対して目を逸らす態度を見せた。

山賊たち

戦闘を好む集団である。ユルの行動を巡って介入する。

・所属組織、地位や役職
 特定の集団。
・物語内での具体的な行動や成果
 祈祷師の遺体処理をハナに依頼した。ユルを犯人と接触させない方針を定めた。倉庫で何者かに皆殺しにされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 イワンによって全滅させられた。

オシラサマ

強力なツガイである。明るく気さくな性格である。

・所属組織、地位や役職
 老女を主とするツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 ダンジを保護し、都庁の屋上へ連れて行った。左右様と再会して交流を持った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 他のツガイたちからレジェンド級として尊ばれている。

オシラサマの主

オシラサマと契約している人物である。

・所属組織、地位や役職
 オシラサマの主。老婆。
・物語内での具体的な行動や成果
 オシラサマの都への外出を許可した。座敷童子が家を去る理由についての見解を孫に語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

オシラサマの主の孫

主の家に住む子供である。

・所属組織、地位や役職
 主の孫。
・物語内での具体的な行動や成果
 座敷童子がいなくなると家が廃れるという伝承について祖母に尋ねた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

黒服のツガイ達

人間社会に溶け込もうとするツガイである。主を大切に思っている。

・所属組織、地位や役職
 犬を主とするツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルたちに接触し、敵意がないことを示した。左右様と友好的な関係を築いた。ダンジの相方探しへの協力を申し出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 本来は能登で祀られていた存在である。

黒服のツガイの主(犬)

黒服のツガイと契約している動物である。

・所属組織、地位や役職
 ツガイの主。犬。
・物語内での具体的な行動や成果
 一人になりたいユルのそばに寄り添った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 野良犬であったが、偶然ツガイと契約を結んだ。

ホステス(アオイ)

ジンやハルオと顔なじみの女性である。

・所属組織、地位や役職
 ガールズバーの従業員。
・物語内での具体的な行動や成果
 ストーカー問題の解決についてジンに礼を言った。デラを事務室へ案内した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化は示されていない。

ヨミツガ 4巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 6巻レビュー

展開まとめ

第17話 大凶と小凶

東村侵入の報告と新郷の指示
東村の手前では、新郷の部下が祈祷師を途中まで尾行し、深追いはせずに村へ入ったことだけを確認したと報告していた。新郷はその報告を受け、村に入った事実が分かれば十分だとして待機を命じ、イワンに出動を指示した。

イワンと小凶の主従口論
イワンは小凶を伴って動き出したが、小凶は敬意のある呼び方を要求し、主従の立場を巡って口論となった。さらにイワンは太刀の大凶にも助けを求めたが、大凶は視線を逸らすだけで応じなかった。ツガイたちは主がいなければ移動できない立場でありながら態度だけは大きく、イワンとの応酬は新郷に怒鳴られるまで続いた。

転移による侵入と祈祷師との入れ替わり
イワンは太刀の能力で立方体状の空間を作り、その中に入ったうえで納刀した。すると東村にいる祈祷師の身体と入れ替わる形で現地へ移動した。元の場所には斬られた祈祷師の身体が残され、新郷はその有様を気味悪がった。

ハナの部屋での武器作り
一方、ハナの部屋ではケンが槍の穂先を研磨し、ユルに仕上がりを確認していた。ユルは問題ないと答え、ハナはまた武器を作っていることに呆れていた。ユルは暇つぶしだと返していた。

テレビと外界の情報
デラはテレビを設置し、暇つぶしになるとして皆に見せた。右様と左様はテレビを知らず、その名称や仕組みに驚いていた。映し出された天気予報では、乾燥した日が続くことや西日本での水不足の懸念、沖縄の晴天などが伝えられ、外界の情報が室内に持ち込まれた。

故郷をめぐる会話
天気予報を見ながら、ユルはケンに母親の故郷について尋ねた。ケンは母の故郷が越後ではなくエチオピアであると説明し、現在は情勢が不安定で入国も難しいため行けないと語った。その流れでユルについても、故郷に戻れないのかと問いかけた。ユルは、自分が戻ると東村で物騒なことになると述べつつも、置き去りにしてきたものがあるため、戻れるなら戻りたいと答えた。

東村での殺戮と本丸への接近
その頃、東村ではイワンが村人たちを斬り殺して回っていた。祈祷師は身体の一部を転移されたことで腹に大穴が空いた状態となり、何が起きているのか理解できずにいた。イワンは祈祷師にその場で待つよう言い残し、小凶が察知したツガイの気配を頼りに本丸の方角へ向かった。移動の途中でも、イワンは通りかかった者を斬りながら標的を探していた。

本丸到達前の殺戮と標的探索
イワンは本丸へ向かう途中から村人を斬り殺しながら進んでいた。その過程で遭遇する相手を「違う」「こいつでもない」と否定し続け、探している対象ではないと判断していた。無差別に近い殺害を行いつつも、目的の相手を見極めようとしていた。

本丸突入と迎撃の無力化
本丸に到達したイワンは、内部の者たちによる迎撃を受けた。クロスボウによる不意打ちが行われたが、イワンはこれを回避・防御し、そのまま周囲の者たちを斬り倒した。既に多くの者が殺されていたため、侵入への対応は遅れていた。

ヤマハへの攻撃と偽アサの介入
イワンがさらに斬り進む中、ヤマハにも刃が迫った。その瞬間、影を操る存在が割って入り、ヤマハを庇った。現れたのはアサに酷似した姿の存在であり、イワンは牢に繋がれているという情報からこれを偽物と判断した。

偽アサとの交戦と足への干渉
偽アサは影を用いてイワンに攻撃を仕掛けた。イワンはツガイである以上、別に相方が存在すると考え警戒していたが、その最中、小凶がイワンの足元に干渉し、足を刺す形で動きを変化させた。これにより偽アサの動きに隙が生じた。

偽アサの制圧と観察
イワンはその隙を突いて偽アサを制圧し、刃を突きつけて拘束した。外見についてはアサに似せているが、実物より幼く作られている点を指摘し、その意図を推測した。また、村人の多くがツガイを視認できないことや、力を集中させて崇拝を得ている構造にも言及した。

ツガイ処理の判断と危険性
イワンは主を殺した場合にツガイが野良化する点を踏まえ、処理を検討した。自身が契約する可能性にも触れたが、小凶との相性の悪さにより危険があると認識していた。そのため、最悪の場合として偽アサの殺害にも言及した。

小凶の発言と緊張の固定化
イワンの判断に対し、小凶は即座に「殺す」と断言した。イワンもそれをそのまま伝え、偽アサの処遇を巡る緊張状態がその場に生じた。

偽アサの確保と勧誘
イワンは偽アサを制圧した状態で、抵抗せず従えば主は殺さないと条件を提示し、同行を要求した。さらに下界は楽しい場所であると語り、偽アサを誘った。偽アサは一度逡巡した後、従う意思を示した。

同行中の思考と人質の選定
イワンは偽アサを連れながら、ツガイの片割れが現れなかったことに疑問を抱いた。また、今後に備えて人質の確保も必要と判断し、周囲を見回した結果、抵抗しなさそうな子供に目を付けた。

村側の判断とダンジの決断
一方、村の被害状況を見たキョウカは、村の存続が危ういと認識していた。ダンジは逃亡を提案したが、キョウカは自身が村に残ると決断し、ダンジに単独で山を下りるよう指示した。さらに、下界への行き方を書いた紙を渡し、ユルの助けになるよう託した。

祈祷師の逃亡とイワンの再介入
その頃、祈祷師は状況に恐怖し逃亡を試みていたが、イワンが追いつき、約束通り待っていなかったことを指摘した上で制止した。イワンは祈祷師を蹴り倒し、行動を封じた。

転移能力による送り出し
イワンは偽アサと子供を確保した後、祈祷師の腹部に形成された空間へと投げ入れた。その上で小凶を納刀し、再び転移を発動させることで、二人を下界へ送り出した。

下界での合流と新郷の出迎え
転移した偽アサと子供の前には新郷が待ち構えており、ツガイを展開した状態で二人を迎え入れた。新郷は下界への到達を告げ、支配下に置く意図を示した。

帰路喪失と祈祷師の利用
一方、現地に残ったイワンは転移手段を失い、自身の帰還手段が断たれたことを認識した。帰り道も把握していない状況から、祈祷師を道案内役として利用する方針を決め、そのまま下界への案内を命じた。

ダンジの保護とユルの行方の手掛かり
ダンジはオシラサマに保護され、左右様との関係をきっかけに事情を共有した。オシラサマは、直前に双子の片割れであるユルが別の人物と共に逃走し、人里へ向かったことを明かした。さらに、車という乗り物で移動していたことから、行き先は都方面である可能性が高いと推測した。

都への移動と現代文明への驚き
オシラサマは都へ向かうことを即断し、ダンジを伴って出発した。途中で主へ報告するため一度立ち寄り、事情を説明した上で出立の許可を得た。ダンジは車や高速道路といった現代の交通手段に強い衝撃を受け、終始戸惑いながらも都へと向かった。

ハナへの連絡と祈祷師の死亡確認
場面は下界側に移り、ハナのもとへ連絡が入る。ハナは仕事として現場に向かうこととなり、その中で祈祷師が既に死亡していることを把握した。

遺体処理と状況の把握
倉庫に運ばれた祈祷師の遺体を前に、ハナはその大きさに呆れつつ処理の手間を見積もった。現場にいた者たちの証言から、祈祷師はツガイと共に行動していた最中に殺害されたこと、さらにそのツガイも戦闘向きではなかったことが判明した。

遺体に刻まれたメッセージ
祈祷師の身体には伝言が刻まれており、内容はユルに向けたものであった。そこには「偽の妹と村の子供を預かっている」「次の満月の夜、指定の倉庫に来い」といった呼び出しが記されており、明確に誘き寄せる意図が示されていた。

影森家関与の疑念と情報整理
この一件について、影森家の関与が疑われた。祈祷師が事前に語っていた情報や、ユルの逃亡経路、接触の有無などが整理される中で、何者かが計画的に動いている可能性が浮上した。

山賊側の方針と警戒
現場に関わる者たちは、この事件に対して山賊が対応に当たる方針を決定した。特に、犯人とユルを接触させないことが最優先事項として共有され、強い警戒が敷かれることとなった。

ハナの判断と不穏な予感
一連の流れを受け、ハナは状況が単純ではないことを理解しつつも、詳細には踏み込まず受け流した。しかし内心では、手間のかかる厄介な案件へと発展していることを察し、不穏さを感じていた。

第18話 家族と友

都での索敵とツガイの気配
オシラサマはダンジを連れて都庁の高所へ移動し、左右様の気配を探知しようとした。ダンジは高度と都会の景色に強い恐怖を覚えるが、オシラサマは構わず探索を続ける。結果として、都にも多数のツガイが存在していることを把握し、捜索対象が紛れている可能性を認識した。

ハナの帰還と情報の秘匿
場面はハナ側へ移り、祈祷師の埋葬を終えたハナは拠点へ帰還した。彼女は山賊から「伝言をユルに伝えるな」と口止めされていたため、その指示を守る姿勢を示し、自身は危険に関わらない方針を明確にした。

ユルの行動確認と安全管理
デラとの会話から、ユルはケンおよび左右様と共に外出し、弓の試し撃ちに向かっていることが判明した。また、虎鉄によって行動は追跡されており、現時点では安全が確保されていると確認された。

祈祷師殺害の情報共有
ハナは祈祷師の死について報告し、遺体処理の困難さを述べた。犯人や目的については不明であり、影森家の関与も断定できない状況であると整理された。また、依頼主が山賊であったこと、発見時には既に死亡していたという証言も共有された。

刻まれた伝言の内容と危険性
ハナは口止めされていたものの、独断で祈祷師の遺体に刻まれていた伝言の存在をデラに伝えた。その内容はユルを名指しで呼び出すものであり、「偽アサと村の子供を預かっている」「満月の夜に指定の倉庫へ来い」という明確な誘導であった。

犯人の意図と家族情報への言及
デラは、この伝言がユルを誘き出すための罠であると推測した。ただし、ユルの両親が人質になっている可能性は低いとしつつも、犯人が家族に関する情報を把握している可能性は否定できないと判断した。

ハナの関与拒否と判断の委譲
ハナはこれ以上の関与を拒否し、判断をデラに委ねた。自身はあくまで距離を置く立場を貫き、危険な事態への深入りを避ける姿勢を取った。

満月の期限と今後の展開
伝言に記された期限は「今月14日の夜」であることが確認され、時間的猶予が限られていることが明確となった。デラは状況の複雑さを認識しつつ、対応を検討する必要に迫られた。

ユル側の日常と対比
一方でユルはケンと共に弓の試し撃ち場所を探すなど、比較的平穏な行動を取っていた。この平穏と裏側で進む誘拐・殺害事件との対比により、今後の衝突が示唆される構成となっている。

下界の常識とユルの価値観の衝突
ユルは人の多さに戸惑いながらも、川の魚を見て捕獲しようとする。しかしケンは「釣り禁止」や狩猟規制を理由に強く制止し、下界では勝手に動物を獲ることが許されないと説明した。さらに人を殺せば理由の有無に関わらず裁かれるという常識を示すと、ユルは強い衝撃を受ける。これにより、ユルが下界の基本的ルールをほとんど理解していないことが明確となり、ケンは自ら教育役を担う必要性を痛感する。

接近するツガイの気配
会話の最中、左右様と虎鉄が異様な気配を察知する。相手の正体は不明であり、ユルは武装が万全でないことから戦闘回避を選択し、その場を離れようと判断した。しかし相手は追跡を続け、明確にユルたちを標的として接近してくる様子が確認される。

迎撃の決断と緊張の高まり
逃走では振り切れないと判断したユルは、その場で迎え撃つ決断を下す。ケンを守る余裕がない可能性も示し、戦闘前の緊張が高まる中、追跡者が姿を現す。

黒服の正体と敵意の否定
現れたのはサングラスの黒服の男女と犬であったが、彼らは敵意を持たないことを即座に表明した。さらに変装を解くことで、自分たちが人間ではなくツガイであることを明かす。普段は人間社会で活動するため、ペットと飼い主という体裁を取り、衣服や装備を用いて人間に擬態していたと説明する。

ツガイの本来の姿の露呈
変装を解いた彼らは、人型ではあるが異様な体躯を持つ本来の姿を露わにする。その外見はユルにとって異質でありながらも、どこか既視感を覚えさせるものであった。ケンもまた、その特徴から別の存在を連想し、状況の異常性を再認識する。

敵対から対話への転換
当初は敵対の可能性が高いと判断されていたが、相手側の明確な非攻撃意思と情報開示により、状況は戦闘直前から対話へと移行した。これにより、ユルたちが直面している事態が単なる襲撃ではなく、別の意図を持つ接触である可能性が浮上した。

ツガイの正体と認識の齟齬
黒服のツガイ達は自らを「ツガイ」であると名乗るが、人間からはなぜか「宇宙人」と認識される存在であった。名前も人間には発音できない言語であり、ユルやケンは理解できず困惑する。左右様はそれを「人間には発音できない呼び方」と説明し、ユルも一応の納得を示した。

ツガイ達の過去と主との契約
彼らはかつて能登の地で信仰対象として祀られていた存在であったが、時代とともに忘れ去られ、訪れる者もいなくなり消滅寸前にまで追い込まれていた。その最中、野良犬が偶然上から落ちてきたことで契約が成立し、その犬が主となった経緯が語られる。現在も名前すら与えられていない状況であるが、彼らは主に対して強い愛着を抱いていた。

左右様との交流と友好関係の成立
周囲に相談できる相手がいなかったツガイ達は、同じツガイである左右様に対して交流を求め、友達関係を提案する。左右様は主に害をなさないことを条件にこれを受け入れ、両者は友好的な関係を築くこととなった。さらに左右様の名が東村の伝説的存在として知られていたため、相手側は強い敬意と興奮を示した。

オシラサマの合流と場の緩和
そこへオシラサマが現れ、左右様と再会する。ツガイ達はさらに“伝説級”の存在の登場に驚愕し、場の空気は一時的に和やかなものへと変化した。

ダンジの来訪と村の壊滅報告
オシラサマに連れられる形でダンジも姿を現し、ユルに対して村が再び襲撃されたことを報告する。今回の襲撃者は前回とは異なり、二刀を持つ単独の男であり、多くの大人が殺害され、村は壊滅的な被害を受けたと語られた。

新たな脅威の示唆
ユルは、自身が下界にいる以上これまでの襲撃理由は成立しないと考え、別の勢力の関与を疑う。アサによる結界の干渉も考えにくく、事態は新たな局面に入ったと認識する。

ダンジの正体への疑念
報告を受けたユルは、ダンジの存在に違和感を覚え、彼が人間ではなくツガイである可能性を指摘する。ここで、物語はダンジの正体という新たな謎へと展開していく。

影の有無から導かれるツガイの本質
ユルはダンジの違和感の正体に気づき、その根拠として「影がない」点を指摘する。左右様や虎鉄、二狼、そしてこれまで出会ったツガイ達はいずれも地面に影を落としていなかった。一方で、この世界の人間や物には影が存在する。この差異から、ツガイの本体はこの世界に完全には属しておらず、影を持たない存在であると推測する。ユルはその法則をダンジにも当てはめ、彼が人間ではなくツガイであると断定した。

ジン達の動向と日常の裏側
場面は都市部へ移り、ジンとハルオがガールズバーの女性達と軽口を交わす様子が描かれる。過去に発生していたストーカー問題はすでに解決しており、女性側はその手段を軽い冗談として受け取るが、ジンはそれを否定せず曖昧に流すにとどまる。

田寺との接触と謝罪
ジンは田寺(デラ)を事務室へ案内させ、対面する。酒は提供せずコーヒーで応対する中、ジンは先日の尾行について謝罪を行う。それは影森本家の総意ではなく、アサも関与していない一部の独断行動であると明言し、組織としての責任を切り分けた。

信頼の成立とジンの姿勢
ジンは違法・無法な手段も辞さない立場でありながら、信頼を築くべき相手には筋を通すという姿勢を示す。その一貫した態度により、デラは最終的にジンを信用する判断を下した。

新たな問題への協力要請
デラは今回の訪問目的として、新たに発生した厄介な事態について語り、ジンに協力を求める。ジンはその申し出に対し、緊張を帯びた表情を見せ、事態の重大性が示唆される形で場面が締めくくられる。

第19話 ユルとダンジ

影の有無とダンジの正体の露見
ユルはツガイの共通点である「影がない」性質からダンジの正体を見抜く。ダンジはそれを認めつつ、本来は影を作ることも可能だが、再会の安堵から油断していたと語る。長年共に過ごしてきた関係であったがゆえに、ユルは自分が気づけなかった事実に動揺する。

ツガイとしての正体と構造
ダンジは自身の正体について明かし、相方はユルもよく知る存在であると示唆する。ユルはそれが「偽のアサ」であると見抜く。さらにダンジは、自分とその相方が一対で構成される存在であり、本来の姿は「座敷童子」であると明言する。すなわち男児と女児の二体で一組のツガイであった。

座敷童子と家の繁栄の関係
場面はオシラサマの主の家へ移り、座敷童子に関する伝承が語られる。座敷童子が家を去ると家が衰えると一般には言われているが、実際には家の不和や不幸が先にあり、それによって座敷童子が居づらくなり去るのではないかと考察される。つまり衰退の原因ではなく結果としての離脱であるという見方が示される。

左右様の認識とユルの誤解
再び現場に戻り、左右様はダンジの正体を以前から把握していたことを明かす。しかしそれはユルも既に知った上で接しているものと誤認していたため、あえて言及していなかったに過ぎない。ユルは自身の誤解を認め、疑ったことを謝罪する。

監視疑惑とユルの追及
ユルはダンジの行動に不審を抱き、誰の指示で動いていたのかを問い詰める。偽のアサを利用し、自分を村に縛り付けて監視していたのではないかと推測し、さらには山中での襲撃や山賊との関係まで疑念を広げる。しかしダンジはそれらを強く否定する。

主の正体と母子関係の偽装
最終的にダンジは、自身の主について語る。それは命令を下す存在ではあるが、「主」ではなく「母」と呼ぶよう指示されていた人物であった。その正体はキョウカであり、人間の親子のように振る舞うことを求められていたと明かされる。これにより、ダンジの行動が単なる監視ではなく、別の意図を含んでいた可能性が示唆される。

ダンジの任務の真意
ダンジは自らの行動について弁明し、与えられていた命令はユルを見守ることであったと明かす。さらに、相方であるもう一体は牢に置かれ「アサのふり」をする役目を担っていた。また有事の際にはヤマハを守るよう命じられており、山へ同行しようとしたのもユルを危険から守るためであったと説明する。

ユルの不信と孤立感
しかしユルはその言葉を受け入れられず、キョウカまでも自分を欺いていた事実に衝撃を受ける。結果として村の人間すべてへの信頼を失い、強い孤立感を抱くに至る。

一人になる決意と周囲の配慮
ユルは思考を整理するため一人になることを望み、山へ向かう。左右様たちは危険を懸念しつつも、その意思を尊重し、視界の届く範囲で見守る形で距離を取ることを選ぶ。

犬の寄り添いと内省の開始
山中で一人となったユルのもとに、黒服のツガイの主である犬が現れ、身体を寄せて隣に寝そべる。ユルは一人で考えようとしつつも、その存在を拒みきれず、頭を撫でながら言葉を漏らす。完全な孤独にはなれない状況の中で、思考を巡らせていく。

山という環境と思考の単純化
ユルはかつて山に入ることで、命の危険と隣り合わせの環境が思考を単純化させ、「生きるために何をすべきか」という一点に集中できたことを思い出す。その環境を好んでいた一方で、常に付きまとってきたダンジの存在を思い返し、複雑な感情を抱く。

過去の記憶とダンジの寄り添い
回想では、両親がいなくなった直後、ユルが一人で泣いていた場面が描かれる。その傍らにはダンジが静かに寄り添っていた。現在の疑念とは裏腹に、かつての関係には確かな情があったことが示される。

過去の言葉と犬の寄り添い
ユルは、かつてダンジから「ずっとそばにいる」と言われた記憶を思い出す。そのきっかけとなったのは、隣で身体を寄せてくる犬の存在であり、ユルは文句を言いながらも頭を撫で、完全には拒絶しない。孤独を望みつつも、寄り添う存在によって過去の感情が呼び起こされる。

周囲の見守りと「一人ではない」という認識
ケンが「一人にしてほしい」との意向を気にする中、黒服のツガイは「犬は人ではない」として見守りを継続する。さらにツガイたちは、人間もツガイも一人では生きられない存在であると語り、ユルの状況を静かに肯定する。

ダンジの離脱と新たな行動
ユルが戻ると、ダンジはすでにその場を離れていた。理由は相方の気配を感じたためであり、単独で捜索へ向かったと説明される。ツガイ同士は強い繋がりによって互いの位置を感知できるため、行動としては理にかなっていた。

ユルの未消化の感情
ダンジの突然の離脱に対し、ユルは不満を露わにする。聞きたいことが残っていたにもかかわらず、対話の機会を失ったことで、感情は整理されないまま残される。

黒服ツガイの協力とダンジの反応
黒服のツガイたちはダンジを追い、相方探しへの協力を申し出る。土地勘を活かした支援に加え、ユルのツガイであるザシキワラシに興味を示すなど、積極的な姿勢を見せる。それに対しダンジは戸惑いながらも感謝し、感情が溢れて涙を流す。

日常への帰還と軽い騒動
場面はハナの部屋へ移り、デラが帰宅する。室内の人数の多さに戸惑いつつも、鍋がすでに食べ終わっていることに落胆する。食事は「食べられる時に食べるべき」という現実的な判断が語られ、ユルもそれに同意していたことが明かされる。

ジンからの土産と両親の手がかり
デラはジンのもとへ立ち寄っており、ユルへの土産として封筒を渡す。その中には両親の写真が入っており、かつてアサが渡すと約束していたものであった。ユルはそれを見て、ジンとの接触を通じて両親に関する情報交換が行われた可能性に気付く。

偽アサと人質の状況認識
デラは、偽アサの正体がザシキワラシである可能性に言及する。一方ユルは、偽アサと村の子供が人質に取られたうえで、自身を名指しで倉庫へ呼び出されている状況を把握する。攫われた人数や詳細は不明であり、情報は不足しているが、敵の狙いがユル個人に向けられていることは明白となる。

敵の性質と作戦立案
相手がツガイ使いである可能性が高く、正面からの突入は危険と判断される。そこでユルは、戦闘を好む山賊を先行させ、敵と衝突させている隙に人質救出を行う策を提案する。さらに偽アサを確保することでダンジとの再接触も狙い、村の真相や両親の情報を引き出す意図を固める。

ツガイの感知能力を利用した配置
ツガイ使い同士は気配を感知できる特性があるため、左右様を囮として待ち合わせ場所に配置する方針が決まる。ユルとデラは別地点に潜伏し、弓の届く距離から支援する形で作戦を構築する。

周囲の警戒と不安要素
ハナは余計な事情に関わることを避けるようケンに釘を刺し、内部にも緊張感が漂う。左右様はユルと離れることに不安を示すが、ユルは危険時には即座に撤退する意志を示し、作戦は実行へと移る。

待機と違和感の兆候
夜、満月の下でユルは潜伏しながら状況を観察する。デラや左右様の気配に異常はなく、敵の気配も感じられないまま時間が経過する。しかし、山賊がすでに潜んでいる可能性を考え、警戒を続ける。

突如の襲撃
次の瞬間、ユルは突如としてツガイに頭を掴まれる。相手は一切の殺気や気配、音を伴わずに出現しており、ユルはその異常な接近能力に強い衝撃を受ける。予測や感知を完全に超えた奇襲であり、事態は一気に緊迫した局面へ移行する。

第20話 朝霧と夜桜

アサの異常な状態と周囲の反応
アサは「兄様に会いたい」という言葉を繰り返し続け、明らかに正常ではない状態にあった。ヒカルやガブらはその様子に違和感を抱きつつも作業を続けるが、描かれる内容までもユル一色になるなど、影響は周囲にも及んでいたため作業は中断されることとなった。

ヒカルの価値観と影森家の現実
ヒカルは、自身の描く作品が評価されている理由を「理想の平和な世界を描いているから」と語る一方で、現実の生活が殺しや裏切りに満ちていることを強く嫌悪していた。周囲の人間がそれぞれ事情を抱えながら影森に属している現実も描かれ、理想と現実の乖離が明確に示される。

黒谷兄弟と影森の構造
ハルオは自分たち兄弟が血の繋がりのない乳児院育ちであり、影森に拾われ育てられた存在であると明かす。影森は表向き慈善事業を行いながら、裏では戦力として人材を育成している構造が示唆される。ナツキはその生活に嫌気が差し、離脱を望んでいる様子を見せる。

ユルを巡る新たな動き
影森側には、ユルを狙う勢力が存在するという情報が入り、フジムラヤマ倉庫へ向かう動きが始まる。アサは不安定な状態のため同行を見送られ、別行動となる。

倉庫での異常な襲撃
場面は倉庫に戻り、ユルは潜伏しながら状況を探っていたが、突如として正体不明のツガイに背後を取られる。相手は一切の殺気や気配を発さず、デラや左右様ですら察知できていない異常な存在であった。ユルは一瞬で制圧されかねない状況に置かれ、極限の緊張の中で反撃の機会を探る。

ユルの決断と射撃指示
拘束された状況下で、ユルはデラの「俺はおまえの保護者だし、かわいい妹ちゃんにも頼まれちゃったしね」という言葉を思い出し、デラを信じる決断を下した。そして自らの位置を晒すリスクを承知で、「デラさん!!!!! こいつを撃てぇ!!!」と叫び、敵への射撃を指示した。

デラの狙撃と敵の異常性
デラは突如出現した敵に驚きつつも即座に狙撃体勢に入り発砲した。弾丸は命中し肉体を穿ったものの、敵は致命的なダメージを受けた様子を見せず、通常の生物とは異なる性質を示した。

蛾のツガイによる撹乱
直後、敵は大量の蛾を発生させて視界を遮断し、デラの行動を封じた。視界が回復した時にはユルの姿は消えており、戦場の主導権は完全に敵側へと移っていた。

左右様の迎撃と手応えの欠如
左右様が即座に応戦し、直接攻撃や噛みつきによって敵を削るが、いずれも決定打にはならず、手応えの薄さが際立った。敵は回避能力にも優れ、まともな捕捉すら困難な存在であった。

戦闘の長期化と不利な展開
左右様は「少し減った」と評しつつも、地道に削るしかない戦いに不満を示す。短期決着が望めない状況であり、戦術的にも不利な展開であった。

空間転移による離脱
追撃の最中、敵は突如として姿を消し、ユルごと撤退した。空間転移の能力が発動したと見られ、左右様も対応できないまま戦闘は終了した。

ユルの拉致という結果
最終的に敵はユルの確保に成功し、デラや左右様の介入を受けながらも任務を達成した。敵の能力は「無気配」「高回避」「耐久」「転移」と多岐にわたり、極めて危険な存在であることが明確となった。

転移先での邂逅
転移させられたユルは、目の前の人物から「こんばんはユル君」と声をかけられる。相手は影森アスマであり、ユルは転移の影響で激しく酔いながらも状況を把握しようとする。

ツガイ「金烏玉兎」と夜桜の正体
ユルの問いに対し、アスマは自身のツガイが「金烏玉兎」であり、その一体が「夜桜」であると明かす。さらにもう一体「朝霧」は夜が苦手なため現れず、夜桜は逆に昼が苦手で夜にのみ活動する存在であると説明する。ユルはその特性から戦い方を即座に分析する。

アスマの思想と勧誘
ユルが「封」の力を求めているのかと問うと、アスマは肯定し、特別な力を持つ者は制御できる者の下にあるべきだという持論を語る。その上でユルに対し「一回死んでみませんか」と異様な勧誘を行う。

一方その頃のデラ側の状況
ユルを攫った存在を追うデラたちは、蛾と骸骨のツガイに連れ去られた事実を把握する。しかし現場は血の匂いが強く、左右様でも追跡は不可能であった。違和感を覚えたデラが照明を点けると、周囲には山賊たちの死体が転がっていた。

イワンの出現と状況説明
その中心でイワンが現れ、軽く挨拶する。デラは彼を「刀のツガイ」、そして祈祷師が語っていた存在――夜道のチカンであると見抜く。イワンは山賊たちを排除した理由を「取引の邪魔だったため」と語り、ユルが一人で来ていれば無用な殺しはなかったと述べる。

ツガイの相性と左様への敵意
イワンは左右様を見て、ユルのツガイが「解」と「封」に対する天敵であることを指摘する。特に左様は「封」との相性が最悪であり、その存在がユルと「封」の契約を阻害する可能性があると断じる。そして左様を排除すべき存在と見なし、「消えてくれ」と宣言して抜刀する。

戦闘の開始直前
右様がその指名を受け流す中、左様は応じる姿勢を見せ、イワンとの戦闘が開始されようとする。

左様の迎撃と刀の異質性
左様は、現代の下界では刀持ちがほとんどいなくなったと語りつつも、イワンの刀を並のものではないと見抜き、「故にとっととへし折る」として迎撃に出た。振るわれた刀を真剣白刃取りで受け止め、そのまま刀身をへし折るが、刀は即座に再生する。続く切り上げにより左様の右腕は切断された。

右腕切断後のやり取りと身体の性質
左様は蹴りで追撃を防ぎながら切断された腕を回収する。デラが動揺して声を上げる中、左様は平然と「後でホームセンターに連れて行け」と告げる。理由は石材用の接着剤であり、右様も「わしら元は岩だし」と補足する。左様は腕を収納しながら「直るのに時間はかかるが、腕の一本や二本では死にはせん」と述べ、デラはその雑さに内心で驚く。

戦闘中の応酬と刀の評価
イワンはその様子を見て「どうやったら死ぬんだ」と呆れを見せる。これに対し右様は「めんどくさいのはそっちじゃい!よく切れる上に再生しおる!」と返し、イワンの刀の危険性と異質さを指摘する。

血のにおいへの気付き
その直後、右様はイワンの刀にまとわりつく強い血の匂いに気付き、「おい左の、あの刀……ずいぶんと血のにおいがまとわりついておるのう」と言及する。左様も背後の死体の山を見てそれを認める。

殺害履歴の露呈
右様が「とんでもない数を斬ってきた」と見抜くと、イワンは「金を払えば人だろうがツガイだろうがいくらでも斬る」と語り、自身が請負で殺しを行ってきたことを明かす。

血の識別と両親の痕跡
さらに右様は匂いを嗅ぎ分け、「後ろの死体と東村住民のにおい」と特定する。その奥にかすかに残る別の匂いを捉え、「わしらはそのにおいを知っている」と断言し、それがユルの父母であるミネとナギサの血の匂いであると指摘する。

ヨミツガ 4巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 6巻レビュー

黄泉のツガイ 一覧

黄泉のツガイ 1の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 1巻
黄泉のツガイ 2の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 2巻
黄泉のツガイ 3の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 3
黄泉のツガイ 4の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 4
黄泉のツガイ 5の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 5
黄泉のツガイ 6の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 6
黄泉のツガイ 7の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 7
黄泉のツガイ 8の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 8
黄泉のツガイ 9の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 9
黄泉のツガイ 10の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 10
黄泉のツガイ 11の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 11
黄泉のツガイ 12の表紙画像(レビュー記事導入用)
黄泉のツガイ 12

その他フィクション

e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 漫画「黄泉のツガイ 7巻」イワンがメチャクチャ強い 感想・ネタバレ
フィクション(novel)あいうえお順

Share this content:

コメント

タイトルとURLをコピーしました