葬送のフリーレン 3 レビュー
葬送のフリーレン まとめ
葬送のフリーレン 5 レビュー
どんな本?
『葬送のフリーレン』は、山田鐘人(原作)氏とアベツカサ(作画)氏による日本のファンタジー漫画となります。魔王を倒した勇者パーティーの魔法使い、フリーレンが、長命のエルフとして、人の仲間たちとの別れや新しい出会いを経て、その旅を続ける物語を描いています。
この作品は、2020年から『週刊少年サンデー』で連載開始し、今は11巻まで発売中です。2021年には、マンガ大賞や手塚治虫文化賞を受賞したことで、多くの賞賛を受けています。
2023年の秋からは、テレビアニメ版も放送開始となり、毎週金曜の夜11時に放映中です。アニメ制作を手掛けるのはマッドハウスで、フリーレンの声を担当するのは種﨑敦美さんです。
私が「葬送のフリーレン」という本に出会ったのは、友人からの勧めのおかげです。ある日、友人とのお茶の時間に「心に残る物語を読んだ」と熱く語り始めました。
それは、勇者たちの冒険が終わった“その後”を描いたファンタジー作品で、従来の冒険ものとは異なる内容だとのことでした。特にエルフの魔法使いフリーレンの視点で、彼女が感じる時の流れや人間たちとの関わりが深く掘り下げられていると、興味津々に聞きました。
そして、帰宅後にすぐKOBOのサイトを開きました。そこで、セール中で10巻までのセットがお得に購入できることを見つけ、迷わず購入しました。
この巻には、新たに仲間となった僧侶ザインが中心となり、彼の過去や戦士ゴリラの探し物が描かれています。ザインは、恐ろしい敵である混沌花と戦い、その強大な魔力を持つ花を打ち破ります。
彼は、戦士ゴリラの情報を手に入れ、北側諸国中部の交易都市ティリダンを目指します。一方、フリーレンは新しい魔法使いの試験に挑む旅を続けます。
この物語の魅力は、キャラクターたちの深い絆や時間を越えた成長、そして時間や命、人間関係の価値を再認識させる点にあります。
読んだ本のタイトル
葬送のフリーレン 4
著者:山田鐘人 氏
イラスト:アベツカサ 氏
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あらすじ・内容
勇者たちとの記憶を繋ぐ後日譚ファンタジー
葬送のフリーレン 4
勇者の死後も生き続けるエルフの魔法使い・フリーレン。
かつて勇者たちと冒険した旅路を、再び辿ります。
昔も今も旅路を彩るのは、
かけがえのない出会いと行事(イベント)の数々――
物語は、勇者たちとの日常を思い起こしていく。
英雄たちの“記憶”が繋がっていく後日譚(アフター)ファンタジー!
感想
この作品は、勇者たちの冒険を経て、その後の長寿を持つエルフ、フリーレンの日常と冒険を描いたものです。彼女の視点からの出会いと別れ、そして時の流れと共に変わる仲間たちの関係が印象的です。
特に、新しく加わったザインとの絆、彼の過去、そして戦士ゴリラを追う彼の物語は、読者にも魅力的なストーリーとして受け取れます。
第4巻では、ザインが僧侶としての役割や才能を活かして混沌花に立ち向かうシーン、フリーレンとの別れ、そして彼が戦士ゴリラを求めての旅が中心に描かれています。
また、北へ向かうために必要な資格。
一級魔法使いになるために、フリーレンは試験に挑み、彼女の長い人生の中での新たな挑戦が、次の巻への期待を高めます。
大魔法使いの称号を持っているフリーレンが一級魔法使いになるために試験を受ける。
発行しているのが、同じ大魔法使いの称号を持つフリーレンの師匠、フランメの師匠、ゼーリエの大陸魔法協会に試験される理不尽さが世知辛さを感じさせます。
作中でのキャラクターたちのやり取りや、時折見せるコミカルなシーンの中にも、深い感情や絆が織り込まれているのが特長です。特にザインとフリーレンの間の変遷や、彼が追う戦士ゴリラの謎、これらはこの作品の奥深さを感じさせる要素となっています。
さらに、エルフのフリーレンがその長い生涯を通じて人間たちから学び、また教えるエピソードも多く、彼女の視点から描かれる人間の成熟や変化が感動的です。
最後に、この作品は単なるファンタジーではなく、時の経過や命、人と人との関係性を考えさせる内容でした。日々の多忙な生活の中、このような作品に出会えたことは、私にとって大きな癒しとなりました。
新パーティーメンバー、ザイン
ザインは底なし沼に足を取られたところをフリーレンに助けられました。
彼は酒やタバコ、ギャンブル、そして年上のお姉さんが好きな僧侶で、特異な才能を持っています。
ザインは兄から、フリーレンに「弟を連れ出して欲しい」との依頼を受け、フリーレンの仲間に加わることになります。
彼は10年前に村を出て行った親友、戦士ゴリラの行方を追います。
その彼との旅で混沌花の呪いで、村中の人を眠らせ、魔力を吸収し、徐々に命を奪うという恐ろしい存在が居ました。
フリーレン達パーティーが眠って行く中、ザインは混沌花に襲われる危機に瀕しましたが、彼の特異な才能で呪いを破り(5秒だけ)、フリーレンを目覚めさせ混沌花を打倒することができました。
ザインは、戦士ゴリラが北部諸国の中央交易都市テューアに向かったという情報を手に入れます。
フリーレンから「親友を探し続けることが重要だ」との助言を受け、パーティーを離れる決意をします。
ザインはフリーレンたちとの別れを惜しみつつ、戦士ゴリラを探し求める旅に出発しました。
葬送のフリーレン 3 レビュー
葬送のフリーレン まとめ
葬送のフリーレン 5 レビュー
最後までお読み頂きありがとうございます。
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キャラクター紹介
フリーレン
千年以上生きるエルフの魔法使いであり、かつての勇者パーティーの一員である。人間を知る旅を続けており、仲間との関わりや過去の記憶を通じて、自身の感情や他者との距離感に変化が生じている。
・所属組織、地位や役職
元勇者パーティー・魔法使い。フェルンの師匠。
・物語内での具体的な行動や成果
北側諸国の村で僧侶ザインを粘り強く勧誘し、仲間に加えた。ラオブ丘陵では混沌花の呪いにより眠りに落ちたが、ザインの判断を信じて一瞬の目覚めの中で魔物を討伐した。一級魔法使い選抜試験に参加するため、聖杖の証を提示して受験資格を得た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フォル爺との再会を通じ、ヒンメルたちの記憶を未来へ連れて行く役割を再確認した。ザインとの別れに際し、彼を「大人」として認め、その旅立ちを見送った。
フェルン
フリーレンの弟子であり、史上最年少で三級試験にトップ合格した優秀な魔法使いである。真面目な性格ゆえに、だらしない仲間や不誠実な態度に対して厳しく接することがある。
・所属組織、地位や役職
フリーレンの弟子。魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
自身の誕生日にプレゼントを用意していなかったシュタルクに激怒したが、ザインの仲裁を経て和解した。要塞都市フォーリヒの社交界では、シュタルクと共にダンスを踊った。オッフェン群峰で風邪をひいた際、フリーレンに看病され、手を握られることで安心感を得た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
一級試験の第一次試験において、問題児とされるユーベルと同じパーティーに組み分けられた。シュタルクから「鏡蓮華」の意匠を持つブレスレットを贈られ、大切に身につけている。
シュタルク
アイゼンの弟子であり、臆病ながらも高い実力を持つ戦士である。仲間への気遣いを見せる一方、デリカシーに欠ける行動でフェルンを怒らせることもある。
・所属組織、地位や役職
戦士。アイゼンの弟子。
・物語内での具体的な行動や成果
フェルンへの誕生日プレゼントとして、長時間悩み抜いた末に鏡蓮華のブレスレットを選んだ。要塞都市フォーリヒでは、戦死したオルデン家の長男ヴィルトに瓜二つであったため、彼の身代わりとして社交界に出席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
オルデン卿から家督を継ぐよう勧誘されたが、自身の居場所は旅の中にあるとして断った。看病に不慣れなフリーレンに対し、心の支えの重要性を説いた。
ザイン
北側諸国の村に住んでいた僧侶であり、天性の才を持つ回復魔法の使い手である。酒や煙草、ギャンブルを嗜み、年上の女性を好むなど、聖職者らしからぬ破天荒な一面を持つ。
・所属組織、地位や役職
僧侶。元フリーレン一行の仲間。
・物語内での具体的な行動や成果
親友である「戦士ゴリラ」を探すため、フリーレンの勧誘を受けて冒険の旅に出た。フェルンとシュタルクの喧嘩を仲裁し、大人の視点から助言を与えた。混沌花による呪いの事件では、僧侶としての知識と判断力でフリーレンを目覚めさせ、解決に導いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
親友の行方が自身の目的地とは反対方向にあると知り、フリーレン一行と別れて独自の道を進むことを決断した。フリーレンからは、ハイターとは違う形の「理想の大人」として評価された。
オルデン卿
北側諸国の要塞都市フォーリヒを治める貴族であり、三大騎士家の一つオルデン家の当主である。厳格な性格だが、息子たちへの不器用な愛情を抱えている。
・所属組織、地位や役職
オルデン家当主。貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
長男ヴィルトの戦死を隠すため、容姿の似ているシュタルクに身代わりを依頼し、社交界を乗り切った。次男ムートの才能に限界を感じつつも、彼なりの成長を期待している本音をシュタルクに明かした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
シュタルクを養子として迎え入れようとしたが拒否され、その意志を尊重して引き下がった。過去にヴィルトと喧嘩別れしたことを悔やんでいる。
フォル爺
北側諸国クラー地方の村を長年守り続けているドワーフの老戦士である。フリーレンとは旧知の仲であり、ヒンメルたちとも面識がある。
・所属組織、地位や役職
村の守り神。戦士。
・物語内での具体的な行動や成果
亡き人間の妻との約束を守るため、魔物から村を防衛し続けている。妻の顔や声を思い出せなくなっていることをフリーレンに明かし、自身の記憶が風化していく悲しみを語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ヒンメルとの会話を回想し、彼との出会いが大切な記憶であることを再確認した。フリーレンに自身の記憶を未来へ連れて行ってほしいと託した。
戦士ゴリラ
ザインの幼馴染であり、親友である。10年前に冒険者になると言って村を出たきり、行方不明となっている。
・所属組織、地位や役職
冒険者。戦士。
・物語内での具体的な行動や成果
「忘れられない英雄になる」と語り、インパクトのある「戦士ゴリラ」という名を名乗って旅立った。ローア街道沿いの集落で老婆の手伝いをした足跡が残されていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ザインが旅に出る直接の動機となった人物である。北側諸国中部の交易都市テューアへ向かったという情報が判明した。
ユーベル
一級魔法使い選抜試験の受験者であり、常に不敵な笑みを浮かべる三級魔法使いである。他者の命を奪うことに躊躇がなく、危険な雰囲気を纏っている。
・所属組織、地位や役職
三級魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
試験会場へ向かう途中、盗賊を魔法で殺害しようとしたところをクラフトに止められた。過去の二級試験において試験官を殺害した経歴を持つことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
第一次試験において、フェルンと同じパーティーに所属することとなった。クラフトから、その殺意の質を警戒されている。
クラフト
遥か昔に世界を救った英雄として石像が残されているエルフの武道僧である。現在は忘れ去られた存在となっている。
・所属組織、地位や役職
武道僧(モンク)。
・物語内での具体的な行動や成果
ユーベルと遭遇し、彼女の中に潜む人殺しの性質を見抜いた。ザインたちが磨いた石像のモデルであることがフリーレンによって示唆された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ゲナウ
大陸魔法協会の一級魔法使いであり、選抜試験の試験官を務める人物である。
・所属組織、地位や役職
大陸魔法協会・一級魔法使い。試験官。
・物語内での具体的な行動や成果
第一次試験の開始を宣言し、試験内容がパーティー戦であることを受験者たちに伝達した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
ハイター
勇者パーティーの僧侶であり、故人である。ザインにとっては憧れの存在であり、理想の大人として記憶されている。
・所属組織、地位や役職
元勇者パーティー・僧侶。
・物語内での具体的な行動や成果
かつてザインの兄を聖都へ勧誘した。回想の中で、大人の振る舞いを続けることの意義や、努力家を褒めることの大切さをフリーレンに説いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
フリーレンによって「理想の大人」としての生き方を肯定され、頭を撫でられる記憶が描かれた。
ヒンメル
勇者パーティーの勇者であり、故人である。フリーレンの記憶の中で、彼女の行動や価値観に影響を与え続けている。
・所属組織、地位や役職
元勇者パーティー・勇者。
・物語内での具体的な行動や成果
回想において、フリーレンに鏡蓮華の指輪を贈り、彼女の心に残る思い出を作った。フォル爺に対し、記憶を未来へ繋ぐのは自分ではなくフリーレンであると予見していた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
心の支えは子供だけのものではないという彼の言葉が、現在のフリーレンがフェルンに接する際の指針となった。
出来事一覧
第28話 僧侶と後悔
シュタルクの身包み剥がされ事件(前話回想と後日談)
- 当事者: シュタルク、ザイン vs フェルン(買い戻し役)
- 発生理由: 前話でシュタルクがポーカー勝負でザインに負け、身包みを剥がされたため
- 結果: フェルンが装備や衣服を買い戻したが、賭博を嫌悪するフェルンは二人に厳しい態度を取った
兄弟の衝突(過去)
- 当事者: ザイン vs ザインの兄
- 発生理由: ザインが「兄が自分のために夢(聖都行き)を諦めた」と後悔し続けていたことに対し、兄がそれを否定したため
- 結果: 兄は自分の選択を後悔していないと断言し、後悔し続けるザインを叱責した
第29話 理想の大人
誕生日プレゼント忘れ騒動
- 当事者: フェルン vs シュタルク
- 発生理由: シュタルクがフェルンの誕生日を忘れ、プレゼントを用意していなかったため
- 結果: フェルンがきつい言葉を投げつけ、シュタルクは傷ついて走り去ったが、最終的に互いに謝罪して和解した
第30話 鏡蓮華
鳥型魔物による襲撃
- 当事者: 鳥型魔物 vs フリーレン一行(商人の馬車)
- 発生理由: 移動中の馬車が魔物に襲われたため
- 結果: 魔物は討伐されたが、馬車ごと空へ持ち上げられ、落下直前に魔法で着地させたが大破した
第32話 オルデン家
シュタルク拉致騒動
- 当事者: オルデン卿(オルデン家) vs シュタルク
- 発生理由: オルデン卿が亡き息子ヴィルトに瓜二つのシュタルクを身代わりにするため、強引に屋敷へ連れて行ったため
- 結果: 報酬と条件の提示により、シュタルクは社交界への出席という依頼を受諾した
第33話 フォル爺
フォル爺との手合わせ
- 当事者: フォル爺 vs シュタルク
- 発生理由: 再会の挨拶代わりの手合わせ、あるいはシュタルクが老人だと油断したため
- 結果: シュタルクは足を払われて倒され、実力差を思い知らされた
第35話 旅立ちのきっかけ
過去の悪ふざけによる喧嘩
- 当事者: フェルン vs シュタルク
- 発生理由: シュタルクが過去の悪ふざけ(詳細不明だがフェルンが嫌がる行為)を繰り返したため
- 結果: フェルンが怒り、シュタルクが落ち込んでいたが、ザインの仲裁により互いに本音を話して和解した
第37話 一級試験
ユーベルと盗賊の遭遇
- 当事者: ユーベル vs 盗賊
- 発生理由: 盗賊がユーベルを襲おうとしたため
- 結果: クラフトが現れて盗賊を退け、戦闘には至らなかった
試験官殺害事件(過去)
- 当事者: ユーベル vs 二級試験の試験官
- 発生理由: 試験中にユーベルが試験官を殺害したため(詳細な動機は本文中では不明)
- 結果: ユーベルは失格となり、問題児として警戒されるようになった
第2パーティー内の口論
- 当事者: 第2パーティーの少女同士(カンネとラヴィーネと推測されるが本文では詳細不明)
- 発生理由: 不明(出会い頭の口論)
- 結果: フリーレンがその場面に遭遇し、不安を覚えた
展開まとめ
第28話 僧侶と後悔
装備の回収とフェルンの不信感
毒の影響から回復したシュタルクは川で魚を捕っており、一行は日常を取り戻していた。前話でギャンブルに負け、装備や衣服を失ったシュタルクとザインの持ち物は、フェルンの手配によって買い戻されていた。フェルンは賭博を強く嫌悪しており、特にシュタルクが身包みを剥がされた件について、ザインにも厳しい態度を取っていた。酒を飲む僧侶について話題が及ぶと、フリーレンはハイターの教育方針を引き合いに出し、僧侶像の違いを浮き彫りにしていた。
繰り返される勧誘とザインの躊躇
フリーレン一行は村に滞在する間、毎日のようにザインを冒険に誘い続けていた。しかしザインは、今さら冒険者になる理由が見つからないと語り、若い頃に憧れていた世界が今では眩しすぎると距離を取っていた。過去への未練と現在の停滞が、ザインの決断を鈍らせていた。
兄から語られるザインの嗜好
勧誘が進展しない中、フリーレンたちはザインの兄である神父に相談していた。兄は、ザインの好みが酒、煙草、賭博といった僧侶らしからぬものであると明かしていた。フェルンはそれを聞き、ハイターが相対的に真面目な僧侶であったことを再認識していたが、フリーレンはその評価に完全には同意していなかった。
年上の女性という切り口
ザインの好みが年上の女性であることを知った一行は、その点から勧誘を試みていた。シュタルクの問いかけに、ザインは強い関心を示したものの、相手がフリーレンであると知ると落胆していた。フリーレンは冗談めかして色仕掛けを試みたが、ザイン本人には効果がなく、周囲だけが動揺する結果となっていた。
親友への後悔とフリーレンの忠告
ザインは、かつて冒険者となった親友が三年で戻ると言って去ったまま、十年が経過していることを語り、すでに亡くなっていると考えていた。フリーレンは、会いにも行かずに諦めることこそ後悔につながると指摘し、今動かなければ未来で悔いることになると告げていた。その言葉は、かつて勇者ヒンメルからフリーレン自身が受け取ったものと重なっていた。
十年前の選択と兄弟の衝突
ザインは過去を語り始めていた。十年前、兄はハイターから聖都の司祭になる誘いを受けていたが、両親を失った幼いザインを残して故郷を離れられないとして、その話を断っていた。兄はその選択を一度も後悔していないと断言し、後悔し続けるザインを強く叱責していた。その出来事が、ザインの心に深く残っていた。
ザインの決意と旅立ち
ザインは兄に謝罪したことを明かし、兄が本来は優しい人物であると語っていた。その上で、親友を追いかけるため冒険者になる決意を固めていた。ただし旅の目的は親友を探すことであり、フリーレン一行と同行するのは途中までだと線を引いていた。
旅の目的と新たな関係性
村を発った後、ザインは一行に旅の目的を問いかけていた。フリーレンは天国を目指していると答え、ザインはそれに疑問を呈していた。フェルンの率直な応答により、ザインは自分への当たりの強さを実感しつつも、一行との新しい関係性の中で旅を続けていくことになっていた。
第29話 理想の大人
フェルンの誕生日とすれ違い
ザインが仲間に加わり、四人で街を歩いていた。この日はフェルンの誕生日であったが、シュタルクはそのことを失念しており、プレゼントを用意していなかった。その態度にフェルンは不満を募らせ、きつい言葉を向けてしまう。傷ついたシュタルクは涙目になり、その場を離れて師匠のもとへ戻ると言い残して去っていった。
ザインの仲裁と大人の論理
フリーレンはフェルンに対し、言い過ぎであったと諭していた。ザインもまた、自分も誕生日を気にしない側の人間であり、男は記念日に無頓着なものだと説明していた。しかしその発言はフェルンの怒りを収めるには至らず、ザインは謝罪した上で、改めて誕生日プレゼントを買いに行くことを約束していた。
フェルンの迷いと青春の距離感
ザインとフリーレンの助言を受け、フェルンはシュタルクを追いかけて広場まで向かったものの、目の前にいるシュタルクに声をかけることができなかった。一方でザインは街の店でプレゼントを探しており、蝶の飾りがついたポーチを手に取っていた。そこにフェルンが現れ、二人は誕生日やシュタルクとの関係について言葉を交わしていた。
一緒に選ぶという意味
ザインはフェルンに好きなものを選ばせようとしたが、フェルンはそれを断っていた。ザインは、フェルンが怒っている理由が「プレゼントそのもの」ではなく、「一緒に選ぶ時間」を大切にしているからだと見抜いていた。そして、早くシュタルクに謝り、共にプレゼントを選びに行くべきだと忠告していた。
二人の和解
フェルンが再び広場へ向かうと、シュタルクの方から先に謝罪してきた。誕生日プレゼントを一緒に選いたかったが、嫌がられると思って言い出せなかったのだと打ち明けていた。フェルンもまた素直に謝罪し、二人は誤解を解いて仲直りしていた。
屋根の上からの観察
その様子を、フリーレンとザインは建物の屋根の上から見守っていた。ザインは、大人であれば人との距離感を理解できるが、若者は衝突を繰り返すものだと語り、フリーレンを労っていた。しかし同時に、フリーレン自身も距離感を理解しているとは言い難いと指摘し、実質的には「子供が三人いるようなものだ」と評していた。
理想の大人としてのハイター
話題はハイターへと移り、ザインは彼を理想的な大人だったと評していた。フリーレンはそれに対し、ハイターが酒好きで二日酔いも多く、嘘もつく破戒僧であったことを淡々と語っていた。それでもザインにとって、ハイターは頼りがいのある存在であり、自分とは違う「大人」であったと感じていた。
大人の振りを続ける覚悟
フリーレンは、かつてハイターと交わした会話を思い出していた。ハイターは、理想の大人を目指して大人の振りを積み重ねてきただけであり、それを死ぬまで続けるつもりだと語っていた。そしてフェルンのような努力家は、褒めて導く必要があると説いていた。
誰が大人を褒めるのか
フリーレンは、死ぬまで大人の振りを続けたハイターを誰が褒めるのかと問いかけていた。ハイターは天国で女神が褒めてくれると答えたが、フリーレンは生きている間は自分が褒めると言い、無言でハイターの頭を撫でていた。その行為を、ハイターは悪くないものだと受け止めていた。
ザインへの肯定
現在に戻り、フリーレンはザインの頭を撫でながら、ちゃんと大人をやれていると告げていた。ザインは、それがお姉さんからであれば最高だったと冗談めかして漏らすが、フリーレンは自分ほどのお姉さんはなかなかいないと自信満々に言い切っていた。
第30話 鏡蓮華
鳥型魔物による襲撃と落下の危機
北側諸国バンデ森林を進む一行は、商人の馬車に同乗して移動していた。道中、巨大な鳥型の魔物に襲撃され、馬車ごと空へと連れ去られる事態が発生した。魔物は討伐されたものの、空中に取り残された馬車をどう救出するかが問題となる。飛行魔法は人類用に応用された不完全な術式であり、馬車全体を安定して浮かせることは困難であった。最終的にフリーレンは、落下直前に馬車を浮かせるという危険な方法を選択し、全員の命は救われたが馬車は大破した。
足止めとブレスレットの真意
馬車の修理のため、一行はしばらく森で足止めされる。その間、フェルンが身につけているブレスレットの話題となり、それがシュタルクからの誕生日プレゼントであることが語られる。フェルンの「好きなものを選んでほしい」という要望に応え、シュタルクは長時間悩み抜いてそれを選んでいた。ザインはその意匠が「鏡蓮華」であり、花言葉が「久遠の愛情」であることを明かす。恋人に贈る意味合いを持つと知り、シュタルクは動揺するが、フェルンは彼が真剣に選んでくれた事実そのものを大切にし、買い直しの申し出を拒む。
失くされた指輪と諦念
修理の目処が立つ頃、フリーレンは何かを探し続けていた。それはかつてヒンメルから贈られた指輪であった。見つからなければ諦めると語るフリーレンに対し、フェルンはそれが大切な品であると感じ、皆で探すことを提案する。ブレスレットと同じ鏡蓮華の意匠であると知り、花言葉の意味を聞かされても、フリーレンは気にしない素振りを見せるが、その言葉の裏には長い年月を経た想いがにじんでいた。
勇者ヒンメルとの記憶
事情を知った商人は報酬として「失くした装飾品を探す魔法」をフリーレンに渡す。魔法によって指輪は無事発見され、その瞬間、フリーレンは指輪を贈られた当時の記憶を思い出す。討伐の褒美として好きなものを選ぶよう促され、何気なく選んだ指輪を、ヒンメルが恋人に指輪をはめるように彼女の指にはめた場面であった。
鏡蓮華が結ぶ想い
現在に戻り、指輪を手にしたフリーレンは静かにそれを見つめる。なぜフェルンが鏡蓮華のブレスレットを身につけているのかと問われ、フェルンは淡々と「シュタルク様が馬鹿だからです」と答える。その言葉に落ち込むシュタルクの姿を残しつつ、鏡蓮華という花が、過去と現在、異なる形の想いを静かに結び続けていることが示される回であった。
第31話 混沌花
旅の中で語られる欠けた要素
勇者ヒンメルの死から29年後、北側諸国ラオブ丘陵を進む一行の中で、ザインはこのパーティーに足りないものがあると問いかけていた。フェルンは盗賊の不在を挙げ、フリーレンが頻繁にミミックに引っかかる点を理由に述べるが、ザインはそれを否定し、冗談交じりに「年上のお姉さん」が足りないと主張していた。シュタルクの反論も虚しく、ザインは強い不満をにじませていた。
呪いに覆われた村の異変
一行が立ち寄った村では、住民全員が眠り続けている異常な状況が確認された。フリーレンは厄介事を察知し立ち去ろうとするが、すぐに冗談であったと訂正する。村人たちは魔物や魔族が用いる、人類未解明の魔法である「呪い」によって眠らされており、その原理や解除方法は人類の魔法体系では分かっていなかった。
僧侶の知識と女神の魔法
ザインは僧侶として呪いの種類と発信源を調べ始める。女神の魔法は聖典に記され、特定の資質を持つ者しか扱えないものであり、その資質は「女神の加護」と呼ばれていた。この加護を持つ者は呪いに強く、ザインはある程度防げていたが、フリーレンやフェルンは呪いを感知できる程度に留まっていた。村全体が現在進行形で呪われている事実に、シュタルクは強い恐怖を覚えていた。
発信源討伐という判断
ザインはこの呪いが特殊で、解除には儀式や道具が必要だと判断し、発信源である魔物を討つ方が早いと結論づける。しかし行動中、シュタルクが呪いにかかって眠ってしまう。ザインは一時的に目覚めさせることができるが、その効果はわずか五秒であり、実用的ではなかった。
仲間の脱落と分断
シュタルクを背負って進む途中、今度はフェルンも呪いによって眠りに落ちる。フリーレンは結界を張り、フェルンとシュタルクを隠して守り、ザインと二人で先へ進むことを選択する。しかし目的地目前で、フリーレン自身も呪いに侵され、眠りに落ちてしまった。眠る直前、フリーレンはザインに「一人で戦ってはいけない」「自分が必ず倒す」と言い残していた。
混沌花との遭遇
ザインが辿り着いた発信源は、混沌花の亜種であった。この魔物は眠った村人から魔力を吸い取り、徐々に命を奪う存在であった。葉は鏡のように魔法を反射する性質を持ち、弱点であるコアを正確に狙う必要があった。ザインは戦闘用魔法「女神の三槍」で攻撃するが、魔法は反射され、危険な状況に陥っていた。
信頼という選択
ジリ貧の状況の中、ザインはフリーレンを起こすか迷うが、五秒では説明も連携も不可能であると悟る。さらに、フリーレンと十分な信頼関係を築けていないという不安がよぎる。しかし幼少期にハイターから聞いた、「冒険者は仲間の言葉を信じるものだ」という教えを思い出し、フリーレンの言葉を信じる決断を下す。
五秒の覚醒と決着
ザインは目覚めの解呪でフリーレンを起こす。制限時間は五秒であったが、フリーレンは状況を一目で把握し、混沌花のコアを正確に撃ち抜いて討伐を成し遂げた。呪いは解け、村人たちは無事に目覚めていった。
救われた村と残された言葉
村人の女性はザインに感謝を伝え、「最高の目覚めだった」と語る。フリーレンは魔法反射の性質にすぐ気づいたことを明かし、今回生きて帰れたのはザインのおかげだと礼を述べ、彼の頭を撫でて称えた。ザインはその最中、村の女性の美しさを思い返しながら、静かに余韻を噛みしめていた。
第32話 オルデン家
要塞都市フォーリヒでの呼び止め
勇者ヒンメルの死から29年後、フリーレン一行は北側諸国の要塞都市フォーリヒに到着した。魔法都市オイサーストへの中継地として物資補給を行う最中、シュタルクは貴族の一人から声を掛けられ、そのまま強引に屋敷へと連れて行かれる。
オルデン家と依頼の真意
貴族は北側諸国三大騎士の一つ、オルデン家の当主であった。フリーレンは彼の祖父と過去に面識があり、最初は依頼を一蹴しようとする。しかし路銀が乏しい現状をフェルンに指摘され、話だけは聞くことになる。オルデン家はシュタルクと同じく中欧諸国クレ地方の戦士の村を出自とする一族であった。
戦死した長男ヴィルト
屋敷に掲げられた肖像画には、オルデン家長男ヴィルトの姿があった。彼は後継ぎであり、この街の英雄でもあったが、一か月前の魔族との大規模な戦いで戦死していた。その事実は士気低下を避けるため、一部の腹心にしか知らされていなかった。
身代わりという役割
要塞都市フォーリヒは地方防衛の要であり、兵力が回復するまで士気を保つ必要があった。そこでオルデン卿は、ヴィルトの死を伏せたまま三か月後の社交界を乗り切るため、シュタルクに身代わりとして出席する依頼を持ちかける。報酬としてシュトラール金貨十枚と魔導書が提示され、この条件で依頼は受諾される。
過酷な作法修行
シュタルクは執事ガーベルから、朝から晩まで貴族の作法を叩き込まれる。フェルンに様子を問われ、試しに手を取るが、似合わないと率直に言われてしまい落ち込む。一方、フェルンはその後もしばらく握られた自分の手を見つめていた。
ムートとの邂逅と過去の記憶
オルデン卿と屋敷を歩く中で、次男ムートの剣の修行を目にする。兄ヴィルトの死により後継ぎとなったムートは努力家だが伸び悩んでおり、オルデン卿から厳しい言葉を受けていた。その光景はシュタルク自身の過去を想起させ、剣を握る手の震えが止まらなくなる。
父としての本音
オルデン卿は深呼吸を促し、ここはシュタルクの故郷ではないと語る。そしてムートについて、兄ほどの才はないが、いずれ自分を超える騎士になると信じていると明かす。その想いを直接伝えた方がよいというシュタルクの助言に対し、甘やかせば成長を妨げると返すが、シュタルクはそれこそ問題だと断じる。
フェルンも社交界へ
他人事のように食事をしていたフェルンも、社交界には年頃の男女を一人で行かせられないとして作法の練習に参加させられる。フリーレンは特に助言もせず、淡々とフェルンに頑張るよう告げていた。
社交界の夜
社交界当日、正装したシュタルクとフェルンは会場でダンスを眺める。シュタルクは誘い、フェルンは口では否定しつつも共に踊る。二人の様子を見たザインがフリーレンを誘うが、フリーレンは興味を示さず、ケーキを選ぶことを優先する。
残留の誘いと拒絶
社交界の後、オルデン卿はシュタルクの力量を高く評価し、このまま屋敷に残るよう勧める。しかしシュタルクは、自分は亡きヴィルトの代わりではないと明確に拒否する。オルデン卿もまた、自分はシュタルクの父の代わりではないと応じ、彼に帰る場所がないことを理解していると語る。
後悔と決別
オルデン卿は、生前ヴィルトと喧嘩別れし、心にもない言葉を投げつけたことを今も悔やんでいた。シュタルクはその話に自身とアイゼンの関係を重ね、旅を続けて思い出を積み重ねる必要があると語り、改めて残留を断る。オルデン卿は短く「そうか」とだけ答える。
それぞれの明日へ
翌日、フリーレンは報酬の魔導書選びに半日を費やし、周囲を困らせていた。ザインは兵力再建にはまだ時間がかかるとシュタルクに伝えるが、シュタルクは少なくとも後継ぎには困らないだろうと応じる。こうして一行は、要塞都市フォーリヒを後にする準備を整えるのであった。
第33話 フォル爺
クラー地方への寄り道と再会
勇者ヒンメルの死から29年後、フリーレン一行は北側諸国クラー地方に立ち寄り、フリーレンの長命の知己であるドワーフの戦士フォル爺を訪ねていた。フリーレンは冗談めかして長期滞在を口にするが、フェルンに一週間と釘を刺される。再会したフォル爺は老境に差しかかっていたが、いまだ戦士としての鋭さを失っていなかった。
老戦士の実力と教え
シュタルクは見た目に油断し、フォル爺に足を払われて倒される。フォル爺は、どれほど熟達した戦士でも防御を怠れば簡単に致命傷を負うと諭し、もし剣を抜いていれば脚を失っていたと警告する。フリーレンはその戦い方を卑怯と評するが、フォル爺は意に介さず一行を歓迎する。
村での滞在と孤独な守り手
一行は村に宿を取り、滞在費代わりに村の仕事を請け負う。村人たちはフォル爺を耄碌した老人と見なしており、普段は会話もままならない存在だと語る。しかし同時に、長年にわたり魔物や魔族から村を守り続けてきたことから、理由も分からぬまま「守り神」のように扱っていた。フリーレンと楽しげに語らうフォル爺の姿を見て、フェルンは彼の長い孤独を察する。
過去の記憶とヒンメルとの邂逅
滞在中、シュタルクはフォル爺から稽古を受け、フリーレンは彼と語らいの時を重ねていた。フリーレンは、フォル爺が自分にヒンメルたちを知る機会を与えてくれたことに感謝していると告げる。そして魔王討伐の旅の途中、ヒンメルがフォル爺に村を守る理由を問うた過去を回想する。フォル爺は、亡き妻が愛した村だから守っているのだと語っていた。
忘却と約束
フォル爺は妻が人間であったこと、しかしその顔や声、眼差しすら思い出せなくなったことを明かす。それでも死者との約束を守り続けている自分を滑稽だと評するが、ヒンメルは約束を守っていること自体が救いであり、妻も喜んでいるはずだと告げる。その言葉にフォル爺はヒンメルを称え、彼の記憶を未来へ連れて行くと約束する。しかしヒンメルはそれを断り、フリーレンが自分たちの記憶を未来へ運ぶのだと言い切っていた。
記憶を担う者として
現在に戻り、フォル爺はフリーレンに、ヒンメルの顔や声を覚えているかと問う。フリーレンはすべて覚えていると即答し、ヒンメルは自分が人間を知ろうとしたきっかけであり、フォル爺が村を守る理由と同じく大切な存在だと語る。一方でフォル爺は、自分にはもう妻の記憶が戻らないと静かに告白する。フリーレンはそれを冗談として受け取り、微笑みを返す。
魂の眠る地と未来への言葉
フリーレンは、魂の眠る地オルオールを目指して旅をしていること、その地が魔王城のあるエンデであることを伝える。フォル爺は平和な時代の到来を願い、フリーレンは彼の記憶も未来へ連れて行くと約束する。フォル爺は、人生の最後に彼女に会えてよかったと語り、フリーレンはそれを八十年前にも聞いたと返す。
別れと残された夢
翌朝、一行は村を発つ。フォル爺は、妻の夢を見たことをフリーレンに伝え、昔話をしたおかげかもしれないと語る。フリーレンは別れを告げ、一行は再び旅路へ戻っていった。記憶は薄れ、形を失っても、大切なものを未来へ繋ぐ意志だけは残り続けていた。
第34話 英雄の像
親友を探すザインの旅路
勇者ヒンメルの死から29年後、北側諸国ローア街道にて、ザインは10年前に旅立った親友の足取りを追っていた。街道沿いでは断片的な目撃情報が残っており、その理由は「戦士ゴリラ」という強烈な通り名にあった。シュタルクが本名を尋ねると、ザイン自身も即答できず、親友関係の曖昧さが露呈する。
奇妙な通り名と道中の会話
ザインはかつて「僧侶アゴヒゲ」と呼ばれていたと語り、フリーレンは顎鬚が生える前からそう呼ばれていたのかと気に留める。軽口を交わしながら一行は大峡谷へと到達し、この峡谷を越えれば魔法都市オイサーストが近い状況であった。
集落での聞き込みと婆さんの依頼
分岐点の集落に立ち寄った一行は、戦士ゴリラが高台に住む頑固な老婆と親しかったと知る。老婆は情報提供の代わりに依頼を突きつけ、隣村の鍛冶屋ナーゲルへの手紙配達をはじめ、果物の収穫や魔物退治など複数の用事を課す。フリーレンは、ヒンメルとの旅でも同様の人助けが日常であったと振り返る。
英雄の像を磨く依頼
最後の依頼として、一行は峡谷にある英雄の石像を磨くことになる。像は僧侶と戦士の二体で、かつて世界を救った英雄とされていたが、詳細は伝わっていなかった。老婆はザインの顔を見て、彼が「僧侶アゴヒゲ」であると見抜く。
石像の正体と過去の記憶
石像を前に、フェルンはザインと戦士ゴリラに似ていると指摘する。フリーレンは戦士像に見覚えがあり、かつて出会ったクラフトの名を挙げる。ザインは幼少期に同じ像を見た記憶を思い出し、親友ゴリラが「忘れられない英雄」になると語っていた過去を回想する。どんな英雄もいずれ忘れ去られるという言葉に対抗し、親友は名のインパクトを理由に「戦士ゴリラ」を名乗り始めていた。
磨き終えた像と残された評価
石像は丁寧に磨き上げられ、老婆はかつてゴリラにも同じ依頼をしたが、ここまでうまくできなかったと語る。戦い一筋だったと評しつつも、名前の印象は強く、ゴリラがザインのことをよく話していた事実を伝える。
分かれ道となる行き先
別れ際、老婆は戦士ゴリラの行き先が北側諸国中部の交易都市テューアであると教える。それは一行が目指す魔法都市オイサーストとは正反対の方向であった。進路の違いを前に、ザインはこの先の選択について思案することになる。
第35話 旅立ちのきっかけ
結論を先延ばしにした一夜
戦士ゴリラの行き先がテューアであり、フリーレン一行の目的地オイサーストとは反対方向だと判明したことで、ザインは進路に悩む。日暮れも近いため、フェルンの提案により結論は翌日に持ち越され、一行は集落の小屋に泊まることになる。薪集めや食材調達を分担する中で、フェルンの冷え切った手を巡り、ささやかなやり取りが起こる。
雪と寒波による停滞
夜半から雪が降り始め、翌日には猛吹雪となる。村人の話では寒波は一月ほど続く見込みであり、ザインは決断を一月先に延ばし、フリーレン一行も足止めを余儀なくされる。フリーレンは集落にある怪しい魔法店に興味を示し、伝説級を期待するが、実際に語られる魔法は生活密着型のものばかりであった。
フェルンとシュタルクの衝突
一月が経過し、寒波が収まりかけた頃、フリーレンは二人の様子がおかしいことに気づき、ザインに仲裁を依頼する。小屋ではフェルンが怒り、シュタルクが落ち込んでいたため、ザインは別々に話を聞く。原因は、過去の悪ふざけをシュタルクが繰り返したことであった。
本音の共有と仲直り
シュタルクは仲直りしたいと素直に語り、フェルンも自分が意地になっていたことを認める。フェルンは触れられたこと自体よりも、力の強さに一瞬恐怖を覚えたと打ち明ける。ザインは互いに気持ちを言葉にするよう促し、二人は謝罪と要望を交わして和解する。
酒場での対話と感謝
その後、酒場でフリーレンと酒を酌み交わしたザインは、勢い余って二人を茶化すが、フリーレンから労いの言葉を受け取る。フリーレンは、冒険に踏み出せないザインの姿が、かつて旅立つ前の自分に重なって見えたと語る。
旅立ちの記憶ときっかけ
フリーレンは、ヒンメルたちから旅立つ勇気と仲間と過ごす楽しさを教えられた過去を振り返り、ザインにとってもこの時間が楽しかったかを問う。ザインはその問いに肯定で応え、自身の中で答えが固まっていたことを示す。
選ばれた道と別れ
寒波が明け、ザインは戦士ゴリラを追う道を選び、後悔しないと宣言する。フリーレンはその決断を理解し、静かに見送る。一人になったザインは世界の静けさを噛みしめる。一方、別れた後の一行に対し、フリーレンはザインを大人だと評し、きっとうまくやると語る。旅はそれぞれの道へと再び動き出していた。
第36話 心の支え
フェルンの異変と発熱
勇者ヒンメルの死から29年後、北側諸国オッフェン群峰で野営していた一行のもとで、フェルンが朝になっても目を覚まさない異変が起きた。声をかけても反応がなく、身体を確認したフリーレンは発熱を察知し、無理やり起こされる形で対応に入った。
病状の確認と聖典の扱い
フリーレンは魔法による病状判別を試みる。僧侶の資質が必要な女神の魔法について指摘されるが、フリーレンは聖典を所持していると答える。ただしその聖典は鍋敷きとして使われており、シュタルクは不安を覚える。簡易的な魔法判別の結果、病状は重いものではなく、ただの風邪であると判断された。
ザインの手記と薬草探し
フリーレンは、かつてザインが残した薬草の手記を参照し、使える材料を探そうとする。その過程で、ヒンメルたちと共に薬草採取を行った場所が近くにあることを思い出し、必要な材料を集めに向かう決断を下した。
小屋での看病と手を握る行為
寒さを避けるため、フェルンは近くの小屋へ移され、ベッドで休ませられる。フリーレンはフェルンの手を握り続け、幼い頃から風邪の時にはこうすると安心するのだとシュタルクに語る。しかしフェルンはそれを恥ずかしがり、子供扱いしないでほしいと伝える。
成長の自覚と距離感
フリーレンはフェルンの言葉を受け止め、彼女がもう子供ではないことを理解する。かつては自分より背が低かったことや、成長の早さを語りながら、フェルンが大人へと近づいている事実を静かに受け入れていった。
氷柱桜と理由の共有
最後の薬草である氷柱桜を求める道中、シュタルクは、なぜフェルンの手を握ったのかをフリーレンに問いかける。フリーレンは子供扱いのつもりはなく、ただ苦しそうだったからであり、自分にはそれしか苦痛を和らげる方法を知らなかったと説明する。
心の支えという考え方
自分の行動が正しかったのか迷うフリーレンに対し、シュタルクは人には心の支えが必要であり、支えられて悪い気分になる者はいないと語る。その言葉は、かつて師であるアイゼンから受け取った価値観に基づくものであった。
ヒンメルとの回想
フリーレンは、ヒンメルと旅をしていた頃の記憶を思い出す。うなされていたフリーレンの手をヒンメルが握り、幼少期に母から受けた安心感を理由として語った場面であった。心の支えは子供だけのものではないというヒンメルの言葉は、今のフリーレンに静かに重なっていく。
受け継がれた理解
現在に戻り、シュタルクは、フェルンが恥ずかしがったのは自分が同席していたからだろうと補足する。フリーレンはその指摘に礼を述べ、自分のやりたいようにしてみると答える。
薬の完成と静かな受容
氷柱桜の根元に生える大きなキノコを使い、フリーレンは薬を完成させる。薬を飲ませた後もフリーレンはフェルンの手を握り続ける。フェルンは子供ではないと伝えようとするが、フリーレンはそれを理解していると応じ、手を離さなかった。
回復と再出発
フェルンは次第に快方へ向かい、体調も安定する。一行は改めて旅支度を整え、魔法都市オイサーストを目指して歩みを再開する。心の支えを知った時間は、三人の関係に静かな変化を残していた。
第37話 一級試験
到着と試験の目的
勇者ヒンメルの死から29年後、フリーレン一行は北側諸国キュール地方に到達した。目的地である魔法都市オイサーストでは、一級魔法使いの資格がなければ北部高原へ入ることができないため、資格取得が旅の関門となる。フリーレンは自分でなくフェルンが取ればよいと軽く言うが、フェルンは一級の難度を前に尻込みする。
北部高原の危険性
北部高原は幻影鬼のような狡猾な魔法を使う魔物が多く、熟練の魔法使いと僧侶の同行が不可欠な難所である。通行条件が厳しいこと自体が、現在の北部高原で深刻な事態が続いている証左であるとフリーレンは語る。
魔法使いの強さの本質
移動中の会話で、フリーレンは魔法使いの強さは魔力量だけで決まらないと説く。努力、根性、そして才能が重要であり、自身も過去に魔力で劣る相手に敗北した経験があると明かす。その内訳には魔族、エルフ、人間が含まれていた。
ユーベルとクラフト
場面は変わり、辺境で休憩していた女魔法使いユーベルが盗賊に遭遇する。そこへエルフのモンクであるクラフトが現れ盗賊を退けるが、彼はユーベルの内に人殺しの気配を感じ取る。ユーベルは一級試験を受けるためオイサーストへ向かっており、両者は淡々と別れる。
オイサーストでの手続き
フリーレン一行はオイサーストに到着し、大陸魔法協会北部支部で一級試験の受験手続きを行う。受験資格に五級以上が必要と知ったフリーレンはやる気を失うが、聖杖の証を提示したことで例外的に受験が認められる。
試験の実態と修行開始
調査により、一級魔法使いは全体でもごく少数で、試験は三年に一度開催され、合格者が出ない年や死傷者が出る年も珍しくないことが判明する。かつて魔法使いが溢れていた時代を回想しつつ、フリーレンとフェルンは二か月後の試験に向け、本格的な修行に入る。
一級試験開幕と参加者の顔ぶれ
二か月後、一級魔法使い選抜試験が開幕した。会場には多数の受験者が集まり、試験官と目される人物が参加者を観察していた。今年は粒ぞろいと評され、史上最年少で三級試験をトップ合格したフェルンも注目を集めていた。一方でユーベルは、過去に二級試験で試験官を殺害した経歴から問題児として警戒されており、またフリーレンはその正体を知られず、周囲から「誰だ」と訝しがられていた。
第一次試験の内容発表
試験官ゲナウにより、第一次試験の内容が発表された。第一次試験は三人一組で挑むパーティー戦であり、総勢五十七名の受験者が組み分けられることとなった。参加者には腕輪が配布され、そこに記された番号によって所属パーティーが判別できる仕組みであった。
フリーレンの立場と警戒
フリーレンは第2パーティーに割り当てられ、腕輪を頼りに同じ番号の仲間を探し始めた。第一印象を損ねず、波風を立てないよう振る舞おうと考えていたが、早くも同じパーティーの少女同士が口論している場面に遭遇し、先行きに不安を覚えた。
フェルンとユーベルの邂逅
一方、フェルンは問題児とされるユーベルと同じパーティーに編成されていた。互いに警戒心を抱きつつも、形式的に挨拶を交わし、パーティーとしての関係を開始する。こうして第一次試験は、不穏さを孕んだ組み合わせのまま幕を開けた。
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