漫画「葬送のフリーレン 1」 感想・ネタバレ

漫画「葬送のフリーレン 1」 感想・ネタバレ

どんな本?

『葬送のフリーレン』は、山田鐘人(原作)氏とアベツカサ(作画)氏による日本のファンタジー漫画となります。魔王を倒した勇者パーティーの魔法使い、フリーレンが、長命のエルフとして、人の仲間たちとの別れや新しい出会いを経て、その旅を続ける物語を描いています。

この作品は、2020年から『週刊少年サンデー』で連載開始し、今は11巻まで発売中です。2021年には、マンガ大賞や手塚治虫文化賞を受賞したことで、多くの賞賛を受けています。

2023年の秋からは、テレビアニメ版も放送開始となり、毎週金曜の夜11時に放映中です。アニメ制作を手掛けるのはマッドハウスで、フリーレンの声を担当するのは種﨑敦美さんです。

私が「葬送のフリーレン」という本に出会ったのは、友人からの勧めによるものでした。
ある日、友人とのお茶の時間に「とても心に残る物語がある」と熱く語り始めました。

勇者たちの冒険が終わった“その後”を描いたファンタジー作品で、従来の冒険ものとは一線を画した内容とのこと。
特にエルフの魔法使いフリーレンの視点から、彼女が感じる時の流れや人間たちとの関わりについて深く掘り下げられているとのことで、私はその場で非常に興味を持ちました。

そして、帰宅後すぐにKOBOのサイトを開いたところ、なんとセール中で10巻までのセットがお得に購入できることを発見。
この機会を逃す手はないと、即座に購入し、読み始めることとなりました。

読んだ本のタイトル

葬送のフリーレン 1
著者:山田鐘人  氏
イラスト:アベツカサ   氏

アニメイトで購入 Bookliveで購入 BOOK☆WALKERで購入

あらすじ・内容

魔王を倒した勇者一行の後日譚ファンタジー


魔王を倒した勇者一行の“その後”。

魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。

彼女が”後”の世界で生きること、感じることとは--

残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは--

物語は“冒険の終わり”から始まる。

英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!

葬送のフリーレン 1
週刊少年サンデーTV

感想

この物語は、魔王を倒した後の勇者一行の日常と冒険を描く後日譚ファンタジーです。
特に、魔法使いであり人より何十倍も永く生きるエルフのフリーレンは、人間たちとは異なる長い寿命を持つため、感情が希薄で彼らとの時間の過ごし方や感じる悲しみが異なります。

物語は魔王討伐から50年後。
勇者ヒンメルの死を悲しむフリーレンが、人間の命や感情についてもっと知ろうと旅を始めることからスタートします。

旅をしながら途中、僧侶ハイターのお願いで。
戦災孤児のフェルンに4年間彼女に魔法を伝授します。

ハイターが老衰で亡くなった後。
フェルンと共にフリーレンは多くの冒険や試練を経験しながら、かつての仲間たちとの思い出や彼らの生き様について思いを馳せます。

1巻では、フリーレンとフェルンが魔王城があるエンデを目指し旅を始めます。

フリーレンは永年生きるエルフとして感情が希薄になっており。
フェルンは性格なのか、感情の起伏がほぼ無い平坦な性格をしております。
そのせいか、二人の旅路は淡々と描かれている印象です。

このままだと、フェルンもあっという間に寿命で居なくなってしまうのかもとも思ってましたが、、

エルフ特有なのか、自身の身だしなみにも無頓着で生活にダラシないフリーレンを色々と世話するフェルンには、少しホッコリします。
一部、ファンには”お母さん”と呼ばれているらしいです。

こんな体たらくだと、男所帯だった勇者ヒンメルとの旅ではどんな旅をしていたのか、、、

この話の結末に関しては、全く予想が付きません。
フリーレンの人間への理解や感じる悲しみ、そして彼女の冒険に対する想いが深く描かれており、読者に多くの感動や考えるきっかけを与えてくれます。

私は飼っていた猫などとの死別に近い感情をフリーレンは人間に感じているのではとも思っております。

そして、彼女がなぜ孤独なのかと考えると。
永年生きるエルフとして過度に悲しむと、人生が辛くなるので感情が希薄になってるのではと思ってしまいます。

こうやって書くことで、この物語が持つ深い魅力や、登場人物たちの心情、そして物語の持つテーマ性について、改めて深く考える機会を得られました。

私も、フリーレンのように自分の生きる時間や関わる人々との関係について考え、大切に過ごしたいと感じました。

最後までお読み頂きありがとうございます。

アニメイトで購入 Bookliveで購入 BOOK☆WALKERで購入

展開まとめ

第1話 冒険の終わり

王都への凱旋と勇者一行の紹介
勇者ヒンメル、魔法使いフリーレン、僧侶ハイター、戦士アイゼンの四人は、魔王討伐を成し遂げ、王都へ凱旋した。城門から王城へ至る大通りでは盛大な歓迎が行われ、王の謁見により世界に平和が訪れたことが宣言された。一行は正式に功績を讃えられ、凱旋の宴が開かれた。

祝祭の広場と戦後の実感
夜の広場では宴が続き、勇者一行の彫像建立の話や、酒と食事を囲む穏やかな時間が描かれた。ヒンメルは冒険の終わりとその後の人生を意識し始め、ハイターは酒を楽しみ、アイゼンは静かに場を見守っていた。フリーレンは周囲の熱狂とは距離を保ちつつ、淡々と宴に参加していた。

十年間の旅の回想
四人はこれまでの旅を振り返り、王への無礼で処刑されかけた出来事、ハイターの二日酔いによる失態、フリーレンがミミックに襲われかけた場面など、数々の失敗や苦労を思い出した。それらは危険と不条理に満ちていたが、同時に仲間として過ごした時間の積み重ねでもあった。

冒険の終結の宣言
城下を見下ろしながら、ヒンメルは四人の冒険が終わったことを明確に告げた。十年という歳月は人間にとって長い時間であり、ハイターやヒンメル自身の変化もその証左であった。一方、フリーレンはそれを「短い間」と表現し、時間感覚の違いが浮き彫りになった。

半世紀流星と未来の約束
夜空には五十年に一度の流星群が現れ、平和な時代の幕開けを象徴する光景となった。フリーレンは五十年後、より美しく流星が見える場所を知っていると述べ、再会を前提とした未来を自然に語った。ヒンメルはそれを受け入れ、再び皆で見ることを約束した。

別れとそれぞれの進路
翌朝、王都城壁の外で一行は別れを迎えた。フリーレンは魔法の収集を続けるため、百年ほど中央諸国を巡る旅に出ると告げ、森へと歩み去った。ヒンメル、ハイター、アイゼンはその背を見送り、エルフにとっての五十年や百年が人間とは異なる重みを持つことを静かに受け止めた。

暗黒竜の角の所在に気づく
フリーレンは人里離れた魔法道具店で「暗黒竜の角」を探すが、店主は近年見ていないと言い、店では扱っていないと告げた。フリーレンは召喚に使う目的を口にしつつ、魔王城で拾った角をヒンメルに預けたままだったことを思い出した。

五十年ぶりの王都の変化
フリーレンは王都へ向かい、街並みが以前と大きく変わったことに気づいた。建物の規模や数が増え、路地も複雑になり、人々の往来や生活の気配が濃くなっていた。フリーレンは記憶を頼りにヒンメルの家を探した。

老いたヒンメルとの再会
背後から名を呼ばれ、フリーレンは杖をついた老人がヒンメルだと知った。外見は大きく老いていたが、口調や雰囲気は変わらず、ヒンメルは五十年ぶりの再会を喜んだ。フリーレンは率直に老いを指摘しつつも、互いの変化と不変を確かめ合った。

ヒンメルの質素な暮らしと角の保管
ヒンメルはフリーレンを自宅へ案内した。家は英雄の住まいにしては質素で、一人暮らしの気配が強かった。フリーレンが暗黒竜の角の件を切り出すと、ヒンメルは「片時も忘れたことはない」と言い、箪笥の引き出しから角を取り出した。箪笥からは邪悪な靄が漏れており、ヒンメルはそれと共に長年暮らしてきたことが示された。

預け物の重さの違い
ヒンメルは角を丁寧に差し出し、フリーレンにとっては軽い預け物でも、自分にとっては大切な仲間から託された大事な品だったと静かに語った。フリーレンはその真剣さに面食らいながらも、角を受け取った。

角の回収と勇者一行の像
フリーレンは広場へ出て使い魔のような大きな鳥を呼び、暗黒竜の角を託して運ばせた。その後、広場に建てられた「勇者一行の像」を見上げ、汚れや傷みが目立つことから、五十年という歳月の重みを改めて実感した。

出発前の身支度と変わらぬ応酬
半世紀流星を見に行く約束の日が近づき、出発の朝を迎えた。ヒンメルは寝室で勇者の剣と外套を眺め、身支度を整えていたが、支度には時間がかかった。フリーレンはその様子を急かし、老いをからかう発言をするが、ヒンメルは身だしなみへのこだわりを崩さなかった。

再集結する勇者一行
王都城門の外で、ハイターとアイゼンが合流した。ハイターは聖都シュトラールの司教となり貫禄を増していたが、陽気な性格は変わっていなかった。ドワーフであるアイゼンは外見にほとんど変化がなく、寡黙な態度も以前のままであった。四人は互いの変化と不変を確かめ合った。

半世紀流星への道行き
フリーレンは流星がよく見える場所まで、約一週間歩く必要があると告げ、そのまま先導した。距離の遠さに三人は呆れつつも従い、森や草原、農地を抜ける短い旅が始まった。それは五十年前と同じ構図の旅路であった。

旅の途中の回想と感慨
高台から広がる景色を眺め、森で獣を狩り焚き火を囲む中で、ヒンメルはかつての冒険を懐かしんだ。新鮮で輝いていた旅の記憶には、常に仲間の存在があったことを語った。魔物との戦いの役割分担など、当時と変わらぬ関係性も確認された。

最後の冒険への感謝
ヒンメルは、四人が再び揃うこの日を長く待ち望んでいたと明かし、フリーレンに感謝を伝えた。この再会と旅が、自身にとって最後の楽しい冒険になったと語った。

流星の夜
四人は低い丘に囲まれた大草原へ到着し、中央の湖のそばで夜を待った。日が沈み、星が瞬き始めると、やがて半世紀流星が出現した。流星は青白く輝き、長い尾を引きながら夜空を横切り、次第に数を増して空一面を光で満たした。その光景は湖面にも映り、草原全体が星に包まれたかのように見えた。

流星を見届ける
ヒンメルはその美しさを静かに言葉にし、流星の輝きを瞳と心に刻み込んだ。五十年前の約束は、この夜、確かに果たされた。

王都教会での葬儀
王都の教会にて、勇者ヒンメルの葬儀が盛大に執り行われた。棺は花で満たされ、ヒンメルは剣を抱いたまま、眠っているかのように穏やかな表情を浮かべていた。献花の列は途切れることなく続き、街の人々の深い敬意と悲嘆が示されていた。

参列者とフリーレンの違和感
棺の傍らにはフリーレン、司教ハイター、アイゼンが立ち、参列者を見守っていた。人々の涙や嘆きを前にしても、フリーレンは感情をうまく共有できず、その様子を見た参列者からは「悲しい顔をしない薄情者」と囁かれた。フリーレンはその言葉に胸を突かれ、自身が人間の感情に寄り添えないことを自覚した。

場を和ませようとするハイターと反発
空気を和らげようとハイターとアイゼンが軽口を叩くが、参列者からは厳しい言葉や花、小石が投げられた。ハイターは冗談めかして受け流し、アイゼンも黙って耐えた。フリーレンはそのやり取りを横目に、棺の中のヒンメルを見つめ続けた。

埋葬と遅れて訪れる実感
葬儀が終わり、追悼の鐘が鳴る中、ヒンメルは王都の墓地に葬られた。棺が土に覆われ、完全に見えなくなったとき、フリーレンの目から自然と涙が溢れた。もうヒンメルと会話することはできないという事実が、ようやく現実として突きつけられた。

知らなかったという後悔
フリーレンは、自分がヒンメルのことをほとんど知らなかったと語った。共に遺跡を巡り、魔物を倒し、酒を飲み、焚き火を囲み、魔王を討った。それでも一緒に旅したのは十年に過ぎない。その短さと、人間の寿命の短さを理解していたはずなのに、もっと知ろうとしなかった自分を悔やみ、涙を止められなかった。

仲間による静かな支え
涙を流すフリーレンの頭をハイターが撫で、アイゼンが背に手を置いた。フリーレンは照れ隠しのように文句を言うが、その行為は言葉のない慰めであった。

翌日の別れと指輪
翌日、王都城門前でフリーレンとアイゼンは、聖都へ戻るハイターを見送った。フリーレンは、かつてヒンメルから贈られた鏡蓮華を模した指輪を指で弄び、胸元にしまった。ハイターは二人の顔をよく見るよう求め、これが最後になるかもしれないと冗談めかして告げた。

死を恐れない理由
体調の話題から、フリーレンはハイターに死が怖くないのかと尋ねた。ハイターは、自分たちは世界を救った勇者パーティーであり、死後は天国で報われると笑って答えた。その資格は仲間と共に戦ったからだと語り、軽口を交わしたまま馬車に乗り込んだ。

それぞれの道へ
ハイターは別れの挨拶を残し、馬車は走り去った。フリーレンとアイゼンはその背を見送り、勇者の時代が確実に過去になったことを、静かに受け止めていた。

ハイターとの別れの言葉
馬車に乗り込んだハイターは、聖都に用事があれば自分の墓に酒を供えてほしいと冗談めかして語った。フリーレンは死が怖くないのかと尋ねるが、ハイターは世界を救った勇者一行である自分たちは死後に報われると笑って答えた。その理由は、仲間と共に戦った事実にあると明言した。

馬車の出発と見送り
ハイターは「お先に」と告げて馬車に乗り込み、別れの挨拶を交わした後、馬車は王都を離れていった。フリーレンとアイゼンは、その姿が見えなくなるまで黙って見送った。

旅立ちの宣言
馬車を見送った後、フリーレンはいつものトランクを手に、そろそろ自分も行くとアイゼンに告げた。目的は魔法収集の旅であるが、それだけでなく、人間をもっと知るための旅であると明確にした。それはヒンメルの死を経て生まれた結論であった。

同行の依頼と拒否
フリーレンは、自分が魔法職であるため強力な前衛が必要だとして、アイゼンに同行を頼んだ。しかしアイゼンは即座に断り、もはや斧を振れる年齢ではないと語った。その言葉どおり、彼の老いは外見にもはっきり表れていた。

老いの現実と受け止め
アイゼンは落ち込むフリーレンを気遣い、人生は衰えてからの時間のほうが案外長いものだと諭した。かつて屈強だった腕が細くなったことを目にしたフリーレンは寂しさを覚えるが、それを隠すように小さく微笑んだ。

それぞれの道へ
フリーレンはアイゼンに別れを告げ、二人は互いに背を向けて歩き出した。右と左に分かれる二人の間を、風が草木を揺らしながら静かに通り過ぎていった。

第2話 僧侶の嘘

森での再会と変わらぬ関係
勇者ヒンメルの死から二十年後、フリーレンは聖都シュトラール郊外の森で、かつての仲間である僧侶ハイターの住まいを訪れた。道に迷う彼女を案内したのは、人間の少女フェルンであった。再会したハイターはすでに老境にあり、酒を断ち、静かな生活を送っていたが、フリーレンとの軽口混じりのやり取りには、かつてと変わらぬ距離感が残されていた。

フェルンの素性とハイターの選択
ハイターはフェルンが南側諸国の戦災孤児であることを明かした。フリーレンは、彼が本来ヒンメルのように積極的に人助けをする性格ではないと指摘するが、ハイターは多くを語らず、ただ微笑むのみであった。この描写は、ハイター自身の内面の変化と、時間の経過を静かに示していた。

弟子の依頼と拒絶
ハイターはフリーレンに対し、フェルンを弟子として旅に連れていってほしいと頼んだ。フェルンには魔法使いとしての素質があると見抜いていたからである。しかしフリーレンは、実戦における見習い魔法使いの死亡率の高さを理由に、その願いを拒絶した。友人から預かった子を死地に送ることはできないという、彼女なりの誠実さが示された。

地下書庫と魔導書の正体
弟子の件を断られたハイターは、別の頼みとしてフリーレンを地下書庫へ案内した。そこで示されたのは、賢者エーヴィヒの墓所から出土した古い魔導書であり、失われたとされる死者の蘇生や不死の魔法が記されている可能性があるというものであった。フリーレンは魔法の実在性には懐疑的であったが、暗号化された書物の解読自体は引き受けると述べ、五、六年という長い時間を要することを示唆した。

ハイターの本音と時間への執着
なぜ不死や蘇生に関心を持つのかと問われ、ハイターは二つの理由を語った。ひとつは、かつて仲間の前で格好をつけていたこと。もうひとつは、年を重ねるにつれ、以前より死が怖くなったことだった。永遠を望むわけではなく、ほんの少しでも生きる時間が欲しくなったという告白は、老いと人間らしい弱さを静かに浮かび上がらせていた。

解読の条件と小さな譲歩
階段を上がりながら、ハイターは最後の頼みとして、魔導書の解読の片手間でフェルンに魔法を教えてほしいと願い出た。僧侶である自分には教え方が分からないという理由からであった。フリーレンはしばし考えた末、その程度なら構わないと答え、この出会いが後の旅路につながる静かな起点となった。

断崖での修行と再会
森の中で魔法の修行をしているフェルンを探し、フリーレンは断崖の縁で彼女を見つけた。フェルンは存在感が薄く、フリーレンでさえ見つけるのに苦労したと語られる。その特性は敵に察知されにくいという利点でもあった。

魔力操作の評価
フェルンは、ハイターから「一番岩を打ち抜けば一人前」と言われていると明かし、実際に攻撃魔法を放つ。しかし魔力は途中で離散し、岩には届かなかった。フリーレンはその現象を見て、魔力操作の卓越性と同時に、威力と持続力の不足を見抜いた。

修行方針の確認
フリーレンは修行内容を示す前に、フェルンに魔法が好きかどうかを尋ねる。フェルンは「ほどほど」と答え、フリーレンは自分と同じだと微笑んだ。長距離魔法には、魔力量、打ち出す力、制御力の三要素が必要であり、フェルンは制御力に関しては非常に高い水準にあると評価された。

日常に組み込まれる修行
二人は川へ移動し、釣りをしながら魔法の理論を語り合う。魔力量と威力は短期間で補えるものではなく、年単位の積み重ねが必要であることが説明された一方、制御力については過度な心配は不要だと伝えられた。

三人で過ごす年月
フリーレンはハイターの家で暮らしながら、昼はフェルンの修行を見守り、夜は賢者エーヴィヒの墓所から出土した魔導書の解読を進めた。フェルンが料理を担当し、食卓では修行の話が交わされる穏やかな日々が続いた。

季節の移ろいと成長
春夏秋冬が何度も巡り、フェルンの髪は伸び、身長も大きく成長した。雪だるまを的にした魔法訓練や、水面に座って魔力を乱さない瞑想修行など、修行内容は次の段階へ進んでいった。

評価と懸念
ハイターはフェルンの修行の進捗を尋ね、フリーレンは常人なら十年かかる道を四年で越えたと評価する一方、打ち込みすぎであることを懸念した。それでも一人前になるのはまだ先であり、魔導書の解読の方が先に終わるだろうと語った。

不穏な転倒
魔導書の解読について話そうとした矢先、背後で重たい音が響く。振り返ると、ハイターが床に倒れ、意識を失っていた。静かに積み重ねられてきた時間が、ここで不意に断ち切られる場面である。

嵐の夜とハイターの限界
嵐の中、ハイターは倒れたのち一度は意識を取り戻したが、「今まで動けていた方が奇跡だ」と弱々しく告げた。フリーレンは感情を表に出さず、魔導書の解読を急ぐとだけ返し、状況の切迫を受け止めた。

修行中止の命令とフェルンの拒絶
フリーレンは森の断崖へ向かい、暴風雨の中でも一番岩を狙い続けるフェルンを見つけた。ハイターが倒れたため修行を中止し看病に戻るよう告げるが、フェルンは「いずれでは駄目」と譲らず、打ち抜けないままでは間に合わないという焦りを露わにした。

「一人前」への執着の理由
フェルンは、修行への執着が単なる魔法好きではなく、ハイターへの恩返しであると明かした。ハイターは自分が先に死ぬことを恐れており、フェルンが一人で生きる術を身につけることこそが返礼だとフェルンは考えていた。

フェルンの過去とハイターの言葉
戦災で家族と住まいを失った幼いフェルンは、崖から身を投げようとしていた。そこで出会ったハイターは、亡くした友人の記憶や学んだ勇気まで消えることを恐れていると語り、「大切な思い出があるなら死ぬのはもったいない」と諭した。フェルンはその言葉で踏みとどまり、生き延びた意味を自分で形にすると決めた。

フリーレンの承認と方針転換
フェルンは「救ったことを後悔してほしくない」と断言し、魔法使いであれ何であれ一人で生きる力を得るのが恩返しだと述べた。フリーレンは教えたことを覚えているか確認したうえで、「好きにすればいい」と背中を押し、フェルンの決意を尊重した。

加速する解読と修行の成熟
以後、ハイターは寝たきりに近い状態となり、フリーレンは地下室で魔導書解読に没頭した。同時にフェルンも修行をさらに研ぎ澄まし、気配と魔力の制御は安定し、水面ぎりぎりでの制御でも乱れをほとんど生まない域へ到達していった。

一番岩へ向けた完成形の一撃
フェルンはついに断崖へ立ち、魔力を練り上げ、宙に魔法陣を展開して中心から強い光を放った。これまで届かなかった一撃が、完成形へ踏み込んだことを示す場面で締められた。

魔導書解読の結末
フリーレンは魔導書の解読を終え、その成果を紙束にまとめてハイターのもとへ持参した。しかし、死者蘇生や不死に関する魔法は一切記されていなかった。ハイターはそれを当然のこととして受け止め、死への恐怖があるならば賢者エーヴィヒ自身が使っていたはずだと語った。

時間稼ぎとしての解読依頼
ハイターはフェルンの成長について尋ね、彼女が一人前に達したと聞いて安堵する。フリーレンはここで、魔導書解読を依頼した本当の理由が、フェルンが成長するまでの時間稼ぎであったことに気づいた。かつてフェルンを旅に連れて行くことを断られたハイターは、この方法で状況を変えたのである。

別れを急がせる理由
ハイターは解読の手間賃を残し、今夜中に旅立つようフリーレンに告げた。自分の命が長くないことを自覚しており、フェルンにこれ以上「大切な人を失う経験」を重ねさせたくなかったからである。台所で夕食を作るフェルンの成長した姿が、その決意を裏付けていた。

フリーレンの叱責と涙
フリーレンは、フェルンはすでに別れの覚悟ができていると告げ、ハイターが死ぬまでにすべきことは、きちんと別れを告げ、できる限り多くの思い出を残すことだと諭した。その言葉は戦災で突然両親を失ったフェルンの過去を踏まえたものであり、フリーレン自身も涙をこぼした。

フェルンを救った理由
去り際にフリーレンがフェルンを救った理由を問うと、ハイターは勇者ヒンメルの姿を思い出していたと明かした。困っている人を見捨てず、同じ目線で寄り添う。その行動こそが、ハイターが選んだ答えであった。フリーレンもそれに納得した。

修行の成果と決意の継承
フリーレンは一人で崖を訪れ、フェルンが打ち抜いた一番岩を目にした。そこに刻まれた大きな穴は、恩返しのために積み重ねられた努力の証であった。ハイターの「勇者ヒンメルならそうした」という言葉を受け、フリーレンも同じ選択をすると独りごちた。

葬儀と旅立ち
ハイターは聖都シュトラールで葬られ、墓地に埋葬された。墓前でフリーレンとフェルンは彼の好んだ酒を注ぎ、別れを告げる。フェルンは恩を返せたことへの感謝を伝え、フリーレンは「してやられただけだ」とぼやきながら、さらに一本酒を供えた。

新たな旅の始まり
すべてを終えたあと、フリーレンはフェルンに告げる。「じゃあ、行こうか」。こうして二人は、冒険者としての旅へと歩み出した。静かで、どうしようもなく大きな区切りである。

第3話 蒼月草

再会と依頼の背景
勇者ヒンメルの死から二十六年後、中央諸国ターク地方にて、**フリーレンフェルン**は農村の収穫作業を魔法で手助けし、民間魔法の記録を報酬として受け取っていた。派手さはないが、人々の生活に根ざした仕事を淡々とこなす旅が続いていた。

民間魔法への嗜好
報酬として得たのは「温かいお茶が出てくる魔法」など、実用的で地味な魔法であった。フリーレンはこうした民間魔法を好んで集めており、銅像の錆を落とす魔法や葡萄を酸っぱくする魔法など、冒険の役には立たないが生活に寄り添う魔法を記録していた。フェルンはその趣味に呆れつつも、フリーレンが魔法そのものを愛していることを理解し始めていた。

薬草家の頼みと森の銅像
村で出会った薬草家の老婦人から、森の中にある銅像を見てほしいと頼まれる。そこに立っていたのは、かつて村を魔物から救った**勇者ヒンメル**の像であった。しかし像は錆び、蔦に覆われ、村人からも忘れられた存在となっていた。

過去の記憶と語られる英雄像
薬草家は幼少期、魔物に襲われた際にヒンメルに救われた記憶を語る。命懸けで戦い、恐怖の中にいた彼女に手を差し伸べた英雄の姿は、今も鮮明に残っていた。一方でフリーレンは、ヒンメルが像の制作時に十八時間もポーズで悩み、職人を激怒させた過去を淡々と思い出し、英雄像の裏側を冷静に語った。

像の修復と現在への応答
フリーレンとフェルンは魔法を使い、銅像の錆を落とし、雑草を取り除き、像を輝かせる。英雄を称えるためではなく、過去に確かに存在した行為と記憶を、現在に繋ぎ直すための行動であった。薬草家は修復された像を見て感激し、長年胸に抱えていた思いが報われたことを実感した。

静かな別れと継承されるもの
作業を終えた二人は森を後にし、再び旅へ戻る。フリーレンは英雄の行為が語り継がれず、像だけが残った現実を受け止めつつ、それでも「片づける」ことを選んだ。英雄の時代は終わったが、その余波は民間魔法や小さな善意として、静かに今も残り続けているのであった。

銅像修復と花の話題
フリーレンは魔法によってヒンメルの銅像の錆を完全に落とし、薬草家から感謝を受けた。像の周囲に彩りが欲しいという話題から、フェルンは「花畑を出す魔法」の使用を提案する。しかしフリーレンは即座に適当な花を出すことを避け、過去の記憶を思い起こした末、蒼月草の名を挙げた。
その花は、かつて**ヒンメル**の故郷に咲いていたとされる花であったが、フリーレン自身も実物を見たことがなかった。

蒼月草という存在
フェルンが花の性質を尋ねると、フリーレンは「知らない」「見たことがない」と率直に答えたうえで、それでも蒼月草を選んだ理由がヒンメルに由来することを明かした。
しかし魔法で再現するには実物を知らなければならず、この時点では花畑の魔法は使われなかった。

薬草家の家と失われた花
二人は薬草家に自宅へ招かれ、森の奥に建つ一軒家で蒼月草の図鑑を見せてもらう。薄青い花弁を持つ可憐な一輪の絵が描かれており、薬草家はその名を懐かしむように語った。
かつて森の奥には群生地が存在したが、蒼月草はすでに絶滅しており、この大陸での目撃例は何十年も前を最後に途絶えていた。

シードラットとの遭遇
室内では、種袋を荒らす小動物が二匹見つかる。それは種を食べる害獣シードラットであった。フェルンは密かにそれらをローブに隠すが、フリーレンに見抜かれ、正体を明かすことになる。
フェルンは害獣であっても殺さず、森へ返すことを選び、二匹を自然へと放した。

蒼月草探索の決意
蒼月草が絶滅していると知りながらも、フリーレンは探索を始めることを決める。フェルンは無駄足ではないかと疑問を抱くが、フリーレンは「探す価値はある」と断言した。
実物を見つけ、分析できれば、蒼月草の花を咲かせる魔法を得られる可能性があると語る。その動機について問われると、ヒンメルのためではなく「きっと自分のためだ」と答えた。

果てのない探索の日々
二人は村の宿に滞在しながら、広大な森と周辺の草原を探索する。犬のような亀の背に植物が群生する魔物を調べたり、薬草家の蔵書を読み尽くしたりしながら、似た特徴を持つ植物をいくつも見つけるが、蒼月草とは一致しなかった。
季節は移ろい、夏の盛りとなっても探索は続いた。薬草の運搬や調合作業を手伝い、食料を買って森へ入り、疲れれば草の上で休むという単調な日々が積み重ねられていった。

時間の流れと花の移ろい
晴天の空を流れる雲や舞う蝶を眺め、数え切れないほどの花が咲いては散っていく様子を目にしながら、二人は歩き続けた。花は一時の主役として咲き、やがて次の花へと場所を譲って消えていく。
その繰り返しの中で、蒼月草だけが見つからないまま、探索の時間だけが静かに積み重なっていった。

半年間の空振りと探索方針の変更
蒼月草を探し始めて半年が経過し、フェルンは成果のない探索と泥だらけの毎日に疲弊していた。フリーレンは淡々と探索範囲を広げると言い、噛み合わない温度差がフェルンの落胆を深めていた。

薬草家への相談とフェルンの不満の吐露
フェルンは薬草家の家を訪ね、蒼月草が見つかる見込みについて問い返した。彼女は「フリーレンの魔法への執着は異常で、このままでは何年でも探し続ける」と危惧し、多くの人を救える力を無為に使うべきではないと訴えた。薬草家はその焦りを「若い」と受け止めつつ、考え自体は否定せず、気持ちは素直に伝えれば通じるはずだと諭した。

代替案としての“種”とフリーレンへの直訴
薬草家は布袋に入った近縁種の種を渡し、蒼月草の代わりにヒンメルの像の周りへ植える案を示した。森の日だまりでフェルンはフリーレンに不安と提案をぶつけ、フリーレンは黙って聞いた上で「わかった」と受け止め、心配をかけたこと、独りの時間ではなかったこと、潮時であることを語った。

“もう少し”の衝突とシードラットの介入
フリーレンは「もう少し探したら切り上げる」と言い、フェルンは「もう少し」が何年単位になるのかと反発しかけた。そこでフリーレンは静止の合図を出し、布袋を開けて種を盗もうとするシードラットの存在を示した。フェルンの声に驚いたシードラットは布袋ごと逃走し、フリーレンは追跡を提案した。

追跡魔法と“趣味”という答え
足跡を追う魔法で青白く光る痕跡を辿り、二人は森の奥へ踏み込んでいった。道中フェルンは「なぜ魔法を集めるのか」と問うが、フリーレンは「ただの趣味」と言い切り、以前はもっと無気力に生きていたとだけ付け加えた。

花畑の記憶とヒンメルの花冠
フリーレンはかつてヒンメル一行と旅した折、荒廃した教会跡で花畑を出す魔法を使った出来事を思い出していた。色とりどりの花に浮かれるハイターとアイゼンを見てフリーレンは「気持ち悪い」と呟いたが、ヒンメルは笑みを浮かべ、彼女の頭に花冠を載せていた。

蒼月草を追う理由
フリーレンは森でシードラットの足跡を追いながら、自身が蒐集してきた魔法を褒めてくれた存在がいたことを語った。それがすべてであり、理由としては取るに足らないものだと自嘲するが、その言葉には過去への微かな執着が滲んでいた。

石造りの塔と花弁の正体
森を抜けた先には円筒形の石造塔が立ち、シードラットは外敵のいない高所に餌を隠していた。塔の周囲に舞い落ちた薄青の花弁を見て、フェルンはそれが蒼月草である可能性に気づいた。蒼月草は安全な場所にのみ根付く花であった。

賢さと忘却
シードラットは賢いようでいて、餌を複数箇所に隠すため埋めた場所を忘れる性質を持つ。フリーレンはその様子を説明しつつ、飛行魔法で塔の上へと向かった。その行動は、過去の記憶をなぞるような静かなものだった。

ヒンメルの記憶
塔の頂を目指す中で、フリーレンはかつてヒンメルから蒼月草について語られた日のことを思い出していた。彼は故郷の花としてその美しさを誇り、いつか見せたいと語っていたが、フリーレンは曖昧な返事を残したまま歩き出していた。

満開の蒼月草
塔の頂上には、空を切り取ったかのような蒼月草の花畑が広がっていた。薄青の花々は風に揺れ、一斉に花弁を舞い上げる。その光景を前に、フリーレンは遅れてしまったことをヒンメルに詫びるようにつぶやいた。

魔法を選んだ理由
フェルンは、なぜそこまで魔法に執着するのか理解できないと率直に問いかけた。フリーレンは、フェルン自身もまた魔法を選んだのだと指摘する。生きるための手段は他にもあったが、それでも魔法を選んだ事実に、フェルンは自らの過去を思い出した。

記憶と選択の肯定
幼い頃、初めて魔法を使った夜の記憶がフェルンの中に蘇った。青白い光と舞う魔法の蝶、その美しさに見とれた時間と、見守る者の笑顔。フェルンは、自身が魔法を選んだ理由を受け入れ、静かに微笑んだ。

蒼月草の花畑と銅像
フリーレンは森に立つヒンメルの銅像の周囲に蒼月草の花畑を出現させた。薬草家はその光景に感激し、再びこの花を見られたことに感謝を述べた。フリーレンは得意げに、この像が忘れられずに済むと語った。

花冠と旅の再開
フリーレンは蒼月草で花冠を作り、ヒンメルの銅像の頭にそっと載せた。それを見た周囲は微笑み、穏やかな時間が流れたのち、フリーレンとフェルンは再び旅立つことを決め、静かにその場を後にした。

第4話 魔法使いの隠し事

交易都市ヴァルムへの到着
勇者ヒンメルの死から二十七年後、フリーレンとフェルンは、港と交易で栄える中央諸国の都市ヴァルムに到着した。宿で一夜を明かした二人は、物資補充のため街へ出ることになる。

手分けしての買い出しと違和感
フリーレンは「手分けして旅の物資を補充しよう」と提案するが、必需品の大半を任されるのはフェルンであった。フリーレンが口にした「薬草」という言葉に、フェルンは長年の付き合いから違和感を覚える。これは、彼女が何か余計なものを買おうとしているときの典型的な態度であった。

尾行の開始と意外な行き先
フェルンは警戒しつつ、フリーレンを尾行する。フリーレンは街を歩き、広場の露店にあるアクセサリーショップの前で足を止める。おしゃれに無関心と思われていた彼女が、真剣な表情で装飾品を選び続ける姿に、フェルンは困惑する。

異様なまでの熟考と時間経過
フリーレンは長時間、アクセサリーを前に悩み続ける。その様子は汗をかくほど必死であり、フェルンがこれまで見たことのない表情であった。待ち時間の間、フェルンは猫と戯れ、街の風景や潮の香りを感じながら時間をやり過ごす。

購入とさらなる追跡
ようやくフリーレンは一つのアクセサリーを購入し、大切そうに箱を抱えて歩き出す。フェルンは「変な骨や薬よりはまし」と自分を納得させつつ、引き続き後を追う。

スイーツへの執着と酒場への侵入
フリーレンは通りすがりの男に「美味しいスイーツの店」を尋ね、怪しげな地下の酒場を教えられる。見た目に反して彼女は躊躇なく酒場に入り、荒くれ者たちに堂々とスイーツの店を尋ねる。男たちは意外にも冒険者であり、スイーツへの情熱を語りつつ、親切に情報を提供した。

夕暮れと取り残された目的
酒場を後にしたフリーレンは、迷うことなく歩き出す。その進路が宿の方向であること、そして空が夕焼けに染まり始めていることにフェルンは気づく。尾行に夢中になるあまり、自身の買い出しがまったく進んでいない現実を、ここでようやく自覚するのであった。

交易都市ヴァルムでの買い出しと違和感

交易都市ヴァルムを訪れたフリーレンとフェルンは、旅の物資補充のため街へ出る。フリーレンの提案で二人は手分けして行動するが、フェルンはフリーレンの言動に違和感を覚える。薬草を買うと言いながら視線を逸らすその態度は、長年の付き合いから「何かを隠している時の顔」であると察せられた。

フリーレンの尾行とアクセサリーショップ

フェルンはこっそりとフリーレンを尾行し、広場のアクセサリーショップで真剣に悩む姿を目撃する。普段おしゃれに無関心なフリーレンが、異常なほど時間をかけて商品を選ぶ様子に、フェルンは戸惑いを覚える。やがてフリーレンは一つのアクセサリーを購入し、大事そうに持ち歩き始めた。

スイーツを求めて酒場へ

その後フリーレンは街の男にスイーツの店を尋ね、怪しげな地下酒場へ向かう。荒くれ者が集う場所でありながら、彼らは意外にも親切にスイーツ事情を語り、冒険者にとって甘いものが活力であることを明かす。フリーレンは情報を得て酒場を後にするが、フェルンは買い出しが全く進んでいないことに気づき、焦りを募らせる。

宿への帰還と甘いものへの誘い

大急ぎで買い出しを終えたフェルンは宿へ戻り、遅れたことを詫びる。フリーレンは夕焼けの海を眺めた後、「たまには甘いものでも食べに行こう」と提案し、二人は丘の上のカフェテラスへ向かう。そこは港と街を一望できる特等席であった。

疑いと後悔、そして選択

フェルンはフリーレンを疑っていたことを詫びるが、フリーレンは気にしていない様子を見せる。メニューを前に、フェルンはフリーレンの好みを言い当て、「メルクーアプリン」を選ぶ。その言葉に、フリーレンはかつてヒンメルが同じように自分の好みを理解していた過去を思い出す。

理解されることと、理解しようとすること

フリーレンは「自分は人のことがわからない」と語り、フェルンに謝罪する。そして、フェルンの好みがわからないからと、用意していた贈り物を差し出す。その日はフェルンの十六歳の誕生日であり、箱の中には蝶を模した精巧な髪飾りが入っていた。

誕生日の贈り物と感情のすれ違い

夕日の光を受けて輝く髪飾りを前に、フェルンは心から喜びを示す。「あなたが私を知ろうとしてくれたことが嬉しい」とはっきり言葉にし、フリーレンの鈍さを指摘する。フリーレンはその言葉の意味を完全には理解できず、人の感情の難しさを改めて突きつけられる。

旅の目的と時間の重み

翌朝、二人はヴァルムを後にする。フェルンの問いに対し、フリーレンは「特に目的はなく、魔法収集の旅」だと答えつつ、ヒンメルたちとの冒険の痕跡を辿りたいと語る。風化し、忘れられていくものを、知ろうとするための旅であると。

成長と変わらない距離

歩きながら、フリーレンはフェルンの成長に気づき、身長を追い越されたことを実感する。フェルンは「もう十六ですから」と微笑み、自分を姉だと名乗る。食べているものは同じなのに、と不思議がるフリーレンの独白で、静かに章は締めくくられる。

第5話 人を殺す魔法

防御魔法の特訓と“応用”の洗礼
勇者ヒンメルの死から二十七年後、中央諸国グレーセ森林の奥で、フェルンはフリーレンから防御魔法の特訓を受けていた。フェルンは攻撃魔法を正面で受け止める盾を瞬時に組み上げ、直撃だけは確実に防いでみせたが、光が左右へ逃げて地面を抉る破壊力も同時に突き付けられた。

背後を取る攻撃と判断の問い
フリーレンは「応用」として、直進する攻撃魔法の軌道を曲げ、盾を越えて背後から襲わせた。寸前で霧散したとはいえ、模擬戦でなければ死んでいたと告げられ、フェルンは恐怖で座り込んだまま対処を迫られた。さらに分裂した攻撃が四方八方から曲射で殺到し、フェルンは防御を球状に変えて自分の周囲を覆い、ひたすら耐える選択を取った。

強力だが燃費最悪な防御魔法の現実
連続攻撃を受け続けたフェルンは限界まで消耗し、フリーレンはそこで訓練を切り上げた。移動中、フリーレンは防御魔法が強力な反面、広範囲展開を続けると数十秒で魔力切れになりうると教えた。フェルンは「着弾の瞬間に部分展開」が正解だと理解しつつも、防御練習ばかりだとこぼし、フリーレンは生存率に直結すると言い切った。

魔法史の本を読まない弟子への小言
橋を渡る場面で、フリーレンはフェルンが渡された魔法史の本を読んでいないことを見抜き、実践だけが魔法ではないと諭した。寝る前の読み聞かせまで言い出すフリーレンに、フェルンは子ども扱いを拒んで自分で読むと返したが、図星の気配は濃かった。

目的地の村と“封印”の話
森を抜けて辿り着いた小さな村で、フェルンは変な魔法収集のためかと疑ったが、フリーレンは今回は違うと答えた。村人たちはエルフで白髪のフリーレンに驚き、年老いた男が彼女をフリーレン本人だと見抜いた。老人は「クヴァールの封印場所」へ案内すると申し出て、クヴァールが八十年前にこの地で暴虐を尽くした魔族であり、ヒンメル一行が封印したのだと説明した。

ヒンメルの来訪と解けかけた封印
フリーレンは封印が近く解けるため討伐に来たのに、誰にも知らせていないはずの情報をなぜ知るのかと不思議がった。老人は、三十年ほど前までヒンメルが毎年のように村を訪れ封印の様子を確かめていたこと、さらに「フリーレンは薄情者だ」と茶をすすりながら語っていたことまで明かした。とはいえヒンメルは、封印が解けるころにはフリーレンが来ると信じていたという。

腐敗の賢老クヴァールの威容と翌日の決断
村の裏手の丘で見たクヴァールは、片膝をついたまま石のように固められ、砂が吹き付けたような色で巨大な体躯を晒していた。触れた部分から砂のような崩れが落ち、封印が不安定だと分かったため、フリーレンは明日にでも封印を解いて片づけると宣言した。

“人を殺す魔法”の正体と、明日分かること
夜、宿でフェルンは「なぜ封印したのか」と尋ね、フリーレンは単純にクヴァールが強すぎて勝てなかったからだと語った。クヴァールは魔王軍屈指の魔法使いであり、史上初の貫通魔法、いわゆる“人を殺す魔法”を開発した存在だった。それは防御魔法も装備の耐性も貫通し、人体を直接破壊するため、この地方では多くの冒険者や魔法使いがそれで命を落としたとされる。フェルンが強すぎると震えると、フリーレンは「強すぎたからこそ仇になった」と示唆し、魔法史を読んでいないことを咎めつつも、今夜は睡眠を優先し、どうせ明日には分かるとだけ告げた。

封印解除とクヴァールの復活
翌朝、フリーレンとフェルンは封印場所へ赴き、フリーレンが「封印を解く」と告げた。石化のような状態から色艶が戻り、クヴァールは巨大な体を起こして「久しいのう、フリーレン。何年経った?」と問うた。フリーレンは「八十年」と即答し、クヴァールは「魔王様は?」と続けたため、フリーレンは「殺した」と短く返した。

“人を殺す魔法”の一撃と防御の成立
クヴァールは敵討ちを宣言し、左手に溜めた魔力を放って「人を殺す魔法(ゾルトラーク)」を撃った。眩い光が地面を抉ったが、フリーレンの指示どおりフェルンが前方に展開した防御魔法が直撃を防いだ。クヴァールは防御術式を観察し、高度さに興味を示した。

ゾルトラークの“格下げ”と時代の変化
フェルンは今の攻撃が「一般攻撃魔法」であると説明し、状況の齟齬に困惑した。フリーレンは、ゾルトラークこそクヴァールが編み出した“人を殺す魔法”であり、封印後に大陸中の魔法使いが解析した結果、数年で体系に組み込まれ、防御術式や装備の耐性向上によって“特別な殺傷魔法”ではなくなったと語った。

防御魔法の弱点露呈と消耗戦への誘導
クヴァールは防御の仕組みを読み取り、魔力消費の重さを示唆しながら、無数の攻撃魔法を連射してフェルンの魔力切れを狙う消耗戦に持ち込んだ。フェルンは小さな防御単位で弾き続けたが、次第に単位が破砕し、ついには三重の盾を張って耐える展開となった。

フリーレンの奇襲と決着
追い詰められたフェルンの背後で、フリーレンは素早く後退して上空へ移動し、クヴァールの頭上から魔法陣を展開した。フリーレンは最大出力の“人を殺す魔法”を放ち、クヴァールの身体の大半を瞬時に消し飛ばして霧散させた。

村への帰還と麦わら帽子の正体
クヴァール消滅後、二人が村へ知らせると村人は大喜びし、フリーレンは次々と感謝を受けた。老人が「これで平穏に暮らせます」と礼を述べる中、フリーレンは麦わら帽子に見覚えを覚え、帽子を被せて顔を確かめた結果、八十年前にスカートめくりをした少年が老人になった存在だと気づいた。

ヒンメルの言葉と“直接ではない感謝”
荷馬車で送られる道中、フェルンは「感謝されていた」と述べたが、フリーレンは「直接の感謝じゃない」と答えた。村人が信じて待っていたのはヒンメルの言葉であり、その信頼が今の礼へ繋がっているとフリーレンは捉えていた。フェルンは「ヒンメルはフリーレンを信じていた」と静かに補い、フリーレンはそれ以上語らず、ふいにフェルンの頭を撫でて荷馬車の揺れに身を任せた。

第6話 新年祭

海峡の村と船の墓場
勇者ヒンメルの死から二十八年後、フリーレンとフェルンは中央諸国グランツ海峡に面した村を訪れた。そこは航行の難所であり、難破船の残骸や漂流物が大量に打ち上げられた海岸が広がっていた。かつては村総出で整備されていたが、人手不足により放置され、透明だった海は失われていた。

偽物の魔導書と仕事の受諾
村長は報酬として古い魔導書を差し出し、それが大魔法使いフランメの著書であると語った。フリーレンはそれが出来の悪い偽物であると即座に見抜いたが、清掃の仕事を引き受けた。困っている村人のためであると同時に、それはフリーレン自身のための選択でもあった。

三か月に及ぶ海岸清掃
フリーレンとフェルンは冬を迎えるまで村に滞在し、毎日海岸の清掃を続けた。魔法で難破船の材木や漂流物を集め、燃やし、片づける単調な作業の繰り返しであった。村人たちは二人を気遣い、フェルンは次第に村の生活に馴染んでいった。

フェルンの献身と日常
宿ではフリーレンは相変わらずだらしなく眠り続け、フェルンが起こし、食事をさせ、服を着せ、身支度を整えていた。フェルンは自分が完全に保護者の役割を担っていることを自覚しつつ、それを受け入れていた。フリーレンは一人でもできると主張しながらも、実際にはフェルンに支えられていた。

過去の旅と一度きりの叱責
作業の合間、フェルンは勇者一行との旅について尋ねた。フリーレンは寝坊で怒られたことが一度だけあったと語り、それはヒンメルたちの寛容さによるものだったと振り返った。その「一度だけ」という事実が、彼女の記憶に強く残っていることが示された。

新年祭と日の出の意味
村では新年祭の日に、透き通った海に反射する日の出を見る習慣があった。村長は清掃を新年祭までに終え、フリーレンにも日の出を見てほしいと願っていた。フリーレンはかつてこの村を訪れていたが、その時は寝坊して日の出を見逃していた。

残された時間と急ぎの作業
清掃の終盤、巨大な難破船の骨組みが現れ、二人は時間がないことを意識しながら作業を急いだ。形を保った船を慎重に解体し、積み荷を運び出す中で、白骨化した遺体や空の宝箱を目にし、海岸が積み重ねてきた時間と死を実感することとなった。

海岸清掃の完了と海の回復
新年祭前日、フリーレンとフェルンは難破船の撤去と焼却を終え、海岸を元の美しさへ戻していた。村長を呼んで完了確認を行い、フェルンは海水を魔法で球状にして夕日に透かし、水質まで透明で問題ないことを確かめた。

新年祭参加の即答とフェルンの困惑
村長は礼を述べ、ついでに新年祭への参加を勧めた。フリーレンは即答で参加を受け入れ、フェルンは「日の出前に起きる」難易度を思い出して正気を疑った。フリーレンは徹夜するから大丈夫だと言い、興味があるわけではなく「見て確かめる」ためだと言い切った。

過去の新年祭とヒンメルの言葉
その夜、フリーレンは眠るフェルンの傍らで、かつてヒンメルたちとこの村に立ち寄った時を思い出していた。新年祭に参加しなかったフリーレンをヒンメルが問い詰め、酒で寝込んだハイターの件も絡めつつ、皆が「一緒に楽しんでほしかった」のだと告げた。フリーレンが日の出を退屈だと返しても、ヒンメルは「君はそういう奴だから」と断じていた。

当日の寝坊と“お母さん”業務の再開
そして新年祭の朝、案の定フリーレンは熟睡していた。フェルンは叩き起こして着替えさせ、半ば引きずる勢いで会場へ急いだ。フリーレンは寝言でフェルンに礼を言い、フェルンは呆れつつも少し笑っていた。

日の出の光と、楽しさの正体
崖の上には村人が集まり、海と空の境から朝日が昇って海面がきらめいた。フリーレンは「きれいだが早起きしてまで見るものではない」と思い、帰って二度寝しようとしかけたが、フェルンは目を輝かせて見入っていた。フリーレンはただの日の出だと言いつつ、フェルンが笑っているから自分も少し楽しそうに見えるのだと気づき、独りではこの景色に辿り着けなかったと認めた。フェルンは当然だと言い返し、フリーレンは一人では起きられないのだと釘を刺された。

第7話 魂の眠る地

アイゼンの小屋と二つの墓
中央諸国ブレット地方。ドワーフの戦士アイゼンは、自身が住む小屋の前に並ぶ二つの墓石を前にしていた。そこはかつて勇者ヒンメル一行が旅の途中で立ち寄った場所であり、八十年ほど前の記憶が呼び起こされていた。墓は日当たりのよい場所に静かに並び、素朴な佇まいを保っていた。

祈りをめぐる価値観の違い
墓を前に、僧侶ハイターは自然に膝をつき、祈りを捧げた。人は死ねば無に還ると考えるアイゼンはその行為に戸惑いを示したが、ハイターは「天国へ行くのだ」と語った。フリーレンは、数千年前は無に還るという考えが主流であり、ドワーフが伝統を重んじるのも自然だと補足したうえで、死後の魂の実在は魔法技術的に証明できないと冷静に述べた。

天国は“都合のいい考え”であるという肯定
議論に割って入ったヒンメルは、どちらでも構わないと軽く受け止めた。ハイターもまた、天国の実在そのものより、「あるべきもの」だと考える姿勢を示した。必死に生きた人間の行き着く先が無であってよいはずがなく、天国で報われていると思ったほうが都合がいいのだと語った。その言葉に、最終的にアイゼンも納得し、祈りを捧げた。

二十八年後の再訪
勇者ヒンメルの死から二十八年後。同じ小屋の前で再び祈りを捧げていたアイゼンのもとに、フリーレンが現れた。彼女はフェルンを伴い、三十年ぶりとは思えないほど自然な態度で声をかけた。時間の流れに対する感覚の差が、静かに浮き彫りとなった。

弟子と再会、そして依頼
小屋に招かれたフリーレンは、フェルンがハイターに育てられた孤児であり、自身の弟子であることを紹介した。弟子を取ったフリーレンに、アイゼンは感慨を覚えた。フリーレンは単刀直入に「手伝ってほしいことはあるか」と尋ね、アイゼンはそれを肯定した。ハイターとも文通をしていたことが明かされ、律儀な一面が示された。

フォル盆地への道行き
三人はアイゼンの依頼によりフォル盆地へ向かった。乗合馬車を降り、春の森を進む中で、フリーレンはその土地に覚えがあると語った。どれほど昔のことかと問われ、フェルンは冗談めかして「原始時代」と答え、フリーレンが即座に否定するやり取りが交わされた。

フランメの手記を探す目的
フリーレンは、アイゼンから「大魔法使いフランメの手記」を探す手伝いを依頼された。手記は偽物が多いとしつつも、手がかりはハイターが聖都の資料を調べて割り出した場所にあると説明される。本物はフォル盆地のどこかにあるとされ、フリーレンなら心当たりがあるはずだと指摘された。

探索方針とフリーレンの変化
フリーレンは「まずは大きな木を探す」と提案し、三人は森の探索を開始した。時間はいくらでもあると言いつつも、フェルンが嫌がるため早めに終わらせようとする姿勢を見せ、アイゼンはその変化に気づく。フリーレン自身も、フェルンが怒ると怖いからだと冗談めかして答えた。

森での探索と野営
三人は日暮れまで巨大な岩や朽ちた木の痕跡を調べ、夜は露営した。焚き火を囲み、森で採れた葡萄を食べる場面では、フリーレンが魔法で酸っぱい葡萄に変えるなど、旅の穏やかな一面も描かれた。翌日以降も探索は続くが、目当ての場所は見つからなかった。

遺跡を呑み込む大樹の発見
数日後、森の奥深くでフェルンが上空から、遺跡を呑み込んだ巨大な大樹を発見した。三人はそこへ向かい、その木が強力な結界で守られていることを確認する。しかしフリーレンは事情を理解している様子で、ためらいなく大樹に近づいた。

アイゼンの真意
道中、フリーレンはなぜ手記を探すのかと問い、アイゼンは「かわいそうだと思った」と答えた。その理由は、ヒンメルの葬儀で後悔の涙を流していたフリーレンの姿であった。大魔法使いフランメの手記には、死者と対話した記録があるとされ、それを確かめるためでもあった。

千年前の記憶とフランメの言葉
大樹に触れたフリーレンは、千年前の記憶を思い出す。そこには人里離れた場所に住む師匠フランメと、一本の苗木を植える場面があった。フランメは、その木が千年後もこの場所を守ると語り、将来フリーレンが人を知りたいと願う時、ここに戻って来いと告げていた。

フランメの小屋への到達
現在に戻り、フリーレンが大樹に触れると、絡み合っていた根がほどけ、古びた扉が現れた。それはかつてのフランメの小屋であった。扉は自然に開き、室内の机の上には一冊の本が浮かんでいた。

本物の手記との再会
その本はフランメの手記であり、フリーレンは本物だと断言した。理由は、彼女がフランメの一番弟子であるからだとアイゼンが補足する。手記はすでに「死者との対話」に関するページが開かれていた。

魂の眠る地の記録
手記には、大陸北部にある「魂の眠る地」、人々が天国と呼ぶ場所に辿り着き、かつての戦友たちと対話したという記述が残されていた。それは魂の研究を飛躍的に進歩させる発見であると記されていた。

天国の存在と選択
フェルンが真実かどうかを問うと、フリーレンはいい加減な人だったと評しつつも、アイゼンは「天国はある。その方が都合がいい」と言い切った。フリーレンもそれに同意し、たまには信じてみると応じた。

目的地の判明
手記を読み進めると、魂の眠る地は大陸北部エンデにあると示されていた。そこは現在、魔王城が存在する場所であった。

新たな旅の目的
アイゼンは、魂の眠る地を探し、ヒンメルと話すために協力してほしいとフリーレンに告げた。フリーレンは悪知恵をつけたと笑いながらも、その提案を受け入れた。

旅の再開とフリーレンの本音
フリーレンは手記を胸に抱え、あてのない旅の続きとして北へ向かうことを決めた。しかし、魔王城周辺は非常に寒いとぼやき、早くも行きたくないと弱音を吐く。フェルンはその様子に呆れつつも、新たな旅の始まりを見守った。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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