小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレ

小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレ

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どんなラノベ?

薄幸系男子の異世界成り上がりファンタジー! 

え?
そうだっけ?
薄幸系男子は頷けるけど、成り上がってるか?

そんな彼に惚れ込んだ人(?)達が織りなす異世界道中。

彼は穏便に事を運びたいのに、全てが大袈裟になってしまう。

そこが笑いどころ。

読んだ本のタイトル

#月が導く異世界道中  12
著者:#あずみ圭 氏
イラスト:#マツモトミツアキ  氏

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1巻から12巻までの流れ

普通に生活して寝たら。
いきなり両親の都合で異世界の女神に呼び出されて、顔がブサイクだから要らないと言われて見知らぬ土地にポイ捨てされた主人公。

荒野を彷徨っていたら、オーク(♀)と出会い、彼女を生贄に求めた上位竜を覚えたての魔法で倒して従者にする。

上位竜を配下にした結果、亜空と呼ばれる異空間を手に入れる。

荒野で出会ったオーク達を亜空に移住させて彼等も配下に置く。

その直後、空腹で正気を失ってる災厄の黒蜘蛛がエルダードワーフを追って襲ってきたので撃退。

その結果、黒蜘蛛が正気を取り戻して従者になる。

上位龍を巴、黒蜘蛛を澪と名付けて、亜空の住民の投票結果で主人公は【若】と呼ばれる事になる。

その後にエルダードワーフ、巴の眷属ミスティオリザード、澪の眷属アルケーが合流して街を造る。

それでも人に会いたい主人公はベースキャンプ絶野に行くが、、

巴と澪が悪乗りしてベースキャンプ絶野は壊滅する。(1巻)

遂に大きなヒューマンのツイーゲの街に着いた一行。

そこで、呪病に苦しむレンブランドの依頼を目にして、彼の妻、娘2人を癒す。

そして、暗躍していたライムを懲らしめて配下に加える。(2巻)

レンブランドの家族を癒した薬の原料アンブロシアを手に入れるため、群生地に行ったらアンブロシアを守護している森鬼が襲って来た。

それらをアッサリと捕獲して、森鬼の村に潜伏していたリッチを秒殺で押さえ込んで、主人公の魔力を蓄積した指輪13個を彼に装備させ、下駄を履かせて3人目の従者にして終わる。

イケメンの 従者、識登場!(3巻)

識と学園都市に行く転移魔法の使用中に突然戦場に拉致られた。

目の前には、大剣を振りかぶってる、王都攻略を目論むヒューマン最強のソフィア。

2人の勇者は連合軍を率いてステラ砦に進攻していたが、魔族の罠にハマってほぼ壊滅。

主人公、勇者達はそれぞれの戦場で何とか生き残る。(4巻)

突然戦争に巻き込まれ負傷してやっとたどり着いたのに、入学試験ではなく、臨時教員の試験だった。

その試験に主人公だけが合格して教職に就く。

週に1枠の授業を設けると、あまりのハイレベルな授業に上昇志向の強い数名しか残らなかった。

授業以外の日は店を開く準備をして、従業員を亜空から呼んで、、

来たのはアクエリアスコンビ。

波乱の予感しかないw(5巻)

突然上位龍が主人公達を尋ねる。

過去の勇者の嫁であり、冒険者ギルドのギルドマスター。

ルト、主人公の境遇をよく理解しておりサポートすると言ってるが、対価が、、

そして、店の名前で異世界人を保護する国。

ローレルに目を付けられる。(6巻)

大繁盛している葛の葉商会が認知され。

目玉商品の安価な薬品の秘密を知りたがる連中があの手この手で主人公に迫って来る。

そして、商人ギルド長からは輸送手段の技術を公表しろと高圧的に迫られ、金銭で解決しようとしたら売り上げの9割を寄越せと凄まれる。

そんな世間の荒波に打ちのめされた主人公は・・・(7巻)

魔族の謀略により都市に魔物が多く発生して大混乱に陥る。

それをある程度放置して、学院長から命令されて渋々と主人公達は鎮圧にかかりアッサリと鎮圧する。(8巻)

通信が回復したら急報で、帝国と王国が魔族軍の襲撃に遭っていると連絡が来た。

勇者の危機なので、また女神からの召喚があり、勇者の助太刀へと王都へ飛ばされる。(9巻)

魔族の策略で混乱したロッツガルドの再建に尽力するクズノハ商会。

目論見通り誰も無視出来ない存在となり、主要国の重鎮達も注目されて利権問題も有耶無耶になる。

コレで落ち着くかなと思ったら、亜空に地球の神達が訪ねて来た。(10巻)

遂に勇者、響と再会しお互いの近況を報告し合う。

帝国の勇者、智樹とも会談するが此方は巴を寄越せと脅迫して来たので、反撃してボコボコにしたので完璧に関係は決裂。

魔族の国へ赴き、首都ではパレード(表紙)の後、魔王との対面は比較的に和やかに終わる。(11巻)

あらすじ・内容

2021年TVアニメ化決定! 魔族領を訪れた真たちは、魔王から破格とも言える手厚い歓迎を受けていた。そんな中、真と魔将の親善試合の会場に反魔王勢力の刺客が乱入するという事件が発生。襲撃者は無事鎮圧されたものの、彼らが使った神器により恐るべき上位竜が降臨する。大破壊をもたらすブレスから街を守るため、クズノハ商会一行が立ち向かう!

(月が導く異世界道中12

感想

魔族はこれだけ冷遇されてるのに。

 魔族の中でも女神に縋る奴等が居るんだ。

しかも元貴族らしい。

そんな奴らが暗躍して精霊神殿の精霊を暴走させ、龍を呼ぶアイテムを使って上位龍のルトを召喚する。

それらを全て葛の葉商会がブッ潰す。

ルトの最大の攻撃を撃つ本人の解説があり従者2人の補助があるとはいえ、魔力を物質化してルトの攻撃を最小限の被害に抑え込んで解決してしまう。

まさに理不尽。

魔将4人相手の模擬戦でも主人公1人で圧倒してしまうのは当たり前だな、、

その結果、主人公は魔族の幼女(魔王の娘)を使用人としてゲット。

相変わらず不幸体質。

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備忘録

1

深澄真は、クズノハ商会の代表ライドウとして、従者の澪と識を連れて魔族領を訪れている。魔王との会談を終え、自由時間が訪れた彼らは、それぞれの行動を決める。識はロナと話すことを選び、澪は興味を持った街の探索に出かけることにした。ライドウ自身は、上位竜・万色のルトから預かった「紅璃の卵」を届けるため、氷原の火山を目指す。この任務は、魔族には知らされておらず、ライドウが自ら行きたいと申し出たことで、魔族側も驚いた。澪と識はライドウの安全と迅速な帰還を願いつつ、彼は幻想的にライトアップされた中庭を見下ろしながら、夜空へと飛び立った。目的地である氷原の火山は、その名の通り、青く輝く瑠璃色の火山であり、ライドウはその美しさを期待しつつ、吹雪の中を進んでいった。
雪嵐の中を魔術を駆使して進むライドウは、紅璃の卵を届ける任務で氷原の瑠璃の火山を目指していた。彼は紅璃という炎を司る竜の存在について思いを馳せる。外観は真っ赤な光を放つ山であり、その名前とは異なり「紅玉火山」とも呼べそうだが、彼はその美しさに見入る。山の中腹にある横穴に到着し、そこでスライム状の守役と遭遇する。彼女はライドウから紅璃の卵を受け取り、彼の身元を確認した後、紅璃様の守役として彼を案内することになる。ライドウはこの任務を通じて、瑠璃の火山の内外の美しさを満喫し、また彼自身の思考にふける時間も持った。彼は紅璃様の守役に、外にある赤い鉱物と内部の青い鉱物を少し持ち帰る許可を求めることにし、ルトからどのような話を聞かされているのかも尋ねる予定である。
時間が予定より過ぎてしまったことに気づいたライドウは、魔族の都に戻り、宴会に出席するためドワーフ製の礼服に着替えていた。彼は最近、式典やパーティに出席する機会が増えたため、ドワーフに服を作ってもらっていたが、完成には相当の時間がかかり、その間に買った服はもはや使われていなかった。宴会には間に合ったものの、紅璃の卵を届ける任務を果たした後、スライム人の宴に誘われるところだった。ライドウは、魔族の宴会に出席することになり、識とともに座席表を確認し、自分たちが魔王に近い席に配置されていることに気づく。識は、彼らが国賓として扱われていると説明する。ライドウは魔族と深く付き合うことはないだろうと思いつつも、今後の関係をどのように築いていくか考えていた。澪が戻ってきて、宴会への案内が来たため、三人は宴会場に向かうことになる。
宴会は立食形式ではなく、式典のような明るい雰囲気で行われた。ライドウは魔王やその子どもたちから頻繁に視線を感じつつも、魔族の配慮に感謝し、宴を楽しんでいた。ただ、魔将の一人が澪を見て卒倒するなど、小さなトラブルも発生した。この出来事は、以前澪によって精神的なダメージを受けた魔将のトラウマが原因だった。魔王との会話の中で、ライドウは魔族がケリュネオンを失ったことについて言及し、それが自分たちの行動であることを明かした。ケリュネオンが自分の両親の故郷であること、そして部下の行動により、魔族からケリュネオンを奪還したことを説明した。魔王は、レフトが生かされた理由について尋ね、ライドウは治療と記憶の混乱を理由に返した。魔王は、戦争で禍根を残さないためには全員を殺す必要があると述べ、魔族の弱肉強食の理念を説明した。ライドウは戦争を避け、新たな土地を探求することを優先すると答えたが、魔王は、それが不可能な場合には技術の研究を進めるべきだと提案した。最終的に、ライドウはケリュネオンを奪い返した理由を魔王に説明し、魔王はその話を聞いた後、内部で共有する必要があることを示唆した。夜が更けて宴が終わると、ライドウは識と澪から支持を受け、その日の出来事について反省しながら、今後の対応を考えた。

2

夢の中で、ライドウは魔族に宴でもてなされた後、部屋に戻り休んでいる自分を認識する。最近見た夢には意味があるように感じられ、それについて考えていた。その夢の中で、ライドウは自分より年上で思いつめた表情をした自分と、巴と出会う。巴との会話から、何か重大な出来事が起こったこと、特に巴と澪がもういないことが示唆される。巴はライドウが選んだ道を支持し、後悔はないと語る。ライドウはその選択について悩み、巴はライドウの決断を尊重し、彼の悩みを引き受けると伝える。
夢の中で、ライドウと巴はキスをするが、これは二人にとっては自然な行動であるかのように描写される。このシーンはライドウに大きな衝撃を与える。その後、巴はライドウに別れを告げ、消えていく。ライドウは巴の消失に深い悲しみを感じ、彼女の死を悼む。さらに、夢は続き、魔王ゼフが登場し、ライドウが魔族の魔王として活動していることが明らかになる。ライドウは魔族の一員として女神に対抗する準備が整っている。
ライドウは静かに目を覚ますと、夢について考える。彼は魔族に協力すると、夢に見たような事態が現実になるのではないかと懸念し、最近見た夢がただの夢ではないと感じている。そこで、巴に夢の記録を依頼することに決める。巴は屋敷の外で修練をしており、ライドウは彼女に会いに行く。巴はライドウの夢を調べるが、ライドウが記憶している夢の内容は見つからなかった。ライドウは混乱し、夢の内容をメモすることにする。巴はライドウに彼ら従者が容易には死なないことを信頼してほしいと伝える。その後、巴は修練に戻り、ライドウは夢の内容を書き留めるために部屋に戻ることにする。
夜、クズノハ商会の一行は魔族から歓待された後、用意された部屋に送られる。澪は一人で部屋に残り、部屋の安全確認をした後、魔族の国とその思想が自分にとって心地よいと感じている。澪は魔族の強者への畏敬の精神を評価しており、特に彼女が尊敬する真への扱いが他と比べて良いと感じている。しかし、澪はそれでも魔族の対応が不十分だと感じ、ヒューマンや亜人たちによる真の評価の低さに腹を立てている。魔族の中には、澪から見て鬱陶しい存在もいるが、識が代理として対応することになった。澪は今夜は真が亜空に戻ったことから、料理のメモをまとめてから休むことにし、識の帰りを待たずに行動する。澪の夜は、料理についてのメモを取りながら更けていく。
魔族から歓待を受けたクズノハ商会一行は、夜に用意された部屋に送られる。この夜、澪は一人で部屋にいた。真は亜空に戻り、識は魔族からの宴の延長戦のお誘いを受けて出て行く。澪は部屋の安全を確認し、魔族の国とその思想が自分にとって心地よいことに満足する。特に、魔族は強者への畏敬の精神を持ち、真への扱いが他の社会とは異なることを澪は好ましく思う。しかし、澪は魔族の対応もまだ不十分と感じており、ヒューマンや亜人たちの真への不当な低評価に腹を立てている。澪は魔族の中にも目障りな存在がいると感じているが、識が代理として対応している。澪はこの夜、料理のメモをまとめた後に休むことにし、識の帰りを待たずに行動する。魔族領での澪の夜は、料理についてのメモを取りながら更けていく。
魔族の女性ロナと識(かつてのラルヴァ)の間で緊張したやり取りが行われる。識は、真の生徒が遭遇した亜竜の出現原因を探る中で、竜群王笏という亡国の神器の存在に行き当たり、魔族の関与を指摘する。ロナは魔族が竜群王笏を使用していないと主張し、サリがロナの発言をフォローするが、識は魔族の情報をよく把握していることを示唆する。
魔族の中でも情報がないとされる竜群王笏について、ロナはレジスタンスが保有している可能性を示唆する。識は自身がラルヴァとして過去に魔族と関わりがあり、現在は真(ライドウ)に忠誠を誓っていることを明かす。ロナは魔王ゼフがクズノハ商会とライドウを高く評価していることを伝え、魔王の庇護の意向を示す。
識は情報のやり取りを通じて、魔族内の立ち位置や意図を推測し、クズノハ商会との関係構築について考察する。竜群王笏の話は一旦置いておき、魔王ゼフからの庇護意向を重要視し、今後の関係構築に期待を寄せる。
識は会談を終え、部屋を後にする。ロナは識の情報量の多さに苦悩し、ロシェはロナに疑念を抱く。サリはクズノハ商会の情報をもっと知る必要性を感じる。ロナはゼフからクズノハ商会の来訪が魔族にとって重要な意味を持つこと、そしてケリュネオンの真実を聞かされる。ロナは魔族としての決意を新たにする。

3

魔王ゼフから親善試合の提案を受けた翌日、主人公はその提案について考える。試合は魔将またはそれに準ずる実力と立場の者が相手となる予定であることが語られ、主人公はこの提案を前向きに検討することにする。また、ゼフは主人公たちに精霊神殿への案内と城下の自由時間を提供し、試合の開催を翌日に提案する。精霊神殿では地と火の上位精霊に会うことが予定されており、主人公はその事実に驚きながらも興味を示す。ロナと識は主人公に今日の案内者であるサリとルシア、魔王の娘二人を紹介し、主人公は識と共に城の出口へ向かう。識は親善試合を受けるよう勧め、その背景には何かしらのメリットがあることをほのめかす。主人公は識の提案に同意し、澪にも試合のことを伝えることを決める。
ライドウ殿が呪病の治療薬に力を入れていること、また、サリとルシアとの会話から、彼らの対立や意見の違いが浮き彫りになる。サリは親しみやすく提案に対して肯定的であるのに対し、ルシアはより厳格で戦闘的な態度を取る。澪がルシアに対して鋭い言葉を投げかける場面もあり、その後の緊張が高まる。しかし、ライドウ殿は澪とルシアの対立を静め、精霊神殿に向けて進むことを決める。識の人道的な提案により、神殿の異常を調査するために進むことになり、サリとルシアはライドウ殿たちの安全を保証し、調査に協力することを約束する。神殿周辺の空間が歪んでいることに気付いたライドウ殿たちは、異常の原因を探るために神殿への入口を開ける。サリが魔術で開けた入口を、識と澪がさらに拡大し、神殿への進入を試みる。この一連の出来事は、異世界の日常から非日常への移行を示しており、主人公たちの冒険が新たな局面に入ることを予感させる。
精霊神殿内部では、地と火の精霊たちが乱痴気騒ぎをしており、その活動によって石や金属が空を舞い、色とりどりの炎が暴れていた。これらの精霊たちは密度の濃い属性魔力の塊であり、そのため環境は安全とは言えなかった。ルシアとサリは精霊たちの暴走を何とかしようと努力していたが、進行は遅く、撤退を検討し始めていた。しかし、撤退するための出口を作る余裕もなく、状況は困難を極めていた。
この時、澪と識が精霊たちを一掃するために介入。澪は広範囲にわたる網のような魔力で精霊たちを一瞬にして静め、識は残った精霊たちを処理した。その結果、精霊たちの暴走は収まり、神殿内は一時的に安全となった。ルシアとサリはこの力の見せ方に驚き、ライドウたちの実力を改めて認識した。
ライドウは、澪と識に神殿内で安全が確保されている人々を保護するように指示し、自身はルシアとサリと共に大祭壇に向かうことに決める。この決断により、彼らは精霊たちの暴走の原因を突き止めるために、より深く神殿内部へと進むこととなった。
精霊神殿内部での状況は、迷路化している上に環境が厳しいものであった。地の神殿内部は薄暗く、狭い上に温度も高めであり、ライドウとその仲間たちは精神的にも肉体的にも辛い状況に置かれていた。しかし、彼らは地の上位精霊と火の上位精霊が原因で起こっている異常事態に直面し、それに対処しようとする。特に、地の上位精霊であるベヒモスと火の上位精霊であるフェニックスの乱入により、精霊神殿内の状況はさらに悪化する。
ライドウはベヒモスの突進を受け止め、押し返すことに成功し、澪と識はフェニックスに対処することになる。この過程で、ルシアとサリはライドウたちの圧倒的な力に驚愕し、その実力を認識する。一方で、ルシアとサリは互いに念話でコミュニケーションを取り合い、クズノハ商会とライドウの脅威を再評価し、彼らとの関係をどう築いていくべきかを考えていた。
結局、ライドウと仲間たちは精霊神殿内の異常事態に対処するため、それぞれが自身の役割を果たすことになる。ライドウはベヒモスを制御し、澪と識はフェニックスを落ち着かせるために行動する。この一連の出来事は、ルシアとサリにとっても大きな学びとなり、彼らのクズノハ商会とライドウに対する認識を変えることになった。
サリは、クズノハ商会とライドウの圧倒的な力に直面し、自身の力の基準が全く異なることを痛感した。地と火の上位精霊と戦うライドウたちの姿は、サリにとって理解を超えた存在であり、彼らの強さを目の当たりにすることで、従来の強さの物差しでは計れないことを悟る。特に、フェニックスとベヒモスとの戦いでは、クズノハ商会のメンバーが示した力と戦術は、サリにとって新たな認識をもたらした。
サリは、澪がフェニックスとの戦いで見せた強力なカウンターマジックと、識がベヒモスとの戦いで魔術と身体能力の両方を駆使する姿から、彼らの力の深さを再認識する。特に識の戦い方は、サリが理解していた範囲を超え、ロナの教えとは異なる、新たな領域を見せつけられたと感じた。
この戦いを通じて、サリはライドウとクズノハ商会が魔族にとって最大の脅威であり、同時に最大の盟友になり得る存在であることを理解する。彼らと敵対することは魔族の滅亡を意味するため、どんなに魔族の憎しみや悲願があっても、ライドウとの協力関係を築くことが最優先であるとの結論に至る。
サリは、魔王の子としての自己認識を新たにし、自分自身にしか選べない道を見出す。彼女はこれまで受けた厚遇に感謝しつつ、自分の役割を見つめ直し、ライドウとクズノハ商会との関係をどう築いていくべきか、その方向性を模索する。精霊神殿が元の状態に戻る中、サリは自らの未来について深く考え、新たな決意を固める。

4

魔王ゼフは、精霊神殿で起こった異常事態に関するクズノハ商会の報告を聞く。この報告は、ゼフの子供たち、ルシアとサリから提供された。彼らはクズノハ商会一行と共に事件に巻き込まれ、その解決を見届けた後に報告するために帰還した。事件の背後には、ゼフへの反対勢力による人為的な儀式魔術の使用が疑われている。
ゼフは、ライドウが上位精霊二体を制圧したことに驚き、彼らの力が大国に匹敵するか、それ以上であることを認識する。特に識が上位精霊ベヒモスと対等に戦ったことは、ロナも含めて誰もが信じがたい出来事であった。
サリは、ライドウへの嫁入り提案に反対し、その理由として、クズノハ商会の中でライドウに想いを寄せる澪が存在することを挙げる。彼女は、ライドウへの嫁入りが澪にとって受け入れがたい提案であり、それが魔族への妨害行為につながる可能性を指摘する。
最終的にゼフは、クズノハ商会が今後も魔族にとって重要な存在であることを認識し、サリに対してライドウをどう扱うかの具体的な提案を後ほど聞くことにする。また、ゼフはクズノハ商会の訪問を知っていた人物が限られていることから、裏切り者が自分の側近にいる可能性を示唆し、その捜索を指示する。
この会議は、クズノハ商会との関係だけでなく、魔族内部の政治的な問題も浮かび上がる場となった。ゼフは、クズノハ商会との関係を今後どう築いていくか、慎重に計画を練ることになる。
魔王ゼフはライドウに感謝の意を表し、彼による都の救済と親善試合の引き受けを称える。食事会ではゼフがライドウの隣で料理を取り分け、二人は酒を交わしながら会話する。ゼフはライドウに娘のいずれかを嫁にすることを提案するが、ライドウはヒューマンであることや商人としての未熟さを理由に断る。
ゼフは、ライドウに魔族領内での自由な通行を可能にする通行証と無税での商売を許可する文書を贈る。さらに、魔族領の地図を提供し、物資の流通を促進するよう依頼する。これらの贈り物はライドウの功績への報酬として、また魔族との関係強化を目的としている。
食事会はライドウとゼフの間でリラックスした雰囲気の中で進み、ゼフはライドウの好みの女性について尋ねるなど、親しみを込めた会話を楽しむ。ライドウはゼフの提案や質問に対して礼儀正しく、しかし断固として自分の立場を守る。
最終的に、ゼフはライドウが自分の娘たちと結婚することを諦め、ライドウに魔族領での活動を広く利用して欲しいと願う。食事会は仕事の話やライドウの好みの女性に関する話題で盛り上がり、魔王としてのゼフの人柄やライドウに対する期待が垣間見える夜となった。

5

魔族の都に滞在しているライドウは、親善試合のために大きなホールへ案内される。彼はこの試合で、魔族が誇る魔将四人と対戦することになる。試合の準備が整い、四人の魔将とライドウの間で戦いが始まる。戦闘はライドウの魔力と技術を駆使したもので、彼は一人で魔将全員に立ち向かう。試合中、ライドウは様々な攻撃を魔将から受け、それに対抗しながら戦いを展開する。特に、モクレンという魔将は儀式魔術を用いて溶岩の玉をライドウに向けて放ち、イオはその溶岩球を受け止めてライドウに返すなど、激しい攻防が繰り広げられる。最終的に、試合はゼフ陛下の声によって終了が宣言されるが、その直後に未知の攻撃がホールを襲う。ライドウは何が起こったのか理解する間もなく防御に専念し、澪と識が彼のもとへ急ぐところで物語は終わる。
魔族の都に滞在しているライドウは、親善試合のために大きなホールに案内される。ホールは戦いを鑑賞するための施設で、観覧席が設けられており、開口部からは常夜の空が見える。ライドウはこの試合で魔族の魔将四人と対戦することになり、彼らとの真剣勝負が始まる。試合はライドウが魔将たちと激しく戦う展開となり、特にモクレンという魔将からは儀式魔術を用いた溶岩の玉が放たれるなど、様々な技が交わされる。
ライドウは自身の魔力と技術を駆使してこれらの攻撃に対抗し、溶岩の玉を掴んで投げ返すなど、見事な戦いを展開する。しかし、試合の最中に未知の攻撃がホールを襲い、ライドウは何が起こったのか理解する間もなく防御に専念することになる。この親善試合は、ライドウの魔族の魔将たちとの戦いを通じて彼の能力を示す場となり、彼が魔族の都での滞在を新たな局面へと導くことになる。
ホールが破壊され、天井が吹き飛んだ後、ライドウは完全武装した魔族の集団と対峙する。この集団は「力の亡者に神罰を」と宣言したテロリストであり、魔族の都での攻撃も彼らの仕業である。ライドウとゼフ陛下は、テロリストとの対話を試みるが、彼らの主張は魔族の圧政に対する反発に基づいていた。ゼフ陛下は、自身の政治が魔族の存続と解放のためであると主張し、テロリストの理想を批判する。
突如、テロリストがエリュシオンの神器である竜群王笏を使用し、強大な力を持つ竜を召喚する。この竜は、あらゆる属性を有する調和の竜であり、天竜、祖竜の頂点に位置する存在とされる。しかし、召喚された竜は、テロリストたちが期待したような結果をもたらさず、むしろ魔族の都に対する脅威となる。
ライドウは、この事態に対処するために、澪と識と協力して竜の攻撃を防ぐ計画を立てる。彼らは、竜の攻撃を無力化するための魔術を用いることを決定し、ゼフ陛下にその意向を伝える。竜の攻撃が始まる中、ライドウたちは彼らの計画を実行に移し、魔族の都を守るために全力を尽くす。

6

識による提案が通り、ライドウはルトの攻撃に対処するために行動を開始する。識の案に従い、ライドウは魔術ではなく、魔力を物質に昇華させる方法を選択し、ルトの攻撃を受け止めるための物質を想像し始める。一方、澪はルトの攻撃をライドウに集中させる役割を担い、ルトはその攻撃を開始する準備を進める。ライドウは、魔力体を具体的な物質に変換する作業に集中し、その過程で幾度かのノイズに悩まされるが、識のサポートによって進める。最終的に、ライドウはロボットの手のような形状を持つ強力な物質を想像し、それを具現化することに成功する。
この過程で、ルトの攻撃が実際に開始され、空から降り注ぐ虹色の弾が魔族の街に大きな脅威となる。しかし、澪の努力により、攻撃の多くが防がれる。一部は街外に落ちるものの、ライドウと澪、そして識の協力によって、最悪の事態は回避される。ライドウは、ルトの攻撃に対して、自身が具現化した物質を用いて直接対抗する準備を整え、その強大な力を信じて行動を起こすことに決める。
識はライドウの行動を支援し、彼が具現化した白銀の腕によってルトの攻撃を受け止める瞬間を目撃する。ライドウは、物理的な妨害としてのノイズを克服し、世界の抵抗を黙らせる強大な力を発揮する。その過程で、ライドウは著しい魔力の消耗を経験するが、識と澪の協力により、ルトの散弾攻撃を無効化することに成功する。その後、ライドウはさらにルトの最後の攻撃に対処するため、識による属性分析と澪の術のサポートを受けながら、自身の残された魔力を使って対策を講じる。結果として、ライドウの努力は成功し、ルトの攻撃を消滅させる。この一連の出来事は、ライドウの非凡な能力と、彼を支える仲間たちの重要性を示している。また、識と澪はライドウからの魔力の移譲により、一時的に髪の色が変わるなどの副作用を経験する。事件後、識は状況の整理と今後の対応を考えながら、魔王一団の動きに注目する。

7

魔王ゼフは、ライドウを英雄として民衆の前で称賛していた。ライドウは魔力の減少により気絶していたが、彼の功績は魔族の土地において大きな波及効果を持ち、クズノハ商会にも多大な利益をもたらす見込みである。サリとルシアは、ライドウが魔族の英雄となったことを認め、彼に対する敵意はなく、むしろ彼のために犠牲を払っても良いと考えるようになる。サリは特殊な儀式を通じてライドウとの絆を深め、ルシアも必要に応じてサリを支援することを約束する。二人は、ライドウとの関係を深めることで、魔族の中に彼らの存在を広げることを目指す。最終的に、サリとルシアは魔王と英雄の出迎えのために急ぎ、ライドウに対する興味と期待を抱きながらその役割を全うしようと決意する。
城の広間でゼフとロナが話していた。ライドウが気絶から回復し、上位精霊フェニックスとベヒモスは彼を戦争の道具として利用することに反対し、ゼフもそれに同意した。ライドウの力は上位精霊も恐れるほどで、ゼフは彼を戦争に使わないと約束する。ロナはゼフに忠誠を誓い、彼が作る国を支えたいと表明する。また、ロナは反乱分子の中での自分の立場を利用して、ゼフの計画に協力していることが明らかにされる。彼女はゼフと共に反乱分子の動きをコントロールし、魔王を守る役割を果たしている。この会話は、魔族の中でも最高機密であり、二人だけの深い信頼関係を示している。
ライドウは魔王に抱きかかえられて一日半寝てしまい、そのことに罪悪感を感じている。目覚めたときは、澪がロングヘアからおかっぱに戻っており、識の髪も元の色に戻っていた。魔族の街は活気に満ちており、ライドウは街の人々から大歓迎された。夜には宴が催され、ライドウは注目を集めたが、直接的な接触は避けられた。
翌朝、ライドウは多くの書状を受け取り、商売の招待があった。ゼフ陛下は、ライドウに魔族からの贈り物としてサリをメイドとして差し出す。サリは、以前ライドウに対してした約束を果たせなかった責任を感じ、彼に一生仕えることを誓う。しかし、サリが魔族の儀式を行い、ライドウの奴隷となったことで、魔族の中での立場を完全に失ってしまう。ゼフ陛下は、ライドウにサリを引き取るよう頼むが、ライドウはその決断に葛藤する。
最終的にライドウは、サリを亜空の終の棲家に連れて行くことを決める。彼はサリが新たな生きがいを見つけられることを願いつつ、自分の判断に罪悪感を抱く。この出来事を通じて、ライドウは自分の甘さや感情に従った判断に反省し、気分転換を図ることを考える。
ライドウは、異なる自己の視点から見る悪夢に苦しめられていた。これは彼が感じる強烈な嫌悪感と嘔吐感につながっている。悪夢の中で、「僕」ではない自分が女神や世界、そして周囲の人々への憎しみを吐露している。ライドウはこの夢を通じて、自身の中に湧き上がる異常な感情と闘っていた。
大黒天様が現れ、ライドウの苦しみの原因である夢について説明する。これらの夢はライドウが異なる選択をした可能性のある自己の姿を示しており、彼には異なる道を歩む「自分」の姿が現れていた。大黒天様は、ライドウが創造の力を使った瞬間、他のどの「深澄真」とも異なる道を歩み始めたことを明かす。この力は、神でさえ限定された存在にしか行使できないものである。
大黒天様はライドウに、王道でも覇道でもなく、自分が正しいと思うことをゆっくりと選択していくよう助言する。また、ライドウが抱える「厄介なモノ」に飲み込まれずに前進すること、そして破壊に逃げずに人として進むことの重要性を説く。
大黒天様はライドウの悪夢を止め、彼に対して、これからも忙しくなるだろうが心配することなく生きていくようにと励ます。ライドウは悪夢から解放され、再び眠りにつく決意をする。

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gifbanner?sid=3589474&pid=889082585 小説【ツキミチ】「月が導く異世界道中 12巻」魔族領編 感想・ネタバレ【オープニング主題歌】 syudou「ギャンブル」
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月が導く異世界道中
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月が導く異世界道中 2
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月が導く異世界道中 3
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月が導く異世界道中 4
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月が導く異世界道中 5
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月が導く異世界道中 6
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月が導く異世界道中 7
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月が導く異世界道中 8
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月が導く異世界道中 8.5
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月が導く異世界道中 10
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月が導く異世界道中 13
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漫画版 月が導く異世界道中 シリーズ

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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