絶頂除霊 ! 8巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 10巻レビュー
物語の概要
■ 作品概要
本作は、対象を強制的に絶頂させて除霊する能力「絶頂除霊」を両手に宿す主人公・古屋晴久たちが活躍する退魔活劇シリーズの第9巻である。 日本国内に封印された最後の《サキュバス王の性遺物(パーツ)》が敵に奪われる未来が予知されたため、晴久たちは新たな護衛である最年少魔王候補・ゼパルと共に、封印地である龍脈諸島へ向かう。無事に《サキュバス王の子宮》の回収に成功したものの、島中の男性が幼児化(ショタ化)する怪異が発生し、晴久も幼い姿になってしまう。さらに、パーツを取り込み淫魔となった因縁の魔族アンドロマリウスや、サキュバス王を名乗る地上堕ちの大神族アザゼルが襲来し、人間・神族・魔族の壁を越えた過酷なサキュバスパーツ争奪戦が展開される。
■ 主要キャラクター
- 古屋晴久:絶頂除霊の呪いを両手に宿す少年である。怪異の影響で小学一年生ほどまで幼児化して弱体化してしまうが、ゼパルや仲間たちと連携し、絶頂除霊で強敵に立ち向かう。
- ミホト:晴久に宿る少女霊である。精神世界での戦いにおいてサキュバス王の復活を拒絶して反撃に転じ、パーツの完全消滅を果たすための《サキュバスの穴》の存在を思い出す。
- ゼパル(朝風春美):人間の身体へ受肉した最年少魔王候補の魔族である。退魔師協会からの依頼で晴久たちの護衛として派遣され、強大な雷撃や物理攻撃を駆使してアンドロマリウスと激戦を繰り広げる。
- 宗谷美咲・文鳥桜・葛乃葉楓:晴久と共に戦うヒロインたちである。幼児化した晴久の無邪気な言動に理性を失いかけながらも、敵の眷属やアンドロマリウスから彼を守るために奮闘する。
- アンドロマリウス:《サキュバス王の口》を取り込み、術式を吸収して眷属を生み出す能力を得た因縁の魔族である。晴久への復讐心を燃やして襲いかかる。
- アザゼル:天界から行方不明となっていた「地上堕ち」の大神族である。パーツによって本来の姿を隠し、「サキュバス王」を名乗って圧倒的な力で晴久たちを絶望の淵へ追い詰める。
■ 物語の特徴
本作は、過激なエロコメディと本格的な異能バトルが融合した作風が特徴である。 第9巻では、主人公を含む島中の男性が「幼児化(ショタ化)」するという特殊な怪異により、ヒロインたちが理性を失って大暴走するというフェティッシュかつコミカルな事態が大きな魅力となっている。無力化した主人公を魔族の少女が護衛するという異色の展開に加え、敵が単なるテロリストや魔族ではなく、神族である「アザゼル」だったという衝撃的な真実が明かされ、物語のスケールが一気に拡大する。また、絶体絶命の危機において精神世界から「絶頂」で反撃を仕掛けるという、本作独自の設定を活かした逆転劇が読者に強いカタルシスを与える。
読んだ本のタイトル
出会ってひと突きで絶頂除霊! 9
著者:赤城大空 氏
イラスト: 魔太郎 氏
出版社:小学館(ガガガ文庫)
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あらすじ・内容
サキュバスにも穴はあるんだよな……。
サキュバス王――それはかつて性の理想郷を作り上げた魔族の名。大規模テロをなんとか鎮圧することに成功した晴久たちだったが、「国内に封印された最後のパーツが奪われる」という予言によって事態はなお好転しない状況にあった。退魔師サイドはそのパーツの護衛に、十二師天にも匹敵する実力を備えた晴久たち一向を派遣する。セックスアルカディア再建という目論見も明らかになったなか、サキュバスパーツ争奪戦は、もはや神族・魔族の問題にまで発展していた。いま日本が所有する最後のパーツを巡り、種族の壁を越えた争奪戦がはじまる――!
出会ってひと突きで絶頂除霊!9
感想
シリーズの根幹に関わる真実が次々と明かされ、これまで積み重ねてきた伏線が一気に動き始める一冊だった。いつもの破天荒なコメディも健在だが、それ以上に物語のスケールが大きく広がったことが印象に残っている。
まず興味深かったのは、サキュバス王の遺物を取り込んでいる古屋と宗谷の特異性である。
本来なら心身に大きな影響が出てもおかしくないにもかかわらず、二人は暴走することなく力を扱えている。その理由がまだはっきりとは明かされておらず、シリーズを通して重要な伏線になっていることを感じた。
また、アーネストとの取引も本作らしい場面だった。シリアスな情報交換のはずなのに、どこかシュールな空気が漂っていて思わず笑ってしまう。周囲は得をしているのに、古屋だけが毎回大変な役回りを押し付けられているところも、この作品らしいお約束だと感じた。
さらに驚いたのは、護衛として登場した朝風春美の正体である。
彼女が最年少の魔王候補・ゼパルだったという展開は完全に予想外だった。敵対関係だと思っていた魔族が人間側へ協力している理由も、神と悪魔の間に結ばれた不干渉協定という設定によって納得できた。
敵味方の境界が単純ではない世界観が、物語をさらに面白くしているように思う。
終盤の龍脈諸島での騒動も見応えがあった。
予想もしない異変によって島全体が混乱に包まれ、一行が思うように動けなくなる展開は、本作らしいギャグとシリアスが入り混じった雰囲気だった。笑える場面が続く一方で、強敵アンドロマリウスが現れることで一気に緊張感が高まり、最後まで飽きずに読むことができた。
ゼパルが古屋を守るために戦う姿も印象的だった。
普段は軽い雰囲気のあるキャラクターだけに、本気で仲間を守ろうとする姿には思わず引き込まれた。一方で、古屋の判断力や行動力も相変わらずで、危険な状況でも迷わず前へ進む姿が主人公らしかった。
そして、最大の衝撃はラストで明かされるサキュバス王の正体だった。
まさか行方不明となっていた神・アザゼルへ繋がるとは思わず、一気に物語の見え方が変わった。敵の目的も少しずつ明らかになり、これまで以上に世界そのものの謎へ踏み込んでいく展開には強く惹きつけられた。
今巻は、シリーズらしい笑える場面を残しながらも、物語の核心へ大きく踏み込んだ重要な一冊だった。新たな謎も数多く残されており、この先どのような真実が待っているのか、続きを読まずにはいられない読後感だった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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絶頂除霊 ! 8巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 10巻レビュー
考察・解説
国際霊能テロ
本作の第8巻のエピローグにおいて描かれる「幸運と予言の封印」は、退魔師協会側の勝利で終わったかに見えた同時多発テロの裏で進行していた、テロリストたちの真の目的であり、次章への絶望的な転換点となる事件である。その詳細と物語における重大な意味を構成する要素は以下の通りである。
童戸手鞠の封印(幸運の反転と無力化)
悪魔憑きジェーンを撃退した後、消耗した状態で東北の本家へ戻ろうとしていた童戸手鞠は、道中で想定外の襲撃を受ける。
・普段なら幸運によって赤信号に止まることすらない彼女の車が停止させられ、道路が崩落して転落してしまう。
・これは手鞠の幸運が無効化されたのではなく、不運へ反転させられた結果であった。
・襲撃者は、天邪鬼の怪異家系に生まれた元十二師天の霊能犯罪者・逆神忍である。
・忍は手鞠の体勢が崩れた隙を突いて魔族から渡された魔具を使用し、彼女を異相空間へと封じ込めた。
・これにより、手鞠の姿は現世に残りながらも誰も触れることができず、本人も現世に対して一切の干渉ができない状態となってしまった。
相馬千鶴の封印(未来予知の封殺)
手鞠が襲撃されたのと同じころ、武装した巫女たちによる厳重な防衛を誇る相馬家本家も襲撃を受けていた。
・屋敷を制圧したのは、今回のテロの首謀者の一人であるオッドアイの国際霊能テロリストである。
・彼女は気絶した当主・相馬千鶴へ魔具を押し当て、手鞠と同じく異相空間へ封印してしまう。
・千鶴は会話こそできるものの、現世の未来を予言することがほぼ不可能な状態に陥った。
・魔族が作ったこの呪具を解除するには長い時間が必要であり、テロリストたちがサキュバス王の性遺物を奪うには十分すぎる猶予を与える結果となった。
テロリストの真の狙いと今後の絶望的な影響
第8巻のジェーンとの決戦において、手鞠の幸運能力と千鶴の予言能力は、圧倒的な力を持つ悪魔憑きを追い詰めるための決定的な連携の要(切り札)として機能していた。
・オッドアイのテロリストは、日本側の最大の強みであるこれら二つの能力を失わせることで、これで対等にパーツを奪い合える、と確信して崩壊した相馬家をあとにした。
・一連の派手な同時多発テロは、退魔師協会の戦力を分散させてこの切り札の無力化を完遂させるための環境作りという側面を持っていた。
・絶対的な幸運と未来予知という強力な盾を同時に失ったことで、晴久たち日本側は、次巻以降、世界中から集まる特級の犯罪者たちと極めて不利で過酷なパーツ争奪戦を強いられることになる。
まとめ
幸運と予言の封印を巡る一連の歩みは、派手な同時多発テロによる戦力分散を隠れ蓑にし、日本側の防衛基盤を支えていた絶対的な二大切り札を完璧に無力化したテロリストたちの狡知に満ちた勝利の記録である。逆神忍の不運反転による強襲とオッドアイのテロリストによる本家制圧を経て、手鞠と千鶴を干渉不能な異相空間へパージしたプロセスは、敵側の戦略的冷徹さを示している。最終的に、解除に長い時間を要する魔族の呪具によって未来予知と絶対的幸運を封じられ、敵と対等にパーツを奪い合わざるを得ない不利な盤面を強制された顛末は、この封印劇が単なる個別の隠密襲撃にとどまらず、晴久たち日本側を盾のない丸裸の状態で特級の霊能犯罪者たちとの凄惨な消耗戦へと引きずり込んでいく絶対的な引き金となったことを厳密に証明している。
最後のパーツ回収
本作の第9巻における中核的な任務である「最後のパーツ回収」は、退魔師協会側の切り札が失われた絶望的な状況下で下された極秘任務であり、その後の神魔を巻き込む大激戦の引き金となった。その詳細な経緯と結末を構成する要素は以下の通りである。
相馬千鶴の直前未来予知と敵包囲各個撃破を狙う菊乃の囮統合命令
同時多発テロの裏で、相馬家当主の千鶴と童戸家当主の手鞠が魔族の邪神具によって異空間へ封印された。
・千鶴は封印される直前に、日本国内に封印されている最後のパーツが敵に奪われる未来を予知していた。
・この予知は対策をしなければ高い確率で実現するため、退魔師協会会長の菊乃は、魔族やテロリストに奪われる前にパーツを回収するよう晴久たちに命じる。
・その真の狙いは、回収したパーツを晴久へ統合することで、敵を一か所におびき寄せて各個撃破するという囮作戦であった。
ゼパル同行チームの南海移動と前線軍事基地内包の龍脈諸島封印地潜入
回収チームには、晴久、宗谷美咲、文鳥桜、葛乃葉楓、烏丸葵に加え、新たな護衛として派遣された最年少魔王候補の魔族ゼパルが同行した。
・向かった先は、南海に浮かぶ龍脈諸島である。
・ここは日本最高峰のパワースポットであり、特殊な霊能技術の実験場であると同時に、軍事基地を備えた前線都市でもあった。
・本土から隔離されているため被害を抑えやすく、有事の防衛強化が不自然に見えないという理由から、最後のパーツが隠されていた。
地下強固結界の解除とミホトのサキュバス王子宮吸収に伴う晴久幼児化
パーツは軍の駐屯地内の地下深く、龍脈の力を利用した強固な封印結界の先に隠されていた。
・晴久の快楽媚孔と、楓、桜の技術を組み合わせて結界を解除すると、祭壇に封じられていたパーツが現れる。
・ミホトはそれがパーツの中でも特に強い力を持つサキュバス王の子宮だと見抜き、晴久の制止を聞かずに吸収してしまった。
・しかし、晴久が男性であるため処理に時間がかかり、ミホトが外部からの影響を防ぎきれなくなった結果、直後に発生した怪異によって晴久の身体が小学一年生ほどに幼児化してしまうという緊急事態に陥る。
アンドロマリウス撃退口獲得と大神族アザゼル乱入に伴う子宮強奪の幕引き
晴久が弱体化した隙を突くように、パーツを取り込んだ魔族アンドロマリウスが襲来した。
・激戦の末にアンドロマリウスを絶頂除霊で撃退し、サキュバス王の口を新たに獲得する。
・しかし直後に、サキュバス王を名乗る地上堕ちの大神族アザゼルが乱入してきた。
・圧倒的な力の差により、晴久は強制絶頂させられ、手、角、子宮、口の四つのパーツをすべて奪われてしまう。
・精神世界での決死の反撃により手、角、口の三つは取り戻せたものの、新たに回収した強力な子宮だけはアザゼルに奪い去られてしまった。
・結果として、退魔師協会側はサキュバス王の口を得た一方で、より強力な子宮を敵に明け渡すことになり、パーツ回収任務としては不利な戦果に終わった。
まとめ
最後のパーツ回収を巡る一連の顛末は、予知された最悪の未来を回避し敵を一網打尽にするための囮作戦として開始されながらも、パーツの強力な霊威による幼児化という不測の事態と大神族アザゼルの圧倒的な武力介入によって、戦術的敗北を喫した過酷な任務の記録である。地下駐屯地での結界解除から、幼児化した晴久を襲うアンドロマリウスの撃退、そしてアザゼルの強制絶頂攻撃によって子宮を奪取されたプロセスは、敵側の個人の力量の凄まじさと争奪戦の厳しさを示している。最終的に、手、角、口の奪還には成功したものの、核心たる強力な「子宮」を敵へ明け渡し、協会側が戦略的に極めて不利な防衛戦へと追い込まれる結果となった顛末は、この回収任務が単なるパーツの確保競争にとどまらず、神魔の最高峰が表舞台へと引きずり出され、世界規模の破滅的な決戦の幕を開ける絶対的な引き金となったことを厳密に証明している。
魔族ゼパルの護衛
本作の第9巻において新たに晴久たちのパーティーへ加わった「魔族ゼパルの護衛」は、人間界を超えて神族や魔族が絡む事態へと発展したサキュバスパーツ争奪戦を象徴する、異例かつ強力な戦力である。その詳細な背景と物語における活躍を構成する要素は以下の通りである。
女子高生受肉擬態の最年少魔王候補派遣と地上不干渉協定違反魔族の犯罪責任措置
退魔師協会側の切り札であった童戸手鞠と相馬千鶴が封印されたことで、晴久たちは国内に封印された最後のパーツ回収という危険な任務を帯びることになった。
・弱体化したとはいえ強力な悪魔憑きであるジェーン・ラヴェイや特級テロリストに対抗するための強力な護衛として派遣されたのが、人間の女子高生朝風春美に受肉して擬態した最年少魔王候補の魔族ゼパルであった。
・現代の神族と魔族は地上への不干渉協定を結んで休戦状態にあり、アンドロマリウスやレヴィアタンのように地上で勝手に害をなす者は魔界でも犯罪者として扱われていた。
・神族だけでは対応しきれない地上での魔族の犯罪に対し、魔族側も責任を取るという政治的措置として、まだ若くパーツ収集の政治基盤を持たないゼパルが護衛に選ばれた。
ゲーセン接触の美咲ら挑発人間関係攪乱とDクラス編入女子寮娯楽満喫
ゼパルは正式な顔合わせを待たず、休日のゲーセンでチンピラに絡まれるという形で晴久に接触した。
・助けてもらった礼と称して急速に距離を詰め、晴久の周囲にいる宗谷美咲、文鳥桜、葛乃葉楓を意図的に挑発し、彼女たちの嫉妬や怒りを煽って楽しむなど、人間関係を大きくかき乱した。
・学園のDクラスへ編入して女子寮で暮らし始めたゼパルであるが、基本的にはアニメやゲームなど地上の娯楽を満喫しており、深刻な悪意は見せずに大人しく護衛任務に就いていた。
巨大特級テロリスト雷撃瞬殺とアンドロマリウス霊力吸収打破の物理近接足止め
ゼパルの実力は魔王候補の名に恥じない絶大なものである。
・学園に現れた巨大な特級霊能テロリストを、強大な雷撃の一撃で瞬殺して無力化してみせた。
・パーツ回収のために訪れた龍脈諸島では、因縁の魔族アンドロマリウスと激突する。
・アンドロマリウスがサキュバス王の口の能力によって霊力や術式攻撃を吸収してしまうため、ゼパルは魔力で周囲の車両を操ってぶつける純粋な物理攻撃や、風を利用した近接格闘で時間を稼いだ。
・晴久が怪異によって幼児化して無力化した絶体絶命の危機においても、彼女が最前線でアンドロマリウスと眷属たちを足止めし続けたことで、晴久たちは怪異を解除する時間を稼ぐことができた。
晴久絶頂除霊連携のコンビネーション構築と拘束事後処理および大神族アザゼル看破
怪異が解けて本来の姿に戻った晴久との連携戦では、ゼパルが物理攻撃でアンドロマリウスの体勢を崩し、見事なコンビネーションで晴久の絶頂除霊による反撃の隙を作り出した。
・アンドロマリウス撃破後は、彼女を強力な封印術で拘束し、監視下に置くという魔族としての事後処理も完璧にこなしている。
・さらに、最後に乱入してきた強敵が神聖な力を放った際、その正体が行方不明になっていた地上堕ちの大神族アザゼルであると即座に見抜くなど、魔界の知識を持つ者として晴久たちに欠かせない重要な役割を果たしている。
まとめ
魔族ゼパルの護衛任務を巡る一連の顛末は、地上の休戦協定を巡る政治的背景から生じた異例の魔王候補の同行が、圧倒的な戦闘能力によるテロリストや同族の撃退、そして晴久との連携による戦術的勝利をもたらした強力な共闘の記録である。学園での特級テロリスト瞬殺や、龍脈諸島における術式吸収能力を持つアンドロマリウスへの物理的近接格闘による足止めプロセスは、彼女の戦術的柔軟性と魔王候補としての格の違いを示している。最終的に、晴久の絶頂除霊への布石を打ち、撃破後の完璧な拘束処理を行いながら、アザゼルの正体を瞬時に看破して魔界の知識を共有した顛末は、この護衛の存在が単なる一時的な戦力の補強にとどまらず、神魔の最高峰が衝突する世界の深淵において、晴久たちが次なる破滅的な激戦を生き抜くための絶対的な羅針盤となったことを厳密に証明している。
大神族アザゼル
本作の第9巻において新たに晴久たちのパーティーへ加わった「魔族ゼパルの護衛」は、人間界を超えて神族や魔族が絡む事態へと発展したサキュバスパーツ争奪戦を象徴する、異例かつ強力な戦力である。その詳細な背景と物語における活躍を構成する要素は以下の通りである。
女子高生受肉擬態の最年少魔王候補派遣と地上不干渉協定違反魔族の犯罪責任措置
退魔師協会側の切り札であった童戸手鞠と相馬千鶴が封印されたことで、晴久たちは国内に封印された最後のパーツ回収という危険な任務を帯びることになった。
・弱体化したとはいえ強力な悪魔憑きであるジェーン・ラヴェイや特級テロリストに対抗するための強力な護衛として派遣されたのが、人間の女子高生朝風春美に受肉して擬態した最年少魔王候補の魔族ゼパルであった。
・現代の神族と魔族は地上への不干渉協定を結んで休戦状態にあり、アンドロマリウスやレヴィアタンのように地上で勝手に害をなす者は魔界でも犯罪者として扱われていた。
・神族だけでは対応しきれない地上での魔族の犯罪に対し、魔族側も責任を取るという政治的措置として、まだ若くパーツ収集の政治基盤を持たないゼパルが護衛に選ばれた。
ゲーセン接触の美咲ら挑発人間関係攪乱とDクラス編入女子寮娯楽満喫
ゼパルは正式な顔合わせを待たず、休日のゲーセンでチンピラに絡まれるという形で晴久に接触した。
・助けてもらった礼と称して急速に距離を詰め、晴久の周囲にいる宗谷美咲、文鳥桜、葛乃葉楓を意図的に挑発し、彼女たちの嫉妬や怒りを煽って楽しむなど、人間関係を大きくかき乱した。
・学園のDクラスへ編入して女子寮で暮らし始めたゼパルであるが、基本的にはアニメやゲームなど地上の娯楽を満喫しており、深刻な悪意は見せずに大人しく護衛任務に就いていた。
巨大特級テロリスト雷撃瞬殺とアンドロマリウス霊力吸収打破の物理近接足止め
ゼパルの実力は魔王候補の名に恥じない絶大なものである。
・学園に現れた巨大な特級霊能テロリストを、強大な雷撃の一撃で瞬殺して無力化してみせた。
・パーツ回収のために訪れた龍脈諸島では、因縁の魔族アンドロマリウスと激突する。
・アンドロマリウスがサキュバス王の口の能力によって霊力や術式攻撃を吸収してしまうため、ゼパルは魔力で周囲の車両を操ってぶつける純粋な物理攻撃や、風を利用した近接格闘で時間を稼いだ。
・晴久が怪異によって幼児化して無力化した絶体絶命の危機においても、彼女が最前線でアンドロマリウスと眷属たちを足止めし続けたことで、晴久たちは怪異を解除する時間を稼ぐことができた。
晴久絶頂除霊連携のコンビネーション構築と拘束事後処理および大神族アザゼル看破
怪異が解けて本来の姿に戻った晴久との連携戦では、ゼパルが物理攻撃でアンドロマリウスの体勢を崩し、見事なコンビネーションで晴久の絶頂除霊による反撃 of 隙を作り出した。
・アンドロマリウス撃破後は、彼女を強力な封印術で拘束し、監視下に置くという魔族としての事後処理も完璧にこなしている。
・さらに、最後に乱入してきた強敵が神聖な力を放った際、その正体が行方不明になっていた地上堕ちの大神族アザゼルであると即座に見抜くなど、魔界の知識を持つ者として晴久たちに欠かせない重要な役割を果たしている。
まとめ
魔族ゼパルの護衛任務を巡る一連の顛末は、地上の休戦協定を巡る政治的背景から生じた異例の魔王候補の同行が、圧倒的な戦闘能力によるテロリストや同族の撃退、そして晴久との連携による戦術的勝利をもたらした強力な共闘の記録である。学園での特級テロリスト瞬殺や、龍脈諸島における術式吸収能力を持つアンドロマリウスへの物理的近接格闘による足止めプロセスは、彼女の戦術的柔軟性と魔王候補としての格の違いを示している。最終的に、晴久の絶頂除霊への布石を案内し、撃破後の完璧な拘束処理を行いながら、アザゼルの正体を瞬時に看破して魔界の知識を共有した顛末は、この護衛の存在が単なる一時的な戦力の補強にとどまらず、神魔の最高峰が衝突する世界の深淵において、晴久たちが次なる破滅的な激戦を生き抜くための絶対的な羅針盤となったことを厳密に証明している。
サキュバス王復活計画
本作の第9巻で全貌が明らかになった「サキュバス王復活計画」は、単なるテロリストたちの欲望を満たすためのものではなく、神族と魔族の力関係を根底から覆そうとする壮大な陰謀である。その詳細と物語における重要なポイントを構成する要素は以下の通りである。
魔族衰退危惧に伴う次期魔王候補少年魔族の性エネルギー独占と神魔逆転の真の狙い
アーネストをはじめとする国際霊能テロリストたちは、あらゆる欲望が満たされる理想郷である淫都ソドムとゴモラの再建と、サキュバス王の復活を信じてパーツを集めていた。
・しかし、彼らを裏で操る真の黒幕である次期魔王候補の少年魔族の目的は別にあった。
・人間文明の発展に伴って正の感情が増えれば、負の感情を糧とする魔族が衰退してしまうと危惧する。
・サキュバス王の能力を掌握して人間の性エネルギーを独占しようと企てた。
・これにより、神族の重要なエネルギー源を絶って衰退させ、魔族の繁栄を守るという神魔の力関係の逆転が真の狙いである。
性エネルギー直接完全吸収の突然変異魔族暴走自滅と神族の性忌避教え流布
上位神族である辰姫の説明によれば、古代のサキュバス王は周囲の性エネルギーを直接かつ完全に吸収して自らの力へ変えられる、突然変異の魔族であった。
・彼女は人々を籠絡して淫都を築き、強大な力を得たが、やがて膨大なエネルギーを制御しきれずに暴走し、世界に被害を広げた末に自滅した。
・この脅威は凄まじく、残党から新たなサキュバス王が誕生するのを防ぐ必要があった。
・本来は性エネルギーを必要とする神族が、自ら性を忌避する教えを大陸全土へ広めたほどであった。
復活認識に対する完全消滅破壊祭壇の事実と双方可能性内包のサキュバスの穴
計画の最終段階として、敵側はすべてのパーツをサキュバスの穴と呼ばれる場所へ集めることで、サキュバス王を完全復活させられると考えている。
・一方で、ミホトが一部の記憶を取り戻した結果、サキュバスの穴は蓄積された性エネルギーを利用して、すべてのパーツを完全消滅させるための破壊の祭壇であるという、敵の認識とは正反対の事実が明かされた。
・扱い方次第で復活と消滅のどちらも起こり得る可能性があり、ここへパーツを集めようとする晴久たちの決断が今後の大きな鍵となる。
アザゼル自我侵食のサキュバス王誤認と制御装置過信に伴う制御不能厄災の危険性
計画の主犯格としてサキュバス王を名乗って暗躍する大神族アザゼルであるが、複数のパーツを宿し続けた結果、自我を侵食され、本気で自分をサキュバス王だと思い始めている。
・少年魔族は自らが開発した制御装置で復活後のサキュバス王を操れると考えている。
・しかし、正気を失いつつあるアザゼルに一抹の不安を抱いている。
・それでも神魔両陣営に計画を察知された以上、後戻りはできないとパーツ収集を進めており、制御不能な厄災が引き起こされる危険性が極めて高まっている。
・この事態は、天界の最優先案件として対処されるべき最大の脅威となっている。
まとめ
サキュバス王復活計画を巡る一連の顛末は、負の感情の衰退に危機感を覚えた魔族の壮大な生き残り戦略が、古代の破壊的な突然変異魔族の力を引き出し、神族の生命線を断とうとする神魔の存亡を賭けた暗闘の記録である。淫都再建というテロリストの信仰を利用しつつ、アザゼルの自我侵食やサキュバスの穴の破壊の祭壇としての真の性質といった不確定要素を抱えたまま計画が強行されるプロセスは、この陰謀が持つ危うさと規模の大きさを示している。最終的に、操れるという魔族の過信を置き去りにして制御不能な厄災へと向かうアザゼルの暴走と、復活と消滅の二面性を持つ穴へのパーツ集結が決定づけられた顛末は、この計画が単なる局地的な怪異の発生にとどまらず、天界の最優先案件として世界秩序を根底から解体し、神魔の最高峰を巻き込んだ全面戦争の地獄へと晴久たちを引きずり込んでいく絶対的な凶兆であることを厳密に証明している。
絶頂除霊 ! 8巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 10巻レビュー
登場キャラクター
都立退魔学園
古屋晴久
ミホトを両手に宿し、絶頂除霊を行う主人公である。仲間たちとともに日本国内に封印された最後のパーツの回収任務に就く。
・所属組織、地位や役職
都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
アーネストへの絶頂司法取引を行い、敵の目的の情報を引き出した。龍脈諸島でパーツを回収した後、怪異によって幼児化している。ゼパルと連携してアンドロマリウスを撃退したが、直後に現れたアザゼルにパーツを奪われた。精神世界で反撃し、パーツの一部を取り戻すことに成功した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
幼児化中は理性の抑制が弱まり、本心を漏らして仲間を動揺させている。《サキュバス王の子宮》と《サキュバス王の口》を体内に取り込んだ。
宗谷美咲
淫魔眼を宿す少女である。晴久へ好意を抱いており、彼に接近するゼパルや桜、楓に激しい嫉妬を見せる。
・所属組織、地位や役職
都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
龍脈諸島でのパーツ回収に同行し、式神で戦闘を支援した。幼児化した晴久の無防備な言動に動揺し、理性を失いかけている。アザゼルとの戦いでは尾と振動攻撃によって拘束された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
なぜかアザゼルの快楽を与える能力が通じず、振動もくすぐったさとして作用した。
葛乃葉楓
変身術を得意とする少女である。晴久へ想いを寄せており、時に大胆な行動で彼に接近する。
・所属組織、地位や役職
都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
龍脈諸島でのパーツ回収に同行し、変身術で晴久たちの潜入を支援した。幼児化した晴久に求婚され、移動中に壁へ激突しながらも婚姻届への署名を求めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アーネスト捕縛の懸賞金の管理を任された。
文鳥桜
晴久を護衛する少女である。晴久へ好意を抱き、他の女性の接近を激しく牽制する。
・所属組織、地位や役職
都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
龍脈諸島でのパーツ回収に同行し、結界や霊具で戦闘を支援した。幼児化した晴久に動揺し、行き過ぎた行動を取ろうとして美咲に止められている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
童戸槐
晴久を慕う少年である。手鞠の封印を知って元気を失っていた。
・所属組織、地位や役職
童戸家。
・物語内での具体的な行動や成果
晴久たちに水族館へ連れ出され、笑顔を取り戻した。早ければ年明けに退魔学園へ編入すると明かしている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
烏丸葵
強力な拘束術を操る少女である。欲望に忠実であり、仲間たちとの任務に同行する。
・所属組織、地位や役職
都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
龍脈諸島でのパーツ回収に同行した。戦闘ではアンドロマリウスの動きを拘束術で止めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
退魔師協会・十二師天
葛乃葉菊乃
退魔師協会の会長である。手鞠と千鶴の封印を受け、晴久たちにパーツ回収の極秘任務を命じた。
・所属組織、地位や役職
退魔師協会会長。十二師天。
・物語内での具体的な行動や成果
晴久を呼び出し、千鶴の予知と今後の作戦を説明した。アーネストの尋問のため、晴久に絶頂司法取引を依頼している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
童戸手鞠
運命操作の力を持つ女性である。魔族の邪神具によって異空間へ封印されている。
・所属組織、地位や役職
童戸家当主。十二師天。
・物語内での具体的な行動や成果
現世と物理的・霊的な干渉が遮断されており、豪運も無効化された。封印解析のため、龍脈諸島の研究所へ連れて行かれている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
相馬千鶴
未来視の力を持つ女性である。手鞠とともに異空間へ封印されている。
・所属組織、地位や役職
相馬家当主。十二師天。
・物語内での具体的な行動や成果
封印される直前、日本国内に封印されている最後のパーツが敵に奪われる未来を予知した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
予知能力は完全に無効化されている。
皇夏樹
晴久たちの連絡役を務める人物である。ゼパルの護衛就任に不満を抱いている。
・所属組織、地位や役職
十二師天。
・物語内での具体的な行動や成果
神族会議に出席し、自分が護衛の役目を果たせると主張した。紅葉姫ならレヴィアタンにも対抗できると口走っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゼパルに嫉妬だとからかわれた。
ナギサ
重犯罪者専用の地下収容所で尋問を行う人物である。生き霊となっている。
・所属組織、地位や役職
退魔師協会。
・物語内での具体的な行動や成果
絶頂除霊を取引材料とし、アーネストから情報を聞き出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
相馬家
武装巫女たち
相馬家本家を守る者たちである。テロリストの襲撃を受けて倒れた。
・所属組織、地位や役職
相馬家の武装巫女。
・物語内での具体的な行動や成果
襲撃により意識不明の重体となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
童戸家
童戸緑
童戸槐の世話をする人物である。
・所属組織、地位や役職
童戸家。
・物語内での具体的な行動や成果
夕方に槐を預かっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
魔族
ゼパル(朝風春美)
人間の女子高生の身体へ受肉した魔族である。退魔師協会からの依頼で晴久たちの護衛を務める。
・所属組織、地位や役職
最年少の魔王候補。
・物語内での具体的な行動や成果
学園に現れたテロリストを雷撃で瞬殺した。龍脈諸島ではアンドロマリウスと激戦を繰り広げ、物理攻撃で彼女を足止めしている。戦闘後はアンドロマリウスを封印術で拘束した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
朝風春美として退魔学園のDクラスへ編入した。
次期魔王候補の少年魔族
サキュバス王復活計画の真の黒幕である。人間の性エネルギーを独占し、魔族の繁栄を守ろうと企んでいる。
・所属組織、地位や役職
次期魔王候補。
・物語内での具体的な行動や成果
中東のパーツを回収し、サキュバス王にアンドロマリウスの解放を願い出た。正気を失いつつあるアザゼルに不安を抱きながらも計画を進めている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アンドロマリウス
晴久への復讐心を燃やす因縁の魔族である。新たなパーツを宿し、龍脈諸島で晴久たちを襲撃する。
・所属組織、地位や役職
魔族。
・物語内での具体的な行動や成果
《サキュバス王の口》を宿し、術式攻撃を吸収して眷属を生み出した。幼児化した晴久を追い詰めたが、絶頂除霊を連続で受けて敗北している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゼパルに拘束され、魔界の監獄が用意されるまで監視下に置かれた。
神族
アザゼル(サキュバス王)
天界から行方不明となっていた神族である。パーツによって本来の姿を隠し、サキュバス王を名乗る。
・所属組織、地位や役職
地上堕ちの大神族。
・物語内での具体的な行動や成果
《尻》《脚》《胸》のパーツを宿し、圧倒的な力で晴久たちから四つのパーツを奪った。精神世界で晴久たちに反撃され、三つのパーツを取り返されている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
パーツを宿し続けたことで自我を侵食され、本気で自分をサキュバス王だと思い始めている。
紅葉姫
地上で長年休んでいる神族である。夏樹の発言により責任を追及される。
・所属組織、地位や役職
神族。
・物語内での具体的な行動や成果
神族会議に出席し、辰姫から引きこもり同然だと責められた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
辰姫
祭壇から現れた上位神族である。勤勉であり、魔族との生態の違いを説明する。
・所属組織、地位や役職
上位神族。
・物語内での具体的な行動や成果
神族会議で紅葉姫を問いただした。神族のエネルギー源について説明し、ミホトを直接霊視している。アザゼルに関する報告を受け、天界の最優先案件として対処することを決定した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
霊能犯罪組織・テロリスト・犯罪者
アーネスト・ワイルドファング
重犯罪者専用の地下収容所に収監されている人物である。
・所属組織、地位や役職
国際霊能テロリスト。
・物語内での具体的な行動や成果
絶頂除霊を受けることを条件に、サキュバス王の復活や黒幕の存在について語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
彼女の捕縛により、晴久たちに多額の懸賞金が支払われている。
鹿島霊子
地下収容所に収監されている人物である。霊体へ異常な執着を持つ。
・所属組織、地位や役職
犯罪者。
・物語内での具体的な行動や成果
生き霊であるナギサへ興奮を向け、晴久に絶頂除霊を求めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
全裸の巨女
学園を襲撃した人物である。
・所属組織、地位や役職
国際霊能テロリスト。
・物語内での具体的な行動や成果
自らの身体を巨大化させ、晴久と美咲のパーツを奪おうとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ゼパルの雷撃で瞬殺された。
ラビス・フランシュテイン
ジェーンの敗北を問題視する人物である。
・所属組織、地位や役職
国際霊能テロリスト。
・物語内での具体的な行動や成果
自分たちも消耗しているため、次の行動を上位の協力者へ任せることにした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
逆神忍
報酬のために動く人物である。
・所属組織、地位や役職
テロリスト。
・物語内での具体的な行動や成果
ジェーンの敗北に対し、報酬さえ得られればよいと冷淡に応じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
龍脈諸島・研究所・軍
土御門雅
霊能技術開発センターの第三研究室主任である。優秀な研究者だが、常識外れな研究姿勢を持つ。
・所属組織、地位や役職
龍脈諸島の研究者。
・物語内での具体的な行動や成果
広域怪異探知装置や奇妙な発明品を晴久たちに紹介した。無意識のうちに怪異の宿主となっており、晴久の絶頂除霊を受けて怪異が解除された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
女性隊長
パーツが封印された駐屯地の案内役である。
・所属組織、地位や役職
駐屯地の隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
晴久たちを隠し扉から地下へ案内した。怪異発生後は、子供化した隊員たちの確保に追われている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
男性隊員たち
駐屯地で任務に就いている者たちである。
・所属組織、地位や役職
駐屯地の隊員。
・物語内での具体的な行動や成果
怪異の影響で全員が子供の姿となり、記憶や身体能力を失った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
操縦士や船員
龍脈諸島の交通を担う者たちである。
・所属組織、地位や役職
交通機関の職員。
・物語内での具体的な行動や成果
怪異の影響で子供となり、島の交通機能を停止させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
一般人・その他
三人の男
休日のゲーセンにいた人物たちである。
・所属組織、地位や役職
一般人。
・物語内での具体的な行動や成果
朝風春美を取り囲んで絡んでいたが、晴久に追い払われた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
怪異・式神・眷属
ミホト
晴久の両手に宿る少女霊である。パーツと強く結びついている。
・所属組織、地位や役職
怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
《サキュバス王の子宮》を吸収した。精神世界でサキュバス王の精神を拘束し、晴久とともに彼女を絶頂させている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
サキュバスの穴の存在を思い出した。
実験用の霊級格四式神
研究所内で暴走した存在である。
・所属組織、地位や役職
防衛用式神。
・物語内での具体的な行動や成果
土御門雅にしがみついていたが、桜や楓たちに倒された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
特になし。
アンドロマリウスの眷属たち
アンドロマリウスが放った魔力を浴びた女性たちである。
・所属組織、地位や役職
眷属。
・物語内での具体的な行動や成果
理性を失い、高い身体能力で晴久たちを追撃した。アンドロマリウスに性エネルギーを吸収され、命が危ぶまれる状態になっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アンドロマリウスが倒されたことで解放された。
絶頂除霊 ! 8巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
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展開まとめ
プロローグ
最後のパーツ回収任務
相馬家への再訪計画
国際霊能テロを乗り越えて治療を終えた晴久たちは、相馬家へ再び協力を求める計画を立てた。
国際霊能テロリストたちが晴久と宗谷のパーツを狙っている以上、事件の再発を防ぐにはパーツをすべて集め、完全に消滅させる必要があった。晴久たちは相馬家の予知と童戸家の幸運を組み合わせ、回収可能な未来を探ろうとしていた。
途絶えた連絡
晴久たちは皇夏樹を介して相馬家へ連絡を取ろうとしたが、事情を後で伝えるという返答を最後に音信が途絶えた。
宗谷と楓も旧家の伝手を使ったものの相馬家とは繋がらず、晴久は同時多発テロの後処理で混乱しているだけだと考えていた。
相馬家壊滅の報告
退院準備中の晴久のもとへ、桜、宗谷、楓が駆け込んできた。
三人は、相馬本家がテロリストの襲撃を受け、武装巫女たちが意識不明の重体となったことを告げた。さらに相馬家当主の千鶴と童戸家当主の手鞠が封印されたと聞き、晴久は言葉を失った。
執務室の二人
菊乃に呼び出された晴久たちは、退魔師協会本部へ急行した。
しかし執務室には、封印されたはずの手鞠と千鶴が普段と変わらない様子で座っていた。晴久たちは無事だったのかと期待したが、菊乃は二人が完全に封印されていると説明した。
異空間に隔てられた存在
手鞠と千鶴は会話や移動こそできたものの、誰もその身体へ触れられなかった。
二人の存在そのものが異空間へ封じられており、現世との物理的、霊的な干渉が遮断されていた。そのため手鞠の豪運も千鶴の予知も完全に無効化されていた。
解除不能の邪神具
封印には魔族が作った上位邪神具が使われていると菊乃は推測した。
晴久は絶頂除霊による解除を申し出たが、そもそも対象へ触れられず、封印具も敵の手中にあるため不可能だった。神族の力を借りても解除には長い時間が必要とされた。
封印直前の予知
現状説明を終えた菊乃は、晴久たちを呼び出した本当の理由を明かした。
千鶴は封印される直前、日本国内に封印されている最後のパーツが敵に奪われる未来を予知していた。
最後のパーツ
晴久たちは、宗谷の淫魔眼以外にも国内に封印されたパーツが残っていた事実に驚いた。
千鶴の予知は対策しなければ高い確率で実現するため、菊乃は晴久たちへ極秘任務を命じた。
魔族より先の回収
菊乃は、日本国内に封印された最後のパーツを、魔族や国際霊能テロリストに奪われる前に回収するよう晴久たちへ命じた。
手鞠と千鶴を欠いて人手不足となった退魔師業界の中で、パーツを宿しながら数々の強敵を退けてきた晴久たちが、その任務を担うことになった。
第一章 つかの間の日常(?)
神族会議と新たな護衛
最後のパーツ回収作戦
菊乃は、日本国内に封印された最後のパーツを晴久たちへ統合し、敵を一か所へおびき寄せて迎撃する囮作戦を説明した。
千鶴の予知では、隠し場所を変えてもパーツが奪われる未来は消えなかった。手鞠と千鶴が封印されて人手不足となったため、戦力を分散させるより、晴久たちへ集約してテロリストを各個撃破する方針が選ばれた。
強力な護衛
楓はジェーン・ラヴェイを含む敵を晴久たちだけで迎え撃つ危険を指摘した。
菊乃は、弱体化したジェーンにも対抗できる強力な護衛を用意していると答えた。しかしその人物は扱いの難しい存在であり、正式な場で顔合わせを行う必要があると説明した。
緊急神族会議
同時多発テロを受け、五日後に神族会議が開かれることになった。
晴久たちも特例として出席し、そこで新たな護衛を紹介される予定となった。紅葉姫より上位の神族も降臨するため、パーツやミホトについて新しい情報を得られる可能性もあった。
五日間の休息
パーツが奪われるのは少なくとも十日以上先と予知されており、神族会議後に封印地へ向かっても間に合う見込みであった。
菊乃は、パーツ回収後は敵の襲撃が激しくなるとして、晴久たちへ数日間しっかり休むよう命じた。一行は任務と囮作戦を承諾し、会議まで退魔学園の寮で過ごすことになった。
屋上の少女
その頃、派手な姿をした少女がビルの屋上から晴久たちの写真を眺めていた。
少女は晴久と周囲の少女たちへ強い興味と悪意を抱き、上から行動を禁じられているにもかかわらず、すぐに接触しようとしていた。その身体からは人ならざる黒い魔力が滲んでいた。
三人の居座り
寮へ戻った晴久は二日ほど休んだものの、すぐに退屈を覚えた。
桜が軽い運動へ誘うと、宗谷はゲーム、楓は映画を提案した。二人はジェーンの再襲撃を警戒するという理由で桜の部屋に泊まり込み、日常的に晴久の部屋へ集まっていた。
息抜きを巡る争い
桜、宗谷、楓は、それぞれ自分が晴久と過ごすのに都合のよい息抜きを主張した。
桜は運動、宗谷は協力型ゲーム、楓は恋愛要素のある映画を選んでおり、互いの意図を疑って激しく言い争った。晴久は順番にすべて行えばよいと考えたが、口を挟めばさらに面倒になると判断して部屋を抜け出した。
一人の散策
晴久は人気の少ない学園内を歩き、静かな時間を過ごした。
しかし一人になると、パーツやミホトについて考え込んでしまった。脳裏に浮かんだのは、菊乃から頼まれた別件の用事と、その先で行った絶頂司法取引によって知った新たな情報であった。
司法取引と槐との休日
地下収容所の事情聴取
パーツ回収任務を命じられた日、晴久は菊乃の依頼を受け、重犯罪者専用の地下収容所へ向かった。
目的は、捕らえたアーネスト・ワイルドファングから、魔族や国際霊能テロリストに関する情報を聞き出すことであった。ナギサの憑依霊視だけでは通用しない可能性があるため、晴久の絶頂除霊も取引材料として利用されることになった。
鹿島霊子との再会
収容所には、以前捕らえられた鹿島霊子も収監されていた。
霊体へ異常な執着を持つ霊子は、生き霊となったナギサへ興奮を向け、さらに自分を救った晴久の絶頂除霊まで求めた。晴久は霊子の言動に圧倒され、ナギサが収容所を嫌がっていた理由を理解した。
アーネストとの司法取引
アーネストも絶頂除霊を再び受けることを望んでおり、ナギサはその欲求と引き換えに情報を要求した。
アーネストは、パーツを集める目的がサキュバス王と、その築いた淫都ソドムとゴモラを復活させることだと明かした。そこではあらゆる欲望が満たされると聞かされ、彼女たちは理想郷の実現を信じていた。
ミホトの拒絶
サキュバス王の復活を聞いた瞬間、晴久の両手が熱を帯び、ミホトが強い口調で否定した。
しかしミホト自身も、なぜそう断言したのか理解できず、記憶を取り戻すことはできなかった。晴久は、パーツを集めれば完全消滅するというミホトの話と、王が復活するという敵側の話のどちらが正しいのか判断できなくなった。
次期魔王候補の黒幕
アーネストは、自分たちを誘った黒幕がアンドロマリウスを上回る次期魔王候補級の魔族である可能性を語った。
実際にパーツを除霊できる晴久が現れ、レヴィアタンを宿すジェーンまで動いていたため、荒唐無稽な話にも信じる根拠があると考えていたのである。
絶頂司法取引
情報を得るため、晴久は不本意ながらアーネストへ絶頂除霊を施した。
ナギサはその報酬を利用して、さらに協力者や魔族側の情報を吐かせようと尋問を続けた。晴久は異様な司法取引に巻き込まれながらも、得られた情報を仲間たちと共有した。
答えの出ない疑問
二日後、学園内を歩いていた晴久は、ミホトの正体やパーツを集めた先に起きることを考え続けていた。
確かな情報が少ない以上、ひとまず敵へパーツを渡さないことへ専念するしかないと結論づけていたが、一人になると不安を振り払えなかった。
沈んだ槐
散策中、晴久は元気を失った童戸槐と出会った。
槐は、手鞠がテロリストに襲われて封印されたことを心配していた。本人から励まされても不安は消えず、晴久は以前の約束を思い出して、一緒に出かけようと誘った。
水族館への外出
晴久、美咲、桜、楓、槐は近場の水族館を訪れた。
槐は出かけることへ罪悪感を抱いていたが、晴久は退魔師にとって心を明るく保つことも大切な訓練だと説明した。槐は水族館や食べ歩き、雑貨店巡りを楽しみ、次第に笑顔を取り戻した。
退魔学園への編入
ゲーセンで休憩していた槐は、早ければ年明けに退魔学園へ編入できると明かした。
長く普通の学校へ通っておらず、途中から一人で入学することへ不安を感じていた。晴久は途中入学する生徒は珍しくなく、自分たちやDクラスの仲間もいると励ました。
槐の安堵
晴久の言葉を聞いた槐は、不安を和らげて明るい笑顔を見せた。
その後、二人は美咲たちのゲーム勝負へ加わり、一日を楽しんだ。夕方には童戸緑へ槐を預けたが、美咲、桜、楓は翌日の行き先を巡ってなお張り合い続けた。
ゲーセンの怒声
晴久が三人の勝負から離れて飲み物を買おうとしたとき、ゲーセン内へ少女の怒声が響いた。
騒がしい休日の終わりに、新たな揉め事が起ころうとしていた。
朝風春美の正体
ナンパからの救出
ゲーセンで怒声を聞いた晴久は、三人の男に囲まれた女子高生を見つけた。
ジェーンの罠を思い出して警戒したものの、助けを求める姿を見捨てられず間に入った。殴りかかってきた男たちの動きを五感強化で見切り、傷つけずに追い払った。
朝風春美との出会い
助けた少女は朝風春美と名乗る派手な女子高生であった。
朝風は晴久へ急速に距離を詰め、礼として一緒に遊ぼうと誘った。そこへ美咲、桜、楓が駆けつけ、晴久が再び正体不明の女性へ関わったことを厳しく責めた。
三人の警戒
美咲は淫魔眼で朝風を詳しく確認したが、年齢や霊力、性情報に異常は見つからなかった。
それでも桜と楓は、初対面から晴久へ好意的な女性は怪しいとして拘留まで検討した。朝風は三人の態度から晴久への好意を見抜き、わざと挑発してさらに距離を縮めた。
退魔学園の編入生
朝風は退魔学園の学生証を見せ、夏休み明けから高等部へ編入すると明かした。
霊力が弱いためDクラスへ入り、留年によって一年生からやり直す予定であった。朝風は今後も晴久へ関わると宣言し、三人を警戒させた。
翌朝の訪問
翌朝、朝風は晴久の部屋を訪ね、学校を案内してほしいと頼んだ。
知り合いが一人もおらず心細いと漏らしたため、晴久は槐へかけた言葉を思い出し、午前中だけ案内することを承諾した。
距離の近い案内
学園内を案内する間も、朝風は身体を寄せたり食べ物を分けようとしたりして晴久へ積極的に接近した。
そのたびに美咲、桜、楓は激しく反応し、朝風を遠ざける方法を相談した。晴久は護衛中の三人を刺激しないよう朝風へ自重を求めた。
朝風の交際提案
朝風は晴久をベンチへ座らせて密着し、試しに交際しようと持ちかけた。
正式に付き合えば護衛たちも文句を言えないと主張し、軽い関係から始めてもよいと迫った。晴久はあまりに急な接近を不審に思い、距離を取ろうとした。
美咲の暴走
二人の姿を目撃した美咲は激しく動揺し、霊級格四の式神を放って引き離そうとした。
晴久は朝風を守ろうとしたが、朝風自身が禍々しい魔力を放ち、式神を一撃で消滅させた。
魔族の擬態
朝風は普通の人間として振る舞っていた擬態を解き、膨大な魔力を露わにした。
美咲の淫魔眼でも見抜けなかったため、晴久たちは朝風を魔族と判断して戦闘態勢へ入った。しかし朝風は敵意を見せず、自分は味方だと説明しようとした。
全裸の巨女
その直後、同時多発テロに参加していた国際霊能テロリストが学園へ現れた。
女は自らの身体を巨大化させ、晴久と美咲のパーツを奪おうとした。魔族とテロリストに挟まれた晴久たちは撤退を選んだ。
雷撃による瞬殺
朝風は強大な雷撃を放ち、巨大化したテロリストを一撃で無力化した。
晴久たちは、敵であるはずの魔族が自分たちを助けたことに混乱した。朝風は敵意がないことを改めて示し、自らの素性を説明した。
最年少魔王候補ゼパル
朝風春美の正体は、神族と退魔師協会から依頼を受けて人間の身体へ受肉した魔族ゼパルであった。
ゼパルは最年少の魔王候補であり、晴久たちを守るために用意された護衛であると名乗った。あまりに予想外の正体に、晴久たちは驚愕した。
第二章パーツ 回収
魔族ゼパルの護衛就任
テロリスト側の立て直し
国際霊能テロリストのラビス・フランシュテインは、相馬千鶴と童戸手鞠の封印には成功したものの、ジェーンが敗北して弱体化まで受けたことを問題視した。
逆神忍は報酬さえ得られればよいと冷淡に応じた。ラビスは自分たちも消耗しているため、次の行動を上位の協力者へ任せることにした。
中東のパーツ
次期魔王候補の少年魔族は、魔界と地上の狭間にある城へ中東で奪ったパーツを持ち帰った。
少年は、その成果と国際霊能テロリストたちの働きを挙げ、失敗の罰を受けていたアンドロマリウスの解放をサキュバス王へ願い出た。
アンドロマリウスの解放
サキュバス王は嘆願を受け入れ、長期間拘束していたアンドロマリウスを解放した。
しかしアンドロマリウスは長い責めによって消耗し、正常な状態とは言い難かった。それでもサキュバス王は中東のパーツを彼女へ与え、新たな力を宿らせた。
パーツを宿した魔族
アンドロマリウスの身体は褐色の肌や黒い外皮、長い尾を持つ姿へ変貌したが、理性は保たれていた。
サキュバス王は人間たちから残るパーツを奪うよう命じた。アンドロマリウスは晴久たちへの復讐心を燃やし、新たな策を練り始めた。
ゼパルへの確認
朝風春美が魔族ゼパルを名乗った直後、晴久たちは菊乃へ連絡を取った。
宗谷、桜、楓はゼパルを討伐すべきだと訴えたが、菊乃は彼女が予定していた護衛本人だと認めた。ゼパルは正式な顔合わせを待てず、晴久たちをからかうため先に接触していた。
神族と魔族の協定
菊乃は、現代の神族と魔族が地上への不干渉協定を結び、基本的には休戦状態にあると説明した。
アンドロマリウスやレヴィアタンのように地上で勝手に害をなす魔族は、魔界でも犯罪者として扱われていた。積極的に人間へ危害を加える魔族は少数派だったのである。
魔族側の責任
ゼパルは、魔族による事件を収めるため、魔族側も責任を取る必要があると語った。
神族だけでは地上の問題すべてへ対応できないため、ジェーンにも対抗可能なゼパルが晴久たちの護衛に選ばれた。誕生から日が浅く、パーツ収集を企むほどの政治基盤を持たないことも選定理由であった。
護衛への反発
宗谷たちはゼパルを信用できず、即座に護衛の交代を求めた。
しかしゼパルは遠慮なく三人へ接近し、晴久を取られたくないなら自分たちから想いを告げればよいと挑発した。さらに晴久へ際どい態度を見せ、三人の怒りを煽った。
学園に残る魔王候補
桜、宗谷、楓はゼパルを取り押さえようとしたが、彼女は余裕で攻撃をかわし、人間関係をかき乱すことを楽しんだ。
菊乃はゼパルに深刻な悪意はないと判断し、彼女を扱えるかどうかは晴久次第だと言い残した。こうして最年少魔王候補ゼパルは、朝風春美として退魔学園に残り、晴久たちの護衛を務めることになった。
神族会議と龍脈諸島
ゼパルの地上生活
ゼパルは退魔学園の女子寮で暮らし始め、晴久たちに警戒されながらも、主にゲームやアニメなど地上の娯楽を楽しんでいた。
時折晴久へ際どい冗談を投げかけて桜、美咲、楓を刺激したものの、深刻な悪意は見せず、護衛として大人しく過ごしていた。
緊急神族会議
三日後、晴久たちはパーツ回収に先立つ神族会議へ出席するため、退魔師協会本部を訪れた。
烏丸は神族へ不適切な言動をする危険を自覚して欠席した。会議には菊乃、手鞠、皇夏樹らが直接参加し、ほかの十二師天は各地のテロ対応を続けながら遠隔で出席していた。
夏樹の不満
夏樹はゼパルが晴久たちの護衛に選ばれたことへ不満を示し、自分と紅葉姫でも役目を果たせたと主張した。
ゼパルはその態度を晴久への嫉妬だとからかい、夏樹を動揺させた。さらに夏樹が紅葉姫ならレヴィアタンにも対抗できると口走ったことで、紅葉姫は上位神族から責任を追及されることになった。
辰姫の降臨
祭壇から現れた上位神族の辰姫は、紅葉姫へ長年地上で休み続けていることを厳しく問いただした。
紅葉姫は地上で仕事をしていると弁明したが、辰姫から引きこもり同然だと責められ、夏樹へ助けを求めた。
神族と魔族の口論
ゼパルは勤勉すぎる辰姫を挑発し、神族は働きすぎだと嘲った。
辰姫は、負の感情を自然に得られる魔族と違い、神族は正の感情を増やすため絶えず働かなければならないと激怒した。両者の口論は、神族と魔族の生態の違いを露わにした。
霊的上位存在の子供
晴久が霊的上位存在にも子供ができるのかと疑問を漏らすと、ゼパルは互いの魂を混ぜて新たな存在を生み出すと説明した。
さらに受肉した上位存在と人間の間にも低い確率で子供が生まれると晴久をからかったため、辰姫が拳骨で制止した。
正の感情と性エネルギー
本題に入った辰姫は、神族が人間の正の感情から生まれるエネルギーを糧としていると説明した。
古代は負の感情が多く、神族はエネルギー確保に苦労していた。その中で、性的な快感から生まれる膨大な性エネルギーが貴重な供給源となり、性に関する信仰が広まったのである。
絶頂除霊の原理
性エネルギーは通常の正の感情より変換効率が低いものの、総量が極めて大きかった。
晴久の絶頂除霊が強力なのも、悪霊や怪異の内部で膨大な正のエネルギーを発生させ、負の力を内側から破壊するためだと理解された。
サキュバス王の能力
サキュバス王は、周囲の性エネルギーを直接かつ完全に吸収し、自らの力へ変えられる突然変異の魔族であった。
彼女は地上の人々を籠絡して淫都ソドムとゴモラを築き、地域一帯の性エネルギーを独占して強大な力を得た。
淫都の崩壊
古代神族はサキュバス王を危険視して討伐隊を組織したが、戦う前に彼女自身が自滅した。
サキュバス王は膨大な性エネルギーを制御できず暴走し、世界を脅かす被害を広げた末に消滅した。しかし力の象徴であるパーツは再生を続け、眷属たちも淫都から逃げ延びた。
性を忌避する教え
逃亡した眷属が第二、第三のサキュバス王となる危険があったため、神族は大陸全土へ性を忌避する教えを広め、彼らを掃討した。
本来は性エネルギーを必要とする神族がそこまで徹底したことから、サキュバス王の脅威の大きさが示されていた。
ミホトへの霊視
辰姫は、晴久に宿るミホトがサキュバス王の眷属ではないかと疑い、直接霊視した。
しかしミホトからは魔族よりも神族に近い気配が強く感じられ、サキュバス王との関係は確かでも、その正体までは判明しなかった。
魔族の不可解な目的
美咲は、制御不能で自滅したサキュバス王を、魔族がなぜ復活させようとするのか疑問を呈した。
辰姫も黒幕の真意まではわからなかったが、復活すれば甚大な被害が出ることは確実であり、目的にかかわらず阻止すべきだと結論づけた。
地上堕ちの神族
会議では別の議題として、仕事を放棄して地上へ逃れた神族についても扱われた。
楓は、激務に耐えかねて人間へ加護を与え、地上で暮らそうとする神族を地上堕ちと呼ぶと説明した。約一年前にも大物神族が一人行方不明となっていた。
極秘の出発
会議を終えた晴久たちは、国内最後のパーツを回収するため空港へ向かった。
相馬家への内通者を警戒し、楓の変身術で姿を変え、表向きは封印された手鞠を霊能研究施設へ護送する任務として行動した。
変装した一行
美咲、桜、楓は女性退魔師へ姿を変えた一方、ゼパルは太った中年男性に変身させられ、不満を爆発させた。
烏丸も新たな仲間への期待を裏切られて騒ぎ、一行は極秘任務とは思えない騒がしさのまま搭乗口へ向かった。
アーネストの懸賞金
飛行機の座席がファーストクラスだと知った晴久は費用を心配したが、楓からアーネスト捕縛の懸賞金が支払われていると知らされた。
晴久たち五人には家を買えるほどの大金が分配されていた。晴久は持て余した金の管理を楓へ頼み、美咲と桜も名乗り出たが、最終的に楓が担当することになった。
龍脈諸島
長い飛行を終え、晴久たちは南海に浮かぶ龍脈諸島へ到着した。
複数の島が連結して要塞都市のように発展したその土地は、《紅富士の園》と並ぶ日本最高峰のパワースポットであった。晴久は目前に広がる海洋都市の景観に目を奪われた。
龍脈諸島の夜
龍脈諸島への到着
晴久たちは、強大な龍脈の直上に築かれた霊能都市・龍脈諸島へ到着した。
島は特殊な術式や霊能技術の実験場である一方、観光地としても賑わっていた。しかし国境に近く、霊的資源も豊富であるため、軍事基地と防衛結界を備えた前線都市でもあった。
パーツ封印の理由
龍脈諸島にパーツが封印されたのは、有事の防衛強化が不自然に見えず、本土から隔離されて被害も抑えやすいためであった。
菊乃は、敵国に占領された際にはパーツを解放して島を混乱させれば奪還しやすいとも考えており、晴久はその乱暴な発想に呆れていた。
ホテルへの潜伏
一行は観光客に紛れ、警備が整いながらも人目を避けやすいホテルへ入った。
翌日の任務に備えて一人一部屋を用意していたが、ゼパルが楓の変身術を解除し、晴久と同室にすると言い出したことで騒動が起きた。
ゼパルへの拘束術
ゼパルは護衛を理由に晴久との同室を主張し、桜、美咲、楓を挑発した。
楓は、護衛中のゼパルが反撃を禁じられていることを烏丸へ教えた。烏丸は喜んで強力な拘束術を連発し、ゼパルは魔力の消耗を避けるため悪ふざけを断念した。
四人の相部屋
ゼパルは監視を兼ねて烏丸と同室になり、手鞠は一人部屋へ入った。
晴久は、ゼパルの再接近を警戒する桜、美咲、楓の主張によって、三人と大部屋で過ごすことになった。
夜の侵入者
就寝後、晴久のベッドへ何者かが忍び込んできた。
そこにいたのは、かつて楓が変身していた太刀川芽依の姿であった。周囲へ幻術を施していたことから、晴久は相手が楓本人だと見抜いた。
ゼパル対策の訓練
芽依を演じる楓は、晴久がゼパルの挑発に動揺しすぎることで、チームの連携が乱れる危険を指摘した。
その対策として、より刺激の強い状況へ慣れさせるため、朝まで抱き合って過ごす訓練を提案した。
楓の本心
晴久は、楓がパーツの件への責任感から無理をしているのだと考え、そこまでする必要はないと止めた。
しかし楓は、単なる責任感だけで行動していると思われたことへ不満を示した。その直後にはゼパルを真似た冗談だと誤魔化したものの、晴久はどこまで本気なのか判断できなかった。
暴かれた幻術
楓は芽依の姿のまま晴久へ密着し、あくまで訓練だと念を押した。
しかし動揺によって幻術が解け、桜と美咲に現場を見つかった。桜は楓を厳しく追及し、美咲も晴久へ、今後は異変があれば必ず自分を呼ぶよう強く命じた。
式神に囲まれた眠り
晴久は美咲の圧力に逆らえず、式神に囲まれたまま眠ることになった。
翌日にパーツ回収を控えながら、一行の夜はゼパルではなく楓の抜け駆けによって騒がしく終わった。
龍脈諸島のパーツ回収
霊能技術開発センター
翌朝、晴久たちは手鞠を連れ、龍脈諸島の中心部にある霊能技術開発センターを訪れた。
厳重な警備を通過して内部へ入った直後、実験用の霊級格四式神が暴走した。桜と楓が拘束し、美咲の式神が撃破したことで、式神にしがみついていた女性を晴久が救出した。
土御門雅
救出された女性は、第三研究室の主任を務める土御門雅であった。
雅は龍脈の力を利用し、術者なしで自立行動する防衛用式神を開発していたが、実験中に何度も命を落としかけていた。手鞠によれば、雅は実用的な術式や除霊具を数多く生み出した優秀な研究者であった。
広域怪異探知装置
雅は、半径数十キロ以内に潜む怪異の宿主を探知する試作装置を晴久たちへ見せた。
使用には龍脈諸島の環境と複数の高位退魔師が必要で、成功率も低かったが、実用化されれば怪異被害と退魔師の負担を大幅に減らせる発明であった。
雅の奇妙な発明品
雅は続けて、個人の欲求へ対応する式神や、感覚を共有する護符などを紹介した。
美咲と桜は即座に拒絶し、手鞠も自分を実験協力者のように語った雅へ釘を刺した。晴久たちは雅の能力を認めながらも、その常識外れな研究姿勢に困惑した。
手鞠の封印研究
晴久たちは、異空間へ封じられた手鞠の状態を解析するよう雅へ依頼した。
ゼパルも施設の設備と自らの霊視を使ってデータ収集へ協力し、その結果を神族へ渡すことになった。手鞠を研究所へ預けた一行は、本来の目的であるパーツ回収へ向かった。
駐屯地の隠し通路
パーツの封印地は、研究所から離れた軍の駐屯地内に隠されていた。
任務を知る女性隊長の案内で、晴久たちは武器弾薬庫近くの隠し扉から地下へ入った。表向きは封印結界の補修任務とされ、パーツ回収の事実は秘匿されていた。
龍脈の封印結界
長い階段と護符に覆われた通路の先には、龍脈の力を利用した人外級の封印結界が展開していた。
晴久が快楽媚孔を突いて結界を弱め、楓と桜が制御しながら完全に解除した。美咲たちはパーツの逃走や憑依に備え、地上への通路を結界で封鎖した。
サキュバス王の子宮
祭壇に封じられていたのは、干からびた器官のようなパーツであった。
ミホトは、それがパーツの中でも特に強い力を持つ《サキュバス王の子宮》だと見抜いた。記憶の回復を期待したミホトは、晴久の制止を聞かずにパーツを吸収した。
遅れる記憶の回復
《サキュバス王の子宮》は光となって晴久の体内へ取り込まれた。
外見上の異常はなかったが、晴久が男性であるため、身体へ悪影響を与えず完全に吸収するには時間が必要だった。そのためミホトの記憶もすぐには戻らなかったものの、呪いの悪化は確認されなかった。
消えた案内役
パーツ回収を終えた一行は、手鞠の封印解析を手伝うため研究所へ戻ろうとした。
しかし地上へ出ると、待機しているはずの女性隊長が姿を消しており、駐屯地の建物から不自然に楽しげな喧噪が聞こえてきた。
晴久の幼児化
周囲を調べようとした晴久の身体が突然熱を帯びた。
ミホトはパーツの処理に力を取られ、外部からの作用を防ぎきれなかったと叫んだ。煙が晴れると、晴久の身体は十年ほど幼くなった姿へ変化していた。
アンドロマリウスの再来
同じ頃、龍脈諸島を見下ろす屋上へ次元の裂け目が開いた。
そこから現れたのは、パーツによって強化されたアンドロマリウスであった。彼女は晴久たちがパーツを回収したことを確認し、身体に残る疼きへの復讐を果たすため行動を開始した。
第三章 畳みかける大事件
龍脈諸島のショタ化事件
幼児化した晴久
晴久の身体は小学一年生ほどまで縮み、外見だけでなく筋力や感覚まで幼くなっていた。
桜と美咲は幼い晴久に強く反応し、楓も大量の写真を撮影した。さらに晴久は理性が緩み、普段抑えている本音を幼い口調で漏らすようになったため、三人を次々と動揺させた。
半ショタ化の呪い
ゼパルの霊視により、晴久は変身と催眠を組み合わせた怪異に侵されていると判明した。
ミホトが抵抗していたため精神までは完全に幼児化していなかったが、理性の抑制が弱まり、本心が子供らしい言動として表れやすくなっていた。解除には怪異本体を倒す必要があった。
基地内の異変
駐屯地では男性隊員が全員子供の姿となり、大人としての記憶や身体能力まで失っていた。
女性隊長は子供化した隊員たちの確保に追われ、基地機能の回復へ向かった。異変は基地だけでなく周辺市街地にも広がっていた。
龍脈諸島の混乱
島中の男性が心身ともに幼児化し、女性たちにも子供へ過剰な執着を抱く影響が現れていた。
飛行場や港では操縦士や船員まで子供となり、交通機能が停止した。晴久たちは、龍脈の力を利用して意図的に増幅された怪異だと推測した。
逃げ道の封鎖
楓は襲撃を警戒し、島外への脱出を優先しようとした。
しかし空港と港はすでに機能を失い、島全体が封鎖状態となっていた。晴久は、自分たちがパーツ回収を急いだことで予知された襲撃を早めた可能性を考えた。
アンドロマリウスの再来
強大な魔力とともに現れたのは、以前とは異なる姿へ変貌したアンドロマリウスであった。
彼女はサキュバスパーツの力を取り込み、褐色の肌と黒衣、長い尾を備えた淫魔の姿となっていた。それでも理性を保ち、晴久への復讐心を露わにした。
サキュバス王の口
アンドロマリウスが宿していたのは《サキュバス王の口》であった。
彼女は晴久からパーツを奪うため、戦闘中にも執拗に絶頂させようとした。ミホトは、パーツ持ち同士では相手を絶頂させるだけでパーツを奪えると思い出した。
弱体化した晴久
晴久は快楽点ブーストと五感強化を使って応戦したが、幼児化による筋力と身体強度の低下で思うように動けなかった。
ミホトの力を使っても反動が晴久へ大きな痛みとして返り、アンドロマリウスへ決定打を与えられなかった。
ゼパルと烏丸の援護
烏丸は強力な拘束術でアンドロマリウスの動きを止め、ゼパルが膨大な雷撃を放った。
しかしアンドロマリウスは長い舌で拘束術と雷撃を絡め取り、その魔力を完全に飲み込んだ。
淫魔の眷属
《サキュバス王の口》には、霊力や魔力による攻撃を吸収し、その力から眷属を生み出す能力があった。
アンドロマリウスは吸収した魔力を液体へ変え、周囲の女性たちへ浴びせた。女性たちは理性を失った淫魔の眷属へ変わり、晴久を捕らえるため一斉に襲いかかった。
仲間たちの合流
美咲、桜、楓が追いつき、式神や結界、獣尾で眷属たちを退けた。
しかし眷属は高い身体能力と耐久力を持ち、空中から立体的に攻撃してきた。数も多く、親玉であるアンドロマリウスを倒さなければ戦況を覆せなかった。
ゼパルの決断
ゼパルは、術式攻撃を吸収するアンドロマリウスには晴久の絶頂除霊しか決定打にならないと判断した。
晴久が本来の力を取り戻すまで自分が足止めすると宣言し、魔力で晴久たちを包囲網の外へ吹き飛ばした。
怪異本体の追跡
晴久、美咲、桜、楓、烏丸はゼパルに戦場を任せ、追撃する眷属から逃れながら走り出した。
一行は晴久の幼児化を解除し、全力でアンドロマリウスと戦うため、龍脈諸島を覆う怪異の本体を探すことになった。
怪異探知装置への道
ゼパルとアンドロマリウス
晴久たちを逃がしたゼパルは、無数の眷属を従えるアンドロマリウスと対峙した。
術式攻撃を吸収されるため、ゼパルは魔力で周囲の車両を操り、純粋な物理攻撃で時間を稼いだ。アンドロマリウスも強固な結界で応じ、二人の本格的な戦闘が始まった。
怪異探知装置への賭け
晴久たちは、島内の膨大な人数から怪異の宿主を探すことが困難だと悟った。
そこで晴久は、土御門雅が開発した広域怪異探知装置を思い出した。研究所では起動要員が幼児化して不足していたものの、晴久たちが向かえば使用可能であったため、一行は三割の成功率に賭けて研究所を目指した。
眷属たちの追撃
研究所へ向かう途中、アンドロマリウスの眷属たちが空から執拗に追撃してきた。
美咲、桜、楓は式神や獣尾、対人術式を使って眷属を退けた。幼児化して弱体化した晴久は楓の獣尾に守られ、戦闘から遠ざけられた。
晴久の無邪気な求婚
幼児化の影響が強まった晴久は、楓の優しさに感激し、成長したら結婚してほしいと口走った。
動揺した楓は移動中に壁へ激突しながらも、晴久へ婚姻届への署名を求めた。桜と美咲が阻止し、三人は怪異の影響を受けたまま激しく争った。
再開発区の崩落
追撃が途絶えたことを不審に思った晴久は、眷属たちが建設中のビルや大型重機を破壊していることに気づいた。
美咲の式神が止めようとしたものの間に合わず、建物とクレーンが連鎖的に倒壊した。楓は晴久たちを獣尾で投げ飛ばして落下物から逃がし、自身も桜と美咲の援護で難を逃れた。
地下への落下
投げ飛ばされた晴久たちは、再開発区の大穴へ落下した。
晴久は桜に抱えられ、簡易式神で速度を落として無事に着地したが、美咲と烏丸とは一時的に離れ離れになった。
怪異に侵された桜
晴久は桜に抱き止められたことで動揺し、幼児化によって抑えられない本音を漏らした。
女性側にも怪異の影響が及んでいたため、桜は判断力を失いかけ、晴久へ行き過ぎた行動を取ろうとした。しかし美咲の式神が割って入り、桜を止めた。
美咲の暴走
美咲は桜を厳しく非難したが、晴久の無防備な言動を受けると、自身も怪異の影響で理性を失いかけた。
桜と美咲は互いを責めながら晴久を巡って争い、ミホトも怪異とパーツ処理に追われて十分な助けにならなかった。
楓と烏丸の救援
そこへ楓と烏丸が霊装車で大穴へ突入し、三人を救出した。
楓は桜と美咲の異常な行動を止め、穴の奥に島内の主要施設を結ぶ地下輸送路があることを発見した。
地下輸送路
地上の道路は放置車両で塞がれていたが、地下輸送路なら霊装車で研究所まで進めると判明した。
晴久は喜んで楓へ抱きついたため、楓も再び怪異の影響を受け、美咲と桜を置き去りにしようとした。三人の口論が再燃するなか、一行は怪異探知装置を起動するため地下道を急いだ。
怪異の正体と最終決戦
ゼパルの足止め
晴久たちを逃がしたゼパルは、アンドロマリウスと一対一で戦った。
術式攻撃を吸収されるため、ゼパルは車両や爆発を利用した物理攻撃で時間を稼いだ。アンドロマリウスは強固な結界で防ぎ、両者は激しく衝突した。
怪異探知装置への希望
怪異の宿主を通常の方法で探すのは不可能に近かったため、晴久は土御門雅の広域怪異探知装置を思い出した。
研究所には起動要員が不足していたが、晴久たちが協力すれば使用できる可能性があった。一行は装置の三割という成功率に賭け、研究所へ急いだ。
研究所への追撃
地下輸送路を利用した晴久たちは短時間で研究所へ到着したが、アンドロマリウスの眷属も先回りするように周囲へ集まっていた。
研究所の結界は持ちこたえていたものの、地下道から侵入した眷属が内部へ迫った。晴久は装置を守るため、ミホトの力で眷属を迎撃した。
広域霊視の起動
美咲、桜、楓、烏丸は全力で霊力を注ぎ、雅が怪異探知装置を起動した。
烏丸も楓の用意した刺激によって大量の霊力を発生させた。装置は龍脈諸島全域へ霊波を放ち、怪異の宿主を捜索した。
探知の失敗
最初の探知結果は該当者なしであった。
雅は繰り返し照射すれば発見できる可能性があると説明し、再起動を試みた。しかし直後、実験室の壁が破壊され、装置は瓦礫の下で完全に壊れた。
アンドロマリウスの侵入
研究所へ現れたアンドロマリウスは、怪異探知という希望を断ち切った晴久たちの絶望を楽しんだ。
ゼパルを退けた彼女は、幼児化したままの晴久では自分に勝てないと嘲笑した。
二人の観測者
晴久は、怪異がパーツ回収と同時に発生したことから、自分たちの行動を近くで観察していた人物が宿主だと推測した。
正確な回収時刻を把握できたのは、駐屯地の女性隊長か、研究所で待機していた土御門雅だけであった。女性隊長には怪異を仕込む時間がなかったため、晴久は雅へ賭けることにした。
雅への絶頂除霊
晴久が雅を狙った瞬間、倒されたふりをしていたゼパルがアンドロマリウスを拘束した。
桜、楓、美咲も眷属を食い止め、晴久は雅へ絶頂除霊を施した。確証のない賭けであったが、雅に植え付けられていた怪異は除霊された。
解除された幼児化
雅の怪異が消えた直後、晴久の身体は元の姿へ戻った。
島中の男性を幼児化させ、女性の理性へ影響を与えていた怪異の宿主は雅であった。彼女自身は無意識のまま情報を敵へ渡し、怪異を発動させられていたと考えられた。
因縁の最終決戦
本来の身体と力を取り戻した晴久は、アンドロマリウスへ改めて立ち向かった。
アンドロマリウスもゼパルの拘束を破り、晴久への憎悪と復讐心を露わにした。こうして晴久たちと、パーツで強化された因縁の魔族との最終決戦が始まった。
第四章 サキュバスパーツVSサキュバスパーツ
アンドロマリウスとの決着
晴久とゼパルの連携
戦闘が再開すると、ゼパルは瓦礫を操る物理攻撃でアンドロマリウスの隙を作った。
晴久は快楽点ブーストと角の能力を全開にし、ミホトへ両手の主導権を渡して突撃した。ゼパルも風を利用した近接攻撃を重ね、二人は術式吸収を避けながら肉弾戦でアンドロマリウスを追い詰めた。
眷属からの力の吸収
アンドロマリウスは眷属へ命令を下し、強制的に絶頂させて性エネルギーを吸収した。
そのたびに彼女の力と速度は増し、晴久とゼパルの連携を正面から上回った。さらに眷属たちは繰り返し力を奪われ、命まで危ぶまれる状態となった。
一時撤退と反撃準備
晴久は長期戦になるほど不利になると判断し、ゼパルとともに美咲たちのもとへ退いた。
一行は《サキュバス王の口》の吸収能力を逆手に取る作戦を立て、楓の変身術、烏丸の拘束術、美咲の式神、桜の霊具を組み合わせた。
偽装された魔力弾
楓は石を強力な魔力弾へ見せかけ、大量にアンドロマリウスへ放った。
烏丸が口を拘束したことで反応を遅らせ、アンドロマリウスは本物と偽物を判別できないまま舌を振るった。その中には、式神に乗った晴久と、身を隠した桜も紛れていた。
人間たちの連携
ゼパルの風がアンドロマリウスの体勢を崩し、美咲の式神が晴久を勢いよく投げ出した。
さらに桜が改造した術式攪乱閃光弾を至近距離で放ち、アンドロマリウスの視界と判断を一瞬だけ奪った。そのわずかな隙を突き、晴久は快楽媚孔へ指を叩き込んだ。
積み重ねられた絶頂除霊
アンドロマリウスは最初の一撃で絶頂寸前まで追い込まれたが、晴久は攻撃を止めなかった。
桜、小日向、槐をはじめ、彼女によって苦しめられた人々への怒りを込め、晴久は新たに現れた快楽媚孔へ連続して絶頂除霊を叩き込んだ。
崩壊した復讐心
複数の絶頂除霊を重ねられたアンドロマリウスは、長く続いていた疼きから解放された。
圧倒的な快感によって理性、誇り、悪意、復讐心まで押し流され、抵抗する力を失って地面へ崩れ落ちた。
《サキュバス王の口》の獲得
アンドロマリウスが倒れると、その身体から膨大な光が溢れた。
光が晴久へ吸収されたことで、《サキュバス王の口》が新たなパーツとして加わった。晴久の舌には違和感が生じたものの、外見上の大きな変化はなかった。
アンドロマリウスの捕縛
パーツを失ったアンドロマリウスは元の姿へ戻り、眷属化されていた女性たちも解放された。
ゼパルはアンドロマリウスを強力な封印術で拘束し、完全に無力化した。晴久たちは二つのパーツを同時に回収することに成功した。
ミホトの負担
ミホトは《サキュバス王の子宮》と《サキュバス王の口》を同時に処理することになり、晴久への悪影響を防ぐため苦戦していた。
そのため記憶の回復はまだ起こらなかったが、晴久たちはひとまず戦いが終わったと考えた。
新たな乱入者
楓と桜は次の襲撃を警戒し、機能を回復しつつある駐屯地へ避難しようとした。
しかしその直前、晴久が二つのパーツを同時に吸収して消耗することまで狙っていたという声が響いた。アンドロマリウスの背後から闇と空間の亀裂が生じ、これまでの敵を上回る禍々しい存在が姿を現した。
サキュバス王の完全復活
サキュバス王の出現
アンドロマリウスを介して現れた女は、これまでの淫魔を遥かに上回る力と禍々しさを備えていた。
彼女は自らをサキュバス王と名乗り、晴久が宿すパーツを返すよう要求した。ミホトもその姿を見て激しく動揺し、晴久には記憶と連動するような強い頭痛が生じた。
三つのパーツ
サキュバス王は《尻》《脚》《胸》の三つのパーツを宿していた。
《尻》は破壊不能に近い尾となってゼパルの雷を防ぎ、《脚》は振動を操って大地を揺らした。《胸》は意思を持つ者を強制的に引き寄せ、幻術や影武者も無視して本体だけを捕捉した。
圧倒的な戦力差
晴久たちは全員で連携し、尾に光る快楽媚孔を狙った。
しかしサキュバス王は地震と振動攻撃で策を一瞬にして破壊し、ゼパルを戦闘不能にした。逃走を試みた晴久たちも胸の力で引き戻され、全方位への振動攻撃によってまとめて倒された。
晴久からのパーツ強奪
サキュバス王は、晴久が連戦と複数パーツの処理で消耗していることまで計算していた。
彼女は脚の振動を使って晴久を強制的に絶頂させた。抵抗しきれなかった晴久は意識を失い、同時にミホトの霊体も崩壊した。
四つの光
晴久の身体から《手》《角》《子宮》《口》を示す四つの光が抜け出し、サキュバス王へ吸収された。
サキュバス王は力の回復を喜び、晴久を用済みとして投げ捨てた。これにより、晴久が集めてきた四つのパーツはすべて奪われた。
美咲への攻撃
サキュバス王は次に《魔眼》を宿す美咲を狙った。
桜や美咲は最後まで抵抗したが、尾と振動攻撃によって封じられた。しかし美咲には快楽を与える能力が通じず、振動も尾の刺激も、くすぐったさとしてしか作用しなかった。
城への連行
原因を理解できなかったサキュバス王は、美咲の異常について後で調べることにし、晴久たち全員を自らの城へ連れ去ろうとした。
彼女はすでに八つのパーツを手に入れ、完全復活まであと一歩だと宣言した。晴久たちは抵抗する力を失い、異空間へ連行されようとしていた。
ミホトの反抗
その直前、サキュバス王の体内からミホトの声が響いた。
ミホトはサキュバス王の完全復活を拒絶し、過去の厄災を二度と起こさせないと叫んだ。その意思に呼応するように、サキュバス王の身体が確かに痙攣した。
精神世界の反撃とアザゼルの正体
サキュバス王の精神世界
強制絶頂で意識を失った晴久は、何もない白い空間で目を覚ました。
そこはサキュバス王を名乗る女の精神世界であり、パーツと強く結びついたミホトが、晴久の魂の一部まで連れて入り込んでいた。現実では美咲たちが拘束され、異空間へ連れ去られようとしていた。
ミホトの決意
ミホトは、サキュバス王による厄災を二度と起こさせないと強く誓った。
彼女は以前よりも落ち着きを取り戻しており、失われていた記憶の一部に触れたようであった。晴久はミホトの正体へ疑問を抱きながらも、仲間を救うことを優先した。
精神体との戦い
精神世界の主であるサキュバス王が現れ、侵入した晴久とミホトを消滅させようと攻撃した。
ミホトは晴久を守りながら応戦し、ここでは霊力ではなく精神力の強さが勝敗を左右すると説明した。二人は正面から倒すのではなく、相手の精神へ直接干渉する策を選んだ。
サキュバス王への反撃
ミホトは攻撃の隙を突いてサキュバス王を背後から拘束した。
晴久は仲間を救うため手段を選ばず、彼女の精神へ強い快楽を与えて抵抗力を削った。やがて天然の快楽媚孔を捉え、精神世界のサキュバス王を絶頂させることに成功した。
精神世界からの脱出
サキュバス王が絶頂すると、白い空間に亀裂が生じた。
晴久とミホトは、奪われていたパーツの一部との繋がりを取り戻し、亀裂の向こうにある現実世界へ脱出した。
晴久とミホトの復帰
現実へ戻った晴久には、《手》《角》《口》の力が戻っていた。
ミホトも再び霊体として現れ、美咲たちは消えたはずの二人が復活したことに驚いた。晴久は精神世界で起きたことを詳しく語らず、問いをかわした。
弱体化したサキュバス王
サキュバス王も意識を取り戻したが、晴久たちの反撃によって大きく消耗していた。
胸、尻、脚、下腹部に宿すパーツは不安定となり、身体から離れかけていた。晴久は好機と見て再び戦おうとした。
三対の光翼
弱体化したサキュバス王の身体から、隠されていた神聖な力が漏れ出した。
光は三対の翼となり、辰姫にも匹敵する強大な神気を放った。その姿を見たゼパルは、彼女が行方不明となっていた地上堕ちの大神族アザゼルだと見抜いた。
アザゼルの撤退
アザゼルは、パーツによって本来の神族としての気配と姿を隠し、サキュバス王を名乗っていた。
正体を見破られた彼女は、晴久たちの特異性について情報を得られたことを成果とし、次こそパーツを奪うと言い残した。晴久が追撃しようとしたものの、アザゼルは神力で振り払い、異空間へ逃亡した。
戦闘の終結
アザゼルが去ると、晴久とミホトは限界を迎えて倒れ込んだ。
楓は周辺基地と研究所へ救援を要請し、桜と美咲も晴久のもとへ駆け寄った。ゼパルは捕縛されたアンドロマリウスを確保しながら、大神族が魔族と結託していた事実を真剣に受け止めていた。
エピローグ
龍脈諸島事件の余波
龍脈諸島からの帰還
晴久たちは駐屯地で二日間療養し、ゼパルの治癒術と島の設備によって回復した。
《サキュバス王の口》は回収できたものの、強力な《子宮》をアザゼルに奪われたため、戦果はやや不利であった。それでも島の混乱は収まり、一行は手鞠とともに本土へ帰還した。
アンドロマリウスの収監
捕縛されたアンドロマリウスは、魔界の監獄が用意されるまでゼパルの監視下に置かれた。
絶頂除霊の快感に執着する彼女は晴久へ再度の除霊を求め、宗谷、桜、楓の怒りを買った。一方で、その従順さを利用した尋問によって敵の目的が明らかになった。
正エネルギーの独占
アンドロマリウスの雇い主は、人間文明の発展によって正の感情が増えれば、負の感情を糧とする魔族が衰退すると危惧していた。
そこで性エネルギーを直接吸収できるサキュバス王の能力を掌握し、神族の重要なエネルギー源を独占することで魔族の繁栄を守ろうとしていた。
サキュバスの穴
敵はパーツだけでなく、サキュバス王復活の祭壇とされる《サキュバスの穴》も探していた。
すべてのパーツをそこへ集めればサキュバス王を完全復活させられると考えていたが、復活後の力を本当に制御できるかはアンドロマリウスにもわからなかった。
封じられた黒幕
アンドロマリウスには強力な言霊制限が施されており、上位魔族の名前や本拠地、内通者に関する情報は話せなかった。
敵の目的は判明したものの、計画を指揮する存在の正体までは突き止められなかった。
辰姫への報告
晴久たちは菊乃を通じて辰姫へ事件を報告した。
辰姫は、地上堕ちした大神族アザゼルが上位魔族と結託し、国際霊能テロリストまで利用して神魔の力関係を崩そうとしている事態を重く受け止めた。サキュバス王が復活すれば周辺国家に甚大な被害が出るため、天界の最優先案件として対処されることになった。
二つの祭壇の意味
《口》を吸収して一部の記憶を取り戻したミホトも、《サキュバスの穴》の存在を思い出した。
しかしミホトによれば、そこは蓄積された性エネルギーを使い、すべてのパーツを完全消滅させるための破壊の祭壇であった。敵が語る復活の祭壇とは正反対の情報であった。
ミホトへの疑念
サキュバスの穴では、扱い方次第でパーツの消滅とサキュバス王の復活のどちらも起こり得る可能性が浮かんだ。
アザゼルという神族が敵側にいた以上、神聖な気配を持つだけではミホトを信用する根拠にならず、宗谷たちは慎重な態度を取った。
晴久の信頼
晴久は、精神世界でミホトがサキュバス王の復活を心から拒絶していたことを思い出し、彼女を信じると決めた。
これまで何度も死線をともに越えてきた仲間として、すべてのパーツをサキュバスの穴へ運び、完全消滅に賭けると告げた。ミホトは感激したものの、すぐに力を保つための過激な補給を要求し、晴久と口論になった。
アザゼルの侵食
一方、魔界の城へ戻ったアザゼルは、アンドロマリウスを見捨てたことを次期魔王候補の少年から責められた。
しかし彼女は《子宮》を得たことでサキュバスの穴の位置へ近づいたと喜び、自らの完全復活を語った。かつては天界への反発から計画を始めただけだったが、複数のパーツを宿したことで自我を侵食され、本気で自分をサキュバス王だと思い始めていた。
止められない計画
少年魔族は、アザゼルと自らが開発した制御装置を使えば、復活したサキュバス王の力を操れると考えていた。
だが正気を失いつつあるアザゼルへ不安を抱きながらも、天界と魔界に計画を察知された以上、後戻りはできないと判断した。少年は魔界の未来のため、引き続きパーツ収集を進める覚悟を固めた。
エピローグ2
呪殺法師の人工怪異研究
ショタ化怪異の成果
秘密の地下室で、呪殺法師はロリコンスレイヤー事件に続くショタ化怪異の人体実験が成功したと歓喜していた。
狙った能力を持つ人工怪異の発現と他者への植え込み技術はほぼ確立され、現状では霊的上位存在の力が必要であるものの、今後の改良によって単独で高出力を得られる可能性が見えていた。
魔族との共同研究
長年協力してきたアンドロマリウスは捕縛されたが、その上司である魔族との繋がりは残っていた。
呪殺法師は豊富な検体と報酬を得るため、引き続き魔族の注文に応じた怪異を作ろうとしていた。
魂を混ぜる怪異
新たな依頼は、複数の魂の欠片を混ぜ合わせる能力を持つ怪異の作製であった。
呪殺法師はその技術をパーツ持ちの少年へ使用し、異常な現象を引き起こす計画を思いついた。彼女は次の人体実験を楽しみにしながら、怪異作製の手順を組み立てていた。
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