小説「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」感想・ネタバレ

小説「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」感想・ネタバレ

物語の概要

本作は、異世界転生ファンタジー作品である。過労死した元OLの相沢梓が、異世界で不老不死の魔女アズサ・アイザワとして転生し、平穏な生活を送ろうとするが、毎日スライムを倒し続けた結果、知らないうちに最強クラスのレベルに到達してしまった。レベルMAXとなったことで多くの人物に注目され、様々な騒動や出会いに巻き込まれながらも、スローライフを追求していく物語である。

主要キャラクター

• アズサ・アイザワ:主人公。不老不死となった元OLの魔女。平穏なスローライフを望んでいるが、最強レベルの存在として知られることになる。
• ライカ:アズサに弟子入りしたレッドドラゴンの少女。礼儀正しく努力家である。
• ファルファ:スライムの精霊から生まれた少女。双子の姉であり、明るく元気な性格である。
• シャルシャ:ファルファの双子の妹。落ち着いた性格で、姉と共にアズサの家族となる。
• ベルゼブブ:悪魔族の高官。アズサと対立した後、親友となる。
• ハルカラ:エルフの薬師。少しドジな面があり、アズサの家に居候する。

物語の特徴

本作の特徴は、「最強でありながらスローライフを志向する」という逆説的な設定にある。バトルが発生しても基本は平和的な解決を志向しており、日常の温かな交流や家族的な絆が中心に描かれる。ストレスの少ないほのぼのとした展開が魅力であり、ファンタジー世界における「癒し系」作品として、読者に安らぎを与える点が他作品との差別化要素となっている。

書籍情報

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました
著者:森田季節 氏
イラスト:紅緒  氏
出版社:SBクリエイティブGAノベル
発売日:2017年1月14日
ISBN:978-4-7973-9044-5
メディア展開:テレビアニメ化(2021年放送)、コミカライズ版も展開中

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あらすじ・内容

現世で過労死した反省から、不老不死の魔女になって、スローライフを300年続けてたら、いつの間にかレベル99=世界最強になっていました。
生活費を稼ぐためにこつこつ倒してたスライムの経験値が蓄積しすぎたせいみたいです……。
そんな噂はすぐに広まり、興味本位の冒険者や、決闘を挑んでくるドラゴン、果ては私を母と呼ぶモンスター娘まで押し掛けて来るのですが――。「だから、道場じゃないんだから道場破りに来ないでよ……」
冒険に出たことないのに最強……って、どうなる私のスローライフ!?
スライムの故郷には秘密がいっぱい!?
本書だけの書き下ろし短編「娘の里帰り」も収録

スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました

感想

本作は、サラッと三百年の時が流れたところから物語が始まる構成となっていた。
不老不死となった主人公アズサが、静かにスローライフを送る様子はとても穏やかであり、心地よい時間を提供してくれた。
にもかかわらず、なぜ人々はそんなアズサに喧嘩を売りに来るのか、思わず首をかしげたくなる場面も多かった。

スライムの魂を受け継いだ精霊たちが自然とアズサに懐き、家族のような絆を築いていく過程も心温まるものであった。
特に最後に登場したエルフ、ハルカラのダメ人間ぶりには思わず笑いが込み上げた。
スローライフの中にもコミカルな要素が随所に盛り込まれており、読後感は非常に軽やかであった。

物語全体を通して、ただ平坦なだけではない異世界の豊かさが描かれていた。
現代で過労死した元社畜が、不老不死となって過ごす優しい世界。
チート能力を持ちながらも、それをひけらかすことなく、たんたんと日常を重ねていくアズサの姿に、深い癒しを感じた。
作者が女性だと思って読んでいたが、実は男性であったことを知り、柔らかな筆致に驚かされた。

また、百合要素より家族愛が強く漂っており、きらら系列作品のような印象を受けた。
女性キャラクターのみで構成される家族の物語は、弟子、娘、姉といった役割を通して温かな絆を紡いでいた。
俺TUEEE系とは異なり、最強でありながらも驕らず、あくまでスローライフを楽しむアズサの姿勢に、深い好感を抱かせた。

中身が濃いようでいて、脳を休めながら読めるこの作品は、まさに息抜きに最適な一冊であった。
キャラクターたちのスキンシップによるデレ描写も可愛らしく、読者を自然と笑顔にさせる力があった。
今後もこの優しい世界に浸りたいと強く思わされる読後感であり、続編への期待が膨らむばかりである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場キャラクター

アズサ

異世界に転生した元社畜女性であり、不老不死の魔女。三百年間スライムを倒し続けたことで、知らぬ間に世界最強クラスの力を持つに至ったが、本人は静かなスローライフを望んでいた。
・高原の魔女として村人に慕われる。
・ライカや娘たちを受け入れ、家族を築く。
・村の防衛結界を設置し、地域の安全に貢献した。

イマル

アズサが冒険者登録する際に出会った親切な村人。ギルドまで案内し、異世界での生活の第一歩を支えた存在である。
・村の住民としてアズサを受け入れた。
・冒険者登録をサポートした。

ナタリー

ギルドの受付嬢であり、アズサの冒険者登録を担当した。アズサの不老不死の秘密を知る数少ない人物の一人。
・ギルドに勤務し、冒険者の登録業務を担当。
・アズサのレベル情報の秘密保持に協力した。

ライカ

ドラゴン族の少女であり、アズサに敗れた後、弟子入りを願い出た存在。人間形態をとり、村に馴染む努力を続けた。
・アズサの弟子となり共同生活を開始した。
・村の防衛結界設置を助言した。
・ロッコー火山の戦いで活躍した。

ファルファ

スライムの精霊であり、アズサを母と呼ぶ存在。明るく素直な性格であり、家族に温かい空気をもたらした。
・フラタ村で村人たちに歓迎された。
・家族の一員として日常に溶け込んだ。

シャルシャ

ファルファの妹であり、スライムの精霊から生まれた存在。知識欲が強く、歴史学に興味を持つ一方、当初はアズサに敵対心を抱いていた。
・アズサに敗れ、家族として受け入れられた。
・村人との交流を通じて成長した。

ハルカラ

エルフ族の女性であり、栄養酒の製造者。ベルゼブブとのトラブルから逃れるため、アズサのもとに身を寄せた。
・偽名で村に潜伏し、薬草知識を活かして薬作りに従事した。
・家族として受け入れられ、賑やかな存在となった。

ベルゼブブ

上級魔族であり、当初はハルカラを追ってアズサの家に現れたが、後に和解し、友好的な関係を築いた。
・火口町でブルードラゴンたちを鎮圧した。
・アズサたちの家族関係にも加わり、賑やかな日常に貢献した。

フラットルテ

ブルードラゴン族の女性であり、失恋を理由にライカの姉の結婚式を妨害しようとした存在。戦闘後は降伏し、賠償金の支払いと不戦条約締結に応じた。
・ブルードラゴンの総大将として現れた。
・敗北後、和解し条約締結に至った。

レイラ

ライカの姉であり、ロッコー火山で結婚式を挙げたドラゴン族の女性。人間形態では美しい姿をしており、アズサたちに感謝の意を示した。
・ロッコー火山での結婚式の中心人物となった。
・戦乱を乗り越え、無事に結婚式を挙げた。

大スライム

ファルファとシャルシャの故郷である森に存在していた巨大スライムであり、善なるスライムたちの統合体。アズサたちを好意的に評価した。
・人間力を評価し、家族の絆を促した。
・森に漂う毒ガスから人間たちを守ろうと助言を与えた。

展開まとめ

プロローグ

過労死と転生の願い

相沢梓は仕事に追われ、恋や遊びを犠牲にして生きた末、過労死した。目覚めた彼女は天使のような存在に出会い、不老不死の体を望んで転生することを選んだ。新たな人生では、山の上で自給自足のスローライフを送りたいという願いも伝えた。

異世界での新生活の始まり

梓は十七歳の姿で高原に転生し、一軒家を手に入れた。外見は金髪碧眼の西洋風となり、名前も「アズサ」と改めた。近くには小さな村があり、日用品の調達も可能であった。

スライムとの初戦闘と収入源の確保

村に向かう途中、アズサはスライムと遭遇した。ナイフで撃退し、魔法石を入手した。魔法石は村のギルドで換金できる収入源であり、スローライフに必要な最低限の金銭を得る手段となった。

村での交流と冒険者登録

村に到着したアズサは、親切な村人イマルの案内でギルドに赴き、受付嬢ナタリーと出会った。冒険者登録を行い、不老不死であることが発覚したが、特別な問題はなく、正式に村人として認められた。

平穏なスローライフの確立

アズサは畑を耕し、スライムを倒して魔法石を換金しながら生活を整えた。薬草の知識にも長けており、薬を作って村人たちに提供することで感謝され、「高原の魔女様」と呼ばれるようになった。

穏やかな日々と三百年の経過

アズサは寝たいだけ寝て、働きたい時に働くという理想のスローライフを送り続けた。老いることも病に倒れることもなく、村人との緩やかな交流を続けながら、気が付けば三百年が経過していた。

レベル M A Xになっていた

スライムを倒し続けた三百年

アズサは三百年にわたりスライムを倒し続け、ナイフはもちろん、手やデコピンだけでも倒せる腕前となった。日課でギルドに赴き、魔法石を換金する生活を続けていた。

冒険者職員とのやり取りとステータス測定

新しいギルド職員に促され、三百年ぶりにステータスを測定したところ、レベル99という数値が表示された。当初は石板の故障を疑ったが、長年スライムを倒し続けた成果と判明した。

村人たちからの信頼と過大な尊敬

アズサは疫病時に薬を作るなど村人を助けてきたため、守り神のような存在とされていた。本人は平穏を望んでいたが、村人たちからは過大な敬意を抱かれていた。

ステータス判明による騒動の危惧

アズサは自らのレベルが広まることを恐れ、ナタリーに秘密厳守を頼んだ。しかし、ギルドに居合わせた冒険者によって噂が広まったことが判明した。

騒動の火消し作戦

噂の拡散を防ぐため、アズサはナタリーに「石板の故障による誤表示だった」と説明するよう依頼した。ナタリーも協力し、村人には誤解を解く方向で動いた。

外食と噂の拡大

アズサは久しぶりに村の料理店を訪れたが、すでにレベル99の噂が子供たちを通じて広がっていた。事態の収拾を図るため、ギルドでナタリーと改めて対応策を相談した。

高原の魔女を訪ねる冒険者たち

後日、アズサの家を若い冒険者パーティーが訪れ、腕試しを申し込んできた。アズサは戦闘を断ったが、彼らの真剣さに押され、一度だけの手合わせを承諾した。

模擬戦と圧倒的な力の発覚

模擬戦では軽い勝負のつもりで風魔法を使ったが、発動した竜巻は予想を超える威力となり、冒険者たちを村まで吹き飛ばした。この結果、アズサの実力が村中に知れ渡った。

村に定着した「最強の魔女」伝説

冒険者たちはアズサの力を讃え、村人も高原の魔女がレベル99であることを確信した。アズサの平穏なスローライフは一層難しくなりつつあった。

ドラゴンが来た

モンスター学習と日常の変化

アズサは不要な戦闘依頼を避けるため、モンスターに関する知識を学び始めた。薬の売れ行きも向上し、薬草採取の量を増やすなど、生活に多少の変化があったが、概ね平穏な日々を過ごしていた。

ドラゴン・ライカの来訪

ある日、乱暴なノック音に応じたアズサの前に、巨大なドラゴンが現れた。名をライカと名乗るドラゴンは、噂を聞きつけてアズサに力比べを申し込んだ。アズサは家と畑を守るため、戦闘を受け入れた。

ドラゴンとの戦闘と勝利

アズサは空中浮遊魔法を用いてライカと対等に戦い、氷雪魔法でライカの口を凍らせた。混乱したライカは家に突っ込み一部を破壊したため、怒ったアズサは拳でライカを打ち倒し、勝利を収めた。

家の損壊と賠償の交渉

倒れたライカに対し、アズサは家の修理を要求した。ライカは自らの山に蓄えた財産を修理費に充てることを約束し、飛び去った。アズサは村の役場の来賓用部屋で宿泊することになった。

村人たちの感謝と祝福

村人たちはドラゴンを退けたアズサを称賛し、酒場では歓迎の宴が開かれた。アズサは自身の薬作りが村の発展に寄与していることを知り、改めて村への愛着を深めた。

ドラゴン少女・ライカの再訪

翌朝、応接室に現れたのは人間の少女の姿に変身したライカであった。ライカは貯めた金貨を修理費用として渡し、さらにアズサの弟子にしてほしいと願い出た。

弟子入りの承諾と新たな生活

ライカの真摯な態度と生活支援の申し出に心を動かされたアズサは、三百年の一人暮らしに終止符を打ち、ライカを弟子として受け入れることを決意した。

弟子との生活

共同生活に向けた家の改築

アズサはライカとの共同生活に向けて、家の改築を決意した。ライカは自ら建築を申し出、森から木材を調達し、人間の姿で迅速に加工を進めた。アズサはライカの過剰な頑張りを戒め、無理な徹夜作業を禁止した。二人は適切な休息を取りつつ、家の増築工事を着実に進めた。

村への紹介と受け入れ

アズサはライカを村に紹介し、村人たちの不安を和らげるべく配慮した。ライカ自身も誠実な態度で自己紹介し、村長の承認を得て村での生活を認められた。村人たちも次第にライカを受け入れ、村社会への順応が始まった。

ライカとの共同生活開始

アズサはライカに自身のステータスを開示し、互いの信頼関係を深めた。夕食を共にする中で、ライカは力以外の手段で受け入れられる喜びを語り、アズサも人間社会での適応教育の必要性を認識した。

家の増築と労働管理

翌日、ライカは引き続き家の工事に取り組み、ログハウス風の新居が完成した。アズサはライカに対し、休息の重要性を再三説き、働きすぎない姿勢を徹底させた。新居は個室も備え、弟子のプライバシーも確保されていた。

村の防衛体制への提言

ライカは村の防御力の脆弱さを指摘した。アズサは村の安全を守るため、魔法創作の力を使い、結界を設置することを決断した。ライカの助言を受け、巨大な魔法陣を描き、村全体を覆う防御と邪悪な者を拘束する結界を完成させた。

結界の効果と村人たちの信頼

結界はすぐに効果を発揮し、夜に侵入してきた泥棒を捕らえた。村人たちは結界とライカの働きを称賛し、ライカも正式に村の一員として認められた。アズサはライカの功績を村人に広め、教育方針として「褒めて伸ばす」ことを実践した。

スライム討伐による修行

アズサはライカにスライム討伐の修行を課した。スライムを倒す単純な作業を続けることが、力の蓄積につながると説き、血のにじむ努力よりも、日常の積み重ねが重要であると教えた。ライカは感銘を受け、日々の努力を続けることを誓った。

平穏の中の新たな課題

村の安全対策が整ったことで、アズサとライカは安心して日常を過ごし始めた。しかし、平穏な日々の裏で、アズサは自身の発言が思わぬフラグとなることに気づき、少しの不安を覚えながらも、弟子との生活を楽しんでいた。

娘が来た

ライカとの平穏なルームシェア生活

アズサはライカとの共同生活に慣れ、家事を分担しながら快適な日々を送っていた。ライカが弟子となったことで、冒険者たちの無謀な挑戦も減り、アズサは穏やかな生活を楽しめるようになった。

謎の少女ファルファとの出会い

ある日、アズサのもとに青髪の少女ファルファが訪れ、自分をアズサの娘だと主張した。驚くアズサに対し、ファルファは妹シャルシャがアズサを殺そうとしていると告げ、助けを求めた。

スライムの精霊である姉妹の正体

ファルファとシャルシャは、アズサが倒した無数のスライムの魂から生まれた精霊であった。シャルシャは復讐心からアズサを殺そうと破邪魔法〈高原の魔女〉を完成させ、襲撃に現れた。

ライカとの共闘とシャルシャの撃退

アズサの魔法はシャルシャに通用しなかったが、弟子のライカが竜形態となり、シャルシャを力で圧倒した。シャルシャは破邪魔法に特化しすぎたため、他の相手には弱かった。

シャルシャの心の変化と家族としての受け入れ

気絶から目覚めたシャルシャにアズサは助けの手を差し伸べ、家族として受け入れた。シャルシャも次第に心を開き、アズサを「母さん」と呼ぶようになった。

フラタ村への娘たちの紹介

アズサはファルファとシャルシャをフラタ村へ連れて行き、村人たちに紹介した。娘たちは知識も豊富で村の人々から好意的に迎えられた。

家族としての新たな日常

アズサは家族のルールを定め、娘たちと新たな生活を始めた。ファルファとシャルシャはそれぞれスライム退治にも積極的に参加し、日常に溶け込んでいった。

幸せな外食と新たな絆

一家は『冴えた鷲』で食事を共にし、楽しいひとときを過ごした。ライカも含めた三人の娘に囲まれ、アズサはかつてない幸福感を味わった。

エルフが来た

四人家族となった生活

三百年もの間一人でスローライフを送っていたアズサであったが、家族が四人に増え、生活は一変した。日常的に賑やかな声が響き、精神的にも満ち足りた日々を過ごしていた。

娘たちとの日常と異世界のエピソード

娘たちは畑で捕まえたバッタに興じ、紙飛行機のような遊びに夢中になっていた。彼女たちは触手を伸ばせるスライム精霊でもあり、賢さと子供らしさを併せ持っていた。シャルシャは歴史学に熱中し、専門書を声に出して読み聞かせる一幕もあった。

エルフの来訪者との出会い

ある日、扉を叩く音が鳴り、現れたのは涙目のエルフの娘ハルカラであった。彼女は上級悪魔ベルゼブブに命を狙われており、助けを求めてやってきた。事情を聞いたアズサは、ハルカラを保護する決意を固めた。

ハルカラの背景と逃亡理由

ハルカラは「栄養酒」と呼ばれる滋養強壮用の酒を作り、大成功を収めていた。しかし、この酒を飲んだベルゼブブが毒に当たったことで、逆恨みを買い、命を狙われる羽目になった。村からも追放され、頼れる場所を失った末の来訪であった。

偽弟子としての受け入れと生活

アズサはハルカラを弟子として迎え入れることにし、偽名と変装を施して家に住まわせた。家族は温かく彼女を迎え入れ、ハルカラも久々の安心した生活に涙を流して感謝した。

森での薬草採取とキノコ知識

翌日、アズサとハルカラは薬草採取に出かけた。ハルカラは特にキノコに詳しく、数多くの食用・薬用キノコを採取した。森で即席のキノコパーティーを開き、エルフ特有の発酵ソース「エルヴィン」を使った料理を楽しんだ。

毒キノコによるトラブル

ハルカラの仕分けミスにより毒キノコが混ざり、彼女自身が毒にあたって笑いが止まらなくなる騒動が起きた。さらに催淫作用のあるキノコも口にしてしまい、アズサに迫る事態となったが、最終的にはアズサによって助けられ、事なきを得た。

家での薬作りと新たな挑戦

森から帰った後、ハルカラはアズサと共に薬作りに励んだ。ハルカラは健康を促進するタイプの薬を得意としており、村で売るための準備を進めた。アズサはハルカラの知識と情熱を高く評価し、新たな生活の一歩を踏み出させた。

ハルカラの料理と家族への貢献

夕食ではハルカラが採取したキノコを使った料理が振る舞われた。慎重な確認のもと調理されたキノコ料理は家族に好評であり、高原の家の食卓に新たな彩りを添えた。ハルカラはその軽やかな性格と努力によって、家族に温かい変化をもたらしたのであった。

ベルゼブブが来てた

フラタ村での紹介活動と波乱

フラタ村への訪問とハルカラの紹介


晴天の翌日、主人公とハルカラはフラタ村を訪れた。道中でスライムを狩り、魔法石を得る。村ではハルカラを弟子アキカナとして紹介し、村人たちに受け入れてもらおうとした。しかし、ハルカラの胸に注目が集まり、紹介活動は思わぬ方向に進んだ。

村での不穏な空気と疑念

雑貨店でハルカラの薬を置いてもらう交渉は成立したが、出身州などを問い詰められる不審なやりとりが発生した。その後、村中でハルカラに対する視線が増え、ただ事ではない空気が漂い始めた。

ギルドでの手配書発覚

ギルドではナタリーからハルカラの手配書が見せられ、村人たちがハルカラに注目していた理由が判明した。ハルカラが偽名を使っていたため、辛うじて正体は露見しなかったが、危機は目前に迫っていた。

手配書への対応と家族の避難

迅速な帰宅と避難措置


主人公たちは急いで自宅に戻り、ハルカラを村に出さない方針を決定した。ライカに頼み、娘たちを安全な場所へ避難させる準備を進めた。家には魔族をはじく結界が張られ、万全の警戒態勢が敷かれた。

夜間の不安と異変の兆し

夜にかけて、特に襲撃はなかったが、羽虫の出現が気がかりであった。栄養酒が勝手に減っている事態も発覚し、誰かが家の中に潜んでいる可能性が示唆された。

ベルゼブブの登場と対決

ハエに擬態していたベルゼブブ


羽虫だと思われていたハエの正体は、上級魔族ベルゼブブであった。ベルゼブブはハルカラを追ってきた存在であり、直接対決を挑んできた。

思わぬ結界の効果と戦闘回避

主人公が張った魔族除けの結界がベルゼブブに強烈なダメージを与えたため、戦闘は事実上回避された。ベルゼブブは疲弊し、主人公たちは治療を施して信頼を得ることに成功した。

誤解の解消と新たな生活の始まり

ベルゼブブの誤解と和解


ベルゼブブは栄養酒の製造再開を願い出たにすぎず、恨みを持っていたわけではなかったと判明した。ハルカラも誤解を解き、工場の移転を検討し始めた。

ハルカラとの新たな関係

ハルカラは主人公への尊敬の念を強め、今後も共に暮らす意向を示した。家族がさらに増え、賑やかな工房生活が始まる兆しを見せた。

ベルゼブブとの今後の関係

ベルゼブブは度々訪問することを宣言し、今後は友好的な関係を築くこととなった。娘たちとも親しくなり、最終的に平和な日常が戻った。

ドラゴンの結婚式に行った

ドラゴンの結婚式と突発的な戦闘騒動

朝の食卓と恋愛談義


アズサは珍しく寝坊し、食堂に集まった家族と合流した。ハルカラが恋愛話を求めたが、アズサには恋愛経験がなかった。娘たちファルファとシャルシャも恋愛には無縁であり、家族の温かさを改めて実感する一幕となった。

ライカの帰省と結婚式の誘い

ライカは姉の結婚式出席のため実家に帰省することを伝えた。アズサたちは驚きつつも、招待を受けてロッコー火山でのドラゴン族の結婚式に出席することを決めた。村でドレスを新調し、式に向けた準備を進めた。

ロッコー火山への移動と道中のトラブル

ライカのドラゴン形態に乗って出発した一行であったが、ハルカラが乗り物酔いで体調を崩し、途中で森に緊急着陸する事態となった。森ではモンスターであるロングスピアーイノシシに襲われるも、アズサが素手で撃退し、無事に移動を再開した。

ロッコー火山到着とドラゴン族との交流

ロッコー火山に到着したアズサたちは、ドラゴン族たちの歓迎を受けた。ライカの両親や姉レイラとその新郎にも紹介され、親密な交流が始まった。ドラゴン族の豪快な食事風景や文化に触れつつ、結婚式の始まりを待った。

ブルードラゴンによる式典妨害

式典が始まろうとする中、ブルードラゴンたちが上空から襲来した。リーダーのフラットルテは自身の恋愛失敗を理由に結婚式を妨害しようとし、火口部への攻撃も宣言した。会場は一気に戦闘態勢へと移行した。

家族の安全確保とアズサの奮闘

ドラゴン同士の戦いが始まる中、アズサは娘たちとハルカラを守るため奮闘した。飛来するコールドブレスを炎の魔法で相殺し、子どもたちを戦場から離脱させるべく行動した。家族を守る決意を新たにし、アズサは力を振るった。

ドラゴン大抗争

ドラゴン同士の抗争とアズサの奮闘

戦場からの撤退と家族の保護


ドラゴンたちによる激しい戦闘の中、アズサは娘たちとハルカラを守るため慎重に撤退を試みた。コールドブレスの流れ弾を火炎魔法で防ぎつつ、安全な木立の方へ避難させた。ライカは新郎新婦とともに善戦しており、アズサは娘たちの無事を優先しながら場を離れた。

襲撃してきたブルードラゴンとの交戦

大型のブルードラゴンがアズサたちの前に立ちふさがったが、アズサは激怒し、格闘術と魔法を駆使して一方的に撃破した。その後、戦場への反撃を決意し、敵ドラゴンたちへの一斉攻撃を開始した。

ブルードラゴンの撃退と戦場制圧

アズサは火炎魔法と打撃技を組み合わせ、次々にブルードラゴンたちを倒していった。さらに空中から竜巻を叩きつけるなどして多数の敵を無力化し、戦況を大きく優勢へと導いた。ライカと連携しながら、最前線を押し返していった。

ブルードラゴンの総大将との対決

敵の総大将フラットルテとの直接対決では、空中機動を活かして鼻先への回し蹴りを命中させ、火炎魔法と空中急降下攻撃によって完勝した。この戦いをきっかけに、残党のブルードラゴンたちは戦意を喪失し、逃走を始めた。

火口の町での意外な展開とベルゼブブの登場

火口部の異変と調査


戦場を制圧した後、アズサとライカはロッコー火山の火口部へ向かった。観光地でもある町は異様な静けさに包まれており、戦闘の痕跡はなかった。探索を続けると、動けなくなったブルードラゴンたちが広場に倒れているのを発見した。

ベルゼブブによる鎮圧

現場には上級魔族ベルゼブブが現れ、観光地を荒らそうとしたブルードラゴンたちを魔法で衰弱させたことが明かされた。ベルゼブブは温泉旅行中に騒動に遭遇し、自ら鎮圧に乗り出したという。彼女の助力により、火口部の安全も確保された。

戦後処理と新たな条約締結

結婚式会場の安全確保と家族との再会

火口部の無事が確認された後、アズサは娘たちとハルカラの元へ戻り、無事を喜び合った。ベルゼブブの助力もあり、結婚式会場に残っていた敵も速やかに無力化され、さらなる危険は回避された。

フラットルテとの賠償交渉

アズサたちは捕えたフラットルテに対し、損害賠償金の支払いを求めた。ライカが提示した高額な賠償金にフラットルテは渋ったが、最終的には受け入れた。

ブルードラゴンとレッドドラゴン間の不戦条約締結

さらに、ブルードラゴンとレッドドラゴン間で不戦条約を結ばせることにも成功した。ベルゼブブが立会人として保証人となり、条約破棄に対して厳罰が科される旨を通達したことで、フラットルテは全面降伏した。

結婚式の再開と平和の回復

抗争が完全に収束したことで、ライカの姉の結婚式は無事に再開できる運びとなった。アズサたちは戦いの疲れを感じながらも、大切な家族との絆と平和の尊さを再確認したのであった。

家族揃って温泉スローライフ

ドラゴン族の結婚式二次会と家族の絆

二次会の開催と立食パーティー


ブルードラゴンの乱入により一次会は中断されたが、問題は小さく、二次会が改めて開かれた。人型に戻ったドラゴンたちが参加し、イベント会場で盛大な立食パーティーが行われた。料理は大量に用意され、参加者たちは常識外れの量を平らげた。アズサと家族も料理を楽しみ、ファルファとシャルシャは食べ疲れながらも満喫していた。

新郎新婦との再会と感謝の言葉

人間姿になった新郎新婦は美男美女のカップルであり、アズサとベルゼブブに深く感謝の意を伝えた。ベルゼブブは誇らしげに振る舞ったが、アズサは謙虚な態度を崩さなかった。

フラットルテの祝福と複雑な感情

ブルードラゴンのフラットルテが現れ、レイラにバラの花を贈り祝福した。しかし新婦の言葉に微妙な棘があり、フラットルテは憤慨して退場した。レッドドラゴンとブルードラゴンの間には敵対心だけでない複雑な感情が存在していた。

デザートとライカの願い

アズサとライカはドラゴン特製のスイーツを楽しみながら、ライカの願いを聞き入れた。ライカは幼い頃を思い出し、アズサに膝枕を求めた。アズサはそれを受け入れ、姉妹のような温かい時間を過ごした。

ハルカラの失態とベルゼブブの救助

一方、ハルカラは酒に酔い潰れ、会場の床で目立っていた。ベルゼブブが救助にあたったが、ハルカラは吐き気を催し、二人はトイレへと急行した。結果的に大事には至らなかったが、会場では騒動となった。

温泉宿での安息と新たな家族観

温泉宿でのくつろぎ


式の後、アズサたちは火口の宿に泊まることとなり、露天風呂でくつろいだ。ファルファとシャルシャは泳ぎながら楽しみ、大人たちは湯に浸かりながら一日の疲れを癒した。ハルカラはのぼせて倒れたが、ベルゼブブが介抱した。

ベルゼブブとの会話と家族の再定義

湯船の中でベルゼブブと語らったアズサは、彼女を「お姉ちゃん」と呼び、家族の一員のように受け入れた。ベルゼブブも満更ではない様子であり、ライカは妹、ベルゼブブは姉という新たな家族構成が自然と成立していった。

ハルカラの立ち位置と笑い

ハルカラについては「手のかかる後輩」と定義され、皆の笑いを誘った。賑やかなやり取りが続き、アズサは改めて新しい家族との絆を感じ、三百年目にして最も充実した日々を迎えたのであった。

おまけ  娘の里帰り

娘たちの故郷訪問と大スライムとの出会い

娘たちの故郷ベルグリアの森へ


朝食時、ハルカラの提案で、ファルファとシャルシャの故郷「深き森ベルグリア」を訪れることが決定した。ドラゴン形態のライカの背に乗り、三時間かけて到着した森は、光が差し込まないほど鬱蒼としており、住人も存在しなかった。

森の探検と大スライム発見

森を歩くこと二十分、アズサたちは巨大な宝石のように輝く丘を発見した。それは「大スライム」と呼ばれる存在であり、ファルファたちは喜んでその上に駆け上がり、跳ね回った。アズサとライカも靴を脱ぎ、大スライムの弾力とひんやりとした心地よさを満喫した。

大スライムとの邂逅と人間力の評価

大スライムは突如人型となって現れ、アズサたちに挨拶した。大スライムは善なるスライムたちの統合体であり、アズサの存在を以前から認識していた。アズサは過去にスライムを倒してきたことを問われたが、その行為が善であると認められ、人間力94点と高評価を受けた。

家族それぞれへの評価と気づき

ライカは努力を評価され82点、ハルカラはおっちょこちょいな性格を理由に51点とされた。しかし、ファルファが「ハルカラはそのままでいい」と訴えたことで、大スライムも家族に完璧を求めるべきではないと認識を改めた。

家族の絆とスキンシップの重要性

家族全員とのハグ


大スライムはアズサに対し、心の通じ合いを補強するためスキンシップを取るよう助言した。アズサはライカ、ファルファ、シャルシャ、そしてハルカラを順に抱きしめ、家族の絆を深めた。

ハルカラとの抱擁と異変

ハルカラとのハグでは、大スライムにも似た弾力を感じ、心から癒される感覚を得た。しかしその直後、森に漂う毒性のガスによって、アズサたちは急激な眠気に襲われた。スライムには無害であったが、人間には危険なものであった。

緊急脱出と反省

アズサたちはライカがドラゴン形態になって家族を背に乗せ、急ぎ森から脱出した。次回訪れる際には滞在時間に注意することを心に誓い、今回の訪問を終えた。

その他フィクション

e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 小説「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」感想・ネタバレ
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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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