ロメリア戦記2巻レビュー
まとめページ
ロメリア戦記4巻レビュー
物語の概要
■ 作品概要
アンリ王の死から二年、魔王軍をライオネル王国から完全に駆逐して聖女となったロメリア・フォン・グラハム。彼女は、大陸最強国家と目されるヒューリオン王国を盟主とする四十五万の人類連合軍に、五万のライオネル軍と「ロメリア二十騎士」を率いて参加し、魔王軍三万が守る難攻不落のガンガルガ要塞攻略に挑む。
連合内での他国(ハメイル、ホヴォス、ヘイレントなど)の将軍たちからの冷遇や手柄争い、本国のアラタ王が派遣した監視役の秘書官シュピリによる指揮権剥奪の圧力に直面しながらも、ロメリアは巨大天幕で掘削作業を隠し、近くのレーン川から水を引く「水攻め」の秘策を実行して要塞を水没させる。
しかし、魔王軍ローバーン鎮守府長官ガニスにより解放された、最悪の頭脳を持つ特務参謀ギャミが率いる十五万の圧倒的な援軍が到着。
ギャミの投入した空中兵器「飛空船」による堤防(円形丘陵)の爆破決壊や、ガリオスの息子ガラルドが駆る暴君竜などの大型竜、さらにホヴォス連邦のディモス将軍による独断のスート大橋(退路)爆破により、連合軍は退路を断たれ全滅の危機に陥る。
ロメリアは刺客の弩によって左肩に深々と矢を受け、大出血する重傷を負いながらも、戦場全体の動きや意識を「先読み」する超感覚を覚醒。
他国の王族(ヒュース王子、ゼファー、レーリア公女、ヘレン王女)らとアライアンスを組み、予備兵を東西の防衛線の決壊場所に的確に配分し続け、夕暮れまで十万の敵の猛攻を防ぎきり、奇跡的な生存を果たす。
■ 主要キャラクター
ロメリア・フォン・グラハム
- 立場・所属:ライオネル王国の聖女、ライオネル軍五万および「ロメリア二十騎士」を率いる総指揮官。
- 主人公との関係:主人公。
- この巻での主な役割:他国から冷遇されながらも「水攻め」を単独で成功させ、要塞を水没させる。退路が断たれた背水の陣において、自身が弩で射られて重傷を負いながらも、戦場の「先読み」感覚を覚醒させて指揮を執り、連合軍の壊滅を防ぎきる。
- この巻で起きた重要な変化や行動:巨大天幕で作業を隠し、レーン川からの運河を二十日で完成させる水攻めを主導。敵の刺客から放たれた弩の矢を左肩に受けて大出血するが、部下の指揮放棄を防ぐため「命令を実行するまで治療は受けない」と一喝して治療を拒否。ヘレンによる激痛を伴う癒しの魔法を受けながら、朧気な意識の中で戦場全体の敵味方の動きや意識を把握する超感覚(先読み)を覚醒させ、手元に僅かに残る予備兵を十人単位で完璧に配分し、夕暮れまで東西の両防衛線で十万の魔王軍の猛攻を耐え抜いた。
カイル(カイルレン・フォン・グレンストーム男爵)
- 立場・所属:ロメリア二十騎士の一人、ライオネル軍の将軍(男爵)。
- 主人公との関係:ロメリアに忠誠を誓う部下、斥候・諜報責任者。
- この巻での主な役割:本陣での警備や斥候を担い、ロメリア負傷時には一時的に指揮権を引き継いで防衛に当たる。
- この巻で起きた重要な変化や行動:この五年間で多くの死線を潜り抜け、殺気を放つほどに成長。監視役のシュピリがロメリアに不敬な態度を取った際、鋭い殺気で彼女を閉口させた。ロメリアが弩で射られた際、慌てて治療しようと駆け寄るが、ロメリアに剣を突きつけられ「命令を実行しなさい」と一喝されたことで、涙をのんで前線の防衛に戻った。
オットー(オッテルハイム・フォン・ベラク男爵)
- 立場・所属:ロメリア二十騎士の一人、将軍(男爵)。一万五千の歩兵部隊を指揮する。
- 主人公との関係:ロメリアに忠誠を誓う部下。
- この巻での主な役割:前線の歩兵を指揮して要塞や魔王軍の攻撃を受け止めるとともに、怪力を生かして掘削作業を急がせる。
- この巻で起きた重要な変化や行動:ガンゼ親方の娘エリーヌとの婚約が決まる。戦闘直後にもかかわらず、自分より巨大な岩をたった一人で抱え上げてレーン川へと運ぶ怪力を見せ、建設現場の作業を大幅に短縮させた。後半の背水の陣でも歩兵部隊を率いて敵の攻撃を受け止め、退却戦を支えた。
グラン(グランベル・フォン・アンドレ男爵)
- 立場・所属:ロメリア二十騎士の一人、将軍(男爵)。一万の弓兵を率いる前線指揮官。
- 主人公との関係:ロメリアに忠誠を誓う部下。
- この巻での主な役割:弓兵を指揮して前線を射撃支援し、後半は接近戦にも応じる。
- この巻で起きた重要な変化や行動:ラグンと瓜二つの容姿を持つ美しい双子の戦士。合同軍議では護衛として同行し、からかうように秘書官シュピリに甘い言葉を囁いた。最も奪い合いたかったものは子供の頃の「母親の愛情」であったとロメリアに告白する。ロメリア負傷時には動揺して駆け戻るが、叱咤されて弓兵部隊の後退を指揮し、陣地を守りきった。
ラグン(ラグンベル・フォン・ギュノス男爵)
- 立場・所属:ロメリア二十騎士の一人、将軍(男爵)。一万の弓兵を率いる前線指揮官。
- 主人公との関係:ロメリアに忠誠を誓う部下。
- この巻での主な役割:グランとともに弓兵部隊を指揮し、ロメリアを警護する。
- この巻で起きた重要な変化や行動:グランの双子の兄弟。シュピリの手を取ってからかい、彼女が心労で倒れた際には抱きかかえて連れ帰った。グランと同様に女性関係は奔放だが、兵士としての忠誠心は極めて高く、背水の防衛戦では槍を手に必死の連携で魔族を貫き通した。
グレン
- 立場・所属:ロメ隊の戦士、五千の騎兵部隊を率いる指揮官。
- 主人公との関係:ロメリアの部下。
- この巻での主な役割:予備兵力として待機し、後半はロメリアとともに他国(ホヴォス、ヘイレント)の救出に奔走、強敵「雷竜」をハンスとともに撃破する。
- この巻で起きた重要な変化や行動:アルやレイに一歩及ばない悔しさから、強い相手に勝つために技を磨き、槍を旋回させる連続攻撃術「旋風陣」を編み出す。ホヴォス陣を蹂躙していた巨大な雷竜の背に登り、手綱を握る破格の巨体の魔族と一騎打ちを展開。遠心力を乗せた凄まじい旋風陣で魔族の突きを叩き落とし、左手首と胸を貫いて完勝した。
ハンス
- 立場・所属:ロメ隊の戦士、騎兵部隊の副官。
- 主人公との関係:ロメリアの部下。
- この巻での主な役割:巨大天幕の警備、および騎兵戦でのグレンの戦術サポート。
- この巻で起きた重要な変化や行動:グレンとともに雷竜に接近。雷竜の脛を斬って注意を引き、グレンが背中に登る時間を稼いだ。グレンが魔族を倒した後は、ロメリアから託されたポーチ内の「爆裂魔石」五つの安全装置と呪符を外し、雷竜が自らを飲み込もうとした瞬間に口めがけて正確に投擲、その頭部を吹き飛ばして撃破に成功した。
ガンゼ親方
- 立場・所属:港や堤防を請け負う建設業者。ロメリア軍の臨時の工兵監督。
- 主人公との関係:カシュー地方の港建設以来の、ロメリアの信頼する協力者。
- この巻での主な役割:巨大天幕の中で、地中掘削の作業員たちを指揮し、水攻めのための運河を完成させる。
- この巻で起きた重要な変化や行動:地質が粘土層であることを見抜き、ロメリアの「水攻め」を技術的に全面的に保障した。魔法兵を土木作業に投入するロメリアの奇策やクリートの術式改良を高く評価し、通常三十日かかる工期を二十日に短縮してやり遂げた。
クリート
- 立場・所属:ライオネル王国の宮廷魔導士、三百名の魔法兵を率いる隊長。
- 主人公との関係:ロメリアの部下。
- この巻での主な役割:魔法兵を率いた運河の掘削協力、および防衛戦闘。
- この巻で起きた重要な変化や行動:非常にプライドが高く選民思想を持ち、他の魔法使いを凡才と見下す性格。しかし、土を硬化させる「土硬化」の高度な術式を、土の魔道具百本すべてに刻み込む突貫作業を終えて数日間寝込むなど、ロメリアにこき使われながらも多大な貢献をした。背水の陣では半泣きになりながら魔法を放ち続け、防衛を支えた。
シュピリ
- 立場・所属:ライオネル王国のアラタ王から派遣された、監視役の秘書官。
- 主人公との関係:ロメリアの秘書官、アラタ王の密偵。
- この巻での主な役割:本国からの指揮権剥奪を警告する命令書を届ける。後半はロメリアの知略と覚悟に圧倒され、忠実な秘書官として献身的に働く。
- この巻で起きた重要な変化や行動:当初は不遜な態度で「坑道戦術で失敗すればどう責任を取るのか」とロメリアに詰め寄っていたが、運河の出現による「水攻め」に度肝を抜かれる。さらに「貴方は密命を果たせない、一生私には届かない」とロメリアに本心を見透かされて完全にへたり込んだ。後半、退路爆破後はロメリアを心から心配し、他国救出や怪我人の運送に奔走した。
ゼファー
- 立場・所属:ハメイル王国参謀(ゼブル将軍の息子、王位継承権保持者)。
- 主人公との関係:ロメリアに好意(懸想)を抱く同盟者、協力者。
- この巻での主な役割:ハメイル軍の一部を率いてライオネル軍と合同訓練を行い、後半は一万の兵を指揮してロメリアを強力に補佐する。
- この巻で起きた重要な変化や行動:気弱でおどおどしており、軍議の席で父親に殴られるなど抑圧されていたが、養成所を好成績で卒業した高い知性を持つ。ロメリアから貰ったハンカチを大切に持ち歩いている。退路が断たれた絶命的状況では、ロメリアに指揮下に入ることを願い出、ロメリアが囁いた予備兵の配分指示を、丘の下で冷静かつ的確に前線へ走らせて配置し、防衛を成功させた。
ゼブル将軍
- 立場・所属:ハメイル王国の将軍。
- 主人公との関係:最初はロメリアを軽蔑していた他国の将軍、のちの同盟者。
- この巻での主な役割:表門の攻撃にこだわり、決死隊の自爆で要塞を落とそうとするが失敗する。
- この巻で起きた重要な変化や行動:軍議の席でライオネル王国を「アンリ王を内乱で失い、戦闘にも貢献していない」と激しく罵倒し、言い返されると怒り狂って剣に手をかけた。しかし、ロメリアから「旧ジュネブル王国平定時の、二番目に肥沃なリント地方をお譲りする」という巨額の見返りを提示され、色を失いながらも同盟の手を取った。
レーリア公女
- 立場・所属:ホヴォス連邦、五大公爵家スコル家の長女。
- 主人公との関係:ロメリアに強い対抗心と嫉妬を燃やす令嬢、のちの救出者・協力者。
- この巻での主な役割:ホヴォス軍の崩壊時にロメリアに救われ、後半はロメリアの隣でその意思を拡声し、防衛線を維持する。
- この巻で起きた重要な変化や行動:政治的に失脚した父親により「ロメリアのような悲劇の聖女として死なせるため」戦場に送られたことを知り、絶望の末に自立を決意。おとなしいヘレン王女を叱咤し、意識不明のベインズを泥まみれになりながら担ぎ上げて敵に立ち向かった。ロメリアの馬の後ろに跨がり、マイスに「ホヴォス連邦の旗を立ててここに防衛線を築きなさい」と見事な命令を下す。ロメリア負傷時は動揺するロメ隊を「早く命令を実行しなさい」と叱咤し、ロメリアの囁く増援指示を、丘の下のゼファーに向けて大声で伝達し続けた。
ヘレン王女
- 立場・所属:ヘイレント王国第二王女、国で聖女とも呼ばれる癒し手。
- 主人公との関係:ロメリアを尊敬する他国の王女。
- この巻での主な役割:濁流から救出された後、救護場での治療の陣頭指揮を執り、ロメリアの左肩の傷を治療する。
- この巻で起きた重要な変化や行動:おとなしく、ロメリアを題材にした小説を全巻所有する少女。堤防決壊で流されベインズに助けられる。救護場では重傷のガンブ将軍や怪我人を前に、小説のロメリアの真似をして「勝利を!」と右手を掲げて兵士たちを鼓舞し、見事な治療活動を指揮した。ロメリアが刺客の弩で射られた際、ロメリアの「矢を抜かずに、出血死しないよう肉だけ再生して止血する」という激痛を伴う治療を、泣きながら完遂した。
ヒュース王子
- 立場・所属:ヒューリオン王国の第三王子。
- 主人公との関係:ロメリアに注目する他国の王子。
- この巻での主な役割:本陣爆撃による崩壊時に覚醒し、暴君竜の背に乗って敵陣にぶつけ、ロメリアとともに殿を務める。
- この巻で起きた重要な変化や行動:女遊びや狩りに耽る「放蕩王子」を装っていたが、実際は実の兄弟同士が殺し合う激しい権力闘争から生き延びるための仮面だった。実際は凄腕の剣や弓の達人。本陣爆撃でレガリア将軍らが倒れた際、自ら剣と弓を振るって魔族を瞬く間に撃破。お供の兵士カトルを囮にして暴君竜の背に跳び移り、手綱代わりの鎖を無理やり引いて操り、魔王軍の本陣へ突進させて相打ちに持ち込み、大混乱に陥れた。その後はロメリアと合流し、スート大橋の手前で殿を志願して残った。
ディモス将軍
- 立場・所属:ホヴォス連邦の将軍、二つ名は「密林の蛇」。
- 主人公との関係:ロメリアを見下す他国の将軍、のちの裏切り者。
- この巻での主な役割:戦況悪化に伴い勝手に戦線を離脱し、さらにスート大橋(退路)を独断で爆破して他国を置き去りにする。
- この巻で起きた重要な変化や行動:形勢不利と見て主力部隊だけを引き連れて勝手に離脱。さらにスート大橋に爆裂魔石を設置することをロメリアに却下されていたにもかかわらず無視して爆裂魔石を設置。撤退中、魔王軍の接近に恐怖し、ハメイルやヘイレント、ライオネル、さらには自身の国の公女であるレーリアすら対岸に置き去りにしたまま、橋を独断で爆破した。
ギャミ
- 立場・所属:魔王軍特務参謀、千竜将。
- 主人公との関係:宿敵、魔王軍側の最悪の頭脳。
- この巻での主な役割:監獄から解放され、十五万の圧倒的な救援軍を組織。新戦術や飛空船を駆使して、連合軍を全滅寸前まで追い詰める。
- この巻で起きた重要な変化や行動:ガニスによってダリアン監獄から解放され、アザレア令嬢、ユカリ、ミモザの協力を得て復権。ガリオスの長男ガラルドを装甲巨人兵の長に据え、背の低い魔族を集めた「小鬼兵」三千や、品種改良した獣脚竜(ラプトル)を馬の代わりに操る「竜騎兵」千を結成。ガリオスの七男イザークの不死身の戦いぶり(装甲竜ルド)を盾に、弓兵、竜騎兵を連動させた新戦術「三段攻撃」で太陽騎士団を半壊させた。
イザーク
- 立場・所属:魔王軍の王弟ガリオスの七男。
- 主人公との関係:魔王軍側の戦士(ロメリアとの直接の接触はなし)。
- この巻での主な役割:装甲竜ルドに跨り、不死身の如き強靭さで太陽騎士団の猛攻を食い止め、ギャミの新戦術を支える。
- この巻で起きた重要な変化や行動:ガリオスの息子たちの中で最も背が低くずんぐりしており、他の兄弟から「チビ」と激しく嘲笑されていた。父ガリオスから直接名付けられた「イザーク」の名前の秘密をギャミから教えられ、父に愛されていたことを知って歓喜。初陣として最前線で太陽騎士団に突撃し、槍が体に数本突き刺さる致命傷を負いながらも、痛みを無視して二振りの戦槌を振り回して敵を撃破。さらに背中に何本もの矢を受けながらも暴れ回り、ギャミに「竜がもう一頭生まれた」と戦慄させた。
ガニス
この巻で起きた重要な変化や行動:強固すぎるグラナの長城を築いたことで、魔王軍の幹部たちが「絶対安全な場所に閉じこもる(対岸の火事)」という安心感から攻める気を失って牙を抜かれたことに気づく。胃痛に悩みながらも、会議室のゲラシャらの放棄論を退け、重圧と戦いながらギャミをダリアン監獄から釈放、軍の立て直しを命じた。
立場・所属:魔王軍大陸侵略軍ローバーン鎮守府長官。
主人公との関係:魔王軍側の長官(ロメリアとの直接の接触はなし)。
この巻での主な役割:会議室の腑抜けた幹部たちに見切りをつけ、ダリアン監獄からギャミを解放する。
書籍情報
ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~ 3
著者:有山リョウ 氏
イラスト:上戸亮 氏
出版社:小学館
レーベル:ガガガ文庫
発売日:2021年5月19日
ISBN:9784094611502
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あらすじ・内容
ロメリア二十騎士団、難攻不落の要塞へ。
ロメリア戦記 ~魔王を倒した後も人類やばそうだから軍隊組織した~ 3
アンリ王の死から二年――。
人類最強国と目されるヒューリオン王国の号令により、打倒魔王軍を掲げた連合軍が結成された。
連合軍には連合の盟主であるヒューリオン王国を筆頭に、フルグスク帝国とホヴォス連邦、ヘイレント王国にハメイル王国という名だたる列強国が参加を表明する。
ライオネル王国も連合軍に加わり、聖女となったロメリアが「ロメリア二十騎士」を率いて、魔王軍に支配された難攻不落のガンガルガ要塞攻略に挑む。
だが、一致団結したはずの連合軍では、保身と打算、歴史的な因縁からくる対抗心、そして手柄の奪い合いが横行して足並みが揃わない。
さらに連合各国は、ロメリアのことを成り上がりで聖女になった女と見下しており、全く相手にしない。連合各国は代表として、王子や王女も参陣させているが、各国の王族達もロメリアとは一定の距離を置いている状況だ。
しかしロメリアは逆風を気にもせず、自ら考えた秘策でガンガルガ要塞の攻略に挑む。
一方魔王軍の本拠地ローバーンでは、二年前に起きたセメド荒野の戦いを生き延びた魔王軍特別参謀のギャミが、打倒人類連合軍のために策謀を開始する。
ここにロメリアの新たな戦いが始まる。
感想
ロメリアが軍を作ってから5年。
ついにライオネル王国だけではなく、人族が住む大陸全体から魔王軍を追い出すための大規模な連合軍が動き始める。
集まった兵力は45万。
対する魔王軍は、難攻不落のガンガルガ要塞に約3万。
数字だけ見れば、
45万もいるなら余裕じゃないか?
と思う。
でも実際には全然落とせない。
城壁は高い。
攻城塔は破壊される。
投石機も火炎弾で燃やされる。
決死隊による自爆攻撃まで防がれる。
しかも魔王軍の兵器の方が、人間側より明らかに技術が進んでいる。
そこでロメリアが考えたのが、
城を直接攻めない。
周囲を水没させる。
という方法だった。
豊臣秀吉の備中高松城の水攻めを思い出すような作戦である。
これが見事に成功する。
……と思ったら、
魔王軍側にもロメリア並みに嫌なことを考える奴がいた。
ここからの逆転が酷い。
45万でも落とせない要塞を、ロメリアは水に沈める
ガンガルガ要塞攻略では、各国の思惑もかなり面倒だった。
人類のために協力しましょう。
と言いながら、
実際には手柄争い。
旧ジュネブル王国の土地を誰が取るのか。
要塞攻略の功績を誰が得るのか。
そんな政治的な駆け引きまで混ざっている。
しかもライオネル王国は、アンリ王を内乱で失ったこともあって他国から軽く見られている。
ロメリア自身も、
成り上がりの女聖女。
くらいの扱い。
でも本人はそんなことより、
どうやって兵士を死なせずに要塞を落とすか。
を考えている。
そして密かに巨大な天幕を張り、その中で地面を掘らせる。
周囲から見ると、
坑道を掘って要塞へ潜入するつもり?
と思わせておいて、
実際に掘っているのはレーン川から水を引くための運河。
ガンゼ親方。
オットー。
さらに魔法兵やクリートまで土木工事へ投入する。
魔法使いまで土方仕事に使うのか。
でも合理的である。
本来30日ほどかかる工事を20日で完成させ、
レーン川の水を一気に流し込む。
結果、
ガンガルガ要塞は湖の中。
完全に水攻め成功である。
しかもロメリアの狙いは、
水で敵を溺れさせることではない。
食料を腐らせる。
井戸を汚染させる。
排泄物による疫病も狙う。
そして30日ほど囲んでおけば、
飢えるか。
病気になるか。
投降するか。
最悪でも戦闘力を大きく削れる。
兵士を城壁へ突撃させる必要がない。
戦えないロメリアらしい戦い方だと思った。
自分が剣を振れないからこそ、
戦う前に勝てる状況を作ろうとする。
ここまでは、
ロメリア完全勝利では?
と思った。
甘かった。
魔王軍の援軍は想定済み。でもギャミは水攻めそのものを武器にしてくる
当然ロメリアも、
要塞を水攻めしたら魔王軍が救援へ来る。
ということくらい分かっている。
だから連合軍側も、
援軍との戦闘を想定して防御陣地を作る。
ところが来た援軍は15万。
しかも指揮を執るのがギャミ。
前巻でもかなり厄介だった魔王軍の特務参謀である。
さらに、
飛空船。
小鬼兵。
竜騎兵。
装甲巨人兵。
大型竜。
色々と新兵器まで持ってくる。
ロメリアは魔王軍の援軍を読んでいた。
でもギャミは、
ロメリアが水攻めをしている。
ならば、その水を人間側にぶつければいい。
と考える。
嫌すぎる。
飛空船で堤防を爆破。
水攻めのために大量に溜めていた水が、一気に人間側へ流れ込む。
いやいや。
それロメリアが作った水だぞ。
自分たちで用意した攻城兵器を、
敵にひっくり返されている。
魔王軍を閉じ込めるための水攻めだったのに、
今度は人間側が濁流に飲み込まれる。
陣形崩壊。
兵士は流される。
そこへ大型竜と魔王軍が攻め込んでくる。
ロメリアの策を、
真正面から破るのではなく、
利用して逆襲する。
ギャミも相当厄介だな。
お互い、
相手が嫌がることを本当によく考える。
しかも今回の魔王軍は、
単純に強いだけではない。
戦術も兵器も進化している。
魔王を倒して5年経っているのに、
むしろ組織として強くなってないか?
と思うほどだった。
何とか撤退しようとしたら味方が橋を爆破。敵より味方の方が酷くないか?
それでもロメリアたちは立て直す。
各国の王族や兵士を助けながら、
崩れた戦線を再構築。
グレンとハンスは雷竜まで倒す。
ヒュース王子も、
放蕩王子かと思ったら普通に強い。
味方側にも見せ場がかなり多い。
そして魔王軍も一度後退。
よし。
ここで撤退しよう。
となる。
連合軍が渡る唯一の退路は、
スート大橋。
ここを越えれば何とか生き残れる。
と思ったら、
ホヴォス連邦のディモス将軍が橋を爆破。
え?
ロメリアが却下したのに、勝手に爆裂魔石を仕掛けていた。
そして魔王軍が迫ってきたことで、
自分たちが逃げるために橋を落とす。
まだ向こうに味方がいるのに。
自国のレーリア公女まで残っているのに。
橋を爆破。
退路消滅。
……敵より酷くないか?
結果、
ロメリアたち約2万人が魔王軍側に取り残される。
前には魔王軍。
後ろには川。
橋はない。
さらにロメリア自身まで魔王軍の刺客に狙撃され、左肩へ弩の矢が刺さる。
大出血。
それでもロメリアは、
治療より先に命令を実行しろ。
と部下を前線へ戻す。
いや、
これ詰みじゃないか??
兵力差も酷い。
退路もない。
指揮官も重傷。
しかも味方に裏切られた直後。
さすがにここから助かる方法ある?
と思った。
生き残った。でも橋はない。敵地に取り残されたまま終わるの?続き早よ!!
最後の防衛戦では、ロメリアがさらにおかしな領域へ入る。
重傷。
出血。
治療の激痛。
意識も朦朧。
そんな状態なのに、
戦場のどこが崩れそうなのか分かる。
東に10人。
西に20人。
次はこっち。
と、わずかに残った予備兵を細かく投入していく。
レーリアがロメリアの声を大声で伝え、
ゼファーが兵を動かす。
ヘレンは治療。
ロメ隊は前線。
それぞれがロメリアの指示を受けて動く。
一人では何もできないロメリアが、
人を動かすことで10万の魔王軍を食い止める。
ここは1巻から続くロメリアらしさが、一番極端な形で出ていた気がする。
そして何とか夕方まで耐える。
夜戦を避けた魔王軍が撤退。
生き残った。
……生き残っただけである。
橋は壊れたまま。
敵地。
ロメリアは重傷。
魔王軍も健在。
ガンガルガ要塞もまだ完全に落ちていない。
そもそもの目的だった、
魔大陸へ渡って奴隷にされた人々を助ける。
というところにはまだ辿り着いていない。
そして、
ここで3巻終了。
え?
ここで終わるの??
続巻出るんだよね?
と思わず確認したくなる終わり方だった。
1巻では20人から軍を作った。
2巻では、その軍が王国を支えるまでに成長した。
3巻では、ついに各国連合の中でロメリアが戦う。
確実に規模は大きくなっている。
でもロメリアの目的は最初から変わっていない。
魔族領に置いてきた、
奴隷にされた人々を救うこと。
まだそこまで遠い。
今回ようやく人族側の大陸から魔王軍を押し返す段階まで来たと思ったら、
逆にロメリア本人が敵地へ取り残された。
これ、本当に生きて帰れるのか?
そしていつか魔族の大陸まで行けるのか?
水攻め成功で、
さすがロメリア。
と思わせてから、
その水で逆に攻撃され、
最後は味方に退路まで破壊される。
上げて落としすぎだろ。
続き早よ!!
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
ガンガルガ要塞水攻めと背水の陣防衛戦の全貌
ガンガルガ要塞攻略を巡る連合軍の軍議において、ロメリア・フォン・グラハムは他国を排した単独攻略を宣言し、秘策である水攻めを成功させた。しかし、特務参謀ギャミの飛空船による堤防爆破とホヴォス連邦による退路の破壊により、連合軍は背水の陣へと追い込まれた。要塞攻略から退路遮断、超感覚の覚醒による死守、そして各国王族との強固な同盟形成に至るまでの全容について解説する。
主要な転換点
戦況を激変させた決定的な転換点は以下の通りである。
・ガンガルガ要塞単独攻略の宣言:手柄の奪い合いと押し付け合いに終始する連合軍に対し、ライオネル王国単独での要塞攻略を宣言した。他国の介入を排除することで、妨害リスクの高い水攻めを秘密裏に進める環境を確保した。
・水攻めの完遂と要塞の水没:巨大天幕で掘削を偽装し、二十日間の工期を経てレーン川の水を窪地へ引き入れた。要塞を湖上の孤島へと変貌させ、三万の魔王軍を兵粮攻めと疫病による自滅へ追い込んだ。この危機がローバーンからのギャミ解放と十五万の救援軍派遣を招いた。
・飛空船による堤防爆破と濁流の猛威:ギャミが投入した新兵器「飛空船」が円形丘陵の堤防を爆破決壊させた。濁流が中央の陣地を直撃し、連合軍の防衛線は一気に崩壊の危機へ陥った。
・スート大橋の爆破と退路の喪失:撤退戦の最中、ホヴォス連邦のディモス将軍が独断で設置させていた爆裂魔石が起爆され、唯一の退路であったスート大橋が崩壊した。二万余りの兵士と各国王族が川の北側に取り残された。
・ロメリアの負傷と先読みの覚醒:退路を断たれた陣地で左肩に弩の矢を受け重傷を負う中、戦場全体の動向を把握する先読みの超感覚を覚醒させた。最小限の予備兵を精密に配置し続け、十万の猛攻を日暮れまで凌ぎ切った。
主人公を中心とした人物関係の変化
過酷な防衛戦と救出劇を通じて、周囲との関係性は大きく変容した。
・ロメリアとシュピリ:当初は不遜な態度で指揮権剥奪を警告する監視役であったが、水攻めの成功と負傷時におけるロメリアの毅然とした覚悟に圧倒され、忠実な秘書官へと変化した。
・ロメリアとゼファー:気弱な青年参謀から、負傷したロメリアの指揮下へ自ら入り、丘の下で予備兵の配置を完璧に代行する強固な副官・パートナーへと成長した。
・ロメリアとレーリア公女:成り上がりの聖女と見下していたが、見捨てられたところを救出された。負傷したロメリアの命令を大声で前線へ拡声する役割を担い、対抗心を抱きつつも強い共闘の絆を結んだ。
・ロメリアとヘレン王女:憧れを抱く控えめな王女から、流血するロメリアの無茶な止血要求に泣きながら応じ、過酷な治療を完遂して共に生き延びた深い信頼関係を築いた。
主人公の認識と周囲の評価
本人の冷徹な自己認識と、周囲から寄せられる熱狂的な崇拝の間には顕著な隔たりが存在している。
・主人公自身の認識:自身を戦闘能力のない非力な存在と自覚している。聖女の偶像を演じる欺瞞や恩寵による敵の疫病死を費用対効果で割り切る冷徹さを自覚し、自身の負傷で戦闘を放棄しかけた部下に対しても冷酷な危機感を優先させた。
・周囲からの評価:他国の将軍たちは小娘と見下していた姿勢から一転して特級戦功への警戒を強め、各国王族は高潔な奇跡の指導者と敬服。ロメ隊は命を捧げるべき絶対の総指揮官と崇拝し、職人らはその妥協のない合理性を鬼や悪魔と畏怖しつつ心服した。
・認識の差が現れた場面:救護場での振る舞いを本人は人心掌握のための演技と冷めて捉えているが、兵士たちは慈悲深い聖女と熱狂。また負傷時に治療を拒絶して任務遂行を迫った際も、本人は指揮系統崩壊の防止を意図していたが、兵士側は身を顧みない高潔な覚悟と受け止めて士気を爆発させた。
クライマックスにおける背水の陣防衛戦
退路を失った絶望的な状況下で、全員の死力を尽くした防衛戦が展開された。
・発生原因と初期状況:スート大橋の爆破により退路を断たれた二万の連合軍がライオネル陣地へ集結した。ロメリアは刺客の弩で左肩を射抜かれ重傷を負い、大量出血の中で指揮を執った。
・陣地内での連携体制:ロメリアが覚醒した先読みで囁く増援指示を、隣のレーリア公女が大声で拡声し、丘の下のゼファーが十人単位で正確に前線へ走らせた。ヘレン王女は矢を抜かずに肉を再生する激痛治療を継続した。
・前線の死闘と敵の総攻撃:ロメ隊が土塁を死守し、ヒュース王子が弓矢で応戦、クリートが土塁強化魔法を放ち続けた。敵の二万に及ぶ東西同時突入に対し、護衛や負傷者、ゼファーまでも前線へ投入して対抗した。
・決着と奇跡の生存:ロメリアが意識を失う直前に下した増援配置が機能し、日暮れの到来とともに暗闇を嫌う魔王軍が撤退した。二万の軍勢は奇跡的に生き延びることに成功した。
巻末時点の状況と今後の展望
絶体絶命の包囲戦を凌ぎ切ったものの、依然として過酷な環境に取り残されている。
・主人公の現在地と立場:円形丘陵の南に位置する要塞化した陣地におり、取り残された連合軍二万を率いる唯一無二の指導者として君臨している。
・解決した問題:魔王軍十万による総攻撃からの生還、大型竜や兵器による直接的脅威の一時的沈静化、各国の兵士と王族を統率する強固なアライアンスの確立。
・継続課題と今後の展望:スート大橋の崩壊により退路を断たれた状態の継続、ロメリア自身の重傷と出血、水攻め状態のガンガルガ要塞およびローバーン本隊の存在。今後はディモス将軍の独断爆破を巡る対岸との政治的亀裂への対処や、命を救われた各国王族たちが母国で実権を握りロメリアとの連帯を深める政治的展開が進む。
まとめ
ガンガルガ要塞水攻めと背水の陣防衛戦を巡る一連の全貌は、他国を排除した単独攻略宣言と大規模な水攻めの成功から始まり、ギャミの飛空船による堤防爆破とスート大橋の独断破壊による退路遮断、重傷の中で先読みの超感覚を覚醒させたロメリアの精密な防衛指揮、そして各国王族との強固な共闘による十万の猛攻撃退に至るまで、その歩みを明瞭に示している。知略による大戦果と想定外の破局を乗り越え、多国籍の軍勢を束ねる真の指導者として確固たる地位を確立した激戦の記録である。
ガンガルガ要塞における水攻めの全貌と戦略的波及効果
本作第3巻においてロメリア・フォン・グラハムが敢行したガンガルガ要塞の水攻めは、直接的な戦闘力を持たない彼女が知恵と工兵技術、そして高度な情報戦を融合させて成し遂げた大規模な攻城作戦である。計画の背景にある一国攻略宣言から突貫工事を支えた技術力、水攻めの真の狙い、敵味方を欺いた偽装工作、そしてもたらされた戦略的・外交的波及効果に至るまでの全容について解説する。
計画の背景と一国単独攻略の宣言
連合軍内部の足並みの乱れを逆手に取り、独自の作戦を遂行するための自由を確保した。
・連合軍内の手柄争いと冷遇:45万規模の人類連合軍において、他国の将軍たちによる保身や主導権争いが頻発していた。新興のライオネル王国や聖女ロメリアは冷遇され、正面攻撃の機会を意図的に奪われていた。
・単独攻略宣言による政治的猶予の確保:逆境に対し、ライオネル王国単独で要塞を攻略すると宣言した。他国は失敗時の責任をロメリアに負わせる意図からこれを容認したため、妨害を受けることなく秘密裏に作戦を進める環境が整った。
20日間の突貫工事を支えた技術と工兵部隊
要塞近郊を流れるレーン川の雪解け水を引き込むため、精鋭部隊による極めて迅速な掘削作業が展開された。
・工兵監督ガンゼ親方の地質判断:地質が粘土層であることを見抜き、水攻め計画の技術的妥当性を保証した。
・怪力無双のオットーによる基礎構築:巨石の運搬や土台の補強を一人で担い、過酷な工事を力強く牽引した。
・宮廷魔導士クリートの土硬化魔法:土を煉瓦のように硬化させて遮水性を高める「土硬化」の術式を魔道具100本へ刻み込んだ。木材による補強を不要とする強固な横穴掘削を可能にし、工期の大幅な短縮を実現した。
水攻めの決行と兵糧攻め・疫病の狙い
運河の開通に伴い爆裂魔石で地下坑道を貫通させ、要塞を湖上の城へと変貌させた。
・兵糧の全滅:水位の上昇により要塞内部に備蓄されていた大量の食料が浸水し、使用不能となった。
・過密状態による疲弊:3万の魔王軍将兵は狭い城壁上への避難を余儀なくされ、吹き曝しの環境下で極度の疲労が蓄積した。
・汚染水による疫病の誘発:井戸の水没により城壁外の水を飲まざるを得ない中、排泄物による急速な水質汚染が発生した。過密状態と体力低下が重なり、確実に疫病が蔓延する環境を整えることで、交戦することなく自滅を待つ状況を作り出した。
ダミーの坑道戦術による高度な情報戦
真の狙いを秘匿するため、敵味方双方を欺く徹底した陽動工作が講じられた。
・偽の坑道掘削:城壁直下へ向けてダミーの穴を掘り進めることで、古典的な坑道戦術を企図していると周囲に見せかけた。
・排土の意図的な露出:掘削土砂をレーン川へ投棄して川幅を狭め、作業の痕跡を敢えて露出させた。
・敵味方の油断と誤認:他国の将軍や魔王軍は地下侵入の企てと判断し、要塞の地中防衛設備で迎撃可能と過信したため、直前まで水路開通の真意を看破できなかった。
戦略的成果と魔王軍本隊の動向
一兵も損なわずに要塞を無力化した成果は、国際的な外交交渉を動かすとともに敵本隊の危機感を煽った。
・リント地方の獲得外交:他国からの言いがかりに対し、あえて要塞の所有権を撤回して大国の面目を保たせた。その代償として、極めて肥沃なリント地方の領有権を確約させる特大の外交成果を獲得した。
・ギャミの釈放と15万の増援来襲:要塞崩壊の危機に直面した本拠地ローバーンのガニス長官は、投獄されていた特務参謀ギャミを独断で釈放した。ギャミの主導により飛空船や大型竜を擁する15万の救援軍が編成され、その後の堤防決壊を巡る総力戦へと直結した。
まとめ
ガンガルガ要塞の水攻めを巡る一連の全貌は、他国を排除した単独攻略宣言から始まり、土硬化魔法と工兵技術を結集した20日間の運河掘削、兵糧攻めと疫病誘発を狙った湖上化、ダミーの坑道戦術による徹底した情報偽装、そしてリント地方の獲得と魔王軍本隊による大規模救援軍の出撃に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
自然の質量と技術力、高度な欺瞞工作を完璧に連動させ、最小の損害で最大の戦果をもぎ取った合理主義的軍略の記録である。
六カ国連合軍の構成と死地における新アライアンスの全貌
本作第3巻において、難攻不落のガンガルガ要塞を攻略するために結成された六カ国連合軍(人類連合軍)は、物語の軍事・政治力学を大きく動かす中心的な組織である。総勢45万に及ぶ軍勢の構成から内包された打算と不和、ロメリアの一国攻略宣言と水攻めの衝撃、そしてスート大橋の爆破を経て死地で結ばれた次世代王族たちとの新たなアライアンスに至るまでの全容について解説する。
連合軍の構成と総勢45万の戦力規模
ヒューリオン王国の提唱により結集した軍勢は、各国を代表する精鋭部隊を擁する人類史上最大級の規模となった。
・ヒューリオン王国(10万人):連合軍の盟主。レガリア将軍が全体の統括を務め、ヒュース第三王子が参陣。最精鋭の太陽騎士団を擁する。
・フルグスク帝国(10万人):ヒューリオンと並ぶ大国。最高権力者のグーデリア皇女自ら指揮を執り、水晶剣から光魔法を放つ月光騎士団を率いる。
・ホヴォス連邦(7万人):五大公爵家スコル家のレーリア公女が参陣。老獪なディモス将軍や豪傑マイスが所属する。
・ヘイレント王国(7万人):名将ガンプ将軍が率いる。聖女と呼ばれる第二王女ヘレンや乳母兄ベインズが参陣する。
・ハメイル王国(6万人):好戦的なゼブル将軍が率いる。王位継承権を持つ青年参謀ゼファーが参陣する。
・ライオネル王国(5万人):聖女ロメリア・フォン・グラハムが総指揮官を務め、ロメリア二十騎士(カイル、オットー、双子のグランとラグンら)が将軍として率いる。
連合軍の目的と内包された打算・不和
魔王軍駆逐の大義を掲げつつも、実態は旧領土の利権争いと同床異夢の対立構造を孕んでいた。
・大国間の歴史的遺恨と保身:ヒューリオンとフルグスクは過去に戦争を交えた宿敵であり、互いに自国精鋭の損耗を避けて他国を盾にしようとする牽制が常態化していた。
・ライオネル王国への冷遇:アンリ王の死を招いた内乱を理由にライオネル王国を見下し、戦闘力のないロメリアを侮蔑した。手柄を立てやすい正面門への攻撃順を強奪し、ライオネル軍を消耗させようと画策した。
ロメリアの一国攻略宣言と水攻めの衝撃
冷遇を逆手に取ったロメリアは、単独攻略の合意を取り付けて奇策を決行した。
・外交的譲歩と利権の獲得:一国での攻略を宣言し、失敗時の責任を背負う代わりに肥沃なリント地方の将来的な割譲を確約させた。
・水攻めの完遂:巨大天幕で掘削を隠し、ガンゼ親方、オットー、クリート(土硬化魔法)らの協力のもと20日間でレーン川からの運河を開通させた。古典的な坑道戦術と誤認させて油断を誘い、要塞を水没させて一兵も損なわずに敵を自滅寸前へ追い込んだ。
スート大橋の爆破と死地で生まれた新アライアンス
特務参謀ギャミの増援と味方の裏切りにより、戦場は絶望的な背水の陣へと変貌した。
・堤防決壊と退路の喪失:ギャミの飛空船による堤防爆破で濁流が発生し戦線が崩壊した。撤退戦の最中、ホヴォスのディモス将軍が独断でスート大橋を爆破したため、2万余りの兵士と各国王族が川の北側に取り残された。
・ロメリアの超感覚覚醒と指揮継続:左肩に弩の矢を受ける重傷を負いながらも治療を拒否して指揮を執り、戦場全体を把握する先読みの超感覚を覚醒させた。
・次世代王族たちの結束:
- レーリア公女:ロメリアの指示を大声で前線へ代弁・拡声した。
- ゼファー:指示を受け、丘の下で予備兵を十人単位で正確に前線へ配分した。
- ヘレン王女:救護場を統率し、矢を抜かずに肉を再生する激痛治療を完遂した。
- ヒュース王子:暴君竜を奪って敵本陣を攪乱し、最後は殿となってロメリアを護衛した。
・猛攻の迎撃と防衛成功:精密な予備兵配分と各王族の連携により、十万の魔王軍の総攻撃を日暮れまで凌ぎ切り、奇跡的な生存を果たした。
まとめ
六カ国連合軍を巡る一連の全貌は、総勢45万の大軍勢に潜む打算と不和から始まり、ロメリアの一国攻略宣言と水攻めによる要塞無力化、ギャミの飛空船来襲とスート大橋爆破による退路遮断、そして重傷の中で先読みを覚醒させたロメリアの下に各国王族が結集した背水の陣防衛戦に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
旧世代の将軍たちの保身と機能不全を乗り越え、死線を共にした次世代指導者たちとの強固なアライアンスを確立した、大陸の未来を決定づける軍事同盟の記録である。
ガンガルガ要塞攻略における坑道戦術の偽装と水攻めの全貌
本作第3巻で描かれるガンガルガ要塞攻略において、ロメリア・フォン・グラハムが敢行した坑道戦術は、敵味方双方を完全に欺くために仕掛けられた大規模な偽装工作であった。周囲を油断させた陽動工作から土砂投棄の真の目的、土硬化魔法による超突貫工事、そして水攻めの決行に至るまでの全容について解説する。
周囲を油断させた偽装坑道戦術
古典的な城壁崩落作戦を装うことで、敵味方双方の警戒を真の狙いから完全に逸らした。
・あからさまな土砂の投棄:巨大な天幕で掘削現場を偽装しつつ、掘り出した大量の土砂を近隣のレーン川へ堂々と投棄し続けた。
・敵味方の完全な誤認と油断:他国の将軍たちは稚拙な作戦と見なして嘲笑した。要塞内の魔王軍も音響・地中防衛設備により地下侵入は容易に迎撃可能と判断し、水路開通の可能性を全く疑わなかった。
土砂投棄の真の目的と運河掘削
土砂の処分に見せかけた作業には、水流を制御するための高度な物理的計算が存在していた。
・簡易ダムの構築:レーン川へ土砂を投棄して川幅を狭めた真の狙いは、川の水位を上昇させて水を逆流・誘導するための堰を造成することであった。
・導水路としての運河掘削:天幕の内部で掘り進められていたのは城壁へのトンネルではなく、レーン川の雪解け水を要塞の窪地へ引き込むための導水路であった。
土硬化魔法による超突貫工事の実現
20日間という短期間での運河完成を可能にしたのは、宮廷魔導士による高度な魔術技術であった。
・土硬化術式の付与:宮廷魔導士クリートが掘削壁面を一瞬で硬化させる高度な術式を100本の魔道具へ刻み込んだ。
・木枠補強の省略と超高速掘削:掘削直後に壁面が石のように固定されたため、崩落を防ぐ木枠の設置工程が不要となり、常識外の速度で地下運河を貫通させた。
水攻めの決行と要塞の湖上化
すべての準備が完了した段階で、自然の質量を一気に解放する最終工程が実行された。
・爆裂魔石による接続:運河の終端とレーン川を隔てる最後の土壁を爆裂魔石で爆破し、流路を直結させた。
・要塞の孤立と無力化:堰き止められていた莫大な雪解け水が運河を通じて窪地へ一気に流入し、ガンガルガ要塞を湖上の孤島へと変貌させて魔王軍3万を完全な包囲・自滅状態へ追い込んだ。
まとめ
ガンガルガ要塞における坑道戦術の秘策を巡る一連の全貌は、土砂投棄を伴うあからさまな偽装坑道による敵味方の油断誘導から始まり、川を堰き止める簡易ダムの造成、土硬化魔法による木枠不要の20日間超高速運河掘削、そして爆裂魔石による開通と雪解け水流入による要塞水没に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
古典的な戦術をダミーとして利用し、味方の侮蔑や敵の防衛設備を逆手に取って自然の質量を叩き込んだ、極めて高度な心理戦および情報戦の記録である。
魔王軍における先進兵器体系と技術基盤の全貌
人類側から原始的な存在と侮蔑されがちな魔王軍であるが、その戦場で運用される兵器群は人類側の常識を凌駕する高度な工学技術と冷徹な合理性に基づいて設計されている。ガンガルガ要塞に設置された先進防衛兵器、特務参謀ギャミが主導した航空・空中兵器、そして魔大陸の生態系を活用した生物兵器・大型竜に至るまでの全容について解説する。
ガンガルガ要塞に設置された先進防衛兵器
要塞攻略戦において、連合各国の最新式攻城兵器を無力化した防衛兵器群は極めて高い機械工学水準を示した。
・起重機(怪腕):城壁上に設置された巨大なクレーン兵器である。歯車機構(ギヤ)を用いて力の方向を変換し、水平・垂直方向へ縦横無尽に可動する。先端の鎖付き分銅を叩きつけることで、接近する頑強な攻城塔を一撃で粉砕した。
・火炎弾(投石機・陶器弾):規格化された陶器弾を使用することで安定した弾道と高い命中精度を実現した。内部には空気に触れると自動発火する特殊液体が封入されており、土や布による消火を拒む強烈な火力で人類側の投石機や破城槌を焼き尽くした。
・高性能連弩:門上に据え付けられた箱型の防衛用連射弓である。自在に動く台座と手回し機構により猛烈な速度で矢を連続射出し、分厚い盾を貫通して接近する自爆決死隊を門前で全滅させた。
ギャミが主導した新時代の空中・航空兵器
平面主体の戦争に三次元の概念を持ち込み、戦局を一変させる航空戦力を実戦投入した。
・飛空船:布製バルーンの下に小型船を吊り下げた空中兵器である。搭載された風の魔道具に魔法兵が魔力を供給して気流を生み出し、風に逆らって飛行・降下する。船首に大量の爆裂魔石を積載して堤防へ突入・自爆させることで、堤防決壊と戦線崩壊を引き起こした。
・翼竜部隊:調教された巨体翼竜に騎手と武装兵の二体が搭乗する空爆兵器である。風の魔道具による飛行アシストを要する高コスト兵器であり、上空からの爆裂魔石投下で地上本陣を壊滅させた。自力離陸が困難という弱点を突かれ、地上待機中に翼を切り裂かれて無力化された事例も存在する。
生物兵器としての大型竜と竜騎兵の運用
魔大陸ゴルディア固有の強力な生態系を、高度な調教と軍事工学によって移動要塞および高速部隊へと昇華させた。
・魔導船:荒れ狂う大海原を渡るため、魔法を動力源として建造された大型渡航船であり、魔王軍のアクシス大陸侵攻を支える基盤となった。
・調教された大型竜(移動要塞):
- 雷竜(ブラキオ・竜):背上の籠に弓兵を乗せ、高所からの射撃と巨躯による踏み荒らしで敵陣形を粉砕する移動要塞。
- 暴君竜(タイラント・竜):圧倒的な脚力と牙を持ち、敵精鋭部隊の指揮官と正面から渡り合う巨竜。
- 三本角竜(トリケラ・竜):多色魔石の杖を振るう魔導士が搭乗し、防御結界や電撃魔法と突撃を連動させる竜。
- 装甲竜(アンキロ・竜):硬質な鱗と尾先端の巨大な骨塊(瘤)を備え、すり抜ける敵騎兵を薙ぎ払う重装竜。
・品種改良された竜騎兵:中型の獣脚竜(ラプトル)を調教した1,000頭規模の高速騎兵部隊である。軽量な小鬼兵を搭乗させることで俊敏性と跳躍力を極限まで引き出し、障害物を跳び越える立体機動を実現した。肉食獣ゆえの餌代という兵站上の課題を抱えつつも高い打撃力を発揮した。
まとめ
魔王軍の兵器体系を巡る一連の全貌は、歯車機構や可動アームを用いた要塞防衛兵器から始まり、風の魔道具と気球・翼竜を組み合わせた航空爆撃戦術、そして魔大陸固有の大型竜や獣脚竜を最適化した生物兵器の運用に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
単なる野生の凶暴性に頼るのではなく、高度な機械工学、品種改良、そして合理的な運用ドクトリンによって支えられた先進的軍事技術の記録である。
ロメリアにおける合理主義的指揮統率と戦闘ドクトリンの全貌
本作において、主人公ロメリア・フォン・グラハムの指揮は、個人の武勇に依存する英雄譚とは対極に位置する、近代的な合理主義と冷徹な自己演出が融合した独自の戦闘ドクトリンとして描かれている。自身に剣技や攻撃魔法といった直接の戦闘力が皆無であるからこそ、他者、技術、環境、民衆心理を徹底的に活用する指揮を執る。兵站と工兵技術の融合から先読み超感覚の覚醒、聖女の偶像を演じる心理演出、そして多国籍アライアンスの統率に至るまでの全容について解説する。
兵站管理と工兵技術・魔法の高度な融合
ロメリアの指揮の基盤は、戦術行動を支える徹底した兵站管理と土木技術の応用に存在する。
・緻密な補給計画による強行軍:ポルヴィック救援戦において、通常30日を要する行軍を20日に短縮した。荷馬車を切り離した輜重部隊と本隊を分割し、後方から馬でピストン輸送する緻密な補給計画を監督・完遂した。
・工兵技術と魔術の連動指揮:ガンガルガ要塞の水攻めにおいて、宮廷魔導士の土硬化魔法と工兵の土木技術を連動させ、数ヶ月を要する運河掘削をわずか20日で完了させた。個人の魔力を直接戦闘ではなくインフラの超高速構築へ投入して成果を上げた。
戦場全体を俯瞰する先読み超感覚の覚醒
背水の陣における極限状態の中で、指揮能力は決定的な進化を遂げた。
・重傷を耐え抜く執念:スート大橋爆破後の防衛戦において、敵の弩の矢が左肩を貫き大量出血する瀕死の重傷を負いながらも、指揮権維持のため後退や麻酔を拒否して本陣に留まり続けた。
・精密な少数予備兵配分:激痛の中で戦場全体の敵味方の動きや意識を把握する先読みの超感覚を覚醒させた。東西の防衛線が決壊寸前となる箇所へ、手元の僅かな予備兵を十人、二十人単位で正確に送り込み続け、十万の魔王軍の猛攻を日暮れまで凌ぎ切った。
聖女の偶像を演じきる心理的・政治的演出
兵士や民衆のすがりつきたい心理を掌握し、自軍の戦闘力へと変換する冷徹な演出家としての側面を持つ。
・視覚的な士気高揚策:戦闘力がないにもかかわらず、純白の鎧をまとい白馬に乗って金糸の鈴蘭の旗を掲げ、先頭を駆けた。矢の雨を突破した際も、実際は背後の風魔法による防御であったが、聖女の奇跡として見せることで軍全体の士気を爆発的に高めた。
・冷徹な欺瞞者としての自己認識:死に瀕した兵士に対し、心の中で自己欺瞞に嫌悪を抱きながらも、最後の突撃を敢行させるため高潔な言葉をかけた。個人の救済よりも軍全体の生存に必要な旗の保持を最優先とする冷徹な現実主義を貫いた。
他国の若き指導者たちによるアライアンスの統率
命がけの姿勢と的確な指示により、他国の王族たちを完全に心服させ、多国籍の共同戦線を機能させた。
・有機的な連携体制の構築:ヒュース王子、ゼファー、レーリア公女、ヘレン王女らを自らの手足として統率した。指示の拡声、予備兵の配置、救護場の統括、遊撃攪乱といった役割を分担させ、大国間の歴史的不和を乗り越えて一つの軍隊として機能させた。
・統率力の昇華:自軍のみならず、かつて敵対・冷遇していた他国軍をも掌握する卓越した指導力を発揮した。
まとめ
ロメリアの指揮統率を巡る一連の全貌は、兵站管理と土木・魔術の融合による基盤構築から始まり、瀕死の重傷下で覚醒した先読み超感覚による精密な防衛指揮、聖女の偶像を演じきり士気を極限まで引き出す心理的演出、そして他国の王族たちを結集させた多国籍アライアンスの統率に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
自身の武力不足を補うためにあらゆる要素を総動員し、計算と冷徹さによって勝利をもぎ取る、システム化された総力戦ドクトリンの記録である。
魔導士と工兵の連携による土木・兵站構築の全貌
本作においてロメリア・フォン・グラハム率いる軍隊が示す革新的な戦術の一つが、魔導士と工兵の連携による超高速の土木・兵站・インフラ構築である。魔法を単なる攻撃手段としてではなく、土木技術と融合させて戦場の物理環境を造り変えるシステムとして機能させた。ガンガルガ要塞水攻めにおける土硬化魔法と掘削技術の融合から、適材適所の見極め、そしてもたらされた戦略的価値に至るまでの全容について解説する。
ガンガルガ要塞水攻めにおける土硬化魔法と掘削技術の融合
難攻不落の要塞を攻略するため、20日間という短期間でレーン川からの地下導水路(運河)を掘削させた。
・工兵による技術と労働力の提供:カシュー地方の港建設以来の相棒であるガンゼ親方が工兵監督を務め、地質が粘土層であることを見抜いて水攻めの技術的妥当性を保証した。さらに大工の息子であるオットーが怪力を発揮し、巨石を運搬して運河の土台を物理的に支えた。
・魔導士による工期短縮の実現:宮廷魔導士クリートが土の硬度を操る土硬化の術式を魔道具100本へ刻み込む突貫作業を主導した。
・木枠補強の省略と超高速掘削:通常の地下掘削で膨大な時間と資材を要する木枠補強の工程を、掘削直後に壁面を石のように硬化させることで完全に省略した。崩落リスクを排除しつつ常識を超える速度で地下運河を完成させた。
工兵および魔法適性の見極めと配置
個人の素質を冷静に見極め、適材適所で魔導士と工兵を連動させる人事配置を行った。
・オットーの工兵適性の発掘:一般兵であったオットーの出自や手先の器用さ、力強さに着目し、早期から工兵としての適性を見出して現場の要として重用した。
・魔法適性の可視化と実用化:調達した魔法の絵具を用いて兵士の潜在適性を可視化し、炎や風といった属性を実戦レベルへ引き上げた。物理作業や工兵任務に個人の魔力特性を応用する柔軟な発想が軍全体の技術水準を向上させた。
魔導士と工兵の連携がもたらす戦略的価値
敵の予測速度を大幅に上回り、戦場の地形そのものを書き換える点に本戦術の神髄が存在する。
・敵の防衛設備と想定の無力化:要塞内の魔王軍は地中振動を感知する音響防衛設備を備えていたが、20日間で川と要塞を結ぶ運河が完成するという想定外の速度に対応できなかった。
・情報偽装との相乗効果:あからさまな土砂投棄による偽装工作と相まって、魔王軍は直前まで水攻めの意図を看破できず、完全に裏をかかれて要塞を水没させられた。
まとめ
魔導士と工兵の連携を巡る一連の全貌は、土硬化魔法と掘削技術を融合させた20日間の超高速運河開通から始まり、木枠補強を排した工期短縮の実現、個人の素質を見極めた工兵・魔術適性の実用化、そして敵の想定を覆す地形改変による要塞水没に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
魔法の力を現実的な土木工学や兵站インフラ構築へと直結させ、最小の犠牲で戦局を決定づけた近代的な合理主義軍略の記録である。
スート大橋爆破による退路遮断と背水の陣防衛戦の全貌
本作第3巻のクライマックスにおけるスート大橋の爆破は、魔王軍の猛攻という外的脅威に人類連合軍内部の裏切りと保身が重なり、物語を決定的な背水の陣へと導いた重大な事件である。パニック下での爆破の経緯から孤立した2万の戦術的影響、死地が生み出したロメリアの覚醒と結束、そして残された深刻な政治的亀裂に至るまでの全容について解説する。
発生の経緯とパニック下での退路爆破
飛空船による堤防決壊と竜騎兵の追撃により混乱が生じる中、独断専行による裏切りが敢行された。
・唯一の退路スート大橋:堤防決壊で戦線が崩壊した連合軍がレーン川を渡り、安全地帯へ退却するための唯一の経路であった。
・ディモス将軍の独断と爆破工作:ホヴォス連邦のディモス将軍が自らの保身および魔王軍の進出阻止を名目に、大橋へ事前に爆裂魔石を独断で仕掛けさせていた。
・友軍を巻き込む崩落:多数の友軍が渡河中であったにもかかわらず爆裂魔石が起爆され、多くの負傷兵や将兵がレーン川へ転落して命を落とした。
取り残された2万人の孤立と背水の陣の形成
橋の崩壊により、地理的および戦術的に完全に退路を断たれた絶望的な包囲陣が完成した。
・孤立した混成部隊:ライオネル王国、ヘイレント王国、ハメイル王国、ホヴォス連邦の兵士約2万余りが敵地側に取り残された。
・若き指導者層の残留:兵士のみならず、ロメリア、ヒュース王子、ゼファー、レーリア公女、ヘレン王女といった各国の次世代を担う王族や指揮官がそのまま取り残される事態となった。
・10万の魔王軍による包囲:退路を失った彼らの背後から、特務参謀ギャミ率いる10万の魔王軍が包囲網を急速に狭めて迫った。
死地が生み出したロメリアの覚醒と多国籍の結束
確実な全滅が予想された極限状態において、奇跡的な防衛体制が構築された。
・ロメリアの負傷と先読み超感覚の覚醒:刺客の弩で左肩を射抜かれ大量出血に陥る中、激痛の中で戦場全体の動向を把握する先読みの超感覚を覚醒させた。
・精密な少数予備兵配分:超感覚に基づき、手元の僅かな予備兵を十人、二十人単位で防衛線の決壊寸前の箇所へピンポイントで配分し、敵の突破を阻止し続けた。
・各国王族による有機的連携:命がけで指揮を執るロメリアの姿に心を打たれた各国の王族が一体となり、指示の拡声、予備兵の配置、救護所の統率、前線防衛を分担して10万の猛攻を日暮れまで凌ぎ切った。
残された深刻な政治的爪痕と国際関係の変容
奇跡的な防衛を完遂したものの、事件は戦後の連合軍内に修復不可能な対立をもたらした。
・対岸本隊との致命的な亀裂:友軍と他国の王族を見捨てて退路を爆破したディモス将軍の謀略は生存した王族たちに完全に把握され、対岸の本隊と孤立生存者たちの間に深刻な政治的亀裂が生じた。
・ホヴォス連邦の立場悪化:ディモス将軍の独断行動により、所属するホヴォス連邦およびスコル家の国際的信用が失墜し、連合内での処遇を巡る政治闘争の火種となった。
まとめ
スート大橋の爆破と退路遮断を巡る一連の全貌は、パニック下での独断起爆による友軍見殺しから始まり、2万の兵士と各国王族の敵地孤立、瀕死の重傷を負ったロメリアの先読み超感覚の覚醒と精密な予備兵配分、各国王族の結束による10万の魔王軍猛攻の撃退、そして対岸本隊との政治的亀裂に至るまで、その歩みを明瞭に示している。最悪の裏切りによって引き起こされた絶対的な窮地を、卓越した指揮統率と次世代指導者たちとの強固なアライアンスへと昇華させた決定的な転換点の記録である。
ロメリアの超感覚覚醒とスート大橋背水の防衛戦の全貌
本作第3巻のクライマックスにおいて描かれる背水の防衛戦は、直接的な戦闘力を持たないロメリア・フォン・グラハムが、重傷を負いながらも戦列を維持する執念と極限状態で開花させた戦術的才能により、十万の魔王軍を退けた決定的な激戦である。スート大橋爆破による孤立の経緯から弩による重傷と治療拒絶、先読み超感覚の覚醒、極小単位での精密な予備兵配分、そして奇跡的な生存と新アライアンスの誕生に至るまでの全容について解説する。
スート大橋爆破による孤立と背水の陣の形成
魔王軍の航空兵器投入と味方の裏切りにより、連合軍の一部は敵地での完全孤立を余儀なくされた。
・堤防決壊と戦線崩壊:特務参謀ギャミが投入した飛空船により円形丘陵の堤防が決壊し、ヘイレント軍が水没するなど戦線は大打撃を受けた。
・ディモス将軍による独断爆破:撤退戦の最中、パニックに陥ったホヴォス連邦のディモス将軍が独断でスート大橋を爆破し、友軍の退路を遮断した。
・敵地への孤立と十万の包囲:ライオネル王国、ヘイレント王国、ハメイル王国、ホヴォス連邦の混成部隊約二万余りと各国の若き指導者たちが取り残された。背後から迫る十万の魔王軍に対し、東のライオネル王国陣地へ移動して背水の陣を敷いた。
弩の重傷と指揮系統維持のための治療拒絶
移動中に刺客の急襲を受け重傷を負う中、指揮系統の崩壊を防ぐため冷徹な決断を下した。
・ロメ隊の動揺と戦線離脱:岩に擬装した刺客から放たれた弩の矢がロメリアの左肩を貫いた。これを目撃したロメリア二十騎士の面々は動揺し、目の前の敵を放置して駆け戻る事態となった。
・治療拒絶と前線復帰の一喝:自身が意識を失えば軍が全滅することを見抜き、駆け寄るカイルへ剣を突きつけて命令遂行を要求し、それまで治療を受けないと一喝した。
・激痛を伴う応急処置:レーリア公女が騎士たちを前線へ叱咤して戻し、ヘレン王女が矢を抜かずに肉のみを再生して止血する激痛を伴う癒し魔法を完遂した。
戦場全体を掌握する先読み超感覚の覚醒
過酷な激痛と失血による極限状態の中で、戦況を予測する能力が飛躍的な覚醒を遂げた。
・戦況のリアルタイム把握:従来培っていた時間差を考慮した予測能力が爆発的に進化し、戦場全体の隙、脆弱箇所、敵の進軍意図が手のひらの上にあるかのように知覚可能となった。
・敵味方の意識の感知:味方兵士の奮戦や恐怖、敵魔族の手柄への欲望や復讐心に至るまで、戦場に渦巻く意識を克明に捉えられるようになった。
精密な極小単位予備兵配分と王族連携
圧倒的な兵力差を埋めるため、薄い防衛線と手元に温存した予備兵のピンポイント投入戦術を展開した。
・拡声と配置の連携体制:自ら大声を出せないロメリアの囁く指示を隣のレーリア公女が大声で拡声し、丘の下のゼファーが十人、二十人単位で正確に前線へ走らせた。
・決壊寸前へのピンポイント増援:敵の突撃が集中するポイントを事前に感知し、攻撃が開始される直前のタイミングで的確に増援を送り込むことで、防衛線の決壊を紙一重で防ぎ続けた。
限界突破による防衛成功と新アライアンスの誕生
手元の戦力を完全に使い切る死闘の末、奇跡的な防衛を成し遂げた。
・全戦力の投入と限界到達:敵の後方二万の東西同時突入に対し、護衛や負傷兵、ゼファーまでも前線へ投入した。すべての指示を出し終えた瞬間、ロメリアは限界を迎え意識を失った。
・夕暮れの撤退と生還:最後に配置した増援が機能して防衛線は耐え抜き、暗闇を嫌う魔王軍は夕暮れとともに撤退した。二万の将兵は奇跡的に生き延びることに成功した。
・次世代アライアンスの確立:死線を共に戦い抜いたことで、他国の若き王族たち(ゼファー、レーリア、ヘレン、ヒュース)はロメリアに絶対的な信頼を寄せ、ライオネル王国の聖女を中心とする強固な多国籍アライアンスが形成された。
まとめ
ロメリアの超感覚覚醒とスート大橋背水の防衛戦を巡る一連の全貌は、退路爆破による二万人の孤立から始まり、瀕死の重傷下での治療拒絶と指揮系統の死守、戦場全体を俯瞰する先読み超感覚の覚醒、各国王族と連携した十人単位の精密な予備兵配分、そして十万の猛攻を凌ぎ切った奇跡の生存と新アライアンスの確立に至るまで、その歩みを明瞭に示している。
個人の武力を持たない指導者が、冷徹な合理主義と命がけの統率力を発揮し、絶望的な包囲戦を打破して次世代の国際的連帯を築き上げた激戦の記録である。
ロメリア戦記2巻レビュー
まとめページ
ロメリア戦記4巻レビュー
登場キャラクター
ライオネル王国
ロメリア・フォン・グラハム
ライオネル王国の聖女であり、軍の総指揮官を務める女性である。非力であるが、極めて冷静で合理的な戦術眼を持つ。周囲の人々から高い崇拝を集めている。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の総指揮官に当たる。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な天幕で作業を隠しながら運河を建設した。これを利用してガンガルガ要塞の水攻めを成功させている。さらにスート大橋の爆破後は、弩で左肩を射抜かれながらも指揮を続行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
瀕死の重傷を負う中で、戦場全体の動きを把握する超感覚を覚醒させた。これにより、他国の若き王族たちとの間に強固な協力関係を構築している。
カイル(カイルレン・フォン・グレンストーム)
「ロメリア二十騎士」の一人であり、斥候や諜報の責任者を務める男爵である。戦闘だけでなく、本陣の警備や不審な動きの監視を担当する。ロメリアに対して絶対の忠誠を誓っている。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
監視役のシュピリが不敬な態度を取った際、鋭い殺気で彼女を閉口させた。ロメリアが弩で射られた時には、慌てて彼女の治療へと駆け寄る。だが、一喝されたことで直ちに戦線の防衛へと戻った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
5年間の死線を潜り抜けた結果、周囲を威圧するほどの成長を遂げた。
オットー(オッテルハイム・フォン・ベラク)
「ロメリア二十騎士」の一人であり、一万五千の歩兵を率いる将軍である。非常に強力な怪力を持ち、物資の運搬や前線の防衛を担当する。ロメリアの部下として高い忠誠心を示す。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な岩をたった一人で運んで作業時間を大幅に短縮させた。後半の防衛戦では、歩兵部隊を指揮して魔王軍の猛攻を食い止める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ガンゼ親方の娘であるエリーヌとの婚約が決定した。
グラン(グランベル・フォン・アンドレ)
「ロメリア二十騎士」の一人であり、一万の弓兵を率いる将軍である。ラグンと瓜二つの容姿を持つ、女性関係が奔放な美しい双子の兄である。ロメリアを深く信頼し、護衛を担う。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
監視役のシュピリに対して甘い言葉を囁き、からかいを行った。ロメリアが負傷した際には、激しく動揺して一度駆け戻る。しかし、彼女に叱咤された後は、弓兵部隊の防衛戦を見事に指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自分が最も求めていたものは、子供の頃の「母親の愛情」であったとロメリアに告白している。
ラグン(ラグンベル・フォン・ギュノス)
「ロメリア二十騎士」の一人であり、一万の弓兵を率いる将軍である。グランと瓜二つの双子の弟であり、女性に対して非常に奔放な性格をしている。ロメリアに対して強い忠誠を捧げる。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
監視役のシュピリの手を取ってからかい、彼女が心労で倒れた時には抱きかかえて連れ帰った。背水の防衛戦においては、槍を手にして必死の連携で魔族を貫き通す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
実戦での活躍を通じて、高い戦闘能力と指導力を証明している。
シュピリ
アラタ王から派遣された、ロメリアを監視するための秘書官である。最初は不遜な態度で詰め寄っていたが、徐々にロメリアに圧倒されていく。
・所属組織、地位や役職
ライオネル王国の秘書官を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
本国からの指揮権剥奪を警告する命令書をロメリアに届けた。ロメリアの水攻めの計略を見て度肝を抜かれる。自分の密命を簡単に見透かされたことで、完全にへたり込んだ。退路爆破後はロメリアを心から心配し、他国の救出や怪我人の運送に奔走している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアの才能と覚悟に気圧され、彼女に献身的に付き従う忠実な秘書官へと変化した。
アラタ
ライオネル王国の現在の国王である。ロメリアを警戒しており、彼女の活動を監視させようとする。
・所属組織、地位や役職
ライオネル王国の国王である。
・物語内での具体的な行動や成果
監視役として秘書官のシュピリをロメリアのもとへと派遣した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアの消極的な行動に対しては、指揮権剥奪の警告を伝えるなどの圧力をかけている。
ガンゼ
ロメリアが信頼を寄せる、カシュー地方出身の優秀な建設業者である。土木工事や堤防建設に深い知識と卓越した技術を持つ。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の臨時工兵監督を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
現地の地質が粘土層であることを見抜き、水攻めの実現性を技術面から全面的に保障した。巨大天幕の中で作業員たちを指揮し、二十日という短期間で運河を完成に導く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアの奇策やクリートの術式改良を高く評価している。
クリート
ライオネル王国の宮廷魔導士であり、非常に高いプライドを持つ人物である。選民思想が強く、他の魔法兵を見下している。
・所属組織、地位や役職
宮廷魔導士であり、三百名の魔法兵を率いる隊長を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
土を石のように固める「土硬化」の高度な術式を、百本の土の魔道具すべてに刻み込んだ。その過酷な突貫作業の後に、数日間寝込んでいる。背水の陣では半泣きになりながら魔法を放ち、防衛線を支え続けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアに人使い荒くこき使われながらも、結果として運河建設に多大な貢献を果たした。
エリーヌ
ガンゼ親方の娘であり、物語に登場する女性である。
・所属組織、地位や役職
ガンゼ親方の娘である。
・物語内での具体的な行動や成果
新しく物資を運ぶ馬車とともに、セメド砦へと同道した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリア二十騎士の一人であるオットーとの婚約が決定している。
アルビオン
「ロメリア二十騎士」の代表的な騎士であり、周囲から目標とされる強大な前衛である。
・所属組織、地位や役職
ロメリア二十騎士を代表する。
・物語内での具体的な行動や成果
本巻の戦場での具体的な戦闘描写は限定的だが、その圧倒的な武勇は同僚から絶大な信頼を寄せられている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他の兵士(グレンなど)が彼に一歩及ばない悔しさから技を磨くなど、騎士団全体に強い影響を与え続けている。
レイヴァン
「ロメリア二十騎士」の一人であり、蒼騎士として名高い俊敏な戦士である。風の魔法を巧みに操る能力を持つ。
・所属組織、地位や役職
ロメリア二十騎士の副隊長に当たる。
・物語内での具体的な行動や成果
今回の戦いにおいては具体的な前線描写は控えめである。しかし、以前に翼竜部隊を壊滅させた功績は味方の語りぐさとなっている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
アルビオンと並び、若手兵士たちが目標とする高き壁としての存在感を発揮している。
グレン
ロメ隊の優秀な戦士であり、五千の騎兵部隊を率いる指揮官である。アルビオンやレイヴァンに対して、強いライバル心と向上心を燃やしている。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の騎兵指揮官を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
強敵である「雷竜」をハンスとの見事な連携によって撃破した。槍を旋回させて連続攻撃を行うオリジナル技術「旋風陣」を実戦で披露する。雷竜の背に登って手綱を握る巨大な魔族との一騎打ちを制した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
実戦の功績により、騎士団の次世代を担う有力な将星としての地位を確立している。
ハンス
ロメ隊の戦士であり、騎兵部隊の副官を務める実力者である。グレンの補佐として、冷静な判断力と高い戦闘技術を持つ。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の騎兵副官を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大天幕の警備を確実に遂行した。戦闘では、雷竜の脛を斬ることでグレンの登攀時間を稼ぐ。さらにロメリアから託された五つの「爆裂魔石」の安全装置と呪符を外し、雷竜の口めがけて正確に投擲して撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
グレンの無茶な戦術を冷静に支える、優秀な補佐官としての実力を証明した。
ライセル
ロメリアの指揮下にある、部隊の長である。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の部隊長を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
背水の防衛戦において、ロメリアから「ライセル隊に七人」のピンポイントな増援指示を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアの超感覚による指示を忠実に実行し、土塁の防衛に貢献している。
ジニ
ロメ隊の一員である兵士。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の兵士である。
・物語内での具体的な行動や成果
戦闘後、血と泥にまみれながら生き延び、ロメリア의 無事を喜んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過酷な背水の陣を最後まで戦い抜いた生存者の一人である。
ハメイル王国
ゼファー
ハメイル王国の参謀であり、王位継承権を保持する青年である。気弱でおどおどした性格をしているが、高い知性を持つ。ロメリアに対して強い憧れと好意を抱いている。
・所属組織、地位や役職
ハメイル王国の参謀を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
ロメリアの依頼に応じて、ゼブル将軍との面会や二国間同盟の締結を陰で支えた。背水の防衛戦においては、ロメリアの指揮下に入ることを願い出る。彼女の囁くような予備兵の配分指示を受け、丘の下で冷静かつ的確に前線へ走らせて防衛に成功した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
過酷な死闘を共にしたことで、ロメリアと極めて強固な信頼関係を築き上げた。
ゼブル将軍
ハメイル王国の将軍であり、ゼファーの父親である。好戦的かつ高圧的な性格で、ライオネル王国を「アンリ王を失った無能」と激しく見下していた。
・所属組織、地位や役職
ハメイル王国の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
攻城戦において要塞表門の攻撃にこだわり、自爆決死隊を突撃させたが全滅という失敗に終わる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアから「旧ジュネブル王国のリント地方をお譲りする」という巨額の見返りを提示され、色を失いながらも同盟の締結を承認した。
ホヴォス連邦
レーリア
ホヴォス連邦を構成する五大公爵家スコル家の長女である。当初はロメリアを「成り上がりの聖女」と見下し、強い嫉妬と対抗心を燃やしていた。
・所属組織、地位や役職
ホヴォス連邦の公女である。
・物語内での具体的な行動や成果
実父に見捨てられた絶望の中、ロメリアに救出されて馬に同乗した。ロメリアが負傷した際には、動揺するロメ隊を厳しく叱咤する。さらに、ロメリアの囁くような増援命令を、戦場に響き渡る大声で丘の下のゼファーへと拡声・伝達した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアの圧倒的な生き様を目の当たりにし、対抗心を抱きながらも深い友情と共闘の絆を結んだ。
ディモス
ホヴォス連邦の将軍であり、二つ名は「密林の蛇」である。冷酷かつ自己中心的な思想を持ち、ロメリアを侮蔑していた。
・所属組織、地位や役職
ホヴォス連邦の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
戦況が悪化すると、自分の主力部隊だけを率いて勝手に戦線を離脱した。さらに魔王軍の接近にパニックを起こし、唯一の退路であるスート大橋を独断で爆破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
自らの身勝手な陰謀により、ハメイル、ヘイレント、ライオネル、そして自国の公女であるレーリアすらも敵地に置き去りにしたため、他国との間に致命的な政治的亀裂を生み出した。
マイス
ホヴォス連邦に所属する、傭兵上がりの戦士である。
・所属組織、地位や役職
ホヴォス軍の将兵に当たる。
・物語内での具体的な行動や成果
防衛線崩壊 of 危機において、レーリア公女から「ここにホヴォス連邦の旗を立てて防衛線を築きなさい」という見事な命令を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
公女の毅然とした指揮に従い、死に物狂いで敵の突撃を食い止めた。
ヘイレント王国
ヘレン
ヘイレント王国の第二王女であり、国で聖女とも呼ばれる優れた癒し手である。おとなしく控えめな性格だが、ロメリアを主人公とした小説を全巻所有するほど彼女を尊敬している。
・所属組織、地位や役職
ヘイレント王国の第二王女を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
堤防決壊に流されたものの、ベインズに救出された。救護場では重傷者を前に自ら鼓舞し、見事な治癒活動を指揮する。ロメリアが弩で射られた際、彼女の「出血死を防ぐために、矢を抜かずに肉だけ再生して止血する」という激痛を伴う治療を泣きながら完遂した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアとの共同戦線を経て、強い信頼と尊敬の関係をさらに深めている。
ガンプ
ヘイレント王国を率いる、名高き老将軍である。
・所属組織、地位や役職
ヘイレント王国の将軍を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
攻城戦において攻城兵器を魔王軍に破壊されて手詰まりとなった。堤防の爆破決壊による濁流に呑まれ、重傷を負う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
大水害によって大きな打撃を被り、救護場でヘレン王女らの治療を受けた。
ベインズ
ヘレン王女の乳母兄であり、彼女を忠実に守る戦士である。
・所属組織、地位や役職
ヘレン王女の護衛を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
堤防決壊の濁流からヘレン王女を救い出したが、自身は意識不明の重体となった。レーリア公女によって泥まみれになりながら担ぎ上げられ、魔王軍の追撃から保護されている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
命がけでヘレン王女を守り抜き、救護場へと無事に届けられた。
ヒューリオン王国
ヒュース
ヒューリオン王国の第三王子である。普段は女遊びや狩りに耽る「放蕩王子」を装っているが、実際は剣や弓の達人であり、極めて高い知性と実力を持つ。
・所属組織、地位や役職
ヒューリオン王国の第三王子を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
本陣爆撃でレガリア将軍らが倒れた際、自ら武器を振るって魔族を瞬く間に撃破した。暴君竜の背に跳び移り、手綱代わりの鎖を力任せに引いて操る。それを魔王軍の本陣へ突進させて大混乱に陥れた。スート大橋の手前では、殿を志願して残っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
激しい権力闘争を生き延びるために仮面を被っていたが、戦場でその圧倒的な実力を覚醒させ、ロメリアと強固な絆を結んだ。
ギルデバラン
ヒューリオン王国の「太陽騎士団」の団長であり、圧倒的な武勇を誇る騎士である。
・所属組織、地位や役職
太陽騎士団の団長を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
戦場では棘竜を一撃で両断するなどの凄まじい活躍を見せた。ガリオスの長男ガラルドと激しい死闘を展開する。胸を貫かれながらも、ガラルドを道連れにして飛び降り、暴君竜に食べられる形で相打ちとなった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
太陽騎士団の精神的支柱であり、魔王軍の猛将と相打ちになってその尊い命を散らした。
レガリア
ヒューリオン王国の将軍であり、ヒュース王子の叔父に当たる人物である。
・所属組織、地位や役職
ヒューリオン王国の将軍を務める。また、人類連合軍のまとめ役である。
・物語内での具体的な行動や成果
大軍を率いてガンガルガ要塞の攻略に当たり、他国との交渉を主導した。しかし、魔王軍の翼竜による急降下爆撃を受け、本陣爆撃時に重傷を負う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
本陣が破壊されたことで一時的に指揮が困難となり、ヒュース王子の覚醒を促すこととなった。
カトル
ヒュース王子に付き従う、お供の兵士である。
・所属組織、地位や役職
ヒューリオン王国の兵士を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
ヒュース王子が暴君竜の背に跳び移る際、自ら進んで囮となり、王子の行動をサポートした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
危険な自爆的アプローチの中で、忠実な部下としての役割を立派に果たした。
フルグスク帝国
グーデリア
フルグスク帝国の皇女であり、絶対的な権力と卓越した氷の魔法能力を持つ指導者である。
・所属組織、地位や役職
フルグスク帝国の皇女である。「月光騎士団」を率いる。
・物語内での具体的な行動や成果
堤防決壊が発生した際、巨大な氷柱の魔法を放って、流出する水を一時的に堰き止めることに成功した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
圧倒的な魔力と素早い状況判断を示し、連合軍が全滅を回避するための決定的な時間稼ぎを行った。
魔王軍
ギャミ
魔王軍の特務参謀であり、最悪の頭脳と称される千竜将である。異様で不吉な姿をしており、冷徹な戦略を好む。
・所属組織、地位や役職
魔王軍特務参謀、千竜将を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
ダリアン監獄から釈放され、十五万の大救援軍を組織した。空中兵器「飛空船」を投入して人類連合軍の堤防を爆破し、防衛線の決壊を導く。さらにイザークを盾にした新戦術「三段攻撃」を駆使して太陽騎士団を半壊させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
監獄から劇的に復権を果たし、人類連合軍を全滅寸前の絶望へと追い詰めた。
ガニス
魔王軍の侵略軍ローバーン鎮守府長官であり、胃痛に悩む実務型の官僚である。
・所属組織、地位や役職
ローバーン鎮守府の長官を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
グラナの長城の完成により、守備に徹して攻める気を失った他の幹部たちに絶望した。水攻めによる要塞の窮地を前に、独断でダリアン監獄からギャミを釈放し、軍の立て直しを命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
重圧に耐えながらも、最悪の戦略家であるギャミを解放することで戦況を一変させる大きな決断を下した。
イザーク
王弟ガリオスの七男であり、魔王軍の戦士である。背が低くずんぐりした体型から、他の兄弟から「チビ」と嘲笑されていた。
・所属組織、地位や役職
ガリオス兵団の戦士を務める。装甲竜ルドに跨る。
・物語内での具体的な行動や成果
父が自分を「イザーク」と名付けた愛情を知って歓喜し、最前線に突撃した。数本の槍や多くの矢を体に受けながらも、痛みを無視して二振りの戦槌を振り回し、太陽騎士団に大打撃を与える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
その不死身の如き頑強さにより、ギャミの新戦術「三段攻撃」の最大の盾として活躍した。
ガラルド
王弟ガリオスの長男であり、装甲巨人兵を率いる武将である。
・所属組織、地位や役職
装甲巨人兵の長を務める。暴君竜に跨る。
・物語内での具体的な行動や成果
暴君竜を駆り、連合軍右翼の太陽騎士団に襲いかかった。団長ギルデバランと激しい死闘を展開する。胸を槍で貫かれながらも、相手を道連れにして飛び降り、共に相打ちとなって絶命した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔王軍最強の血脈に恥じぬ凄まじい闘志を示し、太陽騎士団長を撃破する功績を収めた。
アザレア
没落したアスタロート男爵家の令嬢であり、ギャミを信奉する女性である。
・所属組織、地位や役職
アスタロート男爵家の令嬢を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
ユカリ、ミモザとともに、監獄から釈放されたギャミを献身的にサポートした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ギャミが十五万の救援軍を迅速に再編するための、強力な事務的・政治的後ろ盾となった。
ユカリ
ギャミを支える、アザレア令嬢の侍女である。
・所属組織、地位や役職
アスタロート家の侍女を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
アザレア、ミモザとともに、解放されたギャミの復権と救援軍再編の準備に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ギャミの周囲の雑務や情報処理を確実にこなした。
ミモザ
ギャミを支える、アザレア令嬢の侍女である。
・所属組織、地位や役職
アスタロート家の侍女を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
アザレア、ユカリとともに、ギャミの指示に従って救援軍の兵力編成をサポートした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔王軍の迅速な軍事活動の再稼働に貢献した。
集団
人類連合軍
ヒューリオン王国を盟主とする、六カ国の混成による大軍勢である。
・所属組織、地位や役職
総勢四十五万名からなる混成軍である。
・物語内での具体的な行動や成果
難攻不落のガンガルガ要塞の包囲戦を行った。堤防決壊とスート大橋の爆破により、本隊と取り残された二万の軍勢に完全に分断された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
当初は手柄争いや不和に揺れていたが、死線を経て若き王族たちを中心とする新たな結束が生まれた。
ライオネル軍
ライオネル王国が人類連合軍に派遣した、ロメリア率いる軍隊である。
・所属組織、地位や役職
五万の兵力を擁する王国の正規軍である。
・物語内での具体的な行動や成果
巨大な天幕に隠れて運河の掘削を行い、水攻めを完全に主導した。後半の背水の防衛戦においては、東西の防衛線を死守する役割を担った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
他国から冷遇されていたが、水攻めの圧倒的な功績と、背水戦での凄まじい防衛能力により、連合軍全体から畏怖と絶大な支持を受ける存在となった。
ロメリア二十騎士
カイルやオットーなど、ロメリアを絶対的に信奉する一騎当千の精鋭騎士たちである。
・所属組織、地位や役職
ライオネル軍の将軍や高級指揮官を務める。
・物語内での具体的な行動や成果
強行軍、掘削作業の推進、前線での防衛指揮をそれぞれ完璧に担当した。ロメリアが負傷した際には一時動揺したが、叱咤を受けて戦線に戻り、死に物狂いで陣地を死守した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
5年間で全員が男爵や将軍に叙勲されるほどの大出世を遂げ、軍の不動の骨格に成長した。
ハメイル軍
ハメイル王国が派遣した、ゼブル将軍率いる軍隊である。
・所属組織、地位や役職
六万の兵力を擁するハメイル王国の軍勢である。
・物語内での具体的な行動や成果
要塞表門への攻撃を行ったが、魔王軍の防衛兵器によって攻城兵器をすべて破壊された。退路が断たれた後は、参謀のゼファーの指揮下でライオネル軍と共闘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
当初はロメリアを見下していたが、敗北と救出を経て、ライオネル軍の指揮下で整然と動く強力な連帯組織へと変貌した。
ホヴォス軍
ホヴォス連邦が派遣した、ディモス将軍や公女レーリアが所属する軍隊である。
・所属組織、地位や役職
七万の兵力を擁するホヴォス連邦の軍勢である。
・物語内での具体的な行動や成果
攻城塔を駆使して要塞を攻めたが、起重機によって破壊された。ディモス将軍が戦線を放棄して逃亡したため崩壊しかけたが、レーリア公女の叱咤により踏みとどまり、背水の防衛戦に加わった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
将軍の裏切りにより致命的な不名誉を背負ったが、公女レーリアの覚醒により、ライオネル軍と共に最前線で敵の猛攻を防ぎきった。
ヘイレント軍
老将ガンプが率いる、ヘイレント王国の軍勢である。
・所属組織、地位や役職
七万の兵力を擁するヘイレント王国の軍勢である。
・物語内での具体的な行動や成果
円形丘陵(堤防)の守備を担っていた。しかし、ギャミの飛空船による大爆発と決壊により、大量の濁流に呑み込まれて戦線が壊滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
壊滅的な打撃を受けたが、ロメリア騎士団による決死の救出劇と、ヘレン王女による救護活動により、命をつないで防衛線を再構築した。
太陽騎士団
ヒューリオン王国が誇る、大陸最強とも謳われる最精鋭騎士団である。
・所属組織、地位や役職
ギルデバラン団長率いる、ヒューリオンの最精鋭軍である。
・物語内での具体的な行動や成果
魔王軍の突撃を圧倒的な武勇で迎え撃った。しかし、ギャミの投入したイザークの不死身の突撃や「三段攻撃」、さらには空中からの急降下爆撃を受け、本陣が吹き飛び半壊状態に追い込まれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ギルデバラン団長を失う大打撃を被ったが、ヒュース王子の覚醒によって戦意を取り戻した。
月光騎士団
フルグスク帝国が誇る、水晶の剣と光の魔法を操る精鋭騎士団である。
・所属組織、地位や役職
グーデリア皇女率いる、フルグスク帝国の精鋭軍である。
・物語内での具体的な行動や成果
圧倒的な魔法武勇で魔王軍を蹂躙した。堤防決壊時には、皇女の巨大な氷柱魔法を支え、一時的に濁流を堰き止めるサポートを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
大水害の危機の中でも戦列を維持し、極めて高い戦闘能力を連合軍に証明した。
魔王軍
魔王ゼルギス敗死後も、北方のガンガルガ要塞やローバーンを拠点に人類に抵抗し続ける勢力である。
・所属組織、地位や役職
要塞守備隊三万名、およびギャミ率いる救援軍十五万名からなる。
・物語内での具体的な行動や成果
人類連合軍を高度な防衛兵器(起重機、火炎弾など)で苦しめた。水攻めに遭って自滅寸前となったが、ギャミの救援により、飛空船、大型竜、新戦術を駆使して人類連合軍を全滅寸前まで追い詰めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
これまでの平面の戦いから、空中兵器や品種改良された竜、小鬼兵の最適化配置などを取り入れた、極めて近代的な組織戦術へと急激に進化している。
小鬼兵
身長が低く、通常の魔王軍の適性検査に落ちた魔族たちによって構成される部隊である。
・所属組織、地位や役職
ギャミによって新たに組織された、三千名の軽量兵部隊である。
・物語内での具体的な行動や成果
身軽さを生かし、品種改良された獣脚竜(ラプトル)に跨って「竜騎兵」として活躍した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
これまで無能とされてきた背の低さを、ギャミの計略によって「軽量の高速機動兵力」という特質に転換され、太陽騎士団の翻弄に多大な貢献を果たした。
竜騎兵
馬の代わりに、品種改良された二足歩行の獣脚竜(ラプトル)を駆る、魔王軍の新型高速騎兵部隊である。
・所属組織、地位や役職
小鬼兵を乗せた、千頭の新型高速機動部隊である。
・物語内での具体的な行動や成果
家の屋根を超える高さを跳躍する能力を活かし、障害物を軽々と越えて人類連合軍の陣形を急襲した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
圧倒的な俊敏性と旋回性を発揮し、ギャミの「三段攻撃」を構成する極めて厄介な戦術的機動戦力となった。
翼竜部隊
上空からの爆撃や、指揮を担う空中機動戦力である。
・所属組織、地位や役職
魔王軍の空中襲撃部隊である。
・物語内での具体的な行動や成果
上空から急降下して「爆裂魔石」をヒューリオン本陣へと投下し、本陣の爆撃・壊滅を引き起こした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ギャミの鏑矢による誘導を受け、空からの圧倒的な死角攻撃により、人類の指揮系統に甚大なダメージを与えた。
装甲巨人兵
全身に強固な鎧をまとった、魔王軍の巨人戦士たちである。
・所属組織、地位や役職
ガラルドの指揮下にある、六千名の精鋭巨人歩兵部隊である。
・物語内での具体的な行動や成果
その巨躯と強靭な肉体を用いて、人類連合軍の正面防衛線を力任せに押し潰しにかかった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
戦場での圧倒的な重量物として機能し、魔王軍の強硬な突撃の主力を担った。
自爆決死隊
ハメイル王国のゼブル将軍が、ガンガルガ要塞の表門を強行突破するために組織した部隊である。
・所属組織、地位や役職
ハメイル王国の兵士たちによって構成される特攻部隊である。
・物語内での具体的な行動や成果
爆裂魔石を抱えて要塞の門へと突進した。しかし、魔王軍の高性能連弩による猛烈な連射を浴び、門のはるか手前で一瞬にして全員が串刺しにされ、全滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
古典的で無謀な突撃精神の限界を示す結果となり、ゼブル将軍の作戦的失敗を決定づけた。
魔王軍の刺客
ロメリアを暗殺するために、岩に擬装して戦場に潜んでいた魔王軍の隠密部隊である。
・所属組織、地位や役職
魔王軍の暗殺実行部隊である。
・物語内での具体的な行動や成果
退路を断たれ移動中だったロメリアに向けて弩を放ち、彼女の左肩を深々と射抜いて瀕死の重傷を負わせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ロメリアを大出血の危機に陥れた。だが、結果としてロメリアの「先読み(超感覚)」の覚醒と、他国王族とのより強固なアライアンスの構築を誘発する引き金となった。
ロメリア戦記2巻レビュー
まとめページ
ロメリア戦記4巻レビュー
展開まとめ(タイムライン)
第一章:~連合軍に参加して、難攻不落の要塞を攻略することにした~
ガンガルガ要塞を包囲する六か国連合軍に加わったロメリアは、各国の思惑が交錯する中で工兵隊と魔法兵を率いて独自の水攻め準備を進める。軍議で各国の牽制を巧みに受け流し、要塞攻略の権利を巡る駆け引きを展開しながら開戦の時を迎える。
- 【六か国連合軍によるガンガルガ要塞包囲】 / 【カイル将軍および秘書官シュピリとの対話】
- 【ハメイル王国決死隊による表門攻撃の失敗】 / 【ガンゼ親方とクリートによる土木作業推進】
- 【合同軍議での各国将軍による牽制と舌戦】 / 【決死隊戦術の提示と単独攻略の宣言】
- 【ヒュース王子や各国王族たちとの交流】
第二章:~秘策で要塞を攻撃した~
レーン川の水を引き込む水路を一挙に爆破開通させ、ロメリアはガンガルガ要塞を水没させて敵の継戦能力を奪う。軍議で水攻めの功績を主張してリント地方の領有権を取り付けるとともに、孤立しがちなハメイル王国へ秘密裏に同盟を打診する。
- 【魔王軍の最新防衛兵器による連合軍の苦戦】 / 【水路爆破によるガンガルガ要塞の水攻め決行】
- 【軍議での水攻め戦果認定とリント地方の要求】 / 【失意のレーリア公女とヘレン王女の対話】
- 【ハメイル王国ゼブル将軍への秘密同盟打診】
第三章:~竜達の策謀~
要塞の水没に危機感を募らせるローバーン鎮守府では、牢獄から解放された元特務参謀ギャミが援軍作戦の立案に乗り出す。ガリオスの息子たちが率いる大型竜部隊や新編成の小鬼兵・竜騎兵を配備し、連合軍への反撃準備を整える。
- 【ローバーン鎮守府会議での撤退論と主戦論】 / 【ダリアン監獄からの元特務参謀ギャミの釈放】
- 【アスタロート男爵アザレアとの再会と物資調達】 / 【読書に耽る魔王の実弟ガリオスとの面談】
- 【ガリオスの息子たちによる大型竜部隊の披露】 / 【第七練兵場での小鬼兵と竜騎兵の閲兵】
第四章:~魔王軍の援軍がやって来た~
ローバーンからの魔王軍十五万の出現に対し、ロメリア軍はホヴォス連邦とヘイレント王国の崩壊を防ぐべく救援に急行する。飛空船による堤防破壊と雷竜の突入で混乱する戦場を駆け、レーリアたちを救出しながら防衛線の再建に奔走する。
- 【ガンガルガ要塞への降伏勧告草案の検討】 / 【西の空からの狼煙と魔王軍援軍十五万の出現】
- 【神話の大型竜部隊と装甲巨人兵の進撃】 / 【太陽騎士団と月光騎士団による猛攻】
- 【魔王軍の飛空船特攻による堤防決壊と濁流】 / 【グーデリア皇女の大魔法による氷結堰き止め】
- 【逃走するレーリア公女と負傷したヘレンらの救出】 / 【グレンとハンスによる雷竜の頭部爆破撃破】
- 【女戦士マイスと連携した中央戦線の立て直し】 / 【月光騎士団の苦戦とグーデリアの援軍決断】
ロメリア戦記2巻レビュー
まとめページ
ロメリア戦記4巻レビュー
ロメリア戦記 シリーズ
その他フィクション

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