- 瀕死の幼女に英雄の魂が入った結果、病魔もチンピラも殴り倒す。何者なんだ、この幼女?
- 「明日まで生きていればいい」と言われたのに普通に復活する
- 病魔を「治す」のではなく「倒す」という発想がニアらしい
- 見た目は病弱令嬢、中身は仙人様か何かなのか?
- 病気が治ったと思ったら、今度はテレビ出演する幼女になる
- 魔法映像がただの背景設定ではないのも面白い
- 王都では今度は役者に。武人なのに芸能活動が忙しい
- シャロがチンピラに絡まれた結果、ついにニアの本領発揮
- 助っ人を呼んでも無駄。この幼女、やっぱり強すぎる
- 30人以上の武装したチンピラを見て笑う幼女
- ニアを誘拐しようとした悪党、完全に相手を間違える
- ニアが強いだけではなく、周囲との関係が増えていくのも良かった
- リノキスまで弟子になる。侍女だったはずなのに
- そして6歳。アルトワール学院へ
- まとめ|病弱令嬢だと思ったら、中身がとんでもない武人だった
どんな本?
「凶乱令嬢ニア・リストン」は、南野海風 氏の著作で小説家になろうで2019年5月から書かれいる。
主人公は、かつて神殺しをも成し遂げた大英雄で、死の間際に自分を殺せるほど強い相手と出会うことを夢見ていた。
しかし、彼女が転生したのは、病弱な貴族令嬢、ニア・リストンだった。
彼女は、第二の人生でも強者を求めて楽しく戦いに身を投じて行く。
彼女は「血雨を歩く者《レッドレイン》」、「白き癒し手」、「騎士殺し」、「自殺願望者」など、様々な異名で呼ばれたが、最も有名なのは「狂乱令嬢」の名だった。
この物語は、彼女の華麗なる戦いの記録と、望まないまでも拒む理由もなく歩を進めた偶像の軌跡を描いている。
また、この作品は2022年9月にHJ文庫から出版されている。
概要
第四階級貴人リストン家の娘ニア・リストンは、病により死の淵にあったが、反魂の術により別の魂が定着して意識を取り戻す。ニアは病魔に対抗するため自ら「氣」を巡らせる訓練を行い、体力を回復させて病を克服する。
病気克服の公表およびリストン家の事業推進のため、体験番組『ニア・リストンの職業訪問』の出演者として活動し、知名度を広げる。
続いて王都アルトワールへ進出し、第三階級貴人ヘレナ・ライム夫人の紹介を経て、劇団氷結薔薇の舞台「恋した女」への出演を引き受けて全公演を成功させる。
その裏で、自身や周囲を標的とした裏社会勢力(ジグザグドッグおよびネヒルガ一味)を単身の武力で全滅・制圧し、悪党らを王都から退散させる。戦闘を経て鬱憤を晴らしたニアは、自らの強さに感服した専属侍女リノキスを弟子として受け入れ、リストン家へ帰還する。
撮影や公式行事をこなしながら春を迎えて6歳となったニアは、アルトワール学院の寮に入る準備を完了させる。
主要登場人物
ニア・リストン(主人公)
- 立場・所属: 第四階級貴人リストン家の娘。
- 主人公との関係: 本人(病弱だった元の身体に、反魂の術により別の魂が入った状態。前世では戦いの中で死ぬことを望んでいた)。
- この巻での主な役割: 「氣」を用いて自らの病を克服し、リストン家が経営する魔法映像の番組『ニア・リストンの職業訪問』の広告塔や、劇団氷結薔薇の舞台役者を務める。裏では自身や周囲に危害を及ぼそうとする王都の裏社会勢力を素手や武術で退治・制圧する。
- この巻で起きた重要な変化や行動: 病気の影響で灰色となった髪のまま生存報告の撮影に臨む。木剣で木の棒や鉄を易々と斬る技量を示す。王都での舞台公演を成功させつつ、夜間にジグザグドッグの溜まり場へ乗り込み、契約武装を持つスーツの男や30人以上の集団を撃破。ネヒルガ一味を壊滅・逃走に追い込み、帰還後に侍女リノキスを弟子として受け入れた。
リノキス
- 立場・所属: リストン家に仕えるニアの専属侍女。アルトワール学院出身(ニールの専属侍女リネットと同級生)。
- 主人公との関係: 専属侍女であり、後にニアの第一の弟子となる。
- この巻での主な役割: ニアの身の回りの世話、食事管理、リハビリ介助(日光浴や外出の補助)を担当する。王都滞在時も同行し、裏社会との戦闘を安全な位置から見守る。
- この巻で起きた重要な変化や行動: ニアが木剣で木棒を切断する場面や、王都裏社会の勢力を単身で潰す桁外れの戦闘能力を目撃する。自ら稽古を申し出てニアの弟子となり、武者修行に等しい指導を受ける立場となった。
ニール
- 立場・所属: リストン家の長男でニアの兄。アルトワール学院の生徒。専属侍女はリネット。
- 主人公との関係: 兄。
- この巻での主な役割: 夏休みの帰省時に魔法映像をニアに紹介する。専属侍女リネットとの剣術稽古で苦戦する中、ニアから力任せの振り方を指摘され、「刃で斬る」という構造的アドバイスと実演を受ける。
- この巻で起きた重要な変化や行動: 妹の病気克服を喜び、魔法映像事業を通じた家計の保護と妹の安全を意識して行動する。冬休みにニアと共に飛行船で王都へ向かい、学院の門限のために到着後すぐに寮へ戻った。
シャロ・ホワイト
- 立場・所属: 劇団氷結薔薇の新人女優。舞台「恋した女」の主演(ナターシャ役)。
- 主人公との関係: 舞台での共演者(ニアは相手役の「捨てられる子供」役)。
- この巻での主な役割: 主演のプレッシャーを受ける中、稽古期間中に街でチンピラに絡まれたところをニアに救われる。『ニア・リストンの職業訪問』の特別ゲストとしても出演する。
- この巻で起きた重要な変化や行動: ニアのホテルへ泊まり込んで稽古を重ね、強い信頼関係を築く。舞台成功後、ニアの夜間行動に同行し、安全な場所および屋上からニアの戦闘を目撃し、その桁外れの強さと危険を楽しむ姿に畏怖を覚える。
ネヒルガ / スーツの男(ジグザグドッグ上役・アンゼル等含む裏社会)
- 立場・所属: 王都東側倉庫街を拠点とする小悪党・ギャング勢力。ネヒルガが頭目であり、アンゼルは部下。スーツの男はジグザグドッグの上役。
- 主人公との関係: ニアの誘拐および攻撃を画策、または街で接触して敵対した存在。
- この巻での主な役割: ニアを誘拐してリストン家から慰謝料を得ようと暗躍し、下っ端の不良グループ(ジグザグドッグ)等を使って街でトラブルを起こす。
- この巻で起きた重要な変化や行動: スーツの男は「契約武装」を使用してニアと一対一で対戦するも全く歯が立たず、心が折れるまで打ちのめされる。街頭の30人以上のチンピラおよびアンゼルらのギャング集団も全滅。現場に到着したネヒルガは惨状に恐怖し、ニアからの警告を受けて「夜と子供と白髪が怖い」と言い残し王都から逃走・壊滅した。
読んだ本のタイトル
凶乱令嬢ニア・リストン1 病弱令嬢に転生した神殺しの武人の華麗なる無双録
著者:南野海風 氏
イラスト:磁石 氏
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あらすじ・内容
病弱美少女に転生した英雄、最強令嬢となって無双する!! 武を極めたバーサーカー令嬢の最強転生ファンタジー!
「どうせなら、戦って死にたかった」 かつて神殺しをも成し遂げた大英雄がいた。強すぎた彼女は死の間際、自分を殺せるほど強い相手と出会うことを夢に見る―― その結果、待ち受けていたのは病弱な貴族令嬢への転生で!? 未来の世界で美しくも弱すぎる令嬢ニア・リストンとなった彼女は、第二の人生でも強者を求めて楽しく戦いに身を投じていく! 「――アッハハ! ほらほら! 早く構えないと蹂躙するわよ!」 天使のような凶乱令嬢が繰り広げる最強無双譚、ここに開幕!!
凶乱令嬢ニア・リストン 1
感想
瀕死の幼女に英雄の魂が入った結果、病魔もチンピラも殴り倒す。何者なんだ、この幼女?
物語の始まりから、なかなかにひどい。
かつて圧倒的な武を極めながら、望んだ戦いの中での死を迎えることができず、寿命で死んだらしい存在。
そんな彼が突然目を覚ます。
幼女の身体の中で。
しかも健康な幼女ではない。
重い病に侵され、いつ死んでもおかしくない病弱令嬢ニア・リストンである。
さらに、この状況を作った男がひどい。
反魂の術で魂を入れた張本人なのだが、
「明日まで生きていてくれればいい」
というようなことを言って、そのままトンズラ。
いや、無責任すぎるだろう。
ところが召喚された側も普通ではなかった。
死にかけの身体なら治せばいい。
病魔が身体を蝕んでいるなら倒せばいい。
氣を使って、自分の身体の中にいる病魔との戦いを始めてしまう。
病弱令嬢への転生ものだと思っていたら、最初の敵が病気そのものだった。
そして勝つ。
この時点で思った。
この幼女、何者なんだ?
「明日まで生きていればいい」と言われたのに普通に復活する
ニアの身体は、本当に弱っている。
立つことすら難しい。
食事も満足に取れない。
普通なら、転生して第二の人生が始まったと喜べる状況ではない。
しかし中に入った存在は、妙に落ち着いている。
自分がなぜここにいるのか。
元のニアはどうなったのか。
自分自身が何者だったのか。
分からないことは多い。
それでも、とりあえず目の前にある問題へ対処する。
それが病気だった。
そこで「氣」を身体に巡らせる。
少しずつ食事を増やす。
身体を動かす。
弱り切った肉体を、時間をかけて立て直していく。
この辺りは、後の圧倒的な強さを考えると意外なほど地道である。
いきなり完全復活するわけではない。
頭の中には達人としての知識がある。
しかし身体は幼い病弱令嬢。
木剣を少し振るだけでも体力を使い切ってしまう。
中身は達人なのに、身体がまったくついてこない。
このアンバランスさが面白かった。
病魔を「治す」のではなく「倒す」という発想がニアらしい
特に印象に残ったのは、ニアにとって病気の克服まで「戦い」になっていることである。
普通なら治療する。
安静にする。
薬を飲む。
そういう発想になるところだ。
しかしニアの場合、
病魔がいるなら戦って倒せばいい。
だいたいそんな感じである。
もちろん実際には、氣を巡らせながら少しずつ身体を回復させている。
食事も必要。
休養も必要。
日光を浴びることも大切。
だから本当に病気を殴っているわけではない。
それでも本人の感覚としては、完全に病魔との戦闘なのだろう。
死にかけていた身体であっても、負けるつもりがない。
ここですでに後の「凶乱令嬢」につながる性格が見えている。
相手が人間でも魔獣でも病気でも関係ない。
自分の前に立ちはだかるなら、とりあえず勝つ。
実に分かりやすい。
見た目は病弱令嬢、中身は仙人様か何かなのか?
身体が回復してくると、ニアの異常さが少しずつ周囲にも見え始める。
兄ニールの剣術を見れば、改善点が分かる。
剣は力任せに振るものではないと教えられる。
侍女たちの身のこなしを見れば、その実力まである程度判断できる。
本人は過去の記憶をかなり失っている。
それなのに、身体には武の知識が染みついているように見える。
読んでいて何度も思った。
仙人様か何かなのか、この幼女。
しかも本人が強さをひけらかしたいわけではないのが面白い。
むしろ強い相手を探している側である。
自分が褒められることより、
「こいつは強いのか?」
「戦ったら楽しいのか?」
という方向に興味が向いている。
外見は幼い令嬢。
頭の中は完全に武人。
このズレが『凶乱令嬢ニア・リストン』の大きな魅力だと感じた。
病気が治ったと思ったら、今度はテレビ出演する幼女になる
病を克服したニアを待っていたのは、意外にも芸能活動だった。
この世界には「魔法映像」という、テレビに近い媒体が存在する。
ニアの両親は、その魔法映像に関係する事業を手掛けていた。
もともとニアの治療法を広く求めていたこともあり、
「娘が元気になりました」
と報告する必要が出てくる。
そこでニア本人が魔法映像へ出演する。
ここから、
病弱令嬢から武人へ……と思ったら、なぜか人気子役のような方向へ進んでいく。
この展開が面白い。
「ニア・リストンの職業訪問」では、さまざまな仕事を体験する。
料理。
農作業。
刀剣復元。
しかも本人はかなり真面目に仕事をこなす。
戦いしか興味がないように見えて、任された役割はきちんと果たすのである。
この辺りの真面目さもニアの魅力だと思う。
魔法映像がただの背景設定ではないのも面白い
魔法映像という設定も興味深かった。
単なる「異世界版テレビ」では終わらない。
病弱だったニアにとっては、外の世界を知るための重要な情報源になる。
そしてニア自身が出演するようになると、今度は魔法映像を広める側へ回る。
ニアが出演したことで注目が集まり、魔法映像そのものが急速に普及していく。
つまりニアは、本人が意識しないところでも社会へ影響を与え始めている。
後世では「凶乱令嬢」として歴史に名を残すらしい人物が、最初にやっていることが職業体験番組なのだから面白い。
伝説の武人の第一歩がテレビタレントである。
なかなか予想できない始まり方だった。
王都では今度は役者に。武人なのに芸能活動が忙しい
さらにニアは、劇団氷結薔薇から声を掛けられる。
今度は演劇である。
王都へ向かい、舞台「恋した女」へ出演することになる。
そこで出会うのが、新人女優のシャロ・ホワイト。
最初は少し距離があるものの、一緒に稽古を続けるうちに関係が深まっていく。
ここも好きだった。
ニアは中身こそ武人だが、ニア・リストンとしての人生を雑に扱っているわけではない。
役者を任されたなら役者をやる。
撮影を頼まれたなら撮影する。
家族のためになるなら協力する。
シャロと舞台に立つなら、舞台を成功させようとする。
戦闘狂ではある。
しかし、戦い以外を全部どうでもいいと思っているわけではない。
自分に与えられた第二の人生を、意外なほど真面目に生きている。
この部分があるから、ニアの無茶苦茶な強さにも親しみを感じられるのだと思う。
シャロがチンピラに絡まれた結果、ついにニアの本領発揮
そんな王都生活で、ついに事件が起きる。
シャロがチンピラに絡まれていた。
ニアはリノキスに衛兵を呼ばせつつ、自分も現場へ向かう。
そしてチンピラと対峙する。
ここで普通の幼女なら逃げるところだろう。
しかしニアは違う。
むしろ、
現在の自分がどのくらい戦えるのか試す機会が来た。
そんな方向へ気持ちが向いている。
やめろ。
相手がかわいそうだ。
案の定、チンピラたちは相手にならない。
病弱だった身体はすでにかなり回復している。
そこに達人の技術が加わる。
見た目は小さな女の子なのに、大人の男たちが次々と倒されていく。
周囲から見たら恐怖でしかない。
助っ人を呼んでも無駄。この幼女、やっぱり強すぎる
チンピラを倒して終わりではない。
当然、その上には別の人間がいる。
ニアは裏社会へ足を踏み入れ、ジグザグドッグと呼ばれる集団へたどり着く。
そこで待っていた相手とも一対一で戦う。
しかし、やはりニアには届かない。
相手が全力を出しても、ニアにまともなダメージを与えられない。
面白いのが、ニア自身は相手を単純に弱いとは考えていないところである。
「もしかして私が強すぎるだけでは?」
だいたいそんな結論になる。
そうだと思う。
しかも倒して終わりではなく、相手に稽古までつけようとする。
ニアからすれば、将来もっと強くなって再戦できるなら、その方がうれしいのだろう。
敵を倒して喜ぶのではない。
強くなった相手と殴り合える未来を喜んでいる。
思考回路が完全に武人である。
30人以上の武装したチンピラを見て笑う幼女
さらに酒場の外へ出ると、30人以上の武装した男たちが待っている。
普通なら絶望する場面である。
逃げ道を探す。
助けを呼ぶ。
交渉する。
しかしニアは違う。
笑う。
「まだ戦える相手がいる」
くらいに思っていそうなのが怖い。
そして当然のように圧倒する。
一方、その様子を見ているシャロは驚く。
当然である。
一緒に舞台へ立っていた幼い少女が、夜の街で武装した男たちを次々と倒しているのだ。
何を見せられているのか分からなくなる。
リノキスも、ニアが強すぎるから止める理由がないというような判断になっている。
護衛対象が護衛より強い。
この時点で専属侍女という役職の意味まで怪しくなってくる。
ニアを誘拐しようとした悪党、完全に相手を間違える
さらに裏では、ニアを誘拐しようとしていたネヒルガという男までいる。
第四階級貴人の娘をさらって金を取る。
悪党らしい計画ではある。
しかし標的選びが致命的だった。
ニア・リストンである。
病弱令嬢だったという情報だけを見れば、確かに狙いやすそうに思える。
見た目も幼女。
護衛さえどうにかすれば捕まえられる。
そう考えても不思議ではない。
問題は、
その幼女の中に、とんでもない武人が入っていることである。
部下は倒される。
本人も恐怖に震える。
最終的にはニアから口止めまでされる。
そして王都の悪党たちは、
「夜と子供と白髪が怖い」
というような言葉を残して姿を消していく。
悪党側からすると怪談である。
夜道で白髪の幼女を見たら逃げろ。
下手な魔獣より怖い。
ニアが強いだけではなく、周囲との関係が増えていくのも良かった
第1巻を読んでいて感じたのは、単純な俺TUEEE系とは少し違う面白さだった。
もちろんニアは強い。
病弱な身体が回復すれば、大人の戦闘員でも相手にならない。
しかし物語の大部分は、戦闘だけではない。
両親。
兄ニール。
専属侍女リノキス。
魔法映像関係者。
劇団氷結薔薇。
シャロ。
そして王都の裏社会で出会った者たち。
ニアが動くたびに、人とのつながりが増えていく。
中には、この巻では敵に近い立場だったのに、後々ニアの身内側へ入っていく人物までいる。
強敵を探している本人の意思とは関係なく、どんどん人が集まってくる。
この辺りも面白いところである。
リノキスまで弟子になる。侍女だったはずなのに
王都での一件が終わった後、リノキスはニアへ稽古を申し出る。
そして弟子になる。
最初は病弱な令嬢を世話する専属侍女だった。
食事を用意する。
車椅子を押す。
身体を支える。
そんな関係だったはずなのに、気がつけば武術の弟子である。
立場が変わりすぎではないか。
しかし、これもニアらしい人間関係だと感じた。
ニアは強さを独占しようとはしない。
相手にやる気があるなら教える。
強くなりたいなら鍛える。
そして強くなったら、
いずれ自分の楽しい殴り合い相手になってくれるかもしれない。
おそらくニアにとっては、それもかなり重要なのだろう。
そして6歳。アルトワール学院へ
第1巻の最後では、季節が進み、ニアは6歳になる。
そしてアルトワール学院の寮へ入ることになる。
ここまでを振り返ると、とても6歳になるまでの出来事とは思えない。
瀕死状態から復活。
魔法映像へ出演。
職業体験番組で人気者になる。
王都へ行く。
演劇へ出演。
シャロと仲良くなる。
チンピラを倒す。
裏社会へ乗り込む。
大勢の武装した男たちまで倒す。
そして侍女を弟子にする。
人生が濃すぎる。
しかも本人からすると、まだ満足できる強敵には出会えていない。
王都であれだけ暴れても、敵が小粒だったと感じている。
どれだけ強い相手を求めているのだ。
まとめ|病弱令嬢だと思ったら、中身がとんでもない武人だった
『凶乱令嬢ニア・リストン1』で一番面白かったのは、やはりニアというキャラクターそのものだった。
寿命で人生を終えたらしい謎の武人。
目覚めると、瀕死の幼女ニア・リストンの身体。
召喚した男は、
「一日だけ生きていて」
という無茶苦茶なお願いをして逃亡。
普通なら、そのまま第二の死を迎えてもおかしくない。
ところがニアは、
「病魔? なら倒せばいい」
という勢いで復活してしまう。
そして身体が回復すると、今度は魔法映像へ出演。
役者になる。
王都へ行く。
チンピラと戦う。
助っ人まで倒す。
大勢に囲まれても笑っている。
読めば読むほど、
この幼女、一体何者なんだ?
という疑問が強くなっていった。
仙人様か。
武神か。
それとも本当に神殺しなのか。
過去の記憶が曖昧だからこそ、その正体も気になる。
ただ、ニアの魅力は強さだけではなかった。
自分が奪ってしまった形になったニアの人生を投げ出さず、リストン家の娘として生きようとする。
家族のために魔法映像へ出演する。
役者を頼まれれば真面目に稽古する。
シャロが困っていれば助ける。
そして戦えるとなれば嬉々として飛び込んでいく。
真面目なのか戦闘狂なのか、よく分からない。
たぶん両方なのだろう。
そして物語の最後、ニアはまだ6歳。
アルトワール学院での新生活が始まる。
病弱令嬢として死ぬはずだった少女は、ここから「凶乱令嬢」と呼ばれる存在へ向かっていく。
第1巻を読み終えた段階では、まだ伝説の始まりに立ったばかりである。
それでも一つだけは分かる。
この幼女を普通の病弱令嬢だと思って近づいたら、たぶん酷い目に遭う。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
ストーリー・プロット
第1幕:病床での目覚めと「氣」による治療
歴史に名を残す「凶乱令嬢」の物語は、病魔に侵された少女の病床から始まる。深い眠りから意識を取り戻した主人公は、前世での「戦いの中で死にたかった」という願いを思い出しつつ、激しい痛みとともに目覚める。部屋にはフードをかぶった男がおり、金のために反魂の術を使って魂を入れ替えたこと、金を受け取って逃亡するまで1日だけ大人しく生きていてほしいことを告げて去る。主人公は元の身体の主であるニアの記憶を失っていたものの、両親の深い愛情の存在を知り、この身体を乗っ取った者としてニアの責任と義務を引き受けて生きていく決意を固める。忘れかけた記憶の中から身体に「氣」を巡らせる術を思い出したニアは、座禅を組み、日々の意識的な氣の巡回を継続することによって、立つことも困難な身体の修復を自力で開始する。
第2幕:リハビリと兄ニールへの剣術指導
「氣」の訓練を続けるニアは、侍女リノキスの介助により食事を摂り始め、消化に良い物から徐々に摂取量を増やして体力を培っていく。車椅子での移動が可能になると、リノキスの説得により庭での日光浴に応じ、広大な庭園の様子から第四階級貴人であるリストン家の威光や世の階級制度を理解する。夏休みに帰省した兄ニールから魔法映像を見せてもらい外界の情報を得る中、ニールが専属侍女リネットと行う剣術稽古を観察する。ニールの振り方が力任せであることを見抜いたニアは、自らの筋力不足に苦しみながらも木剣を手にとり、「剣は力任せに振るうものではなく刃で斬るもの」という構造と扱い方を実演を交えて助言する。リノキスに対しても構えた木棒を一振りで切り落とす技を見せ、驚愕させる。
第3幕:病気克服の公表と魔法映像事業への参加
冬期休暇を前に完全な病気克服を自覚したニアは、病床を引き払って家族の食卓へ復帰する。両親は治療法を求めた経緯から結果を報告する義務があると考え、自社で経営する魔法映像を通じて生存報告を行うことを提案し、ニアはこれを承諾する。髪の色が病気の影響で灰色となった姿のまま撮影に臨むと、この映像は爆発的な反響を呼び、他領の領主ヴィクソン・シルヴァーやその娘レリアレッド、さらには第三王女ヒルデトーラらの関心を集める。リストン家の財政負担を改善するため、プロデューサーのベンデリオが提案した『ニア・リストンの職業訪問』に出演を開始したニアは、刀剣復元師の職場訪問で金属の鞘の修復やロングソードを用いた試し斬りを披露し、職人技術への理解を示すとともに一躍人気者となる。
第4幕:王都進出と劇団氷結薔薇での舞台稽古
『職業訪問』の撮影を重ねたニアは、劇団氷結薔薇からのオファーと王都での撮影をこなすため、帰省した兄ニールと共に飛行船で王都アルトワールへ向かう。到着後、門限のため寮へ戻ったニールと別れ、高級レストラン「黒百合の香り」にて第三階級貴人ヘレナ・ライム夫人、その親戚である劇団座長ユリアン・ロードハート、双子の妹ルシーダ・ロードハートと会合を行う。ニアは「リストン家の娘ではなく一人の役者」として扱うことを条件に、新人女優シャロ・ホワイトの相手役(「捨てられる子供」役)として舞台「恋した女」への出演を承諾する。稽古の合間にシャロがチンピラに絡まれる現場に遭遇したニアは、正当防衛を主張して即座に撃退し、自らの身体能力を試す機会とする。
第5幕:舞台の成功と裏社会の暗躍
舞台「恋した女」の全9回の公演が始まると、魔法映像による事前の宣伝効果とニア自身の知名度も手伝い、多くの子供客を含め連日大盛況で成功を収める。シャロはニアのホテルに泊まり込んで稽古を共にする中で強い信頼関係を築く。一方で、王都の東側倉庫街を拠点とする裏社会の頭目ネヒルガは、部下のアンゼルらを使ってニアの誘拐と金銭要求を画策していた。全公演を終えたニアは、シャロと交わした「約束」を果たすべく彼女を連れ出すとともに、以前街で遭遇した不良グループ「ジグザグドッグ」との決着をつけるため、リノキスの監視を潜り抜けて夜の街へ抜け出す。
第6幕:東側倉庫街の決闘と悪党たちの駆逐
シャロを安全な場所に待機させたニアは、単身でジグザグドッグの溜まり場である酒場へ乗り込む。店内には「契約武装」を使うスーツを着た男(上役)がおり、一対一の対決となる。ニアは相手の全力を込めた攻撃を軽々と受け流し、「自分が強すぎるせいで相手が弱く見えるのかもしれない」と考えつつ、手加減しながら男の心が折れるまで打撃を加えて稽古をつける。酒場を出ると、外には30人以上の武装チンピラ集団が集結していたが、ニアはこれを歓喜して迎え撃ち、素手と圧巻の武術で全員を撃破する。屋上から見守っていたシャロとリノキスはその強さと危険を楽しむ姿に畏怖を抱く。現場に遅れて到着したネヒルガ一味は、アンゼルらギャングたちの無残な惨状を目撃して凍りつき、ニアからの警告を受けて「夜と子供と白髪が怖い」と言い残し、王都から逃走・壊滅する。
第7幕:リストン家への帰還と新たな門出
裏社会勢力との戦闘を通じて日頃の鬱憤を晴らしたニアは、晴れやかな心境でリストン家へと帰還する。ニアの異次元の強さを確信した専属侍女リノキスから弟子入りの志願を受けたニアは、彼女を第一の弟子として受け入れ、厳しい指導を開始する。その後も新チャンネル開局記念の魔法映像撮影や劇の追加稽古、王都でのパーティ出席など多忙なスケジュールを順調にこなしていく。やがて春が訪れて6歳となったニアは、これまでの活動と訓練を通じて心身の準備を完遂させ、アルトワール学院の寮へ入るための新たな門出の支度を整える。
主要な転換点
1:反魂の術による目覚めと「氣」の巡回開始
- それ以前の状況: 病弱なニアの身体は死の直前にあり、意識を失っていた。
- 出来事: 金目当ての男による反魂の術で新たな魂が定着。前世の「戦いで死にたかった」という未練を受け止めつつ、両親の愛情を知りニアとして生きる覚悟を決める。失われた記憶の中で「氣」を巡らせる術を思い出して座禅と意図的な巡回を開始した。
- 変化: 死を待つだけだった身体が自己修復を始め、食事制限の解除やリハビリが進行し、自力で病魔を克服した。
- 次への影響: 体力が回復したことで庭での日光浴や会話が可能となり、兄ニールへの剣術的助言や魔法映像への出演準備へと繋がった。
2:魔法映像による「生存報告」と『ニア・リストンの職業訪問』の開始
- それ以前の状況: 病気治療のために広く情報を求めていたが、回復の事実は外部に公表されていなかった。
- 出来事: 両親が経営する魔法映像会社を通じて病気克服を自ら公表。プロデューサーのベンデリオによる企画『ニア・リストンの職業訪問』に出演し、刀剣復元師などの体験や試し斬りを披露した。
- 変化: リストン家の経営・財政基盤が安定し、魔法映像文化そのものが爆発的に普及。シルヴァー家(ヴィクソンやレリアレッド)や第三王女ヒルデトーラら他領・王族にまで高い知名度と影響力が及んだ。
- 次への影響: 王都の劇団氷結薔薇(ユリアン座長)から公演出演の依頼が舞い込み、王都進出の動機となった。
3:劇団氷結薔薇の舞台「恋した女」への出演決定と王都での活動
- それ以前の状況: 領内での撮影活動を中心に過ごしていた。
- 出来事: 王都アルトワールへ進出し、ヘレナ・ライム夫人、ユリアン座長、ルシーダらと面会。「リストン家の娘」ではなく一役者として主演シャロ・ホワイトの相手役を引き受け、街でシャロを襲ったチンピラを撃退した。
- 変化: 王都での活動実績が作られるとともに、王都東側倉庫街の裏社会(ネヒルガ、アンゼル、ジグザグドッグ)から誘拐・金銭要求の標的として目をつけられた。
- 次への影響: 舞台「恋した女」の全9公演成功後、裏社会との直接決着を求めて東側倉庫街の酒場へ単身乗り込む展開を生んだ。
4:東側倉庫街における単身での裏社会勢力(契約武装・集団ギャング)制圧
- それ以前の状況: 裏社会の頭目ネヒルガがアンゼルらを使ってニアの誘拐を計画し、ジグザグドッグ等のギャングが溜まり場に集結していた。
- 出来事: ニアが夜間に一人で酒場へ乗り込み、契約武装を持つスーツの男を稽古代わりに打ちのめし、屋外に集まった30人以上の武装チンピラ集団を素手で全滅させた。
- 変化: 現場を目撃したネヒルガ一味は恐怖に陥り、企みが完全に挫かれ、「夜と子供と白髪が怖い」と言い残して悪党たちが王都から消滅・逃亡した。
- 次への影響: 王都の治安問題およびニアの鬱憤が解消され、戦いを目撃した侍女リノキスの弟子入りを経て、6歳でのアルトワール学院入学準備へと進んだ。
主要な人物関係の変化
リノキス
- 開始時: 病弱な主人の生活補助や車椅子の移動、日光浴を介助する侍女と主人の関係。
- 主な出来事: ニアが木剣で木の棒を一振りで切り落とす場面や、王都の裏社会勢力(契約武装の男や30人以上の集団)を一人で潰す戦闘を間近で観察する。
- 巻末時: 侍女と主人の関係を維持しつつ、ニアの圧倒的強さに服従・感服したリノキスが稽古を志願し、ニアが師匠として弟子に受け入れる「師弟関係」が成立した。
ニール
- 開始時: 久々に再会した兄妹。兄は病弱な妹を思い遣り、外界の情報として魔法映像を紹介する。
- 主な出来事: 兄が専属侍女リネットとの剣術稽古で苦戦する中、ニアが力任せの振り方を指摘し、「刃で斬る」概念を木剣の実演を交えてアドバイスした。
- 巻末時: 互いに思いやる良き兄妹であると同時に、武術や事業面において互いを高め合える関係へと変化した。
シャロ・ホワイト
- 開始時: 劇団氷結薔薇の舞台「恋した女」の主演女優(シャロ)と、そのサポート役(相手役)として途中参加した貴族の少女(ニア)。
- 主な出来事: 稽古期間中にシャロがチンピラに絡まれたところをニアが救い、その後シャロがニアのホテルに泊まり込んで稽古を重ねた。舞台成功後、シャロはニアの裏社会討伐に同行し、安全な場所および屋上からその戦闘を目撃した。
- 巻末時: 深い信頼関係と「約束」で結ばれ、ニアの恐ろしいほどの強さを知る親しい友人・共演者の関係となった。
主人公の認識と周囲の評価
主人公自身の認識
- 自身は病を克服したばかりで極度の筋力・体力不足にあり、日々の訓練や「氣」の巡回が必要不可欠なリハビリ状態であると捉えている。
- 王都での夜の戦闘(スーツの男や30人以上のチンピラ集団との戦い)について、相手が手応えのない「小粒」ばかりであり、もっと噛み合う強い相手と戦いたい(欲求不満である)と感じている。
周囲からの評価
- 両親・リノキス: 年齢にそぐわない落ち着きと冷静さを持ち、説明のつかない恐ろしい武芸の達人技(木棒の切断等)を有する存在と捉えている。
- ニール・劇団員・シャロ: 幼いながら卓越した度胸、度外れた実力、圧倒的な演劇的・武術的カリスマ性を持つ存在と評価している。
- 裏社会(ネヒルガ、スーツの男、アンゼル等): 絶対に触れてはならない悪夢的で圧倒的な恐怖の象徴。「夜と子供と白髪」として怖れられている。
認識の差が現れた場面
- 東側倉庫街の酒場におけるスーツの男および武装チンピラ集団との対決場面:
- 主人公の認識: 相手の攻撃があまりにも弱く手応えがないため、「自分が強すぎるせいで相手が弱く見えるだけかもしれない」と考え、手加減しながら容赦なく打撃を加え、相手の稽古をつけてやろうとした。また集まった30人のチンピラに対しても歓喜して戦いを楽しんだ。
- 相手・周囲の認識: スーツの男は契約武装を用いて全力を尽くしたにもかかわらず一切の攻撃が通じず、心が折れるまで叩きのめされた。屋上から見守っていたシャロとリノキスは、ニアの圧倒的な強さと、危険を純粋に楽しむ凄惨な姿に強い畏怖と恐れを感じていた。
備忘録
プロローグ
歴史に名を残す英雄たち、魔王殺しの聖騎士アルフィン・アルフォンや武神リュト・ビリアンなどが存在している。
善悪に関わらず、世に革命を起こした者たちは誰かの英雄である。
この時代における最も新しい英雄は、「凶乱令嬢」の異名を持つニア・リストンである。
素手で魔獣を屠り、傷ついた者を癒やし、堅牢な鎧を紙屑のように扱う彼女の物語が、歴史書の一ページに記されることとなる。ニアの物語は、とある夜から始まった。
第一章
深い眠りの底から意識が浮かび上がってくる感覚を覚える。
幾年月も感じなかった空気、光、香りが、強い刺激となって意識を呼び覚ます。ある願いを思い出す。
戦いの中で死にたかったという願いだ。
しかし、その願いは叶わず、今は別の身体で再び目覚めることになった。
突然の咳き込みとともに、痛みを感じる。
この身体は病に侵されており、長くは生きられない。
フードをかぶった男が現れ、この身体は貴人の娘のもので、自分が金のために反魂の術を使って魂を入れ替えたと告げる。
男は、金を受け取り島を離れるまで一日だけ何もせずに生きてほしいと頼む。
部屋を出て行く男に対し、自分が再び死を迎えることになることを受け入れ、それでも病に負ける気はないと決意する。
この身体の名はニアといい、両親が非常に愛情深いことがわかる。
自分はこの身体を乗っ取った形となり、ニアとして生きることになる。
病を治すために、「氣」を巡らせ、この身体を回復させることを決心する。
自分自身の過去や「氣」とは何かなど、多くのことを忘れているが、それは今は重要ではない。
ニアとしての責任と義務を果たし、この身体に宿った二度目の生を最大限に生きようとする。
ニアの記憶がなく、自分自身のこともよくわからないが、それは今は問題ではない。
病に打ち勝ち、ニアとして新たな人生を歩み始める決意を新たにする。
第二章
窓の外が明るくなる朝、若い女性が部屋に入ってきた。その様子から彼女が侍女であることがわかる。
彼女は動きが鋭く、身のこなしに隙がない。食事の時間がやってきて、消化に良い食事が提供される。
食欲はないものの、生命力の源である食事を摂ることの重要性を感じている。
徐々に食事量が増え、身体は少しずつ回復しつつある。
朝食後、ニア(主人公)は車椅子に乗せられ、リノキス(侍女)に押されながら部屋を出る。
そこで父親と母親を見送り、ニアとしての役割を果たそうとする。
リノキスは夜の付き添いを終え、これからはニアが一人で過ごす時間が増える。
ニアは、病気の回復のために自身で「氣」を巡らせる練習を始める。
身体はまだ弱っており、立っていることすら困難だが、病に打ち勝とうとする意志は強い。
彼女は自分の身体を徐々に鍛え直し、以前のように活動できるよう努力を続ける。
第三章
ニアは病気からの回復に努めており、病状は順調に改善している。
三週間が経過し、リノキスはニアを外へ連れ出そうと提案するが、ニアは座禅を組んで病魔との闘いに集中したいと考えている。
しかし、リノキスの説得により、日光浴の重要性を認識し、外出を承諾する。
リノキスは外出に向けて服装や靴を選び、ニアは服装選びに興味を示さない。
結局、白いワンピースと赤いリボン、赤い靴を選び、髪は灰色であることが病気の影響であることが示唆される。ニアは自己紹介を考えながら、自分の趣味や夢について冗談めかして語る。
リノキスはニアの提案に苦笑し、具体的な反応は示さない。
この物語では、ニアが病気と闘いながら少しずつ普通の生活に戻ろうとする様子が描かれている。
外出を前にしての服装選びや、自己紹介の考案など、ニアの回復への道のりと心境の変化が垣間見える。
ニアはリノキスに支えられて庭へ出て、久しぶりに外の空気と日光を浴びる。
庭は非常に広く、第四階級の貴人であるリストン家の財力と地位の高さを示している。
ニアはリノキスから、この国の階級制度や自分の家がどれほどの権力を持っているかについて学ぶ。
また、ニアには兄がおり、名前はニールで、夏休みを利用して帰省することを知らされる。
ニールが飛行船で帰宅し、久しぶりにニアと再会する。ニールはニアの体調の改善に驚き、兄妹は後ほどゆっくり話すことになる。
リノキスはニアに、ニールの専属侍女リネットと自分がアルトワール学院の同級生であったことを教える。
ニアはリネットの動きに注目し、自分の強さを再認識するが、現時点ではリネットとリノキスを含む人々との力の差を感じている。
ニアの兄、ニールがリストン家に帰ってきてから五日が経過し、兄妹の関係は良好である。
ニールはニアの退屈しのぎに学院の話などをしてくれるが、ニアの体調はまだ完全には回復しておらず、食卓には同席できない。
ニアはまだ消化に良い食事を摂りつつ体力回復に努めている。
ニールはニアに魔法映像(マジックビジョン)を見せてくれるが、リノキスや両親からは強いシーンなどの刺激が強い映像の視聴が制限されている。
ニアは一部の映像に興味を示すが、多くは視聴禁止とされている。
観られる映像は美しい風景やリストン領遊歩譚などに限られており、映像文化へのアクセスは限定的である。
ニアは魔法映像を通じて外の世界を知る機会を得るが、観ることが許可された番組は少なく、生活に大きな変化はない。
それでも、ニアは魔法映像を有益な情報源として価値を見いだしている。
外界に対する知識が乏しいニアにとって魔法映像は貴重な情報源であり、それを提供してくれた兄ニールへの感謝の気持ちを持っている。
兄は剣術の稽古に励んでおり、専属の侍女リネットに指導を受けているが、まだ実力が及ばず苦戦している。
そこでニアは兄に剣の使い方についてアドバイスをしようと決め、稽古を見学している中でアドバイスの機会を見つける。
しかし、自身の体力や筋力の不足を痛感し、アドバイスを行うことに苦労する。
ニアは木剣を使って剣の使い方を実演しようとするが、その行動によって体力を消耗し、リノキスに支えられてしまう。
にもかかわらず、ニアは剣は力任せに振るうものではなく、刃で斬るものであると説明し、武器の構造や扱い方についての知識を兄に伝える。
また、自身の体力のなさに苦しんでいるが、その状況を「氣」の訓練の時間と前向きに捉え、ニアが入る前の苦労に思いを馳せる。
第四章
アルトワール学院の冬期休暇を控え、ニアは自分の病を克服したと自覚している。
リノキスから家族の食卓に戻る提案を受け、ニアはそれに同意し、病床を引き払うことを決意する。
生活は大きく変わり、魔法映像を通じて世界を知る日々を送っている。
特に「リストン領遊歩譚」を楽しんでいるが、その内容が酒やチーズに偏っていることに文句を言いつつも興味を持っている。
ある夜、両親がニアの部屋を訪れ、彼女の病が治ったことを受け、魔法映像に出演し生存報告をすることを提案する。
この魔法映像は、リストン領内で制作されており、両親はその放送会社の経営者である。
両親はニアの治療法を公に求めた以上、その結果も公表する義務があると考えていた。
ニアはこの提案に同意し、病を克服し、生きることを自らの口から語ることに決める。
これは、ニアとしての義務であり、彼女がリストン家に生きる意味でもある。
ニアはリノキスに要求される通り、彼女が構える木の棒を木剣で一振りで斬る技を見せる日常を送っている。
散歩の最中にもこの技を披露し、リノキスからその技をどこで学んだのか尋ねられるが、ニアは「女の秘密」として明かさない。
アルトワール学院が冬期休暇に入り、兄ニールが帰宅すると、家族全員が揃って魔法映像の撮影が行われることになる。
撮影はリストン家の主立ったメンバーが参加し、魔法映像の案内人であるベンデリオも現れる。
ニアは病からの回復を視聴者に報告し、その髪の色は病との戦いの証としてこのままで良いと主張する。
撮影は順調に進み、ニアは「ニア・リストンの職業訪問」という番組で刀剣復元師を訪れる役割を任される。
これは魔法映像を広めるための広告塔としての仕事であり、ニアの新たな役割となる。
ニアの病からの回復とその結果が公表されることで、魔法映像の可能性と利益を多くの起業家や貴人たちが認識し、魔法映像の文化が爆発的に広がることになる。
オルニット・リストンが真摯に娘ニアの病との闘いを語る魔法映像を見たシルヴァー家では、家族それぞれが異なる反応を示す。
末娘レリアレッドはニアの映像に特に関心を持ち、「退屈」と評しながらも魔晶板を見入っている。
家族はそれぞれの思いを抱えつつ、ニアの映像に対してコメントする。
ヴィクソンは冒険家になりたいという夢を持っていたが、魔法映像によって冒険家の姿を見ることで、その夢が再び燃え上がる。
魔法映像に対する関心が高まる中、末娘はニア・リストンのように魔法映像に出演したいと強く願うようになる。
この願望は、ニアと同い年である末娘の対抗意識や嫉妬、そして自信から生まれたものであった。
ヴィクソンは末娘がニアに劣っているとは思わず、この瞬間が後に「赤き偶像」と呼ばれるレリアレッド・シルヴァーの誕生へと繋がる重要な時だったと考えられる。
第五章
ニア・リストンが病を克服し、日常生活に戻りつつある中、彼女と兄ニールは、魔法映像への再出演を両親と話し合う。
ニールは、魔法映像の普及のためにニアが適任であると指摘し、ニアも両親の望むなら協力すると表明する。
このやり取りから、リストン家が魔法映像業界に莫大な投資をしていること、そしてその投資が家の財政に大きな影響を及ぼしていることが明らかになる。
ニールは、魔法映像を通じてニアが助かった事実を利用して、魔法映像の普及と利益の増大を目指すべきだと提案する。
ニアは、両親の意向を尊重し、リストン家のために魔法映像に再出演することを決意する。
また、兄が身を切って家を守るという発言に対し、ニアは自分が冒険家となって金を稼ぐことを提案するが、ニールはそれを拒否し、兄として妹を守る決意を新たにする。
ベンデリオが再びリストン家を訪れ、ニア・リストンの魔法映像再出演についての打ち合わせを行った。
彼は様々な企画案を持参し、ニアに選んでもらうが、ニアはすべての企画に挑戦することを決める。
その結果、「ニア・リストンの職業訪問」という番組が企画され、ニアが様々な職業を体験しながら紹介する内容になった。
ベンデリオはニアの魅力は落ち着いた雰囲気と冷静さであり、無理にキャラクターを作る必要はないとアドバイスする。
ニアは自然体で番組に臨むことを決め、リストン家の名を汚さないよう最善を尽くすことを約束する。
第六章
ニア・リストンは、「ニア・リストンの職業訪問」という番組の一環で、刀剣復元師の職場を訪れ、撮影を行った。
これはニアにとって五度目の撮影であり、既に料理作りや農作業など、様々な職業体験を経験している。
今回の訪問では、職人たちが行う刀剣や鎧、工芸品の修復作業について学び、実際に金属の鞘の修復作業に挑戦した。
ニアはこの経験を通じて、職人の技術や努力を理解し、自分も少し楽しんだようである。
また、撮影中に起こる予期せぬ出来事にも慣れ、自然体で対応する姿が見られた。
ニア・リストンは「ニア・リストンの職業訪問」という魔法映像の番組で様々な職業を体験し、その様子を撮影している。
この日は刀剣復元師の職場を訪れ、実際に修復作業を行い、最後には試し斬りの撮影も行われた。
ニアは特に武器に関する知識や興味を示し、実際にロングソードを使用して試し斬りをする場面もあった。
撮影が順調に進んだ後、ニアは自身の役割について両親からの評価を受け、さらに新たな依頼があることを知らされる。
それは、民間からの依頼で劇の役者をするというものだった。
ニア・リストンの人気と魔法映像の普及が進む中、リストン家の財政も改善の兆しを見せている。
ニア・リストンは「ニア・リストンの職業訪問」の撮影に引き続き、劇団氷結薔薇から役者の仕事を依頼され、そのための台本を受け取る。
劇団は王都でも知名度が高く、設立者のユリアン座長とその双子の妹が中心となって活動している。ニアは観られる番組に制限がある中、この劇の役に挑戦することになる。
依頼された役は複雑な人間関係を描いたドラマで、ニアはその中で「捨てられる子供」を演じる。
兄のニールが帰省した際には、ニアの日常や剣術の練習、そして劇の準備について交流がある。
また、ニアは王都に滞在しながら劇の出演と同時に「ニア・リストンの職業訪問」の王都での撮影も予定しており、その多忙な日々が描かれている。
ニアは役者としての仕事だけでなく、自分の剣術の訓練や兄との関係、さらには王都での新たな撮影にも取り組んでいく。
ニア・リストンとその専属侍女リノキスは、兄ニールと共に王都アルトワールへの飛行船での旅を終え、王都に到着する。
アルトワール学院の生徒及び関係者用の発着場で飛行船を降りた後、兄ニールは寮の門限のために急いで学院へ戻ることになる。
旅行中の多少の遅れが積もり、兄は門限ギリギリの時間に王都に到着してしまう。
王都に残るニアとリノキスは、兄が去った後、自分たちの行動を開始する。
第七章
ニア・リストンは専属侍女のリノキスと共に王都アルトワールに到着する。
兄ニールはアルトワール学院の門限に間に合うように先に去り、ニアはリノキスとレストラン「黒百合の香り」で第三階級貴人ヘレナ・ライム夫人と会う。
この会合は、劇団氷結薔薇の座長ユリアン・ロードハートによる舞台への参加依頼に関連していた。
ヘレナ・ライム夫人はユリアンの叔母であり、ユリアンはライム家と親戚関係にあることが明らかにされる。
ニアは舞台に立つ際は「リストン家の娘ではなく、ただの役者ニア」として扱われることを望み、ユリアンもこれに同意する。
この会合には、ユリアンの双子の妹である劇団の看板女優も参加することになり、彼女の登場で会合はさらに進行する。
ニア・リストンは王都アルトワールに到着し、劇団氷結薔薇の座長ユリアン・ロードハート、その双子の妹で看板女優のルシーダ・ロードハート、及び第三階級貴人ヘレナ・ライム夫人と会合を持つ。
ルシーダがニアを劇に誘った理由は、主演予定の新人女優シャロ・ホワイトの相手役として、ニアの度胸と人気を利用したいという目的があった。
シャロは非常にやる気があり、彼女の強い気持ちをバランス良く支えられる相手としてニアが選ばれる。
ニアはこの提案に賛同し、役者としての仕事を全力で遂行する意向を示す。
彼女は王都でのこの仕事を自身の人気と知名度をさらに高める絶好の機会と捉えている。
翌日、稽古場ではニアが新人として迎えられ、シャロ・ホワイトとの関わりも深まる。
ニアは彼女の役目を真摯に受け止め、シャロとの共演に前向きに取り組む。
ニア・リストンが劇団氷結薔薇に参加して二週間が経過し、「恋した女」の公演まで一週間となった。
稽古は本格化し、シャロ・ホワイトとの関係も改善された。
ニアは「ニア・リストンの職業訪問」の撮影のため稽古を早めに切り上げ、撮影現場へ向かう。その途中、リノキスからシャロがチンピラに絡まれているとの情報を得る。
ニアはリノキスに衛兵を呼ぶよう指示するが、自身もシャロの元へ向かうことを決意する。
到着すると、シャロはチンピラに囲まれており、ニアは自分が巻き込まれたとして正当防衛を主張しながら、チンピラの一人を反撃し、残りの相手にも立ち向かう覚悟を決める。
ニアはこの状況を自身の身体能力を試す良い機会と捉え、楽しむ様子を見せる。
ニアが劇団氷結薔薇の稽古に参加し始めてから二週間が過ぎ、「恋した女」の本番まで一週間となる。
シャロは気負いが落ち着き、彼女を絡ませたチンピラとのトラブルを解決したニアは、撮影のためレストラン「黒百合の香り」へ向かう。
撮影現場ではベンデリオが、シャロを特別ゲストとして「ニア・リストンの職業訪問」に加える提案をする。シャロは参加を承諾し、撮影は無事に終了する。
公演本番までの日々は稽古に明け暮れ、シャロはニアのホテルに泊まり込むようになる。
ユリアン座長から公演チケットを受け取り、公演成功の期待が高まる中、ニアはシャロに迷惑をかけないよう注意を受ける。
公演初日はすべてのチケットが売れ、大きな期待を背負って本番がスタートする。
シルヴァー家では朝食時に魔法映像を視聴しており、この日も劇団氷結薔薇の「恋した女」の告知が映し出されていた。
緊張している無名の主演女優と落ち着いた態度のニア・リストンの対比が描かれ、領主ヴィクソン・シルヴァーはニアの落ち着きに思いを馳せる。
シルヴァー家の長女はニアの服装を批評し、次女はニアのファンであるが、その振る舞いは不審なものだった。
末娘レリアレッドはニアをライバル視しているが、舞台を観に行くことは拒否する。
一方、アルトワール王国第三王女ヒルデトーラは、ニア・リストンの活動に興味を持ち、彼女の成長を待ち望んでいる。
また、アルトワール王都の東側にある裏社会では、ニア・リストンの拉致を計画する動きがあった。
この計画は、裏社会の一角であるネヒルガによって進められており、彼は部下のアンゼルに悪ガキたちの掃除とニア・リストンへの攻撃を命じる。
アンゼルはニアの誘拐には抵抗を示すが、彼女を攻撃することには同意する。
こうして、シルヴァー家の朝食の光景とアルトワール王国の裏社会の暗躍が並行して描かれ、ニア・リストンを巡る異なる思惑が交錯する様子が示された。
第八章
舞台「恋した女」は、未亡人ナターシャを中心にした物語であり、劇団氷結薔薇によって9回の公演が行われた。
衣装や小道具の破損、舞台装置のミスなどのトラブルはあったものの、魔法映像による宣伝効果やニア・リストンの人気も手伝って、成功を収めることができた。
特に、大人向けの演目にも関わらず、多くの子供たちが観客として訪れたことが意外だった。
公演後、ニアは家族と祖父との再会を果たし、成功を祝う。
一方、シャロはニアとの別れを惜しみつつ、役者としての生き方を語る。ニアはシャロの提案により、一緒に「約束の場所」に行くことを承諾するが、彼女を現場からは遠ざけることにする。
翌日、劇団の座長ユリアンとルシーダから公演の成功を祝われ、ニアは彼らへの感謝と再会を願う。
その夜、ニアは以前にトラブルになった人物たちとの決着をつけに行く準備をする。
ニア・リストンは、祖父との王都観光を前にリノキスと一時的に別行動をとることになった。彼女には急ぎの用事があったからだ。
それは、ある約束を確認するためのもので、彼女はリノキスの監視をかいくぐり、街の裏社会に関わる人物たちを探し出すためにホテルを抜け出した。
その過程で、ジグザグドッグという不良グループの情報を手に入れ、彼らの溜まり場へと向かうことに成功する。
一方、その日は祖父との王都観光が予定されており、ニアはその計画に沿って行動した。
王都観光では、アルトワール王国の第三王女ヒルデトーラからの挨拶の依頼があったことを祖父から聞かされるが、ニアにとってはそれが重要なことではなかった。
観光を楽しんだ後、彼女は再び夜の街へと抜け出し、ジグザグドッグの溜まり場へと向かった。
シャロも彼女と行動を共にすることになるが、ニアはシャロを安全な場所に留めておき、自らは酒場へと進んだ。
ニアはその過程で、いくつかの小競り合いに巻き込まれるが、彼女の実力にかなう者はおらず、瞬時に制圧していく。
最終的に彼女たちはジグザグドッグが集まる酒場へとたどり着き、ニアはシャロに自身が待つ場所を指示してから、一人で酒場へと向かった。
酒場内では、スーツを着た男と倒れている三人の男がおり、ニアはその状況に疑問を持つ。
男はジグザグドッグの上役であり、自分たちの下っ端がニアにやられるのを受け入れ、彼らを追放する。
しかし、彼はニアとの間で一対一の対決を望み、自身も強さを見せつけようとするが、ニアには全く歯が立たない。
ニアはスーツの男の攻撃を軽く受け流し、自分が強すぎるために彼が弱く見えるだけかもしれないと考える。
男が全力を尽くしてもニアにダメージを与えられず、自身の弱さを疑問に思う。
ニアは男に対して、自分が強いことが原因であり、彼が弱いわけではないと語り、彼に稽古をつけることを提案する。
ニアはこの戦いを楽しんでおり、がっかりしているが、男との戦いで少しは満足しようと考えている。
男との戦いの中で、ニアは男に容赦なく攻撃を加えるも、意識的に力加減し、男の心が折れるまで攻撃を続ける。その結果、男は諦め、ニアは勝者となる。
ニアは男に対して、自分が王都に戻ってきた際には再び会うことを約束し、彼に準備を整えるように言い残す。
その後、男が使用していた「契約武装」について尋ね、簡単な説明を聞く。
ニアが酒場を出ると、外では30人以上の武装したチンピラが集まっている様子を目撃する。
彼らは明らかに酒場への殴り込みを意図しており、ニアにも敵意を向ける。
しかし、ニアはこれを楽しみに感じ、笑いながら彼らに挑む構えを見せる。
ニアは自らの力を遺憾なく発揮し、集まったチンピラたちに対して圧倒的な力で立ち向かう。
この出来事を屋上から観察していたシャロ・ホワイトとニアの専属侍女、リノキスは、ニアの行動について話し合う。
リノキスは、ニアが非常に強いため、このような状況でも彼女を止める理由がないことをシャロに語る。
シャロはニアの力の大きさに驚くが、同時に彼女が危険を楽しんでいる様子にも畏怖を感じる。
リノキスはニアの行動をただ見守ることに決め、二人はその場を去ることにする。
ネヒルガは、アルトワール王都の東側倉庫街に潜む小悪党である。
彼は、機会があれば大きな儲けに踏み込む性格で、自らを慎重に動く小悪党と認識していた。
ニア・リストンという第四階級貴人の娘を誘拐し、リストン家から慰謝料を得ようという計画を立てていた。
この計画の一環として、彼は部下のアンゼルに幼いギャングたちを潰すよう命じていた。
しかし、計画はニアによって狂わされる。
ネヒルガが現場に到着した時、彼とその部下たちは、アンゼルを含む多数のギャングたちがニアによって倒された光景に直面する。
彼らはニアを捕まえようとするが、彼女は容易に部下たちを倒し、ネヒルガ自身も恐怖に震える。
ニアはネヒルガに、この夜の出来事を秘密にするよう警告する。
その夜から、王都から悪党たちが消え、彼らは「夜と子供と白髪が怖い」と言い残し、姿を消す。
数年後、東側倉庫街の金色の男が田舎で平和に生活しているという噂が流れるが、それもすぐに消え去った。
エピローグ
ニア・リストンは、劇団氷結薔薇の公演「恋した女」が無事終わり、王都のホテルからリストン家へと帰還した。
公演終了の安堵と共に、前夜の戦闘で鬱憤を晴らしたことによる心の晴れやかさを感じている。
ニアは、戦いの中で多くの敵を相手にしたが、その全てが小粒であり、もっと手応えのある相手を求めている。
リノキスからの稽古の申し出を受け、ニアは彼女を自らの弟子として受け入れることにする。
ニアがリノキスの弟子となってから、忙しい日々が続く。
魔法映像の撮影や劇の稽古、さらには王都でのパーティ出席など多岐にわたる活動をこなす。この間に、新たな魔法映像のチャンネルが開局し、ニアはその記念の撮影に参加する。
気が付けば春が訪れ、ニアは6歳になり、アルトワール学院の寮に入ることになる。
これまでの活動と稽古を通じて、ニアの日々は充実しており、新たな生活への一歩を踏み出す準備が整っている。
凶乱令嬢ニア・リストン 一覧

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

あらすじと考察は本文で詳しく解説。

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その他フィクション

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