小説「異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 8」感想・ネタバレ

小説「異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 8」感想・ネタバレ

物語の概要

本作は「4X(探索・拡張・開発・殲滅)」要素を持つ戦略級異世界ファンタジーである。主人公・伊良拓斗(タクト)は、邪神と呼ばれる存在として転生し、自らが率いる文明「マイノグーラ」の内政と拡張を進める中、イドラギィア大陸で開かれた全陣営会談にて《降伏勧告と宣戦布告》を受ける。しかしタクトは《大儀式:仄暗い国》によって状況を覆し、束の間の平和を手に入れる。その隙に、暗黒大陸側の諸勢力を統合すべく動き出す展開が描かれる

主要キャラクター

  • 伊良拓斗(タクト):異世界転生で邪神となった主人公。戦略家として暗黒大陸の統一を目指す。
  • アトゥ:タクトの家臣にして「汚泥のアトゥ」と呼ばれる英雄ユニット。元々はゲーム上のキャラクターで、忠実かつ情に厚い。

物語の特徴

他の異世界転生ものと一線を画すのが、4X型の“文明運営”要素である。軍事的要素よりも国家の統治、外交術、儀式を駆使した戦略が戦術の主軸となっており、いわゆる“邪神”と称される主人公が理知的に内政・戦略を遂行する知略戦が魅力である。また、アニメ化を目前に控えた巻であり、作品世界の緊迫感とメディア展開の高まりが相まって熱気を帯びている 。

書籍情報

異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 8
著者:鹿角フェフ 氏
イラスト:じゅん 氏
出版社:マイクロマガジン社(GCノベルズ
発売日:2025年6月30
ISBN:978‑4867167854
アニメ化情報:TVアニメは2025年7月6日より放送開始(Tokyo MXほか、制作:MAHO FILM)

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あらすじ・内容

転生したら、邪神(かみ)でした。
探索、拡張、開発、殲滅を網羅した、 4X系戦略級ファンタジー!
《貞淑の魔女ヴァギア》によって開催されたイドラギィア大陸全陣営会談。
そこでなされたマイノグーラへの降伏勧告と宣戦布告を逆転の一手――《大儀式:仄暗い国》で防いだ拓斗は、その効果で訪れた束の間の平和を活かし、暗黒大陸側の勢力を糾合すべく動き始める……!

2025年7月――TVアニメ放送開始!
大人気4X系異世界戦略ファンタジー、待望の第8巻!

異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 8

感想

今巻もまた、波乱万丈な展開で、一気に読み進めてしまった。
転生した邪神として、探索、拡張、開発、殲滅を繰り返す拓斗の物語は、ますますその魅力を増しているように感じた。

全陣営会談という名の、マイノグーラに対する降伏勧告と宣戦布告という内容は、衝撃的であった。
これまで防戦一方だったマイノグーラ陣営が、奥の手を使って一年間の猶予を得たものの、その間に戦力増強に奔走しなければならないという状況は、緊迫感があり面白い。
周辺国を傘下に置いて暗黒大陸をほぼ統一し。
かつて敵対していたテーブルトークRPG勢力と手を組んで、侵略してくるプレイヤーたちと戦うという展開は、物語に深みを与えていて、非常に興味深い。
しかし、個性的なキャラクターも加わることで、今後の展開にどのような影響を与えるのか、少し心配な気持ちもある。
それぞれの思惑が交錯する中で、どのように協力関係を築いていくのか、今後の展開が楽しみである。

ただ、タクトが船に弱いという弱点が発覚したのは、少し意外だった。
船酔いのタクトの挿絵は相変わらず素晴らしく、彼の魅力を引き立てていると感じる。

戦い、日常、人間関係、その全てが複雑に絡み合い、物語を彩っている本作。次巻では、どのような展開が待ち受けているのか、期待が高まるばかりである。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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展開まとめ

プロローグ

全陣営会談の計画とその性質
《貞淑の魔女ヴァギア》が主催した全陣営会談は、彼女らが企てた罠であった。イラ゠タクトはこの会談に何らかの思惑があると理解し、参加を決定した。彼は、その実現性と信頼性の低さから影武者を送り、相手の出方を窺う策を講じたのである。

正統大陸連盟による攻撃と防戦
会談においてはマイノグーラへ降伏勧告と宣戦布告が当然のように行われた。拓斗の予想を超え、正統大陸の全ての陣営が手を組み、正統大陸連盟という強大な組織が形成され、マイノグーラを襲った。情報が不足しているプレイヤーやゲームシステムも加わり、完全に追い詰められた状況の中、拓斗と協力関係にあったRPG陣営プレイヤー神宮寺優は防戦一方であった。

《破滅の王》の対抗策と今後の展望
しかし、《破滅の王》はこの程度で敗北するほど弱くなく、この事態はある程度想定内であった。彼は対抗策として、『Eternal Nations』の国家が持つ秘技《大儀式:仄暗い国》を用意していた。この秘技は暗黒大陸を闇のヴェールで覆い、敵対する全ての国家との戦闘行動を一年間防ぐものであった。拓斗はこの期間を使い、正統大陸連盟に対抗しうる勢力を暗黒大陸で作り上げようとしていたのである。

第一話    自負

サザーランドの危機と船団長たちの会議

暗黒大陸の最東に位置する海洋国家サザーランドは、異民族との接触と戦乱の予兆に揺れていた。各船団の代表である船団長たちは、密室の中で罵声を交わしながら対応を協議していた。彼らの間で最大の発言力を持つ総船団長ドバンは、会談を進行させるべく情報提供を始めた。

全陣営会談と正統大陸連盟の結成

ドバンは、イドラギィア大陸で開かれた全陣営会談の実態が茶番であり、結果として北方諸国が「正統大陸連盟」を結成し、戦力を集中させたことを報告した。この動きに対し、サザーランドは脅威を感じる一方で、破滅の王=マイノグーラへの期待を抱いていた。しかし、彼に関する具体的情報が乏しく、会談の場にも姿を現さなかったため、疑念と不安が広がっていた。

トヌカポリの登場とマイノグーラの動向

会議に出席していたフォーンカヴンの杖持ちトヌカポリは、ここで初めて発言権を得て状況を説明した。破滅の王は健在であり、マイノグーラと同盟国を守るために巨大な結界を展開したという。この結界は敵の侵入を完全に防ぐ力を持ち、魔術的にも前例のない現象であった。トヌカポリは、結界の有効期間が一年であることを明かし、その間に暗黒大陸側の勢力をまとめ、連盟に対抗する必要があると説いた。

同盟への決意とドバンの賭け

トヌカポリの話を受け、ドバンは迷いながらも協力の決意を固めた。国家として独立を保つには、リスクを取ってでも動かなければならないとの結論に至り、サザーランドとして同盟に加わる覚悟を示した。その流れの中で、若手の船団長ブルーノが中位ドラゴンのつがいを保有していることが明らかになり、それを貢ぎ物かつ戦力の象徴とする案が採用された。

驕りと現実の乖離

ドラゴンの力に歓喜する船団長たちは、マイノグーラとの模擬戦を提案し、その力を誇示しようとした。だがトヌカポリは、彼らがマイノグーラの真の実力を知らないことに内心で苦笑していた。彼女は、彼らがいずれ現実と向き合い、常識の通じない存在の恐ろしさを思い知るだろうと考えていた。サザーランドは自らの覚悟を固めたが、その先に待つものがいかなるものかは、まだ誰も知らなかった。

第二話    思惑

サザーランドとの交渉方針の確立

マイノグーラにおいて、サザーランドとの交渉に関する戦略会議が開かれた。イラ=タクトは、《大儀式》によって戦争行動が封じられている現状を逆手に取り、非戦闘的手段で相手を圧倒する方針を提示した。具体的には、マイノグーラの威圧的なユニットを示威的に活用し、恐怖と技術供与を併用した飴と鞭の戦術によってサザーランドを早期に取り込む方針であった。

イラ教の影響力と作戦の実行可能性

タクトの判断は《イラ教》の広がりにも支えられていた。この信仰は暗黒大陸全土に浸透しつつあり、すでにサザーランド内部にも信徒が存在していた。これにより、宗教的影響力を通じた政治工作が可能となり、必要に応じて信者の動員による内部工作や扇動も選択肢に含まれていた。ヴィットーリオとアトゥはそれぞれの立場からこの作戦に理解を示し、また信徒の予測不能な行動への警戒も共有された。

技術情報と交渉の急務性

フォーンカヴンを通じて得られた情報により、サザーランドが海洋技術を中心にマイノグーラ未保有の先進技術を有していることが判明した。タクトはこれを重視し、サザーランドの取り込みが成功すれば、戦略的技術の獲得と他国への優位確立が可能になると判断した。交渉はすでに依頼を受けている状態であり、数日以内の実現を目指す必要があると結論づけられた。

英雄召喚の可能性と新たな戦力

タクトは、サザーランドからの技術移転が成立すれば、保有技術数の増加により新たな《英雄》の召喚条件が満たされることに気づいた。これにより、マイノグーラはさらに二体の英雄を召喚する可能性を得る。現在候補となっている英雄はいずれも強力な能力を持つが、その人格には癖があることが示唆された。ダークエルフたちはこの展望に期待を寄せつつも、幾人かには不安の色も見受けられた。

出立の準備とタクトの決意

タクトは会議の最後に、自らがサザーランドとの交渉に直接赴くことを宣言した。《大儀式》の効力により危害を受けることはなく、移動速度を優先できる現状がこの決断を後押しした。配下の英雄やダークエルフたちはこれを了承し、計画は一気に実行段階へと移行した。タクトは新たな戦力の獲得に向け、英雄召喚の可能性に心を躍らせながら、どちらの英雄を召喚すべきかを周囲に問いかけた。

第三話    酒宴

サザーランドの海上迎賓と初対面

マイノグーラの王イラ=タクト一行は、サザーランドとの会談のため海上に浮かぶ迎賓館に招かれた。船を連結して建造された巨大な海上施設は、異文化的かつ高度な建築技術の象徴であり、マイノグーラ側にも一定の衝撃を与えた。だが、当のタクトは極度の船酔いに苦しみ、会談の序盤から戦力としては機能していなかった。

会談における威圧と動揺

マイノグーラ側はモルタール老が交渉の主導を取り、アトゥや護衛のユニットたちが威圧的な雰囲気を形成した。対するサザーランド側の船団長たちは、その圧力に萎縮し、会談の空気は一方的に支配されていた。特に破滅の王と称されるタクトの存在は、彼らにとって未知と恐怖の象徴であり、会談冒頭から精神的に圧倒されていた。

技術供与を巡る駆け引き

マイノグーラはサザーランドが保有する別大陸由来の独自技術の提供を求め、その対価として自国の土地改善魔術の技術供与を提案した。ドバンは交渉の本質を理解しつつ、商人としての駆け引きを交えながら応じたが、内心では破滅の王の圧に警戒心を強めていた。一方、モルタール老は、時間的制約と交渉の停滞に焦りを募らせ、交渉の温度を一段階引き上げた。

同盟への同意と《イラ教》の浸透

フォーンカヴンの立ち合いの下、サザーランド側は同盟に概ね同意の意向を示した。背景には、マイノグーラを神聖視する《イラ教》の信仰がサザーランド内部に浸透し、住民の意識に変化が生じていた事実があった。結果として、上層部である船団長たちもマイノグーラとの協調を現実的な選択肢と捉えるに至っていた。

格付けを求めるドワーフの誇り

同盟締結が目前に迫る中、ドバンは突如「格付け」の実施を求めた。これは、マイノグーラが暗黒大陸連合の盟主となるに相応しいかどうかを、実戦形式で判断するという申し出であった。ドワーフとしての誇りと伝統が背景にあるこの要求に対し、タクトは静かに同意を示した。こうして、両国間の正式な同盟締結の前に、一つの実力試験が課されることとなった。

第四話    落胆

格付けを望むドワーフたちの申し出

サザーランド側の総船団長ドバンは、同盟の正式締結に先立ち「格付け」と称した模擬戦を提案した。マイノグーラの強大さを承知のうえで、自国の面子と誇りをかけた戦力を見せたいとの意向であった。イラ=タクトはその申し出を受け入れ、模擬戦を余興として楽しむ余裕を見せた。形式上は《大儀式》による制約の回避策でもあり、休息を兼ねた交流として容認された。

サザーランドの切り札・ドラゴンの登場

サザーランドが自信をもって送り出したのは、赤褐色の鱗と鋭い爪を持つ中位のドラゴンであった。ドワーフたちが誇りをかけて鍛えた鎧を身に着けたその存在は、モルタール老をも驚かせるに足るもので、拓斗やアトゥも初見の迫力に一時的な驚きを覚えた。だが、その評価は冷静な観察によって徐々に変化していった。

ドラゴンの本質と問題点の発覚

当初は畏怖すべき存在として現れたドラゴンであったが、よく見ると肥満体であり、威厳や気迫に欠けていた。その不自然な体型と緩慢な動作から、過剰な餌や酒の与えすぎが明らかとなり、ドワーフたち自身もその健康状態に疑問を抱き始めた。マイノグーラ側は、戦力としての有効性が乏しく、数の揃わないドラゴンは軍事的に中途半端であるとの見解を内心で共有した。

模擬戦の展開と《出来損ない》の登場

模擬戦の相手としてマイノグーラが送り出したのは、犬や虫、鳥などが融合したような異形の魔物《出来損ない》であった。その不気味で強大な威圧感により、ドラゴンは即座に腹を見せて降伏の意志を示し、勝負は開始前に決着がついた。ドワーフたちは敗北を察しつつも、その情けない結果に呆然とした空気に包まれた。

格差の露呈とマイノグーラの対応

アトゥはドワーフたちの態度に不快感を募らせたが、拓斗が冷静に対処し、暴走を防いだ。模擬戦によって力を示すという目的は果たされたものの、その差はあまりにも圧倒的であり、形式的な試合すら成立しなかった。《出来損ない》は自らの出番が消滅したことに困惑し、悲しげな鳴き声とともに姿を消した。

今後の関係と外交方針の示唆

モルタール老はサザーランドの実力と限界を見極めるとともに、今後の関係構築に配慮する姿勢を見せた。マイノグーラの外交方針は表面上の友好関係を保ちつつ、主導権と支配力を確実に確保するというものであり、敵対さえしなければ共存は可能との考えであった。ドラゴンの弱点が象徴するように、力の本質を見誤ったサザーランドは、模擬戦を通じてその現実を思い知る結果となった。

第五話    伝承

サザーランド交渉後の休息と今後の外交戦略

サザーランドとの交渉を終えたマイノグーラ一行は大呪界へ帰還し、達成感に満ちた休息の時間を得た。拓斗はアトゥと共に執務室でくつろぎながら、残る都市国家への対応について話し合った。フォーンカヴンおよびサザーランドがそれぞれ都市国家との交渉に動いているとの報告を受け、拓斗は今のところマイノグーラが直接関与する必要はないとの見解を示した。対象となる都市国家は、獣人系技術国家アイアンヘンジと、犯罪国家グラムフィルの二国であり、いずれも小規模で野心も薄いと判断された。よってマイノグーラは現状において静観の姿勢を取ることを決定し、他の作戦に注力する意向を固めた。

アトゥ強化計画と戦力増強の必要性

拓斗はアトゥを呼び出し、次の作戦として彼女の強化を進める意志を表明した。アトゥの強化手段には時間経過による自然成長やマナとの親和性を活用した強化があるが、現状ではいずれも実現困難であった。特に龍脈穴によるマナ供給は大地のマナで固定されており、他の属性に切り替える余地がなかった。そのため、実質的には敵を倒して能力を奪うことが唯一の有効な手段であり、拓斗は伝承に登場する存在を討伐するという新たな計画を示した。

伝承存在の調査と《自動拷問機械》との遭遇

サザーランドから提供された禁書の中に、伝承に残る存在の記述が確認され、その一つとして《自動拷問機械》の情報が浮上した。拓斗はアトゥ、ヴィットーリオ、エルフール姉妹などマイノグーラの精鋭を率い、暗黒大陸南部の毒の沼地へと向かった。現地は生命の存在すら困難な過酷な環境であったが、彼らは現地でスライムなどの魔物も確認しながら、目的地である封印地点へ到達した。

討伐作戦の実行と成果

封印地点に現れた《自動拷問機械》は、動力不明の自立兵器であり、中期英雄クラスの戦闘能力を有していた。しかし、マイノグーラ側の戦力が圧倒的であったため、戦闘は極めて短時間で終了し、損害もなく完全勝利を収めた。エルフール姉妹やアトゥはその強さを示し、ヴィットーリオは軽口を叩きながらも戦闘を観察した。戦闘終了後、アトゥは《無機物》《出血攻撃》《精神無効》などの強力な能力を獲得し、さらにスライムから《猛毒》《毒無効》も入手したことが判明した。

世界の謎と今後への示唆

討伐が成功した一方で、拓斗とヴィットーリオは《自動拷問機械》の存在意義について考察を始めた。この世界には過去に何らかの強大な勢力が存在していた可能性が示唆されるが、詳細は不明であり、確たる情報も乏しい。ヴィットーリオはその背景に対して危機感を示し、拓斗もまた断言を避けながらも、その背後に何らかの脅威があることを意識した。

帰還と今後の展望

口論を始めたアトゥとヴィットーリオは拓斗と《出来損ない》により強制的に拘束され、大呪界へと帰還することとなった。討伐によってアトゥの強化は進み、伝承の存在から得られる経験値と能力の価値が改めて認識された。拓斗は他の伝承存在の討伐も視野に入れ、次なる作戦へと意欲を見せていた。

第六話    奇策

疲弊した旅路と繰腹慶次の限界

犯罪国家グラムフィルと技術国家アイアンヘンジを結ぶ未整備の道を、繰腹慶次は疲労困憊の状態で歩いていた。かつてゲームマスターと呼ばれた彼は、イラ=タクトとの戦いに敗れ、《ダイスの神》のペナルティによって今の姿となり、自らの足で聖女との合流を目指していた。道中で出会った謎の少女ザンガイと行動を共にしていたが、繰腹の体力は限界に達し、その場に倒れ込んだ。

ザンガイの正体と外見変更

繰腹はザンガイを失われた仲間エラキノと重ねて見てしまい、たびたびその名を口にしていたが、ザンガイはそれを嫌悪していた。繰腹の無意識の態度に対して不快感を露わにした彼女は、《美容》の技能を用い、外見を深紅から深青へと変化させ、自身が別存在であることを示した。この変化は繰腹の誤認を和らげたが、同時に彼にザンガイへの疑念を深めさせる結果ともなった。

繰腹の疑念とザンガイの示唆

繰腹はザンガイが自分の能力に詳しすぎることに疑問を抱き、彼女の正体について調査しようと試みる。しかし《調査》判定は強制中断され、好感度不足とのシステムメッセージが表示された。直後、ザンガイは一方的に繰腹に口づけを与え、挑発的に好感度を上げるよう要求した。ザンガイの行動は挑発的で一貫しており、彼女がこの遊戯の支配者のような振る舞いを見せる場面が増えていった。

成功するまで繰り返す意思とその結果

繰腹は再び聖女との再会を目的として調査を試みるが、複数回失敗を重ねる。しかしザンガイの言葉に励まされ、成功するまで振る意志を固めた結果、ついに《調査》判定でクリティカルを引き当て、聖女ソアリーナの所在を特定することに成功した。この過程において繰腹は、敗北と挫折から一歩踏み出し、自らの意思で勝利を引き寄せる姿勢を示した。

ザンガイとの関係性と再出発

ザンガイは繰腹の成長を促す存在であると同時に、明確な意図と目的を隠し持つ存在であった。繰腹は彼女の挑発に揺さぶられつつも、彼女の真意に気づけないまま、再び仲間を集める決意を新たにする。再結集に向けた第一歩として、聖女たちを「口説き落とす」方針がザンガイから提案されるが、繰腹にはその真意が理解できずにいた。

終わりなき盤上遊戯と新たな局面

繰腹は依然として自身の置かれた状況やザンガイの正体に対して明確な答えを得られぬままであったが、再起のための意思と行動力を取り戻していた。ザンガイの誘導のもと、彼の旅は新たな局面を迎えつつあった。全てが仕組まれたゲームの一部であると自覚しながらも、繰腹は自身の意思で未来を切り拓こうとしていた。

第七話    フェンネ゠カームエール

聖女フェンネとソアリーナの静かな日常

技術国家アイアンヘンジの一軒家に、かつて聖女と呼ばれたソアリーナとフェンネが身を寄せ合い、慎ましい日々を送っていた。フェンネは破滅の王との戦いで重傷を負いながらも不思議な快復を遂げていたが、日常生活にはなお制約が残っていた。ソアリーナは彼女を気遣いつつも、フェンネの頑なさや過去の苦悩に寄り添っていた。

フェンネの語る苦難の人生

フェンネは自らの過去を語り始めた。東方州の娯楽が盛んな街に生まれ、絶世の美女と謳われた踊り子として多くの人々を魅了してきた。だがその美貌は欲望と悪意を引き寄せ、家族すらも彼女を利用し破滅に至らせた。それでも彼女は神を信じ、日々祈りを捧げ続けた。

神との邂逅と祝福の代償

ある晩、神聖アーロスがフェンネの祈りに応じ、彼女に《人の心を読む力》を授けた。同時にその代償として美貌が奪われ、周囲の人々の愛情が虚飾であったことが露呈する。人々の心の醜さに絶望しながらも、フェンネは誰をも恨むことなく、聖女としての使命を受け入れた。

新たな聖女としての誕生と“顔伏せ”の由来

聖都に招かれ、神の奇跡の証として讃えられたフェンネは、《顔伏せの聖女》として再出発を果たした。老いさらばえた容姿を隠すためではなく、絶望の中で前を向くことをやめた彼女の姿勢がその名の由来となった。

フェンネの願いとGMとの取引

フェンネはGMと契約し、若さや普通の人生を取り戻すという希望に縋った。ソアリーナはその願いの背景をようやく理解し、自らもかつて信じた理想と向き合うこととなる。だがGMは敗北し、すべてが無に帰した。フェンネは最後の希望であった彼の裏切りに失望しつつも、彼を完全に恨むことはできなかった。

終わりを迎える物語と差し込む光

二人はもはや自らの物語が終焉したことを悟っていた。世界がどう変わろうとも、自分たちは舞台を降り、静かな余生を過ごすしかない。その時、突如玄関のドアが大音量で叩かれ、二人の名前を呼ぶ声が響く。正体不明の訪問者が現れ、物語が再び動き出す兆しが感じられる中、第七話は幕を閉じた。

閑話    常に貴女を想う

セルドーチにおける平穏と三人体制の行政運営

サザーランドとの同盟が成立した頃、マイノグーラの第三都市セルドーチは比較的平穏を保っていた。かつてレネア神光国に属していたこの都市では、クレーエ=イムレイスが全体監督を務め、エルフール姉妹が彼女の指導のもとで自治を行っていた。都市運営において三人体制とイラ教徒の文官たちが協力し、安定した成果を挙げていた。大呪界に比べ空気も軽く、旧体制からの緩やかな移行が功を奏していた。

クレーエたちの焦燥と隠された命令

都市運営とは別に、彼女たちには王から命じられた軍備の強化という任務が課されていた。これは《イラの騎士》の再調練を含み、自身の能力向上も求められていた。クレーエは《日記の聖女リトレイン》の奪還を個人的な目的としており、大戦争の勃発時に彼女と対峙する可能性を強く意識していた。その焦りは他の二人にも共有されており、報告のしづらさや成果の乏しさが心理的重荷となっていた。

聖女リトレインに関する調査の行き詰まり

クレーエはリトレインに関する情報を求め、旧領内の資料を徹底的に調査した。かつての教会や有力者の書斎を捜索したが、成果はほとんど得られなかった。記憶を消し続けるリトレインの奇跡は彼女に悪影響を及ぼしているとクレーエは懸念しており、何らかの対処が急務であるとの認識を深めていた。

聖女リトレインの収監と異常な状態

一方、聖王国クオリアの第四区地下牢に収監された聖女リトレイン=ネリム=クォーツは、目隠しをつけて静かに座っていた。周囲とは異なり彼女の空間のみが清浄に保たれ、囚人としての兆候は一切見られなかった。記憶の消失と再生を繰り返す彼女は、自己の存在を保つために「本」を求め続け、虚空に向けて語りかける異常な言動を繰り返していた。

枢機卿と司祭の恐怖と葛藤

リトレインの様子を確認しに来た枢機卿と司祭は、その光景に戦慄した。彼女の記憶がすでに失われているにも関わらず、突如として相手の存在を感知し話しかけるその異常性は、神の奇跡による恩寵であると同時に、常軌を逸した呪いにも等しかった。枢機卿は彼女の発狂により恐怖を覚え、すぐにその場を離れた。

クオリアの現状と神への祈り

リトレインは生存に必要な行動すら不要なまま神の奇跡により存在を保っていた。クオリアは既に栄光を失い、三法王や依代の聖女までもが堕落しつつある中、リトレインはなおも戦力として確保されていた。枢機卿は神の祝福のあり方に疑念を抱きながら、深い疲労とともに牢獄を後にした。彼の祈りが天に届くかどうかは、誰にもわからなかった。

第八話    奮起

来訪者の登場と再会の混乱

ソアリーナとフェンネは、突如現れた来訪者への対応をためらいながらも、最終的にソアリーナが扉を開ける決断を下した。そこに立っていたのは、年若い少年でありながら、かつてのゲームマスターである繰腹慶次を名乗る人物であった。彼の名乗りに戸惑う二人に対し、さらにエラキノに酷似した少女ザンガイが現れ、場は一層混乱を極めた。

ザンガイの正体と《理解》による状況の把握

ザンガイは自身がエラキノではないと宣言し、特殊な力によってソアリーナとフェンネに情報を刷り込む《理解》を発動した。これにより二人は目の前の存在がエラキノではなく、彼女の抜け殻に過ぎないことを認識するが、その事実が新たな疑問を呼び起こした。

フェンネの読心とザンガイへの警戒

フェンネは読心の能力により、繰腹が本物の元ゲームマスターであることを確認したが、ザンガイには能力が通用せず、強大な力によって読心が封じられていることを察知した。警戒心を強めたフェンネは、ザンガイを強い警戒対象と認識するに至った。

繰腹の謝罪と真摯な決意の表明

一方、繰腹は土下座によって謝罪の意を示し、過去の失敗と自身の無力さを認めた上で、エラキノの喪失を悔い、自らの責任を痛感していた。繰腹は自分一人では限界があり、ソアリーナやフェンネといった仲間の支えが必要であると訴えた。

二人の聖女との対話と再結集の兆し

フェンネは繰腹の言葉に懐疑的でありながらも、彼の真意を読心によって確認した結果、その覚悟が本物であると理解した。一方のソアリーナは、繰腹の言葉に心動かされ、再び信じてみたいと願った。最終的にフェンネも渋々ながら協力を承諾し、三人の再結集が果たされた。

新たな始まりと決意の共有

繰腹は、もはやゲームマスターではなく、ただの人間・繰腹慶次として再出発する覚悟を語った。その情熱にソアリーナも応え、フェンネは呆れつつも同行を決意する。三人は新たな覚悟を胸に再び手を取り合い、イラ゠タクトに挑むための戦いに向けて歩み始めた。

余談と騒がしい幕引き

再結集直後、繰腹の騒々しさにより近所のパン屋から苦情が寄せられた。さらに彼は能力の運用や対イラ゠タクト戦略についても数々のダメ出しを受けることとなったが、それでも物語は彼らの再始動によって新たな展開へと進んでいった。

閑話    崇め奉られる者

現状分析と戦略の再構築

拓斗はマイノグーラの現状を分析し、同盟国サザーランドの受け入れに成功したことで、暗黒大陸の統一がほぼ完了したことを確認した。次なる課題として、正統大陸連盟に対抗するための軍備増強に注力する必要があると判断した。マイノグーラの特殊能力によって物資調達は可能であるが、各国で足並みを揃える調整が不可欠であり、限られた期間での体制構築には難しさが伴っていた。

配下戦力の評価と決戦兵器の重要性

マイノグーラの主力である《首狩り蟲》《破滅の精霊》《出来損ない》はそれぞれに強力であるが、プレイヤー戦争においては英雄やプレイヤーなどの超戦力が決定的な意味を持つと拓斗は認識していた。繰腹慶次を警戒しつつも、彼を味方に引き入れる可能性を模索しながら、最終的には《イラ゠タクト》の強化という極秘の施策を選択した。

ヴィットーリオとのやり取りと《イラ神の権能》

拓斗の足元で《幸福なる舌禍ヴィットーリオ》が登場し、軽口を交わす中で拓斗は模倣能力《名も無き邪神》を用い、《イラ教》の信仰によって力を得る《イラ神の権能》の実証に取り掛かった。この能力は信者の信仰をもとに神格を得る仕組みであり、信仰が力に直結するものである。ただし、信仰に含まれる人格像が拓斗に影響を及ぼすという重大な副作用があり、過去には意識喪失の事態も引き起こされていた。

経典修正の試みと想定外のリスク

拓斗は《イラ教》の経典を改訂し、望まぬ人格汚染を防ぐために信者たちとの対話や教化を重ねてきたが、経典に記された「最も信頼される配下がヴィットーリオであり、将来的に結婚する」という記述だけは修正不能であった。この設定が力として反映される以上、拓斗は意図せぬ未来を避けるため日々頭を抱えていた。

戦略的優位性と精神的リスクの狭間

《イラ神の権能》は信者が増えるほど強大になり、英雄の成長すら凌駕する可能性を持っていたが、それに伴う精神汚染のリスクは拭い切れなかった。人格の崩壊を避けるため、拓斗は《イラ゠タクト》という人格像の調律を行い、自身の存在を人間・伊良拓斗として保つ努力を続けていた。

警戒すべき脅威としての繰腹慶次

拓斗は《イラ神の権能》の扱いに慎重を期しながらも、最大の脅威を繰腹慶次と定めていた。過去の戦いでは彼の油断を突いて勝利したが、今の繰腹には慢心が見られず、力を理解したうえで臆病さを兼ね備える者としての危険性を強く認識していた。全陣営会談での印象は弱々しかったものの、油断は禁物であると判断し、再接触の機会に備えて思案を巡らせていた。

再会への布石と決意

繰腹慶次との関係は一度決裂したが、次の接触では状況が異なる可能性を拓斗は考慮していた。彼に対する警戒と期待が複雑に入り混じる中、拓斗は今後訪れるであろう再会に備え、自身の内外の準備を整えつつあった。

第九話    挑戦

暗黒大陸の統一と都市国家の降伏

マイノグーラの王・拓斗は、暗黒大陸における国家連合の形成が完了したことに安堵していた。フォーンカヴンおよび都市国家群は、既にマイノグーラとの関係が深く、同盟成立は形式的な手続きにすぎなかった。サザーランドとの合意も含め、事実上、暗黒大陸の統一が成ったと言える状況であった。中でもグラムフィルの都市長は、恐怖から自発的に服従を示し、国力や立場からして抵抗の余地はなかった。拓斗は、これらの国家が交渉や反抗に及ばなかったことを好機と捉え、現地への配下駐留により一定の監視を図る方針を固めていた。

繰腹慶次の捜索と真の目的

都市国家統合の裏には、繰腹慶次の所在確認という別の目的があった。サザーランドおよびフォーンカヴンに姿がなかった以上、他の都市国家に潜伏していると見た拓斗は、探索能力の高い配下を用いて捜索を進めることを決意した。繰腹慶次は、来たる戦争における重要戦力と見なされており、彼の確保が急務と認識されていた。

宮殿への襲撃と矢文の出現

その最中、拓斗の執務室に突如として矢が撃ち込まれ、宮殿全体が厳戒態勢に移行した。矢の出所は常識的にあり得ない地点と推定され、《看破》能力を有する護衛の目もすり抜けたことから、相当な実力者の仕業と推測された。矢には古風な果たし状が結び付けられており、周囲は動揺を隠せなかった。

果たし状の解読と繰腹慶次の挑戦

果たし状の解読は難航したものの、最終的にアトゥとの協力によって繰腹慶次からの挑戦状であることが判明した。内容は、アイアンヘンジ近郊の荒野にて、互いの格付けを目的とする一騎打ちを求めるものであった。筆跡や文体からは、彼の覚悟と心情がにじみ出ており、過去とは異なる決意が読み取れた。

決戦への意欲と王としての矜持

拓斗は、かつて一度倒した繰腹慶次が再び挑戦してきたことを歓迎と捉えた。決着は既に着いているとはいえ、敗北を経てなお立ち上がる者の成長は計り知れず、拓斗自身も過去の敗北を糧に高みに至った経緯があった。そのため、繰腹の変化に興味を抱き、彼との再戦を「楽しみ」と評した。

《大儀式》の制約と作戦の見直し

一方で、《大儀式》の予定により、直ちに決戦に臨むことはできなかった。拓斗はこれを考慮しつつも、繰腹の力を戦力として取り込む可能性を模索し、無視できない存在として再評価を下した。彼がGM権限を失っているとはいえ、再起を果たした今、警戒を緩めるべきではないと判断した。

拓斗の結論と決戦への構え

最終的に拓斗は、繰腹慶次を再び敵として認め、彼の挑戦に応じる決意を固めた。果たし状という古風な手段に対し、王として真正面から応じるのが自らの矜持であるとし、戦いに備える姿勢を見せた。たとえ現時点で即応できなくとも、彼にとってこの挑戦は回避すべき事態ではなく、むしろ己の誇りと力を試す格好の機会と捉えていた。

第十話    困惑

荒野での対峙と再会

拓斗は、荒野にて果たし状を送ってきた繰腹慶次と対峙した。潜伏する相手の存在を《出来損ない》の能力で看破しつつも、拓斗はまず相手の出方を窺った。やがて空間が歪み、繰腹と二人の聖女ソアリーナおよびフェンネ、そして謎の少女ザンガイが姿を現した。繰腹は緊張に震えながらも挑戦の意志を示し、拓斗はその覚悟を受け止めた。

ザンガイの登場と不穏な違和感

ザンガイは、外見こそエラキノに似るものの、別個の存在であると判断された。彼女の態度や物腰は従来のキャラクターとは異なり、得体の知れぬ不穏さを帯びていた。拓斗は彼女の存在を警戒し、テーブルトークRPG陣営の脅威として認識した。

対話による説得と同盟提案

《大儀式》の影響により戦闘行動が封じられている中、拓斗は繰腹に対話による同盟を提案した。正統大陸連盟との対決に備え、テーブルトークRPG陣営の力を味方につけるべく、エラキノの復活支援を条件に勧誘を試みた。繰腹は動揺しつつも、かつての誇りを取り戻すべく拓斗との決着を望んでいることを示した。

《大儀式》の制約と戦闘の不可能性

拓斗は、現在発動中の《大儀式》により、敵対行動や精神干渉が不可能であることを説明した。フェンネの《読心》が無効であることもその影響であり、決闘すら成立しない状況に相手側は困惑を示した。拓斗はこの機を利用し、再び同盟を促したが、ザンガイの介入により状況は急変する。

システムの例外処理と戦闘許可

突如として《大儀式》の制限が一時的に解除され、両陣営間の戦闘が可能となった。これはザンガイの操作によるものであり、ゲームシステムそのものに介入する異常事態であった。拓斗とその配下は即座に警戒態勢に入り、事態の拡大を防ぐべくアトゥの出撃を制止した。

決闘の条件とザンガイへの警戒

拓斗は決闘の条件としてザンガイの盤上からの退場を要求した。これに対し繰腹は仲間であるザンガイを擁護し、拒否の意思を示した。拓斗は仲間の行動に責任を持つべきと主張し、ザンガイの存在を脅威と見なして強く警戒した。

戦闘の決意と感情の高ぶり

最終的に繰腹は、ザンガイが何者であれ仲間であるという理由で退場を拒否し、戦いを決意した。拓斗は交渉が破綻したことを悟り、交渉から戦闘への意識の切り替えを行った。ザンガイの挑発的な発言に反応しつつも、冷静に決闘の構えを整えた。

闇の覚醒と戦いの始まり

拓斗は自らの認識を《イラ神》へとずらし、漆黒の力をまとって戦闘体勢に移行した。恐怖を押し殺した繰腹は視線を逸らさず、力強く戦いの始まりを宣言した。ここに、感情と意志が交錯する決戦が始まった。

第十一話    意地

戦いの火蓋と初動

《破滅の王》イラ゠タクトと、テーブルトークRPG陣営の繰腹慶次による一騎打ちは、繰腹の指のスナップにより幕を開けた。彼はルールを逸脱しない範囲でサイコロの結果を秘匿し、有利な状況を構築しようとしていた。一方、拓斗は《レガリアの宝剣》と《イラ神の権能》を用い、全力で応じた。高速で接近し一閃を放つも、繰腹は予測しており、《反射》によって逆に拓斗自身が右腕を失う重傷を負った。

双方の驚異的能力と反撃

繰腹が勝利を確信した直後、逆に彼自身が強烈な蹴りを受け地面に倒れる。観戦者全員が拓斗の再生能力に驚愕した。右腕の完全な復元、衣服の原状復帰などから、その力が単なる回復を超えた「巻き戻し」に近いことが示唆された。一方の繰腹も、致命傷を避けられたのは予め大量の《防御》と《戦力分析》を施していたからであり、両者とも異常な戦闘能力を有していた。

繰り返される攻防と攻撃の応酬

雷撃、氷結、鉄杭など多様な攻撃が交差する中、両者は規格外の手段を次々と繰り出した。繰腹は《攪乱》と《必中》による鉄杭を放ち、拓斗は爆破や氷の城壁でそれを防御する。攻撃と防御の極致の応酬が続き、ついには《反射》と《必中》によって拓斗へと攻撃が跳ね返されるが、《無効化》によりすべてを無効とした。

急展開と戦闘の終結

双方が能力の極限をぶつけ合う中、繰腹が急に膝を突き、戦闘不能に陥った。原因は能力の使いすぎによる「疲労の蓄積」であった。これにより、彼の重ねがけ判定による無敵戦法にも致命的な弱点があることが判明する。拓斗はこの戦闘に終止符を打ち、「引き分け」として収めた。アトゥやソアリーナら周囲も困惑しつつ、拓斗の決断を受け入れた。

敗北ではなく達成感

繰腹は自身の成長を実感し、引き分けという結果に大いに満足する。戦いを通じて過去への決別と新たな決意を胸に刻み、仲間たちの前で誇らしげに宣言した。フェンネやソアリーナらの反応は様々だったが、繰腹の前向きな姿勢は全員に一定の感動を与えていた。

結末と今後の布陣

しかし拓斗はすぐに現実へと引き戻し、正統大陸連盟への対抗という目的のため、繰腹を正式な協力者として迎え入れた。繰腹自身はその現実を把握しておらず、場の空気に取り残されるが、彼の気質は周囲を和ませる効果もあった。拓斗はそんな彼に若干の不安を抱きつつも、新たな反撃の布陣を完成させたことに満足していた。両者の協力により、次なる展開への布石が打たれたのである。

第十二話    宝船

サザーランドからの贈答の申し出と拓斗の対応

暗黒大陸側の連合が本格的に動き出した時期、海洋国家サザーランドから新たな貢ぎ物を直接受け取ってほしいとの申し出があった。盟主としての格を考慮すると、国家元首たる拓斗が直接赴くのは不適切とも思われたが、彼は《出来損ない》を影武者として用いることでこれを受け入れる決断を下した。個人的な興味もあり、今回の贈り物には何か運命的なものを感じ取っていた。

会談の開始とトヌカポリの警戒

影武者として会談に臨んだ拓斗は、サザーランドのドバン総船団長から屋上の特等席に案内される。フォーンカヴンからは緩衝材としてトヌカポリがオブザーバーとして同行しており、警備や間者への警戒を怠らなかったが、拓斗はあえてサザーランドのもてなしを受け入れる方針を選んだ。両者は交渉における老練さを持ち合わせており、和やかに会談が始まった。

農業支援と木材輸出による信頼の構築

マイノグーラはサザーランドに対して農地改革や木材の輸出など実利的な支援を行っていた。特に龍脈穴による土地改良や魔術ユニット《破滅の精霊》の派遣は、サザーランドの農業振興に貢献した。また木材の供給も、造船を支える同国にとって大きな助けとなっていた。これらの支援は、当初の恐怖に基づく同盟から信頼への転換を促していた。

贈答をめぐるドバンの苦悩と誇り

会談の本題に入る段階で、ドバンは明らかに思い悩む様子を見せた。ヴィットーリオの介入やトヌカポリの促しを経て、彼は過去の失敗と自身の覚悟不足を語り始めた。特に《鎧のドラゴン》が戦力にならなかったことへの後悔が強く、ドワーフとしての誇りを取り戻すため、今回の贈り物には並々ならぬ覚悟が込められていた。

メルーリアン号の登場とその衝撃

合図と共に海上に現れたのは、白く輝く巨大なガレオン船《宝船メルーリアン号》であった。その異様なまでの美しさと存在感は、マイノグーラの面々を圧倒した。高位の《偽装》能力によりこれまで隠されていたその船は、ドワーフたちの魂とも呼べる至宝であり、レガリアに匹敵する存在であった。

船の譲渡とドワーフたちの決意

ドバンはこの船をマイノグーラに譲渡することを表明し、それに続くドワーフの沈黙がその決意の重さを物語っていた。拓斗はこれに対して真摯に応え、船に見合うだけの価値を返すと誓約した。感極まったドワーフたちは涙を流し、別れ酒と共に盛大な宴を始める。マイノグーラ側は巻き込まれないよう距離を保ちつつ、その様子を見守った。

レガリアの増加と戦略的可能性

新たなレガリアの入手により、マイノグーラは今後の作戦において大きな選択肢を得た。船の性能は高く、積載力や速力も申し分なかった。拓斗とヴィットーリオは、この船を用いた新たな戦略の可能性について協議を始めるが、必要となる技術やコスト、時間的制約から実現は容易ではないと判断していた。

秘密裏の計画と新たな英雄の登場

モルタール老が理由を掴みかねる中、拓斗は悪戯めいた笑みと共に「新しい英雄を使って悪いことをする」と語り、計画の一端を仄めかした。これを聞いたモルタール老の中に警戒心が芽生え、また一つ大きな動きが始まろうとしていることを予感させた。そして、新たに《虹色に輝ける宇宙キノコ》という英雄の生産可能通知が表示されたことで、物語は次なる段階へと進み始めた。

第十三話    締結

大戦争を前にした連合会議の開催

大戦争の開始を一ヶ月後に控え、フォーンカヴンの首都クレセントムーンにおいて、各陣営の指導者が一堂に会する会議が開催された。出席者は、マイノグーラの王・伊良拓斗、テーブルトークRPG陣営のプレイヤー・繰腹慶次、勇者・神宮寺優、サザーランドの総船団長・ドバン、フォーンカヴンの杖持ち・ペペであり、それぞれが暗黒大陸の実力者として知られる人物であった。会議には彼らの配下も同席し、議場の背後席にて静かに見守っていた。

連合名称を巡る議論と《レガリア条約機構》の命名

会議の冒頭で議題となったのは、連合の名称決定であった。当初は「暗黒大陸連合」との案が出されたが、他陣営と似た印象を避けたいという意見があり、より独自性と象徴性のある名称が模索された。拓斗は繰腹慶次に名称案を求め、彼が発動した能力《アイデア》により導き出された言葉から、「レガリア条約機構」という案が誕生した。レガリアとは各陣営がマイノグーラに提供した宝物を指し、その象徴性と語感の良さからこの名称が正式に採用された。

名称に込められた意義と各陣営の反応

「レガリア条約機構」は、各陣営の協力関係を象徴する旗印として受け入れられた。名称の決定には合理性以上に感情や誇りが求められており、プレイヤー勢を含む全員がこの象徴的な命名を通じて一体感を共有した。拓斗はこの名称に、神や奇跡が存在するこの世界において名前の持つ力を期待した。また、名称決定の場における軽妙なやり取りや冗談交じりの会話が、各陣営の関係性の距離感を浮き彫りにしつつも、逆に連携の可能性を示す結果となった。

各陣営の戦力開示と驚愕の奥の手

連合名の決定後、拓斗の提案により各陣営がこの一年で準備してきた戦力や秘策の共有に移った。プレイヤー勢を中心とした戦力の開示内容は、想像を超える規模と内容であり、参加者の誰もがその異常さに驚愕した。これにより、連合内においても三すくみの牽制状態が形成され、また中立国家群に対しては容易な裏切りを封じる抑止力として機能した。特にメルーリアン号を用いた戦略は、ドバンにとって複雑な心情を呼び起こすものとなったが、彼はその使用を全面的に了承した。

魔力強化への協力と資金提供

戦略の実行に必要な魔力を得るため、拓斗は金銭的資源の提供を求め、勇者・優がそれに応じた。優は100億ゴールドという膨大な資産を保有しており、その申し出により拓斗は戦力補強やメルーリアン号の強化の可能性を得た。このやり取りを通じて、プレイヤー勢力間の協力体制の強さと、資源面における圧倒的な差が明確となった。

緩やかな関係性と戦略的準備の進行

中立国家の代表者たちは詳細な戦力内容への深入りを避けつつも協力の意志を示し、会議は和やかな空気の中で進行した。あくまで各自がやるべきことを果たすという暗黙の了解のもと、拓斗は会議の締め括りとして戦力報告の開始を宣言し、次なる段階へと会議を進めた。まだ議題は多く、暗黒大陸における決戦のための準備は終わりを見せていなかった。

第十四話    寂静

戦争前夜の準備と配置確認

第三都市セルドーチ南方の平原において、マイノグーラの指導者イラ゠タクトは、大戦争の初戦に臨むべく最終準備を整えていた。配下であるダークエルフ戦士長ギアや魔術師モルタール老を始めとする精鋭部隊は、銃器による武装を済ませ、万全の態勢で戦線に配置されていた。さらには、舌禍の英雄ヴィットーリオも現れ、他戦線への自由行動を宣言しながら戦への高揚感を露わにした。クレーエやエルフール姉妹らもそれぞれの持ち場につき、クオリア方面で《イラの騎士》を指揮する役目を担っていた。

配下との確認と未来への構想

タクトはモルタール老らと戦力の再確認を行いながら、自らの全陣営の布陣を脳内で整理した。各戦線の最適な人員配置がなされたものの、敵陣営の詳細が掴めていないことには一抹の不安が残っていた。特にサキュバス陣営のプレイヤーやハックアンドスラッシュ陣営の正体、正統大陸側の聖女の動きなどが懸念材料となっていた。また、盟友である優や繰腹も別戦線に展開しており、それぞれが独自の役割を担っていた。

自身の運命と内面の独白

アトゥとの短い会話を通じて、タクトはこの世界における自らの運命と立場に想いを馳せた。平穏を望んでいたはずの生活は、突如として戦争の渦中に投げ込まれた。しかし、数多の戦いを経た今、タクトは己の成長を実感しており、もはやかつてのような甘えは存在しなかった。神々によって仕組まれた運命の理不尽さに対しても、彼は決して屈せず、あくまで国と国民のために戦う意思を固めていた。

戦争開始の号令と破滅の軍勢

最終確認を終えたタクトは、戦端を開く決断を下す。手を掲げて合図を送り、照明弾が発せられると、各部隊は整然と行動を開始した。タクトはアトゥと共に後方の要地へと移動し、ついに破滅の軍勢を起動させる。彼の意思を完全に反映する軍勢は、生き物のようにうごめき、全てを焼き尽くす力を秘めていた。戦いの始まりと共に、タクトは笑みを浮かべる。それはかつて彼がゲーム内で見せていた残虐な表情と同じであり、イラ゠タクトとしての本質を表すものでもあった。こうして、破滅の文明による侵攻が始まったのである。

第十五話    全陣営聖魔大戦

サキュバス陣営の戦時体制と緊張感

正統大陸連盟に属するサキュバス陣営は、マイノグーラとの戦争に備え、かつての防衛拠点エトロクワルを凌駕する規模の砦を築き上げていた。女王ヴァギアは、防衛線から望む暗黒のヴェールに包まれたマイノグーラの地を前にして焦燥を隠せずにいた。タクトが放った大規模結界により、相手領域への干渉は不可能となっており、正統大陸側の努力も実を結ばぬまま膠着が続いていた。

配下による楽観的評価と武装の充実

ヴァギアに仕えるノーブルサキュバスであるフリージアとゴリアテは、H氏から供給された強力な武具や魔法カード《七神王》によって十分な戦力が整っていることを主張し、状況を楽観視していた。彼女たちはアトゥやエラキノに匹敵する戦力を誇り、ヴァギアもまた配下の判断が冷静な分析に基づくものと認めつつも、一年という準備期間が敵に与えた影響を懸念していた。

戦争の開始と予想外の戦術

戦端は突如として開かれた。マイノグーラが投入した最初の戦力は、変質した巨大なガレオン船《メルーリアン号》であり、それは狂気に満ちた英雄を取り込んだ存在であった。船は陸上を進行しながら防衛砦へ突撃し、サキュバスたちの予想を超える火力と破壊力で砦を蹂躙した。防衛部隊による反撃も通じず、砦は瞬く間に崩壊した。

同時多発的な襲撃とマナソースの制圧

開戦と同時に、複数の戦線でプレイヤーや聖女、魔女による襲撃が発生し、聖王国クオリアは混乱に陥った。さらに、魔法カードの源泉であるマナソースが制圧され、カードの使用が不可能となる事態に至った。この情報の漏洩経路が不明であったことも、サキュバス陣営に動揺を与えた。

戦局の崩壊と再戦の始まり

砦の崩壊後、ヴァギアは自ら戦場に降り立ち、タクトとの再戦に臨んだ。彼女はH氏から与えられたレジェンダリークラスの武器を構え、全陣営の命運を賭けた一騎打ちの幕を開けた。タクトはその気迫に応じて嗤い、両者は戦場の中心で対峙した。こうして、二大勢力の激突が本格的に始まったのである。

挿話    彼らなりのサプライズ

セルドーチ視察と内政への情熱

タクトは戦争準備が進むなかでも内政に対する情熱を失っておらず、特に第三都市セルドーチの運営に関心を示していた。この都市は、工業力と生産力においてマイノグーラ随一の規模を誇り、戦力補強の拠点として極めて重要な位置づけにあった。アトゥの補佐を受けながら、タクトは新たな施設の建築に時間を割いていたが、それは彼自身の睡眠時間を犠牲にしての行動であった。

新施設「人形工房」の完成と背景

タクトは極秘裏に新たな建築物「人形工房」を完成させていた。この施設はゲームにおける終盤要素であり、通常では建設不可能なものである。だがタクトは、過去に撃破した《自動拷問機械》の残骸をドワーフたちとともに解析することで、その技術を転用することに成功した。復活か解析の選択肢の中で、タクトは建築を選び、レア施設の獲得に至った。

《生き人形》という新戦力の登場

人形工房によって生産可能となった《生き人形》は、維持コストゼロで大量生産が可能なユニットであり、毒や精神攻撃の無効化、特異な攻撃機構を備えた非生物兵であった。見た目も不気味で異様なデザインが施され、マイノグーラのセンスが色濃く反映されていた。アトゥはその性能と生産性に大きな興奮を覚え、タクトもまた喜びを隠せなかった。

工房内部の見学と予期せぬ恐怖体験

タクトとアトゥは工房内部の視察を開始したが、そこには予想外の展開が待っていた。室内は真っ暗で無人、照明もなく、出迎えも存在しなかった。不信感を抱いた矢先、無数の小さな光と不気味な音を伴って《生き人形》たちが姿を現した。その目はぎょろりと輝き、ぎこちなくも威圧的な動きで二人を取り囲んだ。

サプライズの結末と二人の反応

突如としてホラーじみた光景に直面したタクトとアトゥは恐怖に震え、互いに抱きついて悲鳴を上げた。自らが生産した兵器に驚かされるという皮肉な結末ではあったが、それは二人にとって忘れがたい「サプライズ」となった。内政への執着と予期せぬ出来事が交差する、ささやかな番外劇であった。

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その他フィクション

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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