スポンサーリンク
ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。フィクション(Novel)読書感想

小説【ここ俺】「ここは俺に任せて先に行け 2」感想・ネタバレ

スポンサーリンク
ここ俺2の表紙画像(レビュー記事導入用) ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。

ここ俺1巻レビュー
ここ俺まとめ
ここ俺3巻レビュー

スポンサーリンク
  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 新居での生活
    2. 秘密通路の発見
    3. 邪神像の調査
    4. ヴァンパイア討伐
    5. マスタフォン侯爵家救出
  6. 登場キャラクター
    1. 元・勇者パーティー
      1. ラック・ロック・フランゼン(ロック)
      2. エリック・メンディリバル
      3. ゴラン・モートン
      4. レフィ・メンディリバル
    2. モートン家
      1. セルリス・モートン
    3. ロックの屋敷(同居人・徒弟)
      1. ミルカ
      2. ルッチラ
      3. ゲルベルガ
      4. ガルヴ
    4. マスタフォン侯爵家
      1. フィリー・マスタフォン
      2. マスタフォン侯爵
      3. マスタフォン侯爵夫人
      4. タマ
      5. 家宰
      6. 豹変した使用人たち
    5. 冒険者ギルド
      1. シア
      2. アリオ
      3. ジニー
      4. Aランク冒険者パーティー
    6. 官憲
      1. 地区長
      2. 官憲の部下たち
    7. カビーノ一味・被害者
      1. カビーノ
      2. チンピラのリーダー格
      3. チンピラたち
      4. 少女
    8. 王都の住人・商人
      1. 石材店の店員
      2. 鍛冶職人の店の店員
      3. 反対側の屋敷の使用人
    9. 昏き者ども・魔物
      1. 昏き者どもの神(邪神の頭部)
      2. ヴァンパイアハイロード
      3. ヴァンパイアロード
      4. 第十位階
      5. 第十八位階
      6. 強化されたアークヴァンパイアたち
      7. アークヴァンパイアたち
      8. レッサーヴァンパイアたち
      9. ヴァンパイアたち
      10. 眷属たち
      11. ゴブリンたち
      12. 魔鼠たち
  7. 展開まとめ
    1. 序 
    2. 第一章 
    3. 第二章 
    4. 第三章 
    5. 第四章 
    6. 第五章 
    7. 第六章 
    8. 第七章 
    9. 第八章 
    10. 第九章 
  8. 同シリーズ
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

本作は、「小説家になろう」発の大人気ファンタジー作品の第2弾である。ヴァンパイアハイロード討伐の褒美として、国王エリックから大きな屋敷を受け取った主人公のラック(偽名:ロック)は、そこで夜を明かそうとしていた孤児の少女ミルカと出会う。彼女を狙う借金取りの悪党たちを撃退したことをきっかけに、ラックは王都で頻発する奉公人たちの謎の失踪事件を知る。神隠しとも呼べるその事件の裏で暗躍するヴァンパイアや昏き者どもの神の影に気付いたラックは、仲間たちと共に失踪事件の現場である貴族の屋敷へ潜入し、囚われていた天才錬金術士の少女フィリーを救出する。そして、邪神の召喚を目論む敵の拠点へと突撃していく物語である。

■ 主要キャラクター

・ラック(ロック):元勇者パーティーの最強魔導士。現在は正体を隠し、Fランク冒険者の「ロック」として活動している。
・ミルカ:借金取りに狙われ、ラックの屋敷の地下に迷い込んだ孤児の少女。ラックの徒弟として迎えられ、特技の掃除や持ち前の機転で活躍する。
・フィリー・マスタフォン:マスタフォン侯爵家の五女であり、自称・天才錬金術士。ヴァンパイアに監禁され、呪いを溜め込む「愚者の石」を作らされていた。
・タマ:フィリーの愛犬。飢えて衰弱しながらも、屋敷に侵入したラックを主人の元へ案内する賢い忠犬である。
・セルリス:戦士ゴランの娘。ミルカを妹のように可愛がり、戦闘でも優れた剣術でラックをサポートする。
・エリック:かつての勇者であり、現在は国王。ラックに屋敷や、王の代理人を示す首飾りを与える。
・シア:狼の獣人の少女で、ヴァンパイアハンター。鋭い嗅覚と知識で事件の解決に貢献する。
・ガルヴ:霊獣の狼の子。ラックの番狼として張り切り、新入りのミルカと序列争いを繰り広げる。

■ 物語の特徴

本作の魅力は、主人公の圧倒的な強さによる爽快な無双劇と、個性豊かなキャラクターたちが織りなす賑やかで温かい日常のギャップである。今巻では、下水道での異常な数の魔鼠の大群との死闘や、規格外の力を持つ「邪神の頭部」との激戦など、緊迫感のあるバトルシーンが堪能できる。一方で、孤児のミルカを家族のように迎え入れる心温まるやり取りや、ガルヴやタマ、神鶏ゲルベルガといった動物キャラクターたちの愛らしくも頼もしい姿など、ほのぼのとした日常描写も充実しており、読者を飽きさせない構成となっている。

書籍情報

ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。2
著者:えぞぎんぎつね 氏
イラスト:DeeCHA  氏
出版社:SBクリエイティブGAノベル
発売日:2019年5月15日
ISBN:978-4-8156-0127-0

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

10年戦い続けた英雄が、身分を隠して快進撃
たった一人で魔神と戦い続け、ついには魔神王まで倒して生還したら、
王都では既に10年が過ぎていて、すっかり英雄扱いされていたラック。
名前を変え、英雄であることを隠しつつも、仲間たちと人類の新たな敵・ヴァンパイアハイロードを討伐した彼は、
今回その褒美として大きな屋敷を受け取ることになったのだが――?
「……厚かましいお願いだけどさ、ここで寝かせてもらえないかな」
受け取った屋敷に引っ越すなり、そこで夜を明かそうとしていた少女ミルカと出会うラック。
彼はミルカの不幸な境遇を聞き、妹同然に可愛がるセルリスとともに、彼女をつけ狙う悪い借金取りたちをぶちのめす!
そしてその際に、最近王都で謎の失踪を遂げる人が増えていることを知ったのだった。
神隠しとも呼べる事件の裏に、昏き者どもの神やヴァンパイアの影を見たラックは、シアとミルカの助力のもと、
すぐに人々が消えていく貴族の家を特定。
侵入を開始すると、 閉じ込められていた天才少女フィリーを救い、そのまま敵の拠点に突撃することに――!!
「小説家になろう」で180,000ポイントオーバー!!
元・勇者パーティーの最強魔導士ラックが、愉快で強い仲間たちと、
時にのんびり、時に無双してにぎやかな毎日を過ごす大人気ストーリー、第2弾!!

ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。2

感想

前巻以上にテンポよく物語が進み、気軽に読み進められる一冊だった。

ハイロード討伐の褒美として国王から屋敷を与えられたラックは、新居の地下で偶然孤児の少女ミルカと出会う。その出会いをきっかけに、王都を揺るがす陰謀へと巻き込まれていく流れは非常にスムーズで、次々と話が展開していくため飽きることがなかった。

一方で、どんな強敵が現れても比較的あっさり決着がつくため、少し物足りなさを感じる場面もあった。それでも、この軽快なテンポこそが本作の読みやすさにつながっているのだと思う。

今回特に印象に残ったのは、ラックの優しさである。

祖父の借金を理由に家を追われ、下水道で暮らしていたミルカを見つけると、事情を知ったラックは迷わず彼女を弟子として迎え入れる。困っている子どもを放っておけない彼の人柄がよく伝わる場面で、読んでいて自然と温かい気持ちになった。

もちろん、ミルカを狙う悪徳な借金取りへの対応は容赦がない。相手をあっさり返り討ちにする展開は爽快で、「やっぱりラックはこうでなくちゃ」と安心して読めた。

さらに、この事件が単なる借金問題では終わらず、子どもの誘拐や違法な呪具、武器の密輸へとつながっていく展開も面白かった。少しずつ事件の全体像が見えてくる流れには、ミステリーらしい楽しさも感じられる。

印象深かったのは、下水道での魔鼠討伐から物語が大きく動き出すところだ。

魔鼠の体内から邪神像の欠片が見つかり、それが奉公人失踪事件へとつながっていく展開は興味深かった。地味な依頼が思わぬ大事件へ発展する構成は、読んでいてワクワクする。

その手がかりをもとにマスタフォン侯爵家へ潜入し、ヴァンパイアに利用されていた錬金術師フィリーを救出する流れも見応えがあった。ラックは相変わらず圧倒的に強いのだが、その強さがあるからこそ安心して物語を楽しめる。

終盤では、不完全な邪神や高位ヴァンパイアとの戦いが描かれる。

絶望的な状況のように見えても、ラックが登場すると一気に形勢が逆転するため、最後まで安心して読めた。敵を圧倒して事件を解決する姿は、王道ながら爽快感がある。

読んでいて感じたのは、本作は重厚なバトルを楽しむ作品というよりも、最強主人公が仲間を増やしながら困っている人を助け、平和な日常を取り戻していく過程を楽しむ作品なのだということだ。

ミルカやフィリーといった新しい仲間も加わり、さらに賑やかになったラックたちの日常が、これからどのように広がっていくのか楽しみになった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

ここ俺1巻レビュー
ここ俺まとめ
ここ俺3巻レビュー

考察・解説

新居での生活

ヴァンパイアハイロード討伐の功績として、主人公ラックが国王エリックから賜った屋敷での新居生活は、かつての男爵邸を舞台に、新たな仲間と共に繰り広げられる平穏で賑やかな日常として描かれている。

国王による配慮が行き届いた屋敷の概要、神鶏や狼などの新たな同居人と徒弟の保護、王宮と直結する秘密通路の確保と高度な魔法鍵によるセキュリティ、そして魔法を駆使した快適な生活環境の整備にいたる全容は以下の通りである。

家具完備の男爵邸への入居と神鶏や霊獣、徒弟ミルカを加えた新たな生活の開始

ヴァンパイアハイロード討伐の功績として、ラックは国王エリックからかつて断絶した男爵の屋敷を与えられる。

・エリックは、ラックがそのうち居候をやめたいと言い出すと予想し、あらかじめ家具などがすべて揃った状態の屋敷を用意していた。
・新居で一緒に生活することになったのは、魔族の少年ルッチラ、神鶏ゲルベルガ、そしてハイロードの拠点から救出した霊獣の狼であるガルヴである。
・ルッチラは朝日が入る二階南東の角部屋をゲルベルガのために選び、ラックは万が一の時にすぐ駆けつけられるようその隣の部屋を自室とした。
・ラックはゲルベルガを守るため、屋敷の敷地全体とルッチラの部屋に結界を張っている。
・引っ越したその日の夜、屋敷の地下に迷い込んでいた孤児の少女ミルカを保護し、彼女をラックの徒弟として迎え入れた。ミルカは屋敷の掃除を担当することになる。

先々代の王が遺した地下通路の補強と高度な魔法鍵による王宮との安全な接続

屋敷の地下からは、エリックの寝室の隣の部屋(王宮)へと繋がる秘密通路が発見される。

・これは先々代の王が愛人であった男爵夫人のために作ったものであった。
・ラックは途中で下水道と繋がってしまっていた穴を厳重に塞いで補強する。
・王宮側と屋敷側の両方に、特定の人物だけが開けられる高度な魔法の鍵を設置して安全を確保した。

保存と容積拡大による魔法の食料庫とゲルベルガ専用のトイレ扉

凄腕の魔導士であるラックは、魔法を使って新居をより快適に整えている。

・食料保存庫:台所の作り付けの戸棚と床下収納に、保存と容積拡大の魔法をかけ、固定式の魔法の鞄のような便利な保存場所を作った。
・ゲルベルガ専用扉:綺麗好きでトイレを覚えているゲルベルガのために、トイレの扉の下部を魔法で切り取り、小さな出入り口用の蝶番付きの扉を作成した。
・防犯対策:屋敷の敷地全体への結界に加え、門扉や玄関口、窓などにも魔法鍵を設置し、登録した者だけが開けられるようにしてセキュリティを高めた。

ミルカによる手料理と笑顔で囲む食卓および霊獣への厳格なしつけ

新居では、ミルカがセルリスからおさがりの可愛い服をもらって喜んだり、皆で一緒にお風呂掃除をしたりと、賑やかな日常が繰り広げられる。

・食事はミルカが担当することになり、料理の腕前はまずくはない程度であるが、みんなで笑顔で食卓を囲んでいる。
・狼のガルヴに対しては、ラックが屋敷の中や王宮では絶対に縄張りの主張(マーキング)をしないようにと言い聞かせるなど、しつけも行われている。

まとめ

ラックの新居生活は、伝説の英雄としての報奨でありながら、かつての男爵邸という歴史的建造物を舞台に、魔導士らしい合理的な生活基盤が構築された理想的な拠点である。王宮への秘密通路という戦略的価値を備えつつも、孤児のミルカを徒弟に迎え、ルッチラやゲルベルガといった異種族と食卓を囲む日常は、彼が次元の狭間で望んでいた平和の体現と言える。魔法による防犯や設備改善でセキュリティと利便性を両立させたこの屋敷は、新たな脅威が迫る王都において、彼が大切な仲間を守り抜くための最強の要塞としての機能を厳密に証明している。

秘密通路の発見

新居の屋敷において、ラックたちがどのようにして「秘密通路」を発見し、その後どのような対応をとったのかについては、初日の夜の突発的な事件から発覚し、防犯上の補強と王宮との安全な接続経路として再整備されるにいたる過程として描かれている。

書斎の隠し扉からの徒弟ミルカの救出、下水道の穴を経由して国王エリックの寝室隣へと繋がる経路の判明、先々代の王が愛人のために作った逢瀬の歴史的背景、そして下水道の完全封鎖とミスリルの大盾を用いた生体認証鍵によるセキュリティ強化にいたる全容は以下の通りである。

書斎の隠し扉から発見された地下室と罠に逆さ吊りにされていた少女ミルカの救出

引っ越してきた初日の夜中、トイレに起きたルッチラとゲルベルガが、書斎の方から怪しい音と声を聞きつける。

・ラックが書斎を調べると、そこに中級ダンジョンクラスの巧妙な隠し扉を発見する。
・隠し扉の先の地下室には、泥棒避けの罠にかかって逆さ吊りになっている孤児の少女、ミルカがいた。

偶然繋がっていた下水道の穴と王宮の宝物庫クラスに封印された岩壁の解錠

ミルカは下水道から入ってきたと証言し、彼女の案内で細い通路を進むと、壁が崩れて下水道と偶然繋がってしまった穴を発見する。

・さらにその奥には本来の秘密通路が続いており、王宮の宝物庫クラスの強力な魔法で封印された岩壁があった。
・ラックがその高度な魔法を解錠して壁を崩すと、たどり着いた先は王宮の一室であり、エリックの寝室の隣の部屋であった。

先々代の王が愛人のために用意した隠し通路と王妃を足止めする罠の意図

エリックの説明によれば、ラックがもらった屋敷は、もともと先々代の王(エリックの祖父)が愛人である男爵夫人のために用意したものであった。

・この秘密通路は、先々代の王が男爵夫人のもとへ通うため、あるいは呼び寄せるためのものであった。
・通路にあったミルカが引っかかった罠については、逢瀬を怪しんでやってくる先々代の王妃を足止めし、屈辱を与えるために男爵夫人が仕掛けたのではないかと推測されている。

下水道穴の石材硬化補強とミスリルの大盾による手のひら生体認証オートロックの設置

この秘密通路は、下水道と繋がっている点は防犯上非常に危険であるが、王宮と繋がっていること自体は、王族のいざというときの逃げ道として有用なため残すことになった。

・ラックは下水道と繋がっていた穴を岩や石材で塞ぎ、硬化や状態固定の魔法をかけて厳重に補強した。
・王宮側の入り口には、鍛冶屋で購入した巨大なミスリルの大盾を扉として設置した。
・この扉にはラックの高度な魔法がかけられ、エリックやレフィの血筋の者、そしてラックだけが手のひらで解錠できるオートロックの魔法の鍵が設定された。
・その後、屋敷側の書庫の隠し扉や地下室からの入り口にも魔法の鍵と隠蔽の魔法が設置される。
・こちらにはルッチラ、ゲルベルガ、ガルヴ、セルリス、ミルカも登録され、限られた者だけが安全に通行できるようになった。

まとめ

新居の地下に眠っていた秘密通路の発見と対応は、先々代の愛妾の歴史という古い因縁を暴きつつも、ラックの卓越した魔導技術によって王宮と直結する強力な緊急脱出路へと蘇らせたプロセスである。不法侵入したミルカの救出を契機に発覚したこの通路は、防犯上の弱点であった下水道の穴を魔法で完全封鎖し、ミスリルの大盾と掌紋認証による魔法鍵で強固にロックされた。これにより、屋敷と王宮の双方から登録された信頼できる者だけが行き来できる安全なネットワークが構築され、平和な新生活を支える防衛基盤が厳密に証明されている。

邪神像の調査

下水道で発見された「邪神像の調査」は、大繁殖した魔鼠の討伐から始まり、かけらの回収、パズル的な組み上げ、水流の逆算による黒幕の特定、そして潜入作戦による天才錬金術士の救出と邪神の頭部討伐にいたる一連の隠密調査の記録である。

下水道の水底や魔鼠の体内から発見された謎のかけら、鑑定によって判明した昏き者どもの神を召喚するための呪いの像の正体、水流の向きと奉公人失踪情報から逆算したマスタフォン侯爵家の特定、危機を知らせるためにわざと下水へ流された愚者の石の背景、そして転移先の真の拠点で討伐された不完全な邪神の頭部と欠けていたパーツの回収にいたる全容は以下の通りである。

魔鼠大発生の現場から回収された金属光沢を放つ30個のかけら

異常な大繁殖を見せていた下水道の魔鼠退治に赴いたロックたちは、魔鼠が異常に密集していた水底から、金属のような光沢を放つ謎のかけらを発見した。

・さらに、倒した巨大な魔鼠の体内からも同様のかけらが複数見つかる。
・合計で30個ほどのかけらを回収して屋敷へ持ち帰った。

パズルのように組み上げられた17本の足と7本の腕を持つ異様な形状

かけらの材質は、ヴァンパイアロードが呪いを溜めるために使っていたメダルにそっくりであった。

・正体がわからない中、孤児のミルカがパズルを解くようにあっという間にかけらの8割がたを組み上げる。
・完成したものは、足が17本、腕が7本、そしてコウモリの羽を持つ、頭部の欠けた異様な像であった。
・その後、屋敷に戻ってきたヴァンパイアハンターのシアが像を鑑定し、それが「昏き者どもの神(邪神)」を召喚する際に呪いを込めるための像であると見抜く。
・この像の欠片から漏れ出た負の力が、魔鼠を集めて巨大化、大発生させた原因であると推測された。

下水道構造の水流逆算と奉公人失踪事件の照合によるマスタフォン侯爵家の特定

なぜそのような恐ろしい像が下水道にあったのかを探るため、ミルカが活躍する。

・彼女は頭に入っている下水道の構造と水流の向きを地図に書き込み、かけらが流れ着いた場所から逆算して、像がどこから流されたのかを推理した。
・さらに、シアが集めた「王都で相次ぐ奉公人たちの失踪事件」の情報と照らし合わせる。
・その結果、もっとも行方不明者が多く出ているマスタフォン侯爵家から下水に流された可能性が高いと特定した。

人質に取られた天才錬金術士フィリーの救出と時間稼ぎのための下水投棄

マスタフォン侯爵家に単身潜入したロックは、ヴァンパイアの配下に監禁されていた天才錬金術士の五女、フィリーを救出する。

・彼女の証言により、邪神像の材質が呪いを溜め込み増幅する「愚者の石(患者の石)」であったことが判明する。
・フィリーは家族を人質に取られ、邪神像の形状を指定されて愚者の石を精製させられていた。
・像はすでに召喚の儀式に使われた後で、敵からはメダルに精製し直すよう命じられた。
・しかしフィリーは外部へ危機を知らせるための時間稼ぎとして、わざと下水に像を流していた。

転移魔法陣の先にある真の拠点での巨大頭部討伐と炭の中から現れた最後のパーツ

その後、ロックは侯爵家の屋敷にあった転移魔法陣を抜け、ヴァンパイアたちの真の拠点である洞窟へと突撃する。

・そこには、生贄や時間が足りなかったためか、頭部だけという不完全な状態で召喚された巨大な邪神の頭部が待ち受けていた。
・ロックは激戦の末に邪神の頭部を炭になるまで焼き尽くす。
・その炭の中から、小さな像の頭部、を発見した。
・これが下水道で見つかった像の欠けていた頭部であり、結果として邪神像の全身分が揃うこととなった。

まとめ

邪神像の調査と真相の解明は、下水道の魔鼠大発生という局所的な異変から、王都を揺るがすヴァンパイアの邪神召喚計画の全貌を暴き出した極めて鮮やかな追跡劇である。ミルカの地理的直感と水流の逆算がマスタフォン侯爵家の犯行を特定し、ロックの潜入によって救出されたフィリーの機転が、下水への投棄による時間稼ぎの真相を裏付けた。最終的に転移先の拠点で不完全な邪神の頭部を焼き尽くし、欠落していた像の頭部を回収したプロセスは、綿密な推理と圧倒的な武力が合致することで、地下深くで進行していた世界の危機が未然に遮断されたことを厳密に証明している。

ヴァンパイア討伐

『ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。2』における「ヴァンパイア討伐」は、奉公人失踪事件の捜査からマスタフォン侯爵家への潜入、転移魔法陣を抜けた先の真の本拠地における邪神の頭部討伐、そして事後処理にいたる一連の隠密・殲滅作戦として描かれている。

マスタフォン侯爵家に潜入したロックによるヴァンパイアロード討伐、神に与えられた力で強化されたアークヴァンパイアの襲撃、王都から北へ2日離れた洞窟での邪神の頭部の時空爆縮による完全炭化、生き残りのハイロードからの情報収集とドレインタッチによる回復、そして監禁された侯爵夫妻の救出と事後処理にいたる全容は以下の通りである。

マスタフォン侯爵家への単身潜入と魔神王の剣によるロード級の首切断

王都での奉公人失踪事件や下水道の邪神像の欠片からマスタフォン侯爵家が怪しいと睨んだロックは、単身で屋敷に潜入する。

・監禁されていた五女フィリーを救出した後、屋敷内を探索していたロックは、使用人の出入りが多い部屋でヴァンパイアロードに遭遇した。
・ロックは激昂したロードの攻撃を容易く捌き、魔神王の剣で首を刎ねて討伐する。
・灰になった体からは、王都の神の加護をごまかすための魔道具と、呪いを溜め込む患者の石で作られたメダルが回収された。

姿見の裏に刻まれた転移魔法陣と急激に変質強化されたアークヴァンパイア

ロードを倒した部屋の隠し扉の奥には、裏に転移魔法陣が刻まれた姿見があった。

・魔法陣を起動させると別のヴァンパイアが現れ、ロックの幻術を見破ってハイロードやゴランに匹敵するほどの剣速で襲いかかってきた。
・ロックはこのヴァンパイアも首を刎ねて倒すが、灰からメダルは出ず、残された魔石がアークヴァンパイアの大きさでありながらロード級の輝きを放つという異質なものであった。
・ここからロックは、この個体が神に与えられた力によって急激に強化されたアークヴァンパイアであると推測する。

最高位魔法による巨大三つ目頭部の圧縮と暗黒光線による炭化消滅

ロックは転移魔法陣を抜け、王都から北へ2日ほど離れた場所にある洞窟(真の本拠地)へと突撃する。

・転移直後に襲いかかってきた5体の強化されたヴァンパイアを瞬殺し、洞窟内のヴァンパイアや下等妖魔を殲滅しながら最深部へと進んだ。
・厳重に守られた部屋の前に辿り着いたロックは、周囲ごと凍らせる「極限結氷」の魔法を使って敵を無力化してから中へと踏み込む。
・そこには、緑色で3つの目と触手を持つ巨大な邪神の頭部が待ち受けていた。
・ロックは触手による防御や強力な黒い光線に苦戦しつつも、空間ごと対象を握りつぶす最高位魔法「時空爆縮」で巨大な頭部を拳大にまで圧縮する。
・さらに以前ラーニングした暗黒光線を浴びせて完全に炭化させ、討伐に成功した。

幻術の接触による生贄不足の露呈と第十八位階へのドレインタッチ発動

邪神の頭部を討伐した後、極限結氷から1体の高位ヴァンパイア(ハイロード)が息を吹き返した。

・ロックは幻術で配下の第十位階に化けて接触し、ハイロードから情報を引き出す。
・邪神は完全体ではなく魔法陣から動けないこと、王都周辺を統括していたハイロードが殺されて焦り、生贄不足のまま頭部だけを召喚したこと、などの重要な情報を得た。
・幻術の限界が来ると同時にロックはハイロードの首を刎ねる。
・さらに現れた第十八位階のロードに対してはドレインタッチを発動し、邪神との戦いで負傷した自身の腕を回復させるための養分として利用した後に討伐した。

魔法鍵による洞窟扉の完全封鎖と駆けつけた国王への事後処理引き継ぎ

洞窟内のヴァンパイアを全滅させたロックは、灰から魔石やメダル、邪神像の欠けていた頭部などを回収した。

・洞窟の物理的な扉を強力な魔法鍵で封鎖する。
・その後、転移魔法陣を通ってマスタフォン侯爵家へ戻り、監禁されていた侯爵夫妻を救出した。
・駆けつけたエリック(国王)やゴランたちに事後処理を引き継いだ。

まとめ

ヴァンパイア討伐の一連の経緯は、個人の卓越した魔導技術と隠密戦闘力が、地下深くで進行していた世界規模の危機を独力で瓦解させた鮮やかな顛末である。マスタフォン侯爵家を足がかりに真の本拠地へ突入したロックは、急激に強化された上位吸血鬼の群れを屠り、時空爆縮と暗黒光線の連撃によって不完全な邪神の頭部を完全消滅させた。敵のハイロードから生贄不足の焦りを暴き、ドレインタッチで自らを癒やしながら拠点を壊滅させ、国王らの防衛体制に引き継いだプロセスは、伝説の英雄としての圧倒的な実力と戦略的機転を厳密に証明している。

マスタフォン侯爵家救出

『ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。2』における「マスタフォン侯爵家救出」は、王都で発生した連続失踪事件の追跡から始まり、洗脳された使用人が徘徊する屋敷への潜入、監禁されていた天才錬金術士の救出と乗っ取りの真相解明、そして本拠地壊滅後の侯爵夫妻の救出にいたる一連の隠密・解放作戦の記録である。

気配遮断を駆使した異常警戒敷地への侵入、忠犬の導きによる五女フィリーの発見、愚者の石を精製させられていた監禁の背景、真の本拠地制圧後に隠し部屋から解放された侯爵夫妻、そして王の代理人を示す首飾りによる信用獲得と王宮への保護にいたる全容は以下の通りである。

気配遮断の魔法による高壁突破と生気のない洗脳使用人たちが固める異常警備

王都で相次ぐ奉公人たちの失踪事件や、下水道で見つかった邪神像の欠片が流れてきた経路から、マスタフォン侯爵家が事件の舞台であると推測したロックは、単身で屋敷への潜入を試みる。

・屋敷は高い壁に囲まれており、門番や窓から外をうかがう使用人たちは生気がなかった。
・ヴァンパイアの魅了(洗脳)を受けていることが疑われる異常な警戒態勢が敷かれていた。
・ロックは気配遮断の魔法を駆使して敷地内へと侵入した。

極端に痩せ細った大型犬への給餌と厳重に施錠された半地下での五女発見

敷地内に降り立ったロックは、極端に痩せ細った大型犬に遭遇する。

・呪いや魅了を受けていないことを確認し、エサと水を与えると、犬はロックを使用人の目を盗んで屋敷の奥へと案内した。
・たどり着いた厳重に施錠された半地下の部屋には、マスタフォン侯爵家の五女であり、天才錬金術士のフィリーが監禁されていた。
・案内した犬はタマという彼女の愛犬であり、密かに生き延びて助けを呼ぶ機会をうかがっていたのである。

執事見習いによる2年前の屋敷乗っ取りと下水道へ流された時間稼ぎの邪神像

フィリーの口から、侯爵家が2年前に雇った執事見習い(現在の家宰)によって乗っ取られた事実が語られる。

・侯爵夫妻とフィリーは監禁され、逆らわなかった使用人たちは魅了され、逆らった者たちは殺されるか姿を消していた。
・フィリーは両親の命を盾にとられ、呪いを溜め込み増幅させる「愚者の石(患者の石)」を精製し、邪神像やヴァンパイアのメダルを作らされていた。
・彼女は外部に危機を知らせるための時間稼ぎとして、わざと邪神像の欠片を下水道に流していたのである。

真の本拠地洞窟の完全殲滅と愛犬の再案内による使用人部屋奥隠し部屋の解放

ロックはフィリーとタマの安全を確保するため部屋に魔法鍵をかけ、屋敷内のヴァンパイアロードを討伐する。

・さらに部屋にあった転移魔法陣を抜けてヴァンパイアたちの真の本拠地である洞窟へ突撃した。
・邪神の頭部や高位のヴァンパイアたちを殲滅した。
・本拠地を制圧して屋敷に戻ったロックは、再びタマの案内を頼りに使用人部屋の奥の隠し部屋を見つけ出す。
・そこに監禁されていた侯爵夫妻を無事に救出した。

エリックから預かった代理人首飾りの提示と涙の再会を経た王宮への安全保護

侯爵夫妻は、王都内にヴァンパイアロードがいるような絶望的な状況下で、ロックが敵を全滅させたという事実をすぐには信じられなかった。

・そこでロックは、国王エリックから預かっていた「王の代理人」を示す首飾りを提示する。
・これにより侯爵夫妻はロックを完全に信用し、フィリーの部屋へ向かって涙ながらに家族の再会を果たした。
・その後、駆けつけたエリックやゴランたちに事後処理が引き継がれる。
・マスタフォン侯爵一家は安全のため王宮へと保護されることになった。

まとめ

マスタフォン侯爵家の救出劇は、吸血鬼による巧妙な背乗りという国家的危機を、ロックの隠密魔導と圧倒的な殲滅力によって完全に瓦解させた鮮やかな解放戦である。愛犬タマの忠義を端緒としたフィリーの発見は、愚者の石を用いた邪神召喚計画の全貌を暴き、本拠地制圧から侯爵夫妻の救出にいたる完璧な電撃作戦を可能にした。最終的に王の代理人たる証拠を示して絶望の淵にいた一家を救い、王宮へと安全に引き継いだプロセスは、伝説の英雄としての信頼性と戦術的合理性を厳密に証明している。

ここ俺1巻レビュー
ここ俺まとめ
ここ俺3巻レビュー

登場キャラクター

元・勇者パーティー

ラック・ロック・フランゼン(ロック)

元勇者パーティーの魔導士であり、ヴァンパイアハイロード討伐の功績でエリックから屋敷を与えられた。ミルカを徒弟として迎え入れている。

・所属組織、地位や役職
 元勇者パーティー・魔導士。フランゼン大公。枢密顧問官。冒険者ギルドFランク戦士(偽装)。

・物語内での具体的な行動や成果
 下水道で大発生した魔鼠を退治し、邪神像の欠片を発見した。マスタフォン侯爵家に単身で潜入し、フィリーを救出している。転移魔法陣の先で邪神の頭部を討伐した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エリックから枢密顧問官の役職と指輪を与えられた。王の代理人を示す首飾りを所持している。

エリック・メンディリバル

元勇者パーティーの勇者であり、現在は国王を務めている。ラックに対して全幅の信頼を置いている。

・所属組織、地位や役職
 メンディリバル王家・国王。

・物語内での具体的な行動や成果
 ラックに断絶した男爵の屋敷を褒美として与えた。ラックに王の代理人を示す首飾りを渡し、カビーノの背後にいる貴族の調査を依頼した。カビーノの取り調べを行うため、枢密院に捜査本部を設置している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 深夜に秘密通路から現れたラックたちに手ずから茶を淹れるなど、気さくな一面を持つ。

ゴラン・モートン

元勇者パーティーの戦士であり、冒険者ギルドのグランドマスターを務めている。セルリスの父親にあたる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・グランドマスター。モートン卿。

・物語内での具体的な行動や成果
 新居に移ったラックに魔法の鞄を渡した。邪神のいた拠点へ精鋭のAランク冒険者パーティーを派遣する手配を行っている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ラックが独走してマスタフォン侯爵家へ単身潜入したことを厳しく叱責した。

レフィ・メンディリバル

元勇者パーティーのヒーラーであり、エリックの妻である。力業で問題を解決しようとする傾向を持つ。

・所属組織、地位や役職
 メンディリバル王家・王妃。元勇者パーティー・ヒーラー。

・物語内での具体的な行動や成果
 秘密通路の王宮側の壁を拳で破壊し、ラックたちと再会を果たした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 夜は全裸に近い格好で過ごす習慣がある。

モートン家

セルリス・モートン

ゴランの娘であり、高い戦闘能力を持つ新人冒険者である。ミルカに自分の古い服を与え、妹のように可愛がっている。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・冒険者。モートン家・令嬢。

・物語内での具体的な行動や成果
 カビーノ一味との戦いで、カビーノを殴り倒し少女を救出した。下水道での魔鼠退治に参加し、討ち漏らした魔鼠を倒している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔鼠退治などの功績により、Eランクへの昇格審査にかけられることになった。

ロックの屋敷(同居人・徒弟)

ミルカ

祖父の借金を理由に家を追い出された孤児の少女である。ロックの屋敷に忍び込んだところを保護され、徒弟となった。

・所属組織、地位や役職
 ロックの屋敷・徒弟。

・物語内での具体的な行動や成果
 下水道で発見された邪神像の欠片をあっという間に組み上げた。下水道の知識を活かし、邪神像が流された経路からマスタフォン侯爵家を特定している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 セルリスから服をもらい、屋敷の掃除や料理を担当するようになった。

ルッチラ

魔族の少年であり、ゲルベルガを保護している。幻術を得意とする魔導士である。

・所属組織、地位や役職
 ロックの屋敷・同居人。

・物語内での具体的な行動や成果
 夜中に書斎から聞こえる怪音に気づき、ロックに報告した。ゲルベルガをたらいで水浴びさせ、石鹸で洗っている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 書類上はロックの徒弟として登録されている。

ゲルベルガ

ルッチラが保護している神鶏である。威厳にあふれる一方で、ロックやルッチラに甘える一面も持つ。

・所属組織、地位や役職
 神鶏。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックの胸当ての中に入り、下水道の魔鼠退治に同行した。庭や屋敷内で虫を捕まえて食べている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 トイレの場所を覚えており、専用の小さな扉を作ってもらった。

ガルヴ

ヴァンパイアハイロードの拠点から救出された霊獣の狼である。ロックを命の恩人として慕っている。

・所属組織、地位や役職
 霊獣。ロックの屋敷・番狼。

・物語内での具体的な行動や成果
 カビーノの屋敷で、隠されていた御禁制のハムを発見した。下水道の魔鼠退治に同行し、隠れていた魔鼠を嗅ぎ当てている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 まだ子供の狼であり、新入りのミルカと序列争いを繰り広げている。

マスタフォン侯爵家

フィリー・マスタフォン

マスタフォン侯爵家の五女であり、自称・天才錬金術士である。家族を人質に取られ、監禁されていた。

・所属組織、地位や役職
 マスタフォン侯爵家・五女。錬金術士。

・物語内での具体的な行動や成果
 家宰の命令で愚者の石を錬成させられていた。外部に危機を知らせるため、邪神像の欠片を下水道へ流している。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックによって救出され、両親との再会を果たした。

マスタフォン侯爵

数年前まで国の財務卿を務めていた有能な貴族である。家宰に屋敷を乗っ取られ、監禁されていた。

・所属組織、地位や役職
 マスタフォン侯爵家・当主。元財務卿。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックから救出された際、彼らが凄腕の冒険者であっても脱出は不可能だと最初は信じなかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックが提示した王の代理人の首飾りを見て彼を信用し、王宮へ保護された。

マスタフォン侯爵夫人

マスタフォン侯爵の妻である。夫とともに監禁されていた。

・所属組織、地位や役職
 マスタフォン侯爵家・夫人。

・物語内での具体的な行動や成果
 救出に来たタマの姿を見て、フィリーが依頼した冒険者だと理解した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 救出後は王宮に保護されている。

タマ

フィリーの愛犬である大型犬である。極端に痩せ細りながらも、屋敷の隅で使用人の様子を窺っていた。

・所属組織、地位や役職
 マスタフォン侯爵家・飼い犬。

・物語内での具体的な行動や成果
 敷地に侵入したロックに食事をもらい、彼をフィリーや侯爵夫妻が監禁されている部屋へ案内した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 無事にフィリーたちと再会し、喜びを露わにした。

家宰

二年前に執事見習いとして雇われ、半年前に家宰となった人物である。侯爵家を乗っ取った実行犯である。

・所属組織、地位や役職
 マスタフォン侯爵家・家宰。

・物語内での具体的な行動や成果
 侯爵夫妻とフィリーを監禁し、フィリーに愚者の石の錬成を命じた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 昏き者どもに通じており、屋敷をヴァンパイアの拠点として利用させていた。

豹変した使用人たち

マスタフォン侯爵家の使用人たちである。ヴァンパイアの魅了を受け、別人のように生気を失っている。

・所属組織、地位や役職
 マスタフォン侯爵家・使用人。

・物語内での具体的な行動や成果
 窓や門から外を監視し、異常な警戒態勢を敷いていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックがヴァンパイアロードを倒したことで、魅了が解けて気絶した。

冒険者ギルド

シア

狼の獣人の少女であり、ヴァンパイアハンターである。嗅覚と知識を活かして事件の解決に貢献する。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・Bランク冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 下水道で見つかった欠片が邪神像であると鑑定した。冒険者ギルドで人捜しの依頼を調べ、失踪者が特定の地区に集中していることを突き止めている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 カビーノ一味の捕縛に協力し、報酬を受け取った。

アリオ

Fランクの魔導士の青年である。ジニーとパーティーを組んでいる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・Fランク魔導士。

・物語内での具体的な行動や成果
 下水道での魔鼠退治で、火球の魔法を使って群れを焼き払った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔鼠退治などの功績により、Eランクへの昇格審査にかけられることになった。

ジニー

Fランクの弓スカウトの少女である。元狩人としての優れた技術を持つ。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・Fランク弓スカウト。

・物語内での具体的な行動や成果
 下水道での魔鼠退治で、矢を放って的確に魔鼠を射貫いた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔鼠退治などの功績により、Eランクへの昇格審査にかけられることになった。

Aランク冒険者パーティー

実力のある冒険者たちの集団である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド・Aランク冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ゴランの指示により、邪神のいた洞窟へ調査に向かった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 転移魔法陣を使って現地へ向かったと推測されている。

官憲

地区長

ロックの屋敷がある地区を管轄する官憲の責任者である。高潔な人物として描かれている。

・所属組織、地位や役職
 官憲・地区長。

・物語内での具体的な行動や成果
 上層部の妨害を覚悟し、カビーノの悪事を止めるためにロックたちと協力した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 暗殺を避けるため、エリックの指示で一時的に枢密院に転属された。

官憲の部下たち

地区長の部下である兵士たちである。

・所属組織、地位や役職
 官憲・部下。

・物語内での具体的な行動や成果
 日常業務をおろそかにしないよう半数の十人が出動し、逃げようとしたカビーノの部下を捕縛した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 御禁制のハムが魔神召喚の生贄に使われるという噂を知っていた者がいる。

カビーノ一味・被害者

カビーノ

三番街で金貸しをしている男であり、元奴隷商である。私兵まがいの集団を抱えている。

・所属組織、地位や役職
 金貸し・元奴隷商。

・物語内での具体的な行動や成果
 子供を攫って生贄として売る計画を進めていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックとセルリスによって捕縛され、身柄を枢密院へ移された。

チンピラのリーダー格

カビーノの部下の一人である。路地裏でミルカを脅していた。

・所属組織、地位や役職
 カビーノ一味・部下。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックにみぞおちを殴られ、嘔吐して行動不能になった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 幻術の尋問で、カビーノの計画を白状した。

チンピラたち

カビーノに雇われている男たちである。

・所属組織、地位や役職
 カビーノ一味・部下。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミルカを取り囲んで借金の肩代わりを迫った。カビーノ邸で少女を押さえつけていたが、ロックたちに叩きのめされた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 全員が官憲に引き渡された。

少女

カビーノ邸に捕らえられていた人物である。

・所属組織、地位や役職
 特になし。

・物語内での具体的な行動や成果
 カビーノ邸で悲鳴を上げ、チンピラにナイフを突きつけられていたところをロックたちに救出された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 官憲によって保護されることになった。

王都の住人・商人

石材店の店員

建築業者向けの石材店で働く人物である。

・所属組織、地位や役職
 石材店・店員。

・物語内での具体的な行動や成果
 セルリスの丁寧な交渉に応じ、下水道と秘密通路の補修用石材を販売した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 大量の石材をそのまま持ち帰ろうとするロックに驚いた。

鍛冶職人の店の店員

鍛冶職人の店で働く人物である。

・所属組織、地位や役職
 鍛冶職人の店・店員。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックたちに巨大なミスリル製の大盾を勧めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 大盾を三百万ラックで販売した。

反対側の屋敷の使用人

ロックの屋敷の裏手にある貴族の屋敷で働く人物である。

・所属組織、地位や役職
 貴族の屋敷・使用人。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックの屋敷から漂ってきた魔鼠の死骸を焼く悪臭について苦情を言いに来た。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 マスタフォン侯爵家からの騒音や悪臭にも悩まされていることを語った。

昏き者ども・魔物

昏き者どもの神(邪神の頭部)

ヴァンパイアたちが崇拝する神の一柱である。生贄や時間が足りず、頭部だけの不完全な状態で召喚された。

・所属組織、地位や役職
 昏き者どもの神。

・物語内での具体的な行動や成果
 洞窟の最深部でロックと激戦を繰り広げ、触手や光線で攻撃した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックの「時空爆縮」と「暗黒光線」によって炭化し、討伐された。

ヴァンパイアハイロード

ヴァンパイアの上位種である。極限結氷から息を吹き返した個体である。

・所属組織、地位や役職
 ヴァンパイアハイロード。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックの幻術に騙され、邪神が完全体でないことなどを語った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 情報を引き出された後、ロックに首をはねられて討伐された。

ヴァンパイアロード

ヴァンパイアの上位個体である。マスタフォン侯爵家に潜んでいた。

・所属組織、地位や役職
 ヴァンパイアロード。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックをレッサー呼ばわりされて激昂し、襲いかかったが倒された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神の加護をごまかす魔道具とメダルを所持していた。

第十位階

ハイロードから呼ばれたヴァンパイアロードの名称である。

・所属組織、地位や役職
 ヴァンパイアロード。

・物語内での具体的な行動や成果
 ロックが幻術でこの姿に化け、ハイロードから情報を引き出した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実際の個体はロックによって既に討伐されている。

第十八位階

生き残っていたヴァンパイアロードの一人である。

・所属組織、地位や役職
 ヴァンパイアロード。

・物語内での具体的な行動や成果
 邪神に与えられた力を失い、ロックに襲いかかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックの「ドレインタッチ」で魔力と生命力を吸い取られ、討伐された。

強化されたアークヴァンパイアたち

邪神の力によって急激に強化されたアークヴァンパイアである。

・所属組織、地位や役職
 アークヴァンパイア。

・物語内での具体的な行動や成果
 転移魔法陣を抜けたロックに襲いかかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔石の大きさはアーク級だが、輝きはロード級という異質なものであった。

アークヴァンパイアたち

強力なヴァンパイアの種族である。

・所属組織、地位や役職
 アークヴァンパイア。

・物語内での具体的な行動や成果
 以前、王宮に侵入してセルリスやルッチラと戦ったことが言及されている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神の加護を破る魔道具を用いて王都に侵入していた。

レッサーヴァンパイアたち

ヴァンパイアの下位種である。

・所属組織、地位や役職
 レッサーヴァンパイア。

・物語内での具体的な行動や成果
 かつて王宮に侵入したことが言及されている。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ヴァンパイアロードが激昂する原因となる言葉として扱われた。

ヴァンパイアたち

昏き者どもの代表的な種族である。

・所属組織、地位や役職
 ヴァンパイア。

・物語内での具体的な行動や成果
 洞窟内でロックの侵入を防ごうと襲いかかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 極限結氷で凍らされ、解凍とともに灰になった。

眷属たち

ヴァンパイアに血を吸われ、支配下に置かれた者たちである。

・所属組織、地位や役職
 眷属。

・物語内での具体的な行動や成果
 マスタフォン侯爵家の至る所に灰となって散らばっていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 主であるロードが倒されたことで消滅した。

ゴブリンたち

下等妖魔である。

・所属組織、地位や役職
 下等妖魔。

・物語内での具体的な行動や成果
 洞窟の通路に多数配置されていた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ロックの極限結氷で凍らされ、砕け散った。

魔鼠たち

下水道で異常繁殖していた魔物である。

・所属組織、地位や役職
 魔物。

・物語内での具体的な行動や成果
 下水道で数百匹の群れとなり、ロックたちに襲いかかった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 体内に邪神像の欠片を取り込んでおり、それが大発生の原因と推測されている。

ここ俺1巻レビュー
ここ俺まとめ
ここ俺3巻レビュー

展開まとめ

序 

新居の屋敷

ラックはヴァンパイアハイロード討伐の功績として、エリックから断絶した男爵家の屋敷を与えられた。屋敷は想像以上に広く、家具もそろっており、すぐに暮らせる状態だった。エリックは、ラックがいずれ居候をやめたがると予想し、あらかじめ屋敷を用意していた。

それぞれの部屋

ラックはルッチラに好きな部屋を選んでよいと伝えた。ルッチラはゲルベルガさまとともに二階の南東の角部屋を選び、朝日が入りそうなその部屋を気に入った。ラックはゲルベルガさまを守るため、部屋と屋敷の敷地に結界を張ることにした。

狼の特技

狼はラックのそばを離れず、やがて扉を自分で開けて屋敷のトイレに入った。便座に座って用を足し、自分には犬用のトイレが不要だと示した。ゴランとセルリスは狼の特性だと思ったが、ラックはこの狼個体の特技だと考えた。

魔法の鞄

ゴランはエリックからの褒美として、ラックに魔法の鞄を渡した。ラックは魔神との十年間の戦いで以前の鞄を失っていたため、非常に助かった。さらに、十年前の財産も冒険者カードから引き出せるようになっていた。

狼の名前

シアは、狼にも名前を付けるべきだと言った。セルリス、ゴラン、ルッチラ、シアがそれぞれ候補を出したが、狼はどれも気に入らなかった。最終的にラックがガルヴと名付けると、狼は喜んで尻尾を振った。

新生活への期待

ラックたちは屋敷の中を見て回り、夜遅くまでにぎやかに過ごした。ゲルベルガさま、ルッチラ、ガルヴとの新居での生活に、ラックは期待を膨らませた。

第一章 

ガルヴとの就寝

日付が変わるころ、ロックは自室へ向かった。ガルヴも当然のようについてきて、ロックのベッドに入り込んだ。ロックはゲルベルガさまの護衛についてガルヴに話し、怪しい者が近づいたら知らせるよう頼んだが、ガルヴは数時間後には熟睡して役に立たなかった。

夜中の怪音

夜中、ルッチラとゲルベルガさまがロックを起こした。ルッチラは一階のトイレへ行く途中で書斎の方から怪しい音を聞いたと話した。ゲルベルガさまは幽霊を恐れて震えており、ロックは二人を連れて書斎を調べに向かった。

隠し扉と地下室

書斎では奇妙な音と苦しげな声が聞こえた。ロックは声の方向を調べ、普通の屋敷には不自然なほど巧妙な隠し扉を見つけた。扉の先には地下へ続く階段があり、ロックたちが降りると、そこには逆さに吊られた小柄な少女がいた。

ミルカとの出会い

少女は幽霊ではなく、罠にかかったミルカという子供だった。ミルカは空き家だと思って屋敷に入り、寝床にしようとしていたと謝罪した。両親を亡くし、祖父も死に、住んでいた家も借金のため失っていたため、ロックは事情を聞いて同情した。

下水道への通路

ミルカは地下室へ下水道から入ってきたと説明した。ロックたちは通路を進み、壁の崩れた穴が下水道につながっていることを確認した。さらに奥には本来の秘密通路が続いており、ロックはそこが意図せず下水道とつながったのだと見た。

封印された壁

秘密通路の奥には、強力な魔法で封印された壁があった。ロックはそれが王宮の宝物庫に匹敵するほど厳重な封印だと見抜き、解錠の魔法で解除した。壁の先には人が住んでいそうな部屋があり、ロックはそこに王宮らしい見覚えを感じた。

王宮への通路

部屋に足音が近づいたため、ルッチラとミルカは机の下に隠れ、ロックもそれに合わせた。現れたのは寝間着姿で聖剣を持つエリックであり、その部屋は王宮の一室で、隣はエリックの寝室だった。ロックの屋敷と王宮が秘密通路でつながっていることが判明した。

先々代王の秘密

エリックは、ロックの屋敷が先々代王の愛人だった男爵夫人のために用意されたものだと説明した。通路は、先々代王が男爵夫人の屋敷へ通うためのものだった。エリックは、ロックの家と王宮がつながっていること自体は問題にせず、下水道との接続だけをふさぐべきだと判断した。

ミルカの徒弟入り

ミルカは、通路をふさがれると寝床がなくなると悲しんだ。ロックはミルカを保護するため、エリックの徒弟にできないか頼んだが、エリックはロック自身の徒弟にすればよいと勧めた。ミルカは掃除ができると話し、ロックの徒弟として屋敷で暮らすことになった。

通路の応急処置

レフィが起きてきたため、ロックたちは挨拶せず秘密通路へ戻った。ロックは王宮側の壁に硬化と状態固定の魔法をかけ、下水道につながる穴も岩と土で仮にふさいだ。翌日に本格的な補強を行うことにし、ロックたちは屋敷へ戻った。

ミルカの部屋

屋敷に戻ると、ミルカは地下室で寝ようとした。ロックはそれを止め、徒弟になったのだから部屋で寝ればよいと伝えた。ミルカは大きな屋敷に緊張しながらも、用意された部屋に感謝して休むことになった。

不安なガルヴ

ロックが自室へ戻ると、目を覚ましたガルヴが不安そうに待っていた。ガルヴはロックがいなかったことを寂しがり、体をこすりつけて甘えた。ロックは事情を説明し、起きられなかったガルヴを責めずに撫でて落ち着かせ、再び眠りについた。

第二章 

ガルヴとミルカ

早朝、ロックはガルヴの吠え声で目を覚ました。駆けつけると、ガルヴが知らない侵入者だと思ってミルカを押さえ込んでいた。ロックはミルカが今日から屋敷に住む徒弟だとガルヴに教え、ミルカにはガルヴを番狼として紹介した。

新居の朝食

ロックたちは朝食を取りながら、ミルカの事情と王宮へ通じる秘密通路についてゴランたちに説明した。王宮への通路は非常用として残し、下水道につながる穴をふさいで補強することになった。シアは、通路に罠があった理由を尋ね、ロックは先々代の王妃対策だったのではないかと推測した。

子狼ガルヴ

ガルヴは昨夜の怪音に気づけなかったことをルッチラとゲルベルガさまに叱られ、しょんぼりしていた。シアは、ガルヴが霊獣狼としてはまだ子供であり、犬でいえば生後五か月ほどだと説明した。ガルヴは一人前のつもりで胸を張ったが、ロックは子狼として励ましながら撫でた。

買い出し

シアとゴランが出かけた後、ロックはセルリス、ルッチラ、ミルカ、ガルヴ、ゲルベルガさまと買い物に出た。セルリスの案内で石材店へ行き、下水道側と通路側を補修する石材を購入した。ロックはエリックからもらった魔法の鞄に大量の石材を詰め、その便利さに改めて感謝した。

ミスリルの大盾

ロックは王宮へつながる壁につける扉の素材を探しに、鍛冶職人の店へ向かった。扉に適した金属塊はなかったが、扉代わりにできそうな巨大なミスリル製の大盾を見つけた。ロックは冒険者カードで金を引き出し、その大盾を購入した。

ミルカへの脅迫

掃除用具を買いに行ったミルカは、祖父の借金を理由に大人たちに絡まれていた。ロックは保護者として割って入り、ミルカに支払い義務がないことを告げた。相手が襲いかかると、ロックは正当防衛になるようあえて数発受けた後、三人を一瞬で叩きのめした。

幻術の尋問

ロックはチンピラたちを廃屋へ連れ込み、ルッチラから学んだ幻術で尋問した。彼らはカビーノという金貸しの部下であり、ミルカを売り払うつもりだったことを白状した。さらに、禁止された奴隷取引の抜け道を使って子供を売る計画が始まりかけていることも明らかになった。

地区長の事情

ロックたちはチンピラを官憲に引き渡し、セルリスが事情を説明した。地区長はカビーノが私兵を抱え、貴族や官憲上層部ともつながっているため、通常の捜査では妨害されると明かした。ロックはギルドを通さず、自分たちが直接カビーノ邸へ乗り込んで現行犯を作る作戦を提案した。

仲間への依頼

ロックたちは冒険者ギルドへ向かい、シア、アリオ、ジニーに協力を頼んだ。三人は詳しい内容を聞く前に快諾し、カビーノ邸の裏口を固める役目を引き受けた。ロックとセルリスが正面から入り、ルッチラ、ガルヴ、ゲルベルガさまは外で後方を守ることになった。

カビーノ邸の悲鳴

作戦開始の直前、カビーノ邸の中から少女の悲鳴が聞こえた。緊急事態と判断したロックは、ミルカを外へ戻し、魔神王の剣で玄関の扉を斬り裂いて突入した。屋敷の中には多数の男たちと、組み伏せられた少女がいた。

少女の救出

ロックは幻術で火事を見せて敵の注意をそらし、少女に突きつけられていたナイフを蹴り飛ばした。セルリスはその隙にカビーノを殴り倒し、ロックは少女を救出してセルリスに預けた。その後、ロックとセルリスは屋敷内の男たちを次々に叩きのめし、カビーノたちを捕縛した。

カビーノ邸の制圧

ルッチラ、ガルヴ、セルリスは屋敷内を調べ、隠れていたチンピラも捕まえた。シアたちと地区長たちもそれぞれ逃げようとした者を捕らえ、合計三十三人を捕縛した。地区長はロックとセルリスの戦果に驚き、ロックはセルリスの力によるものとして説明した。

悪事の証拠

ロックたちはカビーノ邸を探索し、金庫から帳簿や大量の金塊、現金を見つけた。さらにガルヴが戸棚から御禁制のハムを発見した。それは聖獣の肉に冒瀆的な呪いをかけた呪具であり、所持だけで重罪となる危険物だった。

武器庫の発見

ガルヴに続いて、シアも怪しい臭いを嗅ぎつけた。ロックが調べると隠し扉が見つかり、その奥には大量の武器が保管されていた。クーデターに使えるほどの量であり、カビーノと関係者を追及する重大な証拠となった。

地区長への配慮

ロックは、保護された少女の扱いを地区長に託したうえで、カビーノとつながる上級貴族や官憲上層部が報復に出る可能性を警戒した。地区長に自宅を教え、必要ならモートン卿を通じて連絡するよう伝えた。地区長はロックの正体を不思議に思ったが、ロックはゴランを昔手伝っていたと説明した。

第三章 

報酬の支払い

ロックたちはカビーノ邸の後始末を地区長に任せ、屋敷へ戻ることにした。ロックは協力してくれたアリオ、ジニー、シアに報酬を払おうとした。シアはBランクでありながら、今回はギルドを通した依頼ではなく、アリオたちと同じ働きだったとして、同額の報酬だけを受け取った。

風呂掃除の用事

帰り道、セルリスは屋敷の風呂が使えるかをロックに尋ねた。ミルカには帰ったら風呂掃除をするよう頼み、自分は用事があると言って一度家に戻った。ロックは理由がわからなかったが、セルリスはすぐ戻ると言い残して走り去った。

屋台の買い食い

ロックは帰る途中で小腹が空き、皆に屋台で好きなものを食べさせることにした。ミルカやルッチラ、シア、ガルヴ、ゲルベルガさまは喜んだ。ロックはガルヴには肉を、ゲルベルガさまにはスイカを買い、ミルカにも分けて食べさせた。

風呂掃除と通路補強

屋敷に戻ると、セルリスはすでに戻っており、ミルカと一緒に風呂掃除を始めた。シアは秘密通路の補強を手伝うと申し出た。ロックはエリックに今日中に顔を見せると言っていたため、ルッチラ、シア、ガルヴ、ゲルベルガさまとともに地下の秘密通路へ向かった。

下水道側の封鎖

ロックは通路の壁に硬化と状態固定の魔法をかけながら進み、下水道につながっていた穴を本格的にふさいだ。下水道側は目立たないよう元の岩を使い、足りない部分だけ買った石材で補った。通路側にも新しい石を積み、魔法で補強した。

王宮側の壁

ロックたちは王宮側の壁に到着し、シアとガルヴが臭いまで確認したが、ただの壁にしか見えなかった。ロックが魔法を解除しようとすると、向こう側からレフィの声が聞こえ、直後にレフィが拳で壁の岩を抜いた。ロックは驚きながらも、王宮側にいたのがレフィだと知って安心した。

レフィとの再会

ロックは岩をどかし、レフィのいる部屋へ入った。レフィは久しぶりの再会を喜び、ロックが若返って見えることに気づいた。そこへエリックも駆けつけ、秘密通路の存在をレフィに黙っていたことで問い詰められた。

ミスリル扉の設置

ロックは王宮側の入口に、扉代わりとして買ってきたミスリルの大盾を設置した。岩を取り除き、盾を加工して金具で固定し、硬化と状態固定の魔法をかけた。さらに、エリックとレフィの血筋、そしてロック自身だけが開けられるよう、特殊な解錠条件を持つ魔法の鍵を設定した。

秘密通路の完成

エリックは扉の中央下にある王家の紋章へ手を置き、扉を開けられることを確認した。ロックは王女たちにも届くよう低い位置に紋章を置いていた。エリックとレフィは、緊急時にロックが通れることを心強いと受け止め、ロックに感謝した。

ロックの偽名

レフィは、エリックがラックではなくロックと呼ぶことを不思議に思った。ロックは、現在は身分を隠して活動しているため偽名を使っていると説明した。レフィはすぐに事情を理解し、ロックも念のため詳しい経緯を話した。

王宮でのお茶

エリックは部屋の調理設備で茶を淹れた。レフィは、その設備が先々代王が男爵夫人の手料理を食べるために作らせたものではないかと考えた。シアとルッチラは国王自らが淹れた茶に緊張したが、エリックの茶をおいしいと答えた。

カビーノの報告

談笑の中で、エリックはミルカのことを尋ねた。ロックは、ミルカが借金取りに狙われたこと、カビーノが奴隷取引を再開しようとしていたこと、呪いのハムや大量の武具が見つかったことを説明した。さらに、過去の捜査妨害や官憲上層部と貴族のつながりの疑いも報告した。

エリックの依頼

エリックはロックの報告を黙って聞き、事態を重く受け止めた。カビーノの背後にある貴族や官憲上層部の問題まで関わる可能性があるためであった。説明を聞き終えたエリックは、深刻な表情でロックに頼みがあると切り出した。

第四章 

神の加護の破綻

エリックは、王都の神の加護を破る手段と、昏き神の加護について話し始めた。王宮に侵入したアークヴァンパイアの所持品を調べた結果、御禁制のハムが神の加護を破る魔道具の材料であることがわかった。もともとそのハムは魔神召喚に使われる呪具として禁じられていたため、さらに危険性が増したのであった。

生贄の疑い

エリックは、カビーノが子供を集めていた目的について、奴隷として売るためではなく、生贄にするためだった可能性を示した。王都の中で奴隷を運び出すのは難しいが、呪具の材料や儀式に使うなら王都内で済むためであった。ロックは、御禁制のハム、神の加護を破る魔道具、生贄の話がつながっている可能性を重く見た。

王の代理人

エリックは、カビーノの背後にいる貴族と真の狙いを調べてほしいとロックに頼んだ。貴族や官憲上層部に裏切り者がいる可能性があり、人格者であっても操られている可能性まで疑う必要があった。エリックはロックに王の代理人であることを示す首飾りを渡し、必要ならゴランを経由して諜報機関の協力を得るよう伝えた。

地区長の保護

ロックは、カビーノを取り調べている地区長が誠実な人物に見えたことをエリックに伝えた。官憲上層部の妨害や、カビーノや地区長への口封じが起こる可能性があったためである。エリックは捜査が遅れないよう、すぐに手を打つことを約束した。

屋敷側の隠し扉

王宮を出たロックは、秘密通路の安全を高めるため、屋敷側にも魔法の鍵と隠蔽を施すことにした。書庫から秘密の部屋に入る扉と、秘密の部屋から通路に入る扉を強化し、必要な者だけが通れるよう認証を設定した。ルッチラ、ゲルベルガさま、ガルヴも認証を受けた。

可愛くなったミルカ

シアがセルリスとミルカを呼んで戻ると、ミルカは綺麗な服を着て髪も整えられていた。セルリスが風呂掃除にこだわっていたのは、ミルカを洗って自分のおさがりの服を着せるためだった。ミルカは恥ずかしがったが、ロックたちに可愛いと褒められて照れていた。

捜査方針

ロックは応接室で、エリックからカビーノの背後にいる貴族の調査を頼まれたことをセルリスたちに説明した。シアは、カビーノ以外にも生贄や武器を集める末端がいる可能性を指摘した。そこでシアとセルリスは、失踪者捜索の依頼が出ていないか調べに行くことにした。

食料保存庫

ルッチラが買い出しに出た後、ロックは台所で食料保存庫を作ることにした。ミルカはセルリスにもらった動きやすい服に着替え、台所を掃除していた。ロックは戸棚と床下収納に保存と容積拡大の魔法をかけ、固定式の魔法の鞄のような保存場所にした。

ガルヴへのしつけ

台所で匂いを嗅ぎ回るガルヴに、ロックは屋敷や王宮、ゴランの家の中で縄張りを主張してはいけないと教えた。ガルヴは驚いた様子だったが、ロックの説明を聞いて理解したようだった。ゲルベルガさまはガルヴの背に乗り、すっかりそこを気に入っていた。

屋敷の点検

ロックは屋敷に他の隠し通路や隠し部屋がないか確認した。ミルカ、ゲルベルガさま、ガルヴもついてきたが、新たな隠し場所は見つからなかった。それでもロックは、屋敷の各所に必要な魔法をかけて回った。

第五章 

屋敷の庭

ロックは屋敷と敷地全体に魔法をかけ終え、ゲルベルガさまとガルヴを連れて庭に出た。ゲルベルガさまは嬉しそうに走り回り、虫や草をついばんでいた。そこへアリオとジニーが訪れ、異常な数の魔鼠が下水道に出たため、ロックに助力を求めた。

魔鼠退治への同行

ロックはアリオたちの依頼を受け、ガルヴとゲルベルガさまも連れて下水道へ向かった。途中でシアとセルリスに会い、シアは調査を続け、セルリスは下水道で確認したいことがあるため同行することになった。ロックは戦士二人で前後を固める隊形を組み、下水道の奥へ進んだ。

大量の魔鼠

下水道には大小さまざまな魔鼠が大量にいた。アリオの火球を合図にロックが突撃し、ジニーは弓で援護し、セルリスとガルヴが討ち漏らしを倒した。魔鼠は逃げずに襲いかかり、死骸にも群がるほど飢えており、下水道から出れば人に被害を出す危険が高かった。

魔石の取り出し

一度目の襲撃を退けた後、ロックはセルリスに魔鼠から魔石を取り出す方法を教えた。セルリスは嫌がらず真剣に作業し、冒険者として必要な後処理も学んだ。死骸を放置すれば腐敗やアンデッド化の危険があるため、ロックは魔法の鞄にまとめて入れていった。

魔鼠の大群

さらに奥へ進むと、下水の合流地点に魔鼠の山ができていた。アリオが全力の火球を叩き込み、ロックは下水に入って魔神王の剣で群れを薙ぎ払った。セルリス、ジニー、アリオ、ガルヴもそれぞれ戦い、数分の激闘で魔鼠の群れをほぼ退治した。

下水の中のガルヴ

戦闘後、ガルヴが下水の中で魔鼠にたかられて溺れかけていた。ロックは魔鼠を倒してガルヴを助け、怪我を確認した。大きな傷はなかったが、下水や魔鼠による感染を心配し、ロックはガルヴを川で洗い、解毒剤を飲ませた。

謎のかけら

ロックは魔鼠が集まっていた中心を調べ、下水の底から金属のような謎のかけらを見つけた。その後、ガルヴの嗅覚で周囲に残った魔鼠を探し、二十匹以上を追加で退治した。屋敷に戻ると、魔鼠は二百匹分に達し、その体内からも同じようなかけらが見つかった。

魔鼠の後処理

ロックたちは屋敷の庭で魔鼠を解体し、魔石を取り出した。セルリスはすぐに解体の手つきを覚え、ロックに褒められて照れた。死骸は燃やされ、悪臭にミルカやガルヴは顔をしかめたが、冒険者として必要な処理であった。

昇格審査

アリオ、ジニー、セルリスは魔石を冒険者ギルドに届けに行った。ロックは目立つのを避けるため、自分の討伐記録や報酬を受け取らないことにした。後にセルリスは帰宅し、アリオ、ジニー、自分がEランク昇格審査にかけられることになったと嬉しそうに報告した。

風呂と水浴び

下水まみれになったロックは、ミルカが用意してくれた風呂に入り、ガルヴも一緒に洗った。ガルヴは風呂を嫌がらず、気持ちよさそうにしていた。その後、ルッチラはゲルベルガさまを水浴びさせ、ロックはゲルベルガさま用にトイレの小さな扉も作った。

組み上がる像

ロックたちは、魔鼠の体内と下水から見つけた謎のかけらを机に広げた。ミルカはかけらの形を見抜き、あっという間に八割ほどを組み上げた。完成したものは、十七本の足と七本の腕、コウモリのような羽を持つ、頭部の欠けた異様な像だった。

邪神の像

ロックたちは像の正体がわからず、宮廷錬金術士に見せるべきか悩んだ。王宮に持ち込むには危険な可能性があったため、ゴランに相談する案が出た。その後、帰宅したシアが像を見て、昏き者どもの神である邪神を召喚する際に使う像に似ていると告げた。

第六章 

邪神像の正体

シアは、下水道で見つかったかけらを組み上げた像が、昏き者どもの神を召喚するための道具だと見立てた。像は足十七本、腕七本、コウモリの羽を持つ異様な姿であり、呪いを込めることで邪神召喚に使われるものだった。ロックは、すでに召喚が終わったものか、これから使われるものかを重視したが、シアにもそこまでは判断できなかった。

魔鼠と像の関係

ロックたちは、邪神像のかけらが魔鼠を集めたり巨大化させたりした可能性を考えた。下水道の魔鼠をすべて倒したつもりではあったが、残っていれば再び繁殖する恐れがあったため、翌日もう一度調べる必要があると考えた。ルッチラは王都の民への被害を心配し、ゲルベルガさまは不安そうなルッチラを慰めた。

増えた人捜し依頼

シアは、人捜し依頼を調べた結果を報告した。最近の依頼は三十件ほどに増えており、そのうち今月失踪した三十三人の中で、貴族の徒弟や奉公人だった者が十人いた。とくにマスタフォン侯爵家で三人、マルクル伯爵家とフリア子爵家で二人ずつ失踪していた。

貴族街の失踪者

失踪した徒弟や奉公人が関係していた貴族家は、ロックの屋敷がある地区に集中していた。王宮に近く上級貴族の屋敷が多い治安のよい地区で、一か月の間に十人も失踪しているのは明らかに異常だった。シアは詳細な地図を用意し、失踪者の出た屋敷を印で示した。

ミルカの着眼

地図を見たミルカは、失踪者の出た屋敷と出ていない屋敷の違いを考えた。奉公人が通用口から出て自宅へ帰る経路や、徒弟がおつかいに出る道を照らし合わせ、失踪者たちが特定の通りを通っていた可能性を指摘した。ミルカは以前この地区でごみをあさっていたため、屋敷の通用口の位置にも詳しかった。

おとり作戦の却下

セルリスは失踪の現場を押さえるため、自分がおとりになると言い出した。ミルカも自分の方が目立たず適役だと主張したが、ロックは二人を危険にさらすわけにはいかないとして却下した。さらわれた先が黒幕の貴族の屋敷とは限らず、末端だけを捕まえても目的から外れる可能性があったためである。

下水道の地図

ミルカは、邪神像のかけらが下水道に捨てられていたことから、下水道の入り口に近い屋敷も怪しいと考えた。ロックはさらに、入口から直接捨てたのではなく、下水の流れに乗せて流した可能性を指摘した。ミルカは下水道の構造を地図に書き込み、下水の流れとかけらの集まった場所を照らし合わせた。

マスタフォン侯爵家

ミルカは、失踪者の通り道、下水の流れ、邪神像のかけらが集まった場所を総合して、疑わしい屋敷を一つに絞った。その位置にあったのは、失踪者が三人出ていたマスタフォン侯爵家だった。ロックたちは、マスタフォン侯爵家が今回の事件に関わっている可能性を強く意識することになった。

第七章 

マスタフォン侯爵家への方針

マスタフォン侯爵家は使用人が三人消えており、最も怪しい家として浮上した。セルリスは貴族の屋敷に正面から乗り込むのは危険だと考え、ロックは一人で侵入することにした。ミルカは自分も行こうとしたが、ロックはスカウトとしても得意だと説明し、皆には屋敷で待機するよう頼んだ。

近隣からの苦情

ロックの屋敷に、近隣の貴族に仕える使用人が苦情を言いに来た。魔鼠の死骸を焼いた悪臭について謝罪すると、使用人は最近、反対側の屋敷からも悪臭や不気味な声が続いていると話した。その屋敷がマスタフォン侯爵家だとわかり、ロックは儀式が続いている可能性を感じた。

屋敷の守り

ロックは出発前に、門扉と玄関に魔法鍵をかけ、屋敷の者たちが開けられるよう登録した。シアとセルリスには留守番を頼み、ルッチラとガルヴにはゲルベルガさまの護衛を任せた。ミルカにも外出しないよう言い、ロックは奉公人に見える服装へ着替え、魔神王の剣を魔法の鞄にしまって出発した。

侯爵家の監視

ロックは通行人を装ってマスタフォン侯爵家を観察した。正門だけでなく裏口にも門番が置かれ、窓からも複数の人影が外を見ていた。彼らは生気がなく、目だけでロックを追っており、ロックは屋敷全体が昏き者どもに支配されている可能性を考えた。

痩せた犬

ロックは気配遮断の魔法を使い、壁を越えて敷地内へ入った。そこで極端に痩せた大型犬と出会い、呪いや操られた痕跡がないことを確認した。ロックが食べ物と水を与えると、犬は警戒しながらも受け取り、その後ロックを屋敷内へ案内した。

フィリーの部屋

犬は使用人たちを避けながら、割れた窓から屋敷内へ入り、半地下の部屋へロックを導いた。ロックが高位の魔法鍵を解除して中に入ると、そこには眼鏡をかけた小柄な少女がいた。犬はタマと呼ばれ、少女フィリー・マスタフォンの愛犬であり、二人は再会を喜んだ。

監禁された五女

フィリーはマスタフォン侯爵家の五女であり、家宰に監禁されていた。二年前に雇われた執事見習いは急速に出世し、半年前に家宰となったが、先月豹変して侯爵夫妻やフィリーを閉じ込めた。主だった使用人たちも別人のようになり、従わなかった者は消え、殺された者もいた。

愚者の石

フィリーは錬金術士であり、両親を人質に取られて謎の金属の錬成を命じられていた。その金属はヴァンパイアのメダルや邪神像と同じ素材であり、フィリーはそれを愚者の石だと説明した。愚者の石は呪いを溜めて増幅し、神の加護と逆の結界を張ることも可能だと考えられていた。

下水へ流された像

フィリーは、邪神像の形状を指定されて愚者の石を精製させられていた。像はすでに使い終わったらしく、メダルに精製し直せと命じられたが、フィリーは外へ状況を知らせるために下水へ流した。ロックがそのかけらを回収し、屋敷を突き止めたと知ると、フィリーは驚き、感謝した。

ヴァンパイアロード

ロックはフィリーとタマを部屋に残し、魔法鍵を作り替えて保護した後、侯爵夫妻を探しに出た。使用人の出入りが多い部屋に侵入すると、そこにはヴァンパイアロードがいた。ロックは相手を挑発して激昂させ、魔神王の剣で首をはね、神の加護をごまかす魔道具とメダルを回収した。

鏡の転移魔法陣

ロックはロードの部屋を調べ、隠された小部屋と姿見を見つけた。鏡の裏には転移魔法陣が刻まれており、そこから別のヴァンパイアが現れた。ロックは幻術で先ほどのロードに見せかけたが見破られ、相手の剣速から高位の存在か、神に力を与えられた者だと察した。

神に力を与えられた者

ロックは現れたヴァンパイアと斬り結び、首をはねて倒した。相手は神に力を与えられた自分が人間に負けたことに驚いていた。灰を調べてもメダルはなく、魔石はアークヴァンパイアほどの大きさながら輝きは異質だったため、ロックは神の力で強化された個体だったのではないかと考えた。

転移魔法陣の先

ロックは、もし神の力でアークヴァンパイアがロード級の力を得るなら、ロードが強化された場合はさらに危険だと考えた。最初に倒したロードが普通のロードだったことから、力の付与には何らかの制約があるとも推測した。ロックは事態を急ぐ必要を感じ、そのまま転移魔法陣へ飛び込んだ。

第八章 

転移先の洞窟

ロックは転移魔法陣を抜けた直後、五体の強化されたヴァンパイアに襲われた。彼はすべての首をはね、魔石からそれらが神の力で強化されたアークヴァンパイアだと見抜いた。転移先は洞窟のような場所であり、ヴァンパイアハイロードの本拠地に似ていた。

洞窟の制圧

ロックは洞窟内を進み、遭遇したヴァンパイアやゴブリンを次々と倒した。敵の動きから守ろうとしている場所を読み取り、特に厳重に守られた部屋を見つけた。昏き神の加護を警戒したロックは、部屋へ入る前に人の気配を探り、周囲ごと凍らせる極限結氷で敵を無力化した。

邪神の頭部

部屋の中には、緑色で三つの目を持ち、髪の代わりに触手を生やした巨大な頭部があった。それは邪神像から失われていた頭部と同じ姿であり、ロックは邪神の一部だと判断した。昏き神の加護のコアを破壊しようとすると、邪神の触手がそれを守ったため、ロックは本体への攻撃と並行して隙を作った。

邪神との戦い

邪神の頭部は触手で魔力弾を防ぎ、黒い光線や魔力弾で激しく反撃した。ロックは光線で腕を焼かれながらも、時空爆縮で頭部を圧縮して破壊した。しかし頭部はなお再生を始めたため、ロックは敵から学んだ黒い光線で焼き尽くし、炭になるまで攻撃を続けた。

頭部の回収

邪神の頭部が復活しないことを確認したロックは、炭の中から小さな像の頭部を見つけた。これで下水道から回収した邪神像の全身がそろう可能性が出た。ロックは、もし邪神が全身で顕現していれば自分でも勝てたかわからないと考え、頭部の灰や像、昏き神の加護のコアを回収した。

生き残ったハイロード

極限結氷で凍った敵の中から、一体の高位ヴァンパイアが息を吹き返した。ロックは幻術で第十位階に化け、邪神が完全体ではなく、召喚魔法陣の上から動けない存在だったことを聞き出した。さらに、王都周辺を統括していたハイロードが殺されたことで焦り、生贄不足のまま頭部だけを召喚したことも判明した。

ハイロードと第十八位階

別の生き残りが現れたことで幻術が限界を迎えると、ロックはハイロードの首をはねた。続いて第十八位階のロードを捕らえ、ドレインタッチで負傷した腕を回復した後、とどめを刺した。ロックは灰から魔石やメダルを回収し、洞窟の後始末を進めた。

真の本拠地

ロックは洞窟の物理的な入口を探し、外の地形からそこが王都の北、以前討伐したハイロードの本拠地よりさらに奥にあると判断した。人里から離れた場所であり、昏き者どもが好きに動くには都合のよい土地だった。ロックは洞窟の扉を新しい魔法鍵で封じ、転移魔法陣で侯爵家へ戻った。

侯爵家の探索

マスタフォン侯爵家に戻ると、屋敷内には眷属が灰になった跡や、魅了されて気絶した者たちが残っていた。ロックは屋敷全体が昏き者どもに支配されていたことを確認し、侯爵夫妻を捜すためにいったん自分の屋敷へ戻った。そこでシアとガルヴを連れて再び侯爵家へ向かった。

フィリーとタマ

ロックはフィリーの部屋へ戻り、シアとガルヴを紹介した。タマは侯爵夫妻の居場所を知っているように振る舞い、ロックたちを使用人部屋へ案内した。そこに隠し扉があり、魔法を解除して中へ入ると、マスタフォン侯爵夫妻が閉じ込められていた。

侯爵夫妻の救出

侯爵夫妻はロックたちを凄腕の冒険者だと見ながらも、ヴァンパイアロードがいる屋敷から自分たちを連れて脱出するのは不可能だと考えていた。ロックはすでに敵を倒したと説明したが信じてもらえなかったため、エリックから渡された王の代理人の首飾りを示した。夫妻はひざまずき、ロックの説明を受け入れた。

家族の再会

ロックは侯爵夫妻をフィリーの部屋へ連れていった。フィリーは両親の姿を見ると飛び出し、三人は涙を流して抱き合った。タマも嬉しそうに周囲を駆け回り、シアとガルヴも静かにその再会を見守った。

ゴランの叱責

セルリスはゴランとエリックを連れて侯爵家に現れた。ロックが一連の出来事を説明すると、ゴランは邪神やハイロードがいる可能性を知りながら独走したことを厳しく叱った。ロックは、長期計画だった以上、応援を呼ぶ時間はあったと指摘され、反省した。

後始末の引き継ぎ

エリックとゴランは、侯爵家と洞窟の後始末を引き受けた。ゴランは邪神のいた洞窟へ精鋭のAランク冒険者パーティーを送るつもりだと告げ、ロックには休むよう促した。フィリーはロックに深く感謝し、ロックは何かあれば二軒隣の自分の屋敷へ来るよう伝えて帰った。

第九章 

屋敷での夕食

ロックは屋敷に戻り、ルッチラ、ミルカ、ゲルベルガさまに迎えられた。疲労が大きかったため早めに眠ろうとしたが、夕食ができたら起こしてもらうことにして自室へ戻った。ガルヴもついてきて、ロックの腹に顎を乗せて甘え、ロックは撫でながら眠りについた。

ミルカの料理

ミルカに起こされたロックは食堂へ向かった。エリック、ゴラン、セルリス、シア、ルッチラ、ミルカ、ゲルベルガさま、ガルヴがそろい、皆で夕食を食べた。ミルカは料理に自信がなかったが、ロックやセルリスたちに褒められて嬉しそうにしていた。

枢密院の捜査本部

食後、ロックはエリックにカビーノの取り調べについて尋ねた。エリックは枢密院に捜査本部を置き、地区長も一時的に転属させたと説明した。暗殺や妨害を防ぐためであり、ロックはそれを聞いて安心した。

枢密顧問官の指輪

エリックは、ロックに枢密顧問官の役職を与えたと告げた。国王代理人として動くには役職があった方が便利だが、正体が知られないよう外部には公表しないことになった。さらにエリックは顧問官の指輪を渡し、ロックは首飾りに通して携帯することにした。

マスタフォン侯爵家の奪還

ゴランは、邪神の拠点にはAランク冒険者パーティーを送ったと説明した。エリックは、マスタフォン侯爵家が昏き者どもに乗っ取られていたことを重く見ていた。ロックは、敵の計画が長期的だったわりに拙速だった点を疑問に思い、エリックとゴランはロックの帰還に気づいた敵が焦って動いた可能性を考えた。

橋頭堡の破壊

シアは、暗躍しているヴァンパイアはまだいると考えた。エリックは、王都への橋頭堡だったマスタフォン侯爵家を奪還し、患者の石を作れるフィリーを保護できたことは大きな成果だと述べた。ロックへの褒美は事情を公開できないため後日に回されることになった。

魔法鍵の登録

ゴランは、屋敷の扉をセルリスたちだけが開けられるのはずるいと言い、エリックも自分も開けられるようにしてほしいと頼んだ。ロックは二人を連れて門の魔法鍵に認証を追加した。ヴァンパイアの脅威はひとまず退けられ、その夜は少し落ち着ける状況になった。

書き下ろし短編 フランゼンの狼

命の恩人ラック

ガルヴは、ヴァンパイアハイロードに捕まっていたところをラックに救われたため、命の恩人の役に立ちたいと思っていた。ラックの屋敷に来た最初の夜、ガルヴは眠るラックを守ろうと考え、先にベッドへ入って温めた。ラックにゲルベルガさまの護衛を頼まれると、頼られたことが嬉しく、全力で応えようとした。

眠ってしまった番狼

ガルヴは護衛をするつもりだったが、ラックに撫でられるうちに眠ってしまった。目覚めるとラックがいなくなっており、捨てられたのではないかと不安になった。屋敷中を探しても見つからず、部屋に戻ってラックの匂いを嗅いで待っていると、ようやくラックが帰ってきたため、ガルヴは安心して甘えた。

不審者ミルカ

翌朝、ガルヴは屋敷を見回り、異常がないことを確認してラックの部屋へ戻ろうとした。そこへ知らない子供が現れたため、ガルヴは不審者だと判断して飛びかかり、押さえつけて吠えた。ラックに言われて放すと、その子供が今日から屋敷に住むミルカだと知った。

ミルカとの序列争い

ガルヴは、ミルカを群れの新入りで自分より下だと考えた。ミルカが右手を差し出しても無視したが、撫でられると気持ちよく、怒る気になれなかった。その後、ルッチラとゲルベルガさまに昨夜起きられなかったことを叱られ、ガルヴは反省しつつも、ミルカには後で序列を教えようと考えた。

ここ俺1巻レビュー
ここ俺まとめ
ここ俺3巻レビュー

同シリーズ

ここ俺2の表紙画像(レビュー記事導入用)
ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。
ここ俺2の表紙画像(レビュー記事導入用)
ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。2
ここ俺3の表紙画像(レビュー記事導入用)
ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。3
ここ俺4の表紙画像(レビュー記事導入用)
ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。4

その他フィクション

フィクション(novel)あいうえお順の表紙画像(レビュー記事導入用)
フィクション(novel)あいうえお順

Share this content:

コメント

タイトルとURLをコピーしました