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フィクション(Novel)ヘルモード~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~読書感想

小説「ヘルモード12 竜神の里の試練編」感想・ネタバレ

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ヘルモード12の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

ヘルモード 11巻 レビュー
ヘルモード 全巻 まとめ
ヘルモード 13巻 レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
    3. ■ 物語の特徴
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 魔王の超越者化
    2. ヘビーユーザー島の発展
    3. 魔法匠と聖珠生成
    4. 試練の塔の攻略
    5. 魂を持つゴーレム
    6. 竜神の里の試練
    7. 五大陸同盟の動揺
  6. 登場キャラクター
    1. アレン軍(廃ゲーマー)
      1. アレン
      2. ペロムス
      3. セシル
      4. キール
      5. ソフィアローネ
      6. フォルマール
      7. クレナ
      8. ドゴラ
      9. ルークトッド
      10. ロザリナ
      11. イグノマス
      12. メルル
      13. シア=ヴァン=アルバハル
      14. タムタム
      15. ハク
      16. ルド将軍
      17. ラス隊長
    2. アレンの家族・関係者
      1. フィオナ
      2. ロダン
      3. マッシュ
    3. ラターシュ王国
      1. インブエル3世
      2. 宰相
      3. レイラーナ姫
      4. トマス
      5. グランヴェル伯爵
      6. ゼノフ騎士団長
      7. ライバック
      8. 内務大臣
      9. 外務大臣
      10. デボジ
      11. チェスター
    4. ギアムート帝国(勇者軍)
      1. ヘルミオス
      2. ロゼッタ
      3. グレタ
      4. ドベルグ
      5. レガルファラース=フォン=ギアムート5世
      6. 恐怖帝ゼルディアス
      7. ガッツン
      8. ドロシー
      9. エナ
      10. ガハト村長
    5. バウキス帝国(ゴーレム軍)
      1. ププン=ヴァン=バウキス3世
      2. ハバラク
      3. ララッパ団長
      4. ガララ提督
    6. プロスティア帝国
      1. ラプソニル女帝
      2. カサゴマ
    7. ローゼンヘイム
      1. レノアティール女王
      2. 祈りの巫女
      3. シグール元帥
      4. フィラメール長老
      5. ガトルーガ
    8. アルバハル獣王国
      1. ムザ獣王
      2. ベク獣王太子
      3. ゼウ獣王子
    9. ファブラーゼ(ダークエルフ)
      1. オルバース
      2. ダークエルフの大将軍
    10. エルメア教会
      1. クリンプトン枢機卿
      2. イスタール大教皇
    11. 冒険者ギルド
      1. マッカラン本部長
    12. 神・精霊・聖獣・竜・その他
      1. 創造神エルメア
      2. メルス
      3. マクリス
      4. 調停神ファルネメス
      5. 精霊神ローゼン
      6. 水の神アクア
      7. 火の神フレイヤ
      8. 魔法神イシリス
      9. 時空神デスペラード
      10. 暗黒神アマンテ
      11. 大地の神ガイア
      12. 獣神ガルム
      13. 大精霊神イースレイ
      14. ディグラグニ
      15. ピグミー
      16. ニンフ
      17. 精霊王ファーブル
      18. コロポックル
      19. 大精霊ムートン
      20. メガデス
      21. エルギア
      22. ロードメルク
      23. マティルドーラ
      24. アステル
      25. 聖鳥クワトロ
      26. デンカ
      27. ゴルディノ
      28. キメイラオメガ
    13. 魔王軍
      1. 魔王ゼルディアス
      2. キュベル
      3. オルドー
      4. シノロム
      5. ドライゼン
      6. イルゼ
      7. バスク
      8. ラモンハモン
      9. グシャラ
      10. 魔神レーゼル
      11. 魔神リカオロン
    14. その他の集団
      1. 獣人隊
      2. エルフ隊
      3. ダークエルフ隊
      4. ドワーフ隊
      5. 魚人隊
      6. 守人の長
      7. ラターシュ王国の役人
      8. 同盟参加国代表
      9. 竜王の使い
      10. 勇者軍
      11. ゴーレム軍
      12. セイクリッド
      13. スティンガー
      14. 百花繚乱
  7. 展開まとめ
    1. 第一話 ヘビーユーザーな者たち
    2. 第二話 帝陵に眠る者
    3. 第三話 ダンジョンマスター・ディグラグニ戦
    4. 第四話 5大陸同盟会議
    5. 第五話 竜神マグラの里に向けて
    6. 第六話 竜王マティルドーラと審判の門
    7. 第七話 爪の門への挑戦
    8. 第八話 牙の門への挑戦
    9. 第九話 鱗の門への挑戦
    10. 第十話 試練達成に向けての準備
    11. 第十一話 時空神の使いメガデス戦
    12. 第十二話 過去に交わされた契約
    13. 第十三話 開かれた世界
    14. 特別書き下ろしエピソード 漆黒の邪竜との戦い①
    15. ヘルモード外伝 5.5話 幕間 徴税と権利
    16. 電子書籍特典 ペロムスの結婚式会場②
  8. ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~ 一覧
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

ジャンルはハイファンタジーであり、ゲームのシステムが組み込まれた異世界転生もののライトノベルである。 あらすじとしては、深海の魚人帝国プロスティアでの激闘を終えた主人公アレンたちが、次なる目標として神々の住む「神界」へ至るため、過酷な「竜神の里の試練」へ挑む姿が描かれる。一方で、最高難易度「ヘルモード(超越者)」を目指して「邪神の尾」を捕食した魔王ゼルディアスは、人間界への本格的な侵攻と人類の対魔王組織である「5大陸同盟」の分裂工作を開始する。アレン軍の拠点であるヘビーユーザー島は、多様な種族の移住と最先端の技術が結集し、超巨大な移動要塞へと変貌を遂げていく。世界のバランスが根底から覆る中、人間界・魔王軍・神界を巻き込む大戦乱の幕が上がる。 基本的な世界観は、前世で廃ゲーマーだった主人公が、最も成長速度が遅く過酷な最高難易度「ヘルモード」を選択して異世界の農奴として転生し、独自の才能「召喚士」を駆使して世界を冒険するというものである。攻略本やネット掲示板が存在しない過酷な設定の中で、地道なレベル上げやスキル検証を行いながら強敵に立ち向かっていく、緻密でゲームライクなルールが特徴である。

■ 主要キャラクター

  • アレン: 本作の主人公。前世は35歳の廃ゲーマー・山田健一であり、最高難易度「ヘルモード」の異世界に農奴の少年として転生した。唯一無二にして謎多き才能「召喚士」を持ち、膨大な検証と効率的な戦略で仲間を率いる。12巻ではヘビーユーザー島を移動要塞へと進化させ、魔王の策略による5大陸同盟の危機にも迅速に対応する。
  • クレナ: アレンの幼馴染であり、天稟の才「剣聖」を持つ少女。12巻では神界へ行くための「竜神の里の試練」に挑戦者として挑むため、元の強力な職業を捨てて「竜騎兵」へと転職する。白竜ハクと共に過酷な「試しの門」を突破し、最終的に「竜騎帝」へと至り強大な神技を獲得する。
  • メルル: バウキス帝国出身のドワーフの少女であり、魔岩石を動力源とするゴーレムを操る才能を持つ。12巻ではS級ダンジョン「試練の塔」の創造主ディグラグニを討伐したのち、愛機であるゴーレム「タムタム」に魂を与えることを懇願し、自律戦闘が可能な強力な相棒へと進化させる。
  • ペロムス: アレンの同郷の友人であり、大商会「廃課金商会」を率いる優秀な商人。プロスティア帝国の危機を救った英雄でもある。12巻では恋人フィオナとの新居問題に直面するほか、魔王の策略によって分裂の危機に陥った5大陸同盟を再び結束させるための「国家的結婚式」の主役に選ばれる。
  • 魔王ゼルディアス: 人類と敵対する魔王軍の首領。その正体は、1000年前に中央大陸を武力と恐怖で支配したギアムート帝国の「恐怖帝」の生まれ変わりである。プロスティア帝国に封印されていた「邪神の尾」を自ら喰らうことで、最高難易度である「超越者(ヘルモード)」へと到達するが、その代償として肉体の崩壊と激しい狂気に苛まれている。

■ 物語の特徴

本作の最大の魅力は、一般的な「お手軽な異世界無双」とは一線を画す、徹底的な「やり込み」と「泥臭い検証作業」の描写にある。主人公アレンが前世のゲーマー精神を発揮し、スキルのクールタイムやストックの仕様、経験値の効率的な稼ぎ方を緻密に計算・分析しながら強くなっていくプロセスが読者の知的好奇心を刺激する。 特に第12巻においては、これまで積み上げてきた拠点開拓やダンジョン攻略の成果が結実し、島全体が自力で空中を飛行する移動要塞となるスケールの大きさ、仲間たちが「神技」や「魂を持つゴーレム」といった魔神級の戦力を手に入れていく圧倒的な成長スピードが描かれており、物語がさらなる高みへと加速していく点が大きな特徴である。

書籍情報

ヘルモード 12~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~
著者:ハム男 氏
イラスト: 氏
出版社:アース・スターノベル
発売日:2025年10月16日

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あらすじ・内容

クレナ、竜騎士デビュー!!プロスティア帝国での魔王軍との戦いを終えたアレンたち。魔王や魔王軍幹部たちの圧倒的な実力を目にしたアレンは、戦力を上げるための計画や検証を続ける。S級ダンジョンでは、ついにダンジョンマスターのディグラグニに戦いを挑む。勝利報酬としてアレンが、そしてメルルが望んだのは……。5大陸同盟会議が開かれ、魔導板を通して転職ダンジョンについての神託が与えられるが、それをハッキングするように魔王からのメッセージが表示される。そこで、魔王は正体を明かすとともに、全人類に対して宣戦布告を行い――。アレン達の次の目標として、神界を目指すことに。竜神の里にあるという審判の門という場所から神界に行けるのだが、その門を通るには3つの試練を突破する必要があるという。試練には竜とその乗り手しか受けることができないと聞き、クレナは白竜のハクとともに戦うため、竜騎士への転職を決める。アレンや仲間の助けも借りられない条件の元、クレナとハクは過酷な試練へと挑み……。

ヘルモード 12~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~

感想

まずはその圧倒的なパワーインフレの凄まじさに興奮を隠せなかった。少年誌のバトル漫画以上に熱く、どこまでも突き抜けていく展開に終始圧倒されっぱなしである。まだキャラクター同士の「融合」にまで至っていないのを見るに、ここからさらに強くなっていく余地を残しているのが恐ろしい。

何よりも驚かされたのは、アレンたちの最強の活動拠点である「ヘビーユーザー島」の進化である。農業だけでなく、優秀な鍛冶師や魔法匠たちが集まることで最先端の武具や魔導具の生産体制が整い、武装が劇的に刷新されていく様子には胸が躍った。獣人、エルフ、ドワーフ、魚人といった多種族が共生する大集落を丸ごと内包したまま空を駆ける「移動要塞」へと覚醒した姿は、人類側にとってこれ以上ないほど頼もしい最強の盾である。

また、戦力強化の基盤となる職人たちの活躍からも目が離せない。聖魚マクリスが生み出す「聖珠」を魔法匠カサゴマが加工することで、アレン軍の戦力や継戦能力は桁違いに向上した。カサゴマがさらに「神技」へ覚醒したことにより、今後どのような究極の装備が誕生するのか、今から期待が膨らむばかりだ。

仲間たちの個別の成長劇も見応え十分であった。バウキス帝国の「試練の塔」におけるダンジョンマスター討伐は、得られた経験値こそ少なかったものの、メルルとタムタムを大きく引き上げる重要なターニングポイントとなった。単なる操縦兵器だったタムタムが、試練を乗り越えて「魂」を宿し、自我を持つ頼もしい相棒へと進化する過程には深い感動を覚えた。自律戦闘でSランク魔獣の群れを単機粉砕できるほどの魔神級の力を得たタムタムは、今後の戦いでもメルルを支える不可欠な存在になるに違いない。

さらに、クレナの「竜騎兵」へのジョブチェンジと、それに続く試練の描写も凄まじい熱量を持っていた。アレンたちが直接手を出せないという過酷な制限が課せられた「竜神の里の試練」を、白竜ハクとの固い絆、そして協力者たちの巧妙なサポートによって見事突破していく姿には思わず拳を握りしめた。ハクが「亜神竜」へとクラスアップし、クレナが「竜騎帝」となって強大な神技を獲得した瞬間は、まさに鳥肌ものである。ここで得た圧倒的な力が、次なる舞台である神界への大きな足がかりになることは確実だ。

しかし、人類側が驚異的なスピードで力を蓄える一方で、敵である魔王軍の脅威もまた計り知れないものへと膨れ上がっている。魔王ゼルディアスが過去に中央大陸を恐怖で支配した「恐怖帝」の生まれ変わりである可能性が浮上し、物語は一気に緊迫感を増していく。彼は「邪神の尾」を喰らうことで最高難易度である「超越者(ヘルモード)」へと至ったが、その強大な力は肉体に深刻な異常と制御しきれない狂気をもたらしている。この魔王自身の崩壊を孕んだ異変が、今後の戦いにどう影響するのか非常に興味深い。

さらに恐ろしいのは、魔王軍が放った計略の巧妙さである。魔王による突如としての宣戦布告と通信ジャックは、1000年前の因縁を呼び覚まし、人類側の対抗組織である「5大陸同盟」を深刻な分裂の危機へと陥れた。アレンたちが神界へと旅立った絶妙な留守の隙を狙い、一気に人間界を攻め滅ぼそうとする魔王軍の高度な情報戦には、背筋が凍るような緊迫感を味わわされた。

この崩壊しかけた同盟の絆を再構築するため、人類側の首脳陣がペロムスとフィオナの「結婚式」という平和と未来の象徴を利用して結束を取り戻そうと動き出した演出は実に見事である。武力による対抗だけでなく、人間関係や平和への願いを国家的行事として利用する戦略の妙に感心させられた。

魔王自身の狂気と不在の人間界を狙う魔王軍の動向、そして神界をも巻き込んでいくであろう今後の大戦乱の行方から、今後も一瞬たりとも目が離せない。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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ヘルモード 11巻 レビュー
ヘルモード 全巻 まとめ
ヘルモード 13巻 レビュー

考察・解説

魔王の超越者化

プロスティア帝国に封印されていた「邪神の尾」を魔王が喰らった出来事は、魔王自身が未知の領域である「超越者(ヘルモード)」へと至るための巨大な計画の一部であった。『ヘルモード12』の記述に基づき、魔王の超越者化の背景、その正体、そして彼に起きた異変について解説する。

1. 魔王の正体と真の目的
魔王は5大陸同盟会議の場に通信で割り込み、自らを「終わりの魔王ゼルディアス」と名乗った。この「ゼルディアス」という名は、1000年前に中央大陸を武力と残虐な行いで統一したギアムート帝国の「恐怖帝」と同じ名前である。アレンは、魔王の正体と目的について以下のように推測している。

・魔王の正体:伝説の悪人である恐怖帝の生まれ変わり。恐怖帝は暗殺されて巨大な陵墓に葬られたが、100年以上前に彼を殺した剣が棺から消失するという事件が起きていた。
・真の目的:前世でやり残した「世界を征服する過程を楽しむ」という目的を果たすことであり、そのために計画的に侵略を進めている。

2. 「邪神の尾」の捕食と「ヘルモード」への到達
魔王が「超越者」という新たな段階に至った経緯と、その背景にある狙いは以下の通りである。

・計画の推進:魔王軍の参謀キュベルたちが長年をかけてアルバハル獣王国のベク獣王太子を唆して内乱を起こさせ、プロスティア帝国で封印されていた「邪神の尾」を復活させる計画を進めてきた。
・超越者への到達:ベクらの命を生贄として復活した「邪神の尾」を、現れた魔王ゼルディアスが自ら喰らうことで、新たな力を手に入れた。
・アレンの考察:一連の事件の全ては、魔王自身が神の領域に等しい最高難易度「ヘルモード」に近づくための遠大な計画であった。

3. 超越者化の代償と肉体の崩壊
「邪神の尾」を喰らって強大な力を得た魔王だが、その肉体には深刻な異常が起きている。

・肉体の異変:白亜の宮殿の玉座の間では、魔王の真紅の髪に灰色が混じって抜け落ち、激しく全身を掻き毟る姿が描かれている。皮膚の下には恐怖と絶望に歪む無数の人間の顔が浮かんでは叫び声を上げており、魔王自身が激しい苦痛と狂気に苛まれている。
・配下や天使の捕食:その苦痛を和らげるため、あるいは別の「化身計画」のために、恐怖に震える配下の魔神を惨たらしい方法で生きたまま捕食している。さらに、神界侵攻時に攫ってきた天使を連れてくるようキュベルやオルドーに命じている。

4. 同盟の分断工作と人間界の侵略
魔王は知略を巡らせて人類側の切り崩しを計ると同時に、新たな侵略を進めている。

・5大陸同盟の分断:わざわざ「恐怖帝ゼルディアス」を名乗って宣戦布告を行ったのは、かつて恐怖帝に家畜以下の扱いを受けて虐げられた獣人たちと、恐怖帝の出身国であるギアムート帝国の間に不信感を煽り、人類の対魔王組織である「5大陸同盟」を分裂させるための策略である。
・人間界への猛攻:アレンたちが神界へと旅立ったことを知った魔王軍は、あえて彼らを追って神界へは向かわず、アレン不在の隙を突いて人間界を一気に攻め滅ぼそうと動き出している。その先兵として、六大魔天の一角である漆黒の巨竜ドライゼンが出撃の準備を整えている。

まとめ
魔王ゼルディアスの「超越者」化は世界のバランスを根底から覆す大きな脅威となる一方で、魔王自身の肉体にも制御しきれない狂気をもたらしている。今後はアレン不在の人間界を狙う魔王軍の動向、そして神界をも巻き込む戦乱の行方が、最大の焦点となる。

ヘビーユーザー島の発展

アレン軍の拠点である「空に浮かぶ島」ヘビーユーザー島は、プロスティア帝国での戦いを経て、様々な種族の移住と技術の結集により、単なる居住地から「超巨大な移動要塞」かつ「強力な生産拠点」へと急速な発展を遂げた。ヘビーユーザー島の発展における主な要素は以下の通りである。

1. 4つの町と多様な種族の共生
ペロムスが市長を務めるヘビーユーザー市は、主に4つの町で構成され、各種族の生活様式に合わせた環境が整備されている。

・エールの町:島内で最も多くの人が住む居住区である。
・カールの町:耕地と食糧庫があり、島の農業を支えている。
・ムーハの町:砂漠を模した砂地に、日干しレンガのドーム型建築が点在している。
・クーレの町:海水を引いた巨大な池とその中の小島からなり、プロスティア帝国から移住してきた約3000人の魚人たちが暮らしている。

さらに、ペロムスの家が手狭になった際には、エルフたちの精霊魔法により、木造やレンガ造りよりも頑丈な家がわずか半日で改築されるなど、種族の特性を活かした街づくりが行われている。

2. 魔法具・武具の強力な生産体制
島の中央にそびえる神殿のある山の麓には水源があり、大量の水を必要とする鍛冶や魔導具の工房が集積している。

・カサゴマの魔法具工房(魚人):プロスティア帝国から招かれた星4つの「魔法匠」カサゴマがクーレの町に工房を開いた。彼はマクリスの聖珠を加工し、スキルの「クールタイム半減」効果を持つ腕輪を製作した。これをキールら僧侶が装備したことで、エクストラスキル「神の雫」による蘇生回数が劇的に増加し、プロスティア戦での戦死者約100名を蘇生させるという奇跡を成し遂げた。
・ハバラクの鍛冶工房(ドワーフ):名工ハバラクが、S級ダンジョンで手に入るアダマンタイトなどのインゴットを用いて「鍛造」と「造込」を行い、アレン軍の将軍級の兵たちにオリハルコンに匹敵する強力な武具を供給している。
・ララッパ団長の魔導技師団:ララッパ団長は、アレンの「投げた武器を手元に戻したい」という要望から、転移の仕組みを応用した「回収の魔導具」を開発し、貴重な投擲武器(槍など)を失わずに済む画期的なシステムを完成させた。

3. 「移動要塞」としての覚醒
最大の発展は、島そのものが自力で空中を移動できるようになったことである。

・魔導回路による制御:神殿の地下にある巨大な半透明の立方体(魔導回路)を通じて、島を浮遊・移動させる制御が可能になった。当初は魔導船程度の速度であったが、ララッパ団長がS級ダンジョンで獲得した「魔導コア」を複数接続して出力を上げたことで、さらに速度を増している。
・飛行許可の取得:アレンはこの島を魔王軍と戦うための「移動要塞」と位置づけており、5大陸同盟会議 of の場では「最短で移動して勝機を逃さないため」として、各国上空を飛行する許可を半ば強引に取り付けた。

まとめ
このようにヘビーユーザー島は、農業、最先端の武具・魔導具の生産、そして強力な軍隊(獣人、エルフ、ダークエルフ、ドワーフ、魚人からなる多国籍軍)を内包したまま空を駆ける、人類側の最強の拠点として完成しつつある。

魔法匠と聖珠生成

プロスティア帝国での戦いを経てアレンの召喚獣となった「聖魚マクリス」が生み出す「聖珠」と、それを加工する「魔法匠」カサゴマの存在は、アレンたちの戦力強化や戦死者の蘇生において極めて重要な役割を果たしている。「聖珠生成」の仕組みと、魔法匠カサゴマによる加工、そして彼自身のさらなる進化について解説する。

1. 召喚獣マクリスの覚醒スキル「聖珠生成」
アレンのSランク召喚獣(魚S)となったマクリスは、覚醒スキル「聖珠生成」によって極めて希少な「聖珠(マクリスの涙)」を生み出すことができる。このスキルの特徴は以下の通りである。

・クールタイムは10日で固定されており、短縮することはできない。
・1回の発動で聖珠を1個生成する。
・クールタイムを超えてからスキルを発動した場合でも次の生成までの時間はリセットされず、マクリスの体内にストックされていくような仕様になっている(例えば10日のクールタイムを超えて発動した場合、次は9日後に生成可能になるなど)。

2. 「魔法技師」の才能とカサゴマの招聘
生成された聖珠を加工し、ステータス値をアップさせる強力な装備品(魔法具)にするためには、「魔法技師」という特殊な才能が必要である。魔導具を扱う「魔導技師」がドワーフに多いのに対し、「魔法技師」は魚人に多く発現する。

・才能の不足:聖珠を加工するには少なくとも星3つの「魔法師」以上が必要であったが、アレンたちの身近には星2つまでしかいなかった。
・カサゴマの紹介:そこでペロムスは、プロスティア帝国のラプソニル女帝に相談し、帝国で唯一の星4つ「魔法匠」であるカサゴマを紹介された。
・専属工房の設立と移住:当初ペロムスはカサゴマに加工だけを依頼するつもりであったが、アレン軍の僧侶キールが「クールタイム半減」の腕輪を複数欲しがったため、アレンが直接交渉に乗り出した。アレンは、「アレン軍が倒したSランク魔獣の素材売却益の3割を、帝都復興と遺族への見舞金としてプロスティア帝国に譲渡する」という破格の条件と引き換えに、カサゴマをヘビーユーザー島の「クーレの町」へ移住させ、専属の工房を開かせることに成功した。

3. 聖珠加工 の恩恵:蘇生の奇跡と愛の証
カサゴマが製作した聖珠の魔法具は、アレンたちに多大な恩恵をもたらした。

・戦死者100名の完全蘇生:カサゴマは聖珠から「クールタイム半減」の効果を持つ腕輪を製作した。キールをはじめとする4人の僧侶がこれを2つずつ装備したことで、エクストラスキル「神の雫(蘇生)」のクールタイムが1日から6時間へと劇的に短縮された。これにより、プロスティア戦で戦死した約100名の兵士たち全員を蘇生させるという奇跡を成し遂げた。
・フィオナへの約束の品:ペロムスはカサゴマに依頼し、自らが命懸けで獲得した「聖魚マクリスの涙」を青く輝く宝石のついた腕輪へと加工してもらい、愛する婚約者フィオナの腕に直接贈った。

4. 「神技」による究極の魔法匠への進化
「試しの門」の攻略を進める中、アレンはダンジョン内で「魔法具使いの神技」という未知のアイテム(指輪)を手に入れた。アレンはこれを無償でカサゴマに提供し、使用させた。

・新たな力の獲得:カサゴマが魔法神イシリスの力が込められたその指輪を使用すると光の柱に包まれ、「アルティメット・マジック・クラフター(究極の魔法具使い)」という新たな力を授かった。これによってカサゴマは「神技」を扱えるようになった。
・最高の魔法具製作へ:アレンは、今後の魔王や上位魔神、さらには神界での戦いを見据え、神技に目覚めたカサゴマに対して「これまでにない最高の魔法具」の製作を依頼した。カサゴマもこれまでにない必死の形相でその依頼を引き受けした。

まとめ
このように、マクリスの生み出す「聖珠」とカサゴマの「魔法匠」としての技術が結びつくことで、アレン軍の戦力や継戦能力は桁違いに向上している。カサゴマの「神技」覚醒によって、今後さらに強力な装備が生み出されることが期待される。

試練の塔の攻略

バウキス帝国に存在するS級ダンジョン「試練の塔」は、アレン軍および勇者軍の重要なレベル上げや装備収集の拠点である。このダンジョンの最下層(第5階層)のボス「ゴルディノ」をわずか5分で討伐できるまでに成長したアレンたちは、ついに「試練の塔」の創造主であるダンジョンマスター・ディグラグニへの挑戦を決意する。『ヘルモード12』に基づき、「試練の塔」におけるダンジョンマスター・ディグラグニとの激闘とその後の展開について解説する。

1. ダンジョンマスター・ディグラグニとの激闘
ディグラグニは、全高100メートルにもおよぶ黒く輝くアダマンタイトの巨人として姿を現した。彼はアレンが主導した「転職ダンジョン」の普及によってドワーフや冒険者からの信仰を集め、以前よりもさらに強大に成長していた。戦闘が始まると、アレンたちは以下のようにディグラグニの猛攻に応戦する。

・多彩な攻撃と変形:メルルが巨大ゴーレム「タムタム」を降臨させて背後から羽交い締めにしが、ディグラグニは自らの腕を切り離して脱出し、重力波を放つ「ラウンドバースト」や「テレポート」を駆使してアレンたちを吹き飛ばす。
・飛行形態と魔神級の分身:さらにディグラグニは飛行形態へと変形し、全長5メートルほどの小型分身「ペンタポッド」を召喚する。この分身は魔神級の力を持っており、クレナをも吹き飛ばすほどの威力があった。
・ドゴラの「戦破陣」:これに対抗するため、ドゴラは自身へのダメージが増加する代わりに仲間の被ダメージを抑え、自らの火力を底上げする新スキル「戦破陣」を発動し、パーティーの戦線を維持する。

2. 決着と討伐
激戦の末、ディグラグニは右手を巨大な砲口へと変形させ、極大攻撃を狙う。これを最大の隙と見たアレンは、一斉攻撃を指示した。

・聖魚マクリスの「フリーズキャノン」で砲口からの光線を遮る。
・タムタムの「レーザービーム(眼光線)」で右腕を爆破させる。
・メルスの「裁きの雷」とセシルの「プチメテオ」でディグラグニを地に伏せさせる。
・最後はドゴラが神器カグツチによる必殺の一撃「全身全霊」を額に深々と叩き込み、見事討伐を果たした。

なお、倒したものの経験値は一切入らず、魔導書には「ダンジョンマスター・ディグラグニを1体倒しました」とだけ表示されたため、アレンはこの敵が「ラスボス仕様」であると結論づけた。

3. 討伐報酬とタムタムの進化
戦闘後、10分の1ほどのサイズに縮んだディグラグニとアレンは交渉を行う。ディグラグニは新たな「転職ダンジョン改」のペナルティ設定に悩んでおり、アレンが「失敗すれば神の試練をリセットし、才能の星の数ごと劣化させる」という厳格なペナルティを提案したことで、魔法神イシリスの承認を得てダンジョンの改良が進展した。この助言への感謝と討伐報酬として、ディグラグニは以下を授けた。

・エクストラスキル「迷宮主降臨」:メルルに、タムタムとディグラグニを合体させ、ディグラグニの規格外の武装(魔導砲や分身、テレポートなど)を操る能力を与えた。
・タムタムへの「魂」の付与:メルルの願いを聞き入れたディグラグニは、タムタムの魔導盤を「魔導キューブ」へと再構築し、タムタムに「魂」を与えた。これにより、タムタムは自らの意思で言葉を発し、状況を自己判断して自動戦闘を行うようになり、アレンの魔導書にも正式な「14番目の仲間」として登録された。

まとめ
「試練の塔」におけるダンジョンマスター討伐は、アレンたちにとって莫大な経験値こそ得られなかったものの、メルルとタムタムをSランク魔獣の群れを単機で殲滅できるほどの「魔神級」戦力へと引き上げる重要なターニングポイントとなった。ここで得た力が、後に控える「試しの門」や神界への挑戦における大きな支えとなっていく。

魂を持つゴーレム

アレンのパーティーにおける「魂を持つゴーレム」とは、ドワーフの少女メルルが使役するゴーレム「タムタム」のことである。単なる操縦兵器だったタムタムが「魂」を獲得し、意志を持つ相棒へと進化したことは、メルル自身の成長と戦力の大幅な向上をもたらした重要な出来事であった。タムタムが魂を得るまでの経緯と、それがもたらした劇的な変化について解説する。

1. メルルの切実な願い
S級ダンジョン「試練の塔」の最下層で、ダンジョンマスター・ディグラグニを討伐した後、アレンたちは彼と討伐報酬の交渉を行った。その際、メルルは勇気を振り絞ってディグラグニに「僕のタムタムに……魂を与えて下さいませんか?」と懇願する。彼女は以前から、アレンの召喚獣たちが意思を持ってアレンと会話している様子を見て、自分も大好きなタムタムと心を通わせ、話ができるようになりたいと強く願っていたのである。

2. ディグラグニの共感と「魔導キューブ」の誕生
ダンジョンマスターであるディグラグニ自身も、元々は魔法神イシリスによって創られた「傀儡人形」であったが、彼自身は「この体にも魂があると信じている」という強い自負を持っていた。そのため、「ゴーレムに魂を与えたい」というメルルの願いに深く共感し、「面白え。いや、それは大切な願いだ」と快諾する。ディグラグニがタムタムの「魔導盤」を空中に浮かべて分解・再構築すると、より多くの石板をはめ込める立体的な「魔導キューブ」へと進化を遂げた。

3. 自我の芽生えと「14番目の仲間」
再構築された魔導キューブから、抑揚のない機械的な声で「ワタシハタムタム。メルルサマノゴーレム」という言葉が発せられた。当初はまだ「傀儡人形」のようであったが、メルルが「僕らは相棒だ。『様』はなくていいよ」と語りかけると、タムタムの声にかすかな音の揺れと感情らしき緩急が生まれ、「タムタム, メルル, アイボウデス!」と応じる。この瞬間、タムタムは単なる兵器の枠を超え、アレンの魔導書にも「14番目の仲間」として正式に登録された。

4. 魂の獲得による戦闘能力の劇的向上
タムタムが魂(自我)を持ったことは、単に会話ができるようになっただけでなく、戦闘において圧倒的な恩恵をもたらした。主な変化は以下の通りである。

・経験の蓄積と成長:魂を得たタムタムは、戦闘で見聞きしたものを記憶し、自ら状況を判断して経験を蓄積し、人間と同じように魂を成長させていくことが可能になった。
・自律戦闘システムの実装:タムタムが自らの意思で状況判断を行えるようになった結果、移動、回避、防御、分身(ペンタポッド)への指示、さらには対象の優先度選択や特技の半自動切り替えまでも、タムタム自身が自動で行うようになった。
・メルルの負担軽減と精度向上:操縦の手間が大幅に減ったことで、搭乗するメルルは戦況の把握や、大技・スキルを使用するタイミングの見極めに専念できるようになり、攻撃の命中精度や対応力が劇的に向上した。

まとめ
魂を与えられたタムタムは、「バレットギア」などの上位形態へと成長するにつれて機能拡張を繰り返し、Sランク魔獣の群れを単機で粉砕できるほどの、アレン軍屈指の圧倒的な戦力へと変貌を遂げた。単なる操縦兵器から自我を持つ相棒へと進化したタムタムは、メルル自身の成長を支え、今後の戦いにおいてさらに重要な役割を果たしていくと考えられる。

竜神の里の試練

「竜神の里の試練」は、アレンたちが神々の住む「神界」へ至るために越えなければならない、過酷かつ長大な試練である。ガルレシア大陸西端の半島マグラにある「竜神の里」には、人間界と神界を繋ぐ「審判の門」が存在する。この門を開くためには、時空神デスペラードと魔法神イシリスによって作られた「試しの門(爪の門・牙の門・鱗の門)」のすべてを攻略し、それぞれの「証」を集めなければならない。この試練の特異なルールと、各門での激闘について解説する。

1. 試練のルールと「協力者」の役割
この試練を攻略する上でのルールと、アレンたちの役割は以下の通りである。

・挑戦の条件:試練に挑戦できるのは、神から「神器」を授かった竜(挑戦者)と、その背に乗る者(乗り手)のペアのみである。そのため、クレナは元の強力な職業を捨てて「竜騎兵」に転職し、白竜ハクの乗り手となる決断を下した。
・協力者の制限:アレンたち他の仲間は「協力者」という扱いになり、道中のダンジョン探索や魔獣との戦闘は手助けできるが、各門の最奥にいる「門番」との決戦には一切参加できず、補助魔法すら弾かれてしまう。
・ダンジョンの性質:しかし、各門の道中には、協力者向けの強力な属性耐性バンドや、「神技」を授ける特殊なアイテムが隠されていた。アレンはこれが、来るべき厳しい門番戦に向けて挑戦者と協力者を強化させるための、攻略を前提としたダンジョンであると見抜いた。

2. 3つの「試しの門」の攻略
クレナとハクは、アレンたちのサポートでレベル上げや装備の「造込(強化)」を行いながら、以下の3つの門を攻略していった。

・爪の門:虚空、火山、極寒の氷原という3つの階層を進む。門番は光竜エルギアであり、クレナは「真・覇王剣」の一撃で巨体を両断して勝利し、「爪の証」を獲得した。これによりクレナは「竜騎士」へ、ハクは「光竜」へクラスアップした。
・牙の門:暗闇、毒沼、阻む物理的な罠(刃や槍など)が降り注ぐ階層を進む。門番は全長100メートルを超える古代竜ロードメルクである。ハクが猛スピードでクレナを敵めがけて投擲するという奇策により勝利し、「牙の証」を獲得した。クレナは「竜騎将」へ、ハクは「古代竜」へクラスアップした。
・鱗の門:魔法陣の転移迷宮、雷の罠、そして時間が極端に遅くなるという時空異常の階層を進む。門番は、これまで案内役を務めていた時空神の使い、次元竜メガデスであった。メガデスの変幻自在な形態変化(鱗態・爪態・牙態)に苦戦するが、アレンとの契約によって特例で助っ人として参戦した「調停神ファルネメス」にクレナが騎乗し、ハクとの三者連携の猛攻を仕掛けた。最後はメガデスの形態変化の隙を突き、「鱗の証」を獲得した。クレナは「竜騎帝」へ、ハクは神に近づく「亜神竜」へと進化を遂げた。

3. 最終試練と「審判の門」の開放
3つの証を集めた後も、さらなる過酷な試練が待ち受けていた。

・竜王と英雄との戦闘:時空神の取り決めにより、「審判の門」に至った者は、門を管理する竜王マティルドーラ、および彼が3000年前に死別したかつての乗り手・英雄アステル(再現体)と戦わなければならなかった。竜王と英雄のコンビは「神技」を駆使する圧倒的な強さを誇り、激戦の末、クレナはアステルのオリハルコンの槍に腹を貫かれて床に縫い止められてしまった。
・ハクの暴走と決着:瀕死 のクレナを見て絶望と怒りに駆られたハクは、覚醒スキル「竜の魂」を発動した。自我を失って竜王と同じサイズにまで巨大化し、竜王の腹を食い破りながら超高熱ブレスを浴びせ続けるという凄惨な暴走状態に陥った。このままでは竜王が死んでしまうと悟ったアステルが降参を宣言し、クレナの必死の呼びかけによってハクが正気を取り戻したことで、決着がついた。
・門の開放と報酬:竜王とアステルは、自分たちを超える絆と力を見せたハクとクレナに道を譲ることを決めた。証が門に納められると、ついに「審判の門」が開き、雲海と青空が広がる「神界」への道が開通した。さらに、この試練を乗り越えた見返りとして、時空神デスペラードからクレナとハクに強大な「神技(竜王貫通牙)」が授けられた。

まとめ
「竜神の里の試練」は、限られた挑戦者しか決戦に参加できないなど、アレンたちにとっても極めて過酷な挑戦であった。しかし、クレナとハクの固い絆、そして協力者たちの巧みなサポートにより、すべての門を突破して「審判の門」を開放することに成功した。ハクが亜神竜へと進化し、強力な神技を獲得したことで、一行は次なる舞台である神界での戦いに向けて、非常に大きな戦力強化を遂げたと言える。

五大陸同盟の動揺

ラターシュ王国で開催された「5大陸同盟会議」において、人類の対魔王組織である5大陸同盟は、魔王軍の思惑によりかつてない崩壊の危機に直面した。同盟に動揺が走った原因から、その背後にある魔王軍の狙い、そして事態収拾に向けた首脳陣の動きについて解説する。

1. 魔王の宣戦布告と魔導板のジャック
会議の終盤、エルメア教会が創造神エルメアからの神託(転職ダンジョン改に関する情報)を魔導板に映し出していた際、大きな異変が起こった。

・通信のジャック:突如として魔導板の文字が真っ赤に染まり、「余は世界を終わらせる魔王である」「改めて名乗ろう。余はゼルディアス。『終わりの魔王ゼルディアス』だ」という魔王からの直接の宣戦布告が映し出された。
・各国の動揺:この魔王による前代未聞の通信ジャックに会議室は一斉に静まり返り、各国の代表たちは底知れぬ恐怖を覚えた。

2. 「恐怖帝」の名と獣人国家の激怒
魔王が名乗った「ゼルディアス」という名前は、同盟に決定的な亀裂を生む劇薬であった。

・名前の背景:ゼルディアスとは、1000年前に武力と恐怖支配で中央大陸を統一し、特に獣人たちを家畜以下として虐げたギアムート帝国の「恐怖帝」と全く同じ名前である。
・情報の隠蔽:魔王が恐怖帝の生まれ変わりである可能性を、ギアムート帝国の皇帝レガルファラース5世や勇者ヘルミオスは事前に察知していたが、事実確認中であることを理由に他国には伏せていた。
・同盟の分裂:魔王自らがこの名を名乗ったことで事実が露見し、アルバハル獣王国のムザ獣王をはじめとする獣人国家の代表たちは「知っていて我々に隠していたのか」と激怒した。ムザ獣王らは会議室を退席し、5大陸同盟会議は中断され、同盟は分裂の危機に陥った。

3. 魔王軍参謀キュベルの知略
アレンは、この絶妙なタイミングで魔王が本名を名乗ったのは、偶然ではなく魔王軍参謀キュベルの策略であると推測している。

・狙い:これまでは神出鬼没に暗躍してきた魔王軍だが、いよいよ本格的な世界侵略(開戦)に乗り出すにあたり、人類側の最大の対抗組織である5大陸同盟を内部から混乱させ、分裂を誘うための高度な情報戦を仕掛けてきたのだと分析した。

4. 結束を取り戻すための「結婚式」
この深刻な分裂危機を重く見たのが、ローゼンヘイムの女王レノアティールである。彼女は、獣王国とギアムート帝国の仲違いを防ぎ、同盟の結束を早期に取り戻すための策として、商人ペロムスとフィオナの結婚式に目を付けた。

・ペロムスの適任性:ペロムスは、プロスティア帝国の危機を救い、ムザ獣王の息子であるベクの最期を看取ってその名誉を回復させた英雄であり、種族を超えて「人と人を繋ぐ力」を持っている。
・女王の提案:次回の5大陸同盟会議をローゼンヘイムの世界樹の麓で開催し、その会議の場で二人の結婚式を執り行うことを提案した。
・儀式の意義:これまでの兵器展示や武術大会といった戦闘的な士気高揚ではなく、平和と未来の象徴である「結婚式」を国家的行事として利用することで、各国の対立を和らげ、同盟を再びまとめ上げようと画策した。

まとめ
魔王ゼルディアスによる宣戦布告と通信ジャックは、5大陸同盟に深刻な分裂の危機をもたらした。しかし、人類側の首脳陣はペロムスとフィオナの「結婚式」という平和の象徴を利用し、崩壊しかけた同盟の結束を再び取り戻そうと動き出している。魔王軍の高度な情報戦に対抗するため、人類側がどのように絆を再構築していくかが、今後の戦局を左右する重要な鍵となる。

ヘルモード 11巻 レビュー
ヘルモード 全巻 まとめ
ヘルモード 13巻 レビュー

登場キャラクター

アレン軍(廃ゲーマー)

アレン

アレン軍の総帥であり、パーティー「廃ゲーマー」のリーダー。万を超える知力を駆使して戦況を分析し、効率的なダンジョン攻略を主導する。仲間思いでありながら、力を得るための執着心も強い。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍総帥。S級冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果
 S級ダンジョンでディグラグニを討伐し、転職ダンジョン改の罰則案を提案した。「試しの門」攻略では召喚獣を駆使してルートを解明し、時空神と交渉して神界への扉を開いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 五大陸同盟内でも強い影響力を持ち、移動要塞となったヘビーユーザー島の航行許可を各国に認めさせた。

ペロムス

ヘビーユーザー島の市長を務める商人。フィオナの婚約者であり、アレンの友人である。商人としての機転と度胸を併せ持つ。

・所属組織、地位や役職
 ヘビーユーザー島市長。廃課金商会会長。
・物語内での具体的な行動や成果
 フィオナのために新居を改築し、彼女をヘビーユーザー島へ迎えた。魔法具の鑑定や、五大陸同盟会議に向けた交渉にも従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 プロスティア帝国での活躍により五大陸同盟でも名が知られ、国王や女王から結婚式を国家行事として執り行うよう提案された。

セシル

アレンの仲間であり、強力な火魔法や氷魔法を操る魔法使い。アレンの突飛な行動に呆れながらも、彼を支える良き理解者である。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。グランヴェル伯爵令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦や「試しの門」攻略で魔法による遠距離攻撃を担った。「魔法使いの神技」を入手して新たな力を得た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神技「アルティメット・マジック・ウイザード」を獲得し、攻撃魔法の威力を倍増させることが可能になった。

キール

アレン軍の副リーダーであり、回復魔法を担う。戦闘後の回復だけでなく、敵味方問わず負傷者を治療する慈悲深さを持つ。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍副リーダー。ラターシュ王国男爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 「試しの門」攻略では範囲回復魔法で仲間を支えた。S級ダンジョン攻略中には勇者軍の負傷者も治療した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「神の雫」による蘇生回数を増やすため、聖珠を用いたクールタイム半減の腕輪を装備した。

ソフィアローネ

エルフの精霊使いであり、アレンの秘書的な役割も担う。アレンの行動を賞賛する「褒める役」として彼を立てる。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。ローゼンヘイム王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 「試しの門」攻略において、水の精霊ニンフを顕現させて火山地帯を冷却し、防壁の展開などで仲間を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 大精霊ムートンとルークの契約を後押しし、種族間のわだかまりを解く役割を果たした。

フォルマール

エルフの弓使いであり、ソフィアローネに付き従う。口数は少ないが、確実に役割を果たす。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦で中衛から弓による連続攻撃を行い、「牙の門」攻略では「天魔の弓」を装備して戦力を向上させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

クレナ

大剣を操る前衛であり、白竜ハクの乗り手。考えるより先に体が動く直感的な戦闘スタイルを持つ。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。竜の乗り手。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハクと連携して「試しの門」の門番であるエルギア、ロードメルク、メガデスを次々と撃破した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「剣帝」から「竜騎兵」「竜騎士」を経て、最終的に星5つの「竜騎王」へと転職を果たし、神技を獲得した。

ドゴラ

斧を振るう前衛の戦士。自らの身を削って仲間を守るスキルを持ち、前衛の要として活躍する。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦で新スキル「戦破陣」を発動して戦線を維持し、神器カグツチによる「全身全霊」でとどめを刺した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ルークトッド

ダークエルフの王子であり、精霊王ファーブルと行動を共にする。まだ幼いながらも、仲間を思いやる芯の強さを持つ。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。ダークエルフの王子。
・物語内での具体的な行動や成果
 大精霊ムートンの過去の悲しみに寄り添い、共に「審判の門」を目指そうと説得して契約を結んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「黒魔導士」から「呪霊使い」へ転職し、大精霊ムートンとの契約によりエクストラスキルを獲得した。

ロザリナ

魚人の歌姫。名声や美容にこだわりを見せるが、アレン軍の一員として戦闘でも後衛を担う。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦で補助魔法による支援を行った。ムートンとの対話ではメガデスの言葉の矛盾を鋭く指摘した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

イグノマス

プロスティア帝国最強の戦士であり、槍の使い手。平民出身であることに強い誇りを持つ。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。元プロスティア帝国近衛騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦で前衛として突撃した。竜神の里の門番に入国を拒否された際には、真っ先に怒りを露わにして抗議した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

メルル

ドワーフのゴーレム使い。ゴーレムの「タムタム」を大好きな相棒として大切に思っている。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦でタムタムを操り、巨大な敵を拘束した。ディグラグニに懇願してタムタムに魂を与えてもらった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エクストラスキル「迷宮主降臨」を獲得し、ディグラグニの能力をタムタムで再現できるようになった。

シア=ヴァン=アルバハル

アルバハル獣王国の獣王女。自らの種族の誇りを取り戻すために命を懸ける覚悟を持つ。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。獣王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議にて獣王位継承権の放棄を宣言し、魔王と戦う決意を父に伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 獣神ガルムから力を授かり、経験値上限が開放されて「獣王化」のスキルを獲得した。

タムタム

メルルの使役するゴーレム。魂を与えられたことで自我を持ち、メルルを相棒と認めている。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍(14番目の仲間)。
・物語内での具体的な行動や成果
 「試しの門」攻略において、Sランク魔獣の群れを圧倒的な火力で殲滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ディグラグニによって魂を与えられ、経験を蓄積して自律戦闘が可能になった。

ハク

白竜であり、クレナを慕う。幼体でありながら、強大な潜在能力を秘めている。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。クレナの搭乗竜。
・物語内での具体的な行動や成果
 「試しの門」でメガデスや他の門番と死闘を繰り広げ、覚醒スキル「竜の魂」で巨大化して竜王を圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「光竜」から「亜神竜」へと進化し、覚醒神技「竜王貫通牙」を獲得した。

ルド将軍

獣人隊を率いる将軍。アレンからの指示に忠実に従い、軍をまとめている。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍獣人隊将軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンの指示を受け、周辺獣王国の動向観察や、余剰武器の勇者軍への譲渡手配を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ラス隊長

獣人隊の隊長。実直な性格で、魔導技師団の実験に協力する。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍獣人隊隊長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ララッパ団長が開発した「回収の魔導具」の実験に参加し、投擲した槍を手元に戻すことに成功した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

アレンの家族・関係者

フィオナ

ペロムスの婚約者。豪商チェスターの娘であり、ペロムスを深く愛している。

・所属組織、地位や役職
 ペロムスの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ペロムスと共にヘビーユーザー島へ移住し、王城での結婚式協議に同席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ペロムスから「聖魚マクリスの涙」の腕輪を贈られ、永遠の愛を誓った。

ロダン

アレンの父親。過去の回想の中でのみ登場する。

・所属組織、地位や役職
 ロダン村の村長。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去に村が食糧難に陥った際、グレイトボアを狩る計画を主導して村を救った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

マッシュ

アレンの弟。レイラーナ姫と同じクラスでパーティーを組んでいる。

・所属組織、地位や役職
 学園の生徒。パーティー「百花繚乱」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 レイラーナ姫と共に学園都市へ向かう予定であることが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ラターシュ王国

インブエル3世

ラターシュ王国の国王。五大陸同盟に非協力的な「王国派」に支持されている。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国国王。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議の議長を務め、ペロムスの結婚式を王城で行うよう手配した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

宰相

ラターシュ王国の宰相。インブエル国王を支え、国政を取り仕切る。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国宰相。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議に同席し、ペロムスの結婚式に関する協議にも参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

レイラーナ姫

ラターシュ王国の王女。活発な性格で、マッシュとパーティーを組んでいる。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国王女。
・物語内での具体的な行動や成果
 自身の護衛であるライバックとその部下たちをアレン軍に編入するようアレンに依頼した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

トマス

セシルの兄。レイラーナ姫と仲が良い。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国の貴族。
・物語内での具体的な行動や成果
 レイラーナ姫がアレンと会話する際に言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

グランヴェル伯爵

セシルの父親。アレンのかつての主であり、彼を信頼している。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国の伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果
 ペロムスとフィオナの結婚式の仲人を務め、国王との謁見に同行した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ゼノフ騎士団長

グランヴェル伯爵の護衛を務める騎士団長。過去の戦友への思いを抱いている。

・所属組織、地位や役職
 グランヴェル伯爵家の騎士団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 十年前の戦いで散った同胞の弔いのため、再び戦場に立つことを決意し、アレン軍への参加を願い出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アレン軍に加入した。

ライバック

元近衛騎士団長であり、レイラーナ姫の護衛を務める盾使い。国と姫を守る強い忠誠心を持つ。

・所属組織、地位や役職
 レイラーナ姫の護衛。盾使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 姫の憂いを取り除くため、自らの部下を率いて魔王軍と戦うことを決意し、アレン軍に参加した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「盾聖」に転職しており、アレン軍の指揮下に入った。

内務大臣

ラターシュ王国の内務大臣。ペロムスたちに謁見の作法を指導する。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国内務大臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 ペロムスに国王からの提案に対して「よろしくお願いいたします」とだけ答えるよう指示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

外務大臣

ラターシュ王国の外務大臣。他国との外交関係を注視している。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国外務大臣。
・物語内での具体的な行動や成果
 レノアティール女王が結婚式の協議に同席することに驚き、ペロムスたちに注意を促した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

デボジ

ペロムスの父親。クレナ村の村長であり、息子の出世に驚いている。

・所属組織、地位や役職
 クレナ村村長。
・物語内での具体的な行動や成果
 息子の結婚式協議のため王城に招かれ、国王や女王との謁見に同席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

チェスター

フィオナの父親。グランヴェルの町で名を馳せる豪商。

・所属組織、地位や役職
 豪商。
・物語内での具体的な行動や成果
 娘の結婚式協議のため王城に招かれ、国王や女王との謁見に同席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ギアムート帝国(勇者軍)

ヘルミオス

創造神から「勇者」の才能を与えられた戦士。思慮深く、他者を気遣う優しさを持つ。

・所属組織、地位や役職
 勇者軍指揮官。パーティー「セイクリッド」のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 恐怖帝の陵墓を調査し、魔王が恐怖帝の生まれ変わりである可能性を探った。外伝では町外村の避難民を救うために魔獣狩りを行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アレンの「審判の門」開放に協力し、勇者軍を率いて神界へ向かう準備を整えた。

ロゼッタ

ヘルミオスのパーティーメンバー。感情を率直に表す性格である。

・所属組織、地位や役職
 パーティー「セイクリッド」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 恐怖帝の陵墓調査に同行し、雪の中での活動に不満を漏らした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

グレタ

ヘルミオスのパーティーメンバー。信仰心に厚く、真面目な性格である。

・所属組織、地位や役職
 パーティー「セイクリッド」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 恐怖帝の陵墓調査に同行し、魔王が恐怖帝の転生である可能性を危惧した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ドベルグ

ヘルミオスのパーティーメンバー。ギアムート帝国出身として、帝国の歴史に責任を感じている。

・所属組織、地位や役職
 パーティー「セイクリッド」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 恐怖帝の陵墓調査に同行し、魔王が恐怖帝と同じ名を名乗ったことに懸念を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

レガルファラース=フォン=ギアムート5世

ギアムート帝国の皇帝。自国の威信を守ろうとするが、魔王の宣戦布告に動揺する。

・所属組織、地位や役職
 ギアムート帝国皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議でプロスティア帝国の準盟主入りを提案した。魔王が「恐怖帝」を名乗ったことで獣人国家からの糾弾を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔王の正体が恐怖帝である可能性により、同盟内での立場が危うくなった。

恐怖帝ゼルディアス

千年前の中央大陸を統一したギアムート帝国の皇帝。暴虐の限りを尽くしたことで恐れられている。

・所属組織、地位や役職
 元ギアムート帝国皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去に獣人を家畜以下に扱い、重税と処刑で恐怖政治を敷いたが、親衛隊長によって暗殺された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 死後百年以上前に陵墓から剣が消失しており、現在の魔王として転生した可能性が疑われている。

ガッツン

ハウルデン領の才能塾で暮らす少年。ヘルミオスと共に町外村の支援を行う。

・所属組織、地位や役職
 才能塾の生徒。剣士。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルミオスと共にビッグバードの討伐と解体を手伝い、町外村へ肉を届けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔獣討伐によってレベルが上昇した。

ドロシー

ハウルデン領の才能塾で暮らす少女。教えに忠実で、無償の魔法使用に苦言を呈する。

・所属組織、地位や役職
 才能塾の生徒。魔法使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 火魔法を用いて焚き火を起こした。ヘルミオスが町外村で無償の回復魔法を使ったことを咎めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エナ

ハウルデン領の才能塾で暮らす少女。弓を扱い、魔獣狩りを支援する。

・所属組織、地位や役職
 才能塾の生徒。弓豪。
・物語内での具体的な行動や成果
 ビッグバード討伐時に援護射撃を行い、魔石の回収を担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ガハト村長

町外村の村長。避難民をまとめるが、自身の無力さに苦悩している。

・所属組織、地位や役職
 町外村の村長。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルミオスたちから魔獣の肉と魔石を受け取り、子供たちに頼らざるを得ない現状を謝罪した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

バウキス帝国(ゴーレム軍)

ププン=ヴァン=バウキス3世

バウキス帝国の皇帝。陽気な態度で振る舞うが、同盟関係には抜け目がない。

・所属組織、地位や役職
 バウキス帝国皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議でプロスティア帝国の加盟に真っ先に賛成し、場を盛り上げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ハバラク

ドワーフの名工。アレンからの難題にも意欲的に取り組む職人魂を持つ。

・所属組織、地位や役職
 バウキス帝国出身の鍛冶職人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ハクのための巨大なオリハルコン製武具を製作した。「伝説の鍛冶職人」へ転職した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 転職によってオリハルコン装備への「造込」が可能となり、さらなる鍛冶技術を獲得した。

ララッパ団長

魔導技師団の団長。新しい技術や魔導具の開発に並々ならぬ情熱を燃やす。

・所属組織、地位や役職
 魔導技師団団長。
・物語内での具体的な行動や成果
 投擲武器を手元に戻す「回収の魔導具」を開発した。ヘビーユーザー島に魔導コアを接続し、移動要塞としての機能を拡張した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ガララ提督

ゴーレム軍の提督。実直な軍人であり、アレンの行動に理解を示す。

・所属組織、地位や役職
 ゴーレム軍提督。パーティー「スティンガー」のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 ゴーレム軍を率いて「審判の門」の前に集結し、アレンの呼びかけに応えて神界へ向かう準備を整えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

プロスティア帝国

ラプソニル女帝

プロスティア帝国の女帝。優雅な振る舞いの中に、国を導く確かな威厳を備えている。

・所属組織、地位や役職
 プロスティア帝国女帝。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議に出席し、帝国の加盟とアレン軍への兵力派遣を宣言した。ベクの最期についてムザ獣王に真実を伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 五大陸同盟の「準盟主」として迎え入れられた。

カサゴマ

魚人の魔法具師。誇り高い商人であり、優れた技術を持つ。

・所属組織、地位や役職
 魔法技師。
・物語内での具体的な行動や成果
 マクリスの涙を加工してペロムスの婚約腕輪を製作した。「魔法具使いの神技」を使用して新たな魔法具の製作に挑んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神技「アルティメット・マジック・クラフター」を獲得し、究極の魔法具を作る力を得た。

ローゼンヘイム

レノアティール女王

ローゼンヘイムのエルフの女王。深い慈愛と高度な政治的判断力を併せ持つ。

・所属組織、地位や役職
 ローゼンヘイム女王。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議でアレンを擁護し、彼の移動要塞の航行を保証した。ペロムスの結婚式を五大陸同盟の結束に利用することを提案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

祈りの巫女

過去のエルフの指導者。精霊神ローゼンの力を得てエルフを導いた。

・所属組織、地位や役職
 過去のエルフの指導者。
・物語内での具体的な行動や成果
 三千年前の戦いでエルフ軍を率い、ダークエルフ軍から要塞を奪還したことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

シグール元帥

ローゼンヘイムの軍を統括する元帥。女王に付き従う。

・所属組織、地位や役職
 ローゼンヘイム元帥。
・物語内での具体的な行動や成果
 ペロムスの結婚式協議の場に同席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

フィラメール長老

ローゼンヘイムの長老。外交官としてラターシュ王国に滞在している。

・所属組織、地位や役職
 ローゼンヘイム長老。
・物語内での具体的な行動や成果
 レノアティール女王のラターシュ王国での秘密裏の滞在に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ガトルーガ

ローゼンヘイム最強の戦士。女王を護衛する。

・所属組織、地位や役職
 ローゼンヘイムの戦士。
・物語内での具体的な行動や成果
 ペロムスの結婚式協議の場に護衛として同席した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

アルバハル獣王国

ムザ獣王

アルバハル獣王国の王。厳格な性格で、獣人の誇りを何よりも重んじる。

・所属組織、地位や役職
 アルバハル獣王国国王。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔王が恐怖帝の名を名乗ったことに激怒し、五大陸同盟会議から退席した。シアの獣王位継承権放棄を認めず、「獣王の証」を預けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 息子のベクが自らの過ちを雪いで英雄として死んだことを知り、感謝の意を示した。

ベク獣王太子

過去の獣王太子。魔王軍に利用されて命を落としたが、最後に自らの過ちを償った。

・所属組織、地位や役職
 元アルバハル獣王国獣王太子。
・物語内での具体的な行動や成果
 プロスティア帝国で「邪神の尾」復活の生贄とされたが、命懸けでマクリス復活の要因を作り、英雄として死んだことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ゼウ獣王子

シアの兄。父と共に会議に出席している。

・所属組織、地位や役職
 アルバハル獣王国獣王子。
・物語内での具体的な行動や成果
 シアが獣王位継承権を放棄すると宣言したことに動揺し、彼女を引き留めようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ファブラーゼ(ダークエルフ)

オルバース

ファブラーゼを治めるダークエルフの王。ルークの父親である。

・所属組織、地位や役職
 ダークエルフの王。
・物語内での具体的な行動や成果
 ルークが素性を名乗る際に言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ダークエルフの大将軍

過去のダークエルフの将軍。大精霊ムートンの契約者であった。

・所属組織、地位や役職
 過去のダークエルフの大将軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 三千年前に「試しの門」の第二層で命を落としたことが、ムートンの口から語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エルメア教会

クリンプトン枢機卿

エルメア教会を実質的に取り仕切る枢機卿。冷静に神託を伝達する。

・所属組織、地位や役職
 エルメア教会枢機卿。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議にて、新たな転職ダンジョンの追加に関する神託を魔導板を通じて発表した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

イスタール大教皇

過去のエルメア教会の最高指導者。キールに影響を与えた。

・所属組織、地位や役職
 元エルメア教会大教皇。
・物語内での具体的な行動や成果
 かつてキールにクールタイムを半減させる「神秘の首飾り」を引き継がせたことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

冒険者ギルド

マッカラン本部長

冒険者ギルドの本部長。かつて歴戦の冒険者だった老人である。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルド本部長。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議で、転職ダンジョン追加に不安を抱く各国代表に対し、条件を満たした者なら魔神を倒せる力があると励ました。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

神・精霊・聖獣・竜・その他

創造神エルメア

この世界とすべての神々を生み出した最高神。

・所属組織、地位や役職
 創造神。
・物語内での具体的な行動や成果
 転職ダンジョン追加の神託を下した。過去に竜神マグラを討伐するために天使軍を派遣したことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

メルス

かつて創造神の第一天使だった存在。現在はアレンの召喚獣として彼を補佐する。

・所属組織、地位や役職
 天使Aの召喚獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 「試しの門」の仕組みや世界の構造についてアレンに助言を与えた。アレン軍の大軍勢を神界の門前へ転移させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

マクリス

プロスティア帝国の守護者だった聖魚。アレンの召喚獣として活躍する。

・所属組織、地位や役職
 魚Sの召喚獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 「フリーズキャノン」で火山の噴火やムートンの毒沼津波を凍らせて打ち破った。定期的に聖珠を生成して味方の強化に貢献した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

調停神ファルネメス

神々の監視と処罰を担う神。アレンと奇妙な契約を結び、力を貸す。

・所属組織、地位や役職
 調停神。
・物語内での具体的な行動や成果
 牧草などを提供されることを条件に、メガデス戦に乱入してクレナとハクを支援し、勝利に導いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 現在は上位神としての権限を失っていることが判明した。

精霊神ローゼン

エルフの信仰対象である神。ソフィーに付き従う。

・所属組織、地位や役職
 精霊神。
・物語内での具体的な行動や成果
 「試しの門」攻略を見守り、神界への扉が開かれた後、この先に更なる試練があることを察して気を引き締めていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

水の神アクア

水を司る神。プロスティアの魚人たちに加護を与えている。

・所属組織、地位や役職
 水の神。
・物語内での具体的な行動や成果
 魚人たちが水中で戦うための能力に影響を与えている可能性が言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

火の神フレイヤ

火を司る神。ドワーフたちにかつて信仰されていた。

・所属組織、地位や役職
 火の神。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にドワーフたちに信仰されていたことや、ドゴラに神器を与えたことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔法神イシリス

魔法を司る神。時空神デスペラードの妻である。

・所属組織、地位や役職
 魔法神。
・物語内での具体的な行動や成果
 「魔法使いの神技」を通じてセシルやカサゴマに究極の力を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

時空神デスペラード

時空を司る神。「審判の門」の管理を担っている。

・所属組織、地位や役職
 時空神。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンの屁理屈を評価し、百人までの神界入りを許可した。クレナとハクに神技を与え、アレンに神界の鍵を渡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

暗黒神アマンテ

暗黒界に封印された邪悪な神。世界を混乱に陥れることを楽しむ。

・所属組織、地位や役職
 暗黒神。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンが神界への扉を開いたことを知り、狂乱の時代の幕開けを歓喜して不気味な哄笑を響かせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 人間界に「歪み」を生じさせ、干渉を強めようとしている。

大地の神ガイア

大地を下から支えているとされる神。

・所属組織、地位や役職
 大地の神。
・物語内での具体的な行動や成果
 四角い世界を支えている存在としてアレンの考察の中で言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

獣神ガルム

獣人たちに信仰される神。神界に「原獣の園」を持つ。

・所属組織、地位や役職
 獣神。
・物語内での具体的な行動や成果
 シアの決意を聞き届け、彼女の経験値上限を解放して新たな力を授けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

大精霊神イースレイ

神界の「精霊の園」を統括する存在。

・所属組織、地位や役職
 大精霊神。
・物語内での具体的な行動や成果
 ファーブルの言葉の中で、ムートンを精霊王にしてくれる存在として言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ディグラグニ

バウキス帝国で信仰されるダンジョンマスター。自らの生み出したダンジョンに強い誇りを持つ。

・所属組織、地位や役職
 ダンジョンマスター。魔法神イシリスの作った傀儡。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンたちに敗北後、メルルの願いを聞き入れてタムタムに魂を与えた。アレンの提案を受けて新たな転職ダンジョンを実装した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ピグミー

土の精霊。ソフィーの使役に応じる。

・所属組織、地位や役職
 土の幼精霊。
・物語内での具体的な行動や成果
 ディグラグニ戦で分厚い壁を展開し、後衛を守ろうとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ニンフ

水の精霊。ソフィーの使役に応じる。

・所属組織、地位や役職
 水の幼精霊。
・物語内での具体的な行動や成果
 「爪の門」の火山地帯で大量の雨を降らせ、溶岩を冷却して進路を確保した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

精霊王ファーブル

ファブラーゼの守護者。漆黒のイタチの姿をしてルークの頭に乗っている。

・所属組織、地位や役職
 精霊王。
・物語内での具体的な行動や成果
 三千年前の「試しの門」挑戦に関わった過去を持ち、大精霊ムートンと和解した。「審判の門」を越える資格がないとしてルークと別れようとした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

コロポックル

土の幼精霊。ファブラーゼに移住した。

・所属組織、地位や役職
 土の幼精霊。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にローゼンヘイムの廃墟でダークエルフを待ち続けており、ソフィーの導きでファブラーゼに移住したことが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

大精霊ムートン

巨大な泥の塊の姿をした大精霊。過去の悲劇から深い怒りと悲しみを抱えていた。

・所属組織、地位や役職
 大精霊。ルークの契約精霊。
・物語内での具体的な行動や成果
 「牙の門」でアレンたちを強襲したが、ルークの言葉に心を打たれ、彼と契約を結んで新たな力を与えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ルークの契約精霊となり、絶対的な防御力で彼を守るようになった。

メガデス

時空神デスペラードに仕える次元竜。皮肉屋だが案内役としての任務は忠実に果たす。

・所属組織、地位や役職
 時空神の使い。「試しの門」の案内役。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンたちを各階層へ案内し、「鱗の門」の最終門番としてクレナとハクに立ちはだかったが敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エルギア

「爪の門」を守る光竜。挑戦者の身を案じる慈悲深さを持つ。

・所属組織、地位や役職
 「爪の門」の門番。
・物語内での具体的な行動や成果
 クレナとハクの挑戦を受け、一撃で敗北した後に彼らの実力を認め、「爪の証」を授けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ロードメルク

「牙の門」を守る古代竜。伝説的な巨体を誇る。

・所属組織、地位や役職
 「牙の門」の門番。
・物語内での具体的な行動や成果
 光弾と高速機動でハクとクレナを翻弄したが、「真・覇王剣」で両断され敗北した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

マティルドーラ

竜神の里を治める巨大な竜。過去の悲願のために三千年の時を待ち続けた。

・所属組織、地位や役職
 竜王。「審判の門」の管理者。
・物語内での具体的な行動や成果
 最終試練として英雄アステルと共にクレナとハクに立ちはだかり、暴走したハクの力と絆を認めて道を譲った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 敗北により神界へ行く資格を失い、アステルと永遠の別れを迎えた。

アステル

三千年前に竜王の乗り手だった英雄。死者の再現体として呼び出された。

・所属組織、地位や役職
 過去の英雄。竜王の乗り手。
・物語内での具体的な行動や成果
 竜王と共にクレナたちと激闘を繰り広げたが、ハクの暴走を止めるために自ら降参を宣言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 役割を終え、光の泡となって消滅した。

聖鳥クワトロ

「鱗の門」の転移迷宮に潜んでいた聖獣。争いを好まない穏やかな性格である。

・所属組織、地位や役職
 聖獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンの器を試すために追跡眼で監視し、「審判の門」が開かれた後に自ら召喚獣になることを承諾した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 聖獣石に吸い込まれ、アレンの鳥Sの召喚獣となった。

デンカ

アレンの使役する虫の召喚獣。

・所属組織、地位や役職
 虫Hの召喚獣。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンが成長レベルを9に上げようとした際に言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ゴルディノ

バウキス帝国のS級ダンジョンの最下層ボス。

・所属組織、地位や役職
 S級ダンジョン最下層ボス。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンたちに最速の五分で討伐された。また、ハクの「竜の魂」の検証相手としてボコボコにされた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

キメイラオメガ

新たな転職ダンジョンの最下層ボス。複数の魔獣の特徴を併せ持つ。

・所属組織、地位や役職
 転職ダンジョン改最下層ボス。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンたちによってあっけなく討伐された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔王軍

魔王ゼルディアス

人間界の征服を目論む魔王。恐怖帝ゼルディアスの生まれ変わりとされる。

・所属組織、地位や役職
 魔王軍の首領。
・物語内での具体的な行動や成果
 五大陸同盟会議の魔導板を乗っ取って宣戦布告を行った。「邪神の尾」を喰らった影響で肉体が崩壊し、狂気に苛まれている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「超越者」へと至ったが、制御しきれない苦痛を和らげるために魔神を捕食している。

キュベル

魔王軍の参謀。飄々とした態度で恐ろしい策を巡らせる。

・所属組織、地位や役職
 魔王軍参謀。上位魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 魔王の苦痛を和らげるために天使の利用を提案した。ドライゼンへ中央大陸の勢力拡大を命じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

オルドー

魔王軍の総司令。軍の規律を重んじる厳格な魔神である。

・所属組織、地位や役職
 魔王軍総司令。六大魔天の長。
・物語内での具体的な行動や成果
 苦しむ魔王を前に神界への侵攻を具申した。ドライゼンに対し、上位者の威圧をもって命令に従わせた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

シノロム

魔王軍の所長。研究開発を担う。

・所属組織、地位や役職
 魔王軍所長。
・物語内での具体的な行動や成果
 竜神の里からの「霊力」放出を観測し、「化身計画」のために天使が必要だと主張していることが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ドライゼン

六大魔天の一角である漆黒の巨竜。過去に「試しの門」に無理やり挑んで暴れた経緯を持つ。

・所属組織、地位や役職
 魔王軍六大魔天。
・物語内での具体的な行動や成果
 キュベルとオルドーの命を受け、人間界を焼き尽くすために洞窟から姿を現した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 将来的には竜神の里の支配を任される可能性が示唆された。

イルゼ

アマンテに仕える暗黒騎士。全身鎧に身を包んでいる。

・所属組織、地位や役職
 暗黒騎士。
・物語内での具体的な行動や成果
 人間界で「歪み」の発生件数が増加していることをアマンテへ報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

バスク

修羅王。

・所属組織、地位や役職
 上位魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去の戦いでドゴラを圧倒し、俊足の足輪を装備していたことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ラモンハモン

上位魔神。

・所属組織、地位や役職
 上位魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にマクリスの「フリーズキャノン」によって倒されたことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

グシャラ

上位魔神。

・所属組織、地位や役職
 上位魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にキュベルから神器を渡され、「邪神の尾」の復活計画に関与したことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔神レーゼル

魔神。

・所属組織、地位や役職
 魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にアレンたちが討伐し、転職ポイントの計算の際に名前が挙がった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魔神リカオロン

魔神。

・所属組織、地位や役職
 魔神。
・物語内での具体的な行動や成果
 過去にアレンたちが討伐し、転職ポイントの計算の際に名前が挙がった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

その他の集団

獣人隊

アレン軍の部隊。近接戦闘や斥候を担う。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 S級ダンジョンでアレン軍のキャンプ設営を指揮した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

エルフ隊

アレン軍の部隊。弓矢と精霊魔法を操る。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 精霊の力を借りて、わずか半日でペロムスの家を大邸宅へと改築した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ダークエルフ隊

アレン軍の部隊。遠距離攻撃やデバフを担う。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレン軍の一部として戦力に組み込まれていることが語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ドワーフ隊

アレン軍の部隊。ゴーレム部隊と魔導技師団から成る。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘビーユーザー島で武具や魔導具の製造を行い、軍の装備を支えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

魚人隊

アレン軍の部隊。バフ系特技と槍を用いた戦闘を得意とする。

・所属組織、地位や役職
 アレン軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 プロスティア帝国から二千人がアレン軍に加わり、戦力を補強した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

守人の長

恐怖帝の陵墓を守る一族の長。

・所属組織、地位や役職
 陵墓の守人。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヘルミオスたちを棺へ案内し、過去に棺から剣が消失した記録があると証言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ラターシュ王国の役人

王城の職務を担う者たち。

・所属組織、地位や役職
 ラターシュ王国の役人。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンを怒らせないように極度に緊張しながら食事や資料を用意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

同盟参加国代表

五大陸同盟の会議に参加する各国の代表者たち。

・所属組織、地位や役職
 五大陸同盟各国の代表。
・物語内での具体的な行動や成果
 転職ダンジョン改の厳しい条件に不安を抱き、魔王の宣戦布告に大きな動揺を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

竜王の使い

竜王の意を伝える竜人の使者たち。

・所属組織、地位や役職
 竜王の使い。
・物語内での具体的な行動や成果
 アレンたちを神殿へ案内し、「試しの門」の仕組みや証の必要性を説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

勇者軍

ギアムート帝国が集めた精鋭部隊。

・所属組織、地位や役職
 ヘルミオスの率いる軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 S級ダンジョンでレベル上げに励み、アレンの呼びかけに応えて神界の門前に集結した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アレン軍のお下がりであるヒヒイロカネ製の武器を受け取り、戦力を強化した。

ゴーレム軍

バウキス帝国が新たに組織した精鋭部隊。

・所属組織、地位や役職
 ガララ提督の率いる軍。
・物語内での具体的な行動や成果
 S級ダンジョンで得たミスリル級ゴーレムの石板を活用して組織され、神界の門前に集結した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

セイクリッド

勇者ヘルミオスが率いるパーティー。

・所属組織、地位や役職
 ヘルミオスのパーティー。
・物語内での具体的な行動や成果
 S級ダンジョンのキャンプ設営を指揮し、神界行きのメンバーに選ばれた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

スティンガー

ガララ提督が率いるパーティー。

・所属組織、地位や役職
 ガララ提督のパーティー。
・物語内での具体的な行動や成果
 神界行きのメンバー十五人に選ばれたことが言及された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

百花繚乱

マッシュとレイラーナ姫が所属するパーティー。

・所属組織、地位や役職
 学園の生徒たちによるパーティー。
・物語内での具体的な行動や成果
 学園内で生徒を募り、ダンジョン攻略を行っていることがレイラーナ姫の口から語られた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき地位の変化はない。

ヘルモード 11巻 レビュー
ヘルモード 全巻 まとめ
ヘルモード 13巻 レビュー

展開まとめ

第一話 ヘビーユーザーな者たち

プロスティア帝国での戦いの後始末と新たな目標

アレンたちは、深海の魚人帝国プロスティアで「邪神の尾」を巡る戦いを終えてから約1ヶ月後を迎えていた。聖魚マクリスは魚Sの召喚獣となり、アレンの新たな力となった一方、獣王太子ベクは魔王軍参謀キュベルによって殺害され、生きたまま連れ帰ることはできなかった。アレンは、ベクが「邪神の尾」復活の生贄として利用されていたと推測し、さらに魔王ゼルディアスが「邪神の尾」を喰らって「超越者」となり、「ヘルモード」を目指していると考察した。

その中で、シアが「獣王の証」を取り戻し、クレナが調停神ファルネメスの「開放者」となったことで、仲間たちの戦力は着実に強化されていた。アレンは次なる目的として、「竜神の末裔」と神界へ続く「審判の門」を探すことを考えていたが、その前にヘビーユーザー島で片付けるべき問題として、ペロムスとフィオナの新居問題に取り組むことになった。

ペロムスとフィオナの新居改築

フィオナはヘビーユーザー島へ移住する際、大量の家具や衣装を持ち込もうとしていたため、ペロムスの家が狭すぎるという問題が発生した。アレンは隣家と一体化させる改築案を提案し、エルフたちの精霊術によって、わずかな期間で家は広さ2倍、高さ3倍の大邸宅へと生まれ変わった。

引っ越し当日、フィオナは大量の荷物と使用人を連れて島へやってきた。アレンは仲間たちには休暇を与え、手伝いは最小限に留めたが、ペロムスは終始幸せそうな様子を見せていた。フィオナはペロムスを「頼れる旦那様」と呼び、セシルはまだ結婚前だと突っ込みながらも、2人の仲睦まじさに押され気味だった。

ヘビーユーザー島の案内とセシルの不満

アレンはペロムスに、フィオナへヘビーユーザー島全体を見せて回るよう提案した。鳥Bの召喚獣に乗って空から島を巡る中、フィオナは空に浮かぶ島そのものへ驚きを見せ、ペロムスは市長として各町を誇らしげに案内した。

その様子を見たセシルは、ペロムスが自然にフィオナへ手を差し伸べていることに触れ、アレンにも少しは見習うよう求めた。しかしアレンは必要性を理解できず、適当に返事をしたことでセシルを赤面させた。さらに飛行中、セシルはアレンへ強くしがみついていたが、アレンはその理由を理解していなかった。

聖魚マクリスと聖珠生成の分析

飛行中、一行は空を泳ぐ召喚獣となった聖魚マクリスと遭遇した。アレンはこの2ヶ月の間にマクリスの性能分析を終えており、「聖珠生成」のクールタイムが10日で固定されていることや、マクリスを複数召喚できない仕様などを確認していた。

生成される「聖珠」は非常に貴重な素材であり、後に強力な装備品へ加工されることになる。アレンは、マクリスの涙嚢に聖珠が蓄積されているのだろうとゲーム的発想で考察していた。

魚人の工房と聖珠加工の重要性

クーレの町では、魚人の魔法技師カサゴマが工房を構えていた。ペロムスは、フィオナへ「聖魚マクリスの涙」を加工した腕輪を贈り、彼女を感動させた。

この工房がヘビーユーザー島に設立された背景には、プロスティア帝国戦で死亡した兵士たちの蘇生問題があった。キールは「神の雫」による蘇生回数を増やすため、「クールタイム半減」の効果を持つ腕輪を必要としていたのである。アレンは、カサゴマをヘビーユーザー島へ招く代わりに、S級魔獣素材の利益分配を提案し、ラプソニル女帝もこれを承認した。

その結果、蘇生速度は飛躍的に向上し、100人近い兵士が蘇生された。キールは敵味方を問わず命を救おうとし続けており、アレンはその姿勢を「聖者の道」と感じていた。

アレン軍の再編と魚人兵の加入

プロスティア戦後、アレン軍には新たに2000人の魚人兵が加入した。魚人たちは槍による中距離戦闘と支援系特技に優れており、水中戦に適応した文化がその戦闘スタイルへ反映されていた。

アレン軍は獣人隊、エルフ隊、ダークエルフ隊、ドワーフ隊、魚人隊から成る大規模軍勢へ成長しており、アレンは死傷者が出ても即座に補充できる体制を整えていた。魔王との戦いには割り切りも必要だと考えながらも、人命を軽視しない方針は維持していた。

魔導技師団の新兵器開発

ララッパ団長は、アレンの「投げた武器を回収したい」という発想を実現し、転移機構付き腕輪を開発していた。ラス隊長がオリハルコンの槍を投擲すると、腕輪の発動によって槍は再び手元へ転移して戻ってきた。

アレンはこれによって、今後大量生産する高性能武器を失わずに済むと考えた。また、ララッパ団長は魔王軍施設やS級ダンジョンに存在する転移装置にも強い興味を示しており、転職ダンジョン改の実装によって、新たな技術革新が起こる可能性にも期待していた。

ヘビーユーザー島の移動機能解放

ララッパ団長は、ついにヘビーユーザー島そのものを移動させる魔導回路を特定した。神殿地下の巨大な半透明キューブを制御装置として操作すると、巨大な空中島が実際に移動を始めた。

島はほとんど揺れず、巨大客船のような安定感を保ったまま空を進んだ。アレンはさらに速度向上を望み、S級ダンジョン産の「魔導コア」を大量接続して出力を上げる案に乗り気になった。

そしてアレンは、この四角い世界の果てを自分の目で見てみたいと語った。世界の端に到達すれば、大地の神ガイアに会えるかもしれないと考えながら、ヘビーユーザー島をさらに高速化する計画を進めようとしていた。

第二話 帝陵に眠る者

特別書き下ろし 町外村からやってきた無法者たち

恐怖帝陵墓への訪問

雪が降り続く中、ヘルミオスたちは「恐怖帝」と呼ばれた皇帝の陵墓を訪れていた。ロゼッタは雪の中での調査に不満を漏らしたが、グレタは、魔王が「ゼルディアス」という名を名乗った理由を探る必要があると語った。ドベルグもまた、ギアムート帝国の者として無関係ではいられないと考えていた。

「恐怖帝」は1000年前に中央大陸を統一した皇帝であり、圧政と恐怖によって支配を拡大した人物だった。重税、処刑、奴隷制度によって民衆を苦しめ、獣人たちを家畜以下として扱った。その恐怖政治は20年続いた末、中央大陸統一を果たした年に、親衛隊長によって暗殺されたのである。以来、その暴虐は歴史に深く刻まれ、「恐怖帝」という呼び名だけが人々の記憶に残り続けていた。

ヘルミオスは、他の皇帝より巨大な陵墓が建てられていることからも、死後なお彼が恐れられているのだと感じていた。

陵墓内部の調査

陵墓の守人たちは、ヘルミオスたちを内部へ案内した。巨大な正門ではなく通用口から中へ入り、松明に照らされた薄暗い廊下を進んだ先には、金銀財宝と武具に囲まれた棺が置かれていた。

グレタは、その副葬品が棺の主を慰めるためではなく、怒りを鎮めるために捧げられているように感じ、人々の苦しみがこの場所に満ちていると悲しげに語った。

守人たちは渋りながらも棺を開いた。そこに収められていた遺体は、特殊な処置によって腐敗こそしていなかったが、無惨な状態であり、恐怖帝が刺殺されたという伝承が事実であることを示していた。ヘルミオスは棺の中を確認しながら、陵墓や棺から何か失われたものがないかを尋ねた。

すると守人の長は、100年以上前に、この棺から恐怖帝を刺した剣が消失した記録があると語った。しかし盗難の記録も、剣が流通した記録も残っていなかった。

ヘルミオスは、その剣こそ何らかの手掛かりになると考えた。

魔王ゼルディアスとの関連への疑念

陵墓を後にしたヘルミオスたちは、吹雪の中を歩きながら、パトランタで現れた魔王のことを話し合った。

魔王は自らを「終わりの魔王ゼルディアス」と名乗っていた。その名に強く反応したのは、恐怖帝ゼルディアスの歴史を知るギアムート帝国出身者だけだった。

グレタは、恐怖帝が魔族として転生した可能性を口にしたが、ロゼッタは偶然同じ名だった可能性もあると反論した。

しかしヘルミオスは、もし偶然でないのなら、裏で糸を引く存在がいるはずだと考えていた。そして、その真相を追うには、失われた剣の行方を調べる必要があると結論づけた。

そのためにも、気は進まないものの、アレンへこの情報を伝えるべきだと考えながら、ヘルミオスは雪の中を歩き続けた。

世界の果てと竜神の里への情報収集

ララッパ団長率いる魔導技師団は、「ヘビーユーザー島」を浮遊させる魔導具へ魔導コアを接続することに成功したが、安全な出力調整と速度測定にはさらに数日を要した。

その間、アレンはシアから「竜神の里」に関する情報を得た。竜神の里はガルレシア大陸西端の半島マグラに存在し、そこには神界へ通じる「審判の門」があるという。

アレンはメルスへ詳細を尋ねた。メルスによれば、この世界は人間界・神界・暗黒界の三層構造になっており、それぞれは「無」によって隔てられているが、「門」によって往来できるという。暗黒界へ続く「奈落の門」は魔族が、神界へ続く「審判の門」は竜人族が管理していた。魔王や竜王とは、本来は門の管理者を意味する称号だったのである。

しかし100万年前、神々が邪神を暗黒界へ封印する際に奈落の門を破壊したことで、魔王は本来の役割を失い、自由に世界侵略を行う存在となった。さらにメルスは、かつて竜王マグラが神器によって竜神となり、人間界征服を企てたため、自ら率いる天使軍が討伐した過去を語った。

アレンは、魔神が神器なしで誕生している現状に危機感を抱きながらも、まずは審判の門へ向かう方針を決めた。

世界の果ての確認

島の調整完了後、アレンは世界の果てを確認するため、島を東へ進ませた。

当初は南へ向かう予定だったが、もし世界がゲームのような構造なら、南へ進めば「忘れさられた大陸」に到達してしまう危険があると考え、東進を選択したのである。

翌朝、メルスの制止を受けて島を停止させたアレンたちは、島の東端から異様な光景を目撃した。海は途中で途切れ、その先には薄青い「無の世界」が広がっていたのである。

アレンは召喚獣を飛ばし、海が虚無へ流れ落ちていく様子を確認した。さらに「回収の魔導具」を使った実験も行ったが、「無の世界」では魔導具も正常に作動せず、投げ込んだ石は戻らなかった。

メルスは、「無の世界」ではスキルすら正常に機能しないと説明し、人間界と神界を行き来するには、やはり「審判の門」を通るしかないと語った。

アレンは、正攻法ではなく裏技的な手段を試しただけだと説明しつつ、今後はディグラグニ攻略と五大陸同盟会議、その後に審判の門攻略へ進む計画を立てた。

恐怖帝ゼルディアスと魔王の関連

ヘルミオスからの報告により、1000年前に中央大陸を統一した「恐怖帝」と、現在の魔王が同じ「ゼルディアス」という名を名乗っていることが判明していた。

ギアムート帝国はこの問題を重く見て、五大陸同盟会議の延期を提案し、各国もこれに同意した。

アレンは、恐怖帝と魔王の関係性について、魔王が恐怖帝の生まれ変わりである可能性を考えていた。これは、いかにもラスボスへ繋がる伏線らしいと感じていたためである。

S級ダンジョン攻略と仲間たちの変化

アレンは「試練の塔」最下層へ向かい、クレナ、ロザリナ、ドゴラたちと合流した。

戦闘前、アレンはシアへ「獣王の証」の装備を命じた。これはアルバハル獣王家の王位継承者だけが身につけられる神器だったが、シア自身はまだ自分を正式な継承者とは認めておらず、本当に必要な時以外は装備したくないと考えていた。

一方アレンは、以前から仲間たちが「自分だけが活躍しなければならない」と思い込みすぎていることを問題視していた。そのため、「仲間と比較せず、今できる最善を尽くせ」と皆へ伝えていた。

その成果は徐々に現れ、仲間たちは互いを支え合うようになっていた。

そして、その変化を証明するかのように、最下層ボス「真なるゴルディノ」は過去最速となる5分で撃破された。

直後、ダンジョンマスター・ディグラグニが、今回も挑戦しないのだろうと問いかけたが、アレンは自信満々に、今日はディグラグニへ挑戦するために来たのだと宣言した。

第三話 ダンジョンマスター・ディグラグニ戦

ディグラグニへの挑戦開始

S級ダンジョン「試練の塔」の最下層にて、アレンはついにダンジョンマスター・ディグラグニへの挑戦を宣言した。

ディグラグニは、ドワーフたちから「魔導具の祖」として信仰される存在であり、転職ダンジョンや試練の塔を作り上げた張本人でもあった。彼はアレンの挑戦を聞くと歓喜し、全高100メートルにも及ぶアダマンタイトの巨体を現した。

戦闘開始直後、アレンはクレナ、ドゴラ、イグノマスら前衛を展開し、シアを遊撃役として配置した。クレナは「限界突破」を発動し、ドゴラと共に連携攻撃を行った。イグノマスも槍で膝を狙ったが、装甲を貫けず吹き飛ばされた。

アレンは仲間たちを細かく指揮しながら戦況を分析していたが、ディグラグニは想像以上の耐久力を誇っていた。メルスは、その理由を「転職ダンジョンの普及によって信仰が増え、ディグラグニ自身が成長しているからだ」と説明した。

ディグラグニの変形と激戦

メルルは巨大ゴーレム「タムタム」を降臨させ、ディグラグニを羽交い締めにした。だが、ディグラグニは自らの腕を切り離して拘束を脱し、重力波スキル「ラウンドバースト」で広範囲攻撃を放った。

さらにテレポートを駆使して中後衛へ急接近し、空中に展開していた仲間たちまで吹き飛ばした。

アレンはソフィーに防壁を命じ、メルスやマクリスによるデバフを試みたが、ディグラグニにはほとんど効果がなかった。

その後、ディグラグニは飛行形態へ変形し、さらに小型分身「ペンタポッド」を召喚した。小型機でありながら魔神級の力を持ち、クレナを吹き飛ばすほどだった。

これに対し、ドゴラは新スキル「戦破陣」を発動した。自らの被ダメージを増やす代わりに、仲間全体の被害軽減と火力上昇を実現する強力な支援能力だった。

ディグラグニ討伐

戦闘終盤、ディグラグニは巨大砲へ変形し、アレンたちへ極大攻撃を放とうとした。

アレンは瞬時に対応し、マクリスの「フリーズキャノン」、メルルの「レーザービーム」、メルスの「裁きの雷」、セシルの「プチメテオ」を連続で叩き込んだ。

さらに、ドゴラが神器カグツチによる渾身の一撃「全身全霊」を放ち、ディグラグニの額へ深々と叩き込んだ。

巨大なディグラグニはついに崩れ落ち、アレンたちは勝利を収めた。

しかし経験値は得られず、魔導書には「ダンジョンマスター・ディグラグニを1体倒しました」とだけ表示された。アレンは、経験値すら与えない存在はラスボス級だと考えていた。

討伐報酬と転職ダンジョン改良案

戦闘後、縮小したディグラグニは約束どおり討伐報酬を認めた。

アレンは、魔王との戦いに備え、ディグラグニ自身をメルルのゴーレム強化へ利用したいと要求した。しかしディグラグニは、転職ダンジョン改良という神命があるため、完全には協力できないと拒否した。

その際、ディグラグニは新たな転職ダンジョンには「失敗時の罰則」が必要だと悩みを語った。

そこでアレンは、「失敗したら神の試練をリセットし、これまで得た力を失わせる」という案を提案した。レベル低下や才能劣化まで含む苛烈な罰則に、ディグラグニは衝撃を受けながらも、その発想を高く評価した。

さらに、魔法神イシリスから正式承認まで得たことで、ディグラグニはアレンへ追加報酬を与えることを決めた。

メルルの新たな力とタムタムの進化

ディグラグニはメルルへ新たなエクストラスキル「迷宮主降臨」を授けた。

これはタムタムとディグラグニが合体し、飛行・重力波・テレポート・分身召喚・極大魔導砲など、ディグラグニの能力を使用可能にする規格外の力だった。

さらにディグラグニは、メルルの願いを聞き入れ、タムタムへ「魂」を与えた。

魔導盤は魔導キューブへ変化し、タムタムは言葉を話せるようになった。当初は無機質な口調だったが、メルルから「相棒だ」と告げられると、徐々に感情らしき抑揚を見せ始めた。

ディグラグニは、自分もまた魂を持つ存在だと語り、メルルとタムタムの絆に深く共感していた。

そして最後に、魔導書へ「タムタムが仲間に加わった」という表示が現れ、アレンはタムタムを正式な仲間として迎え入れた。

第四話 5大陸同盟会議

神界の情報収集とアレンの思惑

アレンはラターシュ王城で目を覚ますと、起床直後からスキル経験値稼ぎを始めた。魔力回復リングや聖珠、魚Sの加護によって驚異的な速度で魔力を回復できるため、日常的にスキルを使用し続けていたのである。

アレンは神界を目指すため、「竜神の末裔」が守る「審判の門」に関する情報を集めていた。王城の侍女は、王城書庫やエルメア教会、神界研究者から神話資料を集めており、アレンはそれを一晩で読み漁っていた。

その中で、世界は大地の神ガイアに支えられた平らな世界であり、日の光や星々は光の神アマンテによって生み出されたことを知った。また、神々は全部で255柱存在し、調停神ファルネメスや創造神エルメアが神々を統括していることも把握した。

ラターシュ王国の警戒とアレンへの配慮

ラターシュ王国では、5大陸同盟会議の開催を前に、アレンへの対応が過剰なほど丁重になっていた。

S級冒険者となったアレンは、精霊神と契約した次期女王候補や次期教皇候補、獣王女らを仲間に持ち、さらに私設軍まで保有していた。そのため各国は、アレンがラターシュ王国の「王国派」に取り込まれ、5大陸同盟から離反するのではないかと警戒していた。

しかし当のアレンは、自分が周囲からそこまで警戒されているとは理解しておらず、豪勢な朝食を取りながら会議の予定を確認する程度だった。

プロスティア帝国の加盟表明

5大陸同盟会議には、海底国家プロスティア帝国のラプソニル女帝が出席した。

彼女は、魔王軍が海を越えて帝都パトランタを襲撃したこと、勇者ヘルミオスとアレンによって壊滅を免れたことを明かし、その上でプロスティア帝国の5大陸同盟加盟を正式に申し出た。

さらに、イグノマスやロザリナ、魔法技師団、2000人の兵士をアレン軍へ派遣すると宣言した。加えて、将来的には数万人規模の兵力や大量の物資供出も可能だと説明したため、会議は大きく沸き立った。

その結果、レガルファラース5世の提案により、プロスティア帝国は「準盟主」として迎え入れられることになった。

ベク獣王太子の真実

ラプソニル女帝は続けて、ムザ獣王へベク獣王太子について語った。

ベクは魔王軍との戦いで命を落としていたが、彼が命懸けで奪い返したものによって、聖魚マクリスの復活が可能となり、結果としてプロスティア帝国は救われたのである。

ムザ獣王は、かつて過ちを犯したベクが、最後には誰かのために命を賭けられる存在になっていたことを知り、静かに感謝を示した。

移動要塞を巡る対立

アレンは会議の場で、自分たちの拠点である要塞が飛行可能になったことを明かし、各国上空の通行許可を求めた。

しかし各国代表は猛反発した。移動要塞という戦略兵器を個人が保有し、自由に飛ばそうとしていることが危険視されたのである。

特にレガルファラース5世は、アレンの発言そのものが軽率であり、S級冒険者としての自覚を欠いていると厳しく批判した。

それに対し、レノアティール女王は、クレナやセシル、キール、シアら各国・各組織に忠誠を持つ仲間たちがアレンの側にいる以上、彼が暴走することはないと保証した。

最終的にレガルファラース5世は渋々ながら許可を与え、アレンの移動要塞飛行は認められた。

シアの決意と獣神の祝福

続いてシアは、「獣王の証」を返還し、自ら獣王位継承権を放棄すると宣言した。

彼女は、ベクが魔王軍に奪われた獣人の誇りを取り戻すため、自らも命を懸けて戦う覚悟を示したのである。

その瞬間、獣神ガルムの声が響き、シアの体が輝いた。シアは新たな力「獣王化」を獲得し、経験値上限も解放された。

さらにムザ獣王は、シアの継承権放棄を認めず、「生きて帰って再びゼウと争え」と告げ、「獣王の証」も彼女へ預け直した。

アレンは、シアのエクストラモード化に歓喜しつつ、今後はS級ダンジョンで特訓させる必要があると考えていた。

転職ダンジョン改の発表

エルメア教会は、新たな「転職ダンジョン改」の詳細を発表した。

転職には魔神討伐で得られる「転職ポイント」が必要となり、星5職へ到達するには大量のポイントを集めなければならないことが明かされた。

アレンは、自分の冒険者証に24ポイントが蓄積されていることを確認し、これまで討伐した魔神たちがポイント化されていると理解した。

そして誰を優先的に転職させるか、軍全体の強化も含めて思案を巡らせていた。

魔王ゼルディアスの宣戦布告

会議終盤、神託を映していた魔導板が突然赤く染まり、「余は世界を終わらせる魔王である」と表示された。

さらに、魔王は自らを「終わりの魔王ゼルディアス」と名乗った。

この名を聞いたムザ獣王は激怒し、ギアムート帝国が事実を隠していたことを糾弾した。獣人国家の代表たちは会議室を退席し、5大陸同盟には深刻な亀裂が走った。

一方アレンは、これは魔王軍参謀キュベルによる情報戦であり、5大陸同盟を混乱・分裂させるための宣戦布告だと分析していた。

第五話 竜神マグラの里に向けて

5大陸同盟会議の中断とアレン軍の会議

5大陸同盟会議は、魔王ゼルディアスの宣戦布告によって獣人国家の代表団が退席したことで中断された。再開の目途が立たない中、アレンたちはヘビーユーザー島へ戻り、主力メンバーを集めて独自の会議を開いた。

アレンは、魔王が「恐怖帝」ゼルディアスの生まれ変わりである可能性を高く見ていた。ヘルミオスから聞いた陵墓の剣消失事件や、魔王の言動が恐怖帝そのものだったことから、前世の皇帝としての人格や欲望を引き継いでいると推測したのである。

さらにアレンは、魔王軍が魔導板へ割り込んだ件についても危機感を抱いていた。通信系統へ介入できるなら、魔導船など他の魔導技術にも干渉できる可能性があると考え、ララッパ団長へ調査と対策を依頼した。

転職ポイントと戦力強化方針

会議では、新たに発表された転職ダンジョン改への対応方針も議論された。

アレンは、まず星4未満の者を優先的に強化し、その後にハバラクとララッパ団長を星5へ転職させる方針を示した。ハバラクにはオリハルコン武具の強化、ララッパ団長には魔王軍の工作対策を期待していたのである。

その後は、エクストラモードで最大限鍛えた者から順に転職させる考えを説明した。エクストラモードで上げた能力値の半分が転職後に引き継がれるため、できる限り高レベルまで鍛え切ってから転職した方が効率的だと判断したのである。

しかし、セシルは自分が優先されないことに強く反発し、アレンへドロップキックを叩き込んだ上で首を締め上げた。

ソフィーもまた、セシルがディグラグニ戦で無力感を味わったことを指摘し、アレンへ納得できる説明を求めた。最終的にアレンは、時間制限のある中で戦力を最大化するための苦肉の策だと説明し、なんとか場を収めた。

竜神の里への到着

その後、ヘビーユーザー島はガルレシア大陸西方に存在する「竜神の里」へ到着した。

竜神の里は巨大な半島状の山岳地帯の頂上に神殿を抱えた国家であり、竜王が支配していた。シアによれば、そこには「審判の門」が存在し、神界へ通じているとされていた。

アレンはセシル、ソフィー、ロザリナ、イグノマス、ルークを連れて市場へ降り立ち、竜神の里の国境門へ向かった。

途中で竜人たちを観察したアレンは、鱗や角、尻尾、翼などが個体によって異なっていることを確認し、その特徴を細かく記録した。

入国拒否とファーブルの仲裁

だが、竜神の里の門番たちはアレンたちの入国を拒否した。

アレンは穏便な交渉を望んでいたが、門番たちは理由を明かさず追い返そうとしたため、イグノマスが激怒した。彼は「魚人だから」という理由で差別されたと感じ、門番へ食ってかかったのである。

そこへ、ルークの頭上にいた精霊王ファーブルが割って入り、門番へ話しかけた。

門番たちはファーブルの存在を知ると態度を一変させ、さらにルークがダークエルフ王オルバースの息子だと知ると、アレンたち一行の通行を正式に認めた。

こうしてアレンたちは、ようやく竜神の里へ入国することに成功した。

竜神の里での情報収集

一行は宿へ入り、食事を取りながら情報交換を行った。

アレンは、以前バスクが装備していた足輪型の魔法具に強い関心を抱いていた。プロスティア帝国でも再現不可能だったため、長い歴史を持つ竜神の里ならば手掛かりがあるかもしれないと考えていたのである。

また、ファーブルからは、審判の門が最後に開かれたのは一万年前であり、その時に竜神マグラが創造神エルメアの派遣した天使軍によって討伐・封印されたという伝承も聞かされた。

緑竜の飛来

食事中、アレンは島周辺を巡回していた召喚獣の視界を通じて、巨大な緑竜の接近を察知した。

アレンは即座に島全体へ警戒命令を発したが、緑竜はヘビーユーザー島を通過し、そのまま竜神の里へ向かった。

外へ飛び出したアレンたちは、翼長百メートルを超える巨大な緑竜が空を覆う光景を目撃した。竜人たちは歓声を上げ、「緑竜様」の帰還を歓迎していた。

アレンは、一瞬その竜と視線が合ったように感じたが、確認する間もなく、緑竜は山頂の神殿へ飛び去っていった。

第六話 竜王マティルドーラと審判の門

緑竜エンケロの帰還と竜王の思惑

ヘビーユーザー島へ緑竜が接近するより前に、白竜ハクがその存在を察知した。ハクは懐かしい匂いを感じて空へ飛び上がったが、突如現れた巨大な緑竜に驚き、思わず炎を噴いた。

緑竜エンケロは、白竜と赤竜が幼体へ戻っていることを見抜き、さらに空に浮かぶヘビーユーザー島と、そこに集う人々を観察した。その中で黒髪の青年アレンの存在を記憶した後、竜神の神殿へ向かった。

神殿では、巨大な竜王マティルドーラがエンケロの帰還を迎えた。エンケロは、魔王が「邪神の尾」を蘇らせたことや、島に白竜がいたことを報告した。

これを聞いた竜王は、白竜がついに竜神マグラの制約を離れたと理解し、長年待ち望んだ「悲願の竜」が誕生したことに涙を流した。しかし神官たちは、過去に古代竜と一万を超える兵を失っても「門番」を突破できなかったことを理由に、軽率な行動を諫めた。

さらに、精霊王ファーブルとアレンたちが竜王への謁見を求めていることが伝えられると、竜王はアレンへ強い興味を示した。

竜王は、アレンが神界の意図によって導かれている存在ではないかと考え、神官たちへ彼の情報収集を命じた。そして、かつて「試練」を拒絶されて里を去った黒竜ドライゼンや、聖鳥クワトロの件を思い返しながら、自分もまた神界の意志に翻弄されているのではないかと複雑な感情を抱いた。

アレンたちの神殿への旅

翌日、アレンはロザリナとルークを連れて神殿へ向かった。セシルたちは別行動となり、ソフィーが同行者たちをまとめることになった。

竜神の里は、渦を巻くように盛り上がった巨大な半島地形になっており、神殿へ至るには尾根沿いの道を長く進まなければならなかった。

道中、アレンたちは巨大な門が置かれた古代遺跡を発見した。門には竜の彫刻が刻まれていたが、何の反応もなく、精霊王ファーブルも詳しいことは知らなかった。

その後も同じような遺跡を複数発見しながら旅を続け、五日かけて最後の関所へ到達した。しかし、神殿への正式な許可が下りるまでさらに三日待たされることになった。

竜神の神殿と竜王との謁見

ようやく許可が下りた後、アレンたちは巨大な神殿へ案内された。

神殿には無数の守護竜が寝そべっており、案内役の竜人は、彼らを単なる飼育竜ではなく神殿と竜王を守護する尊い存在だと説明した。

最奥部では、竜王マティルドーラが待ち構えていた。

ファーブルが「審判の門」を通りたいと告げると、竜王は、この門は神に認められた竜だけが神界へ向かうための門であり、通過には「相応の手順」が必要だと説明した。

続いて神官から、「審判の門」を開くには三つの「試しの門」を突破し、「爪」「牙」「鱗」の証を集めなければならないことが明かされた。

そして竜王は、白竜ハクならば試練へ挑戦する資格を持っているかもしれないと告げた。

ハクの仲間加入

アレンたちはヘビーユーザー島へ戻り、ハクを試しの門へ連れて行こうとした。しかしハクは、クレナ以外と行動することを嫌がり、アレンの説得を完全に拒絶した。

そこでクレナをS級ダンジョンから呼び戻すと、ハクは大喜びで駆け寄った。

クレナがハクへ一緒に行こうと呼びかけると、ハクは素直に応じ、その瞬間、アレンの魔導書に「ハクが仲間に加わった」というログが表示された。

アレンは、ゲームで特定キャラクターを仲間にしないと強力なドラゴンを加入させられなかった経験を思い出し、クレナこそがハク加入の条件だったのだと理解した。

試しの門への挑戦

ハクを連れて最初の試しの門へ向かうと、門の中から「挑戦するか」という声が響いた。

アレンが返事をしても反応はなかったが、クレナがハクに返答させると、一行は見知らぬ巨大空間へ転移した。

そこへ現れたのは、虹色に輝く羽を持つ小型竜メガデスだった。

メガデスは、自らを時空神デスペラードの使いだと名乗り、神界への道案内役だと説明した。そして、白竜ハクが「神器」を授かっている特別な存在であることを明かした。

さらに、過去には古代竜と一万二千人規模の挑戦者でも突破できなかったこと、黒竜ドライゼンが無理やり門へ挑み暴れたことなども語られた。

こうしてアレンたちは、神器を持つ白竜ハクを中心とした「試しの門」への本格的な挑戦を開始したのであった。

第七話 爪の門への挑戦

「爪の門」への挑戦開始

メガデスに促され、アレンたちは「爪の門」の先へ進んだ。しかし、その先にあったのは虚空へ突き出た短い通路だけで、周囲には何も存在していなかった。セシルは呆れたように通路の先を見渡したが、どこにも続いていないように見えた。

そこでアレンは鳥Eの召喚獣を放ち、周囲の構造を調査した。その結果、自分たちがいる部屋は何の支えもなく広大な虚空に浮かんでおり、果てには壁も地面も存在しないことが判明した。だが、その直後、召喚獣が数百体規模の飛竜の群れを発見し、アレンは即座に仲間たちへ戦闘準備を命じた。

飛竜の群れとの戦闘

飛竜たちは咆哮を上げながら突撃してきた。ハクは炎を吐いて迎撃したが、まだ幼体で威力が低く、飛竜たちは炎を突き抜けて襲いかかってきた。

しかし、クレナが通路へ進み出て、大剣を振り回しながら飛竜を次々と両断した。さらにセシルが火魔法で後続を撃ち抜き、飛竜の群れを押し返していく。

戦闘が続く中、ハクは経験値を得て急速に成長していった。アレンは、特技が「火を吐く」から「火炎を吐く」に変化し、「竜の鱗」や「火耐性」などの新たな能力も獲得していることを確認した。

一方でアレンは、飛竜の経験値が竜系魔獣としては低いことを疑問に思った。メガデスは、この聖域では魔王の「大厄災」の影響を受けていないため、外界より魔獣のランクが一段低いのだと説明した。また、ハクも幼体であり、本来の白竜よりランクが低くなっていることが明かされた。

出口探索と第二階層への到達

アレンが「爪の門」の本当の試練について尋ねると、メガデスは飛竜は単なる障害に過ぎず、本当の挑戦はまだ先にあると答えた。さらに、この階層には出口が存在するが、その場所は教えられないとも告げた。

そこでアレンは鳥Aと鳥Eの召喚獣を組み合わせ、大規模な探索を開始した。三時間に及ぶ戦闘と探索の末、ようやく別の浮遊部屋を発見する。

その部屋では、クレナが床に刻まれた意味ありげな文様を見つけた。メガデスは、それこそが次の階層への出口だと説明した。

アレンたちが文様の上へ乗ると、景色が切り替わり、灼熱の空気に満ちた第二階層へ転移した。

火山世界と撤退の決断

第二階層は、溶岩が流れる火山地帯だった。空は噴煙に覆われ、遠方の火山は絶えず噴火を繰り返していた。

魚人であるロザリナは強烈な熱気に苦しみ、ソフィーが水の精霊で肌を潤しても、消耗を隠せなかった。

それでもアレンは攻略を続けようとしたが、セシルはロザリナの状態を見て撤退を訴えた。

そこへメガデスが、過去にも多くの竜人たちがここで仲間を失い、恐怖して逃げ出したのだと語る。さらに、神界へ至る門は簡単に越えられる場所ではなく、多くの死者が出るのは覚悟の上だと冷淡に告げた。

アレンはその言葉を聞き、ぐったりしたロザリナを見て撤退を決断した。

だが同時に、これまで攻略できなかったダンジョンは存在しないと宣言し、必ず攻略法を見つけると決意する。

メガデスは、頭を使って攻略法を考えろと言い残し、アレンたちを外へ送り返したのであった。

「爪の門」再攻略への準備

「爪の門」第二階層「火山の世界」から脱出して三日後、アレンは新たな攻略準備を整えていた。その朝、日課の魔導書ログを確認していると、「成長スキル」が9へ上昇していることに気付く。

そこでアレンは虫Hの召喚獣デンカの成長レベルを9へ上げようとしたが、聖珠ポイントが不足しているという表示が現れた。成長レベル9以降には聖珠ポイントが必要であり、貴重な資源であることを理解したアレンは、無駄遣いを避けるべきだと判断した。

その後、アレンたちは再び「爪の門」へ向かい、今回はメルルを含めた八人編成で第二階層攻略へ挑むことになった。

火山世界への対策と再突入

アレンたちはプロスティア帝国から取り寄せた「深海のローブ」を装備し、火山世界の熱気への対策を施した。このローブは高い火耐性とブレス耐性を持ち、熱による消耗を軽減する性能を備えていた。

再び火山世界へ転移したアレンたちは、ソフィーの水の精霊を利用して大量の雨を降らせ、流れる溶岩を冷却して進路を確保した。さらにメルルはゴーレム・タムタムに測量用魔導具を持たせ、地図作成を開始した。

だが、その最中に火山が噴火し、測量機器へ溶岩弾が降り注いだ。アレンは即座に聖魚マクリスを召喚し、「フリーズキャノン」で火山そのものを凍結させた。さらにセシルが氷魔法で溶岩弾を撃ち落とし、測量作業を守り抜いた。

しかし火山は完全には止まらず、氷を砕いて再び活動を再開した。アレンはマクリスへ継続的な鎮火を命じ、セシルとソフィーにも冷却支援を任せた。

竜目岩と大量素材の発見

探索中、キールは冷え固まった溶岩の中から巨大な琥珀色の物体を発見した。それは「竜目岩」と呼ばれる希少素材であり、オリハルコンなどの金属加工に欠かせない「造込」素材だった。

アレンは鳥Eの召喚獣による索敵を行い、周辺一帯に多数の竜目岩が埋まっていることを突き止めた。さらに霊Aの召喚獣を使って回収を進めた結果、ヒヒイロカネやアダマンタイトなど、多数の貴重素材も発見される。

アレンは、「爪の門」が単なる試練ではなく、攻略者へ利益をもたらす場所でもあることを理解した。

第三階層「氷原世界」への到達

十日間かけて地図を完成させたアレンたちは、火山地帯の中に存在する人工的な岩の構造物を発見した。内部には次階層へ移動する魔法陣があり、メガデスは十日での突破と犠牲者ゼロを新記録だと称賛した。

転移先である第三階層は、一面が氷原に覆われた極寒世界だった。吹雪が吹き荒れ、通常の移動では長期探索が不可能と判断したアレンたちは、メルルのゴーレム・タムタムを「トータス」形態へ変形させ、移動拠点として利用した。

それでも寒気は厳しく、アレンたちはいったんヘビーユーザー島へ戻り、暖房用魔導具を調達して再探索を開始した。

「試しの門」の真実

第三階層探索中、アレンはメガデスから「試しの門」に関する情報を聞き出していた。

「審判の門」の先には神界が存在し、「試しの門」は「爪」「牙」「鱗」の三つに分かれていること、さらに挑戦資格を持つのは「挑戦者」である竜と、その相棒である「乗り手」だけであることが判明した。

協力者であるアレンたちは補助役に過ぎず、本来は門番との戦いに参加できない立場だった。

ハクの限界と門番の出現

探索中、ハクはレベル60へ到達し、経験値表示が消失した。アレンはハクが成長限界へ達した可能性を察し、今後の戦いへの不安を抱く。

その後、メルルが巨大な氷の洞窟を発見し、その奥には「爪の門」と同じ形状の巨大な門が存在していた。アレンは門番戦を予期し、仲間たちへ戦闘準備を命じた。

しかしそこへ現れたメガデスは、門番と戦えるのは「挑戦者」と「乗り手」だけであり、協力者は戦闘参加できないと告げた。さらに、現在ハクには「乗り手」が存在しないため、このままではハク一体で門番へ挑まなければならないことも明かされた。

しかも敗北した場合、再挑戦は認められないという。

クレナの決断と「竜騎兵」への転職

その事実を知ったクレナは、自ら「乗り手」になることを申し出た。メガデスは、クレナを「竜騎兵」へ転職させることは可能だと説明する。

だが、「竜騎兵」は人間界では極めて希少な才能であり、しかも転職すれば元の「剣帝」には戻れないことが判明した。

アレンは、前世のゲーム経験から安易な転職の危険性を理解していたため、クレナを止めようとした。しかしクレナは、ハクを一人で戦わせたくないという理由から、自らの意思で転職を決断した。

メガデスは、試練を乗り越えれば「竜騎兵」はさらに上位職「竜騎士」へ進化できること、そして協力者にも専用の強化手段が存在することを説明した。

最終的にクレナは「竜騎兵」へ転職し、レベル1となったものの、「剣帝」のスキルは引き継がれていた。

アレンは無理に門番戦へ挑まず、まずはクレナのレベルを上げ直すことを優先すると決断し、一行はいったん撤退することにしたのであった。

クレナの鍛錬と「竜騎兵」の力

「爪の門」から戻ったアレンたちは、十日間にわたってアイアンゴーレムを狩り続けた。アイアンゴーレムは一体で百億以上の経験値を得られるため、クレナのレベル上げに最適だった。

アレンは、メガデスが語る「門番はそこまで強くない」という言葉を信用していなかった。メガデスには独自の目的があり、試しの門へ挑戦させようとしていると感じていたため、可能な限り戦力を整えようとしていたのである。

レベル上昇に伴い、クレナの「竜騎兵」には新たなスキルが追加された。「真騎竜」は騎乗する竜と自身の素早さを高め、「真竜剣」は遠距離まで届く斬撃を放つことができた。さらに「真竜爪」は能力値そのものを増加させる強力な補助技能だった。

アレンは、これらのスキルが竜との連携を前提に作られていることを理解し、十分戦えると判断した。

「爪の門」への再挑戦

準備を終えたアレンたちは再び「爪の門」へ向かった。

門の前ではメガデスが待っており、挑戦するのはハクと乗り手であるクレナだけだと改めて告げた。クレナとハクが挑戦を宣言すると、巨大な両開きの門が軋みながら開いた。

その先には巨大な存在が待ち受けていた。

アレンは念のため、補助魔法や自身の侵入が有効か確認したが、透明な力場によって阻まれた。さらにソフィーの補助魔法もクレナとハクには一切作用せず、門番との戦いでは挑戦者と乗り手以外の干渉が完全に遮断されていることが判明した。

また、アレンは乗り手の交代についても確認した。メガデスは、交代そのものは禁止されていないと答えたが、最終的には挑戦者である竜が決めることだと説明した。

光竜エルギアとの対面

門の先で待っていたのは、巨大な黄色い鱗を持つ竜「光竜エルギア」だった。

エルギアは幼体であるハクを見て、挑戦を思い留まるよう忠告した。だがクレナとハクは迷わず挑戦の意思を示した。

エルギアは、これまで自身のブレスを避けられた者はいないと語り、戦闘を開始した。

クレナはハクへ跨ると同時に、「真・覇王剣」を放った。

「真竜剣」の効果によって伸びた光の刃は、エルギアがブレスを放つよりも早くその巨体を両断した。

エルギアは絶叫を上げて倒れ、クレナとハクは一撃で「爪の門」の門番を撃破した。

門番撃破後の会話

戦いが終わると、門への侵入を阻んでいた力場が消失した。

クレナは、自分が倒したエルギアが死んでしまったのではないかと心配したが、メガデスは時間が経てば回復すると説明した。実際、しばらくしてエルギアは起き上がり、クレナとハクを称賛した。

エルギアは、一撃で自分を倒した実力だけでなく、敵を気遣う慈愛の心を持っていることも評価し、ハクへ「良い乗り手を得た」と語った。

その後、エルギアは「ファーブル」に関する意味深な言葉を口にしかけたが、メガデスに制止された。

アレンは、ファーブルが過去に「試しの門」へ挑戦したことがあるのではないかと推測する。だがメガデスは、それ以上は話せないと告げた。時空神デスペラードによる制約が存在し、ファーブルも挑戦に関する詳細を語れない状態にされているという。

さらに、ファーブルが話そうとした瞬間、体が硬直して動けなくなったことで、その制約が実在することが明らかになった。

「爪の証」の獲得

最後にエルギアは、自らの前足の爪をむしり取り、「爪の証」としてクレナとハクへ差し出した。

クレナは、爪を失って困らないのかと心配したが、エルギアの爪は既に再生し始めていた。

こうしてハクとクレナは、「爪の門」を正式に攻略したのであった。

第八話 牙の門への挑戦

「爪の門」攻略後の変化

「爪の門」を攻略したクレナとハクに対し、メガデスは新たな力を授けた。虹色の光が二人へ降り注ぐと、クレナの「竜騎兵」は「竜騎士」へと変化した。

ただし、この転職は従来のスキルを維持するクラスチェンジではなく、才能の星数を増やす代わりに既存スキルを失う「クラスアップ」に近い形式だった。クレナのレベルは1に戻り、能力値も大幅に低下した。

一方ハクは、種族ランクが上昇して「光竜」となった。鱗は黄色へ変化し、耐性能力も向上した。仲間たちはその変化を興味深く見守ったが、アレンが「ハクという名前は似合わなくなった」と軽口を叩いたことで、一斉に非難を浴びた。

「牙の門」への挑戦開始

その後、アレンたちは次なる「牙の門」へ向かった。

門の竜像は挑戦を認め、アレンたちは暗闇に覆われた第一層へ転移した。通路の先は闇に飲まれ、視界はほぼ閉ざされていた。

アレンは灯りの魔導具を取り出し、鳥Dの召喚獣を大量に飛ばして出口探索を開始する。すると闇の中から、ダークドラゴンを筆頭とした大量の魔獣が襲来した。

クレナはハクへ騎乗し、「真・覇王剣」でダークドラゴンを一撃で両断した。経験値は三千二百万と高く、アレンは「牙の門」の魔獣がAランク級に近づいていると分析した。

激戦の末に出口を発見し、一行は転移した先で宝箱を見つける。中には「常闇の腕輪」が入っており、闇属性強化と精霊使い向けの能力を持っていたため、ルークへ渡された。

毒沼の第二層と装備強化

第二層は毒沼に覆われた世界だった。毒ガスが充満し、空気も腐臭を帯びていたため、アレンたちはいったんヘビーユーザー島へ帰還し、空気清浄の魔導具と自給式呼吸器を準備した。

ハクは光竜への進化で毒耐性を得ており、アレンは「試しの門」が挑戦者を強化する構造になっていると考えるようになった。

探索を進める中で、一行は宝箱から「双魔の杖」を入手した。知力上昇と魔法二重発動能力を持つ強力な杖であり、セシルは大喜びした。

一方で、ファーブルは明らかに元気を失っていた。ルークが心配する中、ファーブルは曖昧に答えるだけだった。

大精霊ムートンとの遭遇

さらに探索を続けた一行は、異様に広い毒沼へ到達した。アレンが霊Aの召喚獣を沈めて調査を始めた直後、巨大な泥の塊が姿を現す。

それは「大精霊ムートン」を名乗った。

ムートンは毒泥を放ち、ハクの翼を溶かした。怒ったクレナは「真・覇王剣」でムートンを両断したが、泥の身体は瞬時に再生する。

そこでセシルとアレンは氷属性攻撃へ切り替えた。マクリスの「フリーズキャノン」とムートンの「毒沼津波」が激突し、逆に毒沼そのものが凍結・破裂したことで、ムートンは大ダメージを受け、小型化した。

アレンが総攻撃を命じようとした瞬間、ファーブルがそれを止めた。

ファーブルの過去と3000年前の因縁

ムートンは、ファーブルが再び「審判の門」を目指しているのかと激しく責め立てた。

そこへルークが進み出て、自分はダークエルフ王オルバースの子であり、ファーブルは自分たちの里の守護者だと宣言する。ムートンは、ルークがハイダークエルフだと知って衝撃を受けた。

さらにアレンが状況説明を求めると、メガデスが現れた。

メガデスは、ファーブルには時空神デスペラードの制約が掛けられており、「審判の門」に関する内容を語れない状態だと説明した。一方ムートンには制約が存在しないため、過去について語ることが可能だった。

アレンたちはムートンをヘビーユーザー島へ招き、事情を聞くことにした。

会議室でソフィーが現在の世界情勢を説明すると、ムートンは「邪神の尾」の復活や魔王軍の脅威に驚愕した。

そしてムートンは、三千年前の出来事を語り始めた。

当時、ダークエルフとエルフは長い戦争状態にあり、ダークエルフ側が優勢だった。そこへ英雄アステルと竜王マティルドーラが現れ、「試しの門」攻略へ関わっていったのだという。

ラポルカ要塞陥落寸前の状況

三千年前、ダークエルフの要塞ラポルカには王や長老、将軍たちが集まり、最後の要塞となった現状について議論していた。

「祈りの巫女」と精霊王ローゼンの力を得たエルフ軍は勢いを増し、東西北の要塞を奪還していた。残されたラポルカ要塞を守るべきか、それとも王を逃がすべきかで意見は割れていた。

そんな中、竜王マティルドーラと英雄アステルが来訪する。彼らはS級ダンジョン攻略と「試しの門」攻略への協力を求めていた。

ファーブルの決断と休戦協定

精霊王ファーブルは、マティルドーラたちへ協力を申し出た。

ただし条件として、ダークエルフたちも「審判の門」を越え、その先の力を得ることを望んだ。さらにファーブルは、ラポルカ要塞を明け渡してエルフと休戦協定を結ぶことで、時間を稼ぐ案を提示する。

この提案は受け入れられ、ダークエルフはエルフとの休戦に成功した。

その後、二千人のダークエルフが竜神の里へ渡り、「試しの門」攻略へ挑んだ。しかし最終的に、誰一人としてローゼンヘイムへ戻ることはなかった。

ムートンの怒りと悲嘆

大精霊ムートンは、「牙の門」第二層へ至るまでに仲間たちが次々と命を落とし、自身の契約者であった大将軍まで死んだことを語った。

彼はその後三千年間、「試しの門」第二層に留まり続けていた。

さらにメガデスから「審判の門」攻略は失敗したと聞かされていたため、ダークエルフたちが異郷の地で死んでいったことに深い怒りと後悔を抱いていた。ローゼンヘイムで戦っていれば、せめて魂は世界樹へ帰れたはずだと嘆いた。

ルークによるファーブルへの理解

ムートンがファーブルを責め続ける中、ルークが口を開いた。

ルークは、ファーブルもまたダークエルフのためを思って決断したのだと語った。結果として二千人が死ぬことになったが、その未来を予見できたわけではなく、決断した本人も苦しみ続けてきたはずだと訴えた。

アレンもまた、自ら指揮を執る立場として、決断には必ず犠牲が伴うこと、後からなら何とでも言えることを理解していたため、ルークへ同意を示した。

「審判の門」攻略失敗への疑念

そこへロザリナが、メガデスの発言に矛盾があると指摘した。

メガデスは「三千年ぶりの挑戦者」としか語っておらず、攻略が失敗したとは一度も明言していなかったのである。さらにロザリナたちは以前、竜王マティルドーラが「審判の門」の前にいる姿を実際に見ていた。

これを聞いたムートンは、自分たちがメガデスや竜王に騙されていた可能性へ激怒した。

一方アレンは、竜王が何か重要な事情を知っていると考えながらも、現在は謁見を拒まれている状況を整理していた。

ムートンとの契約

その後、ルークはムートンへ、自分たちと共に再び「試しの門」へ挑もうと誘った。

ルークは、三千年前に命を落としたダークエルフたちの想いも共に連れて行こうと語り、攻略後は故郷へ帰ろうと呼びかけた。

ソフィーもまた、ダークエルフとエルフが歩み寄れる時代になっていることを説明した。

その言葉を受けたムートンは、ようやくファーブルを信じる決意を固め、ルークへ契約を申し出た。

契約成立によって、ルークはエクストラスキル「毒沼津波」を獲得した。ファーブルは感極まり言葉を詰まらせ、ルークはそんな彼を優しく抱きしめた。

アレンは、強力な大精霊が仲間となったことを喜びつつ、スライム系の仲間が加わったことにも満足していた。

竜王マティルドーラの反応

翌日、竜王マティルドーラのもとへメガデスが現れた。

メガデスは、クレナとハクによる「試しの門」攻略が順調であり、ムートンも合流して「牙の門」第三層へ進んだことを報告する。

それを聞いたマティルドーラは静かに反応し、やがて背後に聳える「審判の門」を見つめながら、遠くを見るような目つきになった。

「牙の門」第三層の罠地帯

「牙の門」第三層は、石畳の広大な空間に無数の物理罠が仕掛けられた危険地帯だった。

刃や槍、鉄塊、落とし穴が次々と襲い掛かる中、タムタムが先行して罠を無効化し、ハクやソフィーの精霊魔法が飛来する攻撃を防いでいた。

その最中、ルークへミスリルの槍が迫った際、大精霊ムートンが即座に身を挺して防御し、槍を瞬時に溶解させた。ムートンは圧倒的な感知能力と防御力を見せ、ルークを守護する存在となっていた。

アレンは精霊の強さについて整理し、大精霊が魔神級に匹敵する力を持つことを再確認した。

「毒沼津波」と武器回収

やがて一行は、無数の刃が突き出た小山へ到達した。

ルークはムートンの力を借り、エクストラスキル「毒沼津波」を発動する。色とりどりの毒液が巨大な津波となり、刃の山を溶解していった。

ただしヒヒイロカネやアダマンタイト、オリハルコン製の武器は完全には溶けず、逆にルークたちへ撃ち返される。アレンは召喚獣で迎撃し、その後、一行は落ちていた高級武器を回収した。

アレンは、得られた武具をアレン軍と勇者軍の強化へ回す方針を固めていた。

門番への挑戦延期

洞穴の奥には門番の間へ続く門が存在し、そこへメガデスが現れた。

メガデスは、「牙の門」の門番が「爪の門」以上の強さであると告げる。アレンは、まだ準備不足だと判断し、挑戦を一度見送った。

その後、一行はS級ダンジョンへ戻り、アイアンゴーレム狩りによる育成と装備収集を開始した。

百日間の強化期間

百日間に及ぶ鍛錬によって、ハクはレベル80へ到達し、クレナも同じくレベル80となった。

アレンたちは「牙の門」各階層で希少装備を収集し、「祈りの首輪」「剛毅の腕輪」「俊足の足輪」「天魔の弓」など強力な装備を入手した。

さらに、大量のアダマンタイト製やヒヒイロカネ製武具を回収し、アレン軍と勇者軍へ配備して戦力を強化していった。

クレナ自身も、オリハルコンの大剣や高性能装飾品を装備し、凄まじい強化を受けていた。

古代竜ロードメルクとの戦い

十分な準備を整えた後、ハクとクレナは再び「牙の門」へ挑戦した。

門の先で待っていたのは、全長百メートルを超える古代竜ロードメルクだった。

戦闘開始直後、クレナは「真斬撃」でロードメルクの指を切り落とす。しかしロードメルクは高速飛行しながら光弾を放ち、ハクとクレナを翻弄した。

それでも二人は、S級ダンジョンで積み重ねた飛行戦闘訓練を活かし、連携を崩さなかった。

ハクは「煌めく息」で光弾を防ぎながら飛行し、クレナを頭上へ乗せて突撃する。そしてクレナは「限界突破」を発動し、ハクの投擲の勢いを利用してロードメルクへ接近した。

放たれた「真・覇王剣」は、巨大な古代竜を真っ二つに切断した。

ロードメルク撃破によって二百億の経験値を獲得し、「牙の証」も授けられた。

新たな力と次なる門

戦闘後、メガデスはクレナとハクへ新たな力を授けた。

クレナは新職業「竜騎将」となり、ハクはランクAの古代竜へ進化した。

ロードメルクもまた、二人の戦いぶりを高く評価した。

その直後、メガデスは「鱗の門」が最後の試練であると告げる。

アレンは即座に次の門への挑戦を決め、セシルはそんな彼へ呆れ混じりのため息を漏らした。

第九話 鱗の門への挑戦

「鱗の門」第一層への突入

アレンたちは「牙の門」を攻略したその日のうちに、「鱗の門」へ挑戦した。

魔王軍が静かな今こそ時間を無駄にできないと考えたアレンは、次なる試練へ急いでいた。

転移先は高い壁と天井に囲まれた巨大空間だったが、これまでと違い出口が存在しなかった。そこでアレンは鳥Eの召喚獣を使い調査を開始する。

調査の結果、各地に異なる文様を持つ魔法陣が存在していることを発見した。アレンは前世のダンジョン攻略経験から、この階層が転移魔法陣を利用して進む構造だと見抜き、召喚獣を使って転移経路を解析していった。

転移迷宮の攻略

召喚獣による検証で、魔法陣の転移先は固定されており、無限ループも存在しないことが判明した。

アレンは大量の召喚獣と知力を駆使して転移ルートを分析し、攻略ルートを特定していく。

途中ではリッチなどの魔獣が出現したが、ハクの炎やムートンの強酸、セシルの火魔法によって撃破された。

長時間の探索にセシルは不満を爆発させたが、アレンは攻略を優先し続けた。

聖鳥クワトロとの邂逅

探索の最中、一行は巨大な黄色い鳥と遭遇した。

アレンは神界の知識から、それが聖獣「聖鳥クワトロ」であると見抜いた。

クワトロは、魔王の邪気から逃れるために「試しの門」に留まっていたと語る。また、この「試しの門」がかつて調停神ファルネメスによって管理されていたことも明かした。

アレンは聖獣石を差し出し、召喚獣として仲間になってほしいと懇願した。しかしクワトロは争いを好まないとして拒絶する。

それでもアレンは戦力として必要だと説得を続けた結果、クワトロは「試しの門」を越え、その器を示せれば考えると条件を提示した。さらに「追跡眼」を発動し、アレンたちを見守ることを宣言した。

属性装備の発見

その後、一行は宝箱から「ファイアバンド」を発見した。

アレンは名前から火属性耐性へ関わる装備だと推測し、属性相性の重要性を仲間へ説明する。

「鱗の門」では他にも属性耐性を変更するバンド類が多数発見され、アレンはそれらを戦略的重要装備として収集していった。

第二層の雷罠

「鱗の門」第二層では、床の罠板を踏むと雷撃を受ける構造となっていた。

感電すると体力が半減し、麻痺状態になる危険な罠であり、アレンは鳥Bの召喚獣に乗って床を避ける攻略法を編み出した。

しかし魔法陣に偽装した罠も存在し、罠発動後には魔獣の群れが襲撃してくる。

ハクは「麻痺耐性」を獲得していたため率先して戦い、キールの回復魔法が仲間を支えた。

また、雷属性耐性へ変化する「ライジングバンド」は、回復役のキールへ優先的に装備させられた。

パンドラボックスとの遭遇

探索中、一行は金色の宝箱を発見した。

アレンは罠を警戒して召喚獣に確認させたところ、その宝箱はSランク魔獣「パンドラボックス」だった。

パンドラボックスは転移魔法陣を使って逃走を開始し、アレンたちは貴重なアイテムを落とすと直感して追跡する。

追跡の末に辿り着いた先は、Sランク魔獣が大量に集まる危険地帯だった。

そこでタムタムが圧倒的な力を発揮する。進化した「バレットギア」として、ペンタポッドや各種兵装を駆使し、Sランク魔獣を次々と殲滅した。

その隙を突き、クレナとハクが「真・覇王剣」でパンドラボックスを撃破した。

「魔法使いの神技」の獲得

パンドラボックス撃破後、一行は「魔法使いの神技」という特殊なロッドを発見した。

セシルが手にした瞬間、光の柱が発生し、謎の女性の声から「アルティメット・マジック・ウイザード」という力を授かる。

その結果、セシルは新スキル「神技発動」と、「魔力蓄積」「知力強化」という神技を獲得した。

検証の結果、「神技発動」は知力を大幅強化し、攻撃魔法を倍化できる能力であることが判明する。

強化後のセシルは、Sランク魔獣グランドアーマーを火魔法一撃で撃破するほどの力を見せた。

第三層の時空異常

第三層では、空間全体の時間の流れが遅くなる異常が発生していた。

知覚だけは通常速度のままなので、行動だけが鈍化し、一行は大きく行動を制限される。

さらに魔獣はこの影響を受けないため、防御重視の密集陣形を取らざるを得なくなった。

その中で、「時空耐性」を持つハクだけが自由に動けたため、ハクの活躍が攻略の鍵となる。

加えて、セシルの神技魔法が強力な殲滅力を発揮し、一行は危険地帯を突破していった。

最終門番・メガデス

二ヶ月に及ぶ攻略の末、一行は「鱗の門」最奥へ到達した。

そこでは案内役だった妖精竜メガデス自身が、最後の門番として待ち受けていた。

メガデスは、自らが時空神デスペラードに仕える「次元竜」であると明かし、自分は非常に強いと告げる。

アレンはファーブルの様子から、彼がかつてここで敗北した可能性を推測した。

それでもクレナとハクは挑戦を決意する。

一方でアレンは、メガデスの圧倒的な自信を見て、万全の準備が必要だと判断し、一度撤退して戦力強化を行うことを決めた。

第十話 試練達成に向けての準備

「鱗の門」攻略準備

「鱗の門」の最終門番が次元竜メガデスだと判明した後、アレンは即座に撤退を決断した。

クレナとハクをさらに強化しなければ勝利は難しいと判断し、S級ダンジョンでアイアンゴーレム狩りを続けさせる一方、自分はヘビーユーザー島で戦力増強の準備を始めた。

アレンは前世のゲーム知識を思い出し、ボス戦前にはレベル上げと強力な装備の準備が重要だと再確認していた。

鍛冶職人ハバラクへの依頼

アレンはまず火神フレイヤの神殿近くにいる鍛冶職人ハバラクの工房を訪れた。

魔導書にまとめた設計図を見せ、これまでにない巨大な装備の製作を依頼する。

ハバラクは難易度の高さに驚きつつも、面白い仕事だと喜び、最優先で作ることを約束した。

「魔法具使いの神技」の譲渡

続いてアレンは、魚人の町クーレで魔法具師カサゴマを訪ねた。

アレンが持ち込んだのは、「鱗の門」第三層で手に入れた「魔法具使いの神技」という指輪だった。

彼はこれをカサゴマに使わせ、神技による強化状態で新たな魔法具を製作してほしいと依頼する。

セシルが自身の体験を説明したことで、カサゴマはそれが魔法神イシリスの力を授ける神具であると理解した。

そしてアレンの真意が、自分により高度な魔法具を作らせたいことにあると悟る。

カサゴマの覚醒

カサゴマが「魔法具使いの神技」を使用すると、セシルの時と同様に光の柱が現れた。

彼は「アルティメット・マジック・クラフター」という力を授かり、新たな神技を得る。

アレンはその力を使って、これまでに存在しなかった高性能魔法具を製作してほしいと依頼した。

カサゴマは、これまで見たこともないほど真剣な表情で、その依頼を引き受けた。

レイラーナ姫からの依頼

ヘビーユーザー島での用事を終えたアレンは、セシルとキールを連れてラターシュ王国へ戻った。

王城で出迎えたレイラーナ姫は、アレンへある依頼を持ちかける。

それは、元近衛騎士団長ライバックとその配下を、アレン軍へ編入してほしいというものだった。

ライバックはかつて魔王軍と戦った歴戦の戦士であり、現在は姫の護衛と武術指南役を務めていた。

彼の職業は「盾使い」であり、転職後は「盾聖」となっていた。

盾聖ライバックの加入

ライバックは、姫が戦場へ出る前に、自ら魔王軍と戦って王家の憂いを取り除きたいと語った。

彼は盾使い五百人、剣士と槍兵五百人を率いており、全員がアレン軍へ加わる意思を示す。

アレンは、多様な職業によって戦略の幅が広がると考え、彼らの加入を歓迎した。

ただし、魔王軍との戦いでは全滅の覚悟が必要であること、種族差別を許さないことを条件として伝える。

ライバックはそれらを了承し、アレン軍への参加が決定した。

ゼノフ騎士団長の決意

さらにその場で、ゼノフ騎士団長も戦場復帰を願い出た。

彼は十年前の戦いで散った仲間たちの弔いをしたいと語り、再び魔王軍と戦う決意を明かす。

グランヴェル伯爵の了承を得たことで、アレンはゼノフの加入も受け入れた。

こうしてアレン軍は、盾聖ライバック率いる千人規模の兵力と、ベテラン騎士ゼノフを新たに加え、さらなる戦力拡充を果たしたのであった。

新転職ダンジョン攻略開始

ライバック率いる騎士団とゼノフ騎士団長を迎えてから一週間後、創造神エルメアの神託どおり、新たな転職ダンジョンが開放された。

ダンジョン好きのアレンはこの日を待ち望んでおり、前夜から興奮して仲間たちへダンジョン論を語り続け、回復アイテム生成をメルスに急がせた。

その結果、ほとんど眠れなかったセシルは、夜明け前に叩き起こされたこともあって激怒し、開門待ちの最中にアレンを殴り倒す騒ぎとなった。

それでもアレンたちは一番乗りで転職ダンジョンへ入り、その日の夕方には最下層へ到達していた。

最下層ボス「キメイラオメガ」討伐

最下層では、全長百メートルを超える巨大魔獣キメイラオメガが待ち受けていた。

複数の魔獣の特徴を融合した強敵だったが、アレン率いる「廃ゲーマー」パーティーの前では敵にならず、短時間で撃破される。

経験値四億を獲得したログが表示される中、ダンジョンマスターのディグラグニは、あまりにも簡単に倒されたことへ拍子抜けしていた。

しかしアレンは、魔神すら倒してきた自分たちには物足りない難易度だったと不満を抱いていた。

ダンジョン設計への批評

アレンは、ディグラグニの作った転職ダンジョンについて問題点を指摘した。

単純に罠を避ければ先へ進める構造では、攻略の緊張感が不足しているというのである。

例えば、落とし穴を避けることが正解ではなく、逆に落ちた先に正規ルートが存在するような構造なら、挑戦者は常に疑心暗鬼となり、本当に正しい道を進んでいるのか悩み続けることになる。

ディグラグニはその考えに感心し、次に作るダンジョンへ反映すると約束した。

アレンは、今後さらに高度な転職ダンジョンが作られるだろうと期待を抱いた。

ルークの転職

反省会を終えたアレンたちは、最下層の転職装置へ向かった。

まずアレンは、ルークを「黒魔導士」から「呪霊使い」へ転職させる。

転職ポイントを消費し、光に包まれたルークは無事に新たな職業を獲得した。

これによってルークは幼精霊との契約が可能となり、ファブラーゼへ戻って契約を行う決意を固める。

ソフィーも同じ精霊使いとして、その成長を喜んでいた。

ハバラクの転職

続いてアレンは、鍛冶職人ハバラクの転職を行った。

「世界一番の鍛冶職人」だった彼は、「伝説の鍛冶職人」へ転職する。

この転職によって、オリハルコン製装備へ「造込」を施せる可能性が生まれた。

ハバラク自身も、しばらく感覚を取り戻す必要はあるだろうと語りつつ、さらに鍛冶技術を高められることへ興奮を隠せなかった。

メガデス討伐への準備

アレンは、クレナとハクが「鱗の門」を突破するための準備が、いよいよ整ってきたと実感していた。

ルークの新たな精霊契約、ハバラクによるオリハルコン装備の強化、それら全てが次元竜メガデス攻略へ繋がる。

転職ポイントを大量に消費したものの、アレンは確かな手応えを感じながら、次なる戦いへ向けて仲間たちを鼓舞したのであった。

第十一話 時空神の使いメガデス戦

鱗の門への再挑戦

転職ダンジョン改攻略から一ヶ月後、アレンたちはクレナ、シア、ハクのレベルを九十まで引き上げた。

その後すぐに「鱗の門」第三層へ向かい、再び次元竜メガデスの前へ立った。

ハクにはオリハルコン製の爪と胸当てが装備されており、背中には乗り手を固定するための手綱とバンドが備え付けられていた。さらに武具は「伝説の鍛冶職人」となったハバラクによって強化され、クレナ自身もカサゴマの技術による強化を受けていた。

メガデスは、三千年前にも竜装備は存在したが、オリハルコン製の装備を竜に与えられる者はいなかったと驚きを見せる。しかし同時に、装備程度で突破できるなら「試しの門」など存在しないとも告げた。

メガデスとの激戦開始

挑戦空間へ入ったクレナとハクは、巨大な次元竜へ変貌したメガデスと対峙した。

クレナは「限界突破」と「真騎竜」で自身とハクを強化し、ハクは高速機動によって間合いを測る。

メガデスの尾攻撃を誘い、ハクが後方へ跳躍して回避した瞬間、クレナはカウンターで尾の先端を切断した。

しかしメガデスは「牙態変化」を発動し、巨大な口から時間停止のブレスを放つ。ハクとクレナは速度低下に苦しみながらも、香味野菜による回復で辛うじて脱出した。

その後もクレナは「真鳳凰破」で応戦するが、メガデスは鱗態変化による回復能力を発動し、戦況を振り出しへ戻していった。

爪態変化と追い詰められるハク

続いてメガデスは「爪態変化」を発動し、巨大化した両前足を武器に攻撃を開始した。

空間転移によって爪を瞬時に移動させる攻撃は凄まじく、ハクは何度も切り裂かれ、クレナも防戦一方へ追い込まれる。

クレナは「天の恵み」で傷を癒し続けたが、ハクは次第に焦りを見せ始め、回避が乱れていった。

それでもハクはクレナを守るために前へ出て、攻撃を受け止めながら再び一体となって戦おうとした。

メガデスは、その絆を理想的な乗り手と竜の関係だと認めながらも、幼竜であるハクにはまだ精神的成長が足りないと告げた。

調停神ファルネメスの介入

戦況が絶望的になった時、突如として調停神ファルネメスが現れた。

ファルネメスは、アレンと契約を交わしてこの場へ来たと説明する。契約内容は、アレンが毎日大量の牧草とモルモの実を提供する代わりに、ファルネメスが一度だけクレナとハクと共に戦うというものだった。

メガデスは神の介入に困惑したが、時空神デスペラードから許可が下りたことで戦闘参加が認められる。

クレナがファルネメスへ跨ると、加護によって全ステータスが一万上昇し、クリティカル率と回避率も大幅に向上した。

三者連携による反撃

調停神の高速突進とクレナの「超突撃」、そしてハクの「業火の息」によって、メガデスは初めて本格的なダメージを受け始めた。

メガデスは鱗態、牙態、爪態を繰り返しながら攻撃を続けたが、クレナは戦いの中で、形態変化の直前には必ず動きが止まることに気付く。

その法則を見抜いたクレナは、次の変化タイミングを狙う作戦を立案した。

メガデスが再び爪態から牙態へ変化しようとした瞬間、ハクが両前足へオリハルコンの爪を突き立てて動きを封じる。

そこへ調停神の「超突撃」と、クレナの「真覇王剣」が直撃した。

メガデス撃破

形態変化中で動きを止めていたメガデスは、回避できないまま腹を貫かれ、さらに真っ二つに切り裂かれた。

巨大な体が崩れ落ちると同時に、魔導書にはメガデス撃破の記録と、クレナとハクがレベル九十九へ到達したことが表示される。

こうしてクレナとハクは、「鱗の門」を攻略することに成功したのであった。

第十二話 過去に交わされた契約

メガデス撃破後の歓喜

メガデスが地響きを立てながら左右に分かれて倒れると、クレナたちの前に巨大な扉が現れ、仲間たちが挑戦空間へ入ってきた。

ソフィーは真っ先にクレナとハクを労い、セシルや仲間たちも口々に2人の活躍を称賛した。

アレンは、メガデスの戦い方や判断の甘さ、クレナたちが形態変化の隙を狙うために戦術を変化させ続けたことなどを、興奮気味に分析し続けた。

透明な壁の向こうから戦いを見守っていたアレンは、手も出せず指示もできない状況にやきもきしていたため、調停神ファルネメスが到着した時には安堵していたのである。

だが、感想戦を延々と続けるアレンに対し、セシルは、こういう時は褒めるだけでいいのだと呆れながら止めに入った。

それを受けたアレンは、改めてクレナとハクの勝利を称賛し、神界へ行けると喜びを爆発させた。

ハクも誇らしげに頭を下げ、仲間たちは勝利の余韻に包まれた。

その後、調停神ファルネメスは契約履行を忘れないよう伝え、静かに去っていった。

アレンは、神界へ興味を示さず帰っていった調停神を不思議に感じていた。

転職と鱗の証の授与

続いて妖精竜の姿へ戻ったメガデスが現れ、約束どおり報酬を渡すと言い出した。

クレナとハクには転職の光が与えられ、クレナは星四つの「竜騎王」へ、ハクはランクSの次元竜へ進化した。

アレンはすぐに魔導書で確認し、2人の成長に満足する。

さらにメガデスから「鱗の証」も授与され、アレンは神界へ行けると大喜びした。

しかしその直後、メガデスは、神界へ行くにはまだやるべきことが残っていると告げた。

これにアレンとセシルは愕然とし、アレンは内心で強い苛立ちを抱いた。

時空神との契約の真実

メガデスは、三千年前に精霊王ファーブルと竜王マティルドーラが時空神デスペラードへ命乞いを行い、その代償として契約を結んだのだと語った。

精霊王には「試しの門」に挑戦者を導く役目が、竜王には「審判の門」に到達した者を試す役目が与えられていたのである。

ファーブルが沈黙を強いられていた理由については、メガデスも知らないと答えた。

その話を聞いたセシルは、時空神がアレンたちの未来を見通していたのだと気付く。

もし「審判の門」の存在を早く知っていれば、アレンは準備不足のまま挑戦していた可能性があり、その場合、クレナは調停神の加護を得られず、ハクも未熟な状態で戦わされていたはずだった。

アレンもその説明で納得し、帝都パトランタでの出来事や、調停神との出会いすら時空神の予見の中にあったのではないかと理解した。

竜王との最終試練

ソフィーが、この先に竜王との戦いが待っているのかと確認すると、メガデスはその通りだと認めた。

アレンは一度、戦わない選択肢を探ろうとしたが、「審判の門」を越えるには避けられない試練だと告げられる。

するとアレンは態度を一変させ、魔王に勝つためにはさらなる力が必要であり、時空神が新たな試練と報酬を用意してくれたのだと感激したふりを始めた。

メガデスはその演技を見抜きながらも呆れ、時空神へ確認を取りに行く。

その間、アレンは、竜王との戦いを乗り越えればさらに強化が得られるかもしれないと期待を膨らませていた。

やがて戻ってきたメガデスは、時空神が新たな報酬について了承したと伝える。

アレンは大げさに感謝を述べつつ、次は竜王との戦いの条件について聞き出そうと考え始めた。

こうしてアレンたちは、神界へ至る最後の戦いへ向け、再び準備を始めるのであった。

神殿への到着と竜王との対面

「試しの門」を攻略し終えた後、クレナとハクはS級ダンジョンでアイアンゴーレム狩りを続け、十三日後には十分な成長を遂げていた。

その後、アレンたちは神界へ向かうため、竜神の神殿を訪れた。神殿では武装した竜人たちが整列し、クレナとハクを迎え入れた。

しかし神殿内部へ進めるのは「挑戦者」と「乗り手」だけであり、アレンたちは外で待機を命じられる。アレンは動揺したふりを見せながらも従った。

実際には、アレンは十二日前から鳥Eの召喚獣を神殿へ潜入させ、竜王とメガデスの会話や神官たちへの命令を観察していた。竜王が神兵の潜伏を拒否し、正々堂々と戦う姿勢を見せていたことも把握していた。

やがてクレナとハクは、大広間で巨大な竜王マティルドーラと対面した。

クレナの葛藤と竜王の覚悟

竜王を前にしたクレナは、戦うべきか迷っていると打ち明けた。

セシルやシア、ローゼンヘイムの子供たちなど、魔王軍によって大切な人を奪われた者たちの苦しみを思い返しながら、強くなる必要性を語る。しかし同時に、竜王にも大切な存在がいるはずなのに戦わねばならない現実に涙を流した。

それに対し竜王は、自分もまた「大事な人」と再会するために生き続けてきたのだと告げた。そして神界へ至るには、自分もクレナたちと戦わねばならないと語った。

英雄アステルの再現

竜王がメガデスを呼ぶと、虹色の光から魔法陣が展開され、そこに英雄アステルが再現された。

アステルは、三千年前に竜王の乗り手だった英雄である。彼は状況を理解すると、クレナとハクに対して優しく接し、互いを思い合う良い竜と乗り手だと称賛した。

しかし竜王は、「審判の門」は譲れないと告げた。自らの道は自ら切り開かなければならず、それまで積み重ねた試練を無意味にしてはいけないからである。

その言葉を受け、クレナとハクは正式に戦いを受け入れた。

竜王と英雄との激突

戦闘が始まると、ハクは空中機動で竜王へ迫り、クレナはアステルへ斬りかかった。

だがアステルは巧みに攻撃を受け流し、竜王との連携でクレナたちを押し返した。さらに竜王とアステルは、それぞれ「アルティメット・ドラゴン・ロード」「アルティメット・ドラゴン・ライダー」という神技を発動し、圧倒的な強化を果たした。

竜王の炎のブレスは柱すら溶かし、アステルの槍技は遠距離からハクを打ち据えるほどだった。

それでもクレナとハクは諦めず、ハクの特殊なブレスで竜王の動きを鈍らせ、クレナは竜王の頭上へ到達してアステルと激突した。

しかしアステルの反撃は凄まじく、最後には神技「竜王貫通牙」によってクレナはオリハルコンの槍で腹部を貫かれ、床へ縫い止められてしまった。

ハクの暴走と覚醒

クレナを守ろうとしたハクは、竜王のブレスを背中に受けながらも彼女を庇い続けた。

その姿を見た竜王は、死が救いになることもあると語り、ハクを踏みつけて止めを刺そうとした。

しかしクレナが意識を取り戻した瞬間、ハクは覚醒スキル「竜の魂」を発動した。

ハクは全長百メートル級の巨竜へ巨大化し、全ステータスが大幅に上昇する代わりに、自我を失い凶暴化した。

暴走したハクは竜王へ噛みつき、超高熱のブレスで腹部を焼き裂き、神殿を揺るがす死闘を繰り広げた。

竜王も応戦したが、ハクの暴走は止まらず、互いの血が飛び散る凄惨な戦いとなった。

アステルの降参と決着

クレナが再び立ち上がると、アステルは彼女を支えながら降参を宣言した。

ハクが暴走したままでは竜王を失ってしまうと悟ったためである。

クレナは、ハクは自分の声なら止まれると信じ、必死に呼びかけた。するとハクは徐々に正気を取り戻し、元の姿へ戻っていった。

竜王は、自我を保ったまま暴走を抑え込んだハクと、それを導いたクレナの絆に驚愕した。

その後、竜王は、この戦いに敗れたことで神界へ行けなくなり、再現されたアステルとも別れなければならないと明かした。アステルはその事実を静かに受け入れた。

戦いの終結と神界への道

クレナは残っていた「天の恵み」をアステルへ渡し、竜王の傷を癒やさせた。

そこへ鳥Aの召喚獣を利用してアレンたちも転移してきた。アレンはクレナとハクの勝利を称賛し、神界へ行けるようになったことを喜んだ。

一方クレナは、自分たちは勝ったのではなく、竜王とアステルが譲ってくれたのだと語った。

アレンは、ハクの覚醒スキルや神技の強さを分析しながら、神界にはさらに強力な武具や力が眠っている可能性を考え始めていた。

やがて神官たちが大広間へ現れ、竜王が敗北したことを知って落胆する。だが、その様子を見たアステルは、満足そうに微笑んでいたのであった。

第十三話 開かれた世界

神界への資格と新たな転職

メガデスは戦いを終えたクレナとハクを労い、光を振りまいて新たな転職を施した。クレナは星5つの「竜騎帝」へ、ハクは「亜神竜」へ進化した。アレンは、ハクが神に近い存在へ成長しつつあることに興奮を隠せなかった。

その後、クレナは「爪の証」「牙の証」「鱗の証」を取り出した。メガデスが光を与えると、三つの証は「審判の門」に刻まれた竜の絵へ吸い込まれ、巨大な門がゆっくりと開き始めた。

門の向こうには白い靄と青空、浮遊する島々が広がっていた。アレンたちは、ついに神界へ至る道が開かれたことを実感した。

アステルとの別れ

「審判の門」が開く光景を前に、竜王マティルドーラはアステルと共に神界を見たかったと語った。

しかしアステルの身体は泡となって消え始める。彼は、自分は死者の再現に過ぎず、この再会は竜王が三千年もの間戦い続けた末に得られた奇跡だったと理解していた。

竜王は涙を流しながらアステルを見送った。誰もがその別れに沈黙する中、アレンだけは神界行きを優先して話を進めようとし、セシルに殴られた。

大軍勢の神界行き計画

アレンは以前から準備を進めており、勇者軍、ゴーレム軍、アレン軍を神界へ送り込む算段を整えていた。

メルスの転移によって、一万人を超える兵士たちが「審判の門」の前へ集結した。事情を知っていた勇者軍とゴーレム軍は歓声を上げたが、突然連れてこられたアレン軍は困惑していた。

メガデスは、試しの門を攻略していない者たちまで神界へ連れて行こうとしていることを問題視した。

しかしアレンは、全員を既に「試しの門」の門番領域へ転移させていたことを明かす。アレンは、攻略条件の抜け道を突く形で、全軍に参加資格を与えていたのである。

時空神デスペラードとの交渉

そこへ時空神デスペラード本人が現れた。

デスペラードは、理の抜け道を突いたアレンの行為を呆れながらも評価し、全員ではなく百人までなら神界への通行を許可すると告げた。

アレンはさらに報酬を要求し、クレナとハクへ竜王とアステルが使っていた神技を授けてほしいと願い出た。

時空神はそれを認め、クレナは「竜王貫通牙」の神技を、ハクは同名の覚醒神技を獲得した。アレンは、「試しの門」が単なる試練ではなく、神技習得を前提とした成長システムだったことを理解した。

さらにアレンは、セシルが魔法神イシリスの神殿へ入れるよう取り計らってほしいと頼み込み、時空神から神殿の鍵を受け取った。

聖鳥クワトロの加入

その後、「試しの門」で出会った聖鳥クワトロが現れた。

クワトロは、アレンという存在の器に興味を抱いたと語り、自ら召喚獣になることを申し出た。

アレンが聖獣石を差し出すと、クワトロはその中へ吸い込まれ、鳥Sの召喚が解禁された。アレンは、新たな召喚獣と神界という新フィールドに強い興奮を覚えた。

ファーブルの決断

神界へ向かおうとした時、ルークの頭上からファーブルが離れた。

ファーブルは、自分には「審判の門」を越える資格がないと語った。三千年前に死んでいったダークエルフたちが、それを許さないだろうと考えていたのである。

さらにファーブルは、大精霊ムートンへ、これからはルークを守ってほしいと頼み、自分はここで別れるつもりだった。

しかしルークはファーブルを抱え上げ、文句を言わず一緒に行くぞと告げた。涙をこらえながら歩き出すルークの姿を見て、ファーブルも涙を流した。

神界への出発

クレナはハクに乗り込み、新たな冒険の始まりを宣言した。

アレンもまた、仲間たちへ神界行きを呼びかけながら走り出した。仲間たちはその後を追い、「審判の門」の先へ進んでいく。

その光景を見つめながら、精霊神ローゼンだけは表情を引き締めていた。神界には、さらに大きな試練が待っていることを知っているかのようであった。

暗黒神アマンテの哄笑

紫色の木々に囲まれた赤黒い丘の巨大な城では、暗黒神アマンテが哄笑を響かせていた。彼女は、時空神デスペラードが人族の青年に言い負かされる様子を愉快がり、神界の神々を嘲笑していた。

アマンテは、黒髪黒目の人族の青年が、エルフやドワーフ、獣人、竜まで従え、奇妙な術を使って神界への門を開いたことを語った。そこへ巨大な首だけの魔族も応じ、その青年に興味を示した。さらに、彼の愛馬ファルネメスまで力を貸していたことが明かされた。

暗黒騎士イルゼの報告

そこへ暗黒騎士イルゼが帰還し、暗黒神アマンテへ報告を行った。

イルゼによれば、「歪み」の発生件数は急増しており、街の近くにも現れるようになっていた。また、歪みの周辺では行方不明になる魔族も出ているという。

アマンテは、何者かが裏で動いている可能性を察した。そして自ら空間へ暗闇の穴を作り、人間界へ干渉しようと試みたが、時空神デスペラードの結界によって阻まれていることを確認した。

その様子を見た魔族たちは、神の力を前に震え上がっていた。

狂乱の時代の始まり

アマンテはイルゼへ異変の監視を命じた後、黒髪の青年――アレンへ意識を向けた。

彼女は、ついに時が動き始めたと確信し、狂乱の時代と舞踏会の始まりを歓喜していた。

アレンもまた、どこからか視線を感じ取ったかのように訝しげな表情を見せたが、その瞬間、暗黒神アマンテはさらに狂気じみた哄笑を響かせたのであった。

特別書き下ろしエピソード 漆黒の邪竜との戦い①

魔王の異変と魔神の捕食

白亜の宮殿では、魔王が恐怖に震える二体の魔神を次々と捕食していた。逃げようとした魔神も、恐怖で動けなくなった魔神も、魔王に抱き込まれた瞬間に肉体を潰され、そのまま腹の巨大な口へ呑み込まれていった。

しかし、二体を平らげても魔王の苦しみは収まらなかった。プロスティア帝国で「邪神の尾」を喰って以降、魔王の身体は異常をきたしており、真紅の髪には灰色が混じり始めていた。さらに体中の皮膚の下では、人間の顔が苦悶しながら浮かんでは消え、魔王は激しく身体を掻き毟っていた。

キュベルとオルドーの対立

上位魔神キュベルは、魔神では効果がなかったため、神界侵攻時に攫ってきた天使を試してはどうかと提案した。これに対し、魔王軍総司令オルドーは、「化身計画」のために天使が必要だと反論したが、魔王は苛立ちながら天使を連れて来るよう命じた。

その後、キュベルは竜神の里から「霊力」の放出が観測されたことを報告した。それは誰かが「審判の門」を開いた証であり、キュベルはその人物がアレンであると断言した。

魔王は、アレンを放置している理由を問い詰め、神界へ攻め込んで潰すべきではないかと怒りを露わにした。しかしキュベルは、神界へ行った程度ではすぐ強くはならないと考えており、それよりもアレンたちが不在の間に中央大陸の勢力拡大を優先すべきだと主張した。

最終的に魔王は判断をキュベルとオルドーへ委ね、自身は苦痛に耐えながら玉座へもたれかかった。

忘れさられた大陸とドライゼン

その後、キュベルとオルドーは「忘れさられた大陸」へ転移した。そこには巨大な洞窟が存在しており、二人はそこに潜む六大魔天の一角・ドライゼンを訪ねた。

ドライゼンは「審判の門」が開かれたことを既に察知していた。そして新たな挑戦者が現れ、「試しの門」を突破したのだろうと推測していた。

しかし、キュベルはドライゼンへ竜神の里へ向かうのではなく、引き続き人間界を攻め滅ぼすよう命じた。オルドーが命令違反を許さぬ態度を示すと、ドライゼンも従う姿勢を見せた。

さらにキュベルは、将来的に竜神の里を任せる可能性を匂わせた。その言葉に歓喜したドライゼンは、世界を焼き尽くすと宣言し、洞窟から姿を現した。

現れたのは、巨大な翼を持つ漆黒の巨竜だった。ドライゼンは天へ向かって咆哮を轟かせ、その凶悪な存在感を周囲へ示したのであった。

ヘルモード外伝 5.5話 幕間 徴税と権利

町外村への支援活動

創造神エルメアから「勇者」の「才能」を授かったヘルミオスが、ハウルデン領の「才能塾」で暮らし始めて二ヶ月が経っていた。

ハウルデン周辺では、魔王出現後に増加した魔獣によって農村が壊滅し、多くの避難民が町へ流れ込んでいた。しかし、町は許可証や資金を持たない避難民を受け入れず、彼らは防壁外に「町外村」を築いて暮らしていた。

町外村は劣悪な環境に置かれており、ヘルミオスはそれを放置できなかった。そのため、ガッツン、ドロシー、エナと共に、休みの日は町外村周辺で魔獣狩りを行い、肉や魔石を届ける活動を続けていた。

ビッグバードとの戦闘

その日も四人は草原を進み、巨大な鳥型魔獣ビッグバードを発見した。ヘルミオスは慎重に接近しようとしたが、ガッツンが枝を踏み、魔獣へ気付かれてしまう。

ヘルミオスは即座に飛び出し、エナの援護射撃で隙を作ると、ビッグバードの足を斬り落とした。その後、弱ったところへ止めを刺し、討伐に成功した。

戦闘後、ヘルミオスの前には仮想窓が現れ、経験値取得の表示が出た。また、ガッツンのレベル上昇も確認できた。ヘルミオスは仲間たちへ仮想窓の存在を伝えるべきか悩み続けていた。

焚き火とドロシーの魔法

川辺でビッグバードを解体した四人は、昼食の準備を始めた。しかし湿った枝には火がつかず、そこでドロシーが新しく習った火魔法を試した。

ドロシーが魔法陣を展開して放った「ファイアーボール」により、枝は燃え上がった。ヘルミオスはその時、ドロシーが「火魔法」を取得可能になったという仮想窓の表示を目にしたが、本人には伝えず「取得しない」を選択した。

町外村での治療と対立

夕方、町外村へ戻った四人は、住民たちから感謝を受けた。魔石は行商人との取引に使われ、肉は住民たちの貴重な食料となっていた。

その時、熱を出した幼児を抱えた女性が現れる。ヘルミオスは迷わず回復魔法を使い、さらにビッグバードの肉まで渡した。女性は涙を流して感謝した。

しかし、ドロシーはヘルミオスを広場の隅へ連れていき、人を癒す魔法を無償で使うことは、エルメアの教えに反すると指摘した。

ヘルミオスは、自分は神官ではないと反論したが、ドロシーは「才能」も神から授かった力なのだから同じだと訴えた。

そこへガハト村長が現れ、自分たち大人が無力であるせいで子供たちへ頼らざるを得ない現状を謝罪した。町外村には教会へ駆け込む余裕すらなく、ヘルミオスの治療によって実際に死人が減っていることも語られた。

ヘルミオスは、もっと魔獣を倒して金を稼ぎ、村を救えばよいと考えを口にした。しかし、ガハト村長は複雑な表情を浮かべたままだった。

その後、新たな避難民が町外村へ来たとの報告が入り、ガハト村長は去っていった。ヘルミオスは、どうすればこの村を本当に救えるのか分からないまま、それでも何か方法を見つけたいという思いを強くしていくのであった。

電子書籍特典 ペロムスの結婚式会場②

ペロムスとフィオナの王城招待

商人ペロムスが「マクリスの涙」を手に入れ、フィオナとの婚約を果たしてから数ヶ月が経っていた。二人はヘビーユーザー島への移住や結婚式の準備を進めていたが、プロスティア帝国での功績が五大陸同盟への貢献と認められた結果、結婚式は王城で執り行われる方向へ話が大きくなっていた。

その後、魔王による宣戦布告騒動を経て五大陸同盟会議が終了した二月、ペロムスとフィオナはラターシュ国王インブエル三世への謁見を許された。同行者にはグランヴェル伯爵やゼノフ騎士団長、両家の父親たちも加わっていた。

応接室での不安と大臣たちの忠告

応接室で待機する中、ペロムスとフィオナは極度の緊張に包まれていた。グランヴェル伯爵は既に話は進んでいると安心させようとしたが、平民である二人にとって国王への謁見そのものが現実感のない出来事だった。

そこへ内務大臣と外務大臣が現れた。二人は、国王からの話に対してペロムスが「よろしくお願いいたします」とだけ答えるよう強く念を押した。さらに、ローゼンヘイムのレノアティール女王が同席すると聞かされ、一同の緊張はさらに高まった。

その後、ペロムスたちは役人たちに導かれ、謁見の間ではなく豪華な応接室へ通された。緊張で震えるペロムスは、同じく震えていたフィオナに手を握られたことで気持ちを落ち着かせ、二人並んで部屋へ入っていった。

国王とレノアティール女王との会談

部屋ではインブエル国王とレノアティール女王が待っていた。国王は堅苦しい挨拶を制し、まず茶会を始めようと提案した。給仕たちによってローゼンヘイムの茶菓子が振る舞われたが、ペロムスとフィオナは緊張で味が分からないほどだった。

やがてレノアティール女王は表情を改め、先日の五大陸同盟会議について語り始めた。魔王が「恐怖帝ゼルディアス」を名乗ったことや、ギアムート帝国の報告の遅れが諸国の不信感を招き、五大陸同盟が崩壊しかねない状況になっていると説明した。

さらに女王は、アルバハル獣王国での功績を含め、ペロムスが人と人を繋ぐ力を持つ商人であると高く評価した。その言葉に、デボジとチェスターは感激して目を潤ませた。

五大陸同盟会議での結婚式提案

ペロムスは女王の話から、二人の結婚式が五大陸同盟の結束を深めるために利用されようとしていることを察した。レノアティール女王はその推測を認め、次回の五大陸同盟会議をローゼンヘイムで開催し、その場で二人の結婚式を行いたいと告げた。

これまでの会議では兵器展示や武術演武など士気高揚の催しが行われてきたが、今回は対立を和らげる象徴として、人々を結びつける結婚式を利用したいというのが女王の考えだった。

女王が返答を求めようとした時、インブエル国王が割って入り、ここで即答するのがラターシュ王国の商人の心意気だと強く迫った。ペロムスは観念し、フィオナとの結婚式をローゼンヘイムで行うことを正式に受け入れた。

その返答を聞いたレノアティール女王は大いに喜び、世界樹の麓で世界中の人々に祝福される式になると語った。しかし、事態の大きさを理解したペロムスは、顔を伏せながら、どうしてこうなったのかと呟くのであった。

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