漫画感想(ネタバレ)「神統記(テオゴニア) 1巻(1話~9話)」

漫画感想(ネタバレ)「神統記(テオゴニア) 1巻(1話~9話)」

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どんな本?

『神統記(テオゴニア)』は、谷舞司による異世界転生ファンタジー作品である。人族の土地に攻め入る灰猿人(マカク)族や豚人(オーグ)族などの亜人種から村を守るため、少年カイは戦場に立つ。日々繰り返される争いの中、カイは突如「前世の記憶」を思い出し、この世界より進んだ高度な知識を得る。新たな力に目覚めつつあったカイだが、豚人族との戦いで致命傷を負い、物語が展開していく。

主要キャラクター

  • カイ:ラグ村の少年兵。戦いの最中に前世の記憶がよみがえり、高度な知識と新たな力を得る。
  • ジョゼ:ラグ村領主の娘で、加護持ち。アルビノで白髪赤目の美少女。
  • オルハ:ラグ村領主の息子で、加護持ち。
  • ヴェジン:ラグ村の領主で、土地神の加護持ち。

物語の特徴

本作は、異世界転生と前世の記憶をテーマに、主人公カイの成長と戦いを描くダークファンタジーである。人類、亜人、神々が交錯する独特の世界観と、過酷な運命に立ち向かう少年の姿が読者の興味を引きつける。また、前世の知識を活かした戦術や魔法の描写が他の作品との差別化を図っている。

出版情報

  • 出版社:主婦と生活社
  • 発売日:2018年11月30日発売
  • ISBN:978-4-391-15255-5
  • メディア展開:2025年4月よりテレビアニメが放送予定

読んだ本のタイトル

神統記(テオゴニア)
漫画:青山俊介 氏
原作:谷舞司 氏

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あらすじ・内容

この異世界、まさに「無理ゲー」。
小説家になろう発・衝撃の転生ファンタジーがついにコミカライズ!

人族の土地に攻め入る灰猿人(マカク)族、豚人(オーグ)族ら
亜人種から村を守るため、戦場に立つ少年・カイ。
日々繰り返される争いのさなか、カイは突如「前世の記憶」を思い出す。
それはこの世界より進んだ高度な知識をもたらすものだった。

無事に村に戻ったカイは、記憶を辿り新たな力に目覚めつつあったが、
その矢先、豚人族との争いで致命傷を負って……。
人類・亜人と神々が交わる世界で、少年の戦いと成長の物語が幕開ける!

描き下ろし番外編や、原作者書き下ろし小説も収録。

神統記(テオゴニア)

感想

少年カイは、灰猿人族との戦闘で命をかける日々を送る兵士。
ラグ村に住む人々は他種族との戦いに苦しみ、日常は過酷そのもの。
戦場では槍を手に戦い、傷つきながらも生き延びるための力を求め続ける。
やがてカイは、撤退戦のさなかに味方に見捨てられながらも戦い続けた末、土地神の加護を得る。
それによって彼の運命は大きく変わり、亜人との戦争のただ中で新たな力を目覚めさせていく。
しかし、加護を得たとしてもこの世界は優しくなく。
飢え、寒さ、戦闘の恐怖が常に付きまとう中、カイは己の生きる意味を探し、戦い続ける。

総括

本作は、戦場に立つ少年が成長していく物語であった。
異世界転生ではないが、前世の記憶を持つことで文明の違いを強調し、この世界の厳しさを伝えていた。
カイの生き方は非常に泥臭く、過酷な環境の中で生きる者の視点が細かく描かれていた。
また、亜人との戦争を通じて、単純な正義と悪の対立ではない物語が紡がれるのも興味深い。

特に印象に残ったのは「神石」を摂取することで力を得る設定であった。
亜人の体内にある神石の髄を食すことで身体が強化されるという描写は独特で、物語に深みを与えていた。
単なる成長ではなく、異質な力を取り込むことで生き残るという設定が、過酷な世界観をより際立たせていた。
この描写が物語に独自の緊張感を生み、単なる戦闘描写にとどまらないドラマを生み出していた。

絵柄については、本編の作画は読みやすく、戦闘シーンの迫力も十分に伝わって来た。
キャラクターの表情や動きも細かく描かれ、物語の重みをしっかりと支えていた。
また、細かな背景描写によって村の貧しさや、戦場の泥濘などがリアルに伝わってくるのも好印象であった。

しかし、この世界の文明度の低さには衝撃を受けた。
娯楽がほぼ皆無で、食事も味付けがほとんどされないという生活環境は、現代人にとってはかなり厳しく感じられると思われる。
この過酷な環境を受け入れながらも、カイが少しずつ強くなっていく様子には引き込まれていった。

物語はまだ序盤であり、今後どのように展開していくのかが楽しみであり。
カイの成長や、新たな敵との戦い、村の発展など、気になる要素は多い。
この世界でカイがどのような選択をしていくのか、次巻以降も注目したい作品である。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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備忘録

1話

泥濘の戦場と少年の試練

雨上がりを思わせる泥濘の中、少年カイは仲間と共に灰猿人族と対峙していた。
この泥濘は雨ではなく死者の血と体液によるものであった。
カイは直感で身を投げ出し、巨大な石礫の直撃を回避した。
仲間たちと共に槍を構え、敵の足元を狙う戦術で灰猿人族と戦ったが、敵の攻撃により体勢を崩し、槍を手放すこととなった。
それでもナイフを手に取り、必死の覚悟で灰猿人族の喉を突き上げたが、敵に跳ね飛ばされてしまった。

勝利と援軍の到来

カイが地に伏している間、隣村からの援軍が到着し、戦況が人族に有利に傾いた。
強力な領主家の戦士オルハが現れ、灰猿人族の名高い戦士と対峙した。
壮絶な戦いの末、灰猿人族は撤退を余儀なくされた。ラグ村の軍勢は勝利を収めたものの、多くの犠牲を払った。

2話

神石の収穫と再生の希望

戦場で倒した灰猿人族から「神石」を回収する作業が始まった。
カイたちはその神石の髄を体内に取り込み、力を得た。
この世界では「神石」の摂取が強さの象徴であり、兵士たちの疲弊した心と体を癒す大切な行為である。

帰還と失われた命

戦いを終えたラグ村の軍勢は、仲間の亡骸を伴い村へ戻った。
カイもまた荷車に乗せられ、その揺れの中で戦場の疲労と喪失感を噛み締めた。
13歳の少年カイは、何度も繰り返される殺し合いの中で心がすり減りながらも、生き延びる希望を見いだしていた。

ラグ村の概要と領主モロク家

ラグ村は人口約1000人の貧しい辺土の村であり、周囲には痩せた農地と家畜が点在していた。
村を囲む高い石壁は、亜人種族からの攻撃を防ぐために祖先たちが築き上げたものである。
領主モロク・ヴェジンは「鉄の牡牛」と呼ばれる武勇に優れた人物で、訓練場で兵士たちの模範を示し、統治者として村の防衛に貢献していた。

兵士カイの日常と飢え

13歳の少年カイは負傷で一時的に訓練を免除されていたが、食事は兵士として十分に与えられず、空腹に苦しんでいた。
仲間のマンソから岩苺を分け与えられるが、それでもカイの栄養不足は深刻であった。
彼は訓練を見学しながら、次なる戦いに備える必要性を感じていた。

試みた魔法と危機

早朝、カイは「火魔法」を試すべく集中すると、指先に小さな炎を灯すことに成功した。
しかしその代償は大きく、体力を著しく消耗したうえに火を消すことができなかった。土で消火を試みたが、炎は燃え続け、カイは追い詰められた。

カイは必死に火を消そうと念じ、水路を閉じるようなイメージで生命力の流れを遮断した。
その瞬間、火は消えたが、カイは力尽きてしまった。
そこにカイに出撃命令が降りる。

3話

新たな戦いへの出発

ラグ村はバルター辺土伯からの招集命令を受け、救援部隊を編成した。
傷が癒えぬカイも部隊に加わり、強行軍でバーニャ村近郊へ到着。
侵入してきた豚人族との戦いを控え、雑兵たちは不安を隠せなかった。
連合軍は700人を超え、豚人族を討つために森の中へ進軍した。

豚人族との壮絶な戦闘

豚人族との戦闘は予想通り凄惨を極めた。
森という不利な地形の中、槍衾を活かしきれない連合軍は苦戦を強いられた。
特に豚人族の巨大な体と圧倒的な力が兵士たちを圧倒し、多くの犠牲を出した。
カイは苦境の中でも生き延びるために奮闘し、この過酷な戦場で自らの成長を模索していた。

豚人族の策略と領主連合軍の大敗

豚人族は狡猾な策略を用い、領主連合軍を湿地帯へ誘い込んだ。
湿地に足を取られた連合軍は蜥蜴人族の縄張りに追いやられ、背後を脅かされる形で混乱に陥った。
その間隙を縫い、豚人族の主力が襲撃を開始。戦場は混乱を極め、加護持ちのオルハも判断を誤り、雑兵たちは散り散りに逃走した。

カイの逃走と生死を賭けた戦い

カイは追っ手を振り切れず、豚人兵に脇腹を刺された。
絶体絶命の状況で魔法を行使し、豚人兵を倒すことに成功するも、崖から落下して意識を失った。
奇跡的に湖の水に助けられた彼は、傷を治癒魔法で癒そうと試みたが、霊力の不足に直面し、豚人兵の神石を利用して生命力を補った。

5話

バーニャ村の裏切りと領主会合

戦闘後、バーニャ村の領主ピニェロイが豚人族との取引のために連合軍を罠にはめた事実が発覚した。領主会合でピニェロイは処刑され、その加護は娘に引き継がれるべきであったが失敗。バルター伯はバーニャ村を後見する隣村に委ねることを決定した。

豚人族の残虐行為と新たな戦闘

豚人族は村に女性たちの首を投げ込み、村人たちを激昂させた。
直後に豚人族との戦闘が再開され、人族と亜人族の間でさらなる血の応酬が繰り広げられる運命が決定づけられた。

霧の晴れた谷とカイの目覚め

カイは大木の根元で目を覚ました。身体の傷がすっかり癒えており、奇跡的な回復に驚く。
霧が晴れた谷底は美しく、澄んだ湖と古びた墓所の存在が明らかになった。
カイはその碑文を掃除しようと火魔法を使ったが、予想以上の威力で燃え広がり、碑文を煤だらけにしてしまった。
魔法の消費量が以前と比べ大幅に増えていることに気づき、成長の要因を考察する中で、自身が土地神の「加護」を受けた可能性に思い至った。

6話

豚人族との激戦と人族の勝利

同じ頃、バーニャ村では人族と豚人族の凄惨な戦いが続いていた。
互いに多くの犠牲を出しながらも、人族は豚人族の加護持ちを倒し、戦況を優位に進めた。
最終的に豚人族が撤退し、人族の勝利が確定。
バルター辺土伯の勝利宣言が響き渡り、戦場には歓声が広がったが、多くの兵士たちは仲間の捜索と死者の回収に追われた。

ラグ村兵士たちの苦境とカイの帰還

ラグ村の兵士たちは、戦闘で大きな損害を被り、多くの行方不明者を抱えていた。
戦いの責任を巡る不満がオルハに向けられる中、仲間たちは次第に厳しい現実に疲弊していた。
そんな中、行方不明だったカイが笑顔で仲間の元に戻った。
豚人族の手斧を軽々と振り回し、仲間たちに明るく声をかけた彼の姿は、一瞬の安堵と希望を皆にもたらした。

鳥の声と畑仕事

カイは鳥の声を聞き、空を見上げてその主を探したが、姿は見当たらなかった。同僚たちに叱られながらも、心に谷で聞いた鳥の声が蘇り、衝動的に谷へ行きたいという思いに駆られた。

7話

その高揚感を鋤で土を掘り返す作業にぶつけ、急激に進化した力を見せつけた。
村人たちはその働きぶりを称賛し、カイ自身は得意げに鼻を鳴らしつつも特に不満を感じていなかった。

戦場で得た成長

カイの怪力は、戦場での経験と「神石」を食べたことで得た急成長によるものだと装った。
彼はそれを咎められることもなく、村の中で有望株として認識され始めた。
一方、カイはまだ若く、周囲から向けられる異性の視線や変化に気付かないままであった。

兵士としての訓練

午後の槍の調練では、カイの成長した技量が目立つようになった。
彼の鋭い動作は上級者の目にも留まり、直接指導を受ける機会が増えた。
班内では実力者マンソと並ぶ存在となったが、彼自身はその立場を心地よく受け入れ、控えめに振る舞うことでバランスを保った。

8話

だが、当主とパスコとの模擬戦を観て、加護を得ている当主と自身の力の差を考察する。

食事では当主と比べると少量なのを悔やむカイ。
それが女性たちの目に留まり、配膳時にカイを贔屓する動きが見られるようになった。
その結果、カイの皿に盛られる料理の量が他と比べて明らかに多くなり、仲間からは気まずい視線を向けられることとなった。

食事中に、オルハと白姫の土地神の祠が他の勢力に占領されてるせいで2人の加護が弱っていると話題になる。
その祠のある場所は、カイの生まれ故郷だという事も発覚する。

9話

谷への衝動

夜、カイは衝動に駆られ、村を抜け出して谷を目指した。
驚異的な身体能力を駆使し、谷に到着するとそこに広がる絶景に感動した。
湖に飛び込んで自由に泳ぎ、谷の静寂と自然の美しさに心を癒された。

谷での祈りと決意

谷底にある土地神の墓を磨き、花を供えたカイは、この場所への深い愛着を感じていた。
帰還前に墓前で祈りを捧げ、谷を自分の「特別な場所」とする決意を固めた。

材木の伐採と魔法の試行錯誤

小屋建築に必要な材木を求めて、カイは谷外の森林で伐採を始めた。道具を持たない彼は魔法を試しながら木を切る方法を模索し、最終的に「概念の剣」を用いて木を倒すことに成功した。しかしその過程で大きな音を立て、周囲に迷惑をかけてしまった。

蜥蜴人との遭遇と対話

伐採中に発生した音が原因で、近隣の蜥蜴人族が現れた。
蜥蜴人たちは初め、警戒しながらも敵意を示さず、カイと対話を始めた。
彼らは谷を恐ろしい神「***」の住処と信じており、その話を聞いたカイは驚きを隠せなかった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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